2021年度の清々しいおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2021年度の清々しい成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月15日の時点で一番の2021年度の清々しいおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.9 1 2021年度の清々しいアニメランキング1位
白い砂のアクアトープ(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (445)
1353人が棚に入れました
「――見えた?」くくるは、そっと、がまがま水族館のヒミツを教える。「ここではときどき、『不思議なもの』が見えることがある」夏の日差しが降り注ぐ、沖縄。那覇市内からバスに乗り1時間あまり揺られた先に、その水族館はある。沖縄本島南部、美しいビーチのすぐ脇にある、ちいさな、すこしさびれた「がまがま水族館」。18歳の女子高生・海咲野くくるは、そこでまっすぐ、ひたむきに仕事をしていた。祖父に替わって「館長」を名乗るほど、誰よりもこの水族館を愛している。ある日くくるは、水槽の前で長い髪を揺らしながら大粒の涙をこぼしていた女の子・宮沢風花と出逢う。風花は夢だったアイドルを諦め、あてもない逃避行の先に、東京から沖縄へやってきたのだ。がまがま水族館に流れる、ゆっくりとした、やさしい時間。居場所を求めていた風花は、「水族館で働きたい」と頼み込む。出会うはずのなかったふたりの日常は、こうして動き始めた。しかし、がまがま水族館は、「不思議」と一緒に、「閉館の危機」という大きな問題を抱えてもいた。迫りくるタイムリミットを前に、ふたりは立て直しを目指して動き始める。かけがえのない場所を、あたたかな寄る辺を、守るために。

声優・キャラクター
伊藤美来、逢田梨香子
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

優しい未来を目指した 心が落ち着く物語

このアニメを見ると、なぜか心地良く、心が落ち着きます。
おそらくそれは、キジムナーのせいかもしれません。
物語全体が優しい色で覆われているようです。

そして、この物語が目指すものは、「優しい未来」のような気がします。
人や全ての生き物にとって優しい未来をつくること。
そしてその未来をつくるのは、水族館を訪れる幼い子供たち。
今は小さくて何もできないけど、海洋生物に興味を持った子供たちが大人になったときには、きっと優しい未来をつくってくれる。
その願いを込めた物語のようです。

そんな未来を想像すると、心が楽しくなりませんか?


主人公は高校生の海咲野 くくる(みさきの くくる)。明るく元気な女の子です。
そして、ヒロイン(?)は宮沢 風花(みやざわ ふうか)。とても美しい少女です。

物語は、くくるが高校を卒業するまでの前半部と、くくるが社会人になった後の後半部とに大きく分かれています。

■前半部:
くくるは夏休みの間は「がまがま水族館」の館長代理をしています。
両親を亡くしたくくるにとって、この水族館は人生そのものと言える大切な場所。
でも水族館は老朽化で閉館が決まっています。
くくるは何としても水族館を存続させようと奮闘します。

風花は元アイドルグループのメンバーでしたが、優しすぎる性格が災いしてアイドルグループを辞めてしまいます。
傷ついた心を癒すべく沖縄に行ったときに、彼女は偶然「がまがま水族館」に立ち寄ります。
そこで彼女は、不思議な体験をするのです。
それは、まるで魚たちが風化の傷ついた心を慰めているようでした。

壁一面の水槽に囲まれている水族館の中は、まるで神秘の世界への入り口。
私達も今度水族館へ行ったときには、風花のような不思議な体験をするかもしれませんね。

ここで風花は、くくると出会います。
くくるを応援しようと決めた風花は、くくるの家に住み、「がまがま水族館」で働くのです。

{netabare} くくると風花は、がまがま水族館を存続させるために懸命に頑張りました。しかし水族館は老朽化により閉館してしまったのです。

このときのくくるの悔しさがとても切なくて…
くくるは元気な時が一番輝いています。だから早く元気になってほしいです。{/netabare}

■後半部:
月日は流れ、高校を卒業したくくるは、新しくできた大きな水族館「アクアリウム・ティンガーラ」へ就職します。そして営業部へ配置されます。
くくるにとって生き物を飼育しない営業部は不慣れな仕事ばかり。くくるは仕事に押しつぶされそうになります。

