江戸時代で武士なおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの江戸時代で武士な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の江戸時代で武士なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.7 1 江戸時代で武士なアニメランキング1位
鬼平(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (251)
926人が棚に入れました
時は江戸後期。暴虐の限りを尽くす盗賊たちが、「鬼」と呼んで畏れる男がいた。「鬼の平蔵」こと火付盗賊改方・長谷川平蔵その人である。火付盗賊改方とは、一種の特別警察。江戸市中内外の犯罪を取り締まるだけでなく、他国に出て犯罪者を捕らえることもできる機動性の高い組織。しかし平蔵は職務に忠実なだけの固い男ではない。時として罪を犯した者にも情けをかけることがある。平蔵が許さないのは、非道。《盗人三箇条》――殺さず、犯さず、盗まれたら潰れるような店からは盗まない――から外れ、人の道に背く者には一切容赦はしない。

声優・キャラクター
堀内賢雄、朴璐美、浪川大輔、岩男潤子、千本木彩花、岡本信彦、水内清光、浜田賢二、木内秀信、飯塚昭三、細谷佳正、田中秀幸
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悪党にも悪党のルールがある。それを踏み外せばただの外道に堕ちるのみよ

視聴終了しました。
基本的には、勧善懲悪の時代劇で、主人公の鬼平は賊を取り締まる側の人間です。
ルパンで言うなら銭形視点で悪党を取り締まっているような話なのですが。
時代背景的に法整備も裁判もそこまで整ってはいませんし、悪党の裁き方は基本、鬼平の裁量に委ねられているようですね。
で、盗人がすべからく悪かと言われるとそうでもない。
当時、裕福でない家は厳しかったでしょうし、生きるためにやむを得ずやったという人にはある程度情状酌量の余地を汲んでいるように思います。
その線引きをどうするかについては、おそらく作中にも出てくる盗人三箇条〈女は犯さず、殺さず、貧しい家庭からは盗まず〉が軸になっているんでしょう。そこが本作の特に面白いと感じた所でした。

そこで、各話の内容を並べてみますが……。
{netabare}1話。昔は盗みの三ヶ条を守っていたが、時間が経つとすっかり人が変わっていた悪党。てめぇのような奴は偽者だ! 同時期に鉄血を見てたので「綺麗なオルガだな」と思いましたw
2話。またしても押し込み強盗。昔は綺麗だった人が、札付きのワル女になっていた。どっちかが告白してたらこんな悲惨な事にならなかったのかな。
3話。剣に生きた凄腕の暗殺者が、今を女と共に生きようとするが返り討ちにされる。不意を付いても正当防衛になるかは、今だと結構微妙な気がする。
4話。盗みで人を殺す輩。女を犯す輩は問答無用で斬り捨てる。
6話。劣悪な輩に捕まった二人を救出する過程で盗みに加担する。役人がこんな事やっていいんかーいw バレたらかなりヤバいのではと思いました。
7話。DV親を殺害。境遇故の仕方ない行動だが、やむなく処罰。
8話。鬼平からキセルを盗む、なんとお咎めなし。
9話。これは回想なのですが、先生と認めるほどの男が盗みを働く境遇だったというのは、時代の辛さ故でしょうか。これは鬼平の人間性に影響を与えた話の一つと言う風に感じました。
10話。息子と育ての親を殺した小津屋の証文を破り捨てて復讐。この時、駆けつけるタイミングをわざと遅らせる。
11話。悪人から誘拐された娘を救出。妻の最初の男らしいが、それがどうした!
12話。同じ境遇だと思った罪人を助ける。罪人は逃亡するが、相棒(殺人犯)を捕えて戻ってくる。その後釈放。
13話。1話と違って人が変わってなかった。兄の理想と弟の現実がぶつかり合うかと思いきや、女を交えた三角関係だったというパティーン。畜生働きはいかんけどこれは弟の言い分もわかる気がするなぁ。{/netabare}
+αはあるんでしょうが。基本は、三箇条を破るか否かが判断基準になっているんでしょうな。
その上で、粋な結論に持って行かせる鬼平の心意気が毎話毎話とても面白かった。
無常観、救いのない話もあるでしょうが、その上で何を支えに生きるか。何を信じるか。当時の時代背景の中、生きる人達の心情を深く掘り下げてあって中々に興味深かったです。

ですが、作画に関しては当初褒めちぎっていたのに手の平返したくはないですが…。途中から落ちてきたなと感じました。
背景美術、キャラデザ、諸々素晴らしいのですがね。
作品の目玉と思われた殺陣作画が4話以降あまり見られなかったのは、ホントに痛いなと思いました。(1話の殺陣はマジに神だった。あのペースは流石に続かないか
脚本はどれも力を抜いているとは思えないですし、今クールではけもフレに並んで素晴らしいと思いました。(これとけもフレの脚本を比べるなんて、我ながらすごくおかしな話だと思いますが)
この手の勧善懲悪時代劇が嫌いじゃないなら迷わずおススメできる作品だと思います。

以下は視聴中の感想。
{netabare}時代劇も漫画も見てるわけじゃないんですが、鬼平犯科帳と言えばさいとうたかを絵のイメージがあったもので(笑
このキャラデザ、見た目はイノタケ(井上雄彦)っぽい感じですね。
いいんじゃないんでしょうかね~。流石に原作準拠のゴルゴ顔だと、アニメ視聴者層には受け入れづらいと思いますし、全然アリな路線かと思います。

江戸後期、主人公の長谷川平蔵を中心とした、盗賊をひっ捕らえる痛快劇。かつ、その中で描かれる人情系ドラマといった感じですか。
軽い気持ちで見たのですが……。これが中々どうして、面白いですね。

4話視聴。
いや~いい!本当にいい!
何がいいって、まあ脚本もですけど殺陣作画の良さですね。
この演出は確かにドラマじゃあ不可能ですね。
「斬られたァ~!」「ギャァ~!」とは言ってみても、あくまで芝居で、人がやってるから斬ってるふりしかできないというのは難しい所です。
しかしこのアニメは! アニメだからこそ表現しきれるところがあるッ! 飛び散る血飛沫ッ! 切られて吹っ飛ぶ腕ッ! 命の獲り合いとしての臨場感は抜群です。
しかもその作画を、自由自在のアングルから魅せられるってんだから堪らない。時代劇マニアじゃないですが、嫌でも魅了されちゃいます。

時代劇はドラマでやってろだの何だの言ってるトンチキは、まずこの殺陣作画を見てから言って欲しいものですね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

鬼の平蔵と悪党、部下、家族との心に染み入る人情劇

江戸時代の火付盗賊改め方(凶悪犯罪専門の刑事部隊の様な組織)の長官、鬼平こと長谷川平蔵の活躍を描く作品。

アニメ化にあたり、原題「鬼平犯科帳」から「犯科帳(事件簿)」を削ったのは、謎解きやサスペンスより、鬼平とそれにまつわる人物達との人情劇に的を絞ったからなのでしょう。
事実、原作の魅力はそこにあるので、アニメの尺に収めるよう巧く絞り込まれた脚本は秀逸です。

主人公「長谷川平蔵」は実在した人物であり、史実に基づいた平蔵の生い立ちや事蹟から、原作者の池波正太郎先生が着想を得て、リアリティのある人間味溢れた好漢として描いています。

鬼と恐れられる平蔵ですが、悪に対する正しさや強さだけではなく、若き日に鬱積し放蕩無頼をした経験から、人のつらさ弱さを思い量る事ができ、遊び心もわかる、硬軟併せ持つ度量の大きさがあります。
それでいて、過去の行いに悩んだり、家族や部下との接し方に迷ったり、完璧ではない人間らしさも見せ、憧れだけではなく親近感も感じて万人を魅了します。

また、1話完結の各エピソード毎に登場する人物も、悲喜こもごもの心情が丁寧に描かれ、悪事をはたらく者にさえ同情してしまうほど悲哀を感じ、鬼平との心の交流に毎話、胸が熱くなります。

時代劇は年寄りくさいイメージがあるかもしれませんが、私は、20代の頃に「鬼平犯科帳」の原作小説や実写ドラマにはまりました。
20年以上前の当時としても、それまでの勧善懲悪物の時代劇とは違う斬新さを感じたので、今作はアニメの新ジャンルとして、今の若い方にも是非観て楽しんでいただけたらと思います。

