昭和で戦争なおすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの昭和で戦争な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月15日の時点で一番の昭和で戦争なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.2 1 昭和で戦争なアニメランキング1位
ジョーカー・ゲーム(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (994)
5042人が棚に入れました
世界大戦の火種がくすぶる昭和初期を舞台に、帝国陸軍の“スパイマスター”結城中佐によって設立されたスパイ養成部門「D機関」の活躍が描かれている。

声優・キャラクター
堀内賢雄、下野紘、木村良平、細谷佳正、森川智之、梶裕貴、福山潤、中井和哉、櫻井孝宏、津田健次郎、関智一
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

映像もストーリーもよく練られたスパイもの<原作読了、追記あり>

本作は繊細な描写が魅力で小説や洋画(特に古い名作)のような印象の、スパイを主人公としたミステリー作品。
何回も視聴して想像や考察をしながらじっくり楽しむのが吉です。

アニメよりも実写向きと感じるような作りですし、エピソードごと時系列を入れ替えていたり、メインキャラクターを意図して見分けがつきにくくデザインしているなど、アニメとしては尖ったところもあります。

エンターテイメント的なアニメを好む人や、キャラクターの掘り下げを望む人には向かないかもしれませんが、シリアスなアニメや他の媒体の作品も好む人には逆に入りやすいのではないでしょうか。

【ビジュアル面】
キャラクター原案は三輪士郎さんで、キャラクターデザインの矢萩利幸さんがアニメの方向性に合わせてより地味なイメージに落とし込んでいます。
ことD機関のスパイ8名は全員目立たないモブ顔を設定するという方法を取りました。アニメキャラクターは一目で見分けがつくべき、という考え方からすれば思い切っていますが、機関員8名はスパイとして目立たず活動する作品なのでこれで正解だったと思います。

作画は安定感と美しさでリアリティを追求している点が最大の特長。動きもデフォルメが少なめ、色彩も暗めなので若干泥臭いイメージにもなっていて、そういう部分が好きですね。
安定した作画でキャラクターの仕草や表情が細かく、緊張感やリアルな雰囲気が途切れなかったことが一番素晴らしい点だと思います。

背景もやはりリアルで美しく、地に足の着いた映像作りがされていて、世界観をよく表現していました。


【キャラクターと声優】 ネタバレレビューを読む


【ストーリー面】 ネタバレレビューを読む

【本作の2つの柱】 ネタバレレビューを読む


【雑感】 ネタバレレビューを読む

本当にスタッフに恵まれた作品でした。
本作を見ているとわからないことも沢山ありましたが、本作の公式サイトには時系列表やコラム等があり、理解の助けになりました。かなり内容が充実していて頭が下がります。

振り返ると無駄な話はひとつもなかったと思いますし、繰り返し視聴するのが楽しい作品です。
こういう新作が定期的に出てくれると個人的にはとても嬉しいですね。(2016,6,27)


本日原作を読了しました。
キャリアのある作家さんだけあって読みやすく情報量も多く、描く要素も一貫していてとても面白かったです。時系列は原作もばらばらで、アニメだけではなかったんですねw
アニメ版が気に入った方には是非読んでみて欲しいです。

原作のひとつの特徴として、小説というビジュアルのない媒体だからこそ出来る登場人物の「無名性」があります。ネタバレレビューを読む
アニメ版に私が感じた「虚構」は原作から引き継がれた重要な要素だったのですね。

アニメーションではビジュアルが絶対に必要ですから、やり方を間違えると本作の魅力を大きく損なう難しい要素だったんだなと読んでみて思いました。機関員のキャラクターデザインはとても良いバランスだったと思います。

物語としても、キャラクター数や情報量を減らしながらも物語の筋はきちんと通り、そのために原作を分解・再構築することを恐れないよく練られた作品でした。

動画配信サイトが再放送など行ってくれていることもあり、良い評価を受けているようで一ファンとしてとても嬉しく思います。
(2016.7.8追記)

投稿 : 2025/03/15
♥ : 51

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ラストのセリフに痺れる

昭和初期の東京、横浜、
そして上海、倫敦で繰り広げられる、
歴史の闇に埋もれたスパイミステリー。

帝国陸軍内に創設されたD機関の暗躍。
歴史の舵取りはどこが握るのか!?
心の拠り所さえ、裏切り捨て去る、
それがスパイなのである。

スタイリッシュな映像美で魅せる、
美術や背景を見てるだけでも痺れる。
淫靡で雑多な上海や当時の伊勢丹、
ダットサン(初期の車)が最高ですね。
物語は結城中佐を軸に語られるオムニバス形式。
お勧めは「魔都」「ダブルジョーカー」です。

世界大戦の火種がくすぶる、
あの時代に興味のある方にぜひお勧め。
テーマや設定が重過ぎるように感じますが、
キャラも良く、音楽もセリフも粋な物語です。
各国の諜報機関も雰囲気持っていますね。
原作の評判も良いのでは試してみては。

最終話「XX」、
最後の結城中佐のセリフに痺れる。
見事な幕引である。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 63

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

趣の異なった『主人公最強系』?

原作未読。

ジャンルはスパイ&ミステリー系かな?
日本が世界大戦に参戦する直前頃、結城中佐の発案で作られたD機関と呼ばれるスパイ養成学校の8人の訓練生たちが活躍する話。

今まであまり見なかったジャンルなので、楽しさ半分、好奇心半分くらいで視聴開始。

まず、作画の綺麗さにビックリ。

OP、ED曲とも作品のイメージにぴったり。

登場人物の姿形に特徴が少ないため、誰が誰だか見分けにくいけど、表情が豊かな部分は高評価。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 59

71.8 2 昭和で戦争なアニメランキング2位
風立ちぬ(アニメ映画)

2013年7月20日
★★★★☆ 3.8 (816)
4294人が棚に入れました
かつて、日本で戦争があった。大正から昭和へ、1920年代の日本は、不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのに辛い時代だった。そして、日本は戦争へ突入していった。当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、後に神話と化した零戦の誕生、薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く──。堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて。生きねば。

声優・キャラクター
庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート、風間杜夫、竹下景子、志田未来、國村隼、大竹しのぶ、野村萬斎

にゃんぴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

引退作品、主題歌「ひこうき雲」

最初の雰囲気は「火垂るの墓」と似てる気がする...
そして、ただ淡々と展開していった
主人公の成長を伴って、なんか心がギュっとなった・・・
私の文章力では、ちょっと上手く言えません。
一言では表せませんが、あえて言うなら、
宮崎駿の集大成とも言えるふさわしい引退作品だと思います。

主題歌「ひこうき雲」 作詞・作曲・歌 - 荒井由実  映画の内容とはぴったりで感動で素晴らしい歌です!!
聞いてて泣きそうになる......

