海軍で艦隊なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの海軍で艦隊な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月07日の時点で一番の海軍で艦隊なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

59.4 1 海軍で艦隊なアニメランキング1位
「艦これ」いつかあの海で(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★☆☆ 2.8 (104)
246人が棚に入れました
藤田咲
タニベユミ
洲崎綾
堀江由衣
野水伊織
小倉唯
種田梨沙
早坂梢
宮川若菜
小松真奈
竹達彩奈
山田悠希
東山奈央
ネタバレ

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

シグレ、カク、タタカエリ、キケ、ワダツミノコエ。

全話の放送が終わってからの視聴。
視聴する前に、放送の延期があった事や暗く重い雰囲気の作品になっている事、なんなら終わり方に大変な非難や失望があったという「噂」程度は耳に入れての視聴となりました。

ちなみに、私自身も数多いる提督の一人である。
なので1期の時も楽しみにしていた方の人間だし、多くのツッコミを受けた海上スケートや艤装、出撃や戦闘のフローを見ても「演出面、苦労したんだろうなぁ、苦労してんなぁ・・・」と思ったくらいで、悪い印象は持たなかった。
同じような艦船ものの別アニメでのリアル艦艇になる様な「謎変身」よりはよっぽどキャラクタが立っていていいと思っていたぐらいだし、艦娘の活躍や日常をを普通に楽しんでみていた。
物語として、1期とつながっていた映画版も見たしね。

んで、今作・・・。

第1話目:重めぇ・・・、そして暗い・・・。
何か悲壮感緊張感が半端ない、大丈夫なのか、これは。

第2話目:ふーむ。戦闘シーンが多く描かれる。
ゲームの艦これを体験していない方が見ると「なんやコレ!?」となるのは想像に難くない。もっとも艦これに興味が無い方は今作を見ないとは思うけど。
提督業を嗜んでいるものからすれば「はーん、あのゲーム画面はこんなイメージなんかー」である。
受け入れられるかどうかは知らんけどw。
絵はキレイだったなー。
相変わらず、雰囲気は重いまま。

第3話目:う〜ん。引き続き戦闘シーンが続く。
もうダメだっってタイミングで続々と友軍が到着、しかしながら、目に見えて事態が好転される訳ではなくカタルシスがあるわけでもなく・・・。
意味深な演出や語り口調はあるものの、正直、効果的でもないし、後から効いてきそうなイメージも湧いてこない。
いくら絵が綺麗でも、こちらのハートに刺さるフックが異常に少ないと感じた。

第4話目:まず・・・提督は出してはダメなのでは?
今までの作品でもハッキリとわかる形で姿形は出してはこなかった。これは、艦これの暗黙の了解と言うべきか、ポリシーとして偶像化させるべきではないと直感的に思っていたのだが・・・。

数多いるリアル提督の姿を映す容姿、納得するデザインをそう簡単に創り出せる訳もなく、安易にイケメンにしたり、老齢な姿にすることもできず、女性ということも難しかろう(あくまでも世界観の上では)。
私は、だからこそ、姿形は見せず、提督は「アナタです」的なありがちな大人の工夫に頼らざるを得ないと思っていたのだけれども。

案の定、
出てきた提督の姿は凡百。
あまり強い個性を持たせると反感も大きくなるので、このようなモノにならざるを得なかったのだろうが、あまりにも普通。
熱も感じなければ、悲壮感、緊張感、使命感などひかれる魅力を全く感じない・・・。

この一点を持ってしても、この作品はユーザーを軽視している可能性があるのではないか?との疑念が沸き上がってきた。

もともと、艦これの運営はその傾向がある・・・、おっと、誰かきたようだな。
この話はまたの機会に。


第5話目:やっぱ提督はノイズにしか感じない。
ただ、この5話目は重苦しい雰囲気から少し解放され、鎮守府での日常的な部分と演習風景が描かれた。
明るいシーンがが多く、このキャラの作画でこの雰囲気は一服の清涼剤の様だった。演習シーンも割と好きだった。

第6話目:・・・なんだか中途半端なエピソード回。
相変わらず艦娘の絵はキレイなんだけど内容が・・・。
戦闘シーンも・・・。
友軍登場でびっくりした顔のままって・・・、うれしいとか、やったーとか、ほっとしたとかなんかあるんじゃないかなー。
あと、ちょいちょいある「変な間」ってなんなんだろう。
含みを持たせようとしているのかもしれないけど、いまいち効果的ではないような気がします。

どうにも、「楽しめる」要素が少ない作品だなぁ、との感覚が消えません。

第7話目、8話目は・・・、
ちょっと各回書くほどの思いが湧いてこない・・・。

個人的には、酷評をしたくはないタイトルなのだけれども、これは、いろいろと厳しいんじゃないですかね。

あにこれのテンプレ的に所感を書き記すとすると・・・。

物語:うーん。なぜこのタイミングの物語なのか、よくわからなかった。エンタメとして選択するのならば、もっと派手なエピソードが残っていただろうし、わちゃわちゃ系なら多少ヒンシュクは買うと思うけれども、キャラの人気、容姿を最大限に利用して楽しくもできたはず。
どうにも、中途半端な印象がぬぐえない。

時雨をピックアップしたかった?
なんか理由があるのかな。
リアルゲーで初めての改三が噂されているから?
ピンとこないな。

率直に言って、いい年齢なので史実の戦争、出来事の事は知っている。
そこをフィーチャーしたくてこのエピソードを作ったとしても暗すぎ、重すぎじゃあないですかね。
(そりゃあ、実際は比べ物にならないぐらい悲惨な状態だったんだろうけども)

作画:作画は個人的には好感触でした。きれいに描かれていたし、それほど破綻もしていなかったように思いました。放送延期が何か影響したのか、しなかったのかは知らないのですが、評価できる点だと思います。

声優:このポイントは・・・、いくつか気になった点がありました。とある艦娘たちの独特の口調、間延びというか。
これは、演出としてそのように狙われたものだとは思いますが、あまりいい印象は持ちませんでした。あまり、意味を成す演出だとは思わなかったのですが、どんな理由があったのでしょうねぇ。
あとゲーム内で親しんだ口調、セリフが登場したときは「おっ!?」と思いましたね。


音楽:これは・・・OPがねぇ。
ある意味でビッグネームが歌っておられることはわかるのです。
歌はうまいと思いますし、単体で聞けば素晴らしいと思ったかもしれません。
ただ、この作品のOPとしては、どうなのかなぁ。
まったく、ズレているとは思わないのですが、違ったタイプのOPが良かった気がしています、個人的に。
上手い下手、好き嫌いではないのです。
「重すぎる」のですw。
これが「男たちの大和」なんかみたいな実写だったらしみじみとしたかもしれませんねぇ。
何なら、OPとED入れ替えて、もう少し作品を明るくしてほしかったかなぁ。
(・・・個人の感想ですw)

キャラ:キャラはねぇ、慣れ親しんだキャラクタ達ばかりですからねぇ。そのキャラクタ達がきれいに描かれて、活躍しているのはやっぱりいいな、と思いました。また、割と多彩なキャラが登場しましたしね。
ただ・・・末期設定なので、登場人物としては限度がありましたね、そこはね。




さてと、総括なのですが。
正直、厳しかったですねぇ。
惜しかったと言うか、もう少しなんかできたんじゃないかなぁと。
話数も短かったですし。

{netabare}
「艦これ」の特徴として、何度も同じ艦娘がドロップしますので、
今作に年号が入っていたという事は、1944年は「ああいう結果」になったけれども、ループして未来のどこかでは、別の結果になっているかも的な、あるいは別の過去には1944年の「ああいう結果」になっていない世界線もあった的なアプローチなんですかね?
序盤に過去と未来という表現もありましたしね。


