歴史でツンデレなアニメ映画ランキング 1

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67.1 1 歴史でツンデレなアニメランキング1位
機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル(アニメ映画)

2015年2月28日
★★★★☆ 3.9 (183)
1002人が棚に入れました
宇宙世紀0068年、サイド3、ムンゾ自治共和国。宇宙に進出した人の革新を説き、地球連邦政府からの完全独立を宣言しようとしたジオン・ズム・ダイクンは、議会檀上で演説中に突如倒れ、帰らぬ人となった。ダイクンの死後、ザビ家陰謀説を唱えるダイクンの側近ジンバ・ラル。しかし、サイド3、ムンゾの実権を掌握せんとするデギン・ソド・ザビ率いるザビ家の暗躍は加速していく。これまで語られる事の無かった動乱の歴史が明らかになる中、ダイクンの遺児であるキャスバルとアルテイシアには、激動の時代を象徴した数奇な運命が待ち受けていた…。

声優・キャラクター
田中真弓、潘めぐみ、浦山迅、銀河万丈、藤真秀、三宅健太、渡辺明乃、津田英三、恒松あゆみ、喜山茂雄、沢城みゆき、茶風林、池田秀一、大塚明夫

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

【主に戦車道】断っておきますがこれはガンダムのレビュですよ?【主にロリテイシア】

初代『ガンダム』(ファーストガンダム)のキャラデザを務めた安彦良和が、独自解釈でファーストガンダムをコミカライズした漫画、『THE ORIGIN』をアニメ化した作品です
つまりガンダムの歴史上、初めて漫画→アニメという経緯を持った作品になります
監督は『0083』や『MS IGLOO』の今西隆志
脚本に隅沢克之
キャラデザにことぶきつかさ
メカデザにカトキハジメ(MS系)、山根公利(車輌系)、明貴美加(戦艦系)、アストレイズ
総作画監督に西村博之(天才)
メカ作監に鈴木卓也
音楽に服部隆之
1話約70分、全4部作(予定)


今作で描かれるのは1年戦争の前日譚にして漫画版オリジナルストーリーとなった所謂「シャア・セイラ編」です
キャスバル・レム・ダイクンという少年が如何にして赤い彗星ことシャア・アズナブルを名乗ることとなったのか、とまあシャアという男とその妹のジュブナイルが基軸となります
ちなみにあくまで『THE ORIGIN』のアニメ化であり、【ファーストガンダムそのものとは設定や時系列が異なっている】ことを断っておきたい


まずアバンタイトルで描かれるのはシャアが赤い彗星の異名を取ることとなり、アニメでは詳細が描かれなかったルウム戦役
今作ではモビルスーツは基本的に3DCGで描写されます
このルウム戦役の迫力の戦闘シークエンスを描くのは北野三郎・・・じゃなかったw板野サーカスこと板野一郎
ハイスピード、かつ膨大な情報量で混沌とした艦隊戦を潜り抜けるシャアの姿が描かれます


そして時を遡り開戦の11年前、宇宙世紀0068
地球連邦からの独立を図るスペースコロニーサイド3のムンゾ共和国が舞台となります
指導者ジオン・ズム・ダイクンは彼の家族を巻き込みながらも宇宙移民の自治権確立に奮闘する日々を過ごしていた
しかしある日、彼は狂気の中で突然に息絶えてしまう
ダイクンの死は謀略だと民衆は暴動を起こし、それを鎮圧する地球連邦は軍を投入、この混乱に乗じてムンゾの実権を握ったザビ家の暗躍
そしてダイクンの遺児こそがキャスバル=シャア、そして妹のアルテイシア=セイラだった
これまで設定のみで深く語られることの無かったダイクン家とザビ家の確執、政治ドラマ
ダイクン家に助力するラル家の親子、特にファーストでは名前だけが語られていたジンバ・ラルの登場
『THE ORIGIN』のオリジナルキャラであるザビ家の次男、サスロ・ザビの存在も忘れてはいけない
そしてクラウレ・ハモンやクランプといったキャラの活躍もファーストファンには心躍るところでしょう