そんなときに、いつも真っ先に助けてくれるのが風花。
風花は、くくるの姉のような存在です。いつの間にか、くくるにとって最も大切な人へと変わっていました。

自分を助けてくれる人がいつも横にいてくれたら、どんなに辛くとも頑張り通すことができます。
風花の励ましで元気を取り戻したくくるは、与えられた仕事を懸命にやり抜きます。

{netabare}17話では、くくると風花が懇親会を企画します。
皆にくつろいでもらおうと頑張ります。
贅沢な料理はありませんでしたが、二人の皆への感謝の気持ちがこもってました。
幸せの基準は人によって異なりますが、
こんな接待を受けたら幸せな気持ちになるでしょうね。{/netabare}

くくるにとって最も不慣れだった営業の仕事は、いつの間にかくくるにとって最もふさわしい仕事に変わりました。
営業部だからこそ、全ての飼育員と仕事で話をする機会ができました。
営業部だからこそ、催し物企画でお客様と身近に接することができました。
営業部だからこそ、自分が推し進めたい企画を実現することができました。

嫌だ嫌だと思い続けて仕事をするのと自発的に仕事をするのとでは、同じ仕事でも人生が180度変わります。
そして社会人になったら誰でも、くくるのように挫折感を味わうことがあります。
でも、前向きに仕事を続けていれば、きっと報われる日が来るでしょう。


くくるが企画した白い砂の上での結婚式の様子は、とても素敵で頬笑ましい内容でした。{netabare}
装飾品が殆どなく、裸足で行う素朴な結婚式。
でも、壁一面と天井には沢山の魚たちが優雅に泳いでおり、まるで海底にいるような気分になります。
こんな神秘的な結婚式は、参加された方の心に一生残るでしょうね。{/netabare}


前半部の主題歌「たゆたえ、七色」は、とても心地よい歌でした。


私は若い頃に六年間、沖縄に住んでいました。
青い空に白い雲、そして真っ青な海
サトウキビ畑にシーサー
どれも懐かしいです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 59
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ペパーミント ブルー

P.A.WORKS制作。
監督篠原俊哉、シリーズ構成柿原優子。

沖縄の水族館で働く海咲野くくるは、
東京で居場所を無くした宮沢風花と出会う。
小さな水族館を舞台にした少女たちの青春群像。

空、海、水槽、青を基調とした美しい映像、
とても透明感に溢れ、どこか涼やかである。
少女たちの夏の思い出、たゆたう七色、
眩しい日射し、水面に漂う夢と動き出す夢。

{netabare}キジムナーがさり気なく登場し、
ファンタジー要素もあるのでしょうか。{/netabare}

涼やかな夏の一篇になってくれればと願います。

12話視聴追記。
物語が大きな節目を迎えました。
ちょうど真ん中で一区切りでしょうか。
とても安定した物語だと思うと同時に、
少し冒険した展開も観てみたいと期待しています。

最終話視聴追記。
物語の起伏が少なく、少々寂しい印象も、
娯楽性より、どこか啓発する物語なのでしょう。
{netabare}子供たちが、幾多の生き物に触れ、想像力を養う。
それが未来へ、きっと優しい世界へと繋がる。{/netabare}

これはこれで徹底しているのかも知れません。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キジムナーと座敷童

オリジナルアニメ


地中海・アジアン・米西海岸やミクロネシア・ポリネシアなどなどこれまで訪れた各国のリゾート地と沖縄との間には決定的な差があると個人的には思ってます。
それは何かというとゆったりとした時間を金で買える世界の名だたるリゾート地と

 ただそこにあるだけでたゆたゆと流るる時間を感じる沖縄

厳然たる差。とりわけ八重山諸島。圧倒的に心地いいんですなこれが。そんな沖縄を舞台に作画で定評のあるPAさんが味付けしたオリジナルアニメとの触れ込みとくれば候補から外す理由がみつからなかった全24話。
たゆたゆとした時間が流れてたんじゃないかと思います。作画は期待通り想定通りとなりますので残るはお話が面白ければ…ってやつですね。

そのお話そのものは視点の置きどころにやや難あり。物語序盤で勘所を捉えその線に沿うのか、読めない展開に身を委ねるのかの大きく二つ。本作の楽しみ方だと前者寄りに見えるのですが、ストーリーの芯の部分(勘所)がなかなか見えづらい。

