2024年度の母親おすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度の母親成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の2024年度の母親おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.0 1 2024年度の母親アニメランキング1位
【推しの子】第2期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (241)
824人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

漫画のメディアミックスの光と闇

『かぐや様は告らせたい』などの赤坂アカ(原作)、『クズの本懐』などの横槍メンゴ(作画)による原作漫画は、『週刊ヤングジャンプ』と『少年ジャンプ+』(集英社)で連載中(既刊15巻、原作既読)。
アニメ2期は、全13話(2024年)。監督と制作会社に1期からの変更なし。監督は、『私に天使が舞い降りた!』、『恋する小惑星』などの平牧大輔。制作は、『イエスタデイをうたって』、『NEW GAME!』などの動画工房。
※3期の制作が決定。および、原作漫画が単行本16巻で終了することが発表。
(2024.7.1投稿 10.12「全体の感想」を追加)

【あらすじ】
自らの作品に強いこだわりを持つコミュ障漫画家・鮫島アビ子(CV.佐倉綾音)は、自ら描いた漫画「東京ブレイド」が「2.5次元舞台」としてメディアミックスされるほど大人気であった。
しかし、あがってきた舞台の台本を見たアビ子は、その内容に納得できず脚本家を「この人、ちょっと創作者としてのセンスが…」と全否定。2期は、こうした漫画のメディアミックスの光と闇を中心に描かれていくことに…

なお、今回も1期の「恋愛リアリティショー」と同様に、本作の内容と類似していて、なおかつより悲惨な事件が直近にリアルでも生じていました。
もっとも、本作は、そういう問題がなぜ生じてしまったのかを、漫画家からの視点だけではなく関係者の様々な言い分を代弁するような形で解説するような内容にもなっていると思います。


【漫画のメディアミックスの光と闇】
2期の冒頭は、作中で人気漫画とされる『東京ブレイド』の「2.5次元舞台」で実際に行われているという演出のキャスト紹介から始まります。いきなりド派手な演出です。

当然、このシーンは原作漫画にありません。なぜなら、漫画とアニメは、同じ二次元ではあっても、無音声で静止画(漫画)と有音声で動画(アニメ)とで表現形態が異なるからです。

仮に漫画原作者が、このシーンの細かいイメージを持っていたとしても、漫画では表現できません。そこをアニメ制作者が原作者の意図を忖度して必要な動き・音などの情報量を付け足し、そのイメージをどこまで再現できるのかが腕の見せどころだったりします。

もっとも、漫画とアニメは、表現形態が違うのですから、漫画のシーンをアニメでもできるだけ同じように再現することだけが必ずしも「効果的な表現」とはいえない場合もあります(例えば、動画の強みを生かすため、バトルシーンを加えたり長くしたりするなど)。そうすると、同じシーンでも原作者と監督との間で表現者として異なる解釈の余地も生じてきます。

加えて、アニメの場合は、時間的な尺の問題もあるので、原作漫画の内容をカットする必要も出てくる。そして、カットした内容と辻褄を合わせるため、原作の内容自体にも修正が加えられることに…


本作の内容は、漫画を2.5次元舞台化する際の舞台裏を赤裸々に描いているわけですが、面白いことに『【推しの子】』という漫画をアニメ化する際にも同じ現象が起こっているという「二重構造」になっています。

というわけで、特に原作ファンにとっては、アニメが原作漫画をしっかりアニメ化出来ているかどうかも見所の一つかもしれませんね(笑)


【音楽】
オープニングは、『呪術廻戦2期-懐玉・玉折』オープニング「青のすみか」などのキタニタツヤと元SexyZone現timeleszの中島健人のユニットGEMNが歌う「ファタール」
エンディングは、『呪術廻戦2期-渋谷事変』エンディング「more than words」などの羊文学が歌う「Burning」

オープニングの「ファタール」は、フランス語で致命的、運命的という意味。特にオープニングは、歌詞が本作の内容とリンクしてます。


【全体の感想(※2024.10.12追加)】
{netabare}私は原作漫画のファンですが、2期は原作漫画をしっかりアニメ化出来ていたと思います。なんなら原作以上のクオリティであったとすら思います。
もっとも、そう思う一番の理由は、舞台という題材自体が漫画よりアニメ向きだったということに尽きると思います。

例えば、漫画で「役者の感情表現に依存した演技」と書いたところで、その部分の表現について、声と動き、なんなら音楽まで情報が加えられるアニメの表現に情報の少ない漫画が敵うとは思えない。ただ、アニメ制作者が補ったそれらの情報が適切であることが前提にはなりますが…

でも、本作のアニメ制作陣は、こちらの想定をはるかに超える情報を補っていたので、リアルで『東京ブレイド』の舞台を作るつもりで取り組んでいたんじゃないかと思うほどのクオリティでした。本当にそこはすごいと思いました。
(※ちなみに、本当にリアルで『東京ブレイド』が年末に舞台化されるそうです)。


あと、2期は、アイを殺害した犯人を追うミステリー部分がかなり後退してしまった内容だったのですが、漫画家自身が漫画のメディアミックスの問題を漫画化したことに意味があると思ってます。

実際はアニメよりもっとひどいのかもしれないし、そうじゃないのかもしれませんが、メディアミックスに関わる様々な人たちのリアルな一面が見れたことが、アニメのレビューを書く私にとっても参考になる部分がありました。

小説や漫画をアニメ化する際、多くの関係者が初めから駄作を作るつもりなんかなくても、本作の伝言ゲームのようなディスコミュニケーションが生じることで、いわゆる「クソアニメ」ができてしまう。

原作自体は、アニメ化されるくらいなんで、多くの人から支持される面白さがあったはずなんですけどね…


さて、2期は単行本8巻までのアニメ化でした。実は、原作漫画が16巻で終わることと3期の制作決定が発表されたので、3期は今まで通りのペースだと2クールで一気に最後までできることになります。

個人的には、結末がどうなるかにもよりますが、最後まで一気にやった方がよさそうだとは思っていますがどうなるでしょうか。
ちなみに、私は漫画とアニメで結末を変えるのもアリだと思ってます。{/netabare}


【14話の感想】
{netabare}まあ、売れた作家に文句言える人って貴重ですよね。
そんなに文句言うなら、あなたが書けばいい、どうせあなたの感性で書いても売れやしないって言われるわけですから…。

いいシーンでした。{/netabare}

【15話の感想】
{netabare}前半は、「原作者VS脚本家」
お互いがリスペクトを持てば分かりあえるかもという1つの理想像。まあ、話し合ってもお互いに譲歩する気がなきゃまとまるものもまとまらないので、確かに博打です。

