2020年度の災害おすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2020年度の災害成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番の2020年度の災害おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

57.3 1 2020年度の災害アニメランキング1位
日本沈没2020(Webアニメ)

2020年7月1日
★★★☆☆ 2.6 (136)
398人が棚に入れました
2020年、東京オリンピックという大きな国家事業を終えたばかりの日本を襲った突然の大地震。都内に住むごく普通の家族、武藤家の歩(あゆむ)と剛(ごう)の姉弟は、大混乱の中、家族4人で東京からの脱出を始めるが、刻々と沈みゆく日本列島は、容赦なく武藤家の面々を追い詰めていく。極限状態で突きつけられる、生と死、出会いと別れの選択。途方もない現実と向き合う中、武藤家の姉弟、歩と剛は、未来を信じ、懸命に生き抜く強さを身につけていく…

声優・キャラクター
上田麗奈、村中知、佐々木優子、てらそままさき、吉野裕行、森なな子、小野賢章、佐々木梅治、塩田朋子、濱野大輝、ジョージ・カックル、武田太一

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

それが良かったのか、悪かったのか

言わずと知れた小松左京のSF小説・日本沈没を原作とするアニメ化作品。
コロナウイルスが急速にまん延していた2020年7月に公開されていて、その頃には延期が決定した2020年東京オリンピック閉会直後が舞台となっています。
恐らくアニメ制作時にはコロナウイルスがここまで日常に影響を来すと考えられていなかった、あるいは存在自体の認知度が低かった様子で、作中コロナの話は登場しないです。
作中、オリンピック以外の時事的な情報は登場しませんでしたが、"コロナウイルスの影響なく2020年夏季にオリンピックが執り行われた"というIFの世界となっています。

描かれる時代だけではなくストーリーも一新され、原作との共通点はほぼ"日本が沈没する話"という点のみと言って良いと思います。
小松左京のベストセラーからアイデアのみを借りた別作品で、小説や映画のアニメ化ではないので注意が必要ですね。
ちなみに私は1973年の映画は視聴済み(ついでに河崎実監督の日本以外全部沈没も視聴済み)ですが、それ以外の映像版は未視聴、小説も未読の状態です。

原作では潜水艇操縦士の小野寺と、物理学者の田所博士と総理大臣の山本が主人公ですが、本作の主人公は都内に住むある一家となっています。
陸上部の中学3年生「武藤歩」は、更衣室で体が宙に浮くほどの大地震を体験します。
気がつけば瀕死の仲間に囲まれており、自身も足に怪我を負いながらなんとか脱出すると、あたりはそれまでの景色から一変していました。
倒壊したビルや家の瓦礫、大きく割れた道路を歩いて避難所にたどり着くも、家族の姿はなく途方にくれます。
そんな中、見上げた先にある山が光り輝いていることに気づき、そこで照明技師の父に再開、集まってきた家族とも再開します。
やがてそこに水が押し寄せ、危険を感じた人々は、安全な場所を求め移動を開始する、という展開です。

政府の対応が中心だった映画版とは大きく違っていて、沈没する日本から命を守るため行動するパニックムービーとなっています。
崩れ行く地面、パニックとなる人々、錯綜する情報に翻弄され、右往左往する展開です。
その中でいろいろな人に出会い行動を共にするのですが、有毒ガスの発生や偶発的に発生する地震などにより次々と命を失ってゆきます。
食料も水もままならない地獄のような世界で極限状態となりながら前に進む人々が描かれていて、考えさせられる作品でした。

ただ、"日本が沈没する"という設定が生きるのは終盤で、内容的には大震災が発生したのと変わらないのは残念でした。
"日本が沈没している"という情報やそのプロセスは作中登場するのですが、ストーリー上あまり重要ではなく、ハードSFだった原作に比べるとスケールダウンしているように思いました。
状況は最悪で、目の前で親しい人も次々と亡くなってゆくのにそれほど終末感漂っておらず、主人公の感情に余裕を感じました。
また、Netflixアニメ故か、作画がそれほど良くなく、臨場感は伝わってきませんでした。
臨場感が伝わらないので、主人公と距離の近い人物が亡くなっても「え、これで死んだの?」となってしまいました。
死体の描写だけ妙に丁寧で、食われて肋骨が見えていたり、手首だけ残されてたり、妙にグロいシーンがありますが、そもそも日本が沈没することと関連があまりなく、テーマもぼやけていた感じがします。

タイトルに『日本沈没』をつけてしまっているので、どうしても元作品と比較してしまい、薄さを感じざるを得なかったです。
最後まで退屈はせずに見れたし、ラストもこれまで頑張ってきた上で到達したことを考えると良かったという気持ちになったので、個人的には悪い作品ではないと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

それでも人は、前を向く

この作品の原作は未読です。
見た瞬間、「DEVILMAN crybabyに作画が似てるなぁ…」と思いましたが、監督が一緒だったんですね。


沈みゆく日本、
それでも人は、前を向く

2020年、平和な日常が続く日本を襲った突然の大地震。
都内に住むごく普通の一家、武藤家の歩(あゆむ)と剛(ごう)の姉弟は、
大混乱の中、家族4人で東京からの脱出を始めるが、刻々と沈みゆく日本列島は、
容赦なく彼らを追い詰めていく。

極限状態で突きつけられる、生と死、出会いと別れの選択。
途方もない現実と向き合う中、歩と剛は、未来を信じ、
件名に生き抜く強さを身につけていく…


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

原作は、日本の沈没を学術的にとらえた作品の様ですが、本作は武藤家というごく普通の家族を対象に、日本で発生した巨大地震による顛末が描かれています。
物語の纏め方もアニオリのようです。

正直結構な改変をしていると思います。
何故、この様な改変をしたのか…
巷では原作への冒涜か…などとも噂されているようです。

確かに、原作、或いは著者のファンの方なら、あまりの内容の違いに、そう思われても仕方ないのかもしれません。

ですが、私は本作でより地震とその顛末が身近に感じた気がします。
学術的に難しいことを言われてもピンときませんし、地殻変動は止めようがありませんし、何よりこんな地震が起こったら、私たちは逃げることしかできません。

最近、日本のあちこちで地震が多発していますし、南海トラフ地震のようにマグニチュード9クラスの巨大地震や、首都圏直下型地震の発生する可能性だって示唆されています。
この作品は、この様な身近に迫りつつある災害に対する警鐘と受け取ることができると思うんです。

だから、この作品は「どう逃げる?」「どう生きる?」というメッセージを常に発信し続けたんじゃないか…と個人的には思っています。

そしてキャラデザについて…
湯浅監督の描くキャラは格好良い、とか、可愛い、という感じではなく、バランスを多少崩しても伝えたいメッセージを全面に押し出している印象があります。
時には作画が溶けてしまっているような感じさえ受けることがあります。

小松左京さんの執筆した本作は「空前の大ベストセラー」と評される作品です。
私の実家にも原作があったのを覚えていますから…

でも色々考えましたが、結果的に湯浅監督のキャラデザで良かったのかも…
というのが私の結論でした。

可愛い、格好良い…そんなキャラデザは山ほどあります。
でも現実の周りの人はみんな普通の人で、アニメのキャラデザみたいな人は居ないと思います。
それに、カチっとしたキャラデザならしっかり描きこまないと作画が乱れて見えますし、無残なシーンをしっかり描きこんだら余計に心の折れる人が増えてしまうと思うんです。

だからメッセージ性は強調しつつ、細かい部分を少々デフォルメできるキャラデザとなると選択の幅はぐっと狭り、本来着地すべき場所に着地した…これが結論に至った経緯です。
私の個人的私見なので、思いきり間違っているかもしれませんけど^^;

主題歌は、大貫妙子さん & 坂本龍一さんによる「a life」
作詞は大貫さんで作曲は教授だそうです。
ここに教授が出てくるとは思いもしなかったので嬉しいサプライズでした。

1クール全10話の物語でした。
物語の纏め方…アニオリで、構成にはツッコミどころがありそうでしたが、絶望だけで終わるのではなく、ちゃんと希望の光が見えたのは良かったと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

bunnyhunny さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

日本の文化をまるで毒と捉えたアニメ

日本人が認める本物の日本文化などこのアニメに存在しません。
ただただ日本に住んでいる人、震災を経験した人に失礼。そして海外視聴者へ間違った日本人の概念を与える酷すぎるアニメ。
このテーマの作品を作るなと言っているわけではない。これほど重いテーマに「日本」という国を題名に付けるなら現実的な日本住民のありかたを描いて欲しい。誰一人共感できるキャラがいない。
絶望から立ち上がり進化を遂げる場所が日本という国。
それなのにあの開き直りなキャラたち、そして絶望的シーンに流れる意味不明なほど映像と合ってない明るいBGM。
このアニメが教えていることは日本が絶望から乗り越える方法は何かではない。
絶望から学んで変わろうとする気力なんて捨てていい、という毒概念。
道徳に厳しい概念を持ち、薬物に反感が強い人が多く麻薬に囲まれた環境など滅多に存在しない日本で、災害からの現実逃避が麻薬という考え方に至った論理とは?麻薬という存在すら身近で聞き慣れてすらいない人がほとんどなのに。
主人公は緊急サバイバル時に商品を盗むことを「悪」と感じているのになぜマリファナ入りカレーや大麻栽培、それから洗脳カルトのような大麻宗教団体については「日常、善」と感じているのか。まるで日本の文化は宗教団体と大麻栽培と言ってるようなもの。もはや論理沈没。
この重いテーマで間違った日本の概念と表現を生み、たくさんの人のトラウマを掘り起こしただろう震災の描写をこれまで浅く扱い、「助け合い・法律を守る」素晴らしい日本文化をよくも毒に変えくれたな。
本当に震災を経験し、協力してくれる親切な人や、痛みから立ち上がる人々を見てきたのならこのような作品は人として作れない。
さらに、多様性をここまで導入したのにも関わらず日本を貶していたキャラが日本復興を経験して日本の見方が変わるというキャラクター変化と発達一つ表せてない。この災害から色んな人に助けてもらいオリンピックで日本代表となったハーフ選手が、「別に日本国籍じゃなくてエストニアでも良かったんだけどね」と日本を代表する選手として信じられない発言。
多くの外国人が、日本人は「平和ボケ」という捉え方をしている。しかし彼らが知らないのは、日本とは絶望から乗り越えるとき本当の力を発揮する、という原爆復興で証明した事実。そして未だにその美しく希望を象徴する概念は自然災害を受けても日本住民の心に強くあり、絶望から立ち上がり乗り越え続ける。それこそが日本沈没2020を通し世界に伝えて欲しかったこと。
製作側に聞きたい。ここまで日本の文化と日本人の概念を捨てたアニメを‪「日本」沈没と本気で呼べますか?日本でなければいけない理由とは何?それは日本を悪く表現したかったからですか?
本当に日本に思いやりがあり災害の現実を知る者ならこれだけ不名誉で間違った概念を与えるアニメは作らない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

77.4 2 2020年度の災害アニメランキング2位
波よ聞いてくれ(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (405)
1488人が棚に入れました
いやあ~~~~ッ、25過ぎてから男と別れるってキツいですね!」札幌在住、スープカレー屋で働く鼓田ミナレは、酒場で知り合った地元FM局のディレクター・麻藤兼嗣に失恋トークを炸裂させていた。翌日、いつものように仕事をしていると、店内でかけていたラジオから元カレを罵倒するミナレの声が……!麻藤はミナレの愚痴を密録し、生放送で流していたのだ。激昂してラジオ局へ乗り込むミナレ。しかし、麻藤は悪びれもせずに告げる。「お姐さん、止めるからにはアンタが間を持たせるんだぜ?」ミナレは全力の弁解トークをアドリブで披露する羽目に。この放送は反響を呼び、やがて麻藤からラジオパーソナリティにスカウトされる。「お前、冠番組を持ってみる気ないか?」タイトルは『波よ聞いてくれ』。北海道の深夜3時半、そしてミナレは覚醒するッ!