作画

キャラクターデザインは時代劇らしく渋めですが、鬼平は、実写の貫禄ある中村吉右衛門さんよりスタイリッシュでアニメらしいカッコ良さ。
個人的には、実写で故3代目猫八さん演じる密偵の彦十が好きだったんで、その雰囲気が一番出てるキャラ画がベスト!
女性陣は和装美人揃いで、お順の幼女っぷりもカワイイ♪

剣戟シーンのアクションは実写の殺陣の方が見応えがあるように感じましたが、今作の見せ場はソコではないので、人情劇の舞台となる江戸の町並みなどは丁寧に描かれていて、作品世界にどっぷり浸ることができ、作画全体は概ね良好だったと思います。

音楽

OP、ED共に時代劇ドラマらしい作りで往年の時代劇ファンがアニメを観ても納得できるのでは。
由紀さおりさんの歌唱も良かったけど、個人的には、自分が観た当時の実写ドラマのジプシーキングスのEDが、強烈に余韻感漂う曲で印象に残ってます。

声優

これは気合い入ってますね。主演の堀内賢雄さんをはじめ、洋画の吹き替えを長年されてる様な重鎮揃い!作品に重厚さを与えてます。
一話ごとのゲスト出演もベテランから話題の新人声優さんまで豪華です。

最後に

この1クールでは、原作の中から主に、平蔵をはじめ密偵達を含む部下や家族の主要登場人物を紹介する短編でシリーズ構成されましたが、100話以上ある原作には長編も含め、まだまだ観応え十分なエピソードが盛り沢山あるので続編の制作に期待します。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

原作力の次元の高さを窺い知れる、極上の大人向きオムニバス作品

☆物語&感想☆

原作&実写ドラマがあまりにも有名な鬼平犯科帳のアニメ版ですが、
自分は原作はおろかドラマも殆ど観たかどうかの記憶がなく、
内容はほぼ知らない状態でアニメを観始めました。
(結果的にこれが本当に幸いでしたね、ドラマのイメージが強いとアニメはアニメ、別ものとして観れないでしょうから)

で、視聴前に時代劇のイメージで思い浮かべていたのが、
昔観た「水戸黄門」「遠山の金さん」「必殺仕事人」なんかの勧善懲悪もの。
ぶっちゃけ言うと、年寄りってなんであんな毎回ワンパターンなものを観て面白いんだろうな、
なんて以前は思ってて殆ど実写ドラマの時代劇なんかは観ずに生きてきましたが、
敢えてこの時代に時代劇をアニメ化する意味あんのかな!?
と懐疑的な目とほんの少しの好奇心で、とりあえず1話だけでも観てるか、と視聴開始してみた結果...

何これ...全然自分が思ってた時代劇のワンパターンで古臭い勧善懲悪ものとちゃうやん。。
1話終了し、由紀さおりのエンディングを聴いてる時点で、もうどっぷりこの作品に惹き込まれていました。
そして、13話終了した現時点で、もう鬼平が観れないと言う喪失感が半端ない状態でこの感想を書いてます。

とにかく1話完結の13話、全く捨て回が無いと言うより、むしろ神回しか無かった。。
正直なところ「1話完結のオムニバス形式」のアニメで、
ここまで深くカタルシスを喚起させる作品は滅多にお目にかかれないんじゃなかろうか。
そりゃ当然、1時間のドラマで描いているものを、20分ちょっとで纏めるんですから、
尺が短く間も充分には取れないし、多少の改変もやむを得ないところでしょうが、
逆に言えば、非常にテンポ良く上手く纏められていると感じましたね。

まぁオムニバス形式で、これだけ外れがないということは、
如何に原作が優れているか、っていうことでしょうが。。
自分みたいにアニメから入って物語に惹き込まれた人は、
後で原作読んだりドラマを観たりするきっかけになると思いますし、
それだけでも充分にアニメ化する意義はあったんではないでしょうか。

どういう話かを簡単に言うと、江戸を舞台に鬼平こと長谷川平蔵
(今で例えるところの特別警察の長官みたいな役職)が主人公の捕物帳、ということになるんですけど...
これだけ単純に書くとやっぱり只の勧善懲悪ワンパターンものじゃないか!と思うかもしれないけど、
実際はそうじゃなく、罪を犯す側が単なる「悪人」と言う扱いじゃなく、しっかりとドラマがあるんですよねぇ。
で、時には平蔵が実に懐の深い一面を見せる。。

各話内容の方は具体的には触れませんが、どのエピソードも秀逸なオチが用意されていて、
毎話エンディング時には深い余韻を味わうことが出来る、まさに大人が愉しめる物語です。
「人間だもの...」この一言が実に良く似合う芳醇で極上な人間ドラマ。
鬼平の名言とも言える台詞が深すぎるんだよなぁ。。

やはり哀しくやるせない人間の生き様や業を描いたエピソードが秀逸で涙を誘いますが、
「谷中・いろは茶屋」や「大川の隠居」「盗法秘伝」のようなユーモア&機知に富んだエピソードもあり、
シリアス一辺倒ではなく、ちゃんとバラエティも考えて選ばれてるのは素晴らしいの一言。

☆声優☆

豪華すぎるやろ!とツッコミを入れたくなるキャスティング笑
オムニバス形式ならではでしょうが、
各話出てくるキャラに重鎮の声優を起用していたり、
アニメではなかなか聞く機会のない声優さんたちの演技はやっぱり巧い。
演技が上手いからこそ、キャラの心情が痛いほど伝わります。

たまにあれ?って感じの人も居るには居ましたけど、
他の人たちが上手すぎるからそう感じるだけでしょうね。

☆キャラ☆

平蔵に関して言うと、正直アニメと言う媒体で、
ここまで人間的な魅力に溢れた主人公って滅多に居ないでしょうね。。
まさに男が惚れる男の中の漢、とはこういう人物ではないでしょうか。
度量の広さ、器の大きさ、知的で機知に富み、逞しさと優しさを兼ね備えているにも関わらず、
時にはやんちゃさえする性格は観ていて惚れ惚れ。
毎話ここぞの決め台詞がまた深くて痺れる...もう最高としか言いようがない。
あれだけ格好良いとため息しか出ません笑

他にも各話登場する、罪を犯す側の人間のドラマも尺や間が短いながら、
声優さんの演技の力も大きいでしょうが、非常に観ていて伝わってくるものがありますね。

☆作画☆

ドラマのイメージを持っている人からすれば、平蔵の「コレジャナイ感」はあるかもしれませんが、
自分はろくに観ていないので、全く先入観なく見れました。
結果的にやや若めのイケメンな平蔵ではあるものの、むしろアニメ的にはこれで良いんじゃないかと思います。

しかしながら、制作費の問題からか原画や動画を殆ど海外に委託している回が多く、
CG含めて全般的なクオリティ面では美麗な作品が多い昨今のものと比べると、少々見劣るかも。。
尺の関係もあって殺陣シーンは少ないながらもアニメならではな印象を持ちましたが、
予算が十分あって、I.Gとか辺りが制作してたらもっと...まぁ贅沢でしょうかね。。

☆音楽☆

まずOPのインパクト、格好良いですね~お洒落で渋い!OPのアニメーションとも相性バッチリ。
OPをインスト曲にしたのは大正解ですね、たぶんどんな人が歌っても合わなさそう。。
また、尺の関係も考慮してでしょうね、通常はOPは大体1分30秒ですが、このOPは1分くらいなんですよね。

で、EDの由紀さおりの歌唱が...心に染みる。。毎話涙腺を刺激されました。
毎話秀逸なオチを付けたあとの、あのしっとりとした艶のある楽曲は最高の選曲でしょう。
歌詞もまた良いんだなぁ。。

また、作中のBGMも実に心地いい。
落ち着いた大人なBGMがスッと入ってきて、シリアスシーンでの聴かせるところはしっかりと聴かせる。
それとは正反対に時代劇でしかなかなか聞けないような軽妙なBGMと効果音にはテンション上がります。
BGMのセンスは非常に良かったと思います。


この作品は視聴候補にも入ってなくてスルーしている人が多いと思われる作品ですが、
ハッキリ言って自分のような時代劇への固定観念を持っている人にこそ観てもらいたい作品ですね。
本作同様に、オムニバス形式で大人向けな作品の「ジョーカー・ゲーム」や「デス・パレード」
「カウボーイ・ビバップ」なんかが好きなら、間違いなく観て損はないと思います。

