狂気で秘密なおすすめアニメランキング 9

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番の狂気で秘密なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.2 1 狂気で秘密なアニメランキング1位
ハッピーシュガーライフ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (534)
1986人が棚に入れました
松坂さとうには、好きな人がいます。その人と触れ合うと、とても甘い気持ちになるのです。きっとこれが「愛」なのね。彼女はそう思いました。この想いを守るためなら、どんなことも許される。騙しても犯しても奪っても殺してもいいと思うの。戦慄の純愛サイコホラー。

声優・キャラクター
花澤香菜、久野美咲、花守ゆみり、花江夏樹、洲崎綾、石川界人、井上喜久子
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

にがみのエッセンスが醸し出す「フロイト」的な世界観が気に入った!!

作品概要
▼原作:月刊ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
▼原作者:鍵空とみやき
▼アニメーション制作:Ezo'la(ディオメディア)
▼話数:全12話{netabare}
▼総監督:草川啓造(ディオメディア)
・実績
(監督)
『魔法少女リリカルなのはA's以後のシリーズ』『迷い猫オーバーラン!』『ロウきゅーぶ!』『艦隊これくしょん』『風夏』『アホガール』他
▼監督:長山延好
・実績
(監督)
僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件
▼シリーズ構成:待田堂子
・実績
(シリーズ構成)
『らき☆すた 』『ティアーズ・トゥ・ティアラ』『おおかみかくし』『THE IDOLM@STER』『Wake Up, Girls!』
『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』『はるかなレシーブ』他多数
▼キャラクターデザイン:安田祥子
・実績
(キャラクターデザイン)
『銃皇無尽のファフニール』『sin 七つの大罪』『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』
▼音楽関係
音楽:亀山耕一郎
OP曲:「ワンルームシュガーライフ」(ナナヲアカリ)
ED曲:「SWEET HURT」(ReoNa)
挿入歌:「カナリア」(ReoNa)第9話
▼キャスト
【声優】項へ{/netabare}

原作未読
リアルタイム視聴済

☆エピローグ
普通のアニメは見飽きたぜ!糖質サイコホラーはドツボだ。
清々しいほどのバッドエンドや、スクイズやヨスガが大好物な私にとって、やっぱねーっ!これぐらいサイコパスで頭逝ってる作品がないとアニメはつまんねぇw
王道や名作、勧善懲悪ばかりじゃ肩が凝るもんね。
本作は世界線やら異世界やらと物理学分野のSFフアンタジー全盛なトレンドに対し、精神医学を世界観の基軸に据えた稀有な作品だ。
したがって、擬似リアリズムであっても、健常な精神感覚では一切のカタルシスを承認しない作品である。

異常心理に興味があったり、最近では『フリップフラッパーズ』を理解できる方々には面白いかも。
本作はストーリーが安定しているから分かり易い。
『ガリナン』もだが、アホアニメ制作会社の評価が定着して社会的には評価が厳しいディオメディアだが、たまに私のツボに入る作品を出すから、目を離せないw

主要キャラでマトモなのは「しょうこ」だけ。
他のキャラは悪い意味で個性が凄まじく、心の闇という健常と異常の行き交う「境界線」の想像どころではなく、真性の「精神病疾患者」であり、ペドフィリア、エフェボフィリア、パラノイア、火病、発達障害etc全員閉鎖病棟の患者でも不思議ではないような連中が繰り広げる異常人格者による基地外純愛群像劇(草)
共感できるキャラが見事に誰もいない稀有な作品ゆえに、様々な矛盾も精神異常が織りなす現象と見ているので許容の範囲であり、作中何が起こっても感情移入が生じることなく、エンタメとして割り切り楽しむことができた☆

タイトルの「フロイト」は精神医学の始祖。
世界的な心理学者「ユング」や「アドラー」の師匠でもある。
原作者はフロイト入門書の『精神分析入門』や『夢判断』を読んでいるな。
フロイトを読むと、読んだ側も精神をやれかねない危険物。
本作も視聴すると、そうなる方向性で演出されている。
異常心理の描写が精神医学的に考察されて「超自我」のメッセージがしっかりプロットされている。
さすがに1クールで精神医学界の巨匠フロイト的世界観を表現するのは厳しいのだが、そこに挑戦したことは評価されよう。
精神分析学的視点に立った考察はメンドクサイし、レビュー読まれる方々の気分を害するからしない。(いや、でも、気が向いたら追記をするかもw)
キャラ設定のベースがフロイト的価値観だから、基地外とは何かを問うているのと同様で、そりゃ陰鬱な世界観にもなるな。

とにかく可愛いOPや絵柄に騙されてはいけない。
マトモな神経では視聴できない作品だから、そこは覚悟した方がいいデス。はい。

それにしてもジエンコって『serial experiments lain』以来、この手の一風変わった作品のプロデュースが好きなんだな。
提供にバップもあったが、ジエンコ+バップ、あーあれか!w

ところで、最近ディオメディアはいろんな名義を使っているね。
「doA」に続いて今度は「絵空」か。
『BEATLESS』は綱渡りだったし、万策(略)に備えて、リスク分散でもしているのか?

【音楽】
OP曲はとてもインパクトがあり癖になる電波ソングだ。
不詳私、DLをいたしました。
OPの作画と楽曲『ワンルームシュガーライフ』で本作の世界観をしっかり視聴者に伝えた(伝わったかは別にして)好演出だ。
ED曲『SWEET HURT』は『GGO』の神崎エルザの曲を歌ったReoNa。
彼女のなんとも言えない切ない声質が、本作の無情で悲惨な末路を暗揄していてなかなか良い。これもDL。
EDの作画は折しも同じ精神異常系の『フリップフラッパーズ』と同様の演出。
「さとう」と「しお」が抱えている闇と二人の関係性を1分30秒でしっかりと表現している。
{netabare}「さとう」の幼少期から現在の描写、そこに「しお」が現れて、二人で城に向かって歩く。
ハッピーシュガーライフの描写と、スキップしながら城から旅立ち、二人で躓いたところで「さとう」が消える(さとうの死)でも「しお」の心には「さとう」が生きている、とこんな感じでEDはこの物語の顛末を分かり易い暗喩で演出している点は視聴者に優しい。{/netabare}
{netabare}しょうこが殺される{/netabare}9話の挿入歌『カナリア』も歌詞に込められたメッセージがそのシーンの演出にしっかりと映えていて良い曲だ。

{netabare}本作、9話は「しょうこ」の恋もあり内容が濃く相当の字数が必要だが、割愛して、挿入歌まで用意された「しょうこ(小鳥)」は本作にとって、さとちゃんの狂気を強調する意味でも重要なキャラだったし、彼女の存在が無ければ、ただの基地外ドラマで終わったな。
(7話の展開が殺される伏線だが)さとちゃんと向き合うタイミングを逸したとはいえ、幼女を「彼氏」として拉致しているさとちゃんの素顔を知った「しょうこ」がとった選択は極めて常識的だが、基地外相手には通じず、理不尽な結果となったが{/netabare}共感シーンが皆無な本作にとって唯一の救いだった。

【物語とキャラ】
キャラは本作一番の問題提議点だろう。
{netabare}よくもまー、あるゆるタイプの基地外を設定したものだと感心した。
しかし、「さとう」の叔母と「しお」を除き他のキャラのサイコパスの根源は抑圧され無意識下に封印された記憶、いわゆる「トラウマ」だ。
「さとう」、「太陽」、「あさひ」は過去エピソードの描写があるから分かり易いだろう。
今では「トラウマ」という言葉は普通に用いられるが、その概念を提唱したのがフロイトだ。{/netabare}
現在フロイトの【精神分析学】はポパーの科学定義にぶった斬られて【非科学】とされているが、なお、その研究は医学のほか哲学としても各方面に多大な影響を与えている。
因みに「トラウマ」と似た概念で「PTSD」があるが、こちら医学的な診断名、つまり科学。
医学的なフレームで論じるのが「PTSD」であると理解したらいいだろう。
そして、この三者の異常行動は明確に「PTSD」である。
「さとう」叔母は「トラウマ」の過去描写がないので、その異常性の因果関係は判別しないが、他人への関与が異常な博愛が動機である点から、所謂「離人性人格障害」であることは確かだろう。
{netabare}「しお」は年齢的に幼くまで認知能力が完成されてはいなから、母親との関係や「さとう」の死をきっかけとし「PTSD」を発症するのは想定内だろうし、「さとう」の狂気の正統後継者となるだろう。{/netabare}
基地外の成長物語を望むか望まないかは視聴者しだい。私は(怖いもの見たさで)今後も観察してみたいものだが。

以上、キャラの性格設定を多少考察したが、個人的に気になっているのはネーミング。
ここ突っ込んだレビューが少ないだよね。
物語と主人公とヒロイン?他女の子キャラのファーストネームの関係だが、「さとう」と「しお」。
これは、第三者視点で物語を俯瞰したときに醸される、二人のイメージなんだろう。
{netabare}さとちゃんの心が至福に満たせるときは「あまーい」、ストレスを感じたら「にがーい」と味覚で心理描写をしているのも本作の特徴だ。
これは丁度可知差異(物理学用語)が「フェヒナーの法則」による感覚量でも定式化されており、物理でメシを食っている私の心を擽った直喩だ。
「しお」の存在を「さとちゃん」から見た場合は「あまーい砂糖」だが、第三者視点ではさとちゃんに試練を与える文字通りの【塩】な存在。
自らの「あまーい生活」を守るためにさとちゃんは、せっせとバイトで生活費を稼ぎ、脅迫、傷害、詐欺、挙句の果てには殺人までやってのけた。
ある意味、これほどの純愛ドラマはスクイズ以来かもね。
これが、「しお」が【塩】である所以である。

そして「さとちゃん」の光に立候補し、人の道に戻そうとした「しょうこ」は「胡椒」の捩りで、そのお節介は、さとちゃんにとっては「辛い」味覚、はた迷惑で排除すべき存在として描かれているのではないのだろうか。{/netabare}

次に、苗字についてだが、「神戸」と「飛騨(飛騨しょうこ)」に共通するのは高級和牛ブランド。
さとちゃんの苗字「松坂」を「松阪」とすると、やはり高級和牛だが、これは作者の誤字なのかな?
他にサブキャラの宮崎すみれ、但馬みとりも高級和牛ブランド。
本作と高級和牛の相関関係は謎だが、キャラネーミングには法則があるようだね。

で、本作のキャラ設定だが、精神疾患と異常心理の掘り下げに作者の知識の限界からか詰めの甘さが残るが、これだけの基地外キャラをクリエイトし、物語をプロットした点は評価されよう。

{netabare}最終回はオリジナル展開だが、さとちゃんを「あさひ」に殺させ、それでも「しお」に切られ、自殺を図る展開も悪くないと思ったが、さとちゃんを死なせて、「しお」を生き残らせ、「あさひ」を切った展開は前述のとおり、{/netabare}これからの「しお」の異常人格発揮を十分妄想できる余韻を残した意味でも評価できる。

あと「しお」の失踪だが、{netabare}物語の通り捨て子であっても「しお」は小学生だ。
失踪すれば、社会的に何らかにリアクションがあるはずだが「あさひ」が述べたように警察で相手にされないのは不自然すぎる。{/netabare}
欠席が続けば「しお」の担任教師が家庭訪問をするし、親に不審な点があれば、児相とも連絡を取り合い世間にバレるはず。
その過程で事件性があれば警察が動くが、事件性はないとする裏設定でもあるのかな。
「しお」の境遇を考えると、無戸籍である可能性もあるが、視聴者が納得できる線で簡単にでも触れておくべきだったろう。

【作画】
全般的にディオメディアクオリティであり、動かす場面も少ないから、ボロも出ず可もなく不可もなくといったところだが、シャドーの用い方、基地外の表情など、サイコホラーとしての演出は頑張っていたと思う。
ただし、9話は{netabare}本作の神回であるにもかかわらず、作画が演出についていけていない。
挿入歌とナレーションを背景にCVを入れずに「さとう」と「しょうこ」の葛藤シーンが描かれた。
前述したとおり、演出は素晴らしかった反面「しょうこ」の表情が「棒」であり、迫力が全く伝わってこなかった。
基地外表現の作画に手一杯で、健常者の必死の訴えの表情演技まで手が及ばなかったようだ。
CVなしで映像表現のみを用いて視聴者へ訴えるのは、自信と相当の作画センスが要求される。
試しに、スクイズとの見比べで「誠」殺害後の「言葉」と「世界」の葛藤シーンを音声なしで視ると分かるが、迫力が全然違う。
ディオメディアの作画センスの限界が、この素晴らしい演出を削いでしまったと思うと残念でならない。

ただ、小鳥の演出を含めてだが「さとう」が文化包丁を「しょうこ」の首に突き刺し殺す描写は、頸動脈からの血飛沫には違和感を感じつつも、「さとう」を引っ掻き断末魔に喘ぐ描写や小鳥の死を比喩した痙攣描写など殺人過程はしっかり描ききっている。
ただし、グロ描写を強調し過ぎたことで視聴を打ち切った方々を出したという負の作用もあったが、{/netabare}これを斟酌して私的には高い評価をしたいと思う。

【声優】
原作を読んでいる方々には花澤さんはミスキャストだとの意見も多いが、原作を読んでいない私にとって可もなく不可もなしだ。
寧ろ、客寄せパンダ役も兼ねて、演技力が要求される「さとちゃん」役には適任だったのではないだろうか。
個人的には「しお」役の久野美咲さんの演技が輝いていた。
『WIXOSS』や『LOST SONG』でも思ったが、主役よりも準主役や重要キャラをやらせると巧いタイプかもしれない。
さとうの叔母役の井上喜久子さん。
『らんま1/2』から活躍しているだけあって、ベテランらしく味のある演技でサイコパスを演じていたのが印象的だ。
難しいキャラの「三星太陽」を演じた花江夏樹氏も好演だった。

ゆえに総じて高評価とする。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 62

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヤバい、面白い…。

語彙力ぅ!

