浮気で宇宙人なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの浮気で宇宙人な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月07日の時点で一番の浮気で宇宙人なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.2 1 浮気で宇宙人なアニメランキング1位
うる星やつら(TVアニメ動画)

1981年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (305)
1538人が棚に入れました
世にラプコメブームを巻き起こした高橋留美子の代表作を、押井守ら才気ほとばしる若手スタッフが自由闊達に映像化。地球をかけた鬼ごっこに勝利したものの、勘違いから異星人の娘ラムにベタ惚れされてしまった好色少年・諸星あたる。やきもち焼きのラムが発する電撃にもめげず、目の前に現れた美女にしつこくアタックを繰り返すあたるだが、じょじょにふたりの気持ちは近づいてきて?

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、島津冴子、杉山佳寿子、永井一郎、鷲尾真知子、神谷明、小宮和枝

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あんまりソワソワしないで♫

アニメーション制作:スタジオぴえろ、スタジオディーン
1981年10月 - 1986年3月に放映されたTVアニメ。

高橋留美子先生の初アニメ化であり、スラップスティックコメディとして名高い作品。
観たことが無くても名前だけはご存知の方は多いと思います。

宇宙一の浮気者、『世界中の可愛い子ちゃんは俺のものじゃ!』諸星あたるくん。
『浮気は許さない!電撃でお仕置きだっちゃ!』鬼娘の宇宙人ラムちゃん。
この2人を中心とした、SF・ファンタジー・幽霊・不条理・日常なんでもありの学園ラブコメです。

今のラノベやアニメに多大な影響を与えているエポックメイキング的な作品と言っても過言はないですね。

とりあえず、思ったこと!

・物語の評価
 1回の放送で2話構成の頃は軽妙なテンポで、ちょうど良い長さでした。
 初代監督の押井守は最初の頃は原作ファンに叩かれながらも真面目にやってましたけど、
 2年目には、独自色を出そうとして原作を軽視した感じでしたね。
 そこがウケたりしてたんですけど、局プロに呼び出されて大説教されたり、
 いろいろ大変だったらしいです。
 自分の趣味で面白くもない立ち食いそばの話をオリジナルでやったり、
 原作にあった高校ミスコンの話がアニメオリジナルの選挙話に内容が差し替えられたり、
 当時にネットがあったら賛否両論で炎上スレスレだったと思われます。
 ただ、このフリーダムさが押井時代の魅力だったのかもしれません。

 第123話 「大金庫!決死のサバイバル!!」
 第124話 「マル秘作戦・女湯をのぞけ!」
 原作にない話でもこの2本は珠玉ですけどね!

 でもやっぱり一番素晴らしいのは、第067話「君去りし後」
 これを観れば分かる通り、原作を大事にして良い話も作れるのに、
 独自の路線を追い求めたくなるのは作家性の悪癖なのでしょうかねえ?

 3年目の春の放映から製作がスタジオぴえろからディーンに変更。
 監督も、やまざきかずおに交代。
 実はこの人、作画監督&演出家としては評価されてたのですが、
 お笑いの才能がないのですよね!交代直後は頑張ってたのですが、
 原作準拠 &各話スタッフに丸投げ &お話のテンポがトロすぎる
 笑えない、うる星やつらに変わり果ててしまった感じです。
 時期や話によってストーリーの面白さの差が大きいので点数をつけにくいですね。

・作画の評価
 押井監督の時は、タツノコプロっぽさが残る当時のTVアニメの標準って感じで今の人には物足りないかも?
 やまざき監督の時は、当時の萌えアニメの最先端作画ってかんじですね!今見ると流石に古いですけど。
 
・声優の評価
 これは文句なしでしょう!
 平野文、古川登志夫、島津冴子、神谷明、杉山佳寿子、永井一郎、田中真弓、千葉繁 etc.
 今見ると超豪華メンバーですね。

