災害で未来なおすすめアニメランキング 9

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番の災害で未来なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.3 1 災害で未来なアニメランキング1位
エウレカセブンAO(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (863)
4207人が棚に入れました
西暦2025年。日本から独立した沖縄の磐戸島に住むフカイ・アオ。彼は浜辺にいたところ、運び屋のガゼル一味に遭遇する。そこでアオはトランクから飛び出た緑色のブレスレットを拾う。
中学校の入学式の日、突如シークレットと呼ばれる怪物が現れ磐戸島を襲う。アオは幼馴染のナルを心配してナルの家に行くが、その時ブレスレットが光り「EUREKA AO」という文字が浮かぶ。そこで無くしたブレスレットを探していたガゼルと遭遇。渡すようにと言われるが、アオは拒否する。するとガゼルは同行と打開策を提案、日本軍の輸送艦へ向かい、アオを謎のIFOの元に届ける。それに乗り込んだアオはIFOから「おかえり エウレカ」と表示が出され、苦難の末にシークレットを撃破する。そしてアオの髪色も緑へと変化するのだった。

声優・キャラクター
本城雄太郎、宮本佳那子、大橋彩香、小見川千明、井上和彦、中村千絵、桐本拓哉、酒井敬幸、織田圭祐、堀勝之祐

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

アニメーションはいいけど、お話はだいぶ厳しい…

とりとめのない感想

■2話視聴時点:沖縄方言と、災害

・田舎への「災害」のイメージは、3.11以後大きく変わったなということを改めて実感する表現が多くてしみじみした。通じない携帯電話、避難をよびかける周囲の人々など。
・あと、沖縄方言でいろいろなことを言い直していたりするあたりはすばらしい。「沖縄」は方言とは言っても、作中でも出てくるように、やはりまだ半分、日本になりきれていない場所でもあり、「方言」は恥じらいではなく、沖縄の誇りとなっている。(これが茨城県が舞台だったら、こういう話は絶対にできない※)
・沖縄系の話は、まあほどよくやっていただければと思うけれども、アニメでこういうのを扱うこと自体は、ウェルカム。

■8話まで見た感想

 あぁ…これは、けっこう厳しそう。
 政治・組織論系のネタは、期待したら負けだということで。

 対象年齢下げてきたんだな、ということをとりあえず理解した。
 
 絵は相変わらずキレイだけど、確かにこのシナリオはきっついなぁ。最初2話ぐらいだけでいいな、これ。設定つくるところまでの野心の持ち方はよかった。
 ただ、具体的な描写の水準がこれはちょっと、もし、わたしをオーディエンスとしてみたならば、水準に達してないです。すまん。
 前作は、ぜんぶフィクション上の世界で、心情描写も主に若い人間のイライラとかを中心にしていたから見られたのだけれども…。うーん……まあ、でも、これでも中学生ぐらいまでが見るには程よいネタの投入加減なのかな。

 あとまあ、登場人物はかわいいんじゃないのかしらん。


■もし政治ネタやるんなら…人選をも少し…

 しかし、やはり、アニメ界隈の脚本家は、この手のネタをやるなら、監修の人をきちんと付けてくれ…悪いこと言わないから。脚本家のノウハウ的には、善悪構造をくっきりとわかりやすく描きたいのはわかるよ…もちろん…。だけれども、エウレカの前作は、ある程度まで対象年齢ひろかったし、今回はリアル政治ネタも入れ込んでるんだから、子供向け脚本のノウハウだけで作品つくるのやめませんか…と。
 ストーリーエディター・脚本としてクレジットされている會川 昇さんは、どうやら80年代から脚本家としてご活躍なさっている様子で、履歴を見ても小学生~中学生向け作品の脚本家として安定的に仕事ができる人なのでしょう。一方で、おそらく、それを越えるタイプのオーダーはちょっと厳しいんじゃないかな。
 となると、問題は誰が、この小中学生メインのストーリーエディターを担当に据えたか、という人事権のほうが問題で、そこはプロデューサーの南雅彦さんなのか、監督の京田 知己さんなのかよう知らんけれども。厳しいなぁ…。
 前回と同じく、佐藤大をシナリオの責任者に据えたら、ぜんぶ丸くおさまったかというと、設定の難しさを考えると、そうでもないだろうから、うーん、これはなかなか難しいプロジェクトになってしまっておられますね…。という印象。
 設定とスタッフの人選の相性が悪い。まあ、なんだって、試してみなけりゃ、相性が悪いかどうかはわからない、というのはあるからね。ある程度は、しょうがないとは思うけど。

■マーケティングと、作品

 まあ、あと蛇足。
 こういう作りにするなら、わたしみたいなオーディエンスがまかり間違っても観てしまうことがないようにできていたのなら問題はなかったのです。マーケティング上の理念が一貫していればね、問題はないわけです。
 エライ人は「大衆」の知らない事実を知っていて、「大衆」は不完全な情報で人を憎んで…というまあ、こういう世界観ならば「この作品は子供向けなんだ、大人は近づくな!」という雰囲気が醸されてれば文句言いません。まさかアンパンマンにケチつけるほど大人気なくないですよ。あたりまえだけど。
 でも、最初、沖縄問題とかひっぱってきて、しかもエウレカの続編でしょ。否が応にも、多少の期待はしてしまうじゃないですか。やっぱり。ちょっとは、ある種の人々の鑑賞に耐えるように作ってあるのかなって、思ってしまうわけで。
 プロデューサー/宣伝部隊と、中身を作る舞台の息が合っていないがゆえに、巻き起こる不評というのは、まあ、世の中珍しくないことでもあります。どうせだったら、シンプルなストーリーラインにして、政治問題とか挟まないで、キレイな映像と、単純なボーイミーツガールの成長物語を作ってくれたら……同じスタッフが作っていても、もっとハマれるいいものになったろうになぁ、と。そういうことが残念でなりません。

■第10話視聴

あ”あ”あ”…、これはネタ元が誰がどう考えても高木徹の『戦争広告代理店』ですね…。いや、ネタ元の本は、わたしもいい本だと思うのだけれども、その本の中身をこういう陰謀論めいた話にしかできないあたりが、とてつもなく厳しい気分になりますね…。「視聴者層が中高生ターゲットだから仕方ないんです」とか、そういう問題じゃねーだろ、これ。
 あー、この後も、ちょっとお粗末な教養披露が続いている…、かんべんしてくれー。

 
※1 茨城県は方言に対する自己嫌悪/恥ずかしいという意識が強い。一方で沖縄は、方言に対する愛着も強く、全国的にもイメージが良い。 http://haraharachill.tumblr.com/post/11846152198/wiwam

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

新たなる神話、再び…。

この作品は、2005年に放送されたTVアニメ「交響詩篇エウレカセブン」の続編だったんですね。
「エウレカセブン」の冠名を付けているので関連が全く無いとは思いませんでしたけれど…


「エウレカセブンAO」は2005年より放送された「交響詩篇エウレカセブン」の続編。
西暦2025年の沖縄に暮らす新主人公、少年アオの新たな物語が始まる。

前作「交響詩篇エウレカセブン」は、魅力的な世界観と斬新なロボット・アクション、そしてストレートな
ボーイ・ミーツ・ガールを描き、多くのファンを魅了してヒット作となった。

そのムーブメントはアニメーションだけに留まらず、様々なメディアへと越境。2009年には
劇場版「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」が公開されヒットを記録した。

「エウレカセブンAO」は世界観やロボット・アクションなど前作み魅力を受け継ぎつつ、さらに新たな
ストーリーを紡ぎ出す。舞台は沖縄の離島・磐戸島。

行方不明の母を求めるアオは、IFO(Intelligent Flying Object)のニルバーシュと偶然出会う。
突如出現する謎の存在"スカブコーラル"がきっかけとなって巻き起こる天変地異が日常となった世界で、
アオが対面する運命は、2012年の視聴者にとっても決して無縁ではない。

前作に引き続き監督は京田知己。キーキャラクターデザインの吉田健一、ニルバーシュデザインの
河森正治、徳木監督の村木靖など前作からのスタッフに加え、キャラクターデザインに織田広之が
新たに参加している。

地上より永遠に至る、アオの物語が今始まる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品に対しては、正直あまり良い評判は聞いていなかったので視聴を躊躇していた面が自分の中であったと思います。

ですが、いざ視聴を始めてみると全然悪くないんです。
寧ろロボット・アクションは今でも目を見張るレベルだったと思います。

あまりにも前作が人気の高い作品なので、どうしても比べてしまうんですよね。
物語は、ボーイ・ミーツ・ガールに徹した前作の方が分かりやすかったし、感情移入もし易かったと思います。
本作の物語は時間軸が交錯するので、前作よりややこしさが感じられました。
それに結構あっさりと物語が終わる…というより、結末がはっきりしないまま完結しちゃうんです。
これには少々ビックリしました。
結末を相当脳内で補完しないと…と思っていたのですが、この作品って全24話で終わりじゃなかったんですね。

「パチスロ エウレカセブンAO」の稼働を記念して「ロード・ドント・スロー・ミー・ダウン」という新作エピソードが制作されていたんです。
物語の最終回を補完しており、テレビアニメ版のその後を描いた事実上ファイナルエピソードに位置付けられる内容に仕上がっていました。
今でもYou Tubeで閲覧できるので、未視聴の方は是非視聴をお勧めします。
物語が本来あるべき地点に着地してくれて心底良かったと思いました。

一方、キャラはというと本作でも良い感じのキャラが登場します。
チーム・パイドパイパー所属のIFOパイロットである、フレアとエレナは大活躍だったと思います。
個人的に好きだったのは、やっぱりフレアかな…
アオに対する態度が徐々に軟化したと思えば、ツンデレ要素を存分に発揮するんですもん…

そしてこの作品は主人公であるアオが好きになれるかで評価の分かれる作品だと思いました。
私にとってのアオは良くも悪くもレントンより幼い印象です。
無茶して突っ走ったり、人の言うことに耳を貸さなかったり…
ただ一つ、母親探しが一貫してブレなかったのは評価できると思いましたけれど。

アオの母親…
彼女については、是非本編で存在を感じて欲しいと思います。
アオの優しさと一途さの原点が感じられると思うので…

オープニングテーマは、Hemenwayさんの「Escape」と、FLOWさんの「ブレイブルー」
エンディングテーマは、ステレオポニーさんの「stand by me」と、joyさんの「アイオライト」
ステレオポニーさんの楽曲を聴くのは久々だったので、聴いた瞬間気持ちが熱くなりました。

2クール全24話の物語に、特別編「ロード・ドント・スロー・ミー・ダウン」のA~Eパート、そしてOVA「エウレカセブンAO -ユングフラウの花々たち-」で構成されている作品でした。

TV版だけでは中途半端感が残るので、是非特別編を視聴して心の中のモヤモヤを払拭して欲しいと思います。
巷の評価ほど悪い印象は無く、個人的にはしっかり堪能させて貰った作品になりました。



追伸
OVA「ユングフラウの花々たち」でエレナ・ピープルズが大鎌を持って立ち振る舞うシーンがありました。
「これ、どこかで…?」と思ったら、CVの小見川さん繋がりの「あのキャラ」だったんですね。
「健全なる魂は 健全なる精神と 健全なる肉体に宿る」
これ、ムッチャなついんですけどっ…^^!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

RitaM さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

制作発表&PV見ました(視聴前レビュー)

交響詩篇エウレカセブンの続編で2012年4月から始まる作品です(*^^)

前作が大好きな作品なのでとても楽しみにしてます♪ドミニク&アネモネ好きだったので48話の「バレエ・メカニック」のあのシーンは今でも鮮明に覚えてるわ(ノд-。)クスン
もう前作から7年もたつんですね~びっくりしました^^;

ちなみにエウレカセブンAOの「AO」はアストラルオーシャン(星の海)と主人公の名前のアオからきています。




とりあえず公式さっき更新されてたんでストーリー概要そのまま貼っちゃいますねw


主人公アオは、沖繩磐戸島で老医師トシオと共に暮らしていた。
行方不明の母を探す旅に出るために密漁で小銭を稼ぐ日々を過ごすアオ。
そこにある日、一台のFP(Flying Platform、小型の空中移動体)が不時着する。
FPを運転していたのは日本軍の依頼を受けた運び屋、ガゼル。
アオはガゼルの積荷から、ブレスレットを手に入れる。
その時、島にスカブコーラル現れ、それを狙って現れる謎のモンスター“シークレット”の攻撃が始まった。
磐戸島は、沖縄諸島連合と中国、日本が領有権を争う政治的なスポット。
シークレットを排除するため民間企業「ゲネラシオン・プル」のIFO部隊「チーム・パイドパイパー」に出動依頼がくだる。

アオはブレスレットに導かれるように、日本軍所有のIFO、ニルヴァーシュに乗り込んでしまう。
これまで誰も起動できなかったニルヴァーシュが稼動したのは、10年前の“あの事件”以来だった。
ニルヴァーシュと出会ったアオは、チーム・パイドパイパーのIFOとともにシークレットと戦うことになる。
「後悔はしたくないから」と覚悟を決めたアオ。それは過去を知り、未来を切り開くアオの旅の始まりとなる―――。




だそうですw

なんかの雑誌で見たときは主人公アオの髪の色エウレカと同じ色だし目もコーラリアンみたいな感じで「僕エウレカの子供ですよ」みたいな雰囲気だしてたくせにPVだと茶髪になっとる…。どっかのサ〇ヤ人みたいな?覚醒して髪の色が!とかはやめて欲しいですねwww






☆スタッフ&キャストが発表されました☆
監督:京田知己
キーキャラクターデザイン:吉田健一
キャラクターデザイン:織田広之
ニルヴァーシュデザイン:河森正治
メカニックデザイン:山根公利、柳瀬敬之、海老川兼武
デザインデベロプメント:コヤマシゲト
デザインワークス:竹内志保
SF設定:堺三保
特技監督:村木靖
美術:永井一男
音楽:Nakamura Koji(中村弘二)
色彩設計:水田信子
撮影監督:木村俊也
アニメーション制作:ボンズ


前作と比べてこれといって大きな変化はなさそうな感じです。キャラデザが吉田さんからかんざきさんになってるのでどうなんだろと思ってましたがPV見たら雰囲気はでてたので大丈夫かなと思います♪
音楽ナカコーとか胸熱だわヽ( ´¬`)ノ
ボンズなんで作画の心配もいらないでしょう。




キャストはこの5人が発表されました

フカイ・アオ役:本城雄太郎
アラタ・ナル役:宮本佳那子
フレア・ブラン役:大橋彩香
エレナ・ピープルズ:小見川千明
トゥルース役:井上和彦


うわ~新人さん多いですねw
制作発表見てて小見川さん(花咲くいろは:みんち)と井上さん(夏目友人帳:にゃんこ先生)しかわからなかったです(+_+)

ググったら主人公アオ役の本城君(15歳)エレメントハンターの主役やってるんですね。制作発表でめっちゃ緊張してて
見てるこっちが緊張しちゃいました;心なしかマイク持ってる手震えてたような…www


キャラ見た感じフレアちゃんかわええかもと思って期待してるんですがまさかの声優さんホリプロ枠…(゚-゚;)
とりあえず不安の一言ですかねw
井上さん以外棒だったら(´Д`|||) ドヨーン





☆OP&ED☆

OPテーマ:「Escape」Hemenway
EDテーマ:「stand by me」ステレオポニー


続編ってこともありどうしても前作と比べられてしまうと思いますが音楽でこけるとこのアニメ致命傷になりかねないような気がします…個人的にですけどね( ̄ω ̄;)


☆放送開始予定☆
MBS4/12(木)25:55~
TBS4/13(金)25:55~
CBC4/18(水)26:00~
BS-TBS4/21(土)24:00~

妖狐×僕SSのとこの枠ですw







☆視聴前じんたろうのぼやき☆

期待2不安8って感じですかねw
リフの爽快なアクション(ヌルヌル動く感じ?)と見てるこっちがこっ恥ずかしくなってしまう程のボーイミーツガール
(*ノωノ)が見れれば個人的には満足できちゃいそうwww
春は面白そうなアニメたくさんありそうなのでその中でエウレカセブンAOが消えていくのか…それとも輝きを放つのか…楽しみです♪

新しい情報でれば更新していきます^^


投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

86.0 2 災害で未来なアニメランキング2位
Dr.STONE(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (767)
3352人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚める。「石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がってやる!」。絶体絶命の状況で、千空は仲間を探し、世界を取り戻すことを決意する!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、佐藤元、中村悠一、市ノ瀬加那、沼倉愛美、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Open the world!

稲垣理一郎さんとBoichiさんによるSF漫画のアニメ化作品。「週刊少年ジャンプ」で現在も連載中。単行本は既刊13巻まで。(放送終了時点で)

原作の稲垣理一郎さんは小学生時代からPCで自作ゲームを作って遊んでいたという筋金入りのゲーマー。漫画連載中でも新型ゲーム機の発売日に店頭に直行した経験もあるそう(笑)。一方で、仕事に取り組む姿勢は心から尊敬すべきもので、作中に登場する科学の料理を一から作って食してみたり、工房や道場へと自ら足を運び生の知識を得たりと実直そのもの。科学的素養充分な方とお見受けした。

作画のBoichiさんは目標に一直線なパワフルな方で、漫画を描く為に大学では物理を、(芸大)大学院では映像を専攻し、また学業の傍ら、一般書を含む膨大量の科学関連書籍を読み漁ったという努力家のツワモノ。「攻殻機動隊」の原作者として今や世界的に有名な士郎正宗先生の作品群に触れ、知識が漫画を面白くする事を学んだそうです。そしてこの方も仕事の鬼^^。ソユーズを生で見るためにロシアまで足を運んだり、土器の蓋のデザインで悩んだりするほど(笑)。作画担当に留まらぬ精緻な仕事振りが光ります。

それではレビュー。

物語の発端は世界各地で発見された石化したツバメ。やがて眩いばかりの閃光が地球全土を覆う。全ての人類は石となり、その活動を停止する。

3700年の眠りから覚めた高校生、石神千空は※1人類が消えた世界「ストーンワールド」で生きる術を模索し、人類文明滅亡の謎を探ります。


一見するとトンデモな出だしですが^^;、娯楽性やドラマ性一辺倒な作品とは一味違い、ファンタジックな少年漫画の皮を被りつつも、芯(サイエンス)は厳格。やたらと高度な最先端科学や新種の造語で、それとな~く知的な雰囲気を醸し出し視聴者を煙に巻く、数多の作品群(ファンタジーとして楽しいので否定はしない)と比較すると、本作の性質は概して真逆。

アニメはあくまでも娯楽なので薀蓄必要無し!もまた真なりですが、それはそれ、これはこれとして、作中台詞の一部を借用させてもらって両者を表現するならば「前者の言葉は羽の様に軽く甘く、後者の言葉は石の様に重く苦い。」となるのではないでしょうか。一見して余計な、この雑味に当たる重さと苦さが、アニメ(物語)という娯楽に深みを与える最高のスパイスになるのです。

作中で取り上げられている「サイエンス」は、汎用性が高く物語に組み込みやすい物理、化学を中心に、その枝葉に当たる、工学、薬学、地学に料理^^と多岐に渡りますが、それら全ての要素が、作中における主人公達の第一目的である"生存"と深く結びついているため、物語を回転させる動力としても、歯車としても、より強く堅実に機能している印象を受けました。科学を利用する必然性があるので押し付けがましさが目立ちません。

物語序盤は、多様性をガバガバ受け入れ、科学の力で奔放に人類の栄華を取り戻さんとする、主人公千空とその仲間達が作る科学王国、徹底した選民思想と独裁、武力による支配、原始の生活を旨とする獅子王司率いる司帝国、両者の対立と抗争のお話。

話は横道にそれますが、15年くらい前になるのでしょうか、当時のNHKで「※2アーサー・C・クラーク氏が舞台設定をした(開拓地の)火星で展開されるドラマを、日本の漫画家やアニメーターが短編アニメ作品として映像化し、それを同氏に見てもらう」という趣向の番組がありました。

正確な引用ではありませんが、完成した作品の一つに対してクラーク氏が与えた評価は「火星を第二の地球にはしたくない。わたしたちにやり直すチャンスがあるはず」といった内容のものでした。氏の残念そうな表情がおぼろげな記憶の中から思い出されます。

欲望のままに生産と消費を繰り返す科学王国のあり様は、一見すると、わたし達の住む世界の写しに見えますが、前者が"無い"から作っているのに対し、後者が"ある"のに作っている点で大きく異なります。ただし裏を返せば、搾取する対象がある限りは安泰でも、敷かれたレールに沿って突き進めば、崩壊前の地球の姿に逆戻りする危険のある楽観に満ちた社会とも言えます。

千空の頭脳に刻み込まれた人類200万年の知識の遺産と父親から受け継いだ優しさと勇気は、人類の新たな希望となりうるのでしょうか? 歴史は決して繰り返しませんが、科学王国がクラーク氏の見た火星の開拓地の様に、わたし達の世界をなぞらないよう切に願いたい。


一方の司帝国は、獅子王司という個人による権力一極集中体制。

霊長類最強の高校生の異名を持つ司というキャラは、一言で例えるなら※3スーパーマン、なのですが、過去の苦い経験から"大人"への深い憎悪、あるいは絶望を抱く、憂いを帯びた人物として描かれています。

多かれ少なかれ、多分誰でもそうですが、わたしも例に漏れず、少年時代に大人の冷酷さや狡さ、理不尽な暴力というものを嫌というほど見てきているので、司の憤りには一部共感出来る部分はあります。…でもですね、何ともはや、大人になってから平たい目で思い返してみると、同世代にも似た様なのがいたんですよね。大勢。ただ大人より小さくて怖くなかっただけで(笑)

司の唱える、"若者は純粋で大人は不純"とする極端な世代間差別は、わたし達の世界をしつこく蝕む人種差別や性差別と同種の、憎悪を下敷きにした一種の思考放棄に当たりますが、集団をあたかも(妄想で肉付けした)人格を持った個人の様に錯覚すれば、ある小規模なグループから始まって、家柄、人種、国、性別、最終的には極端な単純化の過程を経て、とんでもない事に、全人類さえもその様に認識してしまう危険さえあるのです。(こんな世界大嫌い!的なやつ)

この「1を聞いて10を知る」試みは反証可能な科学の分野においては割と有効に働きますが、人を集団として見る時、その判断材料となる有機的かつ情報量膨大な最小単位"ヒトおよび個人"の理解が不十分であれば、せいぜい残るのは穴だらけの統計データ程度のもので、その評価は必然として恣意的なものになってしまいます。ヒトは1単位として数えられるほど単純なものではないのです。

複雑にして複雑な世界に背を向けて、嫌いなものは一括り、括ったものはまとめてポイッ! 独断と偏見とで要と不要を分け、自らの殻に閉じ篭れば、かくて名前の無い怪物の一丁出来上がり、"僕の考えた最強の世界"展開の下りとなる訳です(汗)

妄想という脆い足場の上に居を構えた司帝国は、髪の毛一本で吊るされたダモクレスの剣の例えがぴったりと当てはまります。

科学王国と司帝国、皆さんならどちらの国の住人になりたいですか?