それにしても、1クールで終わりって勿体無さ過ぎる。。
原作ストックいっぱいあるんだし、つくづく続編を切望する作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

65.4 2 江戸時代で武士なアニメランキング2位
シグルイ(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (160)
738人が棚に入れました
シグルイ HALF-BOX 虎 【期間限定生産】 寛永6年9月24日、駿河大納言・徳川忠長の一意により、駿府城内で御前試合の十一番勝負が行われた。
通常、御前試合は、無益に剣士の生命を失わせないために、慣例として木剣にて行うこととなっているが、周囲の諌めにも拘らず、今回の御前試合は真剣を用いる事が決定され、二十二名の達人らによる凄惨な殺し合いが幕を開ける。
左腕を缺損している隻腕の剣士・藤木源之助の前に現れた相手は、両目が真横一文字に切り裂かれた盲目・跛足の剣士、伊良子清玄であった。対峙する隻腕と盲目の剣士。両剣士には浅からぬ因縁があった…。

声優・キャラクター
浪川大輔、佐々木望、桑島法子、篠原恵美、加藤精三、堀江美都子、屋良有作、稲葉実、島田敏、小山力也、大林隆介、チョー

惑星マティーニ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

超硬派!和風版ベルセルク!? 残酷な剣士のテーゼ!?

ツンなし!デレなし!ここに在るのはシグルイ(死狂い)のみ!?
ここまで迫力のあるサムライアニメはないと思います。

実は以前に1話だけ見たものの残虐で痛々しいシーンが多くて目を背けてしまいお蔵入りとなっていましたが、何だか気になっている作品だったので、時間ができた際に改めて見てみました。
もちろんここに投稿するということは見事にハマりました!

舞台は江戸時代。寡黙な片腕の剣士(主人公)と盲目の美貌剣士(ライバル)が戦うシーンから物語は始まり、過去のエピソードに遡っていきます。
勝手ながらベルセルクのガッツとグリフィスのようなライバル関係を連想してしまいましたが、命をかけた真剣勝負のシーンは圧巻そのもの!

(ベルセルクの使徒みたいなバケモノは出てきませんが、しいて言えば岩本虎眼師匠はバケモノ級ですw。ちなみにプチ蝕みたいなシーンはあるかもw)

このアニメには派手なバックミュージックはなく、太鼓、琴、三味線、蝉の声、鈴の音、読経のSEなどが物語の臨場感を最大限に盛り上げており、手に汗握ってしまいます。

硬派、サムライ好きには激プッシュです!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

原作を超えている

そもそも「駿河城御前試合」という時代劇小説の漫画が原作であり、漫画化は二度目らしく、二作目は少年チャンピオンで好評だった山口貴由が担当している。

山口貴由は原作を更にバイオレンスとエロスの濃い作品にしている。岩本虎眼の狂いっぷりは原作の小説ではないものらしい。

そしてなにより、原作のケレン味のある山口貴由によるデフォルメされた作画ではなくデッサンの整った劇画っぽい絵に変えたのは正解だったと思う。それによりあたかも事実として描かれているので迫力があり重みが増している。

劇画路線のアニメとしては良作だと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

残酷さそのものがテーマ

時代劇です。
殺陣もありますが、激しいものではなく、一刀のうちに切り伏せるイメージです。
{netabare}
「三寸斬り込めば人は死ぬのだ」
頭部に正確に三寸(9cm)斬り込めば、確実に相手は死ぬ。
{/netabare}
そういった、現実的な斬り合いというものに対する描写も見所の一つです。

なお、グロテスクで残酷な描写が目立ちます。
内臓が平気でびよーんです。
作画が妙に良い分、グロテスクさ倍増です。

画面や台詞も陰鬱としたものが感じられます。
クスリとも笑えません。

笑えるのは{netabare}徳川忠長{/netabare}だけでしょうね。
こいつは本気で許せません。
{netabare}
目の前で忠長を諫めるため、割腹自殺をはかった直次。
それを見て笑みを浮かべた忠長。
直次がいまわの際に一言、
「…暗君」
この一言がとても印象に残りました。
{/netabare}

しかし、単に目を惹くためにそういうシーンを入れているわけではありません。
残酷さそのものが作品のテーマとなっています。

平気で裏切りや殺し合いが起こる、不安定な世の中。
そんな世の中で切磋琢磨し、何とか生き抜いてきた人々。
登場キャラクター達には、生々しい傷跡と共に、強い「執念」が感じられます。

そうやって必死になって努力してきた人々に、さらに殺し合いを命じる。
そこまでして得るものは{netabare}「たった一人の歪んだ快楽」{/netabare}。

逆に、失ったものは、
{netabare}
・出場剣士十一組二十二名
・敗北による死者八名
・相討ちによる死者六名
・射殺二名
・生還六名 中二名重症

・他、御前試合に至るまでの多数の命
{/netabare}

つまり、努力すれば報われる、正義は勝つ、そんな美しい机上の空論なんて最初からない。
それだけ世の中は不条理で、残酷なものであると訴えかけてくる作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

72.3 3 江戸時代で武士なアニメランキング3位
無限の住人 IMMORTAL(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (139)
605人が棚に入れました
武士というものがまだ存在していた江戸の世——。百人斬りと呼ばれた【不死身】の男がいた。その男の名は「万次」。万次は、父母を殺され復讐を誓う少女「凜」と出会う。凜は万次に、復讐の旅の用心棒になってくれないかと言う。初めは断る万次だが、凜に亡くした妹の面影を見た。一人では危うい凜の姿に、仕方なく手を貸すことに決める。しかし凜の仇は、剣の道を極めんとする集団——逸刀流。それは、不死身の万次すら追いつめる凄絶な死闘の始まりを意味していた。

声優・キャラクター
津田健次郎、佐倉綾音、佐々木望、鈴木達央、花輪英司、咲野俊介、桑島法子、ふくまつ進紗、秋元羊介、小原雅人、中田譲治、林真里花、白熊寛嗣、奈良徹、小林親弘、関智一、真山亜子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

MUGE・ん…異能っぽい

原作未読 Netflixもの

なんですけどなんとなく

 なんかタイトル知ってる~

三池崇史監督でキムタクの実写版が遠くない過去にやってましたね。それでみたいです。マンガそのものは1993年から20年ほど連載し完結。これはきっとブックオフで見かけてますね。実物に触れるのはこのアニメが初です。


 限り無き世界の住まい人


のお話。八百比丘尼より不死を授かったおっさんを主役に据えた時代劇全24話。ちなみに終始物騒なアニメ作品ですよ。痛快さとはほど遠く『カムイ伝(白戸三平)』『どろろ(手塚治虫)』の世界観に寄せたような感じがします。自分は無条件で好きなタイプな作品なので抵抗はなくそのまま完走。おそらく第1話からして雰囲気はばんばん伝わってくることでしょう。

まあけっこう身も蓋もないのがいいんですよね。生命は限りなく重くそして軽い。

 {netabare}『この奥方は好きにしていい。ただし娘の方には構うな』

平気でこんなこと言っちゃってる世界だったりします。{/netabare}

エロ・グロ注意表現がテロップで流れますので推して知るべし。主役のおっさんを津田健次郎さんが演じられてるわけですが、朝ドラでツダケンを知って「あら、アニメもやられてるのね?」とうっかり迷い込んだ奥さまが卒倒するグロレベルではあると思います。
声優さんに触れておくともちろん名の知れた方もいるわけですが、そんなこと以上に、セリフの多い主要どころに無名な声優さんがけっこう配置されてるのが特筆すべき点でしょうか。“代表作無し:主役級無し”な声優さんがわんさかいます。それがいいです。人知れず生まれ人知れず死んでいく儚さをキャストから感じたのは私だけでしょうか。

そして理不尽な理由で生命を落とすなんてことはザラな物語です。それを具現する尸良(CV奈良徹)みたいなキャラもおりますが、その点でなによりウケたのはOP曲by清春ですかね。傍若無人なエピソードに事欠かないアーティストさん。その頃SNSがあったら日々炎上しまくってただろう方のお声を冒頭に聴けるのは幸せでした。あれ!?よくわかんないですか!?僕だけに響いてる感じでしょうか。 くすんだ色調のアニメの中で鮮やかにここだけ色づいてましたね。
なおEDはものすごく好きです。毎度変わるというのも良いのですが、作品世界を見事に表現してるといっていいでしょう。贔屓の引き倒しみたいになってきた(・_・;)


