環境問題アニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の環境問題成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月29日の時点で一番の環境問題アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.7 1 環境問題アニメランキング1位
平成狸合戦ぽんぽこ(アニメ映画)

1994年7月16日
★★★★☆ 3.6 (520)
3339人が棚に入れました
東京・多摩丘陵。のんびりひそかに暮らしていたタヌキたちは、ある時、エサ場をめぐって縄張り争いを起こす。原因は人間による宅地造成のため、エサ場が減ってしまったから。このままでは住む土地さえ失くなってしまうと、タヌキたちは開発阻止を目論み、科学の発達した人間たちに対抗するため先祖伝来の″化け学″を復興させることとなった。化け学の特訓が始まる一方、四国や佐渡に住むという伝説の長老たちへも援軍を頼む使者が向けられた。かくして人間たちが露とも知らぬ所でタヌキたちは勝手に蜂起した。

声優・キャラクター
野々村真、石田ゆり子、三木のり平、清川虹子、泉谷しげる、芦屋雁之助、村田雄浩、林家正蔵

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タマひゅん

ジブリ作品。
高畑勲監督。

多摩ニュータウン建設に伴い、山を追い出されそうになった狸と、人間の戦いを描いたアニメ。

ナレーションを落語家が担当していて、韻を踏んだリズムのよいものになっています。
聴いていて心地いいです。

さて、この作品は「環境問題」「自然との共生」というはっきりとしたテーマ性をもっています。
化け狸があの手この手で自分たちの住処を守ろうとします。
しかし、現実は甘くありません。
人間は次から次に湧いてきます。

どんなに苦労しようと、最後に残るのは寂しい結末。
それをどう受け入れるか、さまざまな視点で描いています。
そんなシビアさを持った作品です。

ただ、現在は放送当時(1994年)と違うんですよね。
エコや環境保護が当たり前になってきた昨今。
メッセージ性は薄れてきていると思います。
しかも、後になって同じジブリで同じようなテーマ性の「もののけ姫」が出ています。
余計に印象が薄くなるのは仕方がないです。

残念ながら時代とともに風化していくアニメ。
今見るとあまり心に響かない作品でした。
代わりに、やたらとタマタマを強調していたので、下半身には響きました。


たん たん たぬきの○○○○は
風もないのに ぶーらぶら

これって、元はキリスト教の讃美歌「まもなくかなたの」の一節だそうです。
その替え歌。
聖なる歌が性なる歌に。
ひどい話だ……。

投稿 : 2025/03/29
♥ : 46
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ちゃんと娯楽

映画館で観て以来通して観た事はありませんでした。
「ぽんぽこ」や「火垂るの墓」や「おもひでぽろぽろ」…力がある作品だけれど、何度も観てはいませんでした。
田舎や自然は大好きですが。この社会的メッセージが含まれる作品たちに愛着を持ってしまったとして、「コレは説教くさい、だから自然派は…」というザックリした見方をされた時に、自分は反論出来ない気がして。

「アイツ正しいこと言ってるのはわかるけど、説教くさくね?」と囁かれる優等生のクラスメイトを「そうかな…」とチラ見して「まあ私と特に親しい訳じゃないし…」と深く関わらないが如くでした。



久しぶりに通して観てみました。
狸達がどうなってゆくのかがあらかじめわかっているので、途中途中のぬか喜びや空騒ぎが、とても胸に痛く、ドキドキしながら観ていました。
しかし。
相変わらず人間は自然を壊し続けて酷い。地形のもつ質や循環を無視した開発、森林の適切な活用が出来ていないための荒廃、だから未曾有の災害も尽きないのだろうか。
…等々という真面目な視点は勿論再確認できたのですが、

それ以上に…
あー!この狸達みたいに!!
思いっきり何かに打ち込みたい!!
謳歌したい!!
むくわれなくったって、乗せられたって、やり切りたーい!!
時にアホみたいに喜怒哀楽に乗って騒ぎ、そして呑気にやっぱり踊り騒ぎたい!!
という、「思いっきり」の変幻自在な心地良いエネルギーをタンマリ浴びた気持ちになりました。ちゃんと娯楽でした。
狸いいなあ。

そして、人間社会で生き抜くようになった化け狸のように、それらしくいるために疲れている人や、何とかかんとかうまくやってるよ〜って人もいるんだろうな…なんて考えたりして。


優等生だけど、作品中に叩き込まれた“みんなで全力投球しようぜ!”って勢い(と狸独特の間抜けさ呑気さ)は中々観てて気持ちがいいものでした。

狸の敗因は、人間を楽しませてしまったことな気がします。狸自身も化けることが好きで楽しくて、プロジェクトに夢中になって。
ネタバレレビューを読む
そんな狸達は仲間の弔い中も、真剣にシンミリしようしとてても、喪の形式自体になんだか浮かれてきてしまうのが、スゲーなと思いました。打たれない。やはりシリアスになり切れない狸らの恐怖の薄さが敗因かなー。