投稿 : 2025/03/15
♥ : 91

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

この映画には大正ロマンがある、昭和モダンがある、美しいメカがあって、薄幸の美少女がいて、正義と恋と挑戦と、挫折と人情と幸せに満ちている。そして宮さんは僕の期待を裏切らない

まずネタバレを気にしている方はこのレビューどころか【予告編を観てはいけない】
あれはほとんど全部を端的に晒してしまっていますからね(笑)










そもそもの出発点は宮さんが模型誌に連載させた【妄想爆発気味】の漫画
零戦の設計者として著名な天才設計士、堀越二郎を主人公のモデルとし
さらに薄幸の美少女との恋物語を描いた堀辰雄の同名小説に着想を得ている【完全なフィクション】


だから間違ってはいけないポイントなのがほとんどの部分が宮さんの妄想であり、そもそも里見菜穂子なるヒロインの存在やイタリアのカプローニが堀越二郎に影響を与えたというのも宮さんの壮大な妄想に過ぎません
だからプロジェクトXどころではなく、かわぐちかいじ辺りを読んでるつもりで心して掛からないとついつい「堀越二郎はこーゆー人なんや」と伝記や再現ドラマでも観ているかのような誤解に引き込まれてしまうわけっす
これには気をつけたい


それと具体的な恋愛描写や航空機技術を延々と語るシークエンスがあるため、子供やメカニックトークに全く興味のない人には【残念ながらオススメすることが出来ません】
予めご了承ください


物語は真面目で正義感が強い秀才として育った青年の堀越二郎が、夢の中で出会ったイタリアのカプローニと飛行機設計士になる夢を語らいながら上京、就職し
その後の様々な困難や挫折を経ても一切挫けず、ひた向きに夢へと前進していく半生を映し出します


大学在学中に関東大震災に見舞われ、偶然にも良家のお嬢様を助けたことが縁となってその後に再会した彼女と結ばれる
しかし彼女の体は結核に蝕まれており、周囲の反対を押しのけての婚約や激務に追われながらの新婚生活では宮さん作品らしからぬ濃厚なラブシーンが描かれます
【深窓の令嬢萌え】を描きたがる72歳、それが宮さん


舞台となる1920年代は震災、世界恐慌、貧困、そして戦争という現代の話題と重なる部分も多々見られながらも兎にも角にも生きるのに苦しい時代であると示唆
宮さんなりに「生きろ」や「生きねば」の問い掛けに答えを出しているのかと思いつつ
その一方で主人公の周辺人物達はその時代では一部の富裕層だけに許されていた贅沢を堪能しており、辛い時代とかキャッチコピーを打った割には矛盾している
しかしこの大正ロマンや昭和初期のレトロモダンといった当時で言うところの華やかなで優雅な暮らしが現代のオイラ達のノスタルジーと憧れを奮い起こします
この辺は時代背景こそ異なるものの『コクリコ坂から』の魅力にも通じるものがある


さらに堀越二郎を取り囲む人々の人情味あふれるキャラクター的魅力も忘れてはいけない
特に同期生(であるとされていますが実在人物は無関係)の本庄くんとのライバル関係とも取れる互いを切磋琢磨しあう近過ぎず遠過ぎない距離感の友情
この辺りはバディもの好きな、特にインテリ系男子に殺されがちな方にはヨダレものでしょう(いやw真面目にw)


そして何より堀越の才能をいち早く見抜き、あえて千尋の谷に落とすかのような難題を突き付けつつも、公私に跨って堀越をフォローし続けた堅物の上司、黒川
菜穂子の健気さに心打たれ、愛する二人の仲人となる役を買って出る黒川夫人
この二人を演じる西村雅彦と大竹しのぶの芝居はもはやアカデミー賞ものの味わい
ホントいい人、理想の上司と理想の妻の姿がここにあります


そして宮さんが渾身を込めて送り出す最終兵器【妹キャラ】、堀越加代
「にぃにぃさんはいつもこんなに遅いのですか?」
これはもうオイラの中で流行語大賞
よくやりましたわ、宮さん
そしてあ~、どっかで聞いた覚えのある声やと思い出せんかったがエンドロールで志田未来ちゃんだと気付くと全て納得であります
そぉよ皆々様方、「アリエッティですよ!」
ジブリ作品へのご帰還、オカエリナサイませですよ


メカヲタ、ミリヲタにとっては劇中でgdgdと語られる航空機技術は興奮モノ
たぶん普通の人にとっては今作の最もツマラン部分になることは必至です(笑)
興味深いのが劇中でも「創造的人生は10年」言われている通り、堀越が戦前に試作した七試艦上戦闘機
そしてインバーターガルウイングが美しい九試単座戦闘機のエピソードのみがピックアップされています
だから肝心要の『ゼロ』を初めとする戦中、戦後のエピソードは一切なし
兵器を描いても戦争は描かないってのは『紅の豚』と一緒で、ミリヲタの癖に戦争反対を訴えている宮さんらしいポインツ
実在の堀越氏が兵器としての飛行機に興味が無かったのかは定かでは無い


本来ならばけたたましい轟音を発する航空機エンジンの騒音も、例の人間が口から発する音だけで作ったという効果音のお蔭でだいぶデフォルメ(というかこの場合は美化)されているのもそんなところからなのか


ちなみに劇中に出て来る枕頭鋲(ちんとうびょう)ってのはリベットのこと
あとインバーターガルウイングは見た目がカッコイイからやるんでなくてプロペラを大きくしたり主脚を短くしたりする工夫です
実名企業の三菱が出ていることや当時の三菱のヘボいエンジンを辞めて中島製エンジンを使用するよう打診した実際の堀越氏のエピソードは語られないため、戦前の三菱の技術力(日本のものづくり力)を賛美するかのようなうさん臭いお話っぽくなってしまっていますが、何度も言うように【宮さんの妄想】なので気にしたら負け


しかしまあw結婚式のくだりの辺りからオイラはニヤニヤがまるでとまらんかったw
72歳の偏屈なおじいさんが作った映画の主演を、53歳のこれまた偏屈なおじさんがやって
その映画のラブシーンで2828してしまう26歳のオイラ
さぞ隣の席のお客に迷惑を掛けたことでしょうw
こりゃ「妻には見られたくない」とアンノが言うわけです
2013年夏、【一番萌えられる映画は間違いなくコレ】


個人的には今までのジブリの中で一番好きな作品になるやもしれません
レトロモダンハァハァ的にも、メカヲタ的観点からも
『コクリコ坂から』のレビューにも同じようなことを書いてしまった気がしますがw


唯一悲しい偶然かな、今年のアカデミー賞で短編アニメーション部門を受賞したジョン・カース監督のディズニー作品『紙ひこうき』(シュガーラッシュと併映)と今作の馴れ初めが“丸被り”しているのには笑いましたがねw
興味ある方はこっちも是非チェックしてもらいたい


最後になりましたが劇中に出てくる『シベリア』なる謎のお菓子は羊羹をカステラで挟んだものですね
(発祥、創作者、名称由来など全てが謎でそもそも洋菓子なのか和菓子なのかすら怪しい)
映画の人気で一時的に復刻したお店もいくつか出ましたが・・・日常的に食べたいのでもっと作ってくれ(笑)

