残酷で理不尽なおすすめアニメランキング 9

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77.9 1 残酷で理不尽なアニメランキング1位
結城友奈は勇者である(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1411)
6916人が棚に入れました
神世紀300年───
始まる”勇者部”活動!?
結城友奈は中学2年生。毎日学校へと通い、たくさんの友達に囲まれながら授業を受けたり、部活動をしたり、遊んだりと、平穏に過ごしている。その生活スケジュールは、どこにでもいるごくふつうの女の子。
だがたった1つ、他の子たちとは決定的に違う部分があった。

それは彼女の所属している部活が”勇者部”だということ。部長・犬吠埼風を中心にした活動の内容は謎に包まれておりバーテックスという不思議な存在が関係しているという。神世紀300年。西暦とは年号の異なった世界で、友奈たち”勇者部”の活動が始まる!

声優・キャラクター
照井春佳、内山夕実、黒沢ともよ、三森すずこ
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

「まどマギ」の皮を被った「ラストサムライ」ないし「神風・・・」モチーフの力作 【ネタバレ絶対回避】 

※制作情報等を追加(2018/12/4)

前半はエヴァ・まどマギといった「セカイ系」名作の二次創作的な印象が濃かった本作ですが、後半、次第に「桜」をモチーフとした独自の魅力を増していき、迎えた最終回、放送当時「まどマギ反逆」レベルの大揺れ、賛否両論噴出の末に、本作を「是」とする声が優勢に。

※重大な注意
成分タグ第1位が「予想外」となっているとおり、本作は絶対にこれ以上のネタバレ回避で視聴すべきです。
ここまで読んだ方は、速やかにこのページを閉じて視聴態勢に入った方が賢明です。

本作に描かれたテーマないし結末に関して、個々の視聴者が最終的にこれを「是」とするにせよ「非」とするにせよ、激しく困惑し心揺さぶられること必至の、《2014年最大の問題作》なのは確かだと思います。

※以下は、本作3周目以降の鑑賞時の感想です。
(初見および2周目時点での感想は、本レビュー末尾に保存)
======================================
◆3周目にあたっての能書き  - “全裸待機”と、“割り切れない想い”

彼(か)の「魔法少女まどか☆マギカ」をTV放送当時は敬遠してしまい、放送終了後の滅茶苦茶な高評価に釣られてようやく一気観した自分にとって、本作こそは、ネットスラングでいう “全裸待機” (※ちょっと品のない言葉で恐縮ですが、「身を清め正座してコトが始まるのを待ち侘びる」というほどの意味です)をリアル・タイムで経験した初めてのTVアニメとなりました。
というより、本作の放送当時、ネットに飛び交う“全裸待機”という言葉を見て、初めてその意味を知ったわけですが(笑)。

何が言いたいのかというと、本作は、第8話放送以降~最終第12話まで、それほどまでに、「次回の放送内容が気になって仕方がない」作品だった、ということです。
それは、別に私一人の感じ方ではなくて、私と全く同じ期待を繰り返し漏らしていた方々が、本作の放送当時、ネットに確かに沢山おられたのでした。

そして、そのような膨れ上がった期待を背景に、とうとう放送された最終回(第12話)、放送終了後に飛び交った困惑と怒号。
「最後の最後に大コケした」「茶番だ」「失望した」という声が大きく、また実際、私自身も本ページ末尾(初見時のレビュー)に記したとおり、残念ながらラストは期待外れの展開になってしまった、とする感想を持ちました。

しかし、そう思いながらも、尚割り切れぬ気持ちで観た2周目(正確には、それまで第1~9話までは毎週のように繰り返し視聴していたので、第10~12話だけを本作放送終了後に2回目視聴したのですが)、これも本ページ末尾(2回目視聴時のレビュー)に書いていますが、今度は、「確かに最終回の展開の都合の良さは気になるけれども、意外とこの終わり方で良かったのではないか?」という感想に変わってしまい、そうした自分の気持ちの変化に気づいて二度ビックリ。

その後は、同時期の放送でまだ見終えてない作品が幾つもあったこと、さらに新年からの放送(2015年1-3月期)に、かなり気になる作品が幾つかあったこともあり、本作について“後ろ髪を引かれる想い”で最近まで来てしまいました。
そして今回、ようやく本作をじっくり再視聴する機会を得て、改めて色々と考察し、この“想い”を整理して、感想をまとめてみました。

◆制作情報
{netabare}
原作           Project 2H
企画・原案       タカヒロ
監督           岸誠二
シリーズ構成      上江洲誠
脚本           上江洲誠、タカヒロ、村田治
キャラクターデザイン BUNBUN(原案)、酒井孝裕
音楽           岡部啓一、MONACA
アニメーション制作  Studio五組{/netabare}


◆各話タイトル&評価(※3周目以降)

各話タイトルは全て花言葉となっており、うち半分は{netabare}勇者部の5人と乃木さん(先輩勇者){/netabare}の変身後の紋花のものです。

※本作は【起-承-転-結】ではなく、【序-破-急】(導入-変調-加速)の3パート構成と見るとしっくりきます。

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

==================== 結城友奈は勇者である (2014年9-12月) ====================

------ 【序】(導入) {netabare}勇者部の使命が語られる{/netabare} --------------------
{netabare}
第1話  乙女の真心      [コスモス]  ★★ 勇者部4人回(とくに友奈) *OPなし,ED「ホシトハナ」
第2話  ろうたけたる思い  [菊] ★ 勇者部4人回(とくに東郷さん) *OP「ホシトハナ」,ED「Aurora Days」(勇者部4人)
第3話  風格ある振る舞い  [牡丹]  ☆  夏凜登場回 *OP「同上(※以下省略)」ED「同上(※以下省略)」(勇者部5人)
第4話  輝く心         [カタバミ] (※風先輩の花) ☆  樹ちゃん回 *ED「祈り」(樹ソロ)
第5話  困難に打ち勝つ   [サザンカ] ★★  全員回(戦闘回) *ED(勇者部5人){/netabare}

------ 【破】(変調) {netabare}勇者システムの真実が語られる{/netabare} ---------------
{netabare}
第6話  明日に期待して   [ラベンダー] ☆  全員回(病院回) *ED(勇者部5人)
第7話  牧歌的な喜び    [黄スミレ] ☆  全員回(水着・温泉回) *ED(勇者部5人)
第8話  神の祝福       [青バラ] (※乃木さんの花) ★★★ 乃木さん回 *ED(勇者部5人){/netabare}

------ 【急】(加速) {netabare}真実を知った後の勇者たちの覚悟が試される{/netabare} ----
{netabare}
第9話  心の痛みを判る人  [アマドコロ] (※樹ちゃんの花) × 風先輩回 *ED「祈り」(樹ソロ)
第10話  愛情の絆       [朝顔] (※東郷さんの花)  × 東郷さん回 *ED(東郷さんソロ-2番歌詞ア・カペラ)
第11話  情熱          [ヤマツツジ] (※夏凛の花) ★★ 夏凜回 ED(友奈ソロ)
第12話  貴方に微笑む    [ヤマザクラ] (※友奈の花) ★★ 友奈回(※注釈) *ED(勇者部5人-合唱){/netabare}
-------------------------------------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)4、★(良回)1、☆(並回)4、×(疑問回)2 個人評価 ★★ 4.7

※注釈:最終話(第12話)は、1~3周目それぞれで、受ける印象が大きく異なりました。
(作品内容の理解のレベルが上がるにつれて評価が、×(失敗回)→☆(並評価)→★★(ダブル高評価)、と大きく上昇)


◆総評
{netabare}
(1) これは初見時から変わらない感想ですが、第1話~第8話までの流れ(【序】~【破】へと至る流れ)は、ほぼ完璧だと思います。
・それほどまでに第8話で明かされる勇者システムの真実は、私には衝撃的かつ、それまでの流れから説得力の高いものでした(この回を★★★(トリプル高評価)とした理由)。
(2) これに対して、【急】の始まりを告げる第9話(風先輩の反逆未遂回)、そして大波乱の幕開けとなる第10話(東郷さんの反逆実行回)は、私個人としては、やはりどれだけ考えても、風先輩・東郷さん両名がそれぞれ大赦・神樹への反逆を決意するに至る心情推移に、余り説得力を感じられない・納得のいかない回となりました(この両回を×(疑問回)とした理由。また本作の総合評価を、今回4.4→4.7と引き上げたにも係わらず尚若干マイナスとした理由)
・ただし、この両回をそれぞれ非常に高評価する方々が沢山おられることも分かっています(そこは個人個人の感じ方の違いということなのでしょう)。
(3) 第11話(夏凜が大見得を切り連続満開する回)は、私が本作に期待したもの(※短く満開したのち潔く散る「桜」のイメージ(後述))に一番近い内容だったので、★★(ダブル高評価)としました。
(4) 一番評価が変わったのは、今回も最終第12話で、初見時は×(失敗回)評価だったものが、2回目視聴時の☆(並評価)を経て、ヒロイン友奈を始めとする勇者部の少女たちに強く感情移入してしまった今回は、★★(ダブル高評価)に二階級特進!してしまいました。
(5) 以上から、総じて本作は、過酷な運命に見舞われる勇者部の少女たちに対する感情移入の効果が非常に大きい作品、繰り返し視聴することによってそうした効果がさらに増大してしまい、彼女たちへの「共感」がストーリー展開の粗をも覆い隠すに至る作品、と評することが出来ると思います。
{/netabare}

※以上まで、本作に関する「感想」でした。
※以降は、本作の「分析」に入ります。

◆本作の2つのモチーフ(制作動機)

※これは、はっきりしていると思います。すなわち、

①「まどマギ」のモチーフ
{netabare}
 ※本作が「魔法少女まどか☆マギカ」の達成を大きな制作動機とし、その設定やストーリー展開を参照しながら、そのalternative(代替物、別ヴァージョン)としての達成を目指したことは、誰が指摘するともなく明らかでしょう。
 ※しかし、本作は他の類似企画された諸作品のような「まどマギの二番煎じ」「劣化まどマギ」には留まらない、独自の明確かつ強烈なモチーフを持っていました。それは・・・{/netabare}

②「桜」のモチーフ
{netabare}
 ※ないし「ラスト・サムライ」「神風・・・」のモチーフとでもいうべきか。
 ※本作の本当の魅力(でなければ困惑、あるいは人によっては嫌悪の種)はここにあると言ってよい、と考えます。
 ※なお、「ラスト・サムライ」というのは、トム・クルーズ&渡辺謙が主演し小雪がヒロイン役を助演した2004年上映のハリウッド映画で、“花は桜木、人は武士”と言い慣わされたように、桜のように美しく咲き誇った後、短く散り行くサムライたちの矜持(きょうじ=誇り)を描いた作品です。
 ※「神風・・・」のイメージは、「ラスト・サムライ」のイメージとも通底しますが、何といっても本作OP「ホシトハナ」の曲調と歌詞から、そして、OPの最後の4人ないし5人の少女たちの満面の笑顔の止め絵(→出撃直前の特攻隊員たちの満面の笑顔の写真を連想させる)から、どうにも否定しようもなく湧き出てくるものであり、それは第8話で明かされる“散華(「供養のために華を散らす」という意味の仏教用語から転じて「若年の兵士の戦死」の婉曲表現として戦時中に使用された)”という用語によって補強されます。
 ※この点に関しては、私個人の飛躍したイメージではないか?という意見もあるかと思いますが、以下に示すように、本作の放送当時から幾つもの掲示板やサイトで語り合われていたことであり、私としても初見時のレビューでは慎重に言及を回避していた事項なのですが、本作に対してきちんと正面から向き合おうと思うならば、やはり回避できない本質的な指摘であると考えます。
 ※以下、長文の引用になります。興味関心のある方のみ閲覧して下さい。
{netabare}
☆引用元:http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-29067.html
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名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 20:53

間違いなく秋のトップ作品
こんなに化けると誰が予想しただろうか? そしてGF()がこんなに酷い事になるなんて・・・

やっぱオリジナル作品は当たりはずれが悲惨だけど、こうやって素晴らしいものがでてくるから楽しいんだよね
そして日本アニメの底力を見た、これはいくら作画力が高くなっても、中韓には作れない

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 22:15

まどかは初見で、「りりかSOS」とか「ジャンヌ」とか、あるいは18禁ゲーの系譜に属する、お約束を「逆手」にとるタイプの魔法少女ものの王道だと思ったけど、ゆゆゆは、もう少し今の時代の政治的な心象を扱ってる感じがある。東郷さんの存在がそう思わせるのかもしれん。
なので、大変おもしろいが少しなまぐさい・・・・。

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 22:25

ゆゆゆは、特攻隊や桜花や回天のオマージュだよな、逃れようのない運命をどう受け入れるか、がテーマなんだよ

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月22日 23:08

171、173
まさにそのへんだよなあ。
善意で身を捧げる行為の正当性を問うという意味では、まどマギもそうだけど、あれは「公」か「私」かという論議に収束していったから。

ゆゆゆは結構あからさまに「国防」がテーマで、彼女たちは「徴兵」されたすえの「傷痍軍人」で、最後は「軍神」にまつりあげられるわけだから。で真実を知って転向したニヒリスト兼アナーキスト(東郷さん)が出てくるとw。
顔の見えない国って信用おけるの? 外敵との闘いは結局システムの要請で、愛国心や正義心や守る思いを叶えるための代償は誰も補填してくれないよ、と最近のシンプルな国家主義に釘をさす一方で、「隠されていた真実」や国家の不正を知った瞬間に、全てを破壊する方向に舵を切り、自らの本末転倒に気づかないありようのバカバカしさ(まさに左翼・革命主義者の典型)をも描くという意図は、感じずにはいられないよね。

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 02:38

>>171
こんなスレで書くのも場違いだが、東郷さんの満開は空母だからな
それに載って敵を倒しに行った桜の花ときたら友奈のイメージは桜花しかない

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 02:47

>185
やっぱり社会的に攻めの姿勢がある作品は必要だな。時々滑った作品も出てくるけど

この作品はまどかの発展系としては非常にいいと思う。ゆゆゆが出てきたことで初めてまどかは時代を作った作品を名乗る資格を得たと言える。他から参照されて初めて時代を作ったと言えるようになる。(これまではパロディばかりで内容的な参照は皆無だった)

後に続く作品が凡作ばかりだとまどかの地位も下落する。逆に後に続く作品が優秀だと
元になったまどかの地位も高くなる。(弟子が優秀だと師匠の鼻も高くなる)

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 02:56

204
こういう事いうやつに限って まどマギとセーラームーンの類似性を指摘すると逆上するw

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:08

そもそも、まどマギは既存魔法少女モノのカウンターなのに類似性とかドヤ顔で語られてもな。

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:17

206
魔法少女ものの正統な血縁関係なんでまどかは、そりゃ、セーラームーンからも多くを引き継いでいるさ

ただし、まどかが引き継がなかった要素がなんのかも重要な点、そこが今時の時代の要請であり、まどかのオリジナリティでもある。

例えば、タキシード仮面とか(まどか本人には憧れの男の子がいない)生まれ変わりとか ちびうさとか

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:30

208
勿論、同じ部分もある
まどかが神になって魔法少女という生き方を肯定する部分とか

一方、ゆゆゆだとその自己犠牲を払って神に祭られるシステムそのものを問題にしている。
(ほむらの場合、まどかに個人として普通に生きて欲しいと言っているだけで東郷さんのようにシステムにテロを仕掛けようとしているのではない)良い発展形だと思う

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:35

207
横だけど、ゆゆゆに限っては、「まどマギ」を明快に意識してそのヴァリエーションを提示してるわけで、作り手もむしろ比較されていいと思ってるだろうから、類似性を語っても構わない気はするかも。真正面から類似ジャンルにオリジナルで敢えて挑んでるのって、「幻影ヲカケル太陽」以来だし。

もちろん「似てるからダメ」って論調はどうしようもないけどね。「似てる」って言われても、スタッフも苦笑するだろ……いわゆる「そんなこと、ロバでもわかる」てやつだからw

名前:名無しさん 投稿日:2014年12月23日 03:41

210の続きだけど、似ていても別の料理として楽しめるように、ゆゆゆは手を尽くしてるとは思うんだよね。

当初、作品の傾向を隠してたまどマギに対して、ジャンル自体を隠してみせたゆゆゆ、
洋風の動物・グッズ系モンスターに対して和風の植物・無機物系モンスター、
死と魔女化の恐怖に対して、不死性と欠損がもたらす悲劇の強調、
内的に発生する脅威を摘み取るまどマギと、外界からの脅威に立ち向かうゆゆゆ。
ループ者だけが記憶のあるまどマギに対して、ループ者だけが記憶がないゆゆゆってのもそう。
そして、そこに国家と兵士という新しい問題意識が加わってる。
--------------------------------------------------{/netabare}
{/netabare}

 ◇《まとめ》
※以上の2つのモチーフ(制作動機)から、本作は、
 {netabare}
 ①まどマギのモチーフ(=外見的・表面的モチーフ)を、巧みに偽装しながら、実際には、
 ②桜のモチーフ(=内面的・心情的モチーフ)を、強烈に視聴者に訴えかけ、彼らの心に揺さぶりをかけることを意図した、稀有の作品
{/netabare}
・・・と要約できると考えます。
  (※逆にいうと、②の点に共鳴できない方は、本作にはほとんど共鳴できないことになります)


◆本作のテーマ(主題)

※これも、はっきりしています。本作のテーマは、ズバリ、
{netabare}
「勇者の本分(本質)を問うこと」{/netabare}

※そして、その解答も明確に提示されています。即ち、
{netabare}
「結城友奈は勇者である」
(=彼女の在り方こそが真の勇者の在り方である){/netabare}

※ここで、勇者部の5人の少女たちを詳しく見ていくと、それぞれ勇者となる動機が違っていることに気づきます。
{netabare}
①風先輩=バーテックスの犠牲となった両親の仇(かたき)を討ちたい
②樹ちゃん=大好きな姉と同じ道を並んで共に歩みたい
③東郷さん=東郷家の先祖たちのように自分も国防に励みたい
④夏凜=正真正銘の勇者(完成型勇者)に成りたい
⑤友奈=人の為になることを勇んで行うこと、それが勇者の使命だから、私は勇者になる{/netabare}

※このうち、
{netabare}①風先輩は、<1>勇者システムの過酷な真実に直面し、さらに<2>最愛の妹の夢の実現が不可能であるという事実に絶望して、また
③東郷さんは、<1>に加えて、<3>世界の絶望的な状況を認識し、さらに<4>自己の記憶喪失という過去に絶望して、
それぞれ勇者システムの元締めである大赦と神樹様への反逆を決意してしまいますが、
⑤友奈(=勇者適正が最高の真の勇者)の阻止によって、辛うじて勇者の本分を取り戻します。

※なお、②樹ちゃんは、①風先輩が勇者の本分を取り戻すための重要な契機を、また、
④夏凜は、⑤友奈が勇者の本分を忘れかけた一番危なかった一瞬に彼女にそれを取り戻すための唯一の契機を、それぞれ提供しています。{/netabare}

※こうした、{netabare}⑤友奈(=真の勇者)の在り方{/netabare}自体も、本作最終話(第12話)ラストで、詳しく開示されています。すなわち、
{netabare}
 (1) 演劇シーン手前の東郷さんのナレーション

「勇者は自分が挫けないことが、皆を励ますのだと信じていました。」
「そして皆がいるから、皆を信じているから、自分は負けないのだと。」

 (2) 演劇シーンでの風(魔王役)と友奈(勇者役)の会話

魔王「ガハハハハハハァ。結局、世界は厭なことだらけだろう。辛いことだらけだろう。お前も、見て見ぬ振りをして、堕落してしまうがいい!」
勇者「厭だ。」
魔王「足掻くな!現実の冷たさに、凍えろ。」
勇者「そんなの、気持ちの持ちようだ。」
魔王「何?」
勇者「大切だと思えば友達になれる。互いを思えば、何倍でも強くなれる。無限に根性が湧いてくる。」
「世界には、嫌なことも、悲しいことも、自分だけではどうにもならないことも、沢山ある。 だけど、大好きな人がいれば挫けるわけがない。あきらめるわけがない。大好きな人がいるのだから、何度でも立ち上がる!」
「だから、勇者は絶対、負けないんだ!」

 (3) 会場から湧き起こる拍手の中での友奈の独白

「そう、何だって乗り越えられるんだ。大好きな皆と一緒なら。」
{/netabare}

※こうした、⑤ヒロイン友奈の信条・姿勢については、シニカルな批判も当然可能であり、これを現実には全く通用しないファンタステックで不快な妄念と否認する方も多いと思います。

※それは、もう個々人の価値観の問題としか言いようがないのですが、私としては、殊(こと)に初見時は別段そうでもなかったにも係わらず、3周目の視聴時に、とうとうと言うべきか、ようやくと言うべきか、こうした本作のラストシーンに、図らずしも《{netabare}まるで本作に描かれた観客席の生徒たちのように、友奈たちに拍手を贈りたい気持ちになっている自分{/netabare}》を発見して、ちょっと戸惑いながらも、嬉しい気持ちになったことを、ここに報告して、このレビューを閉めたいと思います。



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※以下は、2014年10-12月のTV放送当時(1周目および2周目)の感想・レビューです。
(上記よりもまとまりのない長文です。保存用)

{netabare}
(レビュー・タイトル)
《最終話=超微妙だが、「まどマギ」に挑んだ勇気は高評価したいセカイ系【ネタバレ絶対回避】》

エヴァ・まどマギを、直ちに連想させる紛(まご)うことなき「セカイ系」。
陳腐な恋愛要素はゼロであり、期待外れのWIXOSSよりずっと面白い。
最終話タイトル「貴方に微笑む」(花言葉=山桜)から、主人公=結城友奈=による、
悲劇的で残酷な世界から少女達を救済する「勇者」の乾坤一擲の決断を推測するが果たして?

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★第2話まで視聴時点(2014.10.18)

可愛い女子中学生が勇者ごっこする緩い話かと思いきや、いきなり緊急事態発生!

{netabare}
ああこれは使徒襲来だな。
使徒が神樹にたどり着けば世界の終わり。
使徒を倒せるのは選ばれた勇者である君たち4人だけ。

使徒の体はダメージを負っても自動修復するので、まず封印してコアを露出させ、これを破壊するしか奴等を倒す方法はない。
で、この封印がたった40秒のタイムリミット付きで、コア破壊できないと勇者の活動限界とか(笑)
{/netabare}

何か期待したいような、したくないような(笑)
頑張って欲しい作品です。

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★第5話まで視聴時点(2014.11.7)

ここでストーリーとしては一段落した感じ?(まだ7話残っているけど)。
先が読めない展開は、なかなか良いと思う。

それにしても、制作側だってわざと、まどマギやエヴァを意識させる作品作りをしているんだし、今までに明らかになった神樹様や使徒(Vertex)の設定のほかにも、勇者たちの言葉づかいなどから、まだまだ何か面白いものがこの作品には隠されているように感じるのだけれど・・・

もっとも、こうした期待感は今まで幾つかの作品で裏切られてきたので、この作品も結局は大外れのまま最終回を迎える確率がずっと高いとは思うのだが。

まあいい。
この作品については最後まで見届けることにしよう。

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★第8話まで視聴時点(2014.11.28)

とうとう鬱コースに突入してしまったね。
{netabare}魔法少女システムならぬ勇者システムか。{/netabare}
結城友奈はこの悲劇的な仕組みを打ち壊せるのだろうか?

