熱いで冒険なアニメOVAランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの熱いで冒険な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月10日の時点で一番の熱いで冒険なアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.3 1 熱いで冒険なアニメランキング1位
FLCL フリクリ(OVA)

2000年4月26日
★★★★☆ 3.9 (580)
2479人が棚に入れました
後に「トップをねらえ!2」で監督を務める鶴巻和哉の初監督作品である。脚本は「少女革命ウテナ」「桜蘭高校ホスト部」の榎戸洋司、キャラクターデザインは「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行が担当した。

ベースギターを背負いベスパのバイクに乗ってやってきた謎の女・ハル子と彼女によって頭から変なモノが出てくるようになった小学生・ナオ太、彼と付かず離れずの関係で学校では孤立しているカメラ好きの女子高生・マミ美が主人公の不思議でサブカルな空気の実験的演出が多用された作品。

全編に渡ってthe pillowsの楽曲が使用され、物語の空気感を作る重要な要素となっている。
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

当たり前のことしか起こらない世界

喪失感とともに、バットを抱えたまま前に進めない少年。
恋人への想いにすがり、いじめを受ける少女。
川べりの街に建つ医療機器メーカーの工場。
同じ時刻に吐き出される煙は何かの狼煙のように見えた。
気怠い日常がただ過ぎていくはずだった。
ベスパに跨りベースギターを背負った
ハルハラ ハル子が来るまでは。

アニメーション製作Production I.G・GAINAX、
監督・原案:鶴巻和哉、脚本:榎戸洋司
キャラクターデザイン:貞本義行
音楽:光宗信吉、the pillows

エヴァンゲリオンを制作した後のガイナックスが
2000年にOVAとして手がけたSF青春アニメ。
クリエイターやコアなファンの間ではいまだに語り継がれる作品。
私はあにこれでキャッチしている人のレビューで初めて知った。
発表から20年近くも経って映画『フリクリ オルタナ』や
『フリクリ プログレ』が公開されたことからも、
OVAとして世に出たこの作品が、いかに幅広い人々から
支持されてきたのかが分かる。
ピロウズが海外で認知され、ライヴを行えたのも
この作品で音楽を担当したことが大きく影響した。

静かな展開は1話の序盤だけで、
ほかは全てがぶっ飛んでいる。
ギターリフが印象的なピロウズのロックがいつも流れ、
パロディやスラップスティックが展開されるなど、
クリエイターの遊び心が散りばめられている。
{netabare} バイクには轢かれるし、ギターではぶっ叩かれるし、
頭からロボットは出てくるし、人工衛星が降ってくる。 {/netabare}
エヴァンゲリオン特需のようなものがあったのか、
好きなことを好きなように作っている。

この作品を観ていると『うる星やつら』TVシリーズの
押井守時代後期の作風を思い出した。
優秀なクリエイターがどんどん集まり、
斬新なカットが次々と展開され、
『灰とダイヤモンド』や『2001年宇宙の旅』の
パロディが挿入される。子供に分かるわけがない。
また、タランティーノ監督の『キルビルVol.1』を
初めて映画館で観た時のことも頭に浮かんだ。

監督の趣味ともいえる分野を存分に押し出し、
危ういともいえる均衡を何とか保っている。
良し悪しは別にして、観ていてとても楽しい。

かと言って、過度なイメージとコメディが展開され、
そこにロックが流れるだけの
PVになっているかというとそんなことはない。
行き場のない心を抱えた少年少女を中心に据えた
青春ストーリーとして、しっかり成立させている。

平穏に見えた川べりの田舎町に起こる地球規模の災厄。
皆が色々な気持ちを抱えて生きている。
コメディの間に挟まれる詩的なイメージ。
この作品全体に流れている想いは
「振り切る」ことなのだろう。

私たちの世界では色々なことが起こるけれど、
日常は普通の顔をして、当たり前のように過ぎ去っていく。
鬱屈した心を抱えているだけでは何も変わらない。
バットを振らなきゃ話にならないのだ。
(2018年9月17日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 64
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Jumpin' Jack Flash

鶴巻和哉監督作品、脚本榎戸洋司。
キャラクターデザイン貞本義行。
何と言っても吉成曜の参加が嬉しい。
アニメ界を牽引するIG×GAINAXの傑作。

退屈な日々を送る小学6年生のナオ太は、
謎の女が乗る愛車ベスパに轢かれてしまう。
{netabare}その日から、ナオ太のあり得ない日々が始まる。
頭から角が生えロボットが出現したのだ。{/netabare}
ベスパ女ハル子は世界を賑やかに改変し、
モヤついている少年の日常は彩られ始めた。

アートワーク、演出、オリジナリティ、
the pillowsのオルタナティブロック。
お洒落でポップな世界観が感性に響き、
超一流のクリエイターが、
遊び出すとこんなにも楽しい。
テキトーなセカイのテキトーなシナリオ、
アニメーションとはデタラメな夢なのだろう。

スゴイことなんてない、
当たり前のことしか起こらない。
少年は少年のままで成長を続けるのだ。

日常が少しづつ輝き始める、
楽しくて甘酸っぱい青春ワンダーランド。
きっと人生を色彩豊かにしてくれるはずだ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

すごいこともいつのまにか慣れて当たり前になっていく

GAINAXとProduction I.Gにより製作された全6話のオリジナル作品。
全編に光宗信吉とthe Pillowsの曲が満載。
PVのようだと言われるのはそのせいもあるかもしれない。

