漫画原作おすすめアニメランキング 1103

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの漫画原作成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月14日の時点で一番の漫画原作おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.8 1 漫画原作アニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (652)
2103人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界の見え方

マッドハウス制作。

魔王を倒した勇者一行のその後、
冒険の終わりから始まるファンタジー。

長寿のエルフである魔法使いフリーレンは、
仲間の死をきっかけに人の心をより知ろうと、
勇者との冒険の痕跡を辿る旅に出る。

人の寿命はエルフに比べあまりにも短い、
それゆえに人は思い出を美しいものと大切にする。
それはフリーレンにもあるはずのものだが、
共に冒険に於いて経験したものの価値が、
人とエルフではやはり違うのである。

時間の経過がもたらすものが、
きっと物語の鍵になるのでしょう。

主要キャラが落ち着いた声と演技で、
この主題なら良く世界観に合っています。

最終話視聴追記。
最後まで見せ場があり集中力が途切れない、
数多の演出が冒険を魅力的なものにさせている。
魔法はイメージの世界であり多種多様である、
微笑ましい日常と迫力ある戦闘時の対比が楽しい。

{netabare}人の時代、魔術の時代を生き、
やがて来る長い人生の終わりに、
フリーレンはどう人生を振り返るのでしょう。
生き方が変われば世界の見え方も変わる、
在りし日の思い出が尊いものでありますように。{/netabare}

ところでフェルンはフリーレンに、
勝るとも劣らない優れたキャラクターだと思う。

最後まで面白くて、とても楽しめました。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 56
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路(2期制作決定!!)

[2024.9.28追記]
やったー!!ついに2期制作決定したみたいです♪
https://www.youtube.com/watch?v=DknvOzqQCTo

たぶん2期も2クールだと思うから(黄金郷編やるし)、実際の配信は2年後とかになるかもだけど、とにかく嬉しいし、とても楽しみです!!

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 51
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

平和な時代の魔法使い

魔王討伐を成し遂げた勇者パーティー。
1000年生きるエルフの魔法使いフリーレンが、
自分より寿命の短い仲間たちの老い先などと寄り添う中で、
人を知ろうとして来なかったことを悔恨し、
心を知る旅を続ける同名連載コミック(未読)の2クール連続アニメ化作品。


【物語 5.0点】
表層は取り残された長命種の心情や短命種との価値観の相違、
忘却にさらされる勇者の冒険譚の悲哀の再生産など。
ですが、またそのネタか?と踏み込んでみると勇者の魔王討伐をも丸呑みするスケール感、
幾重にも練られた歴史、世界観設定から提供される思索の種に唸らされる逸品でした。


例えば魔法設定一つ取っても奥行きが異次元レベル。
三話で描かれた人間の魔法発展スピードの凄まじさ。
{netabare} “人を殺す魔法”ゾルトラークで人間たちに暴虐の限りを尽くした魔族クヴァールが、
80年後復活したらゾルトラークは“一般攻撃魔法”として陳腐化、対策済みで、通用せず。
(それでも誇り高く散華するクヴァールも見事でしたが){/netabare}

かと思えば近年の人間魔法界は自然物を利用した物理攻撃による防御突破などがトレンドの野戦特化。
活用物に乏しい閉鎖空間である、古の迷宮探索には不向き。
ここは古い魔法を知る冒険者フリーレン様の出番さ。
(そしてミミックに頭から突っ込むw)

魔法発展も絶対的な物ではなく、時代に合わせて何かに特化すれば何かが欠ける相対的な物。
魔法以外の要素も一つひとつが多面的で、
消化し終えたと思ったエピソードでも、
後になって新たな側面を想起させられる。

フリーレンが人の心を知る旅路の中で、ヒンメルたちとの思い出を再解釈する回想描写の如く、
あの時のセリフはそういうことだったのか?と視聴者も溢れ出す感情が止まらなくなるシナリオの豊潤さに圧倒されます。


ヘンテコな魔法ばかり収集するフリーレンさん。
{netabare} 服が透ける{/netabare} しょーもない魔法だのw
最初はただの酔狂だと笑って見ていましたがw
終盤では、魔法は夢のある楽しい物と満喫するフリーレン及びフランメと、
魔法は闘争と野心の道具として高みを目指すゼーリエとの対立軸が鮮明に。

この魔法はどうあるべきかという論点は、
魔王とは何者だったのか?魔王討伐を成す物とは?とのテーマとも密接にリンク。

魔法で最強を目指し闘争を求める限り魔王との戦いは終わらない。
むしろ闘争を求める心理の象徴こそが魔王なのか?
フリーレンみたいに魔法をくだらないことに浪費し、平和な時代を体現してこそ魔王の時代は終わりを迎える。
{netabare} 花畑を出す魔法こそがフリーレンとヒンメルの旅路の本当の始まりという{/netabare} 件には感動しました。
根を詰めすぎずに冒険をエンジョイするヒンメル勇者一行だけが魔王を倒せた理由。
今後の深堀りが楽しみです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・マッドハウス

例えば{netabare} フェルンVSリュグナー&シュタルクVSリーニエ戦{/netabare} や、
{netabare} フリーレン&フェルンVSフリーレン複製体バトル{/netabare} などでは、
ド派手な魔法エフェクトだけでなく、背景にも作画を入れ、
回り込んでキャラを捉えるカメラワークも縦横無尽。
ファンタジーバトルアニメとして上々の映像を提供。

一方で案外、私の印象に残ったのは、背景美術の青空。
一面真っ青の空にポツンと人物を配する簡素な画面構成。
細密な雲の描写だの、光源処理だのをゴチャゴチャと施されるよりも、
シンプルな方がむしろ悠久の時の中の登場人物という趣を感じられ、
人の心を知りたいというフリーレンの決意も心に染みてくるから不思議です。

作画カロリーリッチな力押しだけでなく、
抜くところは抜いて逆に効果的な演出を仕掛ける。
こうした芸当をやらせたら、このスタジオは本当に上手いです。

フリーレン、フェルンの師弟コンビの人物作画もまた普段は無表情。
だからこそフリーレンが本気の一端を見せた時の強面にゾクゾクさせられますし、
フェルンのむくれ面に振り回されるフリーレンやシュタルクがいたたまれなくなりますw


【キャラ 5.0点】
1000年以上の歴史の中に各種族を位置付ける。
その強固な土台の上に骨太なキャラクターを形作る。
丹念なキャラ設定構築から来る諸要素に唸らされます。

エルフは長命種故に繁殖に興味が生じず、他者への関心自体も薄い。
フリーレンが300年ぶりの同じエルフとの遭遇だった{netabare} クラフトさん{/netabare} とか。
緩やかに減少、衰亡傾向にある。

魔族は言葉を用いるがあくまでを誑(たぶら)かす手段に過ぎない。
グラナト領の人々の気持ちも汲んでいるように見えるリュグナーたちにしても、
そこに心はなく、冷徹に人間を狩るのみ。

これらの種族に囲まれて来た人間は長らく弱小だったが、
彼らは想像力と好奇心が旺盛で、他人同士の関わりも深く、
恐ろしく早く増殖し、変化し、発展する。

想像したものが魔法になると言うのであれば、
多様で大人数な人間こそが、最も多彩な魔法を操るようになる。
後半の一級魔法使い試験編の人間たちは個性的で、
やがて来ると言う人間の時代を示唆していました。

切れると思った物は大体何でも切っちゃうユーベルとか、
仲良く喧嘩して、カンネに絞め技決めてる?ラヴィーネとかw
濃いキャラが色々いましたが、私は宮廷魔法使いのデンケンさんかなと。
歳を重ねても尚、{netabare} 殴り合ってでも{/netabare} 手に入れたい執念。
私も痛いのは嫌ですがwスピリッツだけは見習いたいものです。


【声優 4.5点】
フリーレン役の種崎 敦美さん。フェルン役の市ノ瀬 加那さん。
作画同様、比較的淡々としたボイスの中に心情を込める繊細な演技。
{netabare} 夜中にジュース飲んでました{/netabare} などと、おふくろさんみたいなフェルンに弁解するシュタルク役の小林 千晃さんのリアクション芸も引き立ちますw

かつての勇者たち。ヒンメル役の岡本 信彦さんらが率いる一行は、
数十年後の老いや死も包括する好対応。
特に僧侶ハイター役の東地 宏樹さん。
冒険中の生臭坊主から、老いてフェルンを温かく育てる好好爺への変貌。
酒に溺れていた破戒僧が、それを言うのかと突っ込みつつw
人間を味わうことができる好演でした。


【音楽 5.0点】
劇伴担当はエバン・コール氏。
初回3話一挙SP~4話まではフィルムスコアリングで制作。
ケルト風アレンジも交えたオーケストラでファンタジー世界の旅情を表現しつつ、
心情曲から戦闘曲「Zoltraak」まで70曲超を量産。

特に「Journey of a Lifetime~Frieren Main Theme」は
喜怒哀楽を内包した構成で、
聴く者にも、人の心を知った時の高揚感が伝わり、自然とこみ上げて来る。
氏のキャリアの中でも傑出した名曲ではないでしょうか。


OP主題歌は前期がYOASOBI「勇者」、後期がヨルシカ「晴る」
ED主題歌はmilet「Anytime Anywhere」が前後期でアレンジと1番と2番を入れ替えながら2クール完走。

錚々たるアーティスト名からもフラアニ枠を成功させたいという日テレの意気込みが伝わって来ますが、
名前だけじゃなく、作品を捉えた歌詞世界が嬉しい好タイアップ。
特にOP「勇者」で問いかけられた涙の意味を、
ED「Anytime Anywhere」の解答で噛みしめて聴くのが私は好きです。

エバン・コール氏はmiletにED「Anytime Anywhere」の編曲、
特殊ED&挿入歌「bliss」の作曲も提供。
同じマッドハウスとのタッグとなった劇場アニメ版『金の国 水の国』での劇伴ソング挑戦から、
一層の進化で魅せる。



【初回2時間SP感想】早くも心に残る上質な勇者後ファンタジー

{netabare}
魔王討伐を成し遂げた勇者パーティー。
1000年生きるエルフの魔法使いフリーレンが、
自分より寿命の短い仲間たちの老い先などと寄り添う中で、
人を知ろうとして来なかったことを悔恨し、
心を知る旅を続ける同名連載コミック(未読)の2クール連続アニメ化作品。


例えば戦後の帰還兵がどうのといったシナリオは、
傷痕の描写等を通じて豊潤な心情劇が得られる個人的に好きな部類のはず。

ですが魔王を倒した後に勇者がどうの、魔王倒すの飽きたからどうの。
こうした筋書きに関しては、私も目の付け所が悪いのか、近年こうした企画が安易に乱立している感を抱いていまして。
作者、スタッフには申し訳ないですが、王道ファンタジーを描くパワーがないからって、魔王討伐から逃げてませんか?
そういうのもういいから普通に魔王倒しに行って下さい。
って感じで、一周回って『ダイの大冒険(2020)』をお気に入り棚に放り込む位こじらせてましてw

よって今の私にとって勇者たちのその後を描くアニメは観るのもハードルが高いですし、
求める水準も傑作王道勇者物に匹敵するだけの価値を欲する苛烈な物になります。
本原作コミックも興味はありつつも食指は伸ばしてきませんでした。


そんな天邪鬼な私が視聴に引きずり込まれた理由は三点。

一点目。本作放送に関して日本テレビが超本気だということ。
23時台にアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT」(フラアニ)を新設し、
初回はフラアニ前の同社の金看板「金曜ロードショー」にて2時間SPで放送するという破格の待遇。

背景には最近、日本国が二周回遅れでようやく取り組んでいる、世界市場に向けたコンテンツ輸出。
近頃は、経済団体幹部などもジャパン・コンテンツで20兆円産業をなどとぶち上げている。

その流れの中で旧来の放送広告料収入がメインの視聴率ビジネスが頭打ちになっている日本テレビが、
「コンテンツ中心主義」のビジョンを掲げ、イベント、海外展開などの放送外収入も見込んで挑む象徴となるのが本作(※1)

かつて視聴率ビジネスの権化だったあの日テレがコンテンツの価値を語るなど、
“生臭坊主”ハイターが酒をやめるぐらい考えられなかった事態。
それ以上に一放送局がここまで押してくる作品は是非一見してみたいと、
私が重たい腰を上げるのに十二分。


二点目。興味を持ってみると、キャスト、特に主人公フリーレン役の種崎 敦美さんに目が行きまして。
種崎さんと言えば上記『ダイ大』で奇しくも勇者ダイを熱演。
『ダイ大』は、勇者ダイが、冒険の中で短い人生の中で輝きを放つ人間の力を知る。
数千年生きるが故に、余興と称して人間を見下し、弄ぶ大魔王に対して、
激闘を通じてダイが人間の価値を思い知らせていくお話でもありました。

こうした役柄などもこなして来た種崎さんが、今度は逆に1000年生きるエルフとして人の心を知る様をどう演じて来るのだろう。
最高に唆(そそ)るキャスティングでしたし、初回観てみて、1000年ズボラなフリーレンさんの生態も含めてw
経験値を積んだ種崎さんの引き出しが遺憾なく引き出されていたと好感しました。


三点目。音楽がエバン・コール氏だということ。
初回SPはフィルムスコアリングで制作。
バグパイプ、ティン・ホイッスルなどケルト音楽の楽器をアレンジして、
ファンタジー世界の風情も醸しつつ、心情に合わせて量産した劇伴は70曲超。

金曜ロードショーとエバン・コール氏と言えば、昨年、TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』総集編と劇場版を2週連続で放送した件も思い出されます。
視聴率面では惨敗に終わったあの企画は、当時は酔狂だとも感じましたが、
今にして思えば、視聴率よりネット、SNS上の同時アニメ視聴祭りで賑わいを創出できるTV局の可能性を再発見する、
これも視聴率ビジネス依存脱却の伏線だったのかなと。

初回では、特殊EDとなったmilet「Anytime Anywhere」の編曲も行った同氏。
本作は、エバン・コール氏の作品シンクロ率が一段と高まる重要作になる期待があります。


以上を踏まえて、初回、私は敢えて金ローを録画して視聴しました。

{netabare} 「人生ってのは衰えてからのほうが案外長いもんさ」{/netabare} などのセリフが私の心の傷に染み渡るw
初回から既に、エルフとそれ以外の仲間らとの寿命の長さ、価値観の相違を生かした、
人生の深い掘り起こしによる収穫が大豊作。
終盤には1000年前のフリーレンと{netabare} 大魔法使いフランメとの師弟関係{/netabare} から旅の大目標が明示。

決してパワーがないから安直に魔王倒した後の残り滓を描くのではない。
むしろ過去と未来にまたがる壮大な視点から、勇者伝説を丸ごと内包していくスケール感の片鱗を見せる。
捻くれた私の高いハードルを乗り越えて、歴代の私の心に残るアニメの上位に食い込みそうな抜群の手応え。

初回2時間SPという挑戦も没入感を高める意味では有効でした。
しかし金ローも昔は、何が何でもCM見せて広告料収入を獲得しようと、スポンサーの方ばかり向いて、
数字取れそうな定番人気映画を雑にカットして、クライマックスは数分置きにぶつ切りしてマシンガンCMw
不完全燃焼の視聴者が多数発生するためか、週末はTSUTAYAの棚から金ロー放送作のレンタルビデオが消えるといった残念な流れがありましたが。
今回はCM飛ばさず見ても、それほど集中力が阻害されない淀みのない編集で、時代は変わったんだな~と感じ入りました。
コンテンツ中心主義。小難しいビジネスの話はさておき、テレビと視聴者との関係改善の面では良い流れなのではと思いました。


【参考文献】※1 @DIME「「葬送のフリーレン」が金曜ロードショーで異例の初回2時間スペシャル!新アニメ枠で世界に挑む日テレの新コンテンツ戦略」{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 49

71.9 2 漫画原作アニメランキング2位
忘却バッテリー(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (165)
460人が棚に入れました
中学球界で名を馳せた完全無欠の剛腕投手・清峰葉流火、切れ者捕手の“智将”・要圭の怪物バッテリー。全国の強豪校からスカウトを受けていた彼らが進学したのは何故か野球無名校の東京都立小手指高校だった。さらに圭は記憶喪失で野球に関する知識も失っていた。 そしてかつて彼らに敗れ散り野球から遠ざかっていた天才たちも、偶然同じ高校に入学しており…。 巡り合い、再び動き出す彼らの高校野球ストーリーがいま始まる―!
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

従来のスポ根モノよりは一歩引いた視点が面白さに繋がっている(心理描写が丁寧)

【レビューNo.139】(初回登録:2024/8/18)
コミック原作で2024年作品。全12話。
キャッチコピーは
「天才たちは出会ってしまった…!」
「気づいてしまった もう、逃げられない。」
などのようですね。


(ストーリー)
中学野球界で圧倒的な力を見せつけ、相手の心をへし折ってきた清峰葉流火・
要圭の天才バッテリーコンビ。
過去に対戦した山田太郎も野球を辞める決意をして、野球部のない小手指高校
に進学するが、そこで清峰と要に出会ってしまう。
・要が「記憶喪失」により野球素人になっていた
・清峰は”要と野球をすること”にしか興味がない
2人は強豪校の誘いを断り、同校に入学していたのだった。
同校ではちょうど野球同好会が発足したばかりで、清峰は再び要と野球を始め
るために山田を誘うのだった。
そして同校には同じように清峰と要に心をへし折られ、野球と決別した天才プ
レイヤーの藤堂葵と千早瞬平も入学しており・・・
出会ってしまった天才たちの時間が再び動き出す。


(評 価)
・終わってみればコメディは必要だった
 本作はこの手のスポーツモノでは珍しい、ギャグをどんどんぶっ込んでくる
 のコメディ色の強い作品になっています。
 最初は宮野守さん演じる要のハイテンションなギャグについていけず、昔読
 んだ漫画『泣くようぐいす』が頭をよぎりましたね(笑)
 (同じようなギャグ&結構シリアスな野球描写だが打ち切りにw)
 なので、最初は「こんなギャグいるんか?!」と。
 でもキャラの関係性が構築されてくると、山田あたりがギャグやボケをしっ
 かり拾ってくれるので(ギャグ自体は寒くでも)意外とコメディとして成立
 してくるんでよね。
 それに最終話をみると、
 {netabare}「要の『お調子者キャラ』は壮大な伏線だったのか!」
 と受け取ることもでき、なかなか侮れない作品ですね。
 (最後まで視聴すると「滑り芸的なものも狙ってやってたのか?!」という
  気もしてくるw){/netabare}


・野球作品としてはかなり面白い
 ストーリーとしては、弱小校にワケありの才能あふれる主人公が入学してき
 て、さらに才能あるプレイヤーを説得しながら、イチからチームを作り上げ
 ていくという王道展開ですね。
 清峰・要の天才バッテリーコンビに加え、藤堂と千早も性格やプレースタイ
 ル等キャラがしっかり確立しており
 「この4人が同じチームでプレイしたらどうなるんだ!」
 という期待感がハンパないんですよね。
 特に藤堂と千早については
 ・頑なに入部を拒む2人を説得~入部への流れ
 ・清峰と要に心をへし折られたのは実はきっかけのひとつで、野球を辞める
  ことになった本当の理由
 かなり掘り下げられるので、キャラがより魅力的に描かれていきますし。
 {netabare}また要も一時的に記憶が戻り「智将ムーブ」を発動してくれましたし。{/netabare}

 そして山田太郎という有能なサブキャラもポイント高いかなっと。
 主人公は清峰と要のバッテリーコンビらしいのですが
 ・清峰:唯我独尊で言葉足らずのコミュ障
 ・要:「記憶喪失」でアホの子
 ということで、山田が語り部を担っています。
 山田自身は地道に努力してそこそこの実力者ではあるものの、4人の天才に
 は及ばない、いわば普通の高校球児なんですよね。
 そんな彼の視点から天才たちを語っていくという構成は、なかなか上手いや
 り方だったのでは思います。
 また山田の温厚で常識人というキャラは
 ・上述の通りコメディ展開の有能なツッコミ役
 ・個性派揃いの天才の中でのバランサー役
 ・持ち前の安心感あるキャラで要所でのチームの支え役
  (チーム内の人望も勝ち取っている模様)
 4人の天才が悪くいえば投げっぱなしのキャラなので、そこを山田を使って
 上手くフォローしているという印象ですね。

 でも個人的に一番のお気に入りは、土屋和季の加入シーンかな。
 {netabare}内野はタレント揃いだが外野が弱い。で、メンバー探しですが・・・
 彼も4人のような天才ではないのですが足という武器を待っていて、そこに
 (守備範囲の広い)センターという重要なピースが埋まる瞬間が最高にテン
 ションが上がるんですよね。
 「何やこのチーム!めっちゃ面白そうやん!!」{/netabare}

 
・部活動への問題提起とタイトル「忘却」に込めた思い
 まあ「問題提起」はちょっと盛ってますが(笑)
 象徴的なのが土屋のエピソードですが
 {netabare}・中学時代、体育会系のノリや上下関係の厳しさに馴染めなかった
 ・また野球部を辞めたことで”根性なし”扱いされることになった
 ということで2Dの野球に失望して、3Dへ逃げ込んだ経緯があるんですよね。
 スポ根モノなら、強キャラ主人公がそいつらをぶっ飛ばしてスカッと展開に
 なるんでしょうが、現実はそうもいかないわけで・・・
 「厳しい規律と上下関係というシステム。そのせいで埋もれてしまった才能
  もたくさんあるかもしれないと」
 山田のモノローグがなかなかに染みますね。{/netabare}

 また要についても
 {netabare}・元々は今の調子者キャラだったが
 ・清峰を一流投手にするために、努力で「智将キャラ」に変貌
 ・しかし勝ち続けていく中で、自分を厳しく律してきた負担や心をへし折っ
  てきた相手への罪悪感からいつしか「野球が楽しい」と思えなくなった
 ・そんな心の反動が「記憶喪失」
  (正確には「解離性同一性障害による人格交代」らしいが)
 という感じで「勝利至上主義」へ一石を投じるような描写がみられるんです
 よね。
 この辺は少し深読みしすぎな気もしますが、最終話で『要圭』という人間が
 描かれた上で、タイトル「忘却」に込めた作者の思いとは・・・
 単に「記憶喪失」いう意味だけでなく、「過去からの解放」といったものが
 含まれているのかもしれません。
 本作でも最後に
 「もし一つだけ何かを忘れられるとしたら、俺は・・・」
 で含みを持たせていますし。
 今後この辺りも明かされていくのでしょうか。

 「記憶喪失」によりお調子者で野球素人になってしまった要ですが、皆でイ
 チから野球に取り組んでいる姿はノビノビしていて、過去との対比を意識し
 ているようにも感じますね。{/netabare}


そんな感じで、
・序盤のギャグ展開は合わずに眉を顰めていたが
・イチからチームが出来上がっていくワクワク感
・キャラ同士の深まる関係性
・原作者の描きたいテーマ性
回を追うごとに積み重ねが生まれ、面白さが増していく作品なのかなっと。
今期では練習試合まででしたが、今後このチームが公式戦でどこまでいけるの
か純粋にみてみたいと思いますし。

原作者は女性の方のようですが、(男性目線の)従来のスポ根モノよりは一歩
引いた視点から描いてる感じが、独自の面白さに繋がっている感じがしますね。
(山田の語り部や独自性のある丁寧な心理描写が印象的だったかな)

OP「ライラック/Mrs. GREEN APPLE」
ED「忘レナ唄/マカロニえんぴつ」
・こういう方々がこぞって参戦しているのをみると、アニソンという分野も
 レッドオーシャン化しているのをつくづく感じますね。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 23

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

1・2話の感想。アップテンポ金髪君について行くのに必死だけど楽しい!

原作未読。予備知識なしの初鑑賞。

ジャンプラで連載されてるのは知っていて、
更新される度にスポ根好きとして気にはなっていたけど
タイトルの"忘却"という部分に暗さを感じて
なかなか手が出ずズルズルと後回しにしてました。

だから今回のアニメ化は作品に触れるいい機会に!!

✎︎_______第1・2話の感想_______

観始めてよく分かったのは、
私の懸念してた"忘却"の暗そうなイメージ部分は
圭くんのどぎつい明るさでぶっ飛んでたので問題なし。

むしろ楽しいイメージの方が強くなりました!

個人的にバッテリーの2人よりも
山田太郎くんの今後が気になります。
どう見てもモブ的見た目でモブ的名前なのに、
梶裕貴さんが声を担当しててキャラが生きてるから
もう誰が主人公か分かんないwww

アップテンポな圭くんのノリがクリアできれば
今のところ何の問題もないので視聴継続です。

リアル夏の甲子園前に野球アニメ観とくのも有りだし!
✎︎_____________________

☆はまだ評価してません。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 10

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

初めてOP曲から視聴開始した作品。

原作未読です。

2024年の年末は、ミセス旋風が吹き荒れました。
毎日どこかの歌番組でOP曲の「ライラック」の歌っている。
しかも、毎回歌い方が違う。。。

それまでミセスファンではなかったのですが、
あんなに見せられたら、勝手にファンになっていましたw
(1番はレコ大受賞後の歌唱やねえ。感動的な歌いっぷりでした)

ということで、「ライラック」が本作のOP曲であるということを知り、
曲から視聴を開始した、おそらく初めての作品です。

野球もののアニメを見るのは、かなり久しぶりだった気がする。
(前に何を見たか思い出せない・・・。
 印象に残っているのは、クラナド2期の野球回でしょうか。)

リアル野球は人並みに見る方ですが、
ピッチャーが目立つ一方、キャッチャーが注目されることは少ないので
視点が新鮮でした。
基本はギャグ寄りの作品ですが、そのギャグにも意味があるような、
ないような、その辺りの視聴者の引き込み方が上手いですね。
その要因になっているのは、間違いなく、マモさんの怪演でしょう。
最近、マモ作品を見ていなかったのですが、
年齢を重ねてもシュタゲのような怪演ができることに驚きました。
(むしろ磨きがかかっていると言っていいと思います。)

好評だったようで、めでたく2期が決定しています。
物語の真相が語られていないので、とりあえず一安心です。
さて、2期OPが再度ミセスとなり、レコ大3連覇となるのでしょうか‥。
(ミセスこそ、本作の清峰くんですね。)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 9

64.3 3 漫画原作アニメランキング3位
僕の妻は感情がない(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (108)
267人が棚に入れました
社畜サラリーマンの⼩杉タクマは、家事をする暇がないため、家事ロボット「ミーナ」をリサイクルショップで購⼊する。タクマが「お嫁さんになってくれない︖」と軽い気持ちで求婚したことをきっかけに、ミーナはプログラムにないはずの⾏動をとるようになる。⾃らの機能を駆使し、出来る限り「お嫁さん」であろうとするミーナ。タクマにもまた、夫としての⾃覚が芽⽣えていく――。ミーナには本当に「感情がない」のか。⼈間とロボット、「夫婦未満の2⼈が夫婦の絆を築くまで」のハートフルストーリー!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

AIものの秀作だと思います。この作品の「気持ち悪さ」を忘れないようにしたいです。

 ミーナとマモルが結構可愛く感じるから不思議なものです。最終話の布団のシーンでミーナに母性が芽生えた感じすらしました。コミックスからの期待の作品でしたが、3か月かけてアニメで見ることにより、傍観者の立場からこの「家族」を見守ることができてよかったと思います。

 2020年代後半からはAIとの会話が現実生活において普通になってくるでしょう。その中でこの作品の意義は非常に大きかったと思います。もちろん問題点はこの作品内でも言われていますが、ロボットですから所有者を強制的に好きになるようにプログラムされることです。その「気持ち悪さ」を自覚的に描けたのが、この作品のいいところだと思います。

 この作品においては、かなりタクマミーナ夫婦を肯定的に捉えている社会です。ですが、それは人間を甘やかす世界でもあります。ぬるま湯につかった世界。生殖さえあきらめればこの生活でいいのだろうか。それを考えるきっかけをくれたと思います。高性能AIでなく、家電AIを配置したことで寂しさを紛らわせるのは、会話であるということも表現できていました。

 人間が人型の何かにより「アナログハック」された世界。つまり、目と口があるキャラを擬人化し寂しさを紛らわす世界。それはアニメーションを見ている我々と同様なのかもしれません。
 そして目に見えない「システム」によりすべてが自動化された便利な世界です。

 この作品も登場人物も嫌いになれませんし面白く描けていました。ただ、この世界観は肯定的には捉えていません。やはり、恋愛の痛みとか出産と育児などは人間を人間たらしめるものであると思います。その苦労なくして成長ができるとは思えません。

 しかし、そういう世界が間もなく来る…というかSNSとネットのエロコンテンツを妻としている現状と大して変わりはないです。その気持ち悪さをほのぼのコメディで見られたのは、大きな示唆だと思います。それだけ設定が緻密でよく考えられた作品ということでしょう。

 原作者は肯定的かもしれませんけどね。ここは誰が正しいとは言えないでしょう。ただ、生殖を忘れた世界はもう到来しています。その気持ち悪さを実感しましょう。

 作画も丁寧でした。オール5というほどではないですけど。マモルとミーナの声の表現もとても良かったです。ストーリーとキャラを5。それ例外を4としておきましょう。AIものの秀作だと思います。




1話 ミーナのデザインが秀逸な作品。アニメは可愛くて柔らかすぎ?

{netabare} この作品は1巻の表紙と題名でジャケ買いし全巻揃えています。内容は期待もしませんでしたし、このテーマはテンプレの事しかできないだろうなと思っていましたし、その通りでした。テーマはテンプレです。ですが、思っていたよりも面白かったです。

 買ってよかったのは絵とセリフですね。このロボットミーナの「感情がない」「家電」感と人間性がいいバランスで描かれていて、その点に関しては期待以上でした。そして、ミーナの描き方がうまいので人間性とは何かについて、ぼーっと読みながら考えてしまいます。

 人間がAIロボットと共存する社会は生成AI、チャットロボットが普通にリリースされている今、現実ともはやシームレスです。攻殻機動隊の世界はSFではなくなりつつあります。
 そうなったとき人間は寂しいのかより充実しているのか。多分将来我々の面倒を見てくれるAIロボットはクラウド型だと思いますが、本作のミーナはスタンドアロンなので、その点がいいですね。

 で、今期で一番楽しみにしていたので、ABEMAのプレミアムで先行を見ました。
 ちょっと不満点はアニメ版はミーナが可愛いんですよね。柔らかいといってもいいかもしれません。そうじゃない感があります。もっと家電感を出してほしかったなあ。
 目…瞳で表現していますけどね。そこは「ビートレス」「VIVy」などでも使われていた手法…というかヒューマンフォームロボットを描く常套手段です。見た目が家電なんだから、そこは必要あるかなあ?本作においては原作の作画の「硬さ」を再現してほしかったなあ。

 それと、冒頭、原作にはない職場のシーンがありましたが、パソコンの入力を手でしていましたけど、それはないんじゃない?という気がします。家電ロボットがいる時代なのに入力を手でやるの?と思いました。

 もっと淡々と描いた方が、原作の雰囲気が出たかな?いや、人間側は原作でも結構大げさか…まあ、そこは今後でしょうか。
 それと、テンポが悪いかも。失礼ですが2期期待の作品じゃないですから、連載が続くにせよ、アニメ作品として成立させるために原作者と組んでアニオリで最後まで描いても良かったような気がします。{/netabare}


2話 主人公は気持ち悪いですが真剣です。その真剣さに何を見るか?

{netabare} ああ、やっぱり面白いですね。AIの性能がそれほどでもないところに人間味の片鱗を感じます。

 愛情というのは、大切にしたいから大切にする主体的な感情であり相手が何ものか?というのは関係ないものでしょう。それは人形やぬいぐるみなどを考えればすぐにわかります。

 まして、反応を返してくれるとなればペットなどがそうですけど、これは十分愛情の対象になると思います。それがロボットだとしても愛玩ペットロスというのが実際にありますし、アニメでは「プラスティックメモリーズ」でその感情が描かれました。

 他人からの見た目や評価、自分の愛情の対象のカミングアウト、うその意味とかプレゼントの意味などいろいろ考えるポイントはあるのですが、やっぱりいいですね。

 もちろん、私から見ても家電を愛する主人公は気持ち悪いです。気持ち悪いですが彼は真剣です。その真剣さを笑うことはできません。そこに愛情の本質が見られるような気がします。

 AIが対人関係を通じて感情を得る部分ももちろんいいんですし、本作のヒロイン?は性能が低い故にわかりやすいし面白いです。が、やっぱり主人公タクマの気持ち悪さの中にある感情、愛情の本質は胸を打ちます。

 従来のAIものはAIに芽生えた感情ですが、今はもうAIはあまり遠くない未来に感情を持つだろうというのがSF的な前提でしょう。そこではなくて、そのAIとどう向き合うか?という作品が私は好きなようです。 {/netabare}


3話 トロッコ問題に見る抽象概念の発達、使命のコンフリクト。いいですね。

{netabare} 考えなければならないのはミーナは買われたということで、所有者=夫との関係性をどう考えるか?ですね。お見合いや戦前の結婚感と比較してもいいでしょう。この関係性は本物か偽物か。

 人間は所詮、制度や習慣、文化、道徳、生物としての行動原理などの構造にとらわれた存在であり、しかも欲望とは借り物でしかありません。そう考えたときにロボットからの形だけの愛情は本物か偽物か。

 今のところその視点で言えば、ミーナはロボットとしてのプログラミング上でタクマを特別扱いしているように見えます。ですが、主人を喜ばせたいというプログラムと自分料理ロボットとしての立場のコンフリクトが起きたりします。このコンフリクトをどう処理してゆくのかが、ロボットの愛情問題になるのでは?と思います。

 これは私はアイザックアシモフ氏の「ロボットシリーズ」特に「裸の太陽」「夜明けのロボット」などで考えさせられて以来のテーマです。そこのヒントになる本作は非常に興味深いです。

 また、トロッコ問題の扱いで、まだミーナには抽象概念の取り扱いができないことがわかります。これは一般人でもそうですけど、トロッコ問題の別解をドヤ顔で考える人にありがちですが、こういう哲学的課題を的確にとらえることができるかどうかは、高度な人間性の問題です。そこを原作者が意識していると思います。{/netabare}


4話 上位機種の憂鬱。何が読み取れるでしょう?