・音楽の評価
 押井時代は、OP/EDがアニソンとして珠玉ですね。
 『ラムのラブソング』『宇宙は大ヘンだ!』『心細いな!』『星空サイクリング』
 『I,I,You&愛』『Dancing Star』『夢はLove me more』
 やまざき時代。
 『パジャマ・じゃまだ!』『CHANCE ON LOVE』『OPEN INVITATION』
 などは良かったですが、
 全部英語のOP/EDとかもあって、そこは趣味じゃなかったような!
 作中のBGMは、風戸慎介、安西史孝、西村コージ、星勝、ミッキー吉野
 と5人も担当しており、良かったと思います。

・キャラの評価
 昭和50年代当時にラムちゃんを作った高橋留美子先生は、天才だと思います!
 『うちのお腹の中にはダーリンの子供がいるっちゃ~!!』(狂言)とか凄いです。
 実のところ原作の高橋留美子は女が精神的に強くて男が弱い作風。
 対して初代監督の押井氏は女心がわからない人(ラムを理解できないと言ってました)
 異なる個性がぶつかってその結果アニメがヒットしたのかもしれませんね。
 (結果、作風とやりたいことの違いで監督降板になってしまいましたが)
 ただ原作も後半はキャラが淡白で小綺麗になってしまったのが残念といえば残念。
 やまざき時代にアニメのパワーが右肩下がりに落ちていったのも原作に起因してるのかも。 

 アニメ版うる星やつらを象徴する存在として、
 原作初期で早々と消えたもののアニメでは個性が肉付けされ、
 半ばオリキャラ化して最後まで残ったあたるの友人・メガネの存在は欠かせないでしょう。
 性格は、監督・押井守+声優・千葉繁のキメラみたいなもので、
 そう言うだけで、どれだけ濃いキャラか想像がつくかと!
 酸欠を引き起こしそうなほどの千葉繁の怪演が凄いですね。
 押井節はモラトリアム全開で、あんまり好きじゃないですけどねw

  
アニメ版うる星やつらは、作画監督によって人物の顔が違ってたりしていますし、
スタッフによってやりたいことが結構バラバラなんですが、
全部包み込んでしまう懐の深さが原作にあったかな?と思われますね。

と、いろいろ比較的好意的に書きましたが、
『ちゅど~ん』『だっつーの』など今の時代に、うる星のノリが合わない人が多くても仕方無いです。
後期なんて尺の長さとか会話のテンポとか今の自分には合いませんでしたし、アクビの出るアニメでしたし。

アニメの歴史を語る上での過去の作品として思い出にした方が良いのかもしれませんね。
2010年?の障害物水泳大会を観て苦しい物を感じましたしね(苦笑

これにて感想を終わります。読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 88

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

昭和アニメは今見るのは辛いし、ラムは言うほどエロくはないです。

 リメイク前にオリジナルについて。かなり以前、初めの数話と飛ばし飛ばしチェックを入れたことがあります。それなりの本数は見ていると思いますが、100話以上ありますから、まったく網羅は出来ていません。コミックは通しで読んでいます。

 本作については、当時としては画期的だったとは思います。なにせ1981年、82年あたりですと、年間のアニメ制作本数は40本ちょっと。しかも男の子向け、女の子向けのアニメが明確に分かれていて、アニメは中学生で卒業の時代です。

 テレビに関しては娯楽といえばそれしかない。家庭用ビデオの普及率が数%~10%で、TVの前で毎週楽しみにその場限りで楽しみ、後は学校で友人と語るしかない時代です。バブル前の昭和ですからコミックスの保有数だって小中学生ではそんなに多くないと思います。

 いろんなところで見聞きする本作の評価については、思い出補正で高く評価はされる可能性を十分を考慮したほうが良さそうです。当時のアニメのラインナップをウィキ等で確認すればその貧弱さに驚きますし、多くのアニメが今でも名前に上がるのは、ほぼ洗脳状態で男の子、女の子がそれぞれ同じアニメを見ていたのでしょう。

