江戸でオムニバス形式なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の江戸でオムニバス形式な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月15日の時点で一番の江戸でオムニバス形式なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.6 1 江戸でオムニバス形式なアニメランキング1位
モノノ怪(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (851)
4400人が棚に入れました
“モノノ怪”を斬ることができる退魔の剣を携えて諸国を巡る薬売りの男がいる。
彼が呼ぶのか、剣が呼ぶのか、薬売りの前には次々と妖異が現れる。
“モノノ怪”を成すのは、人の因果と縁(えにし)。人の情念や怨念があやかしに取りついたとき、“モノノ怪”となる。 こうして彼の行く所、様々な“この世のあはれ”が浮かんで消える……。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、田中理恵、藤田淑子、塩屋浩三、竹本英史、沼田祐介、日比愛子

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

千代紙の賑やかさを懐紙が吸い取ったような、斬新で乾いた怪談オムニバス

ステンドグラスの入った大きな扉、柄に柄を合わせた天井の模様。
浮世絵と千代紙でコラージュしたような色彩と、
大正浪漫を随所に感じるインテリア、建物、服装、配色。
和紙のようなどこか乾いた感じの風合いと香りが、
ほの暗く湿った日本古来の怪談に侵食された・・そんな感覚。

とにかく美術が斬新で素晴らしかった。
日本の文化を、これまた日本らしい怪談話に絡めて
じわじわとした恐怖感を煽りつつ、惹きつけてくる。

そしてさまざまな登場人物の中、主人公である薬売りの男が
なんとも粋な感じでカッコイイ。
櫻井孝弘さん演じる彼の声が見事にマッチ。
ややもすると飽きが来てしまいそうになる怪談オムニバスの
全12話を、彼の魅力で引っ張ってくれたと言っても
過言ではないような気がするほどだ。

ほとんどが室内だったが、10~12話の「化け猫編」は
列車の中でのシーンが多い。
時折、線路や駅などの外のシーンが描かれ、
やっと呼吸を許されたような開放感を味わう。

そんなわけで、観る人を選ぶ演出であることは確かだが、
個人的にはとても好きで、趣味に合う1本だった。
こういう作品って、今までありそうで意外となかったのが不思議。
怪談にまつわる人の愚かさ、醜さ、悲しさを
アニメならではの映像でうまく表現されていたのも素敵。
それに何より、古さを感じさせない。
たぶんこれから10年経っても、それは変わらない気がする。

人の強い怨念を食らう怪(あやかし)、それこそがモノノ怪。
薬売りはその怪から、人間が生んだ怨念や情念、憎悪を
断ち斬る術を持っているという、これもまたひとつの薬のようで。
そのあたりも面白い。

この作品は、怪談の怖さを味わうことより、
アート的なこの演出を楽しむために作られたのだということは
間違いないだろう。

おそらく、時間を経てまたもう一度観直したら、
違う何かに気づけそうな気がする。
そんな余韻を残す傑作だった。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

正に怪作であり快作。

「怪~ayakashi~」のエピソードの1つである「化猫」の続編。
化猫がよっぽど好評だったんでしょう。続編である本作も期待を裏切らない完成度です。

分かりやすく人気作との比較で言うと「化物語」との共通項が多いと思われます。
モノノ怪という名の怪異を扱っている点、5つの短編から成るオムニバス形式である点など。
そして化物語から萌えとエロを排除し、独特な映像表現・演出をより洗練させた印象。

前作同様、その奇抜で独創性豊かな映像と演出は健在。
個人的にはもうそれだけで満足w ですが内容に関してもそれに劣らずの出来栄えです。
簡単に言うと、謎めく行商人である薬売りがモノノ怪を退治していく、
という話で、その中で人間の心の闇が色濃く描かれます。
独特な映像演出は単に奇を衒っているだけでなく、
人間の内面を鋭く抉る手法として効果的であり、異様なまでの緊張感や恐怖感が伝わってきます。

また、単純に人間の醜さや恐ろしさを暴いておしまい、というわけではなく
そういった多かれ少なかれ誰もが持つ心の闇と真摯に向き合うことが重要である、
ということを謳いたかったのではないかと。
近世の日本を舞台としていますが、そういった人間の本質的な面や
各話ごとのテーマ(女性差別、親に敷かれたレールを歩まされる子など)は
現代にも通じるものがあって、色々と考えさせられますね。

