暴力で群像劇なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの暴力で群像劇な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月25日の時点で一番の暴力で群像劇なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.4 1 暴力で群像劇なアニメランキング1位
デュラララ!!×2 承(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (1132)
6993人が棚に入れました
あれから半年……僕らは何も変わってない、はずだ・・・
 
池袋の街を巻き込んだ抗争から半年――。
街は平穏を取り戻し、変わらぬ日常を過ごしていた。
高校生は青春を謳歌し、池袋最凶は仕事に勤しみ、情報屋は新たな画策に心躍らせ、都市伝説・首なしライダーは街を駆っては白バイ警官に追われ……。
しかしそこには非日常が紛れ込む。徐々に色を濃くしていく異分子達によって、街はさらなる混沌に陥っていき……。

声優・キャラクター
豊永利行、宮野真守、花澤香菜、沢城みゆき、福山潤、神谷浩史、小野大輔、中村悠一、梶裕貴、高垣彩陽、寺島拓篤、下野紘、M・A・O、小野友樹、山口勝平、金元寿子、喜多村英梨、岸尾だいすけ、藤田咲、大塚明夫、堀江一眞、小林沙苗、伊瀬茉莉也、福圓美里、小西克幸、大塚芳忠、藤原啓治、黒田崇矢、小野坂昌也、久野美咲、加瀬康之、飯塚昭三、森川智之、三上哲、種﨑敦美、梁田清之

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

竜ヶ峰帝人の怖さ。

待ってましたデュラララ×2ヽ(*´∪`*)ノ"
待ってました折原臨也がまた観れる日々。

OPの作り方は1期と同じ形で嬉しい♪
EDもセルティの黒い影でみんな繋がってる作り方でこれまた嬉しい♪

相変わらず賑やかなデュラララの舞台池袋。
それから個性豊かな新キャラ達の登場。
セルティと新羅のより愛が深まってるような良い雰囲気。
キャラ達もどんどんいろんな繋がりができ・・

4話でのセルティ&新羅家にてみんなで鍋シーンはとても
観ていて微笑ましかったです。
(鍋参加メンバー 帝人、杏里、静雄、門田、遊馬崎、狩沢、渡草、誠二、美香、エミリア)
なんかここでの鍋食べてる静雄の顔可愛かったっwちょっとレア感☆
セルティ&新羅のイチャイチャに胸きゅん♡

全話通して、4話の鍋が一番好印象かな。
で、10話あたりからの門田VS千景のバトルは痛々しい殴り合いでした!
さらに最終回の臨也のシーンに臨也ファンの私としては衝撃。
いつかはとか思ってたけど・・。嫌だなー。
さらに最終回での青沼と帝人のシーンで帝人の怖さを感じました。


大好きな臨也をまたこうしてTVで観れるとは私はとても嬉しいですヾ(●´□`●)ノ
デュラララ×2!!分割3クールで原作第一幕の全てを描ききる・・
原作読んでませんが次は7月から〜またアニメでたっぷり楽しみたいです。
あ!映画やりますよね!観に行きたいな〜って思ってます♡

読んでくださりありがとうございましたヽ(o´д`o)ノ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 48

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルなし

「何が面白いの?」って思う人も多いのですが、
絶妙な安定感と程よいストーリー進行で、ついつい見てしまうんですよね~^^

特にストーリー自体にひねりがあるわけではないんですけど、
なんか見ちゃうんですよね。

今期は一杯新キャラ出てきましたが、キラリと
光っていたのはヴァローナでした。

静雄や園原さんとかと比較しちゃうとフツーの人なのですが、
人間としての枠の中ですごい頑張ってました。

次によかったのは折原姉妹でした。
次期ではもっと活躍してほしいなぁ^^

投稿 : 2024/11/23
♥ : 49

DarkAngel さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

い~ざ~や~(´∀`)

2期開始されましたがやっぱこの雰囲気好きですね
好みで分かれそうですが、初見さんは特に意味不明な部分が多いかもしれません
でもチャットやセルティさんと交機のバトルなど、1期から引き続く部分もあって楽しんで観ています
今期から登場人物が増えて原作未読の私なので今後の展開が楽しみです
だいぶ電波キャラな臨也妹達が活躍しそうですがレギュラーメンバーと新メンバーとの絡みなども期待してみたいと思います

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

68.9 2 暴力で群像劇なアニメランキング2位
俺たちに翼はない(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (806)
4614人が棚に入れました
大都市「柳木原」(やなぎはら 略称ギバラ)では、今日も誰かのありふれた物語が生まれていた。季節は冬。寒さが厳しい白い空。心に悩みを持つ若者たちが繰り広げる群衆劇。そんな若者たちが傷つき、笑いあう。どこにでもあるような恋物語が今語られる。

声優・キャラクター
吉田真弓、小野涼子、後藤邑子、又吉愛、浅井清己、たかはし智秋、下野紘、三浦祥朗、諏訪部順一、日野聡、荻原秀樹、石川英郎、杉田智和

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界が平和でありますように

序盤は全く内容がわかりませんでしたが、ストーリーが進むにつれ内容がわかってくるとともに面白さが湧いてくる作品でした。


この作品の概要は・・・
三人の主人公の日常的な話になります。
一人目の主人公は学生で気弱な性格の羽田鷹志。
二人目の主人公はレストランで働くお茶目でノリの軽い性格の千歳鷲介。
三人目の主人公は夜に便利屋の仕事をするハードボイルドタイプの成田隼人。
この三人がそれぞれ各ヒロインを交えて、テレビのチャンネルが切り替わるように日常のストーリーが進むお話です。


この作品の見どころは・・・
この作品に関してはネタばれなしでは見どころは語れませんのでご了承ください。
またプチ見どころとしては、たくさんのパンチラの映写が楽しめる、漫才気味の会話が楽しい、各ヒロインがみんな魅力的で特に鳳鳴役の「後藤邑子」の演技がとても可愛い、といったところでしょうか。


この作品の序盤の展開について・・・
第1話目から主要キャラが次々と登場し、誰が誰だか非常にわかりにくい展開。
また、場面の移り変わりが激しいのでストーリーについていく事が難しい感じでした。
それにファンタジーの世界も出てきた時はその展開に呆れた気持ちになってしまいました。


中盤から・・・
しかし第4話でこの作品の本質がわかってくると面白くなってきた・・・と思いましたが直ぐに下落。


後半から・・・
第9話から今度こそ面白い展開になってきました。
特に第10話で成田隼人が非常にスッキリする行動を見せて、これからの展開に期待が持てる気持ちにさせてくれました。
そしてこの後からファンタジー世界の設定も良い設定だったという気持ちになれました。
最後まで見る事によって第1話目にも繋がり、この作品の面白さが実感できるのでは?と思います。


これから視聴する方へのアドバイス・・・
各回ごとにもよりますが、中盤ぐらいまでにあるOP曲前の2分程度のエピソードは本編とは関係ないおまけのようなサービスエピソードなので、この点を知っておいて視聴するだけでもかなり混乱を防げるかと思います。


番外編について・・・
OVAでみんなで温泉に行くエピソードが製作されております。
このエピソードは本編以上のエロ満載。
本編ではシーンによっては規制がかかっていましたが、このOVAではバッチリと露骨に見ることが・・・。
温泉ですからね(笑)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20

マジ天使 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ぶっちゃけ王雀孫は神

原作プレイ済み
タイトルは原作者「王雀孫」へ賞賛を込めたネタです。

■総評
「4話までは見るべき」タグなのですが、これは公にこの作品のネタバレをしています。
他の作品と違いネタバレしてからが面白い。初見で繋がらなかった事が気持ち良いくらい分かる。
視聴者にミスリードをさせたり、混乱させるような進め方ですが、見終わってみるとよくできたシナリオだなと関心しました。
4話以前やネタバレに関心がないと「訳の分からないアニメ」になりそうです。
そのため視聴者の理解度などが大切なのかなと思います。
考察wikiに人物関係図などあるので参考にすれば分かりやすいかと思います。
また、面白かったという人是非「もう一度見直してください」複線の張り方や時系列に気づき謎がより分かる作品です。
ちょっと捻くれたシナリオですが、「アニメではストーリー重視」な私は楽しく見れました。

■原作プレイ済が感想を書くと…
俺つば原作3本プレイしましたが、原作プレイした人なら楽しめる作品だったのではないのでしょうか?
1話のEDでミスリードさせたり、俺つばASでのネタなどプレイ済だと遊び心がありニヤニヤしてました。
また、7話での王雀孫シナリオには大分笑わさせていただきました。

■まとめ
①Hなシーンについて
「露骨なパンツ」「エロシーン」など、どうしてこうなったと言いたい所もありましたが、全体的に見れば私はさほど気にならなかった。
序盤の夢テレビや8話の問題のシーンも「メタ的要素」の複線だったのかな。
②おおよそテレビ向けじゃない設定でしたが原作を損なわずにオリジナルENDで閉められたアニメ製作者に感謝。
③特に4話のネタバレからの7話が面白く後半に進むにつれ勢いが出るアニメ

「飛べない鳥たちのとりとめのないお話」ですが
 「主人公たちに翼はないこともないんだな」と思うようなアニメでした。

以下お世話になった考察サイト
ttp://www45.atwiki.jp/ore-tuba/

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7

パクマンさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

斬新な設定と細かい伏線

原作は未プレイです。
はじめの3話は物語の方向性が分からなく、キャラも多いので戸惑いましたが
4話で「○○○○」が明らかになった後はスムーズに物語に入り込めました。

バラバラだった事柄が徐々に一カ所に収束していって
伏線だったものが回収され「ああ、そうだったのか!」と驚く仕様なのは素直に凄いと思いました。
キャラクターの台詞1つ1つが大事な伏線になっており
ちゃんと聞いていれば十分理解出来る内容だと思います。

ただ、純粋な恋愛物だと思って視聴した方は肩透かしをくらうかもしれません。
実際は細かい伏線やミスリードを誘う演出が多く
視聴者の理解力を試すような斬新な設定で、意外とメッセージ性が強い作品です。

↓考察してるアニメ用のまとめwikiがあったので、貼っておきます。
http://www45.atwiki.jp/ore-tuba/

投稿 : 2024/11/23
♥ : 7

71.6 3 暴力で群像劇なアニメランキング3位
キズナイーバー(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (775)
3706人が棚に入れました
舞台は、埋立地に作られた街・洲籠市。

かつては未来型都市として栄えたこの街に住む高校生・阿形勝平は、なぜか痛みを感じない不思議な身体を持っていた。

夏休み目前となったある日、勝平は謎の少女・園崎法子の手引きにより、痛みを共有する仲間「キズナイーバー」の一人に選ばれてしまう。

そして、同様に「キズナイーバー」として繋がれたクラスメイトたち。

しかし、彼らは本来なら仲良くなることのない別々のグループに属していた。

園崎は言う「これは、争いに満ちた世界を平和に導くための実験なのです。」

その言葉とともに数々の試練が彼らに降りかかる。

互いの傷を背負うことになった、少年少女たちのひと夏の物語がここから始まる!

声優・キャラクター
梶裕貴、寺崎裕香、島﨑信長、久野美咲、山村響、前野智昭、佐藤利奈、西山宏太朗

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

よかったよ♪

5/8
全く期待しないでみはじめたんですよ。

脚本:岡田麿里
絵コンテ:小倉陳利
演出:田頭悠郎
作画監督:田村里美、坂本勝

TRIGGER制作と私得だったのです。

OPもJOJOとこれ好きだな
BOOM BOOM SATELLITES
「LAY YOUR HANDS ON ME」
EDもいいな

三月のパンタシア
「はじまりの速度」

4話までまぁ、ぼーっと見ていて
5話で訴えたかったのが見えてきて
これ案外化けそうじゃないかと思い
筆を認めた所存です。

じわじわくるな
さらっと上辺をかすんでくるなと
思いつつ見てたのですが
5話で確信
多分?私好み

キャラもまぁ立っていていいのですが
個人的に感情移入しながら見てるのは
愚鈍こと阿形勝平
10代の頃を思い出すんですよね
ああわかるわってぐらいのミラー的キャラ
今は感情こもりすぎてしょーもない人間なんですけども

ラストに最大の希望を見てるのですが
期待しちゃっていいのかな??
地味に楽しんでる私めです。

10話 いきなり重い話がブッ込んで参りました。
いや、このみだよ。
エグいけど。
でもここから希望を見てる。
感情は難しいよね。

最終回

綺麗な終わりかただった。
これは友達の概念がわかる前に見たかったな。
痛みがないと生きてる実感なんて
わからないからね
だから感情は大事なんだよ
閉じ込めていたらだめなのだと
優しく教えて貰った気がした

投稿 : 2024/11/23
♥ : 35
ネタバレ

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

収納上手

【2周目】
22.2/28感想
5年越しくらいで思い立って2周目視聴してみました。
内容はうっすら覚えてるけどある程度新鮮な気持ちで見直せるくらいには忘れている。

5話時点》音楽、作画、キャラがかなり良い。声優さんも凄く合ってるので☆0.5ずつup。
思ってたよりポテンシャル高くてビックリして感想書き足すわたし。
ランキング的に『ふつう』くらいの位置付けの作品みたいだけど、物語以外の部分が点数を押し上げているタイプの作品と考えると物語に何か問題が…?

でも、個人的には現時点まで面白く視聴できている。

【2周目完走後】
今まで使ってこなかったあにこれ的定形文使いますが、
これ、“もっと評価されるべき”ですね。
勿論個人的見解の域ですが、物語もとてもよく出来ていました。

ちょっと脱線しますが、最近私的主要コンテンツであるdアニメで観れないやつ(この作品は観れます。)とかまで観たいという想いから、久しぶりにあにこれチェック始めたのですが、結果、10年代の作品を掘るケースが増えまして、その中でもこの作品は、私の肌感とあにこれ評価とのズレが大きい作品だと思います。5話時点でも触れましたがキャラのデザイン、配置のバランスは最高クラスです。
私の場合鬱展開どっぷりは辛く思っちゃうタイプなので、日染やニコのタイミングの良い立ち回りに感動すら覚えました。

BOOM BOOM SATELLITESのOPであの映像はVJですか?みたいな感じで、謎の実験都市感出てるの良いです。
あと、人物像に突っ込み所がある部分をその人物の一面として描き、無理に美談側に寄せたり言い訳しちゃったりしない感じも好感もてます。
{netabare}
あと、組織も突っ込み所満載ですが、突っ込まれるのは織り込み済みな雰囲気は感じます。感じますが、最後めでたしめでたし♪みたいなのは違うかなとは思います。結構エゲツないことやってるわけですから…。
{/netabare}

あと、5年たっても変わらず感心するのが構成の絶妙さです。キャラ(自己)紹介の上手さ、7つの大罪というギミックを嫌味なく振りとして使うしたたかな感じとか、これだけの情報量、多彩な気持ちの変化を1クールに綺麗に収納した力量とか、結末に向けての絶妙なエピソードの配置の仕方とか、評価できる点をあげたらキリがありません。素晴らしい。

(…感想見返すと、2回目だからなのか、観る時のコンディションなのか、歳とったからなのか判らないですが、多少変化してるようですな。。
ま、それもまた真実です。)

ということで改めましてこの作品、

心より謹んでオススメ申し上げます。

【私的関連作品】
M3-ソノ黑キ鋼- … 絶望
冷たい校舎の時は止まる… 漫画(辻村深月)

【myココ重要ポイント】
設定…89
キャラのカラーイメージと恋愛的相性の相関…85
大人の解決能力…23

【過去感想】↓
2016、7年あたり

{netabare}

面白かったです。
基本シリアスなストーリーだけど個性的なキャラクターや謎、ちょいちょいサラッと入れてくる笑いのおかげで重くなり過ぎずになかなか視やすい展開でした。

が、メインのある登場人物が感情表現皆無なのでちょっとイラッとする部分もあるかもしれません。

内容的には世界系だとか青春ものだとかいろんな展開が可能な立ち上がりで期待感十分。
疑問を解消しつつ新たな疑問が出てくる感じの「引き」もよく機能していたし、ちょっと現実的ではないとんでも設定を絶妙な匙加減で使いこなしていたんではないかと思います。

タイトルから「絆」と「傷」を描いているだろうことが容易に想像できると思いますが、まあその通りだと思って間違いありません。

その中で、絆に関しては所謂「人それぞれ」な部分を割とちゃんと描いていて、安易に同調しない感じがよかったです。人と人の関係性のあり方は多種多様で、各々の答え(のようなもの)を描くと共に、答えに対する各々の受け止め方も丁寧に描かれていて、テイストとしてはどろどろありの「濃い味」に分類されると思います。

そういう意味では、概ねココロコネクトというアニメと同類の匂いがします。

正直言うと絆に対する各々の考え方を十分描くのには全くもって同意なんですが、それによって後半独白めいたやりとりが延々展開されるのがちょっとキツくはあります。ちょっとです。

個人的には
感情は行動で示し、説明は極力少なく。が理想なんですが1クールでこのキャラ数でとなるといたしかたないだろう・・とは思います。
まあ、自己紹介をミッション化するなど上手いことコンパクト化を図っていますし、こういう作品で独白めいたセリフが多くなるのは避けられないのかもしれません。

意外だったのは「傷」に関してです。
傷は絆を掘り下げる為の道具。そういう認識でずっと視聴を続けていたんですが、傷についてもかなり掘り下げていたように感じました。

最後しっくりきた理由の1つは、のりちゃんの傷に対する考え方に(設定ならではの)説得力を感じたからです。

まあ、組織に対する突っ込み所は少なからずあるんですが、個人的には些細な問題の範囲です。もっと精密に組織の設定を構築するに越したことはないですが全然許容範囲内でした。