かつて"科学者の良心"と称された※4カール・セーガン先生がそうされた様に、学校で聴きかじった科学を、目に見える形、手で触れられる形へと落とし込み、学問への恐れや不審の垣根を取り去る試み。偏見の解体。

文字情報が先行して「解った」と錯覚する事が容易な現代において、嫌煙されがちになってしまった、手で触れ、耳で聞き、鼻で嗅ぎ、口で味わいながら確かめる、知る事の大切さ。収集、分類、調合、加工、試行錯誤を繰り返し、どこにでもありそうなものから、ありとあらゆるものを造り出さんとする情熱。

仕事も遊びも生活も、あらかじめ用意されたものから選択する事を常とし、釈然としない気持ちを抱えながらも惰性に身を委ね、耐えながら生きる。あるいは飽きたら乗り換える。

完成品の世界の中で、わたしたちは世界の仕組みについてどこまで理解していると言えるのだろう?

本物とはズレた世界に浸かりがちな現代人にこそ、この世界は尽きる事のない磨けば光る宝石、ヤベースゲーモノ(笑)で満ち溢れている事を改めて思い出して欲しい。

そんな願いが込められた作品の様にわたしは感じました。


※1:ジャーナリストのアラン・ワイズマン氏による同名タイトルの書籍がある。様々な分野の専門家の知見を得て、3700年どころか 人類の消えた後の云億年先の未来の地球の風景を映し出す壮大な科学エッセイ。本作(漫画原作)の参考文献リストにも同書の名を確認出来る。

※2:「2001年宇宙の旅」の原作者としても有名ですが、一流の科学者としてテレビ解説者としても活躍。プレステのゲームにも出演してる(笑)静止衛星を使った電気通信リレーの発案者でもある。

※3:アメコミの人ほどではないです(笑)でも素手でライオンの群れを撃退できるくらい強い。加えて頭脳明晰で判断迅速の人。

余談ですが、神話や伝説は別として、紀元前400年頃の古代ギリシャではパンクラテオンのチャンピオンポリダマスが、近代でも1898年にボディビルダーのユーゼン・サンドウ氏がライオンに勝利したという記録がある様です。(後者は爪と牙を封印した状態で)

それでもまぁ、第6話で司が石槍で大木を叩き折る描写はいくら何でもやり過ぎでしたね。槍が折れる^^;。杠の頭のアレとか、スイカのゴロゴロとかと同類の、突っ込んじゃいけない演出だと思うので、てきとーに脳内補完しましょう^^

※4:地球外生命の探査計画でも有名な人ですが、代表作の「コスモス」は天文学、生態学のお話を中心とした、国境や学問分野の垣根を越えた様々な挿話からなる科学エッセイ集。最高の科学入門書の一冊なので老若男女全人類にお薦めしたい!

※:物語5点の理由はシナリオや脚本もさる事ながら、科学考証の緻密さ、設定の素晴らしさがズバ抜けていたため!

ふろく1 石化について(ネタバレになるかも知れないので畳んどきます。)
{netabare}
メカ千空に習ってQ&Aの形で。

Q1:仮死状態とは言え3600年以上もヒトは生きられるの?
{netabare}
A1:千空は3689年158日もの間、脳だけはしっかりと活動させていました。活性状態の脳の寿命は長く見積もっても200年弱なので、結論を言えば不可能です。
{/netabare}
Q2:石化したツバメって一体なんなの?
{netabare}
A2:実験動物だった可能性が大ですが、それならネズミでもよかった様な気もしますし、これについては全く分かりません^^;ヒトとの繋がりは生活圏くらい? もしかしてウイルスキャリア?
{/netabare}
Q3:人類石化ってファンタジーなの?
{netabare}
A3:結論から言うと違うと思います。科学考証のしっかりしたお話なので、物語のキモとなる部分をおろそかにするとは考えづらい気はします。作中で石化と形容されている状態は、どちらかと言うとミイラ状態に近いと思われます。アニメ2話の大樹と千空の危ないキャッチドール^^;は、単なるギャグ演出とも取れますが、杠の軽さを暗示しているのかも知れません。
{/netabare}
Q4:石化した人類が蘇生するってやっぱりファンタジー?
{netabare}
A4:結論から言うと違うと思います(笑)

考えられる理由の一つは石化人類は既にヒトではないという事。

古典的には進化の原因は、交配による遺伝子の組み換えと、自然淘汰、突然変異の3要素という事になっていますが、近年の研究で明らかになった事によれば、第4の要素として後天性の遺伝子変異を可能にするものとしてレトロウィルスの組み込みというものが挙げられる様です。(エピジェネティクスというむつかしい獲得形質もありますが、あまり関係なさそうなので端折ります。)

レトロウイルスと言えば、乳腺に関連するウイルスやHIVウィルス(それとゾンビもののネタ笑)が割と有名ですが、ぐぐって調べてみたところ、ヒトゲノムの約8%がなんと内在性レトロウイルス(ヒトの遺伝子に定着したもの)由来の配列で占められているとのこと。ヒトって92%しかヒトじゃない!(笑)

SF的な想像をするなら、石化は単に外見的な特徴に過ぎず、実際の所は乾燥状態。全人類はレトロウィルスの感染によって不老の肉体と※クマムシの様な性質、それと、つぎのQ&Aにも関連しますが、もしかしたら光合成可能な体質も手に入れているのかも知れません。

※:クリプトビオシスと呼ばれる"乾眠状態"で長期間生存でき、水分が与えられると活動を再開する。蘇生時に体の損傷箇所を修復する種もいるらしい。
{/netabare}
Q5:約3700年もの間、生命活動を維持させ続けたエネルギーって何?
{netabare}
A5:ウィルス感染から肉体全体の変異、そして乾眠状態に至るまで、どれだけの年月が必要かは不明ですが、栄養供給源は作中の説明を素直に受け止めれば、外皮の何か(放射性物質が含まれている可能性あり)、あるいは微生物の類の助けを借りているという可能性も考えられます。前者ならヒトが※放射線を人体で直接吸収して光合成を行なうという単純なからくり。後者なら、例えば外皮の金属?層の内側に封じ込められたゲノム操作済みの微生物(あるいはナノマシン)が、前述の放射線やヒトの代謝物で成長・増殖し、その分泌液や排泄物でヒトを養い畑にして、共生関係を作っているとか。

※:もちろん普通の人体には有害ですが、遺伝子改造された人ならもしかして…。因みに放射線をエネルギー源にできる生物はチェルノブイリ原発事故現場付近で発見されており、地球上に存在する。ゴジラじゃないよ(笑)
{/netabare}
Q6:石化時間に個人差があったのはなぜ?
{netabare}
A6:A5に見落としがありました。脳の使用率によって石化時間が変化するんでした^^;

これを踏まえると、人体が直接光合成を行なっていたという線はあっさり消えてしまいます(汗)表皮の金属層に放射性物質が含まれているとしたら、それはその元素の持つ半減期に従ってほぼ一定の早さで減少していくので。

脳を使えば使うほど表皮を形成する物質の消費が激しいのなら、A5でもう一つの可能性として挙げさせてもらった微生物(あるいはナノマシンに類するもの)が表皮を食べていると考えるのが妥当と思われました。

まとめると

1.脳を稼動させているヒトのカロリー消費は激しい

2.共生関係にあるヒトを生存させるためには微生物はより多くの栄養を必要とする

3.栄養を得たり与えたりする効率を高めるため増殖する

4.微生物の総数が増えれば表皮の消費速度(食べる早さ)も上がる

こんなところでしょうか。

最後に残った疑問は、蘇生に必要な水の供給源。復活液(ナイタール液)が表皮に含まれる"何か"と反応した結果、水が生成された可能性が考えられますが、知識外なので今後のお楽しみにしておきます(笑)
{/netabare}
Q7:人類文明を滅ぼしたのは誰? その目的は?
{netabare}
A7:これについても全くの憶測ですが^^;、首謀者は政治的干渉をある程度無視できる財源潤沢な科学集団で、目的については地球の生態系の回復である可能性が高そうです。現在の地球も砂漠化が進み過ぎてボロボロですが、千空の生きた時代(2049年)はもっと切羽詰った状況だったのかも。前述の集団が強硬手段に訴えなければならなかった背景ドラマなんかも今後描かれたりして…。
{/netabare}
以上全部妄想です(笑)あれこれと思考する機会を与えてくれる、SF(ミステリー)好きには垂涎もののアニメだと思います^^
{/netabare}

ふろく2 4つの力について
{netabare}
電磁気力:光、電気、磁力の事。物に触れたり、燃したり、切断出来たりといった身近な現象の殆どをこの力で説明できる。

重力:質量のあるもの同士が引き合う力。時空の歪みを作る。自由落下、潮汐、惑星運行、星の成長や崩壊に関わる。

弱い力:原子核が自然崩壊する力。原子力発電所の燃料棒や※ラジウムで光る時計の文字版などに利用される。

強い力:原子核を繋ぎ留める力。便宜上の物質の最小単位とされるクォーク同士、陽子と中性子を結びつける。超近距離でしか作用しないため確認しづらい。

11話の回想シーンで小学生千空がここに触れていたシーンには感動させられました。学校で習う科学って、幹から枝葉じゃなくて枝葉から幹に向かうものが殆どで、教える順序があべこべな気がしてたので…。素直にここから学んだ方が勉強のモチベーションも上がるんじゃないかと思いました。

※:危険なので現代では生産されていない(と思う)。現在流通している蓄光素材は半導体の原理を利用しており、これとは別物。100億%安全です(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アニメ作品における、「ご都合主義」とは、何を指すかの個人的な定義

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
まず、☆4なので、全体としてはかなり高評価をしているという前提で。

科学アニメ。少年漫画原作らしいワクワクが詰まっています。

私、このアニメかなり好きです。設定だけなら、☆5のチャンスもありました。

でも、とある「ご都合主義」により、評価を下げました。その「ご都合主義」がナニを指すのかは、ネタバレになるので、レビューを読んで下さいっす♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ご都合主義とは、「主人公にとって都合の良いことが偶然にやってくる」ことを指す。では、このどちらがより「ご都合主義的」だと思いますか?

①クロムが便利な石を偶然にも拾いまくっている。

②大樹と杠が司帝国に行く。

私はこの2つなら、②をよりご都合主義的だと感じる。

①は、「偶然」が成り立つ。勿論、圧倒的に低い確率だが。

一方、②は、「必然」。誰にとっての必然かというと、作者にとっての必然(必要と言ってもよい)。

本作の6話目で、千空は、大樹と杠を司帝国のスパイとして送り込む。その後、コハク達と出会い、抗生物質を作るために、製鉄を行う。そこで、マンパワーを得るためにラーメンを作り、、、となるが、、、製鉄(のマンパワー)は、大樹一人いたら大丈夫だったんじゃね? と思った。

この時の千空にとっての最悪は、「司に自らの生存を知られること」。であれば、まず「出来るだけ遠くに行かなければならない(箱根止まりではなく、関西とか中国地方まで行った方が良い)」。近場の村を見つけても諦め、遠いところまで逃げ、蝙蝠のいそうな洞窟見つけて、人口を1から増やしていき、科学兵器を作りまくる方が、安全である(石神村の戦力はあてにしない)。

また(杠はともかく)大樹は巨大な戦力(体力)であり、司の元に送り込むのは勿体ない。司がいくら復活液のレシピを知っても、アルコールの醸造などは時間がかかるが、大樹がいればかなり時短になる。大樹だって、杠と共にいる以上、働かなければならないし。

さらに、司はバカではなく、大樹はバカで真っ直ぐな性格という設定だ。司も、大樹の人間性は知っている。大樹がウソを突き通せるかということ以前に、「千空を殺した司の軍門に、大樹が自ら下るなど、100億%ない」。百億歩譲って、杠を人質にとられた時、仕方なくといったところか。大樹が司の軍門に下りたいと言ってきた瞬間に、「千空は生きている」とバラすようなもんである。

せっかく、「司が千空を殺した」と思い込んでいる以上、余計なリスクを背負う必要はない。「大樹は死んだ千空を埋葬し、杠と共に逃げ去った」と思わせておく方が良い。

武力サイドがどれだけ兵を増員しても、科学サイドは、毒ガス弾1発作れば勝てる。これはそういう戦いで、時間があれば有利になるのは科学サイド。諜報などは、最終局面で必要になることであり、武力サイドがある程度大きくなり、人員を把握しきれなくなったあたりの方がスパイを送り込みやすい(また、その段階になれば、科学による誘惑で、現代の科学の恩恵を受けてきた武力サイドの人間を簡単に懐柔できる)。

よって、大樹と杠を司の元に出すのも、石神村に滞在するのも、最低レベルの悪手。

こんな簡単なこと、「頭の良い設定」の千空が気付かないわけがない。つまり、この選択は、千空が考えたものではなく、作者が考えたもの。新しい展開(石神村編)を生み出したいがために。

これが、私の思う「ご都合主義」。つまり、「自らの生み出したキャラクターに命を与えず、作者の都合に合わせて信念や発言を曲げる行為」。

選択をミスることも、正しい選択をすることも、「こいつなら当然そうするよな」と思えるかどうか。

例えばONE PIECEで、 {netabare} ルフィに心理描写がないのは、「ルフィなら考える前に行動しそう」 {/netabare}と、尾田さんが考えたから。例えばロードス島伝説で、 {netabare} 作品の途中で、語り部だったナシェルが主人公に昇格したのは、「ナシェルが思った以上に成長し、一人歩きし始めた」{/netabare}と、水野良先生がキャラクターをコントロールしないから。こういう生きたキャラが、私は好きだ。

つまりは、作者が、自ら生み出したキャラクターに負ける、覚悟。器の広さがあるかどうか。

本作の設定は抜群に面白く、科学実験などはドキドキしたし、文明を1から作り上げる過程はワクワクした。1話につき1つ物語が進む(素材ゲットや実験成功など、成果が出る)構成の確かさ。特に終盤は、少し泣けるくらい良い出来。科学の実利の面だけじゃなく、「科学とは、人の生活を良くする、助けるものだ」という力強く温かいメッセージには心震えた。

せっかくの良いアニメなのに、勿体ない。創作物全般において、私はそこに作者の気配を感じると、少し、萎えてしまうのです。

簡単に言うと、「ラッキースケベ(①)は許せても、魅力のない主人公に惚れるチョロイン(②)は許せない」ということなのですw

(とはいえ、☆5に近い☆4。今年観たアニメでも、五本の指に入る面白さなので、当然、2期は観ます♪)
{/netabare}

【余談~ 石化の理由、予想 ~】
{netabare}
私は原作未読なので、すでに答えが出ているのかもしれませんが、一応、アニメしか観ていない立場で、予想を(結果、的外れかもしれないし、ネタバレになるかもしれないので、一応隠します)
{netabare}
まず、石化が人為的なものか、自然現象かという点についてですが、私は、人為的なものだと思います。根拠は、そうじゃないと話が盛り上がらないからです(笑)

まあ、「人間とツバメだけ石化する」というのは、何かしらの実験くさいですしね。

じゃあ、人為的なものだと仮定した時、「動機は?」というと、「地球環境を守る」か、「人類を疫病(バイオハザード)から守る」のどちらかでしょうね。これは、どちらの可能性もあると思っています。

「地球環境を守る」とした場合、人類と燕以外の動物が無事なことにも理由がつくと思います。石化が解けた後、真実に気付いた人類は、「もう2度とこの悲劇を繰り返さない」と思い、科学の力を正しい方向に使っていくラストは、少年漫画、、、というよりは青年漫画らしいですが、話としては成り立ちそうです。

また、「人類を守る」は、悪者がいないので、少年漫画らしい展開だと思います。近い将来、人類が滅亡してしまうようなバイオハザードが起きて、それを回避するための苦肉の策なのかなと。本作の疑問点として、「何千年も脳を使い続けてきた、千空は、そのエネルギーをどこから得たか」というのはありますが、石化の石がエネルギー源になる仕様なら分かります。ただ、石化に伴い、(ビルの崩壊に巻き込まれるとか)必ず死ぬ人は出るわけですし、「だったら疫病のウイルスがいなくなるまで(数年)とかで石化が解けるようにしたら?」というのがあるんで、微妙な気もします(まあ、千年以上しないと死滅しないウイルスなら別ですが)。

他にも、どこかの国が戦争用の兵器を暴走させたとか、宇宙人が攻撃してきたとか、可能性はいくつかありそうですが、なんかそれだと、「物語としてつまらない」なと思います。あくまで、少年漫画ですし。
{/netabare}
さあ、皆さんの予想は? 2期で謎は明かされるのかな?
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
随分と壮大な話だな。なかなか面白い設定。これはちょっと久々に新鮮に楽しめるかな?

2話目 ☆4
お、ちゃんと人体実験したか。なら、ユズリハ復活の選択も納得。武力は危険だよな。ただ、お互いがお互いを必要な間は、身内を攻撃してもしょうがないよな。これ、人口が増えるにしたがって、鬱展開あるだろ。

獅子王はチートだな。このキャラはあまり便利に使うと厳しいが、少年漫画らしい分かりやすさはある。

4つ目の使い道は、火薬かな。

3話目 ☆4
蝙蝠の糞尿=硝酸て、なかなか頭良いよな。大仏の理論、良いね。

4話目 ☆2
狼煙をあげるのは、どう考えても悪手だろ。箱根で隠れて火薬をつくり、獅子王を倒し、その後に狼煙をあげるのが良いだろ。それで会えればよし、会えなければ仕方なし。優先順位の1位は、獅子王でしょ。この作風で、こういう「ミス」はいただけない。

5話目 ☆3
てっきり、狼煙をあげたもう片方が、止めるかと思ったら。銃か何かで、かすり傷ひとつも負わないのかよw 石化の伏線は、なかなか良いね。回想か~。ここでじゃなく、1話前のBパートのが、よくない? んで、首バツーンで、引きを作る。

6話目 ☆2
構成にやや疑問は残るが。考えてた分のエネルギー、なるほど。それが自発的に石化を解く鍵か。ん? なら、脳みそだけはもともと生きてたってことか。なら、脳みそは不老不死にならないか? なるほど、人類を助けるための石化。

いや、スパイよりも、貴重な戦力、労働力を自陣から敵陣に送り込むリスク、あと、司はバカじゃないんだから、生きてることがバレるリスクの方が大きくないか? 合理的に考えて。アルコール作りだって、司の一人の方が時間かかるだろうし。

生き残った人類。血が濃くなりすぎないか? つか、紐の強度が心配。

7話目 ☆3
言語と人種を混ぜてるのか。ギャグが強めに。自力でたどり着いたなら、天才だよな。素材を楽に集める装置。病気を治す科学ね。少年漫画らしくなったといえば、そうだが。

8話目 ☆3
便利な鉱物がたまたまあるとか、こういうご都合のところはもう、見逃さないといかんかね。猫じゃらしが穀物ってのは、初めて知ったな。

9話目 ☆3
電気ね~。一気に文明が進んだな。対照的な2つの国の争いになるが、それを1から創り合うのはおもしろい。

11話目 ☆4
スイカ、顔芸w 眼鏡美少女の誕生は、文句なく、正義だな(笑) 世界がクリアになった後に、涙で再び歪む演出は素晴らしい。科学って、本当に多くの人を救っているのな。。。でも、あれ? 眼鏡美少女は?(笑) 金狼にも眼鏡活かすのか。技術力はな、確かにムズい。SimCityみたいで、ちょっとワクワクする(笑)

12話目 ☆4
火山ガスって、そこまで危険なのか。死にいたるものだとは知っていたけど、1秒以下で死ぬほど危ないのか。少年漫画らしい熱さは嫌いじゃない。

13話目 ☆3
村に初めて降り立つ一歩目を、月の表面風の作画にしたのは、上手い。いやいや、じゃあマントル止めなけりゃ、勝ちやがな。スイカの手助けで金狼を、「勝ちなのに負けにする」ための伏線だろうけど、整合性がないな。

14話目 ☆3
騙し討ちとは、想像以上に卑怯だったな。発火は、あんなに一気に起こるものなの?

15話目 ☆4
科学は、人を幸せにするためにある。根元的なことだけど、忘れがちなこと。

16話目 ☆4
なるほど、宇宙に行ってて、難を逃れたってことか。ロマンだな~。

17話目 ☆3
司らしくないな。自分が単騎で行って、解決やん。とはいえ、違う武器を急に持たせて、どうする? 琥珀以外は、鉄の槍の方がよくないか? 各自の能力をちゃんとフル活用するのは、レベル高い。

18話目 ☆3
3人同時に木から落とすのは、「ちゃんとしていない」。時間差で一人ずつ落とし、安全を確認するべきだろう。スマホか。毒ガス弾とかの方が良くない? ビンにつめて投げようぜ。

19話目☆3
ワタアメに水力発電。常に見張りをつけとかないと、発電所のヤバさが分かる焔に破壊されそうだた。

20話目☆3
だから、焔は何してるのかな? タングステン、まあ、こういうご都合主義は許せるけどね。

21話目 ☆4
素敵な友情話。最後の、木に復活日彫ってたあたりの伏線の活かし方は素晴らしかった。

22話目 ☆3
マグマが仲間に。少年漫画だな~。

23話目 ☆5
あれは、友情だったのか、、、良い話だな~。争いのための科学が人を豊かにする。歌を入れたりして、あきない演出。

24話目 ☆5
レコード。科学は時空を超える。科学の素敵さだな。歌を、文化を残す。1本とられたな。実用だけが科学じゃない。人を豊かにするのが科学。まあ、ここで切るなら、2期の情報流さないと暴動起きるわな(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

100億パーセント唆るぜ、この作品は!