そういえば天狼のレビューを書いたときにこいつの存在を忘れていました。

2018年7月期で原作付きの大物。観ますっていうか、観てますってだけで情報量ゼロです、すみません……。

2018.9.29追記:
とりあえず、虐待に傷ついた二人の少女が真実の愛を求めてあがいたあげくに、犯罪レベルの奇行に走るお話。

第12話(最終回)まで観終わったので、少し真面目に書いてみます。

まず、一見して松坂さとうが主人公のようで物語の中心は神戸しおですよね。それと「作中の登場人物が(飛騨しょうこを除いて)異常な人物ばかり」に見えはするんですけど、「罪無き者のみ石を投げよ」っていう感じで、みんなちょっとした行き違いや不幸(ちょっとしてないのもある)がきっかけでたまたま異常に見える行動が発現してしまったというだけの話で、メインキャラには理解不能レベルなことをやっている人物はいなかったです。

自分がはっきり嫌いと言えるのはしおちゃんの父親と、次点でさとちゃんの叔母さんくらいかなあ。

まあとにかく、他の人物に関しては共感まではいかないにしても理解は及ぶ感じでとても良く書けたお話だったと思いました。漫画原作ですけど小説っぽいストーリーでしたね。最終話、しおちゃんの言動によって受けたあさひのショックはいかばかりか想像を絶する…。

……って、これかなり面白かったけどウケないだろうなあ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 52
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

胸糞キャラのケーキバイキングなのだがペロリと完食

2018.09.30記


原作未読


サイコだねぇ
サイコだねェ

サムネと内容とにものすごい乖離のある作品でした。

主人公は容姿端麗JK松坂さとう。愛を求め男を漁ってた過去を持ち、しおと出会って本物の愛を知る。
サブヒロインに8歳の幼い少女神戸しお。同居するさとうに幼子らしい愛を振りまく。
二人はもともと赤の他人。血縁でもありません。

どうして二人は一緒に暮らしているのか?

最初のハテナが視聴者に提供され、しおを探している家族、さとうを怪しむ高校やバイト先の友人・知人などが絡む仕掛け。
この甘い幸せに満ちた、でもどこか歪で危うい共同生活を守ろうとするのはさとう、といったところから物語は進行していきます。


JKと年端もいかない少女との共同生活と、その設定自体がイカれてる(褒め言葉)し、出てくる面々がモブ以外は頭のネジの何本かどこかへいってしまったような人たちばかりのサイコでスリラーなサスペンスといったところでしょう。
そしてヒロインさとうを演じる花澤香奈さんの怪演が光る一品。
今夏は観る作品ざーさんのヒット率が異様に高かった気がします。そのどれもが主役・準主役級だったりと、ちょっと働き過ぎなんじゃないですかね。本作も、「はたらく細胞」「Phantom in the Twilight」「パンドーラ」「メジャーセカンド」「シュタゲゼロ」のアフレコ後、変なテンションかゾーンに入ったような状態でアフレコしたんじゃないかと。
それぐらい松坂さとうのヤバい感じが出ておりました。この一点でも観る価値はあります。


サイコ、サイコと言ってもとってつけたようなサイコっぷりだとただの感じ悪い作品で終わりますが、本作では普通だった人間が壊れていく経緯だったり、壊れざるを得なかった生い立ちだったりを割ときっちり描いているため、胸糞の中にキャラへの同情にも似た共感を覚えることもあろうかと思います。
ふんわりとしたキャラデザインは、ハッピーでシュガー(甘い)なライフ(生活/人生)を表現するにはちょうど良かったかも。

人間の狂気を描いた作品が好き!という方には薦められる佳作だと思います。


■ネタバレ所感
作品の面白いところを語ろうとするとどうしてもネタバレは避けられないので畳んどきます。
{netabare}飛騨しょうこ殺害あたりを起点に、綻びが出始めていた歯車の狂いが加速していきます。それまで狡猾だったさとうに焦りが見えて行動や言動が純化していきます。それと反比例してほんわか天使しおちゃんがこれまで見せてなかった自我を発動していく。それも悲劇的な顛末が予想されるかたちで、といった終盤の展開は良かったですね。{/netabare}
{netabare}結局残されたしおちゃんがこれまた救われない。理想のバッドエンドでうまい感じに締めました。{/netabare}


それにしても砂糖と塩の示唆することは何だったんでしょうか?
同時利用可能な調味料は共生できるという意味なのか。
白は何にでも染められるという意味なのか。
相反する味覚の刺激は対立という意味なのか。

同質で異質。矛盾したものを内包したのが人生だよん、という至極真っ当で浅い考えしか思い浮かびませんでした。

陳腐だねぇ
陳腐だねェ



-----
2019.03.10追記
《配点を修正》


レビュー初稿書き上げた後のレビュアーさん達とのやり取りで、「登場人物はブランド牛の産地だ」「OPムービーのアレはこうで」…その他考察やこう思うといったネタがけっこう出てきた作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50

85.5 2 狂気で秘密なアニメランキング2位
Charlotte [シャーロット](TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (3647)
16211人が棚に入れました
思春期の少年少女のごく一部に発症する特殊能力。
人知れず能力を駆使し、順風満帆な学園生活を送る乙坂有宇。
そんな彼の前に突如現れる少女、友利奈緒。
彼女との出会いにより、暴かれる特殊能力者の宿命。
それは麻枝准が描く、青春を駆け巡る能力者たちの物語――。

麻枝准、Na-Ga、P.A.WORKSによるオリジナルアニメ第2弾が始動!

声優・キャラクター
内山昂輝、佐倉綾音、水島大宙、内田真礼、麻倉もも
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

不完全なのは…

.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+

原作・脚本 - 麻枝准
原作協力 - 馬場隆博
監督 - 浅井義之
キャラクター原案 - Na-Ga
キャラクターデザイン - 関口可奈味
サブキャラクターデザイン - 吉田優子、大東百合絵
衣装デザイン - 大東百合絵
総作画監督 - 杉光登、関口可奈味
アクション作画監督 - 宮下雄次
美術監督 - 東地和生
美術設定 - 藤井裕太
色彩設定 - 菅原美佳
撮影監督 - 佐藤勝史
3D監督 - 小川耕平
特殊効果 - 村上正博
編集 - 高橋歩
音響監督 - 飯田里樹
音楽 - ANANT-GARDE EYES、麻枝准、光収容
音楽制作 - ビジュアルアーツ、1st PLACE
アニメーション制作 - P.A.WORKS
放送期間 - 2015年7月5日 -9月27日
話数 - 全13話

(以上Wikipediaより引用)

.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+

2015夏アニメの中でも楽しみにしていた作品。

麻枝准さん×P.A.WORKSさんと言えばやっぱり
「Angel Beats!」
今回も独特の世界観を醸し出していて、OPテーマ曲から
「あっ、麻枝さんだっ」ってわかる感じがいいですね。

お話としては思春期の時期だけ若者に発症する不完全な
特殊能力。(この不完全なという設定は面白かったです。)
ある事が原因で広がる特殊能力に纏わる問題を解決しよう
と闘う少年少女達の葛藤、友情、愛情、絶望、希望を
時にはギャグ、日常系のほっこりした感じを織り交ぜ
ながら日々の成長を描いた作品かな。

作画、キャラデは安定のP.AWORKSさんなので安心して
みれました。
音楽もOP、ED、劇中歌を含めてすんなり心に入る感じで
特に私は劇中歌の方が好きだったかもしれません。

私自身の評価はそれほど高くありませんが、それなりには
楽しめました。
(どっちなんだよって感じでゴメンなさい…)

全話視聴してみてこのお話の世界に入り込める人、そうで
無い人、凄く分かれる様な感じ。
私的には麻枝准さん×P.A.WORKSというビッグネーム
をご存知の方はハードルをちょっと低めに設定して気楽に
視聴された方がいいかもって感じです。


【mio's café】
視聴済みの方限定です。
あとかなりの酷評かもしれませんので
好きな方にはオススメできません。
{netabare}

視聴前によく目にした麻枝准さんの言葉が
「CharlotteはAngel Beats!での反省点を踏まえて
脚本を書いた」
という言葉でした。
そこまで言われるとすっごく期待しました。
正直。
あの作品に厚みが増したらどんなに楽しいんだろうって。

勿論、この作品楽しめた方も多数いらっしゃると思います
し、良いところもありますので全てを否定するつもりは
毛頭ございませんので誤解のない様にお願い致します。

人によっての楽しむ基準は違うので私の感想はにわか
アニメファンの1意見として捉えて下さいね。

一言で申し上げるならばそのにわかでさえ思う
安直な脚本。
風呂敷広げるならちゃんとたためる大きさにすれば
いいのにというか、本当に真面目に脚本書いてるの?
くらいのレベルに感じました。
プロの方にこの様な事を申し上げるのは大変失礼かと思い
ますが、素人目で見てもそう思わざるを得ない仕上がりに
感じました。
ABからの反省点って何?
どこに活かされているのかがさっぱり分かりません。
高評価の方でわかる方がいらしたら教えて欲しいです。
麻枝准×P.A.WORKSならこのくらいでも満足するんじゃ
ない?
って思われてるようで複雑な心境でした。

アニメって難しいですね。
製作者サイドと視聴者サイドの間の気持ちの隔たり
というか…
どういう意図でこの作品を作ったのかはわかりかねます
が、作品に込められたテーマが感じられないというか
伝わりにくいですね。
色んなものを欲しがって全て中途半端になってる感じ。
正直、軸の感じられない作品でした。

1つには主人公をできるだけ下衆に描いてのギャップで
このお話しにメリハリもしくは面白くする意図もあったの
でしょうが、下衆な描き方の度合いが酷くてそこからの
お涙頂戴的な話に持っていかれても涙どころか苦笑いさえ
浮かびました。

実際、私は最初の視聴の時、第1話の時点で視聴を断念して
います。
何故かと言うと能力を用いて女性を物の様に扱う主人公の
行動、目つきや口元といった表情に虫唾が走ったんです。
アニメだとわかっていても生理的に無理でしたから。
そしてその様な思考回路を持つ人間が自分の妹だけには
優しいというご都合設置が全く理解出来ませんでしたし、
そういう行動をお話を面白くする為の材料として使用する
麻枝准さんに対しても女性として不信感を覚えたからです。

実際あんな能力を持っちゃうと人間っていうのは
私利私欲、自己満足の為にあの様な使い方をするの
かもっていう妙なリアル感はありましたけれど…

でもこのままではいけない、嫌な所だけでは無い、
最後まで視聴すればもっと良い所も見えてくるかも…
と思い再チャレンジ。

でもお話が進むにつれて膨らんでいく作品に対しての
不安と不信。
でもいつかはと思いながら見続ける自分…

2クールならまだわかるけど1クールで本編の核心に全く
関係ない様なシーンの数々。
薄い伏線からの超展開…
突然のタイムリープ設定…
そしてふっと湧いた様なラブコメ展開…
とにかく主人公の自分勝手なご都合主義の描かれ方が
なんとも…
描かれているキャラが可哀想になっちきちゃいました。

