王女でファンタジーなアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の王女でファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番の王女でファンタジーなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.5 1 王女でファンタジーなアニメランキング1位
ブレイブストーリー[BRAVE STORY](アニメ映画)

2006年7月8日
★★★★☆ 3.6 (443)
2627人が棚に入れました
三谷亘(ミタニワタル)は小学5年生。どこにでもいるような、普通の少年だった。ある日、幽霊が出ると噂される"幽霊ビル"で、要御扉(かなめのみとびら)に出会う。そこを潜り抜けると、亘たちが住んでいる現世(うつしよ)とは違う不思議な世界・幻界(ヴィジョン)が広がっていた。数日後、夜中に目が覚めた亘は、気分転換に散歩に出かけたが、たまたま幽霊ビルで隣のクラスの優秀な転校生・芦川美鶴(アシカワミツル)が上級生に痛めつけられている現場に居合わせてしまう。助けようとした亘もまた暴力を振るわれるが、亘によって解放された美鶴は魔術を使って漆黒のバルバローネを呼び出した。そして、上級生に反撃する。最後には、バルバローネは上級生たちを飲み込み、消してしまった。夢としか思えないその光景が亘の心を掴む。そして美鶴は姿を消した。

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ザ・子供向け!

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。2時間の作品。原作未読。
 ボーイミーツボーイから始まる冒険ファンタジーです。キャラが立っていて、喜怒哀楽があって、ハッピーエンドであるなど、子供向けの要素がふんだんに織り込まれています。
 ややペースが早いかなという印象を受けましたが、小学生くらいの子供が2時間飽きずに見続けるためには、このくらいのペースでまくし立てる必要があるのかもしれません。現実世界における起承転結と、ファンタジー世界における起承転結が明瞭なので、分かりにくいという印象は受けませんでした。

 主人公のワタルも友人のミツルも、家族にトラブルを抱えていることが物語の基礎にあります。そしてワタルは、家族関係を取り戻し、ミツルを助けるために冒険を進めていきます。
 子供にとっての根源的な恐怖は、親の死にあると思います。次点として、家族との不和、友人の死や友人との不和といったところでしょう。もちろん大人にとっても同様の問題はあるのですが、子供の世界は大人の世界よりも圧倒的に小さいため、身近にいる家族や友人に関する問題の比重はかなり大きいものだと思います。そのために、作中では、ワタルと冒険仲間との人間関係をあまり描かずに、ワタルとミツルの行動原理である家族関係と友人関係を中心に据えたのだと思います。
 エンディングもハッピーエンドと言えるものですし、子供向け作品としては良作だと思いました。


 ただ、大人の視聴に耐えられるかというと、かなり厳しいものがあると思います。
 大人は、意識しているかどうかは別にして、状況に対する説明を必要としてしまいます。例えば、家族の不和という問題があったときに、子供なら「それはイヤだ」という感情だけで行動することが出来るのですが、大人は感情だけで行動することは困難です。「なぜそうなったのか」「解決策は何があるのか」など、行動するためにより多くの情報を収集しようとしてしまいますし、そのような思考から抜け出すことは出来ません。
 この作品では、家族関係のトラブルは冒険のきっかけに過ぎないものですし、ワタルとミツルの関係の描き方も十分であるとは思えません。主人公の成長の過程やそれ以外のストーリー全般についても説明に不足しています。掘り下げようと思えば掘り下げられるだけの題材は揃っていますが、そこに対する言及は非常に薄いという印象を持ちました。でも、それが悪いというのではなく、大人の行動原因としては不足しているが、子供が行動するには足りるものであるということなのだと思います。つまり、子供が分かる範囲で描いてあれば十分なのだというスタンスに立っているのでしょう。

 物語の最後で描かれるハッピーエンドも、大人にとってはあまり納得のできるものではありません。古典的な手法ですが、病院のシーンとかで「死んだ人に涙が落ちたら生き返った」みたいなものってありますよね。「思いが生んだ奇跡だ!」みたいなやつです。問題解決の方法として、原因と結果にミスマッチが起こってしまっているパターンです。この作品に使われているエンディングは、このような手法の亜種というべきもので、感情以外の情報を求めてしまう大人から共感を得るのは厳しいでしょう。
 ただ、個人的には、子供向けの作品としてはこれでいいのだと思います。ドラえもんでもポケモンでも、いわゆる子供向けを謳っている作品は、ご都合主義だろうが原因と結果のミスマッチだろうが何でも使って、全力でハッピーエンドを目指してもらいたいと思っています。また、こういう手法で満足できることが、子供の特権なのだと思います。大人は楽しめないかもしれないけど、子供なら確実に楽しめる。そういう意味では、この作品は子供向けとして成功したといえるのではないでしょうか。

対象年齢等:
 小学生くらいの、特に男の子に好まれる作品だと思います。
 これ以外の世代の方は、子供向けであることを十分に理解した上で視聴した方が良いでしょう。大人の視点で子供向け作品を見ても辛いだけなので、大人が大人として楽しむために見るのは推奨しません。子供の視点に立てば、楽しめる作品だと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3
ネタバレ

もふ(´-ω⊂゛) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

王道ファンタジー

ブレイブ・ストーリー
物語3.0 キャラ2.5 音楽3.5 作画3.5 声優3.0
原作未読の私でさえも「これはめちゃくちゃ省いただろ!」と思うような構成でした(毎回こんなこといってる気がします)。
1つ1つのエピソードが薄いし、動機もキャラ立ちも弱い。箇条書きのようなアニメ。原作の要点だけを集めてつなぎ合わせましたよみたいな感じです。
しかし、子供向けアニメとしてはテンポよくとんとん話が進んでいったほうが良いのかもしれません。大人が見ると少し薄っぺらく感じてしまい説明不足なところが多かったりしますが。原作の量からしてどう考えても2時間では足りないだろうと。テレビアニメでじっくりやるか、2部構成にでもしてやったほうがよかったのではないかと思えます。