後半は、「幼馴染VS今カノ」
他人の境遇を想像して泣くことができるやつに悪いやつはいねえ!
私は、有馬かなより黒川あかね派!だけど、アクアの楽しい思い出のほとんどは、「かな」とのものばかり(笑){/netabare}

【16話の感想】
{netabare}目の星が黒くなったり白くなったりする演出が、1期と比べてパワーアップ。ダークサイドに落ちると次第に白から黒になっていって、感情表現の一つみたいになってますね。

あと、東京ブレイドの公開初日。吐息が白くなる描写がすごい。

2期は、物語上、特にアイの影が薄いのですが、オープニングにも出てくるし、アクアのトラウマとして、ちょいちょい存在感を発揮。【推しの子】は、やっぱりアイの物語でもあるなあと。

そして、「幼馴染VS今カノ」ラウンド2「開幕」です。{/netabare}

【17話の感想】
{netabare}劇中劇である「東京ブレイド」が開幕しちゃいました。

舞台は、無音声静止画の漫画より有音声動画のアニメの方が表現しやすいと思うわけですが、その分、補わなければいけない情報が増えるので、原作漫画をどうアニメ化するのかを個人的に注目していました。

そんな中、上で書いたように「漫画では表現できないアニメならではの表現満載」で、アニメの良さが出ていたと思います(まあ、「キャラの原作の再現度が高い」っていわれても、そもそも「東京ブレイド」知らねーよとは思いましたが(笑))

あと、今回は黒川あかね役の石見舞菜香さんが推す鳴嶋メルト回。メルト推しが増えそうな内容でしたね(笑)

※劇中劇であるはずの「東京ブレイド」のレビュー動画を発見。コメント欄も秀逸です。上で「東京ブレイド」知らねーよと書いた自分が恥ずかしくなりました。天才っているんですね。
https://youtu.be/jLh1sONIDYY?si=TkaTCkL870QwZDuR
{/netabare}

【18話の感想】
{netabare}個人的には、舞台とあかねの過去の回想シーンとの繋ぎがよかった。
回想シーンって、物語に違う物語が入ってくるので、繋ぎが難しい。そこを冗長にならずに緊張感を保って元の物語に戻っていったように感じました。間の取り方が上手いというか。

あとは、原作漫画では、役者の感情演技に依存した脚本と書かれていただけのところを、実際に声優さんたちが実演していくところが見処に。特に石見さん、普段からはちょっと想像つかないような声で、別人かって思うくらい頑張ってます。{/netabare}

【19話の感想】
{netabare}前回が黒川あかね回で今回が有馬かな回。

対比されて描かれることが多い二人。演技の方向性。幸せな家庭で育ったあかねと不幸な家庭だったかな。
最終的に、アクアをダークサイドから救い出すのはどっちなんでしょうか。

もっとも、かなは、自分の本性を抑えて周囲に合わせるキャラを演じてきたところがアイと似ているといわれています。が、この舞台限定ではあるものの、かなは本来の性格を取り戻しています。アクアもかなによって本性を取り戻すんでしょうかね。

さて、次回からは、舞台の打ち上げが始まって、おそらくアイの敵討ちの話もようやく少し進むはず…{/netabare}

【20話の感想】
{netabare}アイの声優である高橋李依さんが久々の出演。これもアニメならではの表現ですよね。

舞台の表現は、無音声静止画の漫画より有音声動画のアニメ向きだと思うので、アニメ制作は色々と補充する情報が多くて大変だったと思います。
でも、その困難を乗り越えて、これから本当に舞台「東京ブレイド」が作られることになるんじゃないかというくらいのクオリティでした。特に最近の技術と融合した舞台の進化もわかって興味深かったです。きっと漫画原作者陣も喜んでいるはず(笑)

さて、ようやくアイの敵討ちに関するミステリーも進行。原作が佳境を迎えているので、3期があるとして結末まで描き切った方がよさそうというのが個人的な見解ですが、どうなりますか。

【劇中劇「東京ブレイド」舞台化決定!】
20話の感想で「東京ブレイド」舞台化されるのでは?と書いたら、本当に舞台化されるようです。キャストの見た目だけですが、気合入ってますね。
https://www.marv.jp/special/theater_lalalai/{/netabare}

【21話の感想】
{netabare}朝帰りをして、ルビー、有馬かな、黒川あかねから心配されるアクア。愛されてるねぇ。アクアの正妻候補は、一応、この3人(※一人『ヨスガノソラ』がいますが(笑)、ルビー(さりな)のB小町再結成の回想シーンも含めて、これからの展開の前振りになってます)。

アイの敵と思しき人物が既に死んでいるとわかり、復讐という宿命から解放され、アクアの「右目に宿る星」が昇華して消滅するというアニオリ演出。

もっとも、物語は、これからアクアをめぐるラブコメも本格化するのですが、ミステリーの方もこれで終わりというわけではなく…むしろ結末に向けて盛り上がっていくはず…

まあ、まずは原作漫画の結末がどうなるか。そして、『【推しの子】』の場合は、アニオリ結末もありっちゃありだと思ってます。というか、漫画とアニメの結末をあえて変えるくらいはやってきそう。{/netabare}

【22話の感想】
{netabare}前半は有馬かなとのデートで、後半は黒川あかねとのデート。どっちも、そのままお持ち帰りできそうだったんですけどね(笑)

2期は、こんな感じで有馬かなと黒川あかねの対比が多かった。前半は、少女漫画が始まったのかと思いました(笑)後半は、あかねと別れようとしているというのもあるとは思いますが、かなと比べてアクアの態度がちょっとあかねに対して冷たい感じもする。でも、これは、二人の恋人としての関係値があがっているからこそとれる態度ともとれると思うんですよ。

さて、誰がアクアの正妻の座を射止めるのでしょうか。

最後のシーンで出てきたアクアに似た謎の男、エンディングで「サングラスの男:???」となっていましたが、隠しきれない大物オーラというか…宮野真守しかいないだろ!(笑){/netabare}

【23話の感想】
{netabare}今回はアイドルMVの作り方。未成年は深夜働いてはダメとか(ブラックな職場の代表格だった芸能界も「コンプライアンス」が浸透ですか(笑))、地下アイドルは大手事務所所属アイドルの10分の1以下でMV作ってるとか、ちょいちょい取材の成果らしき「リアル」を挟んでくる。
本作のテーマである「汚い現実」を「きれいな嘘」で覆い隠したのが芸能界。個人的には、こういう社会派的なところ好きです。

