核兵器で超人なTVアニメ動画ランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月15日の時点で一番の核兵器で超人なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.2 1 核兵器で超人なアニメランキング1位
超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (375)
1449人が棚に入れました
飛行機事故に巻き込まれた七人の高校生。彼らが目を覚ますとそこは魔法や獣人の存在する異世界だった。突然の事態に彼らは混乱― ― することもなく( ! ? )電気もない世界で発電所を作ったり、ちょっと出稼ぎに出ただけで大都市の経済を牛耳ったり、あげく悪政に苦しむ恩人たちのために悪徳貴族と戦争したり、やりたい放題! ?そう。彼らは誰一人普通の高校生ではなく、それぞれが政治や経済、科学や医療の頂点に立つ超人高校生だったのだ!これは地球最高の叡智と技術を持つドリームチームによる、オーバーテクノロジーを自重しない異世界革命物語である!

声優・キャラクター
小林裕介、桑原由気、日高里菜、日岡なつみ、金元寿子、金子彩花、石上静香、間島淳司
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

現実世界においては結果こそ評価されるが、空想世界においては過程こそ評価される。

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
いわゆる、「なろう系」の異世界転生モノ。前期に乱発したものよりは、やや見処(面白さ)はあったと思う。

が、「ムダなエロ」でマイナス1。「やっぱりなろう系じゃん」でマイナス1。ってところですかね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作は、「異世界で(民主主義の)革命を起こす」「建国する」ということをテーマにしている。この点は、とても良いと思う(好きな内容です)。

また、一人のチートに頼るのではなく、異なる才能を持つ7人が、それぞれの得意分野を生かしていくのも、良い展開だと思う。

が、やはり所詮は「なろう系」と酷評せざるをえない。

「なろう系」(と酷評される、異世界転生モノ)に共通しているのは、(作家自らが創造した)異世界に対する、リスペクト、愛情がないという点。

「なろう系」の異世界(転生先)は、現実世界(転生元)に生きる我々に蹂躙されるためだけに存在する、低次元、低レベル、低生活水準の世界である。

現実世界の「当たり前」を披露するだけで、「無双」できてしまう。だからこそ、現実世界では冴えない自分でも、活躍できるという簡単なロジックを用いる(本作は、現実世界でも超人だが)。

よって、その「異世界」で暮らしてきた住人達の意思や努力、積み重ねてきた歴史、人々の生活の息吹は全て、「取るに足らないもの」と一笑に付される。

この点を不愉快に感じる視聴者は多いのではないかと思う。少なくとも、私はそうだ。

それは、作品に愛を感じないから。

作者を親とするならば、転生者(勇者)は子供。愛情をもって当然。でも、敵役もモブも、役割は違えど、基本的には子供じゃないの? 転生者だけが可愛いの?

自由民権運動も良いし、産業革命も良いけど、それらは全て、「転生先の世界の理」の中で行われるべきで、「転生元の世界の理」を引用してはならない。

本作で唯一良かったのは、2話でノイツェランド商会を潰したあたり。(忍者が市長を脅すという反則技が残念でしたが)ある程度は相手の土俵で、この世界の経済体系の中で戦っていたし、結局は、ノイツェランド商会のこれまでの悪行(独占市場)による信用のなさが決め手になった。マヨネーズも、原材料があればなんとか作れそうな範囲だし。

つまり、創作物においては、「結果」より「過程」が大切であるということ。

創作物において、作者は、神に等しい。

PCのキーをひと叩きするだけで、世界を救えるし、世界を滅ぼせる。どんなショボい奴でもハーレムを築けるし、夢も幻も現実に出来る。

何でもできるからこそ、自らを規制しなければならない。どうやら、「なろう系」と酷評される作者は、このブレーキがぶっ壊れているらしい。

今作で言うと、林檎が一番顕著な例。ミサイルもバリアも作るのは良いけど、どうやって作ったかはオールカット。「天才(超人)だから」で全て解決。きっと、作者は、マヨネーズの作り方は知っていても、ミサイルの作り方は知らないのでしょう(まあ、私も知らんがw)。

今期、私が一番感心した作品は、「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」。詳しくは他作品のネタバレになるから書けないけど、「転生先の世界の理の中」で、「自らに枷を設けて」、世界の改革を行っていく。この作品がやらなかったこと、やれなかったことを完璧に行っていた。

また、偶然だろうが、同期に「サルファ剤」を作るアニメがあったが、あちらは「科学」で「じっくり」。こちらは「魔法」で「あっさり」。物凄い分かりやすく、作者のレベルの差を感じた(そういえば携帯電話も、こちらは5秒で作っていましたね)。

最終回も、「え? 最終回なの?」という、肩透かしラスト。。。

う~む。重ねて言うが、他のなろう系に比べれば、楽しくなりそうな要素はあったんだよな。それだけに、残念感が残ったかな。
{/netabare}

【余談~ CMにモノ申す(笑) ~】
{netabare}
自分、このアニメはBSで観てましたが、アニメの後に流れる栄養ドリンクのCMが、「高麗人参や生薬で取り戻す、男の元気、活力」って。

旦那にも自信が~とか、長持ち~とか、いやいや、このアニメ観てるのを、オッサンだと決めつけて提供してるがな(笑)

まあ多分、かなり当たってはいるんだがwww
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
高校生である必要性がよく分からんが。科学者、剣豪、医者、実業家、マジシャン、ジャーナリスト、政治家。つか、コイツら全員いなくなったら、日本、大変そうだけどな。

なぜ、ディープ? みじん切りにしろや。

じゃがマヨ。まあ、卵と酢と油だからな。携帯の改造、、、どうやって? 小型原子炉? 総理大臣、なぜ強い?