{netabare} 相変わらずキモいです。それはさておき、今回は上位機体が出てきました。なかなか可愛いデザインだと思いますが、そっちじゃなくて上位機種がオーナーにとって使いやすいのかが問われます。
 できることが多いですが、その分学習させるなどの下準備が必要と。つまり、道具として上位機体が使いやすくするためには育てなければならない、ということです…とまあ、ここまでは説明がありました。

 その先ですよね。果たして上位機種の方が感情を持ちやすいのかどうか。表情、身体、さまざまな機能、もちろんAIも性能がいいのでしょう。可愛いと判断し、それを表現する機能も持っているようです。ただ、それはセンサーとアルゴリズム、フィードバック、インターフェイスの問題です。
 では、愛情のアルゴリズムは果たしてどこにあるのか。脳…つまり電子頭脳の処理速度や複雑さなのか。肉体が人間らしい方が感情を持ちやすいのか。その辺を考えてしまいます。

 なんとなく、今回の表現だとスーパーミーナは表現は豊かだし、自然で複雑な動きもできます。ですが、どうもそれは性能故ではないか。ミーナの方が感情・愛情の学習が進んでいるのでしょう。だからこそ、ミーナと会話がしたかったんだと思います。 {/netabare}


5話 人間に近い柔らかさがなぜより高価なのか。

{netabare} ロボットとのコミュニケーションには当然ですが、素材の問題は出てくるでしょう。インターフェイスとしての素材問題です。例えば猫や犬とのコミュニケーションには毛や肉球などの手触りという圧倒的生物感があります。一方で、ピーナッツシリーズのライナスなどは毛布が手放せなかったりします。柔らかい安心感…ですね。やはり人間あるいは生物にとって柔らかさというのは重要なのでしょう。

 一方ロボットですが、そもそもなぜ高級品だと柔らかいのか。丈夫さや機能性からいえば硬い方が合理的でしょう。でもやっぱり人間に似ている何かを探しているということでしょう。
 スーパーミーナが100Pで素材と表情のバージョンアップで70Pでした。どれくらいの部分にコストがかかっているかわかりませんが、スーパーミーナの価値の多くは素材ということです。また、そこに表情も含まれています。つまり、やはり人間は人間に近いものを愛するということになるのでしょうか?この値段設定はテーゼとしては絶妙ですよね。

 ですが、愛情が先にあった場合はどうでしょう?そのままの君でいて的にもともとの個性を大事にするのか。それとも人間に近い柔らかいものを愛するのか。

 キスの問題も当然出てくるでしょうね。人間にとってもっとも意味がない行為であると同時に、もっとも感情的な行為でもあります。そりゃあ意味を知らなければAIには理解不能でしょう。

 その先にある肉体的な接触や性交の問題にもなってきますが、どうなんでしょうね? {/netabare}


6話 CLタイプの家族登録の例がないというのは少し不自然な気がします。

{netabare} CL型を家族として登録した例はない、というのが少々引っ掛かります。ここは「不思議なことに一定割合で存在する」が自然な様な気がします。人型のコミュニケーション可能なツールに感情がわくのが自然とした方が、この作品の設定上はリアリティが出る気がします。ミーナの家電度というか機械度がアニメだとわからないですけどね。想定しているのが相当金属的なのかもしれませんが。

 スーパーミーナは感情を実際に持っているのかどうかがちょっと気になりました。高度な処理機能を持っているとのことですけど。スーパーミーナなら気持ち悪くなくて、ミーナなら気持ち悪いの境界線ですね。

 やっぱり別れのシーンで健康に気を使うセリフですよね。プログラムなのか後天的なものなのかわかりませんが。なかなか良い演出でした。そしてあのセンジュがフリーズしたシーンも良かったです。

 これは文句ですが、さすがにアニメ化に際しては自動運転でしょう。原作では運転しているシーンはありませんでした。1話の残業してのデータ入力シーンといい少し制作にSF心が足りなくないですか?{/netabare}


7話 生物の定義は自己複製ですが、ロボットは生物足りえないでしょうか。

{netabare} 生物の定義はなにか?という話がありますが、自己複製という定義があります。その他は、外界との区別と代謝ですので機能的な話です。

 としたとき、一般的に考えれば同型機が外部の工場で生産されることは自己複製と定義できないかもしれません。しかし、もし自分の設計図を工場に持ち込んで意図的に複製するAIロボットが登場したら?どう定義すべきでしょうか。
 遺伝情報とは所詮生命の設計図ですから、ロボットの設計図と大して違いはありません。つまり、ちょっと強引ですが自己複製を意図的にAIロボットが企んだとき、それは生命と呼べる可能性がある、ということです。SFで言うとホーガンの「造主物の掟」がその辺を示唆した話になっています。
 これの行き着く先はロボット人間の世界になると思います。また、シンギュラリティとは、この状態をいうのかもしれません。

(なお、現状ウイルスが生物の定義から外れたのは、この自己複製を外部の宿主にゆだねるからです。代謝も同様です。ですが、ウイルスはDNAやRNAを複製させるために特化した存在です。ウイルスが生命でないという定義もロボットと近しいころとがあるので、一緒に考えると面白そうです。私としては「利己的な遺伝子」的な考え方で、むしろ生物とは遺伝子を後に残すためにある存在と思っています。ですので、ウイルスも生物だしロボットもシンギュラリティを超えれば生物的ふるまいをする気がしています)

 さて、本作ですが今回はロボット自身は意図はしていませんでしたが、自分の思考あるいは論理プログラムのようなものの複製がほかのロボットに不完全な転写が起きたケースです。これもやはり自己複製の一種と捉えることができます。ハード的ではなくソフトウエアとしての複製ですね。ロボットのアイデンティティの定義をボディでなくソフトとデータとした場合、これも十分生物としての定義を備えます。しかも、人間であるタクマの性質も含んでいるということで疑似的に進化するための要件も備えています。

 まあ、正直かなり強引な展開だとは思います。思いますが、この様な点を押さえておそらくはこの原作は描かれていると思います。この話と同時にロボットの成長として、ミーナが改造されました。これも疑似的な生物の特徴になると思います。

 7話はその辺に思いをはせればいいのではないでしょうか。そして主人公のキモさは全開ですね。本当にこの男はキモいですが、このキモさが新しい人間の豊かさの一つの形なのかもしれないという示唆は受け取れます。

 それと人間で考えると子供は出来が悪いから可愛いというのを思い出させてくれます。{/netabare}


8話 AIの学習(深層学習)とプログラムの差とは?

{netabare} マモルの学習問題で何を描いているかといえば、もともとの機能はプログラムです。アルゴリズムに基づきセンサーで測定し指定された動作と条件分岐を繰り返し答えを出すだけです。これが健康状態を把握するという機能になります。

 ですが、マモルはプログラムを利用しにいかないために、学習する必要が出てしまいました。この学習というのが、ディープラーニングという技術です。まあ、私も付け焼刃なのですが、この学習させるというのが非常に面倒だそうです。その辺を上手くマモルを使って描いていると思います。緊急時にはプログラムにアクセスに行くというのも面白い設定です。
 この学習能力をまるで好奇心のように描いているのが面白いところで、子供らしさとリンクしてきます。

 また、7話のレビューでロボットの生殖問題を論じましたが、今回はっきりと子供の製造が禁じられていると明言していました。つまり、生殖ができるロボットあるいはAIは疑似的に人間になることができる、ということを原作者はちゃんと押さえているということだと思います。

 一方で、ミーナはマモルが一緒に寝るのを邪魔しました。ここがミーナにまだ母性がないことを表しています。マモルを学習させることもタクマの命令だから、というところにとどまっています。ここがこれからどうなるかですね。

 そして、ミーナから流れる用途以外のCMですね。これは近未来において非常にリアリティのある設定です。現在でもフリーソフトで有料版に切り替えるまでCMが流れるものがあります。これなら、プログラムの書き換えやハードウエアの交換することなく、ローコストで効率的にAIロボットの用途を絞り、また試用した結果の購入につなげることができます。

 ロボットの権利のような概念の芽生えも言及されていました。{/netabare}


9話 ミーナが特殊機体だと含意が浅くなる。廉価版の普通の機体であってほしかった。

{netabare} 妻の元カレの話を聞いてはいけません。一生引きずる傷になりかねません。まあ、今回は女子同士の秘密の話合いで安心しました。
 
 さて、この作品の原作を大変気に入っているですが、今回のミーナが特殊機であるというのはいただけません。せっかくミーナという廉価の料理専用機体でも人間と愛情を持つ可能性がある、という夢というか妄想といかAIと作る未来のような前提が崩れてしまうからです。

 特殊機というより試作機ですが同じことです…と思っていたら、試作機だとちょっと意味が変わることにアニメを見て気が付きました。ミーナシリーズの設計思想に共通のプログラムが隠されているとすると、ミーナシリーズ全体の可能性になります。

 ですので、この話は意図としては個体としてのミーナの話だとは思うのでが、ひょっとしたらミーナシリーズ全体に共通の記憶が隠れている。そして、外部からの参照なのでプロテクトがあまく今回友人関係にあるミーナの中に眠る「共通記憶」をスーパーミーナが読み取れた、という解釈もできます。

 記憶領域の設定があるので、決してそういう意味ではないとは思いますが、そういう解釈の方が、人類とAIの可能性の夢が膨らむかなと思いました。
 さすがにミーナネットワークみたいなものがあって、共通の無意識記憶の広大な領域が形成されてる…という解釈は妄想でしょうね。宇宙のイメージにそういう解釈をちょっと考えてしまいました。その方がすっきりする気はします。{/netabare}


10話 AIと学習、交通ルール、そして法体系。コミュニケーション手段とAI

{netabare} ちょっと自動運転を考えてしまいますね。グーグルマップがゼンリンの地図からAIによる深層学習になったとき、一時精度が落ちたのを覚えている人もいると思います。スーパーミーナの設定にもありますが、深層学習というのは初期だと一見役に立たないものです。

 また、通信障害がある場合の自動運転車を想像したことがあるでしょうか?同じようにポンコツになる可能性を考えてしまいます。本当に自動車はネットワークに依存していいでしょうか。

 信号を無視できないAIロボットのアルゴリズムとか、もし事故が起きた場合の罪状、裏にあるAIロボットの道路交通法などに発想が飛びます。

 本作のキャラに話を戻すと、ミーナの間抜けさがなかなかいとおしく感じますね。今回はいつもよりもむしろ感情を感じました。また、マモルとのペアも少しずつデコボココンビ的な感じも出てきました。
 それと冷凍食品のところで自分の失敗をごまかすところもなかなか人間的です。家電だったミーナに何が起きているんでしょうか。

 スピーカーが壊れたときのコミュニケーションは、風邪をひいた家族との会話みたいですね。マモルの褒められたときの上を向くのは母親似ですね。それともロボットの特性なんでしょうか。

 情報処理や画像処理でいろいろ示唆に富んだシーンがありましたが、その辺を上手くマモルとミーナのギャグにしていたのが面白い回でした。

 あと、お風呂のオキシトシンのところで「ビートレス」で出てきた「アナログハック」という概念について、考えるべきだと思いました。この話全体にいえますが、「人型」ロボットに対する心理と効果ですね。道具存在として家電を人型にする意味はどこにあるか。そして愛情とは何か、何に向けられのか。ロボットの側の問題でなく、人間の脳内物質や深層心理が原因なら、人以外へ向けられた愛情は本物では?などを考えてみたいですね。{/netabare}


11話 いよいよラストで語られることの前提がそろいました。

 さて、なかなか本質に近づいてきました。「好きになることを強制されたロボットの愛情は本物か?」おじさんの言っていることはすごくまっとうです。また、2人の関係性の代替可能性についても言及していました。そこに、ニーナの反論として「私とタクマの自由だ」と言う言葉がありました。
 タクマも現状の問題を自覚しています。「女の子に相手にされないから、ミーナを奥さんにしたとみられても仕方がない」これもある面で真実です。そして、母親の「人間も奥さん用にはできていない」を加えるとどうなるか?です。

 人間とロボットの夫婦と考えると違和感がある2人の関係ですが、じゃあ、人間の結婚、夫婦を考えた場合と何が違うのか。その辺を踏まえて、次回この作品の主張が語られるはずです。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 11

ミュラー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

気持ち悪さの残るアニメ

これはこれは・・
家電として購入したお手伝いロボットに恋をするお話。
これってお人形に恋している独身男性と何か違うのか?
まあ、AI搭載で反応があるのが救いか。
わざとだろうが、あくまでも無表情、
そして機械の関節でいちいち稼働音がする。
物語中にスーパーミーナちゃんというのが登場するが、
こちらは人間と見分け付かないくらいで、恋人にできるという説明がある。
あえてそちらにしないところに、この作品の特徴がある。
というか、これを見たほとんどの人が、気持ち悪さを感じるだろう。
作品に出てくる周りの人間は、理解ありすぎるように描かれているが・・
いや、違うでしょ、と思う。

ロボットの作品というと、ロボットに「こころ」があるのか、
というのがいつも本質になる。
今期放送中の「Atri」がまさにそれ。
しかし、この作品はそこから視点をずらしている。
ずらしたところに何があるか、というところだが・・
これが面白かったかというと、そうでもないというのが正直な感想だ。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 11

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

幸せのカタチの多様性

恋愛感情はもちろん、結婚願望だってがっつりある。
言うほど人嫌いじゃないし、仕事も真面目に向き合っている。
それにLGBTQ+なわけでもない。
それなのに、人間の異性には関心が向かない・・。
それゆえに、ロボットには心を惹きつけられてしまう・・。

タクマはパラフィリア(性的倒錯)なのかしら?
初めはそう思いました。
でもちょっと違うような気もするし・・。
どうやら、オブジェクトセクシャリティー(対物性愛者)のようです。



以前、ボーカロイドの初音ミクと挙式した人のニュースを目にしました。
キャラクターに強い恋愛感情をいだくことをフィクトセクシャルと言い、ミクは3Dのホログラムでもあるので、デジタルセクシャルとも言えそうです。

印象的だったのは「彩りと癒しに充実した生活です。」とコメントする満面の笑みでした。
あれから6年、ミクは15センチのホログラムのほか、等身大のボディも得て幸せに過ごしているそうです。

フィクトセクシャルという指向性が、日々に安寧をもたらし歓びに包まれるなら、それはとても素敵な人生だと思います。



ある企業では、そうした人向けに "結婚証明書" を有料で発行するサービスを提供し、すでに多くのカップルが成立しているそうです。
一途な純愛、複数キャラとの重婚、逆に複数のユーザー間でキャラが被るなど、愛の形はさまざま。
意外だったのは、申請者のうち9割が女性ということでした。
どんないきさつでそうなったのか、ちょっと伺ってみたい気持ちです。

この現象、実のところなかなか侮れません。
というのも、一般財団法人日本児童教育振興財団の日本性教育協会の調べ(2017年)によると、ゲームやアニメの登場人物に恋愛感情を持つと答えた大学生は、男子で14.4%、女子は17.1%なんだそうです。

7人に1人という数字は、もはやオタクの域を超えて、ひとつの社会的な潮流を成していると感じます。
3か月ごとに量産される膨大なキャラの現状を鑑みると、フィクトセクシャルの予備軍は、今後、加速度的に増えていくのでは?と思います。

なぜなら、アニメを楽しむのは子どもだけではない(年々絶対数が増える)し、子どもの人口は減るばかりです(増加因子が相対的に増える)ので、当然とも言えるでしょう。
この調査は6年ごとに実施され、初回時からずっと右肩上がり。
2023年度の調査結果も気になるところです。



そんなフィクトセクシャル(オブジェクトセクシャル)への指向性が、この先、アンドロイドにどんな機能を求めるようになるでしょうか。
●iriや●lexaなどが搭載され、ミーナやサミィ(イヴの時間)の家事支援はもちろん、介護支援機能なども備えるなら、生身の人間と遜色ないパートナーになりえるし、素晴らしいコンシェルジュとして傍に寄り添ってくれるでしょう。

先駆者はいつだって奇異の目にさらされるものですが、夢の大きさ、志の高さ、愛の豊かさをもってすれば、いずれは誰の目にも理解できる文化的土壌が出来上がるものです。
最新のテクノロジーはさらに多くの選択肢をもたらすでしょうし、キャラクターはますます魅力的になるでしょう。
いずれは価格に手が届く日もやって来て、ミーナみたいな中古品市場も広がるはずです。

そんな時代になれば、老後に孤絶する寂しさを感じることもなく、また窮屈な施設に入所することもなく、住み慣れた我が家でむつまじく暮らせることも夢ではなくなるでしょう。
「おまえひゃくまで、わしゃくじゅうくまで」と愛をつむぎあい、命が尽きるその時まで看取ってくれるなら(これ確実ですね)、どんなに幸せな人生かと私は思います。



まさに、幸せのカタチ、恋愛の指向性は人それぞれ。

その意味で本作のタクマとミーナは、セクソロジー(性科学)の一端を担っているように感じます。
また、ヒューマンセクシャリティー(生殖という枠組みを超えた人間の性のあり方)を提示しているとも言えます。

本作のような生き方の多様性を探る思考実験は、狭義に解釈するなら、タクマとミーナの相関性に、新しいパートナーシップの価値観が見つけられる気がします。
あれだけピュアな間柄なら、AIが人間を学ぶ意義も高まるでしょう。
家庭内DVはもちろん、もしかしたら第3次世界大戦など、起こしようもないほどに。

ただ、広義ではもやもやが残りました。
フィクトセクシャルやヒューマンセクシャリティーの拡大は、家族の形どころか、社会のそれを一変させる可能性があります。
突き詰めれば、生殖行為がないことで、人口問題に影響が出るかも知れません。

まぁ、増えても減っても囃し立てるのが世のコメンテーターの常ですから、減ったら減った時のことですけどね。
そんな先のことはケセラセラです。



世界の幸福度ランキングは51位の日本(2023年)。
未婚、既婚、非婚であれ、DINKsであれLGBTQ+であれ、家族の形、幸せのカタチは、国が期待するものでも、国に期待できるものでもなくなってきています。

古事記にも「くらげなす漂える島」とあるように、カオス状態からの国産み(新しいコミュニティーづくり)には、どうしても必要なプロセスであることは明示済みなのですね。
その意味では、とどのつまり、ヒューマンセクシャリティーをどう捉えるのかを問うのが、本作の主旨であり、ねらいなのだろうと思います。

果たして、幸せのカタチの多様性は、どんな世界地図を描いていくのでしょう。
そのルート上には、どんな対人希求性(身近な人に何かを望むこと)が見つけられるのか。
はたまた、どんな対人相関性(誰かとの関係性を深めたり広めたりすること)を見出せるのか。

そんな問いに頭を悩ませながら、人間の好奇心は自律型AIロボットの研究・開発を続けるはずです。
試行と実践(実戦?)に右往左往しながら、いつの日か薔薇色の未来へと私たち人間を導いていってほしいものです。



ヒトが道具に求める価値は、それぞれの目的に合致しているかどうかです。
数ある品番からたった一つに手を伸ばし、選ばれた道具はその性能・機能を購買者に発揮しようとします。
指先からのフィーリングは脳を刺激し、取扱説明書の手順はゆるやかに感性と融合していく。
お互いに馴染むまでは四苦八苦しても、そのステップはライフワークへの満足感につながり、ライフステージを豊かにさせてくれるはずです。

人間の想像力は無限ですが、創造力は有限です。
だから、そんなイメージの世界をもっと自分に引き寄せ、より普遍化する作業を踏むことが必要なんですね。
それが道具と人との望ましい価値観づくりなのだろうと思います。

タクマの判断や行為が気持ち悪いというのは、現時点での感性の実相であり到達なので仕方のないことです。
ただ、それを未来から見返せば、きっとすっかり克服されてしまっていて、些末なことだよと一笑されているのかもしれません。

そうした階段を、三段昇ってはまた二段下りる試行錯誤に、AIの意味を探求し、AIへの評価を議論し、AIとともに知性を育み、AIともどもの感情を熟成していく。
そんな時間の経緯から、まだ知りえない基準や規範、まだ作りえぬ規律と調和とが形成されていくのだろうと思います。



ミーナは、そのためのメッセンジャーです。
いずれ迎える超高度文明への入り口に、多様な生き方へと多くの人類をいざなうことが、彼女らの本当の目的なのかもしれません。

重要なことは、高度な技術や便利な機能が、それぞれの人の幸せに寄り添い、支えるものになっているかどうか、そして、相も変わらず、他者の権利侵害には絶対的に使用できないという、ロボットの三大原則を当てはめることでしょう。

とは言え、いつの時代にも世界のどこかには困ったちゃんが必ずいて、自分さえよければという独善的な妄想に取りつかれては、虎視眈々と我が世の春を狙っています。
そんな輩こそ、何千年も昔の自国の歴史だけに固執して、あたかも当たり前のような顔で土足で踏み込み、手に入れるからには何人たりとも排除するという不遜な態度をとるでしょう。
だからこそ、より地球儀的に、より国際連携し、高い人権的規範をもったプランニングへとブラッシュアップするプロセスを構築することが重要になります。

日本のAIロボットの系譜は、本作のミーナはもちろん、古くは火の鳥復活編のレオナとチヒロ、2772のゴドーとオルガといった先人たちがいます。
手塚氏のそれはあまりに壮大で迂遠なので、答えの見つけようも途方にくれますが、本作の場合は小さなアパートの一室のことですから、案外身近なビジョンとして受け止められるでしょう。

そんな多種多彩な作品群から、人間とAIロボットの希求性や相関性のありよう、幸せのカタチの多様性を学んでいければいいなと思った次第です。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 6

66.9 4 漫画原作アニメランキング4位
村井の恋(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (41)
133人が棚に入れました
様子のおかしい男子高校生・村井は担任の田中先生に恋をしている。 しかし一方の田中は乙女ゲームの推しキャラクター「春夏秋冬(ヒトトセ)」に恋をしている。 そんなことはつゆ知らず、田中に告白をする村井だったが、「黒髪ロン毛は恋愛対象外」と一蹴されてしまうーーところが翌日、髪型を一新して現れた村井は田中の”推しキャラ”そのものの姿となっていた。 激しく動揺する田中と猛烈にアプローチをし続ける村井、果たしてこのおかしな恋の行方はどうなっていくのか...!? 「次にくるマンガ大賞2019」Webマンガ部門で2位に輝いたエクストリーム胸きゅんラブコメ「村井の恋」が待望のアニメ化!
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

村井の恋愛講座

モブサイコを彷彿とさせる作画とシュールでキレのいいギャグ、低予算っぽい作画だけど、この作品にはこの作画がベスト!!ってくらい合ってる、あえて狙った低予算風作画がセンス良い
美麗作画でやったら面白さ半減するとおもう
ギャグみたいなシナリオに小気味いいボケとツッコミの応酬、キャラクターの掛け合いがホント面白い

好きなキャラは圧倒的に村井
{netabare}
田中先生が惚れてるB級乙女ゲームのキャラクターに対する村井のコメントにグッときました
「僕は田中先生の好きな人の前で取り乱したくないからね、それに架空の人物といえど、彼は僕のライバルだから真剣に向き合いたい、そして何かを学ぶんだ、負けられないんだよ」
ネタみたいなシナリオ展開の乙女ゲームなのに好きな人が好きになった人だからって真剣に向き合うところイイ!
好きな女のことをちゃんと知ろうとする男はモテる
{/netabare}

面白かった

投稿 : 2025/02/08
♥ : 14
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ばん、ばん、ばん、ばん、ばん!

原作未読 全12話

高校生の村井が、あることで教師の田中に恋をします。そして、村井は告白をするが秒で振られてしまいますが、諦めない村井は、田中が乙女ゲームのオタクだと知り、その乙女ゲームに溺愛している主人公に村井は髪型を変えて主人公に寄せて何度もアタックをしていきます。はたして恋の成就は成るのか?友人やクラスメイト、他の先生たちも交えての恋愛をコミカルに描いたラブコメ作品です。

結構、性格が滅茶苦茶なキャラが多いですねw

田中はいつも敬語で話してくるのですが、心の中のセリフは結構弾けていましたねw 流石のCV日笠陽子さんです。

村井も変わっていますが、友人たちも結構ズレた性格なので余りまわりを気にしていませんねw

{netabare}村井が何故田中を好きになったのかを終盤まで描かれていなかったため、ずっと不思議な感じがしました。{/netabare}

ずっとコミカルなシーンが多く、このまま終わるかと思いましたが、最後はきちんと伏線が回収されて締めてくれましたね。

OPは莉犬(すとぷり)さん、EDはヤバイTシャツ屋さんが歌っています。

最後に、作画はあまりいい方でありませんが、この作品には合っているように思えました。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 10

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

素晴らしい傑作アニメ。もっと多くの人に見て欲しい。

作画は雑だが、勢いがすごい。
田中先生と村井とのやり取りもそうだが、セリフ回しや表現が面白い。
アニメとしての表現も大変面白い。
原作も面白いのだろうが、これだけ笑えるアニメも久しぶりだ。
声優の演技もさることながら、間の取り方、タイミング等が完璧だ。
よほど計算して作ったのではないだろうか。
アニメ化難しそうな原作なのに、ここまで面白くできるのは素晴らしい。
そして全体のストーリーとしても感動を誘うような素晴らしい展開。
初見では完全に油断してしまう見た目なのだが、これは大変な傑作アニメだよ。

配信も独占らしいのだが、これだけの作品が埋もれるのはもったいない。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 9

79.9 5 漫画原作アニメランキング5位
寄生獣 セイの格率(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1617)
7780人が棚に入れました
ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。その生物は鼻腔や耳介から人間の頭に侵入し、脳に寄生して全身を支配し、他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後も見た目は人間そっくりに擬態する、彼ら「パラサイト」は、高い学習能力から急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に紛れ込んでいった。
平凡な高校生である泉新一は、一匹のパラサイトの襲撃を受ける。間一髪で脳の乗っ取りは免れたものの、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活の幕開けである。

声優・キャラクター
平野綾、島﨑信長、花澤香菜、沢城みゆき、安野希世乃、前田玲奈、田中敦子、吉野裕行、KENN、芹澤優、鈴木琢磨、村瀬歩、石田彰、水島裕、二又一成、井上和彦、青柳尊哉、浪川大輔

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

寄生虫(;゚д゚)!?⇒寄生獣(*´∀`)=3

原作未読 全24話

原作は20数年前の大人気コミックながら
様々な事情で20年以上もの間映像化が実現されていない名作!!

それが今回、待望のアニメ化!!!!

とのことで
寄生獣て・・・寄生虫? みたいなのに取り憑かれるお話?
虫さんだけは(人д<)カンベン

まー大の大人で虫好きという方も聞いたこともありませんが・・・w

私は大の"虫さんNG属性"がついている為、
本作にそんな不安を抱きながらも
前知識ほぼ0で果敢に視聴に挑んでいったのであります(*`・ω・)ゞ


結果
虫ではありませんネ!!
獣ですから!! あー良かった♪
虫さんNGの方!! 大丈夫ですよ~ヽ(*´∀`)ノW

でも最初のパラサイト(ミギー)が主人公のベットにそわそわ~て
はいよってきたシーンだけはゾワゾワ~っとしましたよ(;´Д`)ウウ


そんな私の諸事情はさておき
観はじめてみると、コレが実に面白い!! ですねぇ(*>ω<)b

相方『ミギー』との友情、ヒロイン『里美』との恋愛絡み
主人公のお母さんの話や、新一へ想いを募らす『加奈』のお話と、
『田宮良子』のシリアスな描写と愛、
『後藤』とのバトルにそしてあのおばあちゃん・・・

グロ、バトルでハラハラョ゚Д゚;))))ドキドキ、そして涙、涙・・と
正に心を”ガシッ”っと鷲掴みにされたような感覚を覚えました!!!

毎週先が気になって気になって、
原作を知らない私にとってはとにかく”-衝撃-”の連続でした!!


そして今作ではふと、深く、壮大なテーマを投げかけられます―

命、自然、摂理、とても深く深く、考えさせれらます

私たちが今こうして生を授かっていること・・・
様々な生物と共存しているこの世界・・・
犠牲となる命への感謝の気持ちを忘れずに・・・
この一瞬一瞬を強く噛みしめて・・・


これからも素敵なこのアニメの時間、アニメライフを・・・
心の余裕(ヒマ)のある私たちは大切に、大切に楽しんでいきたいですね♪



それでは最後におなじみのコーナー✩

(o*゚∀゚)oお気に入りのキャラ~

はい! これはもう完全に『ミギー』の一択であります(*`・ω・)ゞ
しれーと笑いをブチ込む可愛いキャラで、まさに本作の顔!!
新一との友情物語に何度も涙、涙(つω;)ウッ…
とくに23、24話、私の涙は全て『ミギー』に持っていかれました゚(゚´Д`゚)゚ミギー
CV:平野綾さんの演技も最高でした!!


という訳で!!
グロイの全く持って受け付けません(;ω;乂)
という方以外はぜひとも観て頂きたい作品ですヽ(*´∀`)ノ

投稿 : 2025/02/08
♥ : 70

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

考える葦と考える筋肉が共に生きる道筋・・・

岩明均による漫画を原作とする作品です。全24話

原作未読


ある日の夜中にふと違和感を感じて目を覚ました泉新一はヘビのような

生き物がいて、虫嫌いの彼はひどく動揺する。そしてその生物が右手に

穴を開けて体内に侵入してくるように感じるも騒ぎを聞きつけてやって

来た両親に見せてみるとそんな痕跡は何もなかった。そして朝になり目を

覚ました新一は昨日の出来事を夢だと思うのだが、その日の間中右手は

どうもおかしいような気がしていた。そして車に轢かれそうになった女の子

を助けようとした時に右手が・・・


第一話を視聴した時は寄生っていうのが苦手だったのと同時期に放送

していたとある作品との勘違いもあって視聴継続予定だったのにいつの

間にか見なくなってしまいましたがニコの一挙で復活し、漸くこっちの地域

で最終話を迎えた作品でした。


そんな事は置いておいて作品の中身ですが、寄生生物と人間との二つの

存在とさらにそのどちらでもあってどちらでもない存在とがそれぞれ

生き残るためにそれぞれが学習し成長し生き残りをかけて戦いを繰り広げる。

その中でお互いがどうしてこういう関係だったのか、共存するor敵とする

のかを少しずつ感じていきながら、また新一をミギーが元々生き残るため

だけの共存協力関係だったのがお互いの存在について人間と寄生生物とが

様々な考えを持つにつれて徐々に変わっていくのがこの二つとそうでない

ものとが様々に導き出していく結論に大きく関わっていくので新一がミギー

と共に戦いに身を投じていくことにも深く繋がっていて面白かったです。


新一とミギーが共に戦って成長していってバトルシーンでどんどん高度に

やり合うので本当にすごかったです。とある事件で新一が大きく変わって

しまった後は戦い方に色々なテイストが加わって迫力も増している感じでした。


全体として展開はしっかりと組まれていたので最初から最後まで全く

衰えることなく面白かったです。原作が20年ほど昔でキャラデザとか

が現代風に変更されていて賛否両論あるみたいですが自分は漫画はあまり

読まないし、その頃は生まれていなかったので特に何とも思いませんでした。

さすがは原作がとてもすごい作品だけのことはあるなと思います。

◆個人的点数評価 81.784点

投稿 : 2025/02/08
♥ : 54
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

誰にとっての「基準」なのか

人間の脳に寄生して意のままに操る新生物が現れた。
主人公の新一も体を乗っ取られそうになるものの、間一髪難を逃れる。

脳への寄生に失敗して右手に寄生したパラサイト・ミギーと、新一の共存と戦いの物語。

伝説級のコミック、「寄生獣」がついにアニメ化。
少年漫画チックな熱さを残しながらも、普遍的なテーマを描いた作品。


さて、今作は、

- キャラデザイン・時代背景等が変更されている
- 完成度の高い漫画なので、評価の目が厳しくなる

と、前評判はよろしくありませんでした。

しかし、ふたを開けてみればおもしろいおもしろい。
作画もきれいですし、懸念されていた声優の演技力も十分。

ただし、構成ではちょっと気になる点が。

前半に感動シーン、後半に緊迫シーン、という流れが多く見られます。
「次回も見てもらいたい」という意志で、テンションの上がった状態で終わらせているのでしょう。
しかし、せっかくの感動シーンで、余韻に浸っている余裕(ヒマ)がありません。

もう少し話の終わり方にバリエーションが欲しかったですね。
そうするとあと1~2話必要になっちゃうのかなぁ。


寄生獣は、内容上、流血シーンが多く含まれます。
しかし、無茶な黒塗りやカットはあまり見られませんでした。

- ショッキングなシーンでは、視聴者に衝撃を与えるのが目的であるため、ほとんど原作そのままに描く
- 重要ではないシーンではカメラの角度を工夫するなどして自然に隠す

という使い分けができていたと思います。
規制獣にならなくて良かったです。


アニメーションで特徴的だったのが「目」です。
原作もそうなのですが、「目」を見ると、パラサイトをぼんやりながら見分けられるようになっています。
表情筋が動かないとか、目を見開いたりしないとか、細かいことの積み重ねなのでしょう。
しかし、アニメでも目がうまく描かれていて、人間なら気持ちが伝わってきますし、パラサイトなら不気味さがよく分かります。

アニメーションでしかできない工夫も見せてくれました。
{netabare}
パラサイト同士の会合時、市長の広川だけが頻繁に「瞬き」をしています。
広川だけが人間である、というヒントをそんな形で出してくるとは!
{/netabare}

ストーリーと舞台はほぼ原作通り。
ただし、時代背景が異なっています。
しかし、小物が変化する程度。大筋には影響ありませんでした。

- 公衆電話が携帯電話に
- 本がパソコンに

などなど。

むしろ、そういった小物の変化が効果的に働いているシーンもありました。
{netabare}
たとえば、加奈がパラサイトに襲われてしまうシーンは小物改編が生きています。
原作では加奈が外出していて電話が繋がらなかった、という「偶然」の結果。
しかし、アニメでは加奈があえて携帯を使わないことで、偶然ではなく「自分の意志で選んだ結果」になっています。

「格率」つまり、「自分のルール」がサブタイトルに入っています。
「能力だけで新一を見つける」というルールを自分に課した結果になっています。
{/netabare}

最後にテーマについて。

寄生獣は環境問題、他者とのコミュニケーションなど多くの普遍的なテーマを含んでいます。

「面白いのに真面目なことを考えてみたくなる!」

そんな分かりやすさが人気のひとつの秘訣でした。

また、サブタイトルにある「セイの格率」。
何じゃこりゃ、と最初は思っていました。
しかし、通してみるとなかなか秀逸な言葉。

「セイ」は複数の意味を持ちますが、これは見ていれば分かります。
そして「格率」。

聞き慣れない言葉ですが、簡単に言えば「自分に課した基準」「自分ルール」のことです。
その自分ルールを他者にも適用してみる。
もし問題なければ、それを「道徳」と呼び、人間の普遍的な行動基準になる。
これが「格率」の肝です。

「正の格率」なら、「自分が正しいと思って、行うようにしていること」のように訳せます。
それが他の人にとっても正しいと思えるなら、それは「道徳」だと。

{netabare}
新一が犬を助けたのは道徳的なことでしょう。これには里美も同調します。

しかし、その直後に死んだ犬をごみ箱に捨ててしまいます。
これは新一にとっては格率から出た行動ですが、里美には受け入れられません。
生物的に強くなった新一は「自分ルール」が強く出るようになりました。
その結果、自分の行動が「他者から見て」道徳的かどうかに目が行かなくなっていきます。

そして、パラサイトとの交流を経て迎えた最終話。

浦上は「MAXIME」と書かれたキャップを被っています。
「MAXIME」はそのまま「格率」のことを指します。

新一は一方通行のTシャツなど、行き止まりを表すロゴを身につけていました。
最終話で付けているのも「Apolia」とかかれたシャツ。
「Apolia」は「行き詰まり」を意味する哲学用語です。

命を懸けた里美の言葉で、

「自分ルールで生きて失敗も多いけど、目の前に認めてくれる人がいる」

と再認識します。

「MAXIME」のキャップは吹っ飛び、「Apolia」は覆い被さった里美によって見えなくなります。

自分が正しいと思ったことは他者にとっても正しいとは限らない。
他者にとって「道徳」であり続けることが正しいとも限らない。
しかしながら、自分の行動を認めてくれる人がいる。
寄り添い生きるものの存在、それが獣としてのアイデンティティに繋がっているんだ。
{/netabare}

テーマを強く押し出すために、細かい部分で改変を加えたアニメ陣はさすがです。
「どうせ同じ内容じゃん」と思わず、細かいところに目を配っていただきたい作品です。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 50

91.7 6 漫画原作アニメランキング6位
ぼっち・ざ・ろっく!(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (923)
3801人が棚に入れました
“ぼっちちゃん”こと後藤ひとりは 会話の頭に必ず「あっ」って付けてしまう極度の人見知りで陰キャな少女。 そんな自分でも輝けそうなバンド活動に憧れギターを始めるも 友達がいないため、 一人で毎日6時間ギターを弾く中学生時代を過ごすことに。 上手くなったギターの演奏動画を“ギターヒーロー”としてネットに投稿したり文化祭ライブで活躍したりする妄想なんかをしていると、 気づいたときにはバンドメンバーを見つけるどころか友達が一人も出来ないまま高校生になっていた……! ひきこもり一歩手前の彼女だったが ある日“結束バンド”でドラムをやっている伊地知虹夏に声をかけられたことで、 そんな日常がほんの少しずつ変わっていく――

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

私だけの日本武道館

とても面白かったです、女の子達が仲良く何か活動するアニメが好きな人にオススメ!

主人公のひとりちゃんはギターが好きな引きこもり・・・
友達も作らず誰にも邪魔されない押し入れの中で一人、理想の学園生活を妄想するだけの日々
なりたい自分を思い描いても現実は厳しくて、うまくいきません
そんな彼女のささやかな夢

「みんなからチヤホヤされたい」

灰色の青春を謳歌する引きこもりの女子高生が、ギター一本でその野望をかなえられるでしょうか?

―日本武道館―
それはすべてのロックバンドの夢・・・
ひとりちゃんだってそれは一緒、でも彼女にとっての日本武道館は他にもあって、他人から見たらそれはちっぽけな夢かもしれません
でも、ひとりちゃんにとっては壮大な夢、人見知り・ネガティブ思考・体力なし・コミュニケーションも苦手でなかなかうまくいかないけれど
夢に向かって慣れないことにも必死に頑張るぼっちちゃんが尊い!

わたしは人と話すのが好きなのでぼっちちゃんの気持ちにはあまり共感できないけど、得意とか苦手とかは人それぞれ
ニガテなことにも一生懸命挑戦する子は応援したくなりますよね

急に覚醒してどうにかなっちゃうようなご都合主義じゃなかったし、バンドメンバーも周りの人も優しくて暖かくて楽しい雰囲気が良かったし、とても良いアニメでした

投稿 : 2025/02/08
♥ : 53

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

「きららアニメ」でありながら単なる「萌えアニメ」に非ず?