{netabare}
物語3.0:
「運命を変えるため、異世界へ飛び込む!」といった王道ファンタジー。大学で習ったプロップの物語論にこれでもかというくらい忠実なお話でした。
1つ1つのエピソードをとして主人公が成長していく―。というのを想像していました。
しかし、あまりそんな感じは見受けられなかったです。制作側のテーマはそうなのだとは思ういますが、見終わったときに率直に「こいつ、何が成長したの?」と思ってしまいました。終盤のワタルの台詞から『当初は自分の希望を叶えることだけを考えていたワタル』が『自分の希望のためにすべてを犠牲にしようとしたミツルが滅ぶ姿』を通して『人生は(自分に都合のよいことばかりではないから)辛いことも受け入れていかなくちゃ!』という結論に至ったということになりますが。特に自分のことだけを考えていたワタルも描かれていませんし、つらいことも受け入れなければならないことを学んだ場面もない(急に言い出した)。主人公が苦悩する場面がほぼなく、謎の声?に受動的に動かされる存在となっていました。しかし、これは謎の声を援助者・委任者、はたまたトリックスター的存在だと置き換えれば、ワタルが受動的に踊らされていたのも仕方のないことだと考えられます。そうでなければ存在できなくなる物語も多くありますから(特にライトノベルの主人公なんかは周囲に振り回されることが多いと思いますし)。
とにかく、私としては大学でならった内容がそのまま体現されている(しかもわかりやすい)ようで分析対象としては面白いものがあるなと感じました。
ただ、いちアニメファンとしては少し物足りなかったかなと思う内容でした。

キャラ2.5:
個人的に2.5はまあ、普通なので。特になんとも思わないといったところでしょうか。
ただ、先ほども申しましたようにキャラ立ちは薄く魅力もあまり引き出せていないとは思いますが、プロップの物語論通り主人公、委任者、援助者、偽の主人公などなどがキレイに表れているなと。主人公=ワタル、委任者=お母さんを思うワタルの心又は謎の声、援助者=謎の声、偽の主人公=ミツルでしょうか。

音楽3.5
アクアタイムズの「決意の朝に」。めちゃくちゃ懐かしいです^^
すごくヒットしましたよね。私も小4?小5?当時は朝の会の歌がこれでしたよ。
余談ですが、「朝の会」は全国共通なんですかね。私は大分の出身なのですが。「朝の会」というのは、各クラスで行われる朝礼(ホームルーム)みたいなものです。以前にも大分では普通に使っていた「日課表」という言葉を使ったら通じなくて^^;標準語だと思っていたので驚きでした!訳すと「時間割」にあたるのでしょうか。日課表のプリントには「時間割」と書いてあるのに、口語的には「日課表」で会話してましたから不思議です。

作画3.5
ちょっと観たのと感想を書いている今が時間的に空いてしまいまして。メモ書きには作画3.5という風に書いてあるんですが、なぜ3.5なのかは書かれておらず。
たぶん良かったんだと思います。

声優3.0
ワタル役の方はお上手でしたね!感情の高まるシーンになるとやっぱりどうしてもプロの声優さんとは開きがでてしまうのですが、それでも上手でした!
そして大泉洋さんは何者なの!?めちゃくちゃうまいですよね、普通の深夜アニメとかに出ててもわからないかも!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
ネタバレ

らしたー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

そりゃねーよ…。あんまりですよ…。

なるほど。
評判が悪い理由がなんとなくわかった気がしました。


基本的には「世界への関わり方」を描いたお話だと、解釈しています。

小さい頃って、「自分が世界の主人公である」という考えに陥りやすくて、自分が願いを遂げるために世界があるんだ、という子供特有の独善感と、どうやって折り合いをつけていくかを、ビジョンにおけるワタルとミツルの行動を通して描きたいんだろーな、と。

目的のためには手段を選ばない(と自分にいいきかせて行動する)ミツルと、まるで流されるかのように世界(ビジョン)の要求に対応していくワタルとの対比をもって、あたかも視聴者に「どちらが正しいのか」の判断を迫ってくる構成をとっており、コレどうやって最後オチをつけるんだろうかと不安になっていたら、


{netabare}
「ピンポンピンポーン! 正解はワタル君でした!」
{/netabare}


というお話でした。

そりゃねーよ…。あんまりですよ…。

※以下、ネタバレで。

{netabare}
まあ、ワタルが勇者でミツルが黒魔術師な時点でイヤな予感はしてたんですが、ほとんど最悪といっていいくらいのダメな着地をしてしまったんじゃないかと。

最後の方で、心の葛藤を表現した「自分の影」との闘いがあるけれど、あの場面、どうしてワタルにだけフィーチャーするのかわからない。おそらくミツルは、ワタルとは逆に、「自分さえよければそれでいいの?」という心と対峙していたんでしょう?

ここを同列の重みで描かない時点で、ああ、すでに決まった答えを子供に教えてやるアニメなのね、とすごく悲しい気持ちになってしまった。

あの「影との戦い」こそが、テーマでしょうよ。

悩んで、疑って、自分を見失って、それでも最後に自分の意思で物事を選択しようと決意する、そのプロセスが大事なんでしょうが。「正解はワタル君でした!」って、もっとも安易で唾棄すべき着地点ですよ。正直、大人としてのバランス感覚を疑うレベルであります。

それだけならまだしも、輪をかけてずっこけたのは、最後の方で「つらくても運命を受け入れて自分で未来を作っていきたい」とか、唐突にまったく別のテーマが顔を覗かせるわけだけど…。


いやいや、そーいうお話じゃなかったじゃん?