2話目 ☆3
ノイツェランド商会が全く同じやり方をしてきた場合、資本力の差で負けそうだけどな。もしかしたら、これまでの信用の差で負けるかもしれないけど。

3話目 ☆2
医療は一番、マジかと思う。衛生状況とか、大丈夫か? タネがあればマジック、なければ魔法。タネを提示できないなら、魔法。

4話目 ☆2
う~ん、これ、文明を進めたくないなら、超人達だけ、少数精鋭で攻めたら良かったんじゃね? レールガン的なやつ作れるなら、サブマシンガン持たせて、忍者と侍に突っ込ませれば、なんとかなるじゃん。結局、市民革命やりたいだけだな。

5話目 ☆2
出た出た、「現代の通常生活を見せるだけで、ショボい異世界では無双しちゃうぜ☆展開」。こうなると、一気につまんなくなるんだよな。マジックと宗教の結び付きは、悪くないけどね。この短期間での狂信的なまでの支持は、気持ち悪いな。宗教ってことは、教えや戒律があったりする? そこを具体的に欲しいな。教え=民主主義、なのかな。

バーナード、わりと、あっさり。

6話目 ☆2
死刑て、政治的な不正で?

7話目 ☆2
たらふく食わして動けなくして、、、薬を混ぜる方が、高くつくのかな? ミサイル迎撃て(苦笑) だったら、長距離ミサイル作って、先制攻撃かけて、ギュスターブを殺せば良いじゃん。

8話目 ☆2
ミサイルの速度で走れる人間は、ミサイルよりも強いと思う。バカみたいで笑えたけどw

9話目 ☆1
ただの蹂躙に、ムダな一騎討ちに、イミフなエロ。

10話目 ☆2
りんごとのデート回。なぜそこで、「私のため」になるんだろう? 状況的には、「りんごを利用して修理費を稼いでいた」だと思うんじゃない、普通。あそこで、「なぜいつも壊れた機械ばかり買うんだい?」「友達に、、、夢を見つけてほしくて」とかってやり取りが必要なんじゃ?

11話目 ☆1
奇しくも、サルファ剤を作るアニメが、同期(2019秋)にあったけれど、その過程を見せるレベル差がエグい(笑) あっちは「科学」、こっちは「魔法」だもんな(苦笑) 作者も、(同じ事をさせてるだけに)自分とのレベル差を感じたのだろうか? 頭のいじるって、医療で、しかも、あの設備で可能なのか? 催眠術(も広義では医療といえるから)で良かったんじゃない?

12話目 ☆2
ミサイル攻撃。まあ、武力がないと交渉にならないのはそうだろうな。でも、その武力がお手軽チートだからな。民主主義国家の旗揚げ。演説の中でいきなり「責任」と言われても、民主主義の概念すらないなら、意味不明だろうな。え? 終わり? というラスト。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

scandalsho さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

あぁ、今期の酷評枠かぁ(笑)

原作未読。最終話まで視聴。

世界最高の政治家の御子神司
世界最高の実業家の真田勝人
世界最高のマジシャンのプリンス暁
世界最高の剣豪の一条葵
世界最高の発明家の大星林檎
世界最高の医者の神崎桂音
世界最高のジャーナリストの猿飛忍

彼たちが異世界において、産業革命を起こし、民主主義革命を起こし、建国していく物語。
マジシャン?ジャーナリスト?
少々微妙な人選ではあるが、面白そうな初期設定だと思う。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

この作品最大の問題は、彼らが『全員日本の高校生』だという点。
なぜ、彼らが『日本人』である必要があるのか?
なぜ、彼らが『高校生』である必要があるのか?

司は総理大臣なんだそうだ。総理大臣=衆議院議員=被選挙権は25歳以上
『日本人』で『高校生』だと、さすがに無理がある。

これ以外の面々に関しても、『世界最高の』の冠がつくと高校生では無理が生じてしまう。

少なくとも、この点に関しては(強引なこじつけでも)説明が必要だと思う。
この部分の説明を避けたいのであれば、『日本人の高校生』という現実離れした設定は諦めるべきだ。
初期設定の段階で破綻していて、視聴者の理解が得られないからだ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

この作品の最大の不幸は、同期に『Dr.STONE』と『本好きの下剋上~』があった点。

その作品が『何に重きを置くのか?』という根本的な問題はさておき、『発明』という点においては、上記2作品に軍配が上がるだろう。
それも圧倒的に・・・。

原材料の入手から製造過程まで、丁寧に描いた2作品に対して、落差が半端ない。

色々なモノをすっ飛ばして、『世界最高の』をアピールしたいのか?とも思ったけど、恐らく、原作者の知識の問題なんだと思う。
知識がないから過程が描けない。
もっと言えば、調べてもよく分からないとか・・・。
そういう作者の浅はかさだけが浮き彫りになってしまう悲しさ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

いかなる理由があっても、相手国に武力攻撃を行う政治家、核攻撃を決断し、実行した政治家を『世界最高の』と謳ってしまう原作者の思想は、断じて許してはならない。

少なくとも、この点だけはもっと厳しく断罪されるべきだ。
こんな作品をアニメ化した制作陣の人格も疑わしい。

世界で唯一の被爆国である日本人の発想だとは思えない。
この主人公たちが『日本人の高校生』であるという設定は、日本人に対する最大の侮辱だ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

すべてが蛇足

[2019/10/05 v1 「そこで」の物語ではだめですか?]
[2020/03/30 v2 すべてが蛇足]

原作知らず。

1話切りをしていた本作ですが、皆様のレビューを拝見するにつれ、ちょっと見てみようかと思い直した本作です。v1は1話切り直後の、v2は最終話まで(一応)観ての感想となります。

― v1 「そこで」の物語ではだめですか?
{netabare}
(久しぶり(?)に口汚くなってしまった・・・・ごめんなさい)

冒頭のご紹介、ありがとうございます。おなかいっぱいです!