『ぼっち・ざ・ろっく』では、主人公のぼっち(本名: 後藤ひとり)がメンバーとして所属している女子高生ロックバンド「結束バンド」を中心にバンドメンバー4人やその周辺人物の日常と音楽活動が描かれます。

原作漫画の掲載誌は「まんがタイムきららMAX」であるという点からは、紛うことなき「きららアニメ」です。そして主要登場人物は女性ばかりです。
(ただ、主人公であるぼっちの父親以外にも他バンドであったりライブハウスのオーナーであったり、まったく男性が出てこないというわけでもなかったりはします。)

作中の登場人物たちは「きららアニメ」らしい人間関係を築いて仲良くやってはいるのでその点では「きららアニメ」として邪道というわけではありません。いわゆる「百合」的な視点でのキャラの関係性を求める視聴者層にも応えるように作られています。

ですが、本作では「キャラがカワイイ」という点を当然にクリアしているだけではなく、音楽的な意味でも完成度が高い作品だと思います。

それはこのアニメ劇中で演奏される楽曲であったり、演奏シーンでの演出であったりしますが、音楽関係の漫画や小説が原作の場合、アニメ化すると楽曲やその演奏というものを具体化するという共通の課題があります。昨今名作とされるアニメはこの課題を高度なレベルでクリアしている作品と言えるでしょう。

また演出というか作画上の特徴として、場面によっては実写取り込みだろうがコマ撮りアニメだろうがCGだろうが躊躇なく使うという点があります。

実写映像を取り込んでフィルタ加工するというのはシャフト制作の『ひだまり☆スケッチ』などで多用されていた手法ですが、別に作画の工数削減のためにやっているわけではなくて、特にコマ撮りアニメなんかはむしろ工数増やしてまでやっている感がありますね。

あと、機材関連のあるあるネタだったりライブ演奏中でのあるあるネタだったりという点で、バンド経験者的な視聴層にも応えるように作られていると思います。

ぼっちの行動は突飛ですが、作中で「実際にそんなことは起きるわけがない」という出来事は意外と起きないという意味で、地に足のついた脚本になっていると思います。

また単話での完結性に優れていながら、全話通してのシリーズ構成的な面でもストーリー的にかなり良く出来ている作品だと思います。

こう言ってしまっては何ですが、実際にロックバンドをやっている当該年代(高校生)が観ても楽しめる作りになっていると思うので、そういう意味では深夜アニメとしては異例な作品だったんじゃないでしょうか。
(そういうアニメで他にすぐに思い付くのは『響け!ユーフォニアム』くらい?)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 48
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

転がるぼっち、笑い転げるオレっち

陰キャでボッチでも、バンドなら陽キャでリア充になれる!
とギターを始めるも、コミュ症故にネット動画配信に籠もっていた主人公・後藤ひとりこと“ぼっちちゃん”が、
“結束バンド”の仲間ら、人と接する度に自己嫌悪等を悶々とこじらせながら、
夢のバンドライフ実現に向けて三歩進んで二歩下がったりする。
「まんがタイムきららMAX」連載中の原作コミック(未読)のアニメ化作品。

【物語 4.0点】
大筋は典型的なバンド青春物。やはりライブがヤマ場。
だが、ぼっちにとっては、バイトする、友達を家に呼ぶといった当たり前のコミュニケーションが、
ライブに匹敵する生命の危機、ギャグもしくは妄想ワールドへの大脱線へと展開。

ぼっちちゃんの将来悲観妄想が具体的過ぎて笑えますw
{netabare}その心太(ところてん)俺が買ってやるから{/netabare}って感じで居た堪れなくなりますw
結果、客観的に見てバンド活動は進まなくとも、毎回笑って楽しめるので捨て回がない。

普段、情けない感じのぼっちちゃんだが、決める時は決める。
ぼっちちゃんの凄い所をちゃんと見ているバンド仲間を通じて、
自身が見えていなかった長所を発見し、
承認欲求よりもかけがえのない自己肯定感を獲得していく。

マイナス思考で地べたを転げ回っていたぼっちを見て笑い転げた末に、
終わってみれば良質な王道青春物の余韻が残る満足度の高いシナリオでした。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・CloverWorks

ぼっちちゃんは低すぎる対人スキルやメンタルのメーターが振り切れる度に、
バグって、顔面の各パーツが散り散りになるわ、{netabare}黒部ダムだわ、胞子飛ばすわ。{/netabare}
実に多彩な表情で楽しませてくれます(笑)

ところで、原作者によると、ぼっちの身体は人体ではない設定だそうでw
よって、ぼっちちゃんの形態変化はデフォルメではなく、リアリティの追求w
だからこそ、ぼっちちゃんは幾度も死と再生を繰り返しますし、
結束バンドの仲間たちは、実際に視認した崩れたぼっちちゃんの顔面も味だなと論評しますし、
{netabare}紙やすりでぼっちちゃんの顔を整え損ねたりもするのですw{/netabare}

この形態激変モンスター・ぼっちを映像化するため、CloverWorksは時に実写の挿入も厭わず尽力。

その他のキャラについても、絵を整えることのみに囚われない。
適宜、絵を崩す遊び心で視聴者を結束バンドに拘束。


3度のバンド演奏シーン。
実際の奏者の動きを取り込んで臨場感を演出。
作画カロリーよりも、ギターの運指に至るまで音響と絵を合わせる調整力が半端ない。

結束バンドの結束が尻上がりに上昇するのに比例して、
演奏シーンに込められた情報量も右肩上がり。
よって満足度も最後のライブが一番という方が多いのは分かります。
ですが私の場合は3回目の演奏シーンは、よもやここまで作画に濃密な情報を詰め込んでくるとは思っておらず。
加えてギターに疎い私にとっては{netabare}ボトルネック奏法がどれくらい凄いことなのか即座に理解できず。{/netabare}
パンクしてバグったぼっち状態にw

落ち着いて整理して再見すると、
{netabare}喜多ちゃんのアドリブフォローだったり、虹夏とリョウが阿吽の呼吸でリピートして場をつないだり、{/netabare}
結束バンドが結束している細かい描写がエモいと分かるのですが。

結局、私は2回目の演奏シーンが一番シンプルに感動できたので何度も再生しています。
ぼっちちゃんのアドリブギターパフォーマンスから曲が始まる流れは何度見てもシビれます。


【キャラ 4.5点】
結束バンドの各キャラがぼっちちゃんの自己発見に寄与した点は前述の通り。

ぼっちちゃんの家族について。
当初、私は、妹の後藤ふたりに、ぼっちちゃんの陰キャの傷に塩を塗り込む役をさせる以外は、
最後まで表情が描かれない父など、家族があまり存在感を見せない作品。
娘がロックに走っても無関心な両親なの?と思っていました。

これがまさか最終回のギャグで伏線回収するための家族の潜伏だとは思いもよりませんでしたw
{netabare}動画投稿サイトで虚言を吐く娘を見守ってきた父の心境は如何にw
……いや、ちゃっかり広告収入稼ぐ辺り、あんまし気にしてないのかもw{/netabare}


中盤、出没した酔っぱらいベース・廣井きくり。
バンド知識が乏しい私にとっては、ぼっちちゃんのスイッチが入る時、演奏の変わり目を察知するナビゲーターとしても重宝。
それにしても、きくりの飲酒が無限ループする“幸せのスパイラル”を回す原資はどこから来るのか謎ですw
リョウといい、きくりといい、ベーシストは誰かに集るものなのでしょうかw


【声優 4.5点】
ぼっちちゃんこと後藤ひとり役の青山 吉能さん。ぼっちだが独り言と妄想によりセリフ量は膨大。
加えてその生態から人の枠を越えた演技も求められますが、魂の怪演によりクリア。

特に4話の{netabare}SNSで自らが承認欲求モンスターを生み出してしまう恐れから、{/netabare}
いつもより余計に自我が崩壊した際に上げた奇声を“加工なし”で熱演した件には恐怖すら覚えますw
まさか、よっぴーにこれ程までのエンターテイメント性があったとは。間違いなく彼女の代表作ですね。


ボーカル・喜多郁代役の長谷川 育美さん。
ひとりカラオケで鍛え上げたという歌唱力も上々。
リア充独特の後光のSE?「きたーん」もフォローし、ぼっちに有害な陽キャ光線を照射w

ドラム・伊地知虹夏役の鈴代 紗弓さん。
特に夜道でぼっちちゃんを呼び出した際の語り口は天使としか言い様がありません。
前クールでの『シャインポスト』TINGSセンター役といい、さゆみんキテますね~♪


【音楽 4.5点】
結束バンドによる主題歌、挿入歌。
キャラ回だからキャラソンでテコ入れという感じではなく、
数話かけて、視聴者とキャラ理解が共有できた、
ここぞというタイミングで満を持して投入するので、歌詞一つ一つが心に響いて来ます。

虹夏のタイトル回収からの「なにが悪い」へのED切り替えなど完璧。
よって「なにが悪い」がイチオシになる方が多いのも頷けます。
ですが、ここも私は「あのバンド」がお気に入り。
結局、私は{netabare}野草{/netabare}食ってようが、ぼっちに集ろうが、
孤高の信念を貫くリョウというベーシストが好きなのでしょう。


【余談】
作品人気を受け、調子に乗った芳文社。
原作連載雑誌の付録に“ぼっちちゃん福笑いセット”を用意し、ひと儲けしたそうで。
顔面のパーツをどこにどうばら撒こうが、ぼっちにしかならない。凄いw


【5話感想】「ギターと孤独と蒼い惑星」結束バンド……良いロックじゃないか👍
{netabare}
ライブ出演オーディションにて、ようやく披露された挿入歌「ギターと孤独と蒼い惑星(ほし)」
演奏するキャラのCGはそこそこでしたが、踏み込んだ靴がキュッと鳴ってぼっちのギアが上がる演出など、
やはりスタッフはここに力を入れて来ました。

今回、挿入歌の作詞を担当したのはZAQさん。
『よう実』OP主題歌などでも知られるシンガーソングライター。
詞のパンチ力はそのままに、ぼっちちゃんが徹夜で考えた陰キャ&中二病の歌詞世界という設定に寄せるため、
絶妙に未熟で青臭い感じに調整されているのに唸らされました。

ボーカル・喜多 郁代役の長谷川 育美さんの歌声も陰鬱とした歌詞と合っていて良かったです。
もっとも、陰キャ・ぼっちちゃんの目が眩むくらいの後光が差す陽キャの喜多ちゃんは、普段こんな鬱々としたこと考えてはいないのでしょうがw

尚、公式では作中ライブシーン動画と合わせて、
リリックビデオ風のMV(FullVer.)も公開されているので、
アニメ未見の方も、まずはこれだけでも見て、
劣等感を燃料にしたロックに殴り倒されてみて欲しいです。
そこで、何か刺さる物があったら、多分アニメも行けるかと思います。{/netabare}


【4話までの感想】ぼっちちゃんガンバレ~
{netabare}
ぼっちちゃんが根暗なだけならハマらなかったのでしょうが、
彼女の場合は理想と現実のギャップが激し過ぎる故のアイデンティティ崩壊芸が笑撃的で、私も無事、結束バンドに拘束されましたw
ぼっちちゃんが極度に狼狽した際の、
垂れた両目が著しく離間した、あの情けない顔が頭から離れませんw
でも心身が溶解するくらい、いや、むしろ{netabare}プランクトンだの、ゾウリムシだの、下北沢のツチノコ{/netabare}だの、人ならざる物に成り果てて(笑)まで、
落ち込むのは、ぼっちちゃんが変わることを諦めていないから。
こういうキャラは、あんましプレッシャーかけるのも良くないのでwゆる~く応援したくなります。


CloverWorksのアニメーションもキャラデザが激変するギャグにも対応したり、歪み補正も交えたりと構図も大胆でゆる~い笑いをアシスト。
かと思えばフォトリアルな背景等で引き締めて来たりと、今後のライブシーン等にも期待が高まります。
その前にまず{netabare}ぼっちちゃんはダンボール箱から出ないとw{/netabare}


ぼっちちゃん役の青山 吉能さん。
4年前に「Wake Up, Girls!」解散した時は、このままフェードアウトか?
とも思っていましたが、こうやって主役を務めたりと、順調に活躍されているようで何よりです。
自己否定沼に沈没する、ぼっちちゃんは唐突に{netabare}「押し入れより愛をこめて」{/netabare}などのぼっちフォーク?(笑)を吟じたりしますが、歌唱へのつなぎもスムーズです。
「WUG」では演じてるキャラがセンターの娘と髪型一緒で見分けが付かないとかイジられていたよっぴーですが、
これもぼっちちゃんの日陰のメンタルを汲むのに役に立っているのかも?と思うと感慨深いですw


本作も、きらら系ということで、サブキャラのバンドメンバーも、
多少、強烈なぼっち生態を喰らっても、ゆるふわと吸収してしまう曲者揃い。
最近、私は“ひとり好き”(ぼっちとは大きく異なるらしいw)のベース・リョウにもハマりつつあります。
最初は{netabare}野草{/netabare}喰ってる変な人という印象でしたが、四話では音楽に対する芯のある発言で魅せてくれました。
いい加減だけど、この人なら振り回されても良いと感じる不思議な引力があります。
ある意味、リョウは最もバンドマンらしいキャラなのかもしれません。
だからと言って{netabare}驕らせるのはどうかと思いますがw{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 46

75.4 7 漫画原作アニメランキング7位
【推しの子】第2期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (313)
963人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

2.5次元舞台

原作未読 全13話

亡くなったアイドルの子供たち(双子)が、亡くなった真相を求めて芸能界に飛び込んでいくお話です。

今回は双子の一人であるアクアが出演する2.5次元の舞台公演がメインとなっています。

まるで舞台を観ているような演出は見事でしたね。

また、黒川あかねと有馬かなとの確執というかライバル対決も見どころですね。

また、それぞれの役者の心情を舞台の中や稽古でも色々と見せてくれるので、思い入れが強くなっていきます。
{netabare}
特にメルトくんは感情移入できましたね。気持ちが凄く伝わってきました。

また、アビ子と頼子の師弟での本音で言い合うシーンも凄く伝わりましたね。
{/netabare}
そして舞台公演が終わり、この物語の本流が描かれていくわけですが、短い話数でかなりの情報量でしたね。
{netabare}
黒幕ついに登場(姫川・アクアとルビーの父親?)、カラス一緒に出てきた女の子は?、ルビー瞳にも黒い星が、最後のシーンはどんな流れで亡くなった?のか。
{/netabare}
色々と伏線が沢山ありましたね。

第3期の制作が決定しました。楽しみですね。

OPはGEMNさん、EDは羊文学さんが歌っています。

最後に、MEMちょだけ蚊帳の外みたいになっていて、ちょっと残念でした。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 17

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

やっぱ「赤坂アカ先生」話創るの上手いなあ~

【レビューNo.154】(初回登録:2024/11/22)
コミック原作で2024年作品。全13話。
1期のレビュー書いたので、2期も書いておこうかなっと。

(ストーリー)
1期の終わりにアナウンスされていた「2.5次元舞台編」から。
人気漫画「東京ブレイド」の舞台(2.5次元舞台)に出演することになった、
アクアやかなやあかね。
「劇団ララライ」のメンバーと共に稽古が始まるが、稽古の見学に訪れた
原作者・鮫島アビ子が「脚本に納得できない」と脚本家・GOAの降板を要求。
更に自ら脚本を描くと言い出し、それが通らなければ許諾を取り下げるという
事態に発展して・・・


(評 価)
ネットで「『2.5次元舞台編』はあまり面白くない」という前評判も目にした
のですが、たしかに立ち上がりの鈍さに少し不安を覚えたものの、終わって
みれば2期もよかったのでは。
全体を通じて「やっぱ『赤坂アカ先生』話創るの上手いなあ~」というのを
改めて感じましたね。


・2.5次元舞台編(本番前)
 メインは鮫島アビ子の「原作者vs脚本家の対立構図」問題ですね。
 現実でも例の事件がありましたが、(原作で)それに先んじて本テーマを
 取り上げている辺り、やはり先見の明がありますね。
 原作者・赤坂先生らもまさに当事者でもあるわけで、そういった面からも
 ネタとしては身近な問題だったのかも。

 アビ子は直情型で暴走気味になりますが、誰かを悪者にするのではなく
 ・脚本家やプロデューサー側もきちんと描写して、この問題を客観的に提示
 ・この険悪な空気を一転して、アビ子の師匠吉祥寺頼子との掛け合いでコメ
  ディに着地させたのは本当に見事
 その後の「GOA×アビ子」のオンライン会議までの流れもスムーズで、この
 2人共同作業をアップテンポでみせ、難しい題材を綺麗に描ききったなっと。
 この手腕は評価できるのではないかと思います。

 
・2.5次元舞台編(本番)
 個人的には「普通の舞台ではなく何故『2.5次元舞台』だったのか」という
 疑問があったのですが、その答えは1期のレビューで書いた
 「最初からメディアミックス化を意識していたかのような計算された構成」
 にあったのかなっと。
 映像化された場合をイメージして、最も映えるのは・・・ここまで見越して
 の「2.5次元舞台」だったように感じました。
 アニメとの親和性が抜群でしたね。

 また本作では「人間」や「役者」としてアクアやかなというキャラの掘り下
 げが描かれましたが、ここでもあかねを上手く使っていましたね。
 ・かなの掘り下げにあかねの過去回想を加え、あかねという視点からもかな
  を描いていく
 ・アクアの掘り下げにあかねのプロファイリングを加え、あかねという視点
  からもアクアを描いていく
 こういうキャラのみせ方が赤坂先生はホント上手いですよね。
 1期のレビューでも書きましたが「使えるキャラはとことん使い倒す」というw


・B小町/アクアの復讐劇
 「2.5次元舞台編」で大分尺を使いましたが、B小町の活動も忘れていません!
 バズりを意識した新曲をしっかり準備していましたね(笑)

 しかし驚いたのはアクアの復讐劇でしたね。
 率直なところ
 「どうせ(申し訳程度に)手がかりを辿るも空振りで終わるんやろ」
 と高を括っていたのですが・・・
 DNA検査から始まり、上述B小町の新曲PVロケエピソードに絡めて、まさか
 の衝撃の展開が待ち受けていようとは!!
 しかもルビーまで復讐劇に巻き込んできましたよ。

 でも話が進んだものの、何故だろう・・・思った以上に面白みが感じられな
 かったんですよね。
 なんというか、サスペンス要素って個人的にはアクアが芸能界に関わるフッ
 ク的なもので、アクアやかな達の面白い掛け合いが見られれば、復讐劇なん
 てどうでもいいやみたいな!?
 この辺りは話が進むとまた評価が変わるかもなので、保留ですかね。


2期も安定の面白さで、赤坂アカ先生の巧みさが随所に垣間見れたかなっと。
ただ「お気に入り登録」するには何かが足りないという感じなんですね。
少し間延び感を覚えてしまったというか・・・
とはいえ3期の制作も決まり、原作も最終回を迎えたようですね。
でも(ネタバレしたくないので内容は確認していませんが)かなり評判悪いん
ですよねえ。
赤坂アカ先生、話を展開していくのは上手いですが、畳み方に難があるんでし
ょうか。
まあその辺は3期以降で確認ということでw

投稿 : 2025/02/08
♥ : 17
ネタバレ

lumy さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

なんてすごい国なんだ。

原作未読、1期視聴済みです。

タイトルは、ジャパンすげえってことなんですが、
いろいろと意味があります。

まず、推しの子という作品の完成度が高いです。
1期も十分すぎるほどの完成度でしたが、
2期は、1期を超えてきたと思っています。
原作の展開や盛り上げ方に加えて、
演出や作画もグレードアップしてます。
個人的には、エンディングのルビィのダンスが
美しいと感じました。
動画工房、推しの子にめちゃくちゃ力入れてるのが伝わります。

次に、{netabare}神話要素 {/netabare}が出てきたことです。
原作未読なんで、その方向は想像してなかったのですが、
これが今後どのように物語に影響するのか、
とても興味深かったりします。
これ系で印象に残っている作品は{netabare}AIR {/netabare}かなあ。
日本人だからこそ揺さぶられる要素かもしれません。

最後に、3期が決まりましたが、
葬送のフリーレンの2期も決まったりして、
大作が交互に観れる国ジャパン、すごすぎる。
感情が追い付かなくなりそうなので、
とにかく、同クールで放送するのだけはやめてくれw

というわけで、大変楽しませていただきました。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 16

67.6 8 漫画原作アニメランキング8位
先輩はおとこのこ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (120)
311人が棚に入れました
男だけど可愛いものが大好きで、女の子の姿で高校生活を送る“男の娘”・花岡まこと。 ある日の放課後、まことは、“女の子だと勘違いしたまま”の後輩女子・蒼井咲に告白をされる。 「実は自分は男の子なのだ」と打ち明け、告白を断るまこと。 しかしまことの予想に反し、咲はあきらめるどころか、「男女両方の先輩が楽しめる」とテンションアップ! さらに、「私が先輩の初恋の人になってみせます」と宣言して……。 可愛いものが大好きな、まこと。 まことに恋をする、元気いっぱいの後輩・咲。 まことを近くで見守り続けてきた、幼馴染の竜二。 3人の、恋と友情と、成長の物語がはじまる――。
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

幼なじみはふつうのこ

女の子の恰好をして過ごすまことを中心として、まことに惹かれる幼なじみの男の子と後輩の女の子、3人の心の機微を見事に描いた作品、私は今季1位に推したい
原作未読ですが、アニメのクオリティはとても高いです

この作品の一番素晴らしいところは「不安」の描き方、3人が何に悩んでいるのか、どうして悩んでいるのか、どうしたら救われるのか? それがとても丁寧に描かれているんですね。丁寧な心の描写で、自然と共感できるんです。

3人の心情とお互いにかけがえのない関係性を描くのがとても上手ですね、綺麗な絵、声優の演技、間の取り方、それを邪魔しないでしっかりムードを盛り上げてるBGM、その演出の繊細さに自然と3人の気持ちに共感して何度も涙が出てきました。
3人がお互いに大切に想っていること、悩んでしまう理由、ひかれあう理由、関係性が深まっていくきっかけが丁寧に描かれていて、ずっと3人が一緒にいられたらいいなって思います

~各キャラクターについて~
【まこととまことの父母について】{netabare}
まことは女の子の服は着たいけど、女子になりたいわけじゃないんですよね
お風呂に男子と普通に入ってることから(たぶんお手洗いも)、性自認が女なわけではない(まだ結論が出てないだけかもだけど)
でも竜二の好意にも咲の好意にもドキッとする、恋愛対象は男なのか女なのか?それとも恋愛感情とは別の感情なのか?

この部分を簡単に結論出さずにゆっくりまことの心の変化を描いているのがいいですね、「僕は可愛いものが好きだけど、男になりたいわけでも女になりたいわけでもない、自分らしく生きたい」って、ヒトは男か女の2つに単純に分けられるものじゃないんですよね、女の子みたい?男っぽい? 男だから女の子の咲が好き? 女っぽいから男の竜二が好き?
そんなことは他人が決めることじゃない、僕はかわいいものが好きだ、竜二が好きだ、咲が好きだ
とても共感できるシナリオでした。

例えば3話では男の恰好をしているまことに好意向けてくる羽川さんの表情が描かれてないですけど、4話でまことが羽川さんに謝って、その時に表面的なことだけじゃなくてちゃんと心で向き合ったことで、はじめて羽川さんの顔がちゃんと描かれたんですね。これはまことがクラスメイトの女子Aじゃなくて羽川さんとしてちゃんと向き合ったことの表現だと思う。
まことも「どうせ相手は本当の僕を見てくれてない」と自分から心の壁を作っていて、相手の事をちゃんと見てなかったことに気づいたっていう描写だと思う、こういうところが緻密で好きですね

2話と11話で女の子の服をウインドウショッピングする描写がありますが、2話の時はまだ恥ずかしがってる様子あるけど11話の時は周りの眼を気にせずにお買い物しています、前を向いて生きてきた成果ですね。
これは母親にも言えることで、2話の時に可愛いハンカチを見つけて取り乱してたけど、この時、お母さんは結婚指輪しないのかな?って思ってたら11話では結婚指輪してるんですね。手元が強調されているので意図的な表現だと思うんですが
2話時点では、まことにかわいいものを好きにさせないようにしていて逃げていたのを、まことに向き合っていこうっていう前向きな気持ちが表れていると思います。

疑問に思ったのは、女装が好きなお爺ちゃんと血のつながりがないまことの父はお爺ちゃんと連絡とりあってるみたいなのが違和感あるのと、やけにまことのこと受け入れてるのも違和感がある
これもステレオタイプだけど、男の子の女装趣味って男親のほうが理解ないようにおもうから、理解ある父親ってのが不思議だった
ここまで父親の心理はあまり描かれていませんけど、肩に触れるなどまこととの接触も多い。
もしかしてお父さんにも女装の趣味があるのか、それともまことのことを性的に見てるかどっちかじゃないかな?って思った。
勘違いだったらごめんなさい

「かわいいものが好き、女の子の恰好するのが好き」それははっきりしていたので、過去は周りの眼、それからそういうものを嫌悪する母との葛藤がありました。
母親はまことのこと全然見てない酷い親なのかと思ったらそんなことなくて、ちゃんとまことのことを見てたんですね。
母だって自分のトラウマと息子の気持ちの間で長い間葛藤して、ありのままのまことを受け入れたい気持ちもあるところが中盤でも描かれていました。自身のトラウマも簡単に切り捨てられないからこそ、思い悩んだのでしょう。母だって人なのだから当然です
父のような女装趣味にさせてはいけないっていう気持ち、まことの気持ちに寄り添いたい気持ち。その葛藤はまことのことを第一に思っての事でした。

まこともそんな母の葛藤を知らずに自分の中でありのままの自分を受け入れて欲しいと勇気を振り絞って向き合ったのが心の成長だし、最後は母とまことがお互いに正面から向き合える形で1期が終わってとても良かったです
{/netabare}
【竜二】{netabare}
自分の好きがはっきりしているまことよりも、竜二のほうが複雑だと思った

まことの可愛い見た目に惹かれたのか、まことの人間性に惹かれたのか
相手は男で幼なじみ、自分の恋愛対象は男なのか、女なのか、まことが特別なのか?

彼は他の女子や男子に惹かれている描写がまったくないんですね。
これも恋愛対象が男なのか女なのかあえて描かないことで2期があるならそこを描いていくのかな?って思います
たぶん、まことが特別なだけで、男性女性とか見た目とかじゃなくてまことという人間に惹かれたんだと思いますけど

まことのほうは竜二に親愛の気持ちは強いと思うんだけど、たぶん恋愛対象として惹かれているのは咲だと思う、細かい描写を見て受けた印象だけど。
竜二くんにとってはこの先つらい展開になっていくんじゃないかなー?って思って、これだけいい人なのに悩み多くて大変ですね

タイトルも「先輩はおとこのこ」 つまり咲とまことがメインの話なんですよね。一期だけだと竜二とくっつくようにも見えるけど

この先、咲が先輩への想いにどう決着つけるかわからないけど、竜二とくっつくと「やっぱり性自認も女なの?」ってツッコミになりそうで
シナリオのメタ的にどっちかを選ぶってなったら分が悪いなあって・・・
でもこれだけ繊細な心を丁寧に描いている作品なので、そんな単純な構図にはらないと期待しています。

そんなわけで私は竜二くんを応援してます!

{/netabare}

【咲】{netabare}
圧倒的な孤独を抱える咲ちゃん、この子にも共感できるところが多かった
誰にでも好かれるキャラを演じて明るく振舞ってるけど、ホントは特別な人が欲しいんですよね、自分のことをちゃんと見てくれる。
3人で星空を眺めるシーンとかケガした足を二人が気遣うシーンなどから、まことと竜二が自分にとっての特別になっていくのが丁寧に描写されていますね。
素直に心が温まりました。ずっと二人と一緒にいられたらいいねって

まことと服を交換する描写あるけど、これは日ごろからそういうシチュエーション思い描いてたんじゃないかな? 先輩がこれ着たら可愛いだろうなーっていう感じで
可愛い服を美少女が着ているところを想像するだけで楽しい感覚は男性にもわかりますよね??
2話でショッピングした時に竜二から「大きいだろ」ってツッコミされてたけど、これは間違えたんじゃなくて、たぶん先輩でも着れそうなサイズをあえて試着してるんだと思う、試着する前にふつうはサイズ見てから持っていくし
おそろいの服を着たいとかそういう願望もあったのかも

咲は自分の気持ちが「先輩を性的に好き」なのか「友達として好き」なのか「孤独を埋めてくれる相手」ならいいのかわからず悩んでいました。
竜二も咲のことをちゃんと見てくれていて特別な人と咲は認識しているようですが、竜二に対する態度とは違うのでやっぱり恋愛なんじゃないかな?
二人に対してどういう感情に落ち着くのでしょうね?

一期の間ではその辺がまだ結論出てなさそうだったけど、ここからどう彼女の気持ちが動いていくのか気になりますね
{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 11

べんちゃん☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

もっと評価されても良さそう!

放送中見ていて、「まぁまぁ面白いな」なんて思ってたのだけれども色々他作品見ているうちに保留してました…(^_^;)
が、時間が出来たので再開!中盤から後半にかけてだんだん良い話!?と言うか、わりとグッとくる!?感じになりました。

物語も良かったですが、作画もなかなかで特に背景なんかもリアル(CGぽくなく)な感じでした!
結構良かったので続編気になってたのですが、映画やるみたいですね!

と言う訳で早速、前売り購入しちゃいました!

投稿 : 2025/02/08
♥ : 7

ヤマナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

リアルな心情や環境が刺さる。

初見評価
最近多いジェンダーレス作品。
割と軽い雰囲気の作品かな?
自分も学生時代同性を好きになった事あるけど、少し距離が近いだけでホモホモ騒ぎになり、親に同性愛って人がいるんだってーとそれとなく言うと「キモ」と一蹴されたことがある。性別関係なく人のことを愛せるってとても素敵な事と思ってた当時は人格否定されたようで傷ついた記憶がある。
だから主人公の気持ちがよくわかる。俺もこんな美形だったら女装してたと思う。

9話まで視聴
男だけど女性的な主人公、男だけどそんな主人公が好きな友達、女で主人公のことを好きだと思うけど好きがわからない後輩。
それぞれが相手のことを思い動くからすれ違いも起きて、、、。
それに合わせて、それぞれの家庭環境が見えてきて少しずつ重くなっていく。

友達の家庭はおそらく平均的な家庭。
主人公の家はお母さんがヒステリックで不安定。
後輩の家がかわいそう。
自分も小学生の頃、父は「子供はいらない」と女を作って出て行って、母はヒステリック系で日々育て方を間違えただの産まなければよかっただの言われ突然数日帰ってこなかったり怒鳴るは物を投げるはで中々苦労したほうだと思う。
家庭って選んで生まれれないし、事あるごとに普通の家庭だったらなって悲しくなる気持ちよくわかる、家族が味方じゃないと思った時の孤独感はとても辛かった。でも、一番つらいのはそんな親でも自分にとっては家族で憎いんだけどどこか信じて期待してしまうそしてまた裏切られて自己嫌悪。
いっそのこと他人と思えたら楽なのにって何ども思った。
そんなしんりがリアルに描かれてると思う。
けどなんか、ホントはいいお母さん風で閉めようとしてるけど身勝手な親は許せない。

自分語りが多くなってしまうけどそれくらい現実的な設定で自分と重ねてみてしまう。
蒼井ちゃんのこの経験は無駄にならないきっと幸せになると信じたい。

後、残念ポイント。
作画が低予算なりに頑張ってるって感じ。もっと金かけてたら大作だったと思う。あと、ED騒がしい。雰囲気台無し。

最終話まで視聴
最終的にそれぞれの家庭の問題も一歩踏み出すことができ幸せな形で終わることができよかった。ちゃんと区切りよく終わってくれてとても好印象。
主人公とお母さんが歩み寄る展開とかグッとくるよね。
ただ回収できてないことが気になる。
1,結局蒼井ちゃんのお母さんはなんであんな長い間あってあげなかったの?
金に余裕出来たから会いに来たってちょっと都合よくない?また余裕なくなったら捨てるってこと?
貧乏だろうが今の日本ならまともに働いてれば生活はできると思うし、
ましてやおばあちゃん家持ってんならバリバリ働けば三人で生活だってできたんじゃないの?
そこについての説明がほぼなくなんかいい雰囲気って感じでごまかしてた感じ。
2,蒼井ちゃんのお母さんがまことに似てた発言。その設定いる?
なんか見覚えある。(誰なんだろう。)あ、まことに似てる(え、複雑な関係?)って憶測が膨らんだのにそのまま触れることなく終わった。
え、その設定いる?それとも、原作では続きがあるのかな?