しかし{netabare}散華(さんげ){/netabare}って・・・
作品中に使用される言葉が幾分不謹慎な気もするのだけど。
杞憂でなければよいが。

ガッカリしてしまう結末にならないことを祈る。
(←調べたら、岸誠二監督って「蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-」の監督も務めた方だったんですね。ならまず大丈夫だろう。良かった。)

※追記
このアニメの考察(色んなブログや2chあたり)が結構面白い。
東郷さんが記憶を取り戻したら、えええーーーってなりそう。
しかし東郷さんに乃木さんって・・・思わせぶりな名前は止めて欲しいぜ。

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★第9話まで視聴時点(2014.12.05)

{netabare}
さすがに勇者部部員の一部に動揺が出ている。
今回は小規模な波乱で済んだが・・・次回は大波乱必至。
この第9話は、今までになく演出が乱れていたのは残念。
制作側もキツキツなのだろうか?
{/netabare}

====================================================
★第10話まで視聴時点(2014.12.13)

{netabare}
1クール12話構成の作品で、ラスト手前の第10話にキーパーソンの過去回想&舞台設定の種明かしを入れるのは定石だが、これは流石に・・・。
個人的には、物語のスケールを大きくするよりも、勇者であることの本質を掘り下げる方向に進んで欲しかったのだけど。
第9話までは相当良い感じに評価していましたが、期待値を上げ過ぎていたのか、ここで微妙な感じに思ってしまった。
それでも残り2話で綺麗にまとめてくれれば文句有りませんが。
{/netabare}

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★第11話まで視聴時点(2014.12.21)

{netabare}
この回の主役・三好夏凜の精霊ヨシテルの決まり文句「諸行無常」や悲壮なOPから、『平家物語』や『ラスト・サムライ』のような散り行く者達の矜持を高らかに謳いあげる作品になると期待していたし、確かにそういう描写もあるのだけれど、作品全体が必ずしもそうしたコンセプトで統一されているわけではないんだね。
特に東郷さんの心の動きのブレ方は説得力が余り無くて残念な感じです。

なお、最終話タイトルが「君に微笑む」から「貴方に微笑む」に変更になった模様。
いずれにせよラスト回では、真打ち勇者の雄姿を存分に描き切って欲しいです。
{/netabare}

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★第12(最終)話まで視聴時点(2014.12.27)

まさに制作側も、とうとう力尽きたような支離滅裂な畳み方で、もの凄く惜しい結末でした。

アニメーション制作会社のstudio五組さんには2012年夏の『織田信奈の野望』に続いて本作でも実に素晴らしい作画・演出技術を見せてもらったし、一人一人のキャラを例外なく好感度高く描く技量も本当に大したものだと思うのですが、作品全体のシナリオ構成にどうしてももう一工夫足りなくて「名作」にあと一歩届かなかった感じですね。

岸監督には、2013年秋の『蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-』に続いて今回も見応えのある作品を送り出してもらい、すっかりファンになってしまいましたが、こちらもどうしても最後の詰めが甘くて作品全体の印象が陳腐化してしまったように感じてしまいました。
「アルペジオ」は続編映画の制作が決まりましたが、こちらは余程円盤かゲームが売れない限り無理っぽい感じかな。

企画原案=タカヒロ氏の、敢えて「まどマギ」に挑んだ蛮勇は高く賞讃したいと思います。
ラストは駄目駄目だったけどね。
『幻影ヲ駆ケル太陽』に続いて「まどマギ」への果敢な挑戦者は今回も手酷い敗北を喫した感じなのですが、こういう挑戦者が出て来てこそ次の進歩があるはずで、特に今回は、富士山への登山に譬えれば七・八合目まではたどり着いて山頂が微かに見えて来たくらいのインパクトはあったと思うので、そこからのズリ落ち様がまさに全力を使い果たして不恰好なものになってしまっていても、個人的には暖かく見てあげたいと思う。

むしろ重要なのは、今回の敗北の原因とその克服方法の検討でしょう。
第1話からもう一度視聴し直して、確りした全体評価をしたい作品です。

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★各種メモ書き

【各話タイトル&評価】

各話のタイトルが、花言葉になっているようです。
最終話は桜のイメージから友奈がメインになる感じです。

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×が付いている話は脚本に疑問を感じた失敗回
?は内容が微妙で現時点で評価保留の回

{netabare}
第1話10/16  乙女の真心   コスモス  ★ 全員(とくに友奈)
第2話10/16  ろうたけたる思い   菊  ★ 全員(とくに美森)
第3話10/23  風格ある振る舞い   牡丹  ☆ (夏凜)
第4話10/30  輝く心        オキザリス ☆  (樹)
第5話11/06  困難に打ち勝つ    山茶花 ★★ 全員(とくに友奈・美森)
第6話11/13  明日に期待して    ラベンダー ☆ 全員(とくに友奈・美森)
第7話11/20  牧歌的な喜び     黄スミレ(犬吠埼風) ☆
第8話11/27  神の祝福       青バラ(乃木園子) ★★★ 
第9話12/04  心の痛みを判る人   アマドコロ(犬吠埼樹) ☆ 
第10話12/11  愛情の絆      朝顔(東郷美森)  ☆
第11話12/18  情熱        ヤマツツジ(三好夏凛) ★
第12話12/25  貴方に微笑む    ヤマザクラ(結城友奈) ×(1回目視聴時)→☆(2回目視聴時)
{/netabare}

●op「ホシトハナ」

作詞:中村彼方
作曲:岡部啓一
歌唱:讃州中学勇者部
歌詞
{netabare}
サカラバ サア(※盛らば、さあ)

<1番>
静けき森の中 いま目覚めた花たちよ
この世に何を思い 何を感じてる

ああ 真実ほど人を魅了するものはないけど
ああ 真実ほど人に残酷なものもないのだろう

咲き誇れ(咲き誇れ) 想いのままに
この瞬間(この瞬間) 全てを賭けて
無限の星すらも霞むように
勇気 心に溢れ
(いかなる)いかなる時も生きて

<2番>
花びらひとひらに 情熱宿しはじめた
瞬くその瞳 何を映してる

ああ 土に埋めた小さな種 密やかに割れて
ああ 芽を出したらやがて空と向かい合っていくのだろう

輝けよ(輝けよ) 眩いほどに
一瞬に(一瞬に) 思いを込めて
その願いが世界を導く
カラダに力満ちて
(ヒカリを)ヒカリまとって走れ

<3番>
咲き誇れ 想いのままに
この瞬間 全てを賭けて
無限の星すらも霞むように
勇気 心に溢れ

輝けよ(輝けよ) 眩いほどに
一瞬に(一瞬に) 思いを込めて
その願いが世界を導く
カラダに力満ちて
(ヒカリを)ヒカリまとって走れ

サカラバ サア
{/netabare}

※これ、物凄く悲壮な曲である。第8話を視聴した後だと特にそう思う。
今後の展開次第だけど、個人的に好きな曲になるかも知れない。


●「まどマギ」との違い

一番大きいのは、

(1)まどマギの魔法少女たちが、「最高の素質」を持つ鹿目まどかを除いて割と一般人っぽい人達だったのに対して、
(2)この作品の少女たちは、{netabare}予め「勇者」適正値が高い者達として組織によって選抜されていること{/netabare}。

つまり全員が、大なり小なり事前に{netabare}「勇者となって戦う覚悟」が出来ている=まどかタイプの少女{/netabare}であること、ではないか。
それが、どういう結末をもたらすのか。

特に、一番「勇者」適正値の高い主人公=結城友奈が、ギリギリの状況でどういう決断を下すのか、が見所になると予想します。



※12/27追記
{netabare}
上を書いた時点では、この作品は、第11話の感想にも指摘したように映画『ラスト・サムライ』(トム・クルーズや渡辺謙が出演した2004年のハリウッド映画)のような、散り行く者達の矜持(きょうじ=誇り)を描く作品、すなわち、

(1)『まどマギ』がキリスト教の《聖書》をモチーフとして理知的に魔法少女達の「救済」を描いた作品とするならば、
(2)より日本的に、勇者達の《短く咲き誇ったのち散り行く桜花》の哀しさを抒情的に謳いあげる作品

になるのでは・・・と予想していたのですが、その後のストーリーは、こうした"勇者"であることの証(あかし)をヒロイン達が確りと問い詰めていく方向には踏み込まず、逆に第10話以降やたらと話のスケールを大きくしてしまい、収拾がつかなくなってご都合主義もいいところの完結になってしまった感じです。

それが、この作品の深みが最後の数話で一気に薄くなってしまったように私が感じた原因かも知れません。{/netabare}

●最終話を2回視聴して

※上は最終話を初めて視聴した時の感想ですが、その後ラスト3話を2回目視聴した後の率直な感想として追記します。

今度はストーリーが分かっているので、安心して細かいところまで確認しながら視聴しているんですね。
それで、ちょっと自分でもビックリしたのは、初回はあれだけ違和感が強かった{netabare}唐突でご都合主義的なHAPPY END{/netabare}について、意外にこれで良かったのかも?と何気に思い始めている自分に気づいたことです。
確かに最終話のストーリーは、{netabare}いくら私でも弁護するのが困難に感じるほどに支離滅裂に見えてしまうのですが、でも、これまで頑張ってきた勇者部の5人があのまま救われないで{/netabare}エンドを迎えるのは、ファン心理としてはやはり辛いんですね。

だから、すごく甘々ですが、もしかしたらこの作品は、もうこのエンドで良かったのかも?{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 142
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

洗脳少女奮闘記、そして・・・(ヤンキー漫画かっ!より改題)

【物語理解を踏まえて を追加 題名を変更】

【物語理解を踏まえて 結局、なんの話なのか】
{netabare}2周目を見て、友奈が勇者でいることが出来る理由を把握出来た。
じゃあ、これを踏まえて考えると、この物語って何だったのか。
ちょっと、ありがちな物語例を上げてみる。

 組織の為に働くも、
 組織の暗部を知ってしまい、
 組織を盲信してた自分自身への価値が揺らぐものの、
 仲間たちを信じることでその価値を取り戻す

どっかで聞いたことがある話じゃありません?
主人公の仲間になるサブキャラのストーリーっぽいし、
主人公の成り立ちに厚みをもたせる為のストーリーとしてもありそう。
これを結城友奈に置き換えると

 神樹の為に働くも、
 神樹の暗部を知ってしまい、
 神樹を盲信してた自分自身への価値が揺らぐものの、
 仲間たちを信じることでその価値を取り戻す

こんなベタベタなお話にすんなり置き換えが出来ちゃう。

この結城友奈の物語って、その全体的な雰囲気や台詞とかから、
・お国のためにその身を捧げて華を散らした人々の物語
・まどか☆マギカの後を追う作品
という風に見えるんだけど、このベタなストーリーを分かりにくくするためのベールとかエッセンス程度。
ミスリードを誘う、とまで言うと、言い過ぎだけどね。
ふん。1回目見た時に
「エヴァかよ、まどかかよ」
でちゃんと読めなかった人間の負け惜しみさっ!

じゃあ、ベタだからダメなのか。
それは違う。
ベタをベタとして、見事に描かれている。
笑いあり、涙あり、友情あり、熱血あり、パロディあり。
にぼっしー登場時のまんまエヴァパロ。犬吠埼姉妹の物語、東郷の反逆、にぼっしーの連続満開散華。
思わずニヤリとし、思わずホロリとし、思わず同情し、思わず熱くなり。そして、続きが気になり。
最後には、友奈を含めた全員が全回復して戻ってくる大円団。
この大円団は、ベタな物語だからこそ許されるものだよ。

うん。
ちゃんと2周目見て、良かった。{/netabare}

【2周目を見て 洗脳少女奮闘記、そして・・・】
{netabare}2周目を見た私の物語理解は

 当たり前に植え付けられた、神樹を信じる心が
 自ら得た、友達を信じる心、
 に変わる話。
 与えられたもので満足せず、自ら勝ち取れ!

というものだ。

何故、そう思ったのか。

まず、放送時、1回目に見ていて、どうしても分からないことがあった。
それは
「友奈が勇者にこだわることが出来る理由」
である。
訳の分からん敵と戦わされ、戦った挙句に身体機能を欠損していく。
こんな状況で
「私、勇者辞めます!」
と言わない理由が分からないのである。
そこが掴めないままあの結末を迎えたので、私が率直に抱いた感想は
「ヤンキー漫画かっ!」
だった。
何のことかというと、
彼女の信念や行動に根拠や理屈が無い=彼女の信念や行動に根拠や理屈が”必要”無い
と捉えたから。
1回目視聴の細かい感想は下にあるので、宜しければご覧下さい。

だが、どうにも、モヤモヤしたものが残る。
ここまで心に引っかかる物語になると思ってなかったので、最初の方はそんなに真面目に見ていなかったのである。第3話見逃してるし。
なので、
「友奈が勇者にこだわることが出来る理由」
を掴むことが出来れば、と思い、2回目を見てみた。
そして得た自分なりの理解、友奈が勇者にこだわることが出来る理由は、
 神樹に選定され、神樹から力を与えられている勇者というものを辞めるなどということには
 考えが及ぶものではない世界の物語
 =洗脳された少女が奮闘する物語
ということ。
つまり、こだわれているのではなく、拒否などというところに思い至らないのである。

まず、その世界観を見てみる。
物語の舞台は市立讃州中学校だ。
”私立”ではない。”市立”である。お国が、公が作り、運営している学校である。
この中学には、各教室に神棚が有り、屋上には祠がある。
そして、朝の挨拶と帰りの挨拶の際に、神樹のある方に向かって
「神樹様に拝」
と拝む。
公立で行っているということは、国の教育方針として神樹信仰が行われているということ。
ということは、義務教育である小学校でも同じ状況だと推測され、幼少期から、神樹と大赦に対する信仰を植え付ける教育を行っているということである。
10話の風先輩の勇者部勧誘口説き文句。
「世の為、人の為になること。神樹様の素敵な教えよねー」
これを入学早々の中学1年に言って通じることからも、まぁ、間違いないだろう。
また、普段の生活においても、神樹と大赦に対する信仰の深さが伺える。
10話の東郷家の話から、神樹にお仕え出来る、大赦に協力出来る事は非常に光栄なことなことであり、娘が神樹より勇者に選ばれたことは誇り感じるらしい。
これらのことから、
”生まれてからずっと側に神樹と大赦があり、
 これに恩恵を受けて生きており、
 神樹と大赦は絶対的な信仰の対象”
という、こんな世界観である。

こんな世界観で育った友奈が、何度か神樹や大赦について話す場面がある。
それを取り上げてみよう。
1話
「神樹様がつくったなら安心」
バーテックスが初めて攻めてきた時に巻き込まれたあの結界の感想である。
え?である。
周囲の時間が止まった挙句、あんな訳の分からん世界に放り込まれても
”これは神樹様がつくった結界だから”
という説明だけで安心しちゃえるのである。
いやいや、もっと戸惑うだろ、ビビるだろ。

5話
「神樹様が守ってくれる」
宇宙空間でバーテックスを倒した後、東郷の展開した朝顔にて大気圏に突入する。力を使いすぎてコレが保つかどうか分からないと弱気になる東郷にかけた言葉である。
え?である。
普通は東郷を持ち上げるようなこと言うだろ。
”東郷さんの作ったものだから大丈夫”
とか。
なんでそこで神樹頼り?

5話その2
「神樹様、二人とも無事に帰らせて下さい」
朝顔にて大気圏に突入中の心の声。
この時、東郷は
「もし万が一ダメでも、友奈ちゃんと一緒なら、怖くない」
と心の声。
二人の微妙なすれ違い。

7話
「大赦が問題ないって言ってる。何より、人類を守った神樹がある。」
「神樹様にハッキリ意思があり安心。私たちのこともなんとかしてくれる。」
旅館での東郷との会話である。
え?である。
各人の身体機能の欠損を心配する東郷を元気づけるためとはいえ、平然としすぎ。
中学生が味覚障害おこしてるのに、なんでここまで泰然自若?

8話
「なんとかする方法を見つけてみせる」
乃木に勇者システムの真実を告げられた帰りの車の中で、動揺する東郷へ。
さすがに動揺していたが、立ち直りが早い。

9話
「後遺症を知ってても戦ってたはずだ。
 世界を守るためにはそれしかなかった。
 誰も悪くない。」
勇者システムの真実を知った風先輩が大赦に反逆するのを止めながら。
え?である。
いやいやいや。黙ってた大赦は完全に真っ黒じゃん。
しかも、ずっと
”君らの体調不良はそのうち治るんじゃね?”
とか誤魔化し続けてるんだよ。
満開するのがヤバイなら、5人全員で技を回して使って行って、満開を少しでも遅らせるとか対策出来るじゃん。

これらの台詞から、友奈の、神樹、大赦に対する絶対的な信仰が窺い知れる。
この盲目的信仰。完璧な洗脳具合である。
小さな頃から当たり前なものとして根付いている神樹信仰に対して、
「いや、神樹様、なんかおかしい」
って思いは、自分の根底にあるものをひっくり返すことだ。
わずか14歳の女の子が出来ることじゃない。
神樹に反抗した2人を見ると
・東郷:乃木から語られた忘れてしまった鷲尾としての過去の体験と真実
・風先輩:何より愛する妹の夢が奪われたから
という、根底からひっくり返される外的要因があったからである。
友奈も様々な経験をするんだが、結局、神樹信仰をひっくり返すまでの出来事は無かった。

ところが、である。
11話である異変が起きる。
友奈が勇者に変身出来なくなってしまうのである。
東郷の反逆に戸惑う友奈に対し、スマホがある警告画面を出す。
「勇者の精神状態が不安定だから、神樹との霊的経路を生成出来ません」。
その後、にぼっしーの連続満開散華を見た友奈は再び勇者に変身出来るようになるのだが、にぼっしーは戦闘前にこう言っている。
「神樹様のためじゃなく、勇者部のために戦う。」
あれ?神樹への信心じゃない、って言ってるにぼっしーが勇者システム使えるの?
このことからの推論だが、勇者システムを使うのに必要なのは、
”神樹への信心”
ではなく、
”何かを信じる心”
ではなかろうか。
神樹への信心だと、にぼっしーや東郷が勇者で居続けれるのはおかしいし。
風先輩、東郷の反逆や世界の真実を目の当たりにした友奈は、全てを隠す神樹を信じれなくなってしまい、精神が不安定になる。だから勇者に変身出来なくなる。
だが、勇者部の為にその身を削って戦うにぼっしーに心打たれて、友達を信じる心が宿り、勇者システムを使えるようになる。
そう、ここで、友奈の信じるものが、
”神樹”から”友達”
に変わるのである。

そして、友達を信じる友奈の根性論が12話。
殴って解決、友達パワーでなんとかなる、である。
で、ラストの劇の台詞。
繰り返される「大好きな人」という言葉。
「大好きな人がいるから強くあれる。
 大好きな人がいるから絶対に負けない。」

こんなところから、2周目を見た私の物語理解は
 当たり前に植え付けられた、神樹を信じる心が
 自ら得た、友達を信じる心、
 に変わる話。
 与えられたもので満足せず、自ら勝ち取れ!
というところで落ち着いたのでした。

話変わって
2回目で気付く伏線あれこれ
1話、冒頭人形劇
  勇者が魔王を殴って友達に:殴って解決ってそのまんま最終話
5話、戦闘前円陣
  友奈、美味しいものおごってもらう:味覚障害
  東郷、国を守る発言:神樹に反逆
  風、夢がある:声帯障害
  にぼっしー、バーテックス殲滅:世界はバーテックスだらけで殲滅不可能
7話、神棚のお供え
  お供えは後で自分で食って良い:供物の取り戻し{/netabare}


************************


【1周目 放送時視聴感想】
1、2話を見て「エヴァ+ビビオペ+まどか?」と思いピンと来ず、「あれ?こんな娘いたっけ?」と思ったら3話を見逃しており、というダラけた見方。

【ぼくらのまどかと較べてみて】
{netabare}魔法少女が悲惨な目にあう、という共通項を持つまどか☆マギカと本作。
どっちが好きか、と言われれば、明らかにまどかのほうが好き。
何故か。

まどか☆マギカは奇跡を望んだ末の代償としての悲劇。
ソレに対して、本作は完全に巻き込まれた末の悲劇。
訳の分からない戦いに巻き込まれた挙句に身体機能を失っていく本作のほうが悲劇度は高い。
だが、あまりに理不尽すぎて身につまされない。つまりは、キャラに対して感情移入しにくいのである。

また、戦わなければならない理由が薄い。
まどかは自業自得だから魔女と戦い続けなければならないのだが、本作は巻き込まれただけなんだから、「私はもう戦いません、勇者辞めます」と言っちゃえば良い。

感情移入しにくいキャラが、戦わなくても良いのに絆だ何だという言い訳で戦っての自己犠牲を見せられても、グッとくるものが薄いのだ。
この辺は、ジ・アースに乗って戦いの運命に巻き込まれていく「ぼくらの」に近い感じかな、と思う。{/netabare}

【今後を勝手に予想】
{netabare}・大赦はとんでもない大災厄を防いでいる

・大赦が力を発揮し続けるには供物が必要

・大昔ならともかく、現代に生贄制度は無理

・いい方法思いついた。
バーテックスって敵がやってきて、こいつを倒さないと世界が滅ぶってことにしよう。
で、バーテックスを倒す能力が上がるたびに身体機能の一部を供物として捧げてもらおう。純真無垢な女の子ならやってくれるはず。お友達と一緒に世界を守って、ってやればチョロイもんだ。
世界を守るって名目で供物ゲットだぜっ!

・えーっ!そんな酷いシステムだったのっ!
私が、諸悪の根源の大災厄を破壊してみせるっ!たとえ、この身がどうなろうともっ!大満開っ!!

・友奈ちゃんのおかげで世界は救われた。大満開の影響で友奈ちゃんは植物状態になっちゃった。ごめんね・・・

・ところがどっこい、大災厄は健在だぜ。友奈の大満開の影響で力は減ったが、そのうちまた回復するだろう。しかし、大満開の邪魔をするとは、大赦も悪よのう。

・ふっふっふ。大災厄が消えれば大赦の存在意義が無くなりますからな。
友奈のおかげで供物は十分。暫く大赦パワーも保ちましょう。まぁ、足りなくなったら、また、勇者を選任すれば良いだけのこと。

・数年後、新しい勇者が選任されるのでした。
おしまい{/netabare}

【最終話まで見て】
{netabare}上にも書いたが、友奈が戦わなければならない、勇者に拘る理由が分からないまま見続けていたのでモヤモヤを抱えたまんまだった。
そして、最後まで見て、合点がいった。

そうかっ!コレはヤンキー漫画だったんだ。しかも、使い古された感じの。

・戦う理由?
そんなものはねぇっ!そこにダチがいて、俺がやんなきゃならねぇ。だったらやるに決まってんだろっ!
・ダチが道に迷った?
俺がぶん殴って眼ぇ覚まさせてやるっ!
・説得?
ごちゃごちゃ言っても始まらねぇ。どうにかなんだよ。そういうもんだろっ!
・困難?
んなもん根性でどうにかしてやらぁっ!

ヤンキー漫画に理屈や道理を求めてた俺がバカだったってことだ。

なんか、マイルドヤンキーって言葉があるそうな。
定義を見てみると、はあはあ、なるほど、そういう意味ね、って感じである。
マイルドヤンキーな方々が理屈や道理を抜きにして見たら楽しいアニメなのかもしれん。
だがな、マイルドヤンキーはこんな見た目が萌えなアニメ見ねぇよっ!{/netabare}

最終回予想の答え合わせとかどうでもいいわ。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 19
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

<ネタバレ・長文>ゆゆゆと日常系と物語と 【52点】

勇者部に集う少女たちの「日常ときどき戦闘」を描く作品。
毀誉褒貶ありますが、視聴意欲のある方はネタバレ全回避推奨です。

■基本的な感想
毎週楽しんだし、彼女たちの日常は愛しくて(風先輩prpr)、{netabare}最後は全員ハッピーでよかった(本心で)。{/netabare}
でも、ちょっと物語としてどうよ?ってのと、作品のスタンスに対する違和感は残った。


先達が力のこもったレビュー書かれてるので、あとは若干返歌気味に殴り書きで。
上から目線・長文です、参考にならずすみません。

{netabare}ネガティブな感想は多めですが、毎週楽しみにしていたし、長文書きたいくらい印象に残った。
※のいくつかは私信代わりだったりします。気づいて下さるかしら。


◆どこに対するメタか:本作と日常系
{netabare}仕掛けがある本作、何をフェイクの存立基盤とするかって部分が必ず存在するんですが。
「変な部活」がカモフラージュ対象だったし、魔法少女というより日常系へのメタでしょうね。
ホモセクシュアルな小さなコミュニティ、作中からほぼ排除された主役5人以外の目線、定型化されたコミュニケーションが大部分を占める構成とか。
で、絶望魔法少女をチラつかせつつ、日常系美少女動物園をやる。
永遠が担保されない日常の終わりは、喪失感を伴います。
  参考:キルミーベイベーは死んだんだ ニコニコ大百科
しかも本作の場合、いつそれが襲い来るのかわからない。
不穏な空気をちょっぴり孕ませつつ日常を展開するのは真綿で首を締めるようで、うまい手法だなぁ。
※ただし、樹ちゃんの夢には「日常」から逃れるベクトルを感じました。
 だからこそ、それが牙をむいた不条理の最初の一撃で葬られたことが心に重くのしかかるわけで。
※私は萌え豚なので、日常系の帰結として本作のハッピーエンド自体は全面否定はできない。
 キャラがみんな幸せなら、それだけで満足してしまう部分はあります。{/netabare}


◆日常系で構成することへの疑問
{netabare}一方、キャラの痛みをリアルに感じられるのか?というのは疑問。
日常系視聴時って、箱庭を外から眺めるような距離感、無いですか?
本作はキャラ描写として、日常系的な記号表現を多く採用している。
その結果、物語の基本の一つである登場人物への共感覚が成立しづらくなっている気が。
同時に、失われる日常の重さも、「日常系への傾倒」の限度に限られてくる。
人物描写上の日常系フォーマットと、キャラへの共感が重要なシリアスな物語進行は、かなり食い合わせが悪いと思うのは自分だけだろうか?
※感情移入については一律には語れませんが。
 「作中での情動・動機付けがどの程度丁寧に描かれれば足りるか」の点で個人差大きいし。
※みんないい子ちゃんに見えるのは、キャラ表現が定型的で限られてるからじゃないかと。
 故に唯一人間的な情動を見せた風先輩が魅力的だというのも全面的に同意です。
※だからこそ痛みを想起させやすい身体欠損かも、と思ったけど、園子の体は円盤で修正されたみたい。
 元々欠損してない設定だったらしいですよ、うーん……{/netabare}


◇本題:ラストについて
{netabare}繰り返すと、私個人は日常系としてあの結末を否定しづらい。
一方で物語としては批判されるべくしてされているのだと思います。

一般論として、作品のラストが説明不足なのは残念なこと。
でも本作の結末に余計にがっかりさせられたのは、はじめから彼女たちの日常を壊し、犠牲を強いることを予定していた物語が、その犠牲に見合うだけの答えを与えなかったから。
犠牲の結末は、彼女たちが必死に抗い生きた結果として、描き出されるべきです。
それがハッピーエンドかバッドエンドかは重要じゃない。
登場人物がどう戦い、どのような因果を経て、結末を迎えるのか。
本作は最終話で、ハッピーエンドという結末だけを描いてしまった。
友奈以外の4人については、それまで(若干展開が性急だったにせよ)苦悩の中で現実に抗う姿を具体的に描いていたにも関わらず、です。
彼女たちの苦悩の、一方の原因であった身体はどのようにして回復し、もう一方の原因である世界の現状はどう変化したのか。
そこを正面から描かず、「友奈の犠牲」「みんながいれば」「根性で復活」でぼかしてしまった。

本作での悲劇は、結末での救済を描くためだけに存在しました。
しかし、結末での救済に説得感を持たせられなかった。
これでは、彼女たちが何のために悲劇を背負い、何のために戦ったのか、全てが色あせてしまう。
逆説的なようだけど、結末を見せるために描かれた悲劇は、結末の失敗によってその悲劇性を失ったと言えます。
少なくとも、制作陣は、自分たちの生み出したキャラの苦悩を真正面から受け止めることから逃げてしまったように見えました。

物語性を排した「日常系」としての本作は、キャラたちの小さな世界が回復されたことで成功した。
その反面、結末をおざなりにしてしまった以上、物語としての積み重ねが遡及的に崩れ去っている。
その乖離の大きさが、個人的にも客観的にも、本作の評価が二分される原因かもしれません。{/netabare}


◆モチーフとその評価
{netabare}神風・桜がモチーフと考察されてる方がいますね、賛同しますです。
ぶっちゃけ、前者は考察するまでもなく「散華」とか「国防」って単語から明らかでしょう。
では、本作でその使用は成功したのか。
まず、「散華」や、戦いと死のイメージに添えられる「桜」はともに、気軽に使っていいワードとは思わない。
一方で、自己の守りたいものの為に命を賭す姿には心掻き毟られるのが人情でしょう。
だから、モチーフの重みに負けない物語を構築できれば、深い感動を呼び起こしたであろうことは理解できます。
(原案のタカヒロ氏の思想信条はerg界隈では有名らしいけど、原案者個人の嗜好で「国防」とか「散華」といったワードを作品で使うこと自体の是非は、ここでは置いときます)
で、本作が散華・桜のモチーフを背負うに足りる強度を持っていたか。
「守り、散り行く者」のモチーフを使ったにもかかわらず、本作はいかに守ったのか、なぜ散らなかったのかを描けなかった。
この点で、上記モチーフは本作には荷が勝ち過ぎていたように感じます
それらのモチーフを使われるだけで嬉しくなる、ってのはちょっと危ないなと思わなくもない。
※モチーフ使用の軽々しさという点で制作陣の姿勢に疑問を覚えるので、特攻隊云々は意図してないと思いたい。{/netabare}


■蛇足:最終話、友奈の立ちくらみについて
{netabare}あの一瞬、友奈以外の時は止まってて、ひとり未だ樹海の中で敵と戦っているという解釈があります。
だから、結城友奈「は」勇者である、だと。
※でもこの説、確か電撃に掲載されたおまけエピソードで、公式に否定されてるんですよね……。
 結局、「勇者部五箇条、成せばたいていなんとかなる!」ということで。{/netabare}

【個人的指標】 52点
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 19

81.4 2 残酷で理不尽なアニメランキング2位
バジリスク~甲賀忍法帖(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1201)
5943人が棚に入れました
甲賀卍谷と伊賀鍔隠れに潜む一族は、ともに服部半蔵に率いられる忍者群同士でありながら、源平の昔より数百年、互いに憎悪を抱く不倶戴天の敵同士でもあった。服部の統制下、両門争闘の禁制によりかろうじて和平を保っていた。そのような中、甲賀組の首領甲賀弾正の孫弦之介と伊賀組の頭目お幻の孫娘朧は恋仲にあり、両家の縁組がすめば長きに亘った甲賀と伊賀の確執も解けるかと思われた。

そんな事情を知ってか知らずか、慶長19年4月末両首領を駿府城に呼び出した徳川家康と半蔵(二代目)が甲賀・伊賀の忍びに与えた使命は実に戦慄すべきものであった。
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