因みに・・
のりちゃんでDTBのインが脳裏をよぎるわたしですw

結構タイプですww

てか、キャラデは総じて良かったですね。これだけ全員のキャラデに納得なのも珍しいです。

あとOPはサウンド、映像共にかなりのクオリティだったと思いますし、OP自体が作品のテイストを謎化する装置にもなっていた印象です。


最後に・・日染くんが {netabare}ド変態→いい人{/netabare} で終わったのが残念である。
彼は掘ってあげるべき。

{/netabare}


以上です(・∀・)ゞ

投稿 : 2024/11/23
♥ : 19

らいむぐりーん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

物語は、ヒロインに階段から突き落とされて始まる。今シーズンではインパクトある導入の本作。

TRIGGERが送り出してきた本作。
「キルラキル」や「異能バトルは日常系の中で」を手掛けてきたTRIGGERが
今回、どんな仕掛けをしてくるかが気になるとこ。

同クールで「宇宙パトロールルル子」も制作していた点で
スタッフの稼働状況が飽和していたのでは?と思える点もちらほら(´・ω・`)
(まぁ、ルル子はショートアニメやからね)

舞台は未来型都市「洲籠市-スゴモリシ」
不思議と痛みを感じない-不感症系主人公-が阿形勝平くん。
この設定って露骨すぎやしないか??(´・ω・`)
いや、この見え見えなくらいの露骨さがあとでいい味出すんです。
(ドМな様で実は違うみたいですw)


謎の少女・園崎法子が第一話(一目あったその日から、絆の花咲くこともある)で、
七つの大罪について勝平君に説くシーン。
「他者との協調性を重んじる現代に於いて、罪の形は微妙に形を変えています。」
この言葉、グッと来るものがありました|д゚)フカイワー
建前で人と付き合うことが多い現代日本では...特にやね。
この七つの大罪にそれぞれ当てはめた七人のキャラクターが
身体的痛みの同時共有、「キズナシステム」を同意のもと(?)
とあるプロジェクトをを履行していく物語。

素材としては、ココロコネクトに通じるものがあるような、ないような...( 一一)

タイトルにも書いた通り、主人公がヒロイン園崎法子と出会うと
躊躇なく階段から突き落とされて幕を開けます。

....リアルでされたらたまったもんやない!(´Д`)w
でもこのショッキングな演出は、導入として非常に優秀だと感じました。
あるあるな「空から女の子が降ってきた-」とかより十分インパクトありやなw

様々な傷や悩みやトラウマを抱えた7人の「キズナイーバー」
傷を分け合う者たち同士が、成長し、認め合い、確かめ合っていく本作。


声優さんも佐藤利奈さんのツンデレ具合がGJ。
御坂美琴がもっと無表情美人さんになった牧 穂乃香は印象的(*‘∀‘)
物語後半のメインといっても過言じゃない主要キャラなので
ぜひ注目してみましょう(/ω\)

EDのカットで、女性キャラの目元アップの部分は
良作画と認定したい。
センチメンタルな心情を画だけで表現するTRIGGER最高。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 47

82.1 4 暴力で群像劇なアニメランキング4位
進撃の巨人 The Final Season(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (502)
2080人が棚に入れました
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は――進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。――やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴璐美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、村瀬歩、川島悠美、松風雅也、沼倉愛美、増田俊樹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大義名分で舗装された道

原作は途中から控えたMEN
1クールにしてはボリューミー全16話です。
※以下3期までのネタバレは隠してないのでご注意を。


エレンたちが海に辿りついてから4年。太平の世が終わりエレンのおかんが食われて9年後の世界。

本放送中に原作が完結したりいよいよか!な〝FINAL”と銘打ちながらまだまだ続きがあるようです。
放送時期毎に感想書いてるとネタがつきてくるもんですが、そうはならない数少ない作品。毎度新たな一面を見せてくれ、それでいて一本筋が通ってるのが特長。

「あれ!?なんか観るアニメ間違えたかしら?」
{netabare}「あれ!?どちらのゴールデンカムイでしたっけ?」{/netabare}

そんな冒頭でさえ不安にならないのはひとえに積み上げたものへの信頼です。きっと回収するはず!
そんなひとつ。見上げた空に羽ばたく鳥たちのオープニングカットは1期第1話を彷彿とさせました。

「あーいよいよ完結するんだなぁ」 
「あーこのあと壁の中はえらいことになってたよなぁ」

そんなオープニングカットからの連想。前者は大河ドラマ並に重厚な物語が終焉を迎える高揚感と一抹の寂しさ。一方で後者が示唆するものはやや不穏。1期で壁内人類を襲った悪夢の再来です。
そうしてFinalseasonはお馴染みの面々抜きで海の向こうの国〝マーレ”側の視点から幕が開きます。ひとまず此度の16話をまとめるなら

 〝16話分のキャラ回”

1クール群像劇なら6話~8話あたりで適宜挿入されるアレ。キャラ評価の逆転を狙う目的なら終盤10話あたりまでと何処にでも挿入可能性あるアレ。敵味方問わず登場人物たちを深掘りし物語に深みをもたらすアレをまるまるやっていただいた印象。
思えば主人公エレン(それとアルミン)の原動力は〝駆逐してやる!”と〝璧外への憧憬”の二つ。憧れを象徴する台詞が「海を見たい」だったと思います。海をイタリア語で〝マーレ(Mare)”と言いますが、そんな海を冠した壁内人類との因縁浅からぬ国と対峙するぞ!というところで3期は終幕してました。
おさらい兼ねて駆け足で振り返る59話↓

 第1期(#01-#25) 人類対巨人の絶望的なパワー差でも抗う人類の意志を描き
 第2期(#26-#37) 絶対真理と思っていた『打倒巨人』の前提に揺らぎが生じ
 第3期(#38-#49) 揺らぎや萌芽が形となって壁内の人間同士の争いへと発展
 第3期(#50-#59) 明かされる世界の仕組み。壁内人類の災難はマーレ起因らしいことが判明
 第4期(#60-#75) 今ここ

そのままマーレを敵認定した組み立ても成立したでしょうがそうはしません。キャラ回をあっさり1話ちょっとで終わらせず、新キャラも順次投入し厚みを持たせていました。代表はガビ♀とファルコ♂の四月に嘘ついてそのうち神様になりそうな実力派声優コンビで息もぴったり。

 戦争は対峙する両者がそれぞれの正義を掲げ絶対的な善悪など存在しない

散々言われてきた使い古されたモチーフです。善悪二元論に傾かない最近の例で超絶ヒットした『鬼○の刃』でも鬼側の事情を丁寧に描くことに奏功してました。

そこに良い意味でえげつなく足を踏み込んでるのがこのFinalseasonではなかったでしょうか。単に相手側の事情説明に終わっていないのが良い。
対立してる二つの視点を擬似体験させる手法が徹底しているため、今目の前で繰り広げられてることや向けられるセリフ随所に〝かつての○○と同じ”フラッシュバックする場面わんさか。その意味ではガビ&ファルコはニコイチでかつてのエレンと見立ててました。死にたがり野郎成分多め「駆逐してやる」状態エレンを担当するのがガビ。その対極、勘はいいけど思慮浅めで戦士適正が低い落ちこぼれエレンなファルコ。


明かされていく伏線に唸るのももちろん楽しいですが、〝かつての○○”がいちいち刺さり、その最たる犠牲者!?ともいえるライナーが第1話(#60)声優紹介のトップを飾っていることがなによりのメッセージかと思われるFinal前半でした。
ただの知識でしかなかった善悪の曖昧さを疑似的に体験できる貴重な経験を得られるかと。文科省推薦にして夏休みの課題アニメにしたらいいと思います。
善悪に関する哲学的な思考。歴史観。各々の価値観次第でなにかしら引っかかるものがある傑作なことは言うまでもないでしょう。



※ネタバレ所感

■仕方なかったってやつだ

{netabare}「尊敬してたのに」とエレンを面罵するファルコ。昔同じこと言われたライナーの表情が蒼ざめる。
「友達だと思ってたのに」と姉の仇ガビに憎しみをぶつけるカヤ。そりゃそうなのです。

「人類を救うためです」シャーディス教官に答えた若き日のライナー。そう!人類を救うためなのよ。

パラディ視点で始まったこの物語は100年続いた安寧をマーレ側が破ったことが発端。抗戦の大義名分ありまくりです。
一方世界からみればパラディ(壁内エルディア人)は長年巨人使って残虐行為の限りを尽くしてきたわけで、それが辺境の島に残存戦力抱えて逃げ込んだ挙句〝地ならし”なんて切り札持ってる連中から「平和を望んでいる」と言われたところでそんなん信じられるか、ボケ!ってのは頷ける話です。

作者の性癖かもわからん。悉くブーメランがライナーに刺さるのが痛ましいのであります。
そして信じてたものが切り崩されてく絶望というものをガビとファルコが受け止めてくれました。おかげでガビの心がガビガビに…(自粛){/netabare}


■まあそう思っちゃうよね

ワルシャワのゲットー(跡地)をほっつき歩いた経験から、居住制限区域が対ユダヤ人のそれに見える。
{netabare}その前提に立つと、腕章での住民ラベリングやちょび髭の閣下風なあの人の登場だったりで、国家マーレにおけるマーレ人とエルディア人の関係はゲルマン人(アーリア人)とユダヤ人とのそれですわな。
密告社会だし、少年兵はヒ○ラーユーゲントだし、ヴィリーダイバーの真実の中に適度に嘘を散りばめた演説がゲッペ○スのそれにも見えるわけでして。

ドイツ人これ観てどう思うんだろ?{/netabare}


■そしてこんな風にも見えるよね

『山河燃ゆ』って大河ドラマをアメリカで放送した時、現地の日系人から猛烈に抗議を受けたそうな。どんな内容か?
{netabare}原作は山崎豊子の『二つの祖国』。その名の通り、大東亜戦争時の日系人の葛藤を描いた意欲作。
それで猛抗議する日系人の事情も配慮しないとですよね。アメリカ人として日本のことなど全く考えもしないという姿勢を見せないと移民国家では悲しいかな生きていけないのです。

被差別民族の忠誠心競争も、そんな彼らを地雷原や最前線に送り込むのもよくある話。
冒頭の戦役は203高地攻略っぽいし、エレン派のクーデターは二・二六事件になぞらえることも可能です。エルディア人=ジャパニーズ説。だいたい鎖国してる島国に列強が襲ってくる図式なんてまんまそれに見えなくもない。{/netabare}


ドイツにせよ日本にせよまたそれだけに限らず、歴史の表裏や機微を上手く表現してるからどの歴史にも代入できるんでしょう。外人さん政治/歴史大好きだから海外でウケるのには納得しますわ。

{netabare}始祖の巨人奪還作戦も示唆に富む気がします。始原への執着は宗教戦争に発展するわけで…
ユダヤ・キリスト・イスラムと聖地エルサレムを巡る三すくみの例は言うまでもなく、人類の始原をアーリア人(インドヨーロッパ語族)とすることで優秀なアーリア人とそれ以外はオマケと見做す選民思想に酔ったハーケンクロイツな面々なんかそうでしょう。これは麻薬にも似た誘惑があるのか、隣国からナンデモ起源説が無くなることもありません。

 優れた我々のルーツ

合理性とは異なる尺度で争いは始まります。2000年単位のエルサレム界隈では対処するための知恵を蓄積してますが、うしろ二つは歴史の長い文脈でいえばまだまだ若い。
始祖マンセーな歴史と最終兵器としての〝始祖の巨人”とでは厳密には話は異なりますが、〝ルーツ”を争いの元としてる点が一つのメッセージのように思えるのでした。{/netabare}



■オマケ

1.制作会社変更
私にはあまり違和感なく移行できてるように見えました。
{netabare}ただピークちゃんのデザインがなんとなく伊藤潤二氏の漫画に出てきそうな見た目だったのが残念。{/netabare}

2.道半ば
2021秋からスタートするクールで完結するらしい。。。
{netabare}まだまだどうなるかわからんですね。いったん地ならししないと収まらん気がします。エレンがミカサやアルミンら守るために偽悪を演じてる可能性も捨てきれず。それで次世代への継承みたいな感じでファルコやガビが新たな世界を歩んでいくような。いずれにせよエレンの未来は暗そう。{/netabare}

3.楽園
イタリア語でもう一つ。楽園を〝パラディソ(Paradiso)”言いますもんね。
{netabare}囲われた島パラディが楽園というのも皮肉が効いております。作中でも罪を犯したエルディア人にお注射ちっくんして島に置き去ることを『楽園送り』と称してるあたり、楽園は薔薇色ではないんですよね。{/netabare}


 地獄への道は善意で舗装されている

ポジティブさの裏に潜む地獄。作中用語であれば〝善意”を〝仕方なかった”に置き換えればよい。



視聴時期:2021年1月~4月 地上波リアタイ

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2021.05.07 初稿
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 41
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ただただすごい!

原作は昔1巻だけ読みましたがほぼ未読です。

3期(~59話)まではWIT STUDIO制作でしたが、今期はMAPPA制作に変わりました。
制作会社が変わると雰囲気などが変わる作品が多いので、大丈夫かなと心配しましたけど皆さんの評判が良いみたいなので、ちょっと期待しながら視聴を始めました。

これはすごい!
様々な謎の提示とそれが徐々に明らかになっていくところももちろん面白いんですが濃密な人間ドラマも丁寧に描かれていて、見終わった直後の感想は「ただただすごい!」でした。

いきなりマーレと連合国との戦争シーンから始まりちょっと面食らいますが、マーレとそこで生きるエルディア人を最初に丁寧に描くことで、それが後ですごく効いてきます。

今までずっと攻められていたパラディ島の人々が{netabare} ついにマーレを攻撃する{/netabare}展開は、3期までしか見ていないのならカタルシスを得られる展開かもしれませんでしたが、前記のとおりマーレでの人々を丁寧に描くことでもっと深みのあるドラマになっていると感じました。

エリンがライナーに語った「お前と同じだよ」という言葉が重いです。

そして67話。悲しすぎる。
サシャも、 {netabare}ライフルを撃った{/netabare}ガビも・・
70話で{netabare}逃げたガビたちを迎えてくれた一家がサシャの実家だったという展開、そしてマーレから来たと知りながらも友達になってくれたサシャの妹のカヤが、サシャを殺したのがガビだと知ったとたん、憎しみの表情を浮かべてガビを殺そうとする {/netabare}展開など、色々と考えてしまう目の離せない展開が続き、そしてやるせない気持ちになりました。

ほかにも、{netabare}ジークの裏切り、そしてエレンの離反と、{/netabare}先の読めない展開が続いてあっという間の75話。
名作だと思います。

続きのFinalパート2が今冬予定ということですが、今からとても楽しみです!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 27
ネタバレ

fluid さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

4期はエレン達が悪人に見える演出、お互い憎しみ合う展開に目が離せません

4期は敵の視点から始まる展開ですね。見たかったエレン達がまったく登場しないのでガッカリしましたが、5話あたりからエレン達が出て来てかなりおもしろくなります。

エレン達がまるで悪人のように見える展開。何が正しいのか分からなくなる演出ですね。敵にも共感できるしエレン達にも共感できるし。お互い憎しみや正義を抱えて今後どんな展開になるのか目が離せません。敵の視点で見せられ続けたのは5話以降の展開をより一層楽しませるためのおぜん立てだったわけですね。毎週次の1話が楽しみです。

1話~は、敵にも敵なりの正義があって、そうせざるを得ない理由とか、穏やかな日常とか、守りたい人とか、片思いとか。見たかったものとは違ったけど、これはこれでかなりGood。

でも敵が正しく見えたり、味方が悪く見えたりする演出って評価が分かれますよね。好きな人物が悪人に見える演出なので、おそらく子供のころに見てたらすごく嫌な感じがしたと思います。でも、表裏の無い人間なんて存在しないと今なら分かるので、むしろ共感できます。絵の中の人物が本当に生きているかのようなリアルな感情描写に引き込まれます。感情の複雑さが素晴らしい。

これ見てると1期のときのアルミンとアニの「良い人」についての会話を思い出しますね。アニ「私がイイ人に見える?」→アルミン「その言い方は好きじゃないんだ。自分にとって都合のよい人をイイ人って呼んでるだけの気がするから。すべての人にとって都合の良い人なんて居ないと思う。」
アルミンはさすがですね。見る人が変われば善悪も入れ替わるあいまいな概念であるということをしっかり理解している。でも、理解してるからと言ってお互いの憎しみやしがらみが無くなるわけじゃないですし。その永遠に解けない謎かけの答えをエレン達が見いだせるのかどうか。4期は激しくぶつかり合いながら、どこに落としどころを持っていくのかがとても気になりますね。

■1話、戦争
見るアニメ間違えたかな?という感じで始まる戦争シーン。
どこの国なのか過去なのか未来なのかも分からない。1話目はずっとこの状態。なんじゃこりゃ。
3期の続きが見たかった人からすると期待外れかも。

■2話、敵の日常
子供たちの成長をまじえて描かれる日常に少しずつ引き込まれていきます。
まるで幼い頃のエレン達のような。重なって見えますね。上手い演出です。

■3話、敵の目的
敵はなぜ壁を壊しに攻めてきたのか。敵の視点で描かれる回想シーン。
そして一番最後に登場する人物が、一目見た瞬間あれ!?という感じで一気に高まる期待感。

■4話、敵の最高権力者が登場
一番えらい人が表に登場することで敵の内部の力関係が見えてきます。
あれ?すごくいい人だぞ?頂点の人物がどの種族に対しても好意的で平和を望んでるのに、なぜこんな状況になってるのか?理由が気になり高まる期待感。そして一番最後に再開する二人。

■5話、明かされる歴史と真実
やっと3期の続きが始まったかなという感じですね。かなりおもしろい。{netabare}
エレンが冷静にすべてを見通して語る姿が大人びた感じがしますね。
敵にも戦う理由や大切な家族が居たりして自分と変わらないんだよなと冷静に語るエレン。普通なら安心できそうな会話なのに、ライナーはエレンのイカレっぷり(怒りの衝動を抑えられない)を知ってるので、引きつる表情がとても良いですね。そして善良な市民を虐殺するエレン。さすがです(笑)賢くなっても根っこの部分は変わらない。やっぱりエレンはエレンでしたね。「たぶん生まれた時からこうなんだ」と自分でも自覚してるところがウケます。{/netabare}

■6話、バトル展開
人と巨人と立体起動が入り乱れる戦闘シーン。愛着のある人物たちの活躍が見られて大満足です。
ただ、制作会社変わったせいか、戦闘シーンが3Dまる出しの安っぽい感じにグレードダウン。
以前のような神がかったド迫力の戦闘シーンはもう見られないのかと思うと残念。