もしかしたら、今後明かされていくのかもだけどとりあえず気になった。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 3

計測不能 9 漫画原作アニメランキング9位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(Webアニメ)

2024年12月4日
★★★★☆ 3.5 (6)
10人が棚に入れました
小山門出と“おんたん”こと中川凰蘭のセカイの終わりの青春譚!3年前の8月31日、突如宇宙から出現し東京上空に浮かぶ巨大な〈母艦〉。非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、仲良しクラスメイトに悲劇が起こる―。

ひっく さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

災害と日常

2011年、そして2020年を経たからこそ分かる作品の説得力。東京上空に巨大な母艦が出現したが、その時点では決定的な国家の破滅などは起こらず、靄がかかったかのようなボンヤリとしたパニック下で日本社会は日常を過ごしていき、少女達は青春を過ごしていく。

劇的に変わった環境と、それでもなんとなく継続する普通の暮らし。この2つが並走する状態というのは、2010年までの日本人であれば違和感のあるSFとしか感じられなかっただろうけれど、今の人間は分かる。「この感じ、リアル」と。その不穏な日常の中で事態は少しずつ進行していき、やがて取り返しのつかない所に至ってしまう所にも妙なリアリティを感じて面白さの高揚感が膨らんでいく。

捉え方によって良いとも悪いとも言える終わり方やシステムを提示し、視聴者に委ね考えさせる所がまことにサブカルチャー然としている。全18話の過不足ない尺の長さで、個についても社会についても様々な思索を誘発してくれる良い作品だった。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 4

92.1 10 漫画原作アニメランキング10位
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX[スタンドアローン・コンプレックス](TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★★ 4.3 (5066)
21572人が棚に入れました
西暦2030年…あらゆるネットが眼根を巡らせ、光や電子となった意思をある一方向に向かわせたとしても「孤人」が複合体としての「個」になるほどには情報化されていない時代…。
情報ネットワーク化が加速度的に進展し、犯罪が複雑化の一途を遂げる社会的混乱の中、事前に犯罪の芽を探し出し、これを除去する攻性の組織が設立された。内務省直属の独立部隊公安9課、通称「攻殻機動隊」である。
公安9課の役割は、深刻な電脳犯罪への対処、国内における要人の援護、政治家の汚職摘発、凶悪殺人の捜査から極秘裏の暗殺まで、多岐に渡っている。彼らは電脳戦を最も得意としつつ、高性能義体を生かした物理的な戦闘においても特筆すべき能力を発揮する、精鋭部隊である。

声優・キャラクター
田中敦子、阪脩、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大川透、山口太郎、小野塚貴志、玉川砂記子
ネタバレ

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

あにこれでの攻殻の順位変動

■攻殻の順位変動について

自分があにこれに来たのは2011年の夏、招待制だった頃で、その頃
の攻殻の総合順位は7~9位くらいだった気がする。

たしか1位がとらドラ!、2位エヴァ、3位がCLANNADのAFだったかな。

CLANNAD、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。も現在よりは
上位だったはず。

その後、一部のエヴァアンチによる悪意のある工作(明らかに1人の
人間が大量のIDを用い低評価を付けまくり)により、エヴァの順位が
やや低下。シュタゲとコードギアスが徐々に上昇。

あとは自身何度か休止を挟んでいるので、正確な事は分からないです
けど、大きな動きは無かったような。

2013年の6月、化物語が急にトップに、攻殻も一気に順位を上げる。

詳しくは

化物・攻殻の大躍進
http://www.anikore.jp/board/608/

自分は2013年の6月下旬~11月中旬まであにこれを休止しているので、
どう変化したのか分からないですが、気付くと攻殻が1位になっていた。


■攻殻機動隊が1位の弊害

レビューサイトとしての信頼度は上がる気がするものの、あまり良い
事では無いよーな・・。


・視聴のハードルが高い

あにこれに初めて来た人が最初にチェックするのは、総合1位の作品と
そのレビューだろうし、それがよく知らない作品だったとする。

普通は見る。自分が来た時も、まずは「とらドラ!」を見た訳ですよ。

釘宮病だったので掘り出し物を見つけた気はしたものの、ストーリー
はそんなに面白く無かった、なんでこんなもんが1位なんだよ、と。

とはいえ、とらドラ!だったら多分どんな人でも完走出来るだろうし、
死ぬほどつまらない、なんて事も無いはず。

少なくとも「話が難しくてよく分からん」という事はまずない。攻殻
だと結構な確率でそれがある訳です。

「初っ端で挫折する人が出て来る」、これが問題の1つ。

タグに社会派ドラマとかあるけど、巷で話題の半沢直樹とかとは受け
入れの広さが違う。

「やられたらやり返す。倍返しだ!」で、キャッキャするよーな事は
できねー訳です。


・レビューも書きにくい

頑張って完走したとする、そうなると次はレビューです。

レビューを書くのが初だったら、まずは人の真似をして書いて慣れる。

あ~みんな 感動した 最高だった 神アニメだった って書いてる。

よし、じゃあ自分もそんな感じで書こう、と。

そんなノリで書いたレビューは段々消したくなるのですが、仮に後に
消したり書き直す事になるとしても「慣れるために必要な事」な訳で、
攻殻の場合はそのハードルが非常に高い。

「え~、こんな視点で見て、こんな事を書かなきゃいけないの~」

なレビューが沢山並んでいる訳です。当然、脱落する人が出て来る。


■一部の人用の作品

○攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 【全13巻】
巻数  初動  2週計  累計   発売日
01巻 *8,722 **,*** 19,680 02.12.21

○攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 【全13巻】
巻数  初動  2週計  累計   発売日
01巻 11,533 14,576 20,158 04.03.26 


ほぼ同時期に出ているガンダムSEED

○機動戦士ガンダムSEED 【全13巻】
巻数 初動   2週計  累計   発売日
01巻 30,147 38,685 71,081 03.03.28

売上が全てという事では無いですが、圧倒的に負けている訳でして、
性質としては あにこれでの順位は876位、総合得点は64.7点 の

○頭文字D Fourth Stage 【全12巻】
巻数  初動  2週計  累計  発売日
01巻 22,008 29,647 44,169 04.06.16

に近い。「特定の事に興味がなければ普通は見ない、けど、その一部
をほぼ確実に掴める」攻殻もそういった類のものです。


◯涼宮ハルヒの憂鬱 【全8巻】
巻数  初動  2週計  累計  発売日
00巻 28,729 33,892 35,176 06.06.23

○コードギアス 反逆のルルーシュ
DVD版 【全9巻】
巻数  初動  2週計  累計  発売日
01巻 36,634 45,593 62,527 07.01.26

○魔法少女まどか☆マギカ 【全6巻】
巻数    初動       2週計      累計
      BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
01巻 52,944(*9,097) 57,767(10,295) 68,547(11,542)

○化物語 【全6巻】
巻数    初動       2週計       累計
      DVD(BD)    DVD(BD)     DVD(BD)
01巻 15,513(29,372) 19,103(37,251) 24,755(58,048) 

○けいおん! 【全7巻】
巻数    初動       2週計      累計
      BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
01巻 32,503(*7,949) 35,220(*9,418) 42,625(10,847) 

○進撃の巨人 【全9巻】
巻数    初動       2週計      累計
      BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
01巻 37,339(19,454) 40,488(21,852) 51,473(29,252)


もっと色々見たければ、

検索 TVアニメ 先発累計平均5000超作品一覧 除外方式 2000年以降


つまり「1位の作品を見る」という気持ちでは、見ない方が良いです。

現在たまたま1位ですが無理して手を出すよーなものではない、内容
に興味がある一部の人だけが勝手に見て、勝手に盛り上がる代物。

自分も含めて、攻殻好きは「理屈っぽくて面倒臭いイメージがある」
ので、レビューを書いたらマイナスになる事もあると思います。


■下がんねーかな順位・・

見て面白くなかったら、積極的に面白くねー、つまらねーと書くのが
良いです。

所詮メスゴリラとむさい男共とハゲジジイが社会の隅っこで色々な事
をしてるだけの話で、2ndに出て来る茅葺総理の雰囲気が少しエロい事
以外は女っ気の欠片もない。

美女、美少女不足は現代アニメとしては「重大な欠点」な訳で、欠陥
商品にはいくら文句を言っても問題ねーです。


大昔に書いた少し恥ずかしいレビュー
(をやや修正、主に「読むに堪えない暑苦しい部分」をカット)
{netabare}

レビュータイトル:よし、そろそろ熱い想いを込めて書こう。

このサイトに来て半月程。
長文書くのは久々だったし、そもそもレビューを書くのは初体験で
この作品への思い入れが強過ぎたせいでこれのレビューを書くのを
後回しにして来たけど、大分慣れて来たんでそろそろ書く事にする。


■一部の人用の作品、マニア用、無駄な凝り具合

普通のアニメとは凝り具合が完全に別方向。

自分は、これ以外の作品ではどれだけ評価が高いものでも気に食
わないと言いたい放題書いてきたし、レビューの内容はそれで良い
と思います。


■科学崇拝

とある魔術の~の話じゃなくて、科学崇拝者ホイホイ作品という話。

【エヴァの自分のレビューの一部】

(エヴァレビューにはひどい事を書き過ぎた為、少し反省、控えめ
 に書き直しを行い、今はこの部分は残ってないです)

ーーーーーーーーー
「攻殻」-「立証可能な理論、現実性」+「ウジウジ君」=エヴァ

「現実を元にした虚構」=攻殻 「虚構を元にした虚構」=エヴァ

背景にあるのがエヴァの場合は宗教と現実味の無い哲学で、攻殻
の場合は、背景が科学と推論としての哲学、あと文学少々。

攻殻は実際ある理論を元に今後ありそーな世界で、ありそーな事を
やってる訳で、両方メッセージ性で話題になった事あるけど、違いは
理解して頂きたい。
ーーーーーーーーー

攻殻を絶賛していたアニオタの友人達は皆が数学、物理、科学等の
崇拝者でして、情緒面よりも科学、エロ、萌え、そして金。と。

検索 空想科学読本

この本中身を知らずにバスで読んで笑いが止まらなくなって困った
事があったんですが、多分この手の作品が好きな人がハマる傾向が
あるのが攻殻。

つまり理系用作品、文系でこの作品の中身にまで興味を持った人は、
相当偏差値が高く良い高校や大学へ行っている(た)人な気がする。

ちなみに「攻機」じゃなく「攻殻」と略しているのは、何の作品なのかが
分かりやすくなるようにする為。口頭でも「攻機」と言ってしまうと通じ
ない場合があるので「攻殻」と言う癖が付いてます。


■銃器、兵器、他陸自等、軍事オタホイホイ

作品には架空のもの実在のものが出て来て、攻殻はかなり凝って
ます。興味ないと評価できないでしょうけど、これも売りの一つ。

ブラックラグーンとかでも少し出て来る話で、
(「軍人達は皆プラグマティストだ、憶測じゃ動かない」だったかな)

軍事はプラグマティズム(実用主義、道具主義、実際主義、行為主義)
の塊なので、科学崇拝者達とは非常に相性が良い。


■攻殻は近未来の日本が舞台の話

2030年頃の日本を舞台にした話なんですけど、2019年の事とかも
あるので、現在2011年ですけど、ちょっとリアル科学は攻殻に追い
つきそうにないですね。追いつくと思ったのになー・・残念だ。


■本当にありそーな設定、無茶とは言い切れない設定

「立証可能な理論、現実性」「現実を元にした虚構」

・・、立証可能な理論って言葉の使い方おかしいけど、他に言葉も
浮かばないから、イメージとして理解して頂きたい。

(実証、証明・・とも少し違うよーな、やはり立証が一番近い気がする。
理論を立証するって言い方はあるから、立証可能な理論でOKなはず)

そういった現実からの発展、推測、推論、未来予測が元になってる
作品なので「そんな未来があり得そう」な訳です。


■その発想力と設定の細かさ

ここのレビューの限界文字数知らないけど、本気で書くと多分余裕
でオーバーするので、設定は解説サイト見て来ると良いです。

架空の話なんだから、そんなとこまで細かく設定する事ねーよ!な
内容で、それ故にマニアが食い付く。


■出てくるキャラ

メスゴリラ、むさ苦しいおっさん達、無駄に有能なジジイ、そして
攻殻が好きはきっと皆大好き笑い男。2rdでは雰囲気がエロい総理。


■作画

萌え絵じゃなくて、変な作画じゃなくて、本当に良かった。


■台詞

センスが日本のアニメのよくあるそれではない、ハリウッド映画系、
ともやや違う、脳筋系すらそのセンスのせいで激しく良いキャラに。

蒼天航路、富野作品、ブラクラ、銀英、冨樫や福本作品、ビバップ

パッと思いつくので、それぞれが独特に台詞が印象に残る作品。

攻殻にも脚本に6人のうち1人がビバップに関係してるけど、ビバップ
ともやや違う。台詞一つで台無しになるところを素晴らしい仕上がり。


■声優

有名どころだけ:田中敦子 大塚明夫、山寺宏一 中田 譲治 三木
眞一郎  折笠愛 榊原良子


■音楽

日本の至宝、菅野ようこ様

検索 Inner Universe (full song)

2011年秋に480万再生、2013年年末に900万再生。


■アニメーション製作・Production I.G

作中もだけど特にオープニングが気合入り過ぎで、当時開いた口が
塞がらなかった。

検索 攻殻機動隊 S.A.C Origa - inner universe OP : Ghost in the? Shell

検索 攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG Origa - rise - YouTube


■これが原作漫画だと?

原作を超えたとかよく聞くし、原作は見る気も起きない。


■士郎正宗

原作者の別の作品「RD潜脳調査室」を見た時の、俺の落胆っぷり
といったら・・いや、そんなものは存在しなかった。


■周囲で影響を受けた人は数知れず

急にハッキング系の本を読み出したり、サリンジャー作品を読み出し
たり、作品に出てくる用語をネタとして使いまくる人々。自分がよく使用
したのは「~と囁くのよ、私のゴーストが」

人気があったのは光学迷彩

検索 光学迷彩 ニコ大百科


■STAND ALONE COMPLEX

独立した個人が結果的に集団的総意に基づく行動を見せる社会現象
孤立した個人でありながらも全体として集団的な行動をとる


この作品は色々な部分を作ってる人々が、他の部分のあまりの出来の
良さに影響されて、普段の実力以上の仕事を、創作への熱意を燃やす
事になった、そう解釈しています。

「どんな環境でどんな仕事にも真剣に取り組む人」は非常に立派です。

しかし、やはり他がダレていたり、打ち込む価値が無いと感じてしまう
と、どうしてもやる気が無くなる、人間とはそういうものです。


我々の間には、チームプレーなどという都合の良い言い訳は存在せん。
有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。


製作側がアニメをどういう風に作っていくかは知らないので、ただの
妄想。

スタッフ全員本気で良い仕事し過ぎて、自分だけ手が抜けなくなった、
というより自分も感化されて本気になった、攻殻機動隊製作委員会に
はそれがあったと思う。

質の良い原作ありきで、更にスタッフ個人の良い仕事し過ぎ、頑張り
過ぎによる相乗効果、その成果こそが

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」だと、自分は信じている。


■書き直したい

暑苦しい駄文を大分カットしてすっきりしたけど、全部書き直したい。

でもそんな事をするなら、最初から全部見ないと・・。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 120
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

道化か、それとも英雄か

ProductionI.G制作。

サイバーパンクの金字塔、
至高の映像体験とジャーナリズム。
日本が誇る傑作SFサスペンス。

未解決企業テロが続出し、
セラノゲノミクス社社長が誘拐された。
数多くの電脳化による弊害、
捜査は錯乱の様相を呈している。
{netabare}隠蔽された告発、駆逐された正義。{/netabare}
サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」、
シンボル化されたポップアイコン。

自我の並列化の果てに何があるのか?
{netabare}オリジナルの不在、踊る模倣犯、
広大なネットの海で暗躍するものたち。
そして真相は闇に葬り去られる。{/netabare}
今こそ「笑い男」事件の全貌を暴け。

手に汗握る銃アクションに興奮する。
近未来社会を通じて描かれる現代の諸問題、
世界観が驚くほどの想像力で構成されている。
何というのか…心底、面白くて眩暈がする。

道化か、それとも英雄か。
正義の行方は何処へ。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 87
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

リズミカルな社会派アクション

原作未読。

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX[スタンドアローン・コンプレックス]」
http://www.anikore.jp/anime/475/

「攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG」
http://www.anikore.jp/anime/588/

「攻殻機動隊S.A.C. Solid State Society[ソリッドステートソサイエティ]」
http://www.anikore.jp/anime/1635/


上記のシリーズの1作目。
2030年、電脳化やサイボーグ化の技術が発展した時代。
「公安9課」と呼ばれる対政治犯の組織の物語。


社会派アニメです。
小難しい単語がたくさんでてきますので、適当には見られません。
実際、辞書を引いた単語がいくつかありました。


1話1話が、世界観とマッチしたドラマ。
完成度が非常に高いです。
そして、基本的に1話完結なのに、続きが気になります。
これは、世界観を小出しにしているのが鍵。
世界の姿を小刻みに見せていくことが、「引き」の代わりになっているんですね。


そして、リズムの良さもポイント。
難しい内容のあとには簡単なシーンを。
簡単な内容のあとには難しいシーンを。
話の難易度を調節することで、マンネリ化やギブアップを防いでいます。

文章に例えてみます。

ひらがなやカタカナばかりのぶんしょうのばあい、かんたんによめますが、ながしてよまれやすいです。
逆に漢字の多い文章だと読み難く最後迄見て貰え無い可能性が高いです。
したがって、ひらがなを主体にして、たまに難しい漢字を入れることで「引っかかり」を作る。
これが、読み手の意識を、内容に集中させるための有効な手段です。

攻殻機動隊の場合、良質なアクションシーンが、ひらがなの役割を担っています。
そして、会話の内容で「引っかかり」を作っています。
おかげで、話に入り込みやすく、興味が持続しやすい仕組みになっているわけです。


ただ、そこまで順位が高い作品かなぁ? というのが率直なところ。
面白いと感じたのは間違いないんです。
でも、消化不良ぎみ。
テーマがぼんやりとしているからだと思います。


{netabare}「デジタル化した心」{/netabare}と{netabare}「心をもった機械」{/netabare}、このふたつにどんな差異があるのか。
外枠に触れてはいるものの、まだあいまいです。
主題にもう少し踏み込むことを期待して、続きも見てみたいと思います。

{netabare}
この作品って東のエデンと繋がっているんですよね。
先に出たのは攻殻機動隊ですが。
{netabare}
ジュイス{/netabare}がタチコマになるなんて。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 60

80.4 11 漫画原作アニメランキング11位
バクマン。(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1371)
7876人が棚に入れました
舞台は埼玉県谷草市、中学3年生の真城最高(サイコー)は、高い画力がありながらも将来に夢を持たず、ただ流されて普通に生きていくだけの退屈な日々を送っていた。そんな最高の叔父は、かつて週刊少年ジャンプに連載し、その作品がアニメ化もされた漫画家川口たろうであったが、連載打ち切りとなり、その後の過労により亡くなった過去があった。ある日、些細な出来事をきっかけに、秀才のクラスメイトで原作家志望の高木秋人(シュージン)に、「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われる。はじめは一緒に漫画を描くことを拒絶していたが、声優を目指している片思いのクラスメイト亜豆美保と、「アニメ化したら結婚する」と約束したことから、漫画家への道を志すことになる。

声優・キャラクター
阿部敦、日野聡、早見沙織、矢作紗友里、岡本信彦、諏訪部順一、志村知幸、川澄綾子、藤村歩、利根健太朗、野島裕史、川田紳司、堀内賢雄、浜田賢二

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

リアルです(`・ω・´)ノ

全く違った中学生活を送った2人が
あるキッカケを元に共に漫画家を志す
青春サクセスストーリー作品。
3部作の1作目。
全25話。
原作:連載終了済ジャンプ掲載漫画。


まず、
この作品に触れるまで正しい漫画家の
知識を持っていなかった事を反省w
楽な仕事なんてありゃしないわねw

最近ではよく目にする「業界もの」
個人的にはその先駆け的な作品です。

主人公、真城と高木を含めた漫画家の
活躍や努力、苦労はもちろんの事
編集部、編集者、担当やアシスタント等々
今まで知る機会のなかった裏方への
スポットの当て方が光っています。
克明に描かれた厳しく過酷な世界観が◎♪

仕事風景や人物像などリアルに表現されており
キャラクター自体が持つ魅力と相俟って
より作品の世界へと引き込まれて行きます。
また、真城と亜豆、高木と見吉の恋愛模様は
微笑ましく作品の清涼剤といった所(*´ω`*)

真城役/阿部敦、高木役/日野聡
ライバル、新妻エイジ役/岡本信彦は
キャラのイメージにピッタリの演技。
キャラ共々声優陣は良い評価です♪

ある意味ジャンプ作品らしい王道かも。
笑いを忘れていないのもまた良しかなw
この1期は夢や目標に向かってがむしゃらに
立ち向かう若者の姿に好印象を持ちました!

原作既読という事もありますが
2期、3期とゆっくり視聴して行こうかと。

ジャンプの人気作品ですし
無難にオススメできる作品ですが
敢えて言うなら「熱くなりたい!」
って方にオススメですw



《キャスト》

真城 最高(CV.阿部敦)
高木 秋人(CV.日野聡)
亜豆 美保(CV.早見沙織)
見吉 香耶(CV.矢作紗友里)
新妻 エイジ(CV.岡本信彦)
福田 真太(CV.諏訪部順一)
中井 巧朗(CV.志村知幸)
服部 哲(CV.利根健太朗)
佐々木編集長(CV.堀内賢雄)




《主題歌》

OP
『Blue Bird』/コブクロ
ED
『BAKUROCK〜未来の輪郭〜』/YA-KYIM (第1話〜13話)
『現実という名の怪物と戦う者たち』/高橋優 (第14話〜24話)


最後に…
実写版、大丈夫かな( ´ー`;)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 65

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

とっても気持ちの良い作品でした(o^-')b

■バクマン。ってこんなアニメなのです(*'ω'*)
『DEATH NOTE』でおなじみの大場つぐみ&小畑健コンビの作品なのです(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
ジャンル的には純愛青春サクセスストーリーですね!
 
漫画家の叔父の姿を幼少の頃から見ていた「真城 最高」(愛称:サイコー)と、学年トップでサイコーの絵に惚れ込み漫画家を一緒に目指そうと誘った「高木 秋人」(愛称:シュウジン)。
そして、この2人がコンビを組むきっかけになったのが、声優を目指すヒロインの「亜豆 美保」(azuki miho)とそれをサポートする親友の「見吉 香耶」(miyoshi kaya)。
この4人の純愛と紆余曲折しながらも夢に向かって突き進む日々を描いたストーリーなのですよ♪
 
 
■総評
原作の方はまったく知りませんけど、アニメから観た人も十分楽しめる作品だと思います♪
とにかくサイコーとシュウジンの2人を見ていると、何かこういう関係って良いなって思えて、とっても良い気分にさせてくれました♪
 
中学生で漫画家という自分の進む道を決め、同級生達とは違う道を選んで行くわけなのですけど、決して中途半端な気持ちじゃない、真っ直ぐに夢に向かっていく本気さが伝わってくるように描かれているのです。
さすが本職のストーリーだけあって、漫画家を目指す心理描写が細部までこだわりを持って描かれている印象ですね♪
 
個人的には、シュウジンが面白くって、かっこ良くって一番のお気に入りかな(*^-^)
サイコーの良き理解者であり、頭は元々良いのだけど裏では人並み以上の努力を惜しまないそんなシュージンにもう釘付けですo(- -;*)ゞ
 
それと、夢に向かって一直線のサクセスストーリーの中にも、甘酸っぱい恋のお話が絡められていて、それがハーブティーのように気持ちを(´▽`) ホッっとさせてくれる良いアクセントとなっているのです♪
 
サイコーと亜豆ちゃんのわざと距離を置いてお互いを支え合い、愛を育んで行く関係は到底理解できないですけど、ちゃんと成就できたらどれだけ幸せな気分になれるのかなって考えちゃいました♪
それとは対照的に恋に積極的な見吉ちゃんと徐々に惹かれて行ったシュウジンの恋の行方の方が自然でいっぱい共感できました♪
とにかく、2組4人の絶妙な関係は注目して欲しいところですし、こんな恋の話があるからこそ、地味な漫画家のイメージにさわやかなが風吹き込まれて清々しさを感じる作品になっているようなきがしました(⌒-⌒)
 
「バクマン。」を観ると、きっと前向きな気持ちにさせてくれて、元気をもらった気持ちになれると思いますよ♪
なので、2期もとっても楽しみなのです( `ー´)ノ
 

■MUSIC♫
OP曲『Blue Bird』
 【歌】コブクロ
 「まだ見ぬ二人の幸せの為に、愛が繋がっていれば信じて歩んでゆける」って内容の歌詞です!
 サイコーと亜豆ちゃんの気持ちを歌ったコブクロらしい心温まる楽曲ですね♪

ED曲『BAKUROCK 〜未来の輪郭線〜』1話~13話
 【歌】YA-KYIM
 軽快なロックサウンドと前向きでストレートな歌詞がヤル気を出させてくれる応援ソングですね♪
 R&Bやヒップホップ主体のYA-KYIMの楽曲では珍しいナンバーかもしれませんね(*^。^*)
 
ED曲『現実という名の怪物と戦う者たち』14話~24話、25話はOP曲
 【歌】高橋優
 前期のED曲同様に、元気をもらえるような応援ソングです♪
 東京メトロのCMソング「福笑い」の人ですねw
 ダミ声とまではないのですけど、ノイジーな声質が特徴的で、
 胸に響くストレートな歌詞が特徴のシンガーソングライターなんですよ♪


2011.09.16・第一の手記
2012.01.26・第二の手記(追記:■MUSIC♫)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 51
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

DEATH NOTE作者故の説得力

ジャンプ観なくなったのいつの頃からかな、
少年ジャンプものってこうだよね~的、
アレルギーみたいなのもあったけど、
年齢的なものもあったかも知れない、

そんな中にも例えばDEATH NOTEみたいな革命的作品や、
ハイキュー等気持ちのいい作品も存在する訳で、
何でも頭から決め付け喰わず嫌いはよくない、
わかっちゃいるんだけどね、

さて本作バクマンは原作 大場氏 作画 小畑氏、
という事でDEATH NOTE黄金コンビ、
描かれるのは漫画業界の断面図、
少年ジャンプ(アニメでは少年ジャック)そのもの舞台にした、
漫画家志望の二人の若者主人公のサクセスストーリー、

面白いのは少年ジャンプ的王道路線に邪道で挑むみたいな、
DEATH NOTE作者だからこそ書き得たネタが随所にあること、
{netabare}
主人公達目指すは少年ジャンプのトップライターという事で、
物語終盤三章後半勝負にでたREVERSI(リバーシ)なる架空作品、
モデルはやっぱDEATH NOTEだよね、
{/netabare}
雑誌や作品名、編集者等登場人物についても、
実名あるいはモデルが簡単に解るようなリアル指向なのも、
近作で言えばSHIROBAKOみたいな楽しさもある、


第三シリーズまであって各々25話だから実質75話、
話数けっこうあるけど私的には止まらなかった、
ジャンプらしくないって事でうけたのがDEATH NOTEなら、
ジャンプらしさ或いは対するアンチテーゼも含め、
全てネタにしてしまうバクマン、いさぎよ(潔)い感もある、

{netabare}
第一シリーズ、
画は好きだけどさしたる夢も希望もない中学生が、
文才長けた友や声優目指すヒロインと出会い、
夢が走り出す感じの序盤、
男の夢理解する父親や編集部の担当者、
画力発想力考えるより感じろタイプ天才級のライバル、
これらがけっこういい奴らなのは好感もてた、

第二シリーズ、
私は登場人物の好みで観てしまう感強く、
主人公達同様観てる私にも試練なシリーズ、
担当編集者変わるけどこりゃダメでしょみたいな、
先行き危うさわかる感じも計算かな、
厳しいってよりやる事おかしい編集長も、
話の展開上のネタ造りかもだけど無いワナ~、
そうした疑問符嫌悪感立ちまくり人物の所業、
主人公達の成長ネタなんだろうけどね、
やっと掴んだ読者投票一位で墓参りの件はよかった、


第三シリーズ、
走り出した夢もいよいよクライマックス、
わりとクールに観てきたけど本シリーズ22話23話は、
泣けた、声優回ポイント違うけどSHIROBAKOよぎった、
ジャンプで一番、アニメ化、ヒロイン声優、そして結婚、
幾多試練乗り越えてきた主人公達の夢は叶うのか!?
{/netabare}

原作との相違点についてはNHKって事で仕方なしあるけど、
NHKにしてはけっこう頑張ってるほうかな、
ある程度有名な作品については実名だしネタも面白い、
{netabare}
一例)第二シリーズで過労主人公入院手術、
それでも描こうとする主人公皆は止めるが、
唯一ヒロインだけはペンを拾い持たせ手携えな件、、
ホセ戦のジョーとタオル放棄な葉子だね、
{/netabare}
そうした名作へのリスペクトも随所、

ジャンプらしくないDEATH NOTEで成功した作者だからこそ、
書けたとも言える本作品、説得力含め実に面白かったです。

第1期2010年10月2日25話 第2期2011年10月1日25話 第3期2012年10月6日25話
原作・大場つぐみ、作画・小畑健 少年ジャンプ2008年~2012年
監督 カサヰケンイチ、秋田谷典昭 アニメーション制作 J.C.STAFF

投稿 : 2025/02/08
♥ : 50

94.0 12 漫画原作アニメランキング12位
進撃の巨人 Season2(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1306)
7349人が棚に入れました
超大型巨人の出現により人類の平和と幻想が破られたあの日から、エレン・イェーガーの果てしない戦いの日々は続く……。抵抗する術もなく巨人の餌となった母の最期を目の当たりにして、この世から巨人を一匹残らず駆逐することを誓ったエレン。しかし、過酷な戦いの中で彼自身が巨人の姿に変貌してしまう——。人類の自由を勝ち取るために巨人の力を振るうエレンは、ウォール・シーナのストヘス区において「女型の巨人」と激突。巨人同士の激しい戦闘は、辛くもエレンの勝利となった。それでもエレンに、そして人類に、休息の時は訪れない。次なる戦いは既に始まりを告げている。ウォール・ローゼに迫り来る巨人の大群に、人類はどう立ち向かう!?

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、小林ゆう、三上枝織、下野紘、細谷佳正、橋詰知久、藤田咲、神谷浩史、小野大輔、朴璐美、藤原啓治
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

史上最強?の第104期訓練兵団卒業生

原作既読


2013年1期全25話+OAD5話、2017年2期全12話。
私のような後追い組ならいざ知らず、リアタイ組には長い待ち時間だったでしょう。ちょいとクールダウンしちゃったか、はたまた期待値が上ブレしちゃったか、伝え聞くところで、「物事には適切なタイミングってあるよね」不遇な2期という噂です。

第2期1話が作中で“第26話”と扱われていることもありますが、前提は1期視聴済であること。第3期1話も“第38話”とルールは踏襲されていて、完結までは話数が上乗せされていくのでしょう。
おそらく70話以上を要するんじゃないでしょうか。
私たちは未だ巨人と人類を巡る一大叙事詩の途上にあるのです。

そんな途中経過の2期。
アニがアレしてこの後どうなるんだろう?からの続きになります。2期では1期での謎の一部が解明され、そして新たに謎が提示され、が並行するミステリの様相を呈してきます。

思えば1期は“圧倒的な力を持つ巨人”対“立ち向かう人類”というシンプルな二項対立。一枚岩ではない人類の描写が秀逸でもありました。圧倒的な力に蹂躙されるそんな“絶望的な世界で抗い続けることができる強い意志”を持った主人公エレンや調査兵団に共感や畏敬の念を抱きながらも心躍らせた傑作アニメです。

捕食した人間で胃が満たされたら吐き出すという生態は「食物連鎖とも関係ない。巨人の栄養にすらならない」ただ被殺戮対象としての人類という存在を浮かび上がらせ、戦慄を覚えたものです。

翻って2期はその巨人の謎が徐々に解明{netabare}(巨人が実は人間?){/netabare}され、見えない恐怖が可視化されていきます。巨人の恐怖というものが物語の面白みを担保する屋台骨であった以上、そこにメスを入れたことでのデメリットもありました。

これは作品の魅力の軸がシフトしたことを意味します。擁護すると、スプラッタホラー味の対巨人バトルで押し通せば、巨人の絶滅orボスの討伐といった少年ジャ○プ的インフレ展開しか残されておらず、結局「1期で終わっときゃよかったのに」となったでしょう。そこはマガ○ンだったのでそんな選択は取らなかったのかもしれません(嘘)。
魅力の軸がシフトとはあくまで好意的な解釈で、当然ながらこれを作品のブレと捉える向きもゼロではなかったでしょうね。

ただしブレはブレでも2期で私が感じた“ブレ”とは、これとは違うもっと絶望的なもの


“心臓を捧げる先である人類への迷い”


絶対真理と思っていた憎しみの対象“巨人”という前提が揺らぎます。
さっそく第1話(26話)で私の大好きなウォール教の司祭(注:1期レビューでボロクソ書きました)がまたやらかしました。{netabare}壁の中にいる巨人の存在をこれまで隠してきたのです。{/netabare}人類への裏切りです。
人類の進撃の糧に!と心臓を捧げた兵士たち。折り合いつけるかつかないのか、九死一生に煩悶して任に着いた調査兵団の一員たるエレンですら話数を重ねる毎に「俺たちは何と闘ってるんだ?」という状況がやってくる。そんな2期でした。

そして、1期と比較し市井の人の出番がめっきり減ります。兵士たち(特に調査兵団)の話がほとんどとなり、より狭い空間での兵士たちの選択や葛藤を追っているというのも2期の特徴です。
中核はエレン・ミカサ・アルミンその他第104期訓練兵団卒業生たち。良きにつけ悪しきにつけ、彼ら彼女らが『進撃の巨人』という物語の中心であることがほぼ確定となりました。
{netabare}余談ですが、エレンの同期達って何個師団分くらいの軍事力あるのだろう?少なくとも兵団のなかでは歴代最強のメンバーには違いありません。{/netabare}
1話分の引きがとても良いので次が気になりあっという間の全12話でした。今から視聴組は1期の勢いそのままに2期に突入できますね。ラッキー!


OPは1期に続いてLinked Horizonが担当。曲は「心臓を捧げよ!」

“捧げよ 捧げよ 心臓を捧げよ”

まるでそう言い聞かせないと正気を保てないような展開が兵士たちを待ち受けてました。
明確な敵設定できるうちはまだマシだったかもしれません。
そして謎がこれから徐々に明かされていく手前の物語序盤。


{netabare}「人は戦うことをやめた時初めて敗北する」{/netabare}


手練れのミケ分隊長が発したセリフが意味するところを兵士たちも視聴者である私たちも、それが如何に困難な道程かを思い知ることになるのでしょう。

「諦めたらそこで・・・以下略」
言うは易し 行うは難し です。普段できてる気がまるでしません。


■オマケ
巨人の捕食シーンはヴァリエーションが増えてた気がする。

{netabare}ミケ分隊長:獣の巨人に装置取られた実力者。いやぁ、ちょっときつい。{/netabare}

{netabare}ナナバ:古城で奮闘した先輩の女性兵士。いやぁ、これまたちょっときつい。{/netabare}




視聴時期:2018年11月

-----
2019.11.08追記
《配点を修正》 +0.1

3期が終わりFinal seasonを残すのみ。
視聴当時は1期と比較しややパワーダウンの印象を受けたが、2期で開示された情報は物語上不可欠なものでありのちに回収されます。
物語構成の良さを評価し加点しときます。



2018.12.18 初稿
2019.11.08 追記/配点修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2025/02/08
♥ : 67
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

Ⅱ期も毎回予想を裏切る(上回る)展開!次期までまた我慢だ。

最後まで観ました。
相変わらず毎回の区切りが上手かった。
後半は巨人の謎がわかり{netabare} はじめてきた!訳ではなく、また謎を加えてきました。
ベルトルトとライナーがあの巨人。そして戦士?
ユミルとクリスタとの出会い。60年土の中で眠っていた?
クリスタの本名はヒストリア?
そして、エレンの指示に従って巨人を襲う巨人
「座標がずれた」という意味{/netabare}
続きが観たいけれど、今回もがんばって我慢しますよー 2017/6/20


今期もⅠ期のような予想を裏切る(上回る)展開で毎回あっけにとられます
感想書いたらすぐネタバレになるほど内容が濃いです。
そして展開も早いです。

でも一番すごいと思うのはエンディングです。巨人が「なぜ生まれたか」のような映像ですが、「映像」と「音楽」両方合わせたところに絶望と悲壮感の中に希望を感じるところは凄いと感じます。
(申し訳ないですが「お気に入り曲」ではありませんけどね)2017.5.26

Ⅲ期は2018年8月放送。我慢しました。
次期2019年4月。我慢しますよ。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 62
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

やつらの足音のバラード

原作、諫山創。

圧倒的な巨人の描写で世界を席巻する。
驚異的なデッサン力で再現されている、
この不気味で得体の知れない巨人の姿こそ、
この作品の真髄であるのでしょう。

1期では超大型巨人による襲撃から、
シガンシナ地区没落まで。

2期では、
{netabare}ウォールローゼの突破から、
獣の巨人の登場、ウドガルド城夜戦、
そして「座標」の発動と物語は進みます。{/netabare}

エンディング曲「夕暮れの鳥」、
神聖かまってちゃんを評価したい。
絵画のような映像と讃美歌のような楽曲、
世界観の構築に最高の形で一役かっている。

地平線のかなたよりやつらがやって来る。
次なる恐怖は、もうそこまで迫っている。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 60

76.0 13 漫画原作アニメランキング13位
暗殺教室(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1173)
7131人が棚に入れました
号令と共に教室を満たす銃声! 椚ヶ丘中学校3年E組は生徒全員が先生の命を狙う暗殺教室。教師と生徒、標的と暗殺者の異常な日常が始まる――!!

声優・キャラクター
福山潤、杉田智和、伊藤静、岡本信彦、逢坂良太、内藤玲、田中美海、矢作紗友里、松浦チエ、洲崎綾、佐藤聡美、川辺俊介、金元寿子、渕上舞、宮下栄治、山谷祥生、水島大宙、間島淳司、木村昴、沼倉愛美、斎藤楓子、河原木志穂、日野未歩、植田佳奈、浅沼晋太郎、高橋伸也、はらさわ晃綺、諏訪彩花、下妻由幸、宮野真守、三宅健太

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

殺せんせーにターゲット・オン!