少しだけ具体的なところも。
ヒロインは浅野凜(CV佐倉綾音)。町道場の師範の娘だった彼女は目の前で父を惨殺され、母を凌辱された末に行方不明という憂き目にあう。犯人は勢力拡大中の一門“逸刀流(いっとうりゅう)”で面も割れてるところでヒロインが仇討ちを誓いスタート。道中「用心棒が必要じゃろうて」との婆(八百比丘尼)の助言から、万次(CV津田健次郎)と接触し助けを乞うみたいな導入です。そこに万次の不老不死という設定が絡んでくるわけです。
だいたいこういうのも暗黙の境界線みたいなのがあって、

【仇討ちもの】
 並:仕留めたぞ!ヒャッハー
 上:憎しみを超えたなにか
 下:{netabare}憎しみを超えたなにかに挑戦した似非ヒューマニズム{/netabare}

【不老不死もの】
 並:ゲットしてハッピー
 上:そう良いことばかりではない。むしろ…
 下: …

シンプルに夢見てウヒャウヒャする“並”は場合によっては清々しさが際立つ良作だったりします。そんな物事は単純じゃないのよってのを巧みに見せてくれると“上”。さらに「そうきたか!」と驚きのようなものがあると“特上”になるんだと思います。“下”は書くつもりありませんでしたが、“上”に挑戦したもののツメが甘くてうすら寒い作品の山が横たわってる現状を憂い一応書いときました。本作でもヒロインが正義感溢れる一本気気質だったので一歩間違ったらドン引きする展開が待ってたと思いますよ。でもまあそうはなりませんでした。ちなみに不老不死ものはあまりハズレを引いたことがない気がするので“下”相当は該当なしとしてます。

 ・死ねないことの苦しみ哀しみ
 ・寿命差で生じる死に別れの悲哀

あたりがお約束でしょうか。本作は“上”を狙って“上”を獲得した作品だったといえます。雰囲気や見た目もしっかりと世界観に合わせながら、変化していく仇討ちの意義を見つけようと凛が迷い悩み答えを出していく過程は納得感を得られます。不死である万次の諦観みたいなものには“もののあはれ”すら感じた私です。
難点は少しばかり雰囲気勝負だったところ。けっこうな登場人物数を回しきれたかも微妙なところ。おそらく詰め込んだ部分もあるのだろうと思われます。それでも破綻したとはならないのは、物語のエッセンスをきちんと抽出し省略せずに我々に提示してたからだと思います。しっかりと堪能しました。



※ネタバレ所感

■万次さんのここが良い

強くないところです。万次さんいつも殺されてるのに自信満々なんですよね。それが強がりだとわかってくると深みとコクが増してきます。

{netabare}どこだったかで「こんな(身体)になる前に100人斬ってんだぞ」と言ってたような。不死身の肉体なんて妖(あやかし)ないし化け物扱いです。だから無敵なんだよという目を向けられたのに反して出た万次の一言。人間の頃から強かったんだぞ!と叫んだわけです。
正しくは不死身ではなく死ぬこともある万次さんの肉体に本人はとうに嫌気がさしている。でもどうしようもない。自嘲気味ながら自分の体を呪う手前みたいなスタンスで己に向き合ってたかと思います。そんな諦観めいたある種の達観した境地までいったおっさんのように見えて実はそうでなくて「人間の頃の良かった自分」への憧憬めいた感覚が残っているところが面白い。{/netabare}

{netabare}剣術も最強ではない。おそらく“町(村)レベルで強い!”くらいなもんだったんでしょう。
手練れがわんさか登場する時代劇です。熟練の剣客同士の手に汗握る熱戦を主人公を主語にして展開されればわかりやすかったのかもしれません。
同時に流れるような達人の剣技を作画で魅せてくれれば拍手喝采だったでしょう。

だがそうではありません。最初私はそこが不満でした。気持ちよくない。
しかしながら、そこらへんにいる腕自慢のおっさんがひょんなことから不死を得てしまった悲哀を表わすにはベストな選択だったような気がします。最強剣士が不死になる設定なら不老不死の意義や意味なり目的がわりとはっきり見えやすいとなるはずのところをそうではなくしてるわけです。
死んだと油断させといて不意打ちするみたいなとこあるので、バトルとして見たら消化不良もいいとこですがこれはこれで良し。流麗な剣技は他の人に任せてるところあるのでそっちで満たしましょう。{/netabare}


■日本の風景

欧州を舞台にした作品だと100年前200年前と遡っても街の景色がそう変わらないことは多々あります。橋だったり教会だったり平気で築400年とかあって、この前観たルネサンス期を描いた作品では舞台のフィレンツェの観光名所ともなってる有名な橋がそのまま描かれてたりもしました。

 石造と木造の違い

日本とヨーロッパの違いです。日本は戦争で主要都市が焼け野原になったこともあり、文明開化や大正浪漫はたまた戦時を描いた作品での街の風景は今と異なり当時の建造物はほぼ残ってません。またそのことを特に違和感なく当たり前のことと受け止めてきました。

 切り取った時間軸で風景は変わる

{netabare}それが何話だったかの“白川郷”。江戸を抜けて金沢へ向かう道中ということで道程も合致する。作品で描かれた白川郷がそれこそ観光で訪れた景色そのまんまでいたく感動しました。なにせ時代劇において今現在見てる景色そのまんまという経験がなかったもので。歴史の縦の糸が繋がったかのような稀有な体験でした。{/netabare}


■いっとうりゅう

最終話でサラッと…

{netabare}時が流れてましたね。

「土佐で魚釣ってたらアメリカ船に連れてかれ」
「萩で牢に入れられ」
「京都で久々にいっとうりゅうの名を聞く」

ってそのまんま竜馬さんじゃないですか(笑) 投獄されたかは知らんけど萩行ってますしね。吉田松陰に会ったり新撰組連中と親交があったことを伺わせる最終回です。なんか歴史の影に万次あり!みたいな。これ個人的には微妙でした。歴史の本流にはかすりもしないところで徒花のように生きた人達の物語だと思ってたところがあったのでなんとなく腑に落ちなかったです。
※注)ジョン万次郎説もあるとのご指摘あり{/netabare}



万次と凛の仲の描き方もあれで良かった。
ごちゃごちゃ言わんでも目と目で通じ合うくらいの信頼関係はできてたんだと思います。実写版でキムタクを起用したのはそういうメタファーなんですよ(嘘)。



視聴時期:2020年4月~9月 リアタイ

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2020.09.16 初稿
2020.10.30 修正
2021.06.11 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 40
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

忘れ雪ほどろに

ライデンフィルム制作。

己の大義を掲げ全国に覇を轟かす、
影久率いる剣客集団逸刀流の精鋭たち。
彼らに両親を殺害された少女凜は、
不死の肉体を持つ万次に用心棒を依頼する。
復讐を誓う少女と男の旅路を描く時代活劇。

歴史の表には記されない壮絶な記録だ。
剣客たちの息吹までこちらに伝わる。
私の知る沙村広明はここにあって、
彼のサディスティックな画集は、
常軌の際で書かれたものに違いないだろう。

それぞれが悲しい宿命を背負い、
人の業と血脈に縛られ死闘に明け暮れる。
無念への慟哭が刃を研ぎ澄ませる。
華やかな江戸の文化の影で、
こういった怨恨の世界があったに違いない。

素晴らしいのは長期連載に関わらず、
剣客の力量が僅差であることだ。
ゆえに剣技を極めたもの同士の死闘に、
勝敗の行方が分からず緊迫感が生まれる。

{netabare}罪を償うと決めた万次の決心、
すべてを見届ける凜の胸中、
滅びゆく逸刀流と剣の高みを目指した影久、
そして槇絵と百琳、凶戴人、
そうだ、純粋なものから滅びていくのだ。
泣けてくるよ。{/netabare}

時代に取り残されたものたちの宴は、
ほんのわずかでも何かを変えたのだろうか。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 40
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

滅びゆくものたち

アニメーション制作:ライデンフィルム、
監督:浜崎博嗣、シリーズ構成:深見真
キャラクターデザイン:小木曽伸吾
音楽:石橋英子、原作:沙村広明

単行本が発売されて間もない頃から
20年ほど追いかけてきた。
初めて読んだときは、常識を覆す
大胆なストーリー、仇討ちと剣術に対する
哲学的思考、そして筆を用いたことによる
血なまぐささを感じさせるような
独特なタッチの絵柄に夢中になった。

