演劇で学園祭なアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の演劇で学園祭な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番の演劇で学園祭なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.3 1 演劇で学園祭なアニメランキング1位
夜は短し歩けよ乙女(アニメ映画)

2017年4月7日
★★★★☆ 3.8 (334)
1745人が棚に入れました
クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は今日も『なるべく彼女の目にとまる』ようナカメ作戦を実行する。
春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れて…。
京都の街で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、季節はどんどん過ぎてゆく。
外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いはどこへ向かうのか!?

声優・キャラクター
星野源、花澤香菜、神谷浩史、秋山竜次、中井和哉、甲斐田裕子、吉野裕行、新妻聖子、諏訪部順一、悠木碧、檜山修之、山路和弘、麦人

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アニメ化してくれてありがとうヽ(*´□`*)ッ

このアニメの原作はわたしが大好きな小説です。
森見作品の中でも1番好き。
彼の小説はラノベでもないのにドラマ化よりアニメ化の方が向いているらしく,「四畳半神話大系」や「有頂天家族」がアニメ化されているのにこちらはアニメ化されていませんでした。
是非してほしいなぁとかねがね思ってはいたのですが,なんと映画としてアニメ化されると知った時は「なんとしてでも観ねば!!」と思ったものです。
でも,結局映画館に足を運ぶこともなく時が経ってしまいました。
4年も前の作品なのか…。

こちらは「四畳半神話大系」で登場した人達が出てきたりする(というか互いにリンクし合っている)ので,同じように作ってくれて感謝!!って感じでした。
とくにキャラクターデザイン。
キャラクター原案は中村佑介じゃないと!!
あと,言っておきたいのは声優ですね。
羽貫さんの中の人はわたしの中で1番馴染みがあるのは「ゴシップガール」のセリーナなんだけど,羽貫さんの声もやっぱりぴったりでまた彼女をキャスティングしてくれて良かったと思いました。
古本市の神様は…これ小津じゃん!!ちっちゃい小津!!
ぶっちゃけこの小説読んだの多分10年くらい前だと思うので,あんまりよく覚えてないのだけど小津ではなかったと思うんだよな…(笑)。
また読んでみようかな。。
あと何気にジョニーも同じ声優さんなんですね。
とにかく残念なのは樋口師匠ですよね。。
けれど,こちらの樋口師匠も全然良かった☆
また「四畳半~」のアニメも観てみようかな。
そして,以下は「四畳半~」とは違うキャスト。
まずは先輩の星野源。
もう星野源まんまじゃん!!って感じですね。
観る前誰がやるのかチェックしてなかったから星野源でびっくりした。
わたしはオールナイトニッポンで彼のしゃべる声だけを聴くっていうことがよくあるので(最近全然聴いてないけど),そのせいもあってか終始星野源がチラついて集中できない感じでした。
でも,よく頑張ってるなとは思いました。
彼の出演作品をあんま観てない人とかだったら特に違和感なく観れたんじゃないかなと思います。
星野源は「逃げるは恥だが役に立つ」の平匡さんといいこういう地味な男性の役が合ってるなぁ。
ただまぁ,「四畳半~」の「私」が良かったからなぁ。
それと比べちゃうとね。
チラつくといえば,ロッチの中岡ですね。
彼もとても上手だったけど,やっぱ中岡だなぁって。
逆にロバートの秋山は全然分かんなかった!!
え。出てた!?って感じでした。
黒髪の乙女の声はめっちゃ良かった★
とにかく可愛くてこんな声の女の子に生まれたかったと思いました。
そして,学園祭事務局長。
やば。色っぽいしイケボすぎる。
でも,妙に聴き馴染みが…と思ったら阿良々木くんか!!
正直,阿良々木くんの声が好きではないのですが,あたしこの人の声自体はむしろ好きなんだな。
「天官賜福」でもイケボだと思ったものなぁ。
先輩と学園祭事務局長が会話するとやっぱりアニメは声優さんだよなって思っちゃう。
演技力って点ではもちろん俳優さんでも良いんだけど,声優さんはイケボなのよ。
そして,紀子さん。
しゃべってる時は普通に観てたんだけど,歌い出してからびっくり!!
「え。うま。」って思って中の人調べちゃいましたよ。