■7話、バトル展開
これやばいですね。敵なのに死なないで欲しいと思ってしまいますね。どんどん敵を応援したくなります。1話~のときは早くエレンを見せてくれ、敵なんてどうでも良いから。という感じだったのに、まさかここまで敵に共感させられるとは思いませんでした。

■音楽
OP、ED、どちらも不協和音使い過ぎで気持ち悪いですね。聞きなれてくるとそうでもないけど。

■今期の評価が低い原因はおそらく
・見たかったエレン達がまったく出てこない
・初視聴だと、とても気持ち悪く聞こえる不協和音。しかも同じ音のパターンを繰り返しすぎでしつこい。
・3期以前から愛着のあるキャラクター達が悪人に見える
今期は出だしでかなり損してる気がしますね。私はかなり楽しめてますが。
悪いものの良さが分かる上級者にしか理解されない演出も多い気がします。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

81.2 5 暴力で群像劇なアニメランキング5位
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (484)
2067人が棚に入れました
イタリア、ネアポリスに住む青年ジョルノ・ジョバァーナは、
ジョースター家の宿敵・DIOの血を継ぐ息子である。
幼少時代に迫害を受けて荒んでいた彼は、一人のギャングの男を
救った事をきっかけに、「人を信じる」ことを学ぶ。奇妙なことに、
恩義を忘れず、敬意を持って自分に接するギャングが、彼の心をまっすぐにしたのだ。
そうして、ジョルノは「ギャング・スター」にあこがれるようになった。
15歳になったジョルノは、イタリアの裏社会を
牛耳るギャング組織「パッショーネ」とトラブルを起こし、狙われることとなり…

声優・キャラクター
小野賢章、中村悠一、諏訪部順一、鳥海浩輔、山下大輝、榎木淳弥
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

イタリアマフィアとJOJOの世界観は良く似合う

原作。これくらいまでは雑誌で読んでたと思う。


 "Vedi Napoli e poi Mori" ナポリを見て死ね

イタリアのナポリを訪れようとすると必ずと言っていいほどこのフレーズを耳にするかと思います。
魚介美味いし風光明媚なんだけど、けっこう怖いところなので気をつけてね。

長丁場の全39話。2019年春期終了もののフィナーレを飾る本作の冒頭舞台はイタリアはナポリです。



さて、JOJOであります。
これまでのアニメ版は未視聴。続きものは普段スルーなのですが、イマイチだったら切ろうぐらい軽めの感覚で視聴開始。
原作ではシリーズ5番目。アニメは原作の第一部二部を合わせて1st Seasonとしたため、本作は4th Seasonに該当するとのことです。

初出が1987年でいまだ現役の怪物タイトルです。どんな話か知らなくても゛JOJO立ち” はなにかしらポージングする局面では選択肢上位に食い込みますし、聞けば分かる名言の宝庫だったり、現代人が嗜むべき教養の一つとなってます。
がっつり部活しないまでも体育の授業で柔道やっていれば、なんとなくルールは覚えてたりするものでしょう。ファンの総数は多い。ファンでなくても経験者含めれば裾野は広い。そんな作品です。

よって、スタンド (幽波紋) がどんなものかを理解していれば、この4th Seasonから参加しても特に問題はありません。ソースは俺。
スタンドは個人の分身みたいなのが幽体離脱して代理で戦争してくれる便利な能力と思っていただければよいし、見てりゃなんとなくわかるでしょう。
そして途中参加OKのもう一つの理由は、過去キャラが物語の本流に入ってこないこと。本作のJOJO、ジョルノジョバーナ (汐華初流乃) は出自がディオと因縁深いものの設定がそうだってことくらいですし、序盤こそ空条承太郎や広瀬康一くんも登場しますが、早々にフェードアウトしていきます。
{netabare}とはいえ終盤であのキャラサプライズ登場もあるにはあったので一概には言えませんが、知らなきゃダメってほどではありませぬ。{/netabare}


そして、JOJOであります。
Q. どのへんが面白いの?
A. ん?だってJOJOじゃん

Q. あそこイマイチじゃなかった?
A. ほらそこはJOJOだから

Q. あれすごかったね?
A. やっぱJOJOはいいよな~

どなたか魅力を説明できる方、宜しくお願い申し上げます。


単行本集めたり、アニメの過去作押さえたりするようなコアなファンではない私です。それでも独特の世界には引き込まれるのです。世界観は保たれているため匙加減での好き好きになりますね。本作ならではの面白みは以下、


■マフィアをJOJOでやってみた
舞台はイタリア。イタリアと言えばマフィア。ジョルノが構成員に加わりその仲間内と敵対勢力との抗争が物語の土台となって、血で血を洗う4th Seasonでした。
冒頭がナポリからです。ゴミ処理利権をマフィアが握っていてちょっとこじらせたら街にゴミを溢れさせました。なんてのがリアルで起こる土地柄です。
そしてこれが“ヤクザ”ではなくて゛マフィア”というのがミソ。いや当たり前の話なんですが… これまた紳士淑女の嗜みといえる名作『ゴッドファーザー』で描かれた血(絆)、掟、非情のJOJO版です。
何かしらの美学を持った男達が割拠するJOJOの世界観と見事に合致します。


■ずっと追ってるか追われてるか
説明不要。よくネタが尽きないな~と感心します。
真面目な話、これで39話持たせるわけです。誰か途中でやめた人おる?


■小野賢章さんのアレ
「無駄無駄無駄無駄ぁー」
つくづく声優さんの滑舌の良さって凄いなを再確認できます。
いまさらながらこの方ハリーポッターの子役だったんですよね。



■余談
きっと君のクラスにもいたはずだ!

{netabare}職場の同じチームに奈良くん、阿部くん、そしてブサ男がおりました。
迷うことなく左から、“ナランチャ”“アベッキオ”“ブチャラティ”とあだ名がつきました。定着したのはナランチャ。他のは呼びにくいのです。
須田さんとかいたらミスタも揃って良かったのにというのはまた別の話。{/netabare}



うーん、これぐらいにしときます。時間あったら旧作も追いかけたいですね。私みたいなライトなJOJOファンでも充分楽しめるイタリア編でした。


 “Vedo JoJo dopo esultino" {netabare}ジョジョを観て歓喜せよ{/netabare}



視聴時期:2018年10月~2019年7月

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2019.07.29 初稿
2020.02.04 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 48
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生まれ落ちる前から身に纏っているもの

荒木飛呂彦先生原作の長編漫画「※1ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風」のアニメ化作品。

今回の舞台はイタリア。2部ではヴェネツィアが、4部ではイタリア料理が取り上げられていましたが、ジョジョの画風に多大な影響を与えたルネッサンス美術発祥の地としても有名ですね。荒木先生のイタリアへの愛は計り知れません。

冒頭のストーリーテラーを務めるのは第4部で活躍したスタンド使いの少年、広瀬康一くん。※2空条承太郎の依頼を受けて、一人イタリアのネアポリス(ナポリ)へと旅立ちます。承太郎さんから直々のご指名とは!康一くん、あんたも成長したもんだ(笑)目的は※3DIOの血を受け継ぐ少年の捜索。

これまでのジョジョを振り返ってみると、主人公の立場が

第1部(舞台:1880年・イギリス)
英国紳士(品行方正、非の打ち所の無い人)

第2部(舞台:1938年・アメリカ)
アメリカ人(ケンカによる投獄7回のチンピラ風の少年)

第3部(舞台:1987年・日本)
日本人高校生(不良のレッテルを張られている。度々暴力事件を起こしている)

第4部(舞台:1999年・日本)
日本人高校生(奇抜な髪型。でも中身は割と普通。ちょいワル少年)

第5部(舞台:2001年・イタリア)
ギャング志望の若者

と、シリーズを追う毎に、何とな~く俗っぽくなっていく傾向があるみたいですね(笑)

ジョジョシリーズは当時の少年向け漫画にしては珍しい、大河ドラマの体をとった作品ですが、その関係で、作中では"ジョースター家の血統"という言葉が目を見張るほど(飽きれるほど?)多くの場面で運用されている印象があります。ともすれば、それがキャラの人格の根幹を成す要素として強調される台詞さえ見受けられたり…。作中に登場する"黄金の精神"や"生まれついての悪"という言葉についても同様。良きにつけ悪しきにつけ、才能、もっと言えば遺伝的特質のユニークさを、原作者の荒木先生が、キャラ造形をする上で取り分け重要視している事が伺えます。

養父の無償の愛を受けながらも自らの性質を変える事のなかった1部のDIO、何不自由無い環境で育ちながらも殺人衝動を抑えられなかった4部の吉良、劣悪な環境で育ちながらも悪には染まり切らなかった本作のジョルノ、それぞれのキャラの個性の在り処は天性とは決して切り離せない場所にある様に思われます。

人は鳥になれないし、その逆もまた然り。思えば、わたし達生物にとって、最も身近な環境とは、外界ではなく、生まれ落ちる前から身に纏っている肉体そのもの。脳や四肢や内臓など…。ジョジョにおける"血統"とは、道徳講義の中で飛び出す「生まれは関係ない。人の価値は成した事で決まる」的な、後天的要素に過度な期待を寄せた綺麗事などによって度外視されるものではなく、むしろ個性の基盤として個々の魂に脈々と息づいているものなのです。生々しさという表現が適当でしょうか、ジョジョに登場するキャラには2次元作品では稀に見るリアリティ、はらわたを引きずり出したかの様な独特の気持ち悪さがあります(褒め言葉)


作画について、4部に続いて最高水準のクオリティ。これまでのシリーズとは比べ物にならない程、複雑怪奇な能力を有するスタンドが数多く登場する第5部なので、漫画表現をどの様に調理してくれるのか興味津々です。比較的単純な能力なので描き易かったのかも知れませんが、ブチャラティのスティッキー・フィンガーズ、ポルポのブラック・サバスの表現については完璧でした。今後とも期待。

音楽について、シリーズを通して安定感抜群のOPEDは健在。OP「Fighting Gold」は前シリーズのPOPな曲調からやや攻撃的な方向に軌道変更している印象。疾走感のある曲になっています。エンディングの選曲については、今回も荒木先生直々のチョイスだそうです。やはりと言うか、さすが原作者、絶妙な相性…。Jodeci氏の「Freek'N You」は、まったりな余韻を残す良曲でした。


様々な境遇に置かれた人々の、歪に入り組んだ精神をダイナミックに描き上げる「ジョジョの奇妙な冒険」、その中では初の、ギャングという悪漢を主役に据えた、4部と並ぶ異色のシリーズ。

ギャングスターを目指すジョルノの旅、最後までしっかりと見届けたいと思います。


※1:英語のPartではなくイタリア語のParte。連載当時の副題は「第5部 ジョルノ・ジョバァーナ 黄金なる遺産」となっていた。漫画単行本のブックカバーの装丁としてあしらわれている文字も第5部(47巻~63巻)ではJOJOではなくGIOGIO。芸が細かい(笑)

※2:第3部の主人公でスタンド使い。ジョースター家の血統に属する。以降のシリーズにも度々登場。

※3:吸血鬼でスタンド使い。ジョースターの一族とは深い因縁がある。


船上のスタンドについて(必ずEpisodio 06「ムーディー・ブルースの逆襲」視聴後にお読み下さい)
{netabare}
「船は2隻あった!」

ブチャラティの台詞と共に明らかになった衝撃的事実ッ(笑)

ズッケェロのスタンド「ソフト・マシーン」の能力は、剣で刺さしたものを(人でも物でも)空気の抜けたゴム風船の様にぺしゃんこにしてしまうというもの。

船を2隻用意し、一隻を剣で刺してぺしゃんこにし、それをもう一隻の船に、服を着せる様に被せて、2隻を1隻に装っていたというのが上の台詞の意味するところ。(多分表面だけでなく内部まで。塗装でコーティングするみたいに)

皮膜の下をモゾモゾ徘徊して不意打ちを仕掛け、ペラペラになった人たちを、そこに引き摺り込んでいたんですね~。例えるなら、床下や天井裏に隠れた忍者が槍でブスリ!とか、排水溝に潜む得体の知れない怪物が、覗き込んだ人をを引きずり込むイメージでしょうか。あなおそろしや(汗)

ブチャラティがスティッキーフィンガーズで船体を攻撃した時、何故皮膜の部分にだけジッパーが開かなかったのか? それであっさりとからくりがばれなかったのか? と言う疑問を他の方のレビューで目にしましたので、これまでのジョジョシリーズを思い返しながら、あれこれと考えてみました。その理由は多分以下の3つ。

1.ブチャラティが皮膜の存在を認識していなかったから。だから皮膜ごとその下の船体をジッパー化してしまった。

2.1の補足ですが、スティッキーフィンガーズは"触れたもの"ではなく拳で"叩いたもの"をジッパー化するから。手加減をしなければ対象物と接触しているものにもエネルギーを伝えてしまうのではないかと思います。スティッキーフィンガーズは服を着ている人の肉体であっても、服越しに叩いて難なくジッパー化しているので、これは間違い無さそうです。(船に被せた皮膜を人間の着る衣服に見立てると解りやすい)

3.通常の物質と"スタンドが融合した物質"は区別出来ないから。

が挙げられると思います。

3も1、2の補足。3部のストレングスや4部のサーフィスを思い出してみると、これらは確か、スタンド使いじゃない人にも見て触れられる類のものだったはず。スタンド能力によってぺしゃんこになった船というのも"スタンドが融合した物質"に含まれるので、生身の手で触っても透けないし、認識し辛かったのかも。でもペラペラ皮膜で覆われた船体ってちょっとだけソフトだったりして(笑)

そしてもう一つ。ズッケェロが再起不能になった後、ペラペラになった仲間達ががパイプの中とかで復元したら危なかったんじゃないの? という疑問について。

もちろんそんなとこに入っていたら大変ですが、それをすると捕虜の位置があっさりとバレてしまう可能性があるので、(作中描写からも分かる様に、もしそうしていたらアバッキオ&ブチャラティに見破られていた)ズッケェロはそうしなかった。

パイプも皮膜で覆われており、両者の隙間に捕虜を隠していたと想像するのが妥当と思います。(それでも狭い場所で復活したらやっぱり危険ですけど)

最後に残った疑問は船底をどう修理したか。内側の船にだけ穴を開けても沈まないし、両方に開けたら両方沈んでしまう。描写が無かったんで何とも言えませんが、船底までは皮膜で覆っていなかったとか…(笑)

これで気兼ねなく次回のジョジョも楽しめますね…って、やっぱりご都合?
{/netabare}

おまけ「中の世界」
{netabare}
(以下、作中人物の台詞とは一切関係ありません)

花京院「ポルナレフ、体の中とか船の中とかさかんに言ってますが、体にも船にも『中の世界』なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。」

ポルナレフ「なに言ってんだ、おめーも見ただろ? 人がジッパーの中から出てきたり、空気の抜けたゴム風船みてーにぺしゃんこになるのを!」

花京院「ええ しかし人体や船体の中にあるのは肉や骨、船室やエンジン、ただそれだけです。」

ポル「教えてもらわなくたって知っとるぜーッ いいか! この場合だぜ! 今の場合をいっとるんだよ! スタンドがあるなら『中の世界』だってあるだろ!」

花京院「ないです」

ポル「おめーなぁ~」

最大の謎はこっちですね。折り畳まれた次元に隠しているとか何とか…ツッコんだら負け確定の設定なので、ここら辺でやめときます(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 42
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

命の限り神にも逆らい戦い続ける

原作既読…
ですが!超忘れてて既読って言えるのか怪しいです(苦笑)

舞台はイタリア。空港とか電車内とか割と近しい再現度だったので
他のいった事ない所も多分再現度高いのかと思います。
気合が入ってますね。風景も楽しめます。

忘れてるとは言え、主人公チームの名前とスタンド能力は覚えてるだろ
と視聴前は思ってました。
完璧に覚えていたのはブチャラティだけ。
{netabare}
・再生…そういやこんな能力だったっけ?(冷汗)で、船のどこに隠れてるん?(滝汗)
・二酸化炭素を追跡できたっけ?知らなかった!
・4番いない理由それなんかー!
・え?こっからどうやって助かるん?蛇の血清?そんな一瞬で効いちゃうぅ!?
{/netabare}
自分の記憶力にいっそう自信を無くした次第です。

た・だ・し! 忘れてるから超面白い!!!
毎回ハラハラドキドキする展開で「え?こっからどうやって挽回するの!?」
と荒木先生の話の展開の巧さに脱帽しっぱなしです。

絵も声優さんの演技も素晴らしいです。
5部から視聴始めてもついてけるはずですので凄くオススメです!

2019.06.15 音楽の配点を4⇒5に修正しました。
{netabare}あのOPを魅せられては{/netabare}変えずには居られませんでした。
声優さんの演技も凄くて、ほんとにアニメ化してくれて心から感謝。
素晴らしいの一言しか出てこないです!