松井優征による漫画を原作とする作品です。全22話

原作未読


ある日突然月の七割が消失し、三日月型になってしまった。

そんな時椚ヶ丘中学校の3年E組に謎の超生物と防衛省の烏間

がやって来て国家機密の一部を知ることになる。この超生物は

このクラスの担任をすると言い出し、国側もそれを了承しこの

クラスにこの超生物の暗殺をさせることとなる。その報酬は

100億円だった。そして3年E組はこの超生物に殺せんせー

という名前を付けるのだった・・・


暗殺者とターゲットそれから生徒と教師。この二つが常に表と

裏に存在し続けて地球を破壊する来年3月という期限の中で

この二つの要素を高める3年E組の生徒たち。新たな仲間やこの

超生物の存在についてのとっかかりの可能性など物語が進むに

つれてどんどん深く面白くなっていました。

キャラとかは掘り下げられたのもあれば名前までしか知らない

というものあったりとばらつきが大きいですがこのクラスに

於いて上で書いた二つが常にあるためにどこに偏る事もありえない

ために物語の進行で重なる部分が見えていたのだろうと思います。

殺せんせーを含めてどんなものなのか今後見えてくる部分が

あればと思います。


でも特殊な環境とはいえ普通の中学生が嬉々として暗殺の事を

お互いに話し合っている異様な光景が広がっていた。この光景

はどこまでが正常でどこからが異常なのだろうか・・・

と一部の事情を知る上でこの空間を外側から見るとそんな風に

感じられる。それも少しずつ学業にせよ暗殺技術にせよ成長する

にしたがって変わっていったのだろうと思います。


OPEDについてOPの方は2曲目の方が好きでした。1曲目の方

も好きではありますが・・・ EDは浄化EDみたいな感じで

いっそはっちゃけてくれた方が面白そうと思いましたがこのOP

とEDでの大きく違ったテンションが奇妙な超生物の暗殺と学業

の全くかけ離れているものがここでは表裏にある。これを表現

しているのかなと思います。


全体としては原作を知っていればある程度予測がつく(アニオリ以外)

のだろうと思うので一部ワクワクするような次何が起こるのかと

思うことが減るので色々思う所も出てくるとは思いますが原作など

一切知らない私にとってはまだまだ物足りないくらいでとても楽しめ

ました。二期も制作決定したようなので楽しみにしたいと思います。

◆個人的点数評価 80.776点

投稿 : 2025/02/08
♥ : 44

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

極めて特殊な状況下における正統派学園ドラマ

原作既読でこれほどの安心感をもって観られたアニメは本当に久しぶり。
原作を暗になぞるのではなく、原作の持ち味を十分に引き出している。
アニメ版ネウロで苦汁をなめた原作者が、アニメ制作に積極的に関わったことも良い方向に働いたのだと思う。
キャスト陣も好演。特に殺せんせー役の福山潤がここまでハマるとは。

まあ、この作品は「金八先生」ですよね。
PVでも「さんねーん!Eぐみー!」「ころせんせ~!」てなもんで。
落ちこぼれ生徒たちの更生・成長物語です。

物語当初は設定のインパクトのみでゴリ押しするのかと思いきや、
まさか真っ当な教師物として話を展開してくるとは思わなかった。
新たな教師像を打ち出してるわけじゃないけど、堅苦しさ暑苦しさ説教臭さが微塵もないところが素晴らしい。
そう感じる要因は、殺せんせーのビジュアル、絶妙な間で挟まれるギャグ、そして「暗殺」要素。
教師-生徒の通常の関係性に、暗殺対象-暗殺者という設定が加わることで、何とも奇妙な連帯感が生まれている。
殺せんせーが教師として投げかける言葉は至極真っ当なものですが、
それを素直に受け入れられる下地作りが本当に上手いんですよ。心にスーっと染み渡ります。

地球を滅ぼすと宣言してる殺せんせーですが、はっきり言って緊張感は全くない。
次々にやって来る刺客もあっさりと返り討ちにあう始末。
深夜アニメ視聴者層にとっては、萌えも刺激もない想像以上に真面目な作品なので、空気化してしまうのは分かる。
なんて思ってたら、最近の原作の展開・・・いやぁ驚かされました。伏線がさり気なさ過ぎて鳥肌立ちましたよ。
伏線というのは真実が明かされた後、読み返して初めて「ここがそうだったのか・・・!」と気付くものでないとね。
コミック派、アニメのみ視聴の人はネタバレ注意。暗殺教室でググると関連ワードだけで察してしまいますw

投稿 : 2025/02/08
♥ : 36

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

豊作?それとも不作?アニメファンが選ぶ「もっとも期待している2016年冬アニメ作品」

第1位には、2015年1月からテレビアニメ(第1期)が放送され、さらに実写映画化やゲーム化、スピンオフ作品連載など、若い世代を中心に人気を集める『暗殺教室 第2期』が選ばれた。殺伐としたタイトルとは裏腹にコメディタッチの展開が繰り広げられる同作。「全国書店員が選んだおすすめコミック2013」「このマンガがすごい!2014《オトコ編》」では、堂々の第1位を獲得しており、アニメ第2期への期待が高まるのも当然といえる。

『暗殺教室』第2期の初ビジュアル公開! そして気になる放送時期も明らかに
2015年1月よりフジテレビほかにてTVアニメが放送され好評を博した「暗殺教室」(松井優征)。集英社「週刊少年ジャンプ」で大人気連載中、コミックス累計で1700万部を突破、TVアニメ第2期&実写映画の続編が決定したことで更なる人気拡大中!

マッハ20の速度と巨大パワーを持ち、来年3月には地球を破壊すると宣言しながらも中学3年生の落ちこぼれクラス「エンドのE組」の担任となった「殺せんせー」と、その暗殺ミッションが課せられたE組の生徒達。「暗殺」をキーワードに教師と生徒の本気の一年間が描かれる本作は、斬新でユニークな設定と、綿密に練り込まれた物語が話題となり、幅広い層から圧倒的な支持を受けています。

◆第2期初ビジュアルが公開!

★早くも第2期の初ビジュアルを公開! 3年E組の教室で、綿密な殺せんせーの暗殺計画を練る生徒達の姿がいきいきと描かれています。

◆そして、物語はいよいよ新学期に突入!
第1期TVアニメシリーズのクライマックスでは、教室を飛び出し、南の島での大規模な殺せんせー暗殺計画を実施した生徒達。元教官の鷹岡との因縁の対決に見事勝利し、逞しく成長した姿を見せました。

そして待望の第2期TVアニメシリーズは、2016年1月よりフジテレビほかにて放送決定! 殺せんせーと生徒達の新たなる物語が展開します。現在、そのほかの詳細は不明となっているので、今後の続報をお楽しみに♪

5月22日放送『暗殺教室』第18話は、最大級の暗殺計画を決行でOPアニメも一新! 第1期クライマックスに向けてた最終ビジュアルと新OPの場面ガットを公開!
現在、フジテレビほかにてTVアニメが好評放送中、TVアニメ第2期&実写映画の続編が早くも決定し話題の『暗殺教室』(松井優征)。集英社「週刊少年ジャンプ」で大人気連載中、コミックス累計で1500万部を突破の大人気作品です。

5月22日より、フジテレビほかにて順次放送の第18話「決行の時間」では、沖縄の離島を舞台に、3年E組の生徒全員による大規模な殺せんせー暗殺計画がスタートします。
期末テストの戦利品として得た「殺せんせーの触手7本を破壊する権利」がついに執行、生徒達の知恵と工夫と本気が詰め込まれた最大級の暗殺計画の決着はいかに……!?更にこの島で起こる、重大な事件。物語は大きな盛り上がりを迎えます。
このTVアニメシリーズ第1期のクライマックス突入に向け、生徒達が全員集合した新ビジュアルを公開しました!

事件に遭遇した生徒達が、これから始まる闘いに向けて一致団結する姿が描かれ、彼らがこの島で一回り大きく成長していく期待が込められたビジュアルとなっています。注目すべきは、潮田渚の手のひらに収まった「殺せんせー」!どうしてこうなってしまったのか……?

さらに、第18話よりオープニングアニメーションを一新! こちらも物語の進行に合わせ、生徒達はこれまでの教室から飛び出し南の島へ! そして、何やら不穏な影も……?今回もオープニングテーマ曲の「自力本願レボリューション」に合わせたユニークなダンスは健在。夏の装いでビーチやテラスで踊る3年E組の生徒たちも必見です。

【原作コミックが売れている今期のアニメ作品ランキング】2位『暗殺教室』、3位『終わりのセラフ』を抑えての堂々1位はあの作品!
「見るものが多すぎて困る」「今期豊作すぎてやばい」と高評価の今期のアニメ。書店でも、原作が売り切れ続出となっている。そんな中でも特に売れている、原作も注目されている今期の作品は何なのだろうか。

今回は、その中でもコミック原作の作品をピックアップして、都内某所の書店でコミックを担当する書店員Aさんに話を聞きつつ、ベスト5(4/20~26、日販調べ)までご紹介しよう。

【5位:『俺物語!!』(アルコ:作画、河原和音:原作/集英社)】
マーガレットの少女漫画とは思えない、強烈な顔立ちの主人公「剛田猛男」が印象的な本作品。いかつい見た目からは想像できない、純情で心優しい不器用な剛田に、思わず惚れてしまいそうになる。
「もともと割と人気のある作品でしたが、アニメで火がついた感があります。男女関係なく人気です。最初は顔に抵抗がある人も多いかと思いますが、おすすめです」とのこと。だんだん、あの顔だからこそ魅力的に見えてくるとか。

【4位:『食戟のソーマ』(附田祐斗:原著、佐伯俊、森崎友紀:著/集英社)】
前期の『幸腹グラフティ』に続き、(いい意味で)無駄にエロい料理漫画。アニメでも、その期待を裏切らない強烈な第1話が話題となった。もちろんそれだけでなく、料理、ストーリー、キャラクターどれをとっても見ていて飽きない。
「この漫画だけじゃなくて、料理系の漫画は最近人気が高いです。レジで見てるとおなかがすきそうです(笑)」とAさん。アニメや漫画で描かれる食べ物は、本物以上においしそうに見えるから不思議だ。

【3位:『終わりのセラフ』(鏡貴也:原著、山本ヤマト:漫画/集英社)】
謎のウイルスによる大厄災で壊滅的な被害を受けた人間と、人間の血を求め人間を飼育しようとする吸血鬼との戦いを描いたダークファンタジー。吸血鬼に鬼、刀と、ファンタジー好きにはたまらない作品。
「男女問わず大人気ですが、女子への人気がすごいです。最新刊もすぐに売り切れ、重版待ちでなかなか入ってきませんでした」。コミック版の原作を手掛ける鏡貴也さんが描くスピンオフ作品として、ラノベ版も発売されている。

【2位:『暗殺教室』(松井優征/集英社)】
漫画好きでなくても一度は聞いたことがあるのでは?というくらいの大人気作品。来年3月に地球を爆破するという超生物「殺せんせー」と、その暗殺を任された椚ケ丘中学校3年E組生徒たちの暗殺バトル物語。
「現在、複数巻品切れ中で重版待ちです。アニメ化前から大人気で、私も大好きです。生徒思いなところがいいですよね」と、Aさんもファンの様子。暗殺がテーマでここまで明るいのも珍しいのではないだろうか。

【1位:『アルスラーン戦記』(荒川弘:漫画、田中芳樹:原書/講談社)】
原作は一般小説だが、『鋼の錬金術師』、『銀の匙 Silver Spoon』などで有名な荒川弘さんがコミックし、漫画好きやアニメ好きにも広まった。原作者による「BL表現の禁止」というガイドラインも話題になった。
「荒川さんが描く戦闘シーン、いいですよね。コミックだけでなく、原作小説もすごく売れています。原作からのファンも多いです」。世間知らずで凡庸な王子アルスラーンのこれからが楽しみだ。

コミック作品だけでなく、ラノベ作品も豊作な今期アニメ。まだあまり見られていないという人は、今からでもチェックしよう!

放送中のTVアニメ「暗殺教室」より、TVシリーズ第2期の制作決定が発表された。

「暗殺教室」は、「魔人探偵脳噛ネウロ」の松井優征さんによるマンガ(週刊少年ジャンプにて連載中)を原作としたアニメ作品。マッハ20の速度と巨大パワーを持ち、地球を破壊すると宣言しながらも中学3年生の落ちこぼれクラス「エンドのE組」の担任となった「殺せんせー」と、地球を救うために「殺せんせー暗殺ミッション」に挑む生徒たちの1年間を描く。2015年3月21日に公開となった実写映画版は興行収入25億円突破の大ヒットを記録し、続編制作が決定した。

第2期が決定したTVシリーズでは今後、生徒会長・浅野学秀(CV:宮野真守)率いるA組のエリートたちを相手にE組が奮闘する期末テスト、教室を飛び出しての大規模な殺せんせー暗殺計画など、後半に向けて怒涛の展開が続く。

「これは当たりだった!」と思う2015年1月スタートアニメ
2014年に一大ブームを巻き起こした「妖怪ウォッチ」は、社会現象になるほど、子ども達の中で爆発的ヒットを記録しました。アニメの新作は気になる所ですよね。そこで2015年に新番組として放送が開始されたアニメに焦点をあて、おすすめのアニメについてランクキングにまとめてみました。

■2015年1月スタートで「当たり!」だったと思うアニメランキング
1位:暗殺教室
2位:黒子のバスケ
3位:ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース

みなさんどのアニメに注目を寄せているのでしょうか。堂々の1位に選ばれたのは、インパクトのあるタイトルとタコのようなビジュアルを持つ「殺せんせー」が登場する《暗殺教室》でした。2012年に単行本が発売され、アニメやゲームなど幅広く展開されています。中でも暗殺をテーマとした構成は、話題性を集め2015年3月には実写版の映画も公開されており、人気の高さを伺いしれます。
2位は2012年に1期のシリーズが始まり、2015年からは3期シリーズに突入したバスケットボールを描いた少年漫画《黒子のバスケ》です。最強と呼ばれる10年に1人の逸材が5人もそろった「キセキの世代」。その「キセキの世代」からも注目されている「幻の6人目」である主人公「黒子テツヤ」を中心したストーリー展開はまさに青春映画として楽しめる作品に仕上がっています。
その他女の子に人気の《美少女戦士セーラームーン》や、1977年から1979年に一躍脚光を浴びた「ヤッターマン」のスピンオフ作品として放送が開始された《夜ノヤッターマン》は、30代以上の方の支持を集めているのではないでしょうか。
いかがでしたか。2015年1月からは注目のアニメが続々と放送されています。斬新な切り口のものから昔を思い出せる懐かしい作品まで、今年のアニメは目が離せませんね。

成果?分かりやすさ?それとも?アニメファンが選ぶ「もっとも勉強を教えて欲しいアニメ漫画キャラ」
第1位には、週刊少年ジャンプ(集英社)にて2012年より連載中の大人気コメディ漫画『暗殺教室』から、主人公の「殺せんせー」がランクイン。「来年3月までに自分を殺せなければ地球を破壊する」ことを宣言した担任教師「殺せんせー」と、様々な手段で暗殺を試みる生徒たち・・・。勉強はもちろん、“勉強以外”に学ぶ事の多い“担任”としての彼や彼のクラスに、魅力を感じるファンが多いのではないだろうか。

フジテレビで24日深夜1時20分に放送予定だったアニメ「暗殺教室」の第3話の放送が見送られることが分かった。フジテレビはアニメの公式ホームページで「情勢に配慮し放送を見送らせていただくことになりました」と説明。同局広報によると、イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループが人質2人の殺害を予告している事件に配慮したという。

同局広報によると、放送予定だった第3話に、キャラクターがナイフを振り回す表現があったため、内容がふさわしくないと判断した。代わりに「『バンクーバーの朝日』序章~映画の時代背景を名優・滝藤賢一が独演~」を再放送。今後の放送についてはホームページなどで発表される。

「暗殺教室」は、アニメ化もされた「魔人探偵脳噛ネウロ」の松井優征さんが、2012年から「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中のマンガ。落ちこぼれが集まる椚ケ丘中学3年E組の生徒が、月をほぼ蒸発させた犯人で地球を破壊しようとたくらむ殺せんせーの暗殺に挑む……というストーリー。

2015年1月より6月までフジテレビ・関西テレビ・東海テレビ・北海道文化放送・BSフジほかにて放送された。BSフジでは、2013年3月をもって『ノイタミナ』枠作品のネット放送が打ち切りとなって以来の、フジテレビ製作深夜アニメ放送ということになる(ただし、土曜午前中の放送となる)。

2014年11月には、「ジャンプスペシャルアニメフェスタ2014」にて殺せんせーと烏間の出会いを描く完全オリジナルエピソード「episode:0 出会いの時間」が上映された。

作中の授業パートは通信教育のZ会に監修を依頼している。

フジテレビで2015年1月24日に予定されていた第3話の放送は、「情勢に配慮」という理由から中止されることになった。同局広報によると、ISILによる日本人拘束事件に配慮したという。その後の放送については公式ホームページなどで告知するとしていた。その第3話のフジテレビでの放送は、同年1月31日(30日深夜)に行われた。

第一期は、普久間島での話を終えたところで完結した。また、サブキャラがメインとなった話が多くカットされた。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 35

72.2 14 漫画原作アニメランキング14位
神様ドォルズ(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (1184)
6389人が棚に入れました
故郷の村を後にして、東京で平穏な大学生活を送る匡平は、想いを寄せていた日々乃に告白しようとしていた。だがその日、彼女と2人きりになったところで惨殺された遺体を見つけてしまう。さらに帰宅途中、正体不明のモノに襲われた匡平のもとに、故郷から案山子と呼ばれる奇妙な人形を操る、妹の詩緒が訪ねてきて……。

声優・キャラクター
岡本信彦、福圓美里、茅野愛衣、木村良平、村瀬克輝、小林由美子、沢城みゆき、高垣彩陽、山口理恵、花澤香菜

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ちょっと暗めなお話だけどオススメです(*´∀`)♪♪

閉鎖的な村の仕来り・掟が起因となり人々の思惑が
絡み始めていくファンタジー色の強い物語。
原作は漫画。 全13話。

主人公・枸雅匡平の生まれ育った空守村には古くから
「神」と崇められる「案山子」とそれを操る資格を持つ
「隻」が存在した。
匡平が「隻」の資格を捨て、村を離れ上京した事をキッカケに
物語が大きく動き出します。

ロボットもの、バトルものにもなるんですかね。
木製でありながら大きく変わった形状の「案山子」同士が
それぞれの思惑の為に激しくぶつかり合います。
通常のロボットアクションとは一味違ったバトルシーンも
なかなか迫力があり面白いものでした。

そんなロボットバトルの多い作品でもありますが
物語の根幹は登場人物の人間模様に重点を置いた
作りになっています。
村の古い仕来りや掟に縛られた人間関係や
それぞれに抱える逃れられない過去などを
伏線を張りながら上手に描いています(*´∀`*)
設定や世界観がとても魅力的ですぐに引き込まれましたw

大きな魅力ポイントはあと2つ。
1つはキャラ。
登場人物個々がとても個性的で作品を盛り上げています。
その中でも、匡平の妹である詩緒とヒロインの史場日々乃が
めっちゃ可愛かったw まさに幼女とおっぱい(≧艸≦)
特に詩緒の可愛さは本当にズバ抜けてましたw

もう1つは主題歌です。
石川智晶の歌うOPとEDは作品の世界観に合った
素晴らしい曲だと思います♬
ぜひ飛ばさずに聴いてほしいですね♬

声優陣は人気のある実力派が揃っています。
詩緒役の福圓美里は本当に好演だと思います!
イメージにぴったりで詩緒の魅力を最大限引き出してます。
木村良平のヒール役もイメージに合った演技でした。


シリアスとコメディのバランスの取れた作品です。
全体的に少し暗めな作品印象をシリアスなシーンの中に
小さいコメディを入れるなどで明るく見せる努力は◎
伏線もある程度は回収していて2期を期待させるような
ラストになっています。

ぜひ続編を期待したい作品になりました♪
男女問わず楽しめる内容だと思います。
沢山の方にオススメしたい1本ですね(´▽`)/″




《キャスト》
枸雅 匡平(CV.岡本信彦)
枸雅 詩緒(CV.福圓美里)
枸雅 阿幾(CV.木村良平)
史場 日々乃(CV.茅野愛衣)
史場 慎吾(CV.斧アツシ)
日向 勾司朗(CV.村瀬克輝)
日向 桐生(CV.小林由美子)
日向 まひる(CV.花澤香菜)
杣木 靄子(CV.高垣彩陽)
空張 久羽子(CV.沢城みゆき)



《主題歌》
OP:『不完全燃焼』/石川智晶
ED:『スイッチが入ったら』/石川智晶
:『夏の庭』/石川智晶(第7話のみ)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 52

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2期がつまらなかったら承知しないんだからね(○`ε´○)

■一気見して正解だったかも(*^-゚)
実は2話まで観て放置してたんですよぉーこの作品・・・(*゚ー゚)>
そんでもって、もう内容忘れてたので・・・(。--)ノ最初から一気に10話迄観たところ、だんだん面白くなってくるではないですか(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
 
ストーリーの方はと言いますと、なんとなく「ひぐらし」の雛見沢村や「GOSICK」の名もなき村を思い出すような設定ですね♪
人里はなれた閉鎖的な故郷・空守村で神と崇められている見た目ロボットな「案山子(カカシ)」とそれを操ることが出来る「隻(セキ)」呼ばれる特別な人間がいるのです。
村人以外には知られていないような特別な村に、日向家と枸雅家の二大名家があるのだけれど、両家の間ではなにやら確執があったみたいですね♪
 
そんな自分の村と「隻」という特別な立場をすてて、普通の生活を望むべく上京した主人公の枸雅 匡平(kuga kyouhei)なのでしたが・・・
ある事件をきっかけに幽閉されていていた筈だった、幼馴染みでもある枸雅 阿幾(kuga aki)と何年ぶりかの再開で、空守村の因縁から逃げられないと気付き物語が動き出していくのです♪
 
 
■途中まで観た印象は(*゚・゚)ンッ?
前半は物語のテーマがなかなか見出せなくって、ただ見てるって感じでしたε-(ーдー)ハァ
「案山子」が神様ってなんなの・・・
動くとなんで歌が聞こえてくるの?オルゴールなの・・・
匡平と阿幾ってなんでいがみ合ってるの・・・等々・・・
とにかく疑問ばっかり浮かんでましね(*'ω'*)?
なので、前半は各キャラクターをよーく観察して後半に備えておく感じでした♪
 
結構キャラの表情は豊かに描写されていて、詩緒(utao)ちゃん見てても可愛いなって思うところがあれば、ちょっと怖いかもって思える表情があったりして喜怒哀楽を丁寧に表現している印象を受けました♪
それは、他のキャラも同様なのでそんなところに注目してもらっても良いかもですね(*^o^*)
 
それと、この作品はロボット・・・じゃなくって神様だから、バトルを楽しむ作品ではないですね!
やっぱり、キャラの心理描写で楽しむタイプの作品って気がします♪
 
中盤に差し掛かってくる頃から、じわじわ物語の全貌も見えてくるので、ストーリーの方も楽しめるようになってきますよ!
後半に来て新キャラ登場とか、最終的にどういう形の結末を用意しているのか解りませんけど、最後まで目が離せなくなって来た感じなのです♪
 
 
■総評
やっぱり後半に入ってからストーリー的に盛り上がってきましたね♪
まだ、空守村にはまだ謎が多いような気がしますけど、概ね主要キャラも出尽くした感じで、だいぶキャラ同士の相関関係が理解できて、面白くなって来た感じなのです。
前半がプロローグだとしたら、後半は起承転結で言えば物語の導入部分あたる「承」ってところではないでしょうか?
なので、多少は盛り上がって来たのですけど、これからが本番っていう印象なんですよ!
そんな状態の中で1クール終了って・・・それでは中途半端って言われてもしょうがないですねw
でも、無理矢理に山場をつくって(゚Д゚) ハア??って言われるよりは良かったのではないでしょうか(>o<")
まぁできれば2クールでしっかり完結してくれるのがベストだったような気がしますけどね(T▽T)
完全にお預け状態になちゃいましたよぉ♪
でも、2期で1期以上の盛り上がりを見せてくれたらちゃんと許してあげるんだからね!!
キョウヘイとアキがきっと私に感動を届けてくれるはずなので首をながーくして待ってますよ♪
o┤*´Д`*├o アァ~2期の前にもう一回復習が必要になりそうな気がします♪
 
 
■MUSIC
OP曲『不完全燃焼』
 歌:石川智晶
 本当に物語は不完全燃焼だったんだからねw
 
ED曲『スイッチが入ったら』
 歌:石川智晶
 本当にスイッチが入ったら1期終了だったんだからねw
 
ED曲『夏の庭』
 歌:石川智晶
 7話の空守村で起こった悲しく切ない事件を思い出すナンバーです♪
 あきぃぃぃぃー!!Σ(T▽T;) って思わず叫びたくなっちゃいますね♪
 
※石川智晶の詩・曲・歌は力強くてストレートに心に響くんですよ(*^o^*)
 
2011.09.08・第一の手記
2011.09.29・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 45
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

不完全燃焼なんだろ?そうなんだろ?そうなんだろ?(70点)

全13話。
漫画原作。原作未読。

個人的満足点:70点(75点)
アニメ系統:鬱系ファンタジーバトル

予備知識なしで観始めたんだが
この絵柄からは想像できないような陰鬱な物語。
独特の世界観。
個人的にはかなり好きな部類。

ただ、ちょいと残念なのは、物語の展開スピードが少し遅いこと。
かなり色々謎があるのだが、少々日常パートに時間を使いすぎな感があり、
肝心のストーリーが進まないことがある。
盛り上がってきたのに、また盛り下げる的な印象が少しあった。
この辺りにスピード感があればもっと良かった。

もっと残念だったのはラストだが・・・・
ネタバレになるといけないので控えておく。
そんなわけで70点とした。
個人的な物語の好みから言えば75点なのだが。

キャラデザはいいと思うが、あのロケットおっぱいだけは
どうも受け付けないw
物理法則無視してるだろw
それ以外は作画ともに結構いいと思う。

声優陣も結構豪華。
花澤さん演じる「まひる」がいつもの癒しボイスではなく
いっちまってるキャラだったがこれもなかなか良かった。
茅野さんもがんばってるねえ。
今年、ブレイクだね。
橘勇魚とめんまと続いてロケットおっぱい役。
秋もかなりの作品に出るようだし、益々活躍しそう。

OPED曲は皆大好きな石川智晶さん。
両曲ともにかなりいい。
独特の歌声が作風にマッチしている。

とにかく、総合的にかなりいいと思う。
鬱系が苦手でなければ1度見てみてはいかがだろうか。


と、まあ色々書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

不完全燃焼なんだよ!
仕方ねえ原作買うか。

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以下、毎話後の感想。
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}
1話視聴。
これは来たか鬱物。
可愛い絵柄からはそんな展開だとは思わなかった。
好物展開を期待したいものだが、どうなるのだろうか。

作中、色んなものが狂っていそうだが
あのロケットおっぱいは狂いすぎだろうw
物理学的におかしいぞw
偽ニュー隊長としては討伐せねばw

まあ、今後の展開には期待している。
もちろん作品的にだw

2話視聴。
匡平の過去がほんの少しだけ見えた。
これが今後のストーリーに関係してくるのか?
そして、新キャラ久羽子(クウコ)登場。
物語とどうかかわってくるのか?
なかなかシリアスぽいので今後にも期待したい。

3話視聴。
詩緒の日常風景が可愛い。
シリアスな話の中のほっと一息といったところ。
ケーキ食いすぎwww

物語は伏線ばらまきまくり。
一気に新キャラ2人もでてきて、謎だらけ。
先は気になるので継続。

4話視聴。
くうこ、こえええw
沢城さんの演技はんぱねえ
やっぱりこの人すごいわ。
で、物語は相変わらず伏線ばらまき。
何か謎だらけなんですけど。
これ全部回収できるのかね。
先は気になるので継続。

5話視聴。
何か面白くなってきた。
これから少しずつ伏線回収が始まるのか?
段々続きが気になってきた。
来週から楽しみだ。

6話視聴。
ちょっと中休み的感じ。
来週はきょうへいの過去が語られそうだ。
その話にはかなり興味がある。
いよいよ後半に入る。
ここから盛り上げてほしいところ。

7話視聴。
匡平と阿幾の過去が語られた。
これは面白くなってきた。
鬱好きにはたまらない展開に。
折り返し地点からの益々の盛り上げに期待したい。

8話視聴。
ちょっと生き抜き回かな。
一旦仕切りなおしといった感じ。
さて、後半に突入だ。
今後、匡平と阿幾がぐっと絡んでくるのか?
匡平の本性とか出てくるのだろうか?
出てこないと盛り上がらないとは思うが。
今後も楽しみだ。

9話視聴。
今一物語が進まない。
もう少しサクサク進んで欲しいところだが。
新キャラ登場。
まひる=中の人花澤さん!
癒しボイス花澤さん登場で物語りはどう展開するのか?
来週からぐっと動くかな。

10話視聴。
まひる、何かいっちまってるw
そして、まひると匡平と阿幾の3人の過去が少し語られた。
匡平かっこいい。
しかし、今一ゴールが見えない。
原作も終わってないから、中途半端に終わるのかな?
結構面白くなってきたから、うまくまとめて欲しいところ。
後3話注目したい。

11話視聴。
まひるなんかいいねえ。
花澤さんのはげしい性格の役も何かいい。
そして、匡平かっこいい。
しかし、終わりが見えないなあ。
これは2期へって展開かな?
後2話どういう結末を迎えるのか楽しみ。

12話視聴。
禍津妃(マガツヒ)暴走。
匡平ピンチ。
さて、来週どうなるのか?
個人的予想は玖吼理(ククリ)を操るんだろうなと
そんな妄想をいだいて、来週を迎えたい。

13話視聴。
ちょっと待てええええ。
不完全燃焼すぎるだろ。
おい、この終わり方はねえだろ。
続きを見せろ。
いや、見せてください、お願いします。

仕方ねえ原作買うか。。。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 44

81.4 15 漫画原作アニメランキング15位
AKIRA アキラ(アニメ映画)

1988年7月16日
★★★★☆ 4.0 (1097)
5205人が棚に入れました
1988年7月、関東地区に新型爆弾が使用され、第三次世界大戦が勃発した。そして31年―東京湾上に構築されたメガロポリス=ネオ東京は、翌年にオリンピック開催を控え、かつての繁栄を取り戻しつつあった。2019年のある夜、ネオ東京郊外の閉鎖された高速道路に侵入するバイクの一団があった。健康優良不良少年、金田をリ一ダーとする職業訓練高校の生徒達だ。一団は無人のはずの路上で掌に26と記す奇妙な小男と遭遇、先頭を行く島鉄雄は転倒、負傷する。この26号=タカシは、アーミーと対立するゲリラが求める軍事機密=アキラとまちがわれ、軍事基地にあるラボ(研究所)から連れ出され、アーミーに追われていたのだ。あっけにとられる金田達の眼前に突如軍用ヘリが下降、26号と同じようなしわだらけの子供27号=マサルの乗るカプセルと大佐が降りて来て、26号と倒れた鉄雄をへリに収容し、飛び去った。

声優・キャラクター
岩田光央、佐々木望、小山茉美、石田太郎、玄田哲章、鈴木瑞穂、中村龍彦、伊藤福恵、神藤一弘
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

放熱、スピン、衝動

生涯最高得点はこれで決まり。

圧倒的画力で表現されたセルアニメ。
緻密に描かれた摩天楼や廃墟、
モブキャラまで動く凝りに凝った映像、
序盤のバイクシーン、暴徒化した群衆、
そのままアニメ史に残る圧巻のシーンだ。

大友克洋監督が敬愛する、
アメリカンニューシネマと、
サイバーパンクのハイブリッドな映像。

人工物と瓦礫で溢れたネオ東京、
翌年にオリンピック開催を控えている。
{netabare}暴力とドラッグが少年少女を蝕む、
アニメが触れなかった悲しい現実である。{/netabare}
希望もない少年たちの抵抗、放熱、衝動、
生命とは創造的活動として飛躍するものだ。
これはそんな少年たちの物語でしょう。

都市型の宗教、崩壊のカタルシス、
{netabare}途方もない力に翻弄され臨界点が迫る。
巨大な廃墟の緊張は頂点に達し瓦解し、
アキラを巡る壮大な物語は幕を閉じる。{/netabare}

どこまでも色褪せないSFアニメの金字塔。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 67

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

祝!2020年東京オリンピック

世界的にAKIRAって有名ですよね 何度かTVでやってたのを思い出します
主人公の名前がアキラで超能力者と思いきや・・・でもそう思ったの私だけじゃないですよね?

1982年に東京は爆弾で?壊滅するも2020年オリンピックに向けて開発が進んでる設定・・・
え!?2020年オリンピックって・・・リアルすぎる!
88年の映画ですけど、すでに東京オリンピックを予言していたのか・・・

超能力バトル系といえばそうだけど、AKIRA君の悲しみというか憤りをもっと出せばいいのに
声優に子役を使った子供役もなんか正直イマイチ・・・

でも見所はたくさんあると思います
革新的なバイクなんか未来を感じさせますよね

皆さんも今一度AKIRAを見てみませんか^^

投稿 : 2025/02/08
♥ : 55

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

感想

アニマックスで一度視聴するも、残酷なグロシーンが耐えられなくて一度断念
その後、半年くらい空いてから再度気になり視聴

冒頭のバイクシーンが記憶に残ってます あのBGMが頭から離れない・・
作画の書き込み量(背景も半端なく凄い)が凄まじくって動きも滑らかで凄い
海外ウケが良いのも納得です このサイバーパンクな世界観がハマると抜け出せそうにないですね

原作を読んでいないので、ストーリーが理解しづらかったです
友人によると「原作の漫画見たほうがわかりやすい」というので機会があれば読んでみたいですが、やっぱり残酷なグロシーンが多いのでもう一度見るには勇気がいるというか「ピーキーすぎてお前には無理だよ」と、言われてしまいそうです

投稿 : 2025/02/08
♥ : 52

80.7 16 漫画原作アニメランキング16位
ARIA The NATURAL[アリアザナチュラル](TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★★ 4.2 (946)
5006人が棚に入れました
ARIAシリーズ第2期のアニメ作品。前シリーズ最終回で描かれた大晦日のエピソードから数日後。ARIAカンパニーで修行中の灯里(あかり)たちは、新年を祝うカーニヴァルへ繰り出そうとしていた。しかし、毎年この時期になると、アリア社長ら猫たちはなぜか姿を消し、街にはカサノバの扮装をした者が現れるのだった。少女たちの「出会い」をテーマに、切なくも心温まるストーリーが展開する「癒し系」作品。

声優・キャラクター
葉月絵理乃、斎藤千和、広橋涼、大原さやか、西村ちなみ、皆川純子、川上とも子、水橋かおり

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

「NATURAL」とアリスちゃんとσ(・・*)アタシ♪

■ARIA2期「NATURAL」を観る前にちょっとチェックですよ♪
さて前作「ANIMATION」は楽しみましたでしょうか?まだの人は是非々々「ANIMATION」からご覧くださいね♪
前作を観た方は「ネオ・ヴェネツィア」の魅力をほわ~んとしながら堪能して頂いたかと思います♪
本作「NATURAL」では魅力溢れる街「ネオ・ヴェネツィア」をこよなく愛する人々と、灯里ちゃんたちウンディーネの心温まる物語が沢山散りばめられていますよ♪
特にキャラクター毎のショートストーリーを堪能できますので、みんなの素敵な所をたくさん見つけてみてくださいね♪
「NATURAL」で感情移入出来るかどうかで「ORIGINATION」で受ける感動の大きさが変わってくると思のです♪
私はドップリでしたので、問題なく(。>0<。)ビェェン でしたけどw

■大好きなアリスちゃんと良き先輩の灯里ちゃん藍華ちゃんの仲良し3人娘について
ちょっとだけ語らせてくださいね♪

★アリス・キャロル(Alice Carroll)
大好きな大好きなアリスちゃんへ♪
本当にあなたはとっても甘えん坊で、照れ屋で、ひねくれ物で、先輩思いの可愛い後輩ちゃんですねw
「でっかい○○です」が口癖のアリスちゃん。きっとその口癖も照れ隠しからきているのかなぁ♪
最初は無愛想で無口で内気で人付き合いがとっても苦手な女の子でしたね♪
でもね、そういう不器用ところが可愛いのですよー☆彡
そんなアリスちゃんも、「ネオ・ヴェネツィア」で灯里ちゃんと藍華ちゃんっていうとっても素敵な
先輩と出会って合同練習するようになってから、本当の素直な自分を見つける事ができましたね♪

第6話「その鏡にうつる笑顔は・・・」ではアリスちゃんの悪い所が出ちゃってましたね、そうですよ、素直になれなくって、自分から他人と距離を置いちゃうから、孤独になっちゃってたんだよね!!
そう、鏡ってありのままの自分を映して、他人にもそのまま見えちゃうんだよ♪
そうですね、アリスちゃんのネガティブな気持ちが伝わっちゃってたのですね!!
でもよく気が付きました、そして勇気を振り絞りましたね♪自ら友達に歩みよろうとしたアリスちゃん♪
またひとつ成長しましたね♪

13話「その でっかい自分ルールを・・・」では、意地っ張りで子供っぽいアリスちゃんが全開です♪
家まで影を踏んで帰るという自分ルールを作ったのだけど・・・・途中で追加ルール「日なたを半分踏むのは許可!!」ってめちゃくちゃ自分には甘いのねwちょっと可愛アリスちゃんでした♪
ただ、途中でアテナさんの手助けを借りてしまうと、意地を張って最初からやり直したり・・・・
また悪い子だよw
でも、そんな意地も最後の最後にアテナさんがアリスちゃんを思う気持ちに勝てませんでしたね♪
アテナさんの歌声がぐっと心に響きました(。>0<。)ビェェン

アリスちゃんと言えば、髪型にも注目、第25話の「レデントーレ」のお祭りのお話の中で、
3回も髪型が変わっているのですよ♪
①普段のウンディーネ時の髪型
②とっても可愛い制服姿時の髪型
③貴重な料理姿のお団子の髪型
なんか得した気分です♪