 で、本作は半裸の美少女、緑の髪の宇宙人が仙台弁で空を飛び回るのですから、人気はでるでしょう。古のグラビアアイドル、アグネス=ラムさんを意識されたのでしょう。色気を全面に押し出しています。さぞ、当時の中学生は喜んだと思います。
 準レギュラーの宇宙人やゲストも色気をかなり意識しているデザインです。サブヒロインのしのぶは後にモブ化して、怪力設定になった気がします。

 また、演出もテンポも同時期のアニメのラインナップを見ると、突出していたと思います。話に起承転結もあるし、電撃のお約束もあります。


 で、感想です。たまに面白い話はありますが、数話見ていると飽きます。それは本作が1話完結で、ラム、あたるの関係以外は話に連続性がないからです。全部見ていないので面白い回を飛ばしている可能性は十分ありますが、少年向けなので、今更全部見るのは苦行です。
 
 映像的に優れているかといわれれば、今のアニメの方が格段に上です。作画も個性がですぎてラムの顔がいつも違います。

 話題になるラムの可愛さも時代性があるのでしょう。今見てもふーん、という感じです。素晴らしスタイルですが、性的な要素をほぼ感じません。少年向けマンガの文脈ですから、身体のラインに生々しさがない上に、胸揺れがないし、セーラー服のスカートも膝下でまったく色気はないです。新作のキービジュアルとオリジナルは似て非なるものです。絵に込められたマインドは特にエロスに関しては全然違うと思います。
(オリジナルのラムのプロポーションの脚の長さは非人間的でマンガ的表現の延長線上にある気がします。鎖骨や肩のライン、胸の膨らみにつながる感じ、肋骨やわき腹、太ももなどの身体のラインも人間のラインではなく記号化されています。
 対して新作のラムの身体は上半身下半身比率と、身体の輪郭線、鎖骨、肩、脇腹、お尻、太もものラインなどがリアル化している感じです。まだ、数カットしか見てないですが。もちろん新作の方が好みですが、顔はなんかのっぺり感が…)

 なにより作画が安定しないし、小さな瞳とかアイラインとか、今の萌えの文脈で記号化された絵に慣れていると、ラムの顔も記号的なので読み取り方が違うのでしょう、正直美少女に見えない場面の方が多いです。

 ラブコメも様式美化していますし、ギャグもそれぞれのキャラの持ちネタを披露しているだけです。面白いと思う回は、ゲストのユニークさに大きく依存します。たまにラムが真面目になったりする回もありますが、感情移入できてないとただ、さみしいだけ、という感じです。

 SF的な発想が秀逸かといえば、設定は宇宙侵略もののパロディです。パーツパーツではなにかいい物があるかもしれませんが、引用の気がします。最終回かその前あたりで街なかに現れる巨大映像ですね。これはすごかったと思います。のちのアニメに多大な影響を与えたシーンでしょう。痺れます。

 OPEDの曲はなかなかいい曲があります。が、初期のOP映像ですら流れ星の直線の作画とか怪しかったので、当時の技術の水準はそう高くはなかったのでしょう。

 ということで、本作は歴史的な作品ではありますが、今見るに値するかといえば、私の基準だとアニメ史の確認以上の意味はないと判断しています。映画版はいい意味でも悪い意味でも別モノなので同じ作品と考える必要はないと思います。

 なお、コミック版はサッと読めるし、演出もキャラも過剰ではないし引き延ばしもないので、私としてはコミック版を推します。30巻以上ありますが完読できましたし、古さは感じますが普通に面白かったです。


追記 ちょっと勘違い。完結編って映画だったですね。TV版ではなったです。が、映画の割に作画が残念でしたのでTV版と大差ないです。また、巨大ラムの映像はコミック版だけだったかなあ…?