2019.08.30 とっくに見終わっていたんですけど、更新忘れてました
なんといっても最高でした。後半に行くにつれて「まだか…まだか…」
と最新話を撮れたらすぐ見てたのはこれと後数本しかなくって
最後の方は録画じゃなくて完全リアタイ視聴してましたw
OP…最後の変更の時に鳥肌が立ちました。
うぉーーーマジか。いつのまにか{netabare}キンクリ{/netabare}されてたのかぁ!!
と、超興奮してました。

予想できない展開を「なんだとーーー!!」と
アニメキャラと一緒になって画面にツッコミ入れてましたw
とにかく最高でしたー!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 39

69.1 6 暴力で群像劇なアニメランキング6位
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ Ⅱ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (479)
1836人が棚に入れました
大仕事を成し遂げ火星に帰還した鉄華団は、テイワズの庇護の下、ハーフメタル利権に由来する豊富な資金を元に、地球に支部を置くほどの大企業となる。一方、彼らの活躍によって少年兵の有用性が示されたことで、戦場に駆り出される子供やヒューマンデブリの数は激増し、世界の治安は悪化の一途を辿る。エドモントンでの戦いから2年後のある日、アドモス商会の社長となったクーデリアからハーフメタル採掘場の視察の護衛を依頼された鉄華団は、サンドバル・ロイター率いる宇宙海賊夜明けの地平線団の襲撃を受ける。テイワズ本部からガンダム・バルバトスルプスを受領した三日月の活躍で撃退に成功するも、地平線団は主力艦隊を投入して鉄華団を殲滅しようとする。鉄華団と協力関係を結んでいたマクギリスは、部下の石動・カミーチェ率いる援軍を派遣するも、そこにマクギリスを警戒しているアリアンロッド司令のラスタル・エリオンが派遣したイオク・クジャン率いる第二艦隊が介入し戦況は混迷を極めるが、三日月がサンドバルの身柄を抑えたことで戦いは終結。彼らと手を結んでいた活動家団体テラ・リベリオニスも三日月たちによって粛清される。その頃、アーブラウでは防衛軍の発足式典が行われるが、その最中に蒔苗を狙った爆弾テロが発生する。やがて、この事件はSAUの関与が疑われ始め、両者の間では戦争の機運が高まる。

声優・キャラクター
河西健吾、細谷佳正、梅原裕一郎、内匠靖明、村田太志、天﨑滉平、田村睦心、斉藤壮馬、寺崎裕香、金元寿子、櫻井孝宏、大川透
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

“任侠ガンダム”は、《ガンダム・シリーズ》の革命児となるのか?【考察編】

本作の総評/各話評価/個人評点については、第1期のレビューの方にまとめました。
ここでは、①先ず本作のモチーフ等を考察し、②その後に本作の《ガンダム・シリーズ》全体の中での特異性と意義について私見を述べます。

◆“騎士道”ではなく“任侠もの”のノリなので評価に迷うが、構成/作画の見事さには脱帽

本作のような「英雄群像劇」とか「英雄一代記」と称されるバトル系の物語にも色々とバリエーションがあって、その大きな分類の一つは、(1)騎士道もの、と、(2)任侠もの、となると思います。

例えば、本サイトでも非常に高評価であり、私自身も「お気に入り」に登録している『コードギアス 叛逆のルルーシュ』は、この分類でいくと (1)騎士道ものでしょうし、また同じく本サイト等で一部の人たちにカリスマ的な人気のある往年の大作『銀河英雄伝説』(※最近リメイク企画が進行中)も、(1)騎士道ものに分類できるでしょう。

※ここで私が「騎士道もの」といっているのは、
 <1> 主人公たちは、{netabare}それぞれ自身の目的や計画に従って敵と対峙し撃滅を謀(はか)るが、その際に(主に自分自身が何よりも栄誉を重んじる貴族であることから)実は意外と相手の名誉をも重んじる接し方を取ってしまいがちである。{/netabare}
 <2> そもそも、彼らの戦う理由は、{netabare}「自分の愛する人を守るため」「愛する人に危害を加えた者への復讐」あるいは「救いようのない苦難に苛(さいな)まれる人々を見て止むに止まれず」・・・というふうに、専ら他人本位で発生した“高貴な”ものである(つまり根本的な部分で自分本位ではない)。{/netabare}
・・・という特徴を持っている作品となります。

※一方、これに対して本作に描かれる「鉄華団」のメンバーたちの思考・行動パターンは、
 <1> 騎士道精神を貫こうとする者を{netabare}むしろ嘲弄し、彼らを専ら実利的に一方的に撃滅することに躊躇(ためら)いがない(※つまり相手の名誉を重んじるという「騎士の美徳」「武士の情け」がない)。{/netabare}
 <2> 戦う理由が、{netabare}他人ではなく専ら自分自身と自分の「家族」を守り、現状よりも自らにとってより善い環境を獲得する、という“より原初的な”欲求に発している(※つまり根本的な部分で自分と自分の延長である「家族」本位であり、かつその「家族」は血縁者にとどまらず「疑似家族」を含む←逆に言うと彼らが互いに守り守られる関係になるためには「義兄弟の契り」とか「疑似親子の水杯(みずさかづき)」といった任侠的な(=ヤクザっぽい)儀式を必要とする)。{/netabare}
・・・ということで、本作の見始めの頃は、まるで「任侠映画」をみているような気分で、

①確かに一話一話は、脚本も演出も音楽も非常によく工夫されていて見どころが多くて面白いのだけれど、
②このまま漫然と見続けるには結構な抵抗感のある、決して好きにはなれない作風

・・・と思っていました。

そのため、2016年春頃に第1期を見終えた当時の本作への個人的評価は、首を捻りながらも取り敢えず、☆ 3.9 と、私としてはチョイ低めの暫定評点とし、その半年後に始まった第2期も視聴を敬遠していました。

ところがその後、放送完結後の本作の評判が意外に良いことがチラホラと耳に入ってきて、特に色々なサイトや雑誌の2017年放送アニメのベスト作品・ベストキャラクター(男/女)に本作や本作のキャラが選定されているのを幾つも見かけて、「やはりこれは、一度は確り見終えるべき作品かも」と思い直して、もう一度第1期から通しで視聴することにしました。

そうやって視聴していくと、今度は一回目の視聴時には見落としていた作中の色々な仕掛けが見えてくるとともに、特に第2期に入ってからは“ただの任侠もの”ではない本作独自のモチーフに気付き始め、放送終了後の長井監督自身の種明かし(※後記)もあって、完走後直ちに再々視聴を決定、結局2017年放送の作品としては、『冴えない彼女の育て方♭』、『サクラダリセット』に続いて3作目の3周コンプ作品となってしまいました(※第1期に限れば4周)。


◆作品モチーフ等考察(※グダグダ長文注意←適当にスキップ願います)

  【1】 鉄と血で絆を固めた孤児たち(オルフェンズ)の物語
{netabare}
まずは本作タイトルから喚起されるイメージについてですが、世界史マニアの人なら「鉄血」と聞いて直ちに思い浮かべるのは、19世紀後半のプロイセン王国(のちドイツ帝国)で活躍した“鉄血”宰相オットー・フォン・ビスマルクでしょう。

「現下の大問題(※ドイツ統一問題)の解決は、演説や多数決によってではなく・・・鉄と血によってなされる。」
(1862年プロイセン議会での演説)

ここでいう「鉄」は大砲・銃弾・刀剣(つまり武器)、「血」はそれによって流される兵士の血(つまり戦死者・負傷者)をそれぞれ指し、当時プロイセン議会の軍備増強反対に直面していた首相ビスマルクは「このような空疎な議論ではなく、戦争によって初めてドイツの統一が果たされる」と喝破して、彼らの反対を押し切り、このあと現実に対デンマーク戦争/対オーストリア戦争/対フランス戦争の3つの戦争を勝ち抜いて、遂にドイツ統一(1871年)を成し遂げます。
それ以来、もともとマッチョな巨漢だったビスマルクには“鉄血宰相”の綽名(あだな)が定着するとともに、これらの戦争で優秀な参謀司令部の作戦指揮の下、頭頂部の尖った“鉄カブト”を被(かぶ)って憤然と突撃し敵軍を蹴散すドイツ軍には“世界最強の陸軍”というイメージが定着して現在に至っています。
(※アニメの世界でもマッチョな軍団といえばドイツ軍イメージが定番ですね。)

そして、本作のタイトル「鉄血~」も、おそらくは、このビスマルクとドイツ軍の故事からヒントを得て付けられたものと思いますが、作品内容自体はそこから更に捻(ひね)ってあって

<1> “鉄血”宰相ビスマルクのイメージ → 敵ラスボス的な存在のエリオン公ラスタル(※第2期で権謀術数を弄してマクギリス派革命軍&鉄華団の前に立ちはだかり、最終的には彼らの叛乱をも利用して既存体制の変革を成し遂げる冷徹・非情・狡猾な統合治安維持組織ギャラルホルン首魁)
<2> 実際に“鉄と血”を蕩尽(※とうじん、「湯水の如く費消する」という意味)して奮戦する精鋭 → 鉄華団(※本作の主役たちであり、本作に描かれた変革の時代のdriving force(駆動力、推進者)となった者たち)

・・・という風に、敵味方の両極に分離して描き出されているように私には見えました。
つまり、同じ「鉄血」モチーフでも、

<1> エリオン公ラスタルの方は作中世界で最大・最強の武力を誇るギャラルホルンを統括するセブンスターズ(7大軍閥)の盟主であり、史実にあるビスマルク首相もプロイセン王国の教養あるユンカー(地方領主)出身の実力派宰相だったのに対して、
<2> 「鉄華団」の孤児たちは、

「俺達はあんたとは違う。立派な理想も志もねえ。土台のねえ俺らは進み続けることでしか自分たちの居場所を守ることが出来ねえんだ。」(第25話でオルガ(鉄華団のリーダー)がクーデリア(※火星アーブラウ領クリュセ独立自治区首相令嬢であり、辺境とはいえやはり教養ある貴族階級と思われる)に漏らした言葉)

この発言に象徴されるように、鉄華団の団員達は殆(ほとん)ど奴隷労働者とでも呼ぶべき境遇から文字通り鉄と血に塗(まみ)れて這い上がってきた“一代目の人たち”“成りあがり者たち”であり、そんな彼らからすれば、自己陶酔的な貴族サマが望む「一対一の決闘申込」(第3話のクランク二尉)とか「相手の戦闘準備が整うまで攻撃を待って正々堂々と戦う」(第23話のカルタ・イシュー)といった騎士道的な振る舞いは、屁にもならない愚行でしかありませんでした。{/netabare}

  【2】 新撰組モチーフのドラマチック展開
{netabare}
こうした“一代目の人たち”“成り上がり者たち”を主役にした群像劇は、実は日本とか西洋には珍しくて(※なぜなら、その歴史を通して血統正しい王族・貴族や騎士・武士が活躍する物語が多かったから)、易姓革命によって次から次へと君主や支配者層が打ち倒され入れ替わってきた中国由来の物語に多いスタイル(※例えば、『史記』に描かれる項羽と劉邦の抗争や『三国志』『水滸伝』)であり、辛うじて日本でいえば、アンダーグラウンドなヤクザの物語を除外すれば、歴史に浮上したのは、せいぜい幕末の“新撰組”の物語くらいかな?と思って視聴を続けていたら・・・

第2期の放送終了後に、公式番組(鉄血ラジオ第81回)で、長井龍雪監督ご自身が本作について、

・新撰組はイメージモチーフ。企画書にも書いてある
・三日月とオルガは近藤と沖田と土方の好戦的な部分をミックスさせて2で割ったもの

・・・と、そのままズバリ語ったそうで、そういえば、本作の第1期の1番目OPが『Raise your flag』(※直訳すると「君たちの旗を揚げよ」)となっていて、第2期の1番目OP『少年の果』になると今度は「錦の御旗を掲げよう」という歌詞が唐突に現れ、鉄華団のメンバー達の行動・思考パターンから喚起されるイメージと併せて、「あれ?これもしかして幕末モチーフなの?」と薄々感づいてはいたのですが、ああ、やっぱり・・・というか、成る程というか、監督の発言を知って妙に腑が落ちました。

※因みに第1期1番目OP『Raise your flag』に合わせて作中で掲げられる鉄華団の旗は「鉄の華」。→華の形は明らかにフリージア(※第2期2番目OP『Freesia』参照)で、花言葉は“純潔/無邪気/あどけなさ/憧れ/感受性”だそうです。←これって新撰組の“誠”の旗にも通じる設定ですね。

そして、この“新撰組&幕末モチーフ”の方も、上記の“鉄血”モチーフと同様、そのまま作品に適用するのではなくて、捻(ひね)ってあって

<1> こっちの新撰組(※鉄華団=虐待され酷使されていた孤児たちが鉄と血の絆で団結した精鋭武装集団)は、元ネタの史実とは違って、佐幕派(※徳川幕府並みに300年続く守旧派・ギャラルホルン幕府)ではなく、討幕派(※“錦の御旗”を掲げるマクギリス一派)に加担して、佐幕派の返り討ちに遭い壊滅してしまう。
<2> ただし佐幕派(※ギャラルホルン幕府)は、この騒動を機に内部改革を断交して民主化を達成し、また新撰組(※鉄華団)の故郷・火星も民主化の成った新生ギャラルホルンとの交渉によって念願の独立を達成し、鉄華団の元団員や協力者達は新たな立場でそれぞれの未来を切り開いている。

・・・という風に、この手の作品(※《メカ・ロボット系バトルもの》)にありがちな意味不明のグダグダな結末ではなく、確りした好感の持てる結末(※将来に希望を繋ぎつつもほろ苦さの残る結末=ビター・エンド)になっている点が個人的にかなりの好印象となりました。

そして、この「変革の時代の“Driving Force”(※「駆動力」「推進力」という意味で、歴史用語としてしばしば使われる)となって華々しく散る鉄華団」「彼らの後には“ギャラルホルンの民主化”と“火星独立”という確かな果実が残される」という結末はまた、アニメの先行作品としては直ちに『太陽の牙ダグラム』(1981-83年)を想起させるものでした。{/netabare}

  【3】 “革命の乙女”と“ダークヒーローのなり損ね”のもたらす対照的な結果
{netabare}
鉄華団自体は、親の顔を碌に知らずマトモな教育の機会も与えられなかった孤児たちという境遇から、通常は国家や地域社会や累代の血族たちから自然に授けられる「歴史的背景」とか「(政治的・思想的な意味での)教養」を持たず、それ故にセブンスターズやクーデリアのような“高い理想”や“志”を持たない、専ら自己とその“家族”の利益のため“だけ”に死力を尽くす精鋭武装集団ですが、
(1) そんな彼らの“覚悟の良さ”に魅せられて自らの覚悟をも決めてしまう者、また、
(2) そうした彼らの持つ“火事場の馬鹿力”を自己の計画の達成のために最大限に利用しようと画策する者が現れます。

(1) 前者が火星独立運動家クーデリア・藍那・バーンスタインであり、(2) 後者がセブンスターズ(7大軍閥)の一翼の跡取り(のち当主)マクギリス・ファリドなのですが、結局、鉄華団としては、

(1) クーデリアを事業の依頼主として行動を起こしていた頃は、波乱万丈とはいえ武装集団として前進に継ぐ前進を果たして、大きく羽ばたくことが出来たのですが(※第1期の展開)、
(2) マクギリスに「自分の計画に協力すれば火星の王にしてやる(※火星の治安維持権限を与える)」と煽てられ、そのクーデター計画に加担してしまってからは、一方的に損害を出す分の悪い勝負にズルズルと引き擦り込まれ、シノ/オルガ/昭弘/三日月といった主力メンバーたちが次々と悲劇的な最期を迎えてしまうことになる(※第2期の展開)。

同じことですが、これを別の言い方をすると・・・
(1) 火星の自治政府の首相令嬢という恵まれた生まれでありながら(※むしろそれゆえに一種の“ノブレス・オブリージュ”として)、虐げられた火星の人たちの独立を全身全霊で希求する“革命の乙女”(※他称)として覚醒を遂げたクーデリアとの協力関係は、ビターエンドとはいえ、最終的には本部から脱出した元鉄華団員たちにとって、正(プラス)の結果を生み出す一方、
(2) 腐敗した治安維持組織ギャラルホルンの指導者の一人ファリド公イズナリオの男色の相手として貧民窟から拾われ、同家の養子に入り、その中で既存の貴族社会を打倒するという暗い情念を密かに抱き続けてきた“アグニカ・カイエルの再来”(※自称)マクギリス・ファリドとの共闘は、鉄華団の主力メンバーの相次ぐ戦死・団自体の壊滅という最大の負(マイナス)をもたらすものとなってしまう。

・・・この組む相手によって全く対照的となる結末のつけ方は、客観的に見て決して“正義の集団”とはいえない(※どちらかというと団員たちの“任侠的価値観に基づいた美意識を満たすための集団”である)鉄華団の一部始終を描いた物語のケジメとして妥当なものだったように思います。

※なお、マクギリス・ファリドについては、『コードギアス』のルルーシュ、『銀河英雄伝説』のラインハルトのような“ダークヒーロー”のなり損ね的な扱いになっていて、その点の考察も実は面白い作品なのですが、ここでは割愛します。{/netabare}

  【4】 “鉄華団”と“太陽の牙”の比較
{netabare}
本作のエピローグとして、鉄華団の壊滅から数年後、彼らの墓標は世間からは全く忘れ去られ、ただかっての協力者の生き残りクーデリアとアトラの二人の女性によって大切に守られている、というシーンがありますが、これを見ていて、私は、本作とよく似たシナリオを持つ往年の大作『太陽の牙ダグラム』(1981-83年)のラストシーンで、それまで地球に虐げられてきた植民惑星デロイアの自治独立運動を武力面で支えてきたゲリラ組織「太陽の牙」の象徴だった二足歩行ロボ(ダグラム)が砂漠で自沈した際に、その鹵獲命令を受けて追跡してきた反対組織側の指揮官や兵士たちが総敬礼するシーンを想起しました。

→ 鉄華団はクーデリアの火星独立活動に多大な戦死者を出しつつ協力し、マクギリス一派の叛乱事件では「火星の王」となることを目指したが、それはあくまで、そうすることが彼らにとっての仁義であったり、実益をもたらすものとの期待(もしくは打算)があったため(※つまり結局のところは自分本位の集団であり、火星の人たちにとって別に“正義の味方”でも何でもなかった→それゆえに火星の人々からは忘れ去られてしまった)。

→ これに対して「太陽の牙」は、その存在意義自体が「植民惑星デロイアの自治独立獲得」にあり、そのために命をなげうって戦う集団だった(※つまり自分本位の集団では決してなく、惑星デロイアの人たちにとってまさに“正義の味方”だった→それゆえに反対組織からの総敬礼を呼び起こした){/netabare}


