泣けるで鬱なおすすめアニメランキング 18

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの泣けるで鬱な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月26日の時点で一番の泣けるで鬱なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.8 1 泣けるで鬱なアニメランキング1位
Phantom ~Requiem for the Phantom~(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (1093)
7174人が棚に入れました
犯罪組織・インフェルノの暗殺者・ツヴァイは、ファントムの称号を持つインフェルノ最高の暗殺者・アインと共に、与えられたミッションをこなす日々を送っていた。実はツヴァイは平凡な日本人旅行者だったが、インフェルノの幹部・サイス=マスターに暗殺者としての才能を見出されて記憶を消去され、インフェルノに取り込まれていたのである。ツヴァイを暗殺者として養成する際、サイスは思考能力が失われるほどの激しい訓練をツヴァイに課し、彼を完全な組織の奴隷として育て上げようと目論んでいた。しかし、サイスの知らないところで、ツヴァイは運命の力に負けない意志を取り戻す。サイスの目を盗み、彼の上司であるクロウディア・マッキェネンがツヴァイの耳元で「君は組織の奴隷と思ってはいけない」とささやき、自由な生き方が残されている可能性を示唆していたのだ。自分が本当は何者なのかも思い出せないながら、ツヴァイは心の奥底で組織の奴隷ではない生き方を模索し始めた。

声優・キャラクター
高垣彩陽、入野自由、沢城みゆき、久川綾、千葉一伸、渡辺明乃、千葉進歩、志村知幸、保志総一朗

イチゴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

恋愛ガンアクション

記憶をなくしたツヴァイが、ファントムの称号を持つインフェルノ最高の暗殺者・アインによって、暗殺者となっていく話。

このアニメは、主に3部構成でできており、第1部、第2部、第3部、それぞれ暗殺者らしい終わり方をしているのでよかったと思います。
ただ第3部の終わり方は納得いかない人が多いそうです。
個人的には暗殺者らしい終わり方だったので、悪くないと思っています。

大半が鬱展開となっておりシリアスな部分が多いけど、
恋愛要素も含まれており、バランスのとれたアニメだと思います。

作画はきれいでわかりやすく、OPとEDは個人的には好きではないけど、このアニメには合っていたと思う。

また、似たようなシーンを見たことがあるな~と思い、調べてみると、この作品は、有名な映画を似せた場面やシチュエーションが多く含まれており、中にはそのままの形で引用しているものもあるらしいです。(原作がそうらしい)

なので、このアニメを実写化してもそれなりに面白いかもと、個人的に思いました。



このアニメの唯一の短所をあげると
年齢設定が行われていないことです。


キャルの2年間の成長・・・不思議です。笑

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31
ネタバレ

よしぺ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ラストの考察書きます。

●オススメ度
 ★★★★☆

●作品情報
 ・全26話
 ・2009年(4月-9月)
 ・原作:株式会社ニトロプラスのpcゲーム

●作品キーワード
 ・生きること・意味について
 ・殺人
 ・約束
 ・マフィア

●感想
 ラスト後の衝撃から視聴後も余韻に浸っていた。
 このアニメからは、当たり前の価値観・幸せさを再確認されられた。「人を殺すと見える景色・聞こえる音が変わる」とセリフにあるが物事の価値観が変化したと捉えられ、現状の当たり前がどれだけ幸せで大切にしなければいけないことかを考えさせられた。

 ▫物語について▫
 こんなにも主人公やヒロイン達に幸せになってほしいと思った作品はなかなかないかった。記憶をなくしヒットマンにさせられて生きる意味を探しながら殺すことで生きるという物語に残酷さや仕方なさ・救いようがない八方塞がりな状態を感じ、自然と主人公を応援したい幸福になってほしいという気分にさせられた。ヒロインとの関係値・距離感も丁度よく、殺人を犯した者には本当の休息がなく常にどこか緊張感のある雰囲気を感じた。
 {netabare}キャルの死に関しては軽く鬱状態になった。仕方がないことではあるがどこか違う解決策はなかったのか、憎しみを解消させることはできなかったのかなど考えてしまう。玲二視点とキャル視点では感じ方が異なるため主人公に対し憎しみを買ってしまうと思うが、真相をわかった上でのキャル視点を想像すると同情してしまう程に可哀そうだった。あと、2年で別人になりすぎ…成長速度どうなってるねん。{/netabare} 
 
●ラストの考察
 {netabare}やっと辿り着いたエレンの記憶・夢の場所であるモンゴルの草原。だが、そこで玲二はインフェルノの追手に射殺されてしまう。このシーンで違和感だったことは玲二とエレンのセリフ。

玲二「間違いだらけで、どの約束も果たせなかった俺の人生。絶対に守りた
   い約束…君を笑わせる、本当の笑顔を取り戻す。いつかきっと…。」

エレン「ここから先は必要ない。何も見つからなくても私にはアナタにもら
    った名前がある。アナタと過ごした記憶がある。それだけで、十分
    に私は生きていける。ただそれだけで…。」

 このセリフで感じたことは、玲二が『未来』に対してのセリフ、エレンが『過去』に対してのセリフであると読み取れる。つまり、ラストシーンの二人は時系列が異なっているのではないかと推察できる。玲二は草原について間もないとき・エレンは玲二の死後、生きていく覚悟を決めたセリフではないかと私は考察する。
 このラストシーンは賛否両論ありますが、私はこの考え方だとしっくり来ています。まぁ、二人とも幸せになってほしかったけどね。隠させたシーンとして、玲二が打たれた後「痛かったー」って立ち上がったかもしれないしね。後にどうなったかは観た人にゆだねるって感じだね。
{/netabare}

●最後に
 Phantomの雰囲気は大好物でとても満足できる作品でした。殺すことに対する主人公たちの思いや生き方を描く物語は暗く重たい印象を受け最高です!ダークヒーロー系が好みな方には自信をもってお勧めできます👍



視聴日 2020/12/07
投稿日 2020/12/07 
  

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

macky-TOM さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

最後の最後で…

基本的に最初から最後までシリアスで話が進み
アクションシーンも派手なことは無く
一切地味なのに、そこが面白い。

1話から最終話までひたすら地味に静かに
物語は進みます。


亡霊。暗殺者。経験。素質。天才。



何が面白いといえば説明しにくいが
お勧めアニメとしてこの作品は挙げられます。
とにかく面白い。

だからこそ面白さを感じない人には
一切興味を持たれないのも分かる気がします。


そして最終話のラスト5分で全てを台無しにしているのは
間違いない事実で、僕もそう思う。
どうしてこうなった……



ゲーム原作なこのアニメ。

ライターの虚淵さんが今まで見た映画の
好きなシーンをオマージュして
自分なりにシナリオを作った作品。

やはり虚淵さんはオリジナルより
こう言ったオマージュ作品のほうが
物語に面白さを感じて
しかも元ネタ作品への愛を感じます。

まぁアニメオリジナル回で脚本担当していましたが
その話が個人的に一番面白い回でした。


ぜひ一人でも多くの人に
好きになってもらいたいアニメですね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19

80.2 2 泣けるで鬱なアニメランキング2位
火垂るの墓(アニメ映画)

1988年4月16日
★★★★☆ 3.8 (846)
5545人が棚に入れました
1945年(昭和20年)9月21日、清太は省線三ノ宮駅構内で衰弱死した。清太の所持品は錆びたドロップ缶。その中には節子の小さな骨片が入っていた。駅員がドロップ缶を見つけ、無造作に草むらへ放り投げる。地面に落ちた缶からこぼれ落ちた遺骨のまわりに蛍がひとしきり飛び交い、やがて静まる。太平洋戦争末期、兵庫県武庫郡御影町に住んでいた4歳の節子とその兄である14歳の清太は6月5日の神戸大空襲で母も家も失い、父の従兄弟の未亡人である西宮市の親戚の家に身を寄せることになる。当初は共同生活はうまくいっていたが、戦争が進むにつれて諍いが絶えなくなる。そのため2人の兄妹は家を出ることを決心し、近くの池のほとりにある防空壕の中で暮らし始めるが、配給は途切れがちになり、情報や近所付き合いもないために思うように食料が得られず、節子は徐々に栄養失調で弱っていく。

声優・キャラクター
辰巳努、白石綾乃、志乃原良子、山口朱美

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

全世界の人々に見てもらいたい

戦争の悲惨さを語るのにこれ以上の作品はまず見当たりません。

◆この作品の概要は・・・
戦時中の孤児となった兄妹のとっても切ないお話です。
戦争の影響とは厳しいもので、栄養失調でどんどん弱っていく妹となんとか生きようとする兄の過酷な運命を描いています。

◆キャッチコピーは・・・
「4歳と14歳で生きようと思った」です。
この言葉を聞くだけでも涙が出そうです。

◆とっても泣けます・・・
泣ける映画として、一般的に最初に頭に思い浮かぶのはこの作品ではないでしょうか。
すごく悲しい内容だけに一度見たらもう二度と見たくない・・・「見たくない」ではなく「見れない」。
もちろん決して悪い意味ではありません。
それほど衝撃的で心を打たれた作品です。
節子の「兄ちゃん」と呼ぶ声や、ドロップ缶を振る音やその時の節子の笑顔がいつまでも心に残りました。
ホタルの光が短く儚い光のように、この兄妹の命も短くて儚い。
ホタルの光は儚いけどとても綺麗なように、この兄妹の生きようとする命の光は綺麗に光っていました。

◆ホタル・・・
通常ホタルとは「蛍」と書きますよね。
でもなぜこの作品では「火垂る」と書くのか?
調べたところによると「火垂る」とは当て字らしいですね。
焼夷弾という兵器があり、火のついた焼夷弾は雨のように落下するらしいです。
その落下する姿をこの作品の作者の妹が死に際に「まるでホタルが飛んでいるよう」と言った事からきているらしいです。
このエピソードもとても切ないですね・・・。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29

- JIN - さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

気を張らざるを得ないぐらい優秀なアニメだが・・・

戦争アニメとして有名だから見ようとする方には遠慮頂きたい問題作です
映画「パールハーバー」と同じ原理であると言えばご理解いただけますか?
自伝(原作主観)なのですから史実としてではなく創作物(鑑賞者視点)として
本作品を味わっていただけたらと切に願います
(という私も危険性について教えられた者の一人でした)
.
本作品は「引き込まれる」「強く衝撃を受ける」「名言/名シーン」という
意味でアニメーションとしては非常に良くできております。
非常に良くできた創作物であるということも忘れるぐらいに・・・
「自分ならどうしたのだろう」という問題提議について思案すると共に
「でわ現実の戦争とは?」というきっかけには十分なりえます
.
結論:アニメなのに気を張るというのもこれまた如何に?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

keylove さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これにレビューは必要なんでしょうか?一応書いておきますけど。

アニメの棚にあるものにレビューを評価をつけてないのが気になってしまうので書いておきます。
ただ、ここまでテレビのゴールデンタイムでやられるとレビューもネタばれもあったもんでもなくて、今さら何を書けというのか、という感じですよね。

個人的には、もちろん泣きましたね。
これで泣けないって、アニメを本当に作り物だと観ているのか、感情が乏しいのか、怖い描写が苦手すぎるのか、という人に限られるんじゃないでしょうか。
いわゆる深夜アニメの感動系とはまたぜんぜん違った作品で、本当にどこかしこであったことを描いているようなものなので、日本人なら観ておいて損はないですよね、アニメの枠を超越していますもんね。

個人的にジブリは好きなんですけど(深夜アニメと比べて言っているわけではありません)
ここまで押し売り的に放映するという感覚に着いていけない感は否めません。

ということで、一応レビューとしておきます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

80.7 3 泣けるで鬱なアニメランキング3位
NHKにようこそ!/N・H・Kにようこそ!(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (1542)
7915人が棚に入れました
大学を中退して4年目の佐藤達広は、ひきこもりとなっていた。佐藤は、自分が大学を辞め、無職でひきこもりであることなど全てが、謎の巨大組織の陰謀であると妄想する。その組織の名はNHK(日本ひきこもり協会)。そんな折、中原岬と名乗る謎の美少女が佐藤の前に現れる。佐藤をひきこもりから脱却させるべく、岬は「プロジェクト」の遂行を宣言。その「プロジェクト」の目的が不明のまま、岬による佐藤のカウンセリングが始まる。

声優・キャラクター
小泉豊、牧野由依、阪口大助、小林沙苗、早水リサ

ヒト さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

鬱と感じるかは人次第

鬱な展開も多少ありましたが
過去にリアルヒッキーやってて、今は少し表に出れるようになってきた自分は、いろいろ勇気というかなんというかをもらいました。現在進行形でヒッキーやニートというと自分と重ね合わせたりして辛い気分になる場面もあるかもしれません。(そこが多分鬱)
それにしてもヒッキーやっててこんなかわいい女の子が2人も周りにいるという設定はありえないと思いましたw(これもある意味鬱・・w)
とても良いアニメです、いろんな人に見てほしいですね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人間失格

とびきりの分裂病だ。

そして神様はとびきりの悪者である。
いつも驚くほどの不幸を用意している。
人生の円グラフは歪な形で表示されるのだ。
苦しいが90%、例外なんてない。

主人公サトウは衆人の目を気にし引き籠る。
{netabare}彼の妄想は日々悪化し、大学を中退する。
心の統合に失敗したのか?
グレートマザーが完膚なきまでに立ち塞がる。{/netabare}
そうだ人生を断とう。

ネトゲ廃人・マルチ商法・自殺幇助の会、
容赦なく襲ってくる亡霊化したものたち。
消え伏せろ悪党ども。
麻痺させることだ、ぎりぎりまで思考を。
曰く「死に至る病」とは絶望らしい、
絶望とは、自己の喪失だって?
冗談じゃない、本当の孤独を知るべきだ。
そうだ人生を断とう。

このアニメが良質だと感じるのは、
{netabare}引き籠りを贅沢なことだと言及したことだ。
死を選ばぬ限り人生は続いていくのだから、
何かに夢中になり生きていくしかないのだ。{/netabare}

糞ったれめ、今こそ対決の時なんだろう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 72

むらさきたましい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

思った以上の名作でした

あにこれで評判が良かったので、視聴しました。
期待以上の物語で、とても面白かったです。
監督も、ヤマノススメの山本監督なんですね。

さすがに2006年の作品なので、作画は古いですが、それを差し引いても魅力的な作品でした。

大学を中退してひきこもる主人公の佐藤に社会復帰をもちかける謎の少女 中原岬。
周りには、ネットゲーム中毒、薬物依存、自殺志願、マルチ商法、新興宗教など、色々な落とし穴が待ち受けています。
一方、岬ちゃんは背景が開かされず、佐藤を支えるには少し頼りなくて、という展開です。

そして、最後には。。。

心に傷を持つヒロインの岬が印象的な作品でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

88.3 4 泣けるで鬱なアニメランキング4位
ひぐらしのなく頃に(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (4999)
22093人が棚に入れました
舞台は、鹿骨(ししぼね)市にある雛見沢村と呼ばれる、人口2,000人に満たない寂れた村である。過去に、この村はダム建設による村の水没を、村民の団結した行動で阻止しており、村の連帯感は今も強固である。
ダム建設計画の無期限凍結から5年後の昭和58年、前原圭一はこの村に引っ越してくる。彼は、持ち前の性格と明るさで、新たな学校や友人に打ち解けていく。
しかし、そのまま楽しく平和に過ぎていくと思われた日常は、綿流しという祭りの日から、様相を変えていくことになる。
過去4年連続で、綿流しの日に起きたという怪死事件。そもそも、雛見沢村にはどんな秘密があるのか…。

声優・キャラクター
保志総一朗、中原麻衣、ゆきのさつき、かないみか、田村ゆかり、茶風林、大川透、伊藤美紀、折笠富美子、小林ゆう、関俊彦、かわむら拓央、鶴岡聡、松元惠、瀧本富士子、尾小平志津香、井上喜久子、廣田行生、こぶしのぶゆき、立木文彦、塚田正昭、樫井笙人、小野大輔、水野理紗、金田アキ、宝亀克寿、くじら、渡辺美佐、松本保典、松井菜桜子、中野元、須加みき

とうふ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最後までみるべきアニメ

先に原作のゲームを知っている状態で視聴。
キャラのデザインが残念に思うのは私だけ?なんかバランスが悪い。可愛いけど…

キャラクターは主人公とヒロイン達、その周囲の人達、皆それぞれ良い味出してると思います。ストーリーもよく考えられていると思うし本当に楽しめた。

音楽もアニメなのかゲームなのか記憶が確かではありませんが「ひぐらしのなく頃に」の「you」という曲は大のお気に入りです。

観てない人は
「ひぐらしのなく頃に」は全く知らない状況で観ると鬱・グロ・意味不明の三拍子で辛いかもしれないです。(私はゲームの知識ありでみたので特に辛くはありませんでしたが…ゲームだともっと長くて辛かったです。)

でも前半の意味不明さがあるからこそ後半が非常に面白く、主人公達に頑張ってほしいと思えるので観てない人には是非全て観て欲しい。どうしても辛いなら暇つぶし編か目明しまで、と決めて観てみるとか。
最初だけで観るのを断念するのは勿体ない作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

jack555 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

正直震えた:(;゙゚'ω゚'):狂気乱舞・・・((((;゚Д゚))))

タイトル通りです。

メジャーな作品ながら観てなかったんですが最近何故か思い立って観てみました。

この作品の存在を知ったのは大学生の頃でした。部活の先輩の家におジャマした際にこの単行本を発見しまして。当初は恥ずかしながら絵的にただの萌え~だと思ってたんですよ。(当時アニメだとかマンガだとかにはほとんど知識がなかったもので・・・)

その先輩からは観てみりゃ分かるよと言われたきり、当時は深夜アニメ、及びそれらの原作にあまり興味がなかったので観ずにそのまま数年が経ちまして・・・つい最近全て観てみたところ

なるほど・・・これはすごいと思いました。アニメ観てて登場人物のキャラだとかその物語の世界観に感動したりすると鳥肌が立つものですが、恐ろしくて鳥肌が立ったのは初めてです。「恐ろしい」、これは個人的には決してオーバーな表現ではないと思うんです。(一応自分怪談話とかホラー映画もほとんど何ともない方の人間なんですよ^^;)

実写の表現には限界があるのに対し、アニメはどんなことでも表現できるからこそ、観る側の精神に純粋に入り込んで来ますよね。だからこそひぐらしはちょっと怖かった・・・。OP、EDは曲とアニメーションが物語の世界観とリンクしすぎてどちらも気に入りました。特にOPの方は瞬時にひぐらしの世界観に引きずり込まれるというか何というか。

てか何気に一番鳥肌立ったのはOPの歌詞ですww「この指とまれ 私の指に その指ごと連れてってあげる」この表現の仕方には恐ろしさの中に芸術性を感じました。ヴォーカルエフェクトも文句なしにかっこいい。

各観点を総合的に観た場合素晴らしい作品だといえますが、描写的には要所要所かなりエグいです。もしまだ観てない人なんかいて、よし観よう!って人がいたら観るべき「時間」はわきまえるべきかも。グロ耐性がない人ならば食事中はなるべくやめといた方がベター。

この作品はパラレルワールドのような形式になっており、4,5話ほどで一つのストーリーの完結、そのストーリー一つひとつが〇〇編としておおよそ同じ登場人物でまた違うストーリーの繰り返しといった具合になっています。

さてさてこの調子で次作も観てみようかと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31

woa さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

被差別部落の問題

明確に描写されているわけではないが、主人公の移り住んだ寒村、雛見沢は周辺の地域から地理的にも文化的にも一種の隔離状態にある被差別部落であることがうかがえる。ヒロインの一人の回想という形で雛見沢で起きた惨劇を様々な登場人物の異なる視点から描く。主人公は都会の荒廃した生活から雛見沢の牧歌的な風景、人間関係の中に安らぎを見出すが、村人であるクラスメートの内面に触れていく過程で徐々に雛見沢の陰惨な伝説とかつてのダム反対運動によって村民間にしこりのように残っているわだかまりの歴史を知ることとなる。ここで注目するべきなのはクラスメートであるヒロインたちとの穏やかで傍から見ると少々痛々しいやり取りも実は各人のトラウマや村のシリアスな歴史や伝説を覆い隠すためのカモフラージュだということである。日常の脆弱性が非日常の暴虐性と分かちがたく結びついているという認識が彼らの生活の根底にあるのだろう。そして主人公(訪問者)がこの認識をヒロイン(村民)たちと共有せんとする試みの中ですれ違いや事象のすり替えによって歴史と伝説を交互に反復するかのように新たな事件が起き、非日常的な残虐性が牙をむくのである。

よく言われているように物語の語り手によって事件の内容も異なる点も特筆すべき事柄だろう。芥川龍之介の藪の中のようにあくまで主観に基づいた物語であることによって彼らの陰惨な事件には救いがあると同時に行き場が無いという点はエロゲ―というより間接話法の手法だろう。このような形式をとってしまった以上本作の続編、解ののちにも物語が続いていくことが示すように究極的な解というのはこの作品に限ってはあり得ないと思われる。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

88.5 5 泣けるで鬱なアニメランキング5位
喰霊-零-(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (4596)
20631人が棚に入れました
憎しみに揺れる魂を目覚めさせたのは誰?
それは闇の街を彷徨う、哀しみに暮れる迷い人。
運命の絆で繋がれた二人は…宿命の鎖を断ち切り、悪霊を討つ 。

声優・キャラクター
水原薫、茅原実里、高橋伸也、相沢舞、土谷麻貴、白石稔、稲田徹、若本規夫、平松広和、松元惠、小村哲生、麦人、石森達幸、田中涼子、城山堅、升望、堀川千華

エウネル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ストーリーの展開する順番が独特だった。結構、悲しい話です。

この作品は土宮神楽と諌山黄泉という二人の少女とその仲間達が悪霊を除霊する話です。

まず衝撃的だったのは1話です。このアニメほど1話でやめようと思ったことはありません。1話はほとんどストーリーに影響がないので、僕は諌山黄泉がどういう存在であるのかはっきり示したかったのかと思いました。そして2話でこの話の最終決戦の一つ前の戦いが始まります。3話からはなぜ2話のような状況になってしまったかを明かす過去の話が始まって行きます。10話で2話と時間軸があってきます。2話で上手く伏せていた事実などもわかりとても面白かったです。

バトルシーンはとても迫力がありました。3話以降では神楽と黄泉の百合シーンもあり、好きな人にはたまらないポッキーゲームをしていました。

先に話の衝撃的な事実を明かし、それがどうしてそうなったのかを後から過去に戻り説明して行き、最終決戦へ向かって行く。こんなストーリー展開でした。僕はあまり見たことのない形の話でしたが、とても楽しめました。

原作の漫画も読んでみました。まず驚いたのはアニメはオリジナルストーリーであり、漫画はアニメの後の話でした。つまりアニメの時間軸は漫画より前の話だったのです。よく見ると漫画のタイトルは「喰霊」、アニメは「喰霊-零」でした。零は時間軸を意味していたみたいです。

OPの「Paradise Lost」はとてもいい曲でした。中毒性があり、僕はいつも聞いてます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 60

ベホイミ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

名作

今まで知らなかったことが信じられないくらい面白い。1話は完全に裏切られました。最初見たとき???って感じでしたが、後半に進むにつれ面白くて止まらなくなりました。このシリアスなストーリーが大好きなんですが、他の人のレビューを見ていると原作は微妙ということなので、あえて見ないでおこうかと思います。ぜひ二期もやってほしいです・・・と、言いたいところですが、喰霊零はこれで完成しているのかもしれない。黄泉と神楽の引き裂かれる運命は涙なくしては見られません。神楽あああああーーーーーー!!!!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 37

ブルブル さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みなさんの疑問の一話を解説しながらレビューします

喰霊の一話は、製作した方々のダマうちと言えばいいのでしょうか?当時は、公式サイト含めてもこの一話の内容で本編が進みますよ!原作無視です!みたいな感じで騙しました。

話題作りのためだったのかもしれませんが、斬新な話題作りすぎて1話で切る方が多かったため隠れた名作と言われてるのでしょう。

とゆう事で本編は2話目からです!!!