これってシナリオのチェックとかって会議でちゃんと
やってたのかなぁ。
一度P.A.WORKSの堀川社長が脚本の途中でにダメ出し
みたいなのをして、麻枝准さんが後半は盛り上がります
からみたいな感じで書き上げてOKだったみたいなお話を
麻枝准さん本人がされていたので、今思うとなんだか制作
サイドでも色々あったのかなぁって思っちゃいます。
見切り発車って事は無いと思いますけれど…。

6Rまでは劣勢ながら何とかもちこたえるけれど、
7Rあたりから徐々に効き始めるジャブ。
8R、9Rで強烈な右フックとボディーブロー。
マウスピースが吹っ飛びました。
10Rは半ば意識朦朧となりながらもクリンチでなんとか
その場しのぎ。
11Rでは強烈なアッパーが入り初めてのダウン。
12Rとどめを刺しにくる相手に起死回生を狙った
一か八かのクロスカウンター!
見事に外れ、強烈な右ストレートでのノックダウン。
最終13Extra Roundを待たずして試合終了。
こんな感じでした。

私的にショックだったのが6話終了時点で雑誌の
インタビューか何かで麻枝准さんが
「私の設定はガバガバですから」
みたいな発言をされていた事でした。
納得と言えば納得なんですが、ちょっと残念で一気に
視聴意欲も萎えちゃいました。
真意の程はわかりかねますが、放送中にあの様な
発言をされるのは、楽しみにしていた視聴者を軽視して
いると思われても仕方ないと思います。
(一応、このあとあっと驚く様な展開が待っています。
みたいな事も仰ってましたが…)

アニメの多くはストーリーが現実離れしています。
しかし、だからと言ってダメということはありません。
それもアニメの醍醐味の一つ。
むしろそれだから楽しい。

そしてその作品の中だけで通用する設定というのがあって
それに沿っていれば現実的かどうかは関係無くアニメは
基本的に楽しめると思います。

だけれど基本的な設定が少なすぎるお話しなのに世界観
だけが大きくなっちゃうと、主人公が既にお話しの中で
示された設定だけでは困難や逆境に対処出来ないなんて
こともしばしば出てくると思います。
そこで苦し紛れに脚本家がストーリーを無理矢理進める為
「主人公自身も知らい秘密の能力が発動する!」
なんてその場しのぎのような後付け設定を何度もすると
自然と作品に対しての不信感みたいなのが芽生えます。

逆にそうならないために、基本設定をあらかじめよく考え
ずにむやみやたらに作っちゃうと、今度は内容に矛盾が
出てくる可能性があります。
この作品を視聴して凄く思った事でした。
難しいですね。

1クール13話というのは最初から分かっているはずなのに
急に2クールから1クールに変更になったと思わせる様な
無理矢理押し詰めた終盤。
恐らく何クールの作品であれ同じような作風になっていた
ことでしょう。
話数の問題では無いと思います。

作画はOPアニメーションから本編まで丁寧で終始安定して
いて安心して見れました。
音楽も麻枝准さんらしい心にすんなり入ってくる様な曲が
多く楽しめました。
声優さんも内山昂輝さん、佐倉綾音さん、内田真礼さん、
瀬戸麻沙美さん、花江夏樹さん、私的にうふふな小野大輔
さん、そしてなんと言っても沢城みゆきさんその他方々、
とても楽しめました。
特に佐倉綾音さん演じる奈緒ちゃんは終始私のお気に入り
でした。

私的に良かった所もいっぱいあったのでとても勿体なかっ
た様な感じですね。

素人風情が何をぬかすかっていう様なレビューになっちゃ
いましたけれど、正直思った気持ちなので。



【主要登場人物・出演者】

乙坂 有宇 - (CV:内山昂輝)
友利 奈緒 - (CV:佐倉綾音)
高城 丈士朗 - (CV:水島大宙)
西森 柚咲 - (CV:内田真礼)
黒羽 美砂 - (CV:内田真礼)
乙坂 歩未 - (CV:麻倉もも)
乙坂 隼翼 - (CV:小野大輔)
熊耳 - (CV:竹本英史)
目時 - (CV:瀬戸麻沙美)
前泊 - (CV:花江夏樹)
友利 一希 - (CV:興津和幸)
Sara Shane - (CV:沢城みゆき/歌 - marina)
白柳 弓 - (CV:中原麻衣)


【主題歌】

オープニングテーマ
「Bravely You」
(第2話 -第9話、第12話、第13話)

エンディングテーマ
「灼け落ちない翼」
(第2話、第5話、第7話 - 第12話)

「楽園まで」
(第3話、第4話)

「君の文字」
(第13話)

{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 104
ネタバレ

らいむぐりーん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

鍵厨って「Key」作品が好きな人を指すワードみたい。いい作品ばっかやし。

9話で話がやっと転がり始めた感じです。
これはまさかの{netabare} ループ物!!??{/netabare}の兆しが。。


作画は安定のP.A.WORKS。
綺麗に描かれています。
キャラの可愛さかなり秀逸ですね。

主人公に感情移入できるまで多少時間がかかったのはさておき、

設定の入り込みやすさは抜群です。
分かりやすい。
ゴチャゴチャした設定モノは
苦手というただの主観的意見。


俺様主人公に
白髪蒼眼美少女。
スクールアイドル
アイドルヲタ
ブラコン要素も備え付けて
ストーリーテンポがいい。

そして
あやねるのドS系CVをご所望のファンなら
きっと全部持ってかれるハズです。

次に引きずる感はなく
句切りよく伏線被せていく感じに観えました。
すごく好きな感じです(^^)/

失った先で得るものと、得たことで失うもの。


人生観に問いかけるようなメッセージ性高めの
{netabare} ループ物 {/netabare}なんかな??
学園×異能系×俺様×美少女=星ノ海学園生徒会

     ですね。( ^^) _旦~~

投稿 : 2024/11/09
♥ : 90
ネタバレ

伝説のししとう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

だから2クールでやれって言ったのに…

麻枝准×P.A.WORKSの第二弾ということで、第一弾のAngel Beats!がそれなりに楽しめた私としてはかなり期待していたのですが…AB!の反省点がどこに活かされているのか、全く分かりませんでした。
これで泣けと言われても困る!

以下、ネタバレになります。
{netabare}1話〜6話
6話でやっと話が動いたけど、ここまでの展開が遅すぎる。もう少し早めることはできなかったのか?
それにしてもだーまえ、また人死なせてお涙頂戴かよ…どうせ生き返るんだろ…

7話〜8話
久しぶりに主人公のゲスさが戻ってきた!8話でいろいろ科学者たちの謎が明かされるかも…と思ったら唐突な当たり前の奇跡wこのアニメ尺大丈夫か?

9話〜10話
急展開…神回だって言ってる人いるけど、今までの展開が遅すぎたわけだし、こういう回が来るのも普通のことかと。そもそも9話は伏線回収というよりも、どちらかというとちゃぶだい返しじゃないですかね?
後3話何をやるのだろう…?

11話
一番の問題回!宇宙規模に話広げるし、マフィアは急に出てくるし…
学園創設前から裏切ってたんなら運転手の人見捨ててもいい気がするんですけど…タイムリープしたら分かるって言うのも無理がありますね〜

12話
有宇の告白はやっぱり7話〜9話が無かったことになってるのがきいてるな〜フラグ全く立ってないし…
しかし本当に後1話で大丈夫なのだろうか?OP歌詞は回収したけど、サラさんとか出てこなさそうな雰囲気。最終話で大きく評価が変わりそうです。

最終話
いろいろと酷い…まさか本当に全世界の能力者の能力を略奪しに行くとは思わなかった…言いたいことはたくさんあるけど、右目を治癒してタイムリープして熊耳を助けなかったのがどうしても納得できなかった。
略奪の代償は記憶ということでいいのかな?

◎全話通して…
タイムリープものとして捉えてしまうと、どうしてもシュタゲや他の作品に劣ってしまいますので、10話までは主人公の成長物語として捉えるべきでしょうね。11話以降は…よく分かりませんw10話までは楽しんで見てたんだけどな〜

この作品の一番の失敗は、やはり2クールでやらなかったことでしょう。9話ぐらいから急展開ばかりですし、明らかに尺足りてませんね。でも6話までスローだったんだから何とかならなかったのか…
ご都合主義展開の多さと、放置された伏線(まあ最初から伏線ではなかったのかもしれませんが…)もマイナスです。

後は高城や柚咲が終盤空気化してたのが残念。11話から兄の取り巻きたちにスポットを当てたのは失敗だと思います。

そういえば、ワクチン全世界の人にどうやって投与するんだろう…w

◎もっと掘り下げて欲しかったところ
・友利のリンチシーン
・白柳さん…
・高城の家庭事情
・ZHIENDのサラの能力と失明
・使い捨てのマフィアたち

◎作画・音楽
・作画はP.A.WORKSなので問題ないですね。安定して綺麗です。

・音楽は映像はOP、曲はEDですかね。ハロハロとZHIENDはこの作品に必要だったのだろうか?CD売りたかっただけなんじゃねーのw

◎最後に一言
{netabare}だーまえは音楽面に特化した方が良い!{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 89

76.5 3 狂気で秘密なアニメランキング3位
ID:INVADED イド:インヴェイデッド(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (428)
1533人が棚に入れました
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。

声優・キャラクター
津田健次郎、細谷佳正、M・A・O、ブリドカットセーラ恵美、村治学、近藤隆、岩瀬周平、榎木淳弥、加藤渉、落合福嗣、西凜太朗、遠藤綾、島袋美由利、平川大輔、宮本侑芽、日笠陽子、蓮岳大、佐倉綾音、小林親弘
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

されど空の青さを知ったカエルちゃん

著名アニメーターのオリジナルアニメ


自分は存じ上げなかったのですが名前を聞けば、な監督と脚本さんとのこと。
そんな予備知識があれば心構えができたものをそうでないとちょっとしたトラップにかかるかも。

まず画が軽いです。主役がツダケンさん。軽い絵と渋い声のマッチングに違和感を覚えます。
次いで第2話まで終わってちんぷんかんぷんです。リアタイでは一挙2話放送でギリ踏みとどまりましたが下手すると離れちゃいますね。
トラップといったのは、 ここまでで"しっかり観よう”という意識が吹っ飛んじゃうかもしれんってこと。流し見ダメ、ゼッタイ!集中しないといかん作品でした。
私も何話か流し見てから、いかんいかんと最初からリピートした口です。

ざっと概要を追うと、
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。
頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。そんなクライムサスペンス。
ミステリと呼ぶにはそこにあまり重きを置いてないような感じがしました。犯人は誰だ?の謎解きもあっさりだし、深層心理にダイブした面々の心の機微がよりこちらの興味をひいてきます。
{netabare}※ジョンウオーカー本人以上に仲間の本堂町小春がぶっ飛んでて良い感じなのです。犯人が魅力的でないキャラ設定なのはわざとじゃないかしら。そこじゃないんだよ!というスタッフのこだわり。{/netabare}


視聴を進めていってなんのこっちゃな部分もおありでしょうが、私も一緒。純粋に視聴に求められる偏差値が高いんだと思います。

それでも推したい作品ではあります。茶目っ気というか遊び心というかクスッとさせる演出ありで、そんなのが見え隠れしてる作品に大外れはない印象。ご多分に漏れず本作もそうでした。例えば設定。

主人公酒井戸が“イド”に入った後、謎解きの重要なモチーフとして必ず死体が用意されています。その名を“カエルちゃん”。別のでも他人のでもイドにダイブすれば必ず会えるという皆勤賞ぶり。そこで誰もが思います。