投稿 : 2025/03/15
♥ : 40
ネタバレ

Britannia さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

不評、この作品が好きな人は見ない方が良いです。

■視聴し感じた、自分の独断と偏見ですのであしからず

ネタバレレビューを読む



■ネットのコピー
感想を公にするのがはばかられる風潮もあるという。
幼いころからジブリ映画を観て育ったという男性A氏(24歳・大学院生)は、次のように語る。
「細かい心理描写などはとてもすばらしかったのですが、正直ベストワンだと思えませんでした。
それをSNSに書いたら、『ジブリを偉そうに語るやつってサブカルかぶれでウザイ』『こういう作品を酷評してる自分が好きなだけだろ』などと、知らない人から“攻撃”されてしまったんです。
宮崎監督最後の作品で、かつ戦争を描いているということもあるからか『この作品は批判してはいけない風潮』を感じました」(A氏)



■メッセージが有ったので今後の為、追記

あくまで自分の為にデータ化しているので
周りに遠慮して評価を変えていたらやってる意味が無い。
【★1=2度と見ない為のメモとしてます】
※全てが嫌で1な訳ではありません。

自分の好きな作品でも当然嫌いな人はいるでしょうし、感じ方は人それぞれで良いと思います。
低評価でも高評価でも共感してくれる方と話せれば
楽しいし、真逆の方との釈明・喧嘩する為に書いてる訳では無いです。

嫌なら好きな作品の低評価を読まなければ良い
評価を突き詰めれば好きか嫌いかでしかない。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 21

83.0 3 昭和で戦争なアニメランキング3位
この世界の片隅に(アニメ映画)

2016年11月12日
★★★★★ 4.2 (702)
3115人が棚に入れました
18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。

声優・キャラクター
のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外

tao_hiro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

さようなら

<2019年6月13日追記>

12月20日(金)に公開予定の「拡張版」を応援するチームの
募集が始まりました。

応援チームに参加された方は、エンドロールにお名前が掲載
されます。

私はいろいろ考えて、応援チームには参加しないことにしました。
このレビューでの告知もこれを最後にしたいと思います。

2年以上の長きにわたりお付き合いいただき誠にありがとうござい
ました。

<2018年10月19日追記>

「拡張版」の公開が延期されました。

<2018年7月27日追記>

以前から噂となっていた「拡張版」の12月全国公開が発表されました。

「拡張版」とは、諸般の事情により本編から泣く泣くカットされたシーンを追加し、当初構想された形で公開されるものです。

正式タイトルは「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」です。

こちらもぜひご期待ください!!


・・・ところで、拡張版の公開を記念して、こぼれ話を一つ披露させていただきたいと思います。

私はクラウドファンディングに参加しました。その特典としてエンドロールに氏名が掲載されました。

ところが・・・なんと誤記されていたのです!

あはは、すずさんのあわてんぼう(笑)

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『人生のひとこま。』

<2017年3月1日追記>

この作品の最大のテーマは、「日常を大切にする」という事だと思います。戦時中であれ、現代であれ、人々は様々な苦難に囲まれています。そのなかから、いかに幸せを見つけ出し、育て育むこと。それの営みが「日常」であることを教えてくれます。

余談ですが、英語で「日常」は「Slice of life」と表現されることがあります。「人生のひとこま。」って、ちょっと洒落てますよね。

さて、この作品を劇場で見終えた後、脳裏に浮かんだ詩を披露させていただくことで、全5回にわたる冗長なレビューをまとめさせていただきます。


「人生のひとこま。」

誰かが 泣く
誰かが 笑う
誰かが 怒る
誰かが 祈る

この世界の片隅に
いつのときでも・・・

ありがとうございました。
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『豊かさとは?』

<2017年2月19日追記>

例えば、「裕福だけど不幸せな生活」と「貧しいけれど幸せな生活」ならば、どちらを選びますか?

ここで「裕福」とは「財産や収入がゆたかで生活に余裕があること」を意味します。「幸せ」とは「不平や不満が無く楽しいこと」を意味します。

私は迷わず「貧しいけれど幸せな生活」を選びます。

人間はモノの不足には耐えられても、ココロの不足には耐えられないように思えます。

この作品は戦時中が描かれています。物資は何でも不足している状態です。しかし主人公は、その物資不足を補うべくあれこれ工夫を凝らします。その工夫を楽しみます。たまにはドジを踏みますが、温かい家族のきずながそれを支えます。同じ貧乏の近所の方々とも支え合います。

それから70年経った現在で、貧困が問題となっています。さまざまな原因分析と対策が議論されています。しかし私はそれらは効果がないと考えています。

『心の豊かさ』とはなにか?を見つめなおす必要を感じています。
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『健全な社会について考えてみた』

<2017年2月13日追記>

例えば、「毎年の戦死者が2万人で自殺者が0の社会」と「毎年の自殺者が2万人で戦死者が0の社会」とでは、どちらが”健全”な社会だと思いますか?(2万人という数字は、昨年の日本の自殺者数を基にしています)

どちらの社会も「平和な状態」とは言えないことは明らかですが、どっちがマシでしょうか?

私は迷わず自殺者0の社会を選びます。

戦死は「敵に殺された」という疑いようのない理由がありますから、ある意味、交通事故と同じでしょう。遺族や友人は心の整理が比較的つけやすいでしょう。(ちなみに昨年の交通事故死者数は3000人です)

しかし、自殺は「自ら死を選ぶ」という禁忌を犯すわけです。遺書や何らかの形で理由を遺す場合もあるでしょうが、なにぶん当人の心の中にしか本当の理由は遺されていないのですから、遺族や友人はやりきれないでしょう。そして、「あのとき助けてあげてたら」といった後悔の念に囚われるでしょう。

自殺者の多い社会は、戦死者の多い社会よりも、世の中に暗い影を落とすと思います。

また、自殺の原因は、当人だけでなく、家庭や職場などの環境にもあることが多いと思います。周囲の環境が当人の危険信号をいち早く察知し、適切な手を打つことが出来れば、自殺を食い止めることが出来たかもしれないケースは多いと思います。

この作品で描かれた家族や地域社会は、それができる社会であったように思えます。

実際、自殺死亡者数の年次推移をみると、昭和11年の15000人までは増加傾向を示していますが、昭和12年から戦時中まで減少傾向となっています(ただし戦時中につき資料に不備有)。

「戦争でいつ死ぬか分からないのに、わざわざ自分で死ぬ必要はない」という考えもあるでしょうが、私は社会が自殺希望者を思いとどまらせたのではないかと考えます。

私は「毎年の戦死者が2万人で自殺者が0の社会」のモデルである戦中の方が現代よりも人の心は「健全」だったと信じます。
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<2017年2月6日追記>

『戦争映画の復興』

色々な気持ちが交差してうまくまとまりませんので小分けにすることにしました。その第一弾です。

この作品、色々な賞を受賞し、各種メディアで取り上げられ、ネットでも多くの賞賛を頂いているのですが、私は「そんなに評価される作品かぁ?」と戸惑っています。クラウドファンディングに参加した人間としてはあるまじき感想ですが正直なものです。