高校生にして「世界最高」の政治家、ビジネスマン、マジシャン、医者、剣豪、発明家、そしてジャーナリストですか。なるほど。

大変興味深いです。
高校生にもかかわらず総理大臣に指名されるまで(再選らしいから、中学生で?)、政界の狐狸たちを相手に立ち回る物語、どのような頭脳戦が展開され、そしてその絶大なカリスマはどのように獲得され、発揮されてきたのか。大河ドラマ級の物語があってしかるべきかと思われます。

深いドラマが見え隠れします。
高校生の身でありながら人の生死に関与せざるをえない身の上ときっとその中で培われてしまった医術の神技、剣術の妙技。何かを捨てざるを得なかった生い立ち。人を殺めることへの葛藤と救うことの喜びが織りなすドラマ。これは名作のかほりがします。

Drスト〇ンなんか目じゃないです。
あっちは37世紀巻き戻った世界だけど、こちらは今の先の世界で、発明家はさらにその先「数世紀」を行く。どんな科学マジック・発明マジックがでてくるのか。小型原子炉ですものね。もうガン〇ムやら旧設定のネコ型ロボット待ったなしです。手回しダイナモなんて目じゃないです!

とても面白いと思います。
高校生でありながら、世界の富の3割に関与するまでのサクセスストーリー。本宮先生が歯噛みしちゃいそうです。世界の富の3割に関与するビジネスリーダーがドバイのヘリポートに降り立ちながら百億円の追加融資にあんな反応するんですね。融資される側なんですね。ところで関与とは?いやいや興味深いです。

わくわくしそうです。
高校生でありながら世界最高のマジシャンと呼ばれる人物のトリック、心理操作術や仕掛けと、それを考案していくまでの物語。

にんにんうるせーよ。espionage=journalismなのか。そうですか。
(飽きた)

っていうかですね。↑みたいなのじゃだめですか?
なんでことさらに別の世界にツアー旅行するのでしょう。

すでに「そこ」が異世界じゃん。年端もいかない子供に他人の命はおろか国家人民を背負わせることができる、我々の住む世界とは全く相いれない倫理観をもち、すでに宇宙ステーション(重力あり)があり、その他もろもある異世界じゃん。で、かつ皆様それぞれに「世界最高の」方々じゃん。
そこでの物語でよいのでは?十分に異世界俺TUEEEできるじゃんか。

すでに「超人」としてアドバンテージありありの人たちなのに、周囲・周辺にこれでもかのディスアドバンテージを付加し、極限まで差を広げないとお話紡げないものでしょうか?ケモミミエルフなきゃだめなんですか?開幕べろちゅー必須ですの?(っていうかあのシーンは純粋に吐き気)


きっとそういう方が書かれたお話なのだろう、おそらく僕にはつらいだろう、ということで今期初の状態確定(見ない)となりました。ありがとうございました。

「世界最高の」という形容がどうにもなんていうか、、、浅いというかな。{/netabare}

― v2 すべてが蛇足
{netabare}
通しで観てみようと思ったきっかけは、皆様のレビューを拝見して知った「大量殺戮兵器({netabare}作中ではそれがなんであるか明言していない、念のため避けたということかな?{/netabare})」の存在です。皆様のレビューでも批判のやり玉に挙がっているこの兵器がどのように、なぜ登場したのかにちょっと興味がわきました。その兵器の投入は最終話だったのですが・・・・視聴、しんどかったです。

一話を見た段階で思っていたことが覆ることも、逆により強くなることもありませんでした。何かが刺さることもなく、うすーくのばしたなにかの中を淡々と過ぎていく12話でした。

展開としては、
- 登場人物顔見世興行(1話)
- 市場経済(2~3話)
- リルル奪還・蜂起(3~4話)
- 神権政治・貴族の官僚化(5~6話)
- 対ギュスターヴ(7話~)
- 圧政と貧困・カニバリズム(7話)
- 兵装の近代化・司さんパネェっす(9話)
- 司さんパネェっす・惚れるっす(10話)
- ハイ出たーサルファ剤だー・桂音さんすげぇっす(11話)
- どっかーん・エイブラハムの真似事・司さんパネェっす(12話)

いやー。高校の政治経済の教科書まるごと詰めたんすかねー。でも、教科書すらちゃんと読んでないかんじだなー。サービスシーン満載の12話アニメに。。。そりゃぁ、薄くなるわけだ。2~3話の展開にもいろいろあるけど、経済は得意ではないので他の皆さんにお任せ。後半の「兵器」と「立国宣言」について中心に。

―― 大量殺戮兵器の件
{netabare}「平和のためには軍事力を放棄すべき」という思想には全く賛同できない人間です。平和を維持するための軍事力(抑止力・抵抗力)に対して、現状においてはほかに選択肢がないから肯定派です(当然、自衛隊も必要であるという立場)。以下、こういう思想の人間が書いた内容ですよ、と前置きをしてから。

司さんの考えには、基本的に賛同できません。大きな理由は以下二つ。

―――この兵器、および軍事力に対する司さんの考え方が、浅い
{netabare}国家は「軍事力」を必要とする、という発想自体は嫌いではありません。しかし、その手段たる軍事力を必要とする「目的」に同意できません。