「運命を受け入れる」なんてテーマは、最後の方の正味3分くらいしか描かれてませんがな。

もし、もしですよ、仮にそーいうのも副次的に描きたかったのであれば、あの噴飯モノのラストは絶対にやっちゃいけないことでしょうが…。全部ぶち壊しですよ。

とにかくも、伝えたいことがブレている、という、私がもっとも嫌うタイプの脚本です、これは。視聴された方が「イミフ~子供だまし~」って憤慨するのも、もっとも話ですよ。

ワタルの動機にしても、「家族を取り戻したい」なのか「母親を助けたい」なのか、どちらに動機のコアがあるのかも曖昧なまま進行しちゃうしなあ。
{/netabare}

まあ、「未知なる世界で大冒険!」ていうファンタジーものとしてのみの評価であれば、悪くはないんじゃないでしょうか。

それ以外の見方をすると、これはちょっと厳しい…。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

74.6 2 王女でファンタジーなアニメランキング2位
クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険(アニメ映画)

1996年4月13日
★★★★☆ 3.9 (262)
1631人が棚に入れました
しんのすけたちは幼稚園の春の遠足で、新しくできたテーマパーク“群馬ヘンダーランド"へ出掛けた。ふとした拍子にみんなとはぐれたしんのすけは、サーカス小屋のテントに迷い込み、そこで檻に入れられた可愛い女の子を見つける。彼女はメモリ・ミモリという異次元王国ヘンダーランドの王女で、オカマ魔女のマカオとジョマによって閉じ込められてしまったのだった。王女を助けようとしたしんのすけだったが、オカマ魔女の手下クレイ・G・マッドとチョキリーヌ・ベスタの妨害にあい、人形のトッペマ・マペットの助けを借りてその場から逃げ帰るのが精一杯だった。トッペマは魔女の魔法のトランプをしんのすけに託し、ヘンダーランドを救ってほしいと助けを求める。
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『この馬鹿ブタ……、脳みそあるのか…。』『…少し………。。。』

劇場版クレヨンしんちゃんの第4作。
1996年公開。


【前置き】

「ヘンダヘンダよ~~♪、ヘェエンダ~~ランドォ~~♪」

本作をよく覚えていなくても、このフレーズは記憶にある方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。

劇場版第4作は、前作の戦国時代を描いたものから一変、シリーズ屈指のファンタジーをド直球に描いた作品となっております。

ちなみに、第1作から監督を務め脚本にも手をくわえていた本郷みつるさんは、本作以降は監督を降板。
(16作のみ再び監督をされますが。)
次回作以降は、これまで脚本を務めていた原恵一さんに監督をバトンタッチするのでした。


本作の魅力としては、しんちゃんらしい笑いも勿論なのですが、直球なファンタジー性に隠れた『敵が忍び寄る恐怖』の描き方もまた良いんですよね。

あと、個人的に大好きな「ぶりぶりざえもん」が、シリーズ内でも一番彼らしい快演をするという点に置いても、イチオシです。



【あらすじ】

しんちゃん達ふたば幼稚園のメンバーが、群馬に新しく出来た「ヘンダーランド」という遊園地に遠足で向かいます。

しかし実はそのヘンダーランドは、異世界に住む2人のオカマ魔女『マカオ』と『ジョマ』が潜む城であり、元いたヘンダーランドの住民を支配した彼ら……(汗)いや彼女らは、この現実世界をも支配しようとしているのでした、というストーリー。



【論じてみる】
{netabare}
冒頭は、ふたば幼稚園のいつものメンバーで遊園地を楽しむシーンが続きますが、考えてみればふたば幼稚園のメンバーが映画でこれだけ絡むのは本作が初めてでしたね。

本作では、いつものメンバーにさりげなく一緒にいるバラ組のチーター君が良い味を出してました。
運動能力抜群で高飛車な言動が目立つ彼ですが、風間君にも冷静なツッコミを入れられる園内でも一番の常識人な気がしました。

先生達も皆、本編以上に良い味を出して笑わせてくれます。
特に好きなシーンは、アトラクションで檻に入れられた園長先生に対し、よしなが先生がうっかり

「園長先生、よくお似合いですわ。」

というところですね、酷い言い草ですwww

あと、まつざか先生がそのグラマラスを全面に出した格好で、園内の『猿』を虜にして、冷やかされるシーンも好きでした。
ここでも、よしなが先生が

「お猿さんの電話番号聞いた?」

と、いじり倒します。
ここで

「うっかりしてて聞きそびれたわ(怒)」

と返す辺り、まつざか先生もシャレが利いてますね。
仲のよろしいことで。



本作は、(個人的に見てですが)笑いの質がシリーズ中でも高く、「笑いたいなら本作を!」と押したくなるのですが。
もう一つの魅力として、私は敵キャラの雪だるま

『ス・ノーマン・パー』

の、異質で不気味な存在感を押したいですね。

遠足の途中、園内で偶然出会う人形「トッペマ・マペット」から、ヘンダーランドの真実と、魔法のカード「スゲーナスゴイデス」を受け取るのですが、これを取り返しに来るのが、この「ス・ノーマン・パー」なのです。

見た目は、誰でも描けそうなぐらいの、まさに絵に描いたような雪だるま。
江戸っ子染みた言葉遣いと、明朗活発な応対で他者に取り入るのが非常に上手く、不審に気付いたしんちゃんを尻目にドンドンと周りの信頼を勝ち取っていき、しんちゃんに忍び寄ってきます。