力加減がツボ (ツッコミ目線レビュー)

注意。このレビューはひたすら、笑いどころを探すための物ですので、真面目に作品をご覧になってる方はお読みにならないほうがいいかもしれません。
笑度の高かった(と思えた)回は★つけときました。

木崎って、アニメ影技のスタッフの人だー!もう大好きだったんです…。それで忍者ものって、ひょっとして好きかもしれない、と視聴。

一話 トンビが有能 {netabare}
男と女。敵同士。光と影。
両者見合って時を越えて果たし合い。
くそまじめな雰囲気だなー。そんなに裏表左右対称に世の中ゴリゴリ進んだらね。なかなかそうはいかないですよね。
普通は、気づいた時にはどちらかがいなかったり、連絡先もわからなかったり、変わっていたり。
年老いて最期の時を一緒に行けたのは本望だったでしょうね。
この爺婆は添い遂げられなかったけど、お互い共通の趣味(果たし合い)もあって、連絡もとれて、足腰立ってて、充実の老後だよなー。

相討ちになった後は、息も絶え絶えに、ちゃんと血の赤ペンで巻物チェック、ホイ、し に ま し た よっと、バタッ…。
トンビが巻物、回覧にもってきまーす!ピーヒョロロー

なにそれ。
まじめ…なのに…笑える…この力加減が、影技的…。ツボだわー
{/netabare}

2話 衝撃の鼻毛 ★{netabare}
太っちょ空気袋VSゴムゴムの爺様。
トンビの巻物を巡って打ち合い。「ごっこ」と称しておりますが不穏です…。

一方、伊賀と甲賀の命運が分かたれたことをまだ知らず、
逢引中のオボロたち。
暗闇の森が次第に白んでゆく、朝焼けの描写が涼しげできれいです。
今回はしっとり、まだ笑いどころが無いなァ…

と思ってたら

強 烈 な 鼻 毛 キャラ、キターーーー!!
ブハッ。
アップで出た後、引きの絵ばっかりなので、え?何?今の?もっと見せてよ‼その鼻毛‼勿体ぶらないでさァ、もっと‼
と、クローズアップを求める気持ちが高まる中、大真面目な話が続きます。鼻毛が気になって全然集中できない。

しかし、オボロ様の笑顔がとても可愛いよ。まだ何も知らずに、想い人の前ではにかんでおられる。眼の能力ってなにかしら。
伊賀者達の悪〜い笑顔で情報隠蔽後、イケメンキャラ数名登場で待て次回。
{/netabare}

3話 なびいてる そよいでる{netabare}
今をときめく岡田磨里 脚本。
このアニメは登場人物の描き分けが必要以上にしっかりしているが、名前が難しい!
会話も、声優さんが丁寧に喋ってくれているというのに、私の日本語ヒアリング能力では漢字が…思い浮かばない事が度々あります…。

初登場の手も足もない地蟲十兵衛、五体不満足だからこそ身軽な反撃。スライディングした人力籠からぱかっと登場して、籠の引いたわだちに沿って地潜りし出したんですが、別にそのラインに沿わなくても良かったのでは…一瞬線路かと思った。
小豆蝋斎「なんという速さじゃっ!」
小豆さんはその、七福神の福禄寿みたいな長い頭(『才槌頭』っていうんだって) が重いんじゃないだろうか。中身は何?多分この作品だと、絶対何か仕込んである。

今回も鼻毛の彼 (蓑念鬼) が活躍。
アップで鼻毛が風にそよいでます。
スタッフのチェックとかあったのかな。「ここの鼻毛、もう少し柔らかくなびかせてよ。」とか。
前回より毛が短いような?
…何故私は、こんな小学生レベルのポイントでウケてるんでしょうか。

弦之助との手繋ぎごっこで照れる朧様を見ていた風船男・鵜殿丈助、「わたしらも色々と握り合いましょうぞ、のう、朱絹殿」
大人なセクハラ台詞もありますよ。

蝶を使った蛍火の攻撃シーンが美しかったです。
{/netabare}

4話 セクハラ走馬灯★ {netabare}
朧と弦之助の祝言前のモテナシパーティ開催。
伊賀と甲賀が同席だよっ!
軽快なセクハラトークに興じる、風船男の丈助。
色っぽいくノ一朱絹さんにいちいち話しを振ります。
全然意に返さない丈助のムードメーカーさ、青筋ぶちぶちギッラギラで見守る伊賀衆との、温度差が半端ない。そこまで…ってくらいの描写、おかしいよ。

酔いつぶれて朱絹に座敷牢に連れられるも大声な寝言で
「あけぎぬどのぉ〜」
…彼がいると和みますね…。
このテンポの良いしつこさは観てもらわないと伝わらない〜!

目下のものへの朧様の方言がかわいい!
このままずっと方言で喋って欲しい。

座敷牢から軽く抜け出た丈助。
朱絹との夜這い勝負がご破算になるも、ジンゴロウより伊賀甲賀の約定が破られた旨を口を割らせたところで、返り討ち。
ああー、ムードメーカーが失われた…セクハラトークが走馬灯のように…。
秘密を知ったら消される定めか…。
朧と弦之助のはにかみシーンもあり、テンポよく面白かった回。
でも今回は弦之助を覗いてイケメンが…というか、普通の顔の人がおらず、ちょっと画面が見苦しい。
{/netabare}

5話 変態バトル{netabare}
「甲賀一統、始末してくれるわ!」弦之助に内密に、敵地へ乗り込んだ伊賀6人衆による、バトル回。

例の蓑念鬼が毛髪を伸ばしてワサワサ闘っていましたが、鼻毛はそれ以上伸びないんでしょうか。鼻毛で絞められるの、嫌だねー。よりダメージが来そう。
名前の覚えられない人達の変則技が多くて忙しい。
身体を変態させる技に見慣れ過ぎて、普通の刀を武器にしているとものすごく丸腰に見えてしまう。

初登場のくノ一キャラ・お胡夷ちゃんの大雑把な雰囲気に和んだ回。
{/netabare}

6話 お胡夷サービスショット〜鼻毛責め〜★
{netabare}などと最低な見出しをつけましたが、
この回、絵が才気走っていてとても美しい。話運びも丁寧で、長く感じた。

ピチピチくノ一お胡夷ちゃんが川で水を飲む姿を、葉陰から見守る伊賀6人衆。カットの入りがものっそい怪しいです。極めつけはやっぱり鼻毛の人。何で何度でも笑えるかなあ。

しかもこの人、今まで使ってこなかった鼻毛が…伸びた…⁉使いよった…鼻毛をー‼
鼻毛?飾りですよ、タダの設定です、下らん言い掛かりは辞めて欲しいわい、みたいな顔してたくせに!?、うら若いくノ一相手なら喜び勇んで伸び伸びのばしよったーー‼
しかも倒れたお胡夷ちゃんを見下ろしてそれは満面の笑み。ハイ、変態紳士認定させていただきました。

夜叉丸と蛍火の淡い想い合いが、多くを語られずに美しく見せられて切ない。夜叉丸の最期と死後の描写も丁寧で、人の死が多い話だからこそ、こういうところ大事だな。{/netabare}

7話 お胡夷サービスショット〜爺干物〜
{netabare}アダルティー。お胡夷ちゃんが何故ピチピチなのかが判明する回。いや…爺さんたち、本望なのか…どうなのか。
あまり笑えるポイントはない。アダルティー。
松明の間接照明がムーディーよ。
お胡夷ちゃんは妹キャラなんだね。

コピー夜叉丸が蛍火と再会。蛍火はキレると怖い相手なので、ばれないかハラハラするな。偽りでもいい…このまま、お側に…なんて事にはならないんだろうか。ならなそう。{/netabare}

8話 今際の兄妹 {netabare}
痛い。簑念忌の体毛は針みたいにできるの??
お胡夷ちゃんが変態紳士に揉みしだかれて反撃しようとしたら、串刺しに…。今までで一番痛々しいよ。
しかしその後の、夜叉丸に化けた兄さんとの再会がね。
敵の前だから、顔色ひとつ変えずに、手を握るだけで。
黙って必死に、お胡夷の残留する意識を引き寄せるように、指を触れ合う姿がね。
こういう美しい切ないところがね…。

伊賀甲賀の和平の約定が破られたと聞かされ、自分と同じくらいの年端の娘が、身内によって残忍な最期を遂げているのを見てしまった朧。どう出るのかな…?{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 13

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「二人手をたずさえて、両家を縛る宿怨の鎖を断ち切ろう」

この物語の原作は未読ですが、アニメ化されていたのは知っていました。
2018年冬アニメで「バジリスク ~桜花忍法帖~」が放送される事を知り、今回の視聴に踏み切りました。

物語の舞台は慶長19年…大阪城が陥落し、豊臣家が滅亡した年でもあります。
その時、忍びである伊賀と甲賀は400年に渡り戦いを繰り広げてきたのですが、先代服部半蔵との間に交わされた「不戦の約定」と、戦乱の世が平定されたことも後押ししたのでしょう…
お互いの若者同士が婚姻することで、長きに渡った争いに終止符を打とうと話が進んでいたのです。

もちろん、400年もの間いがみ合ってきたのですから、皆が心から賛同している訳ではありません。
それでも甲賀卍谷衆の甲賀弦之介と、伊賀鍔隠れ衆の朧の仲睦まじい様子を見ていたら、時代の変化を感じずにはいられなかったのでしょう…
そうじゃなければ話は前に進まないと思うので…

ちょうどその頃、徳川家康は悩んでいました。
家康の悩みは徳川3代目将軍を誰にするかということ…
そしてその悩みを解決するために家康が選択したのは、正直人としてあるまじき非道…

甲賀を国千代派、伊賀を竹千代として忍法の二大宗家を相争わせ、それぞれの精鋭十人対十人の忍法殺戮合戦の結果、どちらか生き残ったほうにそれを賭けるという厳命を下したのです。
伊賀と甲賀は、まさに手と手を取り合おうとしている真っ最中…
でも、そんな都合を聞き入れて貰えるほど世の中は甘くなく、またそういう宿命を背負っている現実を突きつけられるのです。

そして恋仲でありお互い頭領となった立場の弦之介と朧の知らないところで物事は動き始め、気付いた時には引き返せないところまで事態は悪化していたのでした。
こうして後ろ髪を引かれながら、無益な殺し合いの物語が動いていきます。

視聴を始めて気付いたのは、伊賀も甲賀も己の血を絶やしたくないという気持ちが半端なく強いことと、そのためだったら何だってする覚悟が出来ているということです。

例え宿命でも、それを知っていたとしてもこの争いは胸が痛みました。
精鋭十人の中には、凡そ忍びではなく人としての普通の幸せを全うして欲しいと思える人も交じっているんです。
弦之介と朧は確かに恋仲…

けれど、忍びが人を慕ってはいけないという掟はないんです。
だから特定の人に特別な感情を抱くのはごく普通のこと…

そっと目で背中を追ってみたり…
離れている間にその身を案じたり…

こうしている間にも仲間が一人…そしてまた一人…
この悪循環…本気で早く終わって欲しいと願っていました。
でも負の連鎖は止まるどころか、さらに勢いを増して押し寄せてくるのです。

何でこんなことになってしまったのだろう…
少し前までは息遣いが感じられるほど傍にいられたのに…
こんな世継ぎの決め方は絶対に間違っているというのに…
壮絶な結末が視聴者を待っています。
守りたいという気持ちが強くなるほど、抉られた傷は広がっていくばかり…
でも気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、陰陽座さんの「甲賀忍法帖」
エンディングテーマは、奈々様の「ヒメムラサキ」と「WILD EYES」

2クール全24話の物語でした。
大切な仲間を失うという事は身を切られるくらい辛いということを思い知らされる作品です。
物語のラストも決してハッピーエンドとは言えなかったと思います。
そもそも伊賀と甲賀が争う時点でハッピーエンドは望めなかったのかもしれませんが…
でも完走して一つ分かったのは、「バジリスク ~桜花忍法帖~」はこの作品のファンの方には必須だったということ…
どの様に物語を紡いでいくのか…今度はリアルタイムで視聴しながらこの顛末を見届けたいと思います。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 12

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

悲劇の源流

原作はマンガという事になっているが、ある年齢以上の視聴者には、マンガの原作である山田風太郎の小説の方が親しみがあるかもしれない。

原作小説の熱烈な愛読者であるというバンドが担当したOP主題歌は、『甲賀忍法帖』というそのまんまのタイトル通り、軽快な楽曲の中に物語の主題まで歌詞として取り入れた、TVアニメ「主題歌」のお手本とも言えそうな傑作で、アニソン・プロパーではないジャンル違いのバンドの製作した楽曲とは信じがたいほどだ。

傑作主題歌を触発したのが原作小説であるように、本作のストーリー上の面白さやキャラクターの性格的魅力のほとんど全ては原作小説に由来するもので、山田風太郎の力による。

忍法合戦をビジュアルで見せる魅力は確かにあるのだが、ビジュアルによって魅力を増しているというよりも、山田風太郎の創出した面白さの「足を引っ張ってはいない」と評する方が妥当に思える。
そうはいっても、映像表現や声優の演技に抜かりがあれば、たちまち興を削がれて面白さが目減りするわけで、「足を引っ張っていない」という評は、決してアニメ製作者を貶めるものではないだろう。
面白さの由来が何であれ、視聴して楽しめることには違いがない。

ただ、ビジュアル効果を最大化しようとする意図の為とは思うが、物語の発端から終幕まで約10日間近く、夜空にかかる月がずっと満月のままなのはいただけない。
見ないふりをするのに少なからず努力が必要だった。

いささか意外だったのは、現代的なビジュアルを与えられたメインキャラが、モブの時代劇的な侍たちの間に混じってもそれほど違和感が生じなかったことで、これは映像化のもう一つの要素、声の芝居の効果であるようだ。
面白いことに、セリフ回しの影響だろうか、声優の演技が現代的ビジュアルにもかかわらず時代劇に寄っているようで、ちょうど顔出しの役者が現代劇と時代劇で芝居を変えるような印象があった。


本作の、殺し合いに至る恋人同士は、原作小説内ではっきりロミオとジュリエットをモチーフとしていると明示されている。
この悲恋物語に異形の忍者同士の絶滅戦を重ねた物語は、世に出てから半世紀以上が過ぎた。
最後に、原作小説がどのような時代を背景として登場したのか、少し記してみたい。


このころ、まだ高度経済成長は訪れてはいない。
が、高度成長を準備するように、社会が高度成長的価値観のもとに再編、再構造化されてゆく途上にあり、再編から取り残された土着的、伝統的、情念的なものは周辺に追いやられ消去されようとしていた。
周辺的なものが再編の中心的価値観へのカウンターとして注目され、対抗するシンボルとして一般化するのは70年代以降のことで、当時は、単に無価値であると打ち捨てられる、高度成長的な価値観にほぼ一元化されていた。

一元的な価値観は一種の踏み絵でもあった。この価値観に同じないという事は社会そのものから排除されることをも意味し、再構造化の歯車として組み込まれることを拒絶することは社会内での生存の不可能と同義だった。
人間を顔見知り同士の共同体から引きはがして経済機構の歯車化することでやがて高度成長は実現されるが、人間の歯車化が人間性の抑圧として、絶対悪として広く常識化されるのは、やはり70年代以降の事だ。
この当時はまだ、「悪い」ことだと問題化する視線は全的な共感を得られてはいない。


権力者の「君命」によって駆動される悲恋と異形の忍者の物語は、このような背景から立ち現われてきた。
これから視聴する人に、なにかの参考になればいいなと思う。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 3

84.2 3 残酷で理不尽なアニメランキング3位
オーバーロードⅢ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (837)
4465人が棚に入れました
TVアニメ第1期が2015年7月~9月に放送された第1期が「最凶ダークファンタジー」の名にふさわしい圧倒的なスケール感と、クオリティの高い映像に多くのファンを魅了、2017年には劇場版総集編(前編・後編)が公開。TVアニメ第2期「オーバーロードII」が2018年1月~4月にかけて放送された。「オーバーロードIII」は7月より放送開始。

声優・キャラクター
日野聡、原由実、上坂すみれ、加藤英美里、内山夕実、加藤将之、三宅健太、千葉繁、東山奈央、五十嵐裕美、小松未可子、沼倉愛美、瀬戸麻沙美、佐倉綾音、真堂圭、東地宏樹、楠見尚己、雨宮天、石井康嗣、安野希世乃、逢坂良太、白熊寛嗣、遊佐浩二、小清水亜美、斉藤貴美子、花守ゆみり、石上静香、富田美憂、嶋村侑、櫻井孝宏、土師孝也
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

児戯

1期2期視聴済み。
1期は確かに面白かったんだけど、2期3期とシリーズ続くごとにあれ?あれれ?と思う方向に。

7話まで{netabare}
なんで自分を偽って虚勢を張り続けなければならないんだろう。
部下を失望させる行動をして「コイツ大したことねーな」って思われたら愛想尽かされるとか寝首掻かれるとか…そういった危険性、無さそうじゃね?
1期の頃はまだ「この世界どうなってんだ、守護者ってどんなんだ」ってのが分かってなかったので慎重だったのは分かるし、「ひょっとして裏切られた?」ってことがヒヤヒヤのワクワクに繋がってたんだが…。
一応二期のくっそツマランかったリザードマン編も、この世界の住人はナザリックの住人も含め、設定された通りのことを繰り返すだけのNPCなのか、自分で考え学習して成長(変化)する自我があるのかどうか(コキュートス含め)測ったってことなんだろうと好意的解釈してましたが…。
もうなんか奇声発しながら全裸で逆立ちしてエロ本読んでても「さすがです」って言われそうじゃん?
変化=関係が変わる、褒め称えてくれなくなる可能性もあるってことね。
で、変化することが分かって相変わらず王様然とした演技を貫いてるって話だと思うのだが、頭の中に「殺せ、殺せ」と語りかけてくるシーンがあるでもなく、それでいて「デミウルゴスの立案したことだしぃ」と言い訳がましいのは何なんだろう。
演技してる(本来の自分を隠してる)ってのは裏を返せば守護者のことは誰一人信用してないってことで、誰にも心を開いてないってことで。
だからこそギルメン探しに躍起だし、それの面影を残す守護者が大事ってのも分かるんだが…分かるんだが、あんま躍起にも見えないし腫れ物触る扱いだし…。
2話のデミウルゴスとの会話見てても「え、どゆこと?」って素直に聞けばいいんじゃ?と思ってしまったり。
腹の探り合いってほど知的な展開でもないし…「ヤベっ、悟られちゃったかも?→いや、大丈夫だ、ふう」みたいなハラハラ無いし。

ってかこれ、なーんかペリーロダンシリーズと被るんだよね、自分は20巻くらいで脱落したけどさ。
終わらせる気が無いっていうか、主人公不在で1巻使うのなんて当たり前的なノリ。
そんなのアニメでやられても困っちゃうんだけど…あれ、また脱線するのか?
畳む気が無い風呂敷はいくら広げられても「壮大な構想だ」なんてことは思えなくてのう。{/netabare}

8話
あーあ、やっちゃったねぇ。
言いたいことが頭の中であれこれと混ざり合って上手く表現できない。
とりあえず頑張って書いてみる、辛口注意。{netabare}
いきなりだけど、喫煙で例えると…
マナーを守って慎ましく喫煙所で吸ってる人が居るその一方で、歩き煙草やポイ捨てしてる人が居て、それを咎めようと喫煙所に居る人を非難しても困るワケで。
また喫煙所の存在知らずに歩き煙草やポイ捨てしてた人間が「喫煙者叩きウゼー」と言っても全く説得力無いワケで。
そして早い段階から「ここは喫煙所です、ダメな方はお引き取り下さい」と明言してたのならまだしも、途中からいきなり「ここ喫煙所だよ?知らなかったの?」みたいな真似をするのも止めてくれよと。

虐殺やリュナ好きな人間はそれがマトモな嗜好じゃないってのは自覚してるので、陰でひっそりこそこそやってる。
オモテで発表する場合は早い段階から「これはそういう作品です」と明かして「そういうのが苦手な人」に警告しとくのが良識ってもんでしょう。
それを騙し討ちするみたいに途中から披露して「これに耐性のない奴は今までそういうのに触れたことのないキッズ」みたいに振舞われるのは非常に腹立たしい。
“ハッピーシュガーライフ”で常時ニヤニヤしたり“殺戮の天使”で「死亡シーン集にしたほうが面白いんじゃね?」って言ってる自分がそっちに耐性無いワケないじゃん。
“ヲタクに恋は難しい”の感想でもちょっと触れたけど、コアな趣味になればなるほど(そうであるほど少数になるし)「そうでない人」への配慮は気にするもので、「それはコアな趣味だ」と自覚してない人間ほど迷惑なものはない。
たまにカン違いして「好きなんだったら人目を憚ることなく堂々としてればいいじゃない」みたいなことをさも当然のように振り回す人が居るけど、それは違いますよ、と。
そういう人は一生“キノ”でも読んでろ。

「ワーカーは不法侵入した悪人だから殺されて当然」みたいな意見どこかで見たんですが、これは同じ週に“バナナフッシュ”で{netabare}ショーターが見世物的に殺される回をやりまして。
「ショーターはチンピラで悪人だから殺されて当然!」「アッシュをまだ生かしてるゴルツィネはなんて慈悲深いんだ」って言ってるのと大差ないなぁ、と思ってしまったり。{/netabare}{/netabare}

9話{netabare}
タカ派のデミウルゴス、ハト派のアインズで、ナザリック運営を自分の目指す方向へ誘導すべく腹の探り合いをするって話ならまだしも、アインズもすっかりタカ派になって、デミウルゴスを従えてる気になって逆にコントロールされてるだけにしか見えない。
もうずっと「そうそう、そういうことを言いたかったんだ」と合わせてばかりですっかり操り人形状態。
お前イエスマンかよ、ってかこういうのを「担がれてる」って言うんだが…しかもノリノリと来たもんだ。
接待受けていい気分になって保証人にサインしちゃうみたいな…それで後悔する展開にはならず、全て上手く行くってのが約束されてるのがこれまた…。
ちっとは(守護者とは反する方向で)自分の意志を貫くシーンがあれば良いのだが。{/netabare}

最終回まで見た感想{netabare}
ああこりゃアカンやつだ。
他の作品の感想でも書いた気がするけど、中井正弘のブラックワイドショーって見たことないかな?
まぁ多くは語らん。
それプラス自作自演、しかも大成功だけ。
これまた古くて恐縮だけど、スパイ大作戦なり…ずっと経ってAチームでもいいか、当初立案した計画はまず破綻する、そして「この計画ではダメだ」って知った後でキャラたちの機転でどう切り抜けて解決するかってのが見所のワケだけど、この作品は当初の計画がただ成功するだけ。
そして作戦はいつも自作自演、ワンパターン。
ワンパターンと言うとどうせ水戸黄門を例に出す人が現れるんだろうけど、あれは「(300年続いたことで証明されてる)江戸幕府は正しい」って前提の下ご正道を正す内容(“ご正道”そのものに疑問を投げかける展開は無い)ですんで、果たしてナザリックは正しいのかどうか不明なこの作品に当てはまるかは疑問。
ナザリックが正しいことを前提で見るのが正解なんだろうけど、それじゃあ物足りない。
ってかローダンですら月からゴビ砂漠に不時着してすぐに宣戦布告したハズだが…。

ってかよく分かった、よーーーく分かった。
何話だったっけ「舌戦」ってサブタイの回、舌戦と言いつつ全然そうでなかったのはもとより、そもそもお前一方的に表情読まれる心配ないじゃん。
ガイコツだからって設定に保護してもらい、更に感情の起伏も防いでくれる安全弁付き。
じゃあ「こっちの真意誰も理解してくれない」ってことで苦労するかといえばそんなことは無く、部下は勝手に斟酌してくれるし、それこそ何かあったら「だって部下が言い出したことだもん」で済む責任の所在を自分に向かせない鉄壁ガード。
こんなに有利な状況を提供してもらって「舌戦」って、何の冗談だ?
ここまで…ここまで介護してもらえないと不安で見てられないってか。
なろうの深淵を覗き込んだ気分、リスク(の可能性)が無いのはほんとツマラン。
要はこれ、相手の目を見て話せないカスが人と向き合うことからひたすら逃げ続け、自分だけの箱庭を作って一人で人形遊びしてるだけにしか見えない。
精神が魔物に侵食される云々?…うん、分かる。
けどそれってR-TYPE知ってると生っちょろくてのう。
ってかさ、だったらギルメンに再会したけど本人には理解不能のまま攻撃されるとかやってくれよと、「見覚えのある場所、見覚えのある仲間達、 だけど…なぜ?」や 「気がつくと私はアンデッドになっていた、それでも私はナザリックに帰りたかった、だけどナザリックの人々はこちらに銃を向ける」をやってくれよと。
そこまでやってようやく「魔物に侵食されてる」って話として成立するもんだと思うかなぁ。
「自分が怪獣になったつもりで積み木やミニカーで築かれた町(時にはそれの設定あれこれ考える)を破壊する遊び」ってのは、そりゃガキの頃やったけどさぁ、そんなんいい年して見させられても…。

追記
これは“妹さえいれば~”の方で書こうと思ったけど文句ばかりになったのでお蔵入りさせた話だけど──
作者はTRPG知ってるみたいだけど、なんか勘違いしてるっぽい。
極端な話、TRPGの醍醐味って番外戦術でして。
そりゃそうでしょう、わざわざ4・5人集まって、コンペでもなけりゃメンバーは気の知れた間柄で、顔つき合わせてやるゲームだぞい?
顔も名前も知らん匿名のヤツ相手にやるのとはワケが違う。
GMやプレーヤーの表情やクセを読み取ったり、目配せしたり、これまた極端だけどケンカっ早い人は気に食わない展開では机蹴飛ばす。
または「あ、コイツこんな側面あるんだ」ってのを発見できたり。
(ここら辺の「リアルファイトに発展」は“ハイスコアガール”がよく描けてる、本当に「当時」そこに身を置いてたんだなーってのが分かる)

そんな中こんな鉄壁ガード…GM知らん奴で終始覆面被りっぱなし・読み上げソフトで声の抑揚もナシなんて真似されたら、ツマランって。
“妹さえ”の作者もそうだけど「一人でやっただけなんじゃねーの?」ってのを凄い感じる。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 13
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

『アインズ様!もう我慢しなくても良いですよね!?』

2018.07.16
一見様お断りアニメ。必ず前2作(オーバーロード・オーバーロードⅡ)は見ておきましょう。

さ~て今回のオーバーロードは…
「ど~も~。ルプスレギナ・ベータっす。アインズ様の命令でカルネ村にいるっスよ~。でも正直言うと少し退屈っす。ゲヘナで呼ばれた時は暴れられるかな~と思ったっすけど、ちょっと物足りなかったっす。 ホウレンソウ?ん~~肉の方が好きっすね~。えっ違う?うへあぁ~(反省してない)。
では、今回のオーバーロードは・・・

●攻防、カルネ村!

●ナザリックに侵入者?

●陥落?リ・エスティーゼ王国!?