※次に、《ガンダム・シリーズ》全体に対する《異色作》としての本作のインパクトを少しばかり考察していきます。


◆西暦2000年以降に制作された主な《ガンダム・シリーズ》一覧(制作順)
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{netabare}(1) 『機動戦士ガンダムSEED』 (福田己津央/全50話+1話/2002–03年) ※個人評価 ☆ 3.7 ※HDリマスターは全48話
(2) 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』 (福田己津央/全50話+1話/2004–05年) ※個人評価 ★ 4.1 ※HDリマスターは全50話
(3) 『機動戦士ガンダム00(1st./2nd.シーズン)』 (水島精二/全50話/2007–8、2008-9年) ※個人評価 ★ 4.1
(4) 『機動戦士ガンダムUC』 (古橋一浩/全7部/2010–14年) ※個人評価 ★ 4.4 ※のち、再構成版TVシリーズ『機動戦士ガンダムUC RE:0096』(全22話/2016年、※個人評価 ★ 4.3)を放送
(5) 『機動戦士ガンダムAGE』 (山口晋/全49話/2011-12年) ※個人評価 ★ 4.2
(6) 『ガンダムビルドファイターズ(1期)/ファイターズトライ(2期)』 (長崎健司/25+25話/2013-14、2015-16年) ※個人評価 ☆ 3.6
(7) 『ガンダム Gのレコンギスタ』 (富野由悠季/全26話/2014-15年) ※個人評価 ☆ 3.6
(8) 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』 (松尾衡/8話+未完/2015-16年) ※個人評価 × 3.3 ※追加シーン付き劇場版2本(『DECEMBER SKY』『BANDIT FLOWER』)を公開
(9) 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(第1-2期)』 (長井龍雪/全50話/2015-16、2016-17年) ※個人評価 ★★ 4.5
(10) 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 (安彦良和・今西隆志/全6作/2015-18) ※個人評価 ☆ 3.6
(11) 『ガンダムビルドダイバーズ』 (綿田慎也/現在放送中/2018年) ※個人評価 ☆ 3.5{/netabare}
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<1> このうち西暦2000年代に制作された最初の3本(SEED/SEED DESTINY/00)は、内容はともかく新規ファンの獲得という点では成功作(※特に SEED は大成功作)といえると思います(※DESTINY は悪評も含めて一応は話題作)。
<2> また、UC/THE ORIGINの2本は、それぞれヒットはしましたが、おそらく既存のU.C.(宇宙世紀)シリーズのファンの支持を受けただけで、新規のファンを獲得したとは言い難い。
<3> そして、AGE/Gレコは、新規ファンの獲得という意味では失敗作、とくにGレコの方ははっきりとした爆死作といえると思います(※なお、AGEは個人的には好感度の高い作品となりました)。
<4> その他、ガンダムビルド~は、新規ファンの獲得に成功したかはよく分かりませんが、その親世代のガンダム・ファンには受けた作品と推測します。

・・・ということで、
<5> 西暦2010年代に入ってから制作された《ガンダム・シリーズ》の中で、胸を張って“新規ファンを獲得できた”といえるのは、本作『鉄血のオルフェンズ』だけではないでしょうか?
(※私見では、本作にはそうなるだけの魅力-近年のガンダム他作品にはない特別な魅力-があった、と思っています)


◆考察まとめ :《ガンダム・シリーズ》の今後に対する本作の影響は?

本レビューの一番最初に、

「英雄群像劇」とか「英雄一代記」と呼ばれるバトル系の物語にも色々とバリエーションがあって、その大きな分類の一つは、(1)騎士道もの と (2)任侠もの

・・・と書いていますが、実はこの分類にはもうひとつ、騎士道ものでも任侠ものでもない、便宜的に、

(3) プロ市民もの(*1)、

とでも称すべきサブジャンルがある、と思っていて、その代表作が、『機動戦士ガンダム』(初代ガンダム)と考えているのですが・・・

<1> その初代ガンダムの原作者であり監督である富野由悠季氏が久々に監督を務めた『ガンダム Gのレコンギスタ』が見るも無残な爆死を遂げる一方で、
<2> その半年後に放送が始まった、メカ・デザイン的にはともかく登場キャラの設定的には初代ガンダムのイメージが皆無の(※つまり、これまで《ガンダム・シリーズ》の諸作品の中で繰り返し描かれてきたアムロ的な一面を引きずっているキャラクターが皆無の)この『鉄血~』が、主に新規ファン獲得成功によって収益面でかなりの好成績を収め、それまで本作について否定的な評価を繰り返してきた既存ファン層も次第に沈黙を余儀なくされていったことの意義は意外と大きいのではないでしょうか?

・・・つまり、《ガンダム・シリーズ》をスポンサードする玩具会社、そしてアニメーション企画会社・制作会社が、最早アムロをどこかしら引きずるキャラを主人公とする作品は売れなくて、その正反対のキャラ付けをした主人公の作品の方がずっと売れる、という学習効果をきちんと受け容れるとしたら、今後制作される新作にも、そういう制作方針が踏襲される可能性が高まるはずです。

(*1) 『ガンダム』の主人公アムロ・レイが、騎士道的でもなく任侠的でも全くない、どういう訳かとにかく教条的・原理主義的な戦闘忌避・反戦主義者で、それでいて散々勿体をつけて嫌々ながら戦闘に入ると、俄然君子豹変して無類の強さを発揮してしまう意味不明な(※もしかして逆ギレ?)タイプであることから、そういうアムロのような思考・行動パターンのモデルとなったのかも?な「プロ市民」の方々に敬意を表して、便宜的に「プロ市民もの」とここでは命名しています(※もっと適切な命名があればご意見を下さい)。

なお、ここで「プロ市民」という言葉の意味が分からない人は検索してみて下さい。
簡単にいうと「プロテスト(抗議、異議申し立て)する市民」という意味で、ガンダムに搭乗して出撃することを嫌がり駄々をこねたり拗ねて周囲に当たり散らすアムロにピッタリな用語ですが、他にも「プロフェッショナルな市民」「プロブレムをまき散らす市民」「プロパガンダを繰り返す市民」等の複合的な意味があるそうです。

また、蛇足ながら富野由悠季監督は1941年11月生まれで、1960年の安保闘争(60年安保)当時は丁度東京で大学生をしていた世代であり、かつこの世代はのちの70年安保世代(全共闘世代)と並んで「プロ市民」としての自覚に富む人が多いとされていて、『機動戦士ガンダム』の主人公アムロ・レイだけでなく富野監督の次作『伝説巨神イデオン』の主人公ユウキ・コスモのキャラ付けにも、そういう彼の所属した世代の価値観が反映されているのかも知れません。


・・・以上まとめると、最初に書いたとおり本作を見始めた当初は、「何だ、この“任侠ガンダム”は?」と訝(いぶか)しむ気持ちが強かったのですが、途中から、「結果的に“プロ市民”ガンダムを駆逐してくれるのなら、本作みたいなのも有りかな?」という気持ちに次第に変化してしまい、それが私の本作への個人的評価が大きくプラスへと変わる決め手となったように思います。

※因みに、私が本当に見たいのは“騎士道”ガンダムなのですが、そういう作品は今のところ未だ制作されていません(一応、『機動戦士ガンダムUC』が一番それに近いと思いますが)。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 22

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

戦場じゃあまともな奴から死んで行くんだよ!この滅びの美学を見よ!

2016年~2017年放送のテレビアニメ 全25話
 
監督 長井龍雪 構成 岡田摩里 音楽 横山克 制作 サンライズ

基本ストーリーは長井龍雪が決め、設定に鴨志田一、キャラ原案に「皇国の守護者」の伊藤悠が当たった。
脚本は岡田摩里と鴨志田一が交互に、さらに一部をベテランの吉野弘幸、黒田洋介など。

最も不満だった点はメインの舞台であるテラフォーミングされた火星の描写がほとんど無いこと。
遠くに見えるはげ山は現在の火星の想像図でありテラフォーミングされて数百年後とは思えない。
過去作から監督と脚本はSFと無縁の人のようですが、
本格SFロボットアニメである以上、最も気を使ってほしい部分であり、
機動戦艦ナデシコやARIAなどの過去作より劣る結果になりました。

第二期のストーリーは歴史ファンなら一目瞭然、「源家物語」です。
歴史ファン以外の人に説明すると、
平家と源氏、なぜ家と氏なのか考えてみてください。
源平合戦の前半、保元平治の乱で源家は滅びたのです。
源氏とは諸国に散らばった源家の関係者を指し、平家とは平の一家を指します。
富士川の戦いは平清盛の派遣した軍と平氏の分家北条氏の戦いです。
「源家物語」とは書かれなかった源義朝と源家の滅びの物語のことです。

本作における長距離決戦用兵器ダインスレイブは当時の新兵器弓を指し、
平治物語で機動力に奢った源氏武者が平氏の弓一斉攻撃の前に総崩れになるシーンがネタ元と思われます。

源家と鉄華団の主人物を照らすと、
オルガ・イツカ→源義朝(京の戦いに敗れ本拠地関東に逃走中に暗殺される)
三日月・オーガス→悪源太義平(義朝の死後も平家に戦いを挑み戦死する)
ノルバ・シノ→鎮西八郎為朝(新兵器強弓で平清盛を狙い失敗する)

クーデリア・バーンスタイン→後白河法皇
マクギリス・ファリド→崇徳上皇
ラスタル・エリオン→平清盛

源家物語とは平家物語の10数年前の歴史であり、日本人で詳しい人は多くない。

滅びの美学をすでに知っている人にとっては間違いなく傑作物語であるが、
吉川英治の「新平家物語」でも読まないことには分かりづらいネタでもある。

このストーリーの意味が理解できない場合、本作の後半はストレスが溜まるばかりかもしれない。
幸い自分は何度も読んだ物語のため、第二期後半は非常にすんなりと観ることが出来たため、
相当な名作として評価できました。
もっとロボや使用武器などを研究して説明したいところですが、
長大になるため興味がある人は説明本を読んで何度も視聴すれば人生の糧ともなる、
素晴らしいアニメ作品であると私は判断できました。

元ネタとして滝沢馬琴の「椿説弓張月」12年のNHK大河ドラマ「平清盛」
古書「保元物語」「平治物語」「源平盛衰記」
吉川英治作「新平家物語」NHK大河ドラマ「新平家物語」は消去
任侠系については、やや後の時代の大河ドラマ「草燃える」が元ネタ

投稿 : 2024/11/23
♥ : 35
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

不在の政治性

*内容に変更はありません



一期のラストで主人公と子供たちに出された「宿題」は果たされ、二期の終幕では本が読めるようになった主人公。
しかし、その「先」を自らが考え出すには、作中の時間は足りなかったようだ。


{netabare}作中で何度も、教育が無いために稼いだ金銭の使い途すらも考えることが出来ないと描かれる鉄華団団員だが、彼らをまとめる唯一の理念は「家族」として表現される。
ヤクザの「一家」に近似してゆくのも、必然かもしれない。

主人公がアトラとの間に子供を作ろうとするのも、ヤンキーにありがちな早婚ではなく、「本を読める」ようになった主人公の精一杯に見出したものが、「家族」であったからだ。
クーデリアに「赤ちゃんを作ろう」と呼びかけるアトラは、別に性的関係を結ぼうと誘っているのではなく、言葉通りに「子供を作ろう」=「家族になろう」という素直な呼びかけをしているに過ぎない。

キャラクターの一人一人を、丁寧に細かく描写しているために、彼らの「家族」は、とても自然に強固なものに見える。
が、「家族」の枠を超えて人がつながるためには、何らかの理念が必要になる。
例えば、イデオロギーはその一つだ。

「家族」の実体性を演出するため、本作では「イデオロギー」は空虚な否定性として描かれざるを得ないようだ。

二期の冒頭でクーデリアに接近する「活動家」が、三流のイデオローグとして描かれるのがその現れだろう。
いや、イデオローグを名乗る、単なる「政治ゴロ」として描いてしまう視点が、本作のストーリーラインを規定している。
終幕のマクギリスの挙兵の場面において、彼の主張が対抗勢力から「たんなる詭弁だ」と一蹴されてしまうのも、同じ流れからくる必然だろう。
視聴者からはほとんど意味不明に見えるマクギリスの主張と戦略は、説得的なイデオロギーを描写することが、設定の必然によってあらかじめ不可能と定められていることによる。

ラスタルとの開戦の後、火星へ退却するマクギリスに対して「鉄華団の戦闘は、降りかかる攻撃を退けてきただけだ」と語るオルガだが、そもそも「鉄華団」を結成し、これを経営しなければならない境遇自体が、社会からの「攻撃」であるという視点は持てない。
自分の過酷な少年時代を、社会からの「攻撃」であったと自覚したマクギリスと対照的だが、ここでも「教育」の有無が視点の差を生んでいるようだ。
しかし、「攻撃」に対抗する反抗を、イデオロギーとして表現することまでは、上記の理由で出来ない。
イデオロギーが不在である結果、オルガは、ついに「家族」の生存を超えるその先を指し示すことが出来ないまま、最後を迎える。

社会的な不正義を表現する「理論」の不在が、マクギリスの決起に際して、火星側からは鉄華団ただ一つが参加するという作劇になって展開される流れを生む。
何らかの「理念」の共有が存在していないことが、「鉄華団」が応援勢力を招集できずに単体で戦闘参加する展開を必然化する。
「家族」を超える理念を持てない鉄華団は、「家族」外の助力を応集する影響力を持てない。

作中の「世界」においては自然で必然的な展開なのだが、この必然を生むのはイデオロギーの排除という設定だ。

この現状は、火星の「全住民」に関係する不公正の現れであると「理論化」するイデオロギーの不在。
「俺は儲かっているから関係ない」と言う者も例外ではないのだ、という「理論」の不在。

象徴的に言うならば、この「世界」には「ジオン・ダイクン」が不在である、と言えるだろう。
逆説的に、イデオローグ=ジオン・ダイクンの不在によって、この「世界」の政治性は定義されている。


作中からイデオロギーが排除されるのは、アニメ作品に政治的なものが入り込むことに拒絶的な視聴者の気分を配慮してのことかもしれない。

だが、アニメに政治を持ち込むな、というのも一つの「イデオロギー」だ。
アニメは政治と切り離されている、というのは、即物的な事実ではなく、そのような「見方」をするという態度表明に過ぎない。

ウヨクが「反日アニメだ」、サヨクが「大政翼賛アニメだ」と主張するときに、それぞれのイデオロギーからの視点を明確にしなくては説得力が皆無であるように、「政治的に中立なアニメ」とみるためには、中立性を証明する必要があるだろう。
自明の事実だからそんな必要はない、と言うだけでは、説明抜きに「反日アニメ」「大政翼賛アニメ」と言い放つ人がまともに相手をされない事態をなぞるだけにしかなるまい。

本作におけるイデオロギーの積極的な排除は、視聴者の欲望に応えて、中立性を自己証明する意図があるように見える。

しかし、イデオロギーの不在は、反対に立つギャラルホルンの、特にラスタルの立場をも不安定にする。

終盤の決戦におけるラスタルの立場や役割が、今一つすっきりと視聴者に了解されないのは、イデオロギーの不在が反対者のイデオロギーをも曖昧にするからだろう。

思い出したように「合法/非合法」や「マスコミ工作」が持ち出されるが、いかにも唐突だ。
作中の設定に入り込んでみれば、支配システムが劣化して「法治」が形骸化している、平たく言えば、「影響力」があれば法律に違反しても罰を受けなくても良いという、「支配者」が法律を捻じ曲げて世の中が動いているという状況だが、これも視聴者の政治観に寄り添った表現なのだと言えるかもしれない。
「政治」は「えらい人」が「上の方で」動かしている「難しい」ごちゃごちゃで、「自分なんか」には「カンケー無い」出来事であるという政治観を反映しているのだと。

だとすれば、自分の予想や期待に反する展開に出会うたびに「クズ」「カス」とレッテルを貼ることが権利であると疑わない視聴者が、終幕の不透明ですっきりとしない展開を間接的に制作者に要求したのだ、と言えなくもない。


だが、イデオロギーが不在であっても、それがそのまま政治性が無いということにはならない。

確かに、イデオロギーによる「正義」の争奪を、製作者は退けているように見える。

それぞれの立場に、それぞれの「正義」があり、互いに尊重し合うべきだというのが現在主流の考え方だろう。
それぞれの「正義」に応じて、「現実」はそれぞれに異なって見える。
他者の見え方を否定することはできない。

だが、通常の普通人は、他者と共に一つの現実に生きていると「信憑」しているはずだ。
歩行者天国に車が突っ込んできたとき、逃げ惑う人々を見ながら「彼らにとっての『車』は私にとっての現実とは限らない」と傍観する人はいないだろう。
誰でも一斉に車から逃げ惑う。
車から逃げなければならない同じ「現実」に、他者も自分も所属していると疑いの余地なく感じている。

いわば物理的に唯一であると信憑されている「世界」を、多様な価値観による異なった「世界」という解釈で取り仕切るのは、もう無理がきているのではないか。

「無理」は、「現実」的な衝突に至るほかないだろう。
本作の戦闘シーンにおいては、戦うキャラクターたちは、互いに交感することは無い。
敵手は、ただの邪魔者、排除すべき対象として現れ、殺すことに互いにためらいはない。

敵であっても殺してはならない、戦いは肯定されてはならない、といったアニメ的な理念は、つまるところ「現状の社会を乱すものが悪」というタブーへ行き着く。
いっけん非情な殺し合いを描く本作は、このような「タブー」の欺瞞を冷静に対象化する製作者の視線を物語っているようだ。

体制の不変を絶対とする「タブー」は、社会に圧殺されようとする者に反撃を禁じる。
普通に物語を構想すれば、反撃をするには、「タブー」を覆すに足る「正義」が要請されるだろう。

しかし正義を裏付ける「イデオロギー」が排除されていれば、残るのは、いかに体制から虐待されているかという事実性しかない。
マクギリスの空想的な決起の呼びかけの背後にも、社会に虐待を押し付けられた幼少期という具体性がある。
ともすれば「奴隷の鎖自慢」のように、一番不幸なものが一番正しいという「不幸自慢」に陥りかねない作劇だが、ラスタルや、イオクですらも背負うものがあることを丁寧に見せることで、製作者は巧妙に切り抜けているようだ。
こうした点で、キャラをかき分ける製作者の手腕は非常に巧妙だ。