「国家として対等な交渉の席に着くために、他者と同等以上の軍事力が必要(12話)」という司さんの考え方では、お近くにいらっしゃる北の将軍様率いる国のやってることと大差ありません。軍事力の効用は次の3つ。強制力、抑止力、抵抗力。{netabare}「平和のためには軍事力を放棄すべき」を主張する方々に面と向かって聞いてみると「軍事力=強制力(のみ)」と考えている方が多くみられる(自分の経験なので一般的にはどうかは知らない)。{/netabare}そして、司さんの物言いは、軍事力を背景とした強制力を意図しているように聞こえる。

違うだろ。国家が国民との契約履行(あるいは履行状態の維持)のために国家外から国家・国土・国民に向けられる強制力を抑制する、抵抗する手段というのが近代以降の軍事力の位置づけだろうが。こういうお話を書くんだったら、多少は勉強しろよ作者さん。{/netabare}

―――この兵器を選択し、実用化した意味が分からない
{netabare}作中で明言はされていないものの、まぁあの兵器はアレでしょうねぇ(原作では明言されているそうですが)。なぜそれ?林檎君の開発力をもってすれば、違うもので対応できたはず。どうせご都合主義てんこ盛りなんだから、そういうのでいいじゃない?何でアレなの?しかもその直後に領土併合って、そこまでやるんだったらなおのことアレはだめでしょうに(自国土化予定地にコントロール困難なダメージを負わせるって{netabare}(僕は一応、科学信奉者なので「コントロール不可能」とは言いたくない){/netabare}、、、あほなの?)。
{/netabare}{/netabare}

―― 政治的な変遷の件
{netabare}
作者さんの勉強不足が思いっきり露呈していて、ちょっと悲しくなりました。

それとは別に、これは完全に僕個人の主観なのですが、日本人的発想って民主主義を啓蒙するには不向き(日本人は民主主義を語る存在としては不適格)だと思っていて、その片鱗が最終話に至るまでの政治的変遷、司さんの言動にちょいちょい見えた感じがします。勘違いされたくないので言い足しますが、「日本的民主主義」自体は、これはこれでアリだと思っています。でも、アメリカやフランスにおける「民主主義」とは、違うんじゃないかなぁと思います。

以下、12話の司演説について。

―――「そのために必要なものが、国家だ(ドヤァ)」 ( ゚Д゚)ハァ?
{netabare}おいおい、その直前に「七光聖教は*、*、*領、すべての統治権を獲得したことになる!!」っておっしゃってますが。。。統治権を獲得し(統治権を獲得=統治権を行使する存在がある)、かつ、それがいかなる他の統治権にも属さない時点でそれ既に国家では?ドルト何とかの街をちゃんと統治しているわけでしょ?マジシャン(我々のお殿様とどこかで呼ばれていたはず)を頂点にいただく、立派な君主国家じゃん、すでに。{/netabare}

―――「一人一人が国家の主であり、国政に関与・・・共和国だ(ドヤァ)」 ← せめて民主共和国で。
{netabare}なんていうか、作者さんはもう少し政治体制に関するお勉強をしてからお話書いてほしかったかな。辞書くらい引いてほしい。

共和国(共和制)って、君主を持たない政治体制全般を指す言葉です。過去から今日に至るまで王・皇帝は君臨せずとも一党独裁・一集団独裁の国家って、軒並み「共和」してたじゃないですか。ソビエト社会主義共和国連邦、とか。形の上で「君主」を名乗らなければ、総じて共和国です。定義上、国民が全て市民である必要もありません(万民平等に沿わなくとも共和できる)。

「せめて民主共和国で」って書きましたけど、この時点で司さんたちが立国を宣言した「国」の政治体制って、どうやっても君主制なんですよ(いいとこ立憲君主制)。完全に「教団」主導で統治が行われ、その教団が仰ぎ見るもの=神(マジシャン)が実在の存在としてそこにいますんでね。これ君主以外の何物でもないです。確認したところ、バチカン市国は立憲君主制に区分されていますね。神そのものではなく、教皇がトップという違いはあるものの、司国家はほぼこれと同等なのでは(仮に天司の誰かが代表となったとしたら、なお一致)。{/netabare}

――― 「七光聖教は、エルム共和国の立国を宣言」( ゚Д゚)トドメの一撃だな
{netabare}なぜ、実在する神(=マジシャン)を有する「教団」が共和国立国を宣言するのか。

仮に「共和国」が正しくて、本気でかれが言うような民主主義的なことをしたいんだったら、同時に議会の制定と選挙実施の宣言がなければだめだろうに。立国の宣言と同時に、天司たちの正当性が失われるはずだしな(その時点の統治機構全て)。これと同様の問題・矛盾は、6話あたりの「身分制度の廃止」も同様。{/netabare}

――― 余談:個人的な日本の民主主義観・個人的な経験に基づく、かなり偏った一意見として
{netabare}仕事のうえで海外の方々とも話をするのですが、そんな中の一人に数年前(10年くらいは経つか・・・)、「日本って、民主的な封建主義ですね」と言われたことがあります(日本語でw)。ちなみにその彼も君主制を敷いている国のひとです。ショックでした、曰く「日本は僕の国よりも、君主制が強い感じする(原文ママ)」、「政治に対する闘争心が感じられない(主観的要約)」とのこと。僕も最後には「なるほどな」と思ってました。

なんていうか、日本的民主主義って、民主主義の綺麗なところだけ寄せ集めてる感じがします。とくに、政治の面における綺麗なところだけ。でも、民主主義やそれの前提となる市民革命ってものすごくドロドロとした生存権をめぐる闘争が土台にあって、もちろん最大の闘争相手はその時の権力者だったわけだけど、すぐ隣に次の敵である「自分たちとは異なる市民」が控えていたんですよね。そういう実際に起きた対立や、対立の芽に対して、それでもなんとか(比較的)平和裏に妥協し合うための仕組みとして試行錯誤された結果が民主主義である、ともいえるわけで、その成り立ち自体とても平和的とは言えない代物だと思っています。ここら辺の感情的なものは、さすがに当事者じゃないからわからないけど、いわゆる市民革命を経験した国では市民の端々までその観念がいきわたっているのだと聞きます。