声優・キャラクター
杉山里穂、藤真秀、石見舞菜香、山路和弘、大原さやか、石川界人、矢野正明、能登麻美子、島田敏、浪川大輔、内山昂輝
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ミナレさんのキャラクターに魅かれた

沙村広明原作。

ラジオを題材にした作品。酔っ払って話しかけたのがラジオ局ディレクターで自分の話した内容がラジオから流れてきたことがきっかけで素人だったのに、番組を持つことになったミナレさんがたまらない作品。

いきなりのヒグマと遭遇設定をツッコミなしとか見るの辛いと思ってしまったのだが、回を重ねるごとにミナレさんについ感情移入してしまり、楽しくなってきた。

唐突になんか怖いシーンやサスペンス擬き。蔵王のかもしか温泉に火山ガスもくもくかつ、冬に行くとか自殺しに行くようなもんだろ。そんでもって腐臭が凄まじい屋根裏怖い。しかも、ゴミ袋に入った死体が!と思ったら、ミナレが袋に入れて床下に収納したまま腐らせたマトン。あまりのずぼらさ。沖さんに酔っ払って侵入して迷惑をかけるだけでなく、腐臭のする液体を階下に滴らせるという駄目女っぷりを発揮するのであります。これは笑った。

藻岩山良いっすね。北海道に次行くときは是非立ち寄りたい。新千歳空港が札幌に近かったら、良かったのに。
舞台が北海道なのに、博多通りもんとはやりますねえ。美味しいぞ。
借金を一部返してくれて許そうなんて気持ちに。予想通り元彼に弱いな。クソ男はきっちり成敗してほしいと思いつつ見てた。人間はそんな簡単に変わらんから。
{netabare}縛られて包丁で刺されそうになってたのはやっぱり元彼だったのか。あの娘もミナレと同じような目にあったんでしょうね。人畜無害な笑みを浮かべて金ないくせに贅沢しようとして、女性を泣かせる男は死んどけ。ミナレさんがまた騙されるか不安だったけど、足を使ったバックドロップは最高でした。{/netabare}

最終話でもミナレさんがかましてくれると期待していたが、ギャグではなく、ラジオに携わる者としての成長を見せつけられた。地震というハプニングに動じつつも、何とか繋いで清々しい朝。
{netabare}カレー屋の店長が城華兄の尻を触ろうとしていたのは余計だった。まずいですよ!{/netabare}
北海道の広さも改めて見せつけられたけど、道民は400kmくらいは、なんてことないんだろうね。凄い!!

ミナレさん可愛い好き。私生活の絶妙なだらしない感じとか中原君の気持ちに気付いているのに、応じようとしないあたりも。ちょっと可哀想だから応じてほしいけども。油断したら城華に取られて後悔するぞ。
演じる杉山里穂の演技上手。声がぴったりはまっている。

城華は久々の能登麻美子が演じるおっとり系。彼女も嬉しいことがあったみたいで良かった。応援したい。

ただ、結膜が変に光っている作画だけは少々苦手だった。


OP
aranami tacica
ED
Pride 遥海
挿入歌
Believe In Myself 遥海
見上げてごらん夜の星を 坂本九
aranamiもこれから始まるぞという感じが凄く良かった。
Prideを歌っている歌手は良く知らなかったが、力強い歌声でEDにぴったりだった。しょうもないけど、映像の最後のミナレさんの乳首の位置大丈夫だろうか?どうしても気になってしまう。僕の悪い癖です。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
「いやあ~~~~ッ、25過ぎてから男と別れるってキツいですね!」札幌在住、スープカレー屋で働く鼓田ミナレは、酒場で知り合った地元FM局のディレクター・麻藤兼嗣に失恋トークを炸裂させていた。翌日、いつものように仕事をしていると、店内でかけていたラジオから元カレを罵倒するミナレの声が……!麻藤はミナレの愚痴を密録し、生放送で流していたのだ。激昂してラジオ局へ乗り込むミナレ。しかし、麻藤は悪びれもせずに告げる。「お姐さん、止めるからにはアンタが間を持たせるんだぜ?」ミナレは全力の弁解トークをアドリブで披露する羽目に。この放送は反響を呼び、やがて麻藤からラジオパーソナリティにスカウトされる。「お前、冠番組を持ってみる気ないか?」 タイトルは『波よ聞いてくれ』。北海道の深夜3時半、そしてミナレは覚醒するッ!

第1話 お前を許さない
舞台は北海道、札幌。スープカレー屋の店員・鼓田ミナレは、酒場で隣り合った男・麻藤に失恋話を打ち明けていた。翌日、仕事中にミナレが耳にしたのは、ラジオから流れる自分の声…!? 実はラジオ局のディレクターである麻藤は失恋話を密録し、生放送で流していたのだ。ラジオ局に駆けつけたミナレに麻藤は悪びれもなく告げる。「無音が3秒続けば放送事故だ。止めるからにはアンタが間を持たせるんだぜ?」──ぶっつけ本番、ミナレはマイクの前に立つ。

第2話 奴らが憎い
高らかに元カレへの恨みを宣言し、ラジオの生放送を乗り切ったミナレ。日々は何も変わらないように思えたが、水面下でミナレの運命は動いていた…! 藻岩山ラジオ(MRS)のディレクター・麻藤は、ミナレに「話し手の才能」を感じ、コンタクトを図ってくる。麻藤はMRSのスタッフを引き連れ、ミナレの働くカレー店にやってきた。その中のひとり、人気番組を担当するパーソナリティ・茅代まどかはミナレに告げる。「私たちと一緒に、ラジオのお仕事してみない?」

第3話 お前らは緩い
ミナレは危機に瀕していた。元カレに持ち逃げされた50万円が痛手となり、自宅の家賃や車検料の支払いを乗り越えられそうにない。窮したミナレは麻藤に電話で助けを求める。誘われていたラジオの仕事を正式に受ける代わりに、MRSに寝泊まりしようという魂胆だった。ところが、麻藤はミナレに「お前、冠番組を持ってみる気はないか?」と持ちかける。舞い上がるミナレに与えられたのは……午前3時半スタートのド深夜枠だった!?

第4話 君は笑わない
MRSのAD・南波瑞穂の自宅を仮住まいにすることになったミナレ。一安心も束の間、スープカレー屋「VOYAGER」の店長・宝田が交通事故で戦線離脱。人手不足で多忙を極める店に謎の美女・城華マキエが訪ねてくる。マキエの兄が宝田を事故に巻き込んだお詫びとして、無報酬で働くと申し出てきたのだ。戸惑いながらも、背に腹は代えられずに受け入れるミナレ。この出会いが、後にミナレの人間関係を大きく揺らがすとも知らずに……。

第5話 生かして帰さない
番組名が『波よ聞いてくれ』に決まったミナレの冠番組。初回収録で訪れた深夜のMRSには麻藤と瑞穂が待っていた。「この番組は思いつきで内容を変えてこうと決めていた」と話す麻藤から台本を受け取ると、今回のテーマは「架空実況」。かくしてミナレは「“光雄”という名の男を殺した女」を演じるゲリラ放送的な企画に挑む。一方その頃、北海道某所ではミナレの元カレ・光雄は女に刺されかけていた。ラジオからミナレの演技が響き渡り、光雄たちは焦り出す。

第6話 そんなものはいない
スープカレー屋「VOYAGER」の同僚・中原に「道内一のラジオDJを目指してやる!」と豪語したミナレ。好評(?)のうちに終わった『波よ聞いてくれ』の放送だったが、麻藤からは「次は企画を考えてくれ」と連絡が来て、ミナレは頭を悩ませる。すると、渡りに船とばかりにミナレ宛のFAXが局に届いた。「たすけてください。あの世に行って帰ってくる方法を教えて欲しい」の文字に「オカルトかよ!」とツッコミつつ、ミナレと瑞穂は送り主の家を訪問する。

第7話 私は哭きたい
番組宛に不気味なFAXを送ったのは、ミナレと同じアパートに住む沖だった。ところが、沖の部屋で目にしたのは大漁の護符と天井から降り注ぐ血の雨…!? 屋根裏へ潜り込んだミナレは、腐臭と謎の液体、ハエの大群のなかで、ゴミ袋に包まれた“何か”を見つけてしまう。その袋の数は6つ、合わせて小柄な女性ひとり分ほど。ミナレは、袋の中身は沖が探していると叫ぶ「律子」という女性であると確信し、警察へ連絡を入れるのだが……。

第8話 電話じゃ話せない
沖の家のオカルト騒動はミナレの不始末によるものとわかり、沖の尋ね人を呼びかける「謝罪放送」で放免されたミナレ。一方のスープカレー屋にはマキエの兄・亨が現れる。強引に連れ帰ろうとする亨に、中原は違和感から抵抗を試みる。ミナレの『波よ聞いてくれ』はその後も放送を続け、コアなファンをつかんでいく。順調に思えた矢先、ミナレに届いた一通のメールが、平穏な日々に終わりを知らせる。送り主は憎き元カレ・光雄だった。

第9話 お前を信じない
ミナレに突然届いた元カレ・光雄からのメール。光雄はミナレのラジオを聞き、会いたくなって連絡したという。猜疑心と明確な殺意(とICレコーダー)を胸にしまい込み、ミナレは待ち合わせ場所の藻岩山ロープウェイ乗り場へ向かう。姿を見せたのは50万円をだまし取ったことなど微塵も感じさせないほどに、全く変わりがない光雄だった。なんだかんだでデートを楽しんでしまったミナレだが、飲み直すべく訪れた光雄の自宅で、勝負に出る。

第10話 私がせねばなるまい
光雄との因縁にケリをつけたミナレ。ICレコーダーを麻藤に返して経緯を語ると、次回放送は密録した音声を使った企画に決まる。麻藤は「次の放送で光雄を埋葬しろ」とミナレへ告げる。片や、スープカレー屋では中原と城華の親密度が向上中。ミナレは城華に「中原の気持ちを知りながら弄ばないで」と釘を差され、イライラを募らせる。その最中、MRSでは腕利きのスタッフが集結。「光雄埋葬回」のドラマ収録が幕を開ける───!