作品は、原作のマンガ1巻の以前のストーリーです。最終回でマンガの一巻につながります。そこを含めて見ていただけると幸いです。

私は好きな作品です。キャラクターも個性があり、監督がバトルシーンは自信があると言っていたのも頷けます。

また音楽もセンスが光るものばかりでBGM集がほしくなりました。後半に向けてゾクゾクした展開になります!

人気作品じゃないとならない、ブルーレイになったので
面白い作品の部類と評価されていると思っています。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 34

87.0 6 泣けるで鬱なアニメランキング6位
秒速5センチメートル(アニメ映画)

2007年3月3日
★★★★☆ 3.9 (3994)
18474人が棚に入れました
東京の小学生・遠野貴樹と篠原明里はお互いに対する「他人には分らない特別な想い」を抱えていた。しかし小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまい、それきり会うことが無くなってしまう。貴樹が中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木の明里から手紙が届く。それをきっかけに、文通を重ねるようになる2人。しかしその年の冬に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない…」そう思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。

声優・キャラクター
水橋研二、近藤好美、尾上綾華、花村怜美

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

綺麗です!芸術作品ですけど!?

私この作品勘違いしてました…短編三部作をショートストーリー3本と…q(T▽Tq)
それに途中気付いて、最初から見直しました(/ω\) ハジカシー
こんな間違えする人はいないと思いますが、主人公の少年・青年・社会人の頃の儚く切ない恋物語です♪
 
正直な感想ですが、あまりにも人に薦め辛い作品だなぁと思っちゃいました(A゚∇゚)ハテッ?
カテゴリー的にはアニメと言うよりも、芸術品っていう『作品』なのです。
観る人の聴覚・視覚を巧みな手法や演出や音響技術で、なんだか懐かしいような、身近でリアルな感覚にさせてくれましたのです♪
演出に所々サブリミナル効果が隠されているのです。鈍感な私には、一箇所しか見つけられませんでした♪
2度目の視聴の時にでも探してみてもらうと良いかも知れませんよ♪
もう一度いいますw芸術作品ですw耳を澄まして、音を感じ、リアルな映像でリアルと錯覚して、山崎まさよしの挿入歌で泣く!?ここが一番の泣き所かなぁw
 
ここまで色々書いてきたのですが…(*_ _)人ゴメンナサイ…物語が肌に合わず好きになれませんでした♪
一番盛り上がったのが青年時代で、その後は誰にも何も残らずに終わった感じです。
切ない系が好きな人には良いかもですね♪
 
ということなので♪何を期待するかで、評価が分かれる作品だと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 62
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なぜこんな終わり方をする・・・

この映画は三話構成の映画です。

貴方がまだこの映画を見ておられないのであれば、
そしてあなたが、映画で感動や愛情や喜びを得ることを期待されているのであれば、
三話目は見ないことを強くお勧めします。
そうすれば、見終わった後、夢を膨らませ、幸せな気分に浸ることができます。

絵はこの上なく美しく、音楽も大変すばらしい。
第二話までであれば、自信をもって多くの人に推薦できます。

第一話では、主人公の男の子や相手役の女の子の心に大いに共感しました。
二人とも純粋で、一生懸命で、相手のことを思いやっており、
とてもすがすがしく感じました。

第二話は、男の子に片思いをしている女の子の話です。
男の子は第一話に出てきた子です。
片思いの女の子がとてもけなげで、ちょっぴり切ないです。
男の子には好きな人がいるので、決して振り向いてはくれません。
男の子は、第一話に出てきた女の子のことをすごく大切にしています。
第二話を見終わった後、これから先の展開が楽しみになってきました。


映画とは、観客に感動や喜び、楽しさ、夢を与えてくれるものだと私は思っています。
疲れたときや落ち込んだ時には、映画から元気を与えてもらえます。
(他の理由で映画を見られる方、ごめんなさい)

自分勝手な主張で申し訳ありませんが、
監督さんには、元気を失くしたり生きる気力を失くすような映画を創っていただかないよう、お願いします。
{netabare}
2019/2/24追記
実は、第三話は、私自身も思い当たることがあるのでつらいです。

都会でコンピューター関係の仕事をするということは(他の仕事も大差ないと思いますが…)
自由な時間があまりなく、仕事以外は寝ているか食べているかが殆どです。
寝ているときも、夢の中でプログラム解析をついついしてしまいます。
そして障害の箇所に気づくと、汗びっしょりで急に目覚めます。

だから私的なことを考える余裕があまりありません。
ついつい身内に冷たくなります。
そして、少しずつ疎遠になる。

そんな現実があるにせよ、
私は空元気でも見せかけでもいいので、笑っていたい。
そうすることで相手の人が安心してくれるのなら、それが良いと思っています。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 90

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

貴樹様。女の手は一度握ったら、決して離してはダメなのでございます。

桜の花びらの落ちる速度は秒速5センチメートルだそうでございます。桜の花びらがヒラヒラと落ちるがごとく、この作品はワタクシの胸の中をヒラヒラと舞って掻き乱し、そして深い余韻と共に胸の奥底に積もっていきました。とても印象に残る、素敵な作品でございました。

お話は桜花抄(おうかしょう)、コスモナウト、秒速5センチメートルの3話構成となっております。それぞれが小学生時代~中学生時代、高校時代、そして社会人と3つの時代のエピソードを書いたものでございます。各話20~30分程度と短いお話となっておりますが、可能な限り続けて鑑賞されることをお勧めいたします。そうする事で、主人公の遠野貴樹様の胸中をより深く伺い知ることが出来るかと存じます。

ご覧になった皆様が口を揃えておっしゃいますが、ともかく作画が綺麗でございます。綺麗・・・いいえ。そんな一言で表現出来ない、別次元の感覚でございます。作画だけで物語を語ることが出来る。それ程までに素晴らしい出来であるとワタクシは感じました。必見でございます。

小学生時代~中学生時代のエピソードで有る桜花抄。こちらで篠原 明里様役を担当されている近藤 好美様の演技がともかく素晴らしかった。余り有名な方では無い様でございますが、切ない女心をせつせつと語るその口調。言葉に込められた思い・感情。一言一言が胸に刺さる様でございました。

本作は台詞の無い”間”の使い方が絶妙でございました。降りしきる雪の中で見つめ合う2人、夕暮れの道を並んで歩く2人、草原の中で佇む主人公etc・・・。台詞はなく、ただ風の音、虫の声だけが流れる・・・。
ナレーション等はございませんが、作品に感情移入すればする程、その”間”は自然と言葉を発して参ります。”声”では無いけれど、心に直接語りかけて来るかの様でございます。そして受け取る方によって、その言葉の内容は異なる物になるのでございましょう。

最終話の終わり方が説明不足と言う意見も耳にいたします。しかしでございます。ワタクシは言葉の無い、この”間”が全てを語ってくれていると思うのでございます。そしてその事が、あえて観る側で独自の物語を作ることを許してくれていると思うのでございます。それは中学生時代の初恋に重ねるのかも知れません。高校時代の片思い? それとも今愛しているあの人の事でございましょうか?
貴方にとって、この”間”はどんな言葉を語りかけてくれるのでしょうか? どんな物語を紡いでくれるのでしょうか?
本作では手紙、メールと言った手段がとても上手く使われており、印象的でございました。
最後に作中で登場いたします遠野貴樹様、澄田 花苗様のお二人にお手紙を書いてみたいと存じます。


前略 澄田 花苗様
結果的に貴方様の恋は叶いませんでしたが、その恋はとても美しい思い出を残してくれましたね。とても純粋で一途な恋。かけがえのない思い出。羨ましいぐらいに素敵な財産です。貴方様のその魅力に、いつか惹かれる男性が現れます。美しい思い出を持つ貴方は美しい。どうかご自分に自信を持って、明日を前向きに進んで下さい。心より応援いたします。
草々


拝啓 遠野 貴樹様
貴方様のその一途な思い、深く深くワタクシの胸に突き刺さりました。でもね、貴樹様。貴方様がそこまで愛した女性・・・。どんな事が有っても、その手を離すべきでは無かったとワタクシは思うのですよ。距離が何ですか?時間が何ですか?そんな物は本当に障壁ですか? 貴方の愛が本物ならば、どんな障壁であっても乗り越えて欲しかった。
貴樹様。女の手は一度握ったら、決して離してはダメなのでございますヨ。ワタクシからのささやかなアドバイスでございます。
敬具

投稿 : 2024/12/21
♥ : 53

87.4 7 泣けるで鬱なアニメランキング7位
新世界より(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (3349)
15980人が棚に入れました
渡辺早季は、閉鎖的だが穏やかな田舎町「神栖66町」で幸福に少女時代をおくった。ある日、町の外へ同級生たちと出かけて小型図書館端末ロボット「ミノシロモドキ」と出会う。質問することにより21世紀前半の超能力者誕生から非能力者との敵対、その抗争から能力者の勝利と文明の崩壊、その後の暗黒時代、町の管理支配の実態といった禁断の知識を知ってしまう。その直後、バケネズミ同士の戦争に巻き込まれ、命からがら町に戻るがしだいに恐ろしいことが起き始める。

声優・キャラクター
種田梨沙、東條加那子、花澤香菜、工藤晴香、藤堂真衣、梶裕貴、高城元気、村瀬歩、浪川大輔、平田広明
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

残映抄―未来への挽歌

まず結論から言おう。この作品の評価は不可能である。
すべての星を並べたのは、「規格外」という個人的判定を意味している。

観る者はただ圧倒されて終わるしかないだろう。
SF的な着想の土台の上に緻密に構築された、壮大な世界観に。
人間という存在の本質に向けられた、苛烈極まる問題提起に。
緊迫の展開とスペクタクルが連続する、傑作エンターテインメントに。
無理に評言をひねり出そうとすると、こんな宣伝文句風の言葉にしかならない。

独断だけで済ませるわけにもいかないので、アプローチの足場を探してみると
そこに独特の複雑さが見出される。精神を刺激し、思考を誘発してやまない複雑さだ。
勿論、それは第一に原作小説に由来するものだが、おそらくそれだけではない。
アニメーションという表現形式が全力を傾けて原作の高みに挑んでいるためだ。


Ⅰ 物語の奪還
{netabare}
開始と同時に作り手は勝負を仕掛けて来る。
衛星画像のような日本列島が映し出され
俯瞰されつつ、徐々に高度を下げて拡大される地上の街で
今まさに繰り広げられている、超能力者による大量殺戮。
場面は唐突に転換し、代わって、暮れなずむ空を背景に
遊びに興じる子供たちのシルエットが浮かび上がる。

このプロローグは本作の構造を要約した縮図だと自分は考える。
連続と転換によって対比的に並置されているものは多分、本作の世界観と物語だ。

世界観と物語。この二つを独立させて並べるのは奇異な感じを与えるだろう。
通常、世界観と称されるものは作品世界を成立させている枠組みないしは設定、
その結果生じる雰囲気などである。
そうした常識的な範囲からは逸脱した独特の機能を有していることに気づく。
それは「歴史」に擬態して物語の内部に侵入している。
冒頭の俯瞰はおそらく、「歴史」のはじまりを告げる演出である。
以降、二話三話でも物語に先立って血腥い歴史の一頁が冒頭に挿入されている。
人類の中に超能力者が出現した時点にはじまり、以後一千年にわたる血に塗れた新・人類史。
それこそが世界観の具体化に他ならない。

「歴史」が俯瞰視点で表される理由、それは端的に「支配するもの」だからである。
先行する原因によって現在という結果が規定されている以上、
歴史とは過去による現在の支配であり、それは不可逆的な必然の堆積である。
物語の舞台となる、一千年後の未来日本の一隅に存在する、神栖66という町。
この町こそはまさしく、人間社会が忌まわしい危機管理システムへと変貌した姿であり、
ある意味で人類史の終局に出現した究極のディストピアである。
すなわち、物語は幕開けの時点においてすでに逃れがたく
世界観=歴史によって規定され、俯瞰され、支配されているのである。


ふたたび冒頭に戻ろう。
プロローグの完了とともにタイトル、そして間髪を入れずに物語の幕が上がる。
水郷地帯である神栖町の夕暮れの田園風景が広がる。
その夕景のなかを一艘の船が川の流れを遡ってゆく。
船の進行に合わせてカメラは水平に滑っていくが、
頭上に張り渡された巨大なしめ縄をくぐるタイミングで上方に向けられ
しめ縄越しに仰ぎ見られた鮮やかな夕映えの空が徐々にクローズアップされる。
このカメラワークの意図は明らかだ。
俯瞰を反転させた逆の視点が導入されるのだ。俯瞰に対する逆俯瞰。仰視の視点。

ここにまた、読解の重要な鍵が与えられる。
しめ縄は八丁標と呼ばれ、結界のように町の周囲に張り巡らされている。
この日、ヒロインの渡辺早季が生まれて初めて八丁標の外に出たことがこの後で明らかになる。
つまり船に乗っていたのは儀式のために川上の寺に赴く早季だったのだ。
すなわち、導入された逆俯瞰の視点はこの早季の視点に合致する。

俯瞰と逆俯瞰。世界観と物語はこの一対の視点となって、物語の内部で対峙する。
この対置が本作のユニークな構造なのであり、そこに生まれる張りつめた緊張こそが
本作の悲劇性の力学的な根源である。
この複層的な構造が、神栖66町のクロニクル(年代記)と新・人類史とが
複合的に交錯しながら展開する本作の物語の特徴を説明するものだろう。
その核心となるのは、残酷な必然の支配に抗う者たちの悲劇。
つまり、世界観=歴史による俯瞰構図は物語の内容にまで及び、それを規定しているのだ。

俯瞰的な世界観の視点と対決する地上的な物語の視点は
悲劇を生きる者たちの視点となり、ヒロイン早季に収斂される。
この仮定から出発して物語へのアプローチを試みてゆこう。
敢えて挑戦的に言うならば、これは世界観から物語を奪還する試みなのである。
{/netabare}

Ⅱ 早季と真理亜
{netabare}
早季と真理亜、二人のヒロインのドラマを鮮やかに視覚化した
アニメのエンディングは明らかに、物語の核心を要約した解題となっている。
特に真理亜バージョンは驚異的と言っていい。
仄かなエロスを漂わせる彼女の赤い髪と白い肌が、雪と紅い花のイメージに重なりつつ
流れていく映像に、異物のように挿入される二つの暗示―。
一瞬映る胎児のショット、子殺しのシンボルが刻印された謎の石造物。
それらは確実に一つの意味を指し示している。
彼女の存在の本質、真理亜の悲劇的な母性である。

真理亜という名前。永遠に人類に祝福される、母の中の母の名。
皮肉にもそれは呪いに反転する。人類を滅ぼす「メシア」を生んだ母の名として。
勿論、単に機転を利かせたネーミングなどではない。
彼女の愛情の本質である母性は、弱い守を庇護して自ら悲劇への道を選ばせ
その犠牲によって、抹殺されたすべての子供たちの母となるのである。

彼女は物語の根幹となる悲劇を体現し、象徴する存在である。
町によって組織的に遂行される、おぞましい子殺しが第二部を中心に展開される。
秘められていた大人対子供の対立の構図を、反抗という主体的なアクションによって顕在化し
同時に物語の中に「子供」という包括的なモチーフを導入する役割を担う。
守とともに町から逃亡し、雪山に姿を消す直前に早季に書き残した手紙。
そこには第二部までの流れを総括し、さらに第三部の展開までも予告した記述がある。

 私たちの町は異常です。そうは思いませんか?
 町の安定と秩序を維持するために子供たちを殺し続ける町が
 人間の社会としてまともでしょうか?
 いま、町で起きたことを思い出してみると、
 その異常性がどこから来るのかもだんだん見えてきました。
 それは、大人たちが心の底から子供たちを恐れているという事実です。
 私たちは、何となく嫌な予感がするというだけの理由で、割られ、捨てられてしまう
 何百何千もの卵の一個になることだけは願い下げです。

第三部の激動の発端となる夏祭の晩、早季は消された仲間たちの姿を見る。
このエピソードが重要なのは、潜在する「子供」のモチーフを示すことで、
反乱の勃発に「子供たち」の町への反逆という二重の意味が加わるためである。
自らの犯してきた罪過の報いによって町は劫火の炎に包まれる。
その危機の中で早季は真理亜の声を聞く、「早季は私が守ってあげるから。」
次々に襲いかかる極限的な状況を早季は乗り越えてゆくが、そのとき
彼女を導いてゆくのは真理亜であり、瞬である。

この展開は真理亜が残した言葉の成就に他ならない。

 もし私が町から処分されると決まったら、両親は散々泣いて、
 そして最後には忘れることでしょう。
 あなたのご両親が最終的にあなたのお姉さんのことを諦めたように。
 私たちの絆はきっとそうじゃないと信じています。
 もし私が処分されることになったら、あなたなら絶対私を見捨てないでしょう?
 あなたに危機が迫った時には、私や覚はどんなことをしたって救おうとするはずです。
 私たちにはもう一人、友達がいました。今は、名前を思い出すことも許されない友が。
 彼Xもそんな時はきっと私たちを助けてくれたんじゃないでしょうか。
 だから私は今、守を助けなくてはなりません。

―「私たちの絆」。
破滅を受け容れながらも真理亜が貫いた仲間たちへの信頼は
自らがそれに殉じることによって指し示した、未来につながる道である。
物語の奥深くにひそかに進行する、絶望から希望へと至る超克のプロセス。
その転回の基軸となるものが「子供たちの絆」である。

ヒロインとしての早季の真の姿は、実はこの軸に沿ってしか捉えられない。
早季もある意味、作品同様、規格外のヒロインだと言える。
発端から終結に至るまで、ほぼ一人芝居と言っていいほどの活躍を見せ
語りまでこなしながら、視聴後には不思議なくらい印象に残っていないのだ。
物語が世界観に圧倒される要因はこの、ヒロインの存在感の希薄さにも求められるだろう。

その理由は明らかだ。早季は実質的には物語を主導していないからである。
決して折れることのない強い心と自由で柔軟な思考を持つ一方、
主体的に決断し行動した真理亜とは対照的に、その行動には理念的な動機はなく
常に周囲の状況に対する受け身の反応に終始する。
エンディングの早季バージョンもそうした彼女の性格を表現している。
仲間たちへの尽きせぬ思慕を抱き、絶望に抗い、涙を流しながら進みつづける姿。
だが、その一途さと多感さは必ずしもヒロインとしての魅力とはなっていないようだ。

その早季が真のヒロインとなる決定的な契機を指摘したい。
第二部の中盤、姿を消した瞬を追い、その壮絶な死を見届ける第十話のラスト。
死に呑まれてゆく瞬を目前に見ながら助けることができない絶望に打ちひしがれ
涙を流しながら早季は最後に言う、「私は生きなければならない」。
その後、瞬に関わる全ての記憶が抹消され、この記憶も失われていたのだが
十二年後、バケネズミの反乱の渦中で爆発に巻き込まれ、その時の体験が幻視となって甦る。
瞬の死を見届ける自分と仮面を被った少年とが不分明に重なり合うのは
彼女も消されかけた子供の一人として、同一の存在であることが含意されているのだろう。
そしてその時、もう一度この言葉を口にする、
「私は生きなければならない」。

第二部と第三部を縦断して受け渡されるこの一対のシーンを結んだとき
早季というユニークなヒロインの本質がはじめて顕現し、定位する。
この時までに彼女は、姉と、級友たちと、初恋の人と、最愛の友を失い
その人たちがかつて存在した記憶までも奪われてしまっている。
誰も救えなかった無力な自分への絶望が彼女の心の底に澱んでいる。
だが、そこから立ち上がり、絶望に抗うことによって早季は早季になってゆく。

「私は生きなければならない」、
この言葉に込められた生きる決意とは、彼らから託された「未来」を生きることだ。
早季は受動的である。だが、彼女の受動性の本質はここにはっきりと表れている。
それは、誰かの「想い」を「託される」存在であるという意味なのだ。
早季が最終的に物語の主題を具現する存在となっていく契機がここに認められる。
早季の本質に備わるこの、いわば「媒介性」と「可塑性」とは
彼女が主題を満たすための「器」へと形成されるために必要な資質として
アプリオリに付与されたものなのではないだろうか。
あるいは、まさしく規格外のスケールをもった本作の主題を担うために
敢えてニュートラルな没個性の状態にまで個性を制限した特異なヒロイン像を
意図的に造型したようにさえ思われる。
{/netabare}