翻って我々日本人、多分そういうの無いですよね。ある程度試行錯誤が済んだ段階の「民主主義」っぽいものを大正期に輸入のような形で取り入れ始め{netabare}(自由民権運動は特権階級同士の闘争という認識です){/netabare}、戦争突入で抑圧・沈静化し、そして敗戦後に現体制をトップダウン的に採用していったわけで、日本は市民革命を経験することなく「民主主義国家」になってるわけで。

およそ、欲求に基づく権利の主張とか、自然発生的に起こった革命ってものが、日本にはなじんでない気がします。{/netabare}

――― で、司さんだが
{netabare}最終話で語る彼の「民主主義」が完全に日本式トップダウン型民主主義に思えるのです。
「神託」というかたちで語りだすのは、下策中の下策ではないだろうか。これは「市民の自発的独立意識」とは言えない。最低限、神を背負わない、「我々の中の一人」という立場で語るべき。
次に彼は「万民平等という正義」を語るのだが、これも微妙。神権政治からの脱却において万民平等はそれ単体ではお題目たり得ない。なぜなら、民がすべて平等であることは、神権政治であっても実現可能だから。すでに、マジシャンを頂点とする宗教が存在しており、神=マジシャンの前ではみな平等をその段階で実現できていないというのならば、神権政治という過程を経た意味がよくわからない。。
そして、神と天司さまたちに依存する気満々の市民たち(The 本末転倒)。

一応、司演説の中で自然権・生存権に類する話も出てはきたが。。。繰り返しになるけど、それは教団・権力をバックに語ってはだめなものなんだよな(「まおゆう」のメイド姉の演説の本当に表層だけをまねた感じですね)。{/netabare}

――― 余談:超個人的な歴史教育観
{netabare}これ、日本の教育の敗北案件だと思っています。

なぜ日本の歴史教育は、伝承の時代から始まり、近代手前で終わってしまうのか。あるいはせいぜい、滅茶苦茶な詰込みスピードで近代~現代を突っ走るのか。同僚の話ですが、高校一年間をメソポタミアだけで終わらせた「歴史」の授業を受けたことがあるそうです。シンフォギア視聴にしか役立たねぇw

思想史・哲学史と政治史、時代を問わず薄くないですか?「考え方の変遷」を覚えろと言われて、なぜこんなことをしなければならないのかと思いませんでしたか(思っていませんか? to 現役世代)?

歴史教育って「今ある我々の社会が、どういう理由・必要性があってこうなっているのか」を知る場だと思っています。だとすれば、現在からさかのぼる形で授業や教科書が進んでいったって良いと思うのです。少なくとも、「今」に直結する近現代、とくに思想史・哲学史と政治史はしっかりこなしてほしいと思います。

なんて偉そうに書いてますが、僕自身もかなりの部分を社会に出てから(というより、先の海外の方の発言をうけて)自学した口です。はっきり言って、思想史とか哲学史は歳食ってからはどうにもならんです。

海外の方って(全員とは言いませんが、結構多くは)酒飲み話とか、仕事以外の話題で自国の「歴史」「政治」「宗教とその派生を含む文化」「思想」について突っ込んで聞いてきます。それに対して曖昧なことを返すと次第に相手にされなくなるってのも聞いたことがあります。仕事の都合で、それなりの頻度で国外の方と話すので、せめて砕けた酒の席でくらいは話し相手になれないと、と思っていろいろ読み漁りました。ごくまれに、バーカウンターとかでたまたま隣り合った外国からの旅行客さん相手に、結構盛り上がることもできます。ツボにはまれば(そもそもこういう感じの方は日本に興味があって来ていることが多い)。もちろん、アニメ談義もハマるとかなり盛り上がります。{/netabare}
{/netabare}

―― その他思いつくままに(あふれ出る。。。)
{netabare}
・結局シノビ頼りだよね
・結局リンゴ頼りだよね
・結局マヨネーズなんだね
・さ る ふぁ 剤 (笑)
・圧政と貧困にカニバリズムまで追い立てられた人たちって、そうでない人たちと共に暮らしていけるのだろうか。相当な闇だと思うのですが。それなりのアフターケアをしないと、物語としても闇を残すよ。ちょっとインパクトを、みたいな軽い気持ちで盛り込んだのかな?バカなのかな?
・桂音藪医者説:全く同意でござるよにんにん
・マジシャン超能力者説:全く同意でござるよにんにん
・侍意味不明説:全く同意でござるよにんにん
・司非凡人説:全く同意でござるよにんにん
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

65.2 2 核兵器で超人なアニメランキング2位
コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (137)
832人が棚に入れました
「神化」という架空の年代、高度成長によって発展する戦後20余年の日本が舞台である。これまで数々のフィクションで描かれてきた、数々の超人たちが、もしすべて同時に実在していたとしたら?2015年10月よりTOKYO MXほかにて放送された第1期の続編“THE LAST SONG"が4月より放送開始!!モザイクのように散りばめられた無数の要素が新たに語られる超人や秘匿されてきた歴史の真実と化合してスパークを放つ。「もうひとつの日本」で展開する多彩な超人たちの饗宴はいまクライマックスへと高まる!