第11話 嫌気生物は畏れない
「光雄を埋葬する」を題材にしたドラマ収録に挑むミナレたち『波よ聞いてくれ』チーム。アドリブ多めの台本にもめげずに、ミナレは全力で言葉を叩きつける。しかし翌朝、麻藤からは「いい加減、お前が企画を考えろ」とたしなめられてしまう。ミナレは他局の人気番組『アナグマ禁猟時間』を聞いて参考にしたり、MRS公式サイトの番組ホームページやTwitterで企画を募集したりと、行動を始める。

第12話 あなたに届けたい
時計はまもなく午前3時30分。本番までのカウントダウンに、ミナレはスタジオで気を引き締める。「ON AIR」ランプが灯り、「鼓田ミナレの波よ聞いてくれっへぇェェ~!」と番組がスタート。この日はリスナーから募集した番組の新企画を発表する段取りだった。その瞬間、ミナレたちを大きな揺れが襲う。緊迫するスタジオと局内。ミナレの、そしてMRSの、長い夜が始まった──。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

言葉のプロレスに溺れよう

原作未読


素朴な疑問で道民はなんというか…ヒグマと常に闘ってるんでしょうか?これと『ゴールデンカムイ』を教科書にすると私みたいな内地もんは勘違いしそうです。


北海道ローカルFMの破天荒DJ顛末記。その子はスープカレー屋店員兼務の素人だよな1クール。
視聴動機は社会人モノだから。絶対数が少ないのでたいていはチェックするようにしてます。未成年モノばかりで世間ズレしてく自分に恐怖を覚えるのでこういうので歪みを矯正してる(つもり…)。

…なんて言ったところで歪みが矯正されるケースはほぼありませんね。本作の場合は主人公鼓田ミナレ(CV杉山里穂)が破天荒すぎるため自分に置き換えづらかったりします。
ただし…芝居は凄い!通常台本の3倍くらいのセリフ量をこなされてたんじゃないかしら。速い・多い・間も完璧。これを拝みに視聴してもいいんじゃないかしら?と推薦です。
基本的に会話劇でアニメーションとしてどうかは微妙。実写向きかと思ったのですが、ミナレのマシンガントークを再現できる若手の女優さんがパッと思い浮かびません。配役も中堅の実力派ならびに吹き替えに軸足おいてる方々で固め、わき役も含め声優の演技が素晴らしいです。久々に声優項目に5.0を進呈しようかと思ってます。

それ以外は意見がばらけそうな仕様ではありました。

 ・ミナレのエキセントリックな性格
 ・第1話アバンの某実況
 ・光雄(CV浪川大輔)
  etc…

メリットはデメリットと表裏一体。クセの強さは魅力でもあり遠心力でもあります。
12話使っての物語の畳み方も唐突と言っても意外な展開と言ってもどちらともとれそう。何が言いたいかっていうと視聴していてもわりとフワッとしていて視点を落ち着かせるポイントを探りにくいのです。マシンガントークに乗せられて最終回までイケて、最後に背筋伸ばすといったところでしょうか。


ちなみに私は後述2点を理由に評価高めです。
未視聴の方は演技目当てで手を出してみる価値はあると思います。キャラへの共感や物語の面白さなどはなんとも言えません。私みたいに貴重な社会人物件ということに価値を見い出しても良いでしょう。1クールで綺麗にまとまった感はあるのでサクッと。そんな一品です。



※評価高い理由(ネタバレ)


■フィクションを楽しむ フィクションに本気を出す


パンとカレーの夢空間「VOYAGER」とはミナレの勤め先。リアリティとフィクションについて店長とミナレの関係がその後を物語っている気がします。
味もさることながら店舗のコンセプトと売上実績からして店長は正しい。バイト風情(ミナレ)は言うこと聞いてコンセプト守れ!って話です。“夢空間”すなわち“フィクション”が大事であり、“楽屋ネタ”すなわち“リアリティ”はダメよという店長のスタンスです。
一方的に店長が正しいかというのも難しいところで、ミナレが客にさらっと内輪話を暴露したらウケたりもするわけです。「実際はこうだよ…」みんな好きでしょ? それにポン・デ・ケイジョ(ブラジルのパン)出すならボサノヴァ(ブラジルの音楽)かけろよ!のミナレの独り言は即却下されましたが整合性の取れてる話です。

{netabare}フィクションを大事にせーよ{/netabare}

とこの作品は言ってます。これある意味リアリティ重視の時代と逆行してるように見えませんか。

例①恋愛番組
パンチDEデート('70年代)⇒ねるとん紅鯨団('80年代)⇒あいのり('90年代)⇒テラスハウス('10年代)
:徐々にくっつくまでのプロセスを見せる仕様に…

例②プロレス
全日本⇒新日本⇒前田⇒総合格闘技⇒???
:リアルファイトへと嗜好が変化…

行き着く先は『トゥルーマン・ショー(米映画'98)』ですかね。仕事なんかでもそうですけど「大事なのはファクトだ」は耳タコです。ともすると架空≒嘘と取られかねない昨今。そんな架空≒フィクションを疎かにすることでの弊害だってもちろんあるんですよ。それはこちら↓

 {netabare}イノベーションが生まれません{/netabare}

も一つ!みんな企業家になるわけでもありません。そんな一般人が陥りがちなこと

 {netabare}他者への配慮に思いが至りません{/netabare}

想像しなくなりますもんね。もちろんそんなの昔からあることで、現実と虚構の区別がつかずドラマの役柄を理由に有森也美や裕木奈江をバッシングなんてのはあったので一概に今がしょぼいとは言いませんよ。しかしながら今の時代に『川口浩探検シリーズ』の企画が通るとは思いません。
さて…長くなりましたがもうお分かりでしょうか。

{netabare}第一話アバンはフィクション(想像力)礼賛物語を宣言する号砲なのです{/netabare}


見誤るとふるいにかけられます。まずはここついてこいよと我々は試されます(たぶん)。
ラジオは音だけ。聴覚や視覚から受ける情報をもって判断/理解するのがコミュニケーションとするなら決定的に情報が不足してます。不足した分を補うのは想像力ということになるのでしょう。
少しだけ脱線。テレワークのWEB会議で事足りると無自覚な経営者や上司のみなさま。非言語コミュニケーション領域は直のコミュニケーションでやりとりする情報量の3分の1くらいです。このへんのケアを怠ると生産性が著しく低下しますのでご注意くださいませ。

 {netabare}・羆(ヒグマ)を前にお悩み相談
 ・光雄殺したったの振り返り{/netabare}

供給する側はひたすらバカ真面目に作り上げてます。そして大事なこと

受け取る側は{netabare}面白がって敢えて乗ってみる。{/netabare}

いわばお互いの信頼関係に寄って立つプロレスみたいなものです。対戦相手同士だったり選手と観客間だったりの暗黙の了解で許される空間。「あれってイカサマなんだぜ」と言う程野暮なことはないでしょう。ラジオDJとリスナーの関係に距離の近さを感じるとしたらこんな理由なのかもしれません。
ある種、思考のトレーニングを兼ねておりまして、相手の知識量に合わせての言葉遊びを試したくなってきます。不遜ながらこのわたくしもレビューでそんなネタやボケを投下してたり(笑) おもろいかどうかは別にして、反応があればお互いニヤッとしてるんだろうなぁと思いながら日々楽しんでます。

 {netabare}客「光雄さん見つかりました?」
 ミ「せんだと相田、どっちのですか?」{/netabare}

 {netabare}麻「シセル光明という芸人を知ってるか?」
 ミ「聞いたこともありません。なんすか?その司馬懿を走らせそうな人は」{/netabare}

{netabare}「せんだみつおと相田みつを」「生ける仲達を走らす」これ知らなければポッカーンです。こうして間髪入れずにボケられるミナレの頭の回転は速い。
さらにそれを受けて「そら相田じゃん?騙し取られたっていいじゃないか。人間だもの」とか「あまりふざけるなよ。なんなら泣きながらお前を斬るぞ」とか被せてくるなら一気に仲良くなれそうです。このへんはノリよ。{/netabare}


なお、なんだかんだ“リアリティ”や“整合性”を作品評価では重視してます。
本作の場合、フィクションを大真面目にやるプロレス的なところがあって、極度のご都合主義や心情推移の胡散臭さで感じる“リアリティの欠如”とは根本的に違いますよということだけは強調しときます。



■だからこその最終回

二つあるうちの一つで時間を要してしまいました。残りひとつは短めに。
主旨は「フィクションを大事にしよーぜ!」だったとします。そこを底流に作品そのものも虚虚実実な世界観を保って最終回に突入してました。

{netabare}だからこそリアルでラジオ媒体がめちゃくちゃ活躍する最終回が映えるのです。謎の感動の正体は振り返ってみるとこれでした。{/netabare}

{netabare}そして大変失礼ながらやや忘れかけてた“北海道胆振東部地震”にスポットライトをあてた功績も大です。たしか日本初の“ブラックアウト”だったなぁとか、セイコーマート大活躍だったなぁとか、これで『はねバド』一週とんでたなぁとか、札幌在住の知人が「でも星が綺麗なんだよ」と言ってたのを思い出しました。{/netabare}




ラジオは斜陽媒体です。しかしながら本来の魅力と重要性に気づかせてくれました。
まさに『aranami』(OP)に抗ってる者達の『pride』(ED)の物語。そんなメッセージを作品から受け取ったような気がします。



視聴時期:2020年4月~6月 

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2020.06.26 初稿
2020.09.03 タイトル修正
2021.03.05 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 62

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

音そしてスピードとテンポそれとみずほ

 最初ってすごく大事ですよね。この文章もスクロールなりして最後まで読んでもらうにはまず導入で面白そうだなとか思ってもらえるかがカギになったりならなかったり、はい。この時点でもうスクロールされてしまっている可能性大ですね。ギリギリ4行だか5行目まで読んでみてもらえているなら奇跡だなとか思ってるわけで、この作品はアバンから始まるいきなりOPじゃない構成をとっております。
 アバンの効果って色々あるけれど、やっぱりこの25分をワクワクさせる事を目的にしていると思うんです。んで、これに見事成功している。
 毎回BGMが違ったり、BGMを無くしたり、ラジオ流したりと導入がしっかり考えられているなーなんてぼんやり思うわけです。
 そこからのOPなんですが、tacica なのが個人的に刺さる。ペンギンエレジーあたりから好きなアーティストでアルバムとか買っていた過去があるので不意に出ると嬉しいものですな。他の作品でもたしか採用されていたと記憶しているけれど。はい、ただのファンでした。

 EDの話をします。
 最近のレビューではOPとEDの話って全然してなかった。それは別に良いなと特別思わなかったからなんですが、この作品は本編に負けず劣らずに良い。
 こう言うと本編が良くないのだろうかと思われてしまう懸念がありますが、ここでそれを否定しておきます。ちゃんと本編もマジで面白いから!
 じゃあEDのどこが良いのって話ですね。
 いやぁ歌が好きなんですよとかではないので安心してください。
 素晴らしいのは入り方ですねー。この静かに終わっていく引きのよさはタイトルの通りで、波を感じさせてくれます。夏の海楽しく遊んで、さぁ帰るぞと片づけをして浜から引き上げる時にふと振り返るんです。そうすると人の少なくなった浜は昼間と違って静かになっている。
 そんな切ない雰囲気を感じさせる入り方。歌全体には低音のリフが鳴り続ける。サビに入って歌には盛り上がりを出すが、後ろの音ではそこまで盛り上げないあくまでも落ち着いた雰囲気を継続させている。
 そこまで選曲で考えているのか分からんし、アニメのために作った歌なのかと思うくらいには合っているよ。もしくは合わせている。
 原作の絵を使って動きよりも絵で観せるのも良い。何となく、刻刻というアニメのEDを思い出させる。あれも好きだった。
 と長々語りつつ、OPではまったく逆を言っている自分が怖い。
 
 さて、本編についてのレビューとなるが、それはまぁ全部観てから書こうかなと思うのでここまで。ただ、タイトルの通りで、スピードとテンポ。
 それとみずほ。この作品はできている。あれ? 主人公? 知らんな?