人間の自然や動物に対する愚かさが突き刺さる点では「河童のクゥと夏休み」が勝りますね。
私は自然好きなので、もっとみんな自然好きになってしまえばいいのに(特に田舎の人ほどもっと)、とは常々思いますが。
別に茅葺屋根の家に住んでかまどでご飯炊くべきとは言わないけど、ゴミをポイ捨てしないとか、日常生活で使うものが何から出来ているのか考えてみるとか、除草剤撒かないとか…いかん説教くさくなっちまう…

夏も終わりだけど、狸気分で秋はじめの生活に入ろうと思えました。

投稿 : 2025/03/29
♥ : 35

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ジブリの狸映画。

昭和の日本を描いた多摩地域の狸と人間たちとの闘いを描いた高畑監督のジブリ映画。
これも名作として知られる映画です。
狸たちは変化の術を使えて、いろいろ変化の術を使いながら人間の開発をやめさせようとしていきます。
劇中の日本の描写が昭和の日本を描いて、ブラウン管の回してチャンネル変えるテレビも懐かしさを感じます。
最初から最後まで楽しめる、エンタメとしてのジブリ映画です。

投稿 : 2025/03/29
♥ : 18

66.7 2 環境問題アニメランキング2位
つみきのいえ(アニメ映画)

2008年10月4日
★★★★☆ 3.7 (224)
960人が棚に入れました
海面が上昇したことで水没しつつある街に一人残り、まるで「積木」を積んだかのような家に暮らしている老人がいた。彼は海面が上昇するたびに、上へ上へと家を建て増しすることで難をしのぎつつも穏やかに暮らしていた。ある日、彼はお気に入りのパイプを海中へと落としてしまう。パイプを拾うために彼はダイビングスーツを着込んで海の中へと潜っていくが、その内に彼はかつて共に暮らしていた家族との思い出を回想していく。

声優・キャラクター
長澤まさみ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

老人と海

今にも水没してしまいそうな世界で、
老人が1人暮らしている。
彼は街の水面が上昇するたび、
積み木を積み上げるように部屋を造り、
思い出の写真を眺めパイプを燻らす。

海に潜る。
静かにそっと心の奥底にある大切な記憶。
人生とは思い出を上書きするものではなく、
またひとつと積み重ねることだ。
時には消し去りたい辛い記憶もある。
辛い記憶は時間が解決してくれるのだろうか。

光を、もっと光を。

小さなことに目を配る。
小さなことひとつひとつに愛を込める。

世界の見え方が変わる。
希望はたしかにそこにあるのだ。

素敵な絵本を見つけました。

投稿 : 2025/03/29
♥ : 51

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

言葉など必要ないんだ。充分伝わるから。

静かに流れる時間、
ときどき流れる穏やかな音楽。
海の底に沈んだ、おじいさんの深い思い出と家族の歴史。
積み木を積んだような家は、人生そのもの。


2008年に発表された加藤久仁生監督による日本の短編アニメ。
音と映像だけでじっくり魅せる12分間。

日本語版では長澤まさみさんのナレーションが入るようだけれど、
正直言うと、ナレーションは必要ないんじゃないかと。
(もちろん、世界に伝えるためには必要な部分もわかりますが)


実はこの作品、自分の場合は絵本が先で。
だけどアニメーションで観たこの物語のほうがずっと、
心に深く刻み込まれている。
言葉がなくても充分、伝わるものがあるんだなって思った。

とても短いし、レヴューもあれこれ書かないほうがいいほどで。
ぜひ、まだ観てない方は一度ご覧になってください。

セピア色の濃淡、明暗が懐かしく、せつなく、
そしてやさしく包んでくれます。

投稿 : 2025/03/29
♥ : 40
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

12分で語る「人生」

2008年、加藤久仁生監督による短編アニメーション作品。
「La maison en petits cubes」というフランス語のタイトルがついています。

水に沈みゆく町に住む一人の老人。
彼は、レンガを積み重ねることで生活空間を作っていくが、あるとき、お気に入りのキセルを落としてしまう……。

同じ短編アニメーションの「rain town」と、似たような雰囲気があります。

「rain town」のレビュー → http://www.anikore.jp/review/404459/

CGで描かれた美術的な美しさや、臨場感が「rain town」の特徴。
色鉛筆で手描きしたかのような味のある動き、また、内容のわかりやすさが「つみきのいえ」の特徴。

ネタバレレビューを読む
過去を思い出すきっかけは、ふいに訪れるんですね。
そして、思い返し始めたらたら止まらない。
ネタバレレビューを読む

わずかな時間で表現する「人生」がテーマの作品。
短くも濃い12分間でした。

投稿 : 2025/03/29
♥ : 30

90.8 3 環境問題アニメランキング3位
風の谷のナウシカ(アニメ映画)

