爆弾で続編なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの爆弾で続編な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番の爆弾で続編なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.0 1 爆弾で続編なアニメランキング1位
劇場版「幼女戦記」(アニメ映画)

2019年2月8日
★★★★★ 4.1 (478)
2505人が棚に入れました
統一暦1926年。ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる、帝国軍第二〇三航空魔導大隊は、南方大陸にて共和国軍残党を相手取る戦役を征す。凱旋休暇を期待していた彼らだが、本国で待ち受けていたのは、参謀本部の特命であった。曰く、『連邦国境付近にて、大規模動員の兆しあり』。新たな巨人の目覚めを前に、なりふり構わぬ帝国軍は、自ずと戦果を拡大してゆく……時を同じく、連邦内部に連合王国主導の多国籍義勇軍が足を踏み入れる。敵の敵は、親愛なる友。国家理性に導かれ、数奇な運命をたどる彼らの中には、一人の少女がいた。メアリー・スー准尉。父を殺した帝国に対する正義を求め、彼女は銃を取る。

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠、飛田展男、濱野大輝、笠間淳、林大地、小林裕介、土師孝也、小柳良寛、高岡瓶々、森川智之、福島潤、田村睦心、戸松遥、チョー、稲垣隆史

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

メアリー・スーがメアリー・スーを名乗る限りメアリー・スーたるのであれば改めてメアリー・スーとは何なのか模索してみた

Arcadia投稿の小説が原作のラノベアニメとして2017年冬にテレビシリーズが全12話放映されたのも記憶に新しい異世界転生ファンタジー×架空戦記モノの直接的な続編


狡猾な性格のサラリーマンが逆恨みが原因で死亡
不神信者が故に神=存在Xの怒りを買い、魔法が実在し世界大戦を控えたヨーロッパに似た異世界に金髪碧眼の幼女「ターニャ・デグレチャフ」として転生させられる
ターニャは不可避の大戦を前に無力な幼女のまま死ぬわけにもいかず、自ら志願兵として戦線へ打って出る
ターニャの思惑は溢れ出る魔力と機知に富んだ頭脳と平滑流暢な弁舌で部下達の士気と戦果を上げ、出世してから安全な後方任務に就くことだった
ターニャの活躍で属する“帝国”は“協商連合”や“共和国”との戦いには順調に勝利を収めていく
が、そんな矢先に帝国へ牙を向いたのは徹底した共産主義を掲げる大国の“連邦”であり、ターニャと部下達もその戦線へ送られることとなる
理不尽さを感じていたターニャだったが、徹底的に嫌悪していた共産主義者への憤りをぶつけるべく、連邦の政治的面子を徹底的に破壊する【連邦首都襲撃】を立案する
そんな前代未聞の作戦を目撃したのが、ターニャ達を苦しめたあのアンソン・スーの愛娘にして、アンソンの死をきっかけに義勇兵に志願した「メアリー・スー」だった…


と、いうわけで今作が題材にしてるのは人類史上もっとも悲惨な戦争として著名な“独ソ戦”であることは明らか
さらに原作ではどうなのかよく存じませんがテレビアニメ版では極力オミットされていた政治や思想や宗教感の対立が物語の構造上、強く押し出された一作にもなっており、架空戦記モノでありながら立派な戦争映画に仕上がっています


そもそも戦争という非生産的な行いに対して否定的な立場であるターニャでしたが、今作中では共産主義者=コミーを徹底的に批判、罵っており、その感情的な動機で作戦を進めた結果、皮肉にも戦争が泥沼化するキッカケを自ら作ってしまうことになります
映画の冒頭でシューゲルは戦争を加速させるのは“感情”だと言っていますが、ターニャはコミュニストアレルギーという個人的な“感情”で連邦首都を破壊します
さらにこの後のクライマックス“感情”を爆発させて戦う敵に対して冷静さを取り戻したターニャが“感情”を廃して戦えば勝てることに気付くのが面白い
まずココが一番目の観どころとなるでしょう


そして今作、遂にターニャにとって最大の障壁となる“この世界で最強の魔導師=メアリー・スー”がとうとう戦線に登場することとなるのです


テレビシリーズでは群像劇を彩る、戦線とは別の国に生きるサブヒロインの一人…ぐらいにしか思ってませんでしたが全く持って迂闊でした;
そもそもメアリー・スーという名前の時点で気付くべきでしたが、この娘は【実質的にこの世界における真の主人公】と言ってもいいかもしれません


実はメアリー・スーという呼称そのものが英語文学圏、特に二次創作界隈において本家本元のキャラクターを食ってしまいかねない、<THE 厨二病設定なチートキャラ>を揶揄する隠語として機能しています
そして同時にメアリー・スーとは作者の願望の自己投影である、と常に批判に晒される、言うなれば“痛いキャラ”のことを指すのです
具体的には極端に若く、劇中のどのキャラよりも秀でており、孤軍奮闘の大活躍の後に、その死に皆が涙する…というのがテンプレートです


今作のメアリー・スーは父を愛し、祖国を愛し、慈愛に溢れ、何より信心深く神を愛したことで神=存在Xから愛された者なのです
で、あるがゆえ今作世界中では桁外れの魔力と加護を行使することが出来るのです
観る前は『ガルパン』ぐらいのアクションシーケンスを期待してたのですが、メアリー・スーが戦線に登場してから『ガンダム』か『魔法科高校の劣等生』が始まったのかとすら思いました
その圧倒的パワーで亡き父の仇であるターニャを執拗に追い詰め、彼女が思うところの【正義】の名の下にターニャを討ち取らんとし鬼気迫る表情と戸松遥渾身の芝居で襲いくるシーケンスは背筋凍る圧巻の迫力です


王道で行けば残忍で冷酷なターニャこそがヒールで、父の仇を取ろうとするメアリー・スーがヒーローなのでしょう
だからメアリー・スーは“実質的に主人公”なのです


とwこwろwがw


このメアリー・スーはやっぱり主人公のなりそこないかもしれないのですw
ターニャに固執する身勝手さ、歳相応の思慮の浅はかさ、政治や戦略への無配慮、直情的な独断専攻などが目立って描かれ、ターニャと相対的に全く持って知性を感じない【劇中最大最強最低最悪のバカ】であることは明白


『オーバーロード』や『ゴブリンスレイヤー』といった昨今のラノベ原作アニメを見渡すと、このようなメアリー・スー的なポジションのキャラをあえて登場させ、イキって出て来たは良いがバカをみたあげく散々酷い目にあってから死ぬ、という展開がトレンドなのは間違いないでしょう


たぶんこーゆーのを流行らせてしまったのは『ガンダムSEED DESTINY』が一因だと思います


逆に『サイコパスSS1』では明らかにこのシリーズのメアリー・スーとして登場した霜月美佳を、これが上手く成長する姿を描いたことでヒロイックな作品に軌道修正したのが印象的でした
メアリー・スーはぶっ殺すのがトレンドかもしれないが、あえてコレを一段階上にレベルアップさせてやるのも選択肢というわけです


さて今作のメアリー・スーそのものですが、こうもあからさまにメアリー・スーを名乗る以上、今後はその有り余る力で散々ターニャを追い掛け回した挙句、最後の最後でターニャに勝利を収めるか、一矢報いてから盛大な死を遂げてもらうと大変個人的には望む展開であります(笑)


正直とても面白い映画ではあったものの、当初あまりレビュ執筆には乗り気ではなかったのです
が、三日三晩メアリー・スーのことが頭から離れず、なんとかしてオイラのこのバカ野郎愛を記したい
と、こうしてキーボードの前に座った次第であります


まあクライマックス、数で勝る連邦があの戦線から手を引いた理由がほとんど描かれてなかったのが不満なのですが、それに付けてもメアリー・スーの装備する演算宝珠がまさかのスキー板で“アニメ史上初じゃないか?と思うほど丁寧にスキーのエアトリックで戦う姿が描かれた”のには思わず感無量でした
この時期の楽しみはFISの中継観戦か雪山アクティビティと相場が決まってますから(お
ですからその辺はもはやプラマイゼロといったところですよ
是非このシリーズの続きを、というかメアリー・スーの行く末をオイラはゆっくり眺めたいと願っております


1回目は新宿のEJアニメシアター(旧角川シネマ新宿)で観たのですが、2回目は立川シネマシティのシネマツーcスタジオの「幼女の皮を被った極上(化け物)音響上映」で鑑賞
岩浪音響監督も絶賛の太鼓判を押すほどの仕上がりで、それもそのはず
魔導士が飛ぶ度に強烈に歪んだ低音がサラウンドでうねりを効かせて飛び交いまくるし、貫通術式が放たれる度にそれはそれは凄まじい破裂音を浴びせられます
これまでの爆音上映の類の中でも1,2を争うのではないかという、ちょっと他の映画では体感出来ない音でしたね


3回目観ました
立川シネマシティ、シネマツーaスタジオでの極上爆音上映「限定魔導爆音上映」です
これで確信しましたが間違いなくオイラが今まで観てきた全ての映画の中で最も音圧が強く、尚且つそれがずっと続く映画が今作ですね
ティゲンホーフ戦線での大砲の炸裂音の連続、ターニャとメアリーの空中戦での歪んでうねる低音、そして戦闘機の地響きのようなエンジン音
このようなデカくて歪んだ音がずっと続く映画ってのは今作以外には無いでしょう
少なくてもアニメとしては世界的に見ても唯一無二だと思います
是非とも劇場で、可能であれば岩浪音響監督がオススメする劇場でご覧になって欲しい


4回目の鑑賞はイオンシネマ幕張新都心の8番スクリーン
幼女の皮を被った ULTIRA(化け物)9.1ch
ULTIRAとはイオンシネマの独自規格でIMAX程でないものの、他のスクリーンに比べ非常に大きいシルバースクリーンとDolbyATMOSにも対応した高品質な音響設備を持ったイオンシネマとしては最高峰のスクリーンです
これに近いのがTOHOシネマズの独自規格のTCXですね
まず画面なんですがこれは3D上映に対応する為のシルバースクリーンってことで若干色合いがくすんで見えます
正直これに関しては致し方ない
で、音響面ですがウーファーがスクリーン下で剥き出しになっているせいか、やや低音が強めに感じます
そして9.1ch仕様の恩恵を最も強く感じる(通常は5.1ch)のは背面スピーカーから台詞が聴こえてくるような場面です
具体的には第二〇三航空魔導大隊のモブ兵士達がざわめくようなカットや、モスコー襲撃の際にヴィーシャが公共放送をジャックした時など、後ろから聴こえてくるセリフがハッキリと聴こえました
細かいセリフを聴き取り方には最もオススメ出来るスクリーンですね


5回目の鑑賞はユナイテッドシネマ豊洲の4DX
劇中、空中を漂っているシークエンスが多いので結構な割合で座席モーションがフワフワと揺れていることが多いのと風がずっと靡いてるのも多かったです
冒頭のメインタイトルバックで泡による降雪の表現があったのには笑いましたw
宝珠が発動するたびにストロボによる眩い光が入るのもカッコよかったです
爆炎に呼応するスモークの演出はやたら濃い目でしたね
ユナイテッド豊洲は特にアナウンスしてませんでしたがこれはシネマサンシャイン平和島が言うところの所謂「効果マシマシ上映」に相当すると思いました
ロリヤが唾を飛ばすシークエンスで水飛沫を期待してたのですがソレは無かったです(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今さらタイトルで敬遠もなかろうて

原作未読 TV版視聴済み


“存在X”とか説明なしに語られてるためTV版を視聴済みであることはお作法といってよいでしょう。
あいかわらず主人公が幼女である意味がわからない『幼女戦記』の劇場版となります。

たいしたこと書いてないけどミリタリ的見解はTV版のレビューに載せとります。
俺たたENDなTV版の最後覚えてます?※一応隠しときます。

{netabare}砂漠みたいな南方戦線に飛ばされて「どうしてこうなったー!?」ENDでした。
存在Xに対峙するには、信仰にすがるのではなくあくまで合理性で勝負する路線を突き進むのかどうなのか?と続編の注目ポイントをわたくしレビューで書いてますね。このモノの見方はブレてないです。{/netabare}

続きが気になる終わり方だったのでおおむね劇場版に期待するのはこんなところ↓
Q
1.答え出るん?
2.戦闘は派手になる? ※そこはホラ、、、映画だし(^^)

ざっくり回答は↓
A
1.出ません。
2.派手になります。市街戦闘ではぬるぬる変態的な動きをしてます。

スタッフや声優を引き継いで制作してるので大外しはありえません。安定して面白かったです。
ついでに、“信仰心と合理性”なのか“感情と理性”なのか?
“存在X”とターニャが対峙しての二項対立のような図式に見えてたけっこう重要な部分。
ターニャの対立軸として、この“信仰心”ないし“感情”を体現する存在が登場したこともファインプレー。もちろん{netabare}ターニャとの死闘の末戦死したアンソニーの娘。メアリー・スー(CV戸松遥){/netabare}のことです。

これで見やすくなりました。神VS人間よりも対立する両極端な人間同士のほうが物語が破綻しにくい。
己が正義とのぶつかり合いになって譲れない争いになりますし、元はといえば存在Xという同じ親から生まれた相反する二つの概念であるという深みとコクも出てきます。

【作品テーマ】

 存在Xとの落とし前をどうつけるのか?