評価は観終わってからします。
ただ9月位まで色々とあるので作品が観れないのは辛いなぁ。
(2019:07/31執筆)
※(2019:12/14更新しました)

原作・ジャンプ掲載分全て。
アニメ・四話まで視聴済み。(30分アニメ)


うん、期待通りな展開で嬉しいですね。かなり好きな作品なので綺麗に表現してもらいたいです。

超!簡単に書くと…
普通な日々を、学校生活を過ごしていた『石神 千空(いしがみ せんくう)』『大木 大樹(おおき たいじゅ)』『小川 杠(おがわ ゆずりは)』。
そんないつもの日常生活が一変する。原因は分からないが【人類のみが石化する(一部ツバメも)】という事変が起きた。
…そこから数千年の時が流れ何故か『千空』と半年後に『大樹』の石化が解ける。
文明は滅び、建物等は腐って無くなっていた。
「科学は地道な探求」という持論を持つ科学少年『千空』はストーンワールドでどう奮闘するのか!?
…と、簡単ですが。

ここから下は隠してますがネタバレは無いです。視聴前+数話観た感想です。

{netabare}

最初この連載作品を見た時に思ったのが『マインクラ○ト』+『学生時代の理科や化学・科学』+ファンタジーと言ったとこですかね。
ちょっと能力部分だけを例えるなら『ダンガンロ○パの【超高校級の○○】』みたいな感じがありますね。『千空』も『大樹』も『杠』も『獅子王 司(ししおう つかさ)』もそれ以降に出てくるキャラも何かしら凄いです。(全部じゃないですがね。早くメンタリスト出てこい。)

この作品って番組後半にも注意書きが出てますが「やろうと思えば出来てしまう」という事。(危ないやつもあるので自己責任でやって下さい)
科学監修も『くられ』がやっている事。
数千年後なので緯度経度等のズレや人工で作られた自然は無くなってるというリアル表現。

料理も衛生面も武器も現象も全て科学でやってやんぜ!って感じの『千空』が面白く、でも合理的と言いながら甘いとこもあるキャラに惹かれました。


最初この作品を見た時は『大樹』が主人公かな?と思ってました。1話目観ると…ね。

『千空』役の『CV小林 裕介さん』はちょっとウザいキャラが似合う声優さんになったなと個人的に思いました(笑)

ちょっと『司』がキレ者過ぎかな。ストーリーの流れ的に仕方ないけど色々と気付くまでは良いとしても物体・物質等の知識も凄い。記憶力が凄いからか?
『司』の考え方は結構納得しますね。今の世の中の…、老害共が…、と、詳しく書くとつまらなくなるのでこの辺で。
ま、独善的な価値観って感じですね。

アニメではまだですがジャンプ本誌で書いてあった物を試しにやってみました。ある話数で『麺料理』を作るのですがそのレシピを試しに作ってみました。…作って、…(汗)
食用としては問題ないけど味が…、食感が…、薬膳としても…(汗)

ある飲料もいずれは試してみます。


これから科学で発展させたり、謎を解いたりと色々と熱い展開があります。現代社会にあるものがほぼ全て無くなった世界でどう『千空』達が行動するのか!?科学ファンタジーをお好きな方は是非!

個人的にはOP曲もED曲も合って無いかな?と思いました。

{/netabare}
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(2019:12/14執筆)

全視聴しました。ここから先の感想はネタバレ含みます。

{netabare}

いやー、結構楽しめました。
文明が無くなった世界で『マインクラ○ト』に『化学・科学』を駆使し困難を切り開いていく、ってのは子供心をくすぐりますね。

因みに『化学』は物質の性質ならびに物質相互間の反応を研究する、自然科学の一部門。

『科学』は一定領域の対象を客観的な方法で系統的に研究する活動。また、その成果の内容。特に自然科学を指すことが多い。

って感じです。どっちも読みが「かがく」なので分かりやすいように一般的に『化学』は『ばけがく』と言ってます。(千空も作中に言ってます。)


謎がかなり残ってますが1番気になるのは『石化』ですね。『千空(考えていた)』と『大樹(想っていた)』だけでも解け方が違うのに『杠』はもっと違う。『杠』は何も分からないと言ってました。『千空』とは違う。
『司』はすぐ順応してたけど解け方としては『杠』に近い。
さて、一応は『復活液』で石化が解けてますが条件が違う物で石化が解けてます。この謎はまだ原作でも解明されてません。
石化された理由・原理やなぜそうなったのかが非常に気になります!


『司』の考えは結構共感しますね。
権利や税、先に産まれて文明を切り開いた年上だからそれを敬え!って世界が気に食わない、浄化しようという考えは歳が若ければ若い程共感を得られるのでは無いでしょうか?
大体文明を切り開いたお偉い人なんて少数だろうに。

そうなれば意見は割れ、『千空』VS『司』みたいな構図は遅かれ早かれ出てくる争いの種になってるでしょうね。
人間を増やす、増えると考えも様々な物が出る、そうなると…ってね。



この作品は一応現代社会(連載された時は2017年)を題材にして石化しておよそ3700年後に石化が解けてストーリーがスタートしてます。
私は鉱物とか物質の経年劣化とかよく分からないんですが今から3700年後には何も残らないもんなんでしょうか?作中では青銅製の大仏は残ってましたけどどうなんでしょう?
一応前に見た科学ニュース記事では1000年単位の月日が流れるとほとんど無くなるとは見ましたが…。
CDやDVD等はちゃんと保存しないと寿命は20年〜30年って言われるし電子データも『M-DISC』以外はちゃんと管理しないと数十年で劣化・場合により消えます。
データはともかくここまで何も残らないのかな?ま、証明は難しい…というより無理でしょうね。見る事は不可能でしょうし。でもやはり気にはなります。


後は気候かな。現代社会でも計測しだしてから赤道は徐々にズレてるし世界的に気候も変わってます。
3700年後に日本に四季はあるのかな?と、疑問。
日本が気象情報を取り出したのは明治5年(1872年)から。たった150年しか経ってない統計データで異常気象とか言ってる気象予報士ってどうなん?って思うけどそれでも気候は変わってる。
確か現在(2019年)から約2000年後には今の北極星ポラリス(こぐま座α星)は北極星では無くなり、ケフェウス座ガンマ星【エライ】が北極星になります。(科学ニュースより)
そうなると地軸とかは今よりかなりズレてると思うのですが。地球の地軸は約2万5800年周期で微妙にズレてる計算なはずだし…。
ま、高卒の素人の疑問なんでそこまで対した事じゃ無いのかな。
日本であるかは作中の簡単な例で『杠』が石化してた場所で分かります。


個人的に好きだったのは食事ですね。
流石に『ねこじゃらし』を見て「よし、ラーメン作るか!」とはなりませんが(汗)
ただ発想力やこれをネタに持ってくるのは凄いと思います。普通思い浮かびません。
…味は …オェッ
私だったらストーンワールドにある物で味付けを変えるくらいか知ってる調理法で調理するしか出来そうに無いです。

結構食事に関する製品や家電製品って化け学・軍事転用で作ってるの多いんですよね。『レーダー』=『電子レンジ』とか有名なのはナポレオンが採用した『瓶詰め』のちに『缶詰・レトルト食品』が作られる。面白いのはお掃除ロボット『ルンバ』は『地雷探知ロボット』だった等本当に面白い。
だからこそ私はこの作品が好きだし食事のエピソードであの発想力は痺れました。
『パクチー』『炭酸水』『ハチミツ(焦がしたカラメル)』『ライム』で『コーラ』は私も試しましたが『コーラ』でした。
ただパクチーが苦手なのでそこがちょっと(汗)
個人店で料理を出してるとこにはたまに自家製のコーラやジンジャエールとか出してるとこもあるのでこーゆーのは簡単に作れるんですよね。
…今度は『炭酸水』を作るとこからやってみようと思います。

もしこの作品のようなストーンワールドになったらお酒よりコーラとかジンジャエールとかの嗜好品の方が重宝されそうだなぁ。多分。


ストーリーを観て思ったのが70億人の復活は出来るかもしれませんが、1番ムリゲーなのはストーンワールドから現代社会の技術まで復活させられるかどうか。
ほぼ無理だと思います。科学ニュースでも取り上げられたのを見た事があるんですが、鉱石やエネルギーや資源など取りやすい所から取ってしまってる為に作るのが困難なアイテムや不可能になるものが出るそうです。簡単に言えば取り辛いとこまで行かないと行けないからって事です。
『スマホ』が現代社会ではかなり普及してから『砂マフィア』が砂を乱取りして砂不足、枯渇してるそうです。サハラ砂漠の砂を使えば?と思うかもしれませんがサハラ砂漠の砂はスマホやガラス、電子機器や鋳型等を作れません。ある成分が入ってないのと丸くて小さ過ぎるので。

こーゆー問題があるなか『千空』がどうやって復活させて行くのか、楽しみで仕方ないです!
『千空』で完結させるのか、何世代も掛かるのか、どうなるのかな?


{/netabare}



合理的だけど非情では無く甘さのある『千空』、そこは結構人間臭くて好きですね。『コハク』と『クロム』との絡みも良いし『大樹』と『杠』との関係も熱い!バトル部分もジャンプらしい。
次回予告の理科の実験みたいなんはとても良かった。

少し設定に疑問点もありますが全て完璧な作品は無いと思います。

第2期が1期放送後に制作決定が発表されました。
『千空』の言葉を借りて「唆るぜ、2期も」と締めようと思います。
長い感想を読んで頂きありがとうございます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

64.4 3 災害で未来なアニメランキング3位
紅殻のパンドラ(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (361)
1842人が棚に入れました
先進国では、一部ではあるが、サイボーグや自律ロボットが一般に出回り始め──
戦争や災害をはじめ、世界はあらゆる災厄に覆われ、救いをもとめて人々がさまよっていた時代。
これはそんな時代に──全く関係なく、『彼女が、彼女に出会う物語』

声優・キャラクター
福沙奈恵、沼倉愛美、田中敦子、森田順平、松田颯水、村川梨衣
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

TEXHNOLYZEのカウンター作品 と言えなくも無い(汗)

 思うところ有ってテクノライズを再視聴してて、若干設定面では差異はあるしその視点と未来への展望は対極では有るものの肉体の置き換えという部分に関しては意外と近い作品だなと感慨深いものを感じたので点数見直します。
片や理想郷、片やディストピアの極みですが比較すると結構面白いですw
セナンクル島{netabare}(後のオリュンポス){/netabare}
と流9洲{netabare}(統括第九小地獄){/netabare}とか。
もっとも対比ならば流9洲じゃなくて地上かもですが・・・

島の通信障害による混乱と、流9洲のオベリスクの機能停止とか。

 全身義体(無機質サイボーグ)とシェイプスの表現の差に至っては、作り手のビジョンの違いが明確すよね。
士郎作品は最早人の姿に固執しなくなった時代のサイボーグに関してもブリアレオスや双角等とても愛嬌が有るデザインなのに、シェイプスなんて虫の腹みたいなのがぶら下がった骸骨すもんね。とても不快なグッドデザインだと思う。
(ジェイムスン型サイボーグの阪華精機社長とかも攻殻にゃ居ましたが、葉巻吸う姿がラブリーですしね)

んで福音と違って、ある意味スタンドアローンの極みとも言える櫟士w


 テクノライズは記憶の外部化・自我の境界云々に関しては物語には盛り込まれてないですが、紅殻は電脳化・義体化と言うテクノロジーに対して(戸惑いはありつつの)とても前向きで希望を感じさせる世界観が私は最高に心地良かったんですよね。その点では無二の作品なのは間違い無い。
そこは士郎正宗作品全般の事であって紅殻の特色ではないかもしれませんが、其処を示唆する表現は多分に盛り込まれていた作品であったにも関わらずほぼスルーされちゃってるっぽいのがこの作品の不幸と言うかw
{netabare}
 10歳で肉体を失った少女が元の肉体の動かし方を捨てて「しっぽをふるように」「はねをはばたかせるみたいに」全身義体に対応し、「はじめてものをみるみたいに」システム補助無しで情報の海にダイブしてゆくこの時代では常識を外れた驚異の適応者と言う側面。

「初めて歓迎してもらえたよ」「私は私を(両親以外から)もらったの」
最先端の技術で社会や周囲のおかげで"生かされている"現実と負い目。常にロボットと間違われる疎外感。

 そしてクラりんから問いかけられる"力の行使と持てる者の義務"
未来を作れってのは士郎正宗作品にはよく出てくる言葉ですし、攻殻新劇場版のラストでも引用されてた部分ですが、この作品にもきちんと盛り込まれている。
{/netabare}

 汲み取ろうと言う気さえあれば、哲学的とは言わないけど十分中身の有る作品だと思うんですけどねぇ。まぁこの手の意見は多勢に無勢なのは判ってるつもりですが。
パンドーラデバイスのアクセスのシーンがエロくて気に入らないという事ならば、ドラえもんの四次元ポケットにのび太が手を突っ込んでると置換えて見る事をお勧めします。

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以下、視聴時のレビューです
{netabare}
最終話視聴。
 アニメとしての総合的な質と言う点では、正直駄目な作品とは私も思ってます。お勧めもしません。
ですが個人的には今期一番楽しませてもらった作品でした。本放送中の期間に何度も繰り返し観返した作品は久しぶりですし、原作も何度も読み返しちゃいまして。正直見る気の無かったARISEの円盤買う切欠にもなりましたし。

 設定面も士郎正宗作品に馴染んでいないと"あぁ"とすら気付けない所も多々ある為、攻殻→アップルシードに連なる作品では無く単独の作品として見た場合は面白味の無い話と思われるのも止むを得ないかと。
"光学迷彩では無く熱光学迷彩"とか、クラりんのナイフ夜龍・灰虎の"MADE IN P.I.A"の刻印とか、普通はスルーしちゃうと思います。そもそもクルツの背後にポセイドンが居ると言う点ですら、士郎作品観てなければ「何ソレ?」で終わっちゃうでしょうし

 絵に関しても残念すね。低予算だったでしょうし、名和監督自身がCGを生かしたメカ物作品の経験が無くて色々と相談しながら作ってた旨を公言してますもんね。アクションのスピード感も欠けてるし、かんたんクラりんとは別にマンガ的記号に頼ったとこも多い。
そこは個人的には止むを得ないかなと割り切って観てましたが、それ以上に残念だったのはコメディとしての印象を左右する大事なシーンを再現しきれなかった点が多かった。代表的なのがフィアーの目前での変身シーンの"場違いな面白さ"をクルツの怒りと部下の赤面だけで済ませちゃった点とこですかね。
日常系等で女の子をかわいく見せる点では手練れだったであろう制作側の良改変も有りましたから、痛し痒しのトコは有ると思いますが。猫王子のトコは良かったですね。「耳に触っていいニョ」のトコは声優の沼倉さんが声変えたのもあってバカバカしくて良かったかと。

 原作とのラストの展開の差異の大きさは正直残念でしたが、制作時期的に原作無しの状態だった訳でその点を加味すれば無難に纏めたかなと思います。
距離を置いて見ればアニメとしてのクオリティも高くは無く、中盤の昔の魔法少女モノみたいな部分が無駄回に思えても仕方のない1クール内の構成の悪さから世間的に低評価も止む無しですね。やはりニッチ過ぎたと思います。
本来ここでの評価点を付けるとすれば低くすべき作品とは思いますが、個人的な思いで高い点付けちゃいます。


原作と比較しての不満点ですが

・福音の全身義体故の世間に対する引け目がさほど表現出来ていなかった。
原作もけしてその点に関しては表現は多くないですが、アニメでは誇張すべき要素だった気がします。全身義体の可能性の裏の側面として"高度なメンテが有ってこその体"という社会への感謝と恩返しが福音の社会への貢献と世界平和への願いの根の一つですので、表現が皆無では無いですがもっとアピールすべきだったかなと。

・クラりんの福音に対する認識
原作では事件の終息後に、福音との共同作業が自分の計算上は不可能な事を可能とした事に戸惑い「・・・ありが・・・とう・・・」とやっとデレるんですよね。アルゴリズムでは生まれ得ないノイズとしてゴーストの発生を匂わせている。
アニメのラストも悪くないですが、クラりんのアンドロイドとしての書き方がかなり人寄りかなと。福音も本来彼女たちには目の洗浄液でしかない"涙"を流して泣きますし。
多分、制作側の方々はあまり士郎正宗作品思い入れは無い気がします。
福音達を尾行してたゲルツェコマの光学迷彩を"熱光学迷彩"と言わせた件はweb上でも色々指摘されてましたし。私もアレは台詞のミスだと解釈しました。

・ロバートとの共闘と太鼓の達人・キノコとタケノコを描けなかった。
アニメの制作時期的には原作と併せる事が出来なかったのは止むを得ないんですけど、やはり原作では福音のチート能力の最大の見せ場でしたしロバートが事態収束の当事者の一人としてこそ前段の繋がりが生きたと思います。

福音「これだーーーーーって、私の何かが囁いたんですよーーーー!!」
クラりん・ロバート・クルツ:「お前は一体何を言ってるんだ・・・」

をアニメで見たかったんですよね。福音役の福さんもキャラにマッチしてましたし。
このアニメをコメディとして観るかSFとしてシリアス多めで見たいかは個人差有るかと思いますが、私は終始コメディで通して欲しかったです。


実は今期アニメに関しては、コレにご執心過ぎて他のアニメがかなり印象薄いです。私、かなり趣味が変かもですねw

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10話視聴
 正直、残2話だと原作通りにクルツとの決着迄を消化するのはかなり厳しいような。公式HPにもアニメのオリジナルの展開になる様な事書いて有りましたが・・・
OPから予想すれば目だけ書かれてたランドメイトとの戦闘は要れるでしょうし、当然クラりんへの電子戦闘支援も外さないでしょうから。
描かれていない福音のシステム補助無しでのシステムのハックを削るのだとしたら、一番攻殻らしいシーンだけにガッカリかも。11話のサブタイからすると外さないでしょうが(汗)
 個人的には原作終盤の展開が好きだったもんで、あのヒドいオチも含めて原作に忠実にやって欲しかった気はします。

それにしてもニッチなアニメすね、ホント。好みにカスリもしない層が多いのも止むを得ないというかw
私は今期手をつけたアニメでは、質は別の話として一番好きです。

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8話視聴
 今期の一番のお気に入りですので、何故かマメに書きたくなっちゃうと言うか。今期は他にいい作品いっぱいあるのにコレが一番好きな自分は変わり者だなとは思うんですけどね。恐らく円盤の売り上げも撃沈でしょうから、私は買う事にしましたw

 こういう各話の内容の書くのって個人的には好きじゃないんですが、ちと判り辛い回だった気もするので敢えて。流し見でなければ判る程度の事ですが、この作品の場合真剣に観て貰えてない可能性高そうですし(汗)

・火災の原因はクルツのハックで"くしゃみした"ブエル(大)の荷電粒子砲。
もしかすると敢えて火災とラストのシーンの関連の表現は次回に回したのかもしれませんが、人によっては紐付けできなくて訳ワカメにしか見えないような。
ブリ(ドカーン)のノース君の着ぐるみがなんで突然燃えだしたのも、原作ではこの時点でちゃんと火線が絵に描かれてるんですけど・・・・

・デパートの売り物だった耐火布をクートゥリエのスキルで袋にしてその袋に入って身を守り、周りが見えない袋の中から電動カートと携帯ゲーム機と自らの機能を利用して視覚情報では無く音響情報(エコー)を視覚化する事で移動。

・取り残された子供に、全身義体(サイボーグ)の福音は自らの体内残留分の酸素で人工呼吸。
福音は脳だけ生身ですので、本来必要な酸素は脳の維持分のみで済むため僅かの酸素しか必要でなく1話も含めこのような過酷な状況で1時間程活動が可能。
しかし、そのわずかな量を通常の人間に供給したため急激に残量が減った。
クラりんはアンドロイド(ロボット)なので酸素が無くても活動が可能の筈(1話は海底でタンク背負わず調査活動)
ただアニメでは酸素ボンベで吸引してましたね。原作ではクラりんは吸ってるシーンは無いんですが。多分ミステイクかなと。

・耐火布の袋に風船用のヘリウムガスを貯め、地上にダイブ。
そのまま地上に落下するにはロバートが言ったように速度が出過ぎだったが、議長のリムジンの屋根に着地した事で変形のエネルギーを利用して緩衝した。でも原作ではその前に建物の壁を蹴る事で減速もしてるんですよね。

 通常の人間では無理だがサイボーグである福音とアンドロイドのクラりんだから出来る事(可能性)とは何かがこの作品の総体のキモの一つであり、その意味でわざわざ他の"料理の鉄人""ジャグリング"等の「便利だね~」程度のスキルを前半でやって"人形遣い"とこのエピソードを話の山場のクルツとの対決の直前にこのエピソード持ってきたんだと思いますが。
 けど、流石に1話の短い尺で原作の絵の情報量を全て詰め込むのはこのエピソードに関しては苦しいかも(汗)
ブリ(ドカーン)の突撃インタビューや議長の抱えた"大きな問題"のシーン自体は話の本筋には無駄ですが、彼の政治家としての暗部の表現のシーンでもあるので削れなかったんでしょね。

 クラりんのロジカルで合理性を優先する思考と福音の人間的行動原理の話でもあった回でしたので、ラストのクラりんが自らの判断を誤りだったと認めるシーンを原作より長めにしたのは好印象でしたです。

 初期の原案でも阪神淡路の被災者である体験からか、基本的な緊急救命を盛り込んだ作品にしたいと言う思いは有った作品らしいので、ある意味本作らしい回ではあったのかもですね。
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7話まで視聴
 相変わらずアニメとしてのクオリティはアレだと思いますが、私的には今期のアニメで何度も繰り返し視聴してるのはコレだけでして(汗)
原作も読んじゃったので今後の展開も判っちゃってるんですけどね。
恐らく大半の方が何の面白味も感じないと切ってるんでしょうし、その気持ちも判りますホント。
この作品を脳内変換してでも楽しむ気持ちでいないと、アホらしくなると思います。今期だと小麦ちゃんRに近いかもしれませんねw
この後8話の火災の話以降は結構派手な展開なんですが・・・
もちっと金掛かった作りならばとも思わないでもないんですが。