 {netabare}あー『井の中の蛙(かわず)』ですね、と。{/netabare}

そのうち穴井戸だったり聖井戸だったり井戸尽くしの様相を呈してくる物語。

 {netabare}そんなカエルちゃんは大海を知りませんでした。{/netabare}

 {netabare}ついでにカエルちゃん笑ってくれないんですが胸をさすとげは消えないままだったり。{/netabare}

簡単な連想ゲームにクスッとなります。さらに殺人鬼メーカーのジョンウォーカー。

{netabare}ジョニーウォーカーを連想したのは私だけ?
言わずと知れたウイスキーの銘柄。“ウヰスキー”とも書いたりします。ヰと井。
販元の英ディアジオが韓国に工場を置いたためしばらく日本向けジョニーウォーカーやスミノフはmade in KOREAでした。文大統領が税金上げたもんで撤退みたいなニュースありましたが脱線はこのへんで。
ウイスキーは原酒を寝かせてナンボなわけでしてこちらも熟成熟成また熟成。この殺人鬼も用意周到でしたね。ちょっと類似点があります。{/netabare}

{netabare}それで主人公が“酒”井戸。組織は“蔵”。{/netabare}

{netabare}聖井戸さんだけが持つ“御代”という下のお名前。福井の地酒で「聖乃御代」ってのありましたよね?
脚本の舞城王太郎氏は福井の出身です。ウイスキー関係ないけどなんというかそういったところ。{/netabare}


シナリオとは関係ないところで遊んでみてもけっこう楽しめる。で本編のメインシナリオでも作り手が遊んでるんで素直に楽しかったです。
ホント序盤に軽い画を侮らないで真面目に観続ければいいことがあるんじゃないかと思いますよ。

ネタバレなしはここまで。『マイノリティレポート』『羊たちの沈黙』その他ちょっとでも触れると削がれるタイプの作品です。よろしければ現物を確かめてみてください。
端的に作品から受けた印象を申せば、

{netabare}『大海に出ることの叶わない井の中のカエルちゃんが空の青さを知りえて大海にでることを願う物語』{/netabare}

でございました。



※ネタバレ所感

■声優宮本侑芽のお仕事

飛鳥井木記(あすかいきき)の演者さん。代表作は言わずと知れた『SSSS.GRIDMAN』の宝多六花役。
覚えてますかね?新条アカネとのやりとり。

{netabare}諦観した時のやや強がりの入った演技がすこぶる良いんです、この方。{/netabare}

これまたどうでもいい脱線。
木記→キキ→kick it ! とくれば、Beastie Boys の 『Fight For Your Right 』しか考えられませんよね。えぇ私が好きなだけです。

 You gotta fight for your right. To party

ききちゃんが心から笑える日が訪れますように!


■殺意で狂う人間模様

印象的なシーンと置き換えてもいいかもしれない。なんか切ないのよね。

1.{netabare}井波七星{/netabare}

{netabare}“墓掘り”の相方の女です。彼女のイド内にて、森の中で夜に円環列車が走るのを上から収めたカットを最後に映すんですよ。
「資料によれば井波七星の母親は七星が14歳の時に走行中の電車に飛び込んで自殺。どうやらこの酒井戸が乗る電車が実際にその時母親を轢き殺したもののようです」
ループしてる彼女の心理はここまでで充分に説明されてるのに敢えてぶち込んでくるの切なかったです。

穴開きで1,2話。海外帰りの爆弾魔で3話。そして墓掘りエピソードで4,5,6話と中盤を締めくくって後半にブーストかける良い流れでした。{/netabare}


2.{netabare}名探偵の条件{/netabare}

{netabare}殺人者であること。そして自殺も殺人とカウントするってのが最初とっつきづらかったかも。
つまり殺人犯を口八丁で自殺に追い込んでく酒井戸のスタイルもれっきとした殺人ですよ、と。羊たちの沈黙でも囚人を自殺に追い込んでくのがありましたけどレスター博士のサイコな感じとは違うんですよね。切ない事情がありました。

別件で、熟練の松岡刑事が本堂町(=聖井戸)を送る時も哀愁を漂わせてました。
「ただ俺はお前を推薦しながら俺と他の同僚を守っただけだ」
渋めのおっさんは刑事モノには必要です。{/netabare}


3.{netabare}鳴瓢(=酒井戸)というよりツダケンさん{/netabare}

{netabare}10話が切ない。耐えられん。{/netabare}

4.{netabare}局長の声{/netabare}

{netabare}これ全然切なくないやつです。何だろう…アニメ的な発声にずっぷり慣れてしまったのだろうか。
声が軽くてラスボス感が全くしない。それに棒なんじゃないかと思うくらいひどかった気がする。これ減点要素です。{/netabare}


■最後に遊び心の話に戻るんだが…

遊びと言いきると不敬とも取られかねないのですがお手柔らかに。

{netabare}「違うだろ…君らがどこかに行ってしまったんだ!」
「現実にいるんだ。君のいない…椋もいない…現実に…」
「椋…今そこで君らと一緒にいられなくて…本当に悔しいよ…」

イド内イドで妻に娘に鳴瓢が振り絞るように吐いたセリフ。どんな場面かは完走した人は分かるはず。
悔しいと吐露する鳴瓢の心中いかばかりか。{/netabare}


そこで思い出したのが以下、


{netabare}「国の為重きつとめを果し得で矢弾尽き果て、散るぞ悲しき」

硫黄島守備隊の指揮官栗林忠道中将閣下の辞世の電報です。大本営に“悲しき”の部分を“口惜し”に変えられて世間に発表された逸話はご存知の方も多いでしょう。現代語訳すれば「悔しいよ…」ですね。
それから半世紀の時が流れて、1995年。{/netabare}

{netabare}「精根を込め戦ひし人未だ地下に眠りて島は悲しき」{/netabare}

{netabare}慰霊に硫黄島を訪れた現在の上皇陛下が、この"悲しき”という言葉を使われて御製を詠まれています。{/netabare}


序盤私が申し上げた妄想の類ではなくこちらはれっきとした言葉の繋がりを意識されたものです。
それで「聖乃御代」ってことは…絶対にありませんね。すいませんでした。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

-----
2020.10.10
《配点修正》-0.1 全体バランスを考慮


2020.03.25 初稿
2020.04.29 タイトル修正/修正
2020.10.10 配点修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

欠損した世界で生きる者たち

アニメーション制作:NAZ、監督:あおきえい、
副監督:久保田雄大、シリーズ構成・脚本:舞城王太郎
キャラクター原案:小玉有起、
キャラクターデザイン/総作画監督:碇谷敦、
音楽:U/S、原作:The Detectives United

無意識下の心の領域を示す精神機能のひとつを
フロイトは「イド」と名付けた。
つまり、本能的な欲求や生理的な衝動のことで、
「エス」ともいわれる。
この作品では「殺意」を生じさせた
無意識の世界を「イド」と呼び、
選ばれた人間が「ミヅハノメ」という機器に、
搭乗して探査する。
イドの世界では、搭乗者は「名探偵」となり、
殺人者のイドの情報を集めることで、逮捕につなげる。
イドを構築するためには、殺人現場などに漂っている、
殺意の思念粒子を「ワクムスビ」という機器で
採取しなければならない。
捜査を担当するのは、警察の内部組織「蔵」だ。

作品の土台となっている世界観に
それほど目新しさはない。
他者の思念に入り込んで探偵となる作品は、
筒井康隆原作の『パプリカ』が思い浮かぶし、
映画なら『インセプション』に通じる部分もある。
夢に潜ったり思念を感知するというだけなら、
扱っている作品は大量に存在する。
ホラー映画の『エルム街の悪夢』や『悪夢探偵』、
それを電脳に転化すれば『攻殻機動隊』や
『RD 潜脳調査室』も類似している。
残留思念なら漫画『サイコメトラーEIJI』もある。
しかし、そういう題材を用いながらも、
この作品の物語世界は、最初から最後まで
完全なオリジナリティにあふれている。

ミヅハノメによって殺意の世界に入り込んだ者は、
殺されている身元不明の「カエルちゃん」を目撃することで、
自分の名前と名探偵としての役割を思い出す。
イドに入った元刑事・鳴瓢(なりひさご)秋人は、
名探偵・酒井戸へと変わり、
カエルちゃんの死の真相を探る。
その様子を外部から観察する捜査員たちが、
酒井戸の思考やイド内での出来事から、
犯人につながる情報を掴んでいくのだ。

鳴瓢は過去に起こった事件で
心に大きな傷を負ったことが原因となり、
イドに入れるようになった。
イドに入るためのひとつの条件は、
殺意を持って人を殺したことがあることだった。

1話目から最終回までのシリーズ構成と脚本を
作家の舞城王太郎が担当していることもあり、
伏線などを含め、全体の完成度は高い。
謎が少しずつ視聴者に提示され、回を追うごとに
明らかになっていく。いくつもの展開の波が
計算されて用意されているのは見事。
ミステリーの要素があるので、犯人が誰かという
興味もあるが、この作品の面白さはそんな単純な部分ではない。
殺人鬼たちの心の問題と被害者たちの悲しみを
きちんと掘り下げて描いており、
その感情の一つひとつが心に響いてくる。

名探偵たちは、複雑な想いを抱えながら、
殺人犯たちの原風景のなかにある謎を
解き明かすために躍動する。

濃密で無駄のない脚本のため、
ちょっとしたシーンにも意味がある。
初見では分からない部分が出てくるかもしれないが、
物語を追っているだけでも十分に楽しめるし、
キャラクターたちが語る言葉の意味を考えるのも興味深い。
例えば本堂町小春が考える「欠損」についての思考は、
観る人によって、さまざまな意味をもつ。
本堂町と共通の感覚を抱える富久田との心の交流は、
マイノリティとしての喜びが表現される。

最も心を動かされたのは10話だった。
分かりやすい回ともいえるのだが、
やはり、そこまでの積み重ねが上手い。
鳴瓢が失ったもの、そして決意。
2度目の幸せを守ろうとすること。
しかし、戻ってこないものがある。
前に進まなければならないときがやってくる。

殺人鬼たちの物語でもありながら、
心地良さや厳しい現実を突きつける。
{netabare}福井県出身の作者が、ミヅハノメのメカニズムで
原発を意識させる設定は、明らかに狙ったものだろう。
飛鳥井木記=燃料棒で水に浸けて制御する。
燃料棒が露出した世界において、
人間は防護服がないと生きられない。
いつかは、なくさないといけないものだ。{/netabare}
世の中のジレンマ、見えない未来。
私たちにとって欠けているもの、
損なってしまったものがある。
しかし、そのなかで生きていかなければならない。
怒りと哀しみ、そして希望。
あらゆる感情があふれた世界に
ほんの少しの喜びがあって欲しいと思う。
(2021年2月27日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

メタサイコロジー

監督あおきえい、脚本舞城王太郎。

奇想天外な世界観で魅了する、
舞城ワールド全開なSFミステリー。

殺人衝動を感知するミヅハノメなる、
アイテムを用い犯罪事件を捜査する組織。
{netabare}無意識の世界が推理の舞台となる。{/netabare}
犯人の深層心理に潜る名探偵酒井戸、
彼は井戸に潜り悪の記憶への回路を見つける。

{netabare}彼の過去とカエル殺害事件の真相、
悪意はそこかしこに潜んでいる。
連続殺人鬼ジョンウォーカーとは!?{/netabare}
その影を追い事件は真相へと近づく。

10話視聴追記。
技巧派・舞城ワールド炸裂である。
事件の核心が見えない、絞れない。
{netabare}飛鳥井の悪夢、世界の変容!?
飛鳥井はその力で鳴瓢の記憶を受け取る。
JWは鳴瓢の無意識の投影なのだろうか!?{/netabare}
本堂町が推理の鍵を握る。

最終話視聴追記。
活劇ではなく推理を主体とする犯罪劇では、
極めて良質なサスペンスが堪能出来る。
{netabare}計る者ものの尺度で変わる正義の形、
そして深層心理で繋がる不安定な心の形。
物語は余韻を残し事件は幕を閉じる。{/netabare}

心の病では些細な希望ですら光の道であり、
懸命にもがきながら苦しみが過ぎ去るのを待つ。

〇〇に幸せが訪れますように。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

78.2 4 狂気で秘密なアニメランキング4位
いぬやしき(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (710)
3177人が棚に入れました
定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。

その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は人間を遥かに超越する力を手に入れることに。

一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。

自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。

人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…?