あるいは、もっとシンプルに1944年に「ああいう結果」になった艦娘たちが、2013年「ブラウザゲーム艦これ」として現代に蘇ったっていう事を象徴的に描いた物語なのでしょうか。 {/netabare}

それと、キャラ同士の会話に挟まれる思わせぶりな間、へんてこな空気感、多用されるミカン。
ちょっと、何言おうとしているか解らなかったです。


何とか良かった点を探してみると・・・
作画は頑張っていましたかねぇ。
妖精さんのまめな活動、活躍がみれてよかったかなぁ・・・。


本当に期待をしていたし、楽しみにしていたし、こんな酷評はしたくはないのですが、いまいちピンとこない、しっくりとこない作品でした・・・残念。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

何がしたかったんだろうw

{netabare}
1期で叩かれてた部分が、2期は良くなるのかと思ったら...。
自分は1期は言われているほど悪くないと思ってる派だけど、これはさすがに擁護不可能。
一応自分艦これの元ゲーム勢なのでその補正もあるはずなんだけど...w

本題
吹雪主人公の1期とは違って、2期は時雨が主人公。
レイテ沖の時にはもう沈んでるからだろうね。

「いつかあの海で」のタイトルや追悼用みたいなOPからシリアスな作品になるんだろうなぁと思ったけど、微妙にシリアスにふり切れてない部分もあって中途半端で残念。
生きるか死ぬかの戦い(レイテ沖海戦)を終えたかと思えば、急に演習とか言って萌えアニメみたいなノリが挟まれるのはいかがなものか。
そもそも演習を何故レイテ沖海戦と言う転換点となる戦いの後に持ってくる構成にしたのか。
シリアスなのか萌えなのか中途半端なのは1期から散々指摘されてた事項なのに。1期好きな自分も、これに関しては1期でも思った。

史実要素も中途半端。
てっきりレイテ沖海戦でほぼ全滅するのかと...。
レイテもヒ船団も史実回避でなぜか生還。
そして呉空襲の後、坊ノ岬沖海戦で沈む。
どうせ全滅エンドにするならなんで微妙に史実から逸らしたのか理解に苦しむ。
本来撃沈している艦が退役扱いになっていたり、なんでやるならやるで徹底しないのか。
普通に演習→レイテで史実エンドで良かっただろうに。
ヒ船団は、蜜柑の食いすぎで史実要素を仄めかすのはどうなの...。

最終回は史実要素も酷いし、史実抜きにしても酷い。
海外艦しかも、英米艦と共闘はどうなの...。
いや、艦これの場合は敵が深海棲艦だとしても、海外艦が出てくるとなると史実がもはや体を成してない。
最後は全滅でいいのかな。
直前の回で時雨が何かを決心した描写があったけど、それも一切活かされないまま...。

そして、まさかの転生エンド。
相手が米英なら戦争負けた後は史実通りになるけど、艦これの場合は相手は米英ではなく深海棲艦。
負けたのにどういう経緯で今と同じような現代を迎えたんだろう...。
もう末期となると戦力はほぼ残ってないだろうに。
好意的にとらえるなら
1.海外艦が頑張った
2.深海棲艦の存在しない別世界線に転生した
とかだろうか...。いやいや・・・。

で、安定のみかんも、最後の遺影流す演出も全部がギャグにしか見えない。

話が酷いのもあるけど、もう何もかも酷い。
まず、会話のテンポ。
しょうもない食堂の話を長引かせて前半丸々使ったり、構成どうなってるんだろうw
会話のテンポが悪いというより、話す速度が異様に遅いと感じるという、数年アニメを見てきて初めての経験。
会話のテンポもあるのか、声優も新人ではないはずなのに、棒読みに聞こえたり、ハリがなかったり下手に感じるキャラが多い。

構成も最悪。戦闘シーンでいいところに入ったと思えば急に過去回想。
最終回は3分前というテロップと共にほんの数分前の過去回想が2回ぐらいあって、さすがに笑った。
素人でももっとマシな構成にできそう。

戦闘シーンは面白くない。誰かにスポットが当たるわけでもなく、かっこいい演出があるわけでもないので、常に淡々とした感じ。

作画もあまり良くない。
クオリティアップのために8話にしました→延期しますって時点であり得ない。
まあ、ENGIに期待してはいけない。

個人的冬アニメぶっちぎりのワーストです。
↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆8
ちゃんとやってくれ。シリアス路線なのは嬉しい。曲草
アニソンっぽくない曲だな。ワロタ。Xjapanww
みかんに作画使って大丈夫かENGI 浜風 一般通過島風
翔鶴好き。西村艦隊だし鬱アニメコース行ってくれてもいいんだけどね個人的には。山城扶桑
てか、分かるからいいけど世界観説明とかはぶっ飛ばしね。
演出とか良かったし期待は出来そう? 鬱路線確定っぽいな。

2話 ☆3
OPマジで草。
シリアスな割に艦載機のシーンがちょっとシュールすぎるんだよな。
深海棲艦なんだった、敵。なんで藤田咲なのにこんなに棒読みなん。
やっぱ艦これはシステム的にアニメ向きじゃないのかなって思ってしまうな…。色々シュールなんが。演出があかんわ。戦闘が全く面白くない。
史実だと次で沈むか。

3話 ☆6
これワンパにならん? 深海棲艦さん
史実に忠実な点で評価はしたいけどあまりにエンタメ性がない。
画面が暗い。史実無視。これならこんなにシリアスにする意味あったん…?
なんか草。EDいいじゃん。

4話 ☆2
久々。彼岸花のシーンネタだろ。笑かしに来るな。男だああああ
提督なんか草。こんな中途半端なら正直ストパンのノリで良かったわ。
始まる前はアークナイツより期待してたんだがなぁ。
全体的に婉曲的な演出がネタにしかなってない。
生きてるのが中途半端すぎるんだよ。
シリアス感出すならちゃんと殺しとけよ。雪風だ。響ちゃん可愛い以上。

5話 ☆2
会話のテンポ遅すぎて草。この重苦しい食事パートはよ終われ。
会話の途中の謎の間やめろ。
こういう話するなら山城は殺して退場させとけよって思う。
中途半端。響可愛いよ響。飯食うだけで終わるAパート。唐突な百合。
この明るい演習ここまでの空気ぶち壊しだわ。
てか演習やるなら1話でやっとけよ。急にギャグアニメになって草。
マジでなんだよこれ。終わったwww

6話 ☆4
シンガポールや湘南は攻め落としたの? は? ただの腹痛かよw
これギャグアニメ? 1話1話の内容が薄い。龍玄とし草。雨止んでないがw
あっさりすぎて草。腹痛なんだったの。

7話 ☆2
てか、このアニメ1つの作戦を描けよって思う。
なんで今更こんなに大したことなさそうな作戦。
一番最初にやってた奴の方が余程最終回に相応しそう。
卵とか生魚そのまま渡すなww
会話の間とこのおっそい喋り方どうにかしろ。深海棲艦だせよ。
時雨裸で何やってんのw 時間稼ぎ多すぎるw 回想で尺稼ぎするな。
やられるシーンを描けよ。帰ってくるとこだけ描くなw
戦闘シーン書けないからか? 何と戦ってんだ。
会話のテンポマジで笑えるからやめろ。特殊EDw

8話 ☆1
なんで呉大空襲。時雨イキってた割に影が薄い。声で草。急に援軍来るなww
しかも欧米艦 時雨どこ行った。
何分前って途中で入れるの死ぬほどテンポ悪く感じるからやめろ。草。
みかん消えたw ギャグアニメか? ?????? あの米英なんだった?
てか深海棲艦に負けたんなら平和な世は来ないと思うが。
謎みかんで笑わせるのやめろw 遺影もギャグにしかなってないw

曲評価(好み)
OP「時雨」☆4.5
ED「未来」☆7.5
7話ED「佐世保の時雨」☆7.5
6話IN「DIVA DIVA」☆6.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