 この作品のせいで久しぶりに士郎正宗熱が上がっちゃったもんで、14年発売のPIECESGem01買っちゃいまして。
本作に関しても言及されてまして、別にアニメのネタバレには当たらないと思いますが
やっぱりオリュンポスに関連してましたw
初期設定ではオリュンポス形成の初期実験の物語として設計されてたそうでして。もっともマンガの六道氏がそれを使うかは別な話なんでしょうけど。
7話の福音のお勉強のシーンでの講師のお話もよ~く聞くと、士郎正宗ファンなら「やっぱりそういう時期ね」と納得なんですよね。

webで見ましたが日常系が多い名和監督自身は自らこの手のSFは畑違いと思われてたとの事で、実際魔法少女モノ風にアレンジする事も視野に入れてたみたいですが・・・
にしては意外と士郎正宗の原案と言うものを大事にされてるんだなと感心したのと共に、であればこそ士郎正宗のマンガのテイストが感じられるんだなと納得しましたです。もちろんマンガの六道氏が有っての作品だと思いますが、"アニメの攻殻"という商売に染まってないカドカワと制作会社で作られた事の福音なのかもですね。

士郎正宗の読み物なんて攻殻2.0巻読んで以来なんですが、PIECESGem01読んでアニメの攻殻って色んな意味で色々有った作品なの知って「あぁなるほどね」って感じでして。正直、押井版も含めアニメとしての出来は別として"コレ、士郎正宗じゃねぇよね"と言う違和感感じてたのは私だけでは無い筈。
 紅殻のパンドラと言う作品が変化球なのは間違い無いですが、こういう形でもテイストを継承した作品が出てきてくれた事が嬉しく思います。

もっとも、今でも士郎正宗って名だけでときめくなんてのは古い世代だけなのかもですが(汗)
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意外と原作に書かれて無い部分足してたりするんですね。

原作は現時点7巻でフィアーとの戦闘のクライマックスで、これでほぼ一区切りかと思ってたんですが。
OP見てて気付いたんですが、クルツの背後にフィアー以外の目が光ってますよね。ラストに更にもうひと山作るって事なんでしょうか?(汗)

 個人的には今期のアニメで一番好きで観返すのも多いんですよね。
別に賛同求めはしませんがw
アニメの1作品としての出来云々で言えば低評価なのは納得なんですけど、個人的にはこういうのツボなんすよね。

世界でこの時点で10人と居ない適合者の福音が"肉体の代替品"に留まらない全身義体のその可能性をパンドーラデバイスと言う"最高のスキルの取り込み"で更に広げるってプロットが正に士郎正宗というか。電脳化が世界を変える新技術と言う認識は有っても未だ倫理的に抵抗の残る時代と崑崙八仙も劇中で言ってましたし、私は今となっては大昔の本のアップルシード・データブックの年表読み返したりして楽しんでます。
本作の段階では連合・米帝の大戦中の様ですが、ムンマ教国の台頭の時期且つMMによる"日本の奇跡"の前なのかなと思って観てるんですが。劇中の宿題の職場訪問のエピソードで浮遊MM云々なんてセリフも有りましたしね。
セナンクル島って意外とオリュンポスの原型だったりするのかな~とか思ったりして。ガチの士郎正宗ファンの方の見解聞きたいすね。
 んで、そんな士郎正宗の世界の中で繰り広げられるサイボーグの福音とアンドロイドのクラりんのユルい百合とブエル(小)の暴走というギャップが堪らないw
フィアーとの戦闘ですらアレですしね。
 士郎正宗のお膳立てだけで楽しめる人にはナカナカな御馳走だと思うんですが、そうでない人にとっては雑な三流以下でしかないというニッチな作品というかw
 
 別にクラりんのデフォルメで作画リソース節約は私は気にしてないんですが、義体の関節部分を線足しだけで済ましちゃってるのが残念なんすよね。
もうちょっと手間かけて欲しかったとは思います。2ndGIGの素子の少女時代と見比べるとガッカリ。
作画金掛かってたら個人的には円盤迷わず買ったんですが・・・

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 面白そうなんで原作読みはじめましたけど、士郎正宗自身が自分の作品の色では今時はウケないからと六道氏にお任せって感じなんすね。マンガ本編と士郎正宗のあとがきのテイストの違いが変な感じw

部分義体に出来る事の限界と全身義体の可能性の違いとかってアップルシードの頃から書いてたし、スキルの外部記憶化というパンドーラデバイスとの相性の良さなんて要素もとても士郎正宗っぽいすよね。
(そいえば無彩限のファントムワールドでも3話で外部化された記憶・体験の共有ネタやってましたね)
崑崙八仙の傘下の企業の名前もメガテク・セブロとかお馴染の社名出てきたり、マンガの方では福音がヘカトンケイルシステムの実験させられてたりするし。
そういう懐かしさもあって、なんか個人的には好きなんすよね~。

 自称"魔界の哲学者"ブエルも五本目の脚がイイ味出てるし、かわいい全身サイボーグとロボットのコンビでユルい感じってのも個人的には好きなんでその気に入った気持ちを評価に反映します。

まぁ明確に"彼女と彼女の出会いの物語"と深~い話じゃ無い事は明言してますし、客観的にアニメの出来として観れば切る人多発なのは納得ですんで私もお勧めはしないですけどねw
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 個人的にはなんかカオスな出来が楽しい気がするんですよね。お勧めはしないし多分切る人多発だろうけどw

絵も動きも雑だし変なアニメなのは間違い無いんですが、意外とドミニオンのマンガにテイストに近い気はします。コンフリクト編じゃなくて初めの方ね。SFベースのドタバタ劇と言う点で。
まぁ本作品自体の原作は士郎正宗では無い訳ですが、マンガのドミニオン・オリオンが有りの人は別に抵抗無く見れると思いますけどね。

何度もくどいですが、お勧めはしません(汗)

士郎正宗というとアニメの攻殻・アップルシードというイメージの人は耐え難いかも。
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 攻殻以前との話ですので、古い世代の士郎正宗ファンなもんで個人的には期待しちゃうんですけど最近はエロばっかですしねw
全身義体(無機質サイボーグ)の黎明期のお話みたいなので、希望としては攻殻→アップルシードの流れに繋がるミッシングリンクがちょっと埋まる作品だと最高にうれしいんですが・・・多分ふつうに萌えですね(汗)

まぁ別にかわいくて面白ければOKかなと。
1話目の印象は絵は崩れないけど、電車や船等のオブジェクト動きがイマイチすかね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

stodio五組最新作!今回もゆりゆりしてます!でも実は・・・

攻殻機動隊のスピンオフ作品です

・・・と聞いて興味が湧いた人は残念ながら向いていない可能性が高いです
おそらくレビューで呪いの言葉を吐露することになるでしょう

逆に攻殻と聞いて硬派なSFはちょっと・・・
と敬遠しようとする層のほうが
どちらかというとこのアニメに順応しやすいと思うのですが
そういう人たちは0話で切ってたりするんじゃないでしょうかね?

原作士郎正宗とか攻殻機動隊スピンオフとか
そういった情報よりももっと端的にこの作品を表すステータスは
レビュー題の通りです

咲の製作中に母体のGONZOが吸収合併された際に独立
以来Aちゃんねる、きんもざ。ゆゆゆと
ヒットさせたアニメはどれもソフトな百合描写を含むものばかり
今回もその流れを汲む作品で
そこにSFバトル的な味付けが添加されていると思えば
まぁ大体この作品の大雑把な方向性がわかると思います

しかし、主人公の七転福音(ねね、以下福音)は事故の影響で全身義体で
脳核以外は全て機械になっています
ヒロイン(?)のクラリオンはもともとアンドロイドなので
そこに萌を見出すのは
俗にいうピグマリオン・コンプレックスにあたるのでしょうか?
さらにくらりんには猫耳メイドとかいう属性までつけたられており
さすがにいろいろやり過ぎ狙い過ぎに感じる面は否めず
そういう意味でレベルの高いというか適合者を選ぶ作品なのは確かです

しかし二人の機械設定のおかげで
湯煙規制0のシャワーシーンや下着描写
さらには、くらりんの股間に福音が指を挿入するシーンが毎週のように流れたりと
生身の人間だったら絶対NGなレベルのシーンが
堂々と放送されているのにはびっくり
パンツじゃないから(以下略
的な発想ですね
こやつら天才か!

もし仮に誰かがこれに性的過ぎると苦情を入れようものなら
その人は自分がお人形に欲情する変態さんだと宣言しているようなものです
昨今。アニメの肌色が厳しく規制されるなかで
これだけ全裸の女の子を堂々と描くアニメはなかなかありません
よく理解していない人から見れば福音もくらりんも人形かもしれませんが
クラリオンはともかく福音は歴とした人間の女の子ですからね!

いやしかし、よくよく考えてみると福音は本当に全裸と言っていいのでしょうか?
全身義体というのはいわば究極のウェアラブルPC
つまり本来の彼女の全裸は脳核だけの状態であり
全身義体を着ているのだと考えることもできます
だとすると全裸どころか
フルメタルアーマーもびっくりの鉄壁の防御で
彼女の裸はガードされていることになります

はたして義体は彼女そのものなのか?
それとも義体を身に着けているだけなのか?
これは非常に難解で哲学的な命題でもあります
すなわち自分と世界の境界線は何処に線引きされるべきなのか?
はたして自己とは一体何なのか
人類はいまだにこの究極の問いに普遍的な解答を見つけることができていません

古来人類は、精神と物質をはっきりと分離せずに考えていました
万物に魂が宿るとする日本のアニミズムでは特に顕著ですが
それは日本に限ったものではありませんでした
近代科学はその二つを無理やり引きはがすことで
現在の物質文明を築きあげてきましたが
ここにきて精神もまた物質世界の一部としてメスを入れられる時代が到来しつつあります

その一つが脳波入力インターフェイス
つまり心の中で念じるだけでいろいろなデバイスを操作できる装置です
実際に脳波でキーボードを入力したり、ドローンを飛ばしたり
といった実験にはすでに成功しており
一部は実用化されています
しかし、この装置の扱いはなかなか難しく
何も練習せずともすんなり動かせる人もいれば
幾ら練習しても全く動かせない人もいるようです

作品世界に話を戻しましょう
こちらでも似たような話が出てきたのを覚えていますか?
発展途上の技術全身義体
福音は世界でも希少な成功例
適合者(アデプタ)の1人だそうな
幼いころに難病を患い電脳化し
10歳の時事故に巻き込まれ両親を失い全身義体となった彼女
機械の身体を自分の身体と認識し駆動する能力は
生きるため全てを奪われた少女が
生きていくために身に着けた、たった一つの希望です

11話で彼女は {netabare}自己の定義をさらに拡張し
基地のシステムをも自身の一部として取り込んでしまいました

あるけどわからない・・・昔と同じだ

わからない

わたしがあるけどわからない

1からやり直したらいいんじゃないかな?
1番初めの最初の最初から

生まれて初めて体を動かすみたいに
生まれて初めて物を見るみたいに

近くて遠いたくさんのきらきらした何か

なんだろう?一度にたくさん見えてるのに全部わかる
{/netabare}
彼女の世界認識は自他の境界が極めて曖昧
あるいはそもそも存在しない主客未分の状態にあるようで
拓美もそれをどこまで見抜いているのかわかりませんが
「福音ちゃんの世界観は興味深い」
と評しています

このアニメを低俗で悪趣味な萌アニメだと思っている人達がいるようです
悪趣味な萌アニメという部分に関しては何も返す言葉はありませんが
これだけ科学的・哲学的に最先端の話題まで踏み込んだ作品を
低俗の一言で片づけるのは
受け手の見識が低すぎるだけのように思います

実際には作り手サイドにそんな深遠な主張などなく
私の個人的見解というか無理やりなこじつけただけの妄言ではなないか?
と疑っている方もいるかもしれませんので
11話のアレが作品の主題であるという証拠を上げておきましょう

もともとこの作品はGHOST URNの題名で士郎正宗が企画し
攻殻ARISEのキャラを登場させ
ARISEの数年後を舞台にした作品となる予定でしたが
企画そのものがいったん没になり
再始動する際に色々な変更点が加えられ今の形となりました
GHOST URNという単語はこの作品のルーツであり
物語の核心に最も近い部分です
そして11話のサブタイトルが
「心の在処 -ゴーストURN-」であることを考えれば
このアニメが精神と身体の関係をメインテーマにしていることは
だれの目にも一目瞭然ですね

しかし、硬派なアニメファンの大半は
11話までたどり着かづに脱落するか
低俗なクソアニメと決めつけてちゃんと見ていないでしょうし
逆にこの作品をメカっ娘たちの繰り広げるレズレズアニメ
として観ている変態紳士の皆様方は
そんなメッセージ性をそもそも求めていなかったりで
どれだけの人にこのテーマが届いているのか
正直疑問に思うところではありますねw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「世界平和は小さな親切の積み重ね」

この作品の原作は未読ですが、原作が士郎正宗さんである事、「紅殻」と「攻殻」の読みが同じことから何か関連はあるんだろうとは思っていましたが、それ以上突っ込む事はしませんでした。
後から「攻殻機動隊」好きな友人から教えて貰いましたが、この作品は「攻殻機動隊」より時代設定は前なんだそうです。
それでも「全身義体」のキャラは登場しますけれど^^

この物語の主人公は、脳以外の全身を義体化した七転 福音(ナナコロビ ネネ)。
彼女は遠い親戚である崑崙八仙 拓美(コロバセ タクミ)に引き取られてセナンクル島にやってきたところ、ウザルという女性科学者に遭遇し・・・いきなりブエルと呼ばれる巨大兵器の暴走トラブルに巻き込まれてしまいます。

でもそこで福音はウザルが製造した戦闘用アンドロイドであるクラリオンと運命的な出会いを果たし・・・物語が動いていきます。

物語は大きく2つの流れで動いていきます。一つは福音とクラリオンの日常パート・・・もう一つは巨大兵器であるブエルを我が物にしようとする輩が秘密裏に動いていくパートです。

ブエル絡みの展開は、身体の各部を義体化した敵との白熱したバトルやいかにも電脳系・・・という感じで物語が進んでいくので、こちらも息を呑む感じなんですが、個人的に圧倒的な面白さを感じたのは日常パートです。

「夢が世界平和」という福音は自己犠牲も厭わないスタンスで人を助け、それをクラリオンがサポートする・・・一つ一つの出来事は大きいことばかりではありません。中には命の危険を賭して人助けを行ったりする事もありましたが、公園での炊き出しの手伝いなど些細な事でも心が温かくなるような一幕を見る事ができるんです。

でもセナンクル島の住民は決して善人ばかりではありません。
例えばこの時代、アンドロイドは高価なモノとして盗難事件が起こったり・・・
福音とクラリオンは全身義体・・・きっととんでもなく高価なんだと思います。
それでもそんな悪党に屈する二人ではありません。
詳しくは本編で確認頂きたいと思いますが、キーワードはパンドーラデバイスです^^

セナンクル島に住むのは善人ばかりでは無い・・・と先述しましたが、ちゃんと善人も住んでいます。根が素直で正直な福音の周りに集まるのは、心優しい人達ばかり・・・

義体って・・・部分的でも動かすのが難しいんだそうです。
全身が義体化された身体を普通に動かしている福音はきっと過酷な訓練と調整に耐えてきたんだと思います。
皆んなが福音の様に義体を動かせる訳ではありません。
でも、病気やケガで身体の機能の一部を失って・・・これまでと同じ様な生活が送れなくなる・・・
それが義体を使うことで日常が取り戻せるなら・・・頑張りたいと思いますよね^^
福音の分け隔てない優しさも相まって、そういう「これからの人」に対し福音は希望だったと思います。

一方、物語の中で良く分からなかったキャラもいます^^;
一番分からなかったのが、福音の遠い親戚である拓美ちゃんです。
まず彼女の口調・・・これまで様々な口調を聞いてきましたが、語尾に「〜だや」を聞いたのは今回が初めてだと思います^^;
「何故、だやなの・・・?」
正直言いにくいと思います^^;
それに普段の生活において出不精なのかそうじゃないのかが不明ですし・・・^^;
でもクラリオンへの足枷は・・・クラリオンにとっては厳しい条件でしたが福音の事を思う親心なんだろうな・・・と思いました。

色々書きましたが、基本的に福音とクラリオンが普通に可愛いので、愛でながら視聴していると30分なんてあっという間に過ぎてしまう・・・そんな作品だったと思います^^

オープニングテーマは、ZAQさんの「hopeness」
エンディングテーマは、七転福音、クラリオンの「LoSe±CoNtRoL」
EDの制作もZAQさんでした・・・OP、EDともZAQさんらしい曲だったのではないでしょうか^^
リフの曲調がちょっと難しいけれどサビが抜群に格好良い・・・そんな印象です^^
個人的にはEDのサビのメロディが好みでした^^

1クール12話の作品でした。「こうかく」の文字が変わるだけで作品の雰囲気が全く別物になっていましたが、この作品も毎週の視聴が楽しみでした。
「ガール・ミーツ・ガール」の物語・・・良かったと思います^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

63.5 4 災害で未来なアニメランキング4位
RD潜脳調査室 アールディー(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (274)
1690人が棚に入れました
2012年、フリーダイバーの波留真理は、建設中の人工島沖合で観測実験の最中、「海が燃える」現象に遭遇し、49年間も昏睡状態に陥った。2061年、長い眠りから覚醒した波留は81歳の老人となり、車椅子生活を送らざるを得なくなった。そんな中、波留は旧友・久島永一郎によって、メタリアル・ネットワーク(通称:メタル)の情報を調査する、電理研外部委託調査員に任命される。メタルは、安全で人々の欲望を満たす一方、現実世界(リアル)の世界に歪みが生じたからだ。こうして、波留は蒼井ミナモとバディ(英語で『相棒』の意)を組み、メタルとリアルの間で起きる事件や謎を追う事になる。
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

堅い雰囲気だけど、中身は温かないい話。

見終わった。落ち着いた感じで、好感。面白かったな。
この作品、日常のパートは「イヴの時間」が好きな人にお勧めかも。
堅い雰囲気ながら人情味あるエピソードが語られる。見せ方が控えめで品がある。
女の子のスカートの短さとムッチムチ感は徹底してるけど。男は痩せマッチョ。

ずっとIT関連なお話が続くのかと思ったら、自然環境の要素が入ってきた。海から始まった物語、そこに意味があったようで。

地球律。
災害をもたらすような気象変化は、地球が自らバランスを保とうとして自然の流れを巻き起こす、陰と陽のような影響で起こるのではないかという考え方。人間のもたらした人工的な自然への施術が、より大きなぶり返しを呼んでしまう、という。
怖いですね。実際ある気がする。

主な登場人物
{netabare}電脳空間の捜査を行うハルさんと、ハルさんによって「パートナー」と位置づけられる福々しい女子高生ミナモちゃん、補佐するグラマラスなアンドロイド、クールな顔して世話焼きなミナモ兄・ソウタ、ハルさんと同じくらいの歳のはずなのに、見た目も若いままの怪しい科学者…などが主に動く。 {/netabare}
次第にそれぞれの意外な面や、やはりな…とシミジミさせられる面など性格に説得力のあるエピソードが登場し、どんどん好きになってます。

ソウタとホロンさん、ホロンもどきの健闘シーンの作画がかっこいい。
ソウタ、面白かっこいい。
「精神統一の鍛錬には自信があります!」と明朗に言って、直後に女性のお色気?に仰け反ってしまう。(詳しくは見せないのが、この作品独特の紳士的なところ)
{netabare} 年上愛人とのねんごろ具合 {/netabare} はシティハンター過ぎるところもあるけどねっ!しかも {netabare} 書記長をモデルに作られたホロンさんに思いいれちゃった流れには {/netabare} びっくらこいた…これも純愛…なのか。


{netabare} 久島博士が、何故音楽をやめたのか?音楽に必要なものは…という流れで
「愛だ。」と言い切って、ハルさんが「エッ」ポカーンとする、ちょっと離れたアングルから見せるシーンの距離感、好きだな。

アンドロイドホロンさんの一瞬の涙とか、着なれないメタルスーツで必死になるミナモちゃんとか、冷静な描写の中にグッとくる温かさが潜んでる。

「愛だ」がまさかラストまで関連してくるとは。
最終回の海とメタルとの定義はサッパリ解りませんでしたが…{/netabare}

ナイスガイ過ぎる久島博士からの最期の贈り物で、みなもちゃん、ハルさんとの歳の差が縮まったね。やったね。夢のようなラスト、二人には幸せになってほしかったので、おめでとう…。



ビーフストロガノフの隠し味に梅干し!へ〜、すごい。そんなん作ったことないけど…
{netabare} そういや料理研究家・辰巳芳子のレシピで、{梅干しの種+焦がし玉ねぎ+昆布+醤油} を煮るとコンソメスープが出来るというのがある。これは不思議に、本当に簡単に出来る。お勧め。 {/netabare}





以下初めの頃〜中盤までのレビュー


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おすすめレビューを読んで気になったので観ました。今12、3話辺りまで。堅い感じで面白いです。

爺さんが主人公。
頭脳は青年、潜ればマッチョ、陸に上がれば要介護白髪爺さん。
海洋調査の事故で少し寝て起きたら、浦島太郎状態になってしまった…ハル爺さん。
遥かに技術の進んだ「電脳の海」に潜脳捜査に入ることで、事故時の若々しい姿へと戻ることができる。
年の功を漂わせる(実際は歳をとってないわけだけど)ハルさん。案外モテモテ。元々、紳士な性分なんだろうね。変態の付かない正真・紳士です。
失った時間についてあまり深刻な様子は見せないけれど、この先、深い話が出てくるのかな?眠ったことですれ違ってしまった女性との話が切なかった。


男性も女性も、肉体描写の立体的なデッサンが巧い。
アニメのよくあるスレンダー体系が好きな人からみるとちょっとムチムチし過ぎかもしれないけど…。
何かこう、知性を感じさせる豊満かつ的確なデッサンの線質だけでなく、動きに重みがあるんだ。女性のお尻の重みとか、コダワリを感じる。もちろん男性の拳闘シーンも、軸と重みの遠心力?のあるような、観ていて気持ちいい動きだよ。


ミナモちゃんの役割
電脳化していない姿で自然体で物語と関わってくれるので、周囲との差異が視聴者に伝わり易い。慣れない電脳スーツでハルさんを迎えにヨタヨタ来た姿は、グッときちゃったよ…。
ミナモを見る時のハルさんの瞳が何とも言えない。慈愛というか…聖人的な。
対してミナモがハルさんを想う時のポッ…と赤らむ感じは、何というか清楚なのに煩悩を漂わせてますな。スカート、ギリギリだ!頭の上の大きなリボンが外れてる時の方が、かわいい。あのリボンはダサい。