⇒これは道半ばです。

【劇場版の面白いとこ】

 ◎ ターニャ VS メアリー・スー
 ○ 市街戦闘

きわめて劇場版らしい。劇場版に期待するところを満たした『劇場版幼女戦記』でありました。



※ネタバレ(もある)雑感

■世界観の意図

既視感のある国・人・軍事パーツを素直に楽しめる一方で、WWⅠとⅡをごっちゃにして~の史実との乖離や魔導部隊なる設定。純歴ヲタだとアレルギー出そうなのもわからなくもない。なんせ空飛ぶ人間が銃剣で戦闘機の翼をたたっ斬ることができちゃう世界ですから。これには一家言あって、


 これ外国でも流すんですよね?


アニメ大好きフランス・イタリアやアメリカ。ドイツも例外ではありません。それらの国を配慮して…なんてアホなことは言いませんよ。

 {netabare}ガチ史実ベースの世界作ってアナザーストーリー{/netabare} 

それに欧米人が耐えられるか?って無理だからちょっと外した世界観なのだと劇場版観て思いました。

選挙で選び渦中は熱狂した事実に蓋をして全部ナチスに罪を被せて、ニュルンベルク裁判の前と後とで分断を図り逃げ切ったドイツ。
反省したドイツを見倣え!って彼ら反省なんて微塵もしてませんけどね。「我々とは別のナチスなるもの」を作っておっかぶせただけです。もちろん賠償には応じてません。

次にアメリカ。原爆投下を正当化するストーリーは皆さん耳タコでしょう。自らの罪に向き合ってない点ではドイツと一緒。

イデオロギーにしちゃうのはどうぞご自由に!彼らの意見に乗ろうがかまいませんが、少なくとも私は日本国籍を有する者なら「違うだろ」と指摘し続けることがお作法であるとの考えです。

何が言いたいかっていうと、彼らのン百倍は反省している、なんなら反省しなくてもいいことまで、それにおかわりで“俺たちの反省はこれからだ”の勢いで反省している我々からすれば、

 {netabare}正当化だらけのお前らの豆腐メンタルじゃ受け止めるのは無理!{/netabare}

と思っちゃうんですよね。世界広しといえどもドイツ第三帝国を茶化せるくらいの表現の自由が認められてるのは我が国くらいなもんです。
ぶっちゃけ仮想ナ○スが活躍する作品なんてリアルに寄せすぎると×。これくらいのファンタジーっぷりでちょうどよいと思えるのです。そのうえでやや無理筋な作品設定については流れてる哲学が荒唐無稽でなければ無問題と考えます。


其の一:{netabare}「コミー(commie)」と共産主義者を忌避/軽蔑する単語をターニャ筆頭にガンガン発してます。

「なんでお前らソ連と組んでんねん?」みたいな。
日本に視点移せば、大日本帝国が必死でソ連食い止めてんのに何してくれてんだ?の心境です。レイトカマーのアメリカがアジア利権にちょっかい出すために日本を外そうとして失敗。中華人民共和国成立など共産国家の台頭を許し、朝鮮戦争からのベトナム戦争と余計な結果になったよな、と。
やや盛ってこれくらい言ったうえで、「でも今は仲いいよな」とするくらいでちょうどよいのです。{/netabare}


其の二:{netabare}義勇軍?メアリー・スーも狂気を帯びたちょっと危ない人設定です。

「正義を振りかざしてどんだけ無茶してきてん?」みたいな。
仮想連合国の象徴みたいな存在にメアリーを持ってきた意図。合わせ鏡と思いなさい!{/netabare}



■ドキッとくる至言

トンデモ設定もあるにはあるけど底流がしゃんとしてると私は思います。
たまにグサリとくる高速ストレートありませんでしたか?

・{netabare}「無能な働き者か…やっかいだな」

序盤。メアリー・スーの上官がメアリーを指しての一言。

 1.有能でやる気のある
 2.有能でやる気のない
 3.無能でやる気のある
 4.無能でやる気のない

リアルの現場でも3.が最も厄介であり、組織を破綻に導く存在として心にとどめて置かねばなりません。覚醒するまではひどかったですからね、彼女。{/netabare}


・{netabare}「まずもって勝つことが大事 正しく勝たねばなりません」
 「でなければいずれ歴史に笑われます」

参謀本部にて後方勤務の希望を伝えた時のターニャ。
勝ったほうが歴史を作るのはまさにまざまざと見せつけられているのが我々現代日本人でしょう。つまり転生前のおっさんターニャの知ってる歴史。賢者は歴史に学ぶ。よって、次は勝たねばなりません。
「思考放棄した俺の勝ちね」くらいの程度の低さを露わにしてるのが我が国です。軍事研究なぞしませんとドヤ顔で発表してる横で北朝鮮の核開発のために亡命する教授を輩出した某帝国大学とかなんのブラックジョークでしょう。「勝つために考えること」と「行使すること」は違います。

ガラスを拳で叩き息巻くお偉いさんに戦の収め方のプランはあるか?と問うたターニャさん。正しく勝たねばなりません。先述、日本を叩き潰したことでソ連の増長や朝鮮戦争ベトナム戦争へと発展した結果を見るにアメリカにとって正しい勝利だったのでしょうか?

リアルではこれがなかったのが大日本帝国の最大のやらかしです。正確には正しい勝利ならぬ正しい敗北のプランニング。戦闘で敗北しても戦争目的を果たす困難な作業をです。ぎりぎりで國體が守れたものの結果オーライ。次は結果オーライにならないように真剣に考えましょう。

でなければいずれ歴史に笑われます。
令和初頭の日本人が未来の日本史の教科書でどう書かれているかみものですね。{/netabare}



■(オマケ)主題歌について

{netabare}TV版の主題歌をアレンジ加えてもってくる演出にしびれます。
ターニャ役悠木さんが歌う「Los! Los! Los!」。このへん「トラ!トラ!トラ!」をなんかしら意識したのだろうと、“LOS”を調べてみましたが、スタジアムの名前だったりタイ王国の愛称だったりビンゴそうなのはなく、そのまま“LOST(喪失)”くらいの意味合いで受け取りました。

注)他のレビュアーさんからの指摘でLOSはドイツ語で別の意味があるらしいです。{/netabare}



これ2期ないと詐欺ですよ。待ってます!



視聴時期:2020年2月 

-------


2020.02.26 初稿
2020.09.21 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 59
ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

超贅沢な一品(一部ネタバレタグで隠してます)

 語り出し。

 映画の中でも戦争映画は好まれて題材にされる.
 なんでかって今を生きる全ての人にとって、かつて戦争があった。その土台の上で私たちが生きているという事を大小はあれど認識を共有しているからに他ならない。まぁ現在でも内戦やテロとの戦いで命を落としている人もいるだろう。そんな誰しもに共有される戦争と私達は無関係ではありえない。

 アニメ化から劇場版までの感想(ざっくり)。

 この作品は原作は小説、それからアニメ化して映画化されたという流れではあります。
 アニメでしか知らないのでそちらからの視点で語ります。
 この物語の時代背景はおそらくリアルの世界でいう、第二次世界大戦をモチーフにしてもし、魔法という技術が発達していたらといったある意味SFではありますが、その魔法という設定においては神秘性があり神の力という形で表現されているのでファンタジーの枠を出れていない。
 ただ、この物語の良かった部分というのは、魔法でなんでも解決できるねよかったね。という所ではなく、むしろ魔法が使えない者たちの描き方が良くできている。これはリアルをなぞった形ではあるので、ファンタジーだけれどどこかリアルとの結びつきを感じる。戦争というものを詳しく知らない人(私)でさえどこかリアルに感じられる空気感が作品全体にあります。これはひとえに小説の著者の世界観の構築の上手さでもあると思うし、それをしっかりと映像化している製作者の人達の力も大きい。そんな恵まれた作品だと私は思う。

 ここまでは実際にテレビシリーズから劇場版までを見たざっくりした感想です。アニメ版の方のレビューはしてないしするつもりも今のところないので。まとめてやってみました。
 
 劇場版としての出来はどうなんだ。
 最高級ですね。
 
 映画としての構成が良い。
 映画は時間が限られるので、変に登場人物を増やして、感情移入を誘うことに時間を取られていると作品全体のスピードが損なわれてしまうので、なかなか見るに堪えないものになりやすい。
 新キャラはいるし、スポットライトを当てているけれど、アニメ版を見ている人にとってはどういう動機で行動しているのかというのがはっきりわかるようになっているし、久しぶりに視聴した私でも、あの時と関係あるんだなと分かるようにフラッシュバックを上手に使っている。これは演出が良く機能しているのでストーリーのスピードを落とさずに楽しめる工夫がしっかりある。
 映像作品としての掴みが素晴らしく最初から全開です。
 個人的に映画で最高の構成をしてるなと思っているのがクリストファー・ノーランの「ダークナイト」です。みんな好きだと思います。シーンに次ぐシーンの連続で息もつかせぬ展開力は素晴らしい作品なんですが、この劇場版幼女戦記も同じように良い構成と展開力を持っている。

 キャラの評価と物語の評価それと演出について。
 ここからは少しネタバレが激しいのでチョキチョキします。
 {netabare}キャラと物語の評価が低くなっている点についてです。これまでの物語ならば文句なく☆4か5くらいはつけているのですが、今回はちょっと映画という事で戦闘シーンが凄いんですが、もの凄いんですが…やりすぎたよねw
 デグレチャフを親の仇とするメアリさんはキャラとしてちょっと強すぎます。魔力の高さだけで、デグレチャフの練度を凌ぐというやり方をしなければならなかったのは分かるんですが、街中にビームどーんを連発しまくってさらに、近距離での被弾でも生き残る強さについてびっちゃけやりすぎて物語の根幹を揺るがしている。
 何で揺るがされるかって、最初に書いたように、この物語は基本的にデグレチャフの魔法無双なんですが、その他の要素をリアルにする事で見れるものにしてうるというバランス感覚が実は非常に難しいのではないかと感じております。
 魔法が技術や戦略の枠内のハマっている段階までは良いと思いますが、それをはみ出ると一気にただの無双ものに成り下がる。デグレチャフの対抗馬として、ライバルとして出すにしても今後脅かされる脅威位が妥当なのではないかと思いました。残念ながら単純な力ではすでに圧倒しているわけで、今後メアリさんが兵士として成長するという余白がもう無いよなーってなりました(あっても描くのが難しい)。そういう意味で、キャラの描き方と物語の評価が下がりました。んでもって演出も過剰になっていると思われます。
{/netabare}