まあ話題性を考えて見ただけなので… つまらなかったですが。

1話感想 3.1 艦これのアニメ化は二度目ですが今度は果たして
いや劇場版もあったんですかね。
劇場は知らないのでノーコメントで。

さて、一本目の艦これアニメは、まだまだ艦これ人気が絶頂期だったころで、これでさらに飛躍が…と期待できるところに、微妙なアニメ化でいまいち跳ねなかった印象です。
シリアスだかコミカルだかどっちつかずで、どう見て良いかわからないアニメ化でした。前作は。

本作はまだよくわかりませんが、どうやらシリアス一辺倒という感じでしょうかね。
戦況的には劣勢で、次々艦娘達が撃沈されていく重苦しい内容になっていくのでしょうか。
そういう方向ならそれもアリだと私は思います。

作画はまあ悪くないのでは。超絶作画というわけでもないですが普通に綺麗です。

しかし… 何か声が変じゃないですか? 全体的に微妙ですが特に山城。
藤田咲ですか… 初音ミクの人ですね。
私は初音ミクは大好きなんですが、藤田咲は別にという感じです。
初音ミクがあれほど大ブレークしたのにその声優がいまいち振るわないのは、やっぱり実力不足だからなんでしょうかね。
いや演技指導とかが変なのかもしれませんし、声優のせいにばかりするの違うのかもしれませんが。
なんか声、演技が変で、内容に集中できません。
時代がかった話し方を、とか変な指導を受けてるんでしょうかね?
よくわかりませんが。

内容の方も、重苦しい雰囲気は悪くないですがテンポは悪いですね。
1話でもうちょと進んでも良いのでは…。
いや、一応アバンで戦闘もあったし、あんなもんで良いのかな。

しかし艦これは本当に長いですね。ぼちぼち10周年なんで盛り上げようとしているのでしょうか。
果たして盛り上がるのかは… うーん、どうなんでしょうね。

興味はあるので見たい気持ちはあります。

全話感想 
色々残念な出来でしたね。まあ話題性を考えて見ただけなので、特に後悔はありません。

何が悪いのか… まあ悪いところだらけなのですが、まず見せ方とか演出とか作画の崩れも多かったりという質的な面で悪いのは確かですね。

後はストーリー。何がどうなっているのか、曖昧なんですよね。
いや個々の戦場で、夢中で戦っている兵士達には全体の戦況がわからないのは当然なんですけれど、だから普通の戦争ものでは全体を把握している司令部の状況を出したりして把握できるようにするんですけれどね。
わかりやすさを何も考えていないと、こういう作りにはならないですね。

あと… ピンチになった→友軍が助けにきた の展開やり過ぎ!

いやおかしいだろ。不良の喧嘩みたいに、行き当たりばったりで戦っているのか。
戦争でこれはない。特に艦隊なんて、どの艦をどこに動かすか綿密に考えるもんでしょ? 何かアクシデントがあって到着しない、なら有り得ますが逆に到着するってなんですか。
正直一回でも許せませんが、多少なら目をつぶっても良かったですが…、ピンチの度に、毎回同じ展開ですからね。
ワンパターン過ぎて飽きるし、論外でしょう。ギャグとしても笑えません。

これをやりたくて全体の把握をさせないのかもしれませんが…。
やりたいですかね? クソ展開じゃないですか? 自力で打開しろよ。

後はいちいちテンポ悪いんですよね。
戦争っぽい雰囲気を出すためだか、事前のブリーフィングっぽいことをやってるんですが、中身がうっすい! いや何を話してんの? それこそ、ここで、作戦目的とか話すべきでしょう。殲滅なのか、死守なのか。何時間後に友軍が駆けつけてくれると、ちゃんと事前に説明していればクソ展開だとは思わないんですよ。

まあアニメなんで、逆に情実に訴える手もありますよ。
ここで勝たないと国が滅ぶ、誰が死ぬ、死んだ誰それのために頑張ろうとか、泣かせる展開の一つでもあればまだいいのですが。

とにかく、わからせよう、盛り上げようって気がなくて… 唯一あるのは戦争っぽい雰囲気を演出したいって意図? それも失敗していますけれどね。
本当に何だったんでしょうねこれは。

艦これファン、アニメファン、戦争ファン… このアニメで誰か喜んだ人は居るのでしょうか。
せめて作り手くらいは喜んでいて欲しいですね。


…まあ、さらにしつこく語っちゃいますが、戦争で援軍が駆けつける展開って、普通はあり得ない無いと思います。
特に艦隊戦となると… いやランチェスターの法則ってのがあるじゃないですか。飛び道具のある戦いは二次式になるから兵を分けるのは愚策で、各個撃破されやすくなるだけなんですよ。
いやこんな当たり前のことを軍オタでもない私がなんで語らなきゃいけないんですか。ランチェスターの法則を知らないですか。一般教養でしょこんなの。

もちろん全軍が一箇所にいるわけじゃないから、兵を集める時にアクシデントがあって揃わなかった、それが駆けつけてくれた、なら仕方ない。
いやそれだって無能も良いところですけれどね。
そういうアクシデントが無いように用意するのを兵站と言うんでしょう?

要するに、主役の無能っぷりを何度も見せつけられ、ストレスを大いに感じたということです。
こういうのは本当に駄目です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

78.7 2 海軍で艦隊なアニメランキング2位
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1401)
7057人が棚に入れました
2039年、人類は温暖化に伴う急激な海面上昇により、地上での版図を大きく失った。
それに呼応するかのように、霧を纏う謎の軍艦群「霧の艦隊」が世界各地の海洋に出現、搭載した超兵器で人類の艦を攻撃し始めた。
人類は持ちうる戦力を投入し、最終決戦「大海戦」に臨むも、「霧」の圧倒的な武力の前に脆くも敗れ去った。
すべての海域、運搬経路を「霧の艦隊」によって封鎖され、政治経済は崩壊、人類は疲弊の一途をたどっていた―――――――
「大海戦」から7年。
士官候補生・千早群像の前に現れた「霧の艦隊」の潜水艦「イ401」。
敵であるはずの「イ401」、そのメンタルモデル「イオナ」との出会いは群像に、そして人類に何をもたらすのか?
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アルペジオ2周目の感想 & 「艦これ」との比較

(※アルペジオ劇場版が公開された2015年当時の投稿内容です。)

①1月末から総集編映画が公開され、その後に完全新作の続編映画の年内公開が控えていること(10月3日封切り予定)
②本作と同様に旧日本海軍艦艇をモチーフとした話題の新作アニメ『艦これ』がTV放送中であること(加えて両作はコラボしていること)
③最近視聴した、本作と同じ監督(岸誠ニ氏)&シリーズ構成(上江洲誠氏)の組み合わせのTVアニメ『結城友奈は勇者である』(2014年秋)が、予想外の良作で、このコンビの作品に俄然興味を持ったこと

・・・以上3つの理由から、本作品について2013年秋のTV放送時以来、2周目となる全話視聴を行い、レビューを全面的に書き換え、併せて「艦これ」とのコア・コンセプトの違いを考察してみました。


◆各回の評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========== 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- (2013年9-12月) =========
{netabare}
第1話 航路を持つ者   ★ 航海の目的、イオナとの出逢い
第2話 嵐の中へ     ★ 対タカオ戦
第3話 要塞港、横須賀 ☆ 軍との対峙
第4話 横須賀急襲    ★ 対キリシマ・ハルナ戦
第5話 人ならざる者  ☆ メンタルモデルと人の接触
第6話 ともだち    ★ メンタルモデルと人の接触(続き)
第7話 硫黄島      ★ コメディが面白い回
第8話 人形の家    ★ 兵器が「愉しい」という感情を持つな
第9話 決死の脱出行  ★★ 対コンゴウ戦1、ED後に急展開
第10話 その身を捧ぐ  ★★ イオナ・タカオに生まれる恋情
第11話 姉妹      ★★★ 対姉妹艦(イ400・402)戦
第12話 航路を拓く力  ★ 対コンゴウ戦2、余韻を残すラスト{/netabare}
----------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)2、★(良回)7、☆(並回)2、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3