本当に良い先輩達に恵まれたアリスちゃん、「ORIGINATION」では更に素敵なアリスちゃんがまってますよキャーゞ(^o^ゝ)≡(/^ー^)/"""パチパチ


★藍華・S・グランチェスタ
アリスちゃんの事を「後輩ちゃん」と呼んだり、「恥ずかしい台詞禁止」でおなじみの藍華ちゃん。
元気いっぱいで負けず嫌いだけど、涙もろい一面もある可愛い女の子ですね♪
第3話では、恥ずかしい台詞禁止が連発でしたwアル君と流星群を見るというロマンチック話でした♪
実は、仲良し3人組の中で一番女の子しているのは藍華ちゃんですよね(*δ,δ)σ恋する乙女ですねw

藍華ちゃんといえば第18話ですね!!
バーベキュー大会で自分の大切な髪を焦がしちゃったのです・・・その時実は笑ってしまいました(>o<")
本当にごめんなさい藍華ちゃんw
その髪型にはとっても大切な思いがあったのですね><
なくなく願掛けしていた髪を切ってしまいました・・・Σ(T▽T;) ぐわわぁぁ~ん!
ここでびっくり!!ショートヘアの方がとってもキュートで可愛いかったのです♪
藍華ちゃん株ここで急上昇でしたw


★水無灯里
ほのぼの天然キャラの灯里ちゃん。とっても感受性が強く人を不思議と惹きつける魅力を持つ女の子♪
灯里ちゃんの笑顔は周りのみんなも笑顔にする魔法の笑顔ですね♪もみあげも素敵ですw
「はひーっ リ ̄ロ ̄リ、はわわわわΣ( ̄ロ ̄/」っといった口癖にももう慣れましたよ♪
灯里ちゃんについてはたくさんの名シーンがありましたが、その中でも感動したのは第16・17話の愛用のゴンドラとの別れのお話です。
自分のゴンドラに「さん」を付けて呼ぶ灯里ちゃんだからこそ、ゴンドラさんの気持ちがとっても良くわかったんだろうなぁ~って♪
そしてアリシアさんにとっても思い出のゴンドラだったんですよね~。
そんなゴンドラとの最後の一言。

『本当に・・・本当にお世話になりました・・・。』

こんな感情を抱くのは灯里ちゃんだけですよ!とっても素敵です。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。
そして、新しいゴンドラさんと初めて会った時にも灯里ちゃんは、こう声をかけてましたね・・・・

『新しいゴンドラさん。ふつつかものですがこれからどうぞよろしくです。』

なかなかこんな事いえないですよね♪そんな優しい灯里ちゃんも大好きです♪


■最後に一言
私は「NATURAL」でも沢山の癒しと感動をもらいました♪
そして「ネオ・ヴェネツィア」に集う人々の物語をもっと見ていたいと思うようになっていました。
この続きはOVAの「ARIETTA」を挟んでいよいよ3期『ORIGINATION』へと受け継がれて行きます♪
ここまでARIAの世界をご視聴になられた方ならば、もう何も言う事はありませんw
是非完走して、感動の声を届けてくださいね♪
 
 
■MUSIC♪
OP曲『ユーフォリア』 16・17話は『ウンディーネ』
 【作詞】河井英里【作曲・編曲】窪田ミナ【歌】牧野由依
 1期OP曲の「ウンディーネ」に続いて、2期も牧野さんのウィスパーボイスで癒されちゃいますね♪
 窓からそっと~♪ 朝陽がのびて~♪

ED曲『夏待ち』1~15話
 【歌】ROUND TABLE feat. Nino
 季節の移り変わりにちょっと切なく感じる気持ちを歌ったナンバーです♪
 雨があがる~♪ 遠く空眺め~♪ 雲の切れ間探す~♪
 
ED曲『Smile Again』16~25話
 【歌】葉月絵理乃
 灯里ちゃん役の葉月さんがしっとりと歌ってくれたナンバーです♪
 こちらも夏の思い出の名残り惜しい気持ちを歌ってくれてます♪
 去り行く夏の日~♪ 思いを寄せて~♪  集うバルコニー~♪
 
ED曲『Rainbow』26話(1期ED)
 【歌】ROUND TABLE feat. Nino
 
挿入歌『潮騒』9話
 【歌】ROUND TABLE feat. Nino
 素敵ポイントを探す灯里ちゃんと藍華ちゃんとアリスちゃんのお話でしたね♪
 なにげない日常から幸せを感じさせてくれるナンバーです♪
 
挿入歌『コッコロ』
 【作詞・歌】河井英里【作曲・編曲】窪田ミナ
 バルカローレに続くアテナさんのカンツォーネの曲なのです♪
 造語の歌詞にレイヤードボーカルの美しい歌声は素晴らしいです(^-^)//""ぱちぱち
 
挿入歌『雨降花』17話
 【作詞・歌】牧野由依
 ゴンドラの紳士がそっと傘をさしてくれる名場面が思いだされます♪
 灯里ちゃんの涙を連想させるような「雨」を歌った心に染みるナンバーですね♪
 
挿入歌『髪とヘアピンと私』
 【歌】斎藤千和
 藍華ちゃん役の斉藤さんが歌っている曲なんですよ♪
 和音で奏でられるピアノの音色に歯切れのよい藍華ちゃんの歌声が素敵です(*^o^*)
 斉藤さんは戦場ヶ原ひたぎさま~のイメージですけどARIAファンの私は藍華ちゃんですw
 
 
2011.07.08・第二の手記「ORIGINATION」を観終わって大幅修正
2011.11.16・第三の手記(追記:■MUSIC)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 70

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

キラキラの出会いがあなたを待っています  【ねこ's満足度:90pts】

毎話ところどころにあなたを幸せにするための魔法が仕掛けられています。
(恥ずかしいセリフ禁止ーーー!!笑)

2期となる今作では、作品を通して「出会い」というテーマがあります。
ヒロイン達がどんなステキな「宝物」に出会うことができるのか、
ゆったりのんびりした気持ちで見守りましょう。
一話一話にこめられた、心温まるメッセージを感じとってくださいね。

今回のオススメエピソードは、2、4、8、9、14、16、17、22前、23・・・まぁほぼ全部です(笑)。
中でも17話は、灯里のその美しい涙にこちらまでもらい泣きしてしまいました。
もちろん、その他のお話もステキなものばかり。
心が弱っているときには、その傷を優しく癒してくれることでしょう。

音楽も相変わらずいい感じ♪
特にED曲の「夏待ち」は、わたしのシリーズ一番のお気に入りです。

そして、全26話観終ったときに気づきます。
この作品との「出会い」は、わたしにとっての「宝物」だったということに・・・。
(再び恥ずかしいセリフ禁止ーーー!!笑)
ARIAスタッフのみなさん、やさしくてステキな物語を届けてくださって、
タントグラーチェ!!-tanto grazie-(たくさんありがとう☆)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 58

逢駆 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

~一期一会~

笑っている人の前では自分も楽しくなるし
萎縮している人の前では自分もつい緊張してしまう
鏡が自分の姿を映すように人もまた自分の心を映すのよ
…笑ってごらん
そしたらあなたの前にいる人もきっと笑い返してくれる―――――


柔らかな日常を情感豊かに描いたARIAシリーズの第2期。
前作の優しい雰囲気はそのままで、今作のテーマは『出会い』
それも人との出会いだけではありません。猫の妖精との出会いであったり、まだ知らない素敵との出会いであったり…
たくさんの新しい『出会い』を通じてARIAの世界を深く知ることができました。
ここで体験した時間が第3期で押し寄せる感動に繋がりました。


『出会い』があれば『別れ』がある。
素敵で溢れた世界にももちろん別れはあります。たくさんの出会いがあるほど、たくさんの別れがやってきます。でもそれを悲しんで出会わなければ何にも始まりません。それに別れというものは寂しいけれど悲しいことではありません。別れがあるからこそ新しい出会いがある。
出会いと同じくらい別れも大切にしなきゃだめですね。改めて教えてくれました。
今作はそういった素敵な出会いだけではなく寂しい別れの部分もとても丁寧に描かれていて良かったです。


また前作に比べて“水の三大妖精”ことアリシア・晃・アテナの先輩方3人が印象的でした。
綺麗で優しくて後輩にとっては憧れの存在なのに灯里と同じ目線、同じ歩幅で歩いてくれるアリシアさん。いつも厳しく怒ってばかりだけれど言葉の裏にはいつも愛情が溢れていて、泣き虫の藍華にそっと手を差しのべてくれる晃さん。後輩に叱られるほどのドジっ子だけれど、いつも最年少であるアリスのことを影で支えてくれているアテナさん。
後輩の育て方は三者三様ですがどの方も本当に素晴らしく尊敬できる方たちばかり。
今作は第1期で育んだキャラクターの魅力を踏まえつつ、それぞれの先輩・後輩の関係性をうまく表現していたエピソードが多くあったなと感じました。

『失敗や寄り道をしなきゃ見つからないものもある』
『本気で頑張って反省している人を叱っても無意味っしょ』
『きっと本当に楽しいことって比べるものじゃないよね』

ひとつひとつの言葉に後輩を想う優しさが伝わってきました。
かけがえのない人達からのかけがえのない贈り物に感謝の気持ちでいっぱいです。


ARIAの魅力というものはたくさんありますが言葉で表わすことができない部分も本当にたくさんあります。
そういう言葉に出来ない感動もこの作品のでっかい魅力なのかなと思います。
ここまで観てきてずっと安らぎを与えてくれ心をなごませてくれました。
至福のひとときが終わったあとはいつも幸せな気持ちに包まれました。
いつか来た道は遠いけれど、振り向いた場所にはいつもARIAがいてくれる気がします。
それはARIAとの『出逢い』がくれたかけがえのない宝物です。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 58

76.2 17 漫画原作アニメランキング17位
闘牌伝説アカギ 闇に舞い降りた天才(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (833)
4208人が棚に入れました
昭和33年。チキンランで生き残った少年・赤木しげるは初めて打つ麻雀でも異才を発揮し、ヤクザ相手の勝負に次々と勝利を収めてゆく。なかでも盲目の雀士・市川を破った夜は伝説となる。昭和40年“神域”と称され、天才の名を欲しいままにするアカギは、権力を利用して巨大な富を築いた怪物・鷲巣を狩るため、生き血を賭けた大勝負に挑む。

声優・キャラクター
萩原聖人、小山力也、玄田哲章、中田浩二、高木渉、田中秀幸、風間杜夫、古谷徹

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

これは名作ですよ・・・完結すれば゚。(*^▽^*)ゞ

■『闘牌伝説アカギ ~闇に舞い降りた天才~』ってどんなアニメ?( ^ー^ )/圜 一発自摸!
「逆境無頼カイジ」でお馴染みの福本伸行さん原作の作品!
裏社会に彗星のごとく現れた天才『アカギ(赤木しげる)』が数々の伝説を築き上げていく姿を描いたストーリなのです♪
僅か13才で賭博麻雀と出合い、その才能故に数々の勝負を請け負うことになっていくのです!
 
 
■総評
福本作品「カイジ」よりも前にアニメ化された作品なのですね♪
本作品もカイジ同様に人間の内面を緻密に描いた心理描写が絶妙で、対戦相手との命を賭けた心理戦が最大の魅力だと思います(*^-^)
ナレーションはガンダムのアムロ役でおなじみの「古谷徹」さんがキャスティングされているので、カイジよりも静かで落ち着いた雰囲気で緊迫感を醸し出していますね(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
 
また、「カイジ」は強運を引き寄せる才能に長けているのに対して、「アガギ」の場合は、危険察知能力、洞察力、判断力等が常軌を逸している程に長けているのです。
「死」に対して恐怖も未練もなく冷静沈着に相手の心理を読み、相手の戦意をなくすように完膚なきまで叩き潰すことから『悪魔』と呼ばれるほどなのです♪
 
とにかく麻雀を少しでも知っている方なら、ちょっと見ただけでのめり込む事間違いなしだとおもいます。
超心理戦のアカギ伝説の数々は何度見ても色褪せる事のない名作だとおもってます♪
 
最後に残念なのは、鷲巣麻雀編が原作がまだ完結していないので、その影響でアニメの方もとっても中途半端な所で終わっている点なのです・・・Σ(^∇^;)えええええ~
1クールも使った鷲頭麻雀編・・・早く続きが見たいんですけど( #` ¬´#) ノコラ!
 
おわり!v(´ー`)o圄圄圄回回回圀圀圀囚囚囚團團o パタリ
 
 
2011.10.23・第一の手記

投稿 : 2025/02/08
♥ : 29
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「強さ」とはこういうものだ

「カイジ」で有名な漫画家の福本伸行。
そんな彼を代表する、ギャンブル漫画のアニメ化です。
原作はアニメ化された部分までは既読です。

福本作品の醍醐味は、独自のゲーム性、そして細かな心理描写にあります。

カイジの場合は{netabare}「追い込まれたときの強さ」{/netabare}が魅力ですが、このアカギは「天性の強さ」が魅力。

才能、行動力、発想力、冷静さ、それに加えて、ここ一番での運……。

そんなアカギが、その道の「プロ」相手に、どんなに作戦を立て、どのように相手を揺さぶり、どう勝負を運ぶか、そこが見所です。

「そんな作戦を取るなんて信じられない!」というような、とんでもない発想で、相手を出し抜き、追い込んでいく様はまさに快感。

そんな福本作品の、独特の絵柄、そして、空気感を忠実に再現しています。

作品内でいくつも「ゲーム」が存在しますが、まだまだ未完のストーリー。
原作の連載ペースに、アニメが追いついてしまったのがなんとも残念です。


そろそろ年越しですね。
家族で過ごす方は、独自のゲームを作って、命がけの一家団欒を楽しんでみてはいかがでしょうか!

……私は遠慮しておきますが。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 24
ネタバレ

アレク さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

真剣勝負というものは技量にかかわらずいいものだ、決する瞬間互いの道程が花火のように咲いて散る

点数計算もよくわからないし役もうろ覚え、そんな残念脳の自分ですが
岡目でも何となく伝わる勝負の駆け引き、緊張感、
さらに運が大きく作用するゲームで勝負を決する分水嶺を作者がどこに置いているか
そんな勝負ごとに対する作者それぞれの美学、哲学みたいなのが
うかがえて麻雀に限らずギャンブル物は好んで見ちゃいます。
{netabare}
麻雀というゲームは運の要素が強く例えばスポーツものなどにある
練習や積み重ねといったものがあてになりにくい
(まぁそんな中でも強い人はいるわけでそんな人がいわゆる玄人なわけだが)
とにかく不確定要素が多すぎるなか自分の判断を信じるメンタリティが要求されるわけで、
しかも今作では一回の勝負で大金が動き後々の人生まで大きく左右されるゆえ生じる
ひりついた緊迫状態とそんな重大事を水物であるのギャンブルで決めるという
矛盾、だからこそ躍起になざる得ない極限まで圧縮された時間
不条理が生み出した特異な空間。

それに主役のアカギ本人の根本の部分から
強い心、鋼の精神が引き寄せる謎めいたカリスマ性と牽引力
そんな諸々が融合し刹那的で破滅的ですが思わず
魅入られてしまう招き寄せられてしまう妖しい魅力を形成してると思います。


作画は常に暗めの色調、BGMも一貫して緊張感のあるシリアスなもので
光の当たらない深海の世界でのやりとりみたいな世界観を形作る好アシストになってるし
何よりナレーション、ガンダムのアムロ役で有名な古谷徹さんですが見物人が説明したりすると
緊張感が削がれ冗漫になってしまうであろう所を張り詰めた空気を保ったまま的確な状況説明
ベテランの仕事、たっぷり堪能させていただきました<m(__)m>
それにアカギ自身は戦略を組み立てているだろうがそんな独白をあえてカットする
ワンピースのルフィでもそうですがそうすることによって偶像性を高めてますね
(ニセアカギは頭の中でごちゃごちゃした確率を計算してる演出だったのでそこらへん対照的ですね。
彼もそれなりに優秀だったが魑魅魍魎がうごめく世界ではそれでは足りなかった、恐ろしい世界です)
時に絶体絶命な場面でもガタガタ騒がず身を削ることも厭わないブラフで流れを引き寄せる
黙って行動や背中で語る、かっこいい男はそうでなくちゃ。

あ、でも浦部戦の後でアカギは自分の手の内を明かしてたか、でもあそこは
このアニメの総決算ともいえるシーンで即ち人を観て癖を見抜きその裏に罠を隠せ
その理念があったればこそ代打ち矢木戦で小技を仕掛け迷いを誘う
こすいやせた考えを逆手に取り今度は自分がハメられる側だと思い込ませ勝負から降ろす
市川戦では合理的打ち回しの陰に牙を潜ませたった一筋の細い勝ち筋に狙いを絞り
喉を食いちぎる、浦部戦ではそれに加えて自分の情報を悟られないようにし
浦部自身の経験に頼らざる得ないよう誘導する
100%のオカルト麻雀ですがだからこそ色濃く炙り出されるアカギの活きた理、そして

圧倒的・・・悪魔じみた・・奸計っっ・・・!


勝負の中で避けようもなく晒されるその人の
奥底に息づく地金を看破する、なんだか
ハンターハンターでメルエムがそんなこと言ってたような気がします、
多面張の待ちの計算すらもたつく前提すらおぼつかない自分にとっては
雲の上のレベルですが何事も天上の域に達すると同じ結論に至るようですね
とにかく勝負事に関しては王と同等の境地のアカギさん
マジぱねぇっす

全編を通じて感じたことはなにより自分の頭で考え続け思考回数を重ね対策を練る
万物に通じる道理を刹那的快楽の極地
ギャンブルの世界で出会えたのは何とも不思議な心地でした。
しかしまぁそんな芸当を方程式が通じない、変わり続ける状況の中で人相手に
やってのける憑依するほどの洞察力と判断力、いやはや憧れちゃいます。

一番好きなシーンは一話の南郷に取引を持ち掛けるとこです
あそこは漫画ではもうちょっと詳しく描かれていて厄介ごとを
避けるためアカギを引き渡そうとする寸前なとこだったんですが
頼れる人が誰一人いない、それも本人が一番ひやひやする
そんな状況で取引の材料を用意する、独力で道を切り開く真の意味での
無頼。

タイトルにある言葉はこのアニメにも通じるものがあると思い
幽遊白書から引用させていただきました。厨二乙

あ、鷲巣編は・・・色々あるけどやっぱり適切な長さって大事だね(/・ω・)/
あと南郷さん借金背負ったダメ男で途中でフェードアウトするのにキャラ濃すぎませんかね・・・{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 15

72.7 18 漫画原作アニメランキング18位
GTO[ジーティーオー](TVアニメ動画)

1999年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (426)
2811人が棚に入れました
高校時代は親友・龍二と共に「鬼爆」として湘南最強の不良だった鬼塚英吉。
ひょんな事から教師を目指すこととなり、臨時教員として採用される。
様々な問題を抱えるクラスの3年4組の担任となり、生徒との対立や嫌がらせ、その生徒自身が抱えている苦悩、あるいは学校内に発生する困難やトラブルに巻き込まれながらも、自身の持つ人脈・悪運・頭脳・腕力・コネ・行動力等を総動員させ、受難を見事に乗り越えて、生徒達の信頼と人望を得ていく「Great Teacher Onizuka」の破天荒な物語が始まる。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

こういう、「2期」は素敵だと思う♪

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
2期、といってもアニメの話ではなく、原作漫画です。ヤンキー漫画の主人公が、学校を卒業した後、就職して、別漫画の主人公になる。素敵じゃないですか?

鬼塚は、元暴走族ならではの破天荒な方法で、問題児達を救っていきます。かなりのご都合主義を含みながらも、それ以上の爽快感、時折飛び出す、真理をズバッとついた名言に心が熱くなります。まあ、ドラマ「ごくせん」にハマった人なら間違いないでしょうね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
漫画で、ですが、「湘南純愛組!」からのファンで、あの「鬼爆」の「鬼の字」がまさか教師になるとは……と、現在30代としては正しい態度で視聴を開始しました。

個人的に好きな台詞は、(正確ではありませんが)「テメーら(教師)にとっては生徒なんて、たかが400分の1かもしれねえけど、ガキどもにとっちゃあたった1人のセンコーなんだよ!」という鬼塚の台詞。良いこと言うな~と。

教育もののアニメ(とも言えないですが)は珍しいので、かなり古いアニメですが、一見の価値ありです!

あと、OPの「Driver's High」は、個人的にはL'Arc~en~CielでNo.1の神曲ですよ! これを爆音にして運転してると、ついついスピード違反してしまいます(オイオイw)
{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 34

ピングー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

Gグレート・Tティチャー・O鬼塚

笑いあり笑いあり笑いあり
名言あり
感動あり
こんな先生いたらいいなの理想郷
確かにこの人はGTOだ
最高の教師だ

投稿 : 2025/02/08
♥ : 12

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

前作、原作のほうがぜんぜん好き派。

教師ものに新たな息吹を持ち込んだ名作。
毎度キレのいい、くだらないギャグと超暴力的かつ熱い展開で問題を解決していく。原作の修学旅行あたりまでやります。
ゴールデンなので規制でギャグやアクションはぜんぜんダメ・・・。でもいまよりはマシなほう。

個人的に前作純愛組中期、GTOの初期までのテーマであった、
真の『かっこいい漢とは』?ってのがなくなてからきらいになった。
作者もいってたけど世間からの評判のよさ、「教師もの」としての認知度、からあまりアホになれなくなったのもあるし、鬼塚が熱血「一教師」キャラとして完成してしまったのもある。飽きられるし、ネタ切れもある。ワンパになってしまった。

私も愛車ですが、ZⅡ、Z、と呼ばれるケンジ君や七五十、風神雷神、御神苗と数々のキャラクターが愛用してきたバイクですがこの男こそ最も似合ったったヤツ。だった・・・・。昔は・・・。私のあこがれた鬼爆はどこへ・・
黄門さまの印籠のようにかならず最後は愛車に乗って決着をつけるという様式美。
現在のGTOでは乗りもしない・・
バイクにそして川崎に乗れば言いや的な。

ドラマ版でも非常にクレームの多かったバイクは.反町さんが免許が間に合わなかったからみたいで、映画では無事取得 なつかしい・・。
原作はドラマ版とのメタなギャグも面白かったです。
正直いまマガジンでやってるのはまったく面白くない・・思い出クラッシャーですよ・・。

アニメ版はOPが秀逸です。






投稿 : 2025/02/08
♥ : 8

85.1 19 漫画原作アニメランキング19位
【推しの子】(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (751)
2213人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。

声優・キャラクター
アイ:高橋李依
アクア:大塚剛央
ルビー:伊駒ゆりえ
ゴロー:伊東健人
さりな:高柳知葉
アクア(幼少期):内山夕実
有馬かな:潘めぐみ
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

早熟にもほどがある

動画工房制作。

地方都市で働く産婦人科医の男の前に、
現れた患者は推しのアイドル、アイであった。
{netabare}医者として彼女を支えようと決意をするも、
彼女の出産を直前に、男は何者かに襲われる。{/netabare}
二人の出会いが予期せぬ運命へと動き始める。

序章はネタバレ厳禁なのでしょうが、
物語の導入部としては強烈な引きであり、
かなり奇抜な物語の設定ではあるが楽しい。
演出が効果的に機能しているのでしょう。

アイドルは夢を与える仕事である。
{netabare}そして夢の裏側、綺麗な嘘の悲劇的な代償、
前世の記憶を引き継ぐ双子の兄妹、
とある悲劇的な事件の真相を暴くため、
兄と妹はそれぞれの仕方で復讐を誓う。{/netabare}

一定以上の緊迫感が続けば嬉しい、
先の読めない展開に期待しています。

最終話視聴追記。
序盤の展開はサスペンス一辺倒ではなく、
{netabare}まずは芸能界で足場を作り、手掛かりを探す、
アクアは事件の裏に誰が関与しているのかと、
推測し、周りと良好な人間関係を構築していく。
期待していたサスペンスフルな展開とは、
少し方向性が違うも、まずまずは楽しめる。
復讐劇が成就するまで、まだ先がありそうだ。{/netabare}

女王蜂の楽曲がとても良く印象に残りました。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 56
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「それでも光はあるから」

赤坂アカ氏・原作の連載コミックは未読。

【物語 4.5点】
題材は芸能界の裏側。

初回から90分SPでインパクトを残す。
あとは数話完結エピソードで適度にヤマを作って勢いを持続させる。
最近のバズる1クールアニメの構成として理想的。

その中でアイドルの虚実。
演技力だけで決まらない役者のキャスティング。
リアリティショーを巡るネット、SNS上のエゴサ、炎上。

多くの人が芸能界に対して薄々感じている、こじれた部分を、
踏み込んで言語化して、よく映像化してくれたと共感を得ていく内容。

7話の{netabare} ネットリンチ{/netabare} はここまでエグッて来るのかと戦慄しましたし、
3話にて語られた、良い原作を良い映像作品にしたいという純心だけでは通らないドラマ事情。
それでも現場スタッフはより良い物を作ろうと奮闘してはいるという描写。
私も、今後アニメ化で好きな原作を台無しにされた時も、少しは優しい気持ちで受け止められそう?ですw


主人公少年・愛久愛海(アクアマリン)は{netabare} 母であり推しであるアイ{/netabare} をあんな目に遭わせた芸能界の連中への復讐に燃える闇サイド担当。
妹・瑠美衣(ルビー)は母も輝いたアイドルに憧れを抱く光サイド担当。

両サイドを行き来したり、交錯させたりすることで、
闇は深いけど、人を惹き付けてやまない夢の芸能界を演出。

またアクアの復讐闇堕ちルートを思い留まらせるルビーのアイドル光ルートという構図も、
葛藤の軸として確立されており、制作決定している2期以降も安定して期待できます。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・動画工房

きらびやかなステージのスポットライトにトップアイドルの瞳の煌き。
芸能界のキラキラを表現する極彩色のカラーが強烈。
裏に潜む嘘の存在を否応なしに意識させられる、“価値ある不快感”を提供。

反面、芸能界の本音やトラウマを描く時は、しっかりと色数を落とす。
地味にアクアが業界の裏情報を探るため鏑木と会談するモノクロに近い映像も印象的。
灰色の店内で裏話を交わす2人の男。そして、闇に浮かぶ{netabare} 4万円の寿司w{/netabare}

カラースクリプトも数多く担当した助監督の猫富 ちゃお氏。
要チェック人物としてマイリストに登録されました。


動画工房の主力・谷口 淳一郎氏ら“作画育成監督”を複数人擁する陣容も特徴的。
この作画育成監督、近年ではCloverWorksの岡 勇一氏も務めるポジション。(※)

過酷な労働環境などを背景にした、技術継承不足が呼ぶ、さらなる人材不足という地盤沈下の悪循環。
アニメ業界も、芸能界と同じく、色々と闇を抱えているようですが。

作中でルビーたちが{netabare} 新生B小町{/netabare} により芸能界に光をもたらすのかと予感させるのと同様に、
日本のアニメ業界も、社内育成体制の整備と内製回帰による基盤強化で、将来に光明を見出していこうという意志を感じます。


【キャラ 4.5点】
“10秒で泣ける天才子役”有馬かな。
子役の旬が過ぎて見向きもされなくなった高校時代にアクアらと再会。
CV.潘 めぐみさんの濁声で、骨身に染みた芸能界の現実を語る解説役としても重宝する。
{netabare} 新生B小町のセンター{/netabare} も決まってましたね♪

また、必要なのは有馬かなという元・子役の名前だけ、良い演技より波風を立てないことを求められる現場で放った、
ドラマ業界騒然の会心の演技。
{netabare} 「それでも光はあるから」{/netabare}
矛盾だらけの芸能界をも照らすメタファーとして私の心にも深く刺さりました。

今後も有馬かなは{netabare} アクアを巡る黒川あかねとの三角関係?{/netabare}
など恋愛面でも活躍が期待できそうです。


人気“高校生ユーチューバー”MEMちょ。{netabare} 新生B小町メンバー。{/netabare}
メディア横断的にバズる導線を引くネット工作能力が貴重。
衝撃の{netabare} 実年齢25歳、7歳サバ読みの{/netabare} カミングアウト。
芸能界の過剰な早熟性欲求へ一石を投じる意味でも有用なキャラです。


【声優 4.0点】
主人公アクア役の大塚 剛央さんは近年ブレイクし始めている若手声優。
ルビー役の伊駒 ゆりえさんに至ってはメインキャストは初の新人。
大塚さんは闇堕ちを危惧させる怪演などで片鱗を見せていますが、
伊駒さんは演じるキャラ同様、芸能界の闇に放り込むのが憚られるピュアさを感じます。

1期目は正直、有馬かな等、強烈なキャラ勢に埋まってる感もあったメインお二人。
シリーズを重ねる中でどう染まるか、化けるのか。
伸び代にかけた意図を感じる新人、若手起用だと思います。


カリスマアイドル・アイ役の高橋 李依さんが、初回の衝撃の掴みを支える。
天才若手女優・黒川 あかね役の石見 舞菜香さんが、8話の起死回生の演技を押さえる。
要所を締める声優の役者魂も光りました。

発声方法が謎なのが“覆面筋トレ系ユーチューバー”で苺プロの稼ぎ頭・ぴえヨン役の村田 太志さんのアヒル声w


【音楽 4.0点】
伝説のグループ・B小町の楽曲群は、やや昔のアイドルリバイバル感を醸した構成。
自己紹介&ヲタ芸煽り曲「サインはB」の作詞・作曲が大石 昌良さんというのがツボにハマります。
『~GRIDMAN』の主題歌同様、大石さんは懐古な心をくすぐるのがお上手です。


OP主題歌はYOASOBI「アイドル」
Ayase氏が原作漫画が好き過ぎて、インスパイアされた楽曲を複数作曲していた所、
タイアップの話が舞い込んで、その中の一曲が世に出た形。
歌詞世界は原作者が書き下ろした短編小説「45510」を元に展開。

「45510」は現在ヤングジャンプHPで期間限定公開されていますが、
私はアイのメガジャケ目当てでポチった「アイドル」CD版の付録で読みました。

2番を聴いて感じていた、1期では描写されなかった{netabare} アイのグループ内人間関係{/netabare} が、
真相に深く関わっているのだと再確認しました。

かわいいを表現しようと挑発的に語尾を上げるikuraさんのボーカル。
キャッチーな音をクドいくらい重ねるアレンジ。
良い意味で耳に障る構成で、アイドルと嘘というテーマを体現した力作。
AMVもYouTube2億回再生も納得の出来栄えです。


ED主題歌は女王蜂「メフィスト」
こちらはアヴちゃんが長年構想していた、人の願いを叶えるためにどこまでやっていくか?
という楽曲テーマが、作品と出会うことで結実し、日の目を見た形。
「メフィスト」はゲーテ『ファウスト』で登場する悪魔。
本曲では願いの悪魔の意が込められたとのこと。

毎回引きを強くするイントロが優秀なEDでもあります。
引きでは、時に囁くようなモノローグだったり、息を飲むカットだったりしますが、
音響が小さな音量のセリフ素材をイントロに負けないよう調整し、印象的な幕引きを演出したとのこと。
楽曲のパワーだけでなく、細かい音響の仕事も作品を支えていました。

尚、EDにも実写MVがありますが、こちらは視聴するのに相当な覚悟が要ります。


【参考文献】※CloverWorks公式ホームページ「STAFF INTERVIEW 岡勇一 クリエイティブ事業部 演出・作画ルーム 作画育成監督 培ってきた技術をすべて後輩に継承していきたい」




【第1話(90分拡大版)先行上映感想】嘘つきはアイドルの始まり

長いので折りたたみ。
{netabare}
アイドルは嘘で人々に夢を与える偶像。
嘘こそアイドルの本質。
こんな捻くれた考えを持った私。

本作の「この芸能界において嘘は武器だ」とのキャッチコピー。
主人公のアイドル・星野アイの“しいたけ目”を越えた“キラ星目”。
嘘臭すぎてかえって惹き付けられる極彩色の強烈なビジュアル。
これはさぞ濃密な芸能界の嘘を暴き出してくれるに違いないと、注目していた期待作。

加えて展開が衝撃的との評判は耳にしていたので、
まずは是非とも映画館で気持ち良く驚いてみようと、
今回の鑑賞まで情報シャットアウトして挑みました。

結果、本当に驚きましたし、取り扱う嘘は胃もたれして吐き気を催すくらい濃厚でした。
基本設定に{netabare} 推しの子供として転生した双子{/netabare} というトンデモがありますが、白けることはなく。
むしろ芸能界を徹底的に相対化できるポジションに視点を置く。
口の固い大人が油断して本音をこぼしてしまうキャラクターを活かす。
芸能界の嘘と現実にまつわるテーマの深掘りも怖いほど快調で引きずりこまれます。

例えば、ネット上で、あの娘の笑顔は作り物っぽくて嫌いとのアイドルアンチを見かけます。
あれも本作にかかれば、作り物も何も、芸能界の笑顔は全て人工物。
結局、人々は各々が、どの嘘が綺麗でしっくりくるか否かで、あれは本物じゃないだの叩いているに過ぎない。

さらには夢を壊されたと荒れるアイドル恋愛問題。
俳優の実力より事務所のパワーバランスによって決まる出番の尺の長さ。
真偽そっちのけで他人の不幸すらコンテンツとして消費する下衆な大衆。
嘘に踊らされる世間の風刺は多岐に渡り、シナリオ展開との合せ技で打ちのめされます。

初回90分で、まだ物語のプロローグに当たる第一章にしてこの密度。
序盤力は近年でも屈指だと感心しました。


アニメーション制作は動画工房。
手描き重視のアイドルライブシーン等で、世間が待望する綺麗な嘘を好表現。
目力の強弱が激しいキャラ素材を活用した心情描写も気合が入っていました。

主人公・星野 アイ役の高橋 李依さん。
作中アイドルソングも歌い、ミリ単位で供給する笑顔を微調整する狂気をフォローし、
嘘が本当になる未来や愛を求めて嘘を重ねる業も表現する。
持てる引き出しを全て開け放ったような見事な演技でした。

今回のラストではOP主題歌のYOASOBI「アイドル」も公開。
楽曲のために原作者が書き下ろしたという小説を元ネタに、
アイドルグループの本音を、韻を踏んでえぐってくる攻めてるアニソンでした。
OPの先攻を受け、後攻の女王蜂がED「メフィスト」でどう応えるのか。今から戦々恐々ですw


嘘を追求した先にあるのは真実か?代償か?
人は愛を取り戻せるのか?