 背景がメチャクチャすごい!!パーツの作りがスゴイ細かい!!
 もうね、見てほしいです!マジですごい。
 しかもね、戦闘中のカットでちゃんと背景をカメラ(便宜上)動かして映像から伝わるスピード感を演出している。めちゃカッコいい。進撃の巨人越えたなってなってます。街中の戦闘の素晴らしさは見なければ損です。
 さらにこれまで以上に飛行機や大砲の書き込みが素晴らしいんです。さらに大規模空中戦をしているシーンなんかはもう圧巻です。
 第1次世界大戦でおなじみ塹壕戦での戦い方など、しっかりと書き込まれていて映画見てるなーってなります。アニメならではの絶望的な物量で攻められている感の出し方が上手いなと感じた次第です。

 脚本に関して
 タバコや酒の話をしっかり描いて良かった。個人的には戦争映画(アニメとは違う)に特にタバコは欠かせないものだと思っている(私は吸わないけれど)。
 セリフも良いんだけれど、細く入る感嘆語、感動詞ともいうのが良くて、こういうのが入るだけで、キャラクターの肉付きが良くなる。
 デグレチャフ演じる悠木碧さんの小さく鼻で笑ったような声が面白いし可愛い。他のキャラも同じことが言えますね。セレブリャコーフ演じる早見さんのため息とかも最高です。はい。

 かなり自分の趣味に寄ったレビューですが、まぁそういうもんですよねw
 個人的にすごく楽しめた映画でした。
 作画や背景、各パーツの書き込み。ネタバレのところでも書きましたが、市街戦の作画は本当に凄くて、それだけでなく、大規模空中戦も凄い。
 ストーリーが…とかそんな事はどうでもよくなる位には圧巻です。
 見ないと損です。ぜひ見てみてほしい。ストーリーも追いかけたくなったらアニメ版も見てみると良いかもしれません。そっちはそこまで保証はできないですけれどね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

83.2 2 爆弾で続編なアニメランキング2位
この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説(アニメ映画)

2019年8月30日
★★★★☆ 4.0 (501)
2354人が棚に入れました
交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだったゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、ひょんなことから、女神・アクアを道ずれに異世界転生することに。「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍の幹部を討伐したり、たまに死んだり……。そんなある日、駆け込んできた紅魔族の少女・ゆんゆんの爆弾発言にカズマたちは凍りつく。「私、カズマさんの子供が欲しい!」事情を聞けば、めぐみんとゆんゆんの生まれ故郷「紅魔の里」が、滅亡の危機に瀕しているという。里を救うために旅立ったゆんゆんを追いかけて、紅魔の里へ向かうカズマたちだが――!?カズマたちパーティを襲う最大の危機!平凡な冒険者カズマが過ごす、異世界ライフの未来はどっち!?

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、堀江由衣、豊崎愛生

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

異世界生活は、里帰りですら大冒険…!?

この作品の原作は未読ですが、TVアニメの第1期と第2期は視聴済です。

最近、アニ友から本作品の原作が完結したと聞きました。
その際、
「面白い作品なのに勿体無い…でも面白いからきっと第3期もあるよね~^^」
「そうだ、第3期の前に劇場版を視聴しないと…」
という話題で盛り上がり、現在に至っている訳ですが…

この作品の視聴後にwikiをチラ見して知ったのですが、アニメ第1期は原作の第1巻から第2巻、アニメ第2期は原作の第3巻から第4巻の内容が基になっているんだそうです。
一方、完結した原作の巻数は全17巻…
これって、原作のストックが貯まりまくっているじゃありませんか!

こんなにも原作のストックが残っているとは夢にも思いませんでした。
これは劇場版に続く続編を作ってもまだお釣りが来るのではないでしょうか!?
これまで角川10話枠だったので、今度もきっと10話枠なんでしょうし…


交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだった
ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、
ひょんなことから、女神・アクアを道ずれに異世界転生することに。

「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」

と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。

トラブルメーカーの駄女神・アクア、
中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、
妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、
能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、
借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、
魔王軍の幹部を討伐したり、たまに死んだり……。

そんなある日、駆け込んできた紅魔族の少女・ゆんゆんの爆弾発言にカズマたちは凍りつく。

「私、カズマさんの子供が欲しい!」

事情を聞けば、めぐみんとゆんゆんの生まれ故郷「紅魔の里」が、
滅亡の危機に瀕しているという。
里を救うために旅立ったゆんゆんを追いかけて、紅魔の里へ向かうカズマたちだが――!?

カズマたちパーティを襲う最大の危機!
平凡な冒険者カズマが過ごす、異世界ライフの未来はどっち!?


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

そういえばカズマは引きニートという設定だったんですよね^^;
異世界に来てちっとも引き籠っていないので、すっかり忘れていました^^;

そう、今回の物語は「めぐみん」の故郷である紅魔族のお里が舞台となっています。
事の始まりは、あらすじにも書かれている「ゆんゆん」の爆弾発言…
この嫌疑は早々に晴らされるのですが、紅魔族のお里の凄いのと来たら…

めぐみんは、例の爆裂魔法を放つ際、決まって名乗りを上げるじゃありませんか。
今ではめぐみんのトレードマークになっているので違和感は感じませんが、紅魔族のお里は、めぐみんみたいな連中ばかりの集団だったんです。
単騎なら違和感ありませんが集団になると違和感しか感じなかったり…^^;

違和感といえば、みぐみんのご両親も相当でした…
めぐみんから父の名前が「ひょいざぶろー」と聞いていましたが、名前から連想するイメージと実物との間に天地程の隔たりがあるとは正直想定外でした。

それだけじゃありません。
カズマからとあるキーワードを聞いた瞬間から態度が一変するんです。
特に母親のゆいゆいの豹変っぷりは半端ありません。
しかもCVが能登さんだから雰囲気…というかキャラの放つオーラも凄いんです。

こうしてみると、本作品のメインヒロインはめぐみん一択だったようです。
もちろん、アクアやダクネスも登場しますが、めぐみんより存在は希薄でしたので。
物語の合間に時折見えるめぐみんの可愛らしさに、しっかり萌えが感じられる構成だったと思います。

そして、本作品でも魔王軍の幹部はしっかり登場します。
これまでも魔王軍幹部のキャラは独特でしたが、今回の幹部も特濃クラスなので、こちらも期待は裏切りませんでした。
しっかり期待した分だけ応えてくれる作品だったと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

メインテーマは、Machicoさんの「1ミリ Symphony」
エンディングテーマは、アクア、めぐみん、ダクネスによる「マイ・ホーム・タウン」
エンディグのほんわかした感じの曲調はもうお約束ですね^^

上映時間90分の作品でした。
この作品ならではの優しさが感じられるラストの展開も言うこと無し!
やっぱりこのすばはこうじゃなくちゃ…

後は続編の制作発表を待つばかり…
思い切り期待していますよ~!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

我が名はけみかけ!映画『このすば』の魅力を伝えし者!!一見してハーレムに見えども、決して煮えきれないヘタレに訪れたモテ期を語ろうぞ!!!

2016年冬期に第1期、2017年冬期に第2期がアニメ化された所謂“なろう系”異世界転生ラノベシリーズの初の劇場版
原作第5巻を題材にしつつテレビアニメと変わらぬスタッフが再集結
元請け制作はDEENからJ.C.STAFFに変更されました


事故死から異世界へ転生させられた引きこもりの少年カズマ
彼が転生先に特典として選んだのは、転生を司る水の女神アクアそのもの
神を旅の道連れにすることに成功したカズマだったが、実はこのアクアがとんでもないクセモノ
素行が悪く、口も悪いトラブルメーカーで、危機的状況をさらに悪化させるフラグを平気でバンバン立てる上でおまけに酒乱ときてる
能力が低いカズマは冒険を有利に進めるべくさらに仲間を集める
が、揃ったのは敵味方関係なく周囲をまるごと吹き飛ばす【爆裂魔法】しか使えない上に一発限りで行動不能に陥る女魔術師、めぐみん
打たれ強い強靭な肉体を持つが実はドMで敵に陵辱されることを妄想して全く剣が通らない女騎士、ダクネス
本来ならば魔王討伐の冒険を進める一行だが、実際は始まりの街に居座り続け、金儲けや私利私欲を満たす目先のクエストにしか興味が無い
稼いだ資産は毎夜豪遊しては散財、増えるのは借金ばかり
たまに生死を賭けた大きな戦いを制したかと思えば、国家転覆罪で裁判に掛けられる有様
そんな彼等がめぐみんの出身地である紅魔族の里へ、めぐみんを里帰りさせることからこの映画の物語は始まる…


今作冒頭の“マグロ漁船のクエスト”は金崎監督がコンテまで描き切ったのに尺の都合上お蔵入りになったそうですw
その苦渋の決断のおかげもあり、今作は非常にハイテンションなギャグがハイテンポに続くコメディ映画となっています
ギャグやコメディを映画化するのって難しいですよね
『プリズマファンタズマ』がボロクソにつまらなかったことからも良く解りますw
逆に『えいがのおそ松さん』は良く出来てた、あれもハイテンポでずっと笑ってられました


さて、『このすば』において一番大切な要素はシリーズ構成の上洲さんも仰ってますが【カズマ一行を恋仲にしてはイケナイ】ことです
一見してカズマは美女に囲まれたハーレムの真っ只中にいますが、実際のことろ彼女達は大方トラブルの原因か、もしくはトラブルを悪化させる要因となって世間的には厄介モノなんです
そんな彼女達とカズマがパーティーを組み続けるのは、単に【気の合う仲間だから】というところに尽きるでしょう
そこにガチの恋愛要素を絡めてしまうと“気の合う仲間と面白おかしく暮らすgdgd感”というモラトリアムを破壊してしまうわけです
歳を追うごとにわかりみが深まってくるのですが(笑)現実的には美女と付き合うのはメンドクサイw
気の合う仲間と戯れるのが、現代の現実的にはベストなのでは?という提案を剣と魔法の異世界ファンタジーに持ち込んでしまったのが『このすば』の魅力なのです


ところが今作冒頭、カズマにおもわぬ“モテ期”が到来します
モテてはイケナイ作品で、モテ期が発生するという矛盾がまず面白いのですがw実際には今作のクライマックスでカズマが最も惚れさせてしまい相思相愛の関係になる人物というのがとてもとても意外な人物
そのまさかのオチには度肝を抜かされ…いや、爆笑必至でしょうw


オチに選定されたキャラに僕が大好きな、とある大物声優が選ばれているのも仕掛けの1つ
彼女にしかこの役は出来ないんだ!という金崎監督の強いご指名だそうで、GJ!といわざるを得ません


あと今作の作画クオリティに関しては2019年公開の数多の映画でも“最高”と謳って問題無いと思う出来栄えです
とにかくテンションの高いお話である為、キャストの芝居もノリノリに盛り上がっていく
ですので、アフレコ後の芝居にリップシンクロするように作画リテイクを加えたそうで非常に手間と時間が掛かっています
崩すところ、動かすところ、纏めるところのバランスも完璧です


以前のテレビシリーズで描かれた細かなキャラ設定やサブキャラ達を覚えていると笑いどころはとても多くなるのですが、単純にボケとツッコミの応酬を剣と魔法の異世界ファンタジーでやる、っていうのが面白い作品ですので初見の方もこの機にチェックされることをオススメします

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

このすば新喜劇

私が今まで観たアニメ映画の中で1番館内に笑い声が溢れてました。
それはひとえにテレビアニメ「このすば」ファンの期待に応えていた証拠。
ギャグの繰り出すテンポ、コメディの流れはほぼテレビ版を踏襲しており、キャラクターそれぞれの確立された芸風は笑いのツボをはずしません。
テレビ版でのキャラ達のボケとツッコミが肌に合った方なら満足できると思います。