※上の★表記のように、本作は外れ回が少なく(全12話で☆は2回)かなり濃い楽しみ方が出来ました。
※特に終盤の第8話後半から第11話までの展開は見事だと思いました。
※最終回(第12話)は本作としてはイマイチの感がありましたが、それでも悪くない出来と考えます。
※まとめると、現時点では自分にまだ上手く表現し切れない特有の面白さがある作品と考えますが、以下のように考察を進めて、なるべく明瞭に本作の美点と欠点を抽出していきたいと思います。

◇各話内訳
{netabare}
バトル回=計5話(第2/4/9/11/12話)
メンタルモデルと人との交流回=計5話(第1/5/6/8/10話)
その他の回=計2話(第3/7話)
{/netabare}

◇登場するメンタルモデル
{netabare}
※全部で以下の9体

大戦艦コンゴウ ※他のメンタルモデルとの間に感情発生
大戦艦キリシマ ※蒔絵との間に感情発生
大戦艦ハルナ ※蒔絵との間に感情発生
大戦艦ヒョウガ ※他のメンタルモデルとの間に感情発生

重巡洋艦タカオ ※群像との間に感情発生
重巡洋艦マヤ ※感情プログラムは実装されていない

潜水艦イ400 ※他のメンタルモデルとの間に感情発生
潜水艦イ401(イオナ) ※群像および他のメンタルモデルとの間に感情発生
潜水艦イ402 ※他のメンタルモデルとの間に感情発生

※その他にメンタルモデルを持たない艦艇が多数登場(ナガラ級軽巡洋艦、アイオワ級などアメリカ方面の霧の艦隊)
{/netabare}


◆内容考察

(1)本作の他にない美点
{netabare}
・フル3DCGIによる迫力の艦隊バトル描写
・バトル描写と並行して、メンタルモデル同士の謎空間での緊張した対話を描出している点(非常に斬新な印象を受けました)
{/netabare}

(2)明白な欠点
{netabare}
・メンタルモデル同士の対話の描写が秀逸なのに比較すると、人間とメンタルモデルの交流の描写が
 ①余り洗練されておらず、少し古臭い(蒔絵とハルナ・キリシマの交流)か、
 ②感動できるが、初見では分かり辛く、ハイライト(第10話)に後述するようにせいぜい半分程度の理解に留まってしまい、非常に惜しい(群像とイオナ・タカオの交流)こと
・シリーズ構成が甘いこと、特に
 ①第1話が分かり辛く、余り後の話に上手くつながっていない点
 ②軍との関係の描写がストーリー全体から見るとほとんど無駄になって浮いている点
 ③さらに最終第12話の盛り上がり方・まとめ方がイマイチで期待外れだった点
・ナノマテリアルが万能すぎて(それさえあれば、どんな物体でも自由に再生できてしまう)、設定の縛りの無さに時々白けてしまう点
・タカオ、マヤのギャグ設定までは良いとしても、ヒョウガのギャグ設定が作品に不必要に安っぽい印象を与えてしまっている点(ギャグが滑っていてこれもかなり白ける)
{/netabare}

(3)現時点で評価保留の点
{netabare}
・《論理思考ルーチン》に過ぎないメンタルモデルに、《論理》を超越した《感情》や《意思》が生まれてしまう、という《心身問題》を本作はどのくらいの深度で描いているのか、その深さや意味合いが自分の現時点の知識では掴めない点

※興味はあるけれども現時点では私には確り調べる意欲が欠けています→詳しい方がいたら簡潔に教えて欲しいところです(以下は参考サイト)

¶心身問題(mind-body problem)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E8%BA%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C

¶心の哲学(philosophy of mind)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E3%81%AE%E5%93%B2%E5%AD%A6
{/netabare}


◆本作のハイライト

※現時点では以下の2点と考えています(ただし今後、第12話も追加する可能性が高い)。

◇第10話『その身を捧ぐ』
{netabare}
10分過ぎ、艦内気温が低下し群像の呼吸が乱れているいることに気付いたイオナが、「私は擬似的に代謝機能を再現して体表温度を上げることは可能」といって自分の両掌(てのひら)を見つめて、その後、少し戸惑った表情で群像に視線を移し「だけど・・・」とつぶやくシーン
群像が、あれっと少し驚いた表情を浮かべて、それからフッと笑って「そうだな。エネルギーは節約すべきだ。救命キットからブランケットを持ってきてくれないか」

*つまり、イオナは自分が群像と抱き合えば、艦内気温を上げなくても群像の体を温めることが出来ることに気付くが、同時にそうすることを躊躇(ためら)う感情が彼女に生まれており、群像もそれに気付いて「ブランケットを・・・」と婉曲に彼女の行動を脇に逸らしている。
*イオナのこの躊躇(ためら)いは、メンタルモデルらしからぬ乙女の羞恥心ないし淡い恋情の発生と解釈できる。
*そして、これが、16分過ぎに来る「嫌(いや)。私は、私は一人になりたくない」というイオナの発言と行動につながっていく。

→しかし第1回目の視聴時は、私はそこまで気付かず、この後に来るタカオの群像への切ない恋情だけを認識できていた。

*タカオ「全く、本当にあんたってば。これじゃ・・・私の入り込む隙間なんて、どこにも無いじゃない」は、イオナの恋情のもたらした行動に気付いた彼女が意を決してつぶやいた言葉。
*「自らを犠牲にして他者を救う、それは本来、霧には有り得ない行動。まさかイオナ姉様がそんな選択をするとはね。そしてあんたも」(ヒュウガ)「それが艦長の、千早群像の望みならば」(タカオ)

→つまり、イオナに発生した群像への恋情(※但しイオナ自身はそれが恋情であるとは気付いていない)が彼女を自己犠牲へと向かわせ、そしてその行動がさらに、タカオの恋情を募らせて、その第二の自己犠牲をもたらした、と解釈できる。

*タカオの恋情はともかく、イオナの恋情は視聴1回だけでは分かり辛いと思うので、この回の評価を★★としました。
{/netabare}

◇第11話『姉妹』
{netabare}
20分近くで、イオナが姉妹艦を喪失してしまうシーン
*メンタルモデル同士の心理的なやり取りの描写が秀逸。
*ここの演出は第10話よりもずっと分かり易く優れていると思うので、この回の評価を★★★としました。
{/netabare}

※なお、第12話『航路を拓く力』は、現時点では残念ながら、第10話・11話に比べると内容が幾分雑で感動が少ないように感じてしまいました。
→本作の私の全体評価を、もう一つとした原因のひとつ。
→ただし、この回については、前記した◇(3)現時点で評価保留の点、に直接関係する箇所なので、時間を置いて再々視聴し、考えを整理したいと思っています(その際には評価が変わる可能性が高いです)。


◆『艦これ』とのコア・コンセプトの違い

・アルペジオの艦は、{netabare}
 ①旧日本海軍艦艇の艦容そのままの外形を保ちつつ、
 ②別に、メンタルモデルという人型の制御ユニットを持っている。{/netabare}
・このメンタルモデルは、{netabare}
 (1)「人間のような感情を持つことなど、兵器である自分には不要かつ異常である」と自己定義していたはずなのに、
 (2)人間ないし人間に感化された他のメンタルモデルとの接触によって次第に、「後悔」「恋慕」「憤怒」「愛惜」といった人間的な「感情」{/netabare}に目覚めていってしまう。
(※ここが本作の最大の注目点)