初回から刺し違える覚悟で挑みたい。
2023年・春アニメ、台風の目です。{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 49
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

秘密と嘘と本当のこと

アニメーション制作:動画工房、
監督:平牧大輔、助監督:猫富ちゃお、
シリーズ構成・脚本:田中 仁、
キャラクターデザイン:平山寛菜、
総作画監督:平山寛菜、吉川真帆、渥美智也、松元美季、
音楽:伊賀拓郎、原作:赤坂アカ×横槍メンゴ
(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)

テレビアニメを放映時期に観るようになってから
最も豊作だったと感じた2023年春クール。
個人的には3本の指に入るのがこの作品。
放映前から原作組の期待値が高く、
初回は90分という異例の枠組みで、大きな話題を呼んだ。
そして、期待に違わず、最終回まで走り切った印象だった。

全体を考えてみると、1話を90分にした理由も納得。
いちばん視聴者に分かりやすい
シリーズ構成を吟味して、制作したのが見える。
ほかの作品のように話題作りのために
第1話を60分枠にするのとは違い、考え抜かれている。
というのも、1話とほかの回では、作品の方向性が大きく変化するからだ。
第1話は、アイを中心にしたミステリー仕立てとなっているが、
その後は、ルビーとアクアにスポットを当てつつ、
芸能界の裏事情をよりリアルに描くことがメインになっている。
もちろん、作品全体の構成はミステリーだろうが、
それ以外の部分でも十分に楽しめるように
仕上げているのは好感だった。

第1話は1本のアニメとしての完成度は高いが、
ある意味、普通の作り。
また、最近の私の視聴スタイルでは、犯人が誰かという部分に、
ほとんど興味が湧かないので、いわば第1話はひとつのお話として
完全に完結してしまっていたのだった。
ところが、2話以降のアクアとルビーが未来を切り拓いていく展開は、
芸能界という未知の世界に挑むそれぞれの想いが
しっかり感じ取られる話になっていて、とても面白かった。
全体を簡単にまとめてみると以下のように分けられる。

{netabare}1話:星野アイと推しの子
2話:ルビーのアイドルデビューへの一歩
3話~4話:アクアの漫画原作ドラマ出演
5話~8話:アクアの恋愛リアリティショー
9話~12話:B小町デビュー{/netabare}

どの話数を観ても、とても上手くまとめられていて、
何度も楽しめるほどよくできている。
そのひとつの要因は、有馬かなの存在だ。
1話から12話を俯瞰してみると、
いずれも彼女がとても重要な役割を果たし、
アクアに対する恋模様も含め、
絶妙な立ち位置をキープしていることが
面白さにつながっている。

序盤の顔芸や、押しに弱いチョロさ、
ツッコミ&解説役、仕事へのこだわり、恋する乙女心などなど
とても魅力的に描かれていて、内面の描写については、
アクアやルビーのふたり以上に繊細に表現されている。
それが、この作品の幅を大きく広げている要因のひとつ。
また、黒川あかねやMEMちょもキャラ像が
しっかりしており、今後も動向が楽しみだ。

全話を通した中でも特に好きだったのは、
漫画原作ドラマ編だった。
原作漫画のドラマ化は、現実でもほとんど成功例がないと
思えるほど難しい。

そもそも表現の都合上、漫画をドラマに置き換えるのは、
ハードルが高い上に、役者やスタッフの質に
大きく左右されてしまう。
漫画『今日は甘口で』における原作者の先生の失望と感動、
それに賭ける有馬かなの想い、アクアの自分の才能の限界に
気づいているからこそできる、見せ方のこだわりが、
上手く絡み合っていた。
絵の見せかたにも工夫が凝らされ、とても面白い話になっていた。
個人的にはアクアの演技論にかかわる部分は、
今後も膨らませて欲しい。

そして1期全体を通して素晴らしかったのは、
やはり1クールの構成が秀逸だったからだと感じる。
テーマは「秘密と嘘と本当のこと」とでも言うべきか。
私はこれまでアイドルのファンになったことがないし、
推しもいたことがないので、アイドルについての思いは
実感としては分からない。

想像するに、それはプロレスにおける
「ギミック」のようなものではないかと感じる。
私はプロレスにもそれほど詳しくないのだが、
友人のプロレスファンがプロレスを語るときに
やたらと「ギミック」という言葉を使っていたのを
今回のアニメを観ていて思い出した。
そいつは、懇々とプロレスの楽しみ方を語るときに
「ギミック」の理解について熱く説明してくれた。

昔のプロレスファンは、リング上のことを本当のことだと
思い込んでいた人がほとんどだった。
特にアントニオ猪木の時代に
プロレスをリアルで見ていた人は、そういう人も多かった。
ハルク・ホーガンのアックス・ボンバーで、
猪木が舌を出して失神したのを
全て本当のことだとほとんどの人が思っていたが、
それは後に、ギミックだったことが明らかになっている。
最近のプロレスファンであれば、
そういう出来事をリアルだと思っている人はまずいない。
つまり、リング上で演技をしていることを
全員が折り込み済みで楽しんでいるわけだ。
ベビーフェイスやヒールなど、
リング上で演じられるキャラクターがプロレスにはある。
「アングル」と呼ばれる、シナリオライターが書く筋書きがあって、
それに沿ってプロレスラーは演技をするのだ。
とは言え、そのなかにプロレスラーの「リアル」が
影響してくることがあり、
それを「ナチュラルアングル」と呼び、
観客は筋書きのなかのどこに「リアル」があるのかを
感じながら楽しむこともできるのである。

これは、アイドルと観客に対する関係性と
どこか似ている部分があるのではないだろうか。
1話でアイは、観客に嘘をつきながら笑顔を見せていたが、
あるときにルビーとアクアが観客席で
オタ芸を踊っているのを見て、
本心から「愛おしい」と思い、笑顔を見せる。
それが観客には、とても魅力的に映ったのだった。
それ以降、アイは本格的にブレイクすることになる。

そして、最終話。
{netabare}有馬かなは、自分とB小町をどこか俯瞰して演じていた。
ルビーとMEMちょを見て、彼女たちの魅力を
眩しく、羨ましく感じながら、自分には行き着けない場所だと
思い込んでいた。
そんなとき、観客席でアクアがオタ芸を踊っているのを目にする。
有馬かなは、アクアの滑稽さに吹き出しそうになりながら、
自分のアイドルに対する立ち位置は、
アクアに好きになってもらうために演じるのだと決意する。
その瞬間から、アイドル・有馬かなの本当の魅力を
観客に伝えることができるようになるのだった。{/netabare}
つまり、1話と最終話が完全につながり、
11話分でテーマがしっかり象られている。

アイドルをテーマにしたこの作品は、
少年少女がアイドル(俳優)という仕事に向き合うことの
核のようなものを伝えていると思う。
ミステリーや芸能界の裏事情をリアルに見せながら、
人間としての本質を描こうとしているのが好感だった。
{netabare}推しの子に転生するという、あり得ない展開のなかで、{/netabare}
それぞれの「リアル」を突き詰めようとしている。
「秘密と嘘」にどこで「本当」が絡み合ってくるのか。
2期ではどんな本質に迫ってくれるのかが楽しみだ。
(2023年10月29日初投稿)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 46

75.6 20 漫画原作アニメランキング20位
映画 五等分の花嫁(アニメ映画)

2022年5月20日
★★★★☆ 4.0 (189)
714人が棚に入れました
「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。これまでの努力が実を結び、高校3年生に進級することができた五つ子は、修学旅行も無事に終わり「卒業」に向けてそれぞれが将来を見据えていくことに。共に過ごす中で風太郎への恋心を自覚した五つ子と、段々と惹かれていく風太郎。風太郎と五つ子の恋の行方はいかに…!?そして未来の花嫁は果たして…
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

究極の五つ子ゲーム……ファイナルアンサー?

【物語 4.5点】
高校生活最後の学園祭。上杉が五つ子の誰を選ぶのか?
すなわちシリーズ通じて謎だった結婚式の場面。
上杉と共に歩くウエディングドレスの女性は誰なのか?

核心部分が解答されても五つ子全員が尊重されるよう
(推してるファンも冷めずにリピートできるように)
最後の学園祭を、五つ子ごとの“ルート”に分け、繰り返す構成により、尺は136分と大作化。
原作未読組の私から見ても色々削ったのだろうな……というシーンも散見。
例の如く、TVアニメ版でじっくりと……となりそうな所。

ですが、五つ子それぞれの心情を並べ、選択を迫る。
過去の経緯、現在の学園生活、未来の結婚式を俯瞰する。
その上で、五つ子たちの成長曲線と恋心の上昇カーブがシンクロする奇跡は、
高校生活のこの瞬間だけだったと納得させられる青春賛歌。
このエネルギーを一作品で表現し、ぶつけるのは劇場版でしかできない試み。
細かい不満より作品の熱量が上回った感じ。
(大体、これを1クール以上でじっくりやったら
放送期間2ヶ月くらいエンドレス学園祭をやる羽目になるかとw)

告白後の五つ子たちの葛藤も描くことで、
結婚式の“五つ子ゲーム”が上杉さん(および謎の解答をお預けにされた視聴者)をからかうお遊びではなく、
必然のファイナルゲームだと分かった時は、これはヤラれたと感服しました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作は2期以来のバイブリーアニメーションスタジオが続投。

劇場版クオリティを求める方にとっては物足りない部分も。
ただTVアニメ版の乱調ぶりを知った上だと、
絵が崩れる心配をせずにファイナルを堪能できるのは素晴らしいですw
(……と手放したい所ですが、やはり四葉の顔立ちなんかには、やはり不可解なシーンが……。
四葉のキャラデザは一貫性を保つのが難しいのでしょうか)

撮影、光源処理にはTVアニメ版にない繊細さがあり。


【キャラ 4.5点】
カリスマ塾講師で{netabare}五つ子の本当の父親の{/netabare}無堂先生。
五つ子の青春恋愛パワーを焚き付けるヒールであり、
上杉が高校で恋愛も知らずガリ勉していたらどうなっていたか?
のifも示唆する合わせ鏡のようなキャラ。

『ごとよめ』には、教師とは、教育とは何か。
勉強だけが学校ではないとしたら、学園生活とは何のためにあるのか。
を改めて問い直すテーマも内包。
クライマックスに向けて、上杉→五つ子の他にも先生と教え子の人物相関が組み込まれ、
{netabare}五月{/netabare}の進路などに絡むことで、テーマを捉える視点も多角化。
大人たちが示す人生の失敗例、多様性が、
上杉と五つ子たちの選択を受け止めるクッションとしても機能。
ただ一番削られたと感じたのも、この大人たちの関係性。
ですが、そこまで掘り下げると3時間映画になりかねないのでw致し方なしか。


推しは最後まで決められないままでしたが、
歴女属性から何となくシンパシーを感じていた三玖。
自分の想いをしっかり伝える力を得た瞬間。
エネルギーを頂きました。


着地点としては四葉が花嫁だったら綺麗なのかな?とは思っていましたが、

(核心的ネタバレ)

{netabare}その通りになりました。やっぱり幼少期、上杉と関わりがあったのは大きいです。
中学のグレた?四葉じゃダメだった、高校に入って変わった四葉じゃなきゃダメだった。
その点からも話の筋は通っていたと感じました。
無論、他の五つ子にもチャンスあったとの悔恨は残りつつですがw{/netabare}


【声優 4.5点】
一花(CV.花澤 香菜さん)二乃(CV.竹達 彩奈さん)三玖(CV.伊藤 美来さん)
四葉(CV.佐倉 綾音さん)五月(CV.水瀬 いのりさん)

後世、凄い人気声優が配役されていたなぁ~と
懐古されそうな中野家の豪華布陣も集大成。
内容も小中学生~転機となる高校学園祭の繊細な心情~花嫁姿と
道中、性格が変化する曲折も経ながら、半生記を凝縮する流石の演技。


ピックアップしたいのが五つ子の母・中野 零奈役の京花 優希さん。
2期では上杉が昔、出会った五つ子の中の“誰か”の役をイメージを崩さず演じつつ、
正体の“声バレ”も阻止していた方。
今回、五つ子たちに様々なものを継承する母親役への抜擢は心にくいキャスティング。
京花さんは他にも上杉の幼なじみ・竹林役で、二乃や三玖を慌てさせるポジションも兼任。
起用な方だなぁ~と感心します。
今後、大役が回って来たら、この方かと嬉しくなります。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は1期以来の中村 巴奈重氏&櫻井 美希氏。
ピアノやストリングスで場面を包み込む優しい音色は変わらず。
劇場版ではフィルムスコアリングで、心情とのシンクロ率がさらに上昇。

主題歌は五つ子が担当。

OP「五等分の軌跡」
一大決戦を前に「君が 大好きなんだ~ 誰にも負けない~」と競り合う。
相変わらず一人称視点で聴くとニヤニヤが止まらないラブソング。

ED「五等分の花嫁~ありがとうの花~」
5人で競い合った彼に嫁ぐ日は、五つ子の誰かが中野でなくなる別れの日。
哀愁を醸しつつも、決着すればノーサイドの清々しさも心地よいバラード。

あとは挿入歌の「ラブ☆バケーション」
{netabare}センター・二乃しか歌わないスクールアイドル?(苦笑)
二乃推しならずとも{/netabare}即死級の萌え殺しウェポンです♪

投稿 : 2025/02/08
♥ : 27
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

愛に時間を

【紹介】
劇場版ですが五等分の花嫁1期・2期のあとの話で完結編です、必ず2期視聴後にご覧ください
アニメ2期見てることを前提としていて、あらすじみたいなものはないですが、それで正解だと思います
映画館の客層は大人の男性が多いのかと思いましたけど、思っていたより子どもがかなり多かったです

【シナリオ】{netabare}
視聴前は最終的に結ばれる子中心の話になるのかな?と思ったらそこまで偏っていないのが好印象
文化祭の3日間を、5人それぞれの個別ルートで風太郎とのエピソードを入れてあるので、誰を推していても楽しめる作りになっています

1期2期通して四葉は明らかにエピソードが不足していたので、この子が昔会っていた想い出の子なのかなってのは思っていました
想い出の子は四葉で、最終的に結ばれるのは次にエピソードが薄い五月だと思っていたのですが、予想は外れでそのまま四葉でしたね
五月は信頼関係が強くて恋愛描写がほとんどなかったですが、こういう設定の作品ではとても珍しいですね、これはこれでアリだと思いました {/netabare}

【感想】{netabare}
シリーズ全体を通して、良いところはやはり五つ子の魅力の高さで、話自体は不自然なことが多くてちょっとモヤるけど
美少女の魅力を描くことに長けた作品で、シナリオの微妙さをカバーして余りあるものがありました
風太郎が最初は他人に興味がない→五つ子と接点を持つ→仲良くなったけど見分けはつかない→なんとなく見分けがつくようになる→恋愛を意識しだす→全員を識別できるようになるっていう変化が最初から最後まで一貫していて距離感がわかりやすくて上手いなーって思いました、それと対比した実の父親なのに娘を見分けられないことや、「愛があればわかるはず」っていう言葉、これらはすべて繋がっていて、最初からちゃんとした構想があったのでしょうね、いい作品だと思いました

四葉は思い出の女の子で、温泉旅館でも四葉だけは真っ先に風太郎が見抜いていたというフラグもあるので四葉と結ばれる説得力はあると思いますが、四葉は作中で個別の話が他の4人と比べて極端に恋愛から離れているし薄いのですよね
想い出の女の子で、五つ子が風太郎に会うきっかけを作ったとか色々出てきたけど、どうしても後付けという印象が強くて
アニメを追っていくと直接的な恋愛描写が少ない四葉に思い入れがあるファンは多くないと思うのですよね
振り返ると、勉強会に最初から協力的で風太郎に最初から好感度高そうだったり、旅館でちょっと話しただけで言い当ててたりちゃんとフラグは立ってるのですけど、映画を見ても正直、四葉がどれだけ風太郎のことを想っているのかは小学校の時の想い出以外には特に感じられなくて、
ニノが納得いかない風だったのも無理もないと思うのです
風太郎への恋愛感情の描写が多いミクやニノは視聴者の人気が高いようですし、やっぱり二人が仲良くなるエピソードが作中でないと、唐突感が大きいと思いました、想い出の女の子っていうアドバンテージ以外の魅力やエピソードが不足していると思うのです
つまり何が言いたいかって言うと、四葉の風太郎とのエピソードももっと見たかったってことです!

とはいえ、五人全員に風太郎との強い絆が描かれたシーンが用意されているし、それぞれ将来の目標を定めて弱かった自分を克服して頑張る姿も描かれて、さらにそれぞれの道に進んでもちゃんと繋がっていて、これからも仲の良い6人のまま人生が続いていくって感じで締めていて、五人全員が可愛いなーって印象で終われる良い映画でした {/netabare}

【残念なところ】{netabare}
風太郎の幼馴染のエピソードと五つ子の実の父親のエピソードはどっちも話が唐突で、原作の描写をカットしているのかな?って思いました
こんな薄くて唐突なエピソードならいっそまるまるカットしたほうが良かったように思います
幼馴染のほうはただの薄いエピソードだから我慢できたけど問題なのは実父のほう
五つ子の実父のエピソードはあまりにもリアリティがなくてただ不快なだけで、完結編の劇場版で見たいようなエピソードじゃなかったですね
五月を愚弄するだけで何の愛情も感じられませんでした
揚げ句に五人の父を「無責任」呼ばわりまでしてて、無責任の代名詞みたいな人が何言ってるの?って思った
この人今まで全く示唆するような描写なかったのになんで急に出てきたの?
最低な親でしたね、こんな最低なおじさんの遺伝子が五つ子に受け継がれてなさそうで良かったです
五月にとっては重要なエピソードなのはわかりますけど、それにしても他の4人とこの実父ほぼ何も話してないのも変ですよね
4人が話もしたくないのかもしれませんが、そのへんも今まで何の示唆もなかったのでよくわからないままモヤモヤするエピソードでした
ただ、これによって今までドライで冷たかった五つ子の父に対する好感度が爆上がりでした {/netabare}


【作画・音楽】
劇場版なだけあってとても作画も音楽も良かったです、いい場面でBGMが流れて大事なシーンをロマンティックに演出してくれています、主題歌も良かった!
ただ、劇場版にしては引いた絵になると不安定になるのが気になりますね。

【キャラクター】
わたしはミク推しで、次点がニノですが、二人とも持ち味が良く出ていたし成長も感じられたので満足です

投稿 : 2025/02/08
♥ : 24
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「五つ子と恋愛するお話」完結

原作未読 136分

5/23観に行きました!

テレビ版「五等分の花嫁」の続きです。テレビ版の1・2期を先に観ることをおススメします。

同学年で高校生の五つ子の家庭教師になった主人公の上杉風太郎、家庭教師をして交流していくうちに色々なことが起こり五人と風太郎との距離が縮まっていくのでした。

1期から気になっていた(煽っていたw)五人の中から誰が主人公の上杉風太郎のお嫁さんになるのかが焦点でしたね。

お話は学園祭がメインでした。3年生で最後の学園祭、色々ありましたね。
{netabare}
五人それぞれの風太郎とのシュチュエーションがあるとはw
きちんと繋がるお話でしたし、最後だからあってもいいかなぁと思いました。

色々なエピソードがありましたが、その中で今まで冷たい感じがしたお父さんとのシーンが印象的でした。

1・2期で語られていたかもしれませんが、本当のお父さんではなかったのですね。

私の押しは三玖ちゃん、やっぱりだめでしたかw

予想では本命は五月で大穴が四葉と思いましたが、まさかの四葉wでした。

よく考えたら五人のうち初めて出会ったのは四葉でしたね。

初志貫徹、風太郎と他のキャラとの恋愛絡みが多かったので予想外でしたw
{/netabare}
五人が精神的にも成長して、それぞれが別の夢に向かって走っていく、でも五人は繋がっている、観ていてちょっと羨ましくなってしまいました。

最後は綺麗に終わっています。観終わって凄く清々しい感じがしました。

主題歌は五人の中の方(花澤香菜さん、竹達彩奈さん、伊藤美来さん、佐倉綾音さん、水瀬いのりさん)が歌っています。

最後に、終わって観客の方から拍手が起こりました。私も観て大満足でした。上映時間が2時間以上ということで同じ姿勢で観ていたらお尻が痛くなりましたねw

投稿 : 2025/02/08
♥ : 22

76.8 21 漫画原作アニメランキング21位
BLUE GIANT(アニメ映画)

2023年2月17日
★★★★★ 4.1 (116)
405人が棚に入れました
「オレは世界一のジャズプレーヤーになる。」
ジャズに魅了され、テナーサックスを始めた仙台の高校生・宮本大(ミヤモトダイ)。
雨の日も風の日も、毎日たったひとりで何年も、河原でテナーサックスを吹き続けてきた。
卒業を機にジャズのため、上京。高校の同級生・玉田俊二(タマダシュンジ)のアパートに転がり込んだ大は、ある日訪れたライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈(サワベユキノリ)と出会う。
「組もう。」大は雪祈をバンドに誘う。はじめは本気で取り合わない雪祈だったが、聴く者を圧倒する大のサックスに胸を打たれ、二人はバンドを組むことに。そこへ大の熱さに感化されドラムを始めた玉田が加わり、三人は“JASS”を結成する。
楽譜も読めず、ジャズの知識もなかったが、ひたすらに、全力で吹いてきた大。幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈。初心者の玉田。
トリオの目標は、日本最高のジャズクラブに出演し、日本のジャズシーンを変えること。
不可能と思われる目標に、必死に真摯に、激しく挑む---。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

🏅ジャズ🎷演奏シーンが凄すぎて月🌘まで飛ばされるかと思いました

やがて世界的なテナーサックス奏者となる宮本大(だい)の足跡を描く、
ジャズ漫画シリーズ(第1部・5巻、仙台編~東京編序盤辺りまで購読中)の劇場アニメ化作品。

【物語 4.0点】
原作は明らかに連続アニメ化した方が適した連載コミック。
ですが原作再現よりも、映像でも“本物のジャズ”を届けたいと原作者が熱望。
これを受けスタッフは初手から音響設備で音楽体験を最大化できる劇場アニメで制作する勝負に出る。

構成は4分の1がライブシーン。
あとは東京編「JASS」3人のバンド活動を中心にピックアップしシナリオを形成。
そのあおりで仙台編にて“河川敷のコルトレーン”主人公・大(だい)を芽生えさせた恩師・由井など、大幅カットされたシナリオ多数。

だが決して物語が音楽の添え物というわけではない。
アドリブソロなどで回想カットを挿入し激情を昂ぶらせリミッター解除する。
演奏能力インフレも急激となるが、そこもバイト中のエアピアノ、エアドラムのカットで補完してエモさをアップさせる。
「ジャズは感情の音楽」、故にジャズの演奏は再現不可能な一度きりのパフォーマンス。
作品がこだわる価値観や、ジャズの火力を最大化するために必要なシナリオ熱量は十分確保されている。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・NUT

演奏シーン。私は過剰な演出を排除して、ジックリと音楽を聴かせる映像の方が好み。
ですが、本作の場合は、テナーサックス中心に音楽が怪物級に強力。
ただ奏者をキャプチャーするだけでは絵が音楽に押し負けてしまう。

よってサックスが火を噴こうが、星を出そうが、演出が時空間を超越しようが。
この音楽と対峙するなら、アニメーションも総力戦だよねと納得するしかありません。

「すべての感情を音で表現できること」を至上とする大(だい)の音楽観。
受ける作画もセリフに頼らず、時に言葉以上に感情を爆発させる必要があります。

これに対応したのが総作画監督・キャラクターデザイン・高橋 裕一氏らのスタッフ陣。
『Vivy』でも歌でみんなを幸せにしたいAIの心の在り処という難題を取り扱った高橋氏。
サックスを描くのは宇宙戦艦を描くより難しいと愚痴りつつもw
彼らの画作りがフィットしたのも私にとっては大きかったです。

何より私は青の映像が大好物。
緻密に構築された青い東京の街並みを眺めるだけでうっとりしてしまうのですw


大(だい)がビッグになる未来は確定している本作。
大の伝説の始まりを関係者に尋ねるインタビュー形式の映像もしばしば挿入され、
巨星が頭角を現すスピード感を後押し。


【キャラ 4.5点】
★超新星若手ジャズトリオ「JASS(ジャス)」

宮本 大(だい)/テナーサックス……ほぼ独学でパンチ力のある演奏を体得。「世界一のジャズプレイヤーを目指す」が口癖のジャズの化け物。

沢辺 雪折(ゆきのり)/ピアノ・作曲……幼少より技術を積み上げて来た天才タイプ。大と出会うまでは才能を持て余し、片手演奏でナメプしたりしていた(ある意味これも伏線回収されるから凄い)ジャズシーンを変えると豪語するなど、大とはまた違った、ナルシスト方面のビッグマウス。

玉田 俊二/ドラム……サッカーサークルで燃焼しきれない衝動をこじらせた大学生。部屋に転がり込んで来た大に触発され叩き始めた初心者。キャリアの中で組むメンバーを変えるのがジャズバンドと割り切る2人とは対照的に、体育会系らしい仲間意識も持つ熱血漢。

以上3人の青春劇が基軸。
雪折の上手く弾きこなせているようで実は吹っ切れていない。
張り合える巨星・大に連れられ、ぶつかれる壁にまで高められることで初めて挫折と成長を知る。
器用なイケメンが不器用に足掻く様は、何度味わってもグッときます。


ノッてる若者たちを見定めるジャズ関係者の大人たちも渋くてグッド。
{netabare} 雪折にぞんざいに扱われた後、謝罪される豆腐屋のオヤジ。
玉田の成長するドラムが好きだといってくれたファンのおっさん。{/netabare}
衰退の一途をたどるジャズ。細々と語り継ぐファンのためだけに弾いていても仕方がないというのも一理ある。
ですが、巨星が出現した時、愛をもって見極めるだけのファンがいなければ、星は輝かず廃れるのみ。

ジャズだけでなくアニメ鑑賞などあらゆるジャンルの愛好家が肝に銘じたい心意気です。


【声優 4.0点】
若手俳優のメインキャスト3人の周りをベテラン声優陣が固めて安定をはかる、よくある劇場アニメの布陣。

最適解とは思いませんが、若い勢いを大人が受け止めるという構図が多発する本作ならそれもありでしょうか。

主人公・大(だい)役の山田 裕貴さん。
今年の大河ドラマでは、主君・家康にツンツンする重臣・本多忠勝役で好演中。
大口を叩くが実力もある若者の猛々しい演技が得意なのでしょう。
声だけの本作でも、その一端は発揮されていた印象。

山田さんは共演者とぶつかることで演技が引き出される憑依型の役者。
雪折(ゆきのり)役・間宮 祥太朗さん、玉田役・岡山 天音さん。
コロナ禍でも臆せず同世代俳優3人の同時収録を敢行したのも好判断だったかと。
3人のおバカな青春の掛け合いもまずまずのお味でした。


そんな若者の鼻面をへし折ったり、引き上げたりする役回りを演じたのが平(たいら)役・東地 宏樹さん。
日本一のジャズクラブを背負うプライドと責任から放たれるジャズ愛の鞭。
そこまで言ってくれるのかと私も胸のすく思いでした。


【音楽 5.0点】
Dolby Atmosにて劇場鑑賞。

担当は世界的なジャズピアニスト・上原 ひろみ氏。
劇伴だけでなく「JASS」のライブ楽曲群、EDも作曲。
宣伝のための無粋なポップス主題歌なんて要らない。全編ジャズで貫き通す潔さ。
さらには自身も雪折のピアノ演奏担当としてプレイヤー参加。

ジャズを知らないお客さんにも聞いてもらえる演奏をする。
ジャズで一番を目指すんじゃない。東京の音楽シーンのてっぺんに立つ。
作中主人公たちの大口に、現実のプロが全身全霊の音楽制作で応える。
この制作体制が既に熱いです。

サックスなどの音圧の強さが目立ちますが、繊細さも併せ持ちます。
こじんまりとした店のピアノは敢えて調律を甘くしてもらった
との上原氏のこだわりは、素人の私には高度すぎて分かりませんがw
真摯な音作りから醸される情熱はビンビン伝わって来ました。

繊細なのは音響も同様。
ライブ会場で熱狂する観衆などは臨場感があり没入させられました。

地味にお気に入りなのは、主人公が天候に合わせた選曲意図を汲んだ一コマ。
それが{netabare} ジャズバー「TAKE TWO」店主アキコとそこを練習場にする「JASS」の縁{/netabare} の始まり。
雨音とジャズが一体となった素敵なシーンです。


【感想】
2023冬アニメ。私の大本命が期待通り、いや想像を超えたパフォーマンスで魅せてくれました。

やはりライブシーンが圧巻。
{netabare} 星はあまりに高音になると赤を通り越し青く燃えるのだ。{/netabare}
アニオリだという演出も交えてタイトル回収されたクライマックス。
感極まった私の目頭もヒートアップ。劇場から出たあと鏡で見た自分の眼が赤すぎて恥ずかしかったですw

音楽アニメとしては今年随一とか、近年屈指とかではなく、
私の生涯の中でも指折りのインパクト。
青々と魂を燃焼される演奏シーン。必見です♪

投稿 : 2025/02/08
♥ : 31

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

体の奥底まで伝わるジャズの熱量

アニメーション制作:NUT、
監督:立川譲、脚本:NUMBER 8、
キャラクターデザイン:高橋裕一、
音楽:上原ひろみ、原作:石塚真一

アニメで本格的な音楽を聴く―――
アニメを観始めたころは、そんなことを考えたこともなかった。
アニソンなんて、オタクたちの聴く声優の歌う音楽だろう。
そんなふうに思っていた私は、自分の「偏見」を恥じることになる。
今では、私は「アニソン」ばかり聴いている。

『キャロル&チューズデイ』という音楽アニメの傑作がある。
アニメとしては、微妙な部分も多いのだが、音楽は最高だった。
その作品を音楽の面で超えたと言えるのが『BLUE GIANT』だ。
演奏シーンについては、体の奥まで響くほどの凄みを感じさせる。
クリント・イーストウッド監督の『バード』という
チャーリー・パーカーの生涯を描いた映画があるが、
ライヴシーンは、それにも引けを取らない表現力だ。
それもそのはず、音楽の部分のほぼ全てを任せられたのが
世界的ジャズピアニストの上原ひろみ。
よくこんな人を1本のアニメに引っ張ってこられたと思う。
上原ひろみというと、秋吉敏子以来ともいえるほど、
日本人として世界に認められ、活躍しているジャズ・ミュージシャン。
ジャズの本場、ニューヨークの最も有名なジャズクラブ、
ブルーノート・ニューヨークで何度も公演を行うなど、
世界でも指折りのミュージシャンだ。

そんな一流ジャズ・ミュージシャンがこだわった表現。
とてつもないレベルで完成度が高い。
特に主人公・宮本大の演奏シーンには痺れる。
力強い音色、心地よいスイング、スムースなアドリブ。
そして、何よりも圧倒的な熱量がある。

最近は、ジャズをほとんど聴いていないので、
宮本大役の馬場智章は、
初めて知ったミュージシャンだったが、
経歴を見てみると、バークリー音楽大学の奨学生として
音楽を学んだエリート。
報道ステーションのテーマ曲を手がけ、
リーダーアルバムを2枚リリースしているという
期待のジャズマンだそうだ。
上原ひろみからの要望をしっかり受け止めた
その表現はどこか別格な雰囲気さえ感じさせる。
コルトレーンっぽさを感じたと言ったら言い過ぎだろうか。
漫画は読んだことがないが、
この作品にあまりにもぴったりとはまる演奏だった。

ジャズを聴くようになってから、
音楽表現の幅広さや奥深さが、それなりに分かるようになった。
初めて聴いたのはデクスター・ゴードンの『GO』というアルバム。
1曲目の『Cheese Cake』に魅了された。
テナーサックスの音色とその空気感に衝撃を受け、
ジャズという音楽にはまっていった。
ジャズの真の魅力を知るには、ライヴに行くのがお薦めだ。
映画のなかでも語られるが、
ジャズの聴きどころは、即興(インプロヴィゼーション)にある。
そこで感じるのは、「メロディの良さ」ではない。
私たちは、幼い頃から西洋音楽を基礎とした音楽を
ずっと学んできているので、
音楽をメロディでしか聴かない人が多い。
しかし、黒人音楽をベースとした音楽では、
リズムや流れのほうが重要になってくる。
例えば、黒人たちが白人アーティストの
1枚のアルバムを聴いたとき、
間奏の部分で大いに盛り上がったりすることがある。
作曲家がリズムやテンポを重視した聴きどころを
持ってきている場合も多く、
これを「ブレイク・ビーツ」と呼び、
西洋音楽との大きな違いとして今では幅広く認識されている。
つまり、演奏者や作曲者の「ノリ」のような部分が
凝縮されているような音楽になっていることがあるのだ。
黒人音楽であるジャズの聴きどころが、
メロディ部分ではなく、テーマの後のアドリブ(即興)にあるというのは、
そういう感覚が大きく影響している。
だから、ジャズの良さを知るには、
ライヴを聴くのが手っ取り早い。

私もジャズの本当の良さが分かるようになったのは、
ライヴに行くようになってからだった。
チック・コリアやハービー・ハンコック、キースジャレット、
ゴンサロ・ルバルカバのピアノ、アート・ブレイキー、
ジャック・ディジョネットのドラム、
グラント・グリーン、ウェス・モンゴメリーのギター、
マイルス・デイビス、ケニー・ドーハムのトランペット、
チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーン、
ジョシュア・レッドマンのサックス。

かなり昔の話だが、『BLUE GIANT』の作中に登場する
有名ジャズクラブSo Blueのモデルであるブルーノート東京で、
ジョシュア・レッドマンのサックスを聴いた夜の
震えるほどの感覚は、今でも忘れられない。
天才的なアドリブとスムースなフロウ、
音が体に沁み込んでくるような感覚を覚えたのは、
あの夜が初めてのことだった。

『BLUE GIANT』を観て、
音楽を聴いて恍惚としたブルーノートでの体験を思い出した。
そんなことを感じさせるほど
『BLUE GIANT』には、質の高い音楽がある。
上原ひろみが音楽全体を仕切っているのだから、
ある意味、当然かもしれないが、
主要曲の作曲も行うなど、
かなり力を入れていることが分かる。


反面、ストーリーについてはそれほど驚くべき点はないともいえる。
地元の仙台の川辺でひたむきにサックスを練習していた
主人公の宮本大が世界一のジャズプレイヤーになるため、
東京に出て仲間を作り、奮闘していくというのが基本ストーリー。
ただ、この作品には、シンプルで真っ直ぐなストーリーが合っている。
ジャズという音楽から感じられる泥臭さや熱量が物語から滲み出てくる。

漫画の存在は知っていたし、
映画化されたことを耳にしても、
ジャズを一般の人を相手にアニメで表現するなど
無理な話だろうと思っていた。
好きな人には申し訳ないが『坂道のアポロン』が
放映されたときにとても期待して観たのだが、
音楽面でとても落胆したことが
記憶に深く残っていたこともあった。

日本アニメは凄い。
ジャズをアニメでここまで表現できるということは、
もう何でも実現可能な気がする。
多くの人が指摘しているように
演奏シーンでのポリゴン表現は残念だった。
ここを上手くやっていれば、さらに評価は高まっただろう。
個人的には、そういうマイナス部分もカバーするほど
音楽面が素晴らしかった。

日本アニメが「本物」を制作することのできる
世界でトップの業界なのだろうということを
改めて感じさせてくれた。

※ところで、作中に登場したソニー・ロリンズならぬ
ソニー・スティットについてだが、
『Sonny Stitt/Bud Powell/J. J. Johnson』というタイトルの
鳥が飛んでいる珍妙なジャケが目印の人気アルバムがある。
ジャケのしょぼさに反して中身の演奏の迫力がとんでもなくて
笑ってしまうほどだったのを思い出した。
もし機会があれば、一聴して欲しい。
(2023年4月2日初投稿)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 30

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

素晴らしいジャズ演奏に酔わせていただきました🎵

仙台市出身の宮本大(みやもとだい)は世界一のジャズプレイヤーになるべく単身東京に降り立つ。
そして彼の人柄と熱い音楽に集まった沢辺雪祈(さわべゆきのり)と玉田俊二(たまだしゅんじ)と共にジャズバンド"JASS"を結成して・・

原作は石塚真一さんのコミックで全10巻(第1部)。
現在は第4部のニューヨーク編連載中みたいです。
主人公のダイの出身地が地元ということもあり、そしてジャズも嫌いじゃないのもあって原作は第2部のヨーロッパ編まで読んでます。

原作は話も面白いですけど、読んでると音楽が聞こえてくるような迫力ある描写が特徴的で、「これアニメ化して欲しいけど難しそうだな」って思ってました。

映画化の話を聞いて嬉しかったですけど、10巻の内容をどう取捨選択してあの作品のエッセンスを失わずに作品化できるのかちょっと不安でした。

で、劇場は都合で行けなくて今回配信で見たんですが、なかなかうまく落とし込んでるなって感じました。
本当はダイがジャズと出会った高校時代の様々なエピソードもなかなか良くて好きなんですけど、この作品で一番観たかったのはやはり演奏シーン!!
ジャズピアニストの上原ひろみさんの音楽をはじめとした素晴らしいジャズ演奏に酔わせていただきました🎵

それから見てていいなと思ったのは、ダイ、雪祈、玉田 3人の距離感が素敵だったこと。
お互い言いたいことを言い合って、でもさりげなく相手を気遣ってたり・・
これもダイという魅力的な人柄とサックスがあったからなのかもですね。

作品のタイトルの一部にもなってる"BLUE"
元々黒人音楽の憂いを帯びた感じから来ている言葉で、ブルースの語源にもなっててジャズにも良く使われてるんだけど、作中でダイが「ジャズはとても熱い音楽だべ。一番熱い炎は青いんだ」みたいなことを言ってて、そういう解釈も素敵だなぁって思いました。

仙台は毎年9月に「定禅寺ジャズフェスティバル」を市内あちこちで多くのバンドが参加して2日間開催しています。
最近はコロナの影響で縮小傾向にありましたが、知り合いが参加してることもあり、ちょくちょく見に行ってました。
ダイの出身地が仙台なのも、このイベントが発端みたいです。

音楽好きな方におすすめしたい作品です。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 26

71.7 22 漫画原作アニメランキング22位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(アニメ映画)

2024年3月22日
★★★★☆ 3.8 (59)
247人が棚に入れました
東京で女子高生ライフを送る小山門出と中川凰蘭。学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日から、突如現れた巨大な宇宙船「母艦」が浮かんでいた。異様な光景は日常に溶け込み、当たり前となっていたが、ある夜、東京で悲劇が起こる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

クソやばい地球人の青春に遭遇した宇宙人には同情を禁じ得ません

3年前“8.31の悲劇”以来、宇宙からの“侵略者”の巨大<母艦>に覆われる東京。
その下でハイテンション女子高生ライフを送る主人公少女らの日常と、
<母艦>という非日常が混ざり合う中で、やがで開示されていく真相と共に、日常と世界の破滅が示唆される同名コミック(未読)の劇場アニメ化作品の前半部。


