時代劇で残酷なおすすめアニメランキング 1

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの時代劇で残酷な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月04日の時点で一番の時代劇で残酷なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.5 1 時代劇で残酷なアニメランキング1位
バジリスク~甲賀忍法帖(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1203)
5954人が棚に入れました
甲賀卍谷と伊賀鍔隠れに潜む一族は、ともに服部半蔵に率いられる忍者群同士でありながら、源平の昔より数百年、互いに憎悪を抱く不倶戴天の敵同士でもあった。服部の統制下、両門争闘の禁制によりかろうじて和平を保っていた。そのような中、甲賀組の首領甲賀弾正の孫弦之介と伊賀組の頭目お幻の孫娘朧は恋仲にあり、両家の縁組がすめば長きに亘った甲賀と伊賀の確執も解けるかと思われた。

そんな事情を知ってか知らずか、慶長19年4月末両首領を駿府城に呼び出した徳川家康と半蔵(二代目)が甲賀・伊賀の忍びに与えた使命は実に戦慄すべきものであった。
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

力加減がツボ (ツッコミ目線レビュー)

注意。このレビューはひたすら、笑いどころを探すための物ですので、真面目に作品をご覧になってる方はお読みにならないほうがいいかもしれません。
笑度の高かった(と思えた)回は★つけときました。

木崎って、アニメ影技のスタッフの人だー!もう大好きだったんです…。それで忍者ものって、ひょっとして好きかもしれない、と視聴。

一話 トンビが有能 ネタバレレビューを読む

2話 衝撃の鼻毛 ★ネタバレレビューを読む

3話 なびいてる そよいでるネタバレレビューを読む

4話 セクハラ走馬灯★ ネタバレレビューを読む

5話 変態バトルネタバレレビューを読む

6話 お胡夷サービスショット〜鼻毛責め〜★
ネタバレレビューを読む

7話 お胡夷サービスショット〜爺干物〜
ネタバレレビューを読む

8話 今際の兄妹 ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 13

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「二人手をたずさえて、両家を縛る宿怨の鎖を断ち切ろう」

この物語の原作は未読ですが、アニメ化されていたのは知っていました。
2018年冬アニメで「バジリスク ~桜花忍法帖~」が放送される事を知り、今回の視聴に踏み切りました。

物語の舞台は慶長19年…大阪城が陥落し、豊臣家が滅亡した年でもあります。
その時、忍びである伊賀と甲賀は400年に渡り戦いを繰り広げてきたのですが、先代服部半蔵との間に交わされた「不戦の約定」と、戦乱の世が平定されたことも後押ししたのでしょう…
お互いの若者同士が婚姻することで、長きに渡った争いに終止符を打とうと話が進んでいたのです。

もちろん、400年もの間いがみ合ってきたのですから、皆が心から賛同している訳ではありません。
それでも甲賀卍谷衆の甲賀弦之介と、伊賀鍔隠れ衆の朧の仲睦まじい様子を見ていたら、時代の変化を感じずにはいられなかったのでしょう…
そうじゃなければ話は前に進まないと思うので…

ちょうどその頃、徳川家康は悩んでいました。
家康の悩みは徳川3代目将軍を誰にするかということ…
そしてその悩みを解決するために家康が選択したのは、正直人としてあるまじき非道…

甲賀を国千代派、伊賀を竹千代として忍法の二大宗家を相争わせ、それぞれの精鋭十人対十人の忍法殺戮合戦の結果、どちらか生き残ったほうにそれを賭けるという厳命を下したのです。
伊賀と甲賀は、まさに手と手を取り合おうとしている真っ最中…
でも、そんな都合を聞き入れて貰えるほど世の中は甘くなく、またそういう宿命を背負っている現実を突きつけられるのです。

そして恋仲でありお互い頭領となった立場の弦之介と朧の知らないところで物事は動き始め、気付いた時には引き返せないところまで事態は悪化していたのでした。
こうして後ろ髪を引かれながら、無益な殺し合いの物語が動いていきます。

視聴を始めて気付いたのは、伊賀も甲賀も己の血を絶やしたくないという気持ちが半端なく強いことと、そのためだったら何だってする覚悟が出来ているということです。

例え宿命でも、それを知っていたとしてもこの争いは胸が痛みました。
精鋭十人の中には、凡そ忍びではなく人としての普通の幸せを全うして欲しいと思える人も交じっているんです。
弦之介と朧は確かに恋仲…

けれど、忍びが人を慕ってはいけないという掟はないんです。
だから特定の人に特別な感情を抱くのはごく普通のこと…

そっと目で背中を追ってみたり…
離れている間にその身を案じたり…

こうしている間にも仲間が一人…そしてまた一人…
この悪循環…本気で早く終わって欲しいと願っていました。
でも負の連鎖は止まるどころか、さらに勢いを増して押し寄せてくるのです。