・これに対して、艦これの艦娘(かんむす)達は、
{netabare}その身にまとう艤装(ぎそう、船の装着物のこと)を別とすれば、最初から生身の人間と変わらない極めて豊かな喜怒哀楽の感情に溢れた存在{/netabare}として描かれている。
・ただし、艦娘たちは、
{netabare}あくまで「先の大戦当時に実在した軍艦の擬人化」であり、自身が軍艦であることを自明とする発言や行動をとっていて、なおかつ、先の大戦での個別エピソードに由来する悲劇的な運命を背負わされていること、{/netabare}がストーリーの端々(はしばし)から予感される描き方をされている。
(※ここがアルペジオとの最大の違い→アルペジオの艦は、{netabare}ただ単に日本海軍艦艇の外形を模倣しているのみであり、それとの内面的ないし運命的な繋がりは切断されている{/netabare})

・以上まとめると、『アルペジオ』も『艦これ』も、{netabare}
 ①先の大戦当時の日本海軍艦艇をモチーフとして、
 ②人間側ではなく、擬人化した艦側の《悲劇》を描き出す作品{/netabare}
と要約できると思いますが、
その描き出される{netabare}《悲劇》{/netabare}が
 ①『アルペジオ』の場合は、{netabare}艦(メンタルモデル)が人間的な感情に不可逆的に目覚めていく点{/netabare}にあるのに対して、
 ②『艦これ』の場合は、{netabare}艦(艦娘)が先の大戦でのエピソードを運命的に踏襲してしまう予感に満ちている点にある、{/netabare}
と考えます。

・このどちらに、より心惹かれるか(あるいは惹かれないか)、は個人の好みによると思いますが、私個人は現時点では、後者(艦これ)の側に、より強く心を惹かれています。

・いずれにせよ、1月末公開のアルペジオ劇場版総集編およびその後10月初めに公開予定の完全新作続編が楽しみです。


◆追記:続編映画の評価

(1)劇場版蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-DC   ★  4.0
(2)劇場版蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-Cadenza ★★ 4.5

※(1)は、約2/3がTV版の総集編、残り1/3(正味30分強)が新規の展開
※(2)は、フル新作で、TV版のコンセプトを引き継ぎつつ、この手の作品に求められる要件を十分に満たしてストーリーを完結させている。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 73

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

魅せる戦艦バトル作品

ジャンル:SF戦艦バトルアニメ
製作会社;サンジゲン
監督:岸 誠二

久し振りに何も考えずに カッコイイ!!! と褒めたくなるほど夢中で楽しく観れた作品。小難しいことを考えず4話まで観て判断してもらえると嬉しい。正直、1話は概要で不安要素たっぷりです(苦笑) 基本的に戦艦バトルがメインとなるドンパチ合戦の作風に加え、キャラを含めほぼフルCGの映像美になっている。さらに艦これブームも相まって期待値は上げられた。実際、BD売上も1万枚と好調なスタートとなっているようで私的ながら嬉しい限りである。超重力砲連射の勢いで2期作成して欲しい気持ちがいっぱいです(笑)

先ほど述べた艦これ(正式名:艦隊これくしょん~艦これ~)と比較される理由の多くは、萌キャラとの一体感ある構図が類似している。戦艦の名前と同じキャラ名に加えキャラデザの違いといった比較要素も多いと思います。実際、どちらのキャラデザが好みかはユーザー次第ではあるが、これはこれ、それはそれと楽しんだもの勝ちと感じている。

あえて区別するなら、
艦これ:萌キャラだけに留まらずミリオタ向けに作られており戦艦の名称・由来といった綿密さ、自分の戦術を楽しむ

アルペジオ:萌キャラどんぱちフルCG戦艦アニメ

という具合です。そもそもアニメとブラウザーゲームと路線が違うが、今年夏アニメ化される艦これの出来栄えに期待しつつアルペジオを超えるクオリティになるのか怪しいところではある。

ストーリーはシンプルで、霧と呼ばれる謎の艦隊から人類の危機を救う為に未来を模索する千早
群像と霧の裏切り者である401イオナの航海。その行く先を阻む霧の刺客達もイオナと群像に影響され自我を持ってしまう。戦艦に芽生えた感情という不確定な思考ルーチンは、何の為に獲得するのか未だわからない道筋となっている。

戦う萌キャラにしか見えないが、突如、人型に擬似化された戦艦AIという設定・人類を滅ぼす目的、アドミラリティ・コードとは何を指すのか?その意志はどこにあるのか?と伏線ばかりではあるが、最終的には人類と未知の人種(戦艦)を受け入れる共存を描く王道な作りを漂わせている。
その過程において、意思とは何か?人間とは何か? 個としての尊厳を問う哲学的な側面を描きつつ切っても切れぬ科学と人を結びつけたヒューマンドラマ性を植え付けている。
原作とアニメ版では改変されているらしいが、1クールで終わらすには勿体無い作品だと感じる。

それもストーリー展開はテンプレではあるが、戦艦バトルシーンは心熱くさせる絵の魅力が一番の見所となっていた。それだけに同じカットを無駄に観ていたら、気づくと2週目していた(笑)
最近はCGを使うアニメが多いなか違和感もなく目立った粗さもなく溶け込んでいたと感じる。
特に超重力砲発射シーンは圧巻。私の下手な文章で説明するよりPVを観る方が確実と思う(笑)
是非、観てから判断して欲しい。

ドンパチ合戦の構図が多いのだが撃ち合いシーンを盛り上げる要素として戦術の描き方がシンプルに魅せることで、ここから熱い展開が来るぞ! と観ている方も夢中になってしまう。
基本的に 潜水艦 VS 大戦艦 とのバトルで勝てる可能性はない。危機的状況から覆す博打勝負となる。王道ではあるがワクワクドキドキ感が絶えずズルズルと観てしまう中毒性がある。
相乗効果としてBGMの使い方もセンスも巧く一体感が生まれていた。

また、各話のシナリオ構成も戦艦バトルを見所にする尺の取り方にしている。
多くの作品は1話のバランスとして起承転結で物語運びをする構成にしている。視聴者に結にあたる次回への引きとして、来週も見て欲しい為である。要は気になる終わりにして来週も見てね と、モヤモヤ感を与える。実際、好きな作品ほどこれは効果覿面となるが、その続きに拍子抜け・期待ハズレといった感性を与えることにもなる。そこで打切る判断材料になる。

だが、アルペジオはどうだろうか。1話に結をいれない構成にしている為、起承転となり引きが弱くなっている。当然、単調な物語運びとなるのだが見せ場である戦艦バトルに1話まるごと使う構成にすることで見応えが生まれる。1話 起承転 2話 結 と2話セットにしている。
ただ、序盤の物語の掴みがわからない為に不安を抱くが、加速していく4話辺りから引き込まれる。
超展開要素もあるが展開として妥当だと思う。 ただ、戦艦同士の融合には唖然としたが、カッコイイから許してしまう気持ちとツッコミしかなかった(苦笑) この辺りは派手さを魅せる意味もあるが、危機感の装置にもなっており、最後の悪あがきを誇示している。特撮によくある敵の巨大化演出みたいなものと解釈するといいかもです。

また、政治・経済といった戦略的な深みとなる演出をほぼ省くことで、戦術の見せ場である絵を重視した見やすい作品に仕上げている。萌キャラに戦略的な深みを備えれば銀英伝に次ぐ作品・・・と無謀かな(苦笑)  ただ、このクオリティの高さでリメイクやこれから発信される作品に転用できれば、もっと充実する作品が増えることは確かだろう。

キャラ設定。
自我が芽生え意思を持つという共通事項をベースして個性を植え付けている。思考ルーチンが乏しい為、興味対象に沿った行動心理が優先になっており、全体的に単純だけど許せるバカという可愛げあるティスティングにしている。無機質な戦艦であると同時に成長段階の子供といったギャップがコメディ要素を膨らませ愛着を持たせている。あえて心情描写を掘り下げる展開はないので気楽に観れる。

私の好きなキャラは、ちょろインなあの子です(爆)
最近ちょろインな子がツボですね~某アニメではちょろインしかい出てきませんが(苦笑)

少し内容が逸れたが萌要素も過不足なく織り込んでいる。
ベタなキャラ設定と感じるかもしれないが、これぐらい良い案配と思う。
それも最低限のキャラ立ちすることでバトルに箔をつける意味を成している。

それだけにキャラ・序章に近いストーリー展開は全てはバトル演出を盛り上げる為に構成していたと感じる。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 46
ネタバレ

ほったっる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

留守番嫌いっ、お出かけ好きっ、一人はさみしっ、二人は楽しっ、私はマーヤ、友達コンゴウ!