声優・キャラクター
石川界人、上坂すみれ、豊崎愛生、中村繪里子、川島得愛、金尾哲夫、鈴村健一、大川透、三木眞一郎

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

異能の力を持つ超人や妖怪と人類・・・それぞれが生きるための物語でした。

この作品は、「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」の分割後期に相当します。
物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

1期を視聴した感想は、善悪を含めたくさんの超人が登場する中、超人を保護する「超人課」が日々奮闘しているのですが、物語の構成が時系列では無かったので難解な作品・・・でも、主要登場人物のキャラ立ちはしっかりしていたので、展開についていけなくてもそれなりに楽しめた・・・というのが正直な感想です。

そしてタイトルに「THE LAST SONG」が付加された後期が放送されましたが・・・今回も同じくらい難解だったように思います。

まずビックリするのは、超人を取り囲む周囲の状況が一変してしまっていた事です。
確かに善良な超人ばかりではありませんでしたので、人間との間にイザコザが無かった訳ではありません。
ですが、中には人々の希望の象徴とも言える超人達が活躍していたのも事実で、そんな超人がいるから人類と超人との共存の均衡が保たれていたんだと思います。

でも後期では超人は十把一絡げ・・・善良な超人もすっかり影を潜めてしまっているのです。
これからの物語への布石である事は認識しているものの、人類と超人が共存するという、どんなに我々が願っても辿り着けない世界の存在が眩しかっただけに、この展開には少し寂しさを感じちゃいました。

そしてこれらに輪をかけてビックリするのが超人課の皆さんです。
何がどうなっちゃったんだろう・・・と考える余裕も無いくらい次々と色んな事件が起こっていくのですが、その物語の先にあるのは超人課の皆さんに対する違和感でした。

特にビックリだったのが主人公である人吉爾朗の言動です。
彼の根底に根付いているモノ・・・それは何も変わっていないのかもしれません。
でも・・・そうだったらもう少し違う態度が取れたようにも思えるんです。

・・・と、レビューを書いていて思ったんですが、違和感を感じたのは超人課の皆さんの「正義の質」が理由だったのかもしれません。

例えばとある事象で正義を全うした行動を取ったとします。
でも、それは一つの側面から見た正義であって、別の切り口からみた時にその行動が必ずしも正義になるとは限らないんですよね。

極端な例が、悪と称される超人をやっつけたとします。
その超人を悪と称した人達からみたらそれは正義の行動になると思います。
でもその超人を悪と思わない人達からみたら、それは単なる虐殺でありそこに正義は存在しないんです。

超人に対する思い・・・これは超人課の皆さんの根底に流れる思いは変わらないのだと思います。
でも、何を背負うか・・・これが異なれば導き出される答えに違いがあってもおかしくはありません。

きっと最初の差はごく僅かだったんだと思います。
でもその差を埋めないまま歩みを進めてしまった結果、気付いたら離れていた・・・
こんな感じだったのではないでしょうか。

離れてしまったその先に何が待ち受けているのか・・・気になる方は是非本編でご確認願います。
あっと驚く展開が待っていてくれると思います。

そして今回の一推しキャラは・・・前期に引き続き星野輝子ちゃんでした(//∇//)
前期では自分自身にも色々ありましたが、今期はしっかり職責を全うしていたと思います。
一連の騒動の幕が引いた後も変わらない優しさを見せてくれた彼女・・・何より彼女の直向きさと信じる心が私にとってストライクでした^^

オープニングテーマは、前期に引き続きZAQさんの「割レル慟哭」
エンディングテーマは、山本陽介 feat. 玉置成実さんの「ALL-WAYS」
第24話のみ歌い手は同じですが、ZAQさんが楽曲を提供した「THE LAST SONG」でした。
ZAQさんの楽曲は相変わらず凝っていて格好良いです。聞いている分には最高なんですが、カラオケでチャレンジしてみると、ちゃんと歌うのが難しいんです・・・
ZAQさんの曲がカラオケで歌えたらいいのに・・・^^;
エンディングもアニメと合っていて格好良いです。今度カラオケでチャレンジしてみたいと思います。

後期は尺が短いと思ったら11話でした。前期が13話だったので全部で24話の物語になりました。
ラストの展開は衝撃的でしたが、後味は悪くありませんでした。
そして物語の終盤に往年の名作が流れてきましたが・・・まさかタイトルに付けられた「THE LAST SONG」のオチはそれだけじゃないですよね・・・と思いたいです^^;?
でも物語の最後に輝子ちゃんと風郎太が交わしていた会話は、この作品の全てを物語っているように感じました。
難しい作品でしたが、時間を作ってもう一巡してみたいと思えた作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15
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yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

自分自身が変わったら再視聴したい

2016年4月~7月放送。分割2クールの2クール目。第14話から第24話までの11話。オリジナルです。
全話見て、頭の中が整理できずしばらくは何を書けば良いのかと思っていました。(ジョーカー・ゲームに浮気もしてましたがw)
癖が強く自分の頭で考えなければならない作品で、最後まで本当に素晴らしかったです。

最終2話が詰め込み気味なのがもったいなかったのと、赤光さんの活躍がなかったのが心残りなのと、南君が姿を消していた間何をしてたかという疑問はありますが、作中で約10年という長いスパンで描かれた要素がほぼ全て結末に集約し、希望のあるラストになりました。
部分的に見ると難解ですが、全体の流れをシンプルに考えればむしろスマートにさえ感じます。