そもそも「四畳半~」と「夜は短し~」の主人公と黒髪の乙女って別人物なのかな??
明石さんも黒髪の乙女ってことだったけど,ちょっとキャラは違う感じするよね。
「夜は短し~」の方が子どもっぽいというか不思議ちゃんな感じ。
それでいうと,わたしはこの不思議ちゃんな黒髪の乙女がとても好きで,ここ10年くらいずっと黒髪なのはこのキャラクターの影響もあるんだけど…。
(カラーしようとするたび「黒髪の乙女」というワードがチラつく)
この映画観てびっくりするくらい変な娘に描かれている気がしてちょっとショックでした。
ヘンテコだけど可愛らしい子っていうイメージだったから。
特に詭弁踊り。
あんな踊りだったの!?!?
活字だとどんな風に表現されてたのか覚えてないけど…。

総括です。
第一にこの小説をアニメ化してくれてありがとうと,まずはそこです。
でも,やっぱ原作は原作の独特の文体が1番の魅力で,「四畳半~」はそれが存分に活きてた感じだったけど,こちらはそうでもなく途中でちょっとだらけちゃいました,わたし。
やっぱ長々と観るよりはテレビアニメとして30分ずつ観ていくって方が集中力がもつというのかな。合ってる気がします。
小説って純文学と大衆文学っていう括りがあると思うのですが,アニメでそういう括りがあるとしたらわたしはこちらを大衆アニメではなく純アニメとしたいです。
観て面白い楽しい感動するというのではなく芸術作品寄りというのかな。
なので,好き嫌いは分かれるというのか,このアニメの味を理解できる人ってのは限られてくる気がします。
まぁ森見登美彦の小説自体割と人を選ぶみたいなので,そこは仕方ないのかもですが…。
わたしは彼の世界観が好きなので,このアニメも好きだと思いました。
また原作読みなおしたり,「四畳半神話大系」のアニメも観直してみようかな♪
(因みに原作読んだ当時に「ラ・タ・タ・タム」は読みました。実在する絵本なのでこのアニメが好きな方はこちらも是非☆)

追記
みなさんのレビュー読んで原作と違う点をいろいろを知り,「やっぱそうだよね!!」と共感することしきりでした。
原作読んだのかなり昔だから「わたしの覚え違いかな?」とか「こんなシーンあったかな?」「こんな設定・展開だったかな?」とか思ってたので…。
原作がとても素晴らしいので正直原作通りにやってほしかったかな。
特に一夜って設定は「え。そうだったっけ?」ってなった点です。
あと「魔風邪恋風邪」はもっと冬のほっこり感があった気がするけど,アニメだとカオスになってて残念でした。
やっぱ原作読みなおします!!
そして,もっと批判的なレビューを書いてやります!!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

この「世界観」初見で理解できるの? →先に「四畳半神話大系」で学習することをオススメ

【レビューNo79】(初回登録:2023/8/27)
小説原作のアニメ映画で2017作品。90分程度。
視聴理由は「四畳半神話大系」の森見登美彦×湯浅政明作品だったので。
キャッチコピーは「こうして出逢ったのも、何かのご縁」

(ストーリー)
舞台はある京都の大学。
「先輩」は、1年前から同じクラブの後輩である「黒髪の乙女」に恋をして
いる。
彼は日々彼女を追い掛け、なるべくその目に留まろうと「ナカメ作戦(なる
べく彼女の目に止まる)」を実行していた。
そんな先輩の気持ちはつゆ知らず、乙女は好奇心の赴くまま、夜の先斗町を
歩いていく。
これはそんな2人の夜にまつわる物語。