強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。

声優・キャラクター
小日向文世、村上虹郎、本郷奏多、上坂すみれ、諸星すみれ
ネタバレ

Marsa さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

人間の本質が善か悪かというキャッチコピーですが。。。

原作未読。全11話。

宇宙船の墜落により、心と記憶はそのままで、身体をサイボーグに
された初老と高校生の物語。
サイボーグになったことで、星一つを壊滅できるほどの力を
得る一方で、人でなくなった事を思い悩むのですが、、、
共感はできなかったかなー。

{netabare}
初老は道徳的で正義感が強く、真面目、青年は自分の関わる人以外は
どうなっても良いという人間性で対称的、それらの人間性が、
生まれ持ってのものなのか、後天的に得られたものかは不明で、
結局、二人とも、人間でなくなったことを憂いはするが
力が無くて出来なかった事をするようになる。
元々の人間性が表面化する。
初老は人助けに生き甲斐を求め、家族に認めてもらえる、
青年は誰にも受け入れてもらえないが、一貫して身内だけを
助けたいと思うだけで改心していない。
一方で地球が巨大な星に衝突する危機となり、二人で自爆して
地球を助ける。

現代社会の不条理、行き過ぎたなメディアや暴力団や若者の
不道徳な行為などを批判的に織り込んで、打ちのめして
痛快に思えなくもないですが、対極的な二人の人間性の変化を
期待したかな。(多少の心の揺らぎはあったんですが、
物足りない感じです)
キャッチコピーの「人間の本質は善なのか、それとも悪なのか
。。。」が適切であった内容とも言えないかな。
{/netabare}

作画も音楽もかなりよく、観ていて退屈しませんでしたが、
物語としてはちょっと物足りなさを感じました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「最終兵器オヤジ」はサムメンコみたいなヒーロー厨じゃなくて、初老の冴えない事なかれ主義者だからこそ、人生に疲れ、悩み、苦しみながら生きていて、

なんだか共感できるおじさんなんです(笑)


もう私は、ノイタミナ枠は信じてないので、
基本的に、斜めにしか見ませんが、
今回の、こういうSFバトル系は、設定と脚本さえ暴走しなければ、
楽しく視聴できる、と再認識しました。
今のところは、ですが。
原作モノだから、サムメンコみたいにはならないと信じたい。



主人公のおじさん「いぬやしき」が、58歳にしては、
実年令よりかなり老けてみえるし、
慢性の腰痛持ちだし、
視力は衰えてきてるし、
判断力も老化してきてクルマの運転も危なっかしいし。
そのうえ、胃がんが発見されておろおろメソメソしてるのに、
家族にも疎んじられて、胃がんのことも切り出せないでいる様は、
悲しくも可笑しい現代のおじさん像そのもので、
同情を禁じ得ません(苦笑)

ところがどっこい!{netabare}
宇宙船と衝突!という事故に遭遇、完全OUT!と思いきや、
これが、とんでもラッキー・アクシデントで、
宇宙船の連中、手許にあった材料で、
テキトーに機械の身体で再生させちゃって、
事故をなかったことにしてどっかに行っちまったもんだから、
銀河鉄道999で延々と旅するまでもなく、超人体として蘇って、
胃がんの悩みも、腰痛も、視力の衰えも
完全解消、超ラッキー!

でも、心は普通のおじさんのままだから、
自分が超人体サイボーグになった事実を受け止めることもできないまま、
人外の存在になってしまったことを、ただ嘆き悲しんで
自分のアイデンティティを見失いそうになっておろおろするばかり。


そんないぬやしきを救ってくれたのは、
公園の東屋に棲むホームレスのおっちゃん。と言っても、
悪ガキどもにリンチ喰らって殺されそうになってしまうだけですが。
いぬやしきは、我が身可愛さから知らんぷりしかかって、
まあそれが普通だと思うのに、
結局は何の自信もないのに、
事なかれ主義より正義感がまさって、ホームレスと悪ガキの間に割って入って。
普通なら、やられちゃって、はい、おしまい。
なところですが、もはや、いぬやしきさん、超人体サイボーグです。
金属バットで首に一撃喰らって倒されても、
倒れたまま背中から指向性小型ミサイルだか何だかを多弾同時発射して、
悪ガキを追い払ってしまいます。
ただここでも、平和主義者なおじさんいぬやしきは、
普通の人間だったら殺されてる程の目に会ってるのに、
ハイスペックな認証システムとITスペックを駆使して、
自らの手で殺したりはしないで、ネット死刑を選ぶ。
今のところは、いぬやしきが操作している訳じゃなくて、
どうも機動装置の方に主導権があって、
いぬやしきの志向・性格に順応して解決方法を自律制御してるっぽいけど。

まあとにかく、ホームレスのおっちゃんには、神様とまで言われて感謝されて、
ようやく心の落ち着きを少し取り戻したみたいで、とりあえずはよかった、よかった。
これからは、宇宙船事故の巻き添えを一緒に食らった若者との、
孤高の戦いに進むんだろうな。
無双の身体を手に入れても、それで胃がんの恐怖を回避出来ても、
人ならざるモノになってしまった自分のことを嘆いて悩むだけだから、
苦戦は必至でありましょうが。{/netabare}
楽しく気軽に視聴継続、決定です。


ただし、小日向文世さんの声には、かなり違和感を感じました。
軽くてころころ回るハイトーン・ボイスは、
いぬやしきの風貌に見合った老けた声に聞こえないんで、
ミスキャストではないかと思う。
小日向さん自身の、CVのテクニックもちょっと不足してる。
実写映画のような生の芝居をしちゃってるんで、はっきり言ってノー・グッド。
あけすけに言ってしまうと、プロの声優みたいな技術は望まないので、
もっと記号的でいいから、ちゃんと発声して聞き取りやすさを大事にして欲しいです。


11/27追記
話が進んで行くにつれ、黒化&シリアス化加減が半端ない。
{netabare}犬屋敷対獅子神の一騎打ちになると思ってたら、
全然違う方向に行ってしまって、
これはこれで面白いんだけど、
こうなると、獅子神の贖罪と断罪の物語になるのか?

マスコミ陣惨殺にヒャッハーしたか、
2ちゃんねらー暗殺にヒャッハーしたか、
どっちだった?って視聴者への踏み絵のようで面白かった。
さてどちらが正解でしょう?
{/netabare}

最終話視聴を終えて
{netabare}
途中ではなしがどんどん膨らむ獅子神のターンは面白かったし、
犬屋敷v.s.獅子神のバトルも美麗かつダイナミックでよかった。
それだけに、最終話の妙にヒューマニズム的に、
こじんまりなまとめ方には、心情的に同調しかねる。
隕石の話が数話まえに出てきた時に、嫌な予感はしていたんだが。
まさか想像通りの、つまらぬ予定調和で幕引きとは・・・

残念ラスト。{/netabare}

↓「最速!2017秋アニメBEST10」にランクイン↓
https://www.anikore.jp/anime_rankings/view/46224/

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

今の貴方を愛せますか…

1話見たときの印象とここまで違うの珍しいかも。
ちょっと主人公の声に違和感あるので期待してなかった部分あっだけど…
尻上がりに面白くなる、日本版アイアンマン。

10話、11話はアメリカンエンターテイメント映画かと言いたくなります。

ここでの評価26位…
指摘には5本の指、嫌3本の指に入ってきそうな面白さ。
OPの犬の被り物してるバンド最高にノリがいい♪


視聴完了
これが漫画原作アニメだとよく分かる作品でした。
読んでるうちに引き込まれてくる感じ出てました。

アニメだとキャラデサや声優さんの違和感あったけど、グロいSFアニメだと思いきや家族愛とか描かれて良かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

59.1 5 狂気で秘密なアニメランキング5位
骸なる星 珠たる子 なるたる(TVアニメ動画)

2003年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (208)
870人が棚に入れました
『なるたる』は、鬼頭莫宏による漫画、及びそれを原作としたテレビアニメ。タイトルは「骸なる星、珠たる子(むくろなるほし、たまたるこ)」の意味。
【ストーリー】小学6年生の玉依シイナは小学校最後の夏休みに祖父母の住む島に行き、海でおぼれかけて、星の形をした変わった生き物『ホシ丸』に助けられ出会う。
ホシ丸は少年少女の意識とリンクし、変幻自在の能力を発揮する「竜の子」の一体であった。他の「竜の子」の持ち主(リンク者)との出会いのエピソードを挟みながら、シイナは「竜の子」を用いて世界をリセットしようとするリンク者たちの一派との戦いに巻き込まれて行く。

ミミック さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

え?え?、あれぇー?

結局何が言いたいアニメだったんでしょうね。
自分にはサッパリわからなかったです。

2期作るための戦略だとしたら仕方ないが張った
伏線がそのまま回収されず、後味がかなり悪いです。(要は原作読めということですね)

序盤からミステリアスないい流れを作り出して
結構のめり込んでいた自分が恥ずかしいです。


味がないけど噛み続ければ出そうなガムを噛み続けたけど
出ずに最終回を迎えてしまった感じです(笑)


*良かった所*
・なんか見続けてしまう魅力がある。
・ホシ丸が可愛い。

*不満だった所*
・1クール向きではないです。
・話がカット&飛躍しすぎで理解に苦しむ。
・上記2つの影響もあり話がペラッペラです。


以上読んでいただきありがとうございます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

alpine さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

終わり方がやっつけすぎる・・・。

物語の評価は3ですが、部分的には4あげてもいいと思います。
(終わり方がちょっとあれなので、3としておきます。)
とりあえず、原作は悪くないんです!
と、原作の事書いてもアニメのレビューにはなりませんね…。

良い点は…さすが鬼頭莫宏先生(ぼくらの)の作品と言った所でしょうか。
アニメでの再現率はかなり良い方だと思います。

この作品の一番悪い点は、ものすごく中途半端に完結させてしまっている点
B級ホラー映画のように続かせる素振りをしておけばまだ良かったものの
最終話で伏線を回収せずに無理矢理完結させてしまっている所といったところでしょうか。

その辺りも相まって、ボロクソ叩かれたり
部分的に見た人が、そのシーンだけをクローズアップして変に貶めている傾向も強いです。
なので、その辺の事しか書いてない人のレビューは参考にしない方がいいでしょう。

私から見れば他の方がレビューしている程偏った内容の作品とは思いませんでした。
中途半端に終わる所以外、ほぼ原作に則った流れになっていますし
原作の方が残酷描写は多いですから。

ただ、アニメでも残酷描写はやはりあるので
見たい人は、それを了承の上見ていただければと思います。
あと、上記しましたが、中途半端に終わるので
そこも覚悟してください…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

いぶちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

二周してみた

なるたるは、最初その絵の可愛さと
OPのほのぼのした雰囲気で見始めました。
まんまとやられましたが。。。
だいぶ前に一周して、最近また一話から
十三話まで見直しました。

ほしまるはとても可愛い^^

イジメとか、闇(病み)とか、
途中心が痛くなるんですが
観てしまいますね。

ほしまるの秘密や、成長した主人公と
その背景の人々、
原作はもっとエゲツナイみたいですが
ちゃんと完結しているらしいので、
時間がある時に、原作もしっかりと
観たいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 8

77.6 6 狂気で秘密なアニメランキング6位
MONSTERモンスター(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (636)
3520人が棚に入れました
1986年、西ドイツ・デュッセルドルフのアイスラー記念病院に、頭部を銃で撃たれた重傷の少年が搬送されてくる。天才的な手術の腕を持つ日本人外科医・ Dr.テンマは、院長の命令を無視してまでオペを担当しその少年の命を救う。「死」を生む悪魔と「生」を生む医者が出逢ったことで、陰惨な物語の歯車がごとりと廻り始める。
東側の世界では西ドイツ社会を混沌の世界に突き落とすという異常な策謀が進行していた。チェコスロバキア秘密警察のフランツ・ボナパルタらは、子供たちを次々に西側諸国へ送る戦闘要員として教育していく。その過程でヨハンという怪物が生まれた…。
数年後の1995年、テンマと数年ぶりに遭遇したヨハンは確実に巨大な怪物に成長していた。テンマの患者ユンケルスを目の前で何の躊躇もなく射殺するヨハン。自分の中で何かが弾けたテンマは、ヨハンを追いかける。
果たして、テンマはヨハンの殺戮を食い止めることが出来るのか…。ヨハンを衝き動かす『なまえのないかいぶつ』という絵本は何なのか…。ヨハンは何故殺戮を繰り返すのか…。物語はベルリンの壁崩壊後のドイツとチェコを舞台に展開されていく。