 それとOVA版がいくつかあって、その作画はTV版よりはいい感じがします。ちょっとユーチューブで確認した感じですけど。
 特にOVA12は今の萌え系譜の萌芽がみられ、キャラデザはマンガ系からリアルよりになっています。なお、サンライズが制作にはいってましたね。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 9
ネタバレ

01oinaris さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

萌えアニメの原点!アニオタ文化の起点!押井守の出発点!

エポックメイキングな作品は概して、10年後20年後見返してみると古臭く、新鮮味にかけることが多い。
それはその作品を嚆矢とし、後の漫画家が感銘を受け、それをモデルにして新たな作品が生まれてきた証である。
結果、大元の作品はその新鮮さを失い、「既視感のある展開、ありきたりで面白みのかけるストーリー」となってしまう。
(ToLOVEる第一話と本作第一話の類似性にも着目されたし。)

うる星やつらは日本の漫画・アニメ界において、「萌え系」ジャンルの原点、すなわち視聴者が可愛い女の子キャラにのめり込む文化を作った作品であり、アニオタ文化発祥となった作品でもある。
(当時はオタクという言葉そのものが無かったが)
それまでのアニメが1主人公+1ヒロインが大半であったことを鑑みると、ラムちゃんを始めしのぶ、ランちゃん、弁天、お雪、さくら先生、クラマ姫(ちょっと出番少なめ)、竜之介と、ヒロインキャラを何人も生み出したのは画期的。
「見れば好みの女の子が必ず見つかる」とも評されたと聞く。
その意味ではハーレム系に近いが、ラム以外に主人公が全くモテないことから、厳密な意味でのハーレム系ではない。
(厳密にはハーレム系の元祖はらんま1/2;本作と同じ高橋留美子作)
本作はハーレム系の嚆矢…といったところか。

チーフディレクターは、当時30歳の奇才・押井守(途中降板してスタジオぴえろも退社)。
本作の成功を機に独立し、今や世界的な映画・アニメ映画監督となる。
本作は押井守の出発点でもある。
{netabare}
第一話からのおπポロリ、子どもに聞かせられない下ネタ(終わるまで向こう向いたるからさっさと済まし〜 なんや、おまえ女の扱いも知らんのか〜 byジャリテン)…etc
{/netabare}
時代背景を考慮しても、これを子ども向けアニメ番組として放送した英断に感心させられる。
(上層部の削除要請を押井が無視して押し通したとも聞く。)
PTAからはかなりのクレームが来たそうだが…

ストーリーは基本的に「おバカ男子と利口な女子が繰り広げるドタバタギャグラブコメ」。
本作の男キャラ(あたる・面堂・レイ・テン・メガネ・錯乱坊・竜之介父...etc)はみんなバカかスケベか変態か変人。
「おバカ男子に利口な女子が振り回されている」ように見せかけて、実際は「女子の掌で男子がうまく転がされている」ストーリー展開が多い。
とにかく女子キャラがかっこいい、男子キャラがバカでかっこ悪い。
このあたりは、少年誌に寄稿する女性漫画家ならではの作風だろう。
男性漫画家だと、どうしても男はカッコよく、女は可愛く描きたいものだ。
当時は、少年誌に女性漫画家が作品を出すのは異質であった。
それが当時の漫画・アニメの常識を破壊し、エポックメイキングな作品となった所以のひとつだろう。

OP/ED曲も秀逸。主題歌を「歌手」に歌わせたこと(ステファニーとか懐かしいよね…)、
数カ月ごとの短期で主題歌変更という冒険(今では当たり前のことですが…)、OP/ED/劇中歌をまとめたレコード(CD)の発売…
現在は普通なことも、当時は斬新だった。
ラムのラブソングとか、今でも口ずさめる、メロディーラインにインパクトがある名曲揃い。
(小生は「OPEN INVITATION」とか「殿方ごめん遊ばせ」がお気に入り)
また、全話コンプリートBOXセットの発売も本作が初の試み。
LD(レーザーディスク)で、価格は33万円!
(しかも即完売!ちなみに親戚の叔父が持ってましたが、箱に手を触れただけで大激怒されました…懐かしい思い出です。笑)