Ⅲ 悲劇の超克
{netabare}
「子供たちの絆」という軸。あるいは、終局の希望に至るまで
早季の歩んでいく方向を示しつづける指向性、一つのベクトル。
ここに、物語の水面下に底流するもう一つの「物語」の存在が認められないだろうか?
物語視点からの読解とは、この「物語」の発見であると言っていいのではないか。
それは多分、早季が自分に託された想いを実現する「絆」の物語だろう。
従ってそれを辿ってゆくことはそのまま、早季の視点に同期することを意味している。
そしておそらく、最終的な主題はその先に見出される。

ここからは、早季と瞬が「物語」の中心になる。
彼らの絆が決して消え去ってはいなかったことを証しするかのように
二人を隔てていた死の沈黙を破って、瞬が早季に語りかける。

 早季。早季。(誰なの)
 早季、僕だよ。(あなたは…)
 僕の名前はまだ思い出せないんだね。でもいいんだよ、ずっと一緒だから。
 僕は君の心の中に住んでいるんだ。(心の中に…)
 そうだよ。呪力とは想いを外の世界に刻み込む能力のことだ。
 そして、人の魂とは、煎じ詰めれば想いにほかならない。
 僕の魂の一部は君の心の奥底に刻み込まれているんだよ。
 (あなたは一体どうなってしまったの?)
 忘れてしまったの? でもかまわない。いつか思い出すから。
 (せめて名前を教えて)
 君は僕の名前を知ってるよ。でも、心の中に障害物が置かれているせいで
 思い出すことができないだけなんだ。

彼らの絆が心の奥底で生き続けている事実が瞬の言葉で明らかになる。
そもそも、この対話が早季の心の奥底で交わされていること自体がその証しである。
深読みをするならこの対話は、物語の深層で進行するもう一つの「物語」の存在を
メタレベルで示唆しているようにも思われる。

さらに踏み込んだ大胆な解釈を試みてみよう。心の深層を無意識と結びつけてみるのだ。
本作の世界観で無意識は、制御の及ばない呪力の源として
悪鬼や業魔を出現させるメカニズムの根源とされ、大人たちの恐怖の対象となってきた。
だが今やそれは、大人によって無残に絶ち切られた「子供たちの絆」を秘かに保護する
一種のアジールとなり、いわば子供の側からの反逆のツールとして機能する。
深層の「物語」のさらに深層で、隠微な逆転の装置が作動しつつあるのだ。

 早季。早季。何も心配はいらない。そのことだけを言いたかったんだ。
 (でも、私は本当に悪鬼を倒せるの?)
 悪鬼? 君は誤解しているんだよ。あれは悪鬼なんかじゃ …

対話が途切れる直前のこの部分は逆転への重要な伏線となっている。
この中で瞬がほんとうに早季に伝えたかったことは何だったのだろうか?
彼はあるメッセージを伝えようとしているのではないだろうか。

早季の行動と関連させて解釈を導きたい。
悪鬼への唯一の対抗手段であるサイコバスターを咄嗟に無効化したあの驚愕の場面である。
そのとき早季が恐れたのは、覚が巻き込まれて死ぬこと、
そしてその結果、自分がたった一人取り残されることだった。
常識的に見れば自己本位の極みとして非難されて然るべき行為だろうが、
常識では理解不能なこの行動こそが実は「物語」の最重要ポイントなのである。

「悪鬼」にそのような形で「勝利」することはおそらく最初から忌避されていた。
それは「物語」が指向するベクトルからの逸脱を意味するからである。
もし仮に早季がここで全人類のために覚の犠牲を受け容れていたとするなら
その勝利は結果的に何をもたらすだろうか?
子供の犠牲によって世界がこれまで通り存続する。
つまりまた新たに子供の悲劇が繰り返されるだけで、世界は何一つ変わらないのだ。
そのような変化の可能性の閉ざされた世界に本当の未来が訪れることはないだろう。
瞬はそのことを早季に伝え、想いを託したのだと解したい。

そして早季もまたその想いに応えたのだ。
追い詰められた最終局面で、既成観念に囚われない彼女の自由な思考が発動する。
相手が悪鬼などではなく、バケネズミに兵器として育てられた一人の人間の少女であるという
決定的な事実を看破し、大人たちを呪縛していた「悪鬼」という固定観念を乗り越え、
この認識の転換によって、絶体絶命の状況を逆転させる。
「瞬が教えてくれたの」と早季が言うように、これは「子供たち」の勝利なのである。
顔と名前を奪われた少年Xがついに素顔を顕し
記憶の封印を解かれた早季が瞬の名前を叫びながら駆け寄っていく、
このシーンこそが「物語」のクライマックスと言えるだろう。
瞬の復活は闇に葬られたすべての子供たちの復活を象徴している。
彼らを包む壮大な夜明けは言うまでもなく、悲劇の超克、絶望から希望への転回を表し、
子供たちがもたらすであろう未来の予兆となる。

全編がまさに結ばれようとする瞬間、やや唐突に掲げられる標語風の命題、

「想像力こそが、すべてを変える。」

ここには無意識とのアナロジーが確認されるだろう。
想像力は豊饒な無意識の深層に根差しているものである。
既存の世界を更新する新たな原理、それは自由な想像力から生まれる。
この言葉を包むように、無心に笑いさざめく子供たちの声が周囲に響いている。
可能性としての想像力。無限の可能性の象徴である子供たち―。
早季が綴る回想の手記が結ばれるとき、一片の言葉の中にそれは結晶する。
「恐怖の対象から、希望へ―」

おそらくここが「物語」の最終地点である。
そしてこれこそが、世界観が提起した問題への、物語の側からの解答ではないだろうか。
早季が「人類」よりも「覚」を選択した事実は何よりも重い。
彼女の選択にはおそらく、俯瞰的な支配の原理に対抗するもう一つの原理が示唆されている。
それは非情な大人たちの論理に反抗する子供の側の愛情の原理として物語に底流し
俯瞰し支配するものの真の意味を逆方向から照射するだろう。

悪鬼とされた少女の亡骸が横たわり、彼女の赤い癖っ毛が風に吹かれて微かに靡く、
その瞬間、在りし日の真理亜と守、二人との思い出が一挙に甦り早季は泣き崩れる。
子供の悲劇がまた繰り返されてしまった…。
人類の危機が回避されたとき、そこにあるものはただ果てしない悲痛さと虚しさだけだった。
十年後の早季、つまりこの物語が語られる時点の彼女が書き綴る回想録は
遠い未来に、悲劇の一切が克服される願いを込めて
自分が仲間たちに想いを託されたように、一千年後の読み手に想いを託して結ばれる。
悲劇の語り部としてのその姿に、渡辺早季というヒロインの全てが結像する。
{/netabare}

Ⅳ 偽神と人間
{netabare}
本稿はある危惧から出発している。
本作の世界観が内包するイデーは確かに、それだけで十分に完結していると言える。
だが、それがあまりにも尖鋭かつ衝撃的であるために、結果として物語がかすんでしまい、
その部分だけが作品の主題として受け取られてしまっているのではないか?
物語に内在するベクトルを掘り起こそうとした本稿の意図はそこにある。
本作のメッセージは物語の側から補完されて完全なものになると考えたのである。

「偽りの神に抗え。」

例えばこのエピグラフ(題辞)である。
作品全体を貫くライトモチーフ、そう捉えるのが多分正確だろう。
世界観だけを踏まえて理解した場合、かなり限定された意味だけを示すことになる。
「偽りの神」(以下「偽神」と呼ぶ)は超能力を有した人類、それに抗うバケネズミ、
そのような図式になるが、勿論、本作の射程はもっと広大である。

ふたたび「俯瞰」というメタレベルの仕掛けからアプローチを試みる。
第三部の折り返し点となる第二十一話、
神栖66町を襲った動乱の最中に、あの俯瞰構図が回帰する。
冒頭の俯瞰では視点が上空から下降していたが、ここでは反対に、
宙を振り仰ぐ早季を起点にひたすら上昇し、神栖の町から日本列島、
ついには宇宙に浮かぶ地球の全体が視野に収められる。
俯瞰を歴史による支配の象徴とした前章の解釈を踏まえると
ここに暗示されているものはおそらく、歴史の逆転だろう。
「歴史を変えられるはずだった・・・これほどの好機は恐らく、もう二度と訪れない。」
圧政からの解放という大義を掲げ、「すべての我が同胞のため」に
人類に反逆したスクィーラが敗北の後に語る
この言葉には歴史が更新された可能性が示唆されている。

この場面で明らかになるスクィーラの本当の目的は全人類の制圧であり、
そのために人間の赤ん坊を手に入れて悪鬼の部隊を編成することだった。
新・人類史と仮に呼んだ本作の歴史とは、超能力を有した人間の出現によって
人類存続のための危機管理が極限まで追究されてきた過程だった。
彼はそのシステムを逆用して超能力者の支配を覆そうとした。
まさにそれは逆転と呼べるものだ。だがさらに進んで
この俯瞰図が意味するものは、神の座の簒奪による新たな「偽りの神」の出現という、
もう一つの逆転にまで及んでいるのではないだろうか。

「種は生き残るためだったら何だってするんだよ。」

第一部で瞬の口から出たこの一言に、すべては要約されている。
種の存続という絶対的な要件は、あらゆる形態の下で常に追求される。
高度な知的生命体の場合、そこに複雑な社会システムや技術が生み出されるが、
その帰結として階層分化や差別、有形無形の力による支配と管理と抑圧の構造が出現する。
これこそが歴史世界において新たな偽神が出現するメカニズムであり
むしろ、偽神そのものがこの盲目的な原理のメタファーだと言っていい。

ここに、本作の世界観が内包する極限的な原理、イデーがある。
勿論それは、私たちが今まさにその中で生きている現実にも重なるだろう。
SF的な世界観の有効性とは、現実の自明性を転倒させることにこそある。
神の如く不可視でありながら人間を支配する原理。あるいは人間性を喪失したシステム。
そして、偽神というアイロニカルな寓意によって人間存在の両義性が暴かれるのだ。


真理亜の告発の中に反復される「人間」という言葉。

 町の安定と秩序を維持するために子供たちを殺し続ける町が
 人間の社会としてまともでしょうか?

 こんなの、人間じゃなくて、不良品を選別するのと同じやり方だと思わない?

断罪裁判の法廷でスクィーラが放った叫び。

「私たちはけものでも奴隷でもない! 私たちは人間だ!」

二人の叫びに共通する「人間」という言葉。
この両者が響き合い、同一のベクトルを示していることに気づかされる。
それは「偽りの神」に抗おうとする、「人間であること」を否定された者たちの魂の叫びだ。
真理亜の反抗とスクィーラの反逆とは根本において一致するのである。
「偽りの神」と「人間」との闘争。このシェーマからはおそらく
作品全体を包括する主題の全体像が透視されるはずだ。
まさしく世界観と物語とが重なり合い融合する結節点をそれは示している。

そしてその最深の主題を導き出す鍵は、やはり早季に委ねられている。
最終回の後半部は、前半部の劇的な展開の余燼のようにも見えてしまうが
主題を開示するプロセスはこのパートに集約されている。
それは、早季とスクィーラとの一連の対峙による内面の変化として段階的に描かれる。
問題の核心部へと早季が接近し、ついに彼女が覚醒するに至る一連の流れの中で
我々はその視点に同化し、主題の内在的な理解に導かれるのである。

獄中のスクィーラとの対話。早季は人間たちへの謝罪を要求し拒絶される。
スクィーラの裁判。早季は法廷の外でつぶやく、「何が正しいのかわからない…。」
そして、バケネズミの正体にまつわる衝撃の真実が覚からもたらされ
人間が人間に対して行った悪魔の如き所業が明らかになる。その時、
「私たちは愧死するべきだった…。人間を殺したのよ… 何人も、何人も…。」
この瞬間の早季の心に、観ている我々もまた同化して同じ衝撃を味わっている。
そして同じ一つの問いの中に投げ込まれるだろう、
― 人間とは一体何者なのか? 人間が人間であり、我々が我々である根拠とは―。

・・・・・・・・・

前章で導かれた結論をここで想起しよう。
世界観が暴き出す人間性の限界に対し、その超克の地平を物語が開示する。
つまり、世界観が提起した問題に対して、物語がその解答を提示する。
本作特有の対置構造はそのような形で、主題に至るプロセスをアプリオリに内包したものだったのだ。
ヒロインの早季が物語の内部で問題そのものを生きることで、
俯瞰的な支配の原理に対立するもう一つの原理が彼女に具現され、物語の中に受肉化される。
早季に託されていたその原理とはこの、偽神に対抗する人間の原理なのではないだろうか。

世界観を反映したライトモチーフ、「偽りの神に抗え。」と
物語からの答えである「想像力こそが、すべてを変える。」
二つの言葉を並べれば、それらが一対で一つのメッセージになっていることがわかる。
言葉による説明ではなく、物語に最終的な決着をつける早季の行動の中にそれは表現される。

争乱の収束からおそらく一年後の追悼式典の日。
その日、当時の記録を展示した記念館を早季は訪れる。
彼女はそこで一人、肉塊のような姿になって生き続けているスクィーラと向かい合う。
親しみをこめて彼に語りかけ、互いが出会った日のことを回顧する。
それから、ある行動に出る―。
呪力を用いてスクィーラを燃やし、町が課した無限の責苦から自らの手で彼を解放するのだ。
これが、早季が「偽りの神」に反逆した瞬間である。

この時、彼女はすでに問題の本質をすべて理解していた。
スクィーラもまた偽神に抗い、滅び去った「人間」の一人なのだ。
彼らと共に悲劇を生きた証人として、早季もまた自ら偽神に抗いつづける道を選んだ。
立ち昇る炎は疑いもなく、人間という種の根深い宿業に立ち向かい
真の人間性の回復を希求する、遠大な反抗の始まりを告げる狼煙である。
{/netabare}


全編を締めくくるのは、やはり「家路」である。
とめどなく郷愁を誘うメロディは、亡き魂に捧げられた挽歌のようだ。
ラストシーン。鮮やかな残映の中に、在りし日の姿をよみがえらせる懐かしい人たち。
荘厳な響きとともに彼らを包んでいる夕空には、深い安らぎがこもっている。

「早季、ありがとう。」「ずっと一緒よ、早季。」
次々にかけられる温かい言葉は、彼女が託された使命に全力で応え切った証しなのだ。
そして、遥かな未来への出発をさりげない一言にこめて、この壮大な叙事詩は幕を閉じる―。

― 早季、そろそろ行こうか。―


(初投稿 : Ⅰ 2021/01/16,Ⅳ 02/21,ⅡⅢ 03/21)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

World さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

史上最高峰の作品

素晴らしい。素晴らしいです。

原作未読ですので、単にアニメとして評価しますが、この作品はアニメ史に残る大作であると言えます。
もっと大きな反響があっても良いかと思いますが、テーマが万人受けしないからでしょうか。
大変楽しめました。


さて。この作品は、ジャンルとしてはSFになるかと思います。
しかし、それ以外にも様々な要素が盛り込まれています。

主要なテーマを抜きにして、最初に感じたのは、圧倒的な恐怖です。

今まで、アニメーション作品で恐怖した事は殆どありませんでした。
アニメのホラー作品は、グロテスク表現や、BGMでの演出、キャラクターの表情等で恐怖心を煽って来るのが常だからです。

恐らく、キャラクターと自分を重ね合わせる事が難しいからだと思います。
アニメはどうしても絵だという先入観がありますから。

ですが、この作品は違いました。

この作品は、自分が認識している世界そのものが偽りであるという事に対しての恐怖、根本的な部分での恐怖心を駆り立てます。

浅はかな発想かもしれませんが、クトゥルフ神話を連想しました。
対人、対もののけ等ではなく、もっと大きな、世界そのものへの疑問、違和感、恐怖。

そして、この作品内の常識と現実の常識との乖離。さらに、作品内の世界そのものが歪み、段々と露になる狂気。

とんでもなく怖いです。
そこに、独創的な作画やBGM、演出が重なり、更に昇華されていく。
素晴らしいです。


次に、世界観ですが、これもまた良い。

SFというのは、全てを理解してしまうとチープになってしまいます。
わからない方が幅が出来て良い所が多々あります。

そこにおいて、この作品は絶妙でした。
理解しておきたい部分はきっちりと説明してくれますが、ぼかすところはとことんぼかす。

ぼかされた部分は脳内で補完出来るので、より壮大な世界観を演出出来ています。

そして、個人的には「和」の雰囲気がとても良かったです。

日本人に最も馴染みのある世界ですから、ある程度の説明は無くても大丈夫ですし、八丁標や呪力等々、どういった意味合いなのかを理解しやすかったです。

日本人にしか感じ取る事が出来ない要素が多く盛り込まれていました。


世界観に関連してですが、テーマ。これも大変素晴らしかったです。

表現し辛いのですが、この作品は、主観ではなく客観的な視点から作られています。

世界という箱の外側から見ている様な感覚です。

ハッピーエンドだとか、そういった話ではなく、この場面ではこうなりました。この世界では、こうなりました。という結果を見せられている様なものです。

ですから、ストーリーの構成云々というのは正直どうでも良くて、どう感じるか、どう想うかが大事な作品です。

その点においても、人それぞれ違う感想を持つかと思いますが、私は、人間の芯たる部分を少し見ることが出来たと思います。

これは人それぞれ本当に違うと思いますが、テーマの性質上、それで正解なのでしょう。
狙いも十分に果たせていると思います。



この作品はネタバレ厳禁ですから、このくらいにしたいと思います。
一気に見ることはオススメしません。

1日3話位ずつ、ゆっくりと見ていくことをオススメします。



個人的に、SF小説は得意ではないです。創造力が欠如しているので。
子供の頃は楽しめたのになぁ。

小説原作アニメ。もっともっと出てきてほしいです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 26
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

綿密な設定と深いテーマのSFアニメ。加速していく面白さと、強烈な余韻。

原作未読……が、これは読みたい!

今から1000年後の未来、場所は日本。
人間は「呪力(じゅりょく)」という力を持ち、異形のものを従えながら生活していた。


いやー、面白かったです!
斬新な世界観に引き込まれ、強烈な余韻を残してくれました。
ここまで原作が気になる作品に出会ったのは初めてかもしれません。

純和風SFという珍しいジャンル。
一昔前の片田舎を連想させるような、穏やかな風景です。

しかし、物語全体が、強い不安感に支配されています。
これには物語の構成と、演出が大きく作用していると思います。

物語は12歳編・14歳編・26歳編と3部構成。
ほぼ主人公視点で物語が進むため、主人公の見る風景が、視聴者にとって、世界のすべてです。

まず、最初の12歳編で、周囲の大人、異形のものたちに対する「疑心暗鬼」を徹底的に植え付けられます。
それと同時に、ドヴォルザークの"新世界より"から"家路"がBGMとして何度も流れます。
これが、後の14歳編、26歳編で、「"家路"が流れるだけで不安になる」という演出上の効果を生み出すわけですね。


さて、この独特な雰囲気の中、物語は加速するように面白くなっていきます。
伏線の張り方、ミスリードも見事ですね、ほとんど無駄がありません。
{netabare}
大抵の伏線は、分かりやすい形で回収されていますが、

・1話で早希が「ビリ? 何言ってんの? 私の他にもまだ何人もいたよ?」→すでに思考がコントロールされている証拠
・1話で早希「ここ(全人学校)、農場に似てる」→大人たちに実験動物として飼われているという暗喩
・石ころがしのゲーム→呪力が守りに弱いことの現れ
・はったりをかます12歳の覚(さとる)の性格→鏡を作り出す呪力

……など、一見それと気付かないような細かい伏線も多数あります。
{/netabare}

しかし、万人にお勧めというわけにはいきません。

理由は二つあります。


一つ目は構成のバランス。
原作はなんと1000ページ超え!!
しかも、非常に綿密な設定がされているようです。
序盤は世界観の説明に多くの時間が裂かれ、専門用語もたくさん出てくるため、退屈に感じるかもしれません。
また、思わせぶりでなかなか解決しない展開にもイライラするかも。

しかし、25話という短いスパンで1000ページを表現しているわけですから、それでも展開が速いんです。
流し見なんてしていたら、あっという間に置いていかれます。
そのため、頭を空っぽにして、雰囲気だけを楽しみたい人には向いていません。


第二の関門が、BL、百合、性的な行動、残虐な行動、利己的な行動など。
これがきついという方もいるでしょう。

ただ、この作品のテーマは「教育や{netabare}洗脳{/netabare}」「倫理や道徳観」といったものです。
視聴者が、例えば、BLや百合に偏見を持つことが、物語のメッセージ性と重なっているんですよね。
もっと分かりやすく言えば、主人公を含め、キャラクターの行動に不快感を覚えること自体が、ある意味「狙いどおりの」反応なわけです。
{netabare}
人類は、化けネズミたちを同胞とは扱っていないですが、実際は過去の人類と同じ立場にある存在。
それでも、今まで植え付けられてきた教育や洗脳の力で、それを感じ取ることができない。
よって、視聴者は、アニメの登場人物と、自分の倫理観とのズレを感じ、彼らの行動に対して不愉快な感情を抱くんですね。

そして、衝撃のラストで「道徳的観念には穴がある。偽りの神に二度も敗北した、呪力を持たない、悲しい人類。彼らを救うには、どうすればいいのか?」という、重たい問いを残していきます。
{/netabare}

その辺のテーマ性を早い段階で感じ取り、じっくり見れば、本当に面白い作品だと思います。
見終わるとガツン!とくる、激しいパンチの効いた作品。
ストーリー、テーマ性重視でSF好きの方にはピッタリです!