(評 価)
・「四畳半神話大系」は別格ながらも、個人的には本作も評価
 前回レビューしましたが、そもそも「四畳半神話大系」は1クール使って、
 最初は「平行世界」を描いて同じような展開を繰り返しつつも、伏線を巧
 妙にバラマキながら、終盤でこれらを見事に回収していき、皆を「あっ」
 と言わせる「神作品」ですからね。
 それを踏まえ本作は「四畳半神話大系」を彷彿させる世界観を描きつつも、
 映画の尺の中で、キャッチコピー「こうして出逢ったのも、何かのご縁」
 をしっかり落とし込んでいたので、個人的にはかなり評価できる作品かな
 と思います。

・この「世界観」初見で理解できるの?
 ただ私は「四畳半神話大系」で、この手の作品に免疫があったから楽しめ
 ましたが、これ本当に何も知らない方が視聴されたら「ついていけるの?」
 というところに疑問を感じました。
 「四畳半神話大系」も正直最初は「??」って感じで、上述の通り「平行
 世界モノ」で3回ほど同じような展開を観て、それでようやく馴染んできて、
 この作品の良さや味が判ってきたって感じなので・・・
 個人的には先に「四畳半神話大系」で、この世界観を学習することをオス
 スメします。

・内容は奇天烈感が強い(上述の補足)
 この作品の格子はシンプルで
 ★黒髪の乙女に恋する先輩は始めは縁遠く、「ナカメ作戦」等ヘタレな状
  況から、いろいろな人との「ご縁」などが巡り巡って、先輩も勇気を出
  して行動し、本当の「ご縁」にたどり着く。
 という「純愛もの」なのですが、この「いろいろな人との「ご縁」が曲者
 で、この部分の厚みが凄いんですね。ここが「森見登美彦×湯浅政明」作
 品の真骨頂であり、雰囲気を例えるなら(四畳半でも書きましたが)
 「ベクトルの違う『西尾維新×シャフト』」みたいな?!
 ストーリー展開も奇天烈感が強く、通常の「ピュアラブストーリー」感覚
 で観てると面食らう感じですね。なのでちょっと耐性が必要かなっと。

・以下簡単なあらあらすじを書いておきます(章立ては原作から)
 ・先斗町での一夜の物語
  原作では京都の四季になぞられ、各季節毎の4編の物語として描かれてい
  るらしいのですが、本作では「一夜の物語」と改変されたようです。個人
  的にはこの演出は◎。
  「夜の帳が下りてから夜明けまでを、2人がどう過したのか。」
  → タイトル「夜は短し歩けよ乙女」にピッタリハマる感じが心地よい。

 ・第一章(春):夜は短し歩けよ乙女
   {netabare}「恥ずかしながら、このとき私は単身、魅惑の大人世界に乗り出したい
   と思いました。要するに先輩方に遠慮することなく、無手勝流にお酒が
   飲みたかったのです。」
  この黒髪の乙女、かなりの酒豪です(笑)
  このお酒の「ご縁」から様々な「ご縁」を紡いでいき・・・
  樋口君&羽貫さんの「四畳半神話大系メンバー」が話を先導していく演出
  がニクい。{/netabare}

 ・第二章(夏):深海魚たち 
  {netabare}「ここはまるで本の海。私は深海魚となって獲物を求めて回遊する所存」
  「下鴨納涼古本祭り」を舞台に、2人はどんな本と「ご縁」があるのか。
  特に先輩にとっては、彼女にまつわる「古い絵本」をゲットするという、
  重要な使命が・・・{/netabare}

 ・第三章(秋):ご都合主義者かく語りき 
  {netabare}「学園祭とは青春の押し売り、たたき売り、いや青春闇市なり」
  学園祭事務局は、神出鬼没な集団「韋駄天コタツ」とゲリラ演劇「偏屈王」
  に頭を悩ませていた。そして黒髪の乙女もゲリラ演劇騒動に巻き込まれ、
  それを知った先輩は・・・
  ゲリラ演劇→「ミュージカル」と「恋愛」が見せ場になっています。{/netabare}