声優・キャラクター
木内秀信、能登麻美子、小山茉美、磯部勉、佐々木望

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

助けたあいつはサイコパス。俺の涙は俺が拭く。

ミステリー。
(´・ω・`)タッチも序盤飛ばせって言ったし長いから飛ばしていいよね?
(`・ω・´)ダメ。絶対。
全74話。

コレを飛ばすなんてとんでもない。
タッチに比べれば短いではないか・・。とは言えかなりのボリューム。
しかし紛れも無くキングオブ名作の1つだと思ってる。レビュー数230は本作の面白さを考慮すれば少なすぎる。

どーゆう話なのかと言うと、腕のいい外科医だった主人公が瀕死のガキを救ったのだが、こいつが成長したらどえらいサイコパスだった。
しまった・・なんてものを助けてしまったのだ。やばい、こいつなんとかしないとって感じでサイコパス君の行方を追う主人公。しかも殺人事件の犯人と言う濡れ衣を着せられて警察から逃避行という苦難のおまけつき。
さぁどうなる主人公。大体こんな感じ。

74話の大半は、迫り来る警察をかわしながらヨハン(サイコ)を追って行く話。ほとんどはドイツが舞台。

ストーリー展開は言うまでもなく秀逸。
タグにもあるがまさに1話見たら止まらない感覚。ついつい先が気になり見てしまう。

本作には数多くの登場人物がいるがメインキャラから出番の少ないゲスト的なキャラまで非常に丁寧に描写されてる。このキャラ達と主人公とのエピソードもまた非常に面白い。
メインを張るキャラたちの人間臭さも魅力。

全体的に完成度が異常に高い作品だと思う。

手放しで褒めてるが、当然すべての人に受けるわけでは無い。
100人中100人に支持される作品なんて存在しない。
名作なのは疑いようも無いが、やはり74話の敷居が高いかもしれん。冷静に考えても長い。
でも、これ多分削れないと思うんだよな。確かに無くても困らない回とかは多少あったかもしれないが無駄だったと思える回は記憶する限り1つも無い。いや無かったような気がする。多分無かったと思いたい。
自分的には、ほぼすべての話が面白くもあり泣けもした。
この作品で初めてこの作者を尊敬した。

物語も動く時は激しく動くが全体的にはやや静かに動くような印象。
静かなること林の如く侵略することイカの如くってな感じ。
このへんが人によってはもどかしい。さっさと話進めろやとか言われかねないかもしれない。そんなせっかち君には少し辛いかも。
逆にそんな静かな流れも楽しめるような人であるならばあなたにとって傑作名作になるだろう。

難点があるとするならこんなとこかな。

主軸はあくまでヨハンを追う主人公と主人公を追う刑事なんだけど、この作品の真骨頂は旅先で出会う人たちとの
交流だと思うのよ。これが実にいい話が多くてねぇ・・・。
ちょっと泣きそうになったり感動したり笑えたり。まさに色々入ってる玉手箱ですわ。

長いが時間を取って見るだけの価値は保障する。
見てるとそこまで長さは感じないはず。コレは名作のみが持つオーラの証明。

I recommend this work Please watch it

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

長編ミステリーの傑作

随分前に原作を読んで、数年前にアニメ版を観ました。

ベルリンの壁崩壊前後のドイツの社会背景をベースとして、
東西冷戦構造、家族、児童虐待、トラウマ、
果ては病院での権力争いなどをテーマにした作品です。

全75話という長編ですが、
アニメだと音楽や声の魅力もあり
ドイツやチェコの風景にも広がりと奥行きが感じられ、
1日12話ずつ観てしまってたほど引き込まれていました。

ちなみに、デビッド・シルヴィアンが歌う
32話までのED、「for the love of life」
この物語の雰囲気にとてもマッチしていて、好きでした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

愛しくも悲しいけもの(人間)たち

[MONSTER]
浦沢直樹原作。
物語は天才的な技術を持つ医者のDr.テンマが上の命令に背き、双子の子供を助けた。その手術によって出世コースから外れ、時同じくし病院の上層部が殺害され、テンマが濡れ衣を着せされる。その後救った少年のヨハンと言う通称モンスターと出会い、彼を追いながら逃亡生活が始まってゆくミステリー。

本作は全73話で長いったら長い。でも1話も飛ばす気にならなっかたし飽きはあまり無かった。原作に忠実すぎる気がしますが中だるみや引き伸ばしとは違う感じで完走できました。アニメを見ていると萌えるとか、設定が良いとかすぐ感想が出てくるもんですが、これが全く出てこなかった。いやつまらないとか言う訳じゃなく一つに絞りきれないし圧倒されたと言うべきでしょうか。何も言えね~(北島康介)であり、言葉に出来ない(小田和正)でした。

ドイツ、チェコを舞台とした漫画。冤罪、猟奇殺人、医療倫理、病院内での権力闘争、家族の在り方(親子愛、兄弟愛)、人間愛、児童虐待、アダルトチルドレン、トラウマ、東西冷戦構造、ベルリンの壁崩壊の以前以後のドイツ社会などをテーマとしている。wiki参照

このようなのテーマかつ長編でもあるので敷居が高いのは確かですが見てよかったと心底思えた。基本謎の男ヨハンに迫りつつ、逃げるテンマ。テンマを追うルンゲ警部。他にヨハンの妹ニナ、テンマの許嫁や色々出てくる。正直うざったらしい位に。だけどこのキャラ達に影や光を与えつつの締め方が見所の一つ。各方面に散っているキャラ達が、それぞれ情報を掴み伏線が明かされながら繋がる流れが73話全部観れたし、1話完結位の出来で悲しくもあり涙だった。

ドイツで子供に軍事教育が施されそこでヨハンが出来上がる。催眠教育やトラウマになる非人道的な教育が行われていて、その教育についての専門的云々は置いて、浦沢直樹について感じたのは20世紀少年を始めとして、幼少期からの成り立ちにこだわりがあるのかなと。

うちのばあちゃんは良く幼少期の話を聞かせてくれるのですが、トラウマが今になっても残ってて悪夢はその頃の夢なんですよね。高齢の方と話す時も幼少期の話が多くて、私もガキの頃の悪夢をよく見るし、浦沢氏もメディアなどで幼少期の話をよくしている所を見ますね。本作はそこらへんを医療的に浦沢的にエグい位描かれていて正直、苦しくもあった。でも、だからこその感動がそこにはある気がします。

浦沢氏がかつて、一線を超えそう(イカレ)な時があると仰っていましたが、これは一線超えてないと書けないんじゃないかと。このカオスな世界観、人の深層心理まで迫ってくる描写。これは普通じゃない。いい意味で。なんか雑談が多くてすまそですが、積み重ねた怖さ・悲しさの分感動させてくれて〆だけは不気味な程爽快で、チョー気持ちいい!!(北島康介)作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

86.2 7 狂気で秘密なアニメランキング7位
ヨルムンガンド PERFECT ORDER(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1793)
9858人が棚に入れました
両親を戦争で失い、武器に関する一切を憎むようになった元少年兵ヨナは、ひょんな事から若き女性武器商人ココ・ヘクマティアルと、彼女が率いる私兵達と共に世界中を旅する事になるのであった……。

声優・キャラクター
伊藤静、田村睦心、石塚運昇、大原さやか、乃村健次、小西克幸、四宮豪、勝沼紀義、羽多野渉、箭内仁、豊口めぐみ、松風雅也、冬馬由美、奈良徹、小清水亜美、加藤沙織、磯部勉、久川綾
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

<最終回まで視聴完了> ヨルムンガンド計画の全貌を知った上でみつめる世界はどう見えるのだろう

原作は未読だけれど、1期から視聴してきた。
この作品を観るとき、銃撃戦にワクワクしてしまう気持ちと同時に
いとも簡単に人が殺されていくことに対しての麻痺に恐怖を感じ
ちょっと複雑な想いに駆られる。

両親を戦争で亡くし、武器に深い憎しみを抱きながらも
武器商人であるココたちと行動をともにし、自分と彼女達の身を守るヨナ少年の
心境にはまるで及ばないにしても、少し理解した気持ちにはなれる。

兵器や武器は人を殺す道具であると同時に、身を守るものでもある。
兵器や武器は憎しみを生む道具であると同時に、
一部の平和は保たれているという現状。
無抵抗ではやられてしまうだけなのだ。
だから戦うしかない。
生きるために。後世のために。
だから兵器や武器は作られ続け、それを売る人がいて使う人がいる。
だったら・・本当の平和はいつやってくるのだろう?
ココが言う世界平和とは?そう思って最終回までを見届けた。
彼女の考えに賛否は分かれるかもしれないが、僕は概ね共感できた。
もしそれが実現したとして、いったい誰が実現させるかで
世界は大きく変わってしまう恐れはあるけれど、
少なくとも武器を持つ戦争はなくなるのだろう。
しかし同時にそれは、武器に変わる新たな戦法でしかなく
この地球に人間が生きている限り、その危険は続くのかもしれない。

ミリタリー的なものが好物な自分にとって、もしかしたら永遠のテーマかも。
リアルな銃声や映像に心躍らせつつも、単純にカッコいい!と喜ぶだけじゃ
なんだか不謹慎な気持ちになり、綺麗ごとでもなく、
この想いを追求したくて「戦う作品」をついつい観ている自分がいる。

特にこの『ヨルムンガンド』はスケールの大きさや、リアルさが
演出や作画、脚本ともに際立って感じるのでなおさらなのだ。

今回の2期は、やたらドンパチやっていた1期に比べ
人間ドラマのほうを深く描いていたので、感情移入もハンパなかった。
とにかく、納得のいく良い最終回だった。
ちなみに、OPは相変わらずカッコいい曲なのだけれど
EDは正直、1期のほうが好みだったな~
---------------------------------------
<8話(20話)の感想>

おぉ、ついに「ヨルムンガンド」動き出すのだね。
今回は女性陣の活躍が中心で、観てて楽しかった。
アマーリアさん鋭いし、寡黙なカレンさんクールだし
料亭?っぽい座敷でのミルボとカレンの殴り合いが始まったのに
無視して話し合いを続けるDrマイアミたちも可笑しい。
さてさて今後はぐんぐん山場になっていくのかな。
次週が待ち遠しいです。
--------------------------------------
<7話(19話)の感想>

緊迫感の連続で、今回はすごく面白かった!
OPなしで始まったのに、あっという間に次回予告になってた。
銃撃戦以上に、人間の悪意と良心、計算高さや洞察力が
とても興味深かった。いいなぁ・・・ワイリのキャラ。
ヨナも冗談が言えるほどになって、随分と変わったよね。
冷静に考えれば、とんでもないことが起きているのに
ワクワクしてしまう・・・許してくり(苦笑)
------------------------------------- 
<6話(18話)の感想>

海ほたる懐かしい。って思ってられないほどの緊張感。
気づいたら握りこぶしになって身を乗り出してたし(汗)
後半、なんとも日本人らしいというかなんというか。
なかなか渋いまとめ方だったけれど、底知れぬ怖さがあるよね。
-------------------------------------
<5話(17話)の感想>

舞台は日本に。
よく知った場所や建物が見れるのはなんだか嬉しいけど
ホテルでの血しぶき飛び散るドンパチ見ながら
「あらあらあらあら」と『ARIA』のアリシアさんみたいに
心の中でつぶやいてしまった。
でも今回は空港での飛行機の描き方、カメラワークが
すごく好みだったので特に嬉しかった!
-------------------------------------
<4話(16話)の感想>

1期の1話の冒頭シーンが再び映し出された。
ヨナのいきさつを知り、これまでを見てきた今もう一度観ると本当にせつない。
{netabare}
かつて一緒にいて、今は日本で保護されている子ども達を
車越しにみつめるヨナのホッとした笑顔が、たまらなく泣けた。 {/netabare}
寡黙なヨナの気持ちを想うとき、いつも胸が締め付けられる。
そしてキャスパーがヨナに言った言葉が、どうにも引っかかって気になった。
------------------------------------
<3話(15話)の感想> 真実より事実

哀しかった。でも救われた部分もある。
{netabare}レナードの真実と事実。{/netabare}
ココ同様、事実を大切にしたいと思った。
いつも以上に深く、いつも以上にきめ細かく
ココの中にある憎しみ、怒り、そして哀しみを感じた回だった。
今回だけなのかな、EDもいつもと違っていた。
やなぎなぎの唄う「真実の羽根」がとてもせつなかった。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70

アシュコロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

世界平和のために武器を売る女

とある少年兵がその腕を買われ
女武器商人の護衛役として旅をすることになる。
武器商人が率いる旅のメンバー達は
ひと癖ふた癖もあるやつばかり。

そんなメンバー達は個々それぞれの分野に
秀でた能力を持っている。
狙撃手、接近戦、爆弾、情報処理、etc…。
それらの能力が互いに補い合うことで
最強のチームが完成する。
このアニメを通して
チームワークとはまさにこうあるべきだ!と
チームの在るべき姿を感じ取れました。

タイトルに書いた「世界平和のために武器を売る女」
とても矛盾してますね。
武器があるから争いは止まない。
武器は戦争の火種になる。
なのになぜ世界平和を望んでいる彼女は
武器を売り続けるのか、それでは本末転倒ではないか…。

その理由は本作の終盤であきらかなになるのですが
彼女の思い描いてる世界平和の在り方を知った人は
感じ方が二つに分かれると思います。
そしてその二つの答えにまた矛盾すると思います。

「多数を救うために少数を切り捨てる」
これは他作品のアニメのキャラクターの言葉ですが
この物語の結末による矛盾は
おそらくこの言葉が深く結び付いてくるのではないかと思います。

といった感じでとてもテーマの深い作品でした。
またガンアクションの迫力もこの作品の
魅力の一つだとおもいます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 56
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

武器商人との旅の終わりに

原作未読 全12話

ヨルムンガントの2期ですが、そのままお話は続いているので2期というより2クール目といった方が良いかもしれません。

2期は武器商人としてのお話もありましたが、どちらかというと謀略・諜報・誘拐など政治的なお話が多いですね。

前半は1期ではクローズアップされなかったココの私兵のお話やココの兄で同じ武器商人のキャスパー中心のお話、中盤は仲間思いのココがよく表現された内容でした。
{netabare}ヘックスとの{/netabare}銃撃戦は見応え十分でしたね。
{netabare}でもアールの死んだ時は、ココがいかに仲間を大事にしていたか分かりましたね。{/netabare}

脇役で面白い(個性的な)キャラが多いですね。
{netabare}CIAのブックマンは声も渋くていい味出していました。{/netabare}

この作品には強い女性がいっぱい出てきます。
思い出すだけでも、ココ、バルメ、Dr.マイアミ、アマーリア、チェキータ、ヘックス、ショコラーデ、ミルド、カレン・ロウ、チナツ(1期)などなど
強いというのは精神的な強さ=駆け引きの凄さ(ココ・Dr.マイアミ・アマーリアなど)と精神的・身体能力の強さ=戦闘能力の高さ(バルメ・チェキータ・ヘックスなど)です。とにかく強いですねw

2期ではそんな強い女性の中でもいつもマイペースなショコラーデが好きなキャラですね。上司に対して共感する部分がありましたw
もちろんバルメも相変わらずいい味出していましたねw

後半はいよいよこのタイトル、ヨルムンガルトの全貌が明らかになるお話が中心です。

話しが進むにつれてココの表情がどんどん邪悪な表情(笑っていても)に変わるのが怖いですね~

最後の方は目が離せなくなるぐらい集中できました。
{netabare}
印象に残っている言葉は、ヨナの

「武器商人と旅をした、そして僕は変わる世界を知る。」

「この世界は鉄と火薬で出来ているじゃないかって思えるほど、僕らの道には武器が溢れている。人を殺すためのだけの進化する道具を握りしめながら、ときにこれを憎んだことを忘れそうになりながら、僕は武器商人と旅をした。」

「僕は武器商人と旅をした。そしてココ・ヘクマティアルと新しい世界を旅する。」
{/netabare}

銃撃戦などで人が簡単に死ぬ場面などありますので、苦手な方もいらしゃるとは思いますが、私的には見応え十分な作品でした。気にならない方はぜひ観てくださいね。オススメです。

OP/ED 1期と同じく この作品に良く合っていた曲と作画です。最終話の曲も素敵でした。

余韻が残る作品でした。穏やかな風とともに、この作品に出会った事を感謝します^^

最後にこの作品の画像のココ怖すぎますねw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50

62.7 8 狂気で秘密なアニメランキング8位
Lostorage incited WIXOSS(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (232)
978人が棚に入れました
池袋――幼少期にこの街で過ごした高校2年生の穂村すず子が戻ってきた。
「ずっと友達だよ!」幼いころに仲良しだった森川千夏と誓った大切な記憶。その千夏とまた会えるかもしれない…それだけですず子の胸は高鳴る。
 転入した高校にもすぐには溶け込めず、早々に浮いた存在となっていたある日、「WIXOSS」を覚えれば友達ができるかも……そう思って学校帰りに立ち寄ったカードショップでデッキセットを購入する。
 家に帰りカードデッキを開封すると、カードの中に描かれた少女が動きだし、口を開く。

 「ようこそ、セレクター」

 selectorとして選ばれた人間は、自分の記憶のすべてが詰まった5枚のコインを賭けたバトルに参加しなければならない。コインをすべて取り戻し勝利すればこのゲームから脱出できる。逆にすべてコインを全て失い、敗北すると、そのペナルティーとして──。

 「Lostorage」―――この不条理なゲームに巻き込まれる事となったすず子の運命は!?そして、すず子と時を同じくして、千夏の手にも……

声優・キャラクター
橋本ちなみ、井口裕香、伊藤静、金元寿子、井澤詩織、久保ユリカ、興津和幸、菅原慎介、山岡ゆり、洲崎綾、後藤沙緒里、間島淳司、日岡なつみ、西明日香、生天目仁美、中村悠一

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

まあまあ面白いけど、ゲームの販促アニメとしてはダメな気も…(笑)。

カードゲームWIXOSS(ウィクロス)を使って作中でバトルするけどストーリー的にはカードゲームとは独立という、スタイルとしては『遊戯王』シリーズみたいな感じのアニメ作品です。

同じような立場の作品としては『selector infected WIXOSS』や『selector spread WIXOSS』がありますが、設定やストーリとしては「selector」シリーズとは別物ですね。登場人物にも継続性がありません。

何が「販促アニメとしてダメ」かというと、この作品を観ていても「WIXOSS」というゲームそのものにはまったく詳しくならない(カードの種類やルールなど)という点です。

またバトルの決着自体もほぼ各ルリグ固有のコイン技でついてしまうことが多く、カードバトル描写がカードゲームの販促アニメとしては致命的にダメです(笑)。

それは横に置くと、ストーリー自体は「忘れたくない記憶」や「なかったことにしたい記憶」などがテーマになっていて、それほど悪くはなかったとは思いますが…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 26
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

戦闘狂 versus 友情パワー

作画と演出が割りと好みだったので最後まで何とか見れましたが、このシナリオでは評価点数どうしても低目になってしまいました。

lost + storage → lostorage (造語) 「保管庫を失う(こと)」
incite (他動詞) ~を…に駆り立てる、刺激する

→なので、Lostrage incited WIXOSS で「WIXOSSに駆り立てられる記憶喪失」くらいの意味か?
でも、変な英語(byが欠落?)。

因みに2014年に制作・放送された 「selector infected WIXOSS」及び「selector spread WIXOSS」は、やはり事前に見ておいた方が良いと思います(前作の話がほんの少しだけ出てくるので)。
それ以上は、とくに・・・。


◆制作情報

{netabare}原作        LRIG
監督        桜美かつし
シリーズ構成    土屋理敬
キャラクターデザイン(原案)さらちよみ 
キャラクターデザイン  佐藤嵩光 
音楽          井内舞子
アニメーション制作  J.C.STAFF {/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


============ Lostorage incited WIXOSS (2016年10-12月) =========
{netabare}
第1話 記憶/裏と表 ★ すず子回(池袋帰郷・高校転入、WIXOSS、最初の対戦)
第2話 少女/理想と現実 ★ 千夏回(家庭事情、WIXOSSの報酬(記憶書換?)、初勝利)
第3話 セレクター/蜜と毒 ★ すず子vs.墨田(シスコン男)、敗北セレクターの運命
第4話 再会/光明と混沌 ★ 情報交換、ブックメーカー里見紅、千夏との再会
第5話 友達/絆と鎖 ☆ 続き、すず子vs.はんな
第6話 バトル/過去と現在 ★ 千夏の新しいバイト、千夏vs.すず子、中断(無効)
第7話 進化/純白と漆黒 ☆ 翔平vs.千夏
第8話 闇/渇望と喪失 ★ すず子の特質、はんなvs.清衣、墨田vs.里見
第9話 真実/終わりと始まり ★★ 千夏vs.清衣、夢限少女、自殺、絶望 ※前作のキャラ(繭、タマ)が初めて登場、前作みてないと話が分からないのは×
第10話 捕食/悲劇と喜劇 × ※前回の途中から真面目にシナリオを追う気持ちが失せる
第11話 二人/すず子と千夏 ☆
第12話 夜明け ☆{/netabare} 
-------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)6、☆(並回)4、×(疑問回)1 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「Lostorage」
ED 「undeletable」


◆視聴メモ

{netabare}・第1話、今回は主人公が女子高生で、セレクターには男性もいるんだね(※前作は主人公が女子中学生で、セレクターは確か女性だけだった)。
・第2話の時点で、既に街にセレクターがウジャウジャいる様子(※犬もあるけばセレクターに当たる状態)ですが、この世界って大丈夫なのでしょうか?
・第3話、消えるというのは、君の記憶が失われる、ということではなく、人格そのものが失われる、ということ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「selector spread WIXOSS」から2年…今度の代償は無形の宝物…

この作品はオリジナルアニメのようです。「selector spread WIXOSS」の放送から2年…満を持しての登場という形となったこの作品…個人的私見ですが、制作に踏み切るのは勇気のいる選択だったと思います。

なぜなら「selectorシリーズ」は緻密な構成に基づく溢れ出る程の痛みを抱えた作品でしたから…
繭…そして白と黒のルリグ…翻弄されるセレクター達…バトルによる明確な勝敗の線引きと敗者に対する容赦の無い仕打ち…
願いは人に対して均等に与えられた権利…その権利を餌に勝っても負けても出口の無い迷路を彷徨い続けるセレクター達…
本気で救いの無い物語だと思っていました。

だからこそこの作品には後発故の難しさがあったと思います。
前作が素晴らしかったから尚更です。
でも個人的には踏み切って貰えた事が嬉しくて仕方ありませんでした。
この作品が放つオーラ…個人的には大好物なので…

この作品の主人公は高校2年生の穂村すず子…彼女は父親の仕事の都合で転校を繰り返してきましたが、8年ぶりにもと住んでいた池袋に戻って来ることができました。
すず子はこの街に戻ってくるのが嬉しかったんだと思います。
なぜならここは幼いころの親友が住む街だったから…
だから転校を繰り返してもその親友の事だけはずっと忘れなかった…

ずっと親友だと思っていた…
出した手紙が宛先不通で帰ってきたとしても、何らかの事情があるだけでお互い顔をみたら直ぐに昔に戻れると思っていた…

だから学校の友達と仲良くなれなくても、たった一人の親友さえ傍にいてくれたら他に何もいらないと思っていた…
でも8年という歳月は振り返ればあっという間の事かもしれませんが、前を向いて歯を食いしばっている人にとっては気の遠くなるような時間…

そんな最中、すず子は気晴らしに「WIXOSS」の構築済みデッキを購入するのですが、そのカードの中に「はじまりのルリグ」が入っていてセレクターにされてしまうんです。
こうして再びセレクターバトルの幕が上がり、物語が動いていきます。

私は「WIXOSS」の細かいルールは分かりませんが、分かっているのはバトルの代償が5枚のコインに置き換わっていること…5枚のコインを全て失う、若しくは5枚全てを集めればセレクターバトルが終わるという事…
私は迂闊にもこのルールを甘く見ていました。
なぜなら「selectorシリーズ」は願いの大きさによって勝つ回数に違いがあれど3回負けたらお終いだったので、こちらの方が条件が厳しいと思ったからです。

でも蓋を開けたら全然違っていました…
代償が5枚のコインに置き換わる…という事は1枚1枚のコイン全てが意味を持っているんです。
だからコインを1枚失えば自動的に1枚分の代償が支払われる…という事なんです。
これがセレクターの精神をどれだけ傷付けるか…少し考えれば分かる事です。
だって、ある瞬間を境にポッカリと穴が開いてしまう訳ですから…