何でこんなことになってしまったのだろう…
少し前までは息遣いが感じられるほど傍にいられたのに…
こんな世継ぎの決め方は絶対に間違っているというのに…
壮絶な結末が視聴者を待っています。
守りたいという気持ちが強くなるほど、抉られた傷は広がっていくばかり…
でも気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、陰陽座さんの「甲賀忍法帖」
エンディングテーマは、奈々様の「ヒメムラサキ」と「WILD EYES」

2クール全24話の物語でした。
大切な仲間を失うという事は身を切られるくらい辛いということを思い知らされる作品です。
物語のラストも決してハッピーエンドとは言えなかったと思います。
そもそも伊賀と甲賀が争う時点でハッピーエンドは望めなかったのかもしれませんが…
でも完走して一つ分かったのは、「バジリスク ~桜花忍法帖~」はこの作品のファンの方には必須だったということ…
どの様に物語を紡いでいくのか…今度はリアルタイムで視聴しながらこの顛末を見届けたいと思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

悲劇の源流

原作はマンガという事になっているが、ある年齢以上の視聴者には、マンガの原作である山田風太郎の小説の方が親しみがあるかもしれない。

原作小説の熱烈な愛読者であるというバンドが担当したOP主題歌は、『甲賀忍法帖』というそのまんまのタイトル通り、軽快な楽曲の中に物語の主題まで歌詞として取り入れた、TVアニメ「主題歌」のお手本とも言えそうな傑作で、アニソン・プロパーではないジャンル違いのバンドの製作した楽曲とは信じがたいほどだ。

傑作主題歌を触発したのが原作小説であるように、本作のストーリー上の面白さやキャラクターの性格的魅力のほとんど全ては原作小説に由来するもので、山田風太郎の力による。

忍法合戦をビジュアルで見せる魅力は確かにあるのだが、ビジュアルによって魅力を増しているというよりも、山田風太郎の創出した面白さの「足を引っ張ってはいない」と評する方が妥当に思える。
そうはいっても、映像表現や声優の演技に抜かりがあれば、たちまち興を削がれて面白さが目減りするわけで、「足を引っ張っていない」という評は、決してアニメ製作者を貶めるものではないだろう。
面白さの由来が何であれ、視聴して楽しめることには違いがない。

ただ、ビジュアル効果を最大化しようとする意図の為とは思うが、物語の発端から終幕まで約10日間近く、夜空にかかる月がずっと満月のままなのはいただけない。
見ないふりをするのに少なからず努力が必要だった。

いささか意外だったのは、現代的なビジュアルを与えられたメインキャラが、モブの時代劇的な侍たちの間に混じってもそれほど違和感が生じなかったことで、これは映像化のもう一つの要素、声の芝居の効果であるようだ。
面白いことに、セリフ回しの影響だろうか、声優の演技が現代的ビジュアルにもかかわらず時代劇に寄っているようで、ちょうど顔出しの役者が現代劇と時代劇で芝居を変えるような印象があった。


本作の、殺し合いに至る恋人同士は、原作小説内ではっきりロミオとジュリエットをモチーフとしていると明示されている。
この悲恋物語に異形の忍者同士の絶滅戦を重ねた物語は、世に出てから半世紀以上が過ぎた。
最後に、原作小説がどのような時代を背景として登場したのか、少し記してみたい。


このころ、まだ高度経済成長は訪れてはいない。
が、高度成長を準備するように、社会が高度成長的価値観のもとに再編、再構造化されてゆく途上にあり、再編から取り残された土着的、伝統的、情念的なものは周辺に追いやられ消去されようとしていた。
周辺的なものが再編の中心的価値観へのカウンターとして注目され、対抗するシンボルとして一般化するのは70年代以降のことで、当時は、単に無価値であると打ち捨てられる、高度成長的な価値観にほぼ一元化されていた。

一元的な価値観は一種の踏み絵でもあった。この価値観に同じないという事は社会そのものから排除されることをも意味し、再構造化の歯車として組み込まれることを拒絶することは社会内での生存の不可能と同義だった。
人間を顔見知り同士の共同体から引きはがして経済機構の歯車化することでやがて高度成長は実現されるが、人間の歯車化が人間性の抑圧として、絶対悪として広く常識化されるのは、やはり70年代以降の事だ。
この当時はまだ、「悪い」ことだと問題化する視線は全的な共感を得られてはいない。


権力者の「君命」によって駆動される悲恋と異形の忍者の物語は、このような背景から立ち現われてきた。
これから視聴する人に、なにかの参考になればいいなと思う。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3
ページの先頭へ