原作未読

絶賛ハマっている「艦これ」のコラボイベントから興味を持って観たアニメです。

突如現れた圧倒的力をもつ霧の艦隊が世界の海を制圧し、世界が遮断されてしまう。(通信も妨害されている)陸に直接攻撃してくることはないが、人類も霧の存在に危機を感じている。
主人公の千早群像は霧でありながら群像に従う伊401と出会い、政府にも霧にもつかず、現状を打破する力を求め、霧に対抗するカギとなる兵器をアメリカへ届ける依頼を引き受ける。

とまぁ、話だけ聞いても「ん?」となるような内容ですのでつべこべ言わずに見た方が早いかと・・・笑

ざっくり言うと、人類の存続をかけて艦が擬人化した女の子と一緒に、これまた艦が擬人化した敵と戦うという感じですね。(適当)

つまんねーこと言わずに要点だけまとめていきます。
このアニメはとにかくかっこいいのです。

かっこいいところその1:音楽
OPからかっこよすぎます。特に蒼き鋼のクルーが海を眺めているシーンはしびれます。イオナがいつもの定位置でのそのそしているのもかわいいですね笑
OPだけではありません。戦闘中を始め、BGMが本当に最高。戦闘がBGMでより一層、緊迫感を増していきます。

かっこいいところその2:艦
すべて3DのCGで描かれているため、登場する潜水艦や重巡洋艦、戦艦がかっこよく描かれております。そのため、登場人物がかくかくしているように思えますが、そこに目を瞑らずともなおあり余る圧倒的な作画と言えます。潜水艦の修理シーンや補給シーンなどでそのすごさを体感できるはずです。特に霧の最強兵器とも言える超重力砲が出るシーンは圧巻です。

かっこいいところその3:専門用語
戦闘シーンではなにやら難しそうな言葉が飛び交っています。ATフィールドならぬクラインフィールドや、浸食魚雷や超重力砲、アクティブデコイ。戦闘中はとにかく忙しそうなので、聞いてるだけで「お・・・お、おお、なんかすげぇ」という感じになります。(結局稚拙な感想で申し訳ない)

かっこいいところその4:構図
ここはネタバレを含む私なりの考察なので長くなります。読むのは面倒だと思いますので、一応隠しておきます。
{netabare}
一見するとこのアニメはSFもののような気もします。
しかし構図で言えば現在の世界となんら変わりはないと私は考えます。

アルペジオでは「人類」と圧倒的力をもつ「霧」が対立しています。
その霧に対抗するために、人類は振動弾頭と言う最先端の兵器をデザインチャイルドという倫理的にも問題がある手法で開発に成功します。
そして主人公である群像はこういった旨の発言をします。
「振動弾頭が人類の未来であり、これがあれば霧と対等になれる」※原文ままではありません

これを聞いたときにすぐに連想したのが、現在の「核兵器」です。
核兵器が開発されて以来、どの国も核兵器をもつ国に対抗するために核の保有を行ってきました。最たる例がご存知、冷戦です。
一体、なんのために核の保有が増えていくのか。それはやはり「対等になるため」でしょう。

私は大学で中国人留学生と核に関してのディスカッションをしたことがありますが、彼ら曰く
「中国は核兵器を保有できたからこそ、アメリカのような先進国と初めて対等になり、外交ができるようになった」
との旨の意見をいただきました。
すでに力の差がある状態で外交なぞできないというのが彼らの言い分です。

実際、そうなのかもしれません。
例えば北朝鮮も核兵器を持っているということをちらつかせ、先進国に支援物資などをねだっております。つまり核兵器と言う力で他の先進国と対等になり外交を行えると考えていることが窺えます。
これがもし、北朝鮮のようなならず者国家が核兵器を開発できていなかったら、世界は大して相手にしていなかったでしょう。
これは外交と言うより一種の脅しに近いかもしれませんが、実際、核兵器をもったことで(あるいは持つように見せかけることで)世界は北朝鮮について真剣に考えるようになったのは間違いありません。
もちろん対極的な方法としては、核を放棄し、支援を真摯にお願いするという平和的な方法も行えますし、それも実現可能なのかもしれません。
このような素晴らしい方法がありながら、悲しいかな、人間は「抑止力」なる兵器を持たずには相手との議論を行うことができないという考えが一般的なようです。その考えも無理はないでしょう。過去の戦争などを見れば、人類は「力」に頼ってしまう弱さをもった生物なのだとわかるはずです。(あ、なんかキザだ)

それ以前に、そもそも交渉というのは立場が有利なものが有利に事を進めようとするのが、ごく自然のことなのです。

本作における千早群像も敵のメンタルモデルと和解するために最大限の努力はしますが、最終的には敵を沈めることを厭いません。
彼は振動弾頭を手に入れ、霧と人類が対等になり、そこで初めて霧と和解できると考えているかもしれません。
もし振動弾頭が量産されるようであれば、霧も容易に攻め込むようなことができなくなり、和解のためのテーブルに座ってくれるかもしれません。

まぁこれは全て私が勝手に考えたことなので、軽く流してください笑 正直、知識も乏しいので。
{/netabare}

見所は戦闘シーンに留まらず、ちょっとした日常パートのようなものもあります。
関連して言えば、このアニメの良いところとして、いちいち山場をつくろうとしていない所が挙げられるかもしれません。
日常系でもない限り、どうしてもアニメは1話で1つの山場を作りたくなりますが、本作品では話の最後に山場が来て、次週最初から最後までクライマックス!といった展開が結構あります。

日常パートではギャグ展開も見られ、和みもあります。
{netabare} どの艦も戦闘するまでは気難しそうな子ばかりですが、一度負けると一人残らずギャグ要員になっているのはおもしろいですね笑
コンゴウはさすがに除きますが{/netabare}

とにかくかっこいい本作品。ぜひご視聴ください。

原作も読みたいなー。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

66.0 3 海軍で艦隊なアニメランキング3位
紺碧の艦隊(OVA)

1994年3月1日
★★★★☆ 3.5 (56)
204人が棚に入れました
 荒巻義雄原作の人気小説をOV化。監督は「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」で有名な神田武幸。第二次世界大戦を舞台に大日本帝国海軍が欧米列強よりも強い戦力を保持していたら……という架空戦記。太平洋戦争が勃発し、満を持して戦いを挑む高野五十六は連戦連勝の快進撃を繰り広げる。

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

仮想戦記の元始作

90年代、書店の新書版小説コーナーには「○○の艦隊」と名のつくものが、雨後の筍のごとく沢山並んでいました。
今でこそ廃れてしまいましたが、いわゆる「IF戦記」「仮想戦記」「空想戦記」と言われるジャンルです。
紺碧の艦隊は、その先駆けとなった小説。
小説のヒットにあやかって、徳間書店から、当時としてはまだ珍しいメディアミックス戦略が展開されました。
ゲーム化、コミカライズ、そしてこのアニメ作品化。
かなり刊行を重ね、アニメだけでも32話も作成されています。

