本能寺の変で漫画原作なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の本能寺の変で漫画原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番の本能寺の変で漫画原作なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.6 1 本能寺の変で漫画原作なアニメランキング1位
信長協奏曲(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (482)
2156人が棚に入れました
ごくごく普通の今どき高校生サブロー。そんなサブローがひょんなことから飛ばされたのは、なんと戦国時代! そう、彼はタイムスリップしてしまったのである。自分の人生に日本の歴史なんてこれっぽっちも関係ないと思っていたサブロー。そんな彼がこの時代で出会ったのは、あの織田信長であった。歴史上とは似ても似つかないほど病弱な信長に、更に驚くべき頼み事をされる。それは、信長とサブローが入れ替わることであった…
乱世で生きることとなってしまった平成育ち信長の、奔放奮闘記!!

声優・キャラクター
宮野真守、梶裕貴、水樹奈々、中村悠一、悠木碧、興津和幸、小山力也、浅沼晋太郎、三宅健太、高橋伸也、緒方賢一、福山潤、櫻井孝宏、木村良平、杉崎亮、吉野裕行、村瀬歩、杉田智和、黒田崇矢、内山昂輝、清川元夢、秋元羊介、小栗旬
ネタバレ

ぽんちぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

絵はアレだけど、面白い!! 下手な大河ドラマより、感動作だった。音楽が抜群にイイ!!

「乱世で生きることとなってしまった平成育ち信長の奔放奮闘記!」

主人公・サブローは高い塀から足を滑らせ転落したことをきっかけに、戦国時代(1549年)へとタイムスリップしてしまう。


【まず結論から】
日常系萌えアニメやロボットバトルアニメしか観ませんとゆう方には、無理には薦めませんが、
実写の映画やドラマを観て普通に感動できる方なら、面白くて、感動できる作品だと思います。
とにかく、絵が理由でこの作品を観ることを迷っているなら、もったいないです。

あとは、長々と書いているので、隠しているところは、読んでやってもいいと思ったご興味のある方だけ、読んでやってくださいませww


◆1話~4話まで観た印象
{netabare}
#1 サブロー信長(↓あらすじだけ)
{netabare}歴史に興味がないイマドキの高校生サブローが戦国時代にタイムスリップ! そこで出会ったのは自分と瓜ふたつの「織田信長」だった! 聡明だが病弱な信長は、サブローに自らの身代わりを頼むが…?
{/netabare}
#2 諌死
{netabare}信長として生きることになったサブローの破天荒ぶりに、尾張では「殿はうつけ」と評判。今川義元のスパイ・伝二郎は家来になって織田家潜入を試みるが、家老平手に見抜かれ門前払いをくらう。
{/netabare}
#3 美濃のマムシ
{netabare}「マムシの道三」と恐れられる妻・帰蝶の父と初対面するが、意外な展開に。別れ際、道三はサブローにあるものを託す。道三と息子・義竜の戦が勃発し、サブローは援軍に向かうが…。
{/netabare}
#4 桶狭間の戦い
{netabare}4万の巨大勢力今川義元軍がせめて来る! 対する織田勢は3千! このピンチ、サブローは切り抜けられるのか? そのとき、伝二郎から名を改め織田家に潜入していた藤吉郎は…。
{/netabare}

まず、ED♪…疾走感のあるロック調の曲でカッコイイ
曲がカッコイイとアニメ全体のセンスがぐんとアップして見えて、
つい評価が甘くなっちゃう傾向あるけど。良作になる予感♪

キャラデザインも個性的で味があっていい気がしてきた。
それにキャラデザ以外は、丁寧で綺麗っぽい。
ロトスコープもキャラデザのおかげか、悪の華のときみたいには感じない。
「簡略なキャラデザイン×リアルな動き」は意外と効果的な使い方なのかも。

悪の華では、{netabare}おそらく全編実写の映像をそのまま絵に変換するような手法がつかわれており、役者の演技そのままが動きに反映されて、部分的な調整や手書きとの併用も難しかったと思う。
今回は、おそらくリアルな動きを再現したい部分的のみロトスコープを採用し、トレースする際にも調整ができるので、手書きの良さとロトスコープによるリアルな動きを適宜使い分かることも可能だと思われます。それもシンプルなキャラデザインが故、膨大なトレース作業が可能になり、手書き部分との切り換えも自然にできるのだと思う。{/netabare}