《ストーリー》

ヒロインの1人「めぐみん」の故郷「紅魔の里」をメイン舞台に展開するドタバタコメディ。
脚本構成は、テレビ2期ラストエピソードの焼き直し({netabare}「アクアの聖地降臨」を「めぐみんの里帰り」に置き換え、奇矯な住民達との交流から魔王軍幹部とのバトルで締める{/netabare})で既視感はありますが、本作はキャラ達のコントを楽しむのが一番の目的なので問題なし。
お笑いギャグは下ネタが多かった印象ですが、キャラごとのお馴染みの個性はもれなく描かれお約束の笑いに抜かりなしです。
{netabare}自分は下ネタも好きなのでメスオークの欲情やシルビアの両性ネタも笑えましたが、寝てるロリっ娘にオイタをするか迷うとこは背徳感が邪魔をしました(が、周囲を回るレインボーカズマの絵面にはフキました^o^)。{/netabare}
全体を通せば、愛すべきポンコツパーティーの熱い絆と優しさも感じられ「このすば」ワールドを満喫できました。

《キャラ》

劇場版らしく豪華なテレビ版オールキャスト。
新キャラも交えて主人公カズマとのギャグの応酬が繰り広げられます。
今作のお当番ヒロインめぐみんを筆頭に紅魔族の女子キャラ達に萌える楽しみもあり♪
個人的にはアクアのポンコツぶりが一番好きなので、エロ萌えに頼らないおバカな笑いがもっと観たかったかな・・

《声優さん》

皆さんノリノリの演技。
カズマ役の福島潤さんはキャリア20年のベテラン声優。アドリブも交えたハイテンションな演技で若い女性声優さん達を引っ張られており、このすばの立役者と言っていいのでは。
今回、その福島さんと一番絡んだのがめぐみん役の高橋李依さん。
動画やラジオでも福島さんと和気あいあいの掛け合いをされてますが、2年前にお二人のラジオ番組内で、今回のこのすば続編制作を知った時の高橋さんのガチ泣きにはこちらももらい泣きしそうに~
当時、自分がメインヒロインを演じる事になるとも知らず感涙されたりえりーのこのすば愛!本作で存分に表現されてました。
「エクスプロ~ジョン!!」

あと本作で、能登麻美子さんがこのすばに初参加されたのが私にとっては嬉しいサプライズでした!(演じたキャラはけっこうブラック・・{netabare}めぐみんが若くして家を出たのも頷けます^^;{/netabare})

《作画》

制作会社が変更されてますがテレビ版準拠と言ったところ。
キャラ画などで狙ったのかと思えるほどの崩れた作画は無いですが劇場版と思えるほど質の高さも感じません。
それでもめぐみんの放つ魔法の爆裂エフェクトは効果音と合わせて凝ってました。
テレビ版から感じてますが、カラフルな星粒の煌めきを織り混ぜてるのは可愛いめぐみんにピッタリですね。

《音楽》

エンドロールでパーティー女子3人によるキャラソンとMachicoさんの曲が2曲続けて流れるんですが、これは勿体ない~
盛り上がるMachicoさんの曲はテレビ版時のようにオープニングかラストバトルのバックで聴きたかったです。

《最後に》

本作は後日、自宅で1人ニヤニヤ(ゲラゲラ)鑑賞するのも良いですが、お笑い芸人の生演劇のようにファンのみんなで盛り上がるライブ感を楽しむなら、ぜひ劇場へ足をお運びください~(映画の入場特典の短編小説も面白いです^^)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

84.2 3 爆弾で続編なアニメランキング3位
とある科学の超電磁砲T(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (576)
2784人が棚に入れました
総人口230万人を数える、東京西部に広がる巨大な都市。 その人口の約八割を学生が占めることから、「学園都市」と呼ばれているその都市では、世界の法則を捻じ曲げて超常現象を起こす力――超能力の開発が行われていた。特殊な授業カリキュラムを受け、能力を得た学生たちは、定期的な『身体検査システムスキャン』によって、『無能力レベル0』から『超能力レベル5』の6段階に評価されている。その頂点に立ち、最強と謳われるのが、7人の『超能力者』たちである。そのひとり、御坂美琴。電気を自在に操る『電撃使いエレクトロマスター』最上位の能力者にして、『超電磁砲レールガン』の異名を持つ彼女は、名門お嬢さま学校・常盤台中学に通う14歳の女子中学生。後輩で『風紀委員ジャッジメント』の白井黒子。その同僚でお嬢様に憧れる初春飾利と、都市伝説好きな彼女の友人、佐天涙子。そんな仲間たちとの、平和で平凡で、ちょっぴり変わった学園都市的日常生活に、年に一度の一大イベントが迫っていた。『大覇星祭』。 7日間にわたって開催され、能力者たちが学校単位で激戦を繰り広げる巨大な体育祭。期間中は学園都市の一部が一般に開放され、全世界に向けてその様子が中継されるにぎやかなイベントを前に、誰もが気分を高揚させていた。その華やかな舞台の裏側で蠢くものには、まったく気づくこともなく――。

声優・キャラクター
佐藤利奈、新井里美、豊崎愛生、伊藤かな恵、浅倉杏美、河西健吾、富田美憂、藤井ゆきよ、種﨑敦美、峯田茉優、鈴代紗弓
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

今回は食蜂操祈が活躍したなあ。

食蜂操祈は人間を操作する能力を使いこなしており、悪い娘と見せかけて実際はとても良い娘。仲間の人も実は良い娘。優しい世界。
個人的に好感度上がりまくり。最高だぜ。

削板軍覇の凄いパンチってなんやねん。
{netabare}御坂美琴が魔改造されちゃう{/netabare}謎のバトルあってドリー警策看取と和解できたし、めでたし。

フレンダが生きていたころの友情溢れる佐天さんとのお話しはフレンダ可愛い、最高かよと思いつつ、なんで将来的にはあんな目に会うはめになるだああという複雑な感情だった。

後半部分の人造人間の話はコミカルな感じとシリアスな感じがバランス良く、誰がどういう立場で対立関係?なのかよくわからん。不思議な後味。なんか期待してしまう。


OP
final phase fripSide
dual existence fripSide
ED
nameless story 岸田教団&THE明星ロケッツ
青嵐のあとで sajou no hana
挿入歌
ここにいたい sajou no hana
OPはお決まりのfripSideである。前奏からテンションアゲアゲでもうたまらん。
EDも良かった。sajou no hanaは初めて聞いたけれど、中々良い楽曲でござった。岸田教団&THE明星ロケッツは安定のロックでこれまた好きだった。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
総人口230万人を数える、東京西部に広がる巨大な都市。「学園都市」と呼ばれているその都市では、世界の法則を捻じ曲げて超常現象を起こす力―超能力の開発が行われていた。 特殊な授業カリキュラムを受け、能力を得た学生たちは、定期的な『身体検査(システムスキャン)』によって、6段階に評価されている。その頂点に立ち、最強と謳われるのが、7人の『超能力者』たちである。 そのひとり、御坂美琴。電気を自在に操る『電撃使い(エレクトロマスター)』最上位の能力者にして、『超電磁砲(レールガン)』の異名を持つ彼女は、名門お嬢さま学校に通う14歳の女子中学生。仲間たちとの、平和で平凡で、ちょっぴり変わった学園都市的日常生活に、年に一度の一大イベントが迫っていた。 その華やかな舞台の裏側で蠢くものには、まったく気づくこともなく―。


1. 超能力者(レベル5)
学園都市すべての学校が参加して7日間にわたって開催され、全世界にその様子が配信される『大覇星祭』。一大イベントを前に街中がお祭りムードの中、美琴と初春、佐天は『残骸(レムナント)』事件で重傷を負った黒子を見舞う。黒子は入院中にもかかわらず自分のせいで美琴が『大覇星祭』を楽しめないのではと気に病んでおり、3人は心配せずにはいられない。しかも黒子は早々に退院して『風紀委員(ジャッジメント)』の巡回に参加すると息巻いていると聞き、初春は黒子の分まで頑張らねばと張り切ることに。そんな日常の裏側では、『大覇星祭』の開会式で『超能力者(レベル5)』に選手宣誓をさせようという企てが持ち上がり、さっそく7人への打診が試みられて……。

2. 大覇星祭
無事(?)開会式を終え、ついに始まった『大覇星祭』。またしても佐天はとある都市伝説――『不在金属(シャドウメタル)』の話を聞きつけてきて、黒子に大目玉を食らっていた。一方、美琴は本来なら黒子と一緒に出場するはずだったペア競技に、黒子本人の計らいによって婚后との風神・雷神コンビで出場することに。最初の競技となる二人三脚では、対戦校から激しくマークされながらも、能力の使い方に一日の長を見せつけて、さっそく大活躍する。そんな能力者同士が繰り広げる競技を学園都市内外の観客が楽しんでいる中、裏側でなにかを企むものの姿があった――。

3. バルーンハンター
偶然から美琴と間違われて、御坂妹は常盤台中学の選手としてバルーンハンターに参戦することになってしまう。能力者の質で勝る常盤台中学の面々は気合十分、競技開始直後から消極策をとる相手校を前に楽勝かと思われたが、なぜか次々に脱落者が出てしまう。 それは相手校のブレーンである馬場の奇策だった。実は暗部組織『メンバー』の一員である彼は、ある任務のために常盤台中学の選手たちの詳細なデータを集め、綿密な対策を練っていたのだ。そんな中、「とある」実験での経験を活かした御坂妹が快進撃。それに対して馬場は、「御坂美琴」を封じるための策をみなに伝え、自分の本来の目的を達しようと画策する――。

4. 改竄
黒子に怒られたのもなんのその、都市伝説 『不在金属(シャドウメタル)』を求めて調査を続ける佐天。初春はウェブ上に不確かな情報ばかりが異常に多いうえ、佐天が見たというサイトの存在すら見当たらないことに違和感を覚える 。そんな初春の懸念をよそに、「陰謀」のニオイを感じた佐天は霧ヶ丘グラウンドの探索に向かってしまった。そんな彼女の背後に、防護服を着た複数の人影が現れ――。そんなトラブルもありつつ、一日の競技がすべて終わり、『大覇星祭』夜の華であるナイトパレードをみんなが存分に楽しんだ翌朝。美琴は湾内から体操服について尋ねられる。御坂妹の身になにか起こったのではないかという胸騒ぎを抑えられず、美琴は彼女の行方を追うことに――。

5. 信頼
御坂妹を探す際の失策から、美琴は食蜂派閥と共に行動することを余儀なくされ、身動きが取れなくなってしまう。 しかも、頼みの綱になるはずだった黒子たちは、食蜂によって美琴との記憶を消されてしまっていた。焦る美琴だったが、続いて出場したペア競技・風船サンドで婚后に状況を説明し、協力を取り付ける。婚后はバルーンファイトに参加したのが、美琴自身ではないと気づいていたのだ。競技を終え、約束通りに御坂妹を探し始めた婚后は、彼女の倒れていた場所でその手がかり――黒猫を見つける。だが、引き続き御坂妹の手がかりを追う婚后へ『メンバー』の馬場が接触をはかり……。

6. 開戦
『妹達(シスターズ)』確保に動いていた『メンバー』馬場の手により、傷つけられ、倒れ伏した婚后。その姿を見て、静かな怒りを湛えた湾内と泡浮が馬場の前に立ちふさがる。ふたりを侮って交換条件を持ち出した馬場だったが、交渉はすぐに決裂。馬場はT:GDを操り、湾内と泡浮の連携を分断しながら冷静に能力を分析し、有利に戦いを進めようと画策する――。一方、美琴は、負傷した婚后を運んで救急車で病院に辿り着いた佐天と遭遇。自身の見込みの甘さが招いた事態に激しい後悔と怒りを覚える。覚悟を決めた美琴は、食蜂派閥を振り切って敵のもとへと向かう――!