それにしても……原作が読みたい!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 132

88.2 8 泣けるで鬱なアニメランキング8位
エルフェンリート(TVアニメ動画)

2004年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2909)
13822人が棚に入れました
側頭部の対となる二本の角とベクターと呼ばれる特殊な能力を持つ女性型ミュータント、二角奇人(ディクロニウス)。彼女らは人類を淘汰する可能性を持つとされ、離島の国立生態科学研究所に国家レベルでの極秘機密として隔離、研究されている。
ある日、偶発的な事故によって、研究所に隔離されていたディクロニウスの少女ルーシーは拘束を破り、研究所からの脱走を試みる。海に飛び込む直前に頭部に銃撃を受けるものの幸い軽症で済み、彼女はそのまま海へ投げ出される。
一方、大学に通うため親戚を頼りに鎌倉にやってきた青年コウタは、いとこのユカと由比ヶ浜でルーシーに出会ってしまう。頭部に受けたショックでルーシー以外の人格に入れ替わり、「にゅうにゅう」としか喋ることの出来ない彼女をにゅうと名付け、コウタが住むことになる楓荘に居候することになる…。

声優・キャラクター
鈴木千尋、小林沙苗、能登麻美子、萩原えみこ、松岡由貴、細井治、中田譲治
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「人間じゃないのは、人じゃないのは、お前らの方だ!」

制作はアームスで原作は漫画です。
ジャンルはSFです。
視聴に難があるので注意が必要です。


側頭部の対となる2本の角とベクターと呼ばれる特殊な能力を持つ女性型ミュータントであるディクロニウス。
その中で唯一生殖能力を持つディクロニウスであるルーシーが研究所から脱走を図るも、銃弾による傷を負い、海へと身を投げ出す。
彼女は海辺で大学一年生のコウタに拾われるも記憶を完全に失い、幼児退行していた。


エログロ・スプラッター表現が目立ち、おまけに鬱展開。
非常に視聴ハードルの高い作品です。
恐らく最も断念率が高いんじゃないかな?

グロさは多分トップレベルで、初見では見ているだけで精神がすり減りました。
一話冒頭からいろいろな部位が飛びますw
全編通してとにかく首の切断シーンが多い。
首のあたりがムズムズしてしょうがなかったw
グロ耐性はそこそこありますが、これは苦手なタイプ。
私はホラーに弱く、本作はホラーみたいに急に首が飛ぶというのも大きい。
大丈夫そうな方は、一話見てから判断してみてください。


本作の美点である音楽。
OPは映像・音楽ともに抒情的な雰囲気を醸し出しています。
これが本作の退廃的な雰囲気にぴったりマッチ。

作画に関しては良くないです。
かなり崩れる場面が多いです。
良くないですが、むしろ下手に良いとグロさがより際立つでしょうからこのくらいの方がいいかもねw


かなりざっくりいえば、物語は萌えキャラが主人公の家に住みつき、いろんな人を巻き込んだ血みどろのグロい鬱展開を繰り広げていくというものになるでしょう。
しかし、その展開の中で登場人物たちの葛藤、トラウマが手に取るようにわかりやすく描かれています。


以下考察。
{netabare}中盤のルーシー回想は胸に来ますね。
誰しも異常者を意図的に作り出して区別し、自分はそれに入らないよう異常者たちを迫害する。
まあ当たり前といえば当たり前のことなのですが、その結果としてルーシーに降りかかった出来事は何とも胸が痛い。
ここからルーシーはダークサイドに落ちていくわけですが、もともとは(性格的には)普通の子供だったわけです。

人間は本質的に悪なのか?
この作品を見ているとそうではないように思えますね。
私は孟子先生の教えを信じたいと思いますw{/netabare}


総括して、「差別」「贖罪」「家族愛」など、いろいろと考えさせてくれる良作だと思います。
どうでもいいですが、萌えキャラっぽいキャラデザであるものの個人的にはグロさも相まって全く萌えませんでしたw

とにかく見る人を選ぶのは間違いないですね。
視聴には本当に注意が必要です。
あと「本作が好き」って言うと「グロいの好きな自分カッケェ」に思われるのも辛いところw
私、別にグロいの好きじゃないです。
暗いのは大好物だけどw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 58

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

心に残る良作でした( `ー´)ノ

■グロ注意報発令ですよε=ε=ε=ε=ヾ(;◎_◎)ノ ヤバヤバ
この作品を完走出来るかどうかの最大の難関は、現実離れした衝撃映像の数々ですよね♪
しかも1話目からそんな映像が景気よく飛び出してきちゃうのです(>o<")
一瞬にして人間がバラバラになってしまう様は、まるで石川五右衛門が斬鉄剣で切ったかのような見事な切り口で、骨までスッパリ切られちゃってます・・・そして血が噴出しちゃって、血の海と化します(*ノ∇)ゝ
スプラッターやバイオレンス描写が苦手だなって思った人は、完走することが難しいかもしれませんね!
 
 
■「エルフェンリート」がなぜ評価されるのかな(*'ω'*)
まずは、グロ描写について書かせて頂きましたけど、この作品は人間の本質的な部分に訴えかけてくる、様々なメッセージが含まれているので、その部分を感じ取って欲しいですね♪
 
ディクロニウスという突然変異で生まれた新人類の少女が、なぜベクターと呼ばれる見えない殺人兵器を体から出せるようになってしまったのか・・・
そこには、幼き頃の人種差別・劣等感・虐め・裏切り・別れなどの深く耐え難い出来事が引き金となっていたのです!
そして、新たな出会いが裏切りという憎悪を生み、その負の連鎖がまるでウィルスのように、関わった人々に広がっていくのです(>o<")
そんな負の連鎖の中でも生まれてくる、出会い・親近感・信頼・安らぎ・恋愛・親子愛などの温かい感情も絡み合っていくので、とっても複雑な人間模様が描かれているのですよ♪
 
 
■総評
ストーリー自体は鬱展開の作品なのですけど、日常の場面ではコミカルで甘い恋心を表現していたりする場面もあって、C=(^◇^ ; ホッ!と一息できたりもするのです。
ストーリーの全体のバランスがすごく良いなぁーって印象です♪
グロ描写が多い中で評価が高いのは先にも書いたとおり、作品に込められた想いを痛いほど感じることが出来るからではないでしょうか?
何気なくついた悪気のない嘘が、相手を傷つけてしまったりする事ってあったんじゃないかなーとか考えちゃったり、観終わった後も心に残る感じでした!
 
本作品の監督が言っていた「誰しも救いは、求めている。」という言葉からも、社会的なメッセージ性を感じますよね!
取り返しの付かない失敗や挫折って、人が生きていく上でいつ自分が遭遇するか分らない事ですもんね!
誰もが手と手を取り合って生きていける社会になれるように、σ(・・*)アタシも何でも出来ることからやっていこうと思わせてくれた作品でした♪
 
 
2011.08.31・第一の手記

投稿 : 2024/12/21
♥ : 65

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

海外最高評価も、日本では知る人ぞ知る名作扱い。

すべてが衝撃的すぎてインパクト大!!
知らない人は是非とも見て欲しいとオススメする作品!

海外ではアメリカを中心に数多くの賞を受賞している。
初開催のAmerican Anime Awards 2007では、
Best Short Seriesに5作品のノミネートを果たすほど!
また、フランスでもJAPAN EXPO AWARDS 2009のベストオリジナルアニメ賞を受賞という快挙を成し遂げた。

今、紹介したように海外では熱烈な人気を誇るこのアニメも日本では知る人ぞ知る名作。
その理由としては、主人公の圧倒的強さとグロテスクさにあると思う。
個人差はありますが、日本人は外人よりもグロさに抵抗がある人が多い。
そのため、一般大衆が好むアニメとは言い難いのは事実である。

しかしながら、アニメの質としては郡を抜いている作品だと言える!!
作品のシナリオ、作画、キャラの構成から全てにおいて素晴らしいクオリティを誇ってるのである!!

もし、この作品を知らない方がこのレビューを読んだら、是非一度観てほしい!!
作品の性質上、グロテスクな場面も含まれ個人差で合う合わないはあると思いますが…
とても感動できる、素晴らしい作品だと断言します!!

エルフェンリートは日本発祥のアニメです!
海外で評価を受けることは有り難いですが、我々日本人がもっと評価すべきなのではないでしょうか?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 110

87.5 9 泣けるで鬱なアニメランキング9位
ef - a tale of memories.エフ・アテールオブメモリーズ(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (2435)
12466人が棚に入れました
広野紘と新藤景は幼馴染の間柄。紘はクリスマスの夜、景のパーティーに呼ばれていたが、ふとしたキッカケで宮村みやこと遭遇し、紘はマイペースなみやこに振り回されるはめに。
紘のクラスメイトで映研部員の堤京介はクリスマスの街を撮影中、雑踏の中に少女の姿を見つけキャメラを向けるが、つい彼女の姿を撮りそびれてしまう。
一方麻生蓮治は駅で新藤千尋と出会う。翌日、そしてその次の日も蓮治は無人駅におもむき千尋と再会するのだが…。

声優・キャラクター
田口宏子、岡田純子、やなせなつみ、後藤麻衣、下野紘、泰勇気、高城元気、中島裕美子、遠近孝一、浜田賢二

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

13時間って長いんですね!!

●これから観ようと思っている方、一度は挫折して観るのを諦めてしまった方へ♪
私も最初の1話・2話はとっても退屈でした〃´△`)-3ハゥー
でもそれ以降は、話が進む度に物語に引き込まれていって、感動のあまりに涙を流しておりました♪
物語の前半は、この物語の構成上退屈なのはしょうがないのかもしれませんね(^。^;)
というのも、別々の2つ物語が同じ時を並行して進行しているのと、1話の中でその2つの物語が、
折り重なるようにスイッチしていくので、キャラクター間の相関関係が判り辛いのかもしれません。
また、物語がまだ大きく動き出していない点も助長しているのかもですね♪
まぁ、嵐の前の静けさってやつですね(*^▽^*)
なので、差し支えなければある程度のキャラ把握と、簡単なあらすじを理解した上で視聴したほうが
スムーズにこの作品のストーリーに入っていけるのかなぁーって思いました。
 
■この作品の特徴。
見ている人の深層心理に働きかける演出が(゚ー゚☆キラッっと光る作品なのです。
過剰演出じゃないの?って捕らえる人もいるかも知れませんが、私はそうは思わなかったです♪
ただ、虚を突くだけの奇抜な演出ではなく、こだわりを持って一貫して綿密に練られた演出だからこ
そ、物語に深みを与えて見ている人に感動を与えられるのだと思うのですよ(゚ー゚☆キラッ
たとえば、キャラクターを中心に捕らえるだけではなく、わざと視点をずらすような、カメラワーク
だったり、色彩豊で写真のように美しい情景だけではなく、単調な色彩だけで表現したり。
そういった演出にプラスして、言葉や活字、光と影の使い方が絶妙だからこそ物語りにグッと引き込
まれていったのです♪
 
■物語の紹介
先に2つの物語から構成されているとご紹介しましたが、ここで簡単に整理しておきますね♪
 
★広野紘を中心のストーリー
・広野紘・・・・幼少のころ景や千尋を喜ばせようと思い、少女マンガを描き始めたのをきっかけに
        漫画家となる。新藤姉妹とは幼馴染。持病は腱鞘炎。
・宮村みやこ・・活発な気まぐれっ子。家庭環境が原因で寂しがりやな一面も。だんご大家族好き!?
・堤京介・・・・カメラをこよなく愛する好青年。(゚ー゚☆キラッと光る才能がゆえに映研のメンバーと
        はうまが合わなくなる。
・新藤景・・・・千尋とは双子の姉。紘の幼馴染。バスケットボール部のレギュラー。
        紘に、ただの幼馴染以上の感情を抱くようになる。
・雨宮優子・・・風のように現れて、風のように去っていく、不思議な女の子!?
 
★麻生蓮治を中心のストーリー
・新藤千尋・・・景とは双子の姉。紘の幼馴染。ある事故をきっかけに左目失明・記憶障害となる。
        肌身離さず日記帳を持ち歩いている。
・麻生蓮治・・・今は使われなくなった駅のホームで千尋と運命的な出会いとなる。
        本を常に持ち歩く読書好き。
・火村夕・・・・千尋の保護者代行をしている。
・久瀬修一・・・火村の昔ながらの友人。麻生家のお隣さん。
 
 
●総評
どちらのストーリーも涙が止まらなくなるような感動を与えてくだました♪
ただ、ラストまでの恋愛の質とプロセスがまったく違うので、ひとつの作品なのに、2つの作品のラ
ストシーンを同時に体感したような、今までに感じた事のない余韻に浸れました♪
これが同じような感動のストーリーだと、こうは感じなかったでしょうね(^ー'*)(,_,*)
一回観ただけではこの作品の良さを見切る事は不可能だと思いますので、個々のキャラクター目線で
見返していくもの良いかもしれませんよ♪千尋の日記帳みたいにね(*^▽^*)
そのまえに「melodies」の方も観たいと思いますw
 
 
※以降は個人的なネタバレメモです♪
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■45秒未満の邂逅であった。
いまいち意味が理解できていませんw
45秒未満で運命の出会いと気付いたっていうことなのでしょうか???
 
■13時間しか記憶を維持できない千尋の日記帳のルール
この日記帳を毎朝必ず読み返してください・・・これがあなたの記憶です。
必ず日記を残してください・・・その日の会話・行動・医療記録など。できる限り正確に残してください。
できるだけ他人との接触を避けてください・・・
日記に対して、これは私自身なのです・・・
 
■12歳と13時間を生き続けてきた千尋
無理した千尋が13時間を超えて日記を読まなかった時、12歳の少女に戻ってしまう。
「鎖に繋がれた羊と同じ」
鎖の長さ=12年、手の長さ(手を伸ばしても)=13時間、草食べつくす=小説を書き終える
好きですと言える間にお別れしたいと言う千尋、泣きながら最後に日記を読む千尋・・・
切ないですね。゚゚(>ヘ<)゚ ゚。ビエェーン
  
■かなり怖かったよ!!みやこちゃん!?(* □ )~~~~~~~~ ゚ ゚
デートの待ち合わせですっぽかされたみやこちゃん!!
過去のトラウマから、蘇ってくる「消えたくない」という恐怖がMAXに・・
紘の留守電へ訴え続けるみやこの心情は尋常ではなかったですね♪
その夜・・・
「もう届かないよ!!私が届かせない!!私が・・・・!!もう終わったの・・・」
必死のみやこと冷酷な千尋とのドロドロ展開ってヒイィィィ!!!!(゚ロ゚ノ)ノ
なんか、「ひぐらしのなく頃」っぽい怖さをちょっと感じちゃったのは私だけ・・・
 
 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 90

だんちょー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

個人的にシャフト最高作品だと思っている(レビュー全訂正)

全12話。efの1期です。

原作ゲームは未プレイ。

ストーリー構成は学園恋愛物。エロゲ原作ですがアニメでは全編通してシリアスストーリー。

原作プレイ者には結構不評みたいですが凄く面白かったです^^

少しダークな感じがあり取っ付きにくいかもしれませんがストーリーや演出が素晴らしい出来でした。

シャフトと言えば化物語や魔法少女まどか★マギカが有名ですが私はこの作品が一番好きです。泣きアニメが好きなのでかなり補正かかってますがねw

1期単体で見ても充分に素晴らしい出来なのだが、結構謎を残して終わるのし、サブキャラ扱い(?)の皆さんが活躍するので続けて2期も見て頂きたい。2期も1クールなので見やすいと思いますよ。

しかしながらシャフト独特の凝った演出。大まかに分けて2つのストーリーが同時進行の展開、各キャラの心情など1クールの中に詰め込まれた作品なので、アニメ観はじめたばかりの方にはハードルが高い気がします。

それでも素晴らしい作品なのでオススメしちゃいます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 77
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高級の演出に彩られたラブストーリー

原作は未プレイです。

「麻生蓮治、新藤千尋」
「広野紘、堤京介、新藤景、宮村みやこ」

この2グループに分かれ、同時並行でラブストーリーが展開されていきます。

同時並行なので状況をつかみにくいです。
しかし、並行していることが、重要な意味をもっている本作。
理由はこの作品の続きである「ef - a tale of melodies.」で分かります。

この作品のテーマは、「記憶」と「夢」。


【記憶について】

「記憶」とひとくちでいうのは簡単です。
しかし、どういうものか言葉で説明するのは難しいもの。
頭の中に蓄えたデータ? 映像? 文字? それとも音?
人によってどうとらえるか異なる、そんなあやふやなものです。

記憶に関しては女性陣が深く関わっています。


▽新藤千尋にとっての記憶
{netabare}
千尋は記憶が13時間しか持続しないため、毎日日記をつけています。
しかし、それはただ「文字としての記録」です。
記憶とは異なります。
例えば、他人が書いた「楽しかった」のひとことからどれだけのことが読み取れるでしょうか?

「何があったから楽しかった」
「何があってこういう気持ちから、ああいう気持ちに変化したので楽しかった」

これで多少は具体的になります。
しかし、いくら言葉を尽くしても、心の動きは正確に表せません。
「『自分という他人』の書いた記録」、それが千尋にとっての記憶の正体です。
{/netabare}


▽新藤景にとっての記憶
{netabare}
景は、自分にとって一番の出来事がいつまでも続いて欲しいと思っています。
また、自分にとって最悪の出来事を引きずり続けています。
一つの記憶がいつまでも心に残り、結果的に足かせとなる。
景にとっての「記憶」とはそういう存在です。
彼女はその足かせから自力で抜け出すことをせず、誰かが連れ出してくれることを待っていました。
{/netabare}


▽宮村みやこにとっての記憶
{netabare}
彼女にとって記憶とは、自分の「居場所」そのものです。
誰かの記憶の中に積み重なることを求めます。
自分が人の心から消えることを「音がない」と表現しています。
その結果として「自分が人の心から消えることへの怖れ」から「特定の人物への執着」へつながっていきます。
{/netabare}


【夢について】

「夢」とは何か。
男性陣は女性陣の記憶と関わりつつも、自分の夢を見つめ直していきます。

▽広野紘にとっての夢
{netabare}
彼にとっての夢はありません。
学校に通いつつ、隠れ漫画家として生活していますが、何もかもが中途半端。
漫画家の仕事も自分の意志で始めたわけではありません。
「絵が上手だね」という何気ないひとことがきっかけ。
それがいつの間にかライフワークになっていました。
自分の「夢」はそこに存在していません。
彼はそれを「色がない」と表現しています。
しかし、景とみやこと話をつけることで、中途半端な自分にけじめをつけます。
それが、みやこの世界に色を与え、自分自身もはっきりした「夢=色」を認識します。
{/netabare}


▽麻生蓮治にとっての夢
{netabare}
「王子様となってお姫様を守ること」、そんな漠然としたイメージが夢です。
人を守ると口に出すのは簡単です。
しかし、いざ実行に移すのはとても大変なこと。
そして、彼が出会い「守りたい」と思った人物は千尋です。
たった13時間でできることは何か。
苦しみながらもひたすら模索し、千尋に一筋の光をもたらしました。
もちろん、これからも苦労は絶えないことは承知の上です。
それでも「千尋を守ること」「小説家」という具体的な夢を得ます。
そして、「人の記憶のなかから自分がいなくなってしまうことが怖い」。
千尋のセリフに感化され、自らも日記を書くことに決めます。
それが冒頭の「それは45秒未満の邂逅(かいこう)だった」という言葉。
実際に出会ってから40秒もたたずに別れています。冒頭からOPまでの語りは、蓮治の日記の内容だったんですね。
{/netabare}

▽堤京介にとっての夢
{netabare}
「夢を撮ることが夢」という抽象的な言い方をしています。
前に進もうとする輝きをとらえることが「夢」です。
しかし、彼の「夢」は一瞬で消えてしまうもの。
普段は、心を揺さぶられるその瞬間をとらえるため、ビデオカメラを回し続けています。

ストーリーの中では、紘と景の背中を後押し。
最後には、記憶の束縛から逃れて前に進み出した景に対し継続する「夢」を見つけることに成功しました。
{/netabare}


さて、この作品の一番の魅力は「演出」です。
単に目をひくためにしか見えないような映像が、大事な伏線になっていることに気付きます。
{netabare}
分かりやすいのはみやこです。
みやこの視点では世界がモノトーンで描かれています。
その後、紘との距離が縮まると色がついたり離れるとまたモノトーンに戻ったり。
そのときの心情をそのまま表しています。
目は口ほどにものをいいます。

夕日を背景にして、影になった千尋には、ひたすら強い孤独感、寂しさが表れています。
また、仕事中だけ世界が白黒の線画になる紘。
そこに本当の夢=色がないというヒントだと思います。
{/netabare}

・人と人との距離で心の距離感を表す
・絵のタッチで現実味を表す
・海や雲の描写で時間の移り変わりを表す
・カメラの位置で空気感を表す

細かいメッセージが、演出や背景の中に隠されています。


セリフを背景や演出に語らせる。
意味に気付いたときには鳥肌が立ちました。


各話のタイトルも凝っています。

1.eve
2.upon a time
3.paradox
4.honesty
5.outline
6.rain
7.I...
8.clear colour
9.forget me not
10.I'm here
11.ever forever
12.love
coda.dream

頭文字を取ると「euphoric field」。
OPテーマソングのタイトルになります。
直訳すると「幸福の領域」ってとこでしょうか。


さらに、

テーマソングの「euphoric field」の頭文字は「ef」です。
{netabare}
OP中に流れる背景に描かれているのは、千尋の書いている小説の内容です。
{/netabare}

また、

回を追うごとにEDの曲が変わっていきます。
同じ曲でも歌詞が内容に応じて変化します。


これでもかといわんばかりの徹底した演出へのこだわり。
それを伏線にしてしまう本作。
そして、この物語と伏線は、2期の「ef - a tale of melodies.」へと引き継がれていきます。

・速いペースでの群像劇
・抽象的な会話
・頻繁に入る独特な演出。

1度見ただけでは、ただのシリアスで小難しい恋愛アニメに感じるかもしれません。
しかし、そこで評価してしまうのはもったいない!