あとは、アクアの前世である雨宮吾郎の生い立ち。吾郎は父親が誰かわからないのですが今のところ手がかりはなし(物語に関わってくるかも不明)。ルビーの前世である天童寺さりなとは、母親からの愛情に恵まれなかったところが共通点。おそらくアイの本来の子供は、「魂がなかった」と言っているので死産だったと思われます。

1期ほどの盛り上がりはなかったですが、2期も概ね好評だったので3期もあるとは思うのですが、おそらく原作漫画が、原作陣が長期休養などに入らない限り、1年以内に終わりそうなので、まずはそっちを見届けたいと思います。{/netabare}

【24話の感想】
{netabare}今話でアクアと黒川あかねがキスしていましたが、あかねって『東京ブレイド』の「鞘姫」がそうであったように「負けヒロイン」感が満載なんですよね…。個人的には、あかねとアクアとの関係を原作漫画の最終回に向けてどう決着させるのかが注目点だったりします(ほっぺを膨らませるあざとさなどで、女性人気はあまりないようですが(笑))。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

中島野球しようぜ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

案の定原作同様のダレ方、アニメはこれでも中だるみを上手く誤魔化せてる、おすすめ度★★☆☆☆

ついにスタートした待望の2期。原作だと賛否分かれる舞台編、そして原作は舞台編以降失速気味になってしまうのだが、果たしてアニメではどのようにして盛り上げてゆくのか。

芸能界の影と光に着目したドラマとサスペンス要素を掛け合わせた内容なのだが、原作ではサスペンス要素は舞台編は停滞している印象で、案の定舞台関係のゴタゴタを繰り返している描写が多い。某日テレ系列のドラマの事件を彷彿とさせる制作と原作のゴタゴタをアニメで揶揄する展開は琴線に触れかねない話題。

それはさておき、この舞台編から原作が急転直下でつまらなくなってゆく。舞台編は大筋のサスペンスそっちのけで芸能界の豆知識をうだうだやるだけでダレにダレているのだが、アニメは派手な演出と作画の動きで躍動感や勢いを持たせているため、これでもだいぶ原作よりは見応えはあると思う。

とはいえアニメの演出で取り繕おうが、つまらない物はつまらない。赤坂アカ作品は初速のインパクトは凄いが終盤になるにつれ面白くなくなるとよく言われがちだし事実、かぐや様は告らせたいも終盤は失速が酷すぎたのだが、まぁ推しの子も同じ轍を踏んでいるわけで…

アニメにおける舞台編は映像表現だけは凄いけど、肝心の内容はとにかく牛歩がすぎる。芸能界の裏側や闇を描くのがもはや目的であり、本筋の復讐がしばらくそっちのけになるのでテンポをそいでいるだけ。9話も費やす必要が薄い。

原作とアニメ2期追って思う事だけど、原作の方は後付け設定や復讐主軸によりかけてルビーが雑な扱いになりつつあるので、案の定全盛期は1期までだなぁと思わせられる原作も引き伸ばしや作者の逆張りが見え透いた展開が続く。1期っていうかB小町ファーストライブまでは不満もあれど悪くは無い感じで良くも悪くも先が気になる感じだったがなぁ、この作品も同じ赤坂作品のかぐや様は告らせたいの竜頭蛇尾のDNAを引き継いでしまった訳か…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

お気に召すまま

“アイのお気に召すまま”と言うべきか。
これは今期のオープニングを見るまでもなく、2.5次元の住人に、原作者と製作者、役者を巻き込んで演じられるメタ世界。

"All the world's a stage,
(この世はすべて舞台だ)
And all the men and women merely players;
(男も女もすべて、ただの役者に過ぎない)
They have their exits and their entrances."
(皆それぞれに登場し、退場していく)

足し引きすることは何もなかろう。

しかし、このセリフの直前には「見るがよい、不幸なのは我々だけではない。この世という広大な劇場(This wide and universal theatre)では、もっと悲惨な見世物が演じられている」というセリフが置かれているそうだ。
それゆえに、かの名セリフが際立つのである。
(音楽之友社WebマガジンONTOMO、体感シェイクスピア! より抜粋)

あえて言うなら、その語り手である『憂鬱なジェイクイズ』同様、すべてを達観し、俯瞰する“脇”、アクアくんの存在が映えるのであり、“アイ”と言う見せ物がさらに輝きを放つわけだ。

もちろん、キレッキレの演出と作画、そして今回もまた道化役を演じてくれる有馬カナ、何よりアビ子先生の個性があればこその舞台であることは間違いない。そうでなければコメディとして成り立たないのであるから^ ^。
                (2024/07/19)
それぞれの“願い”が結界を越えるとき、
夢が現実に滲み出すのである。
それは神仏の戯れか…、
登場する者、そして…、

えっ!えぇぇぇぇ〜〜〜!

3期が待ち遠しい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

61.1 2 2024年度の母親アニメランキング2位
ATRI My Dear Moments[アトリ](TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (151)
343人が棚に入れました
原因不明の海面上昇によって、地表の多くが海に沈んだ近未来。幼い頃の事故によって片足を失った少年・斑鳩夏生は、都市での暮らしに見切りを付け、海辺の田舎町へと移り住んだ。身よりのない彼に遺されたのは、海洋地質学者だった祖母の船と潜水艇、そして借金。夏生は“失った未来”を取り戻すため、祖母の遺産が眠るという海底の倉庫を目指して潜る。そこで見つけたのは、棺のような装置の中で眠る不思議な少女――アトリ。彼女は、人間と見紛うほどに精巧で感情豊かなロボットだった。海底からサルベージされたアトリは言う。「マスターが残した最後の命令を果たしたいんです。それまで、わたしが夏生さんの足になります!」
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

世界観、SF・キャラ設定は素晴らしいけど、話と結末に不満です。

 世界観、SF設定、キャラ設定、プロット…素晴らしいと思います。特に8話の衝撃は本当に素晴らしかった。そういう見たくない事実を作品にはもっと入れ込んで、でも、それを乗り越えて何が見えるのかが物語というものです。それを描くまでの作品のパーツは本当に感心しました。

 ただし、結末が不満です。ストーリー…脚本が全然だめです。全体の構成もありますが、特に最後の2話。感情の問題と世界系の決断、目覚めた後の話をもっとリンクさせて描けなかったのか。残り1日という最期の時をもっと上手く使えなかったのか。キャラ…特に神白水菜萌はもっと上手く使えなかったのか。発電という要素を世界系の救済やアトリともっと結びつけられなかったのか。靴という要素ももっと何かないの?と言いたくなります。