戦争映画というジャンルは、本来、極限の状況における人間の姿を描く一大スペクタクルでした。光と闇、理性と感情、英知と無知、科学と精神、秩序と無秩序、勇気と卑怯、我儘と寛容、傲慢と卑屈、などのありとあらゆるテーマを取り扱う事ができました。

私が子供の頃の1970年代までは、そうしたバラエティーにとんだ作品たちが多く制作され、劇場やテレビで流れていました。この作品は、それらの作品と比べると、アニメ作品であることを覗けば特に目新しいものは見当たりません。もちろん、負けず劣らず良い作品ですが。

ところが、1980年代に入って、戦争映画というジャンルは一気に衰退します。原因は二つあると考えられます。

一つは娯楽の主役の座が映画からテレビに移ったことです。興行収入が減る中、製作費が高い戦争映画は避けられるようになりました。

もう一つは、70年代のムーブメントとして、ベトナム反戦・安保闘争・学園紛争・過激派闘争などを受け社会が左傾化したため、大東亜戦争観が変貌し、「反戦平和」をテーマとした作品が作られるようになったことです。これらの作品は、イデオロギー色が強く、エンターテイメント性に乏しく、興行成績は振るいませんでした。

2000年代に入ってから、若干のエンターテイメント性が感じられる作品が制作されるようになりましたが、「反戦平和」から抜け出すことはできないまま現在に至っています。

このため、若い人にとっては、戦争映画・アニメは「暗くて悲惨」というイメージになっているようです。

この作品は、イデオロギー色を極力排除できているように思えます。「何を訴えたかったのか良くわからなかった」といった感想がときおり見受けられるのがその証拠だと思います。

そして何よりも、劇場に足を運んでいただいたご年配の方やお子様たちが、上映中に何度も笑っていました。そして、すすり泣いていました。これこそエンターテイメントです。これは、80年代以降の戦争映画しか見たことない方々にとっては新鮮だったでしょう。そしてこれがヒットの一因だと思います。

この作品が「戦争映画の復興」への足掛かりとなることを強く期待します。それでこそクラウドファンディングに参加した甲斐があるというものです。

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<2017年1月15日追記>

『Slice of life』

全国公開から遅れる事2ヶ月。やっとやっとやっと見る事が出来ました!
クラウドファンディングに参加した甲斐がある素晴らしい仕上がりでした。

色んな思いが渦巻き合って、納得できるレビューが書けません。
今はこの詩に思いを託したいと思います。


”Slice of life”

Somebody cry
Somebody smile
Somebody angry
Somebody pray
In a corner of this world
At any time.


お粗末さまでしたm(__)m

投稿 : 2025/03/15
♥ : 50
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

日常のレトリックに覆われたアンビバレントな交錯

考察、専門用語あり。
難易度中。

本作は初回を劇場で鑑賞。
その後、マスコミで騒がれたからか、妻も観たいという要望がありiTunesストアでビデオを購入した。
つまり、いつでも鑑賞可能な状態にある。

☆制作情報

▼原作者:こうの史代
▼アニメーション制作:MAPPA

▼話数:劇場版129分
ネタバレレビューを読む

【物語】
《反戦とシナリオに潜む唯物史観》
本作はあにこれに限らず、既に多くの場所で様々な評価をがされているが、未だに「反戦」であるとか否かという論争もあるようだ。
本作において「反戦」をメッセージの一つとしていることは、鑑賞をすれば一目瞭然だろう。
メディア作品は「印象」が全てであり、多くの方々が「すず」に共感や同情をしつつも、けっして同じ時代で同じ境遇を送りたいとは思わないだろう。
そう思った時点で本作の「反戦」メッセージはあなたに届いているのだ。

本作が今までの反戦作品と異なっているのは、唯物史観(自虐史観)の教条に満ちたイデオロギーが過去作(はだしのゲンなど)と比して、プロットで日常バイアスをかけることで反戦メッセージの希釈化とエンタメ指向を高め、鑑賞者に対し導入のハードル下げる誘導を行うなど、独特の印象操作により「反戦」がレトリックされている点であろう。

私はここで本作が「反戦」であるか否かのロジックを立ててまで分析をする気はない。
既に左翼は本作を反戦作品と認めているからだ。
左翼ネットメディアの「LITERA(リテラ)」の記事が的を射た左翼の代弁をしているので紹介する。

『この世界の片隅に』に「反戦じゃないからいい」の評価はおかしい! “戦争”をめぐる価値観の転倒が
https://lite-ra.com/2016/11/post-2722_3.html
(引用)
>「反戦じゃないからいい」とうそぶいている人たちにも、この映画は、確実に戦争への恐怖を刻み込んでいるだろう。

私は理系であるゆえに帰納的に観測される他の方々のレビューに記述されている事後評価と「LITERA」の主張を照合することで、概ねその主張は実態に即していると結論している。

何も難しく考えることはない。
本作が「反戦」であれば、そのように素直に認めればいいのだ。
あとは鑑賞者が「戦争」をどう考えるのかに委ねればよい。
そこで表明された意見こそが、その人の思想の発露なのであり、その意味で本作はリトマス試験紙の役割も兼ねているのだ。

ネタバレレビューを読む

《物語まとめ》
ネタバレレビューを読む

以上、本作を手放しで評価はできない理由は上記に集約される。
反原発の『みつあみの神様』のように、反戦アニメでも是非私を唸らせる作品に巡り会いたいと思う。
映画で出来ることはアニメでも可能なはずだ。
したがって、評価の分母が時代とその背景をより精密に描写し、隙がない反戦メッセージを発している五味川作品であるので、低評価となることは悪く思わないでいただきたい。

なお、五味川作品も本作も敵視をしているのは「ある時代の日本」である点が共通である。
本作が従前の反戦作品のフレームに囚われず、自分達の生命を狙った「米国」を批判対象としたなら、最大限の賛辞を捧げたであろう。

『トラ・トラ・トラ!』でも述べたが映像メディアは政治ではないのだから自由なのだ。
言論、表現は旧弊や政治に囚われず自由闊達に行うべきであり、原爆も空襲も本来怒りをぶつける相手は「米国」ではなかろうか。

我が国では「ポツダム宣言」に基づき戦争犯罪者を「平和に対する罪(A級戦犯)」(事後法遡及適用)、「通常の戦争犯罪(B級戦犯)」戦時国際法違反、「人道に対する罪(C級戦犯)」(事後法遡及適用)を処罰の対象とされた経緯がある。
なお、極東国際軍事裁判ではC級戦犯の訴追事実はない。
「人道に対する罪」はニュルンベルク裁判においてナチスによるユダヤ人絶滅(ジュノサイド)を裁く目的で設けられた事後法である。

大日本帝国時代をことさら悪のように強調する目的で朝日、毎日等の左派の報道そして日共のプロパガンダではBC級戦犯という表現を使用し、悪意あるミスリードで自虐史観の刷り込みを誘う作為的な誤りであり、C級戦犯判決の事実は存在しないことを強調しておく。
極東国際軍事裁判の話しをすれば長くなるので、ここでは必要なことだけを記す。