一見へたくそに見える絵も、これはこれでいいと思えてきました。
声優も豪華。みなさんも楽しんで演じているのが伝わってきます。

なによりお話は面白そうです。
原作は未読なのでわかりませんが、人気漫画らしいので大丈夫でしょう。
見て損はなさそうです。
{/netabare}

#5 らぶれたぁ(↓あらすじだけ)
{netabare}帰蝶の生まれ故郷「美濃」を奪取するため、元康(のちの家康)と同盟を結ぶ。一方、藤吉郎は虎視眈々と織田家転覆のための策を練るのだが…。サブローの動向を見守っていたひとつの影が動き出す。
{/netabare}
#6 明智光秀
{netabare}美濃を奪還したサブローの前に、意外な人物が現れる。その人物の手引きでサブロー一派は時期将軍に足利義昭を擁立し2回目の上洛を果たす。
{/netabare}
#7 信長を討て!
{netabare}大和の大名・松永久秀登場。その背中には意外なものが…? 竹中半兵衛も合流し、活気づくサブロー織田軍。一方、信長の妹・お市の嫁ぎ先である浅井家ではにわかに不穏な動きが。
{/netabare} 長政とお市のやりとりは、うるうるします。
#8 まさかの裏切り
{netabare}朝倉領に侵攻したサブロー織田家と徳川連合軍。しかし、金ヶ崎の陣営にてお市から不思議な包みを受取ったことで、事態は思わぬ方向に。
{/netabare}
#9 イバラの道
{netabare}ついに織田軍と、お市のいる浅井、朝倉の連合軍が対決。古くからの家臣である森蘭丸の父・可成は、宇佐山の城守備に奮闘するが、敵に比叡山延暦寺も加わり、絶体絶命の危機を迎える。
{/netabare} いいな、男のロマン!感動します。


◆9話まで観たけど、やっぱり面白い。
{netabare}サブロー以外は大真面目なやりとりが、逆に可笑しくてチョイチョイ笑えたり、にまにましちゃったりします。

サブロー信長は、回を重ねるごとに好感度アップしてます。
絵がアレでも、何故かとても凛々しくカッコ良く見えてくるから不思議。
見事な采配に臣下もサブロー信長を信頼してて、忠義を尽くす姿に胸があつくなります。

先は読めないのだけど割と王道の展開なので、とっても観やすい。
特に9話は、脚本も演出も秀逸で、男のロマンや色んなものがいっぱい詰まったいい回でした。
{netabare}森可成と森ブラザースには泣かされました。長政もステキです。{/netabare}

史実では信長の死は確定してるにしても、サブロー信長にはなんとかGoodエンディングを迎えて欲しいと祈ってしまいます。

お市がチャーミングですごく可愛いです。長政とお市のやりとりは、うるうるします。
蘭丸も目がくりっくりで、可愛かった。

OPテーマもカッコいいし、BGMがとても良くて、使い方が丁寧でとても上手いです。
戦闘に向かうシーンや感傷的なシーンは、情感あふれるBGMでドラマチックに雰囲気を盛り上げてくれるので、下手な大河ドラマよりもワクワクするし、感動できるかも。
音楽の横山克氏気になったので調べてみた。
{netabare}アニメよりドラマを多く手がけていて、最近では「福家警部補の挨拶」「アリスの棘」「ペテロの葬列」など。福家のEDテーマは印象的で、毎回、強烈な余韻を残してくれたし、ペテロも良かった。BGMの使い方が秀逸なのも、ドラマのような使い方をしてるからなのかもしれません。{/netabare}

EDテーマの入り方は、本当にいつもとてもいい所で入ってくるので、
余韻を残しつつも次回への期待が高まります!
この曲せいで、サブロー信長が5割増しくらいでかっこ良く見える(笑)
{/netabare}


◆本当に素晴らしい最終回でした。<ネタバレ注意>
{netabare}まさかの新キャラ登場などもあり、前半ではまた笑わせてくれましたww

そしてもうひとりの信長(ミッチー)との絡みからはじまるラストへのくだり、
ミッチー目線が中心で描かれますが、
{netabare}サブローの代役をした際の、帰蝶とのやりとり、
松永との謁見でサブローが未来から来たことを知るくだり、そして決意のもと比叡山へ…。
ミッチーのモノローグと、誰もがおお〜って思うだろう、二人が重なるシーン、
二人の信長の最後の会話、サブローの一言まで…。
{/netabare}
目の表情、シナリオ、声優の演技、演出、音楽、ED、すべてにおいて秀逸で、
鳥肌立ちまくりで、何度も観かえしてしまうほど。

二人の信長が、二人とも
あの絵なのに…、目の表情が、なんと豊かなことか。しっかり目で語ってました。
あの絵なのに…、実に凛々しく素敵に見えることか。カックイイ〜♥です。
顔は似てるのにしっかり別人でした。あの単純な絵での描き分け見事でした。
特に最終回では、ミッチー信長が素敵でした〜♪

EDも「二人の信長バージョン」になって、最終回まで観てからみると、
ああそうゆうことかって判って、更に良く、違ったものに見えてきた。
{netabare}EDは、曲に酔って画面は割とぼーっと雰囲気で見てたので、最終回で初めて、
「二人の信長バージョン」に変わっていたのに気付いたのですが、確認したら6話から変わってました(笑){/netabare}

最高に素晴らしい最終回でした。{/netabare}



思わず笑ってしまうとぼけた台詞や
カッコよくて感動的なシーンや名言もたっくさんでてきました。

話は途中なのにこの満足感は何なんだろう。見事としか言いようが無い。


■この作品についての勝手な考察
実写ドラマの作り方を活かして制作したアニメなのかも知れません。
{netabare}
ロトスコープとゆうことは知っていたが、
アニメーション制作会社の記載が見当たらなかったので、不思議に思ったら…。
{netabare}放送局であるフジテレビがアニメ制作会社に発注せずに局内のCG事業部で直接アニメ制作を行うという、日本のテレビアニメでは異例の製作体制を採る。アニメ自体もテレビアニメとしては珍しい、俳優の演技によるロトスコープをベースに制作される(CG技術も導入したハイブリッドスタイル)。{/netabare}
とゆうことらしい。手書きアニメーションとの併用ではなく、CGとの併用みたいですね。