 見終わっちゃいました。
 個人的にだけれど最近、ラジオをたまたま聞くようになり、今まであまり聞いてこなかったのでどうやって楽しんだらよいのか分からなかった。つまり、仕事をしながら聞くようになったのだけれど、仕事に集中しているとまったく耳に入らなかったり、ラジオの声を意識しちゃうと、仕事に集中してなかったりする。
 最近やっと少し慣れてきたことで、ラジオを楽しめるようになってきた。
 様々な情報を伝えているし、懐かしい音楽もかかってくる。ゲストのテンションが低くて笑っちゃった事とかもあって、なんだもありな感じが面白い。
 この「波よ聞いてくれ」と普段聞いているラジオではどこか違う。
 何が違うか。
 視点だ。聴取者ではないく、作りて側だった事に11話辺りでやっと気づくことが出来た。
 要素は二つ。
 一つは私がラジオに少し慣れた事。
 もう一つは、主人公が製作者側にちゃんと立った事。
 当たり前だけれど、この二つ目の要素が物語としての、折り返し。本来はそこで気づかなければならなかったのだけれど、鈍感人間の私は単純にこの素人スゴイなみたいな感想しかもっていなかった。
 10話には少しずつプロへと歩んでいると思う。というのも、この物語本当に分からないんだよね。主人公の立ち位置、目指している所。こんなに主人公に色々と語らせている割に、だ。
 原作にある物語、そしてアニメ化するにあたっての脚本やシリーズ構成にどこか意図的なものを感じる。
 じゃあ、どうしてそうしたのか。これは等身大の普遍的な人を描きたかったんだと思う。
 こうなりたい、ああなりたいなど、持っている人もいれば、持っていない人もいる。その後者の方が割とマジョリティーなのではないかな? 違ったとしてもこっちを描きたかったんだと思うし、そういうキャラ設定になっている。
 ただ、それで能力も並みであったら、物語としては恋愛させるか、試練を与えるか、転生するかみたいに、限られてしまう。
 彼女の場合は話がするすると出てくる、センスを持った人間だった。そこを認められラジオの番組を持たせてもらえるようになるものの、それも自分からなりたいわけではない。このスタンスを貫く事で普通の人で共感を得られる人物となる。と思ったけど、かなり特殊な人間で共感するのはちょっと難しいw
 最終的には彼女は自分の道を決めるわけで、その辺りにはドラマもあるけれど、じゃあそれが果たしてどれ程まで視聴者に対して伝わったのか、微妙だ。
 でもね、これ面白んだ。
 結構不思議な現象なんだけれど、多分、このラジオっていう放送の緊張感とギャグのバランス、それから登場人物たちのポジショントークがはっきりしているのが良かったのだろう。

 支離滅裂になってきた。やっぱり途中までレビュー書いてそれから最終話で追記っていうのは無駄に長くなるし、少し観かたも変わっていたりするから駄目だな。
 今後はなるべくしないようにしよう。
 そんな反省もしつつ、まとめてみようかな。

 音や音楽が良いのは前半部分に書いてある、音やBGMの使い方はかなり好み。OP、EDともに好き。
 物語は良いとは言い切れないけれど、不思議と楽しい。音楽とともに話のテンポも会話のテンポも良い、ギャグと真剣になる仕事のパートのメリハリそこがきっと面白く感じる部分。
 声優はスゴイ。主人公のずっとしゃべり続けるのとか声優殺しな作品だったのではないだろうかw

 とにかく面白かったぞ。おススメもできます。ただ、どんなジャンルに分けられるのか、どの層に響くのか判断が難しい作品だ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

52.3 3 2020年度の災害アニメランキング3位
ジビエート(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★☆☆ 2.3 (157)
356人が棚に入れました
舞台は2030年の日本。地球全土にあるウイルスが広まっていた。ウイルスの感染者は怪物になり、年齢、性別、人種により姿が変化する。そのウィルスは、変化する多様な種類から「ジビエ(ジビエのようにバラエティに富んでいる)」と呼ばれた。そんな荒廃した日本に現れた、一組の侍と忍。江戸時代初期からタイムスリップしてきた二人は、ジビエを治す研究をしている博士に協力し、行動を共にすることになる。時を置かず襲い来る数多のジビエ、食糧を求めて旅人を襲う無法者、周囲を敵に囲まれた命懸けの旅が始まる…。

声優・キャラクター
柿原徹也、藤井ゆきよ、東地宏樹、羽佐間道夫、池田秀一、木村良平、石井康嗣、郷田ほづみ、落合福嗣、七海ひろき、崎本大海、伊藤えみ
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

俺の考えた画期的“和風”

1995年の開幕戦/巨人軍のスタメンオーダー

1番セカンド・岡崎(4番経験者)
2番ショート・川相昌弘
3番ライト・松井(4番経験者)
4番ファースト・落合(前中日の4番)
5番サード・ハウエル(前ヤクルトの5番)
6番レフト・広沢(前ヤクルトの4番)
7番センター・マック(次の年一時期4番)
8番キャッチャー・デーヴ大久保(4番経験者)
代打:原辰徳(元主砲の晩年)、吉村禎章(怪我さえなければ…)、岸川勝也(ダイエーの元4番)
監督:長嶋さん

まあ優勝できないのは当然として、監督がカリスマだったからまだAクラスに留まったものの、似たような布陣のこちらのアニメでは長嶋さんを確保できなかったんでしょうね。当時の巨人以上にチームが機能せず見事に瓦解してました。
1番から9番まで打線には役割があるのに4番並べたところでというのもだし、こういうことやられると目の肥えたファンはやる前から期待より不安が先行します。そこに上乗せして、中身云々より金に物言わせやがってというのはアンチ巨人が結束する魔法の言葉でした。
聞いたことある名前を並べることにお金を使って中身がスッカスカになりました、たぶん。

ジビエ+エイト:ジビエを食べて堪能するアニメ?
ジビエ+エール:ジビエ食を応援もしくはビールで胃に流し込むアニメ?

事前情報なしで突入し、吉田兄弟とか天野喜孝はエンドクレジットで気づき喜んだ第1話です。
野生動物のお料理に舌鼓を打つ事前の予想は全く的外れで、バイオハザードものに戦国時代からお侍さんがタイムスリップしてきてみたいな作品でした。

技術的なツッコミはされまくる仕様となってます。そこあげつらうといくらでも掘れちゃうし誰かやってくれそうなので技術的なことは私から一点だけ。

 {netabare}御大“池田秀一”氏が素人のよう

役柄に合ってないのか第1話でどこの素人だ?と思ってEDクレジットを見てびっくりというかショックを受けました。お歳もお歳なのでルパンPart4の小林清志さんみたいに老いは隠せないのかな?と一瞬思いましたが、他の主要キャラ神崎千水(CV柿原徹也)、船田キャスリーン(CV藤井ゆきよ)、真田兼六(CV東地宏樹)も軒並み違和感があったり聞き取りづらかったりする。これ音響の指示間違ってるとか編集下手くそとかそういうことなんじゃないかな。誰か詳しい人教えてください。{/netabare}


実はキャスリーンの第1話での一言が悪い意味でめっちゃひっかかったものの、こういうキャラや脚本・作画・演出も含めて挙句には世界観に至るまでスベリ倒しているくせにスタッフは大真面目に作ってそうな勘違いアニメは好きです。よって第1話時点で細かいことを気にしちゃいけないと受け入れ態勢を作る腹積もりでした。
しかし結果は途中撤退です。後日、本作のプロデューサー青木良氏の日経ビジネスの記事を読んで、その悪い意味でひっかかった部分について妙に納得感を得られたこともあって撤退を決めました。

ちなみに受け入れ可能としたのはこんなとこですよ↓
{netabare}・お侍さんの受け入れが早い
・現代人の受け入れが早い
・要は「すごい!」の一言でタイムトラベラーを受け入れる度量
・てゆーかみんな飲みこみ早過ぎる
・丁度いいことに家に刀が!
・お侍さんに「DNA」「ワクチン」と言って通じる世界
・そのワクチンは予防ではなく治癒薬の扱い

これ全部第1話だけの話で第2話3話4話と回を重ねるごとに増えていくのは内緒です。{/netabare}


著名な方々はしっかり仕事されてたと思います。ただし機能はしていない。
{netabare}・毛筆でアルファベットはもったいない
・和の音階を多用すれば三味線が活きたのに
・キャラデザの原型はどちらへ?{/netabare}
コンセプトやプロデューサーからの指示/依頼内容がしょぼかったのでしょう。
さはさりながらB級アニメと割り切って、スベリ倒しっぷりを愛でようとの構えだったのは確か。
アニメ的にどうかはともかく一般的には豪華メンバーと断言してよい布陣。稀有な作品に変わりありません。ネタとしてどうぞ!



※ネタバレ所感

■記事内容骨子

日経ビジネス記載のプロデューサー青木良氏と天野喜孝氏へのインタビュー記事です。引用や纏めた骨子はほぼ青木氏の発言部分。

{netabare}グローバルを狙うと明確に目的を定めた上で立ち上がったプロジェクト。
オリジナルアニメは「フック」の弱さが課題。よって世界的に知名度のある方とコラボしようとした。

【日本アニメの課題】
まず前提として日本アニメの強み弱みを研究してきたと氏は自認。

日本のアニメは日本のファンに応えるためにガラパゴス化した、と。
ツンデレ等キャラ変は理解が追いつかない。ハリウッド映画ではキャラの一貫性が保たれてる。
高い教育を受けてない人が見てもわかるようにストーリーは単純化しなければいけない。

お約束を裏切ることに腐心するあまり複雑化した日本アニメはグローバル市場では勝てない。
海外で大ヒットを記録した作品の誕生は2000年代以前。最近のではない。

【日本アニメの処方箋】

お約束の復権。お決まりを避けるのではなくそこをずんずん押していこう、と。
和風なものはそれだけで魅力はあると思うのでそのまま使ってあげよう、と。

※以上ここまで。。。{/netabare}


胡散臭いでしょ?
ポスト安倍の魔人ブウ似なあの方並に「だから何?」感が漂います。表層だけ舐めてる感じ。
口ぶりから『ドラゴンボール』や『キャプテン翼』が海外でウケた強みをもう一度思い出そうよ、ということかと。たしかに設定ガバガバでも『キャプつば』に文句を言う人はいません。

現物に戻ってみると、たしかにキャラの二面性はなさげだし仲間も増えてって氏曰く『和製アベンジャーズ』を意識した展開になってます。そこに和モノ被せということでむしろ往年の『忍者タートルズ』を理想としてるのかもしれません。

と理解を示しつつ、結局は海外向けを意識しすぎていて、国内でも海外でも評価されない未来が待っているのでしょう。失敗前提で話しちゃいますけどきちんと分析して次に繋げていただきたい(棒)と言い切れる惨状です。

海外と一口に言っても、アメリカとヨーロッパ、東アジアと中東、全然マーケット違うのにね。ハリウッド比較でアプローチをアメリカに寄せるならディズニーという巨頭にどう向き合うの?ってのもあると思います。
だったら自身の強みをということで“和”ということなんでしょうけど、思いつきで推敲してないだろうよと思われるレベルで稚拙でした。


■“和”をプッシュするなら…

作ってる本人が自国のあれやこれやの理解が足らないため何が魅力か整理できてません。よってそれをどう魅せるかの処方箋がずれてます。
これを日本人クリエイターがやっちゃったのが情けない。私の撤退理由です。
普通はできるんもんですけどね。ジブリの稼ぎ頭『千と千尋』『もののけ姫』は言わずもがな和テイスト満載でしたし、そんなに和をプッシュしてない『君の名は。』ですらスパイスを効かせたパートはありました。
この『ジビエート』はOPに三味線を使い、サムライを引っ張ってきて、タイトルは書家に頼んで毛筆、とこれでもかと投入。しかしそこまでしても和を感じない。海外のどっか片田舎で日本料理店と銘うった店に入ってがっかりする経験に近い。味噌汁がナンプラーの味してたり、チリソースで食べる照り焼きだったり(笑) 頑張ってカリフォルニアロールを寿司というくらいなら微笑ましさがあって『キルビル』みたいに笑えるんですけどそれもない。


むしろ和を捨てて、お約束重視と熱弁してた部分だけを磨き上げといてほしかったです。なぜか?