そして、いざ本性を見せるとシリアスかつドスの効いた声色で、しんちゃんを脅しつけてくるのです。

これは、声を担当された古川登志夫さん(うる星やつらの諸星あたる等)の絶妙な使い分けが、凄まじいギャップを醸し出すことに成功しているのだと思いますね。
加えて、顔がシンプルで表情に乏しいのが、余計に相まって恐いのでした。


しかし、そこに現れたのが、カードの力で登場した「アクション仮面」「カンタムロボ」、そして救いのヒーロー「ぶりぶりざえもん」。
彼らが出てきたことで、妙な安堵感を憶えました。

家が壊れたり火事になるのをお構いなしに攻撃を繰り広げる2人。
そして、それを尻目に寝返る、ぶりぶりざえもん。

その目に余る行動から袋にされ、あげくヒーローである2人から

「このバカ豚……」
「脳みそあるのか……」

などと、およそヒーローらしからぬ暴言を吐かれるも、

「少し……。。。」

と返すしか出来ない、ぶりぶりざえもん。
やはり、ぶりぶりざえもんがいると笑いのクオリティが飛躍的に上がりますね。
他にも定番の、

「私は常に、強い者の味方だ。」

「救い料1億万円、ローンも可。」

こういった彼の言動や行動、そして渋さと情けなさを兼ね備えた声。

「ぶりぶりざえもん」は、私がクレヨンしんちゃんを大好きたらしめた要因だと言っても過言ではないです。
{/netabare}



【しんちゃんの成長が見える終盤】
{netabare}
終盤、これまた不気味なマリオネット人形と、両親を入れ替えられたしんちゃん。
2人を救う為一人で、埼玉から群馬のヘンダーランドに向かいます。

ここでのしんちゃんは、とても5才児とは思えない一面を見せ、最後にトラックで送ってもらったオジサンからは

「しっかりしてるねぇ…。」

と言われるほど。
いつも呆けているしんちゃんですが、実はちゃんと出来る子なんですよね。

負傷を負ったトッペマとの一連のシーンでも、それを横で見ていたひろしはこう言います。

「みさえ…、今俺達の息子が少し大人になったところだ……。」

大人になって見返すと、しんちゃんの視点から見ていた本作が、いつの間にかひろしとみさえの視点になっていて、しんちゃんの成長になんかちょっとホロッときちゃいました……。


ただ、やっぱり最後はクレヨンしんちゃん。
最終戦の、JOKERのカードを奪い合う

『野原一家VSマカオとジョマの追いかけっこ』

は、劇場版屈指の面白さでした。

特に、ひろしが投げたカードを必死に追いかけたマカオが手にしたのが、実はひろしの名刺だったとところは爆笑しちゃいました。

360度の如くグルングルン回る勢いのある作画も、非常に見映えがあり凝ってるなぁ~と思わせてくれますしね。
{/netabare}




【総評】

シナリオとしては正直、いつも以上にご都合主義が見える点は残念なところ。
魔法を使えるカードはトランプ分の枚数ありチートレベルだし、対してヘンダーランドを根城にしているマカオとジョマは城の中では魔法を使えない謎設定。
その倒し方も含めて、首を傾げてしまう点は多いです。

子供向けだからと逃げるのは簡単ですが、大人が見ても面白いと評価される初期しんちゃんシリーズなので、そこは厳しめに……。。。

しかし、見た目の強烈なマカオとジョマと、見た目とは裏腹に圧倒的な存在感を放つ「ス・ノーマン・パー」の印象値。
そして、ぶりぶりざえもんを始めとした室の高いギャグは、それを差し引いても十分に余りアリ!!


あと、雛形あきこさんが歌う「SIX COLORS BOY」という主題歌は、シリーズの中でも大好きな曲で、今でも聞いています。
実は作中でもイチイチ本人登場してますしね。
(毎回言うプロフィールのせいで、お雛が「A型の水瓶座」って覚えちゃったよwww)


あぁ…、総評と言いながら語りたいことが溢れ出ちゃいますね。
笑いのクオリティと、密かに迫る恐怖が魅力な、そんな作品がヘンダーランドです。


ではでは最後は、ヘンダーランドのCMにちなんで、

『嘘だとっ♪ 思うなら♪ ちょぃと見ておいでぇ~えぇ~えぇ♪』

読んでいただき、ありがとうございました。


次回作は、第5作「暗黒タマタマ大追跡」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『ス・ノーマン・パー』声 - 古川登志夫さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『トッペマ・マペット』声 - 渕崎ゆり子さん



以下、低俗な駄文なので〆ます。
{netabare}
作中に登場する、これまた劇場版キャラで高い人気を誇るヒロイン、トッペマ・マペット。

愛らしい見た目と声や意外と勝ち気な面も含めて、魅力たっぷりなキャラクターです。


なにより、ゼンマイで動く人形である彼女は、動きが止まると…なんと


『ケツにゼンマイを差し込み、捻り込む』


という手法で、復活するのです。


久しぶり本作を見返した私の、新しいお気に入りのシーンとなりました。

本当にありがとうございました。


コレは……、初心者は真似しちゃいけないぜ…(*´Д`)ハァハァ
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