この作品の演出などの上手さは、作画と声優以外は、ドラマなどの制作でのやり方やリソースが、上手く活かされてるゆえんかと思います。
普通のアニメ制作では、つい作画や絵を動かすことにこだわりたくなると思われ、そこに様々なリソースがかかってしまったり、制作上の制約や葛藤があると思います。
そこでバランスを失い、お話などがおろそかになってしまうこともあると思います。
作画は良かったけど、お話は……。良く聞く言葉ですね。

他のアニメ作品とは、そもそも発想が違うのかもしれません。
アニメ制作会社にたよらなかったことで、
既存のノウハウのいいとこ取りができ、アニメ制作の制約からも解放されたのかもしれません。

詳細は違うかもしれませんが、考え方として、モーションアクターでドラマとしての作品を完成させ、
+それをアニメの絵に変え声優がアフレコ。
だから、ドラマ的な完成度の部分で、上手くコントロールできたのではないかと思います。
{/netabare}

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【参考情報】

▼NEW
「信長協奏曲」コミックス11巻にドラマCD付き特別版の発売決定、
TVアニメ未収録の「修学旅行IN京都編」が収録
{netabare}
小学館:コミック 『信長協奏曲 11 ドラマCD付き特別版』

今、最高に豪華なキャストが大集結!
宮野真守のサブロー信長、いざ京都へ!! 
TVアニメ未収録の「修学旅行IN京都編」収録。原作&キャストファン必聴の特別版!!!
収録後のフリートークもたっぷりです!!

価格 2,100円(税込)
発売日 2014/09/10

・キャスト
サブロー:宮野真守
帰蝶:水樹奈々
木下藤吉郎:中村悠一
池田恒興:興津和幸
柴田勝家:小山力也
浅井長政:浅沼晋太郎
足利義輝:緑川光
{/netabare}



▼事前参考情報もろもろ
{netabare}ロトスコープで作ってるらしい。

2014年にはフジテレビ開局55周年プロジェクトとして
テレビアニメ・実写テレビドラマ・実写映画の3媒体を同時企画・随時展開する(@Wiki)

ドラマは10月からで、主演が小栗旬らしい。アニメのナレーションもやってる。

アニメPVはなんかへんてこな絵で??感じだったけど、マンガ原作で、
フジテレビがかなり力入れてるっぽいプロジェクトの一環なので、
きっとお話はおもしろいんだろう。

信長協奏曲 - フジテレビ開局55周年記念プロジェクト
http://www.fujitv.co.jp/nobunaga-concerto/

テレビアニメ 
http://www.fujitv.co.jp/nobunaga-concerto-anime/
テレビドラマ
http://www.fujitv.co.jp/nobunaga-concerto-drama/
{/netabare}

■放送情報
フジテレビ:7/11(金) 25:50~
(初回26:10~)
{netabare}福島テレビ:7/18(金) 26:00~
テレビ静岡:7/21(月) 25:35~
新潟総合テレビ:7/21(月) 26:00~
テレビ長崎:7/22(火) 25:45~
岡山放送:7/22(火) 25:50~
高知さんさんテレビ:7/23(水) 25:40~
鹿児島テレビ:8/2(土) 25:55~ {/netabare}

EDテーマ「不可逆リプレイス」作詞・作曲・歌 - MY FIRST STORY
▼Here is the full song
https://www.youtube.com/watch?v=5fba9R2G3eE

■スタッフ
{netabare}原作 - 石井あゆみ
監督 - 冨士川祐輔
プロデューサー - 尾崎紀子
アニメーションプロデューサー - 高橋美香
協力プロデューサー - 村瀬健
企画協力 - 沢辺伸政、備前島幹人
原作協力 - 市原武法(ゲッサン編集部)
脚本 - 高橋ナツコ
音楽 - 横山克
ナレーション - 小栗旬
制作著作 - フジテレビ{/netabare}

■声優
{netabare}サブロー:宮野真守
明智光秀:梶裕貴
帰蝶:水樹奈々
木下藤吉郎:中村悠一
お市:悠木碧
池田恒興:興津和幸
柴田勝家:小山力也
前田利家:浅沼晋太郎
佐々成政:三宅健太
丹羽長秀:高橋伸也
沢彦:緒方賢一
徳川家康:福山潤
竹中半兵衛:櫻井孝宏
浅井長政:木村良平
森可成:杉崎亮
森長可:吉野裕行
森蘭丸:村瀬歩
足利義昭:杉田智和
松永久秀:黒田崇矢
織田信行:内山昂輝
平手政秀:清川元夢
斉藤道三:秋元羊介
ナレーション:小栗旬
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 29
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

信長はチャラい高校生だった!?