『波よ聞いてくれ』を観た人なら分かると思うが、
沙村広明の作品は、キャラクターの魅力が秀でている。
主人公の万次はもちろん、天津影久や黒衣鯖人、
凶戴斗、乙橘槇絵、川上新夜、百琳など、
序盤に登場する面子と出会うだけでも気持ちが高ぶる。
カッコ良いし、奥深さを湛えているのだ。
それに加え、尸良や山田浅右衛門吉寛のような
狂気の人物が、読者を心の底から嫌な気持ちにさせる。
それも、また作者の特徴のひとつだ。

作品でいちばん惹かれたのは仇討ちに対して
主人公の浅野凜が何度もその正しさと
どうしようもない恨みの感情によって苦悩するところだった。
映画ファンだった私にとって、
仇討ちは西部劇やカンフーものの影響で常識的な思考。
ところが凜は、その正しさについてずっと自問自答する。
仇討ちを目指すのが万次ではなく、
女性である凛であるからこそ行き着いた
とてもよく分かるストーリー展開だった。
それが明確に表れているのが6幕の川上新夜の話。
敵討ちの連鎖を断ち切るために凜が苦悩するさまは
とても心に残り、普通にはない時代劇を感じさせてくれた。
この頃の物語の繊細さは、藤沢周平が思い浮かぶ。

凜が仇討ちをしようとする相手は逸刀流のメンバー。
彼らにも大義といえる理屈がある。
個人の想いと武術に対する志。
敵も人間であって、自らの信じる道を歩んでいるのだ。

型にこだわらず、本質にのみにこだわる。
それが逸刀流の美学。
武術の重要性が薄れつつある江戸時代において
真の力を追い求める者たちの究極の考え方。
それは人の命よりも重い。
「強さ」以外の理由で後継ぎになれなかった
父を見てきた影久の無念と恨みが滲み出てくる。

信じた道を突き進む天津影久は逸刀流を結成し、
江戸における道場破りを繰り返し、力を誇示していく。
しかし、それによって恨みが連鎖する。
所詮は烏合の衆である者たちゆえに起こる
下衆の行動と蹂躙によって、
被害を受けた者たちは怒りに燃える。
そのひとりが凜なのだが、
自分の追っている逸刀流の危機を目にするたび、
そして党主の天津影久という男を知っていくたび、
凜の心は揺れ動き、自分のやるべきことに
ためらいを感じるのだった。
また凜と話をすることで天津の心にも変化が生じる。

凜に手を貸すのが不死の運命を背負った万次。
旗本の不正を許せなかったことが原因で
100人斬りとして知られるようになった男は、
1000人の悪党を葬ることで罪滅ぼしを目指す。
その思考はとてもシンプルなものだった。

アニメのストーリー展開としては、
{netabare}1~12幕…凜の仇討ち、天津影久との2度目の出会いまで
13~19幕…万次捕縛&不死虐殺実験&救出まで
20~終幕…逸刀流vs. 吐鉤群の六鬼団と
分けることができる。{/netabare}

単行本のことを思い返して、改めてアニメを観た感想としては、
個人的には1~12幕が断然好きだ。
剣士としての矜持や生き様を感じさせてくれる。
しかし、それ以降はただの殺し合いになっていく。
好みの問題なので、そこが好きな人も多いと思うが、
私としては引き延ばしの感があった。

特にいちばんうんざりしたのが、
途中から作者が尸良に思い入れすぎて、
誰のための物語か、焦点がぶれてしまっていること。
また尸良の凄惨な過去がほとんど語られないため、
ただの殺人鬼が好き放題に暴れまわる
展開になっているのが少し残念。
これをやるのなら、尸良の過去をもっと
深く掘り下げ、しっかりと描かなければならない。
また、それは吐鉤群についても同様で、
幕臣である彼が剣士を排して、
平和を求めていたようには感じられない。
何を考えていたのかは、ほとんど見えてこない。

作画については崩れることもあり、
特に瞳阿の絵は安定していなかった印象。
この作品のなかではあまり重視されていなかった。
また最も重要と思われる斬り合いのシーンに
迫力がなかったのもマイナスポイント。
漫画のほうは、かなりこだわっていた部分なので、
そこも物足りなく思えた。
ただ、物語の構成は30巻分もある原作を
2クールでとても上手くまとめていた。
全体のバランス感覚が素晴らしかった。

ほとんどの侍が死滅した世界。
{netabare}万次だけは、江戸時代が終わっても生き永らえている。
滅びゆくものたちを間近で見ていた万次。{/netabare}
その目に映る世界は美しかっただろうか。
(2020年10月24日初投稿)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36

66.8 4 江戸時代で武士なアニメランキング4位
REVENGER(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (132)
371人が棚に入れました
むかしむかし、私たちとは異なる歴史を辿った長崎で……。 信じていたものに裏切られ、卑劣な罠にかかり、許婚の父を手にかけてしまった雷蔵。 許されない罪を背負い、自らも絶体絶命の危機に陥ったところを、 町の何でも屋「利便事屋」に救われる。 実は、彼らの正体は力なき人たちの復讐を代行する殺し屋、「REVENGER」だった。 秘めたる信仰に生きる、優雅な蒔絵師・幽烟。 町の人たちに慕われる、元海賊の町医者・徹破。 無邪気さと残酷さを併せ持つ、両性具有の少年・鳰。 酒と博打を愛する、その日暮らしの博打打ち・惣二。 半ば拾われる形で、雷蔵は一癖も二癖もある殺し屋たちの仲間になることに。 生まれも育ちも主義も主張もバラバラな5人の間に、命がけの仕事を通じて奇妙な友情が生まれていく。 やがて、長崎で起きた事件の真相を追う中で、彼らは大きな陰謀に巻き込まれていく——。
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

見た目は『必殺シリーズ』の正統なオマージュ作品

本作は、『魔法少女まどか✩マギカ』、『PSYCHO-PASS』などの原作で知られる虚淵玄がストーリー原案・シリーズ構成をした、ニトロプラスと松竹によるオリジナルアニメ。
アニメは、全12話(2023年)。監督は、『終末のイゼッタ』、『怪物事変』などの藤森雅也。制作は、『かくしごと』、『ゆびさきと恋々』などの亜細亜堂。
(2024.4.27投稿)

【あらすじ】
主人公である薩摩藩士・繰馬雷蔵(くりま らいぞう:CV.笠間淳)は、「アヘン戦争」当時の時代背景をモデルとした架空の長崎で、藩命により許婚の父を殺す。しかし、それはアヘン密売の黒幕による嘘の藩名であり、その口封じのために殺されそうになった雷蔵は、碓水幽烟(うすい ゆうえん:CV.梅原裕一郎)をリーダーとする「恨噛み小判」の依頼を受けて復讐を請け負う「利便事屋」(りべんじや)こと「REVENGER」に救われる。
その後、雷蔵は、利便事屋が行う利便事(りべんじ)に協力するうちに彼らの仲間となり、やがて許嫁の父が追っていた事件でもある長崎でのアヘン密売の真相に迫っていくことに…


【見た目は『必殺シリーズ』の正統なオマージュ作品】
本作は、『必殺シリーズ』の配給元である「松竹」が関与していることもあり、池波正太郎の小説を原作とした『必殺仕掛人』に始まる一連の『必殺シリーズ』の正統なオマージュ作品といっていいと思われます。

BS放送などでは現在も放映されているテレビ時代劇シリーズですが、地上波で観ることはほぼなくなっているため補足すると、『必殺シリーズ』とは、金銭を貰って弱者の晴らせぬ恨みを晴らすために裏の仕事を遂行していく者たちを描いた時代劇。主人公たちの多くは、表向きまともな職業についているが、ひとたび依頼を受けると各々の商売道具を使った裏稼業を行う。シリーズ当初は、暗殺よりも依頼人の復讐を代行することが多かったようです(Wikipwdiaの『必殺シリーズ』参照)。

本作も、あくまで金のために殺しを行い、小判に恨みの証である歯型をつけた「恨噛み小判」を貰って、自らは果たすことのできない復讐を代行する「利便事屋」(リベンジャー)の物語となっています。