 ・第四章(冬):魔風邪恋風邪
  {netabare}「君はどんどん進んでいくから、なかなか誰も追いつけない。なのに何度
   も通りかかるやつっておかしいと思わない?」
  これまでの喧騒が嘘のように、巷では「李白風邪」が大流行。一人元気な
  な「黒髪の乙女」はそれまでの「ご縁」に沿って、いろいろな人の元にお
  見舞いに訪れます。
  そして最後にお見舞いに向かった先は・・・{/netabare}

テーマの「ご縁」に沿って、様々な個性的なキャラが登場しては入れ替わって
いき、上述の通り四季のイベントも入ってくるので、物語の展開はかなり早い
です。そして
「最初『点』で出会っていた人たちは、実は『線』で繋がっていた」
という仕掛けは、テーマ「ご縁」にピッタリで思わず唸ってしまいます。
{netabare}最後に「お見舞い」という形で、キャッチコピー
「こうして出逢ったのも、何かのご縁」
を回収していくストーリー展開は本当に秀逸です。{/netabare}
問題はその見せ方が好みにあうかどうか・・・
でも、こんな作品も楽しめるようになると世界が広がるのは確かなので、まず
は「四畳半神話大系」から「森見登美彦×湯浅政明作品」の世界に足を踏み入
れてはいかがでしょう。
って「何の作品のレビューやねん!」って感じですが(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

命短し 恋せよ 男子も。

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
原作組なので、チト辛めの評価です。

非常に不思議な映画。映画単独で内容を理解するのは難し、、、いや、ほぼ無理なんじゃないかと思います。

アニメーションとして本作を観たとき、他にはない独特の映像表現が観られますから、アニメ好きなら観ても損はないでしょう(第41回オタワ国際アニメーションフェスティバル長編部門グランプリ、第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞)。

ただ、もし映画を観て、ちょっとでも興味をもった方は、是非、原作を読んでほしいとおもいます。

第20回山本周五郎賞受賞作品。第137回直木賞候補、2007年本屋大賞第2位。2017年2月時点で累計売上130万部を超えるベストセラーとなっている(Wiki参照)のは、伊達じゃないということが分かります。

映画がかなり原作改編しているので、ある意味、映画を観てても関係なく、原作を楽しめると思います。

個人的には、映画版は☆3.5。原作は☆5です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
細かな点での、改編の文句は勿論あります。(李白がショボすぎるとか、実行委員長の女装ピックアップとか)言い出したらキリがないのですが、一番を挙げるなら、文化祭編。パンツ番長と紀子さんのエピソード改編は酷すぎる。

原作では、紀子さんは紀子さんで、象の尻を展示するというエキセントリックな方法で、パンツ番長を探しています。そんな紀子さんを手助けするのが、「黒髪の乙女」です。そして、同じような廻り合わせの中で、パンツ番長の願いを叶えようと奮闘するのが、「先輩」。本作は、語り手がコロコロ変わるのが特徴の小説で、「黒髪の乙女」と「先輩」が微妙に繋がりながら、絶妙にすれ違いながらストーリーが進んでいくのが楽しいのですが、この学園祭編は、まさに真骨頂という感じ。最終的に、パンツ番長の願いを叶えるために必死になる先輩を見て、初めて「恋」の兆しを感じる「黒髪の乙女」。もの凄く大事なところなのに、映画では、「先輩」が「パンツ番長の恋より、自らの願いを優先している」ように見え、なぜあれで「黒髪の乙女」が惚れるかが謎です(抱き締められたからって、そんなバカな。確かに、原作でもそうだけど、抱き締めるまでの過程が違いすぎるでしょ)。