本番は2周目以降から。
内容を知ったうえで視聴をすると隠れたメッセージが、山ほど見えてきます。
それが2期「ef - a tale of melodies.」での感動につながります。

ぜひ見ていただきたいオススメの作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 104

85.0 10 泣けるで鬱なアニメランキング10位
ef - a tale of melodies.(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (1582)
8457人が棚に入れました
天才美少女の広野凪にいつも振り回されている火村夕は、ある日、雨宮優子と言う不思議な少女と出会う。優子は夕の事を知っているようだが、彼女の事は夕の記憶には無かった。優子は、夕に不可解な言葉を残して立ち去る。
一方、従兄妹の麻生蓮治の家に泊まりに来ている羽山ミズキは、美しいヴァイオリンの調べを耳にする。それは蓮治のお隣さんの音楽家、久瀬修一の奏でる演奏である。蓮治の母、麻生すみれは、休暇中のミズキの世話を久瀬に頼むのだが--。

声優・キャラクター
中島裕美子、遠近孝一、後藤麻衣、浜田賢二、伊藤静、古澤徹
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

奇跡なんて無い あるのは偶然と必然 誰が何をするかだけ

2008年に放送されたテレビアニメ ただし、一部の地域で。 東京は2009年に放送。

ef第2期として、1期と同様にアダルトゲームef-a fairy tale of the two.が原作となる。
ゲームは2部作で、この作品はゲーム完結直後の制作。

監督 大沼心 制作 シャフト スタッフは前作と同じ

舞台となるのは二つの街。
大震災で崩壊した日本の音羽市とオーストラリアの姉妹都市(音羽市)
この位置関係を理解していないと物語の理解は難しくなると思う。
日本の音羽市をドイツ風に建築し直し、オーストラリアはそれを模倣した。
後者は実験的に開発された都市で鉄道は存在しないが駅は存在する。
これが1期のあの駅ということになる。電車の通っていない最果ての駅。

大沼監督は、蓮治・千尋の物語を読まず、
ブログ上の感想から演出方針を決めたと語っている。
それでは原作ファンは納得しないかもしれない。
たぶん、こちらは原作との距離を縮めるべく造られただろうと想像する。

このefは恋愛群像劇ということになって4つの恋愛が主に語られる。
ef1を観て盛大に泣いた私が言うのもなんだが、恋愛ゲームは演劇である。
演劇で泣かせてくれれば、楽屋でタバコを吸っててもどうでもいいのだ。

このef2期では複雑で深く悲しいまたは幸せな物語が演ぜられる。
奇跡は起こらないことが前提のようだ。
誰が何をするかだけ、と作中で語られる。

驚いたのは10話が2つあるということ。モノとカラー。
放送時点ではどうなのか知らないが、
この観直しが無ければ物語から迷子になりそうだった。

{netabare}残念ながら、真尋ストーリーほど引き込まれる物語性は感じられなかった。
奇跡は望んで得られるものでは無い、とキャラたちの生きざまが描かれる。
なぜかわからないシーンで涙が出た。ラストはグッと来た。
2期としてはそれが理想なのだろう。{/netabare}

1期2期と連続して演ぜられた物語は厳しくも優しい真実を表現して、
ノベルゲーム原作アニメの最も優れた作品と評価したい。

この2期は再視聴が必要と感じたので、観直す時が来たら書き直そうと思っています。
 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 28

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

初体験させてもらっちゃいました(^ー^* )フフ♪

■「memories」を観てから「melodies」を観ましたか!? (^・ω・^).....ンニュニュ?
「memories」を観ていない方がいましたら、気を付けてくださいね♪
えっと、スペルがなんとなく似ていますよねw実は・・・私の家の近くのレンタル屋さん・・・(;`O´)oコラー!
やっちゃっていました・・・最初に並んでいたのが「melodies」だったのですwww
しょうがないのでそっと直しておきました・・・・o(`⌒´*)oエッヘン!
 
とまぁ~前置きはさておき、「melodies」を視聴して思ったのですが、
「ef」は「memories」と「melodies」を1期2期と分けて考えてはいけない作品だと思うのですよ♪
2つ合わせてひとつの「ef」なんです!!
それを踏まえた上で・・・・・・・名作と呼ばざるを得ないでしょう(」゚ロ゚)」(」゚ロ゚)」(」゚ロ゚)」オオオオオッッッ
 
■ここがすごいよ「ef」
演出は「memories」のレビューでも書かせて頂きましたのでここでは省略しちゃいますけど、
引き続きストーリーに深みを与える演出でよかったと思います。
それよりも光っていたのが、シナリオ構成に非常に感心させられちゃいました♪
 
前作の時と同様の手法なのですが、本作品では「過去」と「現在」が交互に語られていくのです!!
しかも、前作ではなかなか気付きにくいですが、実は、2つの音羽町が存在しているのですね♪
日本の音羽町とオーストラリアの音羽町なのです☆彡
「memories」ではサブキャラの設定だった「久瀬 修一」「羽山 ミズキ」「火村 夕」「雨宮 優子」
がメインで物語が展開していくのです♪
時空も違う、そして遠く離れた2つの音羽町で、とっても切なく悲しい物語が展開されていきます。
 
でもね、物語が進むにつれて、不思議と遠く感じられた距離がだんだん近く感じられるようになって
くるのです♪
そして最後は「memories」と「melodies」でバラバラだった関係や想いがすべて繋がって見事なまで
に融合した結末がまっているのですよーオオーw(*゚o゚*)w
だからこそなのですよー♪「memories」と「melodies」で「ef」なのです☆
そうです・・・「それぞれの想い」と「それぞれの旋律」が重なった時、「ef」が完成されるのですね♪
 
■旋律=メロディーについて
なんと・・・私は「melodies」で貴重な初体験を経験してしまいました!!!(* v v)。ハズカシイ・・・
バイオリンの音色でホロリと涙が零れ落ちたのです・・・しかも・・・まだ物語の最初の方の演奏でww
そんな調子だったので、優子やミズキちゃんの歌を聞いた時は・・・(TT▽TT)ダァー でした!!
おそるべしって感じでしたね♪
もちろんOP曲やED曲も胸にジーンと来ましたよ♪でも「A moon filled sky」は凶器ですw
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
生きる勇気と~抱く未来と~皆がくれた強さ~愛を信じて~
細い指先~綺麗な瞳~忘れないのmemory~刻む面影~
もっときっと遠くを~夢に目指して~私寝顔思い出す~触れる幸せ~
空の彼方に~届いて願い~心遠く飛ばすわ~私と歩こう~
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ところで皆さんは、途中で割り込んでくる 『01「Mut」』とかの意味は分かりましたか?
どうしても判らない人は、メール頂ければこっそり教えてあげますよ(゚ー゚☆キラッ

投稿 : 2024/12/21
♥ : 47

ある晴れ日曜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ぶっちゃけよくわからんけど泣けた~!

いやね、ストーリーはスゴイっすよ。良いと思いますです。
で、真のアニメ好きには神クラスのアニメなんだと思います。

ただ、オイラみたいな熟練度の低い者には、演出が凝り過ぎてて、どことどこが繋がっているとか予想できずにサラサラ流れて見てしまいました。

ポイントポイントでは、鬱だったり「あ、そういうことか」とか話がほぐれてきて面白いんだけど、もちっと判りやすい方がオイラは良かったです。

そんな俺ですが、終盤は泣きました。
泣き度は1期よりちょい落ちますが、泣けちったね。
重さは1期より重い・・。

みんなのレビューをみて、OPに変化あり、こだわりありなどの情報を知って見返してなるほどと思ったりとか、場面場面が変わったり、ドイツ語とかでてきて意味フだったり、俺は観てる途中でフッと集中を切らされたような感じでした。

でも総合的には「good」です。
好き嫌いはあると思うけど、シナリオは最高なので、是非オススメします。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

84.4 11 泣けるで鬱なアニメランキング11位
GUNSLINGER GIRL [ガンスリンガーガール](TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1145)
7516人が棚に入れました
舞台は現代(もしくは近未来)のヨーロッパ。イタリアの公益法人「社会福祉公社」は、政府の汚い仕事を代わりに行っている。その中でも作戦2課では現在表向きは障害を抱えた子供達を引き取って福祉事業に従事させることで社会参加の機会を与える、という身障者支援事業を推進する組織という名目で、集めた子供達を「義体」と呼ばれる強力な身体能力を持つ肉体に改造し、薬物による洗脳を施した上で、政府の非合法活動に従事させていた。
また、この社会福祉公社と敵対する反政府活動組織は五共和国派(通称パダーニャ)は、北部同盟党首ウンベルト・ボッシが提唱する、北部8州と中部3州をイタリア共和国から分離独立させて「パダーニャ共和国連邦(Repubblica Federale de Padana)」を樹立する、という構想を実現する為に武力闘争を行っている。

声優・キャラクター
南里侑香、木内秀信、三橋加奈子、宮本充、仙台エリ、江原正士、小清水亜美、堀内賢雄、寺門仁美、井上倫宏、家中宏、中川里江、岩崎征実

mtah さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

心に残る作品を観たい方に勧めます

隠れた名作と聞いて観てみました。

イタリアを舞台に、義体という人口の身体をもち、反政府組織に対する暗殺に使われる少女たちに焦点を当てたストーリーになっていて、大体が1話完結になっています。

ちょっとした良い話や、切ない話などありますが、設定も難しくなく、感情移入しやすいと感じました。義体の少女たちが一見普通の女の子で、個人の感情も普通に持ち合わせているからなのでしょう。どの話も、何かしら心に引っかかるものがあるような気がします。これが隠れた名作か、と納得しました。良かったです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

レイ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

倫理観を見つめ直させられる問題作

自分は原作から読んでいて、この1期はその様々な要素を忠実に再現されていて非常に楽しめました。
絵も音楽もそんな世界観を非常に上手く表現してました。

画面全体は基本的に暗く、倫理観を自問させるような暗い物語ですが…個人的にはかなり高く評価できると思います。
見始めてすぐに世界観にのまれてしまいました。

(ここに1・2期両方の事を書かせていただきますがご了承下さい。)
ですが、とても気に入らなかったのが2期です。
1期が制作され2期の制作までかなりの時間が経っていた為、制作スタッフや声優のほとんど全てが変わっています。
それで、原作・1期と2期は全く別もので…2期を1期からの続編と期待したら落胆すると思います。
2期は基本的に明るすぎて、どの少女達も条件付けされているのに人間臭すぎて性格・喋り方も全く別人になっちゃってます。
義体の少女達だけでなくその他の登場人物もです。
人を殺すのに無感情な感じでなく生き生きし過ぎていたりと…物語の根幹となる倫理的な概念が変わりすぎていた様に感じました。
それで、とても残念でした。
絵も最近風みたいになっちゃって…
でも、音楽は1・2期それぞれに雰囲気は違うけどどちらも好きです。
2期の音楽はだーまえが若干関わってますし(笑)

でも一応、2期も全く別物として見ました。
2期だけを1つの作品として見れば悪い物ではなく普通に楽しめますから♪

実際、倫理的な問題で賛否両論分かれ評論家の方々も色々言われた作品ですが個人的には高く評価できるものだと思うので是非、見てもらいたいものです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 21

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

極めて退廃的かつフェティシズムに溢れた群象劇 あるはずのないものを信じる勇気をもらえる「たった一つの」演出が魅せる技

1話から終始悲劇のヒロインを堪能できる作品です
ヒロイン達は陰惨な過去を捨てさることで今を生きる
それがいずれは滅び行く身体と言う事実を視聴者は物語の真っ只中で突きつけられる
彼女達には初めから未来が無い
しかし彼女達は笑顔で「生きること」を実感する喜びに浸る
彼女達が尽くすのは何か?
恋愛か?
慈愛か?
恩義か?
使命感か?
はたまたただの洗脳でしかないのか?
人の心がそうであるように、
全てが明かされない曖昧なままなところが素晴らしい
だけど本当は彼女達も分かっている
でも彼女達にはそれを拒否する術も言葉も無い


基本は群像劇なので各ヒロインごとの語り口で物語が進みますが、シリーズ全体では「ヘンリエッタ」(或いは最終話のアンジェリカ)が物語の軸となるように構成されています
ここが後のシリーズや原作との最大の相違点でしょう
ただ近づく死と向き合いながら戦う少女達に感銘し、オイラは男泣き


特に個人的に注目したいのはクラエス
クラエスは担当官との記憶をなくしているわけですが、
最後にした約束である
「眼鏡をかけているときは優しいクラエスでいてくれ」
の一言を誰に言われずとも守り続けている


そして第12話
囮捜査によって敵のアジトで人質となってしまうクラエス
そこに奇襲を掛けた仲間が駆けつけ、
クラエスも自ら脱出の道を開くため反撃を開始する


そのほんの一瞬、
クラエスは【無意識のうちに自分で眼鏡を外す】のです
記憶をなくしているはずのクラエス、あのクラエスが
そして彼女は別人の様な鋭い目付きで敵を薙ぎ倒していく・・・
そうあれは確かに別人だったんだと思う
記憶のないはずのクラエスが無意識下で感じていた絆と約束
そんな切ないものをたったワンカットで示した演出
スタッフさんたちの仕事ぶりには最大の拍手を送りたいです

投稿 : 2024/12/21
♥ : 33

77.9 12 泣けるで鬱なアニメランキング12位
結城友奈は勇者である(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1410)
6914人が棚に入れました
神世紀300年───
始まる”勇者部”活動!?
結城友奈は中学2年生。毎日学校へと通い、たくさんの友達に囲まれながら授業を受けたり、部活動をしたり、遊んだりと、平穏に過ごしている。その生活スケジュールは、どこにでもいるごくふつうの女の子。
だがたった1つ、他の子たちとは決定的に違う部分があった。

それは彼女の所属している部活が”勇者部”だということ。部長・犬吠埼風を中心にした活動の内容は謎に包まれておりバーテックスという不思議な存在が関係しているという。神世紀300年。西暦とは年号の異なった世界で、友奈たち”勇者部”の活動が始まる!

声優・キャラクター
照井春佳、内山夕実、黒沢ともよ、三森すずこ
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

「まどマギ」の皮を被った「ラストサムライ」ないし「神風・・・」モチーフの力作 【ネタバレ絶対回避】 

※制作情報等を追加(2018/12/4)

前半はエヴァ・まどマギといった「セカイ系」名作の二次創作的な印象が濃かった本作ですが、後半、次第に「桜」をモチーフとした独自の魅力を増していき、迎えた最終回、放送当時「まどマギ反逆」レベルの大揺れ、賛否両論噴出の末に、本作を「是」とする声が優勢に。

※重大な注意
成分タグ第1位が「予想外」となっているとおり、本作は絶対にこれ以上のネタバレ回避で視聴すべきです。
ここまで読んだ方は、速やかにこのページを閉じて視聴態勢に入った方が賢明です。

本作に描かれたテーマないし結末に関して、個々の視聴者が最終的にこれを「是」とするにせよ「非」とするにせよ、激しく困惑し心揺さぶられること必至の、《2014年最大の問題作》なのは確かだと思います。

※以下は、本作3周目以降の鑑賞時の感想です。
(初見および2周目時点での感想は、本レビュー末尾に保存)
======================================
◆3周目にあたっての能書き  - “全裸待機”と、“割り切れない想い”

彼(か)の「魔法少女まどか☆マギカ」をTV放送当時は敬遠してしまい、放送終了後の滅茶苦茶な高評価に釣られてようやく一気観した自分にとって、本作こそは、ネットスラングでいう “全裸待機” (※ちょっと品のない言葉で恐縮ですが、「身を清め正座してコトが始まるのを待ち侘びる」というほどの意味です)をリアル・タイムで経験した初めてのTVアニメとなりました。
というより、本作の放送当時、ネットに飛び交う“全裸待機”という言葉を見て、初めてその意味を知ったわけですが(笑)。

何が言いたいのかというと、本作は、第8話放送以降~最終第12話まで、それほどまでに、「次回の放送内容が気になって仕方がない」作品だった、ということです。
それは、別に私一人の感じ方ではなくて、私と全く同じ期待を繰り返し漏らしていた方々が、本作の放送当時、ネットに確かに沢山おられたのでした。

そして、そのような膨れ上がった期待を背景に、とうとう放送された最終回(第12話)、放送終了後に飛び交った困惑と怒号。
「最後の最後に大コケした」「茶番だ」「失望した」という声が大きく、また実際、私自身も本ページ末尾(初見時のレビュー)に記したとおり、残念ながらラストは期待外れの展開になってしまった、とする感想を持ちました。

しかし、そう思いながらも、尚割り切れぬ気持ちで観た2周目(正確には、それまで第1~9話までは毎週のように繰り返し視聴していたので、第10~12話だけを本作放送終了後に2回目視聴したのですが)、これも本ページ末尾(2回目視聴時のレビュー)に書いていますが、今度は、「確かに最終回の展開の都合の良さは気になるけれども、意外とこの終わり方で良かったのではないか?」という感想に変わってしまい、そうした自分の気持ちの変化に気づいて二度ビックリ。

その後は、同時期の放送でまだ見終えてない作品が幾つもあったこと、さらに新年からの放送(2015年1-3月期)に、かなり気になる作品が幾つかあったこともあり、本作について“後ろ髪を引かれる想い”で最近まで来てしまいました。
そして今回、ようやく本作をじっくり再視聴する機会を得て、改めて色々と考察し、この“想い”を整理して、感想をまとめてみました。

◆制作情報
{netabare}
原作           Project 2H
企画・原案       タカヒロ
監督           岸誠二
シリーズ構成      上江洲誠
脚本           上江洲誠、タカヒロ、村田治
キャラクターデザイン BUNBUN(原案)、酒井孝裕
音楽           岡部啓一、MONACA
アニメーション制作  Studio五組{/netabare}


◆各話タイトル&評価(※3周目以降)

各話タイトルは全て花言葉となっており、うち半分は{netabare}勇者部の5人と乃木さん(先輩勇者){/netabare}の変身後の紋花のものです。

※本作は【起-承-転-結】ではなく、【序-破-急】(導入-変調-加速)の3パート構成と見るとしっくりきます。

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

==================== 結城友奈は勇者である (2014年9-12月) ====================

------ 【序】(導入) {netabare}勇者部の使命が語られる{/netabare} --------------------
{netabare}
第1話  乙女の真心      [コスモス]  ★★ 勇者部4人回(とくに友奈) *OPなし,ED「ホシトハナ」
第2話  ろうたけたる思い  [菊] ★ 勇者部4人回(とくに東郷さん) *OP「ホシトハナ」,ED「Aurora Days」(勇者部4人)
第3話  風格ある振る舞い  [牡丹]  ☆  夏凜登場回 *OP「同上(※以下省略)」ED「同上(※以下省略)」(勇者部5人)
第4話  輝く心         [カタバミ] (※風先輩の花) ☆  樹ちゃん回 *ED「祈り」(樹ソロ)
第5話  困難に打ち勝つ   [サザンカ] ★★  全員回(戦闘回) *ED(勇者部5人){/netabare}

------ 【破】(変調) {netabare}勇者システムの真実が語られる{/netabare} ---------------
{netabare}
第6話  明日に期待して   [ラベンダー] ☆  全員回(病院回) *ED(勇者部5人)
第7話  牧歌的な喜び    [黄スミレ] ☆  全員回(水着・温泉回) *ED(勇者部5人)
第8話  神の祝福       [青バラ] (※乃木さんの花) ★★★ 乃木さん回 *ED(勇者部5人){/netabare}

------ 【急】(加速) {netabare}真実を知った後の勇者たちの覚悟が試される{/netabare} ----
{netabare}
第9話  心の痛みを判る人  [アマドコロ] (※樹ちゃんの花) × 風先輩回 *ED「祈り」(樹ソロ)
第10話  愛情の絆       [朝顔] (※東郷さんの花)  × 東郷さん回 *ED(東郷さんソロ-2番歌詞ア・カペラ)
第11話  情熱          [ヤマツツジ] (※夏凛の花) ★★ 夏凜回 ED(友奈ソロ)
第12話  貴方に微笑む    [ヤマザクラ] (※友奈の花) ★★ 友奈回(※注釈) *ED(勇者部5人-合唱){/netabare}
-------------------------------------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)4、★(良回)1、☆(並回)4、×(疑問回)2 個人評価 ★★ 4.7

※注釈:最終話(第12話)は、1~3周目それぞれで、受ける印象が大きく異なりました。
(作品内容の理解のレベルが上がるにつれて評価が、×(失敗回)→☆(並評価)→★★(ダブル高評価)、と大きく上昇)


◆総評
{netabare}
(1) これは初見時から変わらない感想ですが、第1話~第8話までの流れ(【序】~【破】へと至る流れ)は、ほぼ完璧だと思います。
・それほどまでに第8話で明かされる勇者システムの真実は、私には衝撃的かつ、それまでの流れから説得力の高いものでした(この回を★★★(トリプル高評価)とした理由)。
(2) これに対して、【急】の始まりを告げる第9話(風先輩の反逆未遂回)、そして大波乱の幕開けとなる第10話(東郷さんの反逆実行回)は、私個人としては、やはりどれだけ考えても、風先輩・東郷さん両名がそれぞれ大赦・神樹への反逆を決意するに至る心情推移に、余り説得力を感じられない・納得のいかない回となりました(この両回を×(疑問回)とした理由。また本作の総合評価を、今回4.4→4.7と引き上げたにも係わらず尚若干マイナスとした理由)
・ただし、この両回をそれぞれ非常に高評価する方々が沢山おられることも分かっています(そこは個人個人の感じ方の違いということなのでしょう)。
(3) 第11話(夏凜が大見得を切り連続満開する回)は、私が本作に期待したもの(※短く満開したのち潔く散る「桜」のイメージ(後述))に一番近い内容だったので、★★(ダブル高評価)としました。
(4) 一番評価が変わったのは、今回も最終第12話で、初見時は×(失敗回)評価だったものが、2回目視聴時の☆(並評価)を経て、ヒロイン友奈を始めとする勇者部の少女たちに強く感情移入してしまった今回は、★★(ダブル高評価)に二階級特進!してしまいました。
(5) 以上から、総じて本作は、過酷な運命に見舞われる勇者部の少女たちに対する感情移入の効果が非常に大きい作品、繰り返し視聴することによってそうした効果がさらに増大してしまい、彼女たちへの「共感」がストーリー展開の粗をも覆い隠すに至る作品、と評することが出来ると思います。
{/netabare}

※以上まで、本作に関する「感想」でした。
※以降は、本作の「分析」に入ります。

◆本作の2つのモチーフ(制作動機)