まず、裁かれたのは全て第二次世界大戦の敗戦国であり、裁いたのは戦勝国であることを再認識して頂きたい。
要するに、戦勝国の戦争犯罪は裁きたくても裁けない状況下にあったのである。
ここで問題にするのは、米軍による原爆投下を含む日本本土空襲である。
我が国が受けた空襲は全て軍事目標だけであったのだろうか。
否である。

1945年3月10日の下町一帯を目標とした東京空襲をはじめ、原爆投下を含めほとんどの空襲は軍事目標とはいえない地域を対象に行われた。
これは、大東亜戦争時に有効であった「ハーグ陸戦条約(陸戦の法規慣例に関する条約)」違反であり、米国も本来裁かれるべき行為であるのだ。
----------------------------------
条約附属書(陸戦の法規慣例に関する規則)
第二五条
防守セサル都市、村落、住宅又ハ建物ハ、如何ナル手段ニ依ルモ之ヲ攻撃又ハ砲撃スルコトヲ得ス
----------------------------------
我々はそのことをけっして忘れてはいけないし、戦争とは勝てば官軍であり、勝利者の論理が正義となる不条理な状況を生むのだ。
自虐史観は誰にとって都合が良いものなのか、賢明な閲覧者の皆様はここに答えを記述しなくても分かっていただけるだろう。

原爆死没者慰霊碑に刻まれている「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」には主語がない。
「過ちを繰り返しませぬ」は「米国」に向けてのコンプライアンスでもあるのだ。

少し物足りないないが『俺は、君のためにこそ死ににいく』(2007 新城卓監督 東映)は大東亜戦争のもう一つの主役である名も無き兵士達が、特攻で死地に赴く際の本音から、間接的に米国批判を行っている稀有な作品であり、この作品のベクトルを担う作品こそがポスト反戦なのだろう。
そろそろ勝利者側の論理、東京裁判史観の自虐から脱皮し、本音をぶつける反戦作品が出て来ても良い頃ではなかろうか。

テーマとメッセージ
★★★★★☆☆☆☆☆2.5(五味川二作品を5とした場合の評価点)

※エンタメ性と表裏一体する参考評価
思想の刷り込みなどマインドコントロール技法
(評価が高いほど悪質である。)
★★★★★★☆☆☆☆3.0(五味川二作品を4.5とした場合の評価点)
5-3=2

プロパガンダ性
(評価が高いほど悪質である。)
★★☆☆☆☆☆☆☆☆1.0(五味川二作品を3.5とした場合の評価点)
5-1=4

エンタメ性
五味川二作品は重厚である分、エンタメ性には難がある。
その点本作は、前半部分では親しみ易い日常光景からキャラへの共感を誘導する。
ネタバレレビューを読む高クオリティな描写を演出している。

★★★★★★★★☆☆4.0(五味川二作品を2とした場合の評価点)

(2.5+2+4+4)/4=3.125≒3.0(物語)

(★は一個0.5点)
物語★★★★★★☆☆☆☆3.0(評価点)
作画★★★★★★★★☆☆4.0(評価点)
声優★★★★★★★★★☆4.5(評価点)
音楽★★★★★★★☆☆☆3.5(評価点)
キャラ★★★★★★★★☆☆4.0(評価点)

平成30年(皇紀2678年)12月8日大詔奉戴日初稿

投稿 : 2025/03/15
♥ : 62
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

本作自体は良作と思いますが、本当に考えるべきことは別にあるのでは?

(2018.12.8 戦争名称と戦争原因について補足説明を追記)

登場人物の手が顔と同じくらいの大きさに描かれていて、明らかに作画ミスってると思われるシーン等、ちょくちょく作画・演出が乱れている箇所があった他は、概(おおむ)ね丁寧に作られていると思いました。
シナリオも、ネタバレレビューを読むで思いがけない感動を覚えるなど、最初から最後まで飽きずに楽しめました。
ということで、まず良作認定しておきます。

・・・でも、個人的に本作を鑑賞していて改めて強く感じたのは、

戦争の悲惨さ残酷さを確り描き出して、視聴者に「二度と戦争を起こしてはならない」という"メッセージ"を繰り返し喚起するのは、それはそれで意味のあることなのだろうけれども、

責任ある大人が本当に考えるべきは、そういう戦争の「結果」の方ではなくて、

「そういう誰も望まないはずの戦争がなぜ起きてしまったのか?」
「なぜそういう悲惨で残酷な戦争に我が国が巻き込まれてしまったのか?」

という戦争の「原因」の方を、史実に即して冷静に見極めていく、ということなのではないか?ということでした。

とくにここで「巻き込まれてしまった」という私の受動表現に抵抗を感じてしまった方は要注意です。

・戦前の日本は暗愚で粗暴な軍国主義のファシズム国家だった。
・中国や朝鮮半島やアジア各地に醜い侵略を仕掛けた果てがあの悲惨な戦争だ。

↑みたいな話をNHK夏の恒例の「太平洋戦争(*3)」特集番組では今も延々とやってるそうですが(※これって終戦後にGHQ進駐軍にそういう番組を作るように命令されて以来ずっとやってるそうです)、こんな話を今でも信じ込んでいる人ってどれくらいいるのでしょうか?(まだまだ沢山いそうな気もしますけど)

但し、上に書いた「誰も望まないはずの戦争」という表現には例外があって、実は「日本とアメリカが全面戦争に突入し、その結果として、国力の大幅に劣る日本が壊滅的な敗戦を迎える」というシナリオを事前に描いて、そのシナリオが実現すべく画策した人々ないし組織が(日本側にもアメリカ側にも、そしてこの両国の外側にも)いた、という話は一度検証してみる価値があります。

◆戦争「原因」の一考察

社会科の教科書には、第一次世界大戦の混乱のさなかに誕生したソ連の指導者が、ソ連一国だけの革命ではなく“世界革命”を目指した、ということまでは書かれていますが、その“世界革命”が具体的には“敗戦革命”という戦略プランに基づいて、各国に思想的共鳴者や工作員を扶植・養成し、ことに政府部内や報道関係者に内通者・協力者を獲得ないし送り込むことにより、時間をかけて実際に着々と遂行されていった(*1)、ということまでは書かれていません(※なぜ書かれていないか?は(*4)へ)。

もう少し詳しく説明すると、この“敗戦革命”というのは、

(1) かってソ連が、帝政ロシアが第一次世界大戦でドイツに敗戦を重ねて国内に生じた混乱(既存支配層の権威失墜と国民各層の窮乏・社会不安の増大)に乗じて、まんまと革命を成功させ発足したこと、をモデルとして、
(2) 革命対象国を何らかの形で悲惨な敗戦に追い込み、その混乱に乗じて革命を成功させる、とする冷酷な戦略で、
(3) 具体例として、第二次世界大戦での枢軸国側の敗戦に乗じて枢軸参加国であったハンガリー・ルーマニア・ブルガリア・チェコ等で共産主義/社会主義政権が成立、敗戦国ドイツも東半分が共産化、また東アジアでは敗戦国日本に協力していた満州国や南モンゴルの自治政府が倒れ、また日本と戦って消耗していた蒋介石率いる国民党政府がその後の国共内戦に敗れて共産主義中国が成立、日本と合邦していた朝鮮半島でも北半分で労働党政権が成立しています。