ジビエートの“和”問題①:軽い考証間違い

{netabare}・関ヶ原の時点で“藩”の概念も言葉もありません
・日本刀は繊細です。刃こぼれする使い方を現役がするわけない
・一向宗の僧侶は嫁子供います。比叡山=女人禁制のイメージからくる安直な発想{/netabare}

まあ外人は気にしません。とはいえ同胞からは「お前知らねーだろ」と見透かされます。
それに持ってくるネタも微妙。例えば“女人禁制”を無理解なまま下手に扱ったらポリコレ棒で叩かれそうなもの。そのへんのマーケティングできてるのか微妙だと思って次↓


ジビエートの“和”問題②:マーケティングミス?

{netabare}・秀吉ネタで朝鮮出兵を持ってくるのって韓国でウケるの?
・ヴェネツィアではなく武漢発祥だったらパンチ効いてて良かったのに
…あとなんか忘れた{/netabare}

センスがイマイチ。売るものがコンテンツではなく喧嘩になってないか心配です。
なおCHINAネタは当局に怒られるけど人民にはウケると思います。そして本丸。こちらしゃれにならん。わざわざ嘘で自国を貶めなくてもいいでしょうというのが最後↓


ジビエートの“和”問題③:無自覚な自虐

{netabare}・千水の仕えたお殿様。侍大将に罪被ってもらいましたー!って家康が許すわけないじゃん
・『あなた達の江戸から今はもう何百年も経ってるの。より平民が住やすい世の中になったのよ。この80年以上日本は戦争もしてないわ』
・南蛮人を剣の師匠とかナメてんの?(差別ではないです)
…あとなんか忘れた{/netabare}

スペインの世界戦略に気づいて安全保障の面で大陸にくさびを打とうとしたのが朝鮮出兵で大名もそれ承知だっちゅうに。侵略目的の連中に国内を自由に移動させるわけないじゃない。そんな国内事情で、千水の剣のお師匠さんがアレというのはあり得ないことです。侵略してこようという相手に尻尾振る行為。さらに上乗せでこれはついぞ最近『スターウォーズ』にアジア人キャスト入れたような不自然さを感じる。主人公がハーフなことを含めてとりあえず欧米人入れとこ的な魂胆がミエミエ。
さらに納得いかないのが千水の上司。さすがに部下の独断で同盟先を取り違えるとか現代においてもありえないし、部下の不始末は上が取る美学がより濃かった時代にトカゲのしっぽ切りみたいな発想の賤しさもなんだかね。しっぽ切り許さんって同調圧力もハンパないはずなのにあの上司の態度はありえません。ゲスはどの時代にもいたでしょうがこれは質が違います。
キャスの第1話のセリフは撤退の遠因。この戦後民主主義の申し子が放ったかのような一言に萎えたことは間違いありませんね。その他『(戦国時代の)大名はメンツのために戦った』みたいなセリフもひどかった。なんで自国の歴史を矮小化しようとする人がいるんでしょうね。そんな人が作る“和”ものなんて見たくありません。というか日本を語ってほしくないなぁ。

そもそもディズニーじゃない日本人ならではのアニメーションをアピールしたいのに魅力的じゃない日本人像をこれでもかと見せつけて逆効果じゃないですかね。


考えすぎとのご指摘があれば甘受します。
ただ私はこの作品に外国人から見た日本によく見られるちんちくりんさのような違和感を覚えましたし、この人エンタメなめてんじゃねーの?と突っこみを止めることができそうにないです。
アニメーションの品質以上に底に流れる哲学への非共感が先に立った作品でした。


 national 知らなきゃ“inter”national わかるわけないよね


久々にこのシンプルな原則を思い出しました。
アニメは繰り返しになりますがネタ枠です。

 青木良?

覚えときます。



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2021.06.08 追記

比較してむこうも迷惑だと思いますが、『ましろのおと』で吉田兄弟と再会しました。
そうそうこれこれ!感すごいあるのが実状です。
いいよねぇ三味線…


2020.08.29 初稿
2021.06.08 タイトル修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

日本アニメ界を困惑させた、伝説になる迷作

アニメーション制作:ランチ・BOX、スタジオエル、
監督:小美野雅彦、キャラクター原案:天野喜孝、
音楽:古代祐三、
企画・原作・製作総指揮:青木良

アカデミー賞の前夜にその年の最低の映画として
表彰される『ゴールデンラズベリー賞』。
アニメ界に同様の賞があったら、
ダントツの票数で選出されることは間違いない。
まだ今年は終わってないが、
それほど群を抜いたポテンシャルのある
ある意味2020年度を代表するアニメだ。

その圧倒的な破壊力は1話を観ただけでも
感じ取ることができる。ここまで突き抜けた作品は、
なかなか思い出せないほど驚きの連続。
つい最近なら、『いもいも』や『メルヘン・メドヘン』という
伝説級の作画崩壊作品があるが、それを超えているインパクト。
私が観た中で比較するなら
中国web小説が原作の『剣王朝』に近い。
何しろ、『剣王朝』は、数分ごとに引っ掛かり、
突っ込みどころばかりが気になる、ほぼギャグアニメ。
ストーリーが支離滅裂で、
辻褄の合わない場面のオンパレード。
観ていると、ずっと突っ込まないといけない。
必要なものがカットされているので、
なぜそうなるのかということが理解できないのだ。

この作品も同様のタイプ。
ただ『剣王朝』は、元々あったアニメーションの尺を
短くして作り変えているというエクスキューズがあった。
この作品にもコロナ禍という部分があるが、
おそらくそれとは関係のない部分が問題なのだ。

製作総指揮の青木良という人物に力があるのは分かる。
よくいるワンマン社長タイプで、
顔が広く、色々なところから仕事を取ってくる。
口が達者で人を引き付ける魅力があるので、
入口までは大きな仕事を持ってこられるが、
自分で多くのことをこなせるため目立ちたがり屋が多く、
現場のことも知らずに下手な指示ばかりして
物作りを破綻させる典型的な人物だ。
こういうヤツは現場に口出しさせてはいけない。
金だけを集めさせておけばいいのだ。

それにしても集めた面子の顔ぶれを眺めると大したもの。
それがこの作品のとんでもなさの印象に
より拍車をかける。

FFシリーズ・キャラクター・デザインの天野喜孝氏、
津軽三味線奏者の吉田兄弟、書道家の紫舟氏、
刀鍛冶の石田四郎國壽氏、日本人形職人の金林真多呂氏、
三味線職人の小松英雄氏、音楽プロデューサーのSUGIZO氏、
ドラマーの真矢氏、ヒット歌手の大黒摩季氏。

これだけの面子を一アニメ作品に関わらせるのは、
普通の人には、なかなか難しい。
ところが、集めた人物は有名人ではあるが、
アニメ制作には、それほど関係のない人ばかり。

翻って制作側に目を移すと、数年前にできた
アップルパイ屋とグロス受けを専門とする会社のタッグ。
一応、監督は立てているが、作監上がりの
経験不足の人物。モンスターデザインは、
『バイオハザード』公式漫画の作画担当の芹沢直樹氏。
企画・原作・シリーズ構成・製作総指揮を
青木良氏が1人で手掛けているためやりたい放題。
最初から上手くいく可能性は相当低い。

作品を観ると、ストーリーが稚拙で作画が動かない。
アップと止め絵の連続の紙芝居だ。
脚本はSFパニック作品なのに、何かが起こったときに
人間はどのような反応をするのかという
基本的な想像力が欠如している。

細かいことを言い出したらキリがない。
1話で前田という老人は、ジビエが大量に跋扈する廃墟に
嬉々としてひとりで刀を取りに行ったり、
6話の山奥のトンネル内で夥しいジビエと戦っていると、
なぜか女性警察官が突然ひとりで現れて加勢したりと
一つひとつの行動を見るだけでいくつもの
疑問符が浮かび上がる。
いわゆるB級ホラー映画のテイスト。
これを真面目にやっているのだから、
観ているほうは数分おきに困惑してしまう。

物語は2030年の未来の日本で起こったパンデミック。
まるで現在のコロナ禍のような背景。
人を怪物に変化させる感染症の病が蔓延する。
病気は、人種や年齢などによってさまざまに変化することから
(そんな設定なのにモンスターは数種類しか存在しない)
ジビエートと呼ばれたのだった。
そんな未来の日本にタイムスリップした侍と忍者が現れ、
まるで何事もなかったかのように現実に対応し、
怪物たちと戦いを繰り広げる。

製作総指揮の青木良氏曰く、
日本のアニメでグローバルを狙おうと思った、とのこと。
おそらく大ヒット海外ドラマの『ウオーキング・デッド』あたりを
意識したのだろうが、売れる作品が
「単純で分かりやすければいい」という考え方は、ずれている。
そこには、キャラクターの設定や世界観などを
しっかり作り込んで、視聴者を納得させなければならないし、
作品全体に通底する価値観を作らなければならない。

ところがこの『ジビエート』という作品は、全てが浅薄。
「恋人が手籠めにされて、相手を殺してしまったんだ」と告白され、
「本当にその人のことが好きだったんだね」と
笑顔で話すキャスリーン。
こんな脚本を書くことが、許される体制。
しかも、一部だけではなく、
全てで、こういう会話が繰り広げられる。

キャラクターたちのことは、ほとんど何も考えられていない。
主人公である仙水と兼六、雪之丞の過去話が突然挿入されるが、
日本史の部分について表面をなぞっただけ。
何よりそのエピソードがほとんど本編に
関係してこないのにも驚かされる。
途中で参加する仁侠映画に登場しそうな親分は、
ひとりだけ劇画調タッチで、ヤクザ映画さながらの
立ち居振る舞いにいちいち吹き出してしまう。
またこの親分と彩愛の親娘ストーリーが陳腐すぎて面白い。
そして親分の子分たちが爆弾魔や棒高跳びの選手、
拳銃使いで、それぞれの安直なストーリーを時おり挟んでくる。

最大の見せどころは11話。
{netabare}3話から登場していた昼でも動けるジビエ・
メテオラが現れ、あっけなく退治されてしまうのだが、
そこからヨシナガ博士のとんでもない告白が始まる。
自分とメテオラは同じ星の宇宙人で
結婚を約束した間柄だったというのだ。
メテオラが特殊な血を誤って口にしてしまい、
それが原因でジビエになってしまった。
彼女を冷凍カプセルに入れて宇宙船で移動中に
太陽に近づきすぎたため、冷凍カプセルが切り離され、
地球に落ちてしまったというのだ。
メテオラを追いかけて日本に降り立ったヨシナガは、
ジビエを人間に戻す薬を開発し、
メテオラに知性を持たせることを目論んでいた。
ところが、それが叶わなくなったので、
お前たちは生かしておけない、と宣告する。
しかし、3話でメテオラが登場したときの
ヨシナガ博士の反応は、普通にジビエとして対応しているし、
兼六がヘリコプターで体当たりして爆発させたときも
何の反応も示していない。
おそらく後付けで思いついたストーリーだったのだろう。
この話を11話の数分でヨシナガ博士が一気に話すため、
視聴者は全くついていけない。
話の流れや理屈、感情もあったものではない。
これはもう完全なB級ホラー映画だ。
ただB級ホラー映画の場合、映像やコメディなどで
楽しませてくれるのだが、
この作品には何もないというのが決定的な違い。