7. Auribus oculi fideliores sunt.(見ることは聞くことより信じるに値する)
御坂妹の黒猫を『読心能力(サイコメトリー)』にかけ、手掛かりを探りあてた湾内たち。その情報を美琴に伝えるべく携帯電話を開いた佐天は、既に美琴の連絡先が登録されていたことに違和感を覚え、その事実を黒子に相談する。佐天から連絡を受けた美琴は、彼女たちとの合流地点へと急ぐが、その前に初春を人質にとった警策看取が現れる。『妹達(シスターズ)』、そして『絶対能力進化(レベル6シフト)』計画について口にする警策に警戒を強め、その背後に自分の追っていた存在――食蜂とは違うなにものかを見る美琴。動揺を抑えて初春を助けようとする美琴だったが、警策は美琴の母・美鈴も人質に取っていて――!

8. 超電磁砲(レールガン)×心理掌握(メンタルアウト)
佐天の情報と、初春のパソコンに残された手がかりから、美琴は第二学区にある食蜂のアジトを突き止め、ついに彼女と対峙する。しかし食蜂の口から聞かされたのは意外な事実だった。御坂妹は彼女が保護していること、美琴の排除と『妹達(シスターズ)』の捜索をしている勢力があること、そして 『絶対能力進化(レベル6シフト)』計画の提唱者である木原幻生こそが今回の事件の黒幕であること――。ふたりの『超能力者(レベル5)』は、つかの間の協力関係を築き、幻生のもとへと向かう――!

9. 警策看取(こうざくみとり)
謎の少女を探っていた黒子が、ついにその正体を突き止める。警策看取――霧ヶ丘付属中学に在籍していた彼女の情報は、秘匿扱いとなっていた。『書庫(バンク)』の管理センターで詳しく調べたところ、警策は死亡扱いになっていたものの、その記録にはあやしいところが散見される。所員から聞かされた噂にさらに疑惑を深める黒子たちだったが――。一方、事件の首謀者である木原幻生を追っていた美琴と食蜂は、彼が訪れている会議場に向かい、その身柄を確保しようとしていた。それぞれの能力を活かして会議場内の探索を進めた美琴と食蜂。ついに隠れていた幻生を捕えることに成功するが――!

10. 才人工房(クローンドリー)
捕らえたはずの木原幻生は、彼の送り込んだ影武者だった。その事実に、食蜂は別の危険な可能性に気付き、即座に行動を開始する。襲撃を受ける食蜂のセーフハウス、想定外の事態によって塞がれる道――。食蜂が急ぎ、幻生が向かっているであろうその場所は、食蜂が幼いころに関わった、とある計画と関わりのある施設だった。当時、『才人工房(クローンドリー)』と呼ばれるその研究機関で能力開発を受けていた食蜂は、ドリーという少女と出会う。病気で機械の助けがなければ生きられず、仲の良い友だちと離れたばかりだというドリー。彼女のお守りを任された食蜂だったが、触れ合ううちに仲良くなり――。

11. 参戦
『外装代脳(エクステリア)』の脳波を調律し、御坂妹のプロテクトを解いた幻生は、ミサカネットワークを掌握。天上の意志――「『絶対能力(レベル6)』にたどり着けるかどうか」という不気味な言葉とともに、対峙した美琴の能力を暴走させる。異形へと姿を変えた美琴は、何者かの声に導かれるまま、『窓のないビル』に最大出力の攻撃を加え――。極大規模の落雷に大混乱となる学園都市。それを見た食蜂が、上条が、第七位の『超能力者(レベル5)』削板が走る! そして美琴が狙われていることを知った黒子は、初春と佐天のサポートを受け、現場へと急行する。そこにははたして、警策の操る人形の姿があり――。

12. 外装代脳(エクステリア)
異形へと姿を変えた美琴には、上条の右手も一時的にしか効果を表さない。それどころか、さらに姿を変え、力を増大させていくばかり。美琴に流れ込み続けるなにかを止めない限り、上条たちには足止めが精いっぱいで――。一方、能力の特性をついて警策の操る人形に対抗する黒子。その間に初春と佐天が警策自身のいるビルの特定に成功する。追い込まれた警策は、黒子を罠に誘い込む――。『外装代脳(エクステリア)』のリミッター解除コードを狙い、食蜂のセーフハウスを探し回る幻生。食蜂はあらかじめ仕掛けた数々のトラップでその動きを止めようとするが、『多才能力(マルチスキル)』で多数の能力を駆使する幻生にすべて切り抜けられてしまう。ギリギリの攻防の中、食蜂はとある仕掛けを使い、最後の賭けに出る――!

13. SYSTEM(神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くもの)
「目」と「耳」を封じられたにもかかわらず、人形を的確に操り、黒子を攻撃してくる警策。その秘密を解くカギを見つけたのは、意外なことに佐天だった。大覇星祭の大会中継用に飛ばされていた小型カメラ。それが利用されている可能性を初春から告げられた黒子は、これまでの情報をもとに警策の居場所を予測。ある作戦を実行し、警策との勝負に出る――。一方、異形と化した美琴は、上条たちの決死の行動もむなしく、暴走を続けていた。食蜂を追い詰め、目的のコードを手にした幻生は、美琴を『絶対能力(レベル6)』へと至らしめる最後のトリガー――『外装代脳(エクステリア)』のリミッターを解除する!

14. 竜王の顎(ドラゴンストライク)
黒子は警策の居場所を探り当てて拘束、動きを封じる。食蜂は幾重にも張り巡らせた計画によって、『外装代脳(エクステリア)』を崩壊へと導き、幻生によるミサカネットワークへの介入を断ち切った。しかし美琴は、意識を取り戻したものの、依然として暴走を止められず、黒く渦巻く力の塊は消えないままだった。能力とはまったく異なる、別世界の、理解の及ばない力。そこから美琴を開放すべく、削板が根性で道を切り開き、上条を美琴のもとへと送り出す。ついに上条の右手が届くも、黒い塊にふれた右手は肩から吹き飛ばされてしまう。そして次の瞬間、上条の右肩から8体もの巨大なドラゴンが姿を現して――!

15. やくそく
『才人工房(クローンドリー)』で能力開発を受けていた幼き日の警策は、同じ施設で治療を受けていたドリーの世話を任されていた。ある日、ドリーの生命維持装置に疑念を抱いた警策は、彼女の「治療」の真実を知ってしまう。クローンとして生み出されたドリーは、実験のために命を削られていたのだ。実験を中止してほしいという訴えもむなしく、捕らえられドリーと引き離されてしまう警策。学園都市に抱いた深い怒りと憎しみを糧に、復讐を誓って戦い、敗北し続けた彼女がたどり着いた計画は、またも失敗に終わる。その先に待っていたのは、ドリーを巡るもう一人の少女「みさきちゃん」との出会いだった――。

16. 天賦夢路(ドリームランカー)
ゲコラー仲間の帆風からとあるカードを手渡された美琴。『インディアンポーカー』と呼ばれるそのカードは、他人が見た夢を体験できるという触れ込みで、今、学園都市でひそかなブームを起こしているのだという。さっそく話題に食いついた佐天にその効用を聞かされ、試してみた美琴だったが、他人の夢だけになんとも微妙な使い心地を味わうことに……。そんな翌日 、帆風に誘われ食蜂と同席することになったお茶会の席で、Sランクの夢を提供するという『天賦夢路(ドリームランカー)』の取引現場に遭遇する――。一方、黒子と初春は未来に起きる事故が表示されるという怪しいアプリの検証のため、『風紀委員』として調査に乗り出していた。

17. 予知
黒子たちが調査していたアプリの開発者は予知/念写能力者の美山写影という小学生だった。彼は自分の予知した運命を変えることのできる能力者を探していたのだという。美山の協力を得て、いくつかの事件を未然に防ぐことに成功する黒子たち。ある日、同じ公園内でふたつの事故が予知されるという、初めてのケースが起きる。火災を伴い、多くの被害者が予想される事態に、他の『風紀委員(ジャッジメント)』の応援を得て対処する黒子たち。そんな中、能力の過剰使用が原因で美山が倒れてしまう。無理をしてまで能力を使っていた彼の行動の裏には、苦い過去との経験と、とある理由があった――。

18. 巨乳御手(バストアッパー)
他人の夢を追体験できる『インディアンポーカー』。その夢を通して、睡眠学習のように役に立つスキルを身に着ける副次効果が確認されたことで、今度はさまざまなカードを取り扱うトレーダーが出現していた。とあるトレーダーの前を通りがかった美琴は、とびきりの変人天才科学者の夢が詰まったカードを勧められる。その名は『巨乳御手(バストアッパー)』――興味なさげな態度から一転、電光石火の早業でカードをつかむ美琴。しかしカードのもう片端を手にした少女がいた。『アイテム』の絹旗最愛。それぞれの事情で切実にそのカードを必要とするふたりの少女は、手を取り合い、秘められた情報に迫っていく―!

19. 奇縁
美容によいという情報に乗っかって、さっそくサバ缶を買いに行った佐天。しかし、最後の2缶を手に入れてしまったばかりに、売り切れのワゴンの前で崩れ落ちていた少女――フレンダに付きまとわれる羽目に。その深いサバ缶愛に1缶分けてあげたものの、フレンダはうっかり無駄にしてしまって涙目になる。そんな様子を見てあきれ半分ながらも、なんとなく見捨てられなくなってしまった佐天は、自宅に招いて食事をふるまう。フレンダのマイペースな言動に振り回されながらも楽しい時間を過ごした佐天。その後もメッセージアプリでやり取りをする仲になったふたりは、とある事件で再び顔を合わせることに――。

20. Ha det bra
一食(サバ缶)の恩を返すべく、拉致されそうになった佐天を救ったフレンダ。さっそくお礼のサバ缶パーティで祝杯を挙げようと盛り上がるが、突如、何者からの狙撃を受ける。人混みの中でも躊躇なく、しかも正確に狙ってくる相手に、自分と同じ獲物をもてあそぶ『狩人』の匂いを感じるフレンダ。思いつく限りの策を講じて対抗しようとするが、敵はトラップにも フェイントにもまったくかかることなく、こちらの行動はことごとく読まれてしまう。痛みと得体のしれない相手への恐怖から冷たい考えが頭をよぎったそのとき。佐天から、足手まといになってしまっている自分が囮になると提案を受け――。

21. ドッペルゲンガー
常盤台中学をはじめとした『学舎の園』、そして大手企業の秘匿情報の漏洩が多発。その原因は『インディアンポーカー』で見た夢と考えられ、対策がとられるものの、大きな効果は上がらずにいた。一方、『インディアンポーカー』の技術に『才人工房(クローンドリー)』の気配を感じとった食蜂は独自に調査を開始。その裏に操歯涼子という研究者と、彼女が関わっている研究機関の存在を突き止める。しかし、そこで行われていた実験は『インディアンポーカー』とは関係のない、奇妙なものだった。そんな事情を知らされた美琴は、食蜂からその研究機関の調査を、とある交換条件とともに持ち掛けられる――。

22. "屍喰部隊(スカベンジャー)
ひとつの体からふたりのサイボーグを生み出す研究――『魂の生成』実験の実態を探る美琴。しかし研究機関への潜入を試みる彼女の目前で、操歯涼子そっくりのサイボーグ――『ドッペルゲンガー』が施設から逃走してしまう。操歯に直接コンタクトをとった美琴は、彼女から『ドッペルゲンガー』に秘められた危険性と、その解決のために『インディアンポーカー』が作られたことを聞かされるが、なにか釈然としないまま美琴は立ち去っていく操歯を見送るのだった。だが、美琴と別れた操歯の前には逃走していた『ドッペルゲンガー』が姿を現していた。そして時を同じくして、暗部組織『屍喰部隊(スカベンジャー)』が『ドッペルゲンガー』を狙って襲撃をかける――!