以下大まかな感想と総括です。

【機械超人たちについて】{netabare}
来人はもちろんですが、アースちゃんとメガッシンも随分描写が増えましたね。
彼らの正義と現実に対する向き合い方は人間にも通じています。
来人は自身の正義に対する矛盾を解消できず、極端から極端に走りましたが、矛盾を抱えるのが当たり前の人間の人格をそのまま機械の体に移植したことに無理があるということでしょうか…
来人が生き生きしていたのは第1期ラストで爾朗を助ける時、最終決戦前にメガッシンと一緒に行動していた時ですが、どちらも単純で純粋な正義を他者と共有し行動した時なのかなと思います。
アースちゃんは現実との矛盾に夢を見ること(嘘を体験すること)で折り合いをつけ、外見が変わってからは人間の子どもが成長したかのように頭が柔らかくなっていますし、薫と美枝子は明確な正義と二つの視点(他者の視点)を持つことで多角的に状況判断することが出来ています。

人間たちが葛藤して時に考えることをやめてしまう中で、彼らの姿はむしろ人間的に感じられます。人は逃げ道を探せるけれど、機械はインプットされたものからは逃げられない。だからこそ学習しながらも愚直に正義を追い求めていると感じました。
{/netabare}

【ゲスト脚本家回について】{netabare}
図らずも皆神様回にw
いずれも人ならぬ存在との関係性を三者三様に描きました。
どれも素晴らしく、個性も顕著でしたしきちんと本編にリンクしています。

中島かずきさん回は人間と超人の能力的な垣根の無意味さ、土着の神が人との「繋がり」を望む姿とそれに応える人間を描きました。
個人的に原始信仰に近い神様との距離感の描き方に一日本人として共感しましたし、人ならざる存在が人にとって重要なものであることも再認識させられます。

辻先生回のデビラとデビロは人に干渉しようとせず、なにものにも垣根を認識しない思考の持ち主です。9話は時間的な無限、17話は空間的な無限が印象的でした。
デビラとデビロは、神とデーモンと人間の関係性を冷静に考えられなかった漫画版デビルマンのサタンをオマージュしているのでしょうか?デビロが中性的であることもサタンを思い出しましたが、男性と女性の外見的特徴を全てそぎ落としたようなデザインである点は対照的ですね。

虚渕玄さんの回はストーリーの本筋に組み込む形になっていました。垣根を頑強に作ったことで破滅に向かう米軍の姿は恐ろしいものでした。米軍の正義は古き存在のみならず同じ人間さえ考え方が違えば排除していくのでしょう。{/netabare}


【正義と自由と平和をいかに実現するか】{netabare}
爾朗は正義が見つからなくとも追い求めることに意味があると結論を出しました。
自分の正義を見つけたいという意味でもあり、他者の正義を尊重するという意味でもあり、正義を持たないことを悪いとも思わないという意味でもあるのかなと思います。
これは13話で神が爾朗にぶつけた「僕の自由を守れば平和が乱れる。君の正義を貫けば僕の自由が侵される。たった一つの答えなんてない」という言葉への爾朗なりの回答です。
機械超人たちにも感じたことですが、正義を独りよがりのものにしないためには、他者との共有と柔軟性は必要なのだと思います。

「正義は1つじゃない」と言うと投げやりにも聞こえ、大鉄君が反発するのはよくわかります。
でも実は逆で、正義がいくつもあることは否定されてはいけないんです。超人は無数にいて、普通の人間も超人と呼ばれることもあります。超人にはそれに対する悪が存在すると語られているわけですが、それはつまり正義がいくつあっても許されるということなのでしょう。
それに対して唯一の正義と定義したものを他者に強要し、正義がエゴへと姿を変えた米軍の姿は象徴的です。

笑美が「家族、友人、愛のために戦う時、私たちはもっと強くなれる」と語れば、爾朗はそれが恐いと言います。
特定の何かを守ろうとすれば、つまり誰かを敵と認識すれば、自身が破壊者になる危険性がある事を爾朗はわかっているからです。

里見は超人を否定し消し去ろうとしています。超人「だけ」を消そうとすることは、線引きできないものを線引きしようとしているということです。
13話で秋田課長が改定綺能秘密法案を無理にでも否決に持って行ったのは、法による線引きが超人への攻撃に繋がるとわかっていたからで、里美のしようとしているのはやり方こそ違いますが似たようなものでした。

線引きすることで可能性を奪い取るこのやり方は、爾朗にとっては到底認められないものだったと思います。

しかし、爾朗自身も実は間違えかけていました。
自分を悪に仕立てて超人たちに居場所を作るということは、その時には良くても、その後にはまた同じように敵を見つけ出して争うことになるでしょうから。
そうならなくて良かった…里見さんある意味GJ!w
{/netabare}

【大人になるということ】{netabare}
本作において「大人になる」とは、常に自分の頭で考え、多様性を受け入れ、矛盾とも折り合いをつけて生きて行くこと…だと感じましたが、まだよくわかってないかも知れません。

私個人としては、里見さんの言う「大人」は大人だとはどうしても思えません。人間は多様性を否定して特定の正義を与えられれば思考停止に陥るものです。

超人を信じる子どもの自由な視点はある意味では確かに無知から来るものです。社会に出てさまざまな価値観を学び矛盾を認識すれば、子どものままの価値観ではいられません。
ですが、子どもの視点を否定したからといって大人になれるわけではないはずです。

爾朗にとって良かったのは、超人課に守られ、社会経験を積み自分で考えることが出来たこと。悩みながらも自分から超人課を離れたのは、雛鳥が巣立つのと同じように必然でした。
誰も守ってくれなかった神は悲しい最期を迎え、上から正義を押し付けられた大鉄君は自分で考えることができず、大人ぶっていても心の中では子どものまま泣いている。
新宿の事件で神を助けられず、むしろその場にいた超人たちに救われた爾朗が、最終回では大鉄君を助けることが出来たのは、爾朗自身が成長したことの証明でしょう。

また、爾朗の成長には輝子と風朗太が超人課に入ったことが大きく影響しています。
ずっと変わらない風朗太は純粋でシンプルな視点を思い出させ、輝子は知らぬ間に爾朗を追い抜き、超人課の矛盾をわかっていても超人たちを守るために残留するまでに大人になっている。
二人とも爾朗が人間として成長する上で大きな存在だったと思います。
{/netabare}


13話と最終話は様々な意味で対比されていて特に素晴らしかったです。
特に13話の神化20年のシーンは、元ネタ的に衝撃と不安と悲しみばかりだったのですが、最終話ではこんなにも希望に満ちたものに見えるとは思いませんでした。
何年か経ったら自分の見方も変わっているでしょうから、是非再視聴したいですね。(2016.7.18)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14
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血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

昭和ヒーロー達は大人になっても戦い続ける。彼らの正義はどこに向かう?