そのメンバーは、リーダーで秘めたる信仰(背中に彫られた「サンタマリア」)に生きる蒔絵師・幽烟、町の人たちに慕われる元海賊の町医者・徹破( てっぱ:CV.武内駿輔)、無邪気さと残酷さを併せ持つ両性具有の少年・鳰(にえ:CV.金元寿子)、酒と博打を愛するその日暮らしの博打打ち・惣二(そうじ:CV.葉山翔太)。それと後に加わり普段は絵師として生活することになる示現流の達人・雷蔵の5人。


このように本作は、設定などの見た目は『必殺シリーズ』の正統なオマージュといえる作品になっていると思います。ただ、時代劇好きとしては、その中身がどうなんだろう?と思ったので、これから書こうと思います(以下、批判を含むので嫌な人は回避を推奨します。)。


【キャラクター設定と描き方はこれで良かったのか?】
{netabare}本作は全12話で短いということもあってか、各キャラを掘り下げたエピソードがほとんどなく、その見た目と設定からキャラの背景を察するしかないので、キャラクターに厚みが感じられませんでした。


あと、雷蔵の示現流は、舞台が長崎で薩摩と近く、何かとイギリスとは因縁のある薩摩藩、雷蔵のまっすぐな性格の象徴といった面から採用されたのでしょう。だけど、示現流は「二の太刀要らず」といわれ、達人であればあるほど勝負が一撃で決まり、すぐ終わってしまうので「チャンバラ」に向いてない。
例えば、戦闘が長引いた時点で他の流派だと五分ということになるのですが、示現流は時間がかかるほど弱いということになるので、特に遍路の貞(CV. 諏訪部順一)戦では、最終的に無理やり一撃で倒してましたが、その辺の苦労を感じました。

また、徹破の武器が(元海賊なので弓で発射する「銛」なのでしょうけれど)商売道具と関係ないし、幽烟の金箔を顔面に貼って窒息死させる暗殺術も、商売道具とは関係ありますが、かっこよさとか説得力の面でどうなんでしょう(自分で口のところ破くだろ!というツッコミは、必殺シリーズの「お約束」として、してはいけないのかな…)。

というわけで時代劇好きとしては、少し違和感のあるキャラ設定でした。

ただ、利便事屋のメンバーに明確な女性キャラがおらず、恋愛要素もなく、両性具有とか男色とか、キャラクターのビジュアルがリアル寄りなことなどを考えると(ポリコレに配慮?)、もしかすると本作は海外視聴者をメインに想定して作られていて、時代劇の設定に拘りが少ないと思われる海外だとクールなのかも!?とは思いましたが…{/netabare}


【『必殺シリーズ』の魅力を継承しているといえるのか?】
{netabare}『必殺シリーズ』の魅力は、権力や暴力によって言うに言われぬ庶民の恨みを「仕置人・仕事人」たちが代わりに解消してくれるという爽快感。そして、陰ながら悪を討ち果たし正義を執行してはいるものの、あくまで「金」のために殺人を行っており、普段は普通の人を装って生活していて、そのことを威張っていない「ダークヒーロー的なところ」だと思うわけです。

私が本作の「見た目」は『必殺シリース』の正統オマージュと書いた1番の理由は、こういった魅力をきちんと継承しているのかといわれると、ちょっと疑問だと思ったからです。


まず、話の発端になる恨みを抱く被害者が、特権階級である武家(比良田)、武家の娘(唯)、遊女、男娼(市之丞)、清の役人(劉大人)と一般庶民とはいいがたいところがある。
なので、視聴者が感情移入して、利便事屋が我々の普段のうっぷんを代わりに晴らしてくれるという構図が成立しにくいので、爽快感を持ちにくい。
ただ、この辺は、時代劇が現代において廃れた理由と同じで、江戸時代の庶民の感覚が現代人のそれと共有し難くなってきたという面はあるかもしれないので、一般庶民であってもなくてもそこまで変わらないといえるかもしれません。


次に、設定の話とも重なるのですが、キャラが市井の人として描かれているシーンがほとんどないので、暗殺シーンとのギャップ(それがかっこよかった)がない(本作に似た作品としては、『さらい屋 五葉』があるので、その主人公の政之助と本作の雷蔵を比べると私の言ってることがわかりやすいかもしれません。)。


あと、「礼拝堂」の存在は、黒幕の闇の深さや企ての大きさといったミステリアスな雰囲気を醸し出すことには成功していると思うのです。
しかし、その一方で、「礼拝堂」の存在は、同じ虚淵玄原作の『PSYCHO-PASS』の「シビュラシステム」を思い出させるわけですが、利便事屋が命令に盲目的に従っているだけで自らの意志で悪と戦っているのではないという印象を与える(物語の終盤で、この辺の葛藤が描かれてますが、個人的には、もう少し掘り下げて欲しかった。)。
そうすると、利便事屋の正義には「シビュラシステム」と同じように疑問が生じるわけで、「裏で正義を執行する」という意味でのダークヒーロー的な魅力が弱くなってしまっている。


最後に、これまでの指摘(「側だけ継承して中身は変えた」)をわざとやっている可能性もありそうというお話。
どういうことかというと、時代劇自体が衰退傾向にあるので、時代劇を現代人向けに変えたときに、どうすればいいかを考えた結果として、本作のようになったともいえそうということ。
実際、OPやED曲含めて全体的に現代の若者向けに時代劇を変えているとは思いました(ちなみに、海外のアニメのコア視聴者は若年層らしいです)。

ただ、私を含めた視聴者の反応を見る限り、元となる時代劇が持つ本来の魅力も弱くなっているようにも見えて、その試みが必ずしも成功しているとは言えないとも思いました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2
ネタバレ

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

総じておもろかったです。

本家必殺よりも面白かったですわ。

本家に劣るところがあるとすれば、そうっすなぁ、菅井きんさんと白木万理さん的な役どころのキャラがいてなんだことぐらいですかねー。

あとはもう文句なしですわ。

アヘンの密輸を軸にしたストーリーと同業の敵キャラとのバトルもよかったし、
最後主人公が{netabare}刺されて死んじゃう{/netabare}とか太陽にほえろのショーケンとか探偵物語の松田優作とかみたいやないすか。

ま、逆にゆうとボクらくらいの世代の人じゃないと楽しめなかったかもしれないですが。

いずれにしても総じておもろかったです。

こおゆう昔の時代劇のリメイクアニメみたいなのまたやってほしいですわ。
今度は破れ奉行あたりのリメイクとか見たいなぁ(笑)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

巨星、乙

最終話の細かい演出などを見る限りは光るものを感じますが、それでも
物語全般について考えてみると、特に設定面等で{netabare}大いにやらかした感があることは否めません。

長崎と言えば坂本龍馬の亀山社中でありまして、この工作員に資金提供し
駒の如く裏で操っていたのはジャージン・マセソン商会のトーマス・グラバーでありました。

天下のニトロプラスの大巨匠がこの歴史的事実を知らずして長崎が舞台の物語を描くとは
到底考えられませんが、しかしながら物語の結末は啞然騒然の結果となりました。

人身売買などの悪行を重ねたイエズス会の輩に対し豊臣秀吉はバテレン追放令を発布し
この鬼畜どもを血祭りにあげたわけですが、イエズス会の蛮行をまるで知らないようにして
本作で島原のリベンジがどうのこうのとかいうのにはどのような意図があるのでしょうか?