の予想っす。 それでは、いくっすよ~。じゃーん、けーん、ぽん!!うへあぁ~(反省してない)。」

{netabare}
マッチポンプな作戦『ゲヘナ』も終わり、一息ついたナザリックの面々。普段見れない日常回で楽しかった第一話。
・アインズ様、スライム風呂で上機嫌。骨の体を洗ってたのは三助の「三吉君」?
・やっと出てきた一般メイドの『シクスス・フォアイル・リュミエール』。人間のように見えて実はホムンクルス(人造人間)。{netabare}全員大食漢なのは種族ペナルティーらしいです(人間との差別化?)。{/netabare}一般メイドにとって「プレアデス」は憧れみたいですね。(戦闘力が高い上に、アインズ様の傍に殆ど仕えていられるし) 特にシズは黄色い声が出る程人気があるみたい?
・シズ・デルタは小動物好き? ヌイグルミのような容貌のせいで連れまわされる執事のエクレアが気の毒です(笑)
・サキュバス(淫魔)なのに、実は〇らかな〇〇(処〇)のアルベド(笑) 一方シャルティの方は・・・(笑)
・闘技場で戦闘訓練中のデスナイトとハムスケ。「その調子ですハムスケさん!」ザリュースに続きゼンベルの復活がちょっと嬉しい!
・OPには出なかったけどチョイ出演だったデミウルゴス配下の実験助手・プルチネッラ。イタリアの伝統風刺劇に出てくる道化師がモデルらしいですね。皆の幸せを願う腐れ外道と言われてるようで「幸福」の為に「不幸(犠牲)」が絶対必要というのが信条みたいです。
・アインズ様警護で不可視のボディーガード八肢刀の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)。数体掛かりでもアルベドの欲情暴走は止められなかった。(笑)

まだまだナザリックの未登場キャラはいますが、OPで0.数秒だけ出た
・アインズ様も目を背ける醜悪な容貌の拷問官『ニューロニスト・ペインキル』。(アルベド&シャルティア並みに『アインズ様LOVE』のオネエ)
・Ⅱで名前は出てましたが、風貌が放送出来るか心配な第二階層「黒棺(ブラック・カプセル)」の領域守護者『恐怖公』(OPでは後ろ姿)。Ⅱのゲヘナ作戦時、(回復魔法で元に戻ったけど)八本指の女幹部・ヒルマがマーレの杖で足をへし折られたあと、恐怖公の眷属たち(ゴ〇ブ〇)に腸(はらわた)を食われる拷問を受けましたね。
それぞれどんな立ち回りをするのか期待です。
{/netabare}

OPの顔見せではMITH&ROIDの「VORACITY」の曲と共に、お馴染みアインズ様と各階層守護者たち。戦闘メイド・プレアデスもセバスが抜けユリ・アルファがリーダー代行。末妹のオーレオール・オメガ(ナザリックの転移門「桜花聖域」の守護者。未だ詳細不詳)が編入され「プレイ‟ア”デス(七連星)」になりました。

リ・エスティーゼ王国からは
・ラナー王女の若き忠臣・クライム
・シャルティアの「爪切り」ブレイン(笑)
・王にも部下にも信頼厚い義勇の戦士長・ガゼフ。

王家からは、
・貴族の派閥が強い為、威厳が頼りない国王・ランポッサIII世
・初登場、脳筋馬鹿の第一王子・バルブロ
・小太りの小物感があるものの心意を見抜く見識が高い第二王子・ザナック
・人当たりの良さと明るい美貌。ザナック同様、洞察・観察力が高いながらも『深い闇』のあるラナー王女

バハルス帝国からは、
・「鮮血帝」の異名を持つ若き君主・ジルクニフ
・その後に付き従う帝国四騎士、バジウッド、ニンブル、レイナース。(ナザミは見切れてます)

ワーカーチーム、3人のリーダー、
※ワーカー:冒険者くずれのこと。裏&汚れ仕事(殺傷・暗殺など)専門の手練れ。冒険者と違いギルドが無いので情報共有や支援など無いのですがギルドによる規制が無い分、案件によって報酬が高いのかもしれません(ハイリスク・ハイリターン?)。
・チーム「ヘビーマッシャー」のリーダー・グリンガム(フルメタルアーマー)
・チーム「グリーンリーフ」のリーダー・パルパトラ(槍使いのおじいちゃん)
・チーム「天武」のリーダー・エルヤー(傲慢な天才剣士)

カルネ村のエンリがアインズに貰った2つの角笛の内、1つ目を吹いて召喚された19人のゴブリンたち、
隊長格のジュゲム・ジュゲームを筆頭に、
兵士(ソルジャー):カイジャリ、クウネル、パイポ、ゴコウ、ウンライ、他7名
弓兵(アーチャー):シューリンガン、グーリンダイ
僧侶(クレリック):コナー
魔法使い(メイジ):紅一点のダイノ
狼騎士(ライダー):キュウメイ、チョウスケ
(ネーミングの由来は落語の『アレ』から。カルネ村での共生生活は面白そう。)

ナザリックから、
ニューロニスト、恐怖公、ぱ~~~んどらず・あくた~~!

カルネ村から
エンリとンフィーレア
ハムスケ(森の賢王)が抜けてパワーバランスが崩れた森で季節限定の薬草採取中に襲われてるのかな?

ナザリック地下闘技場にいるワーカーチーム「フォーサイト」の面々、
・リーダーのヘッケラン(駈け引き示談が裏目に。アインズ様、激オコ!!)
・クレリックのロバーデイク
・ハーフエルフのイミーナ(胸タイラさん)
・女ウイザードのアルシェ(気の毒な身の上の貴族出身)

大草原を護衛と共に大きな馬車に乗って『ある所』に向かうジルクニフと帝国主席魔法使い・フールーダ。

そして対峙するアインズ様とガゼスの意味するところとは?・・・

待ちに待ってた身としては、かなりワクワクさせられました。(笑)

{netabare}
さあ、いよいよ「ナザリック魔導国」の建国が始まろうとしているのでしょうか?

ンフィーレアはエンリと結婚できるのか?
エンリはもう一つのゴブリン召喚の角笛を吹く事態が来るのか?そしてどんどん高まる『指導者』スキル!

仕込み操作でナザリックに侵入したワーカーチームの運命は?{netabare}(全員『悲惨な結果』になるかもしれません){/netabare}

ジルクニフ王の思うところは?代々帝国に仕えたフールーダは、どう転ぶのか?

バルブロ王子の『愚策』とは?

全ての黒幕「スレイン法国」はどう対処するのだろうか?・・・・
{/netabare}

もう期待で、ウズウズしまくって困ってます(笑)



2018.10.04
いやぁ~~、非常に『残念な仕上がり』となりました!
或る程度覚悟はしてたつもりでしたが後半、物凄い勢いで失速した感じ。
原作シチュエーション削られまくって殆どダイジェスト仕様になり、解説不十分で???な状況。

「ジャンプ」人気作のアニメと違い、原作に追いついてオリジナル要素を止む無く入れるわけでもなく、ストックも細かい設定も結構あるのに尺が決まっているので何処を生かそうか考えている内にかなり「混乱」しているみたいで、早く終わらせようと「やっつけ仕事」感も多々あったように見受けられます。なので所々おかしな作画やカットもありました。(作画監督・作画も2期以上に多めで、統一感バラバラ)大量殺生シーンになると「遠景」や「天空」で誤魔化してばかり・・・

モブのCG使用は2期のアンデッド兵においては無機質で面白く思えたのですが、生物系である{netabare}ゴブリン軍団{/netabare}や、王国・帝国兵団などノッペリ感が漂うゲームムービーみたいでかなり残念。
最大の見せ場である{netabare}「ゴブリン軍団五千の出現&反撃」「カッツェ平野の大虐殺」{/netabare}も予想を大きく下回る出来栄え(コレジャナイッ!)・・・
おかげで1期から楽しく視聴していた方々も見事「デスナイト(アンチ)」に変貌し、様々なWEBコメント欄でみっともない稚拙な暴言を吐き出しまくりでとても悲しく思えました。(´;ω;`)
(WEBで流れてたオバロファンによる解説動画はとても参考になりました。本編を見終わった後に原作と比較した丁寧な説明はとても楽しかったです。)

願わくば『リテイク』して欲しいところですが、そんなことには決してならないだろうなぁ・・・
だいぶ先だろうけど原作ストックが溜まれば、また再開するかなぁ。
この世界の伝承となる「13英雄」「6大神」もまだ明かされてないし。{netabare}{netabare}{netabare}{netabare}{netabare}(モモンガ=鈴木悟より先、600年前を始まりとした過去100年ごとに転移した『ユグドラシル』プレーヤー){/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}

2期中盤でオカシクなり始め、3期でさらにオカシクなったのが本当に残念でなりません。ゲーム(コラボ)や「新作・ぷれぷれぷれあです」は続くらしいですが、イイ感じに盛り上がって欲しいものです。(T_T)

And The Story Goes On?

投稿 : 2025/01/04
♥ : 19
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

本格的に世界征服へ?

原作未読。第1期、第2期は視聴済み。最終話まで視聴。

いよいよ、”ナザリックVS人間”の構図で物語が描かれます。
ナザリック(アインズ様)サイドに肩入れすれば、爽快なんですけど・・・。
人間サイドに肩入れしちゃうと、結構グロい作品かも知れないです。
{netabare}対フォーサイト戦や、対ガセフ戦{/netabare}など、少し心が痛みます。

オーバーロードのもう一つの魅力はコメディパート。
第1話の、アインズ様や守護者たちの日常は、かなり面白かったです。
それ以降も、デミウルゴスに対する、アインズ様の知ったかぶりとか、定番ネタも面白かったです。

第4期を期待して待ちたいと思います。



《以下、各話レビュー的何かです》
{netabare}
【第1話】
OP、EDが、いつもながら、とてもカッコいい。
OxTとMYTH&ROID、OPとEDの担当が1期、2期から入れ替わっている。
こういう変化は、ファンには格別の御褒美ですよね。

ナザリックの日常回。
さりげなく、第2期のおさらい。
さりげなく、新キャラ登場。
このさりげなさが、とても良い。

コメディ回であり、サービス回(?)でもある。
しかし、アインズ様の{netabare}入浴シーン{/netabare}って、需要ありますか?

【第2話】
相変わらずデミウルゴスに振り回されるアインズ様。
思わず声が出るほど、ウケた!

カルネ村編。
恐らく本編とは大きく関わらないであろう、カルネ村の日常が丁寧に描かれる。
第2期のリザードマン編とも通じる、丁寧な作風が嬉しい。

【第3話】
カルネ村編のつづき。
エンリの大変な一日。
そして、恐らく、アインズ様にとっても大変な一日(笑)。

いちいち説明がなくとも、エンリの背後でアインズ様が暗躍している様子がうかがえる。

ルプスレギナ。
エンリに絶妙なアドバイスとしたかと思えば・・・。

【第4話】
はい!ルプスレギナちゃん叱られました(笑)。
「ほうれんそう」は組織の基本ではありますけどね(笑)。

アインズ様はアウラを連れて、巨人と魔蛇のもとへ。
しょせん、ハムスケと同レベル。
結果はおのずと・・・。

【第5話】
巨人の群れがカルネ村を襲撃。
前話との繋がりから、アインズ様の指示を受けた魔蛇が、陰で糸を引いていることは容易に想像が出来る。
ルプスレギナちゃんも無事にテストをクリア。

エンリとネム、ンフィは、アインズ様の招待でナザリックへ招かれる。
甘味に目覚めたエンリが可愛い!

【第6話】
捕らわれのデスナイトから始まる、バハルズ帝國編。
皇帝役は櫻井孝宏さん。
パンドラズ・アクター役の宮野真守さんの時も思ったけど、有名声優さんの贅沢使いは人気作ならでは。

デミウルゴスの提案を受け入れ、アインズ様も動く。
冒険者とは異なる組織。ワーカー。
フォーサイト。
この後の話の中心になるんだろうな。

【第7話】
ワーカーたちがナザリック地下大墳墓に、盗掘目的で忍び込む。
いうまでもなく、これはアインズ様たちの企て。
次々と排除されるワーカー。

恐怖公の声優さんは神谷浩史さん。豪華声優の贅沢使い。これも人気作ならではですね。

ガゼフに匹敵するともいわれる天才剣士・エルヤーがハムスケに一蹴される。
三人のエルフの奴隷に見捨てられた末路は惨めでした。

【第8話】
この回は純粋に面白かったですね。

{netabare}アインズの「仲間」というキーワードからフォーサイトのリーダー・ヘッケランが導き出した答え・・・。
『ナザリック地下大墳墓にいるアインズに宜しく』
一見、間違っていない。
しかし、第1期から視聴している視聴者なら分かりますよね?
{netabare}至高の四十一人のメンバーなら「アインズ」ではなく「モモンガ」と呼ぶ。
守護者なら「アインズ様」と呼ぶ。{/netabare}
仲間の名を語った嘘にアインズ様が激怒するのも無理はない。

クレマンティーヌ戦と同様、はじめは戦士として戦うアインズ様。
理由は、{netabare}恐らくあの首輪{/netabare}?

次にマジックキャスターとしての力を見せつけるアインズ様。
アインズ様が魔力探知阻害の指輪を外した途端、アルシェが嘔吐。

『タッチオブアンデス』
超位階魔法保有者のアインズ様にとっては恐らく下位の魔法。
だけど、フォーサイトの面々には目にしたことのない高位の魔法?

イミーナを庇い犠牲になったヘッケラン。
自らの命と引き換えにアルシェを逃がすよう懇願するロバーデイクとイミーナ。
そこでアインズが導き出した答えは・・・。
{netabare}シャルティアに対して『苦痛なく慈悲深く殺せ』と。
「そこのどこに慈悲があるというのですか!」
『教えてやろう。このナザリックにおいて死は、これ以上の苦痛を与えられないという意味で慈悲である』{/netabare}
ひえ~っ!
まあ、実験材料にされたり、拷問を受けたりetc・・・。
そんなナザリックでは、苦痛の伴わない死は慈悲なのかも知れない(笑)。

アルシェとエントマの{netabare}声優さん{/netabare}が同じ理由がここにあったんですね。

Cパート。ドラゴンとともにアウラとマーレが王宮を襲撃。
まず先に相手に手を出させておいて、それを口実に、後から相手の本陣に乗り込んで、相手を屈服させる。{/netabare}

【第9話】
ジルクニフにとっては恐怖の一日だったでしょうね。
{netabare}居城に乗り込んでこられたら、目の前で大量殺戮。
ナザリックに呼びつけられたら、デスナイトの出迎え。
玉座を間を一望しただけで把握できるであろう、圧倒的な財力と武力。{/netabare}

ジルクニフ一同が帰った後の玉座の間のくだりは、とても面白かった。
アインズ様の心の叫びと守護者たちの過大評価!
これぞオーバーロードの真骨頂!

ラストの演出はとても良かった。
アインズ様の圧倒的な魔力を目の当たりにした{netabare}フールーダの{/netabare}声の上ずり方。
興奮と歓喜が否応なしに伝わってくる。
{netabare}フールーダの方を見向きもせずに前を通り過ぎるジルクニフとそれを見送るフールーダ。{/netabare}
言葉が無くても、お互いに察し合ったことが伝わってくる。


【第10話】
王国と帝国の戦争が近づく。

レエブン公は第2期ぶりですね。

第1王子のおバカぶりが笑える。

【第11話】
エンリ将軍が誕生し、第1王子のおバカな行動が、笑えない事態を巻き起こす回。
そもそも、情報収集に行くだけなのに、{netabare}5000人もの{/netabare}兵士を引き連れて行けばどうなるのか?
情報収集すらまともにできないおバカぶり。

数で押し切ろうとしたら、逆に数で押し込まれて、撤退・・・。
おバカ丸出し・・・。

アインズ様が動揺するさまも面白い回でした。

【第12話】
アインズ様の超位階魔法に王国サイドも帝国サイドも圧倒される回。

ところで、アインズ様が言っていた、『3人いや4人の殺してはいけない人』って誰と誰なんですかね?
{netabare}クライムとガゼフは決定でしょうね。
クライムには、ラナー王女から目立つ鎧を身に着けるように指示がありましたからね。
これは、デミウルゴス辺りからの入れ知恵でしょうね。
大勢の中で間違えて殺されないように、目立つ鎧を身に着けろ、と。
ガセフも、この後アインズ様からスカウトされましたからね。
まず間違いないでしょうね。{/netabare}
残りの2人は、今、戦場にいるのか?いないのか?で意見が分かれちゃうかもしれないですね。
今、戦場にいる場合なら{netabare}国王とレエブン公かな?{/netabare}
今、戦場にいないとすれば、{netabare}ラナー王女とザナック第2王子かな?{/netabare}

【第13話】
{netabare}アインズ様を殺せるほどの武器の存在。{/netabare}
シャルティアの精神支配のくだり以来の重要な話となりそう。

パンドラズ・モモン登場(笑)。
{netabare}『トウッ』って・・・。{/netabare}
思わず{netabare}『お前』{/netabare}って言っちゃった、アルベドが可愛い。
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 61

70.2 4 残酷で理不尽なアニメランキング4位
魔法少女育成計画(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (665)
2789人が棚に入れました
ソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」には、何万人かに一人の割合で本物の魔法少女になれるという噂が存在していた。
幼い頃から魔法少女に憧れていた中学生、姫河小雪もゲームをプレイするひとり。
ある日、いつものようにゲームをプレイしていると、マスコットキャラクターのファヴが突然、小雪に語り掛け、本物の魔法少女に選ばれたことを告げる。

声優・キャラクター
東山奈央、沼倉愛美、佐倉綾音、内山夕実、花守ゆみり、井上喜久子、日笠陽子、水瀬いのり、松田利冴、松田颯水、西明日香、新井里美、早見沙織、小林ゆう、緒方恵美、日高里菜、間宮くるみ
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

個性的で魅力的なキャラは多かったものの肝心の主人公が・・・

スノーホワイト:種崎敦美
ラ・ピュセル:田所あずさ
ねむりん:黒沢ともよ
カラミティ・メアリ:大橋彩香
プフレ:後藤沙緒里
シャドウゲール:種田梨沙
ディティック・ベル:村川梨衣
ラピス・ラズリーヌ:小澤亜李
レイン・ポゥ:麻倉もも
ポスタリィ:大森日雅
袋井魔梨華:日高里菜

アニメ化より1年前
魔法少女育成計画のドラマCDが発売され
アニメ化の告知がされました
上のはドラマCD版のキャストです
子役時代から黒沢ともよファンをやってる身としては
当然押さえるしかないないわけですが
そのあと無情な宣告が・・・

TVアニメ版はキャスト総入れ替え
しかも基本的にアニメ版の方が人気の高い声優さんが多いわけです
ねむりん役はともよちゃんからゆみりちゃんにコンバート
これはあれですか?
花守ゆみり>黒沢ともよってことですか!?
いえまぁゆみりちゃんが嫌いなわけじゃなくて
むしろ毎週もぐこみゅ聞いて公録行ったりしてたくらいには好きなんですが
なんだか複雑な心境です・・・
アニメでもちゃっかり別の役もらってる日高里菜もいることだし
別の役でもいいからともよちゃんを使ってあげてほしかった・・・

なんて話はどうでもいいとして

魔法少女育成計画という題名
魔法少女という単語にファンシーな響きを感じる人は
もはや深夜アニメの視聴者にはほとんどいないでしょう
魔法少女リリカルなのはシリーズや
魔法少女まどか☆マギカの影響で
もはや魔法少女と名の付く深夜アニメとあれば
むしろハードな展開をイメージする人の方が多いのではないでしょうか?

この作品も16人の魔法少女たちが生き残りをかけて戦うサバイバルアクション
最近の魔法少女モノの流れを汲んだ
運命に翻弄される魔法少女たちの過酷な戦いを描いた作品です

心優しい中学生の少女が
腹黒いマスコットに騙されて魔法少女になり
命がけで戦わされるというあたりは
魔法少女モノの中でもまどか☆マギカの影響を大きく受けているようです

しかし実際にそれ以上に色濃く影響を受けていると思われる作品は
高見広春のバトル・ロワイアルでしょう
デス・ゲームというジャンルをメジャージャンルとして確立したこの作品は
近年のあらゆるデス・ゲーム系作品の祖と言っても過言ではなく
このジャンルで勝負すること自体影響を受けている証拠ですから
当たり前の話であるとも言えます

そもそも古今東西ありとあらゆる作品が
何らかの他作品の影響を受けて作られており
影響を受けていること自体は非難されるようなことではありません
バトロワにしても死のロングウォークの影響が良く論じられますが
それがバトロワの価値を毀損することにはなりません

ただの二番煎じで終わるか
アニメ史の一里塚となれるかどうかは
その作品ならではに魅力を打ち出せるかどうかにあると思います
そしてこの作品にはそれが十分にあったと思います

{netabare}アニメ開始と同時に大きな話題を呼んだのは
魔法少女(男)だったラ・ピュセル
ラ・ピュセルという単語はジャンヌ・ダルクの異名として知られており
おそらく颯太君的にもそのイメージで命名したのでしょう
実際はフランス語で乙女とかその程度の意味の普通名詞で
ジャンヌ・ダルクそのものを指し示す単語ではないのですが
まぁ颯太君中学生ですしね
乙女の名を冠した魔法少女が変身前は男というのが
これは男の娘の一種なのかいやむしろトランスジェンダーだろう
といった感じでかなり話題になっていました
話題になりすぎました

1クールで16人を急ぎ足で殺して回らなくてはいけない
という制約の中で一人一人の掘り下げを頑張っていたと思いますし
最後まで見ればラ・ピュセルショックがピークの出オチアニメではない
とはっきりわかると思います
魅力的なキャラはたくさんいたのですが
デスゲーム系作品の宿命で
そのほとんどが次々と退場していって
最終話まで残るのはごくわずかなキャラだけになります

お気に入りキャラの退場で興味を失ってしまった層は
その先の展開を見てすらくれません
大きな話題になったラ・ピュセルがあまりに早期に退場したことで
話題性が大きく減ってしまったように思います

本来なら親友の死の影響を一番受けている
主人公のスノーホワイトが
ラ・ピュセルの死を乗り越えて
しっかりと物語を牽引していかなくてはいけなかったんでしょう

終盤まで生き残ったキャラの中で
スイムスイムなんかはなかなかのサイコパスっぷりで
かなりいい悪役キャラだったと思うんですが
そのスイムスイムを倒したのはリップルでした
さらに諸悪の根源たるファヴを倒す際は
スノーホワイトの能力で弱点を読み取って倒したかのように見えて
読み取った際にはもうすでにリップルがその方法で倒そうとしていて
結局スノーホワイトがあの場にいなくとも
同じ結末になったことは想像に難くありません

トップスピードを失ったリップルは
復讐のために戦いを挑み
ルーラを失った(自分で殺したんですが)スイムスイムは
自分がお姫様になるためにルーラの教えを忠実に守ります
つまりトップスピードやルーラは退場しても
物語に強い影響力を持っていたわけで
魔法少女としては死亡しても
そのキャラクター性は別のキャラクターを媒介に
作品内で生き続けているわけです

それに対してスノーホワイトは
ラ・ピュセル、ハードゴア・アリスと
自分を慕ってくれる相手を2回も失ってなお
本質的に何も変わっていません

この手の作品としては戦いを通した主人公の成長を描くことが
一つのポイントになると思うのですが
一連の事件の中で最後の最後まで
スノーホワイトはほとんど傍観者でしかありませんでした

それがエピローグで突然成長後になっていても
はっきり言って描写不足以外の何物でもありません
それがそのまま主人公の魅力不足につながっており
魅力に乏しいキャラがデスゲームの終盤に残って
無駄に尺を取ってしまいっていることが
作品自体をあと一歩物足りないものにしています

製作陣もその辺の弱点に気が付いていたからこそ
OP主題歌をもう一人の生き残りであるリップルの方に任せたのだと思いますが
それでもまだもう一味足りなかったかなぁという印象です{/netabare}

全体的にレベルは高く最後まで楽しく見れました
この作品ならではと言える魅力はあったものの
名作・傑作と呼ぶには少し届かないでしょう
この手のジャンルが好きな人にはお勧めできますが
万人向けとは言い難いアニメでした

おまけ
{netabare}キャラソンライブ行ってきました
キャラソンライブとは言ったものの
キャラソン9曲+OPEDの11曲しかないこともあって
歌が終わった後はひな壇形式っぽい
キャスト陣全員参加のトークパートだったのですが
むしろそっちがメインなんじゃないかってくらい
いろいろ面白い話が聞けたので
覚えている範囲で載せておきます

スノーホワイト(東山奈央)&
ラ・ピュセル(佐倉綾音)

ウエディングを意識した純白の衣装に身を包む二人
あやねるの男装はわりとガチでイケメンでした
「この恰好見た日高が女の顔になってた」とは本人の談
日ごろから百合営業に精を出すあやねるですが
さすがに抜かりないですね
しかし女体化して魔法少女になった少年役の女性声優が男装していると
もう何が何だかw

あやねる「今日は結婚式あげられてよかった!すぐ離婚だけど」
なおぼう「えー?ひどい!」
あやねる「だっておまえに三途の川を渡らせるわけにいかないだろ!」
まぁ離別じゃなくて死別だけどね

ハードゴア・アリス(日高里菜)

最初キャラソンはスノーホワイトとデュエットになる可能性があったらしいですが
結局一人で歌うことになったちゃんりな
彼女だけは歌が終わった後
ラジオ生放送のためトークパート欠席でした
残念!
エジソンのせいか・・・
もっとあのゴスロリちゃんりなを見ていたかった

リップル(沼倉愛美)&
トップスピード( 内山夕実)

キャラクター的にはこの二人大好きで
中の人的にもこの二人は好きなんですが
ぬー「OPでCDデビューまでさせてもらって感謝してもしきれない
これから曲を歌うたびにこの作品を思い出してもらえると嬉しい」
ゆみさん「実況でトップスピードが死んだときたくさんの人が悲しんでくれて
キャラクターがすごくみんなに愛されているのが伝わってうれしかった」
などなどコメントが優等生過ぎてイベント的にはあんまり面白みはなかったなぁ
まぁ悪役やギャグっぽいキャラと比べて
キャラのイメージを壊さないようにコメントすると
面白くしにくいってのはあるかも?

ルーラ(日笠陽子)&
スイムスイム(水瀬いのり)

早期の脱落者たちが出番が少なかったことを嘆いていて
最終的にだいたいスイムスイムのせいだ!という話になって
いのすけ「私はルーラの言いつけを守っただけだよ!私はお姫様になりたかったの!」
ひよっち「スイムスイム様たくさん回想していただきありがとうございました。おかげでギャラが・・・」
揉み手でスイムスイムにへつらうルーラさんw
脱落の速かったルーラですが
回想シーンが多かったおかげで
出番は終盤までたくさんあったんですね
たぶんルーラもこのくらいプライドが低かったらもっと生き残れたことでしょうw

ミナエル(松田利冴)&
ユナエル(松田颯水)&
たま(西明日香)

ミナユナはオーディション時は
一人で二役やる予定になっていて
松田姉妹は一つの役を取り合うライバルとしてオーディションに向かったそうな
そして妹の方に先に合格の電話が来て
横で聞いていた姉は複雑な思いで「合格おめでとう」
と声をかけて「あんたもやるんだよ!」と返されたそうです

ちなみにレコーディングで歌っているときは
「聞こえてくるのが自分の声なのか相方の声なのかよくわからなくなった」
なんて話をしてました
一瞬そんな馬鹿なwと思いましたが
マイクを通して聴いた自分の声ってなんか違和感ありますよね
マイクを通した自分の声より相方の声の方が聞きなれていれば
そういうこともあってもおかしくないのかな?