1話から個性の強いキャストが、いきなりありえない行動をするし
悪夢のような展開に唖然としてしまい笑えなかったのだけれど
2話からはその強烈な世界と凝りまくった演出に惹き込まれ、
やがてストーリーもテーマも意外にしっかりしていることに気づかされた。
ジャンルとしてはセカイ系になるのかな。

主な登場人物は・・
小学6年生のナオ太(たっくんとも呼ばれる)
ナオ太の兄のガールフレンドで高校生のマミミ
ヴェスパに乗りギターを背負った自称宇宙人の女ハルコ
そのほか、ナオ太の父や祖父、学校の友達、特殊入国管理官などが登場。
それぞれのキャラがとても濃くて面白い。

テーマとしては・・
「思春期のはじまり」「成長」「挑戦」ってあたりがキーワードだろうか。
小学6年生というまだまだ子どもな時期に感じる年上の女の子への想いや照れは
ナオ太が嫌いだという酸っぱいものとしてレモンスカッシュに
揶揄されている気がするし、大人の男女への嫌悪感と妄想に対しては
ナオ太がもう1つの嫌いなものとして挙げる辛いもの、激辛スナックや
激辛カレーパン、明太子に揶揄されているのだと思う。

酸っぱさはなんとなくせつなく、ほのかな感覚。
辛いものはどこか生々しさとイラ立ちを感じずにはいられない。

ギターが武器になったり、バットがギターになったり
心情と現実が交錯したり、さまざまなアニメ作品への
オマージュともとれるセリフがあったりしてクスッと笑える。
ちなみに眉毛が独特の特殊入国管理官、モッズコートを着て
スクーターに乗っているサングラス姿につい
古い映画『さらば青春の光』を思い出してしまった(笑)

また、挿入曲含めてすべての音楽が好みだったが
特にEDの「Ride on shooting star」が良かった。

作品としては好き嫌いがものすごく分かれると思うし、
わけがわからない、という感想を持つ人も多いかもしれないけれど
世界観に入り込めたらかなり楽しめると思う。
なんでもないようないろんな人のセリフがけっこう深くて、僕は好きだった。
でも小難しいことを考えるのは観終えてからじっくりすればいい。
まずはそう・・小学生の頃のような気持ちで観ることをオススメする。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36

65.6 2 熱いで冒険なアニメランキング2位
王ドロボウJING in Seventh Heaven(OVA)

2004年1月21日
★★★★☆ 3.8 (38)
219人が棚に入れました
 漫画家・熊倉裕一によるコミック作品をOVA化。先に展開されたテレビアニメ版では映像化されなかったエピソードを全3巻で描いている。王ドロボウのジンと相棒のキールは、あるお宝を手に入れるべく、あえて第七監獄という刑務所に入所する。そのお宝とは、その昔、カンパリという名の奇術師が、眠った時に見る夢を結晶化した夢玉である。だがカンパリ自身も悪用したことでこの監獄に囚われていた。目的を達しようとカンパリを捜すジンたち。だが、周囲で不可思議な現象が次々起こる。なんとジンたちはカンパリにハメられ、第七監獄より千倍脱出不可能な、夢の牢獄に閉じ込められていたのだ。果たしてジンは夢玉を盗み、二重の牢獄から脱出することができるのだろうか?

遊微々 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

いの1番に大事なことは 2度とここにゃあくるなってこと 3度のめしにはことかかないが 4方を格子にかこまれて 5分とおかず見張りが回る 6でもないとこへ来ちまった 第7監獄たぁここのこと

『王ドロボウJING』第4巻に収録されている第七監獄編、及びアマルコルド編を2004年にOVA化。
TVアニメーション以上に原作世界観の魅力を存分に引き出した傑作OVA。

OVAだけあって作画が高いレベルで安定しており、中でもTVアニメからさらに進化、洗練されたキールロワイヤルの演出は必見。ホントカッコイイ、出来ればBGMは据え置きが良かったけども。
ちなみにDVDに収録されてたコメンタリーによると、今作の監督を務めたわたなべひろし氏はキールロワイヤルに対して、熱いとか冷たいとかそういった温度を感じるようなものでないと感じていたので、アニメ化に際しキールロワイヤルをエメラルドグリーンで表現されたのだとか。

また不可思議な夢の世界を表現したジャズ調のBGMも秀逸。TVアニメ版もそうでしたがJINGは本当に音楽が素晴らしい。あの極彩色の世界観を見事なまでに演出してくれてます。

そしてJING最大の魅力はなんと言ってもやはりその巧みな言葉遊び。レビュータイトルで書いた第7監獄の詩の時点で既にテンションブチ上げものなのですが、本作は夢をテーマに展開されるので、それにちなんだ言葉遊びが多数出てきますね。
「他人の夢まで欲しくなる人一倍夢見がちなタイプでね」
(夢の中の風景を見て)「眼の覚めるような風景ですね・・・」
「どうだい?ゆめかげんは?」
「人生とは死という熟睡に入るまでに見る夢そのものなのか?つまるところ人間ってのは、おしゃべりな夢遊病者に過ぎない」

あーー!!惜しい!!これだけの作品が埋もれているのは実に惜しい!
マジでリメイクして欲しい!!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

刑務所にあるお宝を狙う全3話。

眠った時に見る夢を結晶化した「夢玉」。
けど、牢獄で「夢の牢獄」に閉じ込められてしまう。
その中で幼少期のジンと、キールの出会いの話もあって
キールってカラスじゃないんだって知った。笑

唯一アニメ化されてない「JING ON AIR」編。
観てみたいな~

投稿 : 2024/11/09
♥ : 1
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