「サンタマリアの御前に悔い改めよ!」とか言いつつ、殺してます!
殺したら悔い改めできませんし、「汝殺すなかれ」の戒律に反します。
「悔い改め」の意味も知らずに言葉だけパクるのはやめましょう。

ローマカトリック教会にしてみたらすべては自己正当化のためのご都合主義でいいわけですが
彼らのような独特な宗教思想を持ち合わせてない者からしたら歴史的事実を捻じ曲げてまで
「サンタマリア」とかいう謎のオカルト思想植えつけんな!という話でございます。

坂本龍馬を裏で操る武器商人トーマス・グラバー、その背後にいた国際金融資本の陰の実力者
その名は【ロスチャイルド家】であります。

イギリスの【ロスチャイルド家】は維新軍を軍事支援し、仏蘭西のロスチャイルド家は
幕府軍を軍事支援することにより、相競わせ戦争ビジネスで儲けるというというのが
彼ら得意の手法でありますが、{/netabare}その話についてはまた別の機会に譲ることと致します。


現状での最大懸念事項を挙げると以下のようになります。

{netabare}①例のライフルの入手経路が未だ明かされていない。
②アングリアの武器商人と思しきものが未だ出てこない。
③大聖堂とイエズス会の関係性が未だ示されていない。

「アヘン戦争」まで匂わせておいて諸悪の根源たる【英国東インド会社】を描かないとしたら
かなり残念なフィクションに終わるような気がいたします。

元「海賊」の医者にしても「海賊」を深堀りする気ないなら、{/netabare}かなり残念で中途半端な
設定であるということになるでしょう。

●スナイパーライフルの出所

どっちに転ぶかはまだわかりませんが、{netabare}【英国東インド会社】とあのライフルを
どこで手に入れたかについて描かれるか否かで、本作が真の歴史をなぞっているのか
それともただのフィクションであるのかが決まるように思います。

史実によれば坂本龍馬を背後から支援し、コマのように操っていたのは
「アングリアの武器商人」ということになります。

アヘンや【イエズス会】、そしてアングリアという国名まで出しておいて肝心の武器商人の存在を
描かないとしたらかなり期待外れということになりますが、とりあえず今は
「長崎商人」の{/netabare}背後関係に注目したいところであります。


●「マリ」ちゃんは女の子

長崎に暗躍する「唐人街」の正体とはチャイニーズマフィアのように {netabare} 見えて実は
清国のアヘン取締りを指揮する大臣「林則徐」の密命を受けて動く諜報員
であったようであります。

ということは、アヘン取り締りの諜報員の暗殺を指令する「礼拝堂」とは
アングリア側のエージェントということになり、利便事屋とは外国商人などの犬である
ということで、坂本龍馬や長州薩摩藩の話と見事繋がるわけであります。

礼拝堂には「2本の柱」がありますが、これは「2柱の神」を表しており
その真ん中には「聖母マリア」の像が置かれています。
そして司祭様は「デウス」というラテン語を使っています。

これらのものすべてキリスト教とはほぼ関係が無いものなのですが、
「ローマカトリック教会」ではなぜか重宝される小道具だったりします。

「聖母マリア」と言っても「イエス・キリスト」を生んだだけでありまして
何か奇跡を起こしたとか言うエピソードがあるわけではありません。

「ローマカトリック教会」が「聖母マリア」を神として崇めるのには
ローマ帝国の宗教的都合による曲解が背景にあり、よりまともなキリスト教徒
であるところの「プロテスタント」にしてみたら理解不能なある種のオカルト宗教にしか
見えなかったりもします。

あまりに出鱈目な「ローマカトリック教会」の理屈だと【偶像礼拝】もアヘンの密輸も
人身売買も人殺しもすべてが正当化されるという世にも奇妙な宗教観でありまして
こんな組織がキリスト教を自称しているのは無理があり過ぎるため、プロテスタンが
ぶち切れたというのが宗教戦争のいきさつだったりします。{/netabare}

●率直に気持ち悪いので下方修正…
「リコリコ」の二人の父親や「黄金郷」のヴエコ
「不滅のあなたへ」のカハクなど{netabare}同性愛ゴリゴリの例を挙げたらきりがありませんが
それにしても今回の露骨な表現は惨過ぎでありました。

同性愛の糞坊主と言えば密教の「空海」が有名でありますが、密教においてのは性的な秘儀も
修行の内ということになりますので、場合によっては無神論者の中国共産党にとっては
少なくともその弾圧衝動を正統化する口実にはなり得るのかもしれないと思う次第であります。

キリスト教を「自称する」「ローマカトリック教会」においても同性愛的な不祥事事案が
社会問題化しておりまして、身分がお高い方々による修道士に対する性的暴行事案が
それこそ数えきれないくらいに発生しており、「モーゼの十戒」はどうしたのか?と
問い詰めたいところでありますが、そもそもローマカトリック教会とは最初からキリスト教を
真面目にやる気がなかった似非宗教団体であり、「統一教会」と本質的には何も変わらない
ペテン師集団であるというのが実態であります。

イエズス会がアングリア東インド会社と結託してドラッグを捌いていたのは概ね史実で
ありますが、唐人街=チャイニーズマフィアがドラッグの商いに絡んでいたというのは
坂本龍馬が暗躍する幕末の時代のことではなく、日本が満州国建設した以降の
シナ大陸における事案でございます。

昭和の妖怪と評される元総理大臣の祖父などが絡む「満州人脈」による
ドラッグ商いの話がもしかしたら本作で再現される可能性もないとも言い切れませんが
幕末の長崎におけるチャイニーズマフィアの暗躍は{/netabare}ただのフィクション
ということになるようであります。

●突っ込みどころ
①「サンタマリア」の刺青
②「汝、殺すなかれ」の戒律違反
③「神」とは言わず「デウス」と敢えて【ラテン語】で表現する
④「両性具有」の化け物?
⑤元「海賊」の医者・・・


●隠密同心を統べる者?

謎のフィクサー{netabare} 「漁澤様」が登場しますが、作中では色々と難しい用語が飛び交い
視聴者の理解が追い付いていないような印象を受けます。

いつものラスボス級声優が示す通り「漁澤様」は奉行所の重鎮であり
諜報活動の任務を与えられた与力(与騎)という身分のようであります。

清国でアヘンが蔓延した背景には、英国東インド会社の属する商人たちから役人が賄賂を
受け取り取締りの手を緩めていたようなことがあったのかもしれません。

日本ではアヘンの被害はそれほど深刻ではなかったようですが、証人とつるむ役人が
いるとしたらこれに対処するのが与騎という立場にある者の使命でありますから
利便事屋にその処理を押し付けたということなのでありましょう。

そろそろアヘンの密輸でぼろ儲けした某会社が登場する頃合でしょうか?

●「両性具有」の美少年
彼が身に着けている「かんざし」には【✡】が3つ左右に付いています。
【六芒星】は【6】でありますから「3×6」=【18】=【666】
「18×2」=36 

【666】や「36」(「369」)を「ミロク」と表現したりしますが
「ミロク」と言えば【弥勒菩薩】であります。

【弥勒菩薩】とは【サンタマリア】と同じ存在であると個人的には考えていますが
【サンタマリア】なら【女神】でありますから【8】(=8芒星)を表示すべきところを
【666】にしたのは、弥勒菩薩との {/netabare}関係性を暗示する意図が
あったからであると推測いたします。


一見して「必殺コロ助人」のようにも思えますが、あの虚淵氏が一枚噛んでいる作品だとすると
某作品のオマージュではなく別のところに意図があるように思います。

このようにある種の「フェイク」をかましてくるのが某巨匠の食えないところでありますが
やはり作風はシリアスで暗め、そして結末もあれ、な感じでございます。

「コロ助シーン」などの鮮血も生々しく、この辺も人を選ぶ作風であるといえますが
今期の中では、かなり完成度が高いものになるような気がいたします。

いきなり初回から{netabare}【阿片の密売】案件をしかもそれに薩摩藩が噛んでいたとか言うのは
むしろ史実の暴露でしかなく、しかも【サンタマリア】の刺青とか、【イエズス会】であります・・・

【英国東インド会社】による【阿片の密売】で莫大な富を得た勢力の側についていたのは
【サンタマリア】が示す某組織でありますが、そんな話題をいかに暗示的でも初回から
物故んでくる{/netabare}この巨匠は、ある意味厄介な性格の持ち主と言えるのかもしれません・・・

「謎の商人」の「背中」、つまり{netabare}「背後」には【サンタマリア】の刻印が示す「闇の組織」が
いたという暗示でありまして、例えば「坂本龍馬」という名の工作員が用済みになった後
綺麗さっぱりコロ助されたのも、背後に大いなる {/netabare}存在がいたということを
示唆しているものと推測いたします。

実は「利便事屋」とは「仕事人」ではなく{netabare}「海援隊」{/netabare}を暗示しているのであります。
すべてが繋がる「裏歴史」の暴露でございます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

58.0 5 江戸時代で武士なアニメランキング5位
ブッチギレ!(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★☆☆ 2.8 (59)
147人が棚に入れました
侍が日本を支配していた時代…… 新選組は何者かの手により一人を残して全滅してしまう ―― 新選組の替え玉として選ばれたのは7人の罪人 京都の治安を守るため 極秘の替え玉作戦が実行される 咎人よ、誠を背負え――

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

なかなかぶっ飛んだ幕末もので面白そうでもありますが…好きではないかも

新選組が全滅したのを、死刑囚を代役に復活させると、なかなかインパクトのある開始です。
武井宏之原画も良い感じで一応面白そうとは思いました。

ただ、すごく面白そうかと言えばそこまででもないですね。
主人公がガラが悪くてあまり好きなタイプでもない。
いちいちうるさいです。

そのせいですかね。どうにもハマりきれない感じは。
面白さはあるので見たい気持ちもありますが…
正直ちょっと面倒な気もします。本数次第ですね。

途中感想
やはり本数が多く断念しました

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

替え玉の理由と最終回に???全体的には面白いんでしょうね。

 替え玉の設定必要だった?新選組の歴史改変ものって普通にある気がするんですけど。たしか、沖田総司が女性だった設定ってつかこうへいの「幕末純情伝」でしたっけ?