たま役のあっちゃんは人を殺す役は初めてだったとのこと
でもオーディションではスイムスイムもうけていて
逆にいのすけはたまも受けていたらしいので
もしキャスティングが逆になっていたら
はじめてにして大量虐殺していた可能性も!?

ねむりん(花守ゆみり)

なぜかルーラ一味に交じっての登場
スイムスイムをそそのかしたある意味黒幕という扱いなのでしょうか?
歌ってる最中に眷属(雲型のアクセサリ)を落っことすw

オーディションの時はマネージャーに
すぐ死んじゃいそうなキャラを狙おうといわれて
見事にねむりんを射止めたそうです

カラミティ・メアリ(井上喜久子)&
マジカロイド44(新井里美)

新井里美がリアルイベントに出てきて
しかもステージ上で歌まで披露する・・・
こんなイベントめったにないぞ!?
と思ってたらめったにないどころか
声優人生17年間で初だそうです
「もうアフレコとかじゃ全然緊張しないんですが、今日は緊張して眠れませんでした」
そしてそのしゃべり方をマネする17歳(おいおい)
こんなマネできるのもこの人くらいだな

ちなみに17歳(おいおい)のオーディションの決め手は
あのドスの利いた「クルクルリン」だったそうですw

森の音楽家クラムベリー(緒方恵美)

ライブの時イヤモニ付け忘れてそのまま歌ったそうな
普段自分のライブでそういうのつけずにヘッドバンギングしてるので
ついつけないで出て行ってしまったらしい

トークパートでは進行役をやっていたので
逆にあんまり自身のお話を聞けなかったのが残念

シスターナナ(早見沙織)&
ヴェス・ウィンタープリズン(小林ゆう)

はやみん「デビューの頃からよくしてもらってるゆうさんと一緒でうれしいです」
小林画伯「…」うしろからはやみんに抱き着く
公認百合カップルなのはわかるけどそこまでべたべたしなくてもw

パンフの自己PRページにはみんなファヴの絵を描く欄があるのですが
この二人の絵はヤバイですね・・・それぞれ別の意味で

ちなみにいろんな人がオーディションで複数の役を受けていて
あやねるなんか全部うけたらしいですが
はやみんはシスターナナだけしか受けなかったそうです
確かにぴったりな感じですね

全体的にかなり豪華なメンツで
よくまぁスケジュール合わせたなぁという感じ
あるいはイベント日程まで最初から決まってて
イベント出演が条件でのオーディションだったのかもしれませんね
会場もアンフィシアターというアニメ系イベント会場としては最上級の場所で
キンブレRAVEを使った無線制御で色彩自動切換えもきれいでした
というわけでかなり満足度の高いイベントでした!
ぜひまた開催してほしいですね
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 27
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

【最終回】真実は如何に

監督:橋本裕之 (代表作ごちうさ)
構成・脚本:吉岡たかを(代表作、四月は君の嘘、今期WWW.WORKING!!)
キャラクターデザイン:愛敬由紀子(代表作、四月は君の嘘)
アニメーション制作:Lerche(がっこうぐらし!など)
プロデュース:ジェンコ

※総評は数日後にします。

今回アニメ化されたのは
『魔法少女育成計画』(このライトノベルがすごい!文庫)宝島社
です。
原作小説既読。

物語の内容は同じ地区にいる魔法少女を半減させるためサバイバルゲームをさせます。

第10話からルール変更。
{netabare}生き残り7人。更に4人に減らします。{/netabare}

なお、7話以後は原作がどのように描写されているかに着眼して記述していますので、先々まで相当のネタバレを書き込んでいます。
一応、一回のクリック、タップでは見えないようにしていますけど、閲覧の際には注意をして下さい。

(公式より)
かわいいキャラとシリアス展開でギャップを狙っているようなことを公式には書かれています。

{netabare} 最初から主人公のスノーホワイト(だと思う)の死体が出てくるんですけど・・?
ついでに男の娘ラ・ピュセル(変身して少女)も登場です。
スノーホワイトとラ・ピュセルは幼馴染でラ・ピュセルがスノーホワイトの教育係とコンビを組むところから物語りの展開がはじまります。
3話くらいまでは日常展開するのでしょうか。

魔法少女を管理するQBみたいなキャラ、ファヴが登場しますけど、なにかと物語りのキーを握っていそうです。
登場キャラが多いのでグダグダにならなければいいんですけどね。

4話は本作では珍しくルーラを中心にキャラの掘り下げを行っています。
実はこれ目的はルーラではなく、スイムの掘り下げで物語の根幹にかかってくる大掛かりな伏線です。
放送終局で明らかになるでしょう。{/netabare}

最近のジェンコプロデュース作品は感動系が多かったので忘却していましたけど、グロ鬱アニメの代表作『エルフェンリート』もジェンコでしたね。
『エルフェンリート』の再来と鳴り物入りで宣伝していた『極黒のブリュンヒルデ』が消化不良でしたので、本作でグロ鬱のリベンジを図ったのかもしれませんけど、出来としては『極黒のブリュンヒルデ』にも至っていないでしょう。

橋本監督は本作の前にダンガンロンパ3未来編の絵コンテを1話担当しています。
原作上はダンガンロンパ3ほどゲーム的なストーリーではないですけど、本作もダンガンロンパ3同様のザバイバルアクションですので、同作品からイメージングして演出を進めたのは否めないようですね。

それが故に、魔法少女が死ぬことの意味に対し伏線を張らず、したがって多数の視聴者にダンガンロンパ魔法少女編と印象付けてしまったのは失敗でしたね。

第2話メモ
{netabare}魔法少女をクビになると、現実世界で死ぬ設定。
ふむふむ、こうきたか。
さして伏線も張らずに、分かりやすくダークな展開にしてたな。{/netabare}

第6話メモ「殺しまくることが目的化したのか」
{netabare}率直に。アホらしくて観ていられん。
私は原作ゲームはやっていないので、純粋にアニメとして観ているが、殺し合いストーリーの場合、キャラに何らかの感情移入が生じないと視聴者の脳内に物語は生まれない。
2話で殺人だから、キャラの掘り下げを求めるのも矛盾してはいるな。
要は記号としての魔法少女(今回死んだけど、男の娘もいたが)がもがき苦しみ殺し合うシリアスシチュエーションをゲーム脳で楽しめと、そういうことだな。

グロい殺人ゲームを繰り返すだけならダンガンロンパやコープスパーティと何も変わらない罠←古っw
原作小説を読んだから言えることもあるけど、あまりに人の心を安く見積りしてはいないか。

個人的には殺し合いという事象のモラルや倫理観はどうでもよく、既にまどマギで魔法少女物のアンチテーゼを体験している身としては、殺人が目的化した【薄っぺらいダークファンタジー】をこれでもかと見せつける製作側の奢った態度が気にくわない。
よしんば、まどマギ超える気概で作り込んでいるなら未だしも、原作読んだ限りでは足下にも及ばない。

物語性を考えずただのグロアニメと思えば観られんこともないが、こんなアニメに業界の貴重なリソースが食われているかと思うと、そっちの方が情けないな。{/netabare}

追記。
本作の舞台モデルは原作者遠藤浅蜊氏の出身地上越市のようだが、アバンでマジカロイドが新潟県には存在しない「Seicomart」のパロディー「Saicomart」から登場するシーンがあったので調べてみた。
北海道ではセブンイレブン以上に存在するコンビニだが、北海道外では埼玉と茨城だけ。
パロディーとはいえ「Seicomart」そのもので、OPかEDで提供や協賛のクレジットはない。
ほとんどが上越のなかでアバンだけロケ地が北海道とは思えないので、埼玉、茨城かそれとも勝手に使っているのかな?疑問だ。

第7話メモ
原作完読です。
これ以後原作のイメージ補完の目的で視聴している。
{netabare}鬱展開はまだまだ続くが、ハードゴアアリス登場から描写のグロさが半端ないね。
てか、断首されても、カラミティメアリに銃でグチャグチャにされても死なないとか、不死身設定もトンでるw
主人公のスノーホワイトが怖がるの無理ないが、主人公が登場しても空気化が半端ない。
登場人物も多すぎるからね。

さて、今回はリップルの過去回想があったけどフラグなのかな?
カラミティメアリからの呼び出しは・・トップスピード半年の秘密とか、まーあれだが、原作通りなら次回は相当凄惨なことになる。

魔法少女を減らす為に
キャンデーの数→殺し合い→?
この作品、伏線と回収の間隔が短いから分かり易いのだけが長所だなw{/netabare}

第8話メモ
まぁ今週もお約束グロ描写と死者累々。
グロはもうスクイズさえかわいく思えてくるw
{netabare}今回、過去帳に記載されたのはヴェスとユナエル。
ヴェスはシスターナナに化けていたユナエルを壁に叩き潰して殺し、ミナエルを攻撃中に背後にいたスイムスイムに右手を切断されるが、このシーンはグロい。
ヴェスの死因は出血多量。
既にウイッキーでネタバレ編集されていてワロタ。

妹を殺されたミナエルはすっかり闇落ちだが、キャラがキャラだからさして変わったように思えない。
スノーはアリスを怖がっているけど、スノーは自分自身の善行を忘れているのか?

次の9話まで原作6章。
6章ではその他トップスピード、メアリ、シスターナナ(自殺)が地獄流し。生き残り7名。
次話はトップスピードの秘密暴露でお涙頂戴となるのかな?
トップスピードの秘密はボカしておいたがネタバレが結構書かれているw
お察しのとおり妊娠だぽん。

ついでにメアリはリップルに殺されて、トップスピードはスイムに殺されるんだぽん。
シスターナナの自殺はどうやって描かれるのかも気にはなる。
9話タイトル、ルール変更の意味は更に4人まで減らすということ。
スイムとその仲間(たまとミナエル)は本人含めて3人だからなぁ。
さて、最後の生き残りは単純に3+1となるだろうかw{/netabare}

第9話メモ
取り敢えず原作通りに進行しています。
今話のネタバレは第8話で記述済みです。
{netabare}とうとうメアリーがアンチマテリアルライフルまで使いだした。
モノはロシア製KSVKだろうけど、イゼッタ並みに上手に作画されていたな。
しかし、どこからそんな武器調達してくるのだかね。
魔法少女にライフルやグレネードで、思わずまどマギのほむらを思い出したw
いろいろと設定パクリ過ぎじゃないの。

メアリとのバトルで尺を使い、トップスピードとシスターナナの描写が雑だったのはいただけないな。
原作ではナナの自殺動機は克明に描写されているが、アニメだけではヴェスを失い悲嘆にくれての自殺のような誤解を招きかねない。

物語の基軸がチープである分、エモーショナルなシーンの演出にはもっと力を入れないとダメ。
ま、登場人物の数もだが、原作を掘り下げるなら2クールは必要な作品だが、1クールで纏めるなら構成と演出に相当の工夫が必要だが、監督も脚本も本作には向いていたとは思えない。

生き残り。
1.スイムスイム
2.スノーホワイト
3.たま
4.ハードゴアアリス
5.ミナエル
6.クラムベリー
7.リップル{/netabare}

第10話メモ
wikiがまだ未編集。
というより、顛末部分が全部編集されているのだが。
苦情でも入ったかな。
しかし、原作の表現はそれ程どぎつくはないが、冗談抜きにアニメは魔法少女や絵柄に騙されることなく、けっしてこの作品は子供に観せない方がいい。衝撃が強すぎる。
{netabare}さて、今話で、クラムベリーの立場であるマスターの意味と魔法の国の計画の一部を明らかにしてきた。
「魔法少女人材育成計画」
今話で読み取れる「育成」の意味は皆で考えてみるべし。

そして、今話のほとんどはハードゴアアリスのエピソードだが、ミナエルとユナエルのエピソードもある。
つまり、エピソードをやるということはフラグだが…。

アリスの目の隈はなるほど、そういうことか。
おいおい!遺書は穏やかではないが、いや、でも、これ、いくらJCでも辛すぎるだろう…。
しかし、父親が母親を殺した殺人犯だの、鬱極まる設定を容赦なくぶつけてくるな…。

アホの双子ミナ、ユナは大学生だった。
ほんの少しでもエピソードをやってもらえるだけマシな扱いかもしれないが、魔法少女の本分を忘れ、遊び半分に人を殺したり、キャンディーを強奪して自分達だけが生き残ろうなんてのは甘いのではないか。

スノーホワイトとアリスの関係が明らかにる。
スノーホワイトは自分の善行でアリスを救っていたことを知り、アリスとの絆が深まった。
しかし、アリスはスイムに殺される、変身前に…。
ミナエルがアリスの人形に化けてアリスの住処を突き止めたということ。
なお、アリス殺害シーンは衝撃的かつ悪趣味であり、視聴要注意。
スイムがアリスを襲う刹那、ファブのナレーションで「一般人に正体を知られたら、魔法少女はその資格を失うぽん!」は11話の伏線でもあるのでお聞き逃しなく。
次にスイム一味はクラムベリーの始末にかかるが、ここで返り討ちに遭い、たまが負傷しミナエルが殺される。死体はグロい。

まぁ、原作の通りに進んではいるが、今話で2名死亡とは尺の関係で急いでいるようだ。{/netabare}

第11話メモ
この回では、10話メモに記述したファブのナレーションが伏線となる意味が活きてくる。
{netabare}「魔法少女は仲間同士であっても人間の姿をみせてはいけない」{/netabare}はルーラの教えでもあり、{netabare}スイムはルーラの教えに従ってたまを殺す。
この伏線に感づいたかな。
クラムベリーが失神して魔法が解けた幼女スイムの姿を見て、トドメを刺すのを一瞬躊躇った隙に、たまの穴あけ能力で殺されてしまったね。
マスターのクラムベリーを殺したスイムがマスターとなったが、さてさて・・

はい。今週は原作からの予想の通りクラムベリー(たまに殺される)とたま(スイムに殺される)が南無阿弥陀。

twitterやブログなどでも、スイムの冷酷非情さを批判している向きが多いけれど、4話を観ていないのかな?
幼女に大人の倫理観の適用は無理だろうし、子供の残虐さとは呵責がなく天然なんだ。
(参考)WHOの精神疾患の分類ではスイムのような性格「行為障害」という。{/netabare}

最終回メモ
{netabare}あはは。終わってしもうた。
結果は原作の通りだけれど、原作ではクラムベリーとファブの出鱈目がバレて、ファブは魔法の国に粛清され、魔法の国の使者がスノーのもとへファブ達の悪行を詫びるのだが、魔法の国のことは詳しく描かないで終わった。
原作ストックもあるし、多分2期をやるだろうから、魔法の国のことは次期だな。
生き残り。
スノーホワイト、リップル。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 45
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

残酷に残虐を加える二重の重い物語…最後まで見ることができるかを試されるアニメ

可愛い魔法少女に得体の知れない物体、某魔法少女アニメの雰囲気を醸し出すこの作品。でも、こっちの方がより鬱っぽい気がしてなりません。どう展開していくのでしょうか。

3話まで
{netabare}人気スマホのゲームで適正がある子が選ばれて魔法少女になるという、突拍子もない設定。しかも、男子も可という。主人公は純粋に人助けをしたいという理由で魔法を使い、人助けを行います。新人でもあっという間に営業成績ナンバーワンに。そこへ得体の知れない物体が悪魔の発言「魔法少女増えて容量オーバーなので減らすね」…なんだそれは?

「営業成績悪い奴はクビね」…何年前の企業だよ。はじめに引っ掛かったのはねむりんという悪い夢から救う魔法を持つ少女。のんびりいい子で、現実に帰ろうと先を見始めていた矢先、心臓麻痺で帰らぬ人に…ベッドで手を降ろすシーンの残酷なこと…

クビにならずにいるには頑張るしかない状況。が、クビ=死の実態を知る。得体の知れない物体がまたもや悪魔の発言「死んじゃうぽん」「仕方ないぽんぽんぽんぽん」…もはやかのQBを超えた悪魔っぷり。さらにバージョンアップという、生き残るには何でもやってしまえという通知。次回から生死を賭けたバトル・ロワイアルが始まります。

これ、誰も救われないんじゃなかろうか…どんどん人減っていくし。生き残っても失ったものが大きいだろうし。回が進めば愛着のわくキャラもいるだろうし、そのキャラの「死」を見なきゃいけなくなること必至です。スノーホワイトとラピュセルの幼なじみコンビ(中身は男女)がいい感じだ。でも、ラピュセルは消えそうなフラグ立ってるよね…
ねむりんの現実は24歳…そうだ、設定はスマホのゲーム利用者だったな。男もいるし、きっと子どもいる女性もいそうな感じがします。ますます残酷な話になりそう…{/netabare}

6話まで…
{netabare}ねむりんの次に犠牲になったのはルーラ。社会人なりたてのこれからの子。が、自分に自信が有りすぎて上司と衝突。それだけ自信があるなら自分で起業した方が良いのにとも思う…が、出来ないんだよね。そこがミソだと思った。それは自分より弱い立場の人間しか従えないところからも、実は弱い人間であることが分かってしまいます。花見の席取りでスマホゲームに興じているのは可愛かったけどね…まさかの裏切りでアウト。裏切ったスイムスイム、電波です。が、実はスイムスイムの本体はねむりんが夢で焚き付けてしまったというオチ、ということは子ども…とんでもないものを残していきましたね…

魔法少女たちの裏側が明らかになってきました。カラミティはキ⚪ガイとか、シスターは百合とか、マジカロイドは家に帰るのが嫌な状況とか、クラムベリーが裏ボスとか。さらに謎の16人目登場。

そして次の犠牲者が…ラピュセル…クラムベリーのキチ⚪イ性格によって、そうちゃんが、そうちゃんがぁぁぁ…。死にたくないの本音、無惨すぎる死…スノーホワイトの騎士が死んじゃダメだろう…。さらにスノーホワイトを殺せという命令に従ってしまったアンドロイド子の死…立て続けかよ‼ スノーホワイトに近づいた彼女は斬られても死なない?なんなの?で次週。

ファブは鬼畜どころが化け物です。えげつなさはQB以上。
まさかのラピュセルの死…。序盤に退場とは意外すぎ。でも、その話、あっさりしすぎではないかと。スノーホワイトにとっては大切すぎる相手。絶望の思いが上手く表現できていない気がしました。後、クラムベリーの中の人は裏ボスや裏ボスの役似合います。が、自分が見たいのは弱々しい男の子。なんとか緒方さんを救ってよ、庵野監督~{/netabare}

9話まで
{netabare}脱落者が増えていく。カラミティはマジカロイドを殺ったハードゴアアリスをこれでもか、これでもかというくらいに殺ります。さすがに硫酸コンクリート詰はいかがかと…それでも生きてるアリス。不死身では誰が殺ろうにも無理だろ。
シスターは仲間募ろうとしても、本気なのはスノーホワイトのみ。スイムスイムのものとへ行くが、まさかのウィンタープリズンが双子の片割れ連れて退場。
リップル、トップスピード過去と今を知りつつ物語は気違いメアリ対リップルの戦いへ。
メアリの昭和丸出しの変身に度肝抜かされ、精神の弱さにイラつき、リップルがヤバイ展開に。が、間一髪トップスピードが救い、コンビで気違いを撃破。喜びも束の間、トップスピードが変人スイムスイムに…なんと、妊婦さんを子供ともとも道連れに…
気違いの犯した惨劇をスノーホワイトとアリスは懸命に救助するが、その背後には変人スイムスイム軍団の刃が…スノーホワイトの心の声を聞く能力に救われて次回へ。

残酷な天使の…じゃなかった、残酷すぎるバトル・ロワイアルが続きます。悪魔のマスコットはさらに追い詰めます。当然のようにクラムベリーが糸引いているのでしょうけど。
死のシーンが残酷すぎる。ねむりんの手がだらんに続いてシスターの首吊り足元液流れは強烈です。スイムスイムの残虐性、実際はこどもなんだよなぁ…なんてことをさせるんだこの作家陣は…。作っている側も気違いだと思う(誉め言葉ではない。){/netabare}

12話(最終回)まで
{netabare}スノーホワイトが絶望しているところを慰めようとしたハードゴアアリス。しかし、その想いは伝え切れなかった。次にスイムスイムに狙われたのはアリス。双子の片割れがアリスの素性を知り、素のところを狙うという、もはや単なる殺人である。登校中に斬られるアリス。人前では変身できない…その声がスノーホワイトに届く。駆けつけるスノーホワイト、命を落とす瞬間、アリスがなぜスノーホワイトに拘ったのかが明らかになる。アリスは以前、カギを落として立ちすくんでいたところをスノーホワイトに救われた中学生だったのだ。スノーホワイトが本当の魔法少女なんだと伝え、絶命する…。
スイムスイムの勢いを感じ、クラムベリーが動く。クラムベリーこそ、この殺人ゲームのマスターであり、叩くことを望んだ。スイムスイム一行がクラムベリーと戦うが、双子の片割れが簡単に殺されてしまう。苦戦するスイムスイム。気絶して変身が解かれたスイムスイムを見たクラムベリーは躊躇する、そこにいたのは年端もいかない小学生だったのだ。その躊躇が命取りだった。タマが傷をつけ、そこを開いてクラムベリーは上半身が吹っ飛び絶命する。気絶したスイムスイムをタマが心配するが、気づいたスイムスイムはタマを殺す。魔法少女は素性を知られてはいけないという理由で…
スイムスイムを許せないリップル。スノーホワイトと会い、スイムスイムを殺ると告げる。もう止めて欲しいというスノーホワイトに、リップルはスノーホワイトに憧れていたことを告げる。
スイムスイムとリップルが戦う。腕が切り落とされ、苦戦するリップル。武器を振るった瞬間、落雷がスイムスイムを直撃する。そこをリップルがスイムスイムを落とす。そしてスイムスイムは少女の姿になり絶命する。リップルもまた倒れる。生き残ったのはスノーホワイトだった。
鬼畜なファブはスノーホワイトにマスターになるように願うが、心の声が聞こえるスノーホワイト。ファブがなんのために焦っているのかも理解した。発信器を壊そうとするスノーホワイト、しかし簡単には壊れない。心の叫びがアリスの残したアイテムを動かし、リップルが立ち上がる。リップルは発信器を壊し、ファブは消える。全てが終わった。
後、スノーホワイトは強くなるためにリップルと格闘を訓練していた。

主人公のスノーホワイト、何だったんだろう。なんで彼女が主人公だったのか、よく理解できずに終わった感じです。アリスとリップルからスノーホワイトこそ魔法少女だということを伝えられたが、この物語においては純な魔法少女は異端でしかなかったということを言いたかったのかな?{/netabare}

残酷な物語でした。よくもまぁ、可愛いキャラを次々と殺人に巻き込んだものだ。これがやりたかったんだろうけど、視聴者には伝えきれなかったように思います。これは作り手側の問題だと思いますが、個々の背景をもっと丁寧に描いていれば全然違ったかも知れません。背景が薄いから殺人ゲームだけがクローズアップされてしまったように思います。スノーホワイトにしても、なんのために主人公だったのか、最後まで理解できませんでした。単なる殺人兵器化としたスイムスイムの残虐性、嫌なやつかと思ったルーラの優しさ、ウィンターとナナとの関係性、カラミティの残虐性、トップスピードのリップルに対する気持ち、深く描けていたらもっと人気が出たかもしれません。

あとはファブですよね。これほど考えのない鬼畜はなかなかいません。もっと残虐な最後を遂げてほしかったよ、この鬼畜は…と思わせるところが狙いか?

キャラデザインは好きでした。可愛かったと思います。中の人たちは豪華でしたね。緒方さんがなんの違和感もなく魔法少女しているのが驚きでしたが、本当に幅の広い声優さんです。それと東山さん、今期は大活躍でしたね。忙しすぎて体大丈夫なのだろうか?

残酷な話が続いて重すぎなんですが、なんとか最後まで見ることはできました。話題性は一番だったかもしれません。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 42

66.9 5 残酷で理不尽なアニメランキング5位
殺戮の天使(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (344)
1454人が棚に入れました
ビルの地下の最下層で目を覚ました少女、レイチェル。 彼女は記憶を失い、自分がどうしてここにいるかさえ分からずにいた。 地上を目指し、ビルの中をさまよう彼女の前に現れたのは、顔を包帯で覆い、死神のような鎌を持った殺人鬼ザック。 「お願いがあるの…お願い、私を殺して」 「一緒にここから出る手助けをしてくれよ。そしたらお前を、殺してやるよ」 二人の奇妙な絆は、その””誓い””をキッカケに深まっていく。 果たして、ここはどこなのか。二人は何の目的で閉じこめられたのか。 彼らを待ち受ける運命とは。 密閉されたビルから脱出する二人の決死行がはじまった……!

声優・キャラクター
千菅春香、岡本信彦、櫻井孝宏、藤原夏海、伊瀬茉莉也、大塚芳忠
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

「走りっ…ン出したらぁ~、何か答えが・出るだろう~なんて

2話までの感想{netabare}
1話見た段階では「あ、面白そう」と思ったんだけど、2話見たら…ってかOPの段階でそれが揺らぎかける。
え、鎌男レギュラーなん?
うーん、どうなんだろ、あんまヒャッハーヒャッハー煩いと邪魔に感じそう。

それと気になるのは、これゲーム原作?脱出ゲーム?
ゲームなら「とにかく色々試してみよう」とやってみて結果的には意味の無かった行動ってあると思うんだけど、アニメでもそれ再現してたりする?
「描写されることにはすべて意味がある」ってのはそれはそれで疲れるけど、アニメって大体これ寄りだと思うので…そうでないなら早めに「そうでない」と心しておかないと余計な疲労が貯まりそう。{/netabare}

園芸ネタ{netabare}
あそうそう、手紙に添えられてる花はヒナゲシだかなんだか、とりあえずケシ。
こちとら中学ン時旧校舎の中庭に薄紫のヤベー芥子が生えてたなぁとか、ヤベーもんがヤベー勢いでヤベーだったのでその程度でいちいちピリピリできない。
新宿某デパートの屋上(遊技場+園芸コーナー)で山野草として子供達の遊技場のすぐ横でトリカブトが陳列されてたとか、そんなん普通。
花言葉?知るかよ。{/netabare}

3話感想{netabare}
うーん、うーん…。
映画“キューブ”好きなのでこれはそれ系でイケるかな?と思ったが、なんか乗り切れない。
レイチェルが危機意識持ってないからどうしても緊迫感に欠ける。
おかげで出てくるキャラも単に頭おかしいだけで怖くはない。
好きと言いつつ記憶曖昧なのもどうかと思うが、キューブの…2だっけ?{netabare}サヴァン症候群大勝利だったの。
あれは危機感持ってなかったけど、代わりにサポートする奴が危機感煽ってたワケで…う~んう~ん。{/netabare}
レイチェルの過去に迫ってゾっとする事実が明かされるとかあればいいけど、果たしてどうなんだろう。{/netabare}

8話までの感想{netabare}
アレだ、以前ちょくちょくゲームの初見プレイ実況ってのを見てた(今はアニメ追うだけで手一杯)けど、あれの見所って実況者が「〇〇(正解)にいつ気が付くかな?」とか「気が付いた時にどう反応するかな?」ってところで、正解や攻略方法を詰まることなくスイスイ解いちゃったらつまらないことこの上ない。
それは攻略動画であって初見動画ではない。
さて、で、殺戮の天使だけど、ど~にも攻略動画寄りなんだよね。
元のゲーム知らないけど失敗を引かないで常に正解を引き続けてる感じ、初見プレイって体なクセにそれやられると興覚めで。
そう思っちゃうのも「失敗(失敗でなくても最適解以外)=死」って印象が強くて…。
もうさ、死に戻り能力でも指パッチンで時間巻き戻しでもいいから死亡シーン集流した方が面白いんじゃね?とさえ思えてたり(※)。
(殺戮の天使とは方向性違うのかも知れないけど例えば“LIMBO”ってゲーム、やったことない人からしたらノーミス動画より死亡動画のが面白いぞい)

そう思ってたところ、8話にしてようやく、やっと、「死んではいないけど最適解ではなかったかも?」っていう可能性の展開が見えてきました。
今までの選択がどう影響する?って流れで、それによってはツケを払うことになったりする…のか?