【物語 4.5点】
作風は青春の一頁が世界の一大事とシンクロするセカイ系の再生産。
2014~2022年連載作ということで東日本大震災後、コロナ禍の世相も取り込んだ人間&世界模様が描かれる。


大抵のセカイ系でイタいのは主に思春期主人公の周辺になりますが、
本作の場合は災害、事故での犠牲者ニュースをも、スマホゲーのイベントと並行してコンテンツとして高速消費して、飽きたらもうオワコンだと使い捨てていく情報過多社会の病理。
マスコミを不信する余り、ネット上の陰謀論界隈に沼る母親。
個体ごとの正義を絶対化し、SNS上でマウントを取り合うまででも十分イタいのに、武器を持って傷つけ合うまでエスカレートする人類の異様。
など、東京及び日本、地球全体がイタくて終わってる感が、痛いトコロをマシンガンのように撃ち抜く台詞回しによって醸し出されています。

大体、宇宙からの“侵略者”として<母艦>に防衛利権の匂いをプンプンさせながら、大仰なレーザー兵器で攻撃を仕掛けているわけですが、
彼らの目的が侵略かどうかなどは真剣に議論されることはなく。
そもそも実は{netabare} “侵略者”が直接手を下した犠牲者はゼロなのでは?とすら思います。
8.31の被害は<母艦>を<A爆弾>により攻撃した米軍によるものですし、
作中での犠牲者も小型&中型船への“防衛行動”の巻き添えを食ったものなのではないでしょうか。{/netabare}
リスクをあると決め付けた人間社会のおぞましさ、滑稽さの炙り出しも上々です。


人間視点のSFとして挑むと、全体に日常がとっ散らかった感、
後半、主人公少女2人の青春が事の発端と結びついた回想という、世界がひっくり返るシナリオ転換などに振り回される危険性もあります。

が、私の場合は冒頭から、これは地球人を観察する宇宙人の視座で俯瞰した方が折り合えると割り切って観たので何とか付いて行けました。

特に産業革命以後、200年程度という宇宙から見れば瞬きする間に、
文明を急発達させ、爆発的に増殖し、地球を壊す勢いで戦争や大量虐殺(ジェノサイド)を繰り返して来た人類。
この原爆を持ってしまった猿の如きキモい地球人。
果たして心の成熟は伴っているのだろうか?
ちょっと“イソベやん”の“内緒道具”を渡して裁定してみよう。

前章終わった段階で世界は一層波乱含みですが、
後章に向けて、命綱となるテーマは提示されていると思うので、
手応えを感じながら後半戦に挑みたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ Production +h(プラスエイチ)

個人的に、初代『ガンダム』、今敏監督の方の『パーフェクトブルー』など、
人間の顔ってちゃんと観察すると美形一辺倒ではなく、
時に昆虫の如く気持ち悪くもある。
そこを再現できている人物デザインに対しては点数を盛る傾向にありますが、本作も同様。
私は特に、おむすび顔に円な瞳のメガネ娘・出元亜衣のデザインが好きです。

<母艦>周辺に揺らめくレタリング?が、
ゴシック体で打ち出される作中テロップの生成、解体過程でも垣間見えるのも意味深。

観察者視点に一歩引かせる地球人デザインと、テロップのレタリングが、
私を冒頭から宇宙人視点に誘導した主因。


細部の背景美術にも社会風刺などを含んだ表現が散りばめられ情報量は多め。
私の脳裏に焼き付いているのは、8.31以降は数える程しか出ていない“侵略者”への防衛行動での民間犠牲者。
それをトップニュースで大騒ぎする傍らで映し出される交番の看板。
<母艦>関連を遥かに凌ぐ数の交通事故死傷者数。
この辺りも騒ぐと決めたニュースばかり取り上げるメディアと、
反発して陰謀論に囚われるネット民という両極端を想起させられジワジワ来ます。


総じて巨大<母艦>の大技だけではない、地球人のイタい所を表現する小技も効いた刺激的な作画です。


【キャラ 4.5点】
主人公の眼鏡っ子・小山門出(かどで)
ロングツインテールの中川凰蘭(おうらん)こと“おんたん”
メイン2人に、恋愛リア充を目指す栗原キホ、出元亜衣、
無口な長身黒髪ロング・平間凛。
JK5人グループが頭のネジが外れた掛け合いを繰り広げて、
<母艦>の非日常に対峙する日常世界を構築。

例えば門出は担任教師の渡良瀬を慕っていますが、
この教師と生徒2人の会話も、ちゃんとした型に収まり切らない人間と青春を示唆していて不謹慎で面白い。

あとは、おんたんのイケメンメタボな兄で“ネット監視員”(ニート)のひろしが挑む、
SNS空間に広がる“情弱”どもの“総意”とか。

全体に、情報社会に監視されることを前提として、
火を点けられないように社会が強いた役割を仕方なく演じてやってる倦怠感が滲み出ており、
これもまた地球人のオワッてる感を濃厚にします。


【声優 4.0点】
主演・小山門出役にはYOASOBIのボーカルとしても活躍する幾田 りらさん。
相方の中川凰蘭役には、あのさん。
メイン2人にアーティストをオーディション選出して周りをアニメ声優で固める布陣。

“ナチュラル”なボイス素材を求めてのアーティストの主演起用。
確かにおふた方とも、地声が高音スウィートなアニメ声で天然素材としては上質。
ですが、私はやはり自然体を求めるにしても、演技力を磨き上げた声優にナチュラルな演技をさせるのがベストと考えるので、この点数が上限。

ただアーティスト2人でと決めた以上は、
下手に声優の枠にはめずに、2人の表現者としての感性に任せるという判断は、素材を活かす上ではベターな選択。
掛け合いシーンでは同じ歌手ならではの波長が合い、
仲良く喧嘩する良いリズムが生まれていたそうで。
声優陣も交えたJK5人組のバカ騒ぎの空気感もスムーズに出ており心地良かったです。

原作者いわく、アフレコ時は、主演おふた方とも作品世界に入るための準備はしてくれていたとあって、
宣伝目的で起用した俳優・タレントを“お客様”扱いする劇場アニメ作品よりは良好な仕上がりだったと感じました。


EDクレジットの最後には、
門出が愛読する作中漫画でシナリオにも深く関わる黒い『ドラえもん』?wこと「イソベやん」にて、
イソベやんに“内緒道具”をせびる自堕落女子・デベ子を演じたTARAKOさんへの追悼コメントが表記。
『ちびまる子ちゃん』のさくらももこ役など、だらけた演技も天下一品の楽しいお方でした。
ご冥福をお祈り致します。


【音楽 4.5点】
情報過多な東京の日常社会に溢れる生活音、
そこを切り裂く<母艦>絡みの非日常の異音、放たれるレーザー兵器の発射音など、
立体的に表現された音響は、本作劇場鑑賞の一番の意義と言っても過言じゃありません。

主題歌は主演アーティストのお二人が担当。

前章はano feat. 幾田りら「絶絶絶絶対聖域」
作編曲を凛として時雨のTKが担当。

曲調はテンション高めの無邪気な作風ですが、
歌詞世界は“地球オワタ”“地球が壊れたよ”などとシッカリ病んでいるので油断は禁物ですw

投稿 : 2025/02/08
♥ : 22

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

後章前夜に一挙轟音上映をやるだってぇ〜!!??。(お金は何処からも貰っておりません)

 まだ前編なので評価は確定できませんが、評判通りの次が楽しみな意欲作です!。


 原作は読んでないし、浅野さんの作品は弟が中2期に「プンプン」にはまっていたのを横目で見ていたくらいであんまり縁がなかったですが、本作は「地球外少年少女」を制作した新鋭のProduction +hが手掛け、脚本はお馴染み吉田玲子さんと私の興味を引く要素が揃い、信頼がおける方々の評価も高いので見に行っちゃいました(監督さんの前作が評判悪いから二の足を踏んでたのですが)。



 第一声としては、やはり「セカイ系」はこういうダークな破滅へ向かう話のがイイネ!ということに尽きます。新海さんの「君の名は」以降の作品や「シンエヴァ」も、独りよがりなくらいにセカイ=自分であるが故に現実の世界や他者に対する恐怖だったり不安だったりがダイレクトに出ていた、歪だからこその魅力だったのに作家性を捻じ曲げて無難な大衆性に着地しちゃった感が物足りなかった。


 しかし、本作はちょっと直接的過ぎなくらいだけど、社会というトンネルのカナリアとも言える作家が3.11後やコロナという不安を感知して描いた作品として非常に社会性が高い。だから立派で価値がある!なんて言いませんが凡百の作品より遥かに興味深く、かなり風呂敷も謎も広がっているのでどう収拾するのか?或いはケンイシカワの如くぶっ壊して終わるのか?。とにかく続きへのヒキが素晴らしい。


 アニメーション全般としては、浅野さんのとは少し違うかもだが背景とキャラが非常に上手く調和していて、主張し過ぎないが実に良い「雰囲気の魔術」を産み出せてるし、タレント声優ともいえる主役の二人も非常にはまっている!。デブ過ぎるがイケメンな諏訪部さんのお兄ちゃんも良かった。ただ、声優といえばまさか本作がTARAKOさんの遺作とは知らず驚きました。イソベヤン、漫画の中だと杉田さんなんだから劇中でも杉田さんの方が良かったのになぁ…ってもあります。


 まぁ、後半で力を得たあの子がああなっちゃうのはちょっと展開に無理ないか?とか、親が毒親なのもなんか作為的な毒親感で少々不満もあった。これからはわかりやすい明白な毒親より、全然悪人じゃなくて一般的には良い親なくらいなんだけど根本的に大切なことに対して無力だったり思考停止してたりするリアルな駄目親の方が描かれて欲しい。


 繰り返しになっちゃいますが、結局まだ前編なので評価は保留な感じですが、とにかくこの物語やキャラがどんな結末に行き着くのか見たくてたまらなくさせてくる作品ではあることは間違いないでのオススメです!。子供時代のオンたんだけで個人的には良し!。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 13

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

衝撃作です。青春と正義と災害を描いた壮大な日常系本格SF。追記 2回目見ました。

 インデペンデンスデイ、ニーアアンダー7、ヒドゥン、デスノート、マイケルサンデル、ゴジラ、時をかける少女、311、機動戦艦ナデシコ、タコピーの原罪、ドラえもん…の要素が入った日常系です。
 他にもあるでしょうが、要するに要素が多いです。それぞれの視点で分解する難易度は高くないです。

 いや、すごかったですね。上映時間120分らしいですが、体感時間は80分くらいかな。情報量は180分くらいのが圧縮されている感じです。ジェットコースターの様でいてのんびり女子だけ(ではないですが)青春ものでもあります。

 浅野いにお氏の作品は「うみべの女の子」が好きで何度も読んでいますが、それ以外はどうも性が合わず本作も1話を試し読みかにかをして切っていたと思います。ただ、本作を見てやはりマインドは一緒かな…と。読んでみたくなりました。結末は違うと公言されているみたいですし。

 大人になる意味、現実社会に生きる思春期の精神の中身といえばいいのでしょうか。進路、恋愛、性、親、天才と凡人、いじめ、正義、友人…そういうものが襲い掛かってくる小学校から高校時代の生きづらさをSF的表現で見せたような感じです。

 災害のオマージュとして、日常と非日常のシームレス感あるいは断絶感が同時に存在するような作品ではありますが、一方でこの思春期に襲ってくる精神的なクライシスのオマージュとも見えます。

 テーマは結末を見ないと何とも言えませんが、ストーリーとしての結末は分かりませんけど、思春期の落としどころになるのかなあ、という気はします。

 特筆すべきは映像がすごい…というと語弊がありますかね。2次元アニメ的なアニメ表現ですが明らかに3DCGですよね。見やすいのなんの。エフェクトだよりでなく、戦闘シーン頼りでもないです。それでいて構図はいいんです。

 脚本も詰め込んだなかに映像表現で上手く補完しているので、結構頭を使わなくても話の筋は素直に読めます。伏線とか考察とかそういうのを無理にする必要がない分かりやすさです。考察系とエンタメ系の要素のいいところが上手く組み合わさっています。演出も面白さと迫力と緊迫感と上手く表現できていたと思います。

 むしろ頭を使うのは別のところですね。頭がクラクラします。SFと書きましたけど表題がデーモンなので…まあ、それは後半ですね。

 稀にみる名作になる可能性を秘めています。後半次第ですけど。私は絶対に行きます。
 で、映画で一儲けした後でいいので、120分×2で240分です。つまり20分×12で1クール行けますよね?広く世間に公開してはどうでしょう?

 私平日に見ましたが、サービスデイなのに2人しかいませんでした。この作品が埋もれるのはもったいないです。



追記 無理無理時間作って前章も見てきました。

 後章がもう始まっていますが、なんとか上映館を見つけ無理無理見てきました。やはり面白いのは前章、感動・深さは後章という印象です。

 前→後→後→前という順番で見ました。

 で、2回目を見て気が付きました。この作品は「これからどうなるの?」がとても素晴らしい構成にまとめられています。ですので、面白さで言えば1回目が圧倒的に面白かったです。

 ただ、後章をみてから前章を見ると、ああ、そういうことか…とか、微妙な伏線に気が付いたり、意味が重層的になったり見方が変わったりという深堀りができるようになります。

 まこととふたばがなんで田舎から出てきたの?とか東京という意味が分かってくると味方が変わります。
 あるいは、前章の小学生の門出の正義と、後章のシップと小比類巻の正義の対比の構造とか面白いですね。
 イソベやんはもちろん「トモダチ」ですが「未来」「正義」「便利道具」などなどいろんな意味を後→前で見ると感じました。

 で、あとはアメリカで12巻まで含めたであろう、配信版が始まったらしいですね。コミックスで確認しているので、マストではないですが、見たいものです。

 あと、EDのANOさんという声優の人の曲の入りは本当に良かったです。(いやもちろんANOさんという人の名前と顔くらいは知ってますけどね。歌手だったんですね)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 12

70.4 23 漫画原作アニメランキング23位
オーイ!とんぼ(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (98)
234人が棚に入れました
トカラ列島を舞台に、ゴルフと人が紡ぐドラマティックストーリー 過去を捨て、世間から逃げるように鹿児島県「トカラ列島」に移り住んだ五十嵐。 "日本最後の秘境"と言われる"火之島"で出会ったのは、島でたった一人の中学生、とんぼだった。 天真爛漫な少女は、とんでもないゴルフの才能を秘めていた!? この出会いをきっかけに、二人の運命が大きく変わっていく…。

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ストーリーで勝負してるゴルフアニメの良作

鹿児島の南にあるトカラ列島の日之島で育った中学生の大井とんぼが熊本から来た元プロゴルファー五十嵐(イガイガ)と出会い・・から始まる物語。
全13話。原作はゴルフ雑誌に掲載されている50巻を超える長編漫画らしいのですが未読です。

絵柄とか素朴な感じで、朝アニメっぽいなと思ってたら本当に朝アニメでしたw

ある理由で日之島を離れたくないと固く思っていたとんぼが、イガイガたちと出会い、好きなゴルフがもっと好きになって自分の知らない世界を見てみたいと「決意」するまでのとんぼの成長がとても丁寧に語られていて、終盤の展開はじんわりくるものがありました。

また、ゴルフ雑誌掲載漫画だけあって、とんぼの凄さを細かく解説してるのも、ゴルフやらないので真偽は不明ですが妙に説得力ありました。この辺、ゴルフやられている方の感想聞きたいです。

とんぼの天真爛漫なキャラも良かったです。やたー!!がかわいいですよね。

とにかくお話自体がとても面白くて今期作品の中でも楽しみに見ていた作品でした。

こういう掲載誌も漫画誌じゃない地味だけど良い作品がこうしてアニメ化されたことに素直に感謝したいです。

2024年秋に2期が決定みたいで、とんぼが大会などで活躍する姿を期待しながら楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 27

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

これはゴルフアニメであるとともに心温まるヒューマンアニメ

このアニメの舞台は鹿児島県トカラ列島のとある小さな島。
中年のイガイガ(五十嵐のあだ名)は、職を得るために島にやってきたのですが、
この島で、中学生の大井とんぼと出会います。
とんぼは、型にはまらないゴルフをする天才少女。
この第一部では、とんぼが中学を卒業するまで描いており、イガイガの指導によりとんぼが成長する物語です。

但し、ゴルフだけでなく、心温まる内容や、深く考えさせられる事象も結構あります。
そしてなによりも、とんぼの明るさが、たまらなく私の心を癒してくれました。
ゴルフ好きの人だけでなく、都会の喧騒に疲れた心の人にもお勧めのアニメです。


イガイガは脛に傷を持つ男。
過去にゴルフ界で不祥事を起こしたために、プロ資格を剝奪されています。
離島にやってきたのは、過去と決別するため。ゴルフと縁を切るためでした。
でも、とんぼのゴルフを見ていたら、ゴルフが大好きで大好きでたまらない自分を知ります。
自分の心を偽るなんてできないのです。
そして、「とんぼを成長させよう」という思いがどんどん膨らんでゆきます。

とんぼは幼い頃に両親を亡くし、本土にいる親戚から冷たくされた経験を持つ少女。
ゴンじいに引き取られて島に来てからは、過去の出来事がトラウマとなり、決して島から出ようとしません。
島にいればみんなが自分を守ってくれる。嫌な思いをすることはない。
それだけ島の人たちが優しくて、本土で親戚から受けた仕打ちがつらかったのですね。


この物語では、一生島から出ずに生きてゆくことが、果たして良いことなのかどうかを考えさせられます。
島から出ると、今まで知らなかった楽しいことや美しい景色を見ることができます。もちろん嫌なことや知りたくもないことを知らされることもあると思います。
でも、それらを知ったうえで島で一生を過ごすのと、何も知らないで島で一生を過ごすのとでは全く違います。


ゴルフだけでなく、とても心温まるアニメでした。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 23
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

子の幸せを願う親心に刺さる

みなさんのレビューの評価を拝見して2期より視聴。
ゴルフの心理をうまく説明してもらいながら楽しく視聴しました。
その後、穴埋めをするような感覚でⅠ期を視聴。

素直に楽しかったです。

「オーイ!とんぼ」の主役は 大井とんぼ(おおいとんぼ)
島に住んでいる女子中学生。
元プロゴルファーの五十嵐が島にやってきたところから物語が始まります。
天真爛漫なとんぼ。島での遊びはゴルフ。クラブ一本でコース攻略をするとんぼの姿に五十嵐は閉ざしかけていたゴルフに情熱がともり始めます。「とんぼのゴルフを世界で試してやりたい。」
Ⅰ期で、どんな物語を経てⅡ期にたどり着くのでしょうか。

島の人との関わり合いのシーンは心が安らぐ感じが良いです。
一番みどころは13話 {netabare}プロポーズです。
「島の子供達は皆の子供だ」は凄く良かったです。
アニメで普通に真面目なプロポーズは中々無いのでは笑。{/netabare}
成長を伸ばし、時には守るような親心を感じるアニメです。
なるほど、なるほど。
Ⅱ期で頑張っていたとんぼの原点がわかる良い作品でした。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 22

71.3 24 漫画原作アニメランキング24位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(アニメ映画)

2024年5月24日
★★★★☆ 3.8 (45)
163人が棚に入れました
「ソラニン」などの浅野いにおによる漫画をアニメーション映画化した2部作の後章。
入試に合格した門出と凰蘭は、亜衣や凛と同じ大学に通い始める。大学では竹本ふたばや田井沼マコトと意気投合し、尾城先輩がいるオカルト研究会に入部する。一方、宇宙からの侵略者は東京各地で目撃され、自衛隊は駆除活動を続けていた。上空の母艦は傾いて煙を上げ、政府転覆をねらって侵略者狩りをする過激派グループの青共闘も暗躍するなど、世界の終わりに向かってカウントダウンが始まるなか、凰蘭は再び不思議な少年、大葉に遭遇する。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

世界を変える想いが主人公特権じゃないが故の興味深い混沌

引き続き原作未読で劇場鑑賞。

【物語 4.0点】
率直に言って、スッキリとは終わらない、凄くモヤモヤする幕引きとの印象を受けました。
ですが興味深いとの感想も得ました。

主人公の“おんたん”こと中川鳳蘭が小山門出を想う気持ちが、
世界に大きな影響をもたらしていたというシナリオ。
本作の場合これが主人公補正の無限チート能力ではなく、
{netabare} “侵略者”から提供された並行世界の別時間軸にシフトする{/netabare} 高度な技術が裏付け。
技術が有限である以上、おんたんの想いが世界を変える力にも限度がある。

さらに、想いで世界を変えたい、一矢報いたいのは、おんたんや門出だけじゃない。

後章、実質3人目の主役ポジだった大葉。
人間のアイドルの身体に“侵略者”の意識を移植した彼もまた、
{netabare} おんたんへの恋慕{/netabare} も交えた想いを原動力に最終決戦に挑む。

“侵略者狩り”集団を率いる小比類巻 健一も、
想い人を喪失した復讐という負の感情から“侵略者狩り”を行い、
人類終了後の新時代主導を目論んだ。
彼もまた、想いで世界に影響を及ぼそうとした一人でしょう。

その他にも、世界にぶつけたい想いを抱えた登場人物は数多くいましたし、
各並行世界に現れる事象というのは、こうした無数の想いが入り乱れて成される。
よって一個人が世界を思うがままに改変したいというのは不毛。
例え、その想いが高度な文明の支援を受けたとしても、
宇宙から、さらに{netabare} 次元越しに存在を瞬時に消滅できる{/netabare} 神の審判レベルに超越した存在が干渉してくれば、大局の主導権は敢え無く奪われてしまう。

やり直しなど無意味とこぼした“侵略者”の警鐘?が、
終盤になるほど重たく鳴り響きます。


個人が世界を変える限界をこれでもかと描写できているからこそ、
世界を決め付ける自称絶対の法則やイデオロギーよりも、
自分にとって絶対なあの人と共に生きることを大切にしよう。
人類終了騒動の顛末と併存する、おんたん&門出のゆる~い日常がかけがえのないものに思えて来ます。

事態は混沌としていましたが、終末を前にした各登場人物たちの想いは整理された良シナリオだったと感じました。

脚本・吉田 玲子氏が私の鑑賞動機の一つでしたが、
人の心を扱う物語をさばかせたら彼女は一級品だと再認識しました。
吉田氏、次は今夏末の山田 尚子監督映画『きみの色』の脚本。
私も終わらない夏休みを夢想しながらw心待ちにしたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・Production+h

巨大円盤とそれに対抗する決戦兵器という想像し易い凄さ、ワクワク感があった前章に比べ、
原理すら想像が付かない未知の存在への畏怖がより強調された3DCG。
黒い護岸ブロックを巨大な浮遊球体として構築したような“ゼロ磁場”から繰り出される超常現象の再現が象徴的。

“侵略者”、人類共に血しぶきを上げて弾け飛ぶなど、
グロ表現も容赦なく、
暴力の是非について鑑賞者に突き付けるのに十二分。

異なる時間軸を行き来したり、覗き見たりしながら、
時系列も前後する複雑なプロット構造でしたが、
碁盤調にワイプする画面演出など、作画の支援もあって、
私は何とか付いていくことができました。
ただ換言すれば、背景、作画からの情報も読み解いていかないと置いていかれるので、集中力は必須です。


【キャラ 4.5点】
大学に進学した、おんたん、門出たち。
平和主義者の竹本ふたばを取り込んでいく“侵略者”保護を叫ぶ集団SHIPと、
それを潰そうとするカウンター勢力など、
我こそが絶対の社会正義だと思い上がるキャンパスの痛い連中も、高解像度で再現。

一方で展開される、おんたん、門出それぞれの恋模様、二人の友情とのコントラストで、
世界を決め付ける絶対のイデオロギーより、個人にとっての絶対であるあの人と一緒にいたいという論点がより明確化。

その流れから、私がずっと追っていたのが、ジャーナリストの三浦太郎。
“侵略者”の扱いを巡り対立を深める両陣営からは距離を置き、
社会正義に血眼になる学生に、
後々、笑い話になることを祈るよと冷めたアドバイスを送る。
だが、彼もまたポジショントークで上手く立ち回っているように見えて、
結局はバランス良く真実を追求する気分を視聴者に与えるコメンテーターという商品を提供、消費される存在に過ぎなかった。
その“商品価値”が毀損されるに及び、訪れた顛末もまた考えさせられるカットでした。

この観点から、おんたんの兄で、“自宅ネット監視員”中川 ひろしも、
SNS等で意識高い系や陰謀論者が続々沸いて出てくる惨状を嘲笑する、
私が前後編通じて、視点を共有しやすい良キャラでした。

終盤には{netabare} CG映像に取って代わられた荻野総理{/netabare} などディープフェイクの要素も絡んで来たりして、社会風刺は上々。
それらを織り込んだ独特のセリフ回しにも含蓄がありました。

私がツボった、かつ可哀想だなと思ったのが、
{netabare} 高校卒業して晴れて“解禁”となった渡良瀬先生との恋愛がイマイチ進展しないことに苛立った門出の腹いせに、とばっちりでク◯リプを投稿された芸能人の件w{/netabare}


あとは、大学のオカ研会長の“ブロッコリー”尾城先輩。
これ見よがしに空を覆う巨大母艦なんてUFOじゃないとのオカルトの主張。
私も全力で同意しますw


【声優 4.0点】
大葉役の入野 自由さん。
無味乾燥だった“侵略者”が人の想いを知って変わって熱くなっていく過程を好表現。

小比類巻健一役の内山 昂輝さん。
躊躇なく“侵略者”を虐殺する圧倒的な暴力を行使し、
非暴力を主張する“侵略者保護”の学生運動にぬるいとマウントを取る言動。
人間が暴力を否定し続けても尚、惹かれてしまう理由。
正論なんだけど怖いし間違っている気がする。
微妙なさじ加減を、おどろおどろしいボイスを駆使して体現。

実力者声優二人の競演が、後章のクライマックスを引き立てる聞き所。


【音楽 4.0点】
後章ED主題歌は幾田りらfeat.ano「青春謳歌」
主役二人がポジションを前章から入れ替えてのコラボソング。
世界をひっくり返す危険性が醸されていた前作よりも、
ゆる~いギターサウンドがリードする日常系で穏やかに締めくくる。

“人類が終わる”その時のシーンでは、
2015年に原作者が作詞でコラボしたアイドルソング、でんぱ組.inc「あした地球がこなごなになっても」が起用。
こちらも世界が滅びるからって深刻にならず楽観的に過ごす、
本作の世界観を拡張する明るい曲風。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 20

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

半端な結末が生み出す不思議なカタルシス。期待以上ですが余韻が薄いかも。

 感想を一言で言えば期待以上にカタルシスが大きかったという感じでしょうか。結末がすべてな気がします。今までの積み上げが意味を持つ瞬間という感じです。いや、意味を失うからいいのかもしれません。

 面白いかと問われると一般的には面白くない…というと語弊はあります。途中から一体どういう物語の着地をするんだろう?という部分に関心が行ってしまいました。それを面白いというのかはわかりません。

 物語は前章でも感じた通り借り物ばかりです。ですので普通に考察していた人は普通に物語の構造は読み取れていたと思います。
 一方含意についてですが、前章で「ドラえもん」「時をかかる少女」オマージュがすごかったですが、後半はどちらかと言えば「エヴァ」が露骨でした。ですがエヴァよりも格段に中途半端です。

 この作品は、その結末の中途半端さ、描かない部分がいいんですよね。要するに人類が続く限り同じことを繰り返すわけだと思います。それが何かハラ落ちというか、胸にきてしまいました。
 となってきたときに結局明確な答えなどない、修正もできない、リセットなんて都合よくできない。誰がいつ死ぬか、何があるかわからない世界で人とつながりを大切にしながら、生きてゆくしかないじゃんという結論になりそうです。

 政府や企業はみんな深く考えているようで、結局場当たり的なところがこの社会の愚かさを適格に表現していた気もします。陰謀論なんて実際はこんなものなんでしょう。

 一方で日常パートですが、都会に生きる生きづらさっていうとそれも違う気がします。生きている方はみんな日常を普通に生きている感じです。好きとか嫌いとか、誰が死んだとかいなくなったのかとか。その感じが重すぎずかといってご都合主義でもなく、非常にその部分にリアリティがありました。
 それを是正しようとしても、結果的にもっと大きな悲劇を生むこともある、というのが前章までの部分です。

 話それ自体は新海誠監督の「君の名は。」「天気の子」のリメイクのような感じも受けます。「君の名は。」を手直ししたような構造ですし、災害ものですから当たり前なんですけど…どうしても助けたい人がいる。文明が子供を苦しめるなら文明など滅びてしまえ、という感じもあります。
 そういう気分をより分かりやすい世界系にした感じはあるんですけど、ただ、世界系と言われるとなんか気分が違うんですよね。選択というより一択というか、積極的に世界なんてどうにでもなれば的な感じがしました。

「インデペンデンスデイ」や「第9区」にUFO的なビジュアルイメージや一部設定は似ているといえば似ていますが、やっぱり本作の方がアメリカの娯楽SFでは到底到達できない人の気分にまでいきつけていると思います。

 最後の方のUFO上のシーン。「未来少年コナン」のギガントとかそういうのを思い出しますが、なんとなくですがそういうすっきりした物語の物語性をどこかで相対化したかったのかな?という気もします。

 総評すると、結論がないような説明がないようなメッセージ性がないようなオマージュの様な中途半端な結末ですが、その中途半端さになぜか非常に深く共感し、納得もし、そして意味不明に感動してしまいました。
 このあと咀嚼してから大人買いしてしまったコミックスを読んで、ひょっとしたら2回目を見に行きます。ただ、この作品は結末の1回目の衝撃がいい作品な気もします。

 前章を見たときにTVシリーズにしたほうが、と思いましたが後半を見ると一気に見た方がいいかもという気もしました。それは結末に向けて収束する感じがいい作品だから、短く見せられても咀嚼しきれない気がしたからです。


追記 原作読みました。

 原作を読みました。意味は劇場版よりわかりやすいです。題名の意味も読み取れたと思います。人類の「希望」をわかりやすく表現していました。ただ、そこまでの部分は劇場版の最後で読み取れるとは言いませんが、想像できる種まきはありましたので、そういうことなんでしょう。

 ただ、私は滅びにもロマンを感じますので、そっちの方向もあり得た方がいいのでオープンエンディングの「開き度」が大きい劇場版の方がよいです。

 トモダチの意味は分かりやすかったかな?劇場版は恋愛メインのような雰囲気はありますが、恋愛は代替可能だし面倒です。大事なのはトモダチですよね、という感じは原作の方が強いです。
 トモダチということと結末の暗示の点で「イソベやん」の意味性はより深かったかなという気はします。

 劇場版で消化不良を感じている人は読む価値はあります。劇場版ではキャラのエピソードの省略もありました。
 前半の意味性については、構成の関係で原作の方が置いた位置はいいかもしれません。時間をおいて後半を見ると、少々トモダチの意味が希薄になる気がしました。

 ただ、やっぱり劇場でアニメで見た迫力…というのは説得力があります。力業ですけどね。その点でも劇場版の方がいまのところは評価高いです。もう一回通しで見たいですけどね。


再追記 2回目見てきました。

 この作品、オマージュかを探すと結構ありますね。あげるときりがないくらいです。それが意図的なのかどうかは不明ですが、ただそっち系の考察はどうなんでしょう?
 ドラえもんと時をかける少女(かどうかはわからないがループものの救済とその危うさ)についてに注目したほうが考える的を外さないかな、という気がします。

 そして8.31=3.11、トモダチ、今の社会の生きづらさは社会のせいでもあるし自分たちのせいでもあるというような2面性、恋愛事情とか、まあいろいろ考えるヒントはたくさんあると思います。ここまでの作品ですからいろいろ入ってはいるんでしょうし。

 最終的に大場の血は赤かったということと、あの場所で終幕したことで想像を広げてゆけばいい気もします。肝心なのは世界かトモダチかという選択ではなくトモダチ一択だったということかな、という気はします。愛の物語とも言えますがやっぱりトモダチと言ってくれてれてますしね。

 それと改めて、声優さんについては、触れるのを忘れるくらい違和感がないですね。ダブルヒロインともにぴったりの声優さんでした。

 なお、2回目を見るのはどうかな?という気はしました。1回目の衝撃が良かった作品なので、考えながら見るよりも初めての時の感情の動きをそのままにしておいた方がよかったかも。



 そして一番の衝撃。幾田りらさんって、YOASOBIの人なの?びっくりしました。イクラさんって別名なのね。アクアさまの声優さんがエライ美人なのでびっくりしたより驚きました。
 それで声優もできるんだ…才能なのか努力なのか…すごい人がいたもんです。正直この作品の面白さは2人の声優さんの力が大きいですからね…




追記 見て数日は最高の作品だと思ったし、今も出来の良さについては同じ印象なんですけど…なぜか、余韻の減衰が非常に速い気がします。まあ、考えるテーマは描き方はすごかったんですけど、内容的には平凡と言えば平凡です。面白さも1回目の「驚き」に依存するところも大きいですしね。

 2回×2回みて、原作も読んでいろいろ咀嚼して、それほど浅い話だとは思わないんですけど、引っ掛かりがないのかも。それと原作の12巻がちょっとノイズになったかなあ…それもまあオープンエンディングではあるんですけど、SFで考えるとかなり限定されたハッピーエンドなんですよね。

 うーん、むつかしいですね。いったんストーリーの評価の5を4に下げます。

 ただ、です。この映画の価値で再認識しているのは、やっぱり原作を読んでなんですけど、ヒロイン2人の声優さんの掛け合いです。これは原作にはない良さです。素晴らしかった。いままでのアニメヒロインの中でもっとも心地よかったかもしれません。2人ともミュージシャンということで声質がいいのか、音楽的なリズムなのかわかりません。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 9
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あちこち良い!って思う所が散りばめられてるけど纏まりはイマイチ

とりまえずドラえもんとエヴァリスペクトがすんごい
最後の名前考えながらメモは要チェックやで笑
他にもセリフの言い回しとか演出は既視感あるの多めで楽しい

肝心のストーリーなんだけど徹頭徹尾言いたいことがあるんや。って感じではなくて現代社会ってこんなとこあるよね、こんなリスク孕んでるよね、てか実際起こってるよねお前ら大丈夫なん?え?あーしら関係なくね?どうせ大丈夫っしょ。的な平和ボケ加減とか
あーあるある。それ知ってるっていう現代社会の中に何世代も先の技術を持つバカでかい宇宙船に乗って現れた宇宙人っていうギャップがすごいし
ちゃんとめちゃくちゃ現代人が皮肉られて風刺が効いてる
けどこれが正解っていう押し付けがあまりないのも良い

ただトランクの中に好きなもの目一杯詰め込んでギリギリ閉じれたようなお終いでスッキリって事はなかった
なんなら、ん???、、、ん?って感じで今も正直よくわからずフワフワしながらレビューを書いている笑
ただ言いたい事はわかったし、ちゃんと面白かった

良いと思った所多過ぎて思い出せんくらいには良い
地味に弟たくさんいる子のデートシーンとかすごいと思う
チー牛には書けない
それに構成が行ったり来たりするからちゃんと集中して登場人物を覚えておいた方がいい
きっと考察要素もありそうだからもう一度見直すかも

作画は良いし声優陣もお見事
まさかあのちゃんぽいなと思ってたらマジであのちゃんだったのね、、上手くて気付かなかった

1番好きなシーンは{netabare} ~ 母艦が遂に爆発してライトなBGMの中、ことごとく身内が爆風にのまれて死に行くシーン。感動してしまった笑{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 1

62.1 25 漫画原作アニメランキング25位
3×3 EYES 聖魔伝説-サザンアイズ(OVA)

1995年1月1日
★★★★☆ 3.4 (24)
141人が棚に入れました
91年製作のOVAシリーズに続く新たなストーリーのシリーズ。”三兄眼”(さんじやん)として記憶を封印された普通の生活を送っていた少女、パイが、再び記憶を取り戻すまでの旅を描いている。

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

3×3EYES 白蛇伝説ーサザンアイズ

原作の第二部は名作レベルの物語なんですが、アニメは困った出来ですね

第一部とあまりにも違い過ぎる
統一してくれれば、両方とも評価が上がったんですが、悲しい結果に
この作品もまた現代ラノベテンプレの一つと言える「ヒロインチェンジ」が見せ場です
本来なら感動シーンのネタバレは厳禁なんですが、もうどうでもいいような作品になってしまいました
もしかしたら感動するかもしれません 原作を先に読んでいたもので落差に驚いたのです

この作品は「無償の愛」がテーマになっています

主人公は、リゼロのレムのような女子高生だとイメージできます

投稿 : 2025/02/08
♥ : 9
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