こうして、互いが互いの邪魔者として、互いに排除しなければならない敵である非情な戦いは、製作者の怜悧な視線の下に実現した。

同時に、「正しい」を主張し合うのではなく、「許せないもの」を撃滅するという形での政治性が浮上する。


一期のレビューで、作品世界に「影響力」の綱引きという形で「政治」性が登場したと記した。

影響力は「正しさ」を主張するイデオロギーによってだけ生まれるものではないのではないか。

視聴者が「政治」が作品内に入り込むのを嫌うのは、イデオロギーの主張する「正義」が不完全で、自分の「正義」と完全に一致することが無いからだろう。
不完全な「正義」を、唯一絶対の「正義」だと主張するイデオロギーへの不信。
こんな「正義」で人が殺されるのを正当化されるのは、いかにもグロテスクに見える、と。

だが、政治性は「正しさ」を競う形でだけ現れるとは限らない。
何が「許せない」かという形での闘争もあり得る。

現実の政治においても、選挙の投票率が低いのは、「正しさ」が完全であるかという面からのみ「政治性」が捉えられているせいだろう。
商店で商品を選ぶように、「私を100パーセント満足させる商品=正しい候補に、対価=投票を与える」のが選挙であると考えていれば、どの候補にも投票できないのは当然だ。
が、絶対に「許せない」ものは何かという視点もまた、政治的だろう。
「許せないもの」を殴りつける棍棒のような道具として有効な候補者を選ぶ、という視点もあり得る。

「家族」的な絆で内向きに結束する鉄華団が、それでもクーデリアやマカナエと協同できたのは、「許せない」ものが共有されていたからだ。
理由は異なるかもしれないが、「現に、私が」許せないものが同じである共有性が、彼らを結び付ける。
こうして作中の闘いは、互いに「許せない」ものを叩き潰すものとして、描き出されることになる。
戦いの帰結が、互いの「許せない」ものをどれだけ消滅させるかの「影響力」の増減を生み出すだろう。


一期の終幕において、「許せない」ものへの攻撃として起ちあがった鉄華団の「蜂起」は、二期においてはマクギリスによって担われたようだ。

社会に敵対するものとして起こされた彼の決起は、主観的には「蜂起」なのだろう。
「蜂起」の同志は、彼と共に起った部下たちではない。
死の間際に、社会に反逆して戦いに挑む者たちの登場を予期したように、あとに続く無数の「蜂起」者へ向けて、先陣を切ったアジテーターとして自己了解していたのではないか。

殆んど一貫した理屈の見えないマクギリスの演説だが、そもそも「理論」は問題ではない。
「反対するなら代案を示せ」は、現状維持勢力が、反対=「許せない」と言わせないために持ち出すイデオロギー言語に過ぎない。
何よりもまず「許せない」と宣言すること。代案は反対の必要条件ではない。それが蜂起だ。


ラストで、再び影響力のプレーヤーとしてクーデリアが浮上する。
プレーヤーとしての登場自体が影響力の駆け引きの結果と描写されているが、駆け引きの結果でヒューマンデブリや火星自治の状況が改善されたのであれば、鉄華団やマクギリス艦隊の戦闘と死は、無意味だったのだろうか。

もちろん、彼らの闘いが支配階層を「改心」させて「正義」に目覚めさせたわけではない。
それが不満ですっきりしない視聴者もいるかもしれない。
結局、頂上に立つギャラルホルンの支配性はそのままではないか、と。


フランスでは1789年の大革命以来、19世紀を通じて共和制、帝政、王政と目まぐるしく政体が変わり続けた。
しかし、共和制から王政に変るときでも、選挙権や労働権、福祉などは、少しづつでも拡大してきた。
大革命という暴力と、続く大小の市民の蜂起という実力行使が、時々の支配者に、市民に「配慮」させざるを得ないよう強制し続けたのだ。

本作の「世界」で、ヒューマンデブリが存在し続けたのは、彼らを搾取することで利益を得るものが、存続を望み続けていたからと言える。
ヒューマンデブリが消滅すれば、それによって不利益を被るものが必ずいる。
破産して自死するものも出るかもしれない。

だが、「影響力」の駆け引きの地図が、支配者に、ヒューマンデブリに配慮しなければ「ならない」と強制するよう変化した。
これまでの既得権益者を死なせても、ヒューマンデブリを無くすようにと。

鉄華団の闘いこそが、支配者に「配慮」をさせる「影響力の地勢変化」を生み出したことは疑いないだろう。

支配者を打倒したかという意味では、鉄華団は「敗北」して「犬死」したと見える。
が、「許せない」ものを殴りつける闘いは、影響力の綱引きのバランスを変化させた。
一見、敗北したように見える闘いは、決して「敗北」ではない。
帝政によって覆されたかに見えたフランス革命が、市民権の拡大という意味で「敗北」ではなかったように。

このように政治アレルギーが嫌う「正義を掲げるイデオロギー」に導かれたものとは全く違う、「許せない」ものに抵抗する政治性が、本作には刻まれている。

本作ラストの火星と鉄華団生き残りの境遇は、「正義」の実現したユートピアとはとても見えない、不十分で微温的なものにしか見えないかもしれない。
実際にユートピアなどでは無いし、アドモス商会とテイワズの関係すら、将来は破綻してもおかしくはない。
いずれ、別の場所で別の誰かに「社会」の負が押し付けられてゆくのは、避けられないように見える。

だがその時には、新たな、別の「鉄華団」が生まれるのだろう。
マクギリスが望んだように、蜂起はいつでも繰り返され得る。
「許せない」ものへの反抗がある限り。


「正義」を掲げるイデオロギー不在の物語は、「許せない」ものへの抵抗という、より一層強固な政治性として現れたようだ。

政治的なものから遠ざかるという宣言は、消極的には現状の政治への賛成という形となって、現状の固定の威力として統合されてしまう。
中立であるという自己認識は、意図せずに、現状という「特定の」政治的立場への賛成となって政治性を帯びざるを得ない。

果たして計算の結果かは分らないが、いっけん政治性を拒絶している本作は、安直な「中立」の罠に囚われることなく、現代的な政治性をあらわにしている。


二人の「母親」とアカツキの前に広がる、希望に満ちている未来とも、凡庸で灰色の未来とも決めかねるラスト。
「泣ける」とも「笑える」ともレッテルを貼られることを拒絶する両義性が、象徴的に思える。{/netabare}

正義に反する「から」許せないのだ、と考えて行動するとき、まず「正義」が先行して在る。
もしも「正義」を支える基準が変化したり、行為が敗北した時、「正義」の名においてなされた一切の行為も否定されざるを得ないだろう。

が、「許せない」がまず先行し、「なぜ」許せないかの根拠づけとして「正義」が生じるとしたならば、「正義」が否定されたとしても「許せない」の存在は決して消去し去ることはできない。
蜂起の純粋性とは、「許せない」の先験性にある。

本作において、「許せない」を裏付ける「正しさ」の描写は確かに十分ではない。

「正義」が先行して戦いを正当化する、という従来型の作劇になれていれば、意味が不明なところも多いだろう。

しかし、「許せない」が先行する蜂起を描き出したところに、本作の独創を見たい。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 3

71.1 7 暴力で群像劇なアニメランキング7位
ブギーポップは笑わない(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (415)
1744人が棚に入れました
竹田啓司は、同じ学校の後輩でもある恋人の宮下藤花を待っていた。しかし約束の時間が過ぎても彼女は現れず、連絡も通じない。日も暮れ始め、あきらめて帰ろうとした竹田の視界に涙を流しながらふらふらと歩く男の姿が映る。どう見ても普通ではない男の姿に、竹田自身も、そして周囲の人間たちも我関せずを決め込んだそのとき、不思議な人物が男に駆け寄ってくる。大きなマントに身を包み、奇妙な帽子を被った不思議な人物。ソレは竹田との待ち合わせをすっぽかした宮下藤花と同じ顔をしていて……。

声優・キャラクター
悠木碧、大西沙織、近藤玲奈、小林千晃、下地紫野、諏訪彩花、榎木淳弥、市川蒼、竹達彩奈、宮田幸季、八代拓、市ノ瀬加那、細谷佳正、長谷川芳明、阿澄佳奈、上田燿司、花澤香菜
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

どっからどう見てもポップ・・・ではないよね

『これは猟奇サスペンスであり青春群像劇であるんだよ』 

相反しそうな言葉を同一の意味合いのものとしてキャラに語らせる。するとあら不思議!深淵なる哲学的ななにかに聞こえてきます。

『猟奇サスペンスである一方青春群像劇』 並列は×
『猟奇サスペンスである以上に青春群像劇』 序列も×

いずれもパンチが弱いため、ここではあくまであたかも相反するものが一体となってるような表現に努めねばなりません。

・レトリックのみでくどく、キャラをイタく感じてしまうのが “梅”
・レトリックがハマリ、キャラに魅力を感じてしまうのが “竹
・レトリックとストーリーがマッチし、作品に魅力を感じてしまうのが “松”

本作『ブギーポップは笑わない』はまごうことなき松!
抽象的な「世界の危機」という大問題を巡って登場人物たちの極めて主観的な台詞回しで進行していくサスペンスタッチの青春群像劇のようなものと言ってよいでしょう。猟奇性を帯びたキャラクターも複数登場するため、グロ描写も所々出てまいります。


1クールなのに全18話のお得感。トリッキーな放送スタイルのおかげで何話か飛ばしましたがなんとか視聴を完了しました。配信やタイムシフトのある時代で良かったです。
そんな便利なサービスの欠片もなく、ラノベという単語も浸透してなかった1998年に刊行されたヒット小説のアニメ化です。
元ネタの刊行年度を考えれば古典といって良いでしょう。私としては珍しく原作既読の作品です。作品の意義だったり影響等についてはgoogle先生あたりをご参照くださいませ。

実際に視聴してみて巷で言われるような “古臭さ” というのが実はよく分かりませんでした。
だいぶ原作の記憶が薄れているためほぼ初見のような新鮮さで堪能できてます。全18話を通してキーになる人物(人格)がブギーポップ。いくつかに別れたエピソードはこちら、

(1) 第1話 - 第3話 ブギーポップは笑わない
(2) 第4話 - 第9話 VSイマジネーター
(3) 第10話 - 第13話 夜明けのブギーポップ
(4) 第14話 - 第18話 オーバードライブ 歪曲王

計4つのエピソード。時系列は前後してたりするのでながら見は禁物です。時系列の掴みづらさと同様に、キャラ相関が難解、そして台詞回しが難解です。私は後者をあきらめました。
ただキャラ相関は小難しそうに見えて意外とシンプルなのではなかろうかと思ってます。ここが掴めてくるとテーマらしきものも見えてくる作品でした。


◆相関その1 二つの二項対立
・《世界の敵》 と 《世界の敵の敵》 の二項対立。
{netabare}《世界の敵の敵》はブギーポップ。前者はブギーポップに“自動的に殺される”人が目安でした。合成人間もいいセンいってますが、MPLSと呼ばれる元は普通の人間でふと異能に目覚めちゃったのが敵認定される場合が多かった気がします。{/netabare}

・《社会の敵》 と 《社会の敵の敵》 の二項対立。
{netabare}霧間お父さんの「社会の敵」というセリフに引っ掛かりを感じました。統和機構に殺されるのが《社会の敵》に見えます。ブギーポップは社会の敵は殺しません。{/netabare} 

《敵の敵》の主語は一つで《敵》はいろいろですが、《世界の敵》か《社会の敵》かに分けて整理するとスッキリします。《世界》と《社会》の違いはようわかりませんでした。
{netabare}強いて言えば
《世界の敵》はマジやばいやつ。世界を滅亡に陥れる者。
《社会の敵》はプチやばいやつ。世界を大混乱に陥れる者。{/netabare}

{netabare}ここでふと、《世界の敵》は超異能だけどスケールが小さいというか世界はさすが言い過ぎじゃね?と思ってみたり。
この作品でいう世界の規模感や質感が我々がイメージできるものならば、目立ってマークされてそのうち一個師団が出てきて壊滅させられる程度の異能ぶりです。おそらく煮詰まった上で殺される前といいますか勃興期のイケイケな時にブギーポップが登場するのかもしれません。だからこう噂されてるのかな。

{netabare}「その人が一番美しい時に、それ以上醜くなる前に殺す」{/netabare}{/netabare}


◆相関その2 宮下籐花はモブ
ブギーポップが主要人物であることはよいとして、肉体を間借り!?している籐花にも焦点をあてると混乱します。
先入観だと、ふつう主役はこの人だよって観る側に柱を作ってあげてから話を進めるとか、群像劇でもグループ(だいたい5名くらい)を作ってその囲いの中で話を進めるものだと思うのですが、それがありません。登場人物の母集団に大きな変動はないのにです。さらに4エピソードと分けてることでなおさらこんがらがります。
前のエピソードで主役を張ったかと思えば次のエピソードは台詞なしとか、ブギーポップに視点を置きたいけどなかなかもったいぶって出てこないとか。
{netabare}当初は、別人格に悩まされる少女(宮下籐花)と恋人竹田啓司との奮闘記を想像してしまったせいでとても混乱した私です。{/netabare}
{netabare}霧間凪も髪型変わってヴィジュアル判別が難しくなったりとかホント勘弁して~{/netabare}


対立の構図や人物相関が整理できたらあとは身を委ねて完走です。
こういった「世界の危機」といった抽象的な大問題をさも大事のように扱う作品って、外からだと馬鹿馬鹿しくつまらなく見えがちなのですが、中に入ってみるとけっこう陶酔できるものです。
作品が世に出た1998年あたりで例えれば、ヴィジュアル系バンドの歌詞世界とライブ模様みたいなものかと。「破滅」「追憶」「世界の果て」「彷徨」「闇」「孤独」「血」「薔薇」「憂鬱」「堕ちる」・・・とだんだん楽しくなってきちゃったのでこのへんで。あと「とりあえずフランス語」。

極めて私的で閉じた空間でのダークな物語。
きっと中学生や高校生くらいの思春期に出会ってたらドはまりしてたと思います。では思春期が遥か遠い大人の私はどうだったかというと、「とても楽しく鑑賞できました」になります。
毎度OPが楽しみだったのと、意外と大人がいい役回りをしてたことが理由としては大きいですね。語り部的な大人らしい大人もいれば、大人になりきれなくて身を滅ぼす大人と。
彼ら高校生が抱く未来への期待と不安を象徴するような大人ばかりでした。
子供ばかりだけだったら見られなかったような気がします。

思春期世代の抱える不穏さをファンタジーでふわりと包んだ良作です。

この作品に影響を受けた奈須きのこ氏の『空の境界』にドはまりした私にはとても相性の良い作風でした。



-----
2019.09.19追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴



2019.04.27 初稿
2019.09.19 追記

投稿 : 2024/11/23
♥ : 51
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

多様性から生まれる「金」の泡

アニメーション製作:マッドハウス、監督:夏目真悟、
シリーズ構成・脚本:鈴木智尋、音楽:牛尾憲輔
キャラクターデザイン、澤田英彦、原作:上遠野浩平

世界が危機に陥ったときに現れる
不気味な泡、ブギーポップという人格。
左右非対称の奇妙な表情をして
筒のような帽子とマントを身に着けている。
その存在は、ひとつの都市伝説のようなものだった。

1998年に発表された電撃小説大賞の大賞受賞作。
この作品に影響を受けたラノベ作家は多く、
西尾維新は作家を志望するきっかけになったと語り、
奈須きのこは『空の境界』の「矛盾螺旋」でのアイデアは、
この作品の『歪曲王』に登場する「ムーンテンプル」に
インスピレーションを得て考案したことを公言している。
ライトノベル作家に影響を与えたという意味では、
1984年から刊行された笹本祐一の『妖精作戦』シリーズに
匹敵する作品だろう。

原作については、アニメ化された作品は既読。
しかし、読んだのは10年以上前のことで、
アニメを観て、ようやく少しずつ思い出した。
ちなみに原作で好きだったのは、
『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』と
『歪曲王』だったのは記憶している。
パンドラのほうは、残念ながらアニメ化されなかった。

そして今回のアニメ化を観て、まず感じたのは、
普通に一度観ただけでは、まず理解できないだろうと
いうことだった。私自身もそうだった。
原因は、登場人物が多すぎて覚えきれないことがひとつ。
ふたつ目は世界観が少しずつ明かされていき、
構造が複雑なため、展開に追い付いていけないことだ。
だから、この作品を1度で理解しようとするなら、
ウェブサイトなどで、登場人物や世界観を頭に入れてからの
視聴をおすすめする。その場合は、物語のあらすじを
観る前から、ある程度知ってしまうことになるが、
知ったからといって、魅力が薄れてしまう
種類の作品ではないと思う。
それを避けたい人は、2度観る覚悟が必要かもしれない。

もう20年も前の作品だが、個人的にはそれほど
古さを感じなかった。
そして原作をとても上手く映像化している。
世界の敵、統和機構、合成人間、世界の危機を回避する者、
人類の進化形であるMPLS。
これらを中心に哲学的、思春期特有の思考が重なり、
物語が展開していく。

1~3話『ブギーポップは笑わない』
4~9話『VSイマジネーター』
10~13話『夜明けのブギーポップ』
14~18話『オーバードライブ 歪曲王』
という4つの作品で構成されており、
多くの登場人物が錯綜しながら、
さまざまな伏線が回収されていく。
小説では『VSイマジネーター』が2冊分、
ほかは全て1冊で完結している。
シリーズ通しての主人公は、
ブギーポップになるのだが、
その存在を目撃したり、相対する者が
真の主人公になるため、
視点をどこに定めれば良いのかが
分からなくなってしまうのが欠点だろう。
「正義」と「悪」という明確な概念がなく、
常に視聴者に哲学的な思考を強いるのも
観にくさにつながっている。

1~3話は登場人物や世界観の紹介と、
怪奇ミステリー的な要素が色濃く、
それほど特筆すべき点はないのだが、
4話からの展開は視聴者を引き込む。
時系列順に観たい人は、ブギーポップ誕生の
10~13話を先に観て、
そこから1話に戻るのも良いだろう。

四月に降る雪、落下する鳥、
扇動者のような存在であるイマジネーター、
心のなかにある薔薇、隠された心の歪み。
哲学的なイメージをエンターテインメントに
転化させる手法が鮮やかだ。
まるでポール・オースターの初期三部作を
初めて読んだときのような感覚。