※これは、はっきりしていると思います。すなわち、

①「まどマギ」のモチーフ
{netabare}
 ※本作が「魔法少女まどか☆マギカ」の達成を大きな制作動機とし、その設定やストーリー展開を参照しながら、そのalternative(代替物、別ヴァージョン)としての達成を目指したことは、誰が指摘するともなく明らかでしょう。
 ※しかし、本作は他の類似企画された諸作品のような「まどマギの二番煎じ」「劣化まどマギ」には留まらない、独自の明確かつ強烈なモチーフを持っていました。それは・・・{/netabare}

②「桜」のモチーフ
{netabare}
 ※ないし「ラスト・サムライ」「神風・・・」のモチーフとでもいうべきか。
 ※本作の本当の魅力(でなければ困惑、あるいは人によっては嫌悪の種)はここにあると言ってよい、と考えます。
 ※なお、「ラスト・サムライ」というのは、トム・クルーズ&渡辺謙が主演し小雪がヒロイン役を助演した2004年上映のハリウッド映画で、“花は桜木、人は武士”と言い慣わされたように、桜のように美しく咲き誇った後、短く散り行くサムライたちの矜持(きょうじ=誇り)を描いた作品です。
 ※「神風・・・」のイメージは、「ラスト・サムライ」のイメージとも通底しますが、何といっても本作OP「ホシトハナ」の曲調と歌詞から、そして、OPの最後の4人ないし5人の少女たちの満面の笑顔の止め絵(→出撃直前の特攻隊員たちの満面の笑顔の写真を連想させる)から、どうにも否定しようもなく湧き出てくるものであり、それは第8話で明かされる“散華(「供養のために華を散らす」という意味の仏教用語から転じて「若年の兵士の戦死」の婉曲表現として戦時中に使用された)”という用語によって補強されます。
 ※この点に関しては、私個人の飛躍したイメージではないか?という意見もあるかと思いますが、以下に示すように、本作の放送当時から幾つもの掲示板やサイトで語り合われていたことであり、私としても初見時のレビューでは慎重に言及を回避していた事項なのですが、本作に対してきちんと正面から向き合おうと思うならば、やはり回避できない本質的な指摘であると考えます。
 ※以下、長文の引用になります。興味関心のある方のみ閲覧して下さい。
{netabare}
☆引用元:http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-29067.html
--------------------------------------------------
名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 20:53

間違いなく秋のトップ作品
こんなに化けると誰が予想しただろうか? そしてGF()がこんなに酷い事になるなんて・・・

やっぱオリジナル作品は当たりはずれが悲惨だけど、こうやって素晴らしいものがでてくるから楽しいんだよね
そして日本アニメの底力を見た、これはいくら作画力が高くなっても、中韓には作れない

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 22:15

まどかは初見で、「りりかSOS」とか「ジャンヌ」とか、あるいは18禁ゲーの系譜に属する、お約束を「逆手」にとるタイプの魔法少女ものの王道だと思ったけど、ゆゆゆは、もう少し今の時代の政治的な心象を扱ってる感じがある。東郷さんの存在がそう思わせるのかもしれん。
なので、大変おもしろいが少しなまぐさい・・・・。

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 22:25

ゆゆゆは、特攻隊や桜花や回天のオマージュだよな、逃れようのない運命をどう受け入れるか、がテーマなんだよ

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 23:08

171、173
まさにそのへんだよなあ。
善意で身を捧げる行為の正当性を問うという意味では、まどマギもそうだけど、あれは「公」か「私」かという論議に収束していったから。

ゆゆゆは結構あからさまに「国防」がテーマで、彼女たちは「徴兵」されたすえの「傷痍軍人」で、最後は「軍神」にまつりあげられるわけだから。で真実を知って転向したニヒリスト兼アナーキスト(東郷さん)が出てくるとw。
顔の見えない国って信用おけるの? 外敵との闘いは結局システムの要請で、愛国心や正義心や守る思いを叶えるための代償は誰も補填してくれないよ、と最近のシンプルな国家主義に釘をさす一方で、「隠されていた真実」や国家の不正を知った瞬間に、全てを破壊する方向に舵を切り、自らの本末転倒に気づかないありようのバカバカしさ(まさに左翼・革命主義者の典型)をも描くという意図は、感じずにはいられないよね。

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 02:38

>>171
こんなスレで書くのも場違いだが、東郷さんの満開は空母だからな
それに載って敵を倒しに行った桜の花ときたら友奈のイメージは桜花しかない

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 02:47

>185
やっぱり社会的に攻めの姿勢がある作品は必要だな。時々滑った作品も出てくるけど

この作品はまどかの発展系としては非常にいいと思う。ゆゆゆが出てきたことで初めてまどかは時代を作った作品を名乗る資格を得たと言える。他から参照されて初めて時代を作ったと言えるようになる。(これまではパロディばかりで内容的な参照は皆無だった)

後に続く作品が凡作ばかりだとまどかの地位も下落する。逆に後に続く作品が優秀だと
元になったまどかの地位も高くなる。(弟子が優秀だと師匠の鼻も高くなる)

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 02:56

204
こういう事いうやつに限って まどマギとセーラームーンの類似性を指摘すると逆上するw

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:08

そもそも、まどマギは既存魔法少女モノのカウンターなのに類似性とかドヤ顔で語られてもな。

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:17

206
魔法少女ものの正統な血縁関係なんでまどかは、そりゃ、セーラームーンからも多くを引き継いでいるさ

ただし、まどかが引き継がなかった要素がなんのかも重要な点、そこが今時の時代の要請であり、まどかのオリジナリティでもある。

例えば、タキシード仮面とか(まどか本人には憧れの男の子がいない)生まれ変わりとか ちびうさとか

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:30

208
勿論、同じ部分もある
まどかが神になって魔法少女という生き方を肯定する部分とか

一方、ゆゆゆだとその自己犠牲を払って神に祭られるシステムそのものを問題にしている。
(ほむらの場合、まどかに個人として普通に生きて欲しいと言っているだけで東郷さんのようにシステムにテロを仕掛けようとしているのではない)良い発展形だと思う

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:35

207
横だけど、ゆゆゆに限っては、「まどマギ」を明快に意識してそのヴァリエーションを提示してるわけで、作り手もむしろ比較されていいと思ってるだろうから、類似性を語っても構わない気はするかも。真正面から類似ジャンルにオリジナルで敢えて挑んでるのって、「幻影ヲカケル太陽」以来だし。

もちろん「似てるからダメ」って論調はどうしようもないけどね。「似てる」って言われても、スタッフも苦笑するだろ……いわゆる「そんなこと、ロバでもわかる」てやつだからw

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:41

210の続きだけど、似ていても別の料理として楽しめるように、ゆゆゆは手を尽くしてるとは思うんだよね。

当初、作品の傾向を隠してたまどマギに対して、ジャンル自体を隠してみせたゆゆゆ、
洋風の動物・グッズ系モンスターに対して和風の植物・無機物系モンスター、
死と魔女化の恐怖に対して、不死性と欠損がもたらす悲劇の強調、
内的に発生する脅威を摘み取るまどマギと、外界からの脅威に立ち向かうゆゆゆ。
ループ者だけが記憶のあるまどマギに対して、ループ者だけが記憶がないゆゆゆってのもそう。
そして、そこに国家と兵士という新しい問題意識が加わってる。
--------------------------------------------------{/netabare}
{/netabare}

 ◇《まとめ》
※以上の2つのモチーフ(制作動機)から、本作は、
 {netabare}
 ①まどマギのモチーフ(=外見的・表面的モチーフ)を、巧みに偽装しながら、実際には、
 ②桜のモチーフ(=内面的・心情的モチーフ)を、強烈に視聴者に訴えかけ、彼らの心に揺さぶりをかけることを意図した、稀有の作品
{/netabare}
・・・と要約できると考えます。
  (※逆にいうと、②の点に共鳴できない方は、本作にはほとんど共鳴できないことになります)


◆本作のテーマ(主題)

※これも、はっきりしています。本作のテーマは、ズバリ、
{netabare}
「勇者の本分(本質)を問うこと」{/netabare}

※そして、その解答も明確に提示されています。即ち、
{netabare}
「結城友奈は勇者である」
(=彼女の在り方こそが真の勇者の在り方である){/netabare}

※ここで、勇者部の5人の少女たちを詳しく見ていくと、それぞれ勇者となる動機が違っていることに気づきます。
{netabare}
①風先輩=バーテックスの犠牲となった両親の仇(かたき)を討ちたい
②樹ちゃん=大好きな姉と同じ道を並んで共に歩みたい
③東郷さん=東郷家の先祖たちのように自分も国防に励みたい
④夏凜=正真正銘の勇者(完成型勇者)に成りたい
⑤友奈=人の為になることを勇んで行うこと、それが勇者の使命だから、私は勇者になる{/netabare}

※このうち、
{netabare}①風先輩は、<1>勇者システムの過酷な真実に直面し、さらに<2>最愛の妹の夢の実現が不可能であるという事実に絶望して、また
③東郷さんは、<1>に加えて、<3>世界の絶望的な状況を認識し、さらに<4>自己の記憶喪失という過去に絶望して、
それぞれ勇者システムの元締めである大赦と神樹様への反逆を決意してしまいますが、
⑤友奈(=勇者適正が最高の真の勇者)の阻止によって、辛うじて勇者の本分を取り戻します。

※なお、②樹ちゃんは、①風先輩が勇者の本分を取り戻すための重要な契機を、また、
④夏凜は、⑤友奈が勇者の本分を忘れかけた一番危なかった一瞬に彼女にそれを取り戻すための唯一の契機を、それぞれ提供しています。{/netabare}

※こうした、{netabare}⑤友奈(=真の勇者)の在り方{/netabare}自体も、本作最終話(第12話)ラストで、詳しく開示されています。すなわち、
{netabare}
 (1) 演劇シーン手前の東郷さんのナレーション

「勇者は自分が挫けないことが、皆を励ますのだと信じていました。」
「そして皆がいるから、皆を信じているから、自分は負けないのだと。」

 (2) 演劇シーンでの風(魔王役)と友奈(勇者役)の会話

魔王「ガハハハハハハァ。結局、世界は厭なことだらけだろう。辛いことだらけだろう。お前も、見て見ぬ振りをして、堕落してしまうがいい!」
勇者「厭だ。」
魔王「足掻くな!現実の冷たさに、凍えろ。」
勇者「そんなの、気持ちの持ちようだ。」
魔王「何?」
勇者「大切だと思えば友達になれる。互いを思えば、何倍でも強くなれる。無限に根性が湧いてくる。」
「世界には、嫌なことも、悲しいことも、自分だけではどうにもならないことも、沢山ある。 だけど、大好きな人がいれば挫けるわけがない。あきらめるわけがない。大好きな人がいるのだから、何度でも立ち上がる!」
「だから、勇者は絶対、負けないんだ!」

 (3) 会場から湧き起こる拍手の中での友奈の独白

「そう、何だって乗り越えられるんだ。大好きな皆と一緒なら。」
{/netabare}

※こうした、⑤ヒロイン友奈の信条・姿勢については、シニカルな批判も当然可能であり、これを現実には全く通用しないファンタステックで不快な妄念と否認する方も多いと思います。

※それは、もう個々人の価値観の問題としか言いようがないのですが、私としては、殊(こと)に初見時は別段そうでもなかったにも係わらず、3周目の視聴時に、とうとうと言うべきか、ようやくと言うべきか、こうした本作のラストシーンに、図らずしも《{netabare}まるで本作に描かれた観客席の生徒たちのように、友奈たちに拍手を贈りたい気持ちになっている自分{/netabare}》を発見して、ちょっと戸惑いながらも、嬉しい気持ちになったことを、ここに報告して、このレビューを閉めたいと思います。



======================================
※以下は、2014年10-12月のTV放送当時(1周目および2周目)の感想・レビューです。
(上記よりもまとまりのない長文です。保存用)

{netabare}
(レビュー・タイトル)
《最終話=超微妙だが、「まどマギ」に挑んだ勇気は高評価したいセカイ系【ネタバレ絶対回避】》

エヴァ・まどマギを、直ちに連想させる紛(まご)うことなき「セカイ系」。
陳腐な恋愛要素はゼロであり、期待外れのWIXOSSよりずっと面白い。
最終話タイトル「貴方に微笑む」(花言葉=山桜)から、主人公=結城友奈=による、
悲劇的で残酷な世界から少女達を救済する「勇者」の乾坤一擲の決断を推測するが果たして?

====================================================
★第2話まで視聴時点(2014.10.18)

可愛い女子中学生が勇者ごっこする緩い話かと思いきや、いきなり緊急事態発生!

{netabare}
ああこれは使徒襲来だな。
使徒が神樹にたどり着けば世界の終わり。
使徒を倒せるのは選ばれた勇者である君たち4人だけ。

使徒の体はダメージを負っても自動修復するので、まず封印してコアを露出させ、これを破壊するしか奴等を倒す方法はない。
で、この封印がたった40秒のタイムリミット付きで、コア破壊できないと勇者の活動限界とか(笑)
{/netabare}

何か期待したいような、したくないような(笑)
頑張って欲しい作品です。

====================================================
★第5話まで視聴時点(2014.11.7)

ここでストーリーとしては一段落した感じ?(まだ7話残っているけど)。
先が読めない展開は、なかなか良いと思う。

それにしても、制作側だってわざと、まどマギやエヴァを意識させる作品作りをしているんだし、今までに明らかになった神樹様や使徒(Vertex)の設定のほかにも、勇者たちの言葉づかいなどから、まだまだ何か面白いものがこの作品には隠されているように感じるのだけれど・・・

もっとも、こうした期待感は今まで幾つかの作品で裏切られてきたので、この作品も結局は大外れのまま最終回を迎える確率がずっと高いとは思うのだが。

まあいい。
この作品については最後まで見届けることにしよう。

====================================================
★第8話まで視聴時点(2014.11.28)

とうとう鬱コースに突入してしまったね。
{netabare}魔法少女システムならぬ勇者システムか。{/netabare}
結城友奈はこの悲劇的な仕組みを打ち壊せるのだろうか?

しかし{netabare}散華(さんげ){/netabare}って・・・
作品中に使用される言葉が幾分不謹慎な気もするのだけど。
杞憂でなければよいが。

ガッカリしてしまう結末にならないことを祈る。
(←調べたら、岸誠二監督って「蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-」の監督も務めた方だったんですね。ならまず大丈夫だろう。良かった。)

※追記
このアニメの考察(色んなブログや2chあたり)が結構面白い。
東郷さんが記憶を取り戻したら、えええーーーってなりそう。
しかし東郷さんに乃木さんって・・・思わせぶりな名前は止めて欲しいぜ。

====================================================
★第9話まで視聴時点(2014.12.05)

{netabare}
さすがに勇者部部員の一部に動揺が出ている。
今回は小規模な波乱で済んだが・・・次回は大波乱必至。
この第9話は、今までになく演出が乱れていたのは残念。
制作側もキツキツなのだろうか?
{/netabare}

====================================================
★第10話まで視聴時点(2014.12.13)

{netabare}
1クール12話構成の作品で、ラスト手前の第10話にキーパーソンの過去回想&舞台設定の種明かしを入れるのは定石だが、これは流石に・・・。
個人的には、物語のスケールを大きくするよりも、勇者であることの本質を掘り下げる方向に進んで欲しかったのだけど。
第9話までは相当良い感じに評価していましたが、期待値を上げ過ぎていたのか、ここで微妙な感じに思ってしまった。
それでも残り2話で綺麗にまとめてくれれば文句有りませんが。
{/netabare}

====================================================
★第11話まで視聴時点(2014.12.21)

{netabare}
この回の主役・三好夏凜の精霊ヨシテルの決まり文句「諸行無常」や悲壮なOPから、『平家物語』や『ラスト・サムライ』のような散り行く者達の矜持を高らかに謳いあげる作品になると期待していたし、確かにそういう描写もあるのだけれど、作品全体が必ずしもそうしたコンセプトで統一されているわけではないんだね。
特に東郷さんの心の動きのブレ方は説得力が余り無くて残念な感じです。

なお、最終話タイトルが「君に微笑む」から「貴方に微笑む」に変更になった模様。
いずれにせよラスト回では、真打ち勇者の雄姿を存分に描き切って欲しいです。
{/netabare}

====================================================
★第12(最終)話まで視聴時点(2014.12.27)

まさに制作側も、とうとう力尽きたような支離滅裂な畳み方で、もの凄く惜しい結末でした。

アニメーション制作会社のstudio五組さんには2012年夏の『織田信奈の野望』に続いて本作でも実に素晴らしい作画・演出技術を見せてもらったし、一人一人のキャラを例外なく好感度高く描く技量も本当に大したものだと思うのですが、作品全体のシナリオ構成にどうしてももう一工夫足りなくて「名作」にあと一歩届かなかった感じですね。

岸監督には、2013年秋の『蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-』に続いて今回も見応えのある作品を送り出してもらい、すっかりファンになってしまいましたが、こちらもどうしても最後の詰めが甘くて作品全体の印象が陳腐化してしまったように感じてしまいました。
「アルペジオ」は続編映画の制作が決まりましたが、こちらは余程円盤かゲームが売れない限り無理っぽい感じかな。

企画原案=タカヒロ氏の、敢えて「まどマギ」に挑んだ蛮勇は高く賞讃したいと思います。
ラストは駄目駄目だったけどね。
『幻影ヲ駆ケル太陽』に続いて「まどマギ」への果敢な挑戦者は今回も手酷い敗北を喫した感じなのですが、こういう挑戦者が出て来てこそ次の進歩があるはずで、特に今回は、富士山への登山に譬えれば七・八合目まではたどり着いて山頂が微かに見えて来たくらいのインパクトはあったと思うので、そこからのズリ落ち様がまさに全力を使い果たして不恰好なものになってしまっていても、個人的には暖かく見てあげたいと思う。

むしろ重要なのは、今回の敗北の原因とその克服方法の検討でしょう。
第1話からもう一度視聴し直して、確りした全体評価をしたい作品です。

====================================================
★各種メモ書き

【各話タイトル&評価】

各話のタイトルが、花言葉になっているようです。
最終話は桜のイメージから友奈がメインになる感じです。

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×が付いている話は脚本に疑問を感じた失敗回
?は内容が微妙で現時点で評価保留の回

{netabare}
第1話10/16  乙女の真心   コスモス  ★ 全員(とくに友奈)
第2話10/16  ろうたけたる思い   菊  ★ 全員(とくに美森)
第3話10/23  風格ある振る舞い   牡丹  ☆ (夏凜)
第4話10/30  輝く心        オキザリス ☆  (樹)
第5話11/06  困難に打ち勝つ    山茶花 ★★ 全員(とくに友奈・美森)
第6話11/13  明日に期待して    ラベンダー ☆ 全員(とくに友奈・美森)
第7話11/20  牧歌的な喜び     黄スミレ(犬吠埼風) ☆
第8話11/27  神の祝福       青バラ(乃木園子) ★★★ 
第9話12/04  心の痛みを判る人   アマドコロ(犬吠埼樹) ☆ 
第10話12/11  愛情の絆      朝顔(東郷美森)  ☆
第11話12/18  情熱        ヤマツツジ(三好夏凛) ★
第12話12/25  貴方に微笑む    ヤマザクラ(結城友奈) ×(1回目視聴時)→☆(2回目視聴時)
{/netabare}

●op「ホシトハナ」

作詞:中村彼方
作曲:岡部啓一
歌唱:讃州中学勇者部
歌詞
{netabare}
サカラバ サア(※盛らば、さあ)

<1番>
静けき森の中 いま目覚めた花たちよ
この世に何を思い 何を感じてる

ああ 真実ほど人を魅了するものはないけど
ああ 真実ほど人に残酷なものもないのだろう

咲き誇れ(咲き誇れ) 想いのままに
この瞬間(この瞬間) 全てを賭けて
無限の星すらも霞むように
勇気 心に溢れ
(いかなる)いかなる時も生きて

<2番>
花びらひとひらに 情熱宿しはじめた
瞬くその瞳 何を映してる

ああ 土に埋めた小さな種 密やかに割れて
ああ 芽を出したらやがて空と向かい合っていくのだろう

輝けよ(輝けよ) 眩いほどに
一瞬に(一瞬に) 思いを込めて
その願いが世界を導く
カラダに力満ちて
(ヒカリを)ヒカリまとって走れ

<3番>
咲き誇れ 想いのままに
この瞬間 全てを賭けて
無限の星すらも霞むように
勇気 心に溢れ

輝けよ(輝けよ) 眩いほどに
一瞬に(一瞬に) 思いを込めて
その願いが世界を導く
カラダに力満ちて
(ヒカリを)ヒカリまとって走れ

サカラバ サア
{/netabare}

※これ、物凄く悲壮な曲である。第8話を視聴した後だと特にそう思う。
今後の展開次第だけど、個人的に好きな曲になるかも知れない。


●「まどマギ」との違い

一番大きいのは、

(1)まどマギの魔法少女たちが、「最高の素質」を持つ鹿目まどかを除いて割と一般人っぽい人達だったのに対して、
(2)この作品の少女たちは、{netabare}予め「勇者」適正値が高い者達として組織によって選抜されていること{/netabare}。

つまり全員が、大なり小なり事前に{netabare}「勇者となって戦う覚悟」が出来ている=まどかタイプの少女{/netabare}であること、ではないか。
それが、どういう結末をもたらすのか。

特に、一番「勇者」適正値の高い主人公=結城友奈が、ギリギリの状況でどういう決断を下すのか、が見所になると予想します。



※12/27追記
{netabare}
上を書いた時点では、この作品は、第11話の感想にも指摘したように映画『ラスト・サムライ』(トム・クルーズや渡辺謙が出演した2004年のハリウッド映画)のような、散り行く者達の矜持(きょうじ=誇り)を描く作品、すなわち、

(1)『まどマギ』がキリスト教の《聖書》をモチーフとして理知的に魔法少女達の「救済」を描いた作品とするならば、
(2)より日本的に、勇者達の《短く咲き誇ったのち散り行く桜花》の哀しさを抒情的に謳いあげる作品

になるのでは・・・と予想していたのですが、その後のストーリーは、こうした"勇者"であることの証(あかし)をヒロイン達が確りと問い詰めていく方向には踏み込まず、逆に第10話以降やたらと話のスケールを大きくしてしまい、収拾がつかなくなってご都合主義もいいところの完結になってしまった感じです。

それが、この作品の深みが最後の数話で一気に薄くなってしまったように私が感じた原因かも知れません。{/netabare}

●最終話を2回視聴して

※上は最終話を初めて視聴した時の感想ですが、その後ラスト3話を2回目視聴した後の率直な感想として追記します。

今度はストーリーが分かっているので、安心して細かいところまで確認しながら視聴しているんですね。
それで、ちょっと自分でもビックリしたのは、初回はあれだけ違和感が強かった{netabare}唐突でご都合主義的なHAPPY END{/netabare}について、意外にこれで良かったのかも?と何気に思い始めている自分に気づいたことです。
確かに最終話のストーリーは、{netabare}いくら私でも弁護するのが困難に感じるほどに支離滅裂に見えてしまうのですが、でも、これまで頑張ってきた勇者部の5人があのまま救われないで{/netabare}エンドを迎えるのは、ファン心理としてはやはり辛いんですね。

だから、すごく甘々ですが、もしかしたらこの作品は、もうこのエンドで良かったのかも?{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 142
ネタバレ

ホワイトマウス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

えっ?これって勇者の物語じゃなかったの?どうして涙が止まらないの?