ソウタとお父さんの、食をまじえた話も、よかったなぁ。
研究気質一本に走っていたお父さんが、家族の食卓に戻ってくれる様子が、じんわりといい話だった。無機質な情報が多いだけに、気持ちの動きを大事にしてくれる話が生きてくる。
ソウタ兄は {netabare}お偉い女性と愛人なの?ベッドの事後的なシーンが。 {/netabare}このへんが何か士郎正宗だなぁ。オットナーっていうか、発想オッサンー。うん、士郎正宗って基本おっさんワールドかも。シティハンターと同列かも。


デンノーデンノー書いてみるが、攻殻でも出てくる「体の電脳化」というのが未だよくわからない。アンドロイドとかロボットとかとは別なんでしょ?肉体…神経の受送信面により利便性能を積んだ身体ってことかい。わからないけど。


しかしなんでオープニングはアングラテイストなんだろう。
♪国境は歴史の傷口で〜みえない薬をさがしてるー だっけな?
頭でグルグルまわるよ!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人の心に深く深く潜ってゆく

記憶は青年、見た目はおじいさんという非常に珍しい境遇にあるハルという人物が主人公の作品です。

概要としては主にメタル(メタリアル・ネットワークという仮想現実)内で起きた様々な事件をダイバーと呼ばれる調査員が解決していくというものですが、同時にハルの再起、人間と人間、人間とテクノロジー、延いては人間とテクノロジーと地球の関係を壮大な視点から描く試みがなされています。

全体的に見ると派手な演出は極めて少なく、アクションシーンについても少なめで、あっても淡々と描かれる事が殆どなので、外へ向かうよりも、内へ内へと向かう印象を強く受けます。現実及びメタルにおける人物(知的存在)同士の対話が本作品の主役であり、最も重きが置かれている点であります。ほぼ全ての会話シーンは言葉のみならず、人物の表情、間の取り方からも感情を推し量る事が出来る程に極めて緻密に作られており、さらにメタル内のダイバーは人の思考や嗜好、思想や哲学など様々な場所に文字通り潜って行きます。

人によっては気になるであろう「精神的には青年の筈のハルが見た目の通りに老成しているのは何故なのか?」という疑問については、ハルの元来の知性に加え、老いた体に心が付いて行ったものと私は解釈しています。電脳の助けを借りている為とも考えられます。そんなハルおじいさんの青年の部分が垣間見える「無垢な言葉に傷つく人間もまた無垢なんです。」という台詞は非常に印象的でした。

正当に評価されていないと言われる事が多々ある本作ですが、それなりに原因はあります。第2話のにゃもの下着が見えるシーンと最終話のご褒美的な展開の二点がそれで、両者とも作品全体の価値を貶めるものではないのですが、前者は女性の視聴者に対する配慮が足りず、後者についてはSFとしての説明が皆無であり、またご褒美が無くても良いエンディングだったので、やや蛇足気味に見えてしまったという事でしょうか?(前者は結構あからさまな描写なので、あれで切る人がいたら勿体無い。)また私個人としては「RD潜脳調査室」というタイトルから刑事物の様な硬めの印象を受けてしまった為、最後まで違和感を拭い切れませんでした。

以上良い所も、残念な所もいくつか述べてしまいましたが、この作品の全体の価値と比べれば、欠点については些末なものと言い切ってしまっても良いと思います。テクノロジーと自然環境についての問題は、その恩恵にあずかっている全ての人間が責任を負うべき問題ですので、この様なアニメが貴重であるという事は言わずもがな、もっと増えて欲しいなぁと思う次第です。

余談になりますが、作中で描かれている情報の可視化という技術は限定的な用途ではあるものの、既に実用化されており、大学や企業のセキュリティに導入されているそうです。もしこの様な技術がさらに発展し、ネットワーク内の様々な情報を感覚として享受出来る様になり、本作品の15話「食」で描かれた様な弊害が生まれてくるとしたら、人のリアルに対する執着がますます薄らいでいってしまう気がします。「紅殻のパンドラ」でも拓美ちゃんが暇つぶしにぱりぱりやってた電脳ポテトチップがありましたが、この作品を視聴した後ではちょっとだけ危険な感じのモノである様に見えてしまいました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

81歳の老人ダイバーと、15歳の女子中学生がバディを組むって、それだけでもうドラマが生まれそうじゃない?

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
制作に士郎正宗さんが関わっているということで、設定やら雰囲気は「攻殻機動隊」に近い部分があります。もっとも、続編ではなく、設定などを受け継いだ、「攻殻機動隊の先にあるかもしれない未来のひとつ」を描いている作品と言えるかもしれません。

私的に、「THE もっと評価されてほしい」作品。地味ながらも丁寧に作られた世界観にドラマ。心情を深く描く手腕。色々と考えさせられる作品です。(あにこれ基準で)75点は超えてほしいな~と思ってます。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「欲」というのは、人間の行動原理として、かなり純粋なものだと思います。

「食欲」「性欲」「睡眠欲」といった三大欲求は勿論、「支配欲」「自己顕示欲」「物欲」など、「欲」にも様々。

そんな「欲」が、「安易に」「無制限に」叶えられてしまう世界があったら、果たして現実にどこまで興味をもてるのかな? 仮想現実世界を支えるの(運営)は、現実の人間なんだろうけど、そんな運営の人々まで、帰ってこなくなったらどうなるんだろうな、と、思ってみたり。

あとはまあ、「自然」と「科学」の優劣の問題。高度に発達した「科学の力」は、果たして「自然の摂理」に勝るのか。この点は、これまでのアニメではほとんどなかったテーマ性で、色んなことを考えさせられました。

本作の問題提起としては、そんなところかと思います。

他方面の魅力としては、やはり、ハル(老人)とミナモ(女子中学生)の関わり&ソウタ(人間)とホロン(女性型アンドロイド)との人間ドラマでしょうか。

現実世界では、若さ溢れるミナモと、介護されないと厳しいハルとの対比が観られますが、1度、メタルへダイブすれば、30代の頼りがいのあるハルと、やっぱり突っ走っちゃうミナモとのバランスが良く、「相棒」的な感じで面白かったですw ソウタとホロンの絶妙な恋愛模様は見処のひとつであり、こちらの結末には満足です。安易に、ホロンが人間になったりしなくて良かったです。

それだけに、ラストの「ハル」の若返りと、ミナモとの恋愛展開は本当にいらない。ちょっとガッカリです。逆浦島太郎ですか(苦笑)? 二人の関係を「男女」にしなくても、「親子」や「祖父と孫」、あるいは、「相棒」「友達」で、十分にドラマは成り立っていました。ソコは本当にマイナス。ファンタジー→SFの流れはまだ良いですが、SF→ファンタジーの流れは、やはりご都合主義感が強くなりますしね。

あと、よく「ふとももが~」とか言われますが、この漫画家さんのキャラデザの特徴のようですね。個人的には、「どうでも良い」です(笑) プラス査定にもマイナス査定にもなっていません。別にキャラ萌えアニメではないんで。でもまあ、それ(むちむち感)が、一部の層を除きw、概ねマイナスになっているようなので、それは残念だな~と。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

68.8 5 災害で未来なアニメランキング5位
宇宙のステルヴィア(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (306)
1672人が棚に入れました
西暦2167年、地球はみずへび座ベータ星の超新星爆発によって引き起こされた強力な電磁パルスと放射線によって壊滅的な打撃を受けた。だが人類はそこから見違えるほどの復興を遂げた。そして、かつての災厄より189年後に訪れるとわかっていた第2の災厄、すなわち超新星よりの衝撃波の到来に対し、全人類を挙げての防御体制を築き上げていったのである。
そして2356年。遂に衝撃波セカンドウェーブが太陽系に到達しようとしていたその年、人類の生活圏を守る大計画グレート・ミッションのため作られたファウンデーション(宇宙ステーション)の1つ「ステルヴィア」内の宇宙学園に主人公たちが入学するところから本作は始まる。


声優・キャラクター
野中藍、水島大宙、松岡由貴、折笠富美子、田中理恵、斎賀みつき、うえだゆうじ、陶山章央、広橋涼、豊口めぐみ、岸尾だいすけ、檜山修之、進藤尚美、藤原啓治、堀勝之祐、田中正彦、根谷美智子、屋良有作、小杉十郎太、笠原留美、朴璐美

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

心地よい余韻に浸れるアニメ…

はっきりとした色使いのアニメだなぁ…この作品の第1印象はこんな感じでした。
作画もキャラデザも嫌いじゃなかったこの作品の視聴を後押ししてくれたのが野中藍さんの初主演作品だった事です。
野中さんの愛称である「あいぽん」もこの作品の主人公である「しーぽん」が由来になっている事からもお互いに結びつきを強く感じます。

この作品の物語の舞台は西暦2356年…約189年前に地球はみずへび座ベータ星の超新星爆発によって壊滅的な打撃を受けました。
そしてその超新星爆発から189年後の今年…セカンドウェーブと呼ばれる衝撃波が太陽系に向かって到達しており、全人類は総出で未曾有の危機に対処を進めていたのです。

人類はセカンドウェーブに対処すべく宇宙ステーションの一つであるファウンデーションを建設していたのですが、この物語はそのファウンデーションの一つであるステルヴィアにある宇宙学園に新入学制が入学してくるところから始まります。

ここで入学してきた新入生の一人が片瀬志麻…通称しーぽんと呼ばれる女の子…
彼女は宇宙パイロットを夢見てこの学校に入学してきたのですが、最初のうちの成績はほぼ底辺…
それでも色んな人々との触れ合いの中から学び…知って…そして成長していく様が描かれています。

この作品…兎にも角にもしーぽんが輝いている作品だと思います。
顔は可愛らしいですが、スタイルは人並み…口数は多くないのですが時折テコでも自分の考えを曲げない頑固親父の様な一面を持っていて…
人に相談する事は決してなく口を開く時にはもう自分の中で決定している事を告げるだけ…
何より人に対して素直になれない意地っ張り…

こんな風に彼女の性格だけを列記すると、あまり良いところが見当たりません。
それでも彼女は輝いているんです…

それじゃ何が彼女をそんなに輝かせるのか…
それはいつも一生懸命頑張っているから…

必死で考えて…誰よりもたくさん計算して…
負けた時には悔しいといってポロポロ泣いて…
大切な人と同じ目線で物事を見るために歯を食いしばって頑張って…
有事の時には自分の事など厭わず身を挺する事のできる彼女…
そんな彼女の一生懸命に何度も胸を打たれて…何度も涙で前が見えなりました。

間違いなくしーぽんは良い子だと思います。
でもこの作品の良い子はしーぽんだけではありません。
しーぽんを取り巻く同じ予科生の仲間たち…
みんなの立ち位置が抜群なんです。

同じ予科生…という事は仲間であると同時にライバルでもある訳です。
特にこのステルヴィアでは成績の優秀な人とそうでない人との格差がどんどん開いていくんです。
優秀な人は学生であるにも関わらず大切なミッションに参加させて貰えるのですが、そんな選ばれる人間はほんの一握りだけ…
難しい授業にも厳しい訓練にも耐えられるのはそのほんの一握りになりたいから…

でも人って気付いてしまうんですよね…
どうしても越えられない壁がある事に…
どんなに頑張っても絶対追いつけない人がいるって事に…
もう心の中はグチャグチャです…

確かに予科生の仲間同士…全てが順風満帆ではありませんでした。
でもここで彼らはまた気付く事になるのです…
仲間の存在が何より大切である事に…

この作品で繰り返し使われた台詞も印象的でした。
「自分にできる事をやるだけ…」
「ここを次に世代に残すのは我々大人の役目…」
しっかりと見据えるべき物事が眼中に入った台詞だと思います。

この作品は2003年に放送されたものなので、もう14年も前の作品ですがそんな古さを微塵も感じさせない作品だたと思います。
SFというジャンルの好きな方…或いは好みの声優さんが出演されているなら是非チェックして頂きたい作品だと思います。

オープニングテーマは、「明日へのbrilliant road」
エンディングテーマは、「綺麗な夜空」「The end of the world」「Dear my best friend」
全てangelaさんが歌っています。
この作品のオープニングを始めて聴いた時、恰好良すぎて鳥肌が立っちゃいました。
挿入歌としても使用されているのですが、この曲が流れた途端テンションも上がりまくりでした。
絶対に覚えたい曲です。

2クール26話の作品でした。
物語としては綺麗に纏まっていたと思いますが続編があってもおかしくない
展開だったと思います。
この作品もしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

リトル アストロ アカデミア

22世紀半ば過ぎた頃、人類は太陽系に進出し、予測された超新星爆発による宇宙風に備える為「ファウンデーション」と呼ばれる宇宙ステーションを多数運用していた。
ファンデーションにはそこで働く職員を養成する為の学校があり、その予科生に進学した主人公と仲間たちのお話。
SF(風)設定の、学園もの、恋愛もの、成長もの、と言ったところです。
尚、戦争ものではありません。


結論から書くと、惜しい!
SF考証が甘い。学園ものとしても甘い。シナリオが甘ーい!!
企画として良かったのに詰め切れなかった印象です。

【SFとして】
「ファウンデーション」とかもろアシモフだし、全体にハインラインの「宇宙の戦士」にも似てますし、作者はSF好きなのかな?
にしては宇宙で起こる現象が全然リアリティがありません。
{netabare} まずおよそ200年前(丁度現代ごろ)超新星爆発による宇宙線で地球は壊滅的な影響を受けたんだそうで、そこから予測された第2波に備えるのが前半の話なんですが、第2波は宇宙線のみならず、物理的に隕石も多数飛来するそうです。
まず超新星爆発したのがどの星なのか言及ありませんが、太陽に最も近い恒星アルファ・ケンタウリですら、近いと言っても4光年離れています。
そこから何かが放射されてこの密度で降り注ぐって…有り得ないですよね。

第2波処理の「グレートミッション」を概ね計画通り成功させたファウンデーションですが、今度は土星付近に謎の脅威が現れこれが後半のストーリーとなりますが、これが科学考証が全っ然で、対処として一体何をやっているのかが全く分からないので入り込めないんです。

クラークの名著「宇宙の旅」シリーズは科学現象としての宇宙航海と、未知の脅威への対処を楽しむ作品ですが、それは科学的に合理的だから読んでいて楽しいんです。

「ステルヴィア」はそこの所全然及びません。
結局謎の宇宙蝉の正体も不明なままですし、
子供騙しのオカルト現象を描いているだけです。 {/netabare}

まあシンプルに「SFビッグ3」に迫る力量あるアニメ作家などそうそう居ないって事なんでしょうね。残念ながら。


【学園ものとして】
前半はまぁまぁ良かったが全体としてまず凡庸。
それからミッションに私情を持ち込むな!(笑)
{netabare}後半は酷いもんです。
主人公女子と彼氏くんに人類の存亡がかかりますが、そんなストーリーにしなくても良かったと思うんです。
正直地球人類のトップ2がコレかよ!と嘆きたくなります。
2人とも個人の悩みで任務に支障を来しています。
結果的に乗り越えたし、そういう成長ものなんでしょうが、高校生と言うより小学生みたいでした。
話し合おうとするたんびに「もうほっといて!」とか言いながら走り去るの何回やるねん。
ガンダムもそうですが、お子様に人類の命運背負わすのやめて欲しい。
{/netabare}

キャラ評価4にしましたが、これは実際居そうな深みのあるキャラを多数配置してくれた事への評価で、正直ウザキャラが多めでした。


訓練生が成り行きで活躍しちゃう似たストーリーに「ストラトス4」がありますが、そちらの方が成り行きに説得力がありますし、活躍の度合いや任務に注ぐ情熱の点で見応えがあります。
キャラもサバサバしてて魅力的ですし、ビジュアルも迫力ありました。
まだでしたらコレより先にそちらをお勧めします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

ぽぽたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

旧作の魅力を話したい(長文)

野中藍さんの出世作
舌足らずな独特な声は幼さのなかに芯がありますよね
あいぽん演じる片瀬志麻とその仲間たちが、助け合いときにぶつかって
宇宙規模の災害にむかっていく壮大なストーリーでした

今後視聴される方のために
舞台設定についてかみくだいて記します

地球圏からはるか遠くで星が爆発。
その爆発衝撃波が地球に到達して過去に壊滅的被害をもたらします
しかしこの災害はおわっておらず
爆発の第2波がくることが観測されており
対策として地球圏にバリアを建設しております
そのバリアのメンテナンスや、バリア通過した隕石の回収をする人材育成施設が
ファウンデーションと呼ばれる宇宙ステーションにあるんです

ステルヴィアとは第2ファウンデーションのなまえです。
西暦2356年のお話なのですが途方もない未来というより
生活の描写からごくごく先の未来の物語の印象をうけます。

では見所について語ります
まずはキャラクターの魅力
脇役が光る作品です。名作とされる条件は脇役が個性的であること
脇役の心理描写がしっかりなされていることが必須かなって考えております

主人公志麻の親友4にん
志麻の理解者であり、ステルヴィア入所から一緒のアリサ
ほんわかした人柄ながらくらい影のあるやよい
ツンデレ担当優等生ながら努力の人晶

ふだんは仲良くたわむれているんですが心に秘める
「嫉妬」「焦り」「不安」「孤独感」などがしっかり描写されています
高まった感情をぶつけあって喧嘩に発展することもありますが
罵りあえる仲間こそ本物の仲間であろうし
そして彼女たちのわだかまりが解消されて
真のともだちになって行く姿に感動を覚えます

学生を見守る側である教官のおとなたちも味があります
大人が重要な役どころである点はポイント高いです
やるときはやるって大人らしい姿にしびれます
子供しかでないアニメだとどうしても出せない味ってありますよね

ストーリーの魅力
登場人物が同じ目的にむかっていますので
一本道なシナリオで破綻がないんです
主題としてあるのが少女達の成長を描くことでありますので
別の方向をみていた子たちの心が一つになってく過程が
ストーリーをなぞりながら伝わってきます
結末をうやむやに終わらせず納得のできる〆かたにしたのも
気持ちよいですね

ものたりない点
①キャラデザは正直太いな・・・って肉感的ともいえるのでしょうか
丸顔で首もふとい。萌え絵の部類ですが
SFアニメなので、求めるところが違うんでしょうか

②最大の見せ場で迫力に欠ける
史上最悪の災害に立ち向かう過程の描きかたは手にあせにぎるんです
確実性にかける高出力レーザーに最後をたくして
それを発射。
まっすぐ飛んでいって
命中。消滅

こういうシーンって一回回想いれたり
お願いって祈ったりしてたりするメインキャラのカットとか普通
いれませんか?
だらだらひっぱるのもどうかと思いますが
あっけないのもさみしいのです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

70.6 6 災害で未来なアニメランキング6位
revisions リヴィジョンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (309)
1134人が棚に入れました
「これは予言よ。あなたたち五人に、いつか大変な危機が訪れるの。そのときみんなを守れるのはあなた」幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生・堂島大介は、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作とともに、不可思議な現象──「渋谷漂流」に巻き込まれる。渋谷の中心部が跳ばされたのは300年以上先の「未来」。そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟……そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。理由もわからぬまま化け物に蹂躙されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの少女・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。誘拐事件の恩人──ミロによる予言「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜する。しかし、幼なじみ5人の絆は誘拐事件の影響でバラバラとなっていた。孤立した街。未知の敵。未確定な過去と運命の予言。

声優・キャラクター
内山昂輝、小松未可子、島﨑信長、高橋李依、石見舞菜香、斉藤壮馬、日笠陽子、田村ゆかり、櫻井孝宏、遠藤綾、てらそままさき、飛田展男、寺崎裕香、大塚芳忠
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

堂嶋大介は認められたい

【概要】
 2019年冬。全12話のオリジナルアニメ。3DCGで制作されたSFサバイバルアクション。監督はコードギアスなどで知られる谷口悟朗。

 このアニメの良い所。それは

一、THE ORAL CIGARETTESのOP曲「ワガママで誤魔化さないで」
二、ミロのケツ
三、ルウのケツ

-- 以上 --

 高名な監督が手掛ける作品ということで期待していたんだけどな。まさか「刻越えのデリダ」に匹敵する、時間もの失敗作オリジナルアニメを2クール連続で引くとは思わなかった・・・

【3DCGアニメ】
 revisionsは全編3DCGで制作されている。クオリティは高いと思うのだけど、実は3Dの日本アニメはrevisionsに限らず、逆に海外で人気がない。最近で国外でも好評だった3DCGアニメは「宝石の国」くらいじゃないだろうか。

 どうも海外のアニメファンは日本の伝統的なセルアニメーションの持つテクスチャに魅力を感じているようで、日本以外でも制作されている3DCGのアニメならわざわざ異国の映像作品を観ようとは思わないのかもしれない。+Ultra枠は世界を見据えた作品をラインナップをするという方針だったのだが、前作のINGRESS、そして本作と3DCGアニメはどちらも不評でフジテレビ制作サイドの戦略ミスのように思う。(さすがにまずいと感じたのか次作のキャロル&チューズデイは2Dらしい)

 3DCGは日本のアニメの特色が失われるというやや感傷的な理由だけではなく、最初のモデル作成に手間がかかるため、あまり多くのキャラやセットを用意できないという欠点がある。本作においては渋谷を舞台にしておきながら、実際に画面に映るのは学校、市役所、そして荒野と設定を活かせていないし敵キャラも親玉の3体を除いて量産型で面白味に欠ける。アーヴ側の人間がミロ1人しか登場しないのは3DCGの足枷によるもので、未来人の二大勢力が3人と1人で代表して争うというなんとも寂しいことになっている。設定は壮大なのに小じんまりした映像になってしまったのは残念である。

【SFサバイバル群像劇】
 公式での謳い文句によるとrevisionsはジュブナイル(青春)+パニック(災害)+アンサンブル(群像劇)とのことなのだが、色んな要素を寄せ集めた結果、1クールで処理できず中途半端に終わるというありがちな失敗をしているように感じた。

 {netabare}まずこのアニメは青春群像劇とは言い難い。5人の高校生がメインキャラクターだが視点は随分と偏っており、基本的に主人公の堂嶋大介+他の誰かという組み合わせでしか話は進まない。大介の「ヒーローになりたい」という葛藤が常にお話の中心で、暴走気味の主人公と他のキャラの意見がぶつかる場面が執拗に描かれる。未来の渋谷でどう生き延びるかという状況で、一般人からするとどうでもよい、大介と他の人間との衝突ばっかりやっているのだからうんざりする。視聴者からしてもどうでもいいことだ。

 一見優等生に見える他の4人にも決して欠点がないわけではない。ガイは優秀であるがゆえに人を見下しがち、ガイの双子の妹ルウも同じく優秀だが感情的、マリマリはおっとりした性格だがピンチ場面ではの優柔不断、慶作は典型的な「いい奴」なのだが、彼には悩みがある。慶作はマリマリが好きなのだが、お人良しすぎてマリマリへの恋心を打ち明けないまま大介に譲ろうとしている。マリマリは大介をちょっと意識しているのだ。

 こうしたお話のネタがあるのにも関わらず、全12話を通して5人の関係性はほぼ変化がない。ただ大介が自身のヒーロー願望とどう折り合いをつけて成長するかというだけのお話で、5人のキャラクターの心情が交錯することはあまりなく、大介がルウ兄妹と絆を修復して終わりだ。青春物として単調であまり面白いとは思えなかった。仲直りする場面でMiyuuの歌声が響けば視聴者は感動してくれると思ってないだろうか。挿入歌で誤魔化さないで!