そうした、日本の「誰も望んでいなかったはず」の戦争突入とその必然的な敗戦、そしてその結果としての戦後の東アジアの激変という状況証拠から見て、

<1> 戦前は「ソ連を盟主とする共産主義勢力の東アジア浸透の防波堤」になっていた日本をアメリカとの全面戦争に追い込み、
<2> この防共の防波堤を決壊させるとともに、あわよくば日本にまで“敗戦革命”を引き起こそう、と策動する勢力が、
<3> 我が国の内外に(※日本だけでなくアメリカや蒋介石の国民政府の側にも、また政治指導者だけでなくマスコミ・言論人にも)浸透していて、
<4> そうした策動に免疫のない我が国の政府や国民が相手の仕掛けに右往左往するうちに「誰も望んでいなかった戦争」にまんまと引きずりこまれていってしまった、

・・・と考えると色々と辻褄が合う所があります。

→つまり、先の戦争で結局誰が一番得をしたのか?という観点から逆算して、その原因を作った者を考える、という視点を持つ。
→あるいは、先の戦争の「成果」を現在、誰が一番固守しようとしているのか?という観点から逆算して、その黒幕を考える、という視点を持つ。

・・・ということで、この辺の話は興味があればネットや書籍で色々と調べて検討していただきたいのですが、要は、

「戦争は悲惨で残酷だ、二度と戦争を起こしてはならない」

とせっかく思うのならば、上で指摘したように

「では何故戦争が起きてしまったのか?」

というところまで、真剣に考えるのでないと片手落ちですよ、ということです。

※そうした視点の欠落を考慮して本作の評価点数を少し低く付けています。
※本作のような話は今までも色々と作られてきたと思うし、今後も作られてマスコミの陰/日向のバックアップ(*2)もあってヒットもすると思いますが、もうこういう「戦争は悲惨で残酷だ。二度と戦争はしてはいけない」と何となく思う段階で思考停止するのは止めませんか?

※レビュー本文ここまで。

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※以下、補足説明。
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/15
♥ : 55

72.0 4 昭和で戦争なアニメランキング4位
千年女優(アニメ映画)

2002年9月14日
★★★★☆ 3.9 (448)
2168人が棚に入れました
芸能界を引退して久しい伝説の大女優・藤原千代子は、自分の所属していた映画会社「銀映」の古い撮影所が老朽化によって取り壊されることについてのインタビューの依頼を承諾し、それまで一切受けなかった取材に30年ぶりに応じた。千代子のファンだった立花源也は、カメラマンの井田恭二と共にインタビュアーとして千代子の家を訪れるが、立花はインタビューの前に千代子に小さな箱を渡す。その中に入っていたのは、古めかしい鍵だった。そして鍵を手に取った千代子は、鍵を見つめながら小声で呟いた。「一番大切なものを開ける鍵…」
少しずつ自分の過去を語りだす千代子。しかし千代子の話が進むにつれて、彼女の半生の記憶と映画の世界が段々と混じりあっていく…。

声優・キャラクター
荘司美代子、小山茉美、折笠富美子、飯塚昭三、津田匠子、鈴置洋孝、京田尚子、徳丸完、片岡富枝、石森達幸、佐藤政道、小野坂昌也、小形満、麻生智久、遊佐浩二、肥後誠、坂口候一、志村知幸、木村亜希子、サエキトモ、野島裕史、浅野るり、大中寛子、園部好德、大黒優美子、山寺宏一、津嘉山正種

shisune さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

だって私…

主人公の藤原千代子の半生をインタビューを通して思い返していく、というお話。
場面の移り変わりがおもしろいんですが、若干混乱しました(最初だけ)。
千代子の一途な恋心がなんとも言えません。

物語のラスト、おもいっきり、監督に突き飛ばされましたね~。
五キロくらい吹っ飛ばされた気がしました。
まさに衝撃のラストです。
最後のシーン、思わず声に出してしまいました(笑。
ものすごい裏切りです。

なんといっても今敏監督。万人におすすめできる良質のアニメーションです。
ほんとに、もっともっと監督のアニメを見たかったです。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 4

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

千年を納得させる女優の回廊

今敏監督作。

本作は大女優千代子に、取材を行い談笑しながら物語が進まれる。名女優ゆえ、めったに取材に応じないが、何かを開ける鍵を渡すため訪れた取材陣。ただ話はソファーに座りながら、その一女優の出演作を時代と合わせ、女優の年齢の順に流されていく。

本作の面白い所は、何の前触れもなくその映画の世界に入り込ませ、そんな中、取材者2人も同じ世界に入り込み取材を行うという疑似パラレルな展開。それを現代の取材時間(ソファーでの取材)と、疑似パラレルの取材時間(映画の中)を唐突に移り変えて、時間の感覚をずらしてきやがる所。

最初の出演作で女優になる決意をした彼女と同じように、見てる側にも映画(本作)を見る価値ある、風な演出ほどこし、彼女は恋人を探して疑似パラレルの幾つもの世界を渡り歩くことになる。

出てくる疑似パラレルは、関東大震災、満州、戦時中の投獄等々。時代劇からSF風までの彷徨う時の回廊。ここが社会派アニメ的にも魅せられ、深みみたいなものを感じるし、勘ぐって社会派としても見ちゃった回廊。

疑似パラレルの変化を通して様々な役をこなしながら幾つもの物語を魅せてくるし、取材野郎も役者としても噛んでいたりして、一癖あるドキュメンタリーなのか、ロマンティックな恋なのか、社会派アニメなのか、鍵という伏線によるサスペンスなのか、と、いうフェイクらしいものを入れてくる。

「現在の取材による時間」「様々な疑似パラレルによる時間」
「疑似パラレルの中で経過する役と年齢」「演出のフェイクによる感情変化」
そんな側面を持ちながら、一つ芯を通した鍵と恋。だがその芯にも癖演出。

千年を感じさせる為に用意された幾つもの疑似パラレルやメッセージ的フェイクは、重みと不思議な軽さを伴った、心が安堵したような悲しい心地よさに包まれた。私ごときが、ことの顛末まで書くのは野暮ですなこりゃw視聴して頂きたい一作。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 37

もちすい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

淡くて激しくてしたたかな

とある大女優が自分の人生を“恋心”という部分に焦点を当てて振り返る、という物語。

終始インタビュアー&カメラマンの二人組みとの会話~回想シーンという映像が続くのですが、女優ということで、回想を映画の演技シーンになぞらえて、さらには回想にも二人組が入り込んでくる、という、実験的で、かなり奇抜な映像表現がこの作品の特徴です。

これ、本当に面白い表現だと思うし、この題材とこの表現を組み合わせることを前提にした脚本は完璧すぎるぐらいうまいんですけど、回想と演技のシーンを重ねるということは、どうしても視聴者にとっては感情移入の妨げになると思われます。
回想に入り込んでくる二人組も、説明役、場面転換のアクセント、と効果的な働きもしているのですが、やっぱりこれも感情移入したい人にとってはノイズになってしまいます。