あらすじ。沖縄を舞台に水族館にまつわるエトセトラ。キャラは海咲野くくる(CV伊藤美来)と宮沢風花(CV逢田梨香子)のW主人公。風花が東京でアイドルの夢破れて実家のある盛岡に帰ると思いきや一転沖縄へ。そこで閉館危機に瀕する水族館の立て直しに奮闘するくくると出会うという流れ。多店舗展開してる大手粉モノチェーン店みたいな二人の名前ですが関西は関係なさそうです。
閉館危機の水族館となりますと日本の北端北海道旭山動物園V字回復みたいな物語か!と思いきやそうでもなかったりします。視点の置きどころに困る理由其の一です。置きどころはいろいろ↓

・〔start〕閉館危機にあえぐ水族館を救う
・{netabare}1クール折り返したら大手水族館に場を移してお仕事に奮闘{/netabare}
・Wヒロインのいろんなベクトルで深い友情物語?
・あるいは成長物語
・溜まり場(食堂)仲間らとの友情?恋愛?群像劇
・持続可能な海洋生物たちとの共生?
・シンプルに海を楽しむ環境映像

2クールの前後半で趣きが変わるのは許容範囲だとして、作品を通して強烈に訴えかけるものはありません。よって万人受けするもんにはならないでしょう。
私の意見は『だがそれでよい』です。ちゃんぷるーしたものをなんくるないさーで受け止めたらこーなるじゃんと無責任にそう思っております。
視聴後になんとなく沖縄行きたくなったんですよ。冒頭“たゆたゆとした時間流るる”とした所以です。ひとまず成功ではないでしょうか。



※ネタバレ所感

■キジムナーと座敷童

キジムナーなんでいるの?と思ったのは私だけではあるまい。物語進行に1ミリも寄与してません。
{netabare}言わずと知れた沖縄伝承の子供の姿をした精霊・妖怪の類ですけど、キジムナーそのものに強烈な個性はなくそこいらで人間と共生してそうなイメージ。共にいれば富をもたらすし怒らせれば不幸に見舞われる程度。そういった強烈なイメージを残さないキジムナーっぽい物語と言えなくもない本編でした。{/netabare}
{netabare}そしてキジムナーと風花の地元岩手“座敷童”の伝承とではネタが被る被る(笑) なぜ岩手の娘?とした理由が見いだせるかもしれません。{/netabare}


■お仕事アニメ?

お仕事アニメとするのに懐疑的な私なんですけどあえてその文脈で話すとしたら?
{netabare}最近流行りのジョブ型(専門性持たせるアレ)ではなく旧来型のいろんな部署を経験させてジェネラリスト育てようみたいなノリでしたね。飼育やりたいなら営業知っとけ!な主人公でした。
入社早々プランクトン呼ばわりされてみて面従腹背するでもなく人をプランクトン呼ばわりするとは何事かと憤慨するわけでもなく、プランクトンの定義違いで怒ったくくるさん。なかなかない反応だと私が上司だったら思います。ベクトルが対人関係ではなく生き物に向いてる。「あ、こいつ生物への愛情はんぱないな」と評価するかも。時が経ちプランクトン呼ばわりされてもはきはきと返事するくくるさんへと変貌。慣れたというより取捨選択できるようになってどうでもいいところは流せるようになったのでしょう。お仕事アニメっぽい成長を感じたのはここくらいでしたが嫌いじゃないです。{/netabare}


■滋味深い

{netabare}前半のがまがま立て直し話と後半のティンガーラ奮闘記にどうしても隠れてしまうくくるの自立の話。過去にとらわれるなと簡単に人は言いますが、亡くなった家族との絆(がまがま)に折り合いをつけるのは難儀なはずで、それでも前を向いて歩み始めるまでをあまり湿っぽくならずに仕立て上げてたのは良かったですね。生まれてこれなかった姉の代わりに寄り添えた風花の存在も大きい。
自分の存在基盤を脅かされた一介の少女が周りのサポートを受けて一進一退しながら過去と決別するでもなく自分の一部分として消化できたことが爽やかな余韻を残してくれたように思えました。ただしドラマティックではないですよ。{/netabare}




※余談

■○○水族館

シンパシーを感じるあの日の記憶。
{netabare}自分語り恐縮です。幼少期の家族旅行の思い出といえば大都会仙台に遊びに行くことで八木山ベニーランドからの松島水族館は定番コースでした。ベニーランドは健在でヤンヤンヤヤーしてるようですが、水族館は数年前に閉館したとのこと。生き物たちは新しく仙台にできた水族館にお引越ししたとかなんとか。じわじわとへこみますね。そんな中で視聴した『アクアトープ』でした。マンボウ元気かな!?{/netabare}