 うーん、評価はします。何度もいいますがSFの世界観としては本当に良かったと思います。ただなあ…

 それなりにいい話なんでしょうか。まあ、あらすじとしてはやっぱり悪くないんですけど、期待した分で落とされたから印象が悪いのかなあ…

 まあ、ちょっと考えてみますけど…ゲーム原作かあ…どうも調べるとゲームプレイヤーからは不満が出ているようですね。ゲームはもっといいらしいですけど…そりゃあそうでしょう。これが名作とは思えません。なら、やってみようかなあ…




1話 「AIR」を意識した悲劇系の世界系に見えますが…

{netabare} 海面上昇の世界観は珍しくないですが美少女ものにしましたか。

 キャラ造形がちょっと昔のラノベ感があります。絵の雰囲気とロゴが悲劇系?世界系?つまり、祖母が海洋学者、そして命令云々から判断すると、最終的にアトリというヒューマノイドロボットはおそらく世界、海面上昇を救うキーになる感じでしょうか。

 雰囲気から言って「AIR」とか意識しているのかな?海辺の夏で主人公・叔母さん・アトリの取り合わせはまんまですね。言動がちょっと痛いのも同じです。「ATRI」のスペルもTに何かの意味を持たせれば「リメイクだよ」という風に取れます。

 SFということで期待していましたが、ちょっとお涙頂戴の感動ポルノを意図している風に見えなくはないです。それが外れならいいのですが、数話進行をみて判断します。{/netabare}


2話 演出はドタバタしてるし、キャラ設定はテンプレですけど…見るべきところはありそう。

{netabare} OPの最後の方のトンネルのシーンで出てきた腕をバチバチさせているロボットを見る限り、何かに狙われるんでしょうね。で、EDでは学校のみんなと協力して海底に潜り何かを見つける…と。

 なぜ、ジャンプ力が落ちているか、で悲劇性を感じなくはないです。機能停止までの秒読みなのでしょうか?

 正直、演出がドタバタしているし、主人公やヒロインのキャラ造形がテンプレだし無駄に善人だし、途中の喫茶店みたいな場所のシーンの好きなんだよ…で笑ってしまいました。見るのやめようかなという気もしましたが、ちょっと終末感があるのと、学校を見たときのアトリの違和感の表現が気になったので、もうちょっと見ます。

 意図的に設定の説明を省いて絵で見せているような要素もありますし。それと風力発電といえば関東では銚子だよな、と思ってたら銚子がご当地みたいですね。「地球の丸く見える丘展望館」にはいったことがあります。
 銚子の先端から利根川の下あたりは標高がちょっと高めだったので、島のように分断されたのでしょう。その辺の設定も考えてありそうですから、期待はできる…のでしょうか?{/netabare}


3話 発電の話だとEDのカニが意味が出てきますねえ…

{netabare} 銚子のご当地ものとしては、風力発電とか波力発電?などに目を向けるのは素晴らしい発想だと思います。ただ、あえて目を瞑っていたアトリのエネルギーって何?に踏み込まざるを得ません。原子力電池だろうなあとは思いますが。ジャンプ力の話にもつながりますがアトリの電池も切れるのでしょうか。

 で、思ったのがEDに出てくるカニの群れです。カニって海底の電力ケーブルに群がるんじゃなかったでしたっけ?あの宝箱の中にあるのはエネルギーじゃないか、と思いますが、どうでしょうか。

 どうせなら食料も在庫に頼るのではなく、海が近いなら漁業ができるだろうと思わなくはないですが、それは今後描かれるのでしょうか?

 あと、嘘ですね。アトリが嘘をつけるというのが本当かどうかです…というより戦闘用ロボットという設定はちょっと引っ掛かります。そこにも一工夫ある気がします。

 で、このあえて小さな子たちを出してきたということは、話的には悲劇性を強く感じます。子供の1人が犠牲になるのか、アトリがそれを救うのかわかりませんが、この設定は悲劇がないと話になりません。

 まさかエネルギーの話になるの?という意外感が非常にいいですね。演出はあんまり好みじゃないですが、話は面白いです。{/netabare}


4話 暴力と食事ができる廃番ロボット…の謎。

{netabare} なるほど、アトリは戦闘用ではなく廃番のロボットだとすると、OPの映像と合わせると人間の思考・感情をコピーした結果、人間に暴力がふるえるようになった…とも見えますねえ。食事ができる機能から考えて、人間の家族の代替として開発されたのかもしれません。
 学校の記憶がありそうですから、実際に存在した娘のコピーだと思いますが。そこでロボットと人間性の狭間で使命を優先するんでしょうか?

 OPでもっている玉、光りの玉が何を象徴するか、それとも現物なのか。EDと合わせて新エネルギーだとは思うのですが、どうでしょうね?あくまで電気が主題になりそうです。それとアトリの存在がどう絡むかですね。

 絵柄でだまされますが、結構ちゃんとしたSFであり近未来のシミュレートになっている気がします。

 なお、今川焼とカニ焼は一緒に食べたくはないです。{/netabare}


5話 キャラも導入も一段落。今のところレベル高いと思います。今後ですね。

{netabare} アトリの内部に何か少女の過去の記憶があることが、バイクで突っ込むシーンの一瞬のフラッシュバックで明示されましたね。それが本人なのか昔のパートナーなのかははっきりしませんが。ただ、まあ本人だとは思いますが。

 で、これで電気についての話がひと段落しました。借金のドタバタも人間関係も落ち着きました。この後ですね。起承転結の承が終わった感じです。外部の悪意についてが具体的になってきていますので、それがどう展開するかでしょう。

 絵柄と演出に惑わされますが、今までのところかなり真面目なSFです。そして、出来は悪くないしいろいろ考証がきちんとされていそうです。そして、世界系の匂いがプンプンします。悲劇のような気がしますが、悲劇ではない感動でもいいと思います。SFの秀作になれるか楽しみです。{/netabare}


6話 説明しなくていい。恋愛のエピソードも感じさせればいい。SFを分厚くしてほしい

{netabare} 中間でちょっと間の抜けた話だったなあと思います。新キャラも無駄に増えたし。恋愛とか語らなくていいです。ほんのちょっと感じさせてくれれば。なんとなく嫌な予感がします。後半で失速しないか心配です。アトリの記憶の時間軸が思ったよりも短くてちょっと謎感が薄まりました。主人公のいいひとになり方が急すぎる気がしますし。

 ぬいぐるみが腐っているところと、アトリの存在の対比があるのかとも思いましたが、どうなんでしょうね?そういうところにもっと嫌な予感が表現できれば、感動ポルノではなくしっかりした感動になると思うのですが…結末はわからないですが、やっぱりこの話は別れがないと成立しない気がします。