石井あゆみによる原作漫画は、『ゲッサン』(小学館)で連載中。第57回小学館漫画賞少年向け部門受賞、「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」7位(既刊22巻、原作未読)。
アニメは、全10話(2014年)。監督は冨士川祐輔。制作はフジテレビ。フジテレビ開局55周年プロジェクトとして、テレビアニメ、実写テレビドラマ、実写映画が同時展開されたメディアミックス作品。
(2024.6.10投稿、6.26「信長様の近年の評価」を修正(笑))

【あらすじ】
勉強嫌いでチャラい高校生サブロー(CV.宮野真守)は、塀から落ちた瞬間に戦国時代にタイムスリップ。そこで出会った本物の織田信長(CV.梶裕貴)がサブローの生き写しであったことから、病弱であった本物の信長に頼まれ信長の代役として戦国武将となることに…
もっとも、本物の信長も第6話から{netabare}明智光秀として{/netabare}再登場。
本作は、この「本物の信長」と「偽物の信長であるサブロー」の二人の「信長」が協力しながら天下を目指すというお話(「協奏曲」)。

また、本作がメディアミックス作品ということもあり、実写版で主人公役を演じた小栗旬さんがナレーションを担当。


【信長はチャラい高校生だった!?】
現代の創作活動における「版権フリーの存在」として各方面から引っ張りだこだからなのか(笑)、もはや知らない人を探す方が難しいほど国民的な戦国武将となってしまった織田信長公。

もっとも、その描かれ方は、大雑把な一致はあっても真相がよくわからない昔の人ということもあり多種多様(もはや創作によるイメージの方が強いかもしれませんね)。本作では、神仏をも恐れぬ「比叡山焼き討ち事件」を起こし、早くから「鉄砲」の有用性に目をつけるなど、かつて「戦国の革命児」といわれた信長が、実は現代人、しかも歴史を知らないチャラい高校生だったという設定が斬新。
(※色々調べていたら、最近の歴史学界では信長が特に「革新者」だったわけではないという説が主流のようです。このあたりは、実態とかけ離れて信長の評価が爆上がりしてしまったことに対する反動なんじゃないでしょうか。まあ、歴史は同じはずなんですが、後世の評価・見方で変わってしまうもの。)

確かに、信長は、「うつけ」といわれたように奇行が多かったり、(彼のしたことが特に革新的でなかったとしても、)それまでの価値観にとらわれない合理的な考えをもっていたといえるでしょうから、実は現代的な価値観を持ったチャラい高校生だったという設定も面白く感じます。

また、サブローは、日本史の詳しい知識がないにもかかわらず(※一緒にタイムスリップした歴史の教科書を見て、ざっくりとした知識はあり)、そのチャラい奔放な性格で、偶然上手く事が運んだり、周囲が勝手に都合のいい勘違いをしたりして、ほぼ史実通りの出来事を起こしていきます。

個人的に面白かったのは、松平元康(徳川家康)は正室・側室が合わせて20人以上いたといわれるほどの女好き(一応、跡取り確保という名目はありますが…)。その原因はサブローが現代から持ってきた「ある物」を元康にプレゼントしたからというもの…
まあ、そんな感じの斬新な解釈で、ほぼ史実通りの出来事を起こしていきます。


【「本能寺の変」はどうなる!?】
さて、史実通りであるなら、上で隠したネタバレのことも併せて考えると、信長が明智光秀に謀反を起こされた「本能寺の変」がどうなるのか、特に気になるところです。まして、第1話では、その「本能寺の変」の授業シーンから始まり、さらに、サブローが本能寺の前を通過した際には、意味ありげに俺ここで死ぬんだよねって敢えて言わせてます(笑)。

もっとも、本作では、史実通りの「信長包囲網」が形成されるところで終わってしまうので、残念ながら「本能寺の変」までは描かれず。ただ、全10話で弟との権力争いからそこまでいってるので、テンポはかなり速め。

まあ、主人公以外にもタイムトラベラーがいたり、羽柴秀吉が他の作品とちょっと違っていて信長の忠臣ではなく裏のあるキャラクターとして描かれているので、本能寺の変も斬新な解釈をしてきそう。でも、本作が出来てから、もう10年ですか…続きはどうなることやら…


【作画】
本作は、他のアニメではあまり見ない「モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法」(Wikipedia)である「ロトスコープ」をベースとして制作されてます(※EDのクレジットに「モーションアクター」の表示があります)。
キャラクターの表情がのっぺりとした浮世絵っぽい感じですが、動き自体はトレースなんで当たり前ですがむしろ自然かも。でも、見慣れない感じなので特殊な印象は受けると思います。


【まとめ】
主人公が現代人のままなので、時代劇としては感情移入しやすい作品だと思います。また、史実を知っている人も、一応史実通りに話は進んでいって、斬新な設定だけれど、そうきたかという感じにはなっているので、“細かいことを気にしなければ”、その解釈の斬新さを楽しめる作品だと思います。

総じて時代劇としての雰囲気を楽しむというより、一般受けを重視した作品でしょうか。


【リアリティとファンタジーのバランス】
こっからは時代劇アニメ一般に関する余談なので、興味のある方だけお付き合いいただければ幸いです。

{netabare}今、個人的に時代劇のベスト10を作ろうと思って時代劇アニメを集中的に観ているのですが、一つのテーマで様々な作品を観てると、なんか横断的なものが見えてくることがあります。