 災害(サバイバル)としてはさらに厳しい。revisionsは未来人の思惑によって渋谷を街ごと未来に転送される、という設定である。渋谷の街の外は見渡す限りの荒野が広がっており、化け物に成り果てた未来人revisions(リビジョンズ)が襲い掛かってくる。ライフラインを絶たれた現代人がいかにして生き延びるのか、という問題は当然力を入れて描写すべき事柄だ。

 ところが、このアニメは人々の生活が全くと言っていいほど描かれないのである。食料も水もどうやって調達しているのか不明。電気は都合よくリビジョンズと敵対関係にある未来人アーヴがモビルスーツ用の電源を供給してくれる。災害時の生活の描写がなければ臨場感に欠けるし、だいいち面白くない。せっかくの面白くなりそうな設定をなぜ活かそうとしないのだろう。しかし次第に人々が不安でイライラしていく様子だけはちゃんと描かれる。何だこの本末転倒な感じは。第6話でムラついた保健室の先生がいきなり主人公を性的に誘惑してくるが、結局何のフラグでもなかった。大人の色気で誤魔化さないで!

 さらに言うとSFとしても褒められたものではない。最初のうちは量子脳という概念を持ち出して渋谷の街を未来に転送した状況を何とか筋道を立てて説明しようとしていたが、最終的にラスボスは時間の概念を超越した存在になり、完全にロジックを放棄してしまう。第一話のミロが5人それぞれに告げた予言も伏線として回収されず、一体あれは何だったの?感が果てしない。ラストバトルはどこで戦っているのかもよく分からない。そして謎の友情パワーで打開。何だ、このジャンプの打ち切り漫画みたいな終わり方は。デウス・エクス・マキナで誤魔化さないで!
{/netabare}

【主人公】
 さて、ここからが本題。本作一番の問題点、それは皆から「うざいうざい」と叩かれる主人公、堂嶋大介のキャラクターである。

{netabare}
 幼い頃、主人公の大介は誘拐事件に合い、不思議な女性・ミロによって助けられる。ミロは大介に「あなたたち5人にいつか大変な危機が訪れる。忘れないで。あなたがみんなを守るのよ」と予言を残して去る。

 その日の出来事が忘れられない大介は俺が皆を守らなければならないという強迫観念に囚われ、問題児になってしまう。独善的な正義感を振りかざし、街のチンピラに絡んで相手に怪我をさせても悪びれる様子はない。仲間からありがた迷惑だと批難されても「だってあの時ミロはみんなを守れって言ったじゃないか!」と逆ギレする。冒頭から印象最悪のキャラだ。

 さて第1話の終盤に話が大きく動く。未来人の力で渋谷転送が起こり、非常事態になると大介は「やっぱり俺が正しかったんだ!」と犠牲者が出ている状況にも関わらずニヤニヤしている。そして未来からやってきたミロからパワードスーツ「ストリングパペット」を受け取ると彼は憧れのヒーローになれたと狂喜乱舞する。しかしパペットはもう2体あり、他の4人も操縦できることが分かると大介は手柄を横取りされてしまうとばかりに露骨に嫌な顔をする。その後も人命よりも自身の功名心を優先する態度を取り、あらゆる人達の反感を買う。

 はっきりいってここまで悪く描かれる主人公は珍しい。だが、周囲の人間が彼を白眼視していることも強調されるため、「大介のヒーロー願望はやがて挫折し、そこから成長して真のヒーローになるお話だろう」とは容易に想像がつく。一応視聴者への目配せはできているのである。が、だからといって温かい目で彼の成長を見守ることができることができるかというと疑問だ。

 不人気主人公・大介クンは、要するにひたすら

 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい

と言っている。これは最近よく聞く「承認欲求」というやつである。承認欲求は誰しもが持つ欲望で、例えばレビューにサンキューを押す行為はレビュー自体の評価をするというよりはむしろサンキューを送り合うことで参加者の承認欲求を満たし、SNSを活性化させる意味合いが強い。ご存知の通り他のSNSにも同様のイイネ!機能はだいたい用意されており、このイイネ!(=他者からの承認)を集めることは現代人の関心事になっている。

 ならば彼の「認められたい」という思いはある程度共感できるのではないか?と思うが残念ながらそうは感じなかった。本作の設定はそもそもがおかしいんだよな。堂嶋大介はヒーローになろうとして問題行動を度々起こし、皆の評価を大きく下げている。これは逆で、メサイア・コンプレックスというのは他の何らかの要因で周囲の評価が低くて、すでに固まってしまった自分の評価を一気に挽回しようという思いに駆られ、自分がヒーロー的な活躍をすることに執着するんだよ。要するに一発逆転を狙っているのである。

 大介のようにわざわざ自分で状況を悪くしているだけの人間には違和感しか感じない。大介は無理にヒーローになろうとしなけば何も問題もない高校生だ。大介の設定を再確認すると、虐められているわけでもなく、友達もいるし、貧乏でもなく、隠れ巨乳の幼なじみが好意を抱いているという状況にある。彼がヒーローになりたいと意固地になる理由は何なのか全く伝わらない。(両親がいないのかと思ったらみんなを守りたいからと勝手に親元を離れたらしい。アホか。)

 あのさ、人はみんなコンプレックスを抱えて生きているんだよ。ブサイクだとかデブだとかワキガだとか頭が悪いとかハゲだとか皮膚炎だとか貧乳だとか性にまつわるエトセトラとか。それなのに特にコンプレックスもなく生きている人間が、勝手なヒーロー願望に駆られ、承認欲求を求めて自滅するアニメを観て共感できるわけがない。うざい・うざくない以前に人間として理解できないし、僕ははっきりいってこんな主人公に興味がない。
{/netabare}

 インタビュー記事(※)で谷口監督は「共感できる主人公である必要はない。」と発言していたが、本当にそうなのだろうか。もしかして制作スタッフは承認欲求が悪だと勘違いしてはいないだろうか。「もっと褒めてほしい」「評価されたい」という思いは人の誰しもが持つ基本的な感情であり、モチベーションの源として必要なものだ。問題なのは承認欲求が一向に満たされない状況にあるのであって、そこに説得力がなければいくらドラマチックな展開を先に用意しても心に響かない。大介のヒーローになりたいと渇望する気持ちにもっと共感できればこのアニメの評価は全く違ったような気がする。


※https://jp.ign.com/revisions-anime/31881/interview/revisions-cg

投稿 : 2024/11/02
♥ : 35
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ワガママで誤魔化さないで

1話感想{netabare}
自分も結構気軽に「なろう系」って言葉使っちゃってるけど、最近はそれの主流も変わってきてるみたいで、さえないクズ主人公がイケメンクラスメートと異世界行って、そこでは主人公が大活躍して、今まで自分を馬鹿にしてたクラスメートをいびり倒すってのが流行ってるらしい。
まぁ、のび太がジャイアンやスネ夫を滅多刺しにして出木杉クンから神のように信奉され靴なめさせてしずかちゃんを犯すのが流行ってるらしい(犯すと「さすが、さすが」と賞賛される)。
そういう系の作品がアニメ化され出したらキツいなぁと思ってたのだけど…あ、先手打ってきた?
この作品、主人公は暫くの間「のび太が調子に乗ってる段階」を続けるんじゃないかな?
途中で挫折なり「これじゃアカンわ」と立ち止まる展開になる…と思うのだけど、そうではなくずっと調子乗りっ放しで行ったら笑える。
1話じゃまだ分からないですけどね、なろうに阿(おもね)るかカウンター決めるか、今後の展開が気になります。
自分はカウンター決めると思うんだけどなぁ。
ただ、こういう作りは“鉄のラインバレル”がそうだったけど、当時ですら「主人公が調子に乗ってる(後でしっぺ返し食らうのがバレバレなのに)」段階で「主人公気に入らない」として見るの辞めた人が続出だったような…。
主人公は子供の頃、あんな状況でそんなこと言われたら「神から啓示を受けたレベル」で陶酔しちゃってもおかしくないかなぁ~とは思うのだが…それでもダメな人はダメなんかな。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
やっべニヤニヤが止まらないw
ニヤニヤの根拠は「コイツ鼻っ柱折られるんだろうなぁ」を感じるから…とはいえ本当にそんな展開になってくれるかどうかは未来予知能力の無い私には確証が無い。
と思ったら、これって先にネトフリで全話配信されたやつなのか。
なるべくネタバレは見ないように警戒してるけど、どうやらそこら辺は安心して良いっぽい。
但し吠え面かくハメになるのはずっと先らしい…のだけど、片鱗は早くも3話で見せ始めてるかな?

自分語りしてもしょうがないのだけど別にカッコつける気もないので言っちゃうと、主人公の言動に身に覚えが無いワケではない。
クラスで出し物するってのに練習でクラスの連中はヤル気が無く「コイツらつかえねー」と下に見てたんだけど、いざ本番になったら皆しっかり演技して、練習の時必死こいてた自分を振り返って「あれ、オレなに思い上がってたんだ?」と自己嫌悪したこと、あるあるw
他にはにわか知識をひけらかしてたら、その相手が実はその道の専門家で釈迦に説法してたと後から知って顔から火が出る思いになったり、あるあるww
大抵の人はそういう経験(下だと思ってた人間が自分よりよっぽど上等だと思い知らされる経験)って多かれ少なかれあると思うのだけど、「オレも若かったなぁ」と笑って話せるくらいでないとトラウマ抉ってキツい、のか?
自分はアレだなぁ、逆にそういうのがクセになってそういう作品を好む傾向にあるのかも知れない。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
ああもう主人公が可愛くてキスしたいレベル、性的な意味じゃなくて孫を可愛がるお爺ちゃん的視線でね。
5話、電力はカドだし敵がまさかの…ベタすぎて「まさかそんなありきたりな展開はないだろー」と思ってたハダカデバネズミ展開。
もう何万回使い古されたネタだ?
ちょっと前にやってた“グリッドマン”でも「まさかそんなことはないだろーハハハ」と流されたネタで、ここまで直球なのはむしろ「もうひと捻りなにかありそう」とさえ思える。
なにより6話。
まぁ、こうなるわな。
ってか…う~ん、ここぞとばかりにこの作品を警棒にして他作品を殴るようなマネするのもアレですが、さっき例で出した“グリッドマン”もその意思を感じたのだけど、生温い異世界転生モノに「こりゃちょっとアレじゃね?」と思ってるクリエイターはそれなりに居るんじゃないかな。
元居る世界に帰ろうとも思わない、現地の人はあくまで自分を賞賛するための道具としか思ってない、自分と同じ立場の人間がもし居たとしても自分より劣ってることを望んでる、等々のソレ系。
クリエイターがそういうのを不快に思ってるかどうかまでは知りませんが、最近そういうのが流行ってるのであるならそのカウンター作品を作りたくなるのはある意味健全とも。
まぁ自分は不快でしょうがなかったんですけどね、ここまで直截に「言ってやりたかったこと」を出してくるとはなぁ…ゲシュペンストのメッセージね。
ってかちっと書き出してみたんだけど、ここまで辛辣に書けるのは5chでもそう居ないんじゃない?さすがプロだなーと感心するレベル。
そこまで言っちゃって大丈夫?とさえ思えるんだけど、だ、大丈夫だよね?
しっかしまぁ…これでゲシュペンストの言ってたことは大間違い・ただの精神攻撃だったで終わったらちょっと寂しいかな。
逆に主人公開き直って「ああそうだとも、オレはこの世界で一番偉いんだ、喝采せよ」とか言って終わったら皮肉利きすぎてて笑い死ぬかも知れん。

一方でユミコ先生がコワイ。
極限状態に追い込まれてヘンな宗教に目覚めちゃったみたいな…自分の本性に向き合ってるのか目を逸らしたがってる(正当化したがってる)のか、どっちなんだろうなぁ。{/netabare}

8話までの感想{netabare}
キターーー、遂に鼻っ柱折られる展開に。
散々オレが守るオレが守る言ってたのに守ることができずに意気消沈、ヒャッホウ。
ところで──
あんま言わないようにしてたんだけど、すっごく富野臭くない?
反省房入りしたり、「ボクが一番ガンダムを上手く使えるんだ」みたいなこと言わせたり、目の前で母親殺されたり。
おかげで8話でケイサクの母が殺された時はキターーーと思ってしまったし、その後の激怒パンチではカミューラランバンの仇!と言って欲しいと思ってしまったり(実際のカミューラランバンでは感情露わにしてないけど)。
一方ワザとケイサクを煽ってチハルを始末しようとしたニコラスの謀反だと思うのだけど、この展開はどっちかっつーと戦隊ヒーローモノの方が近い?
折角待ち望んだヒトの体を手に入れた瞬間死亡って…RPGの復活した瞬間勇者に倒される大魔王かな?
実際あそこで死んでくれなかったら人工量子脳によって渋谷が固定されてたんだろうし、復活させてはいけない大魔王的ポジよね。
更にケイサクが消えて腕だけ落ちるところは「アブドゥルー!」と叫びそうになった。
…うん、ご免なさい、既存作品ばかり挙げちゃって非常にヲタ臭くてキモいと思われてそう。
だけど作ってる側はそういうの狙ってるんじゃないかなー?
意図的に「どこかで見たアレ」をブッ込んでるような気配を感じる、ハダカデバネズミもそうだし。
なんかの作品で似たような意図を感じる作品があったんだけど思い出せない、あっちはそれが鼻についたのにこっちはそれがむしろ楽しい。
これの違いは何だろ?と考えると、明らかに知っててワザとやってるのと、知らずに似通ってしまったことの違い…なのかなぁ?
単に自分が富野好きだからか?
よくよく考えるとこれがダメそうな方はイデオンもダメそうだし。{/netabare}

最終回まで見ての感想{netabare}
ネタバレは見ないようにしてはいたのだけどちょろっと見てしまい、そこでは「主人公はダイスケではなくケーサク」みたいなことが書かれてて、「え、そんなこと可能なん?」と、どんな展開ならそうなるのか想像できずに居たのですが──。
ナルホドそういうことか。
あはは、確かにこりゃあ主人公はケーサクだw
こういう話好きですよ、運命の星の元に生まれたワケでもない「馬の骨(ダイスケ)」が世界を救うって話。
ゲームwizardryではワザとボーナス値の低いキャラを育成したもんです。

最初に最終回の感想書いちゃったけど、10・11話くらいでは非常に勿体無いという感情に襲われました。
ダイスケが鼻っ柱折られてやっとマトモになった後の描写や、黒岩が死んで指揮系統が混乱とか、渋谷住民の不安が不満に変わって治安悪くなるとか、単純にサバイバル要素とか、もっとやってくれよ!と。
くそう、2クールあったらそこら辺ねっとりじっくりどんよりやってくれたのかなぁと思うとホント勿体無い。
この感情って前にも経験したことあるなぁと思ったら…ああ、“ID-0”だ。
監督同じじゃーん!
“コードギアス”が有名だけど、1クール作品を作る場合こういったのが持ち味なのか?
「あれ?そのネタ掘り下げればスゲー面白そうなのに流しちゃうの?」って感じの。
ぐぬぬ、なんか悔しいなぁ、この監督には2クール以上の仕事回して欲しいなぁ。

タイムトラベルの話って同期放送で自分が見てる分だけでも“えんどろ~”“デートアライブ3”でも扱ってて「ホント好きねぇ」とちょっと飽きてるキライがあるかも?
それに結局は誰が記憶保持能力者(リーディングシュタイナー持ちって言った方が通じやすそう)かでどうとでもなっちゃうというか。
物語の核になる部分なのに余り興味は沸かなかった。
最後のホウチュウの叫びは「お前ガノンかよ?」って感じだったし、ムキューの本体は“ファンタスティックプラネット”だし、最終回のCパートはもうホラー作品の定番。
わざと既視感を刺激するような作りを狙ったんじゃないか?と思ってるのだけど見当違いかなぁ?
よく言われてるダイスケの性格だけど、やっぱり自分は気にならない。
後で更正されるのは明白だし、周囲のキャラもちゃんとウザがってたし。
それよりも「どう見ても難アリの性格なのに誰も(作者含め)おかしいと気付いてなさそう」って作りの方が個人的には苦手。

同監督が1つ前に手掛けた“ID-0”と比較すると、あっちでは意図的に民衆を画面に映さないようにしてましたが、こっちでは普通に映してましたね。
個人的にはこっちのが良いかなぁ、もっと掘り下げてくれたら更に良かったんだけど…。


総評
2クール以上やってくれぇ!{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

僕と君との我慢比べ

オリジナルアニメ


とりあえず初回を観て、馴染みの渋谷だし、思ったよりCGのカクカク感も薄いし、ロボットは置いといて巻き込まれパニックものとして引き込みも良かったので視聴を決めてます。
後から、監督さんが『コードギアス』作られた方と知った感じ。あらすじは省略。
とにかく主人公がウザいで有名な本作。どんだけウザいか覗いてみよう!と野次馬根性丸出しのきっかけでよろしいかと思います。そして、できるだけ心に余裕のある時期に視聴することを推奨します。


主人公についてはなんかもう書くのも嫌(笑)
そこで、

1.主人公がどうしようもなく魅力のない場合の身の処し方

私の場合こうである。

 A こんな奴でも受け入れるキャパの広い俺氏!をきどるために観る
 B さようなら

このAとBの境界に明確な基準を設けられたら良いのに、たいていは気分だったりします。それと心の余裕。踏ん張りの一つ指標になるのは、主人公のマイナスを他のキャラのプラスで補うことです。
{netabare}しかしながらまりまりがダメでした。1話で同級生殺されてるのに、第6話で「化け物が元人間だから戦えない」と号泣。いやいや手を打たなきゃこちらがやられますから(゜o゜)
そしてそんなどうでもよい理由で揺れるゆかいな仲間たち。どうせギリギリになって覚悟決めるんでしょ?だったら手遅れになる前にやりなさいよ、と。{/netabare}
そんなわけで他のキャラもダメでした。

{netabare}ところが・・・ “ヒーロー気取りのバカw” 落書きの内容が視聴者の声を代弁します。{/netabare}

ここまでのキャラ設定にした意図を勘ぐりたくなってきます。ちょっと様子見しよっかな。マイナス×マイナスがプラスに転じるところを期待しました。


2.見せてもらおうか!この者らの末路を・・・

なんか良いお話で終幕しました。むしろクールアニメ平均点よりちょい上くらいの面白さです。
堂島大介くんとゆかいな仲間たちについても、「これを機会に立派な人生を送ってほしい」とエールを送りたい気分。我ながら見事な掌返しです。
終わりよければなんとやら…という作品に見えますので、「いつこの子が鼻っ柱を折られるんだろう?わくわく」くらい余裕をもって臨まれるとよろしいかと思います。

{netabare}転機は第8話。{/netabare}大介くんへの我慢の臨界点に達する頃合いで転機が訪れます。その後、やられた→反省した→改心した、のありきたりな展開とも少し違っていたのが好感でした。
最初から許容できる方はともかく、

 “主人公のウザさとの我慢比べ”

という新しい価値観を提示してくれる作品ではないでしょうか。
内容ほとんど触れずにごめんなさい。それなりに考察しがいのあるストーリーだよというのだけ触れときます。
自分にとってはキャラアニメでした。退屈ということはなくしばらく心がざわつき続けますので興味本位で手に取って良い佳作だと思います。



※レビューは以上でおしまい。以下長めの余談。

3.あっち系の人への挽歌

谷口悟朗氏の『コードギアス』はあにこれでの評価も高い作品で、とくに違和感なく楽しみました。
一方で、作品設定その他政治臭が強いとの声もあり、右だ左だの意見も散見する作品だったみたいです。そんな付帯情報が頭の隅にあってとうに忘れてたのですが、その記憶を呼び覚ますナイスな人物がおりました。そうなると、あれもこれもと繋がってきて、本作を鑑賞する裏の楽しみにもなってたのでご紹介します。

{netabare}その方は渋谷区長:牟田誠一郎

彼と渋谷警察署長黒岩との対比も興味深いものでした。{/netabare}


※政治色強めのネタなのでつまんないですよ。開陳ご注意!
{netabare}やめるなら今のうちですよ。いいですね?忠告しましたからね?{/netabare}


{netabare}リアルでの渋谷区長もポリコレ傾倒していて、条例で憲法違反の同性婚認めちゃうような方です。あれ知り合いのホモ・レズ・バイも軒並み迷惑がってるからね。頼むから掘っ・・・いや放っといてくれというものらしい。
そしてアニメの渋谷区長牟田誠一郎は小者感が際立つキャラで、さっそく第2話から腐臭をさらしてくれてました。言行録で辿ります。

■「君。本部って付けてよ。」「みなさん。我々災害対策本部はここに渋谷臨時政府の樹立を宣言します!」

小者であるが故に肩書にこだわる。そして権力志向が強い。いつぞやか箔をつけさせる目的で大臣の交代サイクルが異様に速かった3年間が日本にもありました。代議士なら大臣目指すことは悪いと思いませんがGOサイン出す内閣が全く制御できてませんでした。某党の元大臣・元副大臣の多さはもはやギャグのレベルです。
「書いたらもうその社は終わりだから」と踏ん反り返った大臣もいました。これ自〇党の政治家だったら社会的抹殺だけでは済まされなかったことでしょう。“偉ぶりたい”が根っこにある者に権力を渡すとろくなことがありません。