ジローさん、年食っていい感じにやさぐれてますね。
以前は人ん家に上がり込んで飯食って「いいじゃん友達なんだからー」とか絶対言わない性格だったのに。

さてこの作品は1期がそれぞれの正義を描写していたのに対して、2期は時間が経った後各々の正義がどう変化したのかに着目していけそうですね。
みんなカッコよくなってるし、期待できそうです。

14話。芝刑事の回
{netabare}新宿動乱の回で超人の危険さが知れ渡った今、力を持っている事自体が悪で超人は排除される危険な存在となった。
この時点で超人を排除する超人課って存在自体が矛盾してるわけですけど、その矛盾に耐えられなくなった芝刑事の良心回路が熱暴走。
この話は良心回路を与えられたことで苦悩するキカイダーを思い出しましたね。

それにしても相変わらず輝子ちゃんは、ジローに恋心を利用されたばかりなのに大事な人ですって。相変わらずのジロー信者ですね。
時間が経って正義がどうのこうのってさっき言いましたけど、この娘は変わりようがないみたいである意味安心しましたw{/netabare}

16話。スキージャンパーの話。ダメかも
{netabare}締めそのものは爽やかでいいんだけど、スポーツに出場するのに改造手術が必須って…。
これ、ドーピングを公式に認めてやりたい放題ズルしろって事なんですよね。しかも国の為とか…。
いやいや、スポーツマンシップって言葉は一体どこに行ったのかと。
今回はハズレですね。作画が悪いとか、選手の性格が悪いとか色々あったけど話も色々とおかしい。
前期は、機能秘密法で超人の存在は公にされてなかったのにこの話だと超人がやたらと優遇されまくりですし…。このチグハグさは、回ごとに脚本家が違うからって事なんでしょうか。ちょっと残念ですね。{/netabare}

20話。虚淵脚本回
{netabare}今回はベトナム戦争に参加していたアメリカ軍人の話。
期待していた虚淵脚本ですが、残念ながら爆上げという程の印象にも感じず。
今更だけど国を敵に設定してしまった事で主人公が自由に動かせなくなっている印象がありますね。
まあ、下手に主人公を動かせば国が敵なだけに悪のテロリストに認定されるので脚本としてはそれを避けたいんでしょうね。
009や仮面ライダーは悪の組織が敵だったので主人公をヒーローにしやすかったんでしょうが、この作品は下手な政治主張をやりたがっていた脚本家のせいで縛りが発生してしまっている印象です。
1期でジローを離反させて以降、彼と言う人物の主体性がイマイチぼやけてしまっている印象は否めませんね。{/netabare}

21話。やっと本題に入ったみたいですね。遅えよって感じですが。
{netabare}メガッシンと倫子の回。複雑な1期の伏線を結構回収してましたね。
後、ジローの主体性のなさは意図的にやってたのか(笑)
一体何故だ! それは、坊やだからさァってな感じですか。
終盤の爆上げの為に低迷しているジロー株は、この辺で買い時なのだと思いたいですね。

しかし、ストーリーの評価はまだ保留ですね。
里見が何をしたいのかよくわからんので。
EDで日の丸をバックにしてる男なのに「原子爆弾爆発の歴史が正しかったとしたら?」とか
嘘でも言って欲しくないです。まともな日本人の発想とは思えませんね。
むしろテロリストかスパイのどちらかって言われた方が納得します。{/netabare}

最終話見ました。ラスト4話辺りは当初から計算されていた構成なのか、結構濃密な話でしたね。
{netabare}マスターウルティマのあの扱いだけは絶対に納得がいかないけど。
ラストバトルでのメインキャラ達の活躍は、速足ながらもおおむね満足できました。BL団の面々が再会したのも地味に嬉しかったですし、伏線の回収も見事だと思います。

ただアレっすねー。
最後の最後になって、里見がヒーローに倒される怪獣的な都合のいい悪役になってたのが何とも不満ですね。
悪役は悪であってこそ栄えるんですが、ヒーロー達の幼稚さをディスってる割には彼の目的も超人を追い出したいだの、原爆が爆発した時代に改変したいだのどこか薄っぺらい思想で納得はできなかったです。
超人を憎んでるって割に、里見自身が超人な事も棚に上げてるし。
最後は世界改変かと思いきや、並行世界に追い出すオチですか…。
まあ、独立宣言やら宣戦布告までしてたので火種がくすぶる前に処理したって感じではありますが。
ちょっと世界を広げすぎましたかねー。今更な物言いではありますが。

最後のEDは009リスペクトなんすね。神々の戦い的なw
最終回に関しては概ね満足なんですが、やっぱ漂う政治臭の胡散臭さとスリーバードメン回の出来の悪さ、話の取っつきづらさはあると思います。
1期の評価も併せてやや下降修正しましたが、昭和ヒーローものが好きな人には結構おすすめできる作品ではあると思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14
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