■沖縄雑感

地域性はある。じわりじわりと沖縄を感じる本作において殊更沖縄を主張してないのは意外だったかもしれません。
おっとりゆっくり人が良いみたいな県民性。それ体現してるのおじいと儀武さんぐらいだったんじゃないでしょうか。

{netabare}パワハラ上司はこの際さておき、お仕事風景は前述したジェネラリスト型育成の例のみならず東京でもよく見る風景です。典型的な日本企業。これが外資ならくくるは飼育係の即戦力としての採用だったでしょう。風花も広報でメディア対応してたかもしれません。{/netabare}

そこから連なる本編関係ない本題以下↓

{netabare}そんな“地域性”の差を飛び越えてリアルではここ何年分断工作の最前線となっている沖縄。曰く「基地の犠牲になってる」「日本に独立を奪われた」「内地は沖縄を見捨てた」等々、一部ファクトから曲解を重ねたり捏造したり。国内外の活動家が押しかけている横で当の沖縄県民らはそんなもん荒唐無稽と歯牙にもかけてませんがここ二代の知事は一国二制度とやらにシンパシーを感じております。{/netabare}
{netabare}そこから描ける未来に警鐘を鳴らす言説は前々からありましたけど、いざ現実にある他の国で露わにされてみると単純に「ほれ見たことか!」とふんぞり返る気にもなれません。人民を解放したい軍隊を有する国家がどこかにあるかもしれませんよ。{/netabare}

我々道端のアニヲタにできることはありませんが、ことさら“琉球”を強調する人なら簡単に見つかると思います。「この戦いが終わったら…」並の警戒フラグでしょう。

プロパガンダに無防備な我が国では、しなやかにカウンターするのが水に合ってるのかもしれません。
沖縄も普通に日本じゃん!で貫かれているアニメに尊さを感じる今日この頃でした。



視聴時期:2021年7月~12月 リアタイ

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2022.03.02 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

74.0 2 2021年度の清々しいアニメランキング2位
怪物事変(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (308)
1120人が棚に入れました
古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きる“怪物"(けもの)という存在。彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが多数報告されるようになっていた。探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物"たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—

声優・キャラクター
藤原夏海、花江夏樹、村瀬歩、諏訪部順一、小野大輔、花守ゆみり、花澤香菜、下野紘

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

家族愛と友情を描いた半妖の子供たちの物語

この物語では登場する妖怪たちを怪物(けもの)と呼びます。
そしてこの物語に登場する怪物と人間との間に生まれた子供たちは、家族や友達をとても大切にしています。
もしかして、私たち人間よりも家族や友達を大切にしているようです。
だから、この物語を見ると、けっこう感動します。

主人公の夏羽(かばね)は人間と怪物との間に生まれた半妖の子供。
夏羽が13歳になったとき、村で家畜の変死体が相次いで発見されます。
犯人は別の怪物でしたが、この事件で村に居づらくなった夏羽は探偵の隠神(いぬがみ)に引き取られ、東京で暮らすことになります。
東京の探偵事務所には、夏羽と同じように半妖の男の子が二人いました。
一人は蜘蛛の母親をもつ織(しき)、もう一人は雪男の一族に生まれた晶(あきら)です。

夏羽は両親の顔を知りません。夏羽の望みは親を捜し出すことでした。
織は母親の消息が不明であり、母を見つけたいと願っていました。
晶は生き別れになった兄を捜しています。

この物語は、別の見方をすれば、家族を見つける物語でもあります。
だから、単なる妖怪アニメではありません。物語の内容が結構しっかりしていて要所要所で感動する話があります。

意外とお勧めできる内容です。


ところで、
この物語に登場する晶という男の子ですが、
晶は、この物語に登場するすべての女性よりも奇麗で可愛い。それに笑顔が眩しい。
晶の笑顔にとても癒されます。
私は男の趣味はないはずなのですが…。私の頭がおかしくなったのかなぁ?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良い意味でのマイナー感と丁寧な作りのショタアニメ。ボ卿「君たちは実に可愛いですね」。