とまあ、予定より長く書いてしまいましたが(笑)、実は、そんなのは些事です。

一番大事なことは、監督が、この原作の「一番の旨味」を勘違いしていること。

本映画の独特の映像表現は、原作者「森見登美彦」さんの独特の文体を表現したものでしょう。夢と現実の境目が曖昧で、どこか酒に酔っているような、自分に酔っているような、古めかしくも新しい、軽妙な文体。いわば、「森見節」を表現するものとして、この映像表現は、非常に素晴らしい。その点に関しては、何の文句もない。

でも、本作に限って言えば、作品の一番の旨味(魅力)は、「キャラクターの良さ」なんですよ。

(奇しくも、入賞歴引用するためにWikiを開いたら載っていたけど)山本周五郎賞の選考委員だった重松清は、同賞の授賞理由として著者が黒髪の乙女の「一人称の「天然」を描ききった」ことを理由に挙げている。

とあるように(流石、重松さん♪)、とにもかくにも、黒髪の乙女の魅力なんです。

原作の彼女は、もっとつかみどころがなくて、可憐で、軽やかで、芯が強くて。天然ですけどバカじゃない。いや、高いレベルのバカではあるんですが、とにかくもっと、可愛いんです。

変態親父におっぱいを触られても、友達パンチ1発で終わらせ、鯉のリュックをワクワクして背負い、ご飯主義者とパン食連合の討論会で、「ビスコを食べれば良いのです!」と宣言し、りんご飴をチロチロ食べながら夜の町をトテトテ歩くような、不思議な可愛さなのです。

勿論、対となる先輩も、不器用ながら一途で、素敵な人です。

もし、この原作を映像化するなら、森見さんの文体の不思議さを表現するよりも、ヒロインの魅力をちゃんと表現し、主人公との恋愛を丁寧に描写した方が良かったとおもいます。スタート地点を間違え、ずっとボタンをかけ違え続けた映画化に感じました。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

68.2 2 演劇で学園祭なアニメランキング2位
きんいろモザイク Pretty Days(アニメ映画)

2016年11月12日
★★★★☆ 3.9 (157)
688人が棚に入れました
イギリスからやってきた高校生、アリス・カータレット! 大親友・大宮忍の家にホームステイしています。アリスに忍、凸凹コンビの小路綾と猪熊陽子、アリスを追いかけてきたもう一人のイギリス人留学生・九条カレンたち仲良し5人組は高校2年生の秋を迎えます! アリスと忍、二人一緒に玄関をくぐれば朝日に照れされてキラキラ輝く通学路。通い慣れた道を小走りに駆けていって、いつもの駅前でいつものメンバーと待ち合わせて。綾に陽子、そしてカレンが笑顔でアリスたちを迎えます。どこにでもあるようで、世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常――プリティ*デイズ! 二度目の学校祭が近づいてきたこの頃、忍の様子がちょっとおかしい!? 「このところ、なんだか朝が眠くて……」いつものんびりしている忍ですが、クラスの演劇で脚本&衣装リーダーを任され、頑張りすぎているみたいです。違うクラスのアリスと陽子も、その様子は気にかけているけれど……果たして忍たちの劇は無事成功するのか、どうなる学校祭当日!?

声優・キャラクター
西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常…プリティ・デイズ!

この作品は2013年の夏アニメ、2015年の春アニメとしてテレビで2期分放送されている上、この劇場版は2016年の11月に封切りしています。
これまでテレビ放送はリアルタイムで視聴してきましたが、劇場版まで手が回らず封切りから2年…ようやく今回視聴することができました。

自分の視聴履歴を振り返ってみると、テレビ放送の視聴が主体になっています。
最近、テレビ放送の続編がは劇場で…のパターンが決して少なくないなか、この作品を含めて結構視聴できていない作品が多い事に気付きました。