23. 憑依
実験に参加した切実な目的と、『ドッペルゲンガー』を生み出してしまった責任。たったひとりでそれらを抱えこみ解決しようとしていた操歯に、美琴は過去の事件での自分の姿を重ねてしまう。意を決して操歯の元に戻った美琴は、『ドッペルゲンガー』捕獲任務に就いていた『屍喰部隊(スカベンジャー)』と鉢合わせる。彼女らによると『ドッペルゲンガー』は体の損傷を補うため、周囲の物質を取り込む性質をもつという。操歯の恐れていた『魂の拡散と憑依』が実際に起こっていた可能性を知り、美琴は彼女らと共同戦線を張ることに。一方で、『屍喰部隊』のリーダーは美琴と手を組むことで任務達成を狙っていた。

24. 拡散
『魂の憑依』によって瓦礫を取り込み、巨大な姿になった『ドッペルゲンガー』。圧倒的な質量で立ちはだかる巨獣に、美琴は砂鉄の巨像を作り上げて対抗する。砂鉄の特性を生かして徐々に『ドッペルゲンガー』の巨獣を解体していく美琴に対して、燃料タンクを市街地に落とし破壊しようとする『ドッペルゲンガー』。間一髪、空中で燃料タンクを爆破し被害を防いだ美琴だったが、『ドッペルゲンガー』のその行動には、美琴の攻撃を逆手に取った別の目的――研究データをバックアップしている秘匿された飛行船の存在を探し当てる目的があった。一方、操歯も事件に決着をつけるべく『ドッペルゲンガー』のもとに向かっており――。

25. 私の、大切な友達
『魂の憑依』のカラクリを暴き、飛行船の上で『ドッペルゲンガー』と対峙する美琴。魂を持たない存在として生まれたことへの絶望と、人間への復讐を口にする『ドッペルゲンガー』は自らの似姿を造り出して美琴を襲う。しかし美琴はその攻撃がブラフであること、そして『ドッペルゲンガー』の真の目的に気付いていた。美琴の言葉を拒絶し、飛行船とともに落ちていく『ドッペルゲンガー』。その先には、操歯と、研究所所長の姿があった。美琴の口から告げられる『ドッペルゲンガー』の真実を前に崩れ落ちる所長に、操歯はこの実験を続けることはできないと告げる――。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

オキシドール大魔神 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

公式への愚痴

 前提として、本作は見れていないため、このレビューはアニメの出来に対するレビューでなくとあるシリーズに対する愚痴になってしまうのをご理解いただきたい。
 禁書信者(シリーズの信者ではない)である自分が吐き出す愚痴を見てもいいという酔狂な方だけご覧になってほしい。
 もっとも、欲を言えば同じ禁書信者にはこの愚痴を呼んでもらって意見をくれたら嬉しいが。

 年々、とあるシリーズの勢いは右肩下がりになっている。
 これの主な要因が「新約の前半がつまらなかったうえに、新約3巻の一方通行の発言」と「上里編が酷かったから」という意見がネットでは散見されるが、自分はそうは思わない。予め断っておくが、まったく原因じゃないとは言わない。
 ただ、ネットでの声の大きさ程影響が大きいとは思わない。
 なぜなら、新約前半は確かにつまらなかったが、一方通行の発言に関しては別に衝撃でも何でもなかったし、上里編は普通に面白かったからだ。
 上里編に関してはアマゾンレビューでは「必要な話じゃなかったけど内容は悪くない」みたいな感じで☆3から4くらいが多い。
 そもそも、必要不要で言えば極論アレイスター関連の話以外必要ないわけで、それを言い出したら禁書の話のほとんど、その他スピンオフは全部要らないことになるので、若干的外れな意見かなと思う。
 話がそれたが、右肩下がりの原因の主な要因は「とあるシリーズに関わるスタッフ側が古参ファンをないがしろにしている」からだと思っている。
 
 そう思う理由はいくつもある。
 
 一つ、アニメ化の展開の遅さ。
 これは禁書3期のレビューでもそこそこ触れたので詳細は割愛するが、端的に言えば禁書3期のアニメ化そのものが遅かったうえにクオリティーも酷かったことだ。
 また、アニメに関して言えばレールガンのオリジナルエピソードやOP詐欺など。レールガン3期はOPすら見てないので本当にほとんど知らないのだが、調べた感じ原作通りにやったっぽい。なぜそれを数年前にできなかったのかと問いたい。
 今更遅い。
 とにかく何もかも遅い。
 遅い分だけ作画や演出がハイクオリティーならまだしも、そういうことでもない。
 これはファンにしたら意味が分からない。
 そんでもってレールガン3期はアマプラで配信されてないから後追いもできない。アマプラ契約してない人は分からないかもしれないが、意外とアニメ作品が無料で観れたりする。一生無料ということでなく期間限定もされていたりするが、同じ電撃のSAOや劣等生などは現在も見れるかは分からないが少なくとも見れた時期はあるし、割とマイナー気味でかつ放映中のアニメも見れたりする。
 また、一定のネームバリューがある作品は大体配信されている。最近で言うと鬼滅や呪術だ。ちょっと前ならサイコパス3など。そもそも無料で観れる作品が相当少なくて見れるアニメの方が少ないとかならともかく、とあるシリーズくらいネームバリューあるならアマプラで配信してくれやと。他の動画配信サイトで観れるかどうかは知らないが、アマプラクラスのサイトに動画配信しないのがセンスないとしか思えない。少しでも多くの人に見て貰おうとかそういうのが一切感じられない。

 だからファンが減っていく。

 二つ、メディア展開の杜撰さ。
 これは一つ目と被る部分もあるが、とある科学の一方通行あたりからおかしくなった印象。とにかくいろいろ出し過ぎてファンである自分ですらついていけない。そもそも科学側を出し過ぎ。そして科学側のスピンオフは舞台が学園都市の内輪もめに限られてくるし、魔術と比べるとスケールが小さいから飽きてくる。
 スピンオフ出し過ぎると過密スケジュールが明らかになって、アンチへのツッコミどころを与える要因にもなる。キャラ人気は科学側の方が高いんだろうけど、内容は魔術の方がおもろいんだから出すならせめて魔術側のスピンオフを出してほしいのに、そういう需要すらわかってない。
 レールガンに至っては、いよいよ過去編に入ったそう。
 そんなことするくらいならもう完結してもいいし、やりたいならいい加減本編に合流して一足先に新約での活躍を描いてほしいし、そうしない意味もいまいちわからない。

 やってくれたら、絶対買うのに……。
 少なくとも過去編にほぼ興味がわかない……。
 
 禁書3期のレビューで特典つけば円盤絶対買うと言っておきながら実は買ってないのだが、それには二つの理由があって一つは高いからだ(二つ目の理由は後ほど)。
 でも漫画なら希望に沿う内容なら買う。
 とあるシリーズはこういうチャンスロスも多い。
 また、禁書本編で割と重要な要素をレールガンというスピンオフで初公開してしまうのもいかがなものかと思う。
 たとえば、大覇星祭で上条の右腕から出現したドラゴン。厳密に言えば原作で初期から示唆されていたので初公開というわけではないが、しっかりドラゴンが出現して暴走御坂を打ち破るという描写をしたのは当時のレールガンが初だった。
 また、レールガンはジェイルブレイカー編突入までしか見てないので詳しい事は知らないのだが、敵キャラの一人が上条の中のドラゴンを一匹操るとか。そんな重要っぽいエピソードなんでスピンオフでやるの?と思う。
 つーか、「実は大覇星祭編で上条の右腕からドラゴンが出てた」というのがまたしてもアンチへのツッコミどころを増やす要因となっているし、こうなってくるとファンとしても擁護が難しいから辛いし嫌になって来る。
 極めつけに、これは最近の話だが、円盤特典の話がアニレー2期までまとめて書籍化されたこと。

 これには相当腹が立っている。
 
 特典目当てで円盤買った人の事をまるで考えていない。円盤特典が小説というアニメ作品自体少ないのだが、特典小説が書籍化された例は、自分は緋弾のアリアしか知らない。
 ただしアリアの場合、そもそも円盤が6枚しかないし、円盤発売からそこまで期間を空けずに発売したうえ、アニメの出来自体もそこまで悪くはなかった。それでもアリアの熱狂的ファンの中には憤る者もいたかもしれないが、逆に新規が入るきっかけにもなったかもしれない。
 
 比べて禁書はアニメ1期から考えれば10年も経過しているのだから、今更特典小説を書籍化したって自分みたいな信者したら「もう持ってる」になるし、新参からしたら「量が多すぎて逆についていけないよー」になる。
 この度の書籍化が刺さる人って「アニレー2期くらいからシリーズにはまりましたよ」くらいのそこそこのファンくらいだと思う。
 とあるシリーズの売り上げが下がっているから小銭稼ぎのために出したんだろうなあと思うが、逆効果もいいところ。
 理由は、禁書3期、超電磁砲T、一方通行の円盤特典が書籍化されてないからだ。
 だって、どうせ特典小説がまとめて書籍化されるんだったら、高い金出して円盤を買う意味がない。
 結果として、「特典小説目当てで円盤を買う」層をまるごと失っている。
 無論、母数の違いはあるが、単価の違いもあるので商売的な話をすれば損をしているのではないかと思う。
 これが、先述した円盤を買わなかった理由の二つ目だし、買わなくてよかったと心底思っている。
 ぶっちゃけ特典小説の書籍化で稼ごうと思うなら、いっそのこと今出ている円盤特典全て書籍化した方が少なくとも一時的には稼げるはず。そうなれば自分も買うし。
 結局、今の中途半端書籍化が一番腹立つし、もう信頼度もゼロだ。こうなってしまった以上、円盤は二度と買わないし、仮に特典小説が書籍化されなくても諦めるか、原作完結した後で中古で集めるかくらいだ。
 そこそこの信者なら、自分みたいな考えは少なからずいるのではないだろうか。
 というか、そういうメディア展開の杜撰さがあるから、原作以外に貢献しようという気すら失せるし、むしろ現実を見せて公式を反省させてやりたいとすら思う。
 こういう信者たちの評価を下げ、それが売り上げを下げる要因になっているから衰退する。
 
 若干フォローするなら、レールガン2期までは円盤の特典は小説だけでなくラジオがついてたりもしたし、禁書とレールガン1期は映像作品としてもそこまで悪くないのでそこが救いか。
 また、はいむら、こぎのん、冬川は初期こそみなうまくなかったが、今ではみな絵がうまくなった。そこまでは絵師も漫画家も恵まれていたと言える。
 やはり狂い始めたのは一方通行から。絵柄も酷くなった。
 アストラルも、未元物質も。
 
 ファンなら何をどうしても勝手についてくるものではない。ある程度の理不尽は受け入れるが、あからさまな理不尽はファンを失うどころかアンチを増やすことにしかならないと、とあるシリーズのスタッフは理解してほしい。
 まあもはや逆にここまでファンを怒らせる才能がある無能公式陣どもが、今更まともにやるとは思えないし、もう期待もしてないが。
 禁書は本当に好きだが、それ以外は冗談抜きでもう終わってもいい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

むしろもう、本編(笑)

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
「とある魔術の禁書目録」のスピンオフシリーズ、3期。

とはいえ、個人的にはスピンオフではなく、もはやメインシリーズ(笑)

やっぱり~「禁書」より~「一方通行」より~、「電磁砲」が好き~(笑)

レビューには、今作で活躍した各キャラについて書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
3期でまだ面白くなるってことに、ビックリ。凄いコンテンツだと思う。

内容的には、レールガンの王道。日常に潜む小さな謎を解いていくうちに、学園都市を揺るがす大事件に遭遇し、仲間と力を合わせて解決していくというもの。

本作はとにかく、サブキャラが凄く良い。

前半「大覇星祭→エクステリア」

ついに活躍した婚后光子は、男前で格好良かった。今度は黒子との共闘が見たい。意外に活躍した湾内絹保と泡浮万彬の水泳部コンビは、「これぞ能力バトル」というのを見せてくれた。てゆうか、レベル3だから、本来普通に強いんだよね。流石、常盤台。

そして、食蜂操祈。体力なくてぜーぜー言ってる(のに悪態ついてる)とか、なにあれ、めっちゃ可愛いじゃん(笑) 本作を☆5にしたのは、この食蜂が魅力的に描かれていたことが大きい。尊大で周到なのも、「もしかしたらただのビビりなんじゃね?」と思わせるような演出もあり、こういうキャラ作りは、この作者はとても上手いと思う。