■黒岩「問題は覚悟無き主義者共。人権とか戦争反対とか愛とかそんなものは平和時の祭りに過ぎない。そいつらを黙らせ内部の守りを固めたいですね」
牟田「あ…私リベラルでして…」

あ、自己紹介してくれました。この瞬間、牟田に対しての“実は老獪な人物かも?”のセンが完全に消えます。
天賦人権説は夢想論。枠組み(国家)なきゃ無理でしょう。シリアとかどこぞの半島で同じこと言ってください。黒岩のこのセリフは正しい。
そして゛リベラル”という単語。゛左翼”がネガティブ語になってリベラルと呼び変えるようになって久しい現在。逆側も右翼と言われるのを嫌って保守と言ってます。お互い「パヨク」「ネトウヨ」と罵り合ってる状態です。まあ一般人にはどうでもよいことですね。
最近はリベラルを自称するにも息苦しくなって、立件…いや立憲〇〇党の党首が我こそは保守だと言い出す始末。いやあんたら社〇党からの流れでしょうに。左翼受難の時代です。


■「これは極めて高度な政治判断というものですよ」

と言いつつ何も考えてないですね。これは左右問わずかな?
同義語に「もっと話し合いをもって」があります。何を?がなければ問題外です。


■「これにより全渋谷被災者が元の時代、2017年へ帰還するための交渉のテーブルに着けることになったのです!」

判断材料が乏しい時に敵性勢力から与えられたエサに飛びつくのでは交渉にならない。材料が無いなら無いで出来得る限りの仮説を立てる必要があるものの牟田にはその形跡が皆無。せめて自陣の現有戦力なら把握可能でしょうに。人を使う立場にいてはダメな人物というかもうこれは知性の問題と言ってよろしいかと。


■「ま…待ってください!必ず来ますから!約束通りリストにあった人だけは元の時代に戻してくれるんでしょうね!?私は戻れるんですよね!?」

結局これ。
・根拠なく自分だけは大丈夫、と思ってる。保身第一。
・交渉できない相手との交渉にこだわる{/netabare}


モデルとかはいるんでしょうか?お遍路行ってたあの人かな!?
露骨にあっち系(のとりわけ政治家)をこき下ろしてるため、スラップ訴訟が大好きなあっち系の人から「差別を助長するな」と訴えられないか心配です。
こうやって主人公のウザさの影で、裏の楽しみを堪能してたので飽きることはありませんでした。


{netabare}「いつか来るその時のためだけに過ごしてきた」と猛省するのは牟田ではなく大介です。{/netabare}

{netabare}その時が来て浮かれる気持ちはわからなくもありませんが、高揚感だけで具体的なことは考えてない。彼は手段と目的を取り違えていたのです。ただしその過ちに大介は気づいて行動を変えました。
手段の目的化について現実世界では、ノーアイディアなのに「一度私達に犯らせてください」で「政権後退」してしまった事例がまだ生々しい。
これ以上多くは言いませんが、有権者は学習したのに当人たちがね、1ミリも変わってませんね。長くなったのでこの辺で止めときます。{/netabare}


こうなるとリアルの彼らは大介未満という結論に落ち着きます。そりゃ票は取れません。
事実は『revisions』より奇なり。そんな変態的な捉え方をして遊んでました。繰り返しになりますが、キャラクター以外で特筆すべきものはない作品。


-----
2019.09.01追記
≪配点を修正≫ -0.1

視聴時期:2019年1月~2019年3月地上波放送

もともと地上波に先駆けてNetflixで先行配信してたものらしいです。

ついでにオマケで言っとくと、民〇党系列ど左翼の知人がリアルで県議会議員やってます。話の通じるあっち系の方は大歓迎ですよ。


2019.03.29 初稿
2019.09.01 追記/配点修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 47

64.7 7 災害で未来なアニメランキング7位
アトム ザ・ビギニング(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (152)
633人が棚に入れました
これは、まだ誰も知らない”鉄腕アトム”誕生までの物語。

大災害後の日本に、未来を夢見るふたりの天才がいた。ひとりは天馬午太郎。もうひとりはお茶の水博志。天馬はその手で「神」を作り出すことを、お茶の水はその手で「友」を作り出すことを夢見て、日夜ロボット研究に明け暮れていた。そしてふたりの友情が生み出した1体のロボット、A106(エーテンシックス)。A106は果たして「神」となるのか「友」となるのか。若き天才コンビは、来るべき未来を垣間見る―。


手塚治虫が描いた永遠のヒーロー・鉄腕アトム。その誕生までの物語を、『機動警察パトレイバー』のゆうきまさみと『RIDEBACK』のカサハラテツローがタッグを組み、まったく新しい構想でコミック化した本作が、ついにTVアニメーションとして始動。アニメ化にあたっては、『踊る大捜査線』『PSYCHO-PASS サイコパス』の本広克行の下、『モーレツ宇宙海賊』の佐藤竜雄が監督を務め、『BLOOD+』の藤咲淳一がシリーズ構成を担当する。
アトムのいる「未来」と私たちの「今」が、『アトム ザ・ビギニング』によって結ばれる !

声優・キャラクター
中村悠一、寺島拓篤、井上雄貴、櫻井孝宏、小松未可子、佐倉綾音、河西健吾、飛田展男、南條愛乃
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

子ども向け・ハートフル系として見た方が良さが感じられるかも〈原作を読んだので一部追記〉

2017年春アニメ。全12話。
原作は漫画、未読です。鉄腕アトムにもほぼ触れたことがありません。

【あらすじ】
5年前の大災害により復興のためにロボット技術が発展し、ロボットは日常に欠かせないものとなっています。そんな中、練馬大学第七研究室で天馬午太郎とお茶の水博志は次世代型人工知能「ベヴストザイン」を搭載したロボット・A106(エーテンシックス)を制作中。
七研での経験により少しずつシックスは変化し、自我を獲得していきます。


全体的には明るく楽しい子ども向け寄りのアニメ。のんびり見ると楽しいです。
キャラクターがとても良くて、午太郎と博志の関係はしっかり描かれましたし、シックスと女の子達が可愛くて楽しめました。
OP、EDも凝っていて、作画・演出、BGMも常に安定していて良かったです。
個人的には日常の中でシックスが成長する姿をもっと見たかったですし、伏線が回収されていない部分も気になるので2クール欲しかったですね。

{netabare}
一周目の視聴時は序盤あまり引き込まれませんでしたが、ロボコン回などのいくつかの回と最終2話で全体の繋がりが見えてきて、二周目でちゃんとハマった感じでした。
月刊ヒーローズ連載、夜に放送ということでもっとハードな内容になると思っていたので、全体的に優しい雰囲気だったのは結構意外だったかな。最終2話は若干ヘビーでした。
中盤まではあくまでも日常生活のドタバタがメインですが、裏ではテロが進行していたり、5年前の大災害で瓦礫の山となった街並みが見られたり意外と暗い部分もありますね。

ロボットバトルものとしてはバトル無しの回が多く、けれども原作があるため全くバトル無しともいかないので、若干どっちつかずな印象ではありましたが…。
ただ、脚本会議には監修の手塚眞さんと原作者のカサハラテツローさんがほぼ毎回参加されていたそうです。内容については綿密に相談したこと、原作でも日常回をやりたかったけどなかなかできなかったこと、「どうするか迷ったときには明るい方向にしてもらった(カサハラさん談)」ことなどがインタビューで語られています。


【本作のふたつの柱】
・天馬午太郎とお茶の水博志の大学での研究と日常

原案となる「鉄腕アトム」では制作者であった天馬博士が手放したアトムを、お茶の水博士が引き取っています。
本作では学生時代の二人を描いていて、考え方の違いからぶつかることはあるものの、基本的には仲の良い共同研究者。ただし午太郎も博志も逆の意味でマッドで、お互いが歩み寄れないと平行線になりそうな危うさもあり、その描写が絶妙でした。

個人的に博志があまり好きになれないと思っていたんですが、多分言うこととやることにズレがあると感じるからかなあ。
最終話でのシックスの扱いを見ていても、ロボットが「心」を獲得するのを信じているなら一時的にでも粗末な扱いをするのはよくわからない…というかちょっと身勝手というか。
午太郎のほうが同じようにマッドでも言ってることは理解できる感じ。


・自律型AIの自我の獲得

人工知能が「心」を獲得するためには「自己と他者を分けて認識すること」と第2話で博志の口から語られています。
なので、シックスの成長と変化を少しづつ描いた上でロボレス編に入ったのはとても良かったです。一度目の視聴では正直ダレ気味に感じましたが、最終回まで見ると日常回の細かな描写がむしろ肝だったと思います。
日常の中で「守り助けること」を行動原理として緩やかに成長してきたシックスが、ロボレスで「戦い勝つこと」というある意味では行動原理に矛盾する命令に答えを出し実行したことで、急激に変化したと感じました。

シックスの内面が描かれた最終回が凄く良かった。度々ポイントを絞って(アイキャッチもですが)シックス視点が入っていたのが良い演出だったなと思います。
断片化した記録を精査しながら、自身を客観視していく描き方は上手い。AIであるにも関わらず夢や願望のような映像が入り交じり、混濁した記録を整理していく描写は色々と考えさせられます。
オーナーの命令に逆らうより自身の機能停止を選んだマルスに対して、シックスにとって自我の獲得ははじまりという描き方なんですね。

本作の作りと鉄腕アトムに続く流れから考えれば、人工知能(少なくともベヴストザインに関しては)の発展が人間社会に悪影響を及ぼすような展開は無いだろうと思うので、このアニメのテーマのまま続編が見たいですね。


【以下雑感】
調べてみると、全12話のうち5話ほどはアニメオリジナルで、原作エピソードをアニメ独自に膨らませた部分もあるよう。どれも楽しくて良かったです。
ロボコンの回好きなんですが、オリジナルなのかな?蘭のメイン回としても良かったですが、現実的な題材なのが素晴らしかったと思います。
ストーリーのメインに描かれるのが自我を獲得しつつあるシックス、軍事技術を用いたマルス、ロボレスの戦う花形ロボットたち、という中で災害救助用ロボットを描いたのも個人的にすごく評価したい部分。その意味では第3話でペットロボットを登場させたのも良いチョイスだったんじゃないかな。
スタッフや参加者の何人かが実際のロボコンを見に行ったりもしているようで、現実に繋がるリアリティを積極的に作り上げようとしている印象がありました。
{/netabare}

全体としては質の良い作品で、脚本のこだわりや生き生きとした作画も観ていて楽しかったです。この子ども向けのような雰囲気のままもっと長く見たい作品でした。(2017.11.30)


【追記】
原作4巻まで読了。
ヒーローズ連載らしくバトル多め、ストーリーにミステリー要素もあり大人向けです。ベテラン漫画家らしい手慣れたタッチの絵と画面作り、凝ったロボットデザインが素晴らしいです。
アニメ版はきちんと原作を尊重しながらも変更点によって描きたいこと(自我の獲得)が明確になっていて、ちょっと哲学的な描写が増えているのも映像作品ならでは。
どちらも面白いですが、原作の読者層とアニメの視聴者層は結構割れていそうな感じがするw

{netabare}
アニメ化されたのは漫画の2巻の半ばほどまで。
ただし3巻以降に登場するシチュエーションやキャラクターをサービス的に拾っている部分も多いです。
アニメ作品の準備期間から考えると、おそらくかなり早い段階でアニメ化決定したんでしょうね。連続性の強いストーリーなので、これ以降の区切りまでにすると蛇足っぽくなってしまう気がします。

アニメオリジナルが3話、4話、6話、7話。他の話もかなり膨らませています。個人的にはロボレス編をコンパクトにしてもう1話日常回を観たかったかも。戦うロボットだけではなくて、ペットロボットや救助ロボットの回を作り人とロボットの様々な関係性を描いたのがとても良かったと思います。

個々のキャラクター描写が増加してます。
原作では茂斗子さんと蘭ちゃんの出番がそこまで多くないので、アニメでは見せ場がかなり増えていて嬉しい限り。アニメでの蘭ちゃんのシックスへの想いの強さと、茂斗子さんのシックスへのニュートラルで自然な関わり方にはずいぶん癒されました。
なにせ午太郎と博志の意見が食い違う描写が原作より多くなっているので、アニメ最終回の「シックスくんこれからも大変ね」みたいな台詞には同感ですね。

アニメでは視聴者に与えるシックスの印象の変化にかなり気を遣っている感じ。
原作ではシックスは最初(自我が芽生える前)からしっかりと喋っていますが、アニメでは人工的な音声と台詞回しになっていて、最初は自我がないことや人工知能の成長過程がかなりわかりやすくなっています。そのため自我を獲得するタイミングは同じマルス戦ですが、アニメ版10話ラストの「話がしたい」のインパクトは絶大。素晴らしい演出でした。

最終回も原作のエピソードではありますが、その膨らませ方もとても上手。シックスが自己を省みる描写を丁寧に入れたことで、「自己と他者を認識すること」が明確になっていました。ラストシーンの「はじまる」という台詞で、シックスが自我を獲得し、これから「心」を育んでいくという描き方になっていると思います。
{/netabare}(2017.12.4)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

これは、いずれ"天才"と呼ばれるふたりの"日常"

この作品の原作は未読ですが、「鉄腕アトム」の前進を描いた物語だとピンとくるほど分かりやすいタイトルですね。
鉄腕アトムの功績は物凄いと思います。
日本で最初の本格的な1話30分の連続アニメ…
日本初の国産ロボットアニメ…
平均視聴率30%超…

これだけでも十分重みを感じますが、この作品はこれだけじゃありません。
現在のロボット工学学者たちには幼少時代に「鉄腕アトム」に触れたことがロボット技術者を志すきっかけとなっている者も多く、現在の日本の高水準のロボット技術力にはこの作品の貢献が大きいともいえる(wikiより)

まさに現代の科学の礎を担っている作品なんです。
それが形を変えて現代に蘇るとなると気にならない訳がありません。

この作品の第1印象はこんな感じです。
A106:ATOMより無機質さを感じるフォルムが逆に格好良い、良く動くなー、グーパンチ凄っ…!
お茶の水博士:若っ…! 鼻小っちゃ…!

この作品は、練馬大学の若き天才コンビ、天馬午太郎とお茶の水博志が作り上げた意志と人格を持つ自立型ロボットであるA106を巡る日常を描いた物語です。
決して潤沢ではない資金面…むしろ慢性的な資金不足が続く第7研究室でしたが、午太郎と博志はA106の今後について熱く議論を交わす日々が続いていました。

A106は確かに格好良いけれど、この展開だけでは流石に飽きてしまいそうですが、この作品…華である小松未可子さん演じる堤 茂斗子と、あやねる演じるお茶の水 蘭が抜群のタイミングで絡んでくるので、決して飽きる事はありませんでした。

お茶の水博志と茂斗子…そして妹である蘭の位置付けがまた面白い…
博志は決してモテるタイプではありません。
ですが彼の優しい人柄を知れば気になる人がいてもおかしくありません。

それに共同とはいえA106を自作してしまうほどの技術の持ち主なんです。
妹の蘭だって一目置かない訳がありません。
この欄ちゃん…この作品における私の一推しキャラでした。
口数は少なく無表情ですが、第7研究室に入り浸り廃材の山から使えそうな部品を探している姿を何度も見かけました。
兄に負けず劣らずロボット好きなのは遺伝のせいだけじゃないと思います。
特にA106との絡みは個人的に大好きでした。
でも…お茶の水博士に妹がいるなんて…この作品を見て初めて妹の存在を知りました。

A106が人格を持っているとはいえ、本来人間が持っている人格とは似て非なるモノ…
でも、お茶の水兄妹のロボットに対する接し方は人間と分け隔てが感じられません。
A106がどこまで気付いて感じているかは分かりません。
でも自分に向けられている気持ちに嫌な感じがしないことは分かっていたのではないでしょうか。

だから思います…
A106が「心やさしき科学の子」と呼ばれる所以は、博志の優しさが伝染したからだと…
二人の思考パターンが似ている…と思える言動がチラホラ見受けられるんですよね。
でもこの優しさがA106最大の魅力だったのではないでしょうか。

A106の前を通り過ぎる様々な出来事を真摯に受け止め、彼ならではの思考パターンで自分らしくあり続けた…完走して振り返ってみると、「A106らしさ」がしっかり描かれていた作品だったと思います。

オープニングテーマは、After the Rainさんの「解読不能」
エンディングテーマは、南條愛乃さんの「光のはじまり」
After the Rainさんは最近気になりだしたユニットです。
今回のOPもアニメともマッチしていて格好良かったと思います。

1クール12話に物語でした。
気が付いたら夢中になって見ていた作品…この作品に対する私の印象はこれがピッタリです。
作画は好みを選ぶかもしれません。
でもそれだけで切ってしまうのはあまりにも勿体無い…そう思える作品でした。
原作はまだ続いているみたいです…
それにDr.ロロは未だ謎だらけですし、第1研究室の件も描き切れていないと思います。
もし続編が制作されるなら絶対視聴します。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

これも恐らく・・・・・・・・・・・・・【漫画】の方が面白そうな感じがします。

最近の手塚リスペクト物で『ヤングブラックジャック』なんかもありました。漫画の方は結構面白く思えて、アニメ化に少し期待してたのですが・・・「コケた」と思えたのが個人的な感想です。、で

年長者は一度は耳にして、若い人には[嫌]でも聞かされる漫画の神様「手塚治虫」先生の定番代表作の一つ「鉄腕アトム」から、アトムの「生みの親」と「育ての親」の若き青年時代のストーリーというのはみなさんご存知のとおり。

※【鉄腕アトム】
原作や、幾つかメディア化されて設定を後付け盛り付けたりされてますが、私の記憶してる基本ラインは-
・科学省長官の天才科学者「天馬博士」。最愛の息子・飛雄(トビオ)を交通事故で失い、その深い悲しみから息子そっくりの「少年ロボット」を作り上げる。(なんか「フランケン・シュタイン」みたいなさわり)
・しかしロボットはロボット。人間の代役にはならないジレンマで天馬博士は少年ロボットをロボットサーカスに売り飛ばします。そして天馬博士は科学省を去り、行方をくらませ世捨て人に。
・ロボットサーカスのショーで働く少年ロボット。そこへたまたまサーカスを見に来ていた現科学省長官「お茶水博士」。その少年ロボットが盟友・天馬博士が作り出した傑作ロボットと見抜き、サーカスから引き取ることに。
・そしてその少年ロボットは『アトム』と名付けられ、お茶水博士とともに様々な怪事件・大事故を解決し、はたまた勧善懲悪の大冒険もあり、見る者に問いかける問題ドラマもありと「正義の少年ヒーロー」モノとして結構ヤマ盛りな内容の展開が次々と。
・小さな体に10万馬力、ジェットで自由に空を飛び、秘められた「7つの力」のアトム。
・しかし「心」あるが故、人間と同じく喜怒哀楽があり、特にボッチなところを不憫に思ったお茶水博士はアトムに家族ロボット(パパ、ママ、妹のウラン、兄のコバルト)を作ってあげて人と同じく優しさや思いやりを育んでいきます。
、といったところでしょうか。

そして、今回「アトムの素」を作った二人の天才、天馬午太郎とお茶の水博志("はかせ"じゃなかとです。"ヒロシ"です・・・"ヒロシ"です・・・)。
謎の災害から5年後。復興作業の為にロボットが大量導入。当然ロボット産業が急速に進み、練馬大学学院生の午太郎と博志は次世代型人工知能「ベヴストザイン」搭載の自立型ロボット「A10-6(エーテンシックス)」を開発。
A→【ア】
10→十(とお)→【ト】
6→六(む)→【ム】とかけ合わせてあるのはご周知の通り。
オリジナルキャストの博志の妹・蘭。
アトムの妹・ウランと「妹でラン」繋がり。
主要この三名を中心に様々な事件が起こるようですネ。
(復興で技術産業が進むのはパトレイバーのバビロンプロジェクトを思いだしますね。東京湾を埋め立てて土地不足を解消。数万パワーの土木作業機械=巨大マニピュレーター=レイバーの多数登用。レイバー技術の急速な発展→レイバーの犯罪発生・増加→「パトレイバー」の誕生。)

監督は本広克行さん(ドラマでは「踊る大捜査線」アニメでは「PSYCHO-PASS」が有名どころ)。NHK放送のせいなのか、あまり「ムチャ」出来なさそうで気の毒な感じがします。
今のところアクションはそれなりにイイと思うのですが、ドラマパートがなんか非凡に感じます。特に伴健作。すんごく昭和テイストです。しかも将来、父にクリソツになる息子・伴俊作(後のヒゲオヤジ)。今は似つかないほどの爽やか(ちょっとオマヌケ?)青年ぶりにオッタマゲーです。

知名度があっても「局」の縛りで伸び伸び出来なさそうな感じがしますが、
はてさてどうなりますやら。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

72.7 8 災害で未来なアニメランキング8位
攻殻機動隊 SAC_2045(Webアニメ)

2020年4月1日
★★★★☆ 3.7 (144)
619人が棚に入れました
2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー"へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン"と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊"が組織される――。

声優・キャラクター
田中敦子、阪脩、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大川透、小野塚貴志、山口太郎、玉川砂記子、潘めぐみ、津田健次郎、林原めぐみ
ネタバレ

hoku-sai さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

攻殻2045をガチめで考察してみた

【ポストヒューマンは人類の敵では無い】


逆転する認識、価値観の変容による再解釈

ポストヒューマンは悪ではなく
公安9課も正義ではない
そして戦争とは平和である

劇中の描写や、神山健治氏の発言、SACが貫いてきたコンセプト等から新らしい攻殻機動隊を再解釈する

時代に追いつかれた攻殻機動隊という世界から見る現在はどんな姿をしているだろうか。

あなたが悪いと思っているものは本当に悪いものなのだろうか。

※↑noteに書いた記事の転載
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こんな感じで始まる考察レビュー記事をnoteに書いたのでこちらにも転載しときます。
ただ元記事は画像使ってたりクソ長かったりするのでリンク貼って途中まで転載しとくよ。