ところで※部分。
なんでも放送は途中までで後半はネット配信のみだって?
ひょっとしてネット配信部分は「残酷で流せなかったバージョン」とかで死亡シーン集だったりして。
バカな選択してバカな死に方するのね。
レイチェルの首スポーンと飛んだりミンチになったり「レイチェルが殺されたー」「この人でなし」とかね、そっちのが面白いんじゃないかなー?{/netabare}

12話(放送最終回)までの感想{netabare}
(タイトルの続き)オレもアテにはしてないさー、してないさ~」
って“男達のメロディー”ネタはこの前カリギュラでやったばかりじゃーん、ヤバイヤバイ引き出しないのがバレてまう。
んでこの作品、てっきり天使=レイチェルだと思ってたら、“あの施設”の住人「俺たちは天使だ」だってさ。
そしてザックは「(レイチェルに)出~会~わなければ殺戮の天~使でいられたあ↑」だってさ。
そ、そうッスか…。
12話で「実はレイチェルは両親を殺してたのでした!どう、ビックリした?」みたいなことされて「えっ今更!?」って感じで一周回って驚いた。
そう思わせといて実は…って展開なのかも知れないが、続きは有料WEBでってことで放送はここでおしまい。
…。
な、なんだこれ?
ひとまずキリのいいところまでやってWEB部分はボーナストラックみたいなのを期待(見るかどうかは別)してたんだけど、そうじゃなかったっぽい。
果たしてそこまでして続きが見たいかというとそんなでもなく…。
「あのね商法」というか…最近だとイリヤやインフィニティフォースが「続きは劇場で」ってのをやってたけど、これって効果あるのかね?
う~ん、う~ん…新たなビジネスモデルの模索として評価すべきなのだろうか…。{/netabare}

総評{netabare}
タイトルに使った“男達のメロディー”の歌詞の一番有名なフレーズ「運が悪けりゃ死ぬだけさ」だけど、この作品にはそれが一切ない。
もうちょい噛み砕いて言うと、「主人公が最後に勝つ」「主人公が最後に生き残る」なんてのは物語である以上分かりきってることで。
見所はそんな結果に至るまでの「判断誤ってたら負けてた」「運が悪かったら死んでた」等の綱渡り演出でありハラハラドキドキ部分だと思うのだけど…“殺戮の天使”にはそれが無い。
そりゃあね、レイチェル自身が死にたがってるしザックは不死身だし。
各階層の住人もなんかゴチャゴチャうるさいばっかりで全然“怖い”って感じがしない、“シュガーライフ”のキャラのほうがよっぽどコワイ。
生命の危機的にも異常者の深淵的にも。
各フロアの番人の“拘り”も知ったこっちゃない、どれも共感できなかったし各人のルールもアホ臭い。
一番唖然としたのはキャシーが希望通りの死に方をしなかったら「ちょっと待て、それウチのシマじゃノーカンだから」とばかりに防弾ガラスのガードを解いて刑場へ乱入して返り討ちって展開。
ギャグだったのかなぁ?

しかし…こんなツマラナイ内容なのはワザとだったのかも?と考えてしまったり、これは好意的解釈になるんだろうか。
ツマラナイって言うと失礼か、一般受けしない内容ってことね。
あんまり一般受けする内容にしちゃうと「続きは有料WEBで」ってのは悪い方向に騒ぎになりそうだし、ワザと間口を狭めてコアな人を狙い撃ちするつもりだった?
どれだけいる知らんけど…ってかだったらワザワザ放送するなよ、と思わなくもないが。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 9
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

積み重ねが活きたラスト4話……なのに配信限定(泣)…と思っていたらAT-Xにて年末に放送するそうですよ!

2018年夏アニメ。TV放送で12話+WEBアニメ4話、全16話。
ラストの4話はニコニコで有料視聴しましたが、なかなかお気に入りの作品となりました。

【12話まで視聴して】
もう少しテンポよく進めてくれれば12話に収まったのでは…とは言わない方が良いかな?w
正直この先が見たくて仕方ない。制作側の狙い通りに釣り餌に掛かったなあって自分でも思いますけどw
ゲームではどうなのかわからないですが、脱出ゲームの部分よりもレイとザックの関係性、人の心を抉る独特のホラー展開が見所ではないでしょうか。絵的にはこのくらいの怖さがいいけれど、展開はもっと怖くても良かったかもしれない。ラストにはそれを期待したいです。


配役は安定感がありました。個人的には千菅さんと藤原さんが特にお見事でした。
レイ役の千菅春香さんは感情を出さない演技に最初違和感があったものの、12話まで見ると絶妙な塩梅だったなあと。
エディ役の藤原夏海さんの演技、じわじわ怖い。最近よく見かけるけど少年役本当に上手ですね。
ザック役の岡本信彦さん、各階のキャラクターの声優さんも安定した演技で良かったです。

{netabare}
脱出ゲームはほとんどオマケみたいなもので、見所はレイチェルとアイザックの関係性の変化と、過去の罪を抉り出す独特のホラー(?)展開。序盤は物語があって無いようなものなので、そこで断念してしまった人がいたとしたら構成が少し残念な気もします。ラスト4話が配信限定というのがさらに残念だけど…。
レイとザックが半ば依存とも感じられる独特の信頼関係を築いていく過程はなかなか好みでした。
脱出ゲームだけで進むかと思ったらそうじゃなくて、特にレイチェルの罪と過去を暴いていく物語だった…。先が気になってしまいます。
全体の物語は最後まで見ないと何とも言えませんが、できれば最後までちゃんと見たいなあ。 {/netabare}(2018.9.27)



【最終話まで視聴して】
思った以上に良い作品でした。
序盤の脱出ゲームの印象とは打って変わり、終盤は純粋に人間ドラマの様相になっていきました。閉鎖空間からの脱出そのものにも意味があったとも感じられて良かったです。
テンポが良くないのはちょっと残念かな。

何年後かで良いから是非TVで最後まで放送し直して欲しいかも。ラスト4話が配信限定なのがむしろ視聴者を逃してしまってる気がしてあまり良いやり方とは思えません(同じくラストが配信限定のハイスコアガールは私は断念しましたし…)。早いうちから公式サイトでは告知されていましたし、アマプラだけでなくニコニコ動画やバンダイチャンネルでも有料なら視聴は出来ますが。

{netabare}
自分の罪を知り神に(あるいは誰かに)赦されたいと願うレイチェルに狂った者たちが魅了され、最終的にはレイとザックが人間としての自分自身を受け入れていく物語。
身勝手なレイと殺人の衝動を抑えられないザックが、共依存から純粋に互いを必要とする関係になっていく過程がかなり丁寧に描かれています。レイに「笑顔」と「死んだ瞳」という正反対のものを求めるザックとダニーの対比も良く出来ていました。
地下深いビルの中に居た者たち全員が、狂っていてもあくまでも「人間」であると語られたこともとても良かったです。

この物語では、聖書や神の存在を語りながらも「原罪により人が生まれながらに罪を背負う」のとは違い、閉鎖空間での出来事が「自身の犯した罪と向き合う」というのが印象的でした。
最後まで見ると、何度生まれ変わっても罪から脱することが出来ない「六道輪廻」思想の方がイメージが合致するかも。

ラスト2話は積み重ねが特に活きて良かったです。
レイが願ったことは「誰かに望まれて生き、誰かに望まれて死ぬこと」。それはレイ自身が誰かを心から受け入れて大切に想わなければ叶わないことで、それを感じ取ってザックもまた変わっていたのですね。
レイとザックが地下深いビルの中から俗世間に出ることに「生まれ直す・生まれ変わる」イメージを感じられたのは興味深かったです。最後の長い廊下が何だか産道のようだったなあと。


そういえば夏アニメでは「ハッピーシュガーライフ」に共通要素が多かったですね。
親の影響で狂った子どもたちが自身の存在意義を問う物語であり、それを他人への歪んだ執着や情の描写で表現したのも似ています。主人公カップル(で良いの?w)がどちらも最終的には排他的で献身的な関係、かつ反社会的な存在として終わったのも共通かな。
どちらも面白かったです。{/netabare}
(2018.11.19)


2018年年末にAT‐Xにて二日間に渡り全話放送だそうです。めでたい!
しかし私はBS民だ!めでたいがめでたくない!(2018.12.24)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

お願い、私を殺して…

この作品の原作ゲームは未プレイですが、結構人気のあるゲームだったようですね。
YOUTUBEなどでも実況プレイ動画が配信されているようですから…

この物語の主人公はレイチェル・ガードナーという13歳の少女です。
彼女はビルの地下の最下層で目を覚ますのですが、記憶を失っており自分がここにいる理由が分かりません。
出口を探してビル内を彷徨っていると、突如彼女の目の前に死神の様な鎌を持った男が現れました。
彼はザックという全身を包帯で覆った殺人鬼…彼もまた出口を探していたのです。

幼いが頭が回るレイチェルと、体力と腕力に自信があるザック…
ここで二人は妙な取引をするんです。
「お願いがあるの…お願い、私を殺して」
「一緒にここから出る手助けをしてくれよ。そしたらお前を殺してやるよ」
こうしてビルから脱出する二人の決死行が始まり物語が動いていきます。

正直序盤の展開は微妙でした。
二人に襲い掛かるのは理不尽なまでの執拗な嫌がらせ…
ビルから脱出したい二人と、ビルに閉じ込めておきたい相手とお互いの目的は真逆なので、衝突は避けられないのは分かるつもりです。

でも、レイチェルとザックの言動には矛盾が見え隠れするんです。
二人で様々な罠をかいくぐりながらレイチェルが口にするのは「私を殺して」ばかり…
でもザックは嘘を絶対につかない男…
手を変え品を変え襲い掛かる攻撃から結果的にレイチェルを守り身体中満身創痍なんです。
ザックはレイチェルとの約束を違えぬよう、全力全開で立ち向かうんです。

約束も大事…嘘をつかないのも大事…
だけど、生きる希望を見失った少女を、自分を厭わず己の身を挺してまで守る理由って…?
と考えると、ザックが不憫に思えて仕方ありませんでした。
ザックの憎まれ口が災いして不憫さは影を潜めていましたけれど…

だからこのままの展開で物語が進んでいたら、この作品の評価は低かったと思います。
このままで進んでいたら…ですけど。

ですが中盤以降、物語の雰囲気が少しずつ変わっていくんです。
レイチェルとザックの言動は相変わらず…
それなのに作品に対する心象だけが変わっていくんです。

死線を潜り抜けた数のせい…?
レイチェルに対するザックの呼び方が変わったせい…?

そんな事を考えながら視聴していましたが、物語の終盤にザックが言った一言で全て腑に落ちました。
「おまえ、人らしくなったな」
レイチェルのどの様な過程を見てザックがこの台詞を言ったのか…
ネタバレになるので記載はできませんが、この台詞が聞ける頃の二人を見ていれば一目瞭然です。

でも…それだけじゃないんです…
ザックはレイチェルを変わったと言いましたが、変わったのはレイチェルだけじゃないんですよね…
運命…という言葉で片づけるのはあまりにも過酷な試練でした。
ザックは殺人鬼…ビルから出たら自分に何が待ち受けているのか…凡そ察しは付くと思います。
それでも、レイチェルとの約束を最優先に行動しました。

過酷な試練の果て…二人を待ち受けるのは一体何なのか?
終盤に向け評価が上がった作品だったと思います。
ラストの纏め方もこの作品らしさがあったのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、遠藤正明さんの「Vital」
エンディングテーマは、レイチェルの「Pray」
個人的にはエンディングに軍配です。

1.5クール全16話の物語でした。
テレビでは12話分が放送され、残りの4話はAmazonの「primevideo」で配信されました。
あくまでも個人的見解ですが、このケースは今後増えそうな気がします。
テレビ放送は最初から枠が決まっていますが、放送中に天災や事故などのアクシデントが起こる可能性は否定できません。
実際に夏アニメでも放送できない事態の起こった作品がありました。
あまり無いのかもしれませんが、作っているうちに尺が伸びてしまう作品もゼロではないかもしれません。
残りの物語をネットで配信する…そういう救済策があっても良いのでは、と個人的には思います。
本作がテレビとネット配信に分かれた理由は分かりませんけれど…
結果的にしっかり堪能させて貰った作品になりました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 23

68.2 6 残酷で理不尽なアニメランキング6位
うみねこのなく頃に(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (995)
5171人が棚に入れました
時は、1986年10月4日。舞台となるは、大富豪の右代宮(うしろみや)家が領有する伊豆諸島の六軒島。年に一度の親族会議を行う為に、当家の親族達が集結しつつあった。一見和やかに、久しぶりの再会を楽しむ親族たち。

しかし、島で待っているのは「当主死亡後の財産分割問題」という、親族同士に暗雲を呼び込む議題。かつて当主が、島に隠れ住んでいるとされる魔女ベアトリーチェから、資金調達の担保の為に授けられたとされる10トンの金塊を巡って、長男の横領を疑う親族たち。それに対して、親族たちの困窮を見透かすかのように、反撃に出る長男。さらに余命の迫った当主は、自らの命だけでなく、親族郎党・資産のすべてを生贄として捧げ、最愛の魔女ベアトリーチェの復活を願っていた。

声優・キャラクター
小野大輔、井上麻里奈、堀江由衣、鈴村健一、釘宮理恵、小林ゆう、麦人、小杉十郎太、篠原恵美、伊藤美紀、広瀬正志、小山力也、田中敦子、小清水亜美、船木まひと、上別府仁資、羽鳥靖子、石住昭彦、佐藤利奈、遊佐浩二、茅原実里、大原さやか、田村ゆかり、緒乃冬華、井上喜久子、杉田智和、甲斐田ゆき、斉藤佑圭、米澤円、日笠陽子、吉田聖子、新名彩乃、山岡ゆり、豊崎愛生、喜多村英梨、水野マリコ、廣田詩夢
ネタバレ

★☆零華☆★ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

謎の解答がなかったです。謎の答えが解ると驚きます。

ひぐらしと違って、答え合わせがない作品です。

知らない人がこのレビュー読んだら、(答え合わせって何?)となると思うので説明しますと
ひぐらしとうみねこはミステリーホラー(サイコホラー要素も含む)なので
作中で描かれる謎を登場人物達と共に解いていくことになります。

そして基本的に最後に犯人だったり、謎だったりが解るように作られるのですが
うみねこは最後でも明確な解答を視聴者に教えません。

なので観ている方としては(結局どうなったか教えろよ!)と思うのではないでしょうか?


かく言う私もそうでした。
ですので、私がネットを駆使し調べ、引用した解答をここに書きますね。


{netabare}六軒島連続殺人事件とは、魔法とかではなくて、全て人間が起こして行った事件です。

事の起こりは戦時中、右代宮戦人(主人公)の右代宮金蔵(祖父)が、六軒島で初代ベアトリーチェと出会い、二人の間に娘(二代目ベアトリーチェ)が出来ます。
初代ベアトリーチェは、産後の肥立ちが悪く死亡します。

金蔵は、生まれた二代目ベアトリーチェを死んだ初代ベアトリーチェの生まれ変わりだと信じ
二代目ベアトリーチェとの間にも子供を作ってしまいます。
これが安田紗代(三代目ベアトリーチェ【通称ヤス】)です。
二代目ベアトリーチェは、海岸で崖から落ちて死亡してしまいます。

ヤスは多重人格者で、紗音、ベアトリーチェなど複数の人格を持っています。
嘉音も、ヤスの人格の呼び名の一つです。

※これが【アニメを見ている私達視聴者には複数の人間に見えても、実際には一人の人間】
という叙述トリックになっており
一見人間に不可能に見える連続殺人を成立させています。

そして【ベアトリーチェ】という名称で登場する人物が、実際には三人います。

※これは【アニメを見ている私達視聴者には一人の人間に見えても、実際には複数の人間】
という叙述トリックになっており
一見人間に不可能に見える時系列などを読み解く鍵になっています。

※また、人格をカウントする際には、沙音、嘉音などはそれぞれ『1』にカウントされ
ベアトリーチェは魔女であるためにカウントされません。
物語の中で人数が出てくる場合に【人間の肉体の数】をカウントしているのか
【人格の数】をカウントしているのかが伏せられており
これも一見不条理に見える数字を読み解く鍵になっています。

ヤスは、金蔵が近親相姦の過ちを繰り返さない為に
出生の秘密を隠して右代宮家に使用人として連れてこられ育ちます。
金蔵は、86年の六軒島連続殺人のかなり前に死んでいますが
死ぬ前に碑文の謎を解いたヤスに右代宮家当主の地位や財産を相続しています。

ヤスは紗音の人格で、戦人に恋をします。
戦人はヤスに『白馬に乗って迎えに来る』という約束をしますが
翌年から家庭の事情で親族会議に来れなくなります。

紗音人格のヤスは、戦人がいつまでも迎えに来ない事に傷つき
戦人への恋心を自分の別の人格(ベアトリーチェ人格)に預け
別の恋を探します。

ヤスの紗音人格は、譲治と新しい恋をし、交際を進めます。

しかし、86年に数年ぶりに戦人が親族会議に帰って再会した為に
ヤスの中の2つの人格が、紗音は譲治に、ベアトリーチェは戦人に
別々に恋をしている状態になります。

ヤスは自身の恋に決着をつけるべく
①戦人と結ばれる。
②譲治と結ばれる。
③または誰とも結ばれない。
の三つの結果の可能性がある事件を起こそうとしますが、未遂に終わります。

なぜ未遂になったかというと、ヤスが事件を計画した前日に
戦人の両親ルドルフと霧江が、右代宮家の資産を我がものにせんと
他の親族を次々に殺し始めたからです。
譲治も殺されてしまいます。
ルドルフと霧江は、絵羽に返り討ちに会い死にます。

ヤスは戦人と逃亡しますが、ヤスは自分の恋に決着がつけられなかった事に絶望し
海に飛び込み自殺をしてしまいます。

結局事件の後には、戦人と絵羽の二人だけが生き残りました。

戦人はヤスを助けようとした際に、溺れて記憶と人格を失ってしまいます。
しかしその後、徐々に断片的な事件の記憶を取り戻し、『偽書』を書きます。

この偽書というのは、六軒島連続殺人事件をフィクションとして虚実をない交ぜて【戦人が書いた小説】であり

【私達視聴者が見ているうみねこの各エピソードは、この「戦人が書いた『偽書』という小説」である】

という事が真相であり、解答です。{/netabare}


この様に作中で答え合わせをしていたのなら、うみねこのなく頃にの評価も大分違ったと思います。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 19

ARENO さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

答えの明かされない推理小説

◇◆◇要素◇◆◇
嵐の孤島×洋館×そして誰もいなくなった×連続殺人事件×魔女×推理バトル×相当なグロ描写+まさかのモザイク描写


概要です!

有名作品「ひぐらしのなく頃に」の作者が贈る、最強のミステリ(ゲームが原作)
名作「そして誰もいなくなった」を根本に展開される殺人事件が
魔女によるものか、それとも人間の起こした事件であるのかを
証明していくというもの。
作者曰く、「同じ舞台を何回も巻きもどして繰り返していく、それらを重ねて見る事で一本のシナリオでは見えないものが見えてくる」という“多層世界的”なストーリーです!
最初に言っておきますと、ひぐらし視聴済みな方ならお分かりのとおり
残酷な描写、いわゆるグロシーンが大量に出てきます。
連続殺人が起きるたびに、目を覆いたくなるような惨状が描かれているので
免疫のない方は少々きつめかも。
まあ、あんまりにもなシーンにはモザイクかかってますが…
(モザイクを濫用するアニメも珍しいですね…汗)

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・

その大量グロシーンに目を瞑っても納得できる面白さがあると私は
思います。一時期、ものすごくハマっていました!
正直、原作及び小説ファンな私としては、
アニメではなかなか満足いかないところも多いのですが…


何より、話が難しく何度か見直したくなるので、ちょっとアニメに
不向きだったかもです。
それ以前に、あんな残酷シーンは何度も観れたものではありません泣



先に書いた要素だけを見ると、ありがちなストーリーだとお思いに
なるかもしれませんが。
問題はストーリーではなく、物語の作り方及び、いち視聴者としての
この作品への向き合い方、というものでしょうか。


まず、物語中で起こる不可解な殺人事件。しかし、それがどう考えても
人間には不可能な事件であったとしたら。しかし、魔女の存在など
あるわけがない。人間の仕業としてきちんと説明がつく。
ならば、それはどのように説明できるのか。

ざっとこんな内容です。本来なら、作中の名探偵がこれを鮮やかに
解き明かし、一件落着となります。
でも、それじゃあくまで私たちは視聴者でしかないですよね。
ところがこの作品では、あらゆる考え方、ヒントは出ているのに
答えだけは明かされてないんです。


つまり、私たちが自分で考えた人だけがその真相にたどり着く
ことができるということ。(たどり着けなければ終わりですがww)


ちなみに、難易度はかなりのものです。
私も、友人と一緒に放課後を使って謎解きに挑みました。

結果、碑文一つ解けなかった…悔しい泣

このように、よくある推理小説に飽きてしまった方にはすごく
お薦めであります(*^_^*)


ちなみにですが、いままで推理な面だけを大きく取り上げて
きたのですが、もちろんきちんとしたお話が成り立っています。
特に、キャラクター一人一人にちゃんとしたストーリーが
あるんですね。

誰がどのキャラにどんな思いを抱いているか、など。

でもこれって、推理小説にとって大事な要素の一つです。
「動機」を考える上で重要な。
もちろん、うみねこでもこれは求められます。
だからますます、面倒くさい…ww

そうそう、実を言うとキャストって結構豪華でした。
主人公役・小野大輔そのほか、井上麻里奈、堀江由衣、釘宮理恵、小林ゆう
、鈴村健一、大原さやか、遊佐浩二、田村ゆかり、小清水亜美

うわー、書ききれない…でもそれだけ、本当にキャラの数が多いんです。


最後に…
志方あきこさんの歌うOP「片翼の鳥」は、独特の雰囲気によくあっていて、
一発で好きになりました。「うみねこのなく頃に」(曲名)も
お薦めなので、是非聴いてみることをお勧めします!

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・

以上のように皆さんも、魔女の挑戦状たる謎に挑んでみてはいかがでしょうか。

あ、グロ描写が苦手な方は、本当にお気を付けください。
食事時および就寝直前は控えることをおすすめします。


それでは、長々と失礼しました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 21
ネタバレ

やぎゃあ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

視聴前に本作の事情を知っておいた方が良い

2021年現在からすると、約12年前のアニメですね(私が視聴したのもその時期です)。現在放送中の「ひぐらし業/卒」の視聴を機に、竜騎士07氏原作つながりで うみねこ熱が再燃したので、当時を思い出しながら情報を書いていくことにします。

本作は事情を知らずに視聴すると、大半の方は憤りを感じたまま終わると思います。

それもそのはずで、「アニメのうみねこ」は未完のまま続編が制作されていません。アニメはEp.4で終わってしまいますが、実際はEp.8まであります(詳しい事情はわかりませんが、当時あまり評判が良くなかったのでまぁ・・・)。

アニメうみねこを アニメひぐらしで例えるなら、ひぐらし(解)が来ないまま ひぐらし(無印)だけで終わってしまったようなものです。

Ep.5以降も各Epごとに「魔女とのゲーム(対戦)」は続きますが、一応Ep.1〜4がいわゆる出題編、Ep.5〜8までが解答編にあたります。厳密にいうと、第5,6はヒントのためのゲームが続き、第7,8のゲームでこの世界の「核心」に迫ります。

また、聞いた話では原作のPCゲームもやや説明不足だったそうで、ストーリーの賛否が分かれたそうですが、マンガ版はいろんな情報を補完して良い状態で仕上がっているそうです。

なので、アニメうみねこは『この物語・この世界観の味見』のつもりで観ると良いと思います。

で、興味を持ったらマンガを読むか、ゲームをプレイして最後までストーリーを追ってみてください。コンシューマーゲームとしてもPS3,4,PSP,switchにて移植リメイクされているので、そちらであれば完全版?のストーリーを楽しめるはずです、たぶん(もしかしたらマンガ以上に情報が補完されていたり、追加エピソードがあるかもしれません)。

ちなみに私は原作は未プレイの、アニメ&マンガから同時に入った口で、完全版?ストーリーに関しては大大大満足しています。

少しだけ言っておくと、『これはファンタジーなのか ミステリーなのか』という命題の真相や、戦人(バトラ)および視聴者が最も混乱したであろう・・・ {netabare}魔法の演出、魔女や悪魔や家具の存在、黄金の蝶や碑文の謎{/netabare} などにどんな意味があったのかも、本当なら続編ですべて語られるはずでした(続編があればですが)。

また、「ファンタジーか ミステリーか」という命題はあくまで出題編における命題であって、解答編ではもっと「別の大事なこと」を伝えようと物語が展開します。ヒントは {netabare}小此木社長が縁寿に送ったアドバイス{/netabare} に関係があります。私はむしろ解答編で描かれるテーマの方が好きです。

アニメで興味を持った方は ぜひ最後までストーリーを追ってみてください。出題編に興味を持ったのなら、最後まで追って後悔はしないと思います。

ちなみに、魔法の描写をどう解釈したら良いかわからずに悶々とし、そこだけどうしても知りたいという方にヒントを残して終わります。

{netabare}あなたがこの物語をファンタジーだと疑っているなら、ありのままを受け入れれば良いです。あるいはミステリーだと疑っているなら、魔法が遂行されている「過程」を無視すれば良いです。

「事件の目撃者」がいないのなら、どちらの言い分も通ります。

大事なのは「事件の結果」を見て、あなたが魔法とトリックのどちらを信じて読み進めるかです。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2

70.0 7 残酷で理不尽なアニメランキング7位
デッドマン・ワンダーランド(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (1037)
5761人が棚に入れました
東京大震災から10年、疎開先の中学に通う五十嵐丸太もクラスメイト達と平凡な生活を送っていた。だがある日学校に「赤い男」が現われ、丸太の運命は一転することになる。無実の罪で死刑宣告された丸太は、完全民営化刑務所「デッドマン・ワンダーランド」に送致されることに…。

声優・キャラクター
朴璐美、花澤香菜、加藤将之、梶裕貴、野水伊織、本田貴子、諏訪部順一
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

グロ注意報発令!!!