喰蜂単体での魅力も大きいけど、美坂との掛け合いは鉄板で笑えるw 能力的にも、機械を制御出来るビリビリさんと、人間をコントロールできるリモコンさんが組んだらかなり相性が良い。食蜂でも頭を覗けない、コントロールできない美坂だけは、逆に言えば本当の付き合いが出来る唯一の存在というわけだし。

これまで、「悪者」「黒幕」のように描かれていた喰蜂ですが、イメージが一変。「とあるシリーズ」でもトップ5には入る好きなキャラクターになりました♪(それはともかく、制作の中に、確実に「腹フェチ」がいましたよねw)

削板軍覇は、これから伸びてくるキャラクターでしょうか? なんでも「根性」で乗り切る、科学サイドらしからぬキャラクター。でも、上条との相性は良さそうでした。

エンタメ的にはとても面白いのですが、ただ、能力バトルものとして見た時、彼のように「なぜ強いか不明」「どのくらい強いか不明」でも、「良い奴だから助けてくれる」というのは、作者としては便利なジョーカーになるけれど、視聴者としては、彼が1人いるだけで、全ての能力バトルのバランスが崩れる(無駄になる)、「興醒めキャラ」にもなってしまいます。あまり便利に使いすぎるのは危険ですね。

中盤の日常話は、箸休めとして絶妙に面白い。この「とあるシリーズ」に共通していますが、「ガチ熱バトル」の後に「ガチゆる日常」があるんですよね。このことで、バランスも良くなるし、キャラの深掘りもできるし。

後半「インディアンポーカー→ドッペルゲンガー」

まず、インディアンポーカーでエロ妄想の対象になって赤くなるレベル5の2人が可愛い。ここで、美坂だけでなく、喰蜂を入れてくるあたり、分かってやがる(笑)

弓箭猟虎VSブレンダは、かなり熱いバトルだった。特に、ブレンダのこの後が分かっている視聴者にとっては、「あの前にこんなことがあったのか」と、感慨深いものがあると思う。裏では対立する相手と、表ではそれと知らず交流を深めていたりするのが、この作品に深みを与えていると思う。

ドッペルゲンガー編に登場したスカベンジャーも、基本的に悪役で、一方通行編に出てきた時はかなり非道なことをやっているが、本作では憎めない感じのやられ役になっている。リタ、ナル、清ヶ、ヤックンの絡みはとても楽しいし、特に、ビリビリさんと相対した時に、リタがなんとか言いくるめようとしているのに、ナルのバカさで乱されるクダリはかなり笑えた(笑)リタの鳥瞰把握は索敵系としてはかなり便利だが、視覚のみのためレベル3。滝壺理后の能力追跡は見えない敵も索敵できるため、その上位互換でレベル4になっているあたり、能力のランク付けが丁寧に行われているな~と思う。ただ、ナルの浸紙念力はあまりにも汎用性が高すぎるので、ちょっと便利に使いすぎるのは微妙かな~と思うけど、車などのスピードを出すときは摩擦増減との、空を飛ぶエンジンには液比転換との(同じスカベンジャー内での)コンボを使っているなら、上手いとは思う。

完全新キャラの操歯涼子ですが、最初は(ドラマ性はあっても)キャラクターとしては微妙な感じでしたが、最後に「夢の中でドッペルゲンガーにダメ出しされ続ける」というので、ちょっと可愛くなりましたw

このように、3期にも関わらず、魅力的なサブキャラを使うことで、上手くマンネリ化を防いだと思います。その分、相対的に活躍の減る黒子や初春、佐天などは、それぞれ主役になる話(黒子&初春→天賦夢路編。佐天→対 弓箭猟虎)を中盤に配置するなど、ファンにも嬉しい構成になっている。

コロナでかなり苦労したのでしょうが、放送延期は大正解だったと思う。最後までクオリティを落とさず、楽しいアニメを作ってくださり、感謝っす♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
安定の超電磁砲だな~。レベル5祭り。禁書より、作画もだいぶ良いしね。

2話目 ☆4
感想なんかないな(笑) なんか楽しく体育祭やってる♪

3話目 ☆4
ちゃんと能力バトルやってるね。結構面白い。ピリピリでビリビリ(笑)

4話目 ☆3
お、レベル5同士の戦争になったら面白そう。熱い展開になりそう。

5話目 ☆4
金剛、ついに活躍する? 高度なトラップ(笑) こういう、サブキャラが活躍する展開、好き♪

6話目 ☆4
ちゃんと能力バトルしてるな♪ ビリビリの怒り具合も好きですし♪

7話目 ☆4
喰蜂、どう考えても「実は味方」だよな(笑) 記憶がなくても、惚れ直す(笑)

8話目 ☆5
やはり、喰蜂は味方か。喰蜂のエロシーン(笑) 喰蜂のあの表情、頭を覗けない、コントロールできない美坂だけは、逆に言えば本当の付き合いが出来るというわけだよね。喰蜂、体力ない、ギャーギャー可愛い(笑)

9話目 ☆4
機械を制御出来るビリビリと、人間をコントロールできる喰蜂が組んだら、最強だよな。

10話目 ☆3
腹に妙なフェチを感じるな~。さあいよいよ、黒幕登場!

11話目 ☆4
上条先輩&黒子登場で、いよいよ盛り上がってきましたな。お、ここにもレベル5か。角は根性で生えるのか? 削板軍覇、キャラとしては面白い。

12話目 ☆4
やはり制作陣に、腹フェチがいやがる(笑) 1週間くらいて(笑)

13話目 ☆4
黒子のバトル、熱いな。一方では、知略戦。一方では、チーム戦。一方では、ガチ能力戦。幅広く見せてくるな~。

14話目 ☆5
なんか出た(笑) 婚后、いいやつ♪ 事件の後の、このラブコメが楽しい♪ 確かに、黒子にしてはギネスレベル耐えた(笑)

15話目 ☆4
過去話。喰蜂が操作力を使わない。それだけ、ドリーが特別か。最後、泣けるな~。喰蜂、イイヤツ。

16話目☆4
再開おめでとうございます! というか、電気でなんとか出来るなら、科学で作って売れそうだけどな。当然、エロ系だよな(笑) この2人にしては優しい(笑) 

17話目☆4
一見関係のない小さな事件が繋がって、大きな陰謀に繋がるのは、レールガンの十八番だね。

18話目☆4
アイテムがまだ元気な頃だね、時系列的に。懐かしい。胸ネタオンパレード。充分だよ!は笑ったw こういう日常回は良いよね。一撃でスキルアップに繋がるなら、すげぇカードだよな。感覚を覚えるってことね。

19話目☆3
ブレンダが出ると、切なくなるよな。対スクール戦かな。

20話目☆4
アイテムも大概悪いけど、スクールはそれ以上に悪いよな。どう考えても、一方通行よりは悪い(笑) なるほど。アイテム対スクールの直前の話なのね。

21話目 ☆4
幼女を使って悪口(笑) んで、煽っといて胸揉まれる食蜂が可愛い(笑) いつの間にか仲間になっとるがな。このコンビ、ビリビリ×黒子とはまた違う、良いチームワークがあるよな。ここで、一方通行とのコラボ、スカベンジャーか。

22話目☆4
スカベンジャー、弱くはないけど、運が悪すぎ(笑)

23話目☆4
バカがいるの忘れてた(笑) スカベンジャー、必死(笑) なぜ、シャフ度? ウルトラマン呼びたい、、いや、上条さんのワンパンで解決か(笑)

24話目☆4
とにかくド派手なバトルだな。

25話目☆4
その幻想を撃ち砕け。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

62.4 4 爆弾で続編なアニメランキング4位
GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO-ガンスリンガー・ガール イル・テアトリーノ(TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (364)
1845人が棚に入れました
戦いに踊る人形、復讐に駆られた大人たち…廻る舞台。(イル・テアトリーノ)
舞台はとあるヨーロッパ。公益法人”社会福祉公社”
障害者支援のための首相府主催事業を表向きとするこの組織の実態は、瀕死の少女たちに機械の体を与え「条件付け」を施し、その少女たちを使って政府に敵対する勢力を秘密裏に排除する諜報機関であった。
生きることと引き換えに「義体」となった少女たち。それぞれに一人ずつ担当官がつき、いつも行動を共にしていることから、兄妹(フラテッロ)と呼ばれている。
「条件付け」により生身の頃の記憶が封印された少女たちにとっては、担当官の命令に従い、銃を持ち戦うことが何よりも幸せなのだった。
義体や担当官など社会福祉公社の側の人間、そして敵対する五共和国派側、それぞれの過去や想いが複雑に糸のように絡み合う群像劇は、否応なく悲しきクライマックスの舞台へと向かっていく。

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

1期とテーマは同じ。物語の完成度は本作が上。作画が落ちる。

 以前見たときは1期との作画のギャップで1話で断念しました。ただ、原作者が1期に怒っているという話題を見て、原作者が制作に入ったという本作を改めてみました。原作も5巻まで読んでいます。

 まず、本作の純粋な評価ですが、こちらも1期とは違った意味でちゃんと作品になっていますね。ストーリーで言えば軸があって物語の完成度としてはこちらが上かもしれません。中心になるのがトリエラとピノッキオをめぐる物語があります。2話の「ピノッキオ」はもちろんピノキオの事で作られた人形をさし、3話の「シミュラクラ」は本物とは別にそっくりなものが存在する。つまり、トリエラとピノッキオの相似性の物語になります。

 ただし、ここの2人の関係性に「物語性」は強く感じても、テーマ的にはそれほどでもないです。やっぱり義体少女としての、彼女たちの方に重いテーマを感じます。(使命と恩というモチベーションの違い、殺し屋になるきっかけなどに意味があるかはちょっと考えた方がいいかもしれません。ピノッキオの少女に対する過去の出来事…つまり罪悪感があるのがトリエラとの違いでしたし)

 そこにテロリスト、フランカとフランコ主にフランカの物語ですね。正義と復讐。彼女のテロリズムの意味ですよね。子供を殺せない倫理観を持っています。
 このフランカの「倫理観」「まともな感性」が公社との対比になります。公社が行っている義体の少女による殺戮は明らかに倫理的に悪と対照になっています。ただ、公社が少女の命を救っているのもまた事実です。
 これがさらに大きなテーマとなります。公社もテロリストも自分の行いが悪い事だと知っている。その悪い事は正義のために必要なのだというジレンマです。そのジレンマの象徴がアンジェをはじめとした義体の少女たちの話ですね。アンジェの副作用と記憶の問題が描かれていました。

 この話が1クールに綺麗に構成されていて、トリエラの話もジレンマの話も説明ではなく読み取る形で大変面白く物語になっていたと思います。

 そうなったときに、原作者の表明している不満。「少女は明るく楽しく人を殺し、その悲壮を受け入れるのは大人たち」というコメントがあったそうですね。いや、それは2期でもできていない…というか、OPや少女たちの描き方から言って、無垢な行動に「少女の」悲壮感がもろに読み取れます。それは大人が引き受ける悲壮ではなく少女自身から発するという意味です。そもそもアンジェやトリエラは明るく楽しく任務してましたでしょうか?