現在の視聴スタイルは今後も維持したいと思っていますが、時間を作って劇場版の視聴も進めなきゃと本作を見て痛感しました。

この作品では、大きく2つの時間軸における物語が描かれています。
一つは現在進行形でテレビ放送後の一幕…
そしてもう一つは、5人組になったいきさつ…アリスとカレンは高校からの留学生である事は周知の事実なのですが、これまであまり触れられなかった「しの、あや、陽子」が親友になったきっかけが描かれているんです。
そしてこれが…テレビ版視聴済の方にとっては堪らない作品に仕上がっていたんです。

監督は天衝監督…アニメーション制作もStudio五組とテレビ版のスタッフが踏襲されており、クオリティは折り紙付きです。

となると、気になるのは物語の展開…になる訳ですが、個人的には「しの、あや、陽子」が親友になったきっかけの物語が胸に響きました。

この物語の視点…種ちゃん演じるあや目線で描かれているんです。
5人の中で一番真面目な性格の持ち主である彼女は、普段みんなから一歩引いた場所が彼女の立ち位置…
5人の輪の中における立ち位置は、自然に…だけど全員納得の上で決まっているとばかり思っていました。
けれど、性格が真面目な上、少し引っ込み思案だけどツンデレ成分を含んだ彼女は、仲間の中で一歩踏み出すタイミングが遅かったり機を逸したり…
もちろん、仲間思いの優しい良い子なんですけどね…

でも…「しの、あや、陽子」は初めから3人組では無かったんです。
しのと陽子は小学校からの幼馴染で、二人の通う中学にあやが転校してきて接点が生まれたんです。

大切なのは一緒に過ごした時間の長さじゃない…
どれだけ濃密な時間を一緒に過ごしたか、の方が時として大切なこともあるんです。
年を重ねて振り返ってみると、その当時頑張っていたことが今では良い思い出になっていますから…

3人には目標がありました。
目標は別々…だけど必ず通らなければいけない通過点です。
「どの様にクリアするか」と「どれだけ本気で取り組んだか」の2点が大切なこの通過点…
「しの、あや、陽子」はどの様な軌跡を描いたのでしょうか。
感じられるのは成就させたい願いに込められた努力と沢山の優しさ…
やっぱりこの作品はあったかいなぁ…と心の底から思いました。

そして物語は現在進行形と結び付きながら怒涛のフィナーレを迎える事になるのですが、何ともこの作品らしい展開が待ってくれています。
こんなに面白いならもっと早くに見ておくべきだった…と本気で思えた作品でした。

オープニングテーマは、「Happy★Pretty★Clover」
エンディングテーマは、「Shining Star」と「Shining Star」
3曲ともRhodanthe*の皆さんが歌っています。

上映時間50分の作品です。
私の様にテレビ視聴済みで劇場版未読の方には、是非お勧めしたい作品です。
5人組のみんながこれまで以上に輝いて見えると思うので…

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

受験生の皆さんにこのトーテムポールの歌を贈りたい。

原作コミックは五巻まで購読中。

短編アニメ映画一本のために、
わざわざ映画館に遠出するのもどうか?とも思いましたが、
冬の寒さが厳しくなっていく、ここ北陸でも、
一月遅れで映画館で難民向けに期間限定で金髪パワー配給が実施される
ということで行ってきました♪


短さ以上に、日常系だから、ふわふわしているだけで
上映時間が終わってしまうのではw
との懸念もありましたが、
それなりにストーリーもあって難民として
一定の満腹感はありました。


本作の実質的な主役は{netabare}小路綾でしょうか。

要は些細なことで仲間内での自らの存在意義を見失い、
クヨクヨしてしまう、あややの十八番(苦笑)
……あややが悩み出したら、映画一本くらい軽くできますねw


本作はそこから中学時代のあややとシノ、陽子、
三人の進路、高校受験のエピソードから、
あややの存在意義の再確認が行われる壮大な?展開にw

ある意味、『きんモザ』最大の?ミステリーである、
学力壊滅なシノと陽子が、偏差値に大差があると思われるあややと
何故、同じ高校に通っているのか?
という謎も解き明かされます。