もし考察が当たってたらシーズン2のネタバレになるかもしれないのでご注意を。


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以下転載


記事その1{netabare}

転載元:https://note.com/individual2045/n/n9df25605db91

攻殻機動隊SAC2045シーズン1をネタバレ全開で考察:ep01 ~ポストヒューマンは人類の敵では無い~

【軽薄で残酷な「顔無し」たち】
画像4

(画像引用 : https://www.netflix.com/ 攻殻機動隊 SAC_2045 ep10 より)

まず最初に今回の攻殻機動隊に対してはこんな声が目立つ

・一般向けになりストーリーが解り易くなった
・話の流れが単純で内容がスカスカ
・敵もただのインフレで薄っぺらい
・前作のまでのような深みがない
・使い古された陳腐な題材を使った○番煎じであり、新しさが無い
・攻殻機動隊は終わった

本当にそうだろうか?
我々としては今、ストーリーがとても重厚で多面的な為、書きたいことが多すぎて吐きそうになっているぞ。

↑の箇条書きのような事を言ってる方はこれから示す前提など当たり前に理解し、考えた上で言ってるのだろうか?そうじゃなければ彼らはシンクポルの「顔無し」や、プリンが遭遇したブヒブヒいってる豚と同じような存在だ。

このような易きに流れる「大衆」という存在は今作でも大きなテーマの一つになっているが、その事を語る為にもまずは

そもそもの前提を掴むために重要な描写がある1話(ep01)と6話(ep06)を主に参照して考えてみたい。




【主人公勢力は正義という思い込みに始まる間違い】
画像2

(画像引用 :www.ghostintheshell-sac2045.jp/ 攻殻機動隊 SAC_2045 公式サイト より)

攻殻機動隊SAC2045の世界ではサスティナブルウォー(持続可能戦争)により世界が混乱していることが最初に示されている。ではこのサスティナブルウォー(以下SWとも表記)はそもそも正義であろうか?ここでは正義ではないという向きが一般的として話を進めよう。そもそも本当は正義も悪も無いのだけど、そうしないと話が進まないのでそうしよう。
 SWが悪であるならばSWに積極的に参加し、戦争という産業の一部となっている9課の面々は全くもって正義ではないという事になる。
ただSWという概念が示している戦争とは皆が思っている戦争でない。戦争という概念もまた逆転しているのだ。なぜそう言えるのかついては別に記そうと思う。

シーズン1の時点で公安9課メンバーは、常にサスティナブルウォーという民衆を統制する体制。の側にある存在だ。






【サスティナブルウォーはポストヒューマンが起こしたものでも無ければ運営しているものでも無い】
画像3

(画像引用 : https://www.netflix.com/ 攻殻機動隊 SAC_2045 ep01 より)

SWを起こしたのはポストヒューマン(以下PHとも表記)ではなくG4であり1A84であることが上記のOPでも本編でも語られている。しかしアニメを見ているとSWを仕掛けているのがPHであるかのように見えてくるのではないだろうか?しかしはっきりと違うのである。

戦争(SW)を起こし、運営しているのは1A84だ。
PHが起こしたのは2044年の世界同時デフォルトであって、2042年に始まったSWでは無いのだ。(この点は次項を参照)
そもそも2042年にはポストヒューマンは存在していないと思われる。

 にも関わらずPHがSWの媒介者かのように見えるのは、確実に制作側の意図でそう見えるよう見事に演出されているからだ。
 ここまで明確にSWの首謀者を示しているのに、見ているうちに1A84の存在を忘れ、いつの間にか戦争を起こしているのはPHだと錯覚してしまう。

画像7

この点に関しても目を盗まれた方が多いのでは無いだろうか

「ポストヒューマンは人類の敵である」と言う思い込みが、
SWを起こしたのはポストヒューマンではない。
と言う当たり前の前提を忘れさせる。

続きは転載元
https://note.com/individual2045/n/n9df25605db91
{/netabare}



記事その2{netabare}

転載元:https://note.com/individual2045/n/n0470a531c146

攻殻機動隊SAC2045シーズン1をネタバレ全開で考察:ep02~ジョン・スミスの正体と9課再結成の裏にあったトグサくんの大活躍~

【ジョン・スミスの正体は1A84である】
画像2

(画像引用 : https://www.netflix.com/ 攻殻機動隊 SAC_2045 ep08 より)

 正確に言うとジョン・スミスとはサスティナブルウォーを持続可能にするためのAIである1A84の端末だ。

 ジョン・スミスとはマトリックスのオマージュである以前にそもそも「誰でもない誰か」という意味を持つ言葉だ。AIの端末だから誰でもない。という意味以上に、誰でもない誰かという名の「ジョン・スミス」は「顔無し」の代表ようなの存在なのである。

なぜ代表的な存在なのかという話は次回以降に譲り、
今回はなぜスミスは1A84の端末だと言えるのかという話をしたいと思う。

 この事がハッキリと分かるのがep08だ。トグサを認識出来ていないスミスを覚えているだろうか。あれが証拠である。スミスはトグサ殺そうとした事をお茶目に素っ惚けてるわけじゃない。本当に分からなかったのだ。
 このシーンでトグサを覚えていないスミスに違和感を感じた方も多いのではないだろうか。

 まず表題部分の画像を見て欲しい。これはスミスの視界だ。見て分かる通りトグサのプロフィールが表示されるべき場所に「No Data」と表示されている。
 これはおかしい。ぜったいおかしいぞ。おかしいので考えてみた。

 「No Data」となっている以上。なんらかの理由でスミスからトグサの情報が消去されいる事は間違いない。ならばその何らかの理由があるはずだ。
 スミスがトグサの事を「こいつなんか普通だな使え無さそうだしとりあえず消しとこ」なんてマネをするだろうか。絶対しませんよね。はい。
ではトグサがスミスにハッキングを仕掛けて自分の情報を消したのだろうか。いや。それも違うだろう。そんな描写はどこにもないからだ。

ならばこういうのはどうだろう。
スパイからの情報を元にトグサが死亡したものと判断したシステム=1A84が、照合リストから削除した。もしくは死者は照合適用外だったため。
こう考えると説明がつくはずだ。

続きは転載元
https://note.com/individual2045/n/n0470a531c146
{/netabare}



記事その3{netabare}

転載元:https://note.com/individual2045/n/n0470a531c146

攻殻機動隊 SAC_2045 s1 ネタバレ全開考察:ep03~1A84の正体【前編】 ジョン・スミス更なる正体が示唆する物語の核心~

【1A84とはユートピアを実現する存在】
画像5

関係ない話に見えるかも知れないが、今回の攻殻機動隊SAC2045は
脚本;神山健治
監督;荒牧伸志
という作品だ。

神山健治氏は「攻殻機動隊」SACシリーズの監督
荒牧伸志氏は映画「アップルシード」の監督

「士郎正宗氏による原作」をそれぞれ監督しアニメ化した二人である。
そして原作者も同じなので世界観も地続きなのが「攻殻機動隊」「アップルシード」の二作だ。

画像1



想像してほしい



警察の出動が極少なく、軍はあるけれど影響力を行使しない。
貧困も存在せず、銃声の代わりに音楽と笑い声に満ちたユートピア。

こんな国があったら住みたいと思うだろうか?

我々は住みたくないが、住みたい人はとても多いだろう。
このユートピアの名をオリュンポスと言う。
22世紀の未来に世界を統一した勢力だ。巨大な人工島の上に都市国家を築き、地球全土の統一管理保全を目的としている。

一方オリュンポスの外側の世界はどうなっているかと言うと、

画像7

・かつて日本だった企業連合国家ポセイドン(大日本技研)
・アメリカが分裂した姿である米ソ連(SACでは米ロ連)
・もうひとつの米帝(SAC2045でも日本と同盟関係)
・イスラム圏に新しく立国した宗教国家ムンマ
・廃墟となった無人都市郡地帯

などなど、各勢力の思惑が入り乱れ陰謀が渦を巻いていそうな今と大差ない世界が広がっているが、銃弾の飛び交う地域が多く、無人の廃墟となった都市郡があるなど、この世界の22世紀は2020年現在の人間界より少しだけ荒廃した世界のようだ。

画像6

そんな未来で、オリュンポスは人類が実現した理想郷とされており、人口の半分以上を占めるバイオロイドが人間同士の仲介者として機能している都市だ。
バイオロイドとは人為的に作られた人間であり、ヒトに奉仕することが根幹にある。しかし安心してほしい。バイオロイドがヒトに奴隷の如く扱われているわけではない。むしろ幸せに暮らしていると言っていいだろう。オリュンポスはバイオロイドにも人権がある素晴らしい国なのだから。

荒廃した世界を他所に
貧困も銃声も存在せず
音楽と笑い声に満ちたユートピア
それが理想社会オリュンポスだ

画像8

そして1A84こそ、このオリュンポスの原型となる存在なのだ

そして地続きの二作を繋げる存在が1A84であり
「攻殻機動隊SAC2045」≒「APPLE SEED 0 IF」
と言うのが我々の考えだ。

なにを言っているか分からないかも知れないがこの先の話はもっと分からねぇ気もするけど最後まで話せばきっと分かる気もするのではりきって先に進もう。すでになにを言っているかわからねぇがとにかく進もう。

続きは転載元
https://note.com/individual2045/n/nc39d4705b507
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

浮世絵と漢字の国で完全3DCGは無理。中身は攻殻機動隊の出がらしです。

 3DCGがなぜ日本ではうけないか。それは浮世絵と漢字でしょう。

 浮世絵は、線で区切られ単色で塗られていて、その本物とは程遠いモノに我々は現実を投射します。また、我々は擬人化が好きです。これは漢字というキャラクターがあるからでしょう。その漢字は平仮名によって命を与えられます。つまり動きだします。カタカナによって、われわれは音ですら文字により命を持たせることができます。

 のっぺりとした2次元の絵に我々は生命を宿すことができます。それが浮世絵であり、マンガであり、アニメです。現実から遠いからこそ我々はそこに表現されているもの以上、どころか現実以上のリアリティを投射できます。また、リミテッドアニメ表現は俳句につながるかもしれません。現実に近ければ近いほど優れたものだ、という西洋の感覚とは全く違います。
 能は同じ仮面の中に表情を見ることができます。日本人は文脈やシチュエーションで脳内で何を読み取るべきかを瞬時に判断します。必要なのは記号としての目鼻でありリアリティなど全く必要ありません。

 この差を理解しないで、3DCGでほらすごいでしょ?というアニメを作ると本作のようになります。ピクサーが日本で盛り上がらないのも同じでしょう。本作のEDのレンダリングならまだ受け入れられる余地はありそうです。

(追記 お互いが理解できないと言っているのではなく、本作のような日本アニメ的キャラの中途半端な3DCGが見苦しいという感じかもしれません。あるいは鑑賞して感動はできるけど、ピクサーアニメは日本人には作れないし、日本的アニメはディズニー的3DCGは無理だという事です。本作はその悪いところ取りをしている感じです。また、フルアニメーションだと魅力が出せないのも日本の特徴でしょう) 


 で、本作については、3DCGというアニメの作り方として間違っている上に、攻殻機動隊をリメイクするためのストーリーです。SNS時代の本音とか、監視社会とか、何か作家が表現したいものを表現しているという感じではありません。攻殻機動隊っぽいテーマって何だろうと後付けでくっつけたような感じです。

 タチコマ芸もお決まりの出来の悪いコントでしかありません。そもそも3DCGのソフトの関係か知りませんが、タチコマが人間サイズしかありません。なんか、創作物を命を削ってとまではいいませんが、出来ることはキチンとやろうという意欲が見受けられません。
 
 アクションシーンがいたずらに長いし、それっぽいセリフはいいますが、少佐が矮小化されてしまっています。攻殻芸を見せつけられて、下手をすると共感性羞恥が発動しそうなくらい、カリカチュアライズされてしまっていました。

 まあ、はっきり言えば攻殻機動隊の出がらしを、ほら今グローバル市場ではこんな3DCGでやってるんだよ?すごいでしょ?と一生懸命みせられているような感じです。
 一応、3DCGの研究としていい素材なので見ましたが、本気でつまらなかったです。

 本作でアニメの将来を思うとかなり落ち込みました。評価はまあ適当です。オール1というより、アニメとして見られませんでした。


 なお、ネトフリの順位が日本だけなぜ違うか、についても同様に日本人と西洋人の文化の違いがあると思います。宗教と権利の話なのでここでは述べませんが、もうちょっと日本のマンガ、アニメに造形が深いヒトをスタッフに入れてほしいなあ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

やまだ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

かなりの悪口。いいか読むなよ、絶対読むなよ。

なんだこの人形劇。スマホゲームのムービー?ネットフリックス製なのに低予算なの?酷い本当にヒドい。日本製CGムービーは本当に何も進化してないな。静止画の紙芝居ならまあいいよ。でもモーションが昔の家庭用ゲームでも出来たレベルのゴミ。キャラも車両も何もかも。キャラデザは好みだろうがタイトル画面とかフォントとか小物や車両のデザインとか何もかもセンスが古いしオープニングも何アレ?全身義体ってのが甲殻のアイデンティティなの?だったら何故義体の硬さとか重さとか動きで表現しないの?初代ロボコップみたいにしろとは言わんけどサスの沈み方とか足跡とか色々出来るでしょ?せっかくのCGなのに。タチコマですら重量感を全く感じない。やっぱりそこはどうでもいいの?大人キャラしか出ないシリアスな雰囲気だけがいいの?甲殻機動隊でなんで戦争なの?甲殻機動隊キャラが揃ってるだけでいいの?"ぼくの考えた甲殻機動隊"をCGでやりたかっただけとしか思えない。

国内製の国内向けの作品ならそれでいいんですよ。昔から日本製CGゲームは静止画はキレイだけどモーションがすこぶるヘンでも売れていたので。でも海外製ゲームはその当時の物でさえ慣性や重さを感じる事が出来た作品しかなかった。勿論制作費が違い過ぎるという理由もあるから、そこは自分が好きな物だけプレイすればいいだけなんだけど。でもコレってネットフリックスの予算なので国内製よりは予算あるはずですよね。ネットフリックス製という事で海外も意識して製作しないといけないですよね。で、このザマはなんなんですか。

日本のアニメ業界は衰退していく未来しかないですね。現在でさえ安い賃金でこき使われて手書きで死にそうな思いで絵を書くだけの重労働。将来的にはそんなもの衰退してCGメインに置き換わるでしょう。AIで動画すらも出来るようになる。手書きアニメは手書きというだけで価値がある昔ながらのこだわりの伝統技術というふうになっていくだけ。ただの芸術作品に成り下がって庶民の作品は海外製のクソみたいなものに侵食される未来。テレビの"日本は凄い"みたいな番組でとある町工場なんかが海外の方から絶賛されてたりする。そりゃそうだ。海外の職人は安月給で働かないからだ。スイスの時計産業を日本が潰したように、イタリアの自転車産業を台湾が潰したように、日本のアニメ産業もまた潰されていくのだろう。クリエイターを引き抜くだけでいいのだから1番簡単。製作に日本人が関わったとしても結局センスは海外準拠。今と同じ物が作れると思うか?

日本にはディズニーみたいなIP戦略が必要だった。ディズニーもたまにはいいよ。でもディズニーに支配されたサブカルなんかゴメンだ。マーベルやルーカスまで買ったディズニーは世界統一でもめざしてんのか。ディズニーとまでは言わんでも国策としてでもなんとかすべきだった。でも多分もう遅い。せっかく上手くいきかけてたブランドIPの数々をハリウッドに買い叩かれてばかりで何が"ジャパニメーション"だ。何が"クールジャパン"だ。バカか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

55.9 9 災害で未来なアニメランキング9位
熱風海陸ブシロード(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (67)
373人が棚に入れました
小惑星の衝突がもたらした≪シノビ≫という名の毒に侵され、世界が絶望の淵に立たされている時代??人々は、かつて海の底であった≪海陸≫へと逃れ、≪シノビ≫の脅威に怯えながら暮らしていた。そんな、荒れ果てた世にも一筋の希望の光があった。≪シノビ≫に対抗しうるそのものの名は、≪機神将・ギガロード≫。そして、伝説の戦士≪ヤギュウ≫。これらの力を以て世界を救うべく、今、亡国の姫・アメが立ちあがる!

声優・キャラクター
潘めぐみ、KENN、大塚明夫、森嶋秀太、鳥海浩輔、サエキトモ、鈴木千尋、橘田いずみ、徳井青空、三森すずこ、佐々木未来、伊藤美紀

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「私と一緒に闘って・・・」←亡国となっても使命を貫き通すお姫様の物語です^^

物語の舞台は遠い未来の日本・・・その世界は小惑星の衝突によって「シノビ」という毒が蔓延し、人々は絶望の淵に瀕していました。
人々は「シノビ」の毒の及ばない、かつて海の底だった海陸に逃れ生活していました。
そんな細々とした生活の中、唯一人類が「シノビ」に対抗できる手段である、古のギガロードの復活を目指し、亡国・イセの巫女であるアメ姫が立ち上がり・・・物語が動いていきます^^;

構想に10年近く費やして生まれた作品・・・という事を聞いていたので、視聴を楽しみにしていました。
作品は90分程度なので、あっという間に見終わりました。個人的には設定が好みだったので楽しみながら視聴する事ができましたが、構想に10年を費やした部分がどこなんだろう・・・と考えてみると、良く分かりませんでした^^;
まぁ、でも所謂勧善懲悪モノなので紆余曲折ありながらも物語はクラマックスに向けて、しっかりと盛り上がりを見せてくれる作品でした^^

また、主人公の叶えたい願いは大きく皆んなの叶えたい願いと重なっていました。
国はシノビに滅ぼされていましたが、その願いを叶えるためきちんと自分に向き合い弱点を見つめ克服しようとする姿勢・・・そして気丈なお姫様は立派でした^^
そして、主人公を支えるスオウの立ち位置も良かったと思います。
総じて良かったのですが、何か釈然としない・・・そんな感じが残ってしまいました^^;

何故なんだろう・・・理由を考えてみました。
あくまでも私の個人的見解ですが、2つありました^^;
一つはギガロードを手にするまでにアメ姫が見た場所のその後が知りたかった・・・
もう一つはギガロードそのものです・・・きとんと役目を果たして頑張ってくれました・・・
でも、起動時における巫女への仕打ちは私にとって痛々し過ぎでした^^;
私は今回の作品とは異なる結末を望んでいたのですが、あれじゃ流石に難しいと思いました。
それでも、ラストのどんでん返しを期待しましたよ・・・期待は叶いませんでしたけど・・・^^;
どうせ最後に涙を流すなら、違う涙を流したかった・・・そう思えて仕方ありません。

でも、ラストのスオウ・・・良かったと思います♪

1話90分の作品です。もう一度視聴したら序盤〜中盤の印象が変わるかもしれないので、時間のある時にまた視聴してみようと思います^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

節操無く詰め込んだ不味いおせちでした。

アニメ本編に行くまでの事前番組が長かったです…。
気合いは分かるんだけど他のどのアニメも頑張って作っている訳で、
このアニメだけ特別苦労した感じをアピールされても押しつけがましいです。
元々期待してないのに自分でハードル上げるとは…。

とりあえず出演者の印象
橘田さん=のっぺりやや離れ目でタヌキっぽい。O脚。
森嶋くん=近目ツリ目でキツネっぽい。化かし合いコンビ。
藩さん=夜の世界の安達祐実。

っと、脱線したので本編の感想に戻ります。

世界観ですが好きな物を好きな様に取り込んでまるでビュッフェ。
和装洋装混在は序の口。建物も年代や場所や材質ごっちゃごちゃ。
武器も刀、剣、銃、ロボからオーバーテクノロジー何でもあり。
(それに併せ戦闘アクションも全部盛ってます。)
地下に無駄に明るい日本庭園造る意味が分からん。
もう少し統一された世界観にならない物ですかね? 
気が散って入り込めないです。

内容も何の捻りも驚きもない悪者退治物に
いろんなアニメの要素を取り込んでオリジナル感がゼロ。
戦国BASARAからのホライズン的な展開は
領主無視で最初から信長的なのがボスで良い気がするし。
ヤギュウというARMSみたいなスオウも何者かうやむやだし。
アメも最期{netabare}死んだなら死んだで納得するけど消えてるのでよく分からないまま。{/netabare}

作画は前半は良かった感じだけど後半手抜きしすぎです。
黒い固まりにビーム撃ってる炎のマントを見せられるこちらの気持ちにもなって欲しいです。
台詞とか場面的に熱いシーンなだけに冷めました。

色々寄せ集めて一見豪華でしたが何の味もないおせちを食わされた気分です。
元日から酷評させるんじゃないよ、もう!
お勧めしないです。観なくてもいいレベルです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

指差し呼称: 「うん! 観なくてヨシ!」 

BS-11で大晦日の19時~22時までの放送された3時間特番 
(SAOの前に放送されました)

本編94分

ジャンル:SFバトルファンタジー

前半は、番組&製作側の紹介などで、
自分的には、本編のキャラと話の設定だけ観れば十分の内容でした。

あらすじは  簡単にすると
人類は「シノビ」という名のクリーチャーに怯え「海陸」に逃れるれる。
この危機を救える唯一の存在である「機神将(ギガロード)」を復活させるため、亡国イセの姫巫女・アメと、シノビと戦う力を持つ人間兵器「ヤギュウ」の血を引く少年スオウの二人が立ち上がる。
ウィキより

構想10年だそうです

その割には全然魅力なかったな~ ってのが本音。

作画は、素人の自分が見ても綺麗で力入れてるな~って感じで、GOOD
ロボットも出て来ますが、動きも良いし凝っています

ただ、
なんだろう・・・
見ごたえのないと言うか・・・
見事に記憶に残らない 話の薄い感じ

テンプレ過ぎる敵キャラだし
最後も、イマイチ納得できないし・・・

地球全体の話の筈なのに、見せる世界観が狭い
ゆえに面白味の欠ける結果になった感じです。

それに、
スオウ 役の声 - KENN さんですが、
境界の彼方でもでしたが、イマイチ微妙でした。
( 潘めぐみ さんは、流石で上手でした)


お忙しい皆様には全然オススメできません!ε- (´ー`*) フッ


主題歌
「熱風海陸ブシロード 〜熱き咆吼〜」 歌 - 小野正利

この曲の唄声聴いたとき、すぐに あの「You're the Only…」を唄った小野正利さんだと解りました!
思わず笑っちゃいました ^^
なんか イマイチ合ってなかったですw ^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 40
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