ということで、映像表現としてはとても面白いのですが、同時にあまりの奇抜さに面食らってしまって、全く作品に入り込めない、ということになる可能性もあります。
私の場合は初見がそうで、2回目に観たときにやっと落ち着いて観れました。

あとは感情移入を求める人も注意が必要です。
感情移入できないこともないですが、かなり女性向け、しかも対象年齢高め、と、ものすごく観る人を選ぶ作品です。

とはいえ、今敏さんの作品は、アニメーションという媒体に対してのアプローチがあまりにも個性的で、多くのアニメ作品とは全く違ったベクトルを持っているので、合う合わないは別として、「こういうアニメもあるんだ」と、観ておいて損はないと思いますよー。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 13

63.1 5 昭和で戦争なアニメランキング5位
夏のあらし!春夏冬中(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (155)
961人が棚に入れました
古くから営まれる街の喫茶店で、八坂が出会った年上の女子高生・あらし。自らを幽霊と称する彼女は、八坂と手をつなぐことで過去へと飛べる不思議な少女だった。
いわくつきのマスター、あらしを追うグラサン男。八坂と同じ中学1年の上賀茂。そして、ドイツ人の少女・カヤ──。
ノスタルジック溢れる喫茶店・方舟を舞台に、少年と少女達の忘れられない夏休みが始まる。

声優・キャラクター
白石涼子、三瓶由布子、名塚佳織、小見川千明、生天目仁美、安元洋貴、野中藍、堀江由衣、杉田智和

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

一部男子思春期のトラウマ 或いは【ジュブナイル】×【タイムリープ】というSFコメディの傑作

なんか数ある「シャフト」制作の作品の中ではメチャクチャ点数低いんですけどwこれぞ『隠れた名作』なんじゃないかと思います


この「春夏冬中」は分割2クールの「第2期」になります
タイトルの「春夏冬中」は「あきないちゅう」と読みます
なぜこんなややこしいタイトルにしたのかは「ひだまりスケッチ×☆☆☆」「ぱにぽにだっしゅ!」と並び意味さっぱりですw
そしてこのアニメは夏アニメではなく、秋アニメでしたwww(第1期は春アニメ)


物語はヤンチャな13歳の主人公、八坂一(通称:はじめちゃん)が幽霊でしかも特定の相手とタイムリープする能力を持った美人女学生の嵐山小夜子(通称:あらしさん)に一目惚れするところから始まる


あらしさんがウェイトレスとして働く喫茶店「方舟」に集う一癖も二癖もある仲間達とタイムリープが巻き起こすSF要素を含んだコメディが魅力の作品です


イマイチ素直になれないはじめちゃんのあらしさんへの淡い恋心も並行して描かれたりで、年上女性に甘酸っぱい気持ちを抱いた経験のある元思春期男子の皆様には少々切なくなる部分もございますので








(ノд`)


第1期はあらしさんの生きていた頃の時代にまつわる謎に迫る上で、日本の戦時下へタイムリープするシリアスなエピソードがいくつかありましたが、命のやり取りをするエピソードにしてはその辺の緊張感がまるでなく紙芝居レベルでガッカリでした


第2期では純粋にSFコメディ&ラブコメディ展開でキャラクターの掘り下げに入っているのが素晴らしいです


この作品でもっともイミフなのはタイムリープものだからって理由なのか、当時アニメ業界で流行っていた昭和歌謡をキャラソンとしてカバーするってのがありまして
コレに関しては「WHITE ALBUM」のキャラソンみたいな必然性は無いんで本当に好みの域です


シリーズディレクター 大沼心、石倉賢一
シリーズ構成 高山カツヒコ
キャラクターデザイン 大田和寛
総作画監督 伊藤良明
と、当時のシャフト制作で考えうる最強の精鋭スタッフで作られた気合は評価したいですが、作品の掛け持ちで相当テンパっていたのか、過度な期待は禁物です


本当はボロクソに叩きたいのですが(爆)それでもやっぱりけみはあらしさんを忘れられんのですよ、嗚呼・・・orz
こんなヲタウケしそうにないアツイ主人公とヲタウケしそうにない叶わぬ恋物語に挑戦したその心意気は大変素晴らしいと思うんですよね、うんうん


いま思えば喫茶店を舞台にしたコメディということで「それ町」の前身の様な作品でしたが、全体的なクオリティでは「それ町」の方が上です

投稿 : 2025/03/15
♥ : 5
ネタバレ

jethro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

僕らの夏は終わらない

夏のあらし!の第2期、今期は、ラブコメ度が急速上昇
前半は、男装の美少女、上賀茂 潤(かみがも じゅん)のバレるバレない話
後半は、あらし と はじめちゃん のエピソード中心となっています。

第1期において、戦時中が絡むエピソードは回収されており
後半の あらしエピソードが始まる前までは
これといったメインエピソードが存在しないバラエティ編のような内容
ゆえに、重度に病的なドタバタコメディとなっており
あまりに深すぎるネタには、ついていけないものもチラホラある

今期における最重要テーマは、
それまで当たり前、普通の事として定着していた「幽霊」である点
つまり「死んでしまった存在」である事
「夏の間だけ」戻ってくる季節限定の霊である事がピックアップされ
付かず離れずの あらし と はじめちゃんの関係が
夏の終わりの到来と共に色濃くなっていきます。

そして良い感じに盛り上がってくるのですが
ネタバレレビューを読む

個人的には
ややパターン化された喫茶「箱舟」定番シーンの数々が
まさにスタジオ コントのノリにまで成長していたのが及第点
特に、「注文を頂いたわ加奈子」劇場が最高でした。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 3
ネタバレ

景禎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やくしまるえつこさんの歌うED曲がいい

「夏のあらし」の2期です。1期からあまり期間を空けずに放映されています。
基本的には1期の流れをそのまま踏襲しているギャグアニメです。1期視聴が必須ではないですが、お決まりの型というのが1期から継続していますので、ギャグの理解のためにも1期視聴を強くお勧めします。2期になって、作画も少し垢抜けて見やすくなっているように思います。

2期は1期に比べて純粋にギャグである、という印象です。ギャグのパターンのバリエーションの変化を楽しめます。「塩ください」や「名前を忘れてしまったわ」もいろいろ変化します。このへんを楽しむためにも1期は見たほうがいいですね。

OPが斬新です。やくしまるえつこさんの歌う曲がいい。ただ、クレジットが読みにくい・・・つか、ほとんど読めない。OPアニメはエロいが、露出オーバの演出で画面が全体的に白く、かんじんなところは見えないです。

最終話はネタバレレビューを読む1期から継続して見るとギャグに感動すらおぼえます。そして、ED後にネタバレレビューを読む場面があります。全体を締めるのにちょうどいい、ちょっとしたスパイスが効いている感じになっています。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 7

64.4 6 昭和で戦争なアニメランキング6位
はだしのゲン(アニメ映画)