物語の構成、音楽、声優は一級品。
悠木碧が上手いのは周知のことだろうが、
やはり抜群の仕事ぶり。
また『聲の形』や『リズと青い鳥』で知られる
牛尾憲輔の劇伴が世界観と完全にマッチしている。
作画も個人的には違和感がなかったし、
上手く描き分けている。

この作品を象徴しているのが
『オーバードライブ 歪曲王』編だ。
そもそも原作の上遠野浩平は、ここでシリーズを
終了させるつもりだったので、
これまでの要素が集約されている。
『VSイマジネーター』で表現された
心に薔薇があって、誰もが何かが欠けているという
表現とリンクしている部分もある。

{netabare}合成人間の天才建築家・寺月恭一郎が
統和機構に処分される前に多くのMPLS候補者を
一堂に集め、覚醒させるために建設したムーンテンプル。
その集まりに乗じて歪曲王が現れる。
歪曲王は、人間の心残りとして封じられた
多様性ともいえる願望を「金(きん)」に変えることが、
何かを突破するきっかけになると考え、実験を行う。
自身の問いに対して答えを探すための行動でもあった。
それは人にどのような効果をもたらすのか。

年を重ねるごとに私たちは、心の奥に何かを封じていく。
それは大人になるために必要なことだが、
人間の多様性を平坦にして
可能性を摘んでいくことにもつながっているのではないか。
まるで最近の企業が取り入れている
ダイバーシティを先取りしたような思考。{/netabare}

人類に未来や進化があるとするなら、
純粋な心の中に答えが示されているのかもしれない。
(2019年4月26日初投稿)

ブギーポップと時代性
(2019年4月27日追記)
{netabare}この小説が登場した90年代は、
ノストラダムスの大予言の影響から来る終末論や
バブル崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が
起こったことで、暗いイメージが付きまとう。
しかし、個人的には何かを突破することが
求められた時代とも感じている。
発想の転換ともいえる宮崎学の『突破者』という本がヒット。
そして音楽でいえば、生音のロックから端境期を超え、
より電子音を重視したドラムンベース、
全くの新しい音楽であるHIP HOPなどの
既存のスタイルを突破したジャンルが一気に登場した。
アニメ業界に変革をもたらした
エヴァンゲリオンの放映も90年代。
終身雇用制という働き手のあり方も変化した。
それまでの常識が覆された時代だった。
そして、純文学かミステリー、時代物しかない
小説のあり方を大きく変えたきっかけが
まさにこのブギーポップシリーズだった。
世界に「危機」が迫ったときに自動的に現れる泡。
このシリーズはそういう時代の流れを
象徴した作品といえるのだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 70

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ブギーポップは半笑い」

<2019/4/23 追記>
ようやく見終えました。
バタバタしててなかなか消化できず。

歪曲王まで見てなんとなく思い出してきました。

感想としては「アニメにしづらい原作だなぁ」とあらためてしみじみ。

敵を倒すとか
感動を催すとか
圧倒的に怖いとか

そういう話じゃなくて。
作者の伝えたいことが抽象的且つ主観的な話なので。
そういった事柄を感覚的に受け入れられないとつらいと思います。

まぁでもそうした感覚は歳を経ると得られていく部分でもあるので、「よくわかんなくて面白くなかったー。地味ー。」という方は10年後にあらためて視聴することをお勧めします。

決してわけわかんない話ではないと思いますよ。
寧ろ青臭くわかりやすい。

と、細かい考察が苦手で、本作も理解が適当な私の適当な感想でした( ・∇・)

あとOP曲は好き。


<2019/3/3 追記>
みなさん、Happyひなまつり♪

それはさておき、ブギーポップ危なかったですねえ。

何がって、10〜13話をいつもと違う時間帯で一挙放送て。
たまたま9話をオンタイムで観てて、一挙放送のテロップで気がついたから良かったけど。

なにしてくれんの( ̄Д ̄)ノ

さてはコアなファン以外に見せる気ないな


<2019/1/25 追記>
第5話観ました。
イマジネーター読んだはずだけどいろいろ忘れてる。
霧間凪に弟いたっけ?
いたような気もするけど
あれ?こんなホモォ・・・なエピソードあったっけ?
スプーキーEってこんなつぶらな瞳なの?
中年太りなのは記憶通りだけど
とかとか。

カメラが追いかける人物がコロコロ変わるのは確かにそんな感じだった。
初見のような気分で見られるのはある意味お得なのかもしれないですね。

<2019/1/14 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベ。
もう10年以上前になるのかな。
途中まで読みました。
なにせ既刊が多いので。
そしてかなりうろ覚え(´・_・`)

原作はラノベ界では有名な作品です。
ラノベをここまで流行らせたきっかけになった作品なんじゃないでしょうか(たぶん)

「ブギーポップは笑わない」
タイトルがキャッチーですね。

例えば「世界の中心で愛を叫ぶ」に通じるものを感じます。
これはエヴンゲリオン最終話「世界の中心でアイを叫んだケモノ」が元ネタで、
そのエヴァも大昔のSF小説「世界の中心で愛をさけんだけもの」が元ネタだったりしてますが、
要は意味はよくわかんないけどキャッチー

「ブギーポップは笑わない」もタイトル先行な気もしますが、書店の本棚に置いてあると目が行ってしまう、ついつい手に取ってしまいそうなナイスなタイトルだと思います。

ジャンルとしては「セカイ系」
1作目の発刊はエヴァのちょっと後ですし時代ですね。
つまりちょっと青臭い。
自分と世の中との関係性に悩む年頃に読むとピタッとハマる作品です。

主役のブギーポップさんは
「世界が危機にさらされると自動的に現れる」
そうです。
セカイ系だから、ね。
そういえば最近までグリッドマンさんもやたら
「裕太!世界の危機だ!」連呼してました。
親戚かな?

どんな危機かは見てのお楽しみです。

ただセカイ系というだけではなく、物語の展開や設定に工夫を懲らそうとチャレンジしている点は好感が持てます。

一見、敵と思える相手のことをブギーポップさんは実はそんなに相手にしておらず・・・とか。
ポイントをずらしてハッとさせる感じの作品。


アニメはまだ3話までしか見ていないですが、原作をうまく表現してます。
ただ原作読んでないと何が何やら(´・_・`)?という気も

雰囲気は一貫して暗いのでそういうの苦手な人にはさらに辛いかも。

あとブギーポップの表情。
原作では左右非対称の奇妙な表情とあります。
半分笑って、半分泣き顔でみたいな感じでしょうか。
それがアニメでは「半笑い」に見えてしまいました。
ここら辺を映像で表現するのは難しい。
文章なら一行なのに。

ものすごい好きかと言われると微妙だけど
懐かしさもあるのでたぶん最後まで見ます。


最後に

スポルディングのスポーツバッグ懐かしいなー
アニメではどうなってんだっけ?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 54

80.0 8 暴力で群像劇なアニメランキング8位
ヴィンランド・サガ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (428)
1670人が棚に入れました
千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。最強と謳われた戦士の息子トルフィンは、幼くして戦場を生き場所とし、幻の大陸"ヴィンランド"を目指す――激動の時代で巻き起こる、本当の戦士の物語(サガ)。

声優・キャラクター
石上静香、上村祐翔、松田健一郎、内田直哉、小野賢章、大塚明夫、安元洋貴
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ヴァイキングの壮大な物語

名作プラネテスと同じ原作者ということで、見ることにしました。原作未読です。
ヴァイキングの子トルフィンの復讐のお話。
途中、残虐なシーンがあったりして視聴をやめようかなと思ったこともありましたが、最終話まで見て、なかなかの良作だと思いました。
とにかく物語がとても丁寧に語られていて、良質な本を読んだ時のような昂揚感も感じます。
人物の描き方も豊かで、簡単な善悪では判断できない深みがありました。
その筆頭はアシェラットです。最初はただの残虐な悪党だと思っていましたが、彼の複雑な生い立ち、想いなどが語られ、やさしい面も覗かせます。
トルフィンが主人公ですが、もう一人の主人公はアシェラットだと思いました。
最終話のタイトルが「プロローグの終わり」なので、これからがトルフィンの物語の本番ということでしょうか。
終わり方も半端な感じでしたし、これ絶対2期ありますよね?
以下、各話のレビューです。
1-12話
{netabare}1話
ヴィンランドってアメリカ大陸のことなのかな?
バイキングってノルウェーってイメージだったけど、北に移住してきた人たちなんだね。
トルフィンって金髪の少年が主人公かな。
雪に埋もれていた奴隷の男を助けるトルフィンの父親のトールズ。
この奴隷の男が話のキーになるのかと思ったら、あっけなく死んじゃうし。。
トールズが優しい男だということを言いたかったのかな?
まだ話がどう転がっていくのかよく分からない感じです。
2話
海の向こうからデンマーク軍の小隊長フローキがやってきて、トールズにイングランド攻めに加わるように言われて、村人が殺されるのを恐れて戦争に加わることにするトールズ。
戦争の話に湧く村人たち。トルフィンも戦争に行きたいと気がはやる。
フローキが部下?にトールズを殺せと命令してたけど・・
次回、話が動き出すのかな?
3話
フローキに暗殺を依頼された男は凄腕みたい。
アイスランドから出航するトールズ一行。あんな巨大なオールで漕げるってどんだけバカ力なのよ。
船に密航していたトルフィン。このままイングランドに向かって大丈夫?足手まといになりそう。。
途中で立ち寄ったフェロー諸島で襲撃されるトールズたち。
武器を持った相手を素手で倒していくトールズ。強すぎでしょ(゜o゜)
でもこのまますんなり終わらないような感じが・・・
4話
素手だけで相手のほとんどを倒すトールズ。
敵の首領アシェラットと決闘することになってなんとか勝つんだけど・・
アシュラットを殺せないトールズ。そのうちにトルフィンが人質に取られてしまって形勢逆転。
トルフィンの命を助けるために自分の命を差し出すトールズ。
あんたが弱いのに前に出てるからこうなったんじゃん!ってトルフィンにムカついてしまった。。
それだけ私がトールズというキャラに魅力を感じてたからなんだろうけど。
これからトルフィンの復讐の物語が始まるのかな・・
5話
アシェラットたちに捕えられたトルフィン。
途中立ち寄った村で略奪と暴行を行うアシェラットたち。
トルフィンはアシェラットに決闘を申し込むけど、簡単に負けて・・
殺されずに放置されるトルフィンは必死に生きて、再びアシェラットに決闘を申し込むけど・・
・・アシェラットはなぜトルフィンを殺さないんだろう・・優しいから?略奪とかしてるし優しい男とも思えない。
たぶん、子供を殺すこと自体、戦士としての自分のプライドが許さないからなのかなって思った。
トルフィンはこんな環境で生き延びても、歪んだ成長をしそうで心配です。
今後、トルフィンを導いてくれる大人が現れるんだろうか・・現れて欲しいけど。。
6話
結局アシェラットたちと一緒に船に乗ってイングランドの戦地に行くトルフィン。
成り行きでトルフィンも戦い、そして・・人を殺してしまう・・
時は流れ、数々の戦場で戦い続け、多くの敵を殺していくトルフィン。
川に流されて気を失っているところをイングランド人のおばさんに拾われて。
小屋に火をつけ合図をし、仲間を呼ぶトルフィン。でも助けてくれたおばさんは逃げなくて・・
最後、おばさんが持ってたくしが壊れてたのは殺されたって暗示?
今回とても気が重くなる話で、父親の敵討ちのためには他人をたくさん殺してもいいって考え方は嫌だ。
7話
イングランドから撤退して今度はフランスが舞台?
トルフィンの復讐の炎は消えてないけど、アシェラットにいいように使われてる感じが(-_-;)
敵の大将のカブト首を取ってきたら戦ってやると言われて本当に大将の首を取るトルフィン。
あらためて決闘を申し込むけど、はぐらかされて・・
8話
拠点にしている村に久々に帰ってきたアシェラットたち。
そして再びトルフィンとアシュラットが決闘するけど、また負けてしまう。。
1人船に残るトルフィンはトールズの幻を見る。父親の前では子供の頃に戻るトルフィン。
元貴族の奴隷の少女との出会いがトルフィンにどう影響していくんだろう・・
奴隷商人も戦もないはるか西にあるヴィンランド。トルフィンは昔聞いた話を思い出す。
デンマークとイングランドの戦い。そして舞台はロンドンへ移る。
9話
デンマークとイングランドの激戦がロンドンで始まる。
イングランド側に寝返ったトルケルとトルフィンが戦うけど、負けてしまう。。
トルフィンの勇猛さに感心したトルケルが名前を聞くと、トールズの子トルフィンと名乗る。。
トルケルはトールズのことを知ってるみたいだったけど・・
10話
トルケルすごい腕力。砲丸投げとかさせたら金メダル取れるかも(゜o゜)
夢の中のトルフィンは子供なんだね。トルフィンの心はトールズが殺されてから時間が止まったままなのかな。
アシュラットはトルフィンにイングランドの、ヨーロッパの血塗られた歴史を語る。
一方、トルケルは500人の精鋭で猛攻を始め、デンマークのクヌート王子が捕えられてしまう。
アシュラットはクヌート王子救出を決意する。
11話
クヌート王子を捕えたトルケル。
スヴェン王の本拠へと向かう途中でデンマーク軍との戦闘が始まる。
アシェラットたちは風上から火を放ち、トルフィンを向かわせて王子奪還を試みる。
そしてトルケルに再開し、トルケルはトルフィンに父トールズの話をする。
ただ1人俺より強い戦士だった、と。
火が大きくなり、その場を離れる2人。トルフィンは王子をアシェラットの元に連れ帰る。
12話
トルケルたち追ってから逃げるアシェラットたち。
ウェールズの助けを借りることに。
トルフィンはクヌート殿下の護衛に付かされる。
クヌート殿下、なんか弱弱しくて女の子みたいなんだけど、これから大化けするのかな?
歴史に名を残す王だし。{/netabare}
13話
{netabare}あ、歌変わった!んーでも普通。。
ウェールズの中でもデンマークと手を結ぶのを反対してる勢力がいるんだね。
クヌート殿下ヘタレすぎだけど、これからどう成長して大王になるのかな?
アシェラットの出自も明かされたけど、今後の展開に影響があるんだろうか。
無口のクヌートがトルフィンに挑発されてしゃべって驚く周りの人々。
なんとなく、クヌートとトルフィンは友達みたいになっていくような気がします。。{/netabare}
14話
{netabare}イングランドの寒村。貧しくも家族みんな仲良く暮らしていて。
そこに来るアシェラットたち。
そして食料をすべて奪われ、皆殺しにされる。
外に出ていて逃れた、たった一人の少女を除いて・・
彼女は天国に行けないと思ってる。指輪を万引してしまったから。
でも、その時と同じドキドキを殺された家族を見て感じている。
彼女はこの後悪党にならなければいいけど。。{/netabare}
15話
{netabare}本国ではクヌートが行方不明だということになって。
クヌート、ずいぶんしゃべるようになった!料理もしてるし。
トルフィンは久々にちゃんとした温かい料理を食べたのかな。
アシェラットの居所がトルケルにばれて追撃される。
クヌートにお付のおじさんがアシェラットに殺されて・・
やさしいおじさんだったのに・・なんかやりきれない。{/netabare}
16話
{netabare}クヌートの元へお付のナグナルの遺体がアシェラットによって運ばれる。
唖然とするクヌート王子。イングランド兵が殺したと報告するアシェラット。
イングランド兵を拷問してなぜ場所がばれたか情報を聞き出そうとする。
暴力と残酷な拷問。。リアルなんだろうけど、見ててつらいです。。
トルケルが追っていることに恐怖を覚え、あわてて逃げるアシェラットたち。
そして仲間に裏切られるアシェラット!{/netabare}
17話
{netabare} アシェラットが仲間たちに裏切られ囲まれて、トルフィンたちが味方して王子と逃げるけど・・
アシェラットはなぜか逃げないで大勢の裏切り者たちと戦い、傷つく。
アシェラットを救出しに戻るトルフィン。
父の敵としてアシェラットを憎むだけなら、同じように裏切ればいいのに。
それをしないのはトルフィンの戦士としての誇り?それとも・・
間一髪でトルケルが到着し、裏切り者たちを皆殺しにする。
そしてそこに来たトルフィンとトルケルの決闘が始まるけど・・{/netabare}
18-19話
{netabare}クヌート王子がナグナルの死を経て覚醒する話から、トルケル、アシェラット、そしてトルフィンがクヌート王子の家来となってスヴェン王を倒しにいくことになるまで、なかなかの見応えでした。次回が楽しみになってきました。{/netabare}
20-21話
{netabare}アシェラットがどんどん魅力的に思えてきます。
強くて、知恵もあり、そして仲間への思いやりもある。
でも一方、村人たちに対する残虐行為も見ているので、複雑な気持ちです。
そんなアシェラットがトルフィンと再度決闘することになるけど、アシェラットは足を悪くしているので負けてしまうような気が・・{/netabare}
22-23話
{netabare}トルフィンとアシェラットの対決はあっけなくアシェラットが勝利。
アシェラットは父を殺した自分の過去をトルフィンたちに聞かせる。
アシェラットはトルフィンに何を伝えたかったんだろう。
負けて意気消沈するトルフィン。ふらふらとうろつき回り、牢に入れられる。
そこに来たレイフから、一緒にヴィンランドへ行こうと言われ、心が揺れ動く。
一方、ウェールズを攻めるとのスヴェン王の言葉に激しく動揺するアシェラット。{/netabare}
24話
{netabare} ウェールズかクヌートのどちらかを選べとスヴェン王から迫られたアシェラットはスヴェン王を殺害。
それを見たクヌートはアシェラットの真意を知り、アシェラットを自ら成敗する。
一度はレイフの呼びかけに応え、船に乗るトルフィン。でも・・
死に際のアシェラットに「本当の戦士になれ」と言われるトルフィン。
激昂したトルフィンは、クヌートに危害を加えようとし、捕えられる。
トルフィンにとってアシェラットとは復讐の相手だったけど、いつの間にか大事な人になってたのかな。
最後の二人の会話のところでちょっとうるっときちゃいました。。
ラストの終わり方、どう考えても2期あるよねこれ。タイトルも「プロローグの終わり」だし。
これからがトルフィンの本当の物語が始まるのでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 34
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