時代劇は、個人的に好きなジャンルなのですが全体的には衰退傾向にあると思ってます。地上波テレビでも、ほとんど流れなくなった。

その理由の1つは、時代劇に出てくる日本人を当時のまま忠実に再現すると、おそらく現代の日本人にはもはや理解しにくくなっているからではないかと考えてます。つまり、特に言葉や文化などの設定について、共感しにくくなっている。時代劇が少なくなっているので、知る機会も失われて「負の連鎖」ですよね。

例えば、言葉は忠実に再現しちゃうと通じない(笑)。文化についても、落語なんかでよく出てくる「長屋」での共同生活(井戸端会議など)も日本人でもピンと来ない。また、現代人にとっては、帯刀した武士が街を闊歩する姿も「コスプレ」です。

だから、時代劇が生き残るためには、より一般受けするよう現代人の感覚に合わせる必要がある。もっとも、そもそも「時代劇」とは、「主に明治維新以前の時代の日本を舞台とした作品の総称」(Wikipedia)をいうので、単に武士のコスプレをさせればいいというわけでもなく(笑)、少なくとも何時代か特定できる程度の「リアリティ」がないと時代劇とはいえないわけです。

時代劇アニメをみていると、この時代劇として確保しなきゃいけないリアリティと、そのこだわりを捨ててどこまで現代人の感覚に迎合させるかの「せめぎ合い」(≒「工夫」)みたいなものを感じるんですよ(例えば、『さらい屋五葉』の次回予告がまんま「サザエさん」とか)。

要は、現代人がわかりやすいように時代劇を作ると、言葉や文化といったリアリティが犠牲になってファンタジーになる。でも、完全なファンタジーにしてしまうと、その境界は曖昧ですが、時代劇ではなくなってしまう。あくまでリアル寄りだと感じるのが時代劇でしょう。

そういう意味で、本作のように戦国時代に現代人をそのまま飛ばすというのは、ファンタジー色は強まってしまうのですが、当時の人間を現代人にして登場させるより、戦国時代という設定自体をいじっていないように見せるので、うまいやり方だと思うのです。

ただ、本作でいえば、普通の高校生が、異世界転移ファンタジーでよくある特別なスキルを神から与えられて、馬にまたがって軍を颯爽と指揮し刀でバッタバッタと敵を倒しはじめたら完全にファンタジーになってしまう。だから、本作では戦国武将なのにサブロー自身が戦うシーンが描かれていないのだと思います。

まあ、戦国時代に現代人を無理やりねじ込むわけですから、どうやってもほころびが生じる。


じゃあ、そもそも現代人に迎合してまで時代劇にする意味あるの?という話にもなってくると思うわけです。

時代劇の忠実な設定は共感しにくくなっているとは思うんですが、時代劇のもっている精神性、例えば、「弱きを助け強きをくじく」、「判官びいき」、「人情」といった日本人に通底する価値観は薄まってきてはいるものの、まだ共感できるところがあると思うんです。
こういった価値観は、日本文化の発信につながり物語としても魅力的で、むしろ現代とは異なる時代劇だからこそ、うまく表現できる可能性がある。要するに、時代劇にはまだ魅力があると思うわけです。


時代劇というジャンルを生き残らせるためには、言うのは簡単ですが、「時代劇として認められるためのリアリティ」と「現代人に受け入れられやすくするためのファンタジー」との「バランス」をアニメでどう表現するのかが重要になってきそうだなと(作品を通じて何を伝えたいかにもよりそう。)。
もっとも、おそらく時代劇のファンタジー化は今後さらに進むと思ってます。なぜなら、本作のように、かなりファンタジー色の強い作品であっても「ファンタジー風時代劇」ではなく「時代劇」として認知されているからです。

なので、最近はそれが時代劇アニメが生き残るための術なのかなあと考えています。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ロトスコープ否定派の自分でしたが、最高な作品でした。文句なし!。

原作未読です

見る前の印象として「絵柄が無理!><」・・で、見る気は全くおきませんでした。
・・でもこのサイトでけっこうダークホース的な評価がされてるので
じゃあちょっと頑張ってみてみようかな~になりました。

1つ気がかりなのは、宮野さんの勿体ない使い方になったりしないかなあ・・という心配。。
宮野さんの無駄遣いになっていないことを祈りつつ・・1話視聴に臨みました。

>1話まで視聴して
うわ、正直やっぱり絵柄はかなりキツいです・・><。
ロトスコープっていうんですか?。惡の華?の前例同様、生理的に受け入れ難いなあ・・。
やはり個人的には、独創的な”人の描く線”が好きですねえ・・。
映した実写をただなぞって・・(+背景やCGと合成??)っていうのは、
何か・・”魂の入っていない入れ物”的に感じてしまいます><。
声優さんの演技の映え方にも悪影響なんじゃないかな??。
よほど声優さんの演技でカバーしないと従来のイーブンまでいかない気がします。

物語的には、見慣れた(見飽きた?)織田信長のアレンジものかな?という第一印象。
「織田信奈の野望」がかなり気に入ってたので、もう満腹状態です・・。
「ノブナガザフール」では・・・・・・・・・・(無言)。

いまのところ残念ながら継続視聴したいなという要素が見あたらないですね。

宮野さんの良さも、十分生かしきれてなさそうに思います。

やっぱ宮野さんは”行動がある程度予想できる設定キャラ(歴史上人物含む)”よりも
”行動がまったく予想できないある意味イミフな難解キャラ”の方が
断然魅力的だと思います!!。