 全体で言えることですが語らない何かで表現していけば、情緒的な部分は十分なのでいちいち恋愛云々とか話に入れないで感じさせればいいのにと思いました。SFをもっと分厚く、世界観と使命と結末で大きな何かを語ってほしいなあという気がします。{/netabare}


7話 話の流れや設定は素晴らしいけど、6・7話の説明みたいな話がなあ…

{netabare}  うーん、話全体は実は盛り上がってきているんだと思います。やはり感情を持つAIロボットとその危険性。発売中止になった原因と記憶の齟齬。やっとOPの腕バチバチのロボット(改造人間?)が登場ですね。その辺はちゃんとSFしています。

 アトリがジャンプ力が半分になっているとか、学校を見て感じた何かについては「動力の低下によるタイムリミット」「人間の記憶の移し替え」などの設定が結末までに出てくる気がするのですが、読みすぎでしょうか。電気問題が潮汐発電だけで終わるわけはないと思いたいですけど、アトリの世界系設定とからんでアトリの機能停止OR何か、もあるとは思いますけど。
 全然違うかもしれませんが、仕込みがある以上は回答があるべき描写の回収はされると思いたいです。

 さて、この作品は設定と流れはいいんですけど、脚本がちょっとなあという部分がエピソードが単純すぎるんですよね。7話の恋愛・感情の問題をエピソードとして取り上げ、全部説明しちゃってわかりやすいデートにするのは正直いただけません。アトリの容姿の記憶の齟齬を絡めると難易度が高くなるので、6、7話をこういう話にした苦労もわからなくはないですけど、ちょっと名作、秀作SFアニメになるには、そういうところかな、と。

 まあ、完璧な作品はないですからね。それを言うなら主人公のキャラ造形とか小学校のキャラが使いきれてないとかいろいろあります。ですが、やっぱりSFを真面目にやろうという部分でこの作品、結構好きな部類なのでがんばってほしいです。 {/netabare}


8話 最近のSFの中では最高の驚きでした。そう来ましたか…

{netabare} また、6,7話の続きかあ…もうそういうイチャイチャはいいよ、と思っていたら、なんと…いや、これは素晴らしい。SFはそうじゃなくちゃいけません。これは私の想像の上をいかれた、すばらしい裏切りでした。アトリの能天気にはそういう意味があったんですね。まさか、そういう話でくると思いませんでした。
 細かく書くのも無粋なのでこれくらいにしておきますが、最高でした。正直、最近見たSFの中では最高のセンスオブワンダーの1つだと思います。テーマとしては良く見るテーマですが見せ方がいい。この作品の前半の意味が180度転換するくらい驚きました。

 これは「僕の妻は感情がない」と対にしてみると面白そうですね。

 なお、話的には(サブ?)ヒロインのミナモとの対比も良かったです。これでアトリの失われた記憶に俄然興味がでてきます。

 いや、評価爆上げですね。{/netabare}


9話 感情のオンオフが良かったです。久々にSFマインドにグッときました。


{netabare} アトリの感情表現のオンオフを繰り返す様子が主人公のジレンマといままで見ていた感情と愛情の幻想にすがるようで、非常に気持ちに来る表現でした。

 ロボットの感情問題は結構いろいろ描かれていますが、そこで視聴者を巻き込んでだましてきたというのは本当に素晴らしいと思います。そして9話ですね。

 感情が無いようで実は感情がある…というのは、AIロボットアニメでは常道です。そこを逆手にとって、感情があるのが前提条件に見せかけて実はプログラムだった…という見せ方が非常にグッっときました。ここで視聴者が受けたショックというのが、主人公の何千分の1かもしれませんが疑似体験できたわけです。AIの感情をSFとして描くことが、ストーリーとして落とし込まれており設定どまりでないことが、本当に良かった。アトリの時々見せる不自然さもちゃんと伏線になっていましたし。

 前半の能天気さが無駄にならないどころか、それがなければこの作品は成立しません。アニメSFの構成と展開の工夫としては、非常にレベルが高いと思います。世界観や銚子の地形や風力発電などの上手さからただじゃ終わらないと期待した、期待以上の水準です。

 これはAIロボットもので「ビートレス」以来久々にSFマインドを鷲掴みにされました。そしてその「ビートレス」の「アナログハック」という概念を非常に上手く扱っていると思います。ここから、感情問題をさらに描いていくとさらに深味が増すでしょう。ログのコメントから察するに無感情の下に…楽しみです。{/netabare}


10話 感情問題はそれだけ?伏線回収はできましたが期待より浅いなあ

{netabare} あーそう来ましたか。うーん、感情の下の無感情の下の感情という構造はいいと思うんですけど、一番下の感情がそこかあ…うーん。ヒューマンドラマ的にはわかりますが、ちょっと期待と違いましたかね。

 アトリの記憶とか脱走、学校の記憶、危険性の伏線とかは綺麗に回収できてたかなと思います。はじめのジャンプ力が減ったがまだかな?
 ただ、SF的に「感情を描く」のではなく「感情的なものを見せる」になってしまいました。8、9話が良かっただけにこれはちょっと浅かったかな。

 しかし、詩菜…クズとは言いたくないですけど…病んでしまうと人格が破壊されますから…ただなあ…屋上の一言とか自分の息子もそうなるとか…祖母も含めてちょっと問題がある一家だった気はします。
 詩菜のおかげで感情を獲得したのか、もともと高性能だったからなのがせめて設定から読みとれればよかったんですけど。そこのドラマが10分くらいで終わったのがなあ…ここに1話くらいかけて分厚いエピソードがあっても良かった気がします。

 あと2話くらいでしょうか。世界系のような部分に行き着いていないので
、もうやることは破滅エンドしかなさそうですよね。死か世界かという意味の世界系では出せませんから世界系でないのはいいんですけどね。そうなると死に意味性が出せるかどうかです。感動ポルノで終わらないようにしてほしいです。能天気エンドもありえますけどね。{/netabare}


11話 EDと銚子設定を回収しつつ世界を描けるか?

{netabare}  ジャンプ力半分問題はこれだけで回収?あとは記憶問題ですね。悪くなかったですが、もっとSFしても良かったかなと思います。せっかくここまでSF設定を頑張ったのだからちょっともったいないかな。

 世界と絡んでくるかあの島(銚子)の問題か個人(アトリ)の存続か。最後のコマンドが何かでいろいろ決まってきそうです。最終回だけでなんとでもなりそうなだけに、ぜひ、意味のある最終回をお願いしたいです。「シャーロット」の例もありますので最終回だけでも壮大な話は描けると思いますので。

 EDの映像的に海底にアトリが出かけて行って電力問題(海面上昇問題?)を解消するんだと思いますけど。銚子だし。{/netabare}


追記 終わりも近いし感情について。感情の2段構造ととればいいのか?