この作品、大みそかに見終わって、お正月中はしばらく呆然としていました。

最初見たときはこの作品は男性向けだなあ、という感想。
企画・原案はタカヒロ。それと、ちょっとだけ気になったのは岸誠二監督、シリーズ構成が上江洲誠さんのコンビだったこと。お二人は蒼き鋼のアルペジオでもいっしょでした。この時点でこの作品がこんなに混沌とすることを予想しておけばよかったんですけど。

前半は、新しい形の勇者ものだなあ、みんな楽天的で勇者部のみんなで仲良くしていこう、そんなメッセージが満載。神様もメールできるんだぁ、みんな自然だなぁ、普通のドラマかなあ、そんな感じでした。そんな中で、「一人でいるとつい暗いことを考えてしまう。みんなと一緒にいるとそれを忘れることができる」というセリフ、名言かも。

中盤に入ると、 {netabare}勇者システムという残酷なシステム、戦いで満開と散華を繰り返すことによる体の機能欠損、そして後半はバーテックスの正体が明るみになって目が離せなくなってしまいました。乃木園子ちゃんが東郷さんにこの世界の真実を告げ、東郷さんが真実を知ったときの衝撃。{/netabare}

私、こんなアニメを見ていたの?これって何なの?どうして涙が出るの??

{netabare}
犬吠埼風ちゃんと樹ちゃんの姉妹愛、もう大泣きでした。妹の樹ちゃんが初めて夢を持って努力して、でもバーテックスの戦いで夢が絶対にかなえることができないことを風ちゃんが知ってしまうシーン、私、こらえることができなかった。

最終回について、あにこれで低評価されている方もいらっしゃいます。これって、某作品のようなラスト、例えば友奈ちゃんが意識を戻らないような最終回を望まれているのかなあと想像しちゃうんですけどどうなんでしょう。
私は、終わり方が悲劇的だったり、はっきりしない作品は好きじゃない。だから「結城友奈は勇者である」の最終回はハッピーエンドで、本当に良かった。友奈ちゃんの復活の説明不足もあったけど、でも、私はとっても素敵な最終回だったと思います。

作品について、映像もきれい、音響も奥行きがあって良かったと思います。CVでは乃木園子ちゃん役の花澤香奈さん、東郷さん役の三森すずこさん、そして風ちゃん役の内山夕実さんがとても素敵でした。
音楽、とっても繊細で壮大。姉妹愛は繊細に、この世界の真実の曲はモーツァルトのレクイエムを髣髴させます。作曲は岡部啓一、MONACAで、岡部さん代表の音楽制作クリエイター集団。龍ヶ嬢七々々の埋蔵金やサーバント×サービスなど作曲しているようです(wikiに詳しく書かれています)
{/netabare}

時代背景が日本神話をエッセンスとして構成されているように見えます。このような作品は日本でしかできないかもしれません。岸誠二監督、シリーズ構成の上江洲誠さんのコンビの作品は今後、要注意かも。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 108
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

闘いの螺旋

Studio五組制作。

勇者はくよくよしない、いつも前向きだから。
牧歌的な風景と、素朴な少女たちの日常に癒され、
それと対比するように入れ替わる、
過酷な色彩と光の魔法世界。
とても有意義な時間を過ごせました。

世界を崩壊へと導く生物の頂点バーテックス、
神樹により選ばれた勇者たち、
少女たちの日常は突如として終わりを告げる。
徐々に明らかになる、世界の真実、
そして逃げ場のない、勇者システム。

中盤以降、少女たちの戦闘が、
{netabare}供物の産物であると知った時、
日常パートが大きな意味を持ち始めます。
供物となるのはいつも無垢なる少女なのだ。
力の代償としてその身を神樹様に捧げる、
最後は樹木のように動かなくなり祭り立てられる。
あまりにも悲しい運命である。

最終話まで夢中になれましたが、
最後は演出も少し駆け足に感じた。
本来は複数話かけるべきなのでしょう。{/netabare}

身体の一部が欠損してまでも、
闘い続ける少女たち、闘いの螺旋 未だ終わらず。

続編を心して待ちたいと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 79

81.4 13 泣けるで鬱なアニメランキング13位
バジリスク~甲賀忍法帖(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1200)
5942人が棚に入れました
甲賀卍谷と伊賀鍔隠れに潜む一族は、ともに服部半蔵に率いられる忍者群同士でありながら、源平の昔より数百年、互いに憎悪を抱く不倶戴天の敵同士でもあった。服部の統制下、両門争闘の禁制によりかろうじて和平を保っていた。そのような中、甲賀組の首領甲賀弾正の孫弦之介と伊賀組の頭目お幻の孫娘朧は恋仲にあり、両家の縁組がすめば長きに亘った甲賀と伊賀の確執も解けるかと思われた。

そんな事情を知ってか知らずか、慶長19年4月末両首領を駿府城に呼び出した徳川家康と半蔵(二代目)が甲賀・伊賀の忍びに与えた使命は実に戦慄すべきものであった。

ほほほい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

エロいの期待して観てました

忍者もの、ということでエロいの期待して観てました。くノ一登場とのことで一応、期待、裏切らず、笑。テレビ放映というとこの作品のエロ度がギリギリなラインなのだろうか。

ストーリーはありがちそうな甲賀、伊賀の因縁対決ものだが、テンポ良くラストはなんとなく想像できるが上手くまとまってる。忍者対決とあってバトルにもひねりがあってよい。

何やら続編が出たらしいが、ネットで見る限り、こちらは面白くなさそう。。。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高傑作!!

次を見たくなる衝動、ストーリーの完成度、そして音楽とまさに完璧の作品!

アニメにおいて、人が死ぬことはそう珍しくない。
そして、バトルものにおいては死など日常茶飯事。

しかし、バジリスクにはその死、すべてにおいて意味がある!
愛・友情・欲望・プライド・譲れぬ想い…。
理由は異なれど、自分の貫いたものを譲らぬ結果の死というものは価値があり、それ故に物語に入り込め共感できます!

間を置かないスピーディーな展開に、白熱のバトル、そして感動の数々!
個人的には今まで見たアニメの中で、最高傑作と言う他のない作品だと思います!!

ちなみに余談ですが、私個人としては蛍火が好きでした♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 72
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

悲しくて、悲しくて…

このアニメは伊賀と甲賀の忍者、双方十人が戦う物語です。

何故戦うのか?
それは偉い人が決めた我儘な理由。実にくだらない理由でした。
忍者の中で悪者は一人しかいません。残りは皆、善人です。

ですが、理不尽な世の中に翻弄されて、{netabare}皆が悲惨な最期を遂げます。 {/netabare}
そして、戦いを企てた本当の悪人は、最後までのうのうと生き続けます。

死んでいった忍者には、皆、ささやかな夢があったのですが…、その夢は決してかなうことはありません。
悲惨で何とも言えません。

私は、蛍火という忍者の純粋な夢が無残にも砕け散っていくさまを見せられて、
悲しくて、悲しくて… 心が痛みました。


小説だから、アニメだから、くだらない理由で戦うと思っている人がいたら
それは大きな間違い。
人類の歴史はいつも、くだらない理由で多くの人が戦ってきました。

その代表的なものが戦争です。

あの国の宗教は異端だから滅ぼそう。とか
あの国は弱いから土地や資源を奪おう。とか
あの国は脅威だから先制攻撃で滅ぼそう。とか
あの国は昔は自国が属していた国の領土だったので併合しよう。とか

子供でもわかる自分勝手な理屈で、いつの世も戦争は起きます。

そして戦争を始めた国の偉い人は、いつも舌先三寸で正当な理由を述べます。

あの国の国民に正しい宗教を教えてあげた。私はあの国を正しく導いたのだ。とか
あの国は外敵から滅ぼされそうだった。我が国は、あの国を守ったのだ。とか
私はあの国の脅威から国民を守ったのだ。とか
あの国の人々を自国の国民とすることで幸せにしてあげた。とか

戦いで死んでいった人のことなど、戦争を始めた国の偉い人は考えません。
2022年には、たった一人の大統領の我儘で、10万人以上の人が亡くなっています。

無関係な人を戦いに巻き込まないでほしい。と、つくづく思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 41

75.8 14 泣けるで鬱なアニメランキング14位
蒼穹のファフナー(TVアニメ動画)

2004年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (1025)
5869人が棚に入れました
真壁一騎や皆城総士らが住む平和な竜宮島。そこに突然「あなたはそこにいますか…」という叫びがこだまする。それは未知の生命体『フェストゥム』による侵略だった。
一騎は総士から、人類を滅亡から救うために、ファフナーに乗って戦って欲しいと懇願される。やがて一騎達は、人類が数十年も前にフェストゥムの襲撃により壊滅的被害を受け、既に日本列島も存在しない事を知る。
自分達が信じていた平和が、実は幻想であった事を知った少年達は、フェストゥムや竜宮島が独占的に有する兵器 ファフナー・ノートゥングモデルを欲する人類軍との戦いに否応なく巻き込まれていく…。


声優・キャラクター
石井真、松本まりか、喜安浩平、松来未祐、入野自由、新井里美、斎賀みつき、白石稔、仲西環、小林沙苗、堀秀行、田中正彦、中田譲治、葛城七穂、河相智哉、小山力也、石川静、高瀬右光、玉川砂記子、ゆかな、篠原恵美、沢海陽子

にゃにょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

タイトルなし

最初、数話を観た時には
「田舎の島が舞台?ロボット物ならもう少し泥臭さを抜いてもちっと近代的に…」
と思っていたら大間違いだった。
アレにはアレの理由がちゃんとあってアアなっていて……い、言えない^^;
設定がすごくよく出来ていて面白いです。謎が解き明かされていくにつれ「おおー!」となります。
作画も綺麗です。(途中でちっと乱れますが…)
『ガンダムSEED』を楽しめた人なら大丈夫だと思われます。(色々と…キャラ絵とか幼馴染二人のぶつかり合いとか)
6話では号泣させられました。この回だけエンディングの歌詞が…でまた泣けます。
放映当初はエヴァに似ているのでは?と批判もあったようですが今となっては未確認なんちゃらが襲ってくるなんてザラ…気にせず観れます。
劇場版観たいな~。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

劣化SEEDと思わせてからの・・・劣化エヴァから劣化マクロスへ。

TVシリーズの後に制作・放送された前日譚『RIGHT OF LEFT』まで見れば、決してダメな作品ではなく、むしろ好感を持ってしまったのですが・・・

とにかく、第1期の展開は、残念としか言いようがないような・・・。
先に『機動戦士ガンダムSEED』や『新世紀エヴァンゲリオン』を見ていない人ならば、本作が新鮮で楽しめて感動も出来るのかもしれないけど、どうしてもそれらと比較してしまうと、評価が厳しくなってしまいました。
終盤も、何となく『超時空要塞マクロス』『マクロスF』と比べてしまうし・・・。

・・・ということで、第1期+OVA(事前譚)+劇場版(事後譚)全部合わせた個人評価は ☆ 3.6 と私としては低めの点数になってしまいましたが、とくにOVA(事前譚)を見終えてからは、作品への好感度はむしろ上がってしまうという意外感のある感想となりました。

2015年に制作・放送された続編(第2期)のほうもいずれ視聴してみたいです。


◆視聴メモ(第1期)
{netabare}
・第1話視聴終了時点
SEED風のキャラデザ/作画でエヴァンゲリオン風の世界観/始まり方→期待度◎
・第2話視聴終了時点
既に日本は29年前に消失していて、竜宮島一体のみが“楽園”として取り残されていた←『ゆゆゆ』の先輩みたいな設定で笑。
・第13話視聴終了時点
ここで30年前の出来事(第1次フェスティム襲来と日本崩壊、アルヴィス発足)が明かされ、「人類を理解する」というフェスティムの目的、さらにフェスティムと融合した真壁一騎の母(紅音(あかね))ともう一体との分離が描かれる注目回だが、設定&シナリオが不必要にややこしくて困る。
・第15話視聴終了時点
シナリオの適当さにそろそろ飽きてくる(ガッカリ感)。
・第23話視聴終了時点
ファスティムの精神干渉。
・第24話視聴終了時点
作品タイトル「蒼穹」を回収する回。{/netabare}

◆制作情報
{netabare}
原作          XEBEC
監督          羽原信義(第1-2期、OVA)、鈴木利正(劇場版)、能戸隆(第2期総監督)
シリーズ構成     山野辺一記(第1期の1-15話)、冲方丁(第1期の16-26話、第2期全話)
脚本          山野辺一記(第1期の1-11話)、冲方丁(第1期の16-26、第2期全部、OVA、劇場版)、山野&冲方(第1期の12-15話)
キャラクターデザイン 平井久司
メカニックデザイン  鷲尾直広
音楽           斉藤恒芳
アニメーション制作  XEBEC(第1期、OVA、劇場版)、XEBECzwei(第2期)、Production I.G.(劇場版){/netabare}


◆作品別評価

(1) 第1期 ☆ 3.5 (26話) 無印  (2004年7-12月)
(2) OVA  ★ 4.1 (1本) RIGHT OF LEFT  (2005年12月)
(3) 劇場版 × 3.4 (1本) HEAVEN AND EARTH  (2010年12月)
(4) 第2期 ※未視聴 (26話) EXODUS  (2015年1-4月&10-12月) ※分割2期
---------------------------------------------------------------
  総合  ☆ 3.6  (52話+劇1+OVA1) 


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============ 蒼穹のファフナー (2004年7-12月) ============
{netabare}
第1話 楽園〜はじまり ★ 西暦2146年竜宮(たつみや)島、フェストゥム襲来、ファフナー・マークエルフ出撃(真壁一騎搭乗、皆城総士指揮)
第2話 告知〜いのち ☆  フェストゥム(FT)撃滅、世界の真実、少年少女達の動揺と決意
第3話 迷宮〜しんじつ ☆ 適合者招集・訓練開始、一騎とワルキューレの出遭い、新国連探索機接近、リンドブルム出撃
第4話 逃航〜ふなで ★ 竜宮島移動、FT撃滅、ワルキューレの目覚め、巨神の島
第5話 約束〜ちかい ☆ 新国連の要求、FT国連艦隊襲撃、救援任務、二体目FT出現、竜宮島(アルヴィス)の危機
第6話 翔空〜ぎせい ★ マークゼクス出撃(羽佐間翔子)、フェンリル解放(敵を抱いて自爆・マークゼクス喪失) ※脚本の冗長さは×
第7話 家賊〜おやこ ☆ パイロット候補生たちの品定めと心情、アーカディアンプロジェクトの島
第8話 確執〜こうよう ★ もう一つのアルヴィス、上陸部隊へのFT襲撃、フェンリル作動
第9話 同化〜わかれ ★ 続き、溝口恭介・遠見真矢救助、春日井甲洋FT同化、島消失(マークフィアー喪失)、甲洋の見舞い
第10話 分解〜すれちがい ☆ 総士の左目の因縁、教室立て籠もり騒動(堂馬広登)、一騎の体の異変、リンドブルム無断発進
第11話 旧新〜じんるいぐん ☆ 狩谷由紀の一騎教唆、旧世界の廃墟、人類軍ファーフナー参戦(日野道生&カノン搭乗)、一騎囚われる
第12話 不在〜あせり ☆ 近藤剣司&小楯衛パイロット応召・初陣、新国連人類軍モルドヴァ基地護送(一騎)
第13話 侵蝕〜フェストゥム ★ 30年前(2114年の第1次FT襲来・日本崩壊・アルヴィス発足)、FTの分岐(真壁紅音の姿をしたFTともう一体)、モルドヴァ基地の危機、溝口&真矢出撃
第14話 覚醒〜せんりょう ★ 新国連人類軍の竜宮島侵攻、ワルキューレ外界へ、真壁紅音の姿をしたFT、日野洋治(人類軍ファフナー開発者)自決 ※脚本大味×
第15話 記憶〜さけび × マークザイン受け渡し(FT化紅音から一騎へ)、一騎と総士の過去、一騎・真矢再会 ※ED「Proof」、シナリオ適当過ぎて×
第16話 朋友〜おかえり ★ 竜宮島へのFT大軍侵攻、“皆城乙姫(つばき)”の選択(心を持つこと)、一騎帰還・FT撃滅 ※テンポの悪さは×
第17話 生存〜しかけ ☆ 乙姫の余命3ヶ月、新人類軍の竜宮島爆破作戦、一騎のカノン説得
第18話 父親〜おもいで ☆ 島に戻ってきた日常(乙姫&カノン入校、投降兵受け入れ)、ミツヒロ・バートランド来島、遠見真矢のパイロット適性隠蔽裁判
第19話 真矢〜まなざし ★ マークジーベン出撃(真矢搭乗)、新種FT撃滅
第20話 燈火〜ともしび ☆ 夏祭り、甲洋同化FTの目覚め、甲洋の意識回復、共存の可能性
第21話 咲良〜みらい ☆ 咲良の体調異変、島の自然環境の異変、咲良FT化 ※死亡フラグ多数
第22話 守護〜ちから ★ ミールの学習能力、カノンの選択(FT因子注入)、新種FT来襲・ジークフリードシステム侵入、FTコア破壊・小楯衛戦死
第23話 劫掠〜おとり ★ FTの新人類軍ファフナー乗っ取り(狩谷同化、ミツヒオ死亡)、総士救出作戦(一騎&乙姫)、日野道生戦死
第24話 対話〜ミール × 総士奪われる、真壁紅音の意思を継ぐFT、蒼穹作戦決定 ※流石にシナリオ安直
第25話 決戦〜きょうせい × 作戦開始、島のミールの正体(バイオスフィア)、対FT総力戦(ヘヴンズドア作戦) ※設定のダメさに苦笑
第26話 蒼穹〜そら ☆ 続き、乙姫の島のミール一体化、北極上空の敵ミール破壊、一騎と総士の約束と別れ{/netabare}
-------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)11、☆(並回)12、×(疑問回)3 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「Shangri-La」
ED 「Separation」


========== 蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT (2005年12月) ==========

全1話 ★ 4.1 西暦2145年(第1期より1年前)、{netabare}ファフナー開発と少年少女達の“卒業”、L計画の一部始終{/netabare} ※約56分


======== 蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH (2010年12月) =======

全1話 × 3.4 西暦2148年(第1期より1年後)、{netabare}来主操来島、第2次蒼穹作戦、総士帰還{/netabare} ※約88分

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

だんちょー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

あなたはそこにいますか?

全26話。

OP曲がインパクトのある蒼穹のファフナー。

いわゆるロボット物ですがかなり面白かったです。

そして好物の鬱アニメです。

エヴァやラーゼフォン等が大丈夫な方にはハマる作品だと思います。

普通に平和に暮らしていた少年・少女がラジオから聞こえてきた『あなたはそこにいますか?』この声に反応したことにより、突如謎の敵に襲われ・・・

設定にやや難解なところがありますが・・・

リアルな心情描写が鬱な感じで好きでした^^

あにこれでは評価が低いですねぇ~(;・∀・)

悲劇的な作品は皆さん嫌いなのでしょうか?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 20

73.8 15 泣けるで鬱なアニメランキング15位
最終兵器彼女(TVアニメ動画)

2002年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (761)
4695人が棚に入れました
北海道の田舎町で暮らすシュウジとちせ。
ちせは以前から興味を持っていたシュウジに度胸試しとして告白、そのぎこちない交際は交換日記から始まった。
そんなある日、謎の敵に札幌市が空襲される。攻撃から逃げるシュウジが見た物、それは腕を巨大な武器に変え、背から鋼鉄の羽根を生やした兵器と化して敵と戦うちせの姿であった。
国籍不明の軍隊との戦争が激化していくにつれちせは兵器としての性能が向上していくが、故障をきっかけに肉体も精神も人間とは程遠いものとなってしまった。
二人のクラスメイトのアツシは、以前から想いを寄せていたアケミを守る為に自衛隊に入隊。戦場へ赴いていた。
TVアニメオリジナルエピソードで、ちせの親友四人組の一人のゆかりは自警団の白人兵狩りに参加。銃を持ってタケの仇を討つ為、山狩りへ向かう。
そんな中、アケミは大地震に巻き込まれて大怪我をし、シュウジの目の前で死んでしまう。歪んでいく日常。シュウジは再度姿を見せたちせを連れて町を出るが…。

声優・キャラクター
石母田史朗、折笠富美子、三木眞一郎、伊藤美紀

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

何もかもが曖昧でも 何もかも 正しい

鬱アニメとして
必ずあがるこの作品。


はるか前に、漫画で読んだのですが、

その頃の私は…心が爛れていたのでしょうか?(笑)
特に何も感じなかった…ので

ずっとスルーしてました。


縁あって視聴。

…びっくりしました。


ファンタジー(AI)、戦争、高校生の恋愛、生死観。


異なる要素が
巧く絡み合って、もうひとつの『現実』を見た気がします。

(某、東京大震災のアニメがありますが、この作品の方がよっぽどリアルだと感じました。)



どんどん兵器化していく、ちせちゃん。

その姿に
恐怖を感じてゆく、シュウジ。

その恐怖から逃れたいためか、他の女性に安息を求め、余計に罪悪を感じる、

誰にでもある、現実からの逃避、負の連鎖。



自分に
何ができるのか、何をしたら良いのか、解らず苦悩するシュウジ。


一方、親友のアツシは、『好きな人を護るため』軍に入ることを志願します。


その時
シュウジがアツシに言った言葉は、とても重く、心に残りました。

戦争は
死にに行くのではない、人を殺しにいく事だ…



恥ずかしながら私にはない考えだったので。



戦争で、震災で、最期をむかえる人達
無念を残して 涙を流しながら…



どうも、ひっかかったのは
ちせちゃんの親友の アケミの行動。

彼女はズルい と思う私は、間違ってるのかな?