変だ変だよ、ヘンダーランド!ウソだと、思うなら、ちょいとおいでぇ~~♪

1996年公開の劇場版クレヨンしんちゃん・第4作目の作品。

クレヨンしんちゃん大好きな友人が
「これは完璧なクレしん映画!」と絶賛していました。

私はこれまで「オトナ帝国」しか見たことがないのですが、

「オトナ帝国」は大人の方が受けがよさそうなのに対し、
こちらは大人も子どもも楽しめそう。

ただ、この作品の魅力はそれだけではありません♪
なるほど、友人が絶賛するのも納得でした。

90分ほどの作品です。


● ストーリー
群馬県に新しくできた遊園地、“ヘンダーランド”。

幼稚園の遠足でヘンダーランドに行ったしんのすけは、
みんなからはぐれ、テントに迷い込む。

女の子の人形、トッペマ・マペットと出会い、
ヘンダーランドの正体は、オカマ魔女の城であることを知る。

オカマ魔女はトッペマの故郷を征服し、
次は地球の征服を企んでいた。

「スゲーナ・スゴイデス」と唱えると何でも願いが叶う魔法のトランプを使って、
オカマ魔女の野望を阻止してほしいと頼まれるしんのすけ。

しかし、怖さからそれを断り、
トッペマと決別してしまう。

トッペマが去った後、
しんのすけの手元には魔法のトランプが残されていた。


あらすじから察するように、
ゴールはオカマ魔女をやっつけることなんだけど、

しんのすけが協力を断るなど、
本題に入るまでの伏線や寄り道がなかなか面白いです。

ひとつの展開をダラダラ続けないので、
見ている方も飽きませんでした。
 

≪ クレヨンしんちゃんの面白さ ≫

たくさん見てきたわけではないので、
あくまで個人的な印象ですけれど。

・しんちゃん個人のハチャメチャさとギャグ。
・幼稚園の友だちの幼稚園児らしくない可愛げのなさ。
・時々年相応さを見せるしんちゃんの可愛さ
・野原一家への親近感と、いざという時には腹をくくるかっこよさ。
・しんちゃんに振り回されたり影響を受けたりしたキャラの、キャラ崩壊。

こんな魅力があるのがクレヨンしんちゃんという作品なのかなと、
この作品を見ながら考えていました。

そしてもちろん、
この作品ではどれもしっかりと味わえます♪

ちゃんとしんちゃんの魅力を詰め込んでいるからこそ、
しんちゃんファンからの支持も厚いのでしょう^^


≪ 見事!な伏線たち ≫

どの作品でも仕掛けはあるものですが、
この作品の伏線は見事でした!

「ああ、あれが伏線になっていたんだ。」と気付くと同時に、
「なんてきれいな伏線!」と感心させられるものばかりだったのですよ。

例えば…
{netabare}
オカマ魔女が「クールな男になりなさい。」とかけられた呪いで、
王子は雪だるまになっていた。確かにクール!
{/netabare}

{netabare}
「いつまでも幸せに暮らすなんてありえない。」
「おとぎ話なんて子供だましだ。」と騒ぐしんちゃんたち。

だけどそれが一番のハッピーエンドであることに、
文句のつけようがなくなるオチ。
{/netabare}

などなど…。

私は夢を感じられたので、
オチへの伏線が一番好きでした♪


● 作画
ラストシーンの、
オカマ魔女と野原一家の追いかけっこは名シーンだと思います。

追いつかれたらどうしよう!なドキドキなシーンのはずなのに、
面白くて笑えるってどういうことww

野原一家の常人離れした動きもだけど、
細かなギャグが散りばめられていて、笑いっぱなしw

作画がきれいだとか、動きが滑らかだというわけではないけれど、
このシーンは魅了されました。

ああ、あとは野原一家の阿波踊りの情熱にも魅了されましたw


● 音楽
【 OP「パカッポでGO!」/ 野原しんのすけ(矢島晶子)】

久しぶりにこの曲聴きましたが、
今聴くとすごく好きなんだけど。笑

歌詞のぶっ飛び具合は、
子ども向けとしてNGと言われてしまうのも納得ww

しんちゃん声で歌う矢島さんのすごさに脱帽しました。
しかもうまいし。改めて、すごいわ。

OPのクレイアニメもすごかった!


● まとめ
しんちゃんファンの友人が絶賛してたから見てみましたが、
確かに脚本が完璧だというのは納得でした。

間延びさせずに時間を展開に有効に使う。
ファンタジーあり。
キャラの個性をちゃんと見せる。
シリアスな場面もシリアスすぎない。
一つの場面の緩急のつけ方が完璧。

そして、大人も子どもも楽しめる!
しんちゃんシリーズが長年愛される理由がわかりました。

今のところ、劇場版クレしん全部楽しめているので、
このまま他の劇場版も楽しみたいと思います^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

しんちゃん映画の醍醐味。近年見失われがちな「しんちゃん映画」の最適解。

 しんちゃん映画といえばなんといっても「オトナ帝国」という意見も勿論わかる。私も大好きな作品だからだ。しかし、初期からこのシリーズを見続けた者としては、本作を個人的には推したい。


 しんちゃん映画の醍醐味とは、それはタイトな時間の中に集中した笑い、アクションというエンターテイメント要素だろう。ホロリとさせるところや、テーマ的なところがあっても勿論良いが、そこはメインではあるまいて。ジャンル映画の割には感動やテーマ性も備えて立派だから評価しようみたいな考え方は、ジャンル映画を、エンターテイメント魂を、しんちゃん映画を低く見た考えであると断言したい。


 本作ではホロリとさせるところは本当に慎ましいが実に効果的に作用している。それはトッペマが魅力的だからだよぉ~!。しんちゃん映画に限らずドラえもん映画でも毎回ゲストキャラが登場するのはお約束である。そういったキャラたちでも、メインキャラと肩を並べるくらい魅了的なキャラが登場すると、断然1話限りの物語に対する熱中度が変わる。今更気付いたが、トッペマの正体が花のお姫様なのは「ウテナ」繋がりか!。