{netabare} 感情を再現し理解できるアルゴリズムとはすなわち感情のことなのかという問題が提起されました。人間を守るロボットのメカニズム(三原則と言っていたかは忘れました)を無視する。詩菜にしても主人公にしても特定の個人を守ることを優先し、人を傷つけないという最優先の命令を無視できる。それがすなわち感情ととるべきなんでしょうか。

 あの日記の「振り」というログ、ここがどうなんでしょうね。このシーンに私はSFとしてひどく感動しました。感情が無いように見えて在る、という話はよくあります。その逆ですよね。感情が在るように見えて無い。過去は知りませんが、最近の作品ではほとんど見ませんでした。これは素晴らしい示唆でした。

 ですが、結局感情のアルゴリズムによって感情はあった或いは保留になったわけです。詩菜のときは突然感情が現れたように見えました。これが人間の反応を学習したフィードバックで感情は本当はない。ないはずだけど、屋上で暴力をふるった。これがつまり感情の存在の証左である。同じ現象が主人公にも起こった。

 ログには知識として感情がない、だから感情がある振りをすると残してあります。つまりアトリの表層を走るプログラムとして自分には感情がないと知っている。そこは自覚的です。ではなぜ最優先命令を無視して暴力を振るうのか。ここは無自覚ではないですね。自覚して暴力をふるっていました。つまり何をやっているかの話ではなく、なぜそういう行動をするかとう問題であり、無意識下の衝動ではないかということです。

 なぜそう言えるかといえば「暴力」「愛」が強くかかわっているからです。つまり「タナトス」「リビドー」の問題でしょう。「振り」が深層心理に「衝動」を形成した。この深層こそ感情がどこにあるかわからない問題の答えなんだろうな、と思います。

 表面上のふるまい…プログラムあるいは深層学習のフィードバックによるアルゴリズムこそ「振り」である。深層学習が高性能だからこそ、その振りをしている内に、心の奥底にリピドーやタナトスが生まれた。それがあるから、怒りとか涙とかプリミティブな湧き上がる衝動が起きる。それが感情の芽生えだと読みとればいいんでしょうか。

 アトリは「振り=コミュニケーション」と「衝動=内発的湧き上がり」の2段階の感情がある。これは「感情なんてどこにあるかわからない」すなわち人間そのものではないか、と。ルールを破ることがそれを説明しているという解釈をしてみました。この感情の2段階構造の人間との類似性まで含めて設定したなら結構面白いと思いました。


 もう1つの読み取り方、解釈ですが、表層のコミュニケーション用の「振り」と「深層心理の衝動」という2段構造というより、唯我論(独我論)のように感情が在ることは自分にしかわからないととることもできます。それが感情はどこにあるかわからないという意味です。
 だから、アトリが真似をすることでできるようになった表面上の感情の表現があればそこには感情があるとみなせばいいのか。感情は相手にあるのではない。受け取る自分にあるのだ、ということですね。

 それと、ログの問題もサラリと流しましたが、人間的な感情は非人間的な外見、行動のものには宿らないという仮説が本作にはあるのでしょう。AIの自動生成とか深層学習を研究すれば人間の感情や思考、魂ですら解析できるという人は多いですが私はそうは思いません。非人間的な箱あるいはクラウド上では人間の感情は生まれないと思っています。

 生存本能や個と個のふれあいが必要でしょう。その意味も高性能な記録媒体を搭載したAIロボットは非人間的故に感情は生まれないと思います。{/netabare}


12話 世界系ではなく感動ポルノ系ならがっかりですけど…

 世界系ではなくて、感動ポルノになりそうな雰囲気ですね。定められた死という話です。自分の意思で一応の選択肢はありますけど。そこにどんなテーマ性を込められるかが問題です。感情の問題があったのですから、そこに焦点を当てるべきだとは思いますが。そう、そこをなかったことにするのはいただけません。その葛藤があまりになさすぎじゃないでしょうか。

 今のところですけど、世界観、設定、そして話の骨格は素晴らしいと思います。感情のテーマも見ごたえがありました。ただ、11話以降の脚本が悪いです…いや、やっぱり特に12話ですね。よくこの素晴らしい素材をこんな作品にしたなあという印象です。

 それ以前も学校の登場人物とのエピソードが物語の流れにあまり活きていないし。6話くらいからもっと整理して同じプロットでも見せ方があったと思います。詳しくは最終回後に書きますけど。

 せっかくSF的な進行で頭を使いながら進める話だったのに、いきなりエデンが出てきてしまうし…EDが伏線と言えば伏線ですけど、それはちょっと違いますよね。何がいいたいかというとSF臭がしなくなって、アトリというキャラが活きていない気がするんですよね、この12話は。

 うーん「新聞に載ってました」にAIが出てきて説明かあ…私が一番嫌いなパタンだなあ…もっと手書きログとか上手く使えなかったんでしょうか。

 評価を下げざるを得ません。若干調べると原作のゲームではマルチエンドということですが…ゲームでも同じ感じなのかなあ?アニメの脚本のせいなのか、ゲームの脚本なのか。ちょっと調べてみようかなあ…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

人類滅亡寸前のディストピアで、頭がお花畑の登場人物達がワチャワチャするゴミ

アトリ

 最終話(13話)まで観ました。2024.10.06

 哀れATRIは人類の救済のために犠牲になりました。さぁ!泣け!

 いや…、海面上昇がどうなるわけでも無いし、こんなガバガバなSF設定で何を言ってんの?

 エデン計画自体が意味不明です。回収対象になったとは言え、なぜに単なる既製品のATRIを計画にワザワザ組み込んだりする?

 夏生のオバァがオリジナルで作れば良いじゃん。結局、単なる電池や保守管理AI並の扱いで、ATRIの感情が云々と言う話でもないし、自立思考型ロボットを計画に組み込む意味が不明です。文明が崩壊して仕方なくならまだわかりますが、文明崩壊前から準備してましたよね?

 そもそも、ATRIを水中に保管しておいて、ワザワザ隠されたエデンに移動させる意味が分からんです。最初からエデンに置いておけば良いです。夏生達と交流させて成長させるとか、そういう感じでも無いし、単なる嫌がらせかな?