>2話まで視聴して
・・といいつつ、気になって2話見ました。
あ、けっこう宮野さんのセリフに破壊力がある♪。
「○○○は、やめて~><」だったかな?。あそこで断念を踏みとどまりましたw。
今後も意表を突くセリフが期待できそう^^。

・・でもやっぱり自分には絵柄が馴染めそうにないなあ・・苦しいですw。

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>4話まで視聴して
3話で一気に評価があがりました!。
その最大の理由は、やはり宮野さんの演技ですね。
もう主人公と完全同化しています!。
ストーリー的にも予測不可能な展開ややり取りがあってとても面白い♪。
あれほど先入観があって嫌だと思っていたスコープ?の作画にもだんだん慣れてきた?。
どこかNHKの大河ドラマチックな壮大感と静寂な空気感を感じるほどまでにw。

自分にとっては何というか、子供の頃に食べられなかった嫌いな食べ物が
大人になってある日突然味に目覚め食べれた・・的な感じです^^。

宮野さんの信長といえば、どうしても前期のフールが刷り込まれてしまっている自分だったので、
宮野さんは信長に向いてないかもなあ・・と思い込んでしまっていましたが、
本作で見事にその対極ともいえるキャラになっていてとても爽快でしたっ。
本作での宮野さんの信長は最高です♪。

最終話まで視聴確定しますた。

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>10話まで視聴して
工エエェェ(´д`)ェェエエ工工。
もう終わっちゃうのぉぉおお??。
ウソだと言ってよ、○ー○ィ。

とにかく面白かった!。
視聴前に持ってた先入観なぞ、全て吹き飛ばしてくれました。

序盤では「のっぺりとした顔だなあ」と思ってたサブローの顔が、
信長になることによって、ほんとに自分の中で劇的に変化してしまいました!。
信長をやってる時のサブローの微妙な表情の変化が特に素晴らしかった!。
OP・EDでの曲の中での演出もとてもあってて、見る度にカッコ良くなっていった!。

ちょっと今、wiki見てみましたが、やっぱり
”俳優の演技によるロトスコープをベースに制作される(CG技術も導入したハイブリッドスタイル)”
なのですねー。”ハイブリッド”なんて、技術も進化してるんですねー。

いろんな方々の苦労の上に成り立ってた作品なのだなーと
今しみじみ感じています。

自分にとっては、サブローはもう宮野さんしかありえません!。
近日TVで実写版やるみたいですが、
こっちのキャストも、いっそ宮野さんにしてほしかった!!。
(ありえないだろうけど、どっかで実現してくれないかなああああ)

あ、そうそう。水樹さんも、かなりのハマり役だったと思います。
歌手としての水樹さんは以前からとても大好きで、曲は聴きまくっているですが
声優としての水樹さんはあまりコレといった印象が残る作品が思いつかない自分なのです。。
でも、本作では大満足でした!。
こんな人が近くにいてほしいものですね。

2期を切望しますが、もし実現してもおそらくかなり先になりそうなので、
ここからは原作に走ります!。
原作の評判は折り紙つきなので、とても楽しみです♪。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24

67.3 2 本能寺の変で漫画原作なアニメランキング2位
へうげもの(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (248)
1230人が棚に入れました
時は戦国乱世。織田信長が今まさに天下を獲らんとするその陰に、茶の湯と物欲に魂を奪われた一人の武将がいた。
のちに数奇者として天下に名を轟かせる「古田左介(織部)」である。
「出世」と「物」、二つの欲の間で葛藤と悶絶を繰り返す日々の中、時代は大きく揺れ動く。やがて左介は「数奇者」としての天下獲りを心に決め、「へうげもの」への道をひた走る。
天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、戦国時代を駆け抜けた男/知られざる傑物の物語。

声優・キャラクター
大倉孝二、小山力也、江原正士、田中信夫、田中秀幸、鶴見辰吾

じぇりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

この物語は限りなくノンフィクションにて候

① 明智光秀 「敵は本能寺にあり!」

② 織田信長 「・・・是非もなし」

③ 信長、自分の首を明智に取らせないために、部下(大抵の場合、森蘭丸)に、本能寺に火を放つよう命じる

④ 信長、敦盛を舞う "人間五〇年~"

⑤ 信長、炎の中に消えていく、あるいは自害する

・・・というのが、同じNHKの大河ドラマで戦国モノだった場合の「本能寺の変」のお決まりの流れである。
今年の軍士官兵衛でも恐らくそうなるであろう。
要は、この決まりきった流れを、どの役者がどういう演出の元行うか、みたいなのが見所になってしまっている。

本作の序盤の見所も、やはり本能寺の変と「三日天下」と言われた明智のその後になってくるが、上記のようなテンプレ本能寺ではなく、実にオリジナリティーに溢れている。これは原作が良いのであろう。

本能寺の変は、陰謀説・真の黒幕が誰であったのか、など日本の歴史上最大の大事件として、様々な解釈がなされている。
「へうげもの」における、本能寺の変の顛末は実にこの作品らしさが出ていて面白く、その後の展開にも上手く繋がっていくので、実に巧妙である。