ヨシナガ博士が自分の研究した薬でジビエに変身するが、
その姿はドラゴンボールのフリーザやピッコロ、
ハンターハンターのメルエムを混ぜたような造形。
ラストはよくある自爆劇だ。{/netabare}

褒められるところがあるとすれば、
ジビエウイルスに感染すると、
水の滴る音がするというイメージと
3人がタイムスリップしてきたことに、
宇宙船の落下が関係していて、
それがキャスリーンの「祈り」に端を発していることだ。
ここにはオリジナリティが感じられる。

自分でもよくこの作品を最後まで観たと思う。
ただ、やはり最後まで観ると、
作者が何をやりたかったのかは見えてくる。
グローバルだとか、アクションだとか、
「和」を表現するとか青木良氏は
色々とインタビューで語っているが、
仁侠ものと時代劇をやりたかっただけなのだなと感じた。
ゾンビ(ジビエ)やSFというのは、
あくまでグローバルを目指すための隠れ蓑であって、
実際にやりたかったのは別にあったのだ。
それを証明するかのように劇伴は完全に
時代劇の曲調で、視聴していて集中できない。
要するにSF作品には全くそぐわない。

そしてやりたかったことは分かるが、
その内容があまりにもお粗末といえるもの。
仁侠にしても武士道にしても全く中身がない。
これでグローバルなんてことを言うと、
外国人に対して失礼だ。最近では日本文化に詳しい
外国人も多い。例えばジム・ジャームッシュ監督の
映画『ゴーストドッグ』を観ればいい。
深い日本文化への理解に感心させられる。

私はあまり評価の低い作品はレビューしないが、
これは、時代を代表する1本ということで、
書かないといけない気持ちに駆られた。
不出来なアニメを観る趣味はないので、
断言はできないが、史上最低レベルの作品だ。

まず、今後はお目にかかることのできない
純日本製C級アニメーションといえるだろう。
(2020年10月17日初投稿)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 48
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

認めたくないものだな。世界を意識した故の、日本をダサく見せてしまった過ちというものを。

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
バイオハザードですね。ゾンビになるか怪物になるかの違いはあれど。そこに、タイムスリップした侍が、、、という、B級映画のような設定。

コロナ渦中で、キー局が(内容的にタイムリー過ぎるので)放送を見送ったのは、不幸な偶然だったとは思いますが、仮に平時に放送していても、視聴率とれたかは微妙です。

本作は、「海外でウケる」ために、意図的に「和」を取り入れた作品になっています。それ自体は別に悪くないのですが、作画が紙芝居なのと、脚本の古くささにより、何ともダサい作品に仕上がってしまっています。

一応、「世界の謎」的なものはまだ明かされていないので、今後ひと盛り上がりくらいはありそうですが、そこまで視聴を続けたいとは思えないので、3話で断念とさせて頂きます。

《以下ネタバレ》

【視聴断念(3話まで)】
{netabare}
私は、ゾンビNGなのですが、そこは逆に大丈夫でした。なんたって、リアリティがない(苦笑)

ゾンビものの良さ(私にとっての悪さ)の1つに、「身近な者がゾンビ化」し、その命を奪うかどうかの葛藤なにをもって生きているとするかという議論があると思うが、(今のところ)本作にそれ(複雑な心理描写)は感じられません。

ファイナルファンタジーのキャラデザインで知られる天野喜孝さんや、シャア・アズナブルの声優である池田秀一さんの起用など、嬉しいサプライズはあったものの、それが効果的かと問われれば、微妙。

天野さんのデザインは、元々かなり好き嫌いがはっきり分かれる(私は好きですが)と思いますが、本作のキャラデザも、おそらくは「合わない」と感じる方の方が多いと思います。また、池田さんのボイス、たまらなく格好よくて好きなんですけど、本作のB級感の中では(あのA級ボイスが)悪目立ちしている印象を受けました。

また、「侍」「忍者」「僧兵」など、いかにも外国人が好みそう(と、これまた日本人が勝手に思っている)キャラクターがそのまま、何の工夫もなく使われているのが、安易で安易で。

近代兵器が普通にある世界で、時代遅れの忍者や侍がさほど役に立つとも思えません。周りも、「ジビエがいるんだから、タイムスリップがあっても不思議じゃない」なんてメチャクチャなロジックをすんなり信じているし。ビックリしたわ(苦笑)

日本の、「和」の魅力って、なんでしょうね? 江戸時代以前に戻らなければ、表現できないものなのでしょうか?

そもそも、「今の日本らしいアニメ」が世界で充分に評価を受けているのだから、日本人らしい繊細さや直向きさで、単純にクオリティの高いアニメを作る方がよっぽど日本の魅力を出せたと思います。

てゆうか、かなりに力を入れたプロジェクトだったはずなのに、なにに予算割いたのさ? 

題字に世界的書家(アーティスト)の紫舟さん、刀剣のデザインやコラボ企画に、刀匠の石田國壽さん。ジビエのデザインは、漫画版バイオハザードを描いた(読んだことないけど)芹沢直樹さん。さらに、音楽はイースなどを製作した古代祐三さんや、プロ三味線奏者の吉田兄弟、X JAPAN、LUNA SEA、のメンバーでもあるギタリストのSUGIZOさんやドラムの真矢(+中国のロックバンドVOGUE5さん)が作るサウンドに、大黒摩季さんの歌声。

どの方もその道では超一流なんでしょうが、アニメで生きていました? 

結局、作画は酷い(仮に作画監督に力があっても、単純にマンパワーが足りてないと思う)、監督は初監督だし(というか、初監督でこれだけ個性豊かなメンバーを1つにまとめろっていう無理ゲー汗)、脚本は……今まで何のアニメ書いた人?(調べたら、シリーズ構成が恋味パティスリーだけとか)

なんか、補強ポイント違うくないかい? 

ベテランで給料高い助っ人外国人フォワードを呼んでみたものの、守備陣やセンターラインが脆弱で、全くチームにフィットせず、選手とチームが互いに不幸になっているサッカーチームみたい。

日本のアニメは、複雑すぎてガラパゴス化しているから、ピクサーやディズニーのように、世界中の誰もが楽しめるシンプルなアニメを作りたいという志は素晴らしいと思うが、これでは、シンプルなアニメというより下手なアニメ。シンプルにはクオリティが伴わないといけないし、だったら京アニとかPA、A1あたりが本気出さないといけないのに、ランチ・BOXて(汗)。

いくら、「オールスター」を集めたといっても、寄せ集めの世界選抜とチャンピオンズリーグ優勝のクラブチームが試合すれば、たぶん、クラブチームが勝つわけで(というかこのアニメの場合、イチローやマイケル・ジャクソン、タイガー・ウッズ級を集めてサッカーさせているようなもんだし)。

公式サイト見たけど、天野さんや芹沢直樹さんのデザイン画はめっちゃ格好良い(のにアニメになるとダサい)、紫舟さんの書も石田國壽さんの刀も完全にクールジャパン(だが、アニメ的にはわりとどうでもよい部分)。

アニメ本編より、関連グッズの方が圧倒的に格好良いって、是如何に?
{/netabare}

【余談~ジビエは旨い? ジビエートは面白い?~】
{netabare}
奇しくもこの作品は、「ジビエ料理」のようなアニメになっていると思います。

岩手の山奥で育ち、ジビエがわりと身近にあった身としては、昨今のブームに疑問を抱いています。

ジビエの魅力は、その独特の風味や肉質を味わうものだろうけれど、それは、「美味しい」というより「面白い」という感覚に近く、あくまで「目新しさ」「希少価値」を含めた、総合評価としての魅力だと思います。

シカもイノシシも確かに旨いけど、単純な肉の旨さとして、松阪牛やアグー豚に勝てる気がしません(笑)

もし、本当にジビエの方が、品種改良を重ねた家畜動物より旨いのだとしたら、日本の狩猟はこんなにも廃れていないと思います(生産性の問題はあるが、それこそ、和牛やブランド豚以上の旨さがあるのなら。まあ、安全性考えると、安易にジビエは勧められないのもあるし)。

我々はとかく、「野生」とか「天然」とか「原種」を高評価しがちですが、「品種改良」や「養殖技術」というのは、人類が進化して得た武器です。努力の結晶です。だから、もっときちんと評価されても良いと思ってます(ブリなんか、旬じゃない時の天然に比べれば、養殖の方が断然旨いし)。

本作にもこういう「時代錯誤感」を感じました。

いや、何も天然モノを否定しているのではなくて、「天然=旨い」と盲目的に捉える人がいるように、「忍者=和=外国にウケる」という発想が、あまりにも安直に見えてしまったということです。

アニメだって、この何十年で、色んな努力をし、成長してきたのに、そこをあえて「古くささ」を押して海外に勝負するのが、なんとも時代に逆行していて、痛々しかったです。

色んな意味で、90年代の低予算アニメだったなという印象でした。

(、、、ちなみに、私はジビエの中では猪が好きです。鍋にすると旨い。でも本当は、猪よりも猪豚の方が、より旨いと思っていますw)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
バイオハザード? コロナの時期を狙ったわけではないけど、タイムリーではあるわな。鉄パイプを、「こんなもの」と言ったけど、江戸時代の人が鉄パイプ見たら、その技術に驚くと思うけどな。空気感染せず、1日に1人しか増殖できず、電撃が効くらいなら、人類はここまでやられるかな? 人々を安全圏に逃がして、爆撃で駆逐できると思うんだけど。

2話目 ☆2


3話目 ☆2
ラストシーンの止め絵には笑ったw 色んな意味で、90年代のアニメだな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

56.5 4 2020年度の災害アニメランキング4位
劇場版 巨蟲列島(アニメ映画)

2020年1月10日
★★★☆☆ 2.7 (42)
147人が棚に入れました
私立鳳翔高等学園の生徒たちを乗せた旅客機が謎の事故によって墜落し、織部睦美たちはとある島へと流れ着く。浜辺で目を覚ました睦美たちは他の生存者と合流して救助を待つことにするも、その島は巨大な昆虫に支配された島だった……。

声優・キャラクター
M・A・O、立花理香、福圓美里、麻倉もも、たかはし智秋、久保ユリカ、江口拓也、駒田航、井上麻里奈
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

昆虫キモォォォォォーース!!