2019年秋期マイベスト

原作未読 ※大作。まだ完結してないらしい


NHKでやる以上きっちり進行してくれそう。万策尽きるのを許されなさそう、と勝手に期待してます。
漫画原作。西暦1000年近辺のデーン人(北方ゲルマン人)をメインキャストとしてイングランド侵攻などを描いた歴史ファンタジー全24話。
北欧だからといって神話を絡めた異能バトルが展開されるということもなく、実在の人物や地名を登場させながら史実に寄せつつも創作に舵を切った物語です。

録り溜めていたのを観るにあたって最終話のサブタイが目に入ってきました。

{netabare}『END OF THE PROLOGUE』{/netabare}

心構えができたのでむしろ有り難かったです。

剣はあるが魔法は無い。神々が降臨することも妖精の力を借りることも萌え萌えきゅんもありません。


  歴史フィクション


『アンゴルモア 元寇合戦記』が近いかな。また『キングダム』『蒼天航路』『横山三国志』。男の子が好きそうな系譜です。あまり見かけない路線なのでせっかくなので堪能したい。
“サーガ”って中世アイスランドで成立した古ノルド語による散文作品群の総称らしいですね。こうした発見も面白い。

土地名、人物、年代やイベント。まっさらで臨むのも楽しい。
歴史にまつわる各人の知識との照らし合わせ作業も楽しい。この時代についてはせいぜい

【ふわっとイメージ】
・イングランド地方にヴァイキングが立てた王朝あったよな
・フランク王国ってまだあったっけ?
・ノルマンコンクエストってこの時期だったような

十字軍がイスラム世界からいろいろ持ってくるまで。大航海時代で富をヨーロッパに持ってくるまで。ヨーロッパ地域は地球儀見回しても後進地域。蛮族らが荒ぶってるイメージでした。アニメ作中で答え合わせしてもおおむねイメージ通りです。

【Wiki調べ】
・1016年デンマーク王クヌートによるデーン朝成立
・1066年ノルマンコンクエスト ※混み入るので各自調べて!
・フランク王国は9世紀には滅亡してたみたい


ん?クヌート?それは置いときます。
日本では紫式部が『源氏物語』、清少納言が『枕草子』を描きあげてる頃です。
世界史は縦と横で読み解くと面白いですが脱線が止まらなくなるためアニメに戻ります。



ほぼ馴染みのない時代とエリア。ふわっとした知識背景はあるもののほとんど知りません。

 まっさらで臨むのも楽しい

結果、めっちゃ楽しんでました。歴史ものが好きなら迷わず行けよ!
アニメ的にどうこうは他の方に譲りますが、一言で片付けると


 {netabare}濃ゆい{/netabare}


以上です。

後期OP「Dark Crow」イントロのバグパイプはとってつけた感ありだがMAN WITH A MISSIONはやはりかっこいい。
前期ED「Torches」Aimerさん好き。



2クール長丁場と思いきや、あくまでプロローグ。これで続編なければ詐欺ですよ。
最後に魅力と感じた点について触れておきます。


■死に方

濃い物語ではあるが深いのか浅いのか測りかねてることがひとつあります。

※ネタバレ閉じます

{netabare}トールズ(CV松田健一郎)とアシェラッド(CV内田直哉)の二人の男の死に様がよい。
「本当の戦士に剣などいらぬ」何故? 答えは私にもわかりませんが高潔な志は伝わってきます。
「母の地ウェールズ」執着なり生きる意味を故郷ウェールズに見出してます。
二人とも譲れないものがあって守りたいものがあります。

無駄死にはしません。譲れないものを守るための最善の策を導き出し即座に死ぬ覚悟を決めます。
トールズはアシェラッドに。
アシェラッドはクヌートに。
後続に託すに足る人物を見定め信頼します。トールズにとってアシェラッドは敵ですよ。数回のつばぜり合いと短い会話で相手の本質と意図を見極めてるから託せるのです。そして、アシェラッドが顔を見れば器が分かるとしたのは伏線です。クヌートの人相の変化をもって臣下として殉ずる覚悟をだいぶ前から持ってたのでしょう。

 常在戦場

ですね。二人とも守りたいものを守ることができました。{/netabare}


さてそうなると、釈然としないことがひとつ生じます。


■トルフィン(CV上村祐翔)

{netabare}“本当の戦士は剣を持たない”
この父トールズの教えを省みるシーンがただひとつもない。24話終わって未だ復讐の虜囚である。{/netabare}

{netabare}まだプロローグということで不問にしてますが、いつか向き合う日がやってくるんでしょうか?
最初の村でトールズは素手で短剣を握り血まみれになりながらトルフィンを諭そうとしましたが受け止めきれてなさそうでした。その短剣は父の形見として所持しつつも、父の教えが回想としても流れる場面はありませんでした。
命のやり取りをしたアシェラッドはトールズの意図を深い部分で理解してても不思議ではありませんし、トルフィンをあしらいながら、「お前、親父の気持ちわかってやれよ」の気持ちで接していそうな節もありましたが、明示するシーンはありませんでした。

『復讐からはなにも生まない。剣で生命を奪うのは戦士の務めに非ず。生かすんだ!』

みたいなありきたりでしょぼい結論にならないでほしいと思います。{/netabare}


1.{netabare}そもそも荷に隠れて航海についてきてしっかり足手纏いになった自覚ないだろう{/netabare}

2.{netabare}父をヘタレ戦士でないと確かめたくて戦場についてきたわけで前日夜の父の説教ガン無視じゃん{/netabare}

3.{netabare}青年期に至る長い期間で少しは考えなかったのかなぁ。彼を助けた母娘の悲劇とかに何も感じなかったのだろうか{/netabare}


今のところ致命的にオツムが不自由な男の子にしか思えないわけですが、それも自分が平和ボケして現代の感覚で彼を見てるか答えは出てません。
そしてしっかりサーガしてます。2期があるならきっと観ることでしょう。


占領した地での略奪・虐殺。そしてレ○プは常であったであろう時代の話。
直接描写は控えめなものの、エロとグロの後者の雰囲気は充分伝わってきました。前者はさすがにNHKじゃ無理だったのかもで皆無です。

下手に現代の価値観に寄せなくて成功した例ではないでしょうか。
おそらく原作がそうなんだと思います。
マイナーエリアのマイナー年代を題材にした良作です。



※オマケ

これくらいのキリスト教イジリは海外でもウケそうだが実際どうなんだ?



視聴時期:2019年7月~2019年12月   

------


2020.02.08 初稿
2020.02.27 タイトル修正
2020.07.19 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 58
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ヴァイキングの壮大な物語

プラネテスと同じ原作者ということで、見た作品です。原作未読です。
ヴァイキングの子トルフィンの復讐のお話。

残虐なシーンがちょっときついところもありましたが、最終話まで見て、なかなかの良作だと思いました。

とにかく物語がとても丁寧に語られていて、良質な本を読んだ時のような昂揚感も感じます。

人物の描き方も豊かで、簡単な善悪では判断できない深みがありました。

その筆頭はアシェラットです。

最初はただの残虐な悪党だと思っていましたが、彼の複雑な生い立ち、想いなどが語られ、やさしい面も覗かせます。

トルフィンが主人公ですが、もう一人の主人公はアシェラットだと思いました。

最終話のタイトルが「プロローグの終わり」なので、これからがトルフィンの物語の本番ということでしょうか。

終わり方も半端な感じでしたし、NHKだし、これ絶対2期ありますよね?
というか、絶対やって欲しいです!

4話、6話、14話、18話~24話あたりのお話が印象に残りました。

以下、各話のレビューです。

1-12話
{netabare}1話
トルフィンって金髪の少年が主人公みたい。
雪に埋もれていた奴隷の男を助けるトルフィンの父親のトールズ。
この奴隷の男が話のキーになるのかと思ったら、あっけなく死んじゃうし。。
トールズが優しい男だということを言いたかったのかな?
まだ話がどう転がっていくのかよく分からない感じです。
2話
海の向こうからデンマーク軍の小隊長フローキがやってくる。
トールズにイングランド攻めに加わるように言われ、村人が殺されるのを恐れて戦争に加わることにするトールズ。
戦争の話に湧く村人たち。
トルフィンも戦争に行きたいと気がはやる。
フローキがある男にトールズを殺せと命令してたけど・・
次回、話が動き出す?
3話
フローキに暗殺を依頼された男は凄腕みたい。
アイスランドから出航するトールズ一行。
あんな巨大なオールで漕げるってどんだけバカ力なのよ。
船に密航していたトルフィン。このままイングランドに向かって大丈夫?足手まといになりそう。。
途中で立ち寄ったフェロー諸島で襲撃されるトールズたち。
武器を持った相手を素手で倒していくトールズ。強すぎでしょ(゜o゜)
でもこのまますんなり終わらないような感じが・・・
4話
素手だけで相手のほとんどを倒すトールズ。
敵の首領アシェラットと決闘することになってなんとか勝つんだけど・・
アシュラットを殺せないトールズ。
そのうちにトルフィンが人質に取られてしまって形勢逆転。
トルフィンの命を助けるために自分の命を差し出すトールズ。
あんたが弱いのに前に出てるからこうなったんじゃん!ってトルフィンにムカついてしまった。。
それだけ私がトールズというキャラに魅力を感じてたからなんだろうけど。
これからトルフィンの復讐の物語が始まるのかな・・
5話
アシェラットたちに捕えられたトルフィン。
途中立ち寄った村で略奪と暴行を行うアシェラットたち。
トルフィンはアシェラットに決闘を申し込むけど、簡単に負けて・・
殺されずに放置されるトルフィンは必死に生きて、再びアシェラットに決闘を申し込むけど・・
・・アシェラットはなぜトルフィンを殺さないんだろう・・優しいから?
略奪とかしてるし優しい男とも思えない。
たぶん、子供を殺すこと自体、戦士としての自分のプライドが許さないからなのかなって思った。
トルフィンはこんな環境で生き延びても、歪んだ成長をしそうで心配です。
今後、トルフィンを導いてくれる大人が現れるんだろうか・・現れて欲しいけど。。
6話
結局アシェラットたちと一緒に船に乗ってイングランドの戦地に行くトルフィン。
成り行きでトルフィンも戦い、そして・・人を殺してしまう・・
時は流れ、数々の戦場で戦い続け、多くの敵を殺していくトルフィン。
川に流されて気を失っているところをイングランド人のおばさんに拾われて。
小屋に火をつけ合図をし、仲間を呼ぶトルフィン。でも助けてくれたおばさんは逃げなくて・・
最後、おばさんが持ってたくしが壊れてたのは殺されたって暗示?
今回とても気が重くなる話で、父親の敵討ちのためには他人をたくさん殺してもいいって考え方は嫌だ。
7話
イングランドから撤退して今度はフランスが舞台?
トルフィンの復讐の炎は消えてないけど、アシェラットにいいように使われてる感じが。。
敵の大将のカブト首を取ってきたら戦ってやると言われて本当に大将の首を取るトルフィン。
あらためて決闘を申し込むけど、はぐらかされて・・
8話
拠点にしている村に久々に帰ってきたアシェラットたち。
そして再びトルフィンとアシュラットが決闘するけど、また負けてしまう。。
1人船に残るトルフィンはトールズの幻を見る。
父親の前では子供の頃に戻るトルフィン。
元貴族の奴隷の少女との出会いがトルフィンにどう影響していくんだろう・・
奴隷商人も戦もないはるか西にあるヴィンランド。
トルフィンは昔聞いた話を思い出す。
デンマークとイングランドの戦い。
そして舞台はロンドンへ移る。
9話
デンマークとイングランドの激戦がロンドンで始まる。
イングランド側に寝返ったトルケルとトルフィンが戦うけど、負けてしまう。
トルフィンの勇猛さに感心したトルケルが名前を聞くと、トールズの子トルフィンと名乗る。
トルケルはトールズのことを知ってるみたいだったけど・・
10話
トルケルすごい腕力。砲丸投げとかさせたら金メダル取れるかも(゜o゜)
夢の中のトルフィンは子供なんだね。
トルフィンの心はトールズが殺されてから時間が止まったままなのかな。
アシュラットはトルフィンにイングランドの、ヨーロッパの血塗られた歴史を語る。
一方、トルケルは500人の精鋭で猛攻を始め、デンマークのクヌート王子が捕えられてしまう。
アシュラットはクヌート王子救出を決意する。
11話
クヌート王子を捕えたトルケル。
スヴェン王の本拠へと向かう途中でデンマーク軍との戦闘が始まる。
アシェラットたちは風上から火を放ち、トルフィンを向かわせて王子奪還を試みる。
そしてトルケルに再開し、トルケルはトルフィンに父トールズの話をする。
ただ1人俺より強い戦士だった、と。
火が大きくなり、その場を離れる2人。
トルフィンは王子をアシェラットの元に連れ帰る。
12話
トルケルたち追ってから逃げるアシェラットたち。
ウェールズの助けを借りることに。
トルフィンはクヌート殿下の護衛に付かされる。
クヌート殿下、なんか弱弱しくて女の子みたいなんだけど、これから大化けするのかな?
歴史に名を残す王だし。{/netabare}

13-24話
{netabare}13話
あ、OP変わった♫
ウェールズの中でもデンマークと手を結ぶのを反対してる勢力がいるんだね。
クヌート殿下ヘタレすぎだけど、これからどう成長して大王になるのかな?
アシェラットの出自も明かされたけど、今後の展開に影響があるんだろうか。
無口のクヌートがトルフィンに挑発されてしゃべって驚く周りの人々。
なんとなく、これからクヌートとトルフィンの関係が深くなっていくような気がします。
14話
イングランドの寒村。
貧しくも家族みんな仲良く暮らしていて。
そこに来るアシェラットたち。
そして食料をすべて奪われ、皆殺しにされる。
外に出ていて逃れた、たった一人の少女を除いて・・
彼女は天国に行けないと思ってる。指輪を万引してしまったから。
でも、その時と同じドキドキを殺された家族を見て感じている。
彼女はこの後悪党にならなければいいけど。。
15話
本国ではクヌートが行方不明だということになって。
クヌート、ずいぶんしゃべるようになった!料理もしてるし。
トルフィンは久々にちゃんとした温かい料理を食べたのかな。
アシェラットの居所がトルケルにばれて追撃される。
クヌートにお付のおじさんがアシェラットに殺されて・・
やさしいおじさんだったのに・・なんかやりきれない。
16話
クヌートの元へお付のナグナルの遺体がアシェラットによって運ばれる。
唖然とするクヌート王子。イングランド兵が殺したと報告するアシェラット。
イングランド兵を拷問してなぜ場所がばれたか情報を聞き出そうとする。
暴力と残酷な拷問。。リアルなんだろうけど、見ててつらいです。。
トルケルが追っていることに恐怖を覚え、あわてて逃げるアシェラットたち。
そして仲間に裏切られるアシェラット!
17話
アシェラットが仲間たちに裏切られ囲まれて、トルフィンたちが味方して王子と逃げるけど・・
アシェラットはなぜか逃げないで大勢の裏切り者たちと戦い、傷つく。
アシェラットを救出しに戻るトルフィン。
父の敵としてアシェラットを憎むだけなら、同じように裏切ればいいのに。
それをしないのはトルフィンの戦士としての誇り?それとも・・
間一髪でトルケルが到着し、裏切り者たちを皆殺しにする。
そしてそこに来たトルフィンとトルケルの決闘が始まるけど・・
18-19話
クヌート王子がナグナルの死を経て覚醒する話から、トルケル、アシェラット、そしてトルフィンがクヌート王子の家来となってスヴェン王を倒しにいくことになるまで、なかなかの見応えでした。
次回が楽しみになってきました。
20-21話
アシェラットがどんどん魅力的に思えてきます。
強くて、知恵もあり、そして仲間への思いやりもある。
でも一方、村人たちに対する残虐行為も見ているので、複雑な気持ちです。
そんなアシェラットがトルフィンと再度決闘することになるけど・・
22-23話
トルフィンとアシェラットの対決はあっけなくアシェラットが勝利。
アシェラットは父を殺した自分の過去をトルフィンたちに聞かせる。
アシェラットはトルフィンに何を伝えたかったんだろう。
負けて意気消沈するトルフィン。ふらふらとうろつき回り、牢に入れられる。
そこに来たレイフから、一緒にヴィンランドへ行こうと言われ、心が揺れ動く。
一方、ウェールズを攻めるとのスヴェン王の言葉に激しく動揺するアシェラット。
24話
ウェールズかクヌートのどちらかを選べとスヴェン王から迫られたアシェラットはスヴェン王を殺害。
それを見たクヌートはアシェラットの真意を知り、アシェラットを自ら成敗する。
一度はレイフの呼びかけに応え、船に乗るトルフィン。でも・・
死に際のアシェラットに「本当の戦士になれ」と言われるトルフィン。
激昂したトルフィンは、クヌートに危害を加えようとし、捕えられる。
トルフィンにとってアシェラットとは復讐の相手だったけど、いつの間にか大事な人になってたのかな。
最後の二人の会話のところでちょっとうるっときちゃいました。。
ラストの終わり方、どう考えても2期あるよねこれ。タイトルも「プロローグの終わり」だし。
これからがトルフィンの本当の物語が始まるのでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 27

62.6 9 暴力で群像劇なアニメランキング9位
奴隷区 The Animation(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (168)
693人が棚に入れました
『SCM』―それは他人を奴隷にできる器具。
勝負に勝てば主人となり、敗者は奴隷となる。
復讐、愛情、憎悪……
さまざまな思惑でSCMを手にした者たちが繰り広げる、欲望の群像劇。
勝利か、服従か。
壮絶なサバイバルゲームが幕を開ける。

声優・キャラクター
山村響、鈴木崚汰、千本木彩花、緑川光、木下鈴奈、小西克幸、興津和幸、森久保祥太郎、白井悠介、八島さらら、村瀬歩、稲田徹、宮田幸季、川津泰彦、西田望見、早川沙希、河西健吾、國立幸、堀内賢雄、上村彩子、結城光
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