その点、魅力的な脇役を多く輩出したしんちゃん映画の中でもトッペマは特に印象的。デザイン的にも簡素でスッキリしなながらもセンスが光り、アクションも格好良く、萌えに走らない自然な可愛さがあり、あの戦いの後のシーンの悲しさと切なさ、そしてちょっと驚きのラストまで備えている素晴らしさ。


 敵役のマカオとジョマも素晴らしい。二人との世界を賭けたババ抜き対決、その後の追いかけっこの活劇の素晴らしさは、記憶に残るアニメ名場面の一つとしたいくらい。ギャグでは、アクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんが勢ぞろいという豪華さ!。そしてちょっと怖い、他のしんちゃん作品にはあまり見られない静の描写まである。


 短い時間内でいかにお客さんを楽しませるか?、エンターテイメントとは何か、ここまで考えて努力してこそ真に人の心を打つ物になる。海原雄山の「人の心を感動させうるのは、人の心だけなのだ!」という金言が胸に響く。感動させますよ~って姿勢は、全否定しないけど如何なものか、という感じである。特にしんちゃんだとね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

70.0 3 王女でファンタジーなアニメランキング3位
劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人(アニメ映画)

2018年8月18日
★★★★☆ 3.7 (54)
393人が棚に入れました
ここは妖精族や女神族や魔神族が存在する世界。魔神族の暗躍により、滅亡寸前だった大国・リオネス王国を救ったのは、大罪人であり伝説の騎士団〈七つの大罪〉と、ひとりの王女だった。そして、リオネス王国に平穏がもたらされてから少し時が流れたころ――。国王の誕生日を祝うため、幻の食材・天空魚を探しに辺境の地へやって来た〈七つの大罪〉たち。団長のメリオダスと、人の言葉を話す豚のホークは、天空魚を求めるうちに空高く、雲の上に存在する天空の世界“天空宮”へと飛ばされてしまう。天空宮には翼をもつ“天翼人”が暮らしている。メリオダスは掟を破った天翼人の少年と間違えられて牢屋へ入れられてしまう。天空宮では三千年間封印される凶悪な魔獣の解放を防ぐため、儀式の準備をしていた。だが封印を解こうと天翼人の命を狙う、“ベルリオン”率いる強靭な魔神族の集団〈黒の六騎士〉が姿を現す。残虐非道な彼らからみんなを守るため、メリオダスたちは〈黒の六騎士〉と激突する!

声優・キャラクター
梶裕貴、雨宮天、久野美咲、悠木碧、鈴木達央、福山潤、髙木裕平、坂本真綾、杉田智和

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

天空大決戦!! 世界を救う最強の罪人、集結!!

この作品の原作は未読ですが、これまでTV放送放送された第1期、聖戦の予兆、戒めの復活、神々の逆鱗は視聴済です。
2021年冬アニメとして「憤怒の審判」が放送されていますが、その前に未視聴だった劇場版を視聴しようと思い立ち、今に至っています。

個人的にはTVアニメのシリーズの中では第1期の「リオネス王国奪還篇」が一番好きです。
エリザベスの孤軍奮闘っぷりを見たエリオダスが七人の大罪を結集すべく舵を取りました。
色んなこと…悲しいこともたくさんありましたが、エリザベスの芯の強さや優しさが一番身近で感じられる内容だったと思っています。

十戒篇も嫌いじゃありません。
特にこの物語を語る上で、メリオダスとエリザベスの切っても切れない関係は、第1期では絶対に理解できなかったと思います。
そう考えると、必要な尺を積み重ねてきた作品であると言えると思います。


ここは妖精族や女神族や魔神族が存在する世界。
魔神族の暗躍により、滅亡寸前だった大国・リオネス王国を救ったのは、
大罪人であり伝説の騎士団〈七つの大罪〉と、ひとりの王女だった。

そして、リオネス王国に平穏がもたらされてから少し時が流れたころ――。

国王の誕生日を祝うため、幻の食材・天空魚を探しに辺境の地へやって来た〈七つの大罪〉たち。
団長のメリオダスと、人の言葉を話す豚のホークは、
天空魚を求めるうちに空高く、雲の上に存在する天空の世界“天空宮”へと飛ばされてしまう。

天空宮には翼をもつ “天翼人”が暮らしている。
メリオダスは掟を破った天翼人の少年と間違えられて牢屋へ入れられてしまう。
天空宮では三千年間封印される凶悪な魔獣の解放を防ぐため、儀式の準備をしていた。
だが封印を解こうと天翼人の命を狙う、“ベルリオン”率いる強靭な魔神族の集団〈黒の六騎士〉が姿を現す。
残虐非道な彼らからみんなを守るため、メリオダスたちは〈黒の六騎士〉と激突する!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

エンディングのクレジットとwikiをチラ見して知ったのですが、ゲスト声優として出演していたお笑い芸人のよゐこさんは、本作の応援隊長を兼任していたんだそうです。
当時のコマーシャルで目にしていたかもしれませんが、残念ながら記憶には1㎜も残っていませんでした^^;

一方、劇場版のオリジナルキャラには高揚を覚えずにはいられませんでした。
黒の六騎士という敵キャラの一人を日笠さん、物語の舞台となる天空宮で暮らすヒロインをハルカスが演じているのですから…
声を聴いた瞬間からテンション上がりまくりでしたよ^^;
こういうサプライズは劇場版ならではなのではないでしょうか。

放送時期的にはTVアニメ版第2期の終わった直後に封切りされているようです。
エスカノールが七つの大罪に加わり、十戒の強さを目の当たりにした直後になるので、上映タイミングとしてもバッチリだったのではないでしょうか。

一方、物語の方は一本筋が通っています。
天空宮では代々守り続けてきた掟が全てで、掟から僅かでも道を外れることが絶対悪でした。
確かに掟やルールは守るためにあるものなので、遵守するのは全ての基本だと思います。