原作未読。
全12話。

視聴する前にこれだけは注意していただきたい。
かなりグロいのでグロ苦手の方は観ないほうがいいだろう。
話も鬱系なので鬱苦手の方もスルーした方がよいと思う。

1話から衝撃の展開で始まった本作。
私個人としてはいきなり引き込まれた。

だが、話がすすむにつれて、ストーリーが
かなり強引になったり、急にバトル物へシフトしたりと
一部破綻してきた感じ。

大筋ではぶれていないのかと思うが、
まとまりに欠けていたそんな印象だった。
最後も2期フラグを立てて終了とかなりの不完全燃焼だった。
全体的にもったいない出来だったかなと思う。

キャラは個性的なキャラが結構いてよかった。
特に千地(クロウ)はいい味が出ていて
かっこよくて個人的に好きだ。

鬱グロ大丈夫な方ならそれなりに楽しめる作品かとは思う。
私はグロはあまり好きでは無いが何とか見切れた。
2期がもしあるのなら観るだろう。

最後に一言いわせてもらうなら

ハミングバード結構可愛いと思うw
ロングもショートいいよw


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以下、これまでの各話の感想。
ネタバレがかなりあるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}
1話視聴。
開始3分グロ注意。
心臓の弱い方にはあまりお勧めできない。
10分でぶっとんだ展開に度肝抜かれた。
かなり重い話だが、鬱展開好きにはたまらない。
1話でもっていかれた。
次週が楽しみ。

2話視聴。
展開にむかつきすらおぼえた。
なんという鬱展開。
主人公がいきなり死にそう。
まあ、死なないんだろうけど。
3話どうなるのか、楽しみ。

3話視聴。
少しずつ設定が見えてきた。
いよいよ本題へ入っていくのか。
次週も期待。

4話視聴。
デッドマンが何か少し分かってきた。
力の使い方が見えてきた。
クロウかっこいい。
そして、相当の奥手。わろた。
今後の展開はバトル物なのか?

5話視聴。
力使いすぎると貧血とか
その辺はリアルなんですね。
今回はかなりグロかった。
グロ苦手の方は注意。
シロもやはり何かありそう。

6話視聴。
ハミングバードなかなかの鬼畜ぷり。
この展開は絶対くるなと思っていたら
案の定だった。
シロの正体も今後明らかになっていくのかな。

エンディングにずっと違和感があったのだが
やっと分かった。
なるほど、そういうことか。
そうするとあの子供もなのか。

7話視聴。
水名月ビッチかと思ったが、
意外にかわいいところもあるようだ。
千地はなんだかギャグキャラと化してるしw
キャラが立ってきてなかなか面白い。

新たな展開。
ワンダーランドに対抗しようとする組織?と
なぞの坊主出現。
坊主強そうだが、どうするんだろうか?
来週に期待。

8話視聴。
いよいよ動き出した。
さてさてこの計画は成功するのだろうか?
なかなか一筋縄ではいきそうにないが。
緊張してきた。
来週も楽しみ。

9話視聴。
今回もグロかった。
ピンチを間一髪、シロに救われた。
さて、どうなるんだろう。

ひとつ疑問があるんだが
この計画うまくいったとして
首輪どうやってはずすんだろうか?

10話視聴。
ガンタばかすぎるだろ。
チップが爆弾って気づけよw
しかしクロウカッコイイ。
時々出てきて美味しいところを
かっさらっていくな。
しかし、作中で日数は進んでないのかな?
3日アメ食わないと死ぬんじゃないのかね。

ん~設定とか面白いんだけど
色々なところで破綻してきた気がする。

11話視聴。
先週書いた疑問に、なぜかアメ沢山もってたw
なんだそれw
色々省きすぎなのかな?
原作を読むと分かるのかもとか思いながらも
原作読もうという気になれない。
今週やっとガンタが進化した感じなのだが
来週で終わりの予定。
色々中途半端で終わりそうな予感。

12話視聴。
結局中途半端で終わったw
なんという2期フラグ。
あまりにも中途半端で終わった気がしない。
2期もあるのなら観るとは思う。
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 21

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

衝撃のラスト!

何が衝撃かってそりゃ
あんなに伏線投げっぱなしで
きれいに終わらせる気0の最終回
最終回ですよって教えてもらわないと
誰も最終回だと気がつかないレベル

今期は3月の震災の影響もあり
全話を放映することができず
一部DVD/BDのみ収録になっている作品もあるようです
これもそういう状態なのだろうか?とか
原作はまだまだ続いているようですし
最初から2期前提で作られるいわゆる分割二期なのか?
なんて考えて調べてみましたが手掛かりは見つからず

さて、本編の内容ですが
第一話から画面が真っ暗です
そのまま放映できない血みどろの惨劇を
TV放映できるレベルまで落とすために
明度が犠牲になっているのでしょうが
そんなことをしなければならないようなら
もっと工夫を凝らすべきなんじゃないでしょうか?

恐怖という感情は突き詰めると
何があるかわからない
どうなるかわからない
という未知であることに起因するものです

あえて直接的な描写を最小限に抑えることで
視聴者の想像力を刺激して恐怖を増幅するというのは
それが映画にしろアニメにしろ
映像表現の技法として基本中の基本だと思うのですが
そこを無理やり真っ向勝負しに行って結局自主規制では
何がしたいのかさっぱりわかりません
おもいっきり力の入れ方を間違っていることに
スタッフは誰も気がつかなかったのでしょうか?
中盤からは明度を落とさず「血」を描写できるように
でもあれは「血」であって「血」ではないんですよねー

ストーリーの方は
うじうじした主人公や
空気の読めないヒロインに
イライラさせられたところもありましたが
全体的には楽しく見れました

デッドマンにしろアンダーテイカーにしろ
ずいぶん性格の歪んだ方々ばかりですが
そのひねくれた連中の方が主人公格の二人より
ずっとずっと魅力的に見えました
「クロウ」や「オウル」、超坊主にロリっ娘
どのキャラも一癖もふた癖もありますが
ひたすら受け身の主人公よりも
ずっとキャラが立っていましたね

中でも個人的なお気に入りは「ハミングバード」
あの激しい落差がいいですよね
罰ゲームがどうなるのかドキドキしながら見てました
中版以降は羊君ともどもさっぱり出てきませんでしたが
最後にちょっと出てきて嬉しかったり

割と楽しく視聴していただけに
物語の中核に位置するであろう部分が
投げっぱなしのまま終わってしまったのは
とても残念でなりません
2期が決まっているとかならいいんですが
2期をやるのは商業的に割と厳しいレベルな気がします
続きが気になる方は原作をどうぞ!
というのはやめて欲しいですね・・・

おまけ(ネタバレあり)
途中から飴のことすっかり忘れてました
ラスト直前にひょっこり出てきて
そういえばそんなものあったなぁ・・・と
あれ?飴がないと死んじゃうんだったら
首輪外さないと脱獄しても意味ないんじゃないの?
そうなると武力による強行突破で脱獄って計画自体
思いっきり破綻してませんか?
毎日飴で生きながらえてる人達が
そんな大切なこと忘れるわけもないし・・・
最後に脱獄成功したらしき人が写ってた気がするけど
あの人たち手持ちの飴が切れたらどうなるんでしょう?
尺の問題でアニメで語られてないだけで
原作では解決してるとかなんでしょうか?
誰か知ってる人がいたら教えてください(@@;

投稿 : 2025/01/04
♥ : 16
ネタバレ

よしぺ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

笑い方でこんなに不気味さを感じさせるなんて・・・

●オススメ度
 ★★★☆☆

●作品情報
 ・全12話+OVA1話
 ・2011年(4月-6月)
 ・作者:片岡人生 近藤一馬
 ・交響詩篇エウレカセブンの作者と同じ
 ・アニメは原作の5巻まで(13巻完結)
 ・ジャンル:監獄異能バトルアニメ

●作品ポイント
 ・監獄
 ・血液
 ・胸くそ
 ・憎しみ

●感想

◽︎物語◽︎
 ストーリーは、とても好み。
 結構グロいシーンがあるが悪くない!
 『デッドマン』という血を使う異能者が生活するために牢獄の中で闘い稼ぐ 少し「カイジ」的要素もありつつ、復讐のため脱出するという主人公らの戦い本当に観てて飽きないアニメでした!←ちょっと誤解しちゃうかもw
 他のレビューでもあるように、凄く良いところでアニメが終わってしまいます。続編があれば是非とも観たいです。

◽︎キャラ◽︎
 主人公が中学生なのですが、それがまた面白くしっかりとバランスが取れていました!

▫追記▫
 原作既読済。
 序盤の胸くそシーンから這い上がるという展開ではなく、主人公が監獄と関係があり過去との繋がりから物語が広がっていくためスッキリする感じはしなかった。
  {netabare}ガンタとシロの関係性から展開されていく物語形式は良かったと思うが、その他の成長やも物語の組み立て方がおろそかになっていると感じこの作品に感情移入・共感があまりできなかった。ズッパシの千地清正と主人公の男臭い関係の構築はナイスだったが、それ以外の周囲の仲間が微妙…。デッドマンは互いに殺し合う仲なのに普通に協力しているのがどうも納得できない。確かに利害の一致で協力するのは分かるが、それに対しての背景描写が不足している。全体的に何か物足りない感覚に陥る。とても惜しい作品だなと思った。{/netabare}
 片岡人生さんの描く少し偏った恋愛観がたまらなく好みなのでその分も含めてもったいない作品だと感じてしまった。

●最後に
 アニメは原作を見るなら良いが、アニメのみで完結させたい方は正直もやもやして終わってしまうためおすすめできない。

視聴日(2週目) 2020/12/04
投稿日 2016/05/05
追記  2020/12/08

投稿 : 2025/01/04
♥ : 4

78.7 8 残酷で理不尽なアニメランキング8位
キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (757)
3318人が棚に入れました
主人公の人間キノと言葉を話す二輪車エルメスは、目的もなく、世界をあちこち旅している。世界のあちこちには個性豊かな国があり、人々は自分たちなりの法や常識をもって暮らしていて、キノとエルメスはそんな国々を訪れ、基本的に3日間だけ滞在し、また次の国へと旅立っていくのだ。そんなキノとエルメスの旅の話は、時に優しく、時に哀しく、時に滑稽で、時に胸に突き刺さる。そして、珠玉の物語たちは、一言では言い表せない鮮烈な光景を読者に見せてくれるのだ。“美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"世界を。

声優・キャラクター
悠木碧、斉藤壮馬、梅原裕一郎、松田健一郎、佐倉綾音、Lynn、興津和幸
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

思考実験の国を巡る、ならず者の旅、キノの旅、シズの旅

ライトノベル「キノの旅」のアニメ化作品。原作は時雨沢恵一さん。映像化は2003年のテレビシリーズ、短編映画2作を経て、今回で4作目。

本作「キノの旅 -the Beautiful World-」で主役を務めるのは、前作に引き続き、キノとエルメス、一人と一台のコンビの他に、前シリーズのコロセウム回で登場したシズと陸{netabare}とティーを加えた2人と一匹のトリオ、(通称)師匠と相棒、フォトとソウの4組。{/netabare}

一貫してキノの旅のみを描いていた旧作と比較すると、今回は"キノの旅"が全体の約2/3を占め、そこに別の旅人達のお話が変則的に差し挟まれる構成。そのためロードムービーの色は薄くなり(元々それ程強くは無かったけど)オムニバスないしは短編集といった、原作により近い体裁を取っているという印象を受けます。

全12話中3話が旧作のリメイク、それ以外の9話の内4話+がキノ以外を主人公に据えたお話になっています。以下にサブタイのリストを載せときます。(リメイクはサブタイの頭に"Re:"付記)
{netabare}
第1話 人を殺すことができる国(キノ)
第2話 Re:コロシアム(キノ)
第3話 迷惑な国(キノ)
第4話 船の国(シズ)
第5話 嘘つき達の国(キノ)
第6話 雲の中で(フォト)
第7話 歴史のある国(師匠)
第8話 電波の国(シズ)
第9話 いろいろな国(キノ、シズ)
第10話 Re:優しい国(キノ)
第11話 Re:大人の国(キノ)
第12話 羊たちの草原 (キノ)
{/netabare}
リメイクは「コロシアム」「優しい国」「大人の国」の3本。キノの旅の起点であるエピソードの「大人の国」は、新作から見始めた人たちの為にどうしても除けないとしても、残念ながら他2つについては再構築の意義があまり感じられませんでした。アンケート結果に従って再アニメ化が決定されたそうなので仕方ない気はしますケド…。

各話についてのあれこれ
{netabare}
リメイクに対する不満を挙げればあれこれありますが、取り分け残念だったのが2話「コロシアム」。こちらは元々活劇描写の多いお話なのですが、それだけに作画面の劣化がひどく目立ちました。旧作と比べてキャラが全然動きません。また、前後編の2話に渡って描いたお話を無理矢理1話にまとめているので、これも物語の質を下げる原因になりました。時間的な余裕が無いので、キノ、シズ以外の人物-王、コロシアム参加者、門番(被支配者層)-の心理描写が丸ごと端折られており、台詞に重みが乗らず、結果、淡白かつ殺伐とした印象だけが残る薄味なお話になってしまいました。

6話は狂気に近い利他的精神を持った奴隷フォトが人間性を取り戻していくお話。主人公が特異な風習を持つ国を訪れるという毎度のパターンからは外れるものの、フォトを旅人とし、それ以外の登場人物を訪れた国の住人と見なすと、本質的には似た形式の話と捉える事が出来ます。自由をぎこちなく受け入れていくフォトの姿が、「大人の国」の女の子の姿と重なりました。今回のテレビシリーズでは最も印象に残るお話でした。

劇中に登場した毒草は多分トリカブト。ここで描かれた様に、開花前の状態では(葉の形状が酷似している為)ニリンソウやサンリンソウとの見分けが難しく、その致死性のある神経毒と共に、とても危険な事で有名です。トリカブトの花の特徴は名の由来となったとされる鳥兜に似た形状。山中等でなくとも(わたしは見た事無いけど)公園とか、その辺の道端とかにも群生している事があるそうなので、特に小さなお子様をおもちの方はくれぐれもご注意あれ。野草好きのわたしでも大事を取ってニリンソウにはあまり手を出さない様にしています。

7話は"師匠"とその相棒のお話。人伝に聞いた話という体裁をとっているので、他のお話と比べて明らかに話が出来過ぎていて、より寓話的、もとい精細さに欠ける与太話っぽいテイストではありますが(笑)ならず者ストーリーテラーの語るお話として相応しい雰囲気が出ていたと思います。

昔話というのは大抵そんなものですが、わたしは特にミュンヒハウゼン男爵の「ほら吹き男爵の冒険」をモチーフにして作られた映画、テリー・ギリアム監督の「バロン」を思い出しました。つまり、真実など、どこ吹く風、世の言い伝えは全てまゆつば、それならば、人は真実よりも自分の気に入った嘘を信じるという(笑)なかなか皮肉の効いたお話になっているのでした。

8話「電波の国」も7話と同じく、やはり真実よりも都合の良い嘘を選ぶお話。4話の「船の国」も似たテーマを扱っていますが、ひとたび流布した(ほら)話や長年続いた悪習は、払拭したり撤廃したりする事が非常に困難であるという事を寓話的に描いたお話になっています。~という言い伝え、~は常識、~は安心安全(汗)など、多数派がその様に唱えれば、その情報の内容がいくら不条理なものであっても、人は容易に騙されてしまうという事を示唆しています。

現代においては、マスコミによる情報操作、都市伝説、(インターネット)プロパガンダ等がその類と言う事が出来ますが、ここで描かれるのは"※国"という狭い社会の中でのお話。

家族、学校、職場、サークル、宗教団体等の様に、閉鎖された社会の中では、嘘が是正される機会が少なく、その中での"常識"は偏りの激しいものになりがちです。本作で度々描かれる、内輪の常識が外の世界では(その逆もまた然り)通じない、延いては丸っきりのお笑い種だなんて、悪夢みたいな冗談みたいな光景、皆さんの周りには無いでしょうか? わたしは良く目にします。そう言えば、このあにこれも一種の内輪でしたね(笑)

※:本作では都市国家の様な小国家をただ単に国と呼ぶ。

9話「いろいろな国」は小説で言う所のショートショートを幾つか集めた回。コメディ色の強い小話が殆どですが、その中の一つ「徳を積む国」のみは皮肉の効いたいつものテイスト。かつて殺人を望んだ男が、その願いを叶える為に善行を積み続けた結果、善人そのものの様になってしまったと言うお話。ウソでもホントでも、行動が精神に、精神が行動にと、フィードバックを繰り返す内に、両者の境が曖昧になり、それが本質になってしまうという事はままあるもの。模倣という行為の本質を掠めた、微笑ましくなる様な、怖ろしくなる様な、若干嫌~な後味を残すお話でした。(褒め言葉)

10、11話はリメイク。「コロシアム」程がっかりする事は無かったものの、やはり私的には旧作の描きの方が心動かされるものがありました。「優しい国」ではキノが感情を顕にする貴重なシーンが省かれてしまっていた点がとても、「大人の国」では(一代目)キノのキャラデザが刷新されていた点がちょっとだけ残念でした。別にイケメンにしなくても良かったのに(汗)

最終12話は全話中最悪の印象を残す回となりました。理由は以下に。

一つ目。クルマで撥ねられた羊がゴムまりの様に飛ぶシーン。描写を誤魔化す事で殺戮行為をコメディにしてしまっている点が非常に不快でした。キノの残虐行為にワンクッション置く意図が明白で、却って見苦しい表現になっていたと思います。救うにせよ奪うにせよ、命を軽々しく扱う(作中人物ではなく制作者が)描写はわたしは嫌いです。旧作2話にはキノが狩ったウサギの皮を剥ぐ前に脱帽し、一礼するシーンがありますが、こちらとの演出の違いに大きな差がある様に思いました。

二つ目。設定上では品種改良によって異常なまでに闘争心を高められたという事になっている羊たちが、なぜ内輪もめもせず、群れを作り、十年もの間、平和に暮らしていたのかという点が疑問でした。闘技場の様な狭い場所に押し込められていた時分にはあった、過度なストレスから開放されたからと解釈すれば良い気もしますが、それならば元々同族同士で争う様に改良された羊なのに、人間にのみ襲い掛かるのは何故?という別の疑問が生まれます。

羊たちの行動原理の根底にあるのが"人間への恨み"としてしまえば、ファンタジー的にはそれで結構ですが、そうすると品種改良云々という科学的な話とどこか噛み合いません。両者を都合よく合成した作り話という印象を受けました。

踏まえると作中後半にある「何故闘う?」というキノの問いは、羊たちに向けられた言葉ではなく、争うにたる合理的な理由も無いままに争いを続ける現人類(視聴者)に向けられた、作者の代弁とも取れる問い掛け(第四の壁を越えたメタ的な)だったと解釈出来るのではないでしょうか? この台詞に辻褄合わせする形で物語が組まれたのかと思うとかな~り興醒めしてしまいました(汗)

最後。エピローグのシーンについて、上とはまた別の意味で取って付けた様な印象があり、蛇足に感じました。元々数冊の本からの抜粋で全体が作られているアニメなので、特にエンドマークに相当するエピソードを入れる必要は無かったのではないかと思います。3期への布石とも取れますが、内容は取り留めの無いものだったし…。
{/netabare}
キャラについて、キノのアウトロー的な面、奔放な性格はそのままに、外見的描写はあからさまに女性寄りになり、旧作にはあった中性的な雰囲気が弱くなりました。コートを着用しないシーンが不自然なほど多くなり、体のラインをこれ見よがしに目立たせている風にさえ見えます。作中9話でもちらっと触れられていた様に、性別を隠す事は道中の無用なトラブルを避け、延いては自己防衛の有効な手段ともなり得るので、それを敢えてしないキノが何だか旅人として間抜けに見えてしまいました(汗)物語と演出の間の矛盾を感じます。

また、キャラデザ全般についても大きな変化があり、旧作とは異なり、よりラノベ的な、端正な顔立ちのキャラが多くなり、それぞれの個性が薄くなった印象を受けました。シズ、師匠、相棒あたりなんかは特に顕著で、理想的な顔立ちを追求すると、皆同じ顔立ちになってしまうと言わんばかりにそっくりさんで無個性でした。髪型と服装以外の外見的特徴で個々が区別が出来る様にして欲しかったです。「世界は美しい、ゆえに美しい」ではなく、「世界は美しくない、ゆえに美しい」が本作のキャッチコピーでもありますので(笑)

総評として、旧作と比べて全体的に雰囲気が明るく、キャラデザも今風、アニメが時代を映す鏡として機能している事を如実に表す作風の変化を感じました。命のやり取りなど殺伐としたシーンが度々描かれる作品なので、この変化は手放しでは受け入れ難いものがありました。構成の不備が第2話「コロシアム」と第12話「羊たちの草原」にあった事も残念です。

心待ちにしていた再アニメ化だったので、期待度が大き過ぎてがっかりしてしまう箇所もいくつかありましたが、なんだかんだで前期では取り分け楽しみなアニメの一つになっていました。原作ストックが山の様にあるので、次回のアニメ化に際してはリメイクエピソードを除外して、もう少し雰囲気暗めに作って欲しい(笑)というのが一視聴者としての願いです。

いつかまた始まる旅人の物語に期待を込めて!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 52
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

流れの革命家ごっこ

2話までの感想
{netabare}あっれー?こんな作品だったっけ?
あっれーーー?
ま、まだ2話だしね、今後の挽回に期待。{/netabare}

3話までの感想
{netabare}↑の感想ではあんまりなので2話の感想から。
敵を倒して──イヤな奴をやっつけて気分爽快って内容な場合、相手のやろうとしてたことを挫(くじ)くのが最も爽快であり、じゃあ相手のやろうとしてたこと(=意思)が見えないのであればそれは物足りないこととなる。
将棋…でなくてもでも勝負事でよく言われるのは「相手の最も嫌がる手を打つ」であり、じゃあ何を最も嫌がるのかってのは相手の意思を読まなければ(エンタメだったら見えてこなければ)ならない。
これといった理由を書かずとも納得させることができる「一番嫌がること」は死ぬことで、ぶっ殺せばそれで爽快ってのはある意味正解ではあるけど、それだけではやっぱり手抜き感を覚えてしまう。
そんなんだったら敵はモンスターにでもしとけばよく、人間である必要性が無い。
要は主人公側の意思だけでなく、それぞれの立場のそれぞれの意思(それが正しいかどうかは関係ない)が描かれてなければ面白いとは思えない。

で、2話の王様って、単に気が触れてただけちゃうん?
保身のために国民を蔑(ないがし)ろにしてたなら「保身=死にたくない←嫌がること」としてぶっ殺してザマァとなるが、ただ狂ってた奴を殺したのであれば「楽にしてやった」だけにしか感じない。
別に国のためを思ってああいう制度を入れたワケでもなさそうだし、国が滅んだとしてもやっぱりザマァにはならない。
むしろ国を思ってた者にとってはトンだ迷惑であり、そしてそういう立場のキャラが登場しないことに違和感。
王子がそうなんじゃないのかよと思うのだが、王子も王子で国はもう諦めてるみたいだし…。
教条染みた内容であるが「○○党は出来が悪いから××党に“試しに”政権執らせてみよう」ってことをして手痛い目に遭った経験を知る者なら「トップを挿げ替えれば良くなる」という発想には至らないでしょう。
あの事件が起きる前ならまだアリだったのかも知れないが、今となってはどうしても時代遅れのような…。
これはもう作者も「あの頃は若かったな」と苦笑いしてそうな予感…いやどんな人となりか知らんけどさ(※)。

そして3話は…ああ、うん、まぁアレか。
政治的な話はあんましたくないのだけど、領土の概念がハッキリしてないのでテーマとしてイマイチのような。
それこそ移動する国は摩擦を起こしたくないのであれば自分とこの領土を決めてその中でグルグル回ってれば良いだけ。
城壁を築いて通せんぼも、某島の実行支配を揶揄ってるように思えるが、先にも書いた通り領土の概念、領有権が不明なのでナンともかんとも。
こういうのって当事者同士でどうこうだけでなく第三国にどう映るか(バックに何が着いてるか)ってのが問題で…999だったら星系レベルで離れてるから気にならないけど、キノの場合は…ねぇ。


1話から通して謎なのは、国であることの必要条件、城壁外の統治・治安、城壁は無尽蔵に広げていっていいの?等。
恐らくリアルでは海なところを森にして比喩ってるんだと思うけど、それにしたって実際には領海があるし、何処の領海でもないのなら好きにしていい(海洋投棄など)ってことでもなかろう。
「城壁の外はどの国の支配下にもしてはいけない」って取り決めでもあるんかな?その場合も結局は国際合意の元でしか無いワケだが…。
例えば城壁の外で金脈見付かって、その鉱脈の所有権巡っての争いとか…今後そういう話来るのかな?
他の国との経済交流など必要なく自給自足で各国が独立して存在できるとしたら、どれだけ身勝手に振舞えるだろうか?というシミュなんかね?



今の時代に軍のコンピューターが「地球ノ環境ノタメニハ人類ハ不要ダ」とかいって暴走する話なんかやったら「古っ」ってなると思うんだ。
科学万能説も、あるいは科学万能説に警鐘を鳴らす作品も、今となっては古臭いと思うのだが…。
だからといって昔そういう作品が多く作られたのはくだらないってワケではなく、キノについても似たようなもので…別に作者批判ではないのだが、人によってはそう見えちゃう?{/netabare}

4話感想
もうどこから突っ込んでいいやら分からない。
下書き書いたらめっちゃ長文になってしまって誰も読まない予感。
次回以降どうにかうまくまとめて書ければいいのだが…。

8話までの感想
{netabare}真面目に書いたらすごく長くなってしまって誰も読まなさそうだし、簡単に。

5話、ああ、木枯し紋次郎のディスりね。
7話、安田講堂かあさま山荘の映像見て思い付いたのかな、連合赤軍大勝利で機動隊が大惨敗ねぇ…。
8話、ラマルク主義批判か…まぁそれはいい。
ただ、シズは真実をいきなり市民に明かすのではなく、国のトップにだけ明かし、どう報道するかはお任せしますって行動は思いつけないのか。
この「間違ってないから正しい」と、必要な過程を何段も飛ばす行為は船の国でやらかしたのと一緒、まるで成長してない。

作劇に於いて、他の作品や出来事を見て「オレだったらこうする」って書くのはよくあることだと思うが、だからといってテーゼまで描き切れないのであればアンチテーゼじゃなくてアンチでしょ、ってのは何かの感想で書いた気がするが、キノは正にそれを感じる。
「あてつけがましい」って言葉が一番シックリ来るかな。
こうなってくるとマグリットもディスってるんじゃないかとさえ思えてくる。
他にも色々言いたいことはあるけど、それは最後まで見てから(書かないかもしれないし、気が変わるかも知れない){/netabare}

断念{netabare}
8話で断念。
いつか見るだろう見るだろうとずっと「今観てる」状態のままでしたが「途中で断念した」にします。

↑でも書いた通りグチグチと小姑みたいな小言は長々とあるのですが、それは割愛するとして、その一方でゲゲゲの鬼太郎第六期が始まりまして。
それを見て「ああこれだ」と思ったのでこちらの〆の感想を書くに思い至った次第(あんまり他作品と比較するのは良くないんだけどさ)。

鬼太郎の方を先に書くと4話、妖怪の森へ少年が迷い込み、持ち出し禁止の木の実を持ち出して森の主が激怒するって話でして。
オチは木の実を返して謝罪して「どの世界にも侵してはならぬ掟がある」と説教されてエンドですが、自分の価値観的にはこっちでして。
これがキノだと山の主をスタイリッシュに銃殺して、エルメスが「木の実は本来タネを遠くに運ばせるもので、森の外へ持ち出したっていいのにね」と知ったような口聞くんかなぁ、と思ったり。
つまりはその世界の歴史文化風習を踏みにじるのがカッコイイと思ってるみたいで、自分にはどうにもダメでした。
「それぞれの国はバカにしやすいようにバカな風習しか書けない」ってのが透けて見えるけど、例えそうだったとしてもそれが歴史としてそうなってるのならそうならざるを得ない沿革があったんでしょう、と自分は思ってしまうので。
女人禁制の土俵に女性議員登らせてニヤニヤしてた政党もあるくらいなので、そういうのを支持する人も居るってのは分かるけど、ちょっとねぇ。

まぁなにより何話だったか町の英雄の遺品をディスったこと、元々“誰かが整備した道路”が無ければ役立たず、その程度でしかないバイク如きがその“誰か”に感謝することなく常に上から目線なこと。
住所不定無職が地に足ついて生活してるカタギに知った口聞くのがどうにも耐えられませんでした。
(木枯し紋次郎はカタギの人が道を歩いてたら自分は端っこを歩くと仰ってますぜよ)
よく銀河鉄道999に例えられるけど、あれは「あんなトンでもない路線を敷ける鉄道会社が発行した切符を持ってる」ってのが身分保障になってるワケで、それすらないキノは賊と同じなワケで…。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 10
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界の静けさ。人の、醜さと脆さと強さ。第1級のファンタジーとしての雰囲気、名作に成りそうな風格が漂う、制作陣の本気がそのまま直球で伝わってくる作品で、

世界は美しくなんかない。
そしてそれ故に、美しい。
というキャッチコピーそのままの物語が展開して行きそうで、
一話にしてすでに、名作の予感さえただよっています!