 どうも話の辻褄が合ってないです。夏生のこだわったロケットも別にエデン計画とリンクして無いし、結局水位は上昇したままです。

 村はエデン計画のおかげで発展した様ですが、そんなに資源や技術力があるなら、最初からあんなに荒廃してないでしょ?エデン計画はどう考えても文明崩壊後の世界から村を復活させる様なプロジェクトではありません。

 近いのは、ロストテクノロジーを保存する箱舟的な物で、多くの文明崩壊後の世界を描く作品では諸悪の根源として主人公達に破壊されるヤツですね…。

 ラストは、ハッピーエンドっぽかったですが、無理矢理時間を進めた上にATRIと夏生のメンタル世界に逃避した様な感じです。

 また、学校メンバーも必要だったのか疑問です。ゲームではスケベ要員なのかもしれませんが、アニメでは尺稼ぎと賑やかし以上の存在ではありませんでした。

 ゲーム原作をアニメ化するのは難しいですね。本作品もATARIじゃなかった様です。 
 
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 12話まで観ました。2024.09.30

 バァさんのぉぉぉぉぉ〜科学力はぁぁぁぁぁぁ〜世界イチぃぃぃぃぃい!

 話に詰まったらマッドサイエンティストに頼るのは辞めい!お仕置きのロケットパンチですよ!

 ATRIのラストミッションは、オバァの作ったエデンを探すことだった様です。いくら凄い科学者でも、ラピュタや箱舟的なモノを単独に近い状態で作れる?しかも謎の技術で隠されているし…。スゲぇよ婆ちゃん!いくら金がかかってんだよ…。

 そして、当たり前の様にATRIを犠牲にして世界を救え的なお話に…。ただ、海面上昇を何とかする訳では無く、実に規模が小さいのが気になります。

 それにしても、オバァの計画のすさまじい杜撰さは何なんですか?夏生がアカデミーに行って帰ってこなかったり、死んでたり、潜水艇が壊れていたりしたら、そもそもエデンは見つからないし、ATRIの寿命が尽きてたらもうおしまいです。単なる詩菜のストーカーロボをいつの間に計画に組み込んだのかも謎です。

 全く馬鹿げたお話ですが、次回最終話!号泣間違いなしです。とても楽しみです。…嘘です。くだらないオチに唖然としそうです。皆さん覚悟完了してますか?
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 11話まで観ました。2024.09.25

 ATRIはセックス機能もあるんですね。もう、夏生の嫁気取りです。夏生も散々感情が〜とか言ってきましたが、この世界の住人は、ロボ子がキレて暴走すると感情があると判断する様です。

 崩壊後の世界なので、倫理観が現在と異なるのは解ります。鎌倉武士みたいなスピリッツになったのかな?舐められたら殺す!的な精神構造が好まれる世界の様です。

 そして、ATRIにまさかのメンテナンス問題が!?謎の永久機関で動き続けるロストテクノロジーの産物では無かった様です。

 ただ、これまた夏生のマッドサイエンティストオバァが所持していたオーパーツ的な機械で解決しました。人間が作ったとは思えない性能です。何年も海に水没していても平気なのか…。

 そして、ロボ子のファイナルミッション発動!何が起こるのか?次回に期待です。あれか?ATRIが核爆発でもして核の冬が到来して氷河期になって海面低下でOK的な?急展開で物語を畳めるのか!?気になります。

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 10話まで観ました。2024.09.17

 回収屋も、もっと穏健にやれば良いのに、ワザワザ衆人環視の中で、ATRIをボコボコにしなくても良い様な…。

 そりゃあ、止めに入るでしょうよ…。ロボ子を暴走させるためだけの演出かいな…。

 皆様のレビューにもありますが、8話あたりから、主人公の夏生がATRIに対して、感情がある、魂があるとか言い出し、ロリコン性癖を丸出しにしてきてATRIに迫るも、いきなり冷めたりする変態ムーブをかますので、モヤモヤします。

 ヒューマノイドに感情や魂みたいなのがあるのかという話は、そもそも人間自体に魂があるのかという話になるので、安易に手を出してはいけない領域の様な気がします。

 劣った人間の魂は劣っているのでは?感情表現とかが下手な人間は人間では無いのか?異文化圏で感情表現の仕方が違う外国人は、野蛮で魂も獣なのでは?

 結局、人権思想とは、能力、性格、文化、性別等が異なっていても、人間としての権利を認め尊重するという、魂やら感情やら曖昧で感覚的なものを排除した思想です。

 誰かが、何らかの基準であいつは人間で、コイツは人間じゃ無いとか判定出来るものではありません。ロボ子の感情にこだわるのは非常に傲慢で愚かな行為です。社会的な了承があれば、ロボにも権利を認めるべきですし、違うなら道具として使い潰せば良いだけです。

 また、ロボ子が暴力を行使したりするのを作中人物が問題視していますが、こんなの、ちょっと賢い飼い犬がご主人を守るため、敵に噛みつく様なもんで、大した意味は無いのでは?

 夏生の家族とロボ子の因縁も明らかになりましたが、最初に予想されていたよりは大したことがなさそうです。単なるストーカーロボをバッチャンが封印しただけ?何なのコレ?

 スゲー浅い話になってきていますが、オチだけは非常に気になります。みんなで楽しく暮らそうエンドになりそうですが、予断を許さない感じです。
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 6話まで観ました…。2024.08.19

 ツッコミ所が満載のとぼけたエピソードをぶっ込んできますね。もう、火垂るの墓を観ていていつも思う、清太!海水を煮て塩でも作れ!状態です。

 学校の電気が復活したから、学生達が蛾の様に集まってきました!高校生達は何を求めて学校へ?秩序崩壊後の世界で高等教育が必要か?

 小学生ならともかく、高校生位の年齢なら、生きるために働かにゃー!学校でモラトリアムって恋愛ゴッコしている暇なんてあるかい!しかも、どこにこんなに若い子いたんだよ?

 リアルなら良い訳ではありませんが、あまりにも世界観が頓珍漢です。みんな制服着てるし、今まで何してたの?水位が上がって社会が滅茶苦茶になってから結構時間経ってますよね?

 他にも言いたいことは沢山ありますが、ちょっと酷いです。バッテリーも入手出来ない世の中で、サルベージ屋やって、1000円2000円稼いでも仕方ないっぺよ〜!

 低地が水没して、工業・農業地帯も壊滅してるだろうに、スイカを作ってるなんて、随分余裕あるな…。今川焼き屋が水没してもう食べられな〜い位の被害なの?魔法で解決のなろうより、リアルティーラインが甘いので、これはSFとは呼べません。

 食糧も衣服も無から合成出来るんでしょう。飽食時代の豚共の様に世界を舐めてますね。ゴッドランドのカーネル総帥もお怒りですよ!