1983年7月21日
★★★★☆ 3.4 (32)
178人が棚に入れました
世代を超えて読み継がれる、中沢啓治の反戦漫画の劇場アニメ化。1945年4月の広島。国民学校(戦時中の小学校)2年生の中岡ゲンは、父親の大吉が戦争を批判したことから非国民の子といわれていた。だが苦渋の生活に耐える一家の前で8月6日、広島にピカ(原子爆弾)が投下。ゲンは父、姉、弟を一瞬のうちに失った。このショックで早産した母・君江と、生まれた赤ん坊の妹・友子の面倒を見ながら、他の被災者とともに必死に生きるゲン。彼は死んだ弟・進次にそっくりな戦災孤児・近藤隆太を家族に加え、そして原爆のため全身に大火傷を負った画学生の青年・吉田政二の看病をしながら戦後の世を生きていくが。制作はマッドハウス。監督は真先守。原作・脚本ではゲンの2人の兄が登場しているが、完成した本作のアニメ版では整理された。また原作では政二青年は死亡するが本作では最後まで生存するなど、いくつかの改訂が図られている。なおゲン役のCV・宮崎一哉はオーディションで選ばれた、広島県出身の当時小学生だったが、この作品で好評を博し、以降、本格的にボイスアクターの道を歩むことになった。

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

これはぜひ観ていただきたい作品です。

はだしのゲンとは
原作者自身の原爆の被爆体験を元にした作品で、これはそのアニメ映画です。
小学生の時、平和教育の時間に御覧になられた方もいるのではないのでしょうか?

最近、YouTubeでこの作品のとあるワンシーンをたまたま見つけまして。
それは丁度、広島の町に原爆が投下されるシーンでした。

凄まじい轟音と閃光。
あらゆる生命が失われたその瞬間が生々しく、途方もない恐ろしさをもって表現されます。
幾重にも重なった荒い線で描かれた絵。その中に、この作品に携わった方たちの感情をひしひしと感じ溢れる涙を抑え切れませんでした。

でも、こんな言葉なんかじゃ伝えられない。そんな焼けつくような映像でした。


これがきっかけではだしのゲンを視聴することにしました。
この作品には1と2があるのですが、1は原爆投下前後のエピソード。
2は戦後、少し成長したゲンのエピソードです。
両作品、話が続いているので一気に観たほうが良いかと思います。
ゲンやその仲間たち、彼らを見守る大人。必死に生きる彼らの姿は私にとって生涯忘れえぬ程の感動を与えてくれました。

小学校の頃図書館で読んだ原作とは全く違う印象を受けました。
この作品に込められているのは説教くさいメッセージなんかじゃ決してない。人間である彼らの生き様なんです。


現在、平和教育のためにこのアニメを児童に鑑賞させることはほとんど無いそうです。
表現の過激さが原因ということもありますが、時代考証に多少誤りがあるそうで。
致し方ないですが、実に残念なことだと思います。


またこの作品は当時の時代背景・人間の様子を考察するきっかけを私に与えてくれました。
あれから、関連する本をいろいろ読むようになりました。

最近読んだモノでおすすめなのが
『原爆投下は予告されていた 国民を見殺しにした帝国陸海軍の「犯罪」』(著:古川愛哲)
という著書です。
原子爆弾投下時の政府の対応と福島原発事故時の政府の対応にみられる共通性について言及しています。

タイトルからも分かるように、この著者の観点には政府批判への極端な偏りが見られるので
内容を鵜呑みにするのも危険ですが、的を射た部分もありとても考えさせる内容に違いは無いです。

原爆と原発。日本人はどうやら原子力と腐れ縁なようです。

ついこの間まで、原発についてそんな真剣に考えたことなんてありませんでした。
自分が考えてもどうしようもない問題だとスルーしていたので。
でも、はだしのゲンや数々の著書に触れて、少しずつ考えるようになりました。
やっぱり政府の役人たちだけに丸投げしていい問題でもないですよね。
私と同じようにあまり原発に対して意識したことのない方には是非触れて頂きたいです。


■最後に

はだしのゲンという作品をきっかけに
こういう風にまだ自分が変わっていけることを嬉しく思いました。
この出会いを大切にしたいです。

読んでいただきありがとうございます。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 13

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

1度は見ようぜ

戦争もの。
80分くらい。
そういう時期なんで。
お姉さんが意外と可愛い。
泣ける。

かなり有名な作品なんで、レビューもさぞ多いんだろうと思ってたらまさかの7件。
7・・・阪神の和田監督じゃないんだから、この数字は少し寂しい。
意外と言えば意外だったが、テーマがテーマだけに今までみたいに好き勝手書くわけにもいかず正直難しい。言葉も慎重に選んで書く必要がある気がする。こういうところもレビューの少なさに影響してるんだろうか。

知らない人のほうが少ないだろうけど舞台は第二次世界大戦後期の広島。
原爆投下後も逞しく生きていく主人公の姿を描くお話。

原作本が割りと小学生とかにも広く読まれていた(今は知らん)から、このアニメもおそらく下は小学生からと幅広い層に向けて作られたものだろうと思うが、特に原爆投下のシーンでは、そこまでやるんだってなくらい力を入れて作られてるように感じる。
このシーンだけ抜き出した動画とか見れるけどどうせなら全部見ましょう。
これはお子様が見てもガクブルもので恐怖しか残らんだろう。勿論それも狙いの1つなんだろうが。

ある程度大人になって見てみると恐怖より怒りのが勝ってくる。
原爆投下からの一連の展開を見ると、くたばれアメリカ人と思うし、てめーらは比較的安全なとこにいて勝てもしない戦争をグダグダ引き伸ばしたボケ共にも腹が立ってくる。
言葉が悪いのは百も承知だが、見てる時はそう思ってしまう。
日頃チワワのように温厚と噂される自分ですらこう感じるのだ。
多分、大勢の人が怒りまたは悲しいという感情を抱くのではないだろうか。


戦争もので思い出すのは、ほたるの墓だがこちらも短いながらも良作。
ストーリーも80分ちょいの中によくぞここまで詰め込めたなと思うくらい濃い目の内容。
只、ガキの頃見るよりもある程度大人になってからこそ見るべき作品だと個人的には思う。

でもま、機会があるならこっちより原作本のが明らかにいいから出来たらそっちで。
いやこっち先に見て興味沸いたら原作本でもいいかもしれない。
どっちにせよお勧め。














    

投稿 : 2025/03/15
♥ : 32

keylove さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

素晴らしいとは言わないけど、きっと日本人が忘れてはいけない問題

思う出しレビューになりますが、ある意味では大切な作品だと思いますので、書いておきます。


舞台は1945年、終戦間近の広島市。ゲンの父で下駄の絵付け職人大吉は、反戦思想の持ち主。こうしたことから、中岡家の家族は町内会長の鮫島や近所から「非国民」扱いされ、様々な嫌がらせを受けた。

以上wikiからの引用です。


現代のアニメを観てる人からすれば(自分もですけど)これはつまらない作品かもしれません