この受験奮闘記を鑑賞していて、
ふと、受験と友情についての回顧から、
受験に友情は必要か?という問答が私の頭で回り出しました。

私の現役時代、教師の中には、
勉強は自分一人でやるもの。受験は孤独。進路は自己都合。
みんなでお勉強会なんて馴れ合い。
とお説教なさる方がいらっしゃいました。

確かに、一人で集中して学力を高め、合格を勝ち取ることができるなら理想的です。

ただ世の中、それを貫ける人は少数。
孤独に負けそうになったり、自分だけの視野狭窄に陥り空回りする人の方が多いと思います。

そういう時、進路や勉強について相談できる仲間がいれば心強い。
私も情報交換の中で勉学についても、ふと気付かされた視点が多々ありました。

自分一人で集中する時間も、仲間との情報交換も、
両方あって初めて受験を乗り切れたと私は思います。

だから、もうすぐ受験という大戦に挑む方の中で、
もし一人で煮詰まっている人がいらっしゃったら、
是非、周りとコミュニケーションを図って欲しいと思います。

残された時間はそう多くはありませんが、
アプローチの転換ひとつで一変するのが若者のポテンシャル。

恥を捨てて、周りやあややにしがみつけば、
トーテムポールみたいにニョキニョキ!っと
合格ラインまで偏差値が伸びるかもしれませんよ。{/netabare}


……とゆるふわ日常系で、無駄に熱弁してしまいましたがw
本作はTVアニメ1期の第一話くらいのストーリー内容はある作品。
難民の方なら、一見する価値がある作品だと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

ジャスティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

綾視点で送るいつもの日常物語

[きっかけ]
AT_Xで放送はされていたものの、きんモザについては2期を視聴してからが良かったので、少し遅れていましたが、期待しながら視聴を致しました。
[感想]
{netabare}
今回まさかのキャラクターの視点というのがあり、
指定されたのが私が一番大好きな綾ちゃんでした。

これは俺得すぎるんだけど、
綾ちゃんばかり出てきてくれるから素晴らしいかった。

綾ちゃんは、軽いスランプというか悩みを抱えてしまったけど、
私にとっては綾ちゃんがいないと陽子が大変になるから
絶対に必要なメンバーなんだよ。と伝えたい。

今回の話は過去編が中心でみんなが疑問に思っていた忍がどうやってもえぎ高校(忍たちが通っている学校)に入れたのか?
という疑問からストーリーが中心に始まって行きます。

というかもえぎ高校と言うんですね。(WIKIによればここで学校名が決定されたのこと)。

忍は確かにアニメの中でも断念で赤点ラインっぽい描写が多くあり、本当にどうやって受かったのか不思議な点でした。

学校見学はしっかりとやっていたんですね。
烏丸先生は相変わらずぶれない先生ですね。

忍がここまで行きたい学校というか見学を初めてしてからここにしたいと思ったのでしょうか?

雰囲気が良いというのも分かるけど、実際に行きたい高校がなかったから好印象に思ったのかな?と思っていました。

勉強会が開始。綾ちゃんはまさか違う学校を選んでいたなんて...でももえぎ高校に入っているということは、やっぱりその第1志望の高校に落ちたからここに来たのかな?

何故だろうと思いながら続けていくと受験当日。
まずは綾ちゃんからなんと合格。お嬢様学校に入れるなんて綾ちゃん入っていたら確かにそんな気がするような感じはする。

絶対に不合格になると思っていた。なんか落ちそうな予感しかしてなかった。

忍たちの受験当日はなんと綾も一緒に受験することに。ここも受験していたのはまさに日常系のいいところ。

そしてみんな合格したけど、綾だけが...離れることになるのか?
と思った...
入学式当日忍たちが学校に来ると、なんと綾ちゃんまでこっちに来ていた展開に。

まさか選んでここに来たという神展開(もう知ってたことなんだけど)でも、こうしなかったら陽子との関係も悪化していたかもしれないから
これで正解だよ綾ちゃん。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
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