本作が放送されていた時代を(物心ついた頃ですが)生き、現場を(幼少期ながら)見てきた一人として、本作の時代背景を踏まえ、思い出補正+アニメ歴史補正値込みでの評価&感想になったことをご容赦いただきたい。
現代アニメを見慣れている若者にとっては、古臭くて視聴に耐えないだろう。
ただ、日本アニメ史の金字塔として、一度は見て欲しい作品。
現代の萌え系アニメが、いかに本作の影響を受けているかがわかって面白いですよ。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 16

66.5 2 浮気で宇宙人なアニメランキング2位
うる星やつら オンリー・ユー(アニメ映画)

1983年2月10日
★★★★☆ 3.7 (76)
363人が棚に入れました
 高橋留美子原作の同名漫画をアニメ化した、劇場用作品第1弾。TVシリーズの好調を受けて制作された。監督は「攻殻機動隊」の押井守。無類の女好きで浮気ばかり繰り返す高校生・諸星あたると、その押しかけ女房となったキュートな宇宙人・ラムが日常的に巻き込まれる非現実的で奇想天外な事件をハイテンションに描いたSFラブ・コメディ。ある日、あたるの知り合い全員に結婚式の招待状が届いた。差出人は、“諸星あたるとエル”。謎の女性・エルの正体は、やっぱり宇宙人。だが、宇宙一の美女と言っても過言ではないほどの美しい女性だ。そのうえ、彼女と結婚すれば彼女の星の王にもなれる。ラムは当然のごとく嫉妬し、ふたりの結婚を阻止しようとするが…。ふたりは本当に結婚してしまうのか? そして、エルは本当にあたるに惚れて結婚しようとしているのか…!? 何やらこの結婚には裏がありそうで…。

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、榊原良子、島津冴子、神谷明、杉山佳寿子

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

完全無欠のうる星やつら これを見なきゃ始まらない20世紀を代表する名作アニメ

1983年公開の劇場用アニメ 公開版80分ノーカット版104分

原作 高橋留美子 監督 押井守 脚本 金春智子 制作 スタジオぴえろ

押井守氏の初監督作品は「うる星やつら」劇場版初監督は「うる星やつら オンリー・ユー」です。

監督降板(脚本が嫌だったのか?)を受けテレビ版監督の押井氏が急遽登板、
まったく進行していない状況で、脚本改編と絵コンテ作成を同時にほぼ一人で強行する、
それも、テレビ版の監督と同時進行、まさに「押犬大明神」と化していたという時期です。
脚本の人から文句が来るほど変えたそうですが、
この金春さんという人はテレビ版の「よっぱらいブギ」のみ執筆、
調子が悪いナツコさんのような回です。
「めぞん一刻」ではごく初期に2本執筆したのみということで、
ベテランの割にはあまり信用がおけなさそう。

おそらく、押井氏が不満だったのはこの設定の中枢であるエルについて。
宇宙人の王女「エル」が子供の頃した「あたる」と結婚の約束を果たすため、
地球に攻め込むというアイディアは、原作初期の「クラマ編」の焼き直し、
これではプライドの高い押犬としては、自分の黒歴史と思いたいでしょう。

ところが意に反してアニメは素晴らしい出来です。
傑作、いや名作級。
どうにも改変できなかった「エル」設定も含めて私には非の打ちどころがありません。
この時点での全キャラ登場のテレビファンのための特大ボーナス?
いや違います。
この作品こそがテレビの延長の「うる星やつら」本編本道の大作。
スピンアウト的位置の「ビューティフルドリーマー」のほうがボーナスです。