ですが、ずっとその掟にしがみ付き続けるのは、少し違うように思います。
何故なら、自分たちが不変であろうとしても、周りは時代の流れに合わせて変わっていくからです。
ルールを決めた当時はその辺りもきっと配慮されていたことでしょう。

旧態依然にこだわった結果が決して良く無かったことなんて、きっと山ほどあると思います。
その時、ルールに従った結果だから仕方ない…で何でもは済ませられないんですよね。
例えば、事故や災害が起こった場合、それをそんな結果で片付けることは絶対にできません。

きっと未来永劫同じモノなんてないんです。
だから、その時々の状況に合わせて臨機応変に追従するのは、悪いことではなく寧ろ是とすべきなのではないでしょうか。

考え方や目線を少し変えただけで、きっと違う世界が見えると思いますので。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

主題歌は、乃木坂46さんの「空扉」
2次元じゃないアイドルソングを聞いたのは久しぶりかもしれません^^;

上映時間100分弱の作品でした。
本編と物語の繋がりは直接ありませんでしたが、視聴するならTVアニメ版第2期までを先行して視聴することをお勧めします。
戦闘シーンも迫力満点なので、時間を忘れてのめり込める作品だったと思いました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「ヒーローアカデミア」とは違って盛大にコケた

恐らくほぼ同期でありライバルの集英社の「ヒーローアカデミア」が当たったのにも関わらず、こちらの方は盛大にコケてしまった。

「フェアリーテイル」もそうだが漫画はまずまずの好調なのにも限らず、少年ジャンプのようにアニメや劇場版にまで展開できないのは、少年ジャンプの二番煎じな売り方しか出来ていないからかもしれない。

マガジンはもともとドラマ化、実写化で名が売れてきた雑誌なのだから、もっとドラマ化できるような企画を増やして実写映画などで勝負をしたほうが良いのかもしれない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

良くも悪くも王道バトル系

七つの大罪が勢揃いして、同じ方向を向いて戦っているってだけでも、贅沢な感じがしました。
いろんな意味で自由な人ばかりですからね(笑)。

王道バトル物として、充分に楽しめるレベルの作品でした。

ところで、『{netabare}息子と他人{/netabare}の区別がつかない父親って・・・?』。
この点だけは、最後まで引っかかっちゃいました。
この点だけが、マイナス評価です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

65.3 4 王女でファンタジーなアニメランキング4位
メリダとおそろしの森(アニメ映画)

2012年7月21日
★★★★☆ 4.0 (17)
176人が棚に入れました
「トイ・ストーリー」「カールじいさんの空飛ぶ家」のディズニー/ピクサーが贈るファンタジー・アドベンチャー・アニメ。ピクサー史上初の女性主人公となる勝ち気な赤毛の王女メリダが、母親との葛藤を乗り越え、王国と家族を守るために愛と勇気の大冒険を繰り広げるさまを最新の3D映像で描き出す。声の出演は王女メリダ役のケリー・マクドナルドのほか、ビリー・コノリー、エマ・トンプソンらが務める。また日本語吹替版ではメリダ役をAKB48の大島優子が担当。監督は長編デビューとなるマーク・アンドリュース。 森と人間が共存する中世スコットランドのとある王国。王女のメリダは弓矢を手に野山を駆け回るのが大好きな自由気ままなお転婆少女。王女としての心構えや立ち居振る舞いを口うるさく指導する母のエリノア王妃とはいつも衝突してばかり。そんなある日、メリダは森の中で見つけた鬼火に導かれ森の魔女と巡りあう。そして運命を変えられるという魔女に、自由になりたいとお願いしてしまう。しかし森と人間の間には魔法を使ってはならないという掟が存在した。その掟が破られてしまったことで、王国は存亡の危機を迎えてしまうのだったが…。

声優・キャラクター
ケリー・マクドナルド、エマ・トンプソン、ビリー・コノリー、ケヴィン・マクキッド、クレイグ・ファーガソン、ロビー・コルトレーン

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

運命は私達の中にある。ただそれを見つめる勇気を持てばいいだけ。

2012年公開。
ピクサー製作のコンピューターアニメーション映画。

人間も背景も、もはやアニメと呼んでいいのかわからなくなるぐらい、
リアルで細かい動きが再現されています。

もう半実写映画だよね。
まるで人形劇を観ているような感覚です。

90分程度の作品です。


● ストーリー
弓矢を使い、馬で自然の中を駆け回る自由を愛しているメリダ。

しかし彼女はダンブロッホ王国の王女でもあり、
王位継承者としてふさわしい大人になるよう、
母から厳しい指導を受けていた。

礼儀作法、そして結婚…。

自由を抑圧する母とケンカをして
家を飛び出したメリダは、
森の奥で魔女と出会う。

そして願う。
「母親を変える魔法がほしい。」


言うことを聞かないメリダに
頭を抱える母親。

自分の気持ちを聞いてもらえず、
自分の運命に不満を持っているメリダ。

そんな母と娘が、
絆を取り戻すためのお話です。

90分としては妥当なボリュームだと思います。

が、ストーリーは正直微妙…。

先の展開が見えやすいので、
子ども向けの作品かと思いましたが、

内容は全体的に暗い。
子どもが見ても楽しめるかどうか…。

母と娘や、家族の絆には
うるうるきましたし、

和やかだったり緊迫したり、
メリハリの波がしっかりあったのもよかった。

けど、観ていると途中からあくびが出る。笑

ラストにたたみかけて盛り上がる山場もあるけれど、
オチが分かりやすいからか、
私の気持ちは盛り上がらなかったなー。

DVDに収録されている短編「月と少年」(約6分)の方が、
この本編よりもずっとロマンチックでよかった!