さてところで、この作品はガンヲタとかガノタとか呼ばれる一部のマニア専用の作品では決してないということを強く主張しておきたいです


まず先にも言ったとおり旧作の設定はほとんど意味を成していないのでむしろガンダム初心者の方がすんなりと今作を受け止められると思います
独立運動に心身を疲弊しながらも奮闘する父の背中を見て育った少年が、今度はその父の死をキッカケに故郷を追われる身となり、やがて一族を貶めた者達への復讐を誓う・・・
そう今作は何も複雑なSFとかじゃないんです、【ピカレスク・ロマン】なんですね
強いて言うならタイトルにもある【“ガンダム”が一切出てこない】ことだけはご了承願いたい


最大の見どころは“安彦絵の完全再現”
近頃のアニメでは珍しくなった三白眼、長い下まつげ、ハイライト少なめな頭髪といったデザイン面
そして劇中でのコミカルなタッチ、正真正銘のテレビまんが感
特にガンダムのようなシリアスな作品ではもうあまり観られないであろうオーバーな表情芝居は古き良き時代を生きた漫画家ならでは感性ではないでしょうか
それを(天才)西村博之が細かいカット一つ一つにまで拘って作り込んでいるのが見えてきます
また現場では安彦が直接アニメタを指導するという姿もあるようで、とても貴重な環境が整えられた制作現場であることが伺えます


特に安彦ismが如実に現れているのが“ロリテイシア”ことアルテイシアですかね
喜・怒・哀・楽、今作で全部魅せてくれます
すごく楽し、いやw可愛い(^ω^)


それとクライマックスで登場するオリジナル設定の初期型ガンタンクによる“戦車道ならぬガンタンク道”
陸上自衛隊も取材協力に応じたとかで『ガルパン』ファンにも是非観ていただき一戦に仕上がってますね


ところでキャストがほぼ一新されたのが気になりましたね
故人等も多少絡むためキャスティングには苦労されたのでしょうが、折角新しいガンダムをやるんだから、と思い切って冒険をした新キャストがちょろちょろと
特にハモンに沢城みゆきを起用したのは驚きました
そしてこれは成功と言えるんじゃ?とこの挑戦的キャスティングに拍手


一方で銀河万丈のギレンと池田秀一のシャアは全く変わり映えのない安定感で、定着した二人を変えることは不可能だったという結果も見えてきました
35年も経ったのに銀河万丈や池田秀一の代役って未だ誰も出来んのですね・・・まさにオンリーワンか

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ガンダム THE PROLOGUE

名古屋ミッドランドスクエアシネマにて3月7日16:55回を見てきた。
入場者特典として、第1週はシャアのミニ色紙、第2週はセイラのミニ色紙が配られる、とのことで、
セイラの色紙貰えるんだなー
と思いながら行ってみたら、貰えませんでした・・・
せめて、1日くらいは全員に配れれるくらいの特典用意しておこうよ。

では、感想。(3/11、否定的になり過ぎな気がするので追加修正)
{netabare}はっきり言っちゃえば、盛り上がりはあんまりない。
理由は簡単。TV版機動戦士ガンダムが始まる前の物語。モビルスーツ開発される前の話だから。
最初にルウム戦役を見せてド派手な戦闘シーンとしているが、それ以降に出てくるのはガンタンク初期型のみ。

今回の物語の内容をザックリ書くと、原作漫画THE ORIGINの過去編と呼ばれる部分の、
地球から一番遠いコロニー群、サイド3ムンゾにて、議長ジオン・ズム・ダイクンを筆頭に地球連邦より独立しようとしてましたが暗殺されました。
民衆の暴動、ザビ家、ラル家の政治闘争が激化したムンゾから、ダイクンの遺児であるキャスバルとアルテイシアが地球に逃げました。
という部分まで。
ひたすら政治闘争と民衆暴動をダイジェストで見せられるという。
画面が派手になりようもない。


じゃあ、面白く無いのか、と聞かれれば、そんなことは無い。
ただ、同じ形態でやってたUCのEP1を見た時ほどグッとくるものは無かったし、締めの曲もUCの至宝曲「流星のナミダ」を聞いた時ほど感じるものが無かった、というだけのことだ。

ガンダムファンがTHE ORIGINに求めるものであろうものは十分につめ込まれてると思う。
例えば、描かれるキャラはクセのある安彦良和画まんま。TVシリーズ何十話とやる訳じゃないから、アニメーター誰もが書きやすいアニメキャラにされてない。
アルテイシアが父の亡骸を見て叫ぶシーンなんかは「お前誰だよ」みたいなブッサイクな崩れ方をする。いくら美少女でも、いきなり父が死んで、その死体を見たら、美少女が美少女のまんま叫ぶってことはないだろう、と。
そういう生っぽさと、コミカルなシーンと、ハモンさんのムチっとした妖艶さと、キシリアの強さと、みたいなのが綺麗に融合している。