押犬に騙されてはいけません。オンリー・ユーこそが見るべき作品です。

諸星あたる CV古川登志夫  カイ・シデン ピッコロ大魔王
ラム Cv平野文    
三宅しのぶ CV島津冴子   フォウ・ムラサメ ダーティペアのユリ
面倒終太郎 CV神谷明    流竜馬 キン肉スグル 冴羽リョウ
テン CV杉山佳寿子     魔法のマコちゃん ハイジ 白鳥のジュン
錯乱坊 CV永井一郎     磯野波平 猪熊滋吾郎 八宝斎
サクラ CV鷲尾真知子
メガネ CV千葉繁      一堂零 レレレのおじさん ねずみ男
ラン CV井上遥       セイラ・マス おそ松
お雪 CV小原乃梨子     ドロンジョ コナン 野比のび太
弁天 CV三田ゆう子     ハットリ・シンゾウ ネコ娘
クラマ姫 CV吉田理保子   早乙女ミチル クララ 神崎メグ マリア・フリード
レイ CV玄田哲章      岩鬼正美 海ぼうず 多数

エル・ド・ローゼンバッハ CV榊原良子 ハマーン・カーン 竜崎麗香
ロゼ CV丸山裕子       ロボタン キノッピー

ラムの美しさは際立っていますが、同様にラン、弁天、お雪も超絶美しい。
見なきゃ損。
いや、お願いですから見てくださいレベルの個人的名作です。

押犬も心を入れ替えて自分が作った名作を認めなさい。

まったく未見の人はテレビ版1話からどうぞ。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 28

でんでん虫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

綺麗な薔薇には棘がある

・映画というよりテレビスペシャルというべき内容
・ギャグは面白かったが物語全体では楽しめなかった

■映画らしい所が無い
映画にはたいていインパクトの強いものやオーバーなくらいの演出があるものだが、この作品には印象に残るシーンが無かった。どれも中途半端というか、古いだけなのかもしれないが「目に焼き付いて離れない」というようなシーンが残念ながら無い。

■物語にメリハリが足りない
 物語の起伏が今一つ感じられない。「笑」と「悲」を区別して、もっとラムに感情移入出来るようにして欲しかった。主人公のあたるが他の女のことでヘラヘラと笑っている一方で、ラムが悲しむというのがこの作品のポイントなのだから、その辺の陰と陽をはっきりと出すべきだった。

■テーマやメッセージが分からない
 うる星やつらのアニメは少ししか見たことが無いのでよく分からないのだが、今作はおそらくいつものラブコメと大差ないと思う。一体この作品を通して何が言いたかったのだろうか。やっぱりラムが一番好き?綺麗なバラには棘がある?わざわざ映画にする意味が分からない。

製作した押井監督ご自身もこれが失敗作と仰っているようだが、私もこの作品は映画としては失敗だと感じざるを得ない。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8

plum さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

らしさでいえば本作

1983年公開のうる星やつら劇場版第1作。

諸星あたると宇宙人エルとの、結婚を巡ってのドタバタコメディ。
劇場2作目のビューティフル・ドリーマーよりもキャラデザがTV版に近く、
ストーリーもあたるの浮気性を中心にしたドタバタがメイン。
しょーもないオチと、最後はお約束のドタバタで締め。

とっても、”うる星やつら”らしくて好きです。

宇宙を舞台にした、ちょっとだけスケールが大きいところが
劇場版って感じでしょうかね。
うる星やつらといえば、数多いサブキャラが魅力のひとつですが
弁天くらいしか活躍の場がないのは、少し寂しいところです。

ビューティフル・ドリーマーの評価が圧倒的に高く、
また監督自身が失敗作だと言っている、少し可哀相な作品ですが、
”うる星やつららしさ”が出ているのは、本作だと思います。


しかしこの時代って、半裸の女の子がでるアニメとか、
パタリロみたいなBLのアニメが、ゴールデンタイムにやってたんですよね。
いまからすると不思議なものです。
まぁ、親はチャンネル変えろってよく言ってたな。

それは野球みたいからだろう!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8
ページの先頭へ