修学旅行中、飛行機事故により、巨大化した昆虫たちが蠢く島へ流れ着いた、
生徒らのサバイバルを描いた同名パニックホラーコミック(2巻まで無料試し読み)
のOAD化及び劇場公開作品。

【物語 1.5点】
B級全開。清々しいまでに低俗。

『巨蟲“列島”』とあるが本作で登場するのは孤島一島のみ。

原作連載元は無料コミック配信サイト。
この種のサイトには、毎週更新時にエロやグロをぶっ込んでテコ入れする。
PVも集めるけど、低評価も集める。
そういうポジションの“人気作”があるものだが、本作もこの類。

丁寧なシナリオによる感動より刹那的なグロの衝撃。
非常時ほどエロに走る。


そもそもスタッフたちもB級パニックホラー愛好家以外には訴求していない感。

昆虫が人体に{netabare} 寄生だの、産卵だの、快楽物質注入{/netabare}だの、
B級推進のための設定が次々に繰り出される。


【作画 2.0点】
低予算。限りあるソースを湯水の如くエログロに投入。

冒頭、不可解な遠近感や作画枚数不足を画面をやたらユラユラさせる
小手先の撮影で取り繕っている時点で察するべき。

こんな極限状況下でも表情描写よりビ〇チ女教師の巨乳の揺れ動きに注力する辺り、
制作陣の進む道に迷いはない。
一応、乳〇の見えるOVAではあるが、肉体の描き込みは平凡。

戦闘準備を進める主人公ヒロインが歩くだけの動画に尺を費やすなど、
構成バランスにも疑問符が付く。


但し、巨大昆虫のCGはインパクトあり。
とは言えCGレベル自体はPS2程度。


【キャラ 1.5点】
B級でパニックホラーなら、襲われる人間は馬鹿でなくてはなるまい。
そんな信念があるのでは?との疑念が生じるくらい登場人物がことごとく愚か。

各々、感情のままに、チームワークを無視して、身勝手な言動を繰り返し、
陥らなくてもいい窮地に転がり落ちて行く。

この人たち通常サイズのスズメバチの群れにすら勝てそうにありませんw


唯一、主人公ヒロインは虫博士と言っても良い知見の持ち主で、
昆虫漫画連載を重ねて来たという原作者の多彩なウンチクを代弁し、
巨大昆虫攻略の活路を見出し、シナリオを牽引するが、
虫愛好家過ぎて、倫理観が人間離れしているのが難点。


終盤……{netabare}人の死より、昆虫を殺してしまったことに涙する{/netabare}ヒロインの価値観……。
私には共感無理です。


【声優 3.5点】
こうなるとCV.久保 ユリカさんの悲鳴や、
CV.麻倉 ももさんのぶりっ子アイドル依存スキルや、
CV.たかはし 智秋さんのオトナの籠絡スキルなど、
各種エログロ対応の演技が残された僅かな期待。


そんな中、私のMVPはCV.金子 誠さんの怪演。
{netabare}虫に寄生された男子生徒の狂乱ぶりは、
眼球のグロ描写共々、{/netabare}トラウマです。


【音楽 3.5点】
劇伴はTeam-MAXの鈴木 暁也氏とJohannes Nilsson氏が担当。
チープながら作風にマッチした楽曲を提供。

ED主題歌は東城 陽奏さんの「Stella」
佳作バラードで色々な意味でようやく一息つける。


【感想】
私は、昔、ゲーム『地球防衛軍3』(Xbox360)で巨大宇宙船から飛来した巨大蟻らを相手に、
人類を守るEDF隊員やってましたw
レビュータイトルも、このゲームで巨大蟻に襲撃されたNPCモブ隊員による通信
「こっちに来ます!」の空耳から拝借致しましたw


評点酷評してしまいましたが、早くも動画配信された本作を見た時の私は
完成度の高い質アニメばかりでも疲れる。
俺だってたまにはジャンクフードにがっつきたい!
そんな魔が差した夜だったので、
得るものは得られた比較的満足度の高い視聴となりました。


本作もまたクラウドファンディングにより、
熱心な愛好家たちに支えられて実現したアニメ化企画。

B級が表世界を席巻したらアニメ作品全体のレベル低落というバイオハザードを招きますが、
隔離してファンが楽しむ分には害はないと思います。

最近では、さらに海外展開も見据え、Kickstarterで、
英語版制作のためのクラウドファンディングを実施しているという本作。

巨大生物と美女とエログロさえあれば歓喜する
本場のB級パニックホラーファン層にピンポイントで届いてくれたら、
そして、その先に、日本発のB級アニメ群の魔境が開けたら幸いです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

この続き「私、気になりません!」

 なんだか空港で登場人物たち勢揃いの場面から、いきなりどっかの島に主人公の少女が浜辺で倒れているところから始まったです。

 空港→どっかの島だったので、飛行機が墜落したとか?全く実感がなかったです。
 生き残りの登場人物たちとの合流より、いかにもこのタイトルのような展開になるのです。

{netabare} この主人公が昆虫通によって、ピンチをなんとか切り抜けていくけど、この状況でありがちなパニック、悪い奴による仲間割れがあるです。
 パニックにおいて、恐怖から来るのわからなくもなかったけど、自分だけ助かりたい、それによって主人公たちが迷惑、危機にさらされるところがこの馬鹿がと思わざる負えなかったです。

 あと、音楽のセンスがいいとはとても思えない音楽だったです。また服を取るシーンもあったけど、とてもお世辞にも見たいとも思えなかったです。{/netabare}

 なんだかんだ進んで、解決に至らないまま終わり、なにか意味ありげなラストという劇場化された意味が、わからなかったです。

 好感の持てない作画、音楽、逃げ周り戦っての連続、この島は何なのか?主人公たちがどうなるか?完結しない終わり方、今年最初に見なかったことが唯一の救いだったです。
 とても先が「私、気になりません!」です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

taketake4 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

まともな登場人物はほぼ一人だけ

まあ、正確にはもうちょっといたみたいだけどあっという間に退場させられちゃいました
ボス気取りの脳筋チンピラ、お股も性格もビッチ、腹黒地下アイドル、人間より虫(でもどっちも殺す)、(文字通り)荷物、レズっ子ボーイッシュ
序盤スネ夫みたいだった無気力系PCオタク?が一番まともで有能かな?少なくとも発言は理にかなってます。逆に言えばちょっと便利に使われ過ぎな気もしますが・・・

概ね、他のレビュアーと同じです
劇場版なんだからもうちょっとこれ一本の中でなんとかしようとか思わなかったのかな
とにかくテンポが悪いのに、更にわけのわからない長尺まで入れて、結局投げっぱなし
何一つとして解決しないという、TVシリーズなら1クール12話が10話で突然打ち切りみたいな

グロシーンが一番の見せ所な映画かと思ったんですが、特筆するようなもんでもなし
強いて見せ場と言うなら水場でのレズやらの諸々でしょうか

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

72.7 5 2020年度の災害アニメランキング5位
攻殻機動隊 SAC_2045(Webアニメ)

2020年4月1日
★★★★☆ 3.7 (144)
619人が棚に入れました
2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー"へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン"と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊"が組織される――。

声優・キャラクター
田中敦子、阪脩、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大川透、小野塚貴志、山口太郎、玉川砂記子、潘めぐみ、津田健次郎、林原めぐみ
ネタバレ

hoku-sai さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

攻殻2045をガチめで考察してみた

【ポストヒューマンは人類の敵では無い】


逆転する認識、価値観の変容による再解釈

ポストヒューマンは悪ではなく
公安9課も正義ではない
そして戦争とは平和である

劇中の描写や、神山健治氏の発言、SACが貫いてきたコンセプト等から新らしい攻殻機動隊を再解釈する

時代に追いつかれた攻殻機動隊という世界から見る現在はどんな姿をしているだろうか。

あなたが悪いと思っているものは本当に悪いものなのだろうか。

※↑noteに書いた記事の転載
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こんな感じで始まる考察レビュー記事をnoteに書いたのでこちらにも転載しときます。
ただ元記事は画像使ってたりクソ長かったりするのでリンク貼って途中まで転載しとくよ。

もし考察が当たってたらシーズン2のネタバレになるかもしれないのでご注意を。


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以下転載


記事その1{netabare}

転載元:https://note.com/individual2045/n/n9df25605db91

攻殻機動隊SAC2045シーズン1をネタバレ全開で考察:ep01 ~ポストヒューマンは人類の敵では無い~

【軽薄で残酷な「顔無し」たち】
画像4

(画像引用 : https://www.netflix.com/ 攻殻機動隊 SAC_2045 ep10 より)

まず最初に今回の攻殻機動隊に対してはこんな声が目立つ

・一般向けになりストーリーが解り易くなった
・話の流れが単純で内容がスカスカ
・敵もただのインフレで薄っぺらい
・前作のまでのような深みがない
・使い古された陳腐な題材を使った○番煎じであり、新しさが無い
・攻殻機動隊は終わった

本当にそうだろうか?
我々としては今、ストーリーがとても重厚で多面的な為、書きたいことが多すぎて吐きそうになっているぞ。

↑の箇条書きのような事を言ってる方はこれから示す前提など当たり前に理解し、考えた上で言ってるのだろうか?そうじゃなければ彼らはシンクポルの「顔無し」や、プリンが遭遇したブヒブヒいってる豚と同じような存在だ。

このような易きに流れる「大衆」という存在は今作でも大きなテーマの一つになっているが、その事を語る為にもまずは

そもそもの前提を掴むために重要な描写がある1話(ep01)と6話(ep06)を主に参照して考えてみたい。




【主人公勢力は正義という思い込みに始まる間違い】
画像2

(画像引用 :www.ghostintheshell-sac2045.jp/ 攻殻機動隊 SAC_2045 公式サイト より)

攻殻機動隊SAC2045の世界ではサスティナブルウォー(持続可能戦争)により世界が混乱していることが最初に示されている。ではこのサスティナブルウォー(以下SWとも表記)はそもそも正義であろうか?ここでは正義ではないという向きが一般的として話を進めよう。そもそも本当は正義も悪も無いのだけど、そうしないと話が進まないのでそうしよう。
 SWが悪であるならばSWに積極的に参加し、戦争という産業の一部となっている9課の面々は全くもって正義ではないという事になる。
ただSWという概念が示している戦争とは皆が思っている戦争でない。戦争という概念もまた逆転しているのだ。なぜそう言えるのかついては別に記そうと思う。

シーズン1の時点で公安9課メンバーは、常にサスティナブルウォーという民衆を統制する体制。の側にある存在だ。






【サスティナブルウォーはポストヒューマンが起こしたものでも無ければ運営しているものでも無い】
画像3

(画像引用 : https://www.netflix.com/ 攻殻機動隊 SAC_2045 ep01 より)

SWを起こしたのはポストヒューマン(以下PHとも表記)ではなくG4であり1A84であることが上記のOPでも本編でも語られている。しかしアニメを見ているとSWを仕掛けているのがPHであるかのように見えてくるのではないだろうか?しかしはっきりと違うのである。

戦争(SW)を起こし、運営しているのは1A84だ。
PHが起こしたのは2044年の世界同時デフォルトであって、2042年に始まったSWでは無いのだ。(この点は次項を参照)
そもそも2042年にはポストヒューマンは存在していないと思われる。

 にも関わらずPHがSWの媒介者かのように見えるのは、確実に制作側の意図でそう見えるよう見事に演出されているからだ。
 ここまで明確にSWの首謀者を示しているのに、見ているうちに1A84の存在を忘れ、いつの間にか戦争を起こしているのはPHだと錯覚してしまう。

画像7

この点に関しても目を盗まれた方が多いのでは無いだろうか

「ポストヒューマンは人類の敵である」と言う思い込みが、
SWを起こしたのはポストヒューマンではない。
と言う当たり前の前提を忘れさせる。

続きは転載元
https://note.com/individual2045/n/n9df25605db91
{/netabare}



記事その2{netabare}

転載元:https://note.com/individual2045/n/n0470a531c146

攻殻機動隊SAC2045シーズン1をネタバレ全開で考察:ep02~ジョン・スミスの正体と9課再結成の裏にあったトグサくんの大活躍~

【ジョン・スミスの正体は1A84である】
画像2

(画像引用 : https://www.netflix.com/ 攻殻機動隊 SAC_2045 ep08 より)