ストーリーの大綱は、第2次世界大戦で戦死した英傑達が、パラレルワールド 『後世』 に記憶を持ったまま転生し再度歴史をやりなおすというもの。
これから起きる戦争の記憶があるわけですから後出しジャンケンも同然。周到な戦略&戦術と、新基軸の兵器で敵さんをボコボコにします。
国土を焼かれて無条件降伏という辛酸を舐めたあの戦争を、
もっとマシに戦うには?他にやり様が無かったのか? あそこで勝っていればどうなった? あの爆弾がなかったら?
と、政治的・軍事的にシミュレートするのがIF戦記と呼ばれる所以。
大国を相手に一歩も引かずに戦い抜いた先で、果たして日本は平和で秩序ある世界に貢献できるのか。
・・・・そんな事を想起して楽しむ作品です。
(そんな単純に上手く行くものか!って野暮な突っ込みはナシです)


で、このアニメですが、内容の半分は戦闘シーン。
第二次大戦当時の航空機、戦艦、巡洋艦、潜水艦の戦いです。
戦闘機が機銃をを打ち、戦艦が艦砲射撃を行い、潜水艦が魚雷で艦船を沈める、至極真っ当な戦争を描いています。
SFチックな超兵器はありません。(終盤は原作者がトチ狂って そういうのも一部出てきますが)
ちょとだけ優秀な兵器で、愚直に職業軍人として作戦行動を行うオッサン達の物語。ただそれだけです。

ちなみに、「紺碧艦隊」は潜水艦で構成される隠密艦隊。
噴進弾(トマホークミサイル)、酸素魚雷(航跡の出ない魚雷)、ワルター機関(電池を必要としない推進機関)など、色々な秘匿装備があります。
飛行艇も搭載できる潜水空母でもあります。・・・・・むむっ、結構超兵器かもw


反戦の倫理観や歴史的な正当性などを抜きして正直に申しますと
日の丸をつけた艦船や航空機が活躍するのは、やっぱりイイ!

万人には決してオススメしませんが、兵器好き、軍事モノ好きにはたまらない作品です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

大風呂敷 広げすぎたら 尻すぼみ

前半は、かなり面白かった。
しかし後半、調子に乗り過ぎた感あり。
転生し人生をやり直すはずだった帝国軍人たちが
結局、無間(むげん)地獄に嵌ってしまったかのよう。
終わり方が中途半端となってしまってがっかり。

以下は、未視聴の方は、観る気無くすような
読まない方がいいネタバレありますので注意。
(以下の流れを知ってたら、自分は最初から観なかったと思います)
{netabare}
強い日本軍で太平洋戦争を日本軍常勝で再現するのは
エンタメとして非常に楽しい。

しかし、対戦相手が米国ではなく、
ヒトラー率いるナチスドイツにした頃から先行き不安となった。

戦線は拡大し、全く史実にないドイツへの爆撃やら、
インドでのドイツ軍との陸戦、制海権争いなど
必要だとは思えない展開がマイナスな印象に。
また、英国を弱体化させたのはやり過ぎだし、
正史では、日独伊三国同盟だったイタリアは一体何してる状態。

そして最終話で、根本的な終戦にはならなかったという虚しさ。
一時停戦となったものの、史実通りヒトラーが歴史上で裁かれることもなく
世界の脅威のまま終了、となったことが一番いただけない。

途中までの痛快感を一気に吹き飛ばすラストでした。
結局、戦争は再開され長期化されるだろうと暗示のまま終了。

エンタメとして後味悪すぎです。
後味さえ良ければ、物語評価は4.0にしてたでしょう。

上手く戦争に負ける、というテーマはいつの間にか吹き飛び
兵器開発競争の負の連鎖から抜け出せなくなってしまった。

後半の兵器の開発スピードの不自然な異常な速さ。
後半からは、あっという間にジェット戦闘機が主力になり、
原子力に変わるエネルギーも開発され、
兵器の威力が短期間に現代レベルに近い所まできてしまった。

エンタメであっても、過去の戦争から学ぶべきものがあり
反戦のメッセージをどこかに期待していたのがことごとく裏切られました。

原子爆弾がどこにも投下されなかったは唯一良かった。
しかし、あのラストの先にあるのは
水素爆弾などの新たな大量殺戮兵器の脅威が待ってる、としか思えません。
{/netabare}
アイデアとしてはとてもいい話だと思います。
結末を知らない方が楽しめますので、ネタバレには要注意です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

架空戦記の決定版

某艦娘アニメが萌えアニメと悪魔合体させようとしたものがこちらです。

連合艦隊長官 山本五十六が後世と呼ばれる『照和』に転生します。
そこは『昭和』とまったく同じ戦前に日本。違うのは自分の苗字。
五十六さんは同じく転生者がいること知り同士を集め戦争回避に努めます。
しかし元乗艦の艦娘と同じように『逆らえないなにか』的なものの存在を感じながら開戦日を迎えてしまうのです。

ですが2週目の人生、前世の教訓を生かし電探開発、震電改的航空機、大和型の予算であのイオナ、しおいちゃんこと『伊400型』を大量に生産します。
通商破壊こそ正義!まさに『オリョクルいってこい』です。

その潜水艦艦隊の名前が作品名となっています。


前半は『戦闘機の制空権の取り合いは物量負けする』という長官の超理論の元、魔改造された戦艦比叡がレーダー+ショックカノンで米軍機を全滅させたりはしますが比較的『真面目な架空戦記』です。

後半になるとナチスドイツ、ヒットラーやフリーメーソン、ライフル協会みたいな悪の組織と戦うエンターテイメントに!


敵がドイツになるわけですので二次大戦潜水艦モノの傑作映画『Uボート』へのリスペクトみたいな演出があったりしますが、比べるのが失礼なブっとび具合。
馬鹿馬鹿しいと思うかこれくらい頭が悪いほうが割とありと思うかは視聴者様次第。

島田兵ならぬ飛田兵が大活躍します。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

67.2 4 海軍で艦隊なアニメランキング4位
沈黙の艦隊(TVアニメ動画)

1996年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (31)
179人が棚に入れました
日本の近海で海難事故が発生した。千葉県犬吠埼沖で、海上自衛隊の潜水艦「やまなみ」がソ連(現ロシア)の原子力潜水艦と衝突し沈没、「やまなみ」艦長の海江田四郎二等海佐以下全乗員76名の生存が絶望的という事故の報道は日本に衝撃を与える。しかし、海江田以下「やまなみ」乗員は生存していた。彼らは日米共謀により極秘に建造された原子力潜水艦「シーバット」のメンバーに選ばれ、事故は彼らを日本初の原潜に乗務させるための偽装工作であった。
アメリカ海軍所属となった日本初の原潜「シーバット」は、海江田の指揮のもと高知県足摺岬沖での試験航海に臨む。しかしその途中、海江田は突如艦内で全乗員と反乱を起こし音響魚雷で米海軍の監視から姿をくらまし逃亡。以降、海江田を国家元首とする独立戦闘国家「やまと」を名乗る。さらに出港時「シーバット」は核弾頭を積載した可能性が高い事が発覚。
アメリカ合衆国大統領ベネットは海江田を危険な核テロリストとして抹殺を図る。海江田は天才的な操艦術と原潜の優れた性能、核兵器(の脅威)を武器に日本やアメリカやソ連、国際連合に対抗してゆくこととなる。

声優・キャラクター
津嘉山正種、大塚明夫、徳丸完、麦人、中博史、稲葉実、飛田展男、塩屋翼、中村大樹、緒方賢一、加藤治、田中康郎、阪脩、渡部猛、若本規夫、村山明、仲木隆司、上田敏也、筈見純、藤本譲、中田和宏、小村哲生、小林清志、大塚周夫、秋元羊介