私は
拗れた(?)女性の気持ちに鈍感なんですよ…



ラストに向かっての流れはとても好きでした。

最愛の人と
二人だけの生活。。憧れます。

ちせちゃんとシュウジの蜜月は
とても短く…切なくて切なくて。




観て本当に良かった。
一人でも多くの方に観て頂きたい作品です。

きっと何かを得られるはずです





観るきっかけをくれた、貴方に、感謝とお礼を。



ありがとう。



後日

原作読み直しました。
素晴らしい、の一言に尽きる!

ぜひ、原作も読んでください。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 48
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界スケールの「主観体験」

原作既読。

バトル……ではなく、恋愛ものです。
世界観は地球規模と、とてつもなく大きいです。

それだけスケールの大きな話なのに、わかるのは、自分の恋人のことだけ。
それも断片的なものです。

何か大変なことが起こっているのはわかる。
いつの間にか、どこか遠く、見えないところで変わっていく恋人。
しかし主人公にできるのは、そんな彼女を見守り、声をかけ続けることだけ。

つまり、主人公が見えている世界≒視聴者が見えている世界、主人公ができること≒視聴者ができること、というわけです。

そういう「主観体験」ができるお話です。
そこが最終兵器彼女の最大の魅力だと思っています。


その魅力を引き出す替わりに捨てたのが、世界観の説明や事件の解決。
よく「セカイ系」とカテゴライズされますが、誰にもどうしようもない、ほとんど選択肢のない状況であるため、主人公や身の回りの人間の行動が世界の運命を左右する「セカイ系」とは少し違う気がします。

残された少ない時間の中で、少しずつはぐくんでいく、「純愛ストーリー」として捉えるのがいいのではないでしょうか。

したがって、大きくストーリーを追ったり謎を解明しようとするのではなく、シュウジ≒自分と、ヒロインちせ、サブキャラクターの感情変化に注目して視聴すると楽しめると思います。

正直、サブキャラクターも出さなくてよかった気がするんですが……そこは、視聴者の分身の一部だと考えましょう。

{netabare}
気になる結末。
最終的にどうなったのか、それは視聴者の想像におまかせといったところ……{netabare}と言いたいのですが、実は世界は滅びていないんです。
生き残った人々の話を描いた「スター★チャイルド」という読み切りの漫画が存在します。
「地球はもうだめ」と言い切ったちせは、最後の最後まで、「かわいいけど……ノロい」だったんですね。{/netabare}
{/netabare}

……あ、実写映画版は正直全然違う話なので、原作やアニメと切り離して考えてください。

趣旨をはき違えている気がします。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 59

blackwolf さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルなし

作画に少々不満点がありましたが、
見ているうちに気にならなくなりました。
ストーリーは非常に現実離れしていて主題はいまいちよくわかりませんが、内容自体は非常に面白かったです。
特に作品後半、脇役が次から次へと死んでいく描写は非常に写実的で心に響きました。
また、全般的に涙を誘う部分が多くありましたが、そこまで感動した部分はありませんでした。

因みにこの作品は実写映画化されています。
しかし作品が作品なので明らかにアニメより描写力が落ちています。
また、かなり内容が変わってしまっていて最後の大切なクライマックスの部分が大きく変更されていました。
少し残念です。
実写版はおすすめできません。

人の心の温かさ戦争の残酷さと同時に映画にはないアニメの描写力に気付いた作品でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

69.5 16 泣けるで鬱なアニメランキング16位
RAINBOW 二舎六房の七人-レインボウ(TVアニメ動画)

2010年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (391)
2119人が棚に入れました
『RAINBOW -二舎六房の七人-』(レインボー・にしゃろくぼうのしちにん)は、安部譲二原作・柿崎正澄作画による漫画作品。\n 昭和30年。罪を犯し「湘南特別少年院」二舎六房に堕ちたマリオたち6人は、同房のアンチャンの教えを胸に、ケンカやリンチが繰り返される毎日の中で不条理と向き合い、強く生きていく。

声優・キャラクター
小栗旬、貫地谷しほり、小山力也、脇知弘、藤原啓治、朴璐美、黒田崇矢、羽染達也、土師孝也、石井康嗣、山像かおり、林原めぐみ

かかってこいぴったん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

戦後の少年院を舞台にした熱いドラマ

前半はアンチャンと呼ばれる桜木六郎太が新しく少年院に入ってきた6人と社会の理不尽さと戦うことになります
ここまでやるのかと、思うぐらいの生々しい描写で心がやられますが主人公たちの硬い友情で耐えていく姿には感動しました

とにかく暗い、救われない展開が続くのでアニメに癒されたい、可愛い女の子が見たい!という方にはお勧めできません

アニメ放送当時けいおんの陰に隠れていたので知名度は低いですがかなり名作なのでぜひ見てください

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0

DEIMOS さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

少年院で培われる友情と結束。

戦後間もない時代、少年院で同じ部屋に収監された7人の少年の友情を描く。
出所前+出所後に彼らに次々と降りかかる苦難の連続を7人の強固な結束で乗り越えていく。

というとありきたりな話だが、時代設定が面白い。まだまだ未成熟な社会では、様々な理不尽がまかり通ったのだろう、と思わせる。そして、実際にその時代の暗黒面を経験した安部譲二の原作が説得力を持たせる。

友情や結束それ自身よりも、この時代の日本人のハングリー精神や純粋で真っ直ぐな心こそが愛おしく感じられた。

マッドハウス・スタジオライブのラインは、鉄板の安定感。作画には全く乱れがない。また、小山力也を筆頭に、素晴らしい声優陣が揃った。俳優なのに全く違和感を感じさせない小栗旬の器用さには驚かされた。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0
ネタバレ

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

戦後の光と影の「影」の部分を描いた作品。

常に重い。
常に暗い現実。
つらい過去。
監視長によるひどいいじめ。
そして、手に入れたと思った幸せも一瞬で消えてなくなってしまう・・・・
そんな日々を送る二舎六房の七人の話。

かなりおもしろかった作品でした。ここまで主人公達に感情移入しちゃったアニメは久しぶりです。そして、ここまで暗くて悲しい状況におかされていた作品は初めてかもしれません。はじめ昭和が舞台なのもあってか、暗い感じのアニメに思えました。けれど、戦争が終わった後の話なので、市民のみんなが貧しくて、戦争で帰ってこなかった家族への悲しみが描かれていたので、すごかったです。

一番ひどかったのは監視長たちの恨み、やストレス発散のために使われた子供たちです。その中で一番影響を受けていたのは二舎六房の七人たちでした。醜いいじめや、暴力は日常的のように行われていました。

前半はそういう醜い展開がかなり多く、すごく心が痛みました。

{netabare}後半になると、あんちゃんが死んでしまったので、仲間が仲間の問題を解決しあう所が私に真の友情とはなにか教えてくれた気がしました。{/netabare}

どうにか皆幸せに暮らしてほしいです。 

オープニング

「We're not alone」
この作品にはそれほどあっているとは思いませんでした。 けれど、描かれていた画像はどれもそれぞれのキャラクターの過去で、最後の方はあまり見ていられなくなりました。

エンディング

「A FAR-OFF DISTANCE」
エンディングにこの曲が流れるともう・・・・・ 
この作品にぴったりの曲です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

72.2 17 泣けるで鬱なアニメランキング17位
蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT(OVA)

2005年12月29日
★★★★☆ 4.0 (323)
1826人が棚に入れました
『蒼穹のファフナー』から一年前、人類軍とフェストゥムの両方から追われ、身を隠してきた竜宮島は、フェストゥムに探知される危機を迎えていた。未だ戦闘準備の整わない竜宮島は、ついに「L計画」という危機回避プランを実行に移す事を決定する。その計画とは、島の一部・アルヴィス左翼部L区画を切り離して囮とし,本島へのフェストゥムによる探知をかわすという作戦だった。将陵僚・生駒裕未ら8人の少年少女達は、対フェストゥム兵器ファフナー「ティターン・モデル」のパイロットとして、過酷な戦いに身を投じる事となる──…

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「以上が俺たちの戦いだ。これを聞いてくれる奴がいる事を祈ってる」

蒼穹のファフナーの約1年前
人類軍・フェストゥムから身を隠してきた竜宮島は
フェストゥムに探知される危機を迎えていた
そこで竜宮島は「L計画」という危機回避プランを実行に移す事を決定する
それは島の一部を切り離して
囮とし本島へのフェストゥムによる探知をかわすという陽動作戦だった。
将陵僚、生駒祐未ほか8人は
対フェストゥム兵器ファフナー「ティターン・モデル」のパイロットとして
切り離される島の一部とともに囮となる絶望的な戦いに身を投じる事となる


~感想~
感動!まずこの言葉が出てくる

このころから総士はアルヴィスに参加してたんだって思ったけど
本編から1年前だし総士が島に戻ってくるって考えれば妥当なのだろう

総士と共にいた蔵前果林は第1話で死んでしまったマーク・ツヴァイのパイロット
2人の意志・想いは
この「L計画」があって本編に繋がっているとすごく実感した

「L計画」からの平和は半年と短い期間だったが
将陵僚らがいてくれたことで未来が開いていく

タイトルにも書いているけど最後の僚の最後のメッセージ
たくさんの人の涙が流れた
祐未との別れのからの感動のラスト
蒼穹のファフナーシリーズを観ている人でまだ観ていない人に
ぜひ観てもらいたい!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「去り行く者達(LEFT)の権利(RIGHT) 」

この作品は、蒼穹のファフナーの前日談…一年前の物語です。
時間軸は本編より前ですが、馴染みのキャラも登場するので、本編を見てからこちらの作品を視聴した方が、物語に入り込みやすいと思います。
もし、本編を未視聴の場合は、そちらからの視聴をお勧めいたします。

本編視聴後の余韻がとても気持ちよく、この作品の世界観にもう少し浸っていたかったので、本編に引き続き本作品を視聴しました。

今回のレビューのタイトルは、「RIGHT OF LEFT」がとても意味深い意味であることを教えてくれたwikiを引用させて貰っています。

本編ではファフナーが整備され、竜宮島の持つ戦闘力がある程度高いレベルであるところから物語は始まります。
一年前と比べると、格段に戦闘力が増しているのを感じることができます…
でも、これって一年前の戦闘力はまだ発展途上であったことの裏返しですよね^^;

普段は身を隠しながら軍事力を増強する…そんなヨチヨチ歩きの竜宮島でしたが、ある日フェストゥムに探知される寸前まで追い込まれてしまいました。

竜宮島にはたくさんの一般住民と明日を担うパイロット養成コースに通うみんながいて…島そのものが島民にとっての希望だったのです。

そんな中、この危機を回避すべくL計画が立案~実行に移され…物語が動いていきます。

このL計画…希望を捨てないというみんなの意思が結集されて実行に結び付いたのだと思いますが…この計画の内容は身を切られような痛みを伴う切ないものでした^^;

L計画に使用できる軍備は必要最小限…
ファフナーの技術レベルは向上の余地を大きく残した状態のため、パイロットへの負担が半端ありません…
何よりパイロットの絶対数もほんの一握り…

この絶望的な状況にも関わらず、パイロットのみんなは希望に満ち溢れています…

でも…度重なる…幾度となく度重ねられた戦闘による疲弊…
ファフナー搭乗の副作用の厳しさに蝕まれるパイロットの苦痛…
状況が変わるのは当たり前です…
気持ちの全部が泣き言で埋め尽くされる…そんなときがあっても仕方ないと思えるくらい容赦ない計画だったのですが…
それでも、みんなは計画の完遂を目指して必死に歯を食いしばるんです…

それは計画完遂の先にある一人一人が胸に抱いている初めから決して変わることのない夢のため…

この冷血非道なL計画の行方はどうだったのか…
それはぜひ本作品でお楽しみ頂ければと思います…^^;

物語の終盤…パイロットにとって所期の夢を叶える千載一遇のチャンスが訪れます…
でも、それは同時に所期の希望を壊すリスクを抱えたものでもありました。

そこでパイロットたちが導き出した答えは…
きっと…いえ、私には絶対に出せない答えでした(/_;)
そしてパイロットの願いと待つものの祈り…物語の結末と合わせて本作を楽しんで頂けたら…と思います。

OVA1話の作品でしたが、引き込まれました^^;
引き続き劇場版を視聴したいと思います♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

尊い犠牲

このアニメは、蒼穹のファフナー一期の前日談
として制作された作品である。
話の流れが、蒼穹のファフナーへ続くように構成されているが、
どちらを先に見るかこだわらなくても特に問題はないだろう。
まあ、時系列を重視したいか、放送順で行きたいかによるので
そこは好みの問題だと思われる。

内容を一行で言い表すと、フェストゥムの探知から逃れるため
の企画、「L計画」という危機回避プランに身を投じた8人の
少年少女たちがパイロットとして最後まで戦った歴史である。

見終わった感想としては、想像以上にクオリティの高い作品であった。
実は、私自身一期からRIGHT OF LEFTという流れで視聴したのだが
序盤はそこまで乗り気ではなかった。中盤に入ったあたりから
徐々に面白みが増していったという印象が強かったので、少し不安
な気持ちで挑んだがそれは杞憂だったようだ。

焦点を当てる主要人物を少なくし、感情移入がしやすい
作りになっている。基本的には、将陵僚と生駒祐未の二人に
徹底的にスポットが当てられている。
彼らの関係性や、ファフナーに乗る動機等を見て自然と
応援したくなる自分がいた。
今作において、一期で活躍するキャラクターも数人いるのだが
必要以上に話に割り込んでこないので過度なストレスを
感じることはなかった。

一期では、結構な数の登場人物に焦点が当てられているのだが
一部のキャラに関しては登場シーンが少ない上、あからさまにフラグが
立っていたことも相まって感情移入がしにくいと感じてしまったのだ。
今作では、そこに気を使ったのだろう。非常に魅力的なキャラクターを
生み出すことに成功している。

また、前日談という設定を上手く活かしている。
この時は敵フェストゥムに関する情報が少ない上、ファフナーに
至ってはほぼ試作段階の状態。それ故に同化と呼ばれる現象が
パイロットたちに恐怖を植え付けてくるのだ。
しかも、一期の時よりも進行速度が速い上に結晶化するという有様。

それを見て全く動じないパイロットは相当強靭な精神力
を持っていると推察される。
私が、実際にその光景を目にしたら泣き叫ぶような気がする。
そこまでの精神力は持ち合わせていないからね。

鬱要素も、一期よりは確実に高い故に慣れていないと
引きずりやすい様に感じる。只、希望も含まれる形で
終わるので、絶対に耐えられないという訳でもない。
まあ、それなりに場数を踏んでいることが前提だが。

蒼穹のファフナーの一期がそこまで好きではない方にも、
この作品には是非とも挑戦していただきたいと感じる。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18

63.9 18 泣けるで鬱なアニメランキング18位
イリヤの空、UFOの夏(OVA)

2005年2月25日
★★★★☆ 3.5 (256)
1401人が棚に入れました
浅羽直之は園原中学校の二年生。
夏休みの間中、裏山にてUFOを探す日々を送っていたがUFOについては結局何の成果も得られなかったため、せめてもの思い出にと浅羽は学校のプールへと忍び込む。が、そこには伊里野加奈と名乗る、見慣れぬ不思議な少女がいた。状況が飲み込めないままに浅羽は伊里野と触れ合うが、すぐに伊里野の兄貴分と自称する謎の男が現れて、その夜はそれでお開きとなった。
そして翌日の始業式の日、浅羽のクラスに伊里野が転校生として編入してきた。ささいな事件がきっかけでクラスから孤立してしまった伊里野と、そんな伊里野のことが気にかかる浅羽と、伊里野の周囲に垣間見える幾つもの奇妙な謎。そんな風にして、浅羽直之のUFOの夏は、その終焉に向けて静かに動き出したのだった――。
ネタバレ

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

気持ち悪い原作をアニメ化しても気持ち悪さは消えない。

原作は当時話題になっていたので読みましたが、
・ラノベ特有の自分に陶酔した文章およびタイトル。
・SF的背景をわざと説明不足にすることにより奥の深い感じを出そうとしているけど結構浅い(誰でも想像できる)設定
・主人公とヒロインの性格の気持ち悪さ
・表紙イラストで、イリヤの体のラインがくっきり出過ぎ。お尻の形が丸わかりのスカートとか、あり得ない。
など、どこを取っても中途半端かつ気持ち悪い作品でした。

まあそういう時代なので仕方がないのでしょうか。
この2年後に出た涼宮ハルヒは同じように謎設定のSFラノベなのに、浅さを感じさせないどころか作者のSFに対する造詣の深さがよく分かります。

で、アニメ。
原作のイメージをほぼ忠実に再現できていたので、原作が好きな人には満足できたのではないでしょうか。

イリヤの乗っている{netabare}戦闘機が動いているのを見て、普通の戦闘機とは違うからイリヤが特別なんだなと分かるようになったのは良かったと思います。しかし、学校で激しく動いただけで鼻血ブーのイリヤが、あの戦闘機の動きでかかる重力に耐えられるとは思えません。SFというつもりで作製したのであれば、体感重力を減じさせる方法とかの説明はして欲しかったです。{/netabare}


あと、この作品を著しく残念なものにしたと感じたところは、イリヤが{netabare}逃亡先の学校で襲われかけた後。

イリヤが「何にもされてない」と強調しますが、そもそもイリヤがその「何か」という行為を知っていたことに違和感がありました。性教育とか受けてなさそうで、男の子に会っただけで好きになったりするくらい無垢なのに、そういうことは知ってるんかい!とツッコミたくなりました。

そして浅羽の対応のクズっぷりが際立っており、後で謝って済むレベルでは絶対にないですね。それなのに後からイリヤがあっさり浅羽を受け入れているところも気持ち悪いし、浅羽が好きだと告白するのも、「あ、イリヤに許してもらえてる!こりゃワンチャンありやな」と体目当てに叫んでるっぽくて絶対に無理。{/netabare}
エピローグでも、 {netabare}イリヤが戻って来ないのに満ち足りた顔をしている浅羽が本当に気持ち悪いです。すぐにアキホと付き合いそう。{/netabare}

しかし、元々が中学生向けのちょっとエッチな淡い恋愛物語だと思うので、自分も中学生の時に読んでいたら名作と思ったでしょうね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

世に言う【三大セカイ系作品】の一つ 良く言えば王道 悪く言えばアリガチ なSFラブストーリー

ゼロ年代が生み出した「セカイ系」と呼ばれるジャンルの一大ムーブメント

その代表作となる漫画「最終兵器彼女」、アニメ「ほしのこえ」
そしてラノベ代表がこの「イリヤの空、UFOの夏」


転校生の少女イリヤとUFOが目撃される空軍基地の謎を追う主人公


そしてイリヤとUFOに関わる秘密を知ってしまう主人公・・・


正直、なにか目新しいものを追ってこの作品を見るのであればオススメはしません
現代となっては原作の古さを隠しきれないし、特別に郡を抜いてクオリティが高いというわけでもない


その辺りを理解されたうえであくまで「セカイ系」の原点を追うという探究心を持った方だけ見ればいいと思います

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ひと夏の切ない恋物語でした^^;

この作品を視聴する前情報として「最終兵器彼女」に近い世界観を持った作品だと教えて貰いました^^
「最終兵器彼女」は、お気に入りの棚に入れているとても感動的・・・というか、私にとって完全な涙腺崩壊作品だったので、この作品の視聴をとても楽しみにしていて・・・ようやく視聴する事ができました^^

物語の舞台は、UFO出現の噂で有名な空軍基地のある園原。
主人公は園原中学に通う2年生の浅羽 直之(あさば なおゆき)。
彼は夏休みを通してUFOの研究をしていましたが、思ったような成果が得られませんでした^^;
夏休み最後の夜、思い出作りにと学校のプールに忍び込んだところ、見知らぬ女の子・・・ヒロインの伊里野 加奈(いりや かな)に出会い、夏休み明けに彼女が主人公と同じクラスに転入してきて・・・物語が動き始めます。

OVA全6話なので、視聴はあっという間でした^^
そして、「最終兵器彼女」に近い世界観についても納得でした^^
でも、私の作品の印象として「最終兵器彼女」はとにかく「悲しい」でしたが、この作品は「切ない」という感じを受けました。

主人公とヒロインの距離が近づく度に、彼女のちょっと不可解な行動だったり、良く鼻血をだしたりする理由が少しずつ明らかになっていくのですが、ゆっくり・・・だけど確実に「終焉」に向かっているんです・・・^^;

二人が決して望んでいる訳じゃありません・・・
けれど、方法が一つしかないとしたら・・・?
「受け入れる勇気の大切さ」を感じさせてくれる作品でした。
私だったら同じ選択肢を選べるか、正直自信がありませんけど・・・^^;

でも、もっと違う形で出会えたら間違いなく違ったエンディングが迎えられるのに・・・と思うと、二人に対する切なさが倍増してしまいました。^^;

物語は、綺麗に伏線を回収して終幕します・・・
でも内容から考えると、6話では尺が短かったように思います。もう少し、丁寧な説明や登場人物の心理を掘り下げて描写すると、より一層感動できる作品になっていたと思えただけに、少し勿体無かったような気がします・・・^^;
でも、全体的には良く纏まっている作品だと思いました^^

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27
ページの先頭へ