● キャラクター
メリダは、そこまで大きな特徴のない女の子でしたね。

王女らしくないところが特徴?
でもそんな王女もよくあるような(笑)

メリダも母も、
互いに大事なことに気付いて
変わっていく姿はよかった。

私のお気に入りはメリダの弟たち。
三つ子たちです!!

やんちゃでいたずら好き、
実際にいたら、めまいがしそうな三つ子。笑

はちゃめちゃだけど、
味方につけたときの半端ない安心感。笑

いやーどんな王子になるのか、
将来が楽しみですww


● まとめ
決してめちゃくちゃな流れではない。
むしろ、よくまとまっていて、隙がないと思います。

ただ単に、
ストーリーが面白くなかった(笑)

ひねくれた考えがあるわけでも、
深い教訓があるわけでもないので、
気楽に観れます。

休日にただぼーっと見るのには
向いている作品かも。笑

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

メリダとおそろしの森

原題;「BRAVE」2012年公開
10世紀頃のスコットランドを舞台とする。ピクサー初の女性主人公

ざっくりしたあらすじ;
お転婆な王女・メリダは弓の名手で、自由を愛する活発な少女だった。
しかし、野性的でおおらかな王とは違い、保守的で育ちの良いメリダの母エリノア王妃は
メリダを立派な王女に育てるため、毎日口うるさく厳しく接していた。
「母親を変えたい」という思いから魔女と取引したが、魔女のかけた魔法により大変なことになる話。

2012年公開当時全然話題にならないし、
いろんなディズニーやピクサー関係のアニメは観てきたが
今回はあまり興味が惹かれず中々視聴しなかったが、
ディズニーチャンネルで放送してくれたので観た。

設定やストーリーが色々突っ込みどころが多い・・
(気になったこと6つとネタバレ込みの感想↓)
{netabare}1:メリダが鬼火に導かれるシーンがあるけれど
「鬼火」という設定が和風・・(笑)
スコットランドの世界観と合ってない。日本語訳が悪いのかなぁ。
原文のウィルオウィスプかプラズマ等で良い気がする。

2;メリダの夫候補が少々野蛮でマッドな気がした
(これはこれで面白いか!w)
ポカホンタスの件やムーランからディズニーは
フェミニスト団体の圧力と影響を受けてる気がした。
だけど、個人的には上の作品両方大好き。

3;製作中、途中で監督が交代したせいか世界観、キャラクター性がバラバラ
メリダの弓矢の名手という設定があまり生かされていないのが残念

4;日本語吹替版で声優にアイドルを使うのは好きじゃないが、
今回は気になるほどじゃなかったのでとりあえずOK

5;映像が綺麗・・!
CGを駆使してメリダの髪の一本一本がとても気合入っていて優雅だった!
王国が自然溢れてて綺麗・・はぁ(美しさにため息・・)

6;くまママ可愛すぎだろ・・
テーマ「家族愛」だが、娘のメリダより
「母親の成長物語」な部分が大きかった。

王国自体、王と娘や国民が野生児すぎてサバイバル能力あるので
メリダを立派なお姫様らしくするママさんの教育法自体間違っていた気がする
実際私もあんな口うるさく毎日言われたらこうなるわ・・とメリダに共感した
くまになっても育ちの良さと気品と脳まで熊になり時々無くなる自我や
キュートなジェスチャーが愛らしい(笑){/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ピクサーのCEOとしてのスティーブ・ジョブズ

ディズニープリンセスの一人、メリダの物語。

どんな話かというと、
{netabare}舞台はスコットランド。
王妃である母が勝手に3人の婿候補との縁談を取り付けたことがきっかけで大喧嘩になり、メリダは城を飛び出した。
森で鬼火に誘われ、メリダは魔女の家へとたどり着く。
魔女から母の気持ちを変えることができる魔法のケーキを受け取ったメリダは、城へ帰り早速母にそのケーキを食べさせる。
だがその効果は思ったようなものではなく、母を魔法で熊に変えてしまうものだった。
メリダは母を元の姿に戻そうと奮闘するが、王妃が熊に襲われたと勘違いした国王は諸侯と結託して、熊になった王妃を殺そうとする。{/netabare}

シュガーラッシュオンラインでメリダだけ運命の人はいないというニュアンスのセリフがあったのだけど、この物語に登場する3人の婿候補は脇役も良いところ。アナ雪のハンス以下の活躍。
なぜそんなことになってしまったのかというと、{netabare}この作品でメリダの窮地を救う役割を持ったのは熊になったお母さん{/netabare}だったから。

メリダが恐ろしいのは森じゃなくて熊なんだな。
邦題の訳のわからなさよ…

ところで登場する三人の領主の一人マクガフィン卿って、名前安直すぎない?
しかも、三人の領主の一人マッキントッシュ卿と来たもんだ。
アップルかよと思っていたら、エンドロールにスティーブジョブズの名前が出てきて本当にアップルだったらしい。
そういえばピクサーの創設に携わったんだっけ、亡くなってそんなに経つのか…
やたらリンゴをかじるシーンが多かったのも関係あったりしてね。

メリダがコケた理由はいくつか想像できる。
ピクサーで、
ファンタジー要素が薄くて、
画面が暗めで、
それまでのプリンセスにない癖毛で、
運命の人は現れず、
ジョブズ追悼の意が強すぎる。
正統派なプリンセスを期待してたら裏切られた感があるんじゃないだろうか。

でも、私はアナ雪よりも全然好きだな。
リアルなの面白いし、キャラクターアニメーションがアナ雪より良い気がする。
曲も変に主張してないし、話題にならなかったのは残念だよね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3
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