 ここは説明が難しいですね。作品内のキャラとしては、少女たち自身は日々の生活を楽しんでいますし、使命を果たすことに死に物狂いです。彼女たちの内面に悲しみはないです。

 ですが、作品の表現として彼女たちが悲壮な存在であることは、原作からも2期からも感じます。これは客観的に表現として少女たちから悲壮感があるという意味です。
「大人が引き受ける」というのは作中で大人のキャラ達が感情として少女たちの悲壮に悩み苦しむことでしょう。それが1期は描けていないというのが分かりません。

 1期でも少女たちは明るく無垢に生活しており、その延長線で戦闘を行っていて、彼女たち自身が悲壮感を感じている描写はありません。演出で暗い雰囲気に見せながらも、少女たち自身はそれを感じていない雰囲気が出せていたと思います。一方で大人たちの特に公社の構成員のそれぞれの悩みや少女たちに感じるジレンマや悲壮感はちゃんと描けていました。

 そこが1期に原作者が表明した不満点であると同時に、もし本気でそこが指摘ポイントなら1期をアニメとして読みとれていないと思います。1期を見て、萌えを感じた人もいたでしょう。浅く読みとってグロいバトルを少女にやらせるだけの話と見た人もいたでしょう。でも、制作の意図をちゃんとくみ取れば、原作者が表現したかった「周囲の大人の悲壮感」とか責任などはちゃんと描けていました。

 この点で原作、1期、2期ともに悲壮のニュアンスとして、少女、大人、客観のどの視点で見ても表現が一致しているという気がします。

 また、演出の問題だとしても、原作でパスタの物語、天体観測と喜びの歌、自殺の話など、少女たち自身に悲壮感をかぶせているのは原作者じゃん、と思ったりもしました。1期は2巻までの作品だし、2巻までのエピソードを非常に忠実にアニメにした印象です。

 そして、5巻まででトリエラに注目した2期の話と、視点は変わりましたがまったく同じことをやっていると思います。わたしは、トリエラが1期でもメインヒロインの1人と読みとれていたので、ヘンリエッタ中心でなくても違和感がなかったですし。

 つまり、原作者が気に入らなかったのは、1期ではなく1期に対する評価がそのまま作品の演出意図だと思ったことではないかと思います。1期に対する評価ははっきり言って、読み取りが浅いものは多いです。ただ、それもアニメの楽しみ方です。媒体の性質の違いなので、原作者自身が1期の意味を深く味わえば、原作をリスペクトしているのが分かると思いますがどうでしょう。

 1期も2期も矛盾はありません。同じテーマをちょっと違う視点で見ているだけです。そして、作画のレベルと演出が雲泥の差でした。それだけの話です。声優は私はどうでも良かったです。

 作画が落ちるとはいえ、1期と比べれば、です。そこも1期に対する不満になったのかな?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

イル・テアトリーノ=廻る舞台 原作遵守の群像劇としての再スタート そして注目してもらいたい「第8話」

ご存知の方も多いように制作スタジオ、スタッフ、キャストの総入れ替えや原作者の脚本参加といったことで1期(以下無印)とは別物に成り果てたIL TEATRINO(以下イルテア)



それは色彩設計や撮影効果が明る過ぎだったり、銃器監修がいるはずなのに戦闘シーンが大雑把だったり、わざわざイタリアロケに行った割には背景がショボかったりとかで、単純に「クオリティが低かった」の一言で終わってしまうかもれません

しかしむしろ無印との比較で、無印とイルテアでは画面的な「リッチさ」はもちろんのこと、如何にして無印が上手く演出されていたのかと気付かされる点も多いです



問題はここからで、このイルテアがガンスリという作品の「別の二つの側面」を妙な形で照らしてしまったということにオイラは見ます



まず一つ目が「群像劇」という面について

無印では大胆に時系列をずらし込んで導入話を作ったり、バラバラな視点のエピソード達を最終的に全てがヘンリエッタの視点(或いは最終話のアンジェリカの視点)に繋がるように原作をかなり改編して構成していました

これがイルテアでは原作者協力の基、原作を遵守する形の構成がなされたのです

ここで重要なのはイルテアには義体少女でも担当官でもない主役格が現れるというところ

それが第2話から登場し、生身で義体と張り合う青年用心棒「ピノッキオ」

彼は完全に敵側の人間であり、彼の視点から見ると義体少女側は仲間の命を奪う非情な存在として描かれるのです

主役側と敵側の視点がほぼ隔週話の間隔で切り替えられながら描かれた今作は、単純に悲劇を背負った義体少女への情の念だけで視聴することを良しとせず、良くも悪くも無印に見られた「お涙頂戴モノ路線」から脱却します
そして血で血を洗うような物語の本質にある残酷さをより際立せて、ガンスリの世界観全体にそこはかとなく漂う「潜在的な不快感」を駆り立てました

結果としてこの物語の真の主役が果たしてピノッキオだったのか、ピノッキオと対峙したトリエラだったのか、或いは(あえて無印からの続編と考えるのであれば)ヘンリエッタだったのか

「誰にも肩入れしない勝者無き物語」はなにひとつまとまらないうちに終わりを迎えてしまいます
この点は端的に構成力不足を感じ、如何なものかと思いました



もう一つの面が少女の殺し屋というキャラクターに対する「シニカルホラー」的な面

画面が明る過ぎるという指摘が見られるように、この作品の重いテーマとはあまりにギャップがありすぎる色彩や撮影効果

さらには新人声優の多数起用で、あまりにフレッシュすぎる義体少女役の演技など

少女達の幼さを強調するあまり、いざ彼女達が「人殺し」を始める様は、それはあまりに冷酷で目を背けたくなります

これに関して特に印象的なのが、リコが拷問のために命乞いをする大の大人をタコ殴りにして返り血を浴びるシーンやトリエラとピノッキオの最終決戦など

義体少女が命令のためなら冷酷な殺人マシンと化す様は、さながら悪趣味なバイオレンス映画にも近い

思えば無印では、悲しげな目で相手に銃口を向けたショットで終われば=殺害
とか
義体少女達が過去に遭った、レイプや暴行などの陰惨な境遇をあえて描写したりはせず、少し遠まわし気味の会話の中で説明するとかしたものです
これらショッキングな表現や直接的な言葉を用いずとも、それとなく魅せる演出が無印には光っていました



以上の2点はガンスリという作品を語る上で忘れてはいけない「刺激」的な要素であり、この点に強く惹かれた視聴者(読者)も多いことであろうと推察します

そして同時にイルテアが強く照らし過ぎてしまった、「ガンスリという“麻薬”が持っている毒素みたいなモノ」でもある、と解釈していただければ幸いです



さて長くなってしまったがオイラがここまでイルテアにムキになる理由が一つあって、
ずばり言って「第8話がネ申回」というところにあるのです

第8話のサブタイは「クラエスの一日」

ご存知の通り、義体少女の一人クラエスは施設の外には一切出ない一見すると不自由な暮らしをしています
が、彼女は施設の中で本を読んだり、家庭菜園を嗜んだり、映画を見たりする生活を送っています

そんな彼女の「限られた世界での無限の自由」というものを淡々と描くのがこの第8話なのです

ある日、いつもと同じ毎日を過ごしていたクラエスが、めったに足を踏み入れない射撃訓練場に入るとそこには、担当官ジョゼに指導されながら射撃訓練をするヘンリエッタの姿がありました
そこで薄っすらと浮かんでくる、彼女が無くしたはずの記憶・・・

無印でのクラエスのエピソード(無印:第5話)の直接的な続編とも言える珠玉のエピソードであります

この回では当然のこと戦闘シーンなどは無く、丸一日かけてクラエスの私生活を追うだけの、言うなれば暗い雰囲気の日常系アニメのよう

しかしながら無印に限りなく近い印象の何かをオイラは受けました

クラエスを担当する声優は水野理紗
そして彼女の担当官ラバロ役は堀内賢雄
おわかりいただけますでしょうか?
彼女達はほとんど皆無と言っていい「無印を経験している役者」なのです

多くのキャラクターが、無印とは別の印象を受けるのに対し、クラエスとラバロだけは地に足の着いた落ち着きを感じるのはそんなところにもあるのかもしれませんね

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

あなただけは守り抜く。そのために私は生きているのだから。

「GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガー・ガール)」の2期です。

1期は主要キャラである女の子たちの掘り下げ、
2期はテロリストとの戦いの物語が進行します。

1期から制作会社が変わり、
キャラデザや声優も一新されています。

1期だけで物語はまとまっていたので、
2期の視聴は迷っていたのですが、
物語は2期の方が楽しめたので、観てよかったです。

2期は全13話です。


● ストーリー
イタリア政府が、障がい者への様々な支援を行うという名目で設立した「社会福祉公社」。

その実態は、重体の患者(少女)に義体を与え、条件付けと呼ばれる洗脳で過去の記憶を消し、公社と担当官に対する絶対服従を命令するもの。

そうして義体の体を手にした少女たちは、
担当官を守り、命令に忠実に暗殺等の政府の闇の仕事を遂行する。

殺すことに何の抵抗も後悔も持たない。
ただパートナーのために、銃の引き金を引く。

それが自らの生きがいだとして…。


1期は社会福祉公社で活動する少女達について、
一人ずつ時間をかけて掘り下げられていましたが、

2期は犯罪やテロによってイタリアを恐怖に陥れる、政府の敵にあたるテロリスト集団“五共和国派”との戦いが軸となっていました。

その中でも、殺し屋のピノッキオという青年の物語が主軸となります。

今までは社会福祉公社目線で物語を観ていたのが、
ピノッキオ側目線のエピソードも多く、

戦うどちらの側の想いを知っているがゆえ、どちらが正義と決められず、複雑な気持ちで戦いを見守ることになりました。

ピノッキオは、命の恩人であるクリスティアーノのために殺し屋としての腕を磨いて戦い、

社会福祉公社の女の子たちは、大切な担当官のために戦う。

1期では女の子たちの、何も感じず人を殺す様を見ながらも、
任務が無事に遂行されると、うまくいってよかったと、
ほっとする部分があったのですが、

2期ではピノッキオの想いを知っているからか、
女の子たちの任務が失敗することをどこか願っていたりもしました。

むしろ、ピノッキオとクリスティアーノの絆を引き裂こうとする、
社会福祉公社側の方が悪者にさえ見えたり。笑

正義はどちらにあると簡単に決められるものではない。
ただ、お互いに自分の守りたい人たちのために戦っただけ。

1期は、少女たちに対して“やるせない”という想いが強かった。
その思いは2期も変わらない。

それに加え、他のキャラに対しても、同じ気持ちを抱きます。
だからなのか、2期は見ていて、もやもやします。

でも、このもやもやした複雑な気持ちが胸に残るのが、
この作品の魅力なのだろうと思います。

切なく、やるせないドラマが多い作品でした。


● 作画・声優
製作会社が変わったこと、1期の製作から時間が経過していたことなどを理由に、一新されています。

作画は1期の方が好みでした。
ヘンリエッタなど、1期の方が可愛かったなあと思うキャラが数人。

声優さんも、1期の方が好みだったなあと思うキャラが数人いましたが、
ほとんどは違和感なかったです。

この作画と声優の変更を、
1期のファンの方がどう受け止めたかで、2期の評価も変わりそうですね。


● キャラクター
ほとんどは1期と変わりません。

1期ではヘンリエッタ&ジャンがメインでしたが、
2期は出番がぐっと減っていたように思います。

代わりにピノッキオに対して執着するトリエラの活躍は増えていました。

個人的に一番好きなのはヘンリエッタ&ジャンさんでしたが、
2期のヘンリエッタはいまひとつ…。

1期の方が作画的にも性格的にも可愛かった気が。笑


● 音楽
【 OP「たった1つの想い」/ KOKIA 】

この曲は名曲です。

この作品を見ていなくても、
聴いたことがある人もいるかも。

作品にぴったりだし、
大好きな曲です。


【 ED「doll」/ Lia、多田葵 】

歌い手は、話によって変わりました。

麻枝准さんによる作詞作曲なので、
key作品感が増します…。笑

13話のED「human」も好きでした^^


● まとめ
何が正義なのか、何が正しいのか。

この作品を見ているとわからなくなりますね。

だってみんな間違ってないんだもん。
やり方は他にあるとしても。

間違っているのは、
そんな人たちに武器を手にさせる社会の方なのだろう。

自分の大切な人が辛い思いをしないように、
武器を手にして戦う。
そんな必要がないように。

少女たちは幸せだ。
大切で守りたい人のために戦えるから。

でも、もっと違う形での幸せが、
少女達にはあってほしいと願うばかりです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
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