さて、この作品の登場人物はごく一部を除き、主人公・古田織部を始めとして殆どが歴史上実在した人物である。さらに、それぞれの人物が成したことや、政治や戦の時期・内容もほぼ史実の通りである。

フィクションとなっている部分の大半は、歴史的にはあまり知られていない主人公・古田織部の人柄や行動の部分であろう。
古田は決して、善人ではない。武人である前に「数奇者(すきしゃ)」(茶道や茶道具に熱心な人)としての己を高めることに飽くなき探究心を燃やし、時に他人の持つ名器をネコババしたり、狡猾な行動を取ることも厭わない。当然だが、イケメンでもない。

しかし、どうにもそんな彼のキャラクターが憎めないのだ。
血なまぐさい戦国の世にあって、武人として生きながらも、美しいものや、茶道のわびさびに傾倒する古田の姿は、一種の救いのようにも感じられる。

しかし、冒頭から最後まで時に古田以上に圧倒的な存在感を放っていた千利休がまた、このアニメに程よい緊張感を与えている。

しいて言うなら、「数奇の戦 in 茶室」と言ったところであろうか。戦国の世の様々な出来事や謀は、茶室から生まれたのではないかと思わせる程に、この作品における利休の怪しさが怖い。

豊臣秀吉がなぜ、一介の茶人でしかなかった千利休に切腹という重い刑を下したのか・・・というのは、理屈では分かっていても、理解し難く思っていた。
しかし、本作ではフィクションとはいえ、そのプロセスが精巧かつ、納得のいくように描かれており、非常に興味深かった。

さて、★に関しては全体的に過大評価と思われるかもしれないので、一応今回は理由を:

① 作画:私自身、茶道は嗜まないものの、陶器収集が趣味の「チョッピリ数奇者」である。その観点から、それぞれの茶道具や名器のもつ色合い、つや感、質感などが実によく再現されていた思う。あとは、ギャグ要素の多いこのアニメらしく、古田を始めとしたキャラクターの見せる変顔もGood!

② 声優:俳優・ナレーター・吹き替え声優・アニメ声優とごった煮状態であるにも関わらず、ほとんど違和感がなかった。主人公・古田を演じた大倉孝二さんも、主に舞台やTVドラマで活躍する役者さんのようだが、この人以外に古田は演じられないのではないかというくらい、ハマっていた。具志堅用高はちょっちゅねー・・・だが、そこも愛嬌に思えてくるほど、どのキャストも役にピッタリ合いすぎている。これが本来のキャスティングというやつなのだと思った次第。

③ 音楽:EDテーマの斉藤由貴が歌う「KIZUNA」は、歌詞から明らかに、登場回数は少ないが古田にとっては重要な人物である妻のおせんの心情を歌った内容だ。一見この曲の歌詞は、おせんのように、男にとっては実に物分かりの良い大和撫子的な女が、愛しい相手を陰から応援しているように表面上は受け取れるが、どうにも私にはその裏に、「私をほったらかしにして、数奇にばかり興じて!コラ!!」という恨み節が見え隠れして仕方がない。このこっそりと皮肉を込める感じが素敵★

本作で利休が投げかけ、それにより古田が迷走するきっかけとなる「創意ある侘び数奇」がこの作品にはある。歴史モノでギャグ満載なのに、どことなくハードボイルド感もあって、カッコいい。

歴史的事実をできる限り踏襲しつつ、創意・・・つまりオリジナリティーある解釈とエピソードを足すことで彩られたこの作品は、39話と長いが、観る価値は十分にあると思う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

アジェル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

実は3回目の見直しでしたが、やはり良い作品です☆彡

感想タイトルにある通り、実はこの作品を観るのは3回目に
なります。何回見ても面白さを感じられる作品であり、ご存
知の方はアレですが、私の前の登録キャラ時代のレビューが
多くの方に評価されてましたので、今回は新しくした今の私
のキャラとして、内容は同じですが宣伝の意味を込めてまた
このレビューを書く事に致します(-^〇^-)

まずこの作品は、日本歴史の中でも人気の高い戦国時代をモ
チーフに書かれております。織田信長、豊臣秀吉などの天下
取りに名を馳せた大名や、伊達正宗、徳川家康などの後の世
で拡大してきた大名、はたまた福島正則、加藤清正、前田慶
次、真田幸村などと言った人気的な武将などが・・・
登場してくる!?のですが、主人公ではありません@@;

【古田織部】【千利休】皆様ご存知でしょうか?
利休に関しましてはそれ相応の大茶人としてゲーム、小説、
ドラマに映画と様々なメディアに名前を聞く人物です。
しかし、もう一方の古田左介・・・織部!?
ご存知の方は、なかなかの戦国通ですよ(笑)
そうなんです。その作品の主人公は、【古田左介】こと、
のちの従五位下織部正という官職を持たれた有名な方なの
です。また大茶人である利休の弟子の中でも筆頭とされ、
利休死後はその後を任された人物でもあります。