 薄い本が欲しい…、そう思わせてくれる作品はあまりないのですが、本作は珍しく終始そう思わせてくれるキャラ力があった。



 薄い本が欲しくなるのは、私としては媚び過ぎてはアカンし、かつ作風が明るすぎだったり、全体的にそういう風には見たくないキャラや関係性だとそうは思わない。


 本作は、全体的な作風のダークさ+マイナー感と、同時にキャラがデザインも含めてしっかり生きた物になっているし、関係性を1クールかけてしっかり構築しているし、キャラクター性の土台をしっかり据えるのに使っているのが好感が持てる。


 キャラクターデザイン的に、いかにも腐女子に媚びました的なセンスだとゲンナリな私ですが、本作は王道なオーソドックスなスタイルを抑えつつ、ちゃんとセンスを感じられるバランスがなかなかのもの、原作の絵が上手いんだろうが、キャラクターデザインの人が地味にセンスあるからこそ出来る芸当だろう。


 本作は珍しくショタキャラが多い作品だが、みんな被らないで一人一人が弱さや駄目さも含めて可愛らしい。エグいそれぞれのバックグラウンドも単なる味付けじゃなく、キャラクター性に落とし込めているから◎。


 主役のカバネの悟りキャラ、というか心がまだ存在していないような状態から、みんなとの関係性の中で心が出来ていく過程は王道でまた良し!。やたら感動げじゃなく、ちょっとギャグっぽく描く照れ隠し感もいいじゃないか。


 少ない女子キャラのコンと綾の存在も無碍にできない。コンは大谷育江さん感があって花守さんの新たな一面を見たし、綾のメスガキ感の素晴らしさは薄い本必至!。



 全体的に見ると傑作ではないが、良心的に丁寧に作られてる感じが好感を持たせる佳作である。まだセットアップだから本格的に物語が動いていくであろう2期が早く見たい。


 数少ない大きな不満点は、石田さんをあんまり大したことない悪役に使ったこと。天下の石田さんやで!、全ての黒幕か、最強クラスの敵に使わんかい!。子安さんとかもだが、お歴々を安く使わんといて。ヤングさんじゃないが「しょ〜もない役で呼ぶんやないぞ!」。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

現代社会を舞台にした伝奇物。読みは「かいぶつ」じゃないよ、「けもの」だよ!

==[下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。]==
原作漫画の掲載誌は「ジャンプSQ(スクエア)」だったかと思います。第1話でアニメ化されてる部分の原作は既読です。たぶん、放送クールのどこか途中で未読箇所に入るんじゃないかと思います。

作中では「怪物(けもの)」と呼ばれていますが、要は妖怪変化の類ですね。そういった物が原因と思われる事件を扱う、表向きは探偵ということになっている隠神(いぬがみ)さんに拾われた日下夏羽(くさか かばね)くんが主人公です。

第1話は夏羽の故郷に依頼を受けた隠神がやってきて、いろいろあって探偵事務所に合流するまでの話ですね。

作品の性質上バトル要素はありますが、基本的には普通に格闘や武器を使用しての戦いになるので「目からビーム」みたいなことにはなりません。

作画やキャストの演技などアニメとしての出来はアニメ化の要求レベルはちゃんとクリアしていると思います、というかまあまあ良かった方でしょうか。

流血とかは多少あるので、そういうのが苦手な人には向かないかも。
==[第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。]==

2021.3.29追記:
最終話まで視聴終了。タイトル回収したところで、想定に反してアニメ化部分は全て原作既読(単行本だとたぶん6巻の途中くらい)でしたがペース配分的にシリーズ構成なども適切で、アニメ化自体の出来は大変良かったと思います。

怪しい原作改変などもなく、アニメを観た人が原作を読んでもキャラクターデザインなども含めて違和感は全くないと思います。

状況としてタイトルの「怪物事変」を含めて事情がいろいろわかったところで夏羽たちが東京を離れることになるという、話の区切りとしてはなかなか良いタイミングで1クール終了の原作付きアニメ作品としてはほぼ満点の出来だと思います。

特に何の予定も聞いていませんが2期目も問題なく制作できる終わり方でしたし、原作の販促アニメとしても文句なしです。まあ、もうちょっと続くと派手なアクションシーンとかもあったんでしょうが、それはそれ。

余談: 直接関係ないけど本作と同一クールのEX-ARMとか原作からアニメ化の出来を比べられるとめっちゃかわいそう…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31
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