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

国会議員の教養になった作品。今はこの作品に注目せざるを得ないでしょう。

 本作について、潜水艦の設定や戦闘シーンが実際と違う、という批判はあります。映像シーンが映画のパクリという話もありました。が、そういう事では無いですね。

 大事なのは核武装し、かつ国際社会の枠組みから外れた存在は歯止めがきかない、ということです。しかも核を持っているかどうかがフェイクでも構わないということも同時に言えます。なにせ使ったらお終いですから。

 現実の今の世界で、ミサイルバンバン打ち込んでくる国が騒いでいる分には、なんとなく迎撃してくれるんじゃないか、という甘い期待があったでしょう。でも、今回の件で核もったら勝ちじゃんという発想になると思います。国連の機能はつまり核を持っている国の利害しだいということです。

 そして核爆弾についてはそういうことに気が付いた人が昔からいたのでしょう。1979年の「太陽を盗んだ男」という映画があります。学校の先生が核のテロを行う話です。そこで学んだのは、核爆弾を起爆させるのはそれなりの技術がいるみたいですが、実際のハードルは核燃料、つまりプルトニウムかウラン235が入手できるかどうかです(たしか核爆弾の燃料の部分に梅干しを入れて警察に送り付けるシーンがあった気が…うろ覚えです)。それさえ入手できれば核爆弾の製造は可能だそうです。もちろん、詳細な情報は出回っていませんが、一般的にはそう言われていますね。

 あとはアニメだと残響のテロルですね。評判良くないので見てないですが、ちょっと今回見るべきかなあと思ってます。「バックトゥザフューチャー」はテロリストがプルトニウムを盗んだといってますが、テロリストに盗まれたらおしまいですね。詳しくはマンガ「パイナップルアーミー」の最終回とか見てください。テロを起こすだけなら爆弾にする必要はありません。核廃棄物で十分です。

 で、言いたいのは、核は燃料の入手は難しいですが、技術は簡単に手に入る、そして、核武装=社会的な発言力がある国家というのは、あながち絵空事ではないということが、今の社会情勢からわかります。

 もう1つのテーマの専守防衛ですね。原作はこの部分で日本の護衛艦についてのドラマがありました。これは私が今回みたDアニメのVOYAGE3には含まれていませんでしたが、これも今や大きな話題です。敵基地破壊能力とかイージスアショアですね。地政学的にいって、現在日本は攻撃される可能性が極めて高い状況です。憲法問題と思想が絡むのでここでは持論は展開しません。

 ですが、この作品はそういったことを考えるきっかけになってくれるでしょう。細かい設定とかは置いておいて、その本質…つまり、防衛と国家なにより核について考える作品ということだと理解しています。

 で、作品ですけど、深町…じゃまですよね?初めは活躍しそうな雰囲気でしたけどね。つまり原潜とディーゼル艦ではお話も作れないということだと思いますし、潜水艦もので始まった本作が、いつのまにか国家論に変わって行ったということかもしれません。

 正直話として面白いのは、シーウルフ級との戦いまでかなあ…その後は海江田がちょっと概念化してしまい、エンタメとしては飽きます。なにより女っ気がないんですよね。私のような軟弱ものにはちょっと辛いです。いまなら女子高生艦長かなあ…フルメタルパニックのテッサだったらいいのに…ですのでアニメはvoyage3までで丁度いいと思います。

 本作の原作が一番盛り上がったころは国会議員も含めて、知識人は皆本作の原作を読んでいたらしいですね。ひとつの教養だったみたいです。今こそもう1度議論してほしいですね。

 なお、日本のバッテリー艦は短時間の作戦行動なら原潜より優秀なところも多いそうなので、近海の防衛についてはかなりの能力だそうです。

 そう…本作は潜水艦乗りたちがいかに「音」の世界に生きているのかが良かったですね。「音」がかなり主要な要素になっていましたね。
 耳という極めてアナログな部分が大活躍でした。ここがかなりゾクゾクしました。そういう世界があるのかあ、と感心しました。今はAIなんでしょうか。それとも相変わらず耳なんですかね。

 総評です。VOYAGE3まではエンタメ性も含めて、かなり面白い作品です。ただし、設定や実際の原潜のバトルのリアリティとか考えだすと本質を外すと思います。評価点は一応つけますが、本作の価値はそういうところではないと思います。

 あと原潜の船体ってナイフで削れるんでしょうか。また、削ったらそこから圧壊しそうですけど…そこだけ気になりました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

諸般の事情で埋もれてしまった感のある作品

原作コミック既読

dアニメで偶然見つけ、OVA2(voyage 2, voyage3)までの3作品を一気に視聴。大人な事情により制作打ち切りを喰らった作品。らしい(調べてみたら、結構しょぼい理由だった・・・)。OVA2本を含めても、原作の3分の1程度までしかカバーしていないですね。映像化に際し、すっ飛ばされた描写も結構ありました。あと、このアニメではロシアが最初っからロシアでした。

古きよきサンライズ感を全面に感じられる絵柄で、世代的には安心感のようなものを感じます。
既になくなられた方も含まれていますが、CV陣も豪華というか重厚にして堅牢。渋い男の世界が展開されます。彼らの演技を聴くだけでも十分楽しめるかも。

「日本人乗員(自衛官)が操船する、極秘裏に日米共同建造された原子力潜水艦。表向きは米軍属とされたままの処女航海において、突如その潜水艦は国家として独立すると宣言する。。。。」

原作を読んだときは「日本に原潜、しかも核武装の可能性あり」という設定にかなりの無理筋を感じたものです。

潜水艦が関わる海戦の(言葉の選び方が難しいんですが)おもしろさがよく描かれていると思います。映像化された部分の先の展開では、非現実的と批判される描写もありますが、もしも映像化されていたらそんなファンタジー含めて楽しめただろうなと、残念に思います。

政治に対して何らかの興味なり不満なりをお持ちの方は、本作品を導入剤として、原作に手を広げて見るのもいいかと思います。「国家とは」、「核を含めた軍事力とは」、「国家が軍事力を持つことの意味・意義とは」、「国家と国民とは」といったあたりのことを、自分なりに考え、解釈するきっかけくらいにはなるかもしれません。本作で語られているそれらが正しいかどうかは知りませんよ、どこまで行ってもアニメ・マンガの話ですから。あくまで、自分なりの解釈へのきっかけとして、です。ただ、マンガに関して言うと、結構タフな作品なので理解しながら読み切るにはページ数以上の時間を要すると思われます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

絵空事ではなくなってきた?

原作未読・OVA視聴済(2022.3)
作品の原作はいつか読もうと思いながら結局読んでないままです。
この作品で色々影響を受けた方々も多いんじゃないでしょうか?
自分もかわぐち先生の作品は好きで「ジパング」も途中迄コミック持ってます。「空母いぶき」も新刊まで既読してます。
ただ、自分はどちらかというとお子ちゃまなので「紺碧の艦隊」シリーズみたいな御都合空想戦記のエンタメ性重視の作品に流れがちです。その点かわぐち先生はシリアス性?とエンタメ性の比率を非常に気を使っているように感じます。”あくまで漫画、されど漫画”そこは「ゴルゴ13」にも言える部分ではないでしょうか。
そして、”日本人として国とは民族とは”常に問いかける姿勢。異世界俺TUEEEで現実逃避も楽しくて良いですが、俺の人生クソゲーや親ガチャとか言ってても現実は変わらないのでこのような作品に触れてみるのも良いのではないでしょうか?
物語は日本初の原潜が独立国家”やまと”を宣言し、核保有国優位の世界情勢にその理不尽さや矛盾、偽りの正義を問う挑戦的な内容です。
近いうちに原作を読みたいと思っています。

私のツボ:果たして彼らはテロ組織なのか?

投稿 : 2024/11/02
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