さて、本作品はこの【古田織部】を主人公として、【数寄】
についてを語る物語でございます。
【数寄】とは簡単に言いますと、本来「好き」の意味であり
特殊な当て字として流布しています。古くは「すきもの」と
は和歌を作ることに執心な人物をいい、桃山時代になってか
ら連歌から茶の湯へと意味を変えています。江戸時代には、
数寄のための家「数寄屋」も茶室の別称としてています。
この数寄者による、天下の裏事情というものが題材にされた
新しいジャンルの物語になっております。

その他にも、豪商、大名、有名武将など、茶の湯を心得た人
物を中心として、天下の形成について分かり合ってきた人物
達の違った方向からのせめぎ合い、または裏事情、交渉事、
実は・・・歴史はこうだったのではないかという通説などを
うまく組みう合わせたフィクションで構成されています。

ここだけの話、ネタバレではありませんが「利休」役の声優
様は「田中信夫」さんです。ご存じの通り「トリビアの泉」
「さんまのスーパーからくりTV」などでお馴染みのナレーシ
ョンをされている名優様です。
聞いていてなんだか説得力があると言いますか、なかなかの
しっくり具合に別の意味での感動を覚えます。

その他にも作画やグラフィック等においては、CG合成的な部
分や書き込み具合、織り込み等に関して、なかなか良い方か
と思われます。古い美術品におけるアニメ的な作画の再現力
やグラフィックとしては、数寄を題材にしているだけあり、
なかなかの魅力ある仕上がりになっている方だと感じます。
また登場キャラに関しても、面白系、コミカル系、おふざけ
的キャラ、本格派などの様々な人物が描かれており、作画も
さることながら、それぞれのセリフや口癖にも注意して観る
となかなか面白く仕上がっております。


今回も簡単なさわり部分のコメントだけに留めさせて頂きま
したが、是非ご覧になってみてください。
この作品は、総合的な評価こそまぁまぁな数値ではあります
が、戦国時代を愛する方や、芸術、文学を愛する方が観ても
悪い気はせず、楽しく見る事が出来る作品かと思われます。

それでは、また次回デビューにて^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

にゃんた さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

感性類似判断のメルクマール

『侘び数奇とは?』

これを、アニメ作品全体で体現している。

作画、声優、BGM、演出、どれもこれも気に入らない部分が少しずつある。
「完璧」とはいえない。
どこか欠落している。

しかし、それが・・・なんとも「面白い」。

他のアニメ作品も素晴らしいのだが、完璧になろうなろうとして、
どこか力み過ぎている。みていて疲れる。
面白いように見えるけれども、なんだか面白くない。

そんな境地に達しているアニメ数寄者には、心地よいアニメになるのではないか。



アニメ数寄者の皆様は、これ以降をお読み頂く必要はございません。
蛇足というべきものにて。





~~以下蛇足~~

このアニメを「面白い」と感じる人とは感性が近いと思う。
その辺の嗜好を判断する良いメルクマールになるだろう。


よく知られている、織田信長らが活躍していた戦国時代。
この時代に、血縁ではなく、軍事力でもなく、経済でもなく、人と人を結びつけ、勢力構造に影響を及ぼしたファクターがあった。

「文化」である。

ここにスポットを当て、
それがどのように人々を結びつけ、成長させ、変化させ、破滅させていったか。
その点について、さすがNHKともいうべき、奥深い人物描写がなされている。

しかし、この作品、それらの表現がどことなく垢抜けない。ちょっとカッコ悪い。
だがそれがいい。

有名な画家の描いた風景画を見てみるとわかると思うが、山にしろ人物にしろ、決して主題となる対象物をキャンバスの中央に描かない。
中央に書かれているように見えるかもしれないが、必ず少しだけ左右にズレて描いている。

キッチリし過ぎは美しくない。
そういうこと。

キッチリした方が美しく見えるって?
気にしないことです。
それもまた「あなた」なのですから。







~~~以下、6話までの感想~~~

主人公は戦国時代に文化人としても生きた実在の武将。作中では使番(敵軍への使者)の任務をこなす。

冠婚葬祭など、ピーンとした緊張感が張り詰めた場所で、俗物的で場違いなことを考えたり、したりすると、無性におかしくなる気持ち、お分かり頂けるだろうか。
この作品、この種の笑いを描いていると思う。
これがハマる人にはハマるだろうし、ダメな人は全くダメだろう。
ただ、この笑いはおそらくメインではない。
茶の湯のシーンや有名武将同士の駆け引きなど、心のやりとりはとても深く、かつ緊迫感があって楽しませてもらった。
このような心理描写がメインだと思われる。

歴史モノは大好物なので、ここは文化面のみならず、その時代の作法、生活、合戦の状況など、細かい設定にまでこだわって描いて欲しい。
初回、丁寧な説明を省いて、いきなりストーリーが開始される。
なので、ある程度戦国史の知識がないと入りづらいと思う(「松永久秀の信貴山城篭城」と聞いて、すぐ把握できる方ならば大丈夫だろう)。

所々気になる部分はあるものの、現段階では、史実に沿ったストーリー展開、描写。
それでも、時代設定を維持したまま、ギリギリのところで笑いを取っている。
今後は、このラインを維持していって欲しい。
全39話が予定されているようだが、同じNHK放送の「十二国記」並みの好物アニメになるかもしれない。期待が高まる。

・・・しかし、秀吉のCVに江原正士さんは、ちょっと違和感がある。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
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