こうして自分の開いた穴に気付きながら、その穴を塞ぎたいと思ってもその保証はどこにもなく、むしろその穴が更に拡大する事を恐れてしまう…
今回のセレクターバトルは自らの意志で死地に赴く…そんな類のバトルだと思いました。
自分自身を構成するモノですからそう思うのも仕方ないと思います。
中途半端に穴が開いた状態…もしそれが自分の身に起こったら本気で怖いと思います。

すず子の大切な親友である森川千夏…ちーちゃんとはセレクターバトルの最中に出会う事となります。
再開を素直に喜ぶすず子…ちーちゃんも一緒だと思っていた…
ですが、ちーちゃんの言動はすず子の予想とは真逆のモノだったんです。
空白の8年…この間にちーちゃんにも色々あったようです。

すず子は大好きだった昔のちーちゃんを取り戻すことができるのか…
そして今回のセレクターバトルの抱える痛みは…
気になる方は是非本編でご確認下さい。
一つ確かなのは、今回のバトルも決して甘くない…という事です。

オープニングテーマは、井口裕香さんの「Lostorage」
エンディングテーマは、Cyuaさんの「undeletable」
井口さんのオープニングが断然恰好良くてお気に入りです。

1クール12話の物語でした。最終話で続編の制作が発表されたのも嬉しい限りですが、この物語の本質はむしろここからだと思います。
これまではこのバトルを知るための前哨戦…きっとこの物語の闇はもっと深く…もっと暗い…
そんな深淵で何が見られるのか…今から楽しみです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

65.8 9 狂気で秘密なアニメランキング9位
ブラック★ロックシューター(TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (969)
5180人が棚に入れました
中学校へ進学した黒衣マトは、同じクラスの小鳥遊ヨミと親しくなる。1年間を通じて友情を深めあった2人だったが、2年生になって違うクラスに分かれ、マトに友人が増え始めた頃から、2人は少しずつすれ違うようになっていく。ある日、ヨミが学校を欠席していることを気にかけたマトはメールや電話をしてみるが、一向に通じない。落ち込むマトの携帯に一通のメールが入るが、それはヨミからではなく母からのものだった。「小鳥遊さんが行方不明になり、警察が事情を聞きに来ている。すぐ帰ってきなさい」と…

同じ頃。この世界とは違うどこかの世界で、左目に青い炎を灯し、大型の砲を左腕に装着した謎の少女が、何者かと戦いを繰り広げていた。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

大人になっていく段階で必要なキズ

以前、OVA作品のほうを先に観ていて。
精神世界、現実世界ともにキャラデザはOVAのほうが好みだった。
が、OVAだけでは謎過ぎた部分が今作で説明しすぎないように描かれ、
その「説明しすぎない」せいで、視聴者によっては
わかりにくかった部分もあるかもしれない。

自分の中学時代を思い出しながら、そういえばこんなことでこんなふうに感じたり、
苦しんだり、つまらないことで嫉妬してみたり、疎外感を感じたりしたなと。
大人の放つ一言にもグサっときたり、考え方を狂わされたり。
そういう時期の葛藤や悩みが、とてもリアルに描かれていた。

また、精神世界でのバトルシーンの迫力ある作画はお見事。
あの金属的な感じと、凄まじいほどのスピード感、各人のキャラデザ。
個人的には特にブラックゴールドソーが造形的なバランスが良い気がして
かなり好みだが、開いた傷に粗塩をすり込む以上の強烈な痛みが伝わる映像の数々、
少女主体のアニメであそこまでの暴力映像は数えるほどしか観たことがない。
なんとなく観ている自分の精神世界でも、ブラックロックシューターが
代わりに戦ってくれているような擬似感覚もあった。
けれどマトの想いは、半分やりきれなくて哀しかった。

この世界にはいろいろな色がある。
そのいろんな色を見るために、彼女達は飛ぶ。
ことりとりのように。

誰かを傷つけ、自分も傷つき、それでも繋がっていたい。
きたない色や哀しい色があっても、この世界はやはり美しい。
そう信じたいから、ひとつひとつ受け止めて、
そうしながらひとつひとつ、大人へと成長していく。
人には誰しも痛みや傷があって、それらを背負いながら闘っている。
逃げることなく、真正面から自力で向き合ってこそ、
ほんとうの強さ、ほんとうの友情、ほんとうの愛が育っていくのだから。

最終話を観て、不覚にも涙があふれて止まらなくなった。
つらい涙ではなく、あたたかな涙。
人間のダークな裏面に時折鬱な気分になり、実を言うと途中で何度か
切ろうかと思ったりしたのだけれど、最後まで観てみて良かった。

ちなみに、supercellが歌うEDの『僕らのあしあと』がとても好きです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 55

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

恐怖のマカロンのお話です(゚ロ゚*;)エェッ!?

■ブラック★ロックシューターってこんなアニメです ρ( ̄∇ ̄*)
『ブラック★ロックシューター』はOVA先に発売されているのですが、TVアニメ版はOVAとストーリー上とくに繋がっていないようですね♪
って事なのでOVAを観ないでTVアニメ版を観ることにしたのです(ノ´∀`*)
ジャンル的にはhukeさんの独創的なイラストを独特の世界観で描いた学園・異空間アクションアニメです。
それにシナリオ構成が岡田麿里さんとなってるのでさらにエキセントリックな印象に仕上がっている感じですw
この世界観にどこまでついて行けるかが楽しめるかどうかのポイントかも知れませんね♪
舞台は主人公でヒロインの黒衣マトちゃんが通う中学校で、小鳥遊ヨミちゃんと出逢うことから物語が動いていきます。
マトちゃんが夢で見る不思議な世界、ブラック★ロックシューターが戦う世界とはいったい…
思春期の不安定な感情を見事に描いたこの作品はちょっと鬱な展開もあるので見る人を選ぶ作品かもしれませんね♪


■総評
この作品ってただのアクションアニメかな?って思ってたので軽い気持ちで見始めたんですけど…油断してると話についていけなくなる可能性がありますね(〃´o`)=3 フゥ
けっこう頭フル回転で1クール8話を一気に駆け抜けた感じでしたw≡≡≡ヘ(*--)ノ
現実世界と精神世界を並行して描いていく中で、「感情」を「色」で表現したり、「心の葛藤」を「バトル」で表現したりと独特な世界観で作品を彩っていましたね♪
精神世界も異空間的な造形美と色彩感覚が満載で「まどマギ」や「夢喰いメリー」や「Persona4」とはまた違った異空間の色を見せてくれてました。
そんな中でのバトルシーンは凄惨な描写はあるのですけど、躍動感があって心の葛藤をとっても良く表現してたとも思います!
不安や心の痛みなどの負の感情を無意識に処理している映像が精神世界なんですよね♪(* ̄  ̄)b

もちろんキャラの「感情」や「表情」が誇張気味に表現されてはいますが、スピード感ある展開と感情の起伏がこの作品の最大の魅力なのかなって思います☆彡
それと精神的に未熟で不安定な年頃の少女達を中心に描いているのもポイントでしたね♪
「今まで出会ったことのない感情や痛みを知り、傷つけ傷つけられながら大人になってゆく…」
マトにとってのことりとり、マトにとってのブラック★ロックシューター、色んなメッセージが込められた作品でした d(-_^)
OVAも今度見てみようかなぁ(^ー^* )フフ♪


■MUSIC♫
OP曲『ブラック★ロックシューター』
 【作詞・作曲・編曲】ryo【歌】初音ミク
 個人的にはTVアニメなので普段VOCALOIDに馴染みがない人には敷居が高かったんじゃないかなって思います。
 歌詞や楽曲はryoさんらしい納得のデジタルチューンナンバーですね♪
 声優さんとのタイアップでも面白かったかも、supercellとしてはそうはしたくないのでしょうけどねw
 

ED曲『僕らのあしあと』
 【作詞・作曲・編曲】ryo【歌】supercell(こゑだ)
 こゑだちゃんの歌声の魅力は物憂い中にも力強さを感じることが出来るところ♪
 特に低音域の安定感は抜群で、とっても心地良く感じられます!
 こゑだちゃんの魅力をめいいっぱい表現できたローテンポなバラードナンバーです(゚∇^d) グッ!!


2012.09.02・第一の手記

投稿 : 2024/11/09
♥ : 52
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

1曲の歌から作られた「心のつながり」を扱った物語。十分な出来じゃないか!

OVA視聴済み。

「ブラック★ロックシューター」というボーカロイドの曲から作られた物語です。

主人公の黒衣マト(くろいまと)は、中学生活を始めたが、同じクラスの小鳥遊ヨミ(たかなしよみ)と親しくなることで、周囲の環境が変化していく。
その頃、どこか別の世界ではブラック★ロックシューターが何者かと戦い続けていた。
通常世界のキャラクターと、精神世界のキャラクターが密接にリンクするストーリー。


十分な出来じゃないか!

迫力のあるキャラクターの動き、色鮮やかな世界、スピード感あふれるアクション。
映像作品としてだけでも楽しめました。

ただ、精神世界での戦いと日常の作画に差がありすぎたのがちょっと残念。

設定に関していえば、世界観の説明不足があります。
しかし、何でもかんでも説明し尽くしてしまうと、キャラクターの行動に矛盾が生じたり、ご都合主義な展開が目立ってしまうんですよね。
世界観を小出しにしていったのは、プラスに働いたと思います。

そして、要所要所に歌詞と全く同じセリフが出てくるのも、忘れちゃいけないポイントです。
視聴前に歌詞を見ておくといいかもしれません。
内容、セリフともに歌詞と上手に繋がっています。

たった1曲の歌から作られたアニメとしては、ストーリーも演出も満足のいく仕上がり。


テーマは「心のつながり」です。
人間はそれぞれ自分の「色」を持っている。
しかし、他人と触れ合うことでその色は混じり合い、やがて濁ってしまう。
そんな真理を「コトリトリ」という本のエピソードを通して表現しています。

また、中学生という多感な時期の少女の心。
ちょっとしたことで、心が大きく傷ついてしまいます。
それが、異世界での激しく、そして痛々しい戦いとして描かれています。


みなさんのレビューを読むと、「意味が分からない」という意見が多いようですね。
世界観が明らかになるのは後半ですし、前半は抽象的な表現を使っているので、流し見していると、たしかに意味が分からないと思います。

↓分からなかった方はこちら(私の解釈です)↓
{netabare}
心が傷つくたび、その傷を異世界の自分が、肉体的ダメージとして代わりに引受けてくれる。
そして、異世界の自分が死んでしまえば、その傷は綺麗さっぱりなくなってしまう。
その影響は現実世界にも及び、「忘却」という形で心の奥底にしまいこまれてしまう。

他人や自分が傷つく(他の色に染まる)のを怖れ、心を開くことなく暮らしてきた黒衣マト。
おかげで彼女の分身であるブラック★ロックシューターは、力を隠し、常に戦い続けています。

一方、現実世界での苦しみに耐えきれず、精神世界のストレングスと役割を交換した神足ユウ(こうたりゆう)。
ここから、現実世界と精神世界は互いに行き来できることが分かります。

そして、この二人の立場から、心のつながりによって生じる「痛み」をどう扱うか描いています。
心の痛みの原因を作らないようにするのか、心の痛みから逃げるのか。

自分のせいでヨミがおかしくなってしまったと思ったマトは、現実世界にいたユウ(=実はストレングス)の力によって、精神世界に行くことになります。
しかし、それがブラック★ロックシューターの本当の力を目覚めさせてしまうことに……。


コトリトリのエピソードにあるように、人間の持つ色は、混じり合うとどんどん濁ってしまいます。
しかし、そうしないと人間は繋がっていけないものです。

異世界での戦い、そして、ストレングスやサヤ先生の呼びかけの中、人間は傷つけ合わないと、本当の意味で繋がっていけないことを知ったマト。
彼女は、自分を傷つけ、人を傷つけ、そうやって繋がっていく方法を選択……つまり、心を開き、世界の壁を壊すことを決意しました。

そして、最後に放った光は七色に輝き、真っ白な世界を作り上げました。
その時に混じり合った色は、絵の具の色ではなく、光の色だったのかもしれません。

すべてが終わり、精神世界にいたマトもユウも現実世界に戻ってきました。
この後も、精神世界での戦いは続くでしょうが、それはお互いがいがみ合っているからではなく、そうしないと人は繋がっていけないから。
好きだからこそ、傷つけあい、本当の友情をはぐくんでいく。
そうやって、彼女たちは大人になっていく、という物語です。
{/netabare}

8話という短さですが、内容は濃いです。
もっともっと評価されてもいい作品だと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44
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