1984年3月11日
★★★★★ 4.2 (1972)
12673人が棚に入れました
極限まで発達した人類文明が「火の七日間」と呼ばれる最終戦争を引き起こし、瘴気(有毒ガス)が充満する「腐海」と呼ばれる菌類の森や獰猛な蟲(むし)が発生した。それから千年余り、拡大を続ける腐海に脅かされながら、わずかに残った人類は、古の文明の遺物を発掘して利用しつつ、細々と生きていた。腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアの戦乱に巻き込まれる。風の谷の族長ジルの娘であるナウシカは、運命に翻弄されながらさまざまな人々と出会い、自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして腐海と人類との共生の道を探っていく。

声優・キャラクター
島本須美、納谷悟朗、松田洋治、永井一郎、榊原良子、家弓家正、辻村真人、京田尚子
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

風の谷の伝説のナウシカ

「風の谷のナウシカ」原作既読
原作の壮大な物語の一部を切り取って映画化した作品です。

久石 譲さんの美しい音、旋律は風の谷のナウシカの完成度を完璧なまでに高めてくれています...

終末後の世界...
「腐海」と呼ばれる人間が住むことの出来ない毒の森が広がる世界は独創性に満ち溢れ圧倒されます。

腐海の毒が届かない「風の谷」に住むヒロインのナウシカ。

自然を愛し蟲の心を理解する彼女は腐海も含めた、この世界全体の共存を望み進むべき道を探します。

ナウシカは目に映るものばかりにとらわれず、自分の信じたものを大切にし、そして大切なものを守れる強さを持つ。
そんな優しさと強さを併せ持つナウシカは私の永遠の憧れ、私の中で不動のNo.1ヒロインです!

ネタバレレビューを読む

風の谷のナウシカの音楽は久石 譲さんが担当。やはり宮崎 駿さんと久石 譲さんのコンビは素晴らしい。


~久石 譲in武道館~
連れていってもらえたのは幸運でした。エントランスに「宮崎 駿」さんから久石 譲さんへ贈られた華やかな祝スタンドの花があり興奮しました!

久石 譲さんのピアノを聴き、音色、曲、同時に流されたジブリの映像に魅了されました。
音楽に対する情熱を目の前で受けとめ鳥肌が止まりませんでした。

中でも「風の伝説」「鳥の人」には特に強い思い入れがあります。
幻想的な光景が目の前に浮かび上がるようで、時に激しく素晴らしい曲です。
ストーリー、音楽共に長年に渡り愛され続けていくことでしょう…
このような素晴らしい作品を世に生み出してくれて本当にありがとうございます!

「思い入れ5つ星作品です!!」

投稿 : 2025/03/29
♥ : 113
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

そのもの青き衣をまといて・・・・<2015.10.17加筆、2017.1.13再視聴により大幅改定>

1980年代を代表するアニメ。
宮崎駿監督アニメ映画、最高傑作と評します。

最終戦争より1000年。
腐海により蹂躙されたファンタジックな世界を描く作品です。
地球・戦争・環境・人間など、いろいろなことを考えさせてくれます。

滅びへの道へ迷い込む愚かな人間。
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対局としてのナウシカ。
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一方の腐海。
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風の谷を命を賭して守るナウシカ。
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<2015.10.17加筆>
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投稿 : 2025/03/29
♥ : 71
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

どんなに絶望的な状況でも未来には希望があることを示した作品

この物語は宮崎駿監督の代表作です。

人類は、科学技術の進歩に対して精神の成長が追いつかないと、滅びの道をたどることになります。
だからこの物語は、強欲な人間が起こした戦争により、すべてが失われた後の世界を描いています。

ここでは、腐海(ふかい)という、美しくも恐ろしい自然が人類の脅威として存在します。
それは人類の愚かな戦争の結果、生まれた自然の森です。
そして、腐海でない土地にも微弱な毒が含まれており、農作業をするたびに体内に毒が蓄積され、人類は年々減少しています。

まさに未来に絶望しかない世界を、この映画は淡々と描いています。

しかし、ナウシカは、この映画における唯一の希望です。
彼女の純粋な心、勇気、強さ、それに自然と共存して生きていこうとする姿勢。それは、すさまじい個性です。見ていて共感が持てます。憧れる存在です。

ナウシカは、こんな絶望しかない世界でも、常に希望を抱いています。

私たちは、生きていれば必ずいくつかの不幸なことに遭遇します。
そんなときに嘆き悲しみ自暴自棄になるのか、それとも明日には希望があると信じて懸命にあがくのかで、その人の人生が全く違った色になります。

ナウシカは最後に奇跡を起こします。
もちろん彼女は超能力など持っていません。普通の少女です。
その普通の少女のひたむきな努力、勇気、行動力、愛情で奇跡が起きるのです。みんなが幸せになるのです。
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希望をもって一生懸命前向きに生きると、必ず良い未来が待っている。
この映画は、そう教えてくれています。


最後に、この映画に感動された方は、宮崎駿さんがつくられた童話(?)「シュナの旅」を読まれることをお勧めします。
この物語も、ナウシカのように絶望しかない世界で一筋の希望を持ちながら旅をする少年を描いています。

投稿 : 2025/03/29
♥ : 67
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