「音」の表現も秀逸で、BGMだけでなく効果音の使い方が特に際立っています。
例えば、場面転換時のフスマの開閉音はテンポ的な意味でも引き締まるし
聴いていてスカッとする爽快さがあります。
ケレン味たっぷりの薬売りの決め台詞やアクションなども実に爽快な様式美で
陰鬱なストーリーや世界観に気圧されないようなエンタメ性もバッチリ。
思わず聞き惚れてしまう程の実力派声優陣による演技も文句なしです。


正に怪作であり快作。
アニメの常識に囚われない斬新な作風は激しく人を選ぶでしょうが
一風変わった作品が好みの方には是非ともお勧めしたいです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54

逢駆 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

~虚実皮膜~

人は世に生まれるもの 妖は世に在るもの
生まれるものと 在るものが
真と理を伴えば 形を得る―――――


これまで見たことのない摩訶不思議な映像表現に度肝を抜かれた作品。
一度見始めると眼が離せなくなるような忘れがたい映像の数々が脳裏に刷り込まれました。

まず、本作の前に予習として観てもらいたいのが
『怪 〜ayakashi〜』という作品のエピソードのひとつ「化猫」です。
この続編として作られたのが『モノノ怪』のため、観ていないと最初は意味不明かもしれません。
オムニバス形式の本作は、
「座敷童子」「海坊主」「のっぺらぼう」「鵺」「化猫」という5つのエピソードから成ります。
内容もシンプルでわかりやすいものから、とても難解なものまで様々です。
(ちなみにここでの「化猫」は前作のものとはまったく違います。)
そして特筆すべきはやはり圧倒的な映像美。
独特の色彩感覚や、陰影を使用しない平面的な演出は浮世絵を彷彿させ、
かと思えば、次の話では西洋チックになったり屏風絵や水墨画のようになったり…。
それぞれの話で様々な顔を見せてくれますが、一貫して本作の『色』になっていて感激しました。
雨粒一つにまで意匠を凝らし、随所に象徴的なモチーフが散りばめられ、
画がものすごく芝居をする映像面だけでも一見の価値ありです!

 《もののけの〈形〉を為すのは、人の因果と縁(えにし)
  真(マコト)とは事の有様、理(コトワリ)とは心の有様
  よって皆々様の真と理、お聞かせ願いたく候。》

もう一つ、この作品の魅力として欠かせないのが「薬売り」という男。
名前もなければ、年齢やどこから来たのかなど、彼に関する情報は一切ありません。
この人物が妖異が現れる場所に訪れては、モノノ怪を退治していきます。
つかみどころのない彼の存在感が、強烈なキャラばかり出てくる物語をピリっと引き締めてくれました。

和製ホラーというよりはサスペンスに近かった本作。
モノノ怪を退治する場面はさほど重要ではなく、
大事なのはあくまでモノノ怪を斬るために必要な形・真・理に迫っていく過程。
そして、人間の醜さや愚かさなど心の汚い部分が
次々と炙り出されるストーリーが最大の注目ポイントだと思います。


斬新で優雅で凶暴で、とても贅沢な作品。すべて観終えて痛烈に感じたこと、それは…
『げに恐ろしきは人の性なり』
でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

63.2 2 江戸でオムニバス形式なアニメランキング2位
怪~ayakashi~Japanese Classic Horror[アヤカシ](TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (200)
931人が棚に入れました
本作はそれまで少女漫画原作のアニメ(「ハチミツとクローバー」など)を放送していたノイタミナ枠の路線とは打って変わり、日本古来の怪談の中から著名な三話『四谷怪談』、『天守物語』、『化猫』を元に、俊英クリエーター達が原作を独自に解釈、あるいは新規にストーリーを書き起こして現代的な視点・様式を加味し、原作既読者も新鮮な感覚で視聴できる前衛風味の強い異色作となった。(その後のノイタミナ枠作品は、再び少女漫画原作ものアニメ路線に戻った、)
それぞれの三話はオムニバス形式として制作され、それぞれの作品にストーリー上の繋がりは特に無く、制作スタッフも別チームが行なった。この事により、各作品は全く別の作風に仕上がっている。作画もまったく異なる。

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

JAPANESE CLASSIC HORROR

出来れば、あにこれのサムネ
化猫のイラストにして欲しかったな。


全11話。
「四谷怪談」、「天守物語」、「化猫」を元に、クリエーター達が
原作を独自に解釈、あるいは新規にストーリーを書き起こして
現代的な視点・様式を加味し、
原作既読者も新鮮な感覚で視聴できる前衛風味の強い異色作。