前作未視聴、原作未読、前知識なし、で視聴に及んで、
これは素晴らしいファンタジーだ。と、視聴後はしばし、
その空気感にたゆたってしまいました。

もちろん、ファンタジーといっても、
ドラゴンが空を舞っている訳でもなく、
エルフやドワーフが出て来る訳でも、
魔法が飛び交う訳でもないけど、
まさに寓意に満ちた、ホントの意味での優れた「ファンタジー」で、
一発でその秀逸な世界観に心をもっていかれたのです。


鑑賞しながら思い起こしていたのは、「星の王子さま」のことでした。

ご存知の通り、王子さまは、作中で寓意に満ちた話を、
遭難した飛行士である「私」に話してくれますが、
星から落ちてきたって話も、さまざまな寓話も、
すべて王子さまが話して聞かせたことだけで、
ただの「脳内ファンタジー」なのかも知れません。
そして、砂漠で二人きりの時間を過ごす間、
なんのファンタジックな出来事も起きません。

でも「星の王子さま」は、まごうことなき最上質のファンタジーで。

キノの旅は、凄く、それに似た匂いがしたのです。



相棒のオートバイがしゃべるってことを除けば、
アニメとしての、いわゆるファンタジー要素は何もない。
機械がしゃべるってことだって、
それで自律起動したり勝手に走りまわったりすることもなく、
ただキノとお話しできるだけ。
これだって一人旅の寂しさ故の脳内会話だったってことにしてしまえば、
全ては現実世界と何も変わらない。



でも実際に、この一話だけで、一級のファンタジーとして成立している。

それは、おそらくは、物語の世界のあり方が、
そこだけが私たちのいびつな現実世界と違って
少しだけ違う方向に歪んでいること。
そしておそらくは、それぞれの都市国家が、
独自の文化をもち、独特の風習に倣って存立していること。

キノ自身は定住する場所をもたない旅人であること。

その前提条件があって、その上で、人と人が係わりあうことが、
凄くデリケートな出来事として存在すること。
そういった、人の在り方と、人に対する視線が、
ファンタジーとして見事に結晶していることが、この物語の魅力な訳です。
生き残る術として、夜ごと銃の訓練を怠らず、
寝るときには銃を握って胸に抱いて眠る。
そういう世界に生きていて、なお、都市から都市へ、
流れ続けて生きていく。
この少年の生き様は、それだけで寓意に充ち満ちた、
美しくなんかないからこそ、美しい。
そんな魅力的な話として心に刺さったのです。


第2話視聴。
第1話に比べると、先が読めてしまう展開ではあったんだが、
驚いたのが{netabare}キノが女の子だったってこと。これ、前知識ゼロの私だけで、どうやら周知のことではあるみたいなんですけど。でもこの、明かし方も、犬のリク君にエルメスが「スケベ犬!」と怒鳴って、そのあとリク君がシズに耳もとで囁いて、シズの呼びかけ方が、「キノ君」から「キノさん」に変わってってところまで気づけませんでした。その前に、キノがシズの、同行しようという提案に対して「知らない男に付いていっちゃいけないって言われてるんで」って発言で気づかなきゃいけないところなんですけどね。{/netabare}
そして、世界は美しくなんかない、と、キノが珍しく抑えられない程に怒っていたのが、{netabare}本来なら自暴自棄になっていてもおかしくない状況で、夫を喪ったばかりの、美人で、うら若き未亡人に、にこやかな笑顔で騙されて「コロシアムの国」を訪れていたこと。そういう目に会っていたからこそ、コロシアムの国を目指すときのキノが妙に弾けて道を急ぎ過ぎていて、その反動で、未亡人の所業にやり切れない憤懣を抑えられず、怒りを国王に、ひいては国王とともに堕落していった国民皆に向けていたことに、納得がいきます。{/netabare}


第11話視聴。
{netabare}これまでは、淡々と、様々な国が描かれ、その国と係るキノ、ときにはシズのエピソードが綴られてきて、
悪くはないんだけど、なんか作品世界としては広がりがなくて物足りないかな、なんて思い始めてきたところで、
この11話。

キノの誕生秘話が明かされました。
「滑稽な悲劇」とでもいうべき様々な国の成り立ち方を傍観して、ときに加担してきたキノたちにとって、
自分の出自に関する、悲劇的な現実が提示され、
世界の醜さ、残酷さが、冷厳に提示されます。
世界と係る当事者である以上、滑稽に映る国についても、
キノには悲劇なのだと、思い知らされます。
タメが長かったけど、やはり凄味がひと味違う作品だと痛感しました。{/netabare}

最終話視聴。
{netabare}ラストを締めくくるにふさわしい、素晴らしいエピソードだった。
世界の残酷さとともに、
自然や生物の残酷さも、無辜の人々の善意の残酷さも、
主人公キノの残酷さも、すべてを余すことなく描き切ってくれた、
という満足感とともに、
あらためて、世界が、美しくないからこそ愛おしいのだと、
そう感じられる話だった。
途中中だるみかとも思えるエピソードもあったが、
ローファンタジーなりのリアリティを追求したからこそ、
こういうはなしになったのだ、と、
十分に満足のいく仕上がりだった。{/netabare}
「10月クールTVアニメ 早めの折り返しBEST10」1位→https://www.anikore.jp/anime_rankings/view/46297/

↓「最速!2017秋アニメBEST10」にランクイン↓
https://www.anikore.jp/anime_rankings/view/46224/

投稿 : 2025/01/04
♥ : 48

70.4 9 残酷で理不尽なアニメランキング9位
無敵超人ザンボット3(TVアニメ動画)

1977年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (86)
349人が棚に入れました
富野由悠季(当時は“喜幸”)監督の手がけた異色のロボットアニメ。後の「機動戦士ガンダム」へと続く、リアルロボットものへの先駆けになったリアルな作劇が支持される。やんちゃな少年・勝平を始めとした神ファミリーの祖先は異星人であり、彼らには地球を襲う凶悪な敵ガイゾックに対抗できる超メカニックが受け継がれていた。それを操り人々を守る勝平だが、その戦いを眺める民衆の視線は冷たかった…。

声優・キャラクター
大山のぶ代、森功至、松尾佳子、永井一郎、川島千代子、鳳芳野、古川登志夫、渡部猛、島田彰

ace さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメ史に残る、残虐外道な敵たち

・大山のぶ代
なににつけてもこれを1番に報告せねばならない
ザンバードのパイロット、主人公勝平の声優は大山のぶ代である
これがまたドラえもんにしか聞こえない
大山のぶ代は声優の仕事のときにわざわざ声を変えたりしない、と答えている
その答え通り、あのドラえもんの声は地声である
そして、この勝平の声も地声である
つまり、ドラえもんの声そのままで演じているため
もうドラえもんであるwww
非常に貴重であるため、大山のぶ代のドラえもん以外の主演を見るためだけに
この作品を見るってのもあり
あのドラえもんが「オレっち」とか言ってる~~!っと楽しくなるね

・地球を守るのは地球人ではないwww
主人公ら神(じん)家は、「ビアル星人」であり、地球人ではないため
地球を守るのは実は宇宙人という衝撃のアニメでもある

・この手の主人公には珍しい
第一話から主人公の神勝平はパクったバイクで暴走行為をしているwww
警察の話では他にも様々な非行行為をしている様子
珍しいねぇ
この手の主人公ってのは、基本的にテストは悪いが正義感があり、
非行行為などもってのほかだと思うが
ちなみに12歳・・・

・敵さんは凶悪
一般人死にまくりです
昭和アニメ特有と言える
主人公側のサブキャラも次から次へと死ぬ・・・

・視聴アニメ史上最も残虐なアニメ
多分ね
すぐ上でもちらっと書いたけど人間殺しまくり
勝平が攻撃を避けたせいで後ろにいる人たちが10人くらい死んだり
人間に爆弾を埋め込み「人間爆弾」として次から次へと爆発して死にまくり
まぁ、これがロボットアニメの裏側よな・・・

◯よい

・型破りな主人公
この手のアニメには珍しく主人公勝平はいわゆる非行少年
第一話からぱくったバイクで暴走し、警察にも名を知られている
おまけにライバルの少年、香月慎吾にザンボットで殴りかかろうとする
資材を売ってくれない店から資材をパクろうとする
その店の店主が死にかけても無視しようとし、おまけに「見ろよこの欲張った格好(笑」
と、氷漬けになり死にかけの店主を小馬鹿にするwwww
良い子ちゃんばかりの主人公はもうあきてたので、
正直けっこう好きwww

・宇宙太もやばい
勝平の操縦仲間
宇宙太とケイコってのがいるんですが
この宇宙太、勝平と同じレベルのやばさ
怪人(ガイゾック)に氷漬けにされ船員が皆殺しにされた船に乗り込み
死体の山を無視し、船の資材をパクろうとするwww
良い子ちゃんばかりのロボットものはもうあきてたので新鮮で良い!

・ばあちゃんもやばいwww
勝平のばあちゃん
第一声を聞いたときは、大山のぶ代が2役やってんのか?と思ったくらい声が似てた
こいつ、初恋のじいさん(旦那のことではない!)が死にかけていると
なぜかこのじいさんが初恋の人だと皆に告白し、照れてふざけまくるwwww
周りの人間が殺されまくるなか、初恋のじいさんの顔がアップで写っておおはしゃぎwwww
しかも自分が助けに行くと、ロボットに乗り込み救助に向かうも
案の定失敗し、みなに迷惑をかけまくる
遊んでんのかこいつ・・・

・だが、勝平の家族はかっこいいヤツぞろい
勝平のオヤジ、兄の一太郎は非常に人間出来ている紳士
母ちゃんも周りの人間を助けるために命がけで尽くし、殺されそうだというのに一切の動揺なし!
なぜ次男の勝平だけぼんくらなのか・・・
特に勝平のオヤジは熱い熱血漢でこいつこそが主人公の性格
兄の一太郎も「お前がみなと心を合わせられないのならここで終わろう」と、
ガチで勝平が操縦するザンボットを司令室からコントロールし、自由を奪い敵に負けかけるなど、
非常に熱い性格!

・珍しく町の人間たちの反応がクローズアップされる
このアニメで最も良い部分
宇宙人が攻めてきて、勝平たちがザンボットに乗り込み撃破

戦闘の影響で町を破壊、町の皆は勝平らを激しく憎む

しかし勝平らは命がけで彼らを守っていることがわかる

町の皆が変わっていく・・・

と、まぁこんな感じで町の人間の反応なんざ、他のロボット系アニメでは
テンプレ通りにヒーローだなんだと祭り上げ、いるのかいないのかどうでもいい存在なんですが、
このアニメではかなり密接に町の人間たちの反応をとり上げる

勝平の戦闘で町が破壊され怒り狂った町の皆は勝平たちに冷たい態度を取り続け、
ライバル香月などはどこで手に入れたのか、ショットガン(本物)を持ち出し
勝平たちのロボット基地を襲撃し
司令室を破壊、そのせいで司令室が使用不可の状態に陥りその修理に
勝平たちが奔走するという事態にまでなる
他のロボットアニメで普段放置されている町の人間たちが
主人公一味にここまで大きな影響を与えるのは珍しい・・・
とても良かった!

・香月の存在
勝平のライバルで、13歳
勝平とは非行仲間であり悪友で、たびたびバイクで暴走行為をし警察からも名を知られている
ザンボットを収容している勝平たちの基地、キングビアル(司令室)をめちゃくちゃに壊した首謀者で
こいつの頭のおかしい言動にイライラしていたが
その実、男らしい、正義感の強い熱血漢で
体1つで敵の基地を爆発させたり、人質を逃したりする
このアニメに欠かすことのできない「もう一人の主人公」へと成長する
いいキャラだった

・OP
一度聴いてみてください
なんか・・・初代妖怪人間ベムみたいに独特すぎるOP・・・
結構良い!

◯わるい

・フラッシュ
昭和アニメの特徴ですね
眩しすぎるフラッシュ連打
危険なので、これが起きたら目線を外そう!
けっこうの頻度である

・全然目立たない宇宙太とケイコ
勝平とまったく同じ立場
ザンボット3のパイロットではあるが、
勝平が目立ちすぎのためか「あ、いたんだ」となる悲劇の二人
作中でも「悲劇」が待っている・・・
もっと存在感を光らせてくれてもよかった

・搭乗機械がよくわからん・・・
ザンバード→勝平が乗っている戦闘機で、独自にザンボ・エースという人型に変形できる
ザンブル→宇宙太が乗っている戦車
ザンベース→ケイコが乗っている、WIKIを確認してもなんなのかよくわからない・・・爆撃機らしい
この上記3機が「ザンボット・コンビネーション」で合体すると
ザンボット3という巨大人型ロボットになる


◯THE VERDICT

10/10

良かったです!!
これは文句なしにお勧めやな!
「古いロボットアニメなんか興味あるかボケー!」
など言わず、騙されたと思って見てみるといいです
すぐにおもしろくなる

自分も正直1ミリも興味なかったが
やっぱ食わず嫌いはあかんな・・・と再認識

・明らかに「人間狙い」の凶悪すぎる敵たち
俺はロボットアニメ自体ほとんど見たことがない
たしか、これの他には・・・つい最近見終わった「ライジンオー」くらいかな
ライジンオーに出てくる敵は人間には無関心だったんですが
このアニメはまったく逆!!
むしろ人間だけを標的にしており非常に凶悪

敵司令官のブッチャーは「殺しまくれー!」とか毎度騒いでいる
人間に爆弾を埋め込み自爆させる「人間爆弾」
和平交渉に来た政府要人を飛空艇から弓の的にして落とすなどやばすぎ
WIKIにも「人類を殺戮することを楽しむ」と書かれるしまつ

俺はロボットアニメをあまり見たことがない、と書いたが、そんな俺でもわかることがある
それは
ブッチャーはロボットアニメ史上間違いなくトップクラス(というかトップ?)の
凶悪外道な敵である

自分的に「ロボットアニメ」というジャンルは今熱い
ライジンオーとこのザンボット3がとても楽しめたからだ
どんどん視聴リストにロボットアニメを取り入れたいと考えている
ブッチャーを超える凶悪な敵が出てくることを期待しているwww
というか、いるか?

・どんどん盛り上がる
正直最初の方はよくわからんキャラがわらわらいて
なんかやってんなぁ・・・わかんね!
って感じだったけど
キャラの役割や個性がわかったらきたら楽しくなってきてどんどん盛り上がってくる
お勧め!

◯まとめ
悪役だった主人公一味が英雄になる様子は爽快だった!
とても楽しめたよ
凶悪極まりない敵たち!
「全滅エンド」とまで言わているかつて例を見ない凄まじい展開!
勝平の熱い性格と香月との友情!
一見価値はあると断言できる!

◯超どうでも良い企画
ロボット系アニメのレビュー毎にやっていこうと思っている
「どちらが強いか」

まずはライジンオーVSザンボット3が戦えばどちらが勝つか・・・
それは・・・

おそらくザンボット3です

理由は、「銃器」ですな
ライジンオーはたしか殴ったり剣で斬ったり特攻したりだったけど
ザンボットの基本武器は銃やバズーカ、ロケット砲です
水爆でも壊れないロボを「イオン砲」で破壊したり攻撃力も最強クラス
ライジンオーは近づくこともできず粉々じゃないかなぁ・・・と思う
接近戦も別に弱くないし
ザンボットのパイロットが「睡眠教育」で戦闘の
イロハをずっと学んできたエリートってのも理由の1つ

ということで、ザンボット3が勝ち抜き
次の相手は誰になるか・・・

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

無印ガンダムやイデオンの前触れ的な作品・・・ということで視聴してみましたが。

子供向け“ロボット・アニメ”という触れ込みでスポンサーを騙しておいて、安っぽい“社会派アニメ(※意識高い系ともいう?)”を作ってみました、的な何かか?

これ、商業倫理上どうなんでしょうか?
アニメーターとスポンサーのチカラ関係で、昔はこういうことは業界では別に珍しいことではなかったんだよ、とか言われそうですが、これで企画書どおりにお金を出して、玩具も作って売り出したスポンサーは一体どう思ったんでしょう?

まあ、私の心配することではないでしょうけれども、こんな風にあからさまにスポンサーを騙して金だけ出させて(※損までさせたわけではないと信じたい・・・)、専らアニメーターの自己満足の産物を作ってしまって、本当にそれで良かったんでしょうか?

※このシナリオでは、当時視聴していた子供たちには余り受けなかったのでは?と思いますが、富野監督と同世代の仲間たちには大変に評判が良かったようで、今でも本作を“名作”と評価する声もあるようです、念のため。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
作画等は年代相当だけど、「睡眠学習」で主人公が戦闘機&ロボット操縦スキルを既に取得済みという設定が結構笑える。
・第5-6話視聴終了時点
毎回来襲するメカ・ブーストとの格闘ではなく、町を守っているはずの住民から神ファミリーが忌避され排斥されていく展開に一応の見どころがある作品らしいと気付く。
とくに主人公勝平はやはりアムロの原型か?
・第10話視聴終了時点
ガイゾックが日本国使節団を捕らえて風船に吊り下げて銃で人間狩りをする(撃ち落されるシーンまであり)は、小学校低学年向けアニメとしては明らかに場違いじゃないのか?という疑念から、初の×(疑問回)認定。
・第15話視聴終了時点
モブ以外のキャラが初めて死亡する注目回。
・第16話視聴終了時点
「人間爆弾」が初めて登場する注目回だが、酷いシナリオで×。
・第17話視聴終了時点
北の“七ヵ所村”の避難民キャンプがガイゾックの「人間爆弾」対象者調達基地になっているという設定→明らかに青森県上北郡の六ヶ所村(※原子燃料サイクル施設などの原子力施設がある村)をモデルにしている。
・第18話視聴終了時点
主人公=勝平の幼馴染ブスペアの片割れが“人間爆弾”で爆死で、ここから欝展開本格化か。
・第23話(最終回)視聴終了時点
この回のシナリオは酷くて弁護の余地なし。
この当時は、こんなんで“社会派アニメ”を気取ってたの?{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作           鈴木良武、富野喜幸
総監督         富野喜幸
脚本           五武冬史、荒木芳久、吉川惣司、田口章一、星山博之
キャラクターデザイン 安彦良和
メカニックデザイン  平山良二、大河原邦男、スタジオぬえ
音楽           渡辺岳夫(作曲)、松山祐士(編曲)
アニメーション製作  日本サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 無敵超人ザンボット3 (1977年10月-1978年3月) ===========
{netabare}
第1話 ザンボ・エース登場 ☆ キラーザ・ブッチャー復活、神勝平ザンボ・エース搭乗・出撃、メカ・ブースト・ドミラ撃破
第2話 燃える死神の花 ☆ 神(じん)ファミリーの使命(ガイゾック撃退)、勝平苦戦、ザンブル来援(宇宙太搭乗)、ザンベース来援(恵子搭乗)、ジドブラー撃破
第3話 ザンボット3出現! ☆ 剣道奉納試合(勝平vs.香月)、宇宙太&恵子苦戦、勝平の我儘と一太郎の怒り、3機合体(ザンボット3完成)、ガビタン撃破
第4話 集結!キング・ビアル ☆ 神ファミリーの秘密(ビアル星からの宇宙移民の子孫)、移動要塞ビアルⅠⅡⅢ合体(キングビアル完成)、ドヨズラー撃破
第5話 海が怒りに染まる時 ☆ 避難民の神ファミリーへの誤解・嫌悪、家族と生き別れた香月の逆恨み
第6話 父が帰ってきた日 ☆ 勝平の父・源五郎登場、勝平の香月への反発と父の怒り
第7話 さらば!我が友よ ☆ ブスペア(アキ&ミチ)の危機、ミチ救出とアキの反感、香月ら住民の恵子人質・キングビアル侵入、勝平の母・花江の怒り
第8話 廃虚に誓う戦士 ☆ 宇宙太の母・すみ江の反感、ガイゾック東京襲撃、ビアルⅡ離脱、宇宙太活躍・バアルⅡ帰還
第9話 危うし!キング・ビアル ☆ キングビアルの資材調達の困難、大滝社長救助・死亡、資材入手・キングビアル分離
第10話 バンドック現わる! × 埴輪型ガイゾック巨大基地バンドック出現、日本国使節団への人間狩り、野崎副首相救助(梅枝婆さん活躍)
第11話 決死の爆破作戦 ☆ 続き、兵左エ門・源五郎とブッチャーの対談、ブッチャーの黒幕ガイゾック登場
第12話 誕生日の死闘 ☆ 恵子の14歳の誕生日・帰省、松本城騒乱、恵子の親友ヒロミ達の非難・悪罵、傷ついた恵子の立ち直り
第13話 果てしなき戦いの道 ☆ 巻き添えを出さない戦い方、勝平の自暴自棄、香月の励まし・勝平の立ち直り
第14話 スカーフよ永遠なれ ☆ 北海道・札幌避難民キャンプ(アキ&ミチとの再会)、ブスペアとの仲直り・二人の贈り物
第15話 海に消えた老将 ☆ 国連防衛軍からの援助申し出、B.ジェイムス提督壮絶死(囮船団壊滅、補給物資到着)
第16話 人間爆弾の恐怖 × 謎の爆破事件、神ファミリー年少組(和之・公子・きいろ)の人質救出、人間爆弾自爆 ※酷いシナリオで・・・
第17話 星が輝く時 × 避難民キャンプの秘密、健太脱走・救助、勝平キャンプ潜入、香月囚わる、浜本爆死 ※同上
第18話 アキと勝平 ☆ 避難民乗船拒否、アキ救出・爆死、ミチ脱出・救出
第19話 明日への脱出 ☆ 香月奮闘・ガイゾックの正体目撃、敵基地バンドック強襲、人質脱出、バンドック撤退
第20話 決戦前夜 ☆ 国際防衛軍のキングビアル&ザンボット3接収、防衛軍苦戦、パイロット交代、水爆爆発、神ファミリー宇宙へ
第21話 決戦!神ファミリー ☆ 宇宙空間の激戦、バンドック突進、ビアルⅡ突撃・轟沈(平左ェ門夫妻)、バンドック逃亡
第22話 ブッチャー最後の日 ☆ 避難民・非戦闘員の地球送還、青騎士&赤騎士撃破(源五郎戦死)、ブッチャー撃破・爆死、ラスボス登場
第23話 燃える宇宙 × 続き、恵子&宇宙太突撃・爆死、コンピュータードール8号との問答、8号爆発、一太郎・久作・大太爆死、勝平地球帰還(ミチの介抱){/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)20、×(疑問回)3 ※個人評価 × 2.9

OP 「行け!ザンボット3」
ED 「宇宙の星よ永遠に」

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

トラウマと言えばこれ

<2017/10/28初レビュー>
富野由悠季監督作品。
キャラクターデザインは、ガンダム、クラッシャージョウ他で著名な安彦良和。
主役の声優さんはドラえもん。
となかなか豪華(?)な感じの"子供向け"アニメです。

子供の頃観ました。
確か、土曜の夕方5時。

その頃は子供向けロボットアニメ全盛でした。
ガンダムがまだ出る前。
アニメと言えば子供のもの。
ロボアニメも当然子供向け。
そんな時代です。

当時のロボアニメは毎週、敵が一体襲ってきて、主役ロボが撃退。
バトルでは街並み壊しまくりますが、翌週にはきれいに元どおり。
そしてまた敵と戦って壊す。
そんな主役ロボを街の人は絶賛。
それが当たり前のお約束でした。

このザンボット3も見始めた時はそうした勧善懲悪の水戸黄門のようなロボものだろうと。
更に、ロボもopテーマもそれまでのどのロボものよりもカッコ良い、と最初ものすごく期待してたのを今でも覚えています。

でもこの作品は違いました。

熱血小学生"神勝平"の操るザンボット3は幾度となく襲い来る敵を撃退していきます。
ところが壊された街は元に戻りません。
住む場所を失った人々は列を成して疎開していきます。
そんな街の人々は「敵はお前達を狙って攻めて来てるんだ。お前らは地球から出ていけ!」と主人公達に石を投げつけます。
そんな人々の中には仲の良いクラスメイト達もいました。

そして真骨頂は勝平のガールフレンド、あきの顛末です。
{netabare}敵はある時から地球人を誘拐、体に爆弾を埋め込んで人間爆弾として地球に返す、という非道な作戦を始めます。
あきも攫われてしまい、主人公がなんとか助け出すのですが実は既に・・・{/netabare}

最終回は{netabare}皆殺しの富野{/netabare}でした。{netabare}主人公以外の主要登場人物、同じザンボットのパイロットの従兄弟二人も、おじいちゃんもお父さんもお兄さんも親戚のおじさん達も皆死んでしまいます{/netabare}

アニメ観て鳥肌立つ、初めての経験でした。
いろいろと悪い意味で。

当時、これ観終えてからロボアニメ観るの数年やめました。
なのでガンダムもリアタイでは観てません。

この作品は私にとってのトラウマアニメです。

ですが、年を経て今となるとやっぱりもう一度観たいなー、という気持ちもあります。
でもこの作品なかなか再放送されないんですよね。

とか思ってたら、明日、BSで一挙放送やるそうです。
これは録画しないと!笑
と思ってレビューした次第です。

(おまけ)この作品、昔イタリアでも放送されてたそうです。イタリアサッカー界でレジェンド級のイケメンストライカー"ピッポ"フィリッポ・インザーギも観てたのだとか。

<2021/5/8 追記>
OP曲好きだったんですよ。
「(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー・GO!
愛と勇気と力とが静かに眠る海の底♪」

投稿 : 2025/01/04
♥ : 28
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