 途中で見なくなって寝かせておいて、最終回が面白そうだったらみようかなとおもって、見たら{netabare}安倍晴明??? {/netabare}ウーン、としか言いようがありません。

 数話ポチポチと見た感じだと、キャラデザとかエピソードの内容とか作画・画面作りとか悪くないんですけどね。ただ、新選組のバックボーンとして違うキャラ付けをして、何の意味があるんだろう?という感覚に支配されてしまいました。

 裏新選組とか、違う組織にしたほうがまだ感情的に乗れたかもしれません。妖刀とかいろいろありますけど…うーん替え玉設定を全然シナリオにいかせてないですよね?いや、エンタメとしては面白いかもしれませんが、新選組があまりにメジャーすぎです。

 22年秋は沢山作品がある中、アマプラだったので実は5話くらいになって「あれ、見てなかった」と気が付いた作品で見るのが面倒になったという不幸がありました。ちょっと時間をおいて新選組の替え玉設定を忘れてみたら面白いかもしれません。

 一応最終回とか飛ばし飛ばし確認してますが、ステータスは「途中で断念」でしょうね。じっくり見たら面白いかもしれませんが、あらためて再視聴しようと思って数話で気力が切れたので一旦断念で。





以下 初回視聴時の1話目のレビューです。

 藤堂平助が新選組の立て直しというとちょっと違和感がありますが、まあ、個々のキャラは設定なのでしょう。日本国という意味での国という概念も当時は坂本龍馬くらいしか持たないという事だったので、仮面の侍たちが国のため、と言っている点には興味があります。

 山南をさんなんと呼んでいるのが珍しいですが、実際、やまなみなのかさんなんなのかはっきりしないみたいですね。沖田=美少女の流れは正統派です。個人的には斉藤一が好きなので、沖田のライバルでそのうち美少女で登場してくれると嬉しいです。

 チャレンジングなアニメは嫌いではないし、サムライチャンプルーみたいなヒップホップ時代劇というハチャメチャな成功例があるカテゴリーなので、違和感は楽しめばいいのでしょう。

 本作は最低3話、できれば最後まで追って、国という概念をどう拾うかの深掘り具合で判断したいです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

無難なアニオリ作品

{netabare}
新撰組の替え玉の武士たちが鬼相手に暴れる話。
これと言っていいところもなく、かといって悪くはない何とも言えない作品。

史実に沿いつつストーリーを展開していく形式の歴史モノは結構好きだけど、これは結局新撰組云々よりも、ただただ雑面の鬼という架空の存在と戦う普通のファンタジー物になってしまって、新撰組の替え玉と言う個性的な設定があまり活きていなかった感。
敵を架空の存在にするのではなく、史実通り敵を長州藩薩摩藩にしてファンタジーバトルものにした方が面白かったんじゃないかなと思う。
これだと劣化鬼滅の刃にしかなってない感。

それに、雑面の鬼たち、あんな特殊能力を持ち合わせてるなら攘夷路線も現実的に見えるし、あそこまで悪役のように描かれていたのも少し違和感があった。
桂小五郎とか、出したはいいものの結局名前を出しただけでキャラとしてあまり扱えておらず、よくわからないまま仲間になって、何がしたいのかも分からず終わっていったし。普通に仲間になるならアキラとの関係性にも面白みがない。
キャラも一番星とアキラとサクヤ以外はあまり印象に残らず。
前半の方は全員満遍なく活躍していて良かったけど、後半になるとツキトと一番星の関係性ばかり重視されて他のキャラの出番が一気に減った。

良かった点。
こういう複数人で何かミッションをこなすジャンル(こういうジャンルなんて言うんだろう)は結構好きなので何も考えずに見たらそれなりには楽しめた。
戦闘もそれなりには凝っていて面白かった。
少なかったとはいえ所々、史実に絡んだ話もあったのは良かったと思います。
ツキトと一番星の対立に関しても長い話数にわたって丁寧にやっていて最後は上手くまとまっていたかなと。殺してほしくはなかったけど...。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
新撰組か。 朝倉っぽいキャラいるな。水落は生存フラグ。上弦の鬼?
てか主人公側にこんなクソジジイが。このじじい絶対好きになれんわ。
金髪から刀受け取ったら仮面暴徒化するのね。分かりやすい。そんな簡単に戦えんのかよ。実写並みの作画。ボカロ臭いED
親殺された回想あっさりしすぎなのと、1話から早速何も無く剣扱えるのも王道としては物足りないかな。
お面と初めてであった時の反応も親の仇ということが感じられない。

2話 ☆7
佐久間象山w 本名そのままか。有能SP キャラデザが寒いわ。
これファンタジーものと思ってたけど、幕末ものがしたいのか?
時代劇として結構いいな。

3話 ☆7
簡単とはw 写真が残ってる人物の話となると最近感があるな。
似てねえ。ハゲ。トモダチゲームでみた。わざと誘き寄せたのか。
てなると桂は替え玉? 桂小五郎死ぬの? さすがにね。

4話 ☆6
新撰組こそ奇襲してんだろw 矛盾してね?
拷問ぐらいこの時代なら普通だろ。変に美化せんで欲しいわ。
鬼滅狙いかやっぱ? そういや鬼がどうこうの設定あったな。
お前らも利用したよな? あんまり面白くはないな。やっぱ兄かよ。

5話 ☆6
鬼滅かな? 誰やこいつ。この頃まだ隠れキリシタン滅んでなかったんか。
結構やばいことやってて草。幽霊さん。
仲良くなってるじゃんこいつら。今更だがEDクソダサいな。

6話 ☆5
このじじいとデブ寒いからいらんわ。
やなんでこいつら置いておいてどこかに行く? ガバガバかよ。
1話じゃさすがにこいつに感情移入できんわ。草。
せっかく新撰組の替え玉という面白い設定があるんだからそれにもっと重きを置いて欲しいな。

7話 ☆6
銀髪の子やっぱ可愛いな。じじいとデブ結構影薄いな。
お母さんかよ。痛そう。ペラペラ喋る。池田屋事件

8話 ☆6
死にません言ってるわりに助かる率低くて草。
池田屋突入もっとちゃんとやれ。火薬しょぼいぞ。
こいつら禁断の恋してるんかよw そして部下を見捨てるw
作画回かな? 唐突に庇うの草 そんな流れなかったじゃん、見せ方下手だわ。雑だわ。兄は何がしたかったんだ。

9話 ☆7
褒められてよかったと言っても火事止められてないよね。
桂と完全に馴れ合ってるの面白くないなあ。
この時代ならそれが普通だよな。まあ殺そうとしてたなら仕方ない。
誰やねんこいつ。そういやおったな。こ
の立ち位置を坂本龍馬ではなく佐久間にしてるのは評価する。草。

10話 ☆8
いきなり歴史物っぽくなったな。発音酷すぎて共感性羞恥あるわ。
you are demonww アメリカ船襲ったって事実どうもみ消す?
いや速すぎんだろ。下関戦争かな?
長州雑面双方に策略あって面白いね。兄弟の話も面白くなった感はある。
けど他国に対応する為と言うなら雑面も別に悪くないのでは?

11話 ☆6
この力あるなら欧米と渡り合えるだろうし攘夷もありやろw
特に何も無く仲間になってしまう桂さん。ツキトなんかギャグみたいで草。
蔵面達が完全な悪役のように描かれてるのが少し違和感ある。

12話 ☆7
この骨なんか草。蛤御門の変? 謎に死ぬ金髪。
将来的にこいつら敵対するだろ。

OP「1番光れ! -ブッチギレ-」☆7
ED「断罪デモクラシー」☆4.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7
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