それぞれの三話は、オムニバス形式として制作され、
各作品にストーリー上の繋がりは特に無く、
制作スタッフも別チームが行なった。
この事により、各作品は全く別の作風に仕上がり、作画も異なる。
(wiki抜粋)

四谷怪談

4話構成。キャラデザが天野喜孝さんで
それだけでも見る価値があるかな。
舞台仕様の脚本もだけど、女の人が妖艶であること。
ラストに歴史的な豆知識が入っています。

天守物語

4 話構成。
ほぼオリジナルストーリーと言ってもいいぐらい。
白鷺城は原作の姫路城にあたる。
物の怪(神様)と人間の恋の話で悲恋になるのかな…
恋はするものでなく落ちるもの。
そんな感想を抱くような作品。

化猫

3話構成。
完全オリジナル。物の怪が好みな方にオススメ。
独特の画風だけど、色使いがとにかく好み。
この作品だけは3DCGや色んな技法が取り入れられていて
内容的にも一番いい。
この作品全体的に言える事だけど、扉絵・屏風絵が素敵。
ラストにCパートがあるので見逃さないように。

歌にも拘りがみられます。
これは聞けばわかると思うけど…
ちょっと変わった作品が見たい方にオススメです。

OP「HEAT ISLAND」
作詞 - Sasaki Shiro、Sakama Daisuke / 作曲・編曲 - Mr.Drunk
唄 - RHYMESTER
ED「春のかたみ」
作詞・作曲 - 松任谷由実 / 編曲 - 松任谷正隆 / 唄 - 元ちとせ

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

四谷怪談6点、天守物語5点、化猫9点

※採点は10点満点

初期ノイタミナ。3つの怪談話によるオムニバス形式の作品。


●四谷怪談(全4話)

怪談話としてメジャーだが、最低限の知識しかなかったので新鮮な気持ちで観れた。
{netabare}終盤で四谷怪談に纏わる歴史を語る方向に話はシフト。
「観客自身が祟る事を望んでいる」という台詞には、なるほど、と唸らされるものがあった。{/netabare}
ただ、尺の大部分を四谷怪談の物語そのものに費やしていて
いかにも低予算で作った感のあるヘボ作画や
チープ感が漂う演出(一部、恐怖を煽る演出は良かったけど)含め、正直微妙な出来。
本作の内容をよく知る人にとっては、アニメ化の意義を感じられないという感想を持つかも。


●天守物語(全4話)

愛し合ってはならない人間と神、異種族間の悲恋を描いた物語だが
その定型フォーマット通りの展開で、やや物足りなさを感じた。
四谷怪談同様、作画も演出も低調。
心理描写が不足しているためか、メインの男女に全く感情移入できない。
ただひたすら身勝手で傍迷惑な2人だなーとしか思えなかったです。


●化猫(全3話)

散々言われてるけど、これは凄すぎる・・・別格。
質感たっぷりの和紙に浮世絵を描いたような、独特で美的センス溢れる背景。
カット割やカメラワークも印象的で、思わず画面に釘付けにされる。
特に化猫目線によるカメラワークは秀逸で、とてつもない緊張感を醸し出している。

物語の内容や構成もよく練られているし、ミステリアスで色気のある薬売りのキャラも良い。

陰鬱な空気を吹き飛ばすクライマックスの殺陣シーンがまた素晴らしく
ありえない程よく動くしエフェクトも派手で見栄えたっぷり。思わず何度も見返してしまった。

物悲しくも救いを感じさせる結末含め、全てにおいて文句なしの出来栄え。
アニメーションの持つ多様性を示してくれた傑作です。


なお、3作に通じて言えるのは声優陣の豪華さ。
特に四谷怪談でのお岩さん演じる小山茉美の恨みのこもった演技や
天守物語での桑島法子、化猫での櫻井孝宏による艶やかな演技は絶品。

そしてOPの謎ラップ・・・hey yo チェキラ!的なノリに最初は戸惑ったけど
化猫に関してはマッチしていると言えるかもしれない。(単に慣れただけ?)
hey hey yo yo! 魑魅魍魎!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

敦賀迷彩 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

待望の第一期を観たけど、、

四谷怪談、天守物語、化け猫、共に人の業、醜悪、を全面にわたり出しており、大変辛かった、、Orz

鬱々です。

スミマセン、これ以上書けません(ヾノ・∀・`)

観る人、選ぶ作品でした(>_<)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9
ページの先頭へ