ガンダムファンとして、前日譚を知っている人にはその再確認、知らない人には「へぇ、こういうことがあってのガンダムだったんだ」と知るには十分。まぁ、ガンダム知らない人が見ても全く意味が分からん話だろうな、とは思うが、そもそもガンダム知らない人は見もしないだろう、と思えば、あんまりグダグダと見せてもしょうがないかとザックリ話を進めた今回くらいで良いのかな、と。

4部構成らしいし、ガンダムファン向け前日譚として、第4部ではガンダム第1話につなげつつ、最後の最後に現在のアニメーション技術をフル注入したガンダムvsジオングを見せてくれれば満足かな。


冒頭のルウム戦役
わざわざエンドクレジッドで
アバン絵コンテ 板野一郎
と入れてきた。
ご存知、板野サーカスという、画面いっぱい、いや、それどころか、画面をはみ出た領域まで使った縦横無尽ハイスピードアクションの生みの親。
ほぼフルCGで描かれる大量の艦対艦砲撃戦に、その間隙を縫って攻撃を仕掛けるMS。
正直、地味話な第1部に良い華添え。

現在放送中のSHIROBAKOにて、イデポンが出てくるあたりの紙作画とCGでもめるエピソード。居酒屋で遠藤の話を聞いてた人の元ネタ、というと分かりやすいのか分かりにくいのか。
元々手書きアニメで独特の技法まで生み出した人が、CGに可能性を見出し、THE ORIGINでガリガリのCGを使ってガンダムに戻ってくるという。
時の流れを感じる1エピソード。


キャスバル
田中真弓なぁ・・・
先入観もあるが、利発さが感じられんのだよなぁ・・・{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ルルーシュとの比較で、シャアのクソっぷりが良く分かる作品でした。

※Ⅰ~Ⅵまで全部併せた評価・感想です。

愛する妹ナナリーが{netabare}幸せに生きられる世界を作るため{/netabare}に全力で戦い抜いた『コードギアス』のルルーシュ君にくらべると、同じダーク・ヒーローでも、こちらの作品のキャスバル・ダイクン(偽名シャア・アズナブル)君は一体何なんですかねぇ。
私にはとんだ自己チューのクソヤロウにしか見えなかったんですが????
(※実妹セーラに {netabare}冷たすぎる {/netabare}←TVシリーズ(無印ガンダム)ではここまで酷くなかったはずですが)

それでも、シャア君(※偽名)がはっきりと主人公を務めたⅠ~Ⅲまでは、まだ興味深く視聴できたし、特にⅢはなかなか面白いと思いましたが、{netabare}彼の好敵手となるアムロ・レイ君や彼らの想い人となるララァ・スーン嬢{/netabare}が出てくるⅣから先は、どうもシナリオ散漫になってしまった印象で、作画の方もしばらく前に制作された『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』に比較してむしろ劣化しているような気がする始末で、本シリーズ全体の評価はそれほど高くはなりませんでした。

あくまで個人的な感想ということで。


◆制作情報
{netabare}
原案・原作      矢立肇、富野由悠季、安彦良和(角川『ガンダムエース』2001年6月-2011年6月連載)
総監督        安彦良和
監督         今西隆志
キャラクターデザイン 安彦良和、ことぶきつかさ、西村博之
メカニカルデザイン  大河原 邦男、カトキハジメ、山根公利、明貴美加、アストレイズ
脚本         隅沢克之
音楽         服部隆之
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============ 機動戦士ガンダム THE ORIGIN (2015年2月-未完) ===========

Ⅰ 青い瞳のキャスバル  ★ 4.0 (2015年2月) ※約63分
Ⅱ 哀しみのアルテイシア ☆ 3.7 (2015年10月) ※約58分
Ⅲ 暁の蜂起       ★ 4.3 (2016年5月) ※約68分
Ⅳ 運命の前夜      ☆ 3.8 (2016年12月) ※約69分
Ⅴ 激突 ルウム会戦   × 3.4 (2017年11月) ※約84分 
Ⅵ 誕生 赤い彗星    ☆ 3.5 (2018年5月) ※約84分
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)2、☆(並回)2、×(疑問回)1 個人評価 ☆ 3.7

主題歌 ※毎回変わる

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
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