 暑い夏にふさわしい、登場人物、制作、原作全て頭がピーマンのお花畑アニメですね!

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 5話まで観ました。2024.08.13

 ハイテクとローテクが混在する世界…。潮汐発電システムを作ったよ〜!電球は白熱灯かな?

 永久機関搭載のロボ子に発電させろ!なんつ〜ツッコミは野暮ですね。

 キャサリンの借金問題もサクッと解決!そもそも金なんか最早流通してないでしょ?

 学校を基点にみんなで楽しく暮らすのさ!何か…、学校ぐらし系の狂気を感じる展開です。正気を保つために学校ゴッコをしている様なディストピア感が…。本当はキャラの何人かは死んでいて、誰かの妄想なのでは?

 学校のメンバーは、潮汐発電機の完成と先生が戻ってきたので、感動して号泣ですが、ロボ子はハテ?と言う感じです。

 主人公、泣き方が分からないなら笑えば良いよ…とかスカした台詞を吐きますが、この異常な世界の異常な学校空間で泣ける方がおかしいのでは?

 他のメンバーより、ロボ子の感情に視聴者の感覚が近い気がします。泣く?そうはならんやろ〜!

 作中では泣け泣け押し付けてきますが、下手すれば明日餓死しかねない地獄なのに、別に気にすることも無く飄々と暮らしている主人公達の図太さに脱帽しても泣けはしないですね。
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 3話まで観ました。2024.07.30

 美少女の元戦闘ロボ子に、可愛い幼馴染…。世界が水位上昇により崩壊しており、うるさい大人もいない…。ノベル系ギャルゲーが原作の様です。この時点で察しの良い視聴者はスルー案件ですね。

 まぁ、どこかで見たことのあるテンプレSFですね。しかも、現実感はかなり薄めのヤツです。

 主人公達の住む地域は、インフラも政府機関も完全崩壊しており、水も食料も自分で調達しなくてはなりません。

 スーパーの廃墟から食料貰ってくるとか、疲弊しすぎだろ…。衣服とかどうしてんの?誰も働いていないし、畑仕事か狩りでもしないと、生存すら危ぶまれる状態じゃね?

 もう、美少女ロボ子と遊んでいる様な段階をはるかに越えた、ザ・サバイバル状態です。

 電気も無いし、子供達は難民状態だし、いくらなんでもノホホンとし過ぎです。

 周りは石器時代みたいになっているのに、メンテナンスフリーの完全自立型ロボットがわちゃわちゃしている頭がお花畑の世界…。

 なかなか、視聴者の精神を揺さぶってきます。SF好きだと、ツッコミのし過ぎて死んでしまうやろ〜。

 ロボ子は元戦闘用なのに、美少女としての再現性高杉君です。兵器に萌えはいらんだろ…。しかも、エネルギー源不明の超科学の遺産です。

 マジで何年か前にKey系萌泣きアニメで観たことがある展開になりそうです。

 多分、泣けることは一切無いと思いますが、SF大好きな変態野郎の私は視聴継続です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

KEYっぽい何か

ジェネリックKEY的な。
ロボが死ぬやつ?

ATRIのあざと可愛さが全てなので成功と言っていいでしょう。

AIが実存する現代で今更「心とは…」的古典SFはもう破綻してるので、きたるべきAIガチ恋時代のためキャラの魅力ゥに全振り。バチャ豚・アニオタ・2.5次元・声優ファン・アイドルガチ恋勢・3次元推し活勢・ホス狂・風俗狂たちがヨシヨシしてもらう依存対象は、維持コストも安く安全安心なAIに置き換わっていくでしょう。その意味では時代に沿った革新的なアップデートがなされた作品。SFを真面目にやってもノイズなので薄めに。そのうち女性向けイケメンAI作品も出てくるでしょうか。

01
さすがにコテコテすぎませんか。

08
ここで下げ展開。バレるべくしてバレる無能ATRI。心を許したばかりの相手の日記をほんの少しの葛藤もなくノータイムで覗いたくせに大袈裟に被害者ぶるアスペムーブDT。やはりエロゲ的。

09
コテコテにあからさまなビジュアルのわるいやつは初対面の相手に対し初見でAIガチ恋勢認定するすごく無礼なやつ。そのくせリスク計算出来ない無能。やはり。

10
え?そこ自己解決で済ませるの?はあ…

あれからどうすんのと思えばこれではただの痴話喧嘩しただけの安いラブコメのよう。勧善懲悪茶番劇とボーッと立ち尽くすのみの水増し装置NPCども。わるいかおのひとが言うには現実に結構な規模の実害が出ている様子ですが、子供理論のわしゃしらんがなで押し通すいつものエロゲ感。いつものかわいそうかわいそう自己憐憫完全被害者ギャン泣きポルノ。しかし。

いつまでもヨシヨシされる側に甘んじることなく、自分自身も誰かをヨシヨシすることは可能であるはず。人目を気にしてガワを取り繕い脳死でルールに沿った機械的な行動ではなく、他者への寄り添いや思いやりによる内発的動機から起こる行動こそが人間らしさと言うならば、その出力さえあればAIが人間らしさを獲得できたとも言えるのではないかというSF的命題はあくまでもオマケであり、結局この作品の本題は主人公の成長譚であった。その発想に至る情動のパラダイムシフトこそが感情の獲得であり、心の成長と呼べるものであるということ。彼の気付きをしっかりと描写したシーンには驚いた。せいちょうした!ってのはこういうこと。いやーなかなかやるねえ。あとはいつものギャン泣きだったけど。

いつものやつと見せかけて「いつまでも萌えキャラにヨシヨシしてもらわないで自分がする側に回れ」という庵野富野駿夫の「アニメ卒業しろアニメ」エッセンスをエロゲ風味の濃ゆい味付けに施した「卒業はいいからせめて自立してくれ」とアップデート。これは妥協ではなく実用主義。こういうヨシヨシアニメでモロにヨシヨシというワードをあえて使うのもかなり意図的。だからこのアニメに傷ついてしまう人もいるわけで、そのことを織り込み済みで筋を通した芯のある仕事。やっつけシノギアニメではなく、きちんと挑戦している「作品」だった。でもアスペ用ソーシャルスキル教材なら、サブカル漫画やアニメに頼るしかなかった昔とちがって今はいい本がいっぱい出てるのでそちらをどうぞ。

もういいかな。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3
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