 正確に言うとジョン・スミスとはサスティナブルウォーを持続可能にするためのAIである1A84の端末だ。

 ジョン・スミスとはマトリックスのオマージュである以前にそもそも「誰でもない誰か」という意味を持つ言葉だ。AIの端末だから誰でもない。という意味以上に、誰でもない誰かという名の「ジョン・スミス」は「顔無し」の代表ようなの存在なのである。

なぜ代表的な存在なのかという話は次回以降に譲り、
今回はなぜスミスは1A84の端末だと言えるのかという話をしたいと思う。

 この事がハッキリと分かるのがep08だ。トグサを認識出来ていないスミスを覚えているだろうか。あれが証拠である。スミスはトグサ殺そうとした事をお茶目に素っ惚けてるわけじゃない。本当に分からなかったのだ。
 このシーンでトグサを覚えていないスミスに違和感を感じた方も多いのではないだろうか。

 まず表題部分の画像を見て欲しい。これはスミスの視界だ。見て分かる通りトグサのプロフィールが表示されるべき場所に「No Data」と表示されている。
 これはおかしい。ぜったいおかしいぞ。おかしいので考えてみた。

 「No Data」となっている以上。なんらかの理由でスミスからトグサの情報が消去されいる事は間違いない。ならばその何らかの理由があるはずだ。
 スミスがトグサの事を「こいつなんか普通だな使え無さそうだしとりあえず消しとこ」なんてマネをするだろうか。絶対しませんよね。はい。
ではトグサがスミスにハッキングを仕掛けて自分の情報を消したのだろうか。いや。それも違うだろう。そんな描写はどこにもないからだ。

ならばこういうのはどうだろう。
スパイからの情報を元にトグサが死亡したものと判断したシステム=1A84が、照合リストから削除した。もしくは死者は照合適用外だったため。
こう考えると説明がつくはずだ。

続きは転載元
https://note.com/individual2045/n/n0470a531c146
{/netabare}



記事その3{netabare}

転載元:https://note.com/individual2045/n/n0470a531c146

攻殻機動隊 SAC_2045 s1 ネタバレ全開考察:ep03~1A84の正体【前編】 ジョン・スミス更なる正体が示唆する物語の核心~

【1A84とはユートピアを実現する存在】
画像5

関係ない話に見えるかも知れないが、今回の攻殻機動隊SAC2045は
脚本;神山健治
監督;荒牧伸志
という作品だ。

神山健治氏は「攻殻機動隊」SACシリーズの監督
荒牧伸志氏は映画「アップルシード」の監督

「士郎正宗氏による原作」をそれぞれ監督しアニメ化した二人である。
そして原作者も同じなので世界観も地続きなのが「攻殻機動隊」「アップルシード」の二作だ。

画像1



想像してほしい



警察の出動が極少なく、軍はあるけれど影響力を行使しない。
貧困も存在せず、銃声の代わりに音楽と笑い声に満ちたユートピア。

こんな国があったら住みたいと思うだろうか?

我々は住みたくないが、住みたい人はとても多いだろう。
このユートピアの名をオリュンポスと言う。
22世紀の未来に世界を統一した勢力だ。巨大な人工島の上に都市国家を築き、地球全土の統一管理保全を目的としている。

一方オリュンポスの外側の世界はどうなっているかと言うと、

画像7

・かつて日本だった企業連合国家ポセイドン(大日本技研)
・アメリカが分裂した姿である米ソ連(SACでは米ロ連)
・もうひとつの米帝(SAC2045でも日本と同盟関係)
・イスラム圏に新しく立国した宗教国家ムンマ
・廃墟となった無人都市郡地帯

などなど、各勢力の思惑が入り乱れ陰謀が渦を巻いていそうな今と大差ない世界が広がっているが、銃弾の飛び交う地域が多く、無人の廃墟となった都市郡があるなど、この世界の22世紀は2020年現在の人間界より少しだけ荒廃した世界のようだ。

画像6

そんな未来で、オリュンポスは人類が実現した理想郷とされており、人口の半分以上を占めるバイオロイドが人間同士の仲介者として機能している都市だ。
バイオロイドとは人為的に作られた人間であり、ヒトに奉仕することが根幹にある。しかし安心してほしい。バイオロイドがヒトに奴隷の如く扱われているわけではない。むしろ幸せに暮らしていると言っていいだろう。オリュンポスはバイオロイドにも人権がある素晴らしい国なのだから。

荒廃した世界を他所に
貧困も銃声も存在せず
音楽と笑い声に満ちたユートピア
それが理想社会オリュンポスだ

画像8

そして1A84こそ、このオリュンポスの原型となる存在なのだ

そして地続きの二作を繋げる存在が1A84であり
「攻殻機動隊SAC2045」≒「APPLE SEED 0 IF」
と言うのが我々の考えだ。

なにを言っているか分からないかも知れないがこの先の話はもっと分からねぇ気もするけど最後まで話せばきっと分かる気もするのではりきって先に進もう。すでになにを言っているかわからねぇがとにかく進もう。

続きは転載元
https://note.com/individual2045/n/nc39d4705b507
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

浮世絵と漢字の国で完全3DCGは無理。中身は攻殻機動隊の出がらしです。

 3DCGがなぜ日本ではうけないか。それは浮世絵と漢字でしょう。

 浮世絵は、線で区切られ単色で塗られていて、その本物とは程遠いモノに我々は現実を投射します。また、我々は擬人化が好きです。これは漢字というキャラクターがあるからでしょう。その漢字は平仮名によって命を与えられます。つまり動きだします。カタカナによって、われわれは音ですら文字により命を持たせることができます。

 のっぺりとした2次元の絵に我々は生命を宿すことができます。それが浮世絵であり、マンガであり、アニメです。現実から遠いからこそ我々はそこに表現されているもの以上、どころか現実以上のリアリティを投射できます。また、リミテッドアニメ表現は俳句につながるかもしれません。現実に近ければ近いほど優れたものだ、という西洋の感覚とは全く違います。
 能は同じ仮面の中に表情を見ることができます。日本人は文脈やシチュエーションで脳内で何を読み取るべきかを瞬時に判断します。必要なのは記号としての目鼻でありリアリティなど全く必要ありません。

 この差を理解しないで、3DCGでほらすごいでしょ?というアニメを作ると本作のようになります。ピクサーが日本で盛り上がらないのも同じでしょう。本作のEDのレンダリングならまだ受け入れられる余地はありそうです。

(追記 お互いが理解できないと言っているのではなく、本作のような日本アニメ的キャラの中途半端な3DCGが見苦しいという感じかもしれません。あるいは鑑賞して感動はできるけど、ピクサーアニメは日本人には作れないし、日本的アニメはディズニー的3DCGは無理だという事です。本作はその悪いところ取りをしている感じです。また、フルアニメーションだと魅力が出せないのも日本の特徴でしょう) 


 で、本作については、3DCGというアニメの作り方として間違っている上に、攻殻機動隊をリメイクするためのストーリーです。SNS時代の本音とか、監視社会とか、何か作家が表現したいものを表現しているという感じではありません。攻殻機動隊っぽいテーマって何だろうと後付けでくっつけたような感じです。

 タチコマ芸もお決まりの出来の悪いコントでしかありません。そもそも3DCGのソフトの関係か知りませんが、タチコマが人間サイズしかありません。なんか、創作物を命を削ってとまではいいませんが、出来ることはキチンとやろうという意欲が見受けられません。
 
 アクションシーンがいたずらに長いし、それっぽいセリフはいいますが、少佐が矮小化されてしまっています。攻殻芸を見せつけられて、下手をすると共感性羞恥が発動しそうなくらい、カリカチュアライズされてしまっていました。

 まあ、はっきり言えば攻殻機動隊の出がらしを、ほら今グローバル市場ではこんな3DCGでやってるんだよ?すごいでしょ?と一生懸命みせられているような感じです。
 一応、3DCGの研究としていい素材なので見ましたが、本気でつまらなかったです。

 本作でアニメの将来を思うとかなり落ち込みました。評価はまあ適当です。オール1というより、アニメとして見られませんでした。


 なお、ネトフリの順位が日本だけなぜ違うか、についても同様に日本人と西洋人の文化の違いがあると思います。宗教と権利の話なのでここでは述べませんが、もうちょっと日本のマンガ、アニメに造形が深いヒトをスタッフに入れてほしいなあ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

やまだ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

かなりの悪口。いいか読むなよ、絶対読むなよ。

なんだこの人形劇。スマホゲームのムービー?ネットフリックス製なのに低予算なの?酷い本当にヒドい。日本製CGムービーは本当に何も進化してないな。静止画の紙芝居ならまあいいよ。でもモーションが昔の家庭用ゲームでも出来たレベルのゴミ。キャラも車両も何もかも。キャラデザは好みだろうがタイトル画面とかフォントとか小物や車両のデザインとか何もかもセンスが古いしオープニングも何アレ?全身義体ってのが甲殻のアイデンティティなの?だったら何故義体の硬さとか重さとか動きで表現しないの?初代ロボコップみたいにしろとは言わんけどサスの沈み方とか足跡とか色々出来るでしょ?せっかくのCGなのに。タチコマですら重量感を全く感じない。やっぱりそこはどうでもいいの?大人キャラしか出ないシリアスな雰囲気だけがいいの?甲殻機動隊でなんで戦争なの?甲殻機動隊キャラが揃ってるだけでいいの?"ぼくの考えた甲殻機動隊"をCGでやりたかっただけとしか思えない。

国内製の国内向けの作品ならそれでいいんですよ。昔から日本製CGゲームは静止画はキレイだけどモーションがすこぶるヘンでも売れていたので。でも海外製ゲームはその当時の物でさえ慣性や重さを感じる事が出来た作品しかなかった。勿論制作費が違い過ぎるという理由もあるから、そこは自分が好きな物だけプレイすればいいだけなんだけど。でもコレってネットフリックスの予算なので国内製よりは予算あるはずですよね。ネットフリックス製という事で海外も意識して製作しないといけないですよね。で、このザマはなんなんですか。

日本のアニメ業界は衰退していく未来しかないですね。現在でさえ安い賃金でこき使われて手書きで死にそうな思いで絵を書くだけの重労働。将来的にはそんなもの衰退してCGメインに置き換わるでしょう。AIで動画すらも出来るようになる。手書きアニメは手書きというだけで価値がある昔ながらのこだわりの伝統技術というふうになっていくだけ。ただの芸術作品に成り下がって庶民の作品は海外製のクソみたいなものに侵食される未来。テレビの"日本は凄い"みたいな番組でとある町工場なんかが海外の方から絶賛されてたりする。そりゃそうだ。海外の職人は安月給で働かないからだ。スイスの時計産業を日本が潰したように、イタリアの自転車産業を台湾が潰したように、日本のアニメ産業もまた潰されていくのだろう。クリエイターを引き抜くだけでいいのだから1番簡単。製作に日本人が関わったとしても結局センスは海外準拠。今と同じ物が作れると思うか?

日本にはディズニーみたいなIP戦略が必要だった。ディズニーもたまにはいいよ。でもディズニーに支配されたサブカルなんかゴメンだ。マーベルやルーカスまで買ったディズニーは世界統一でもめざしてんのか。ディズニーとまでは言わんでも国策としてでもなんとかすべきだった。でも多分もう遅い。せっかく上手くいきかけてたブランドIPの数々をハリウッドに買い叩かれてばかりで何が"ジャパニメーション"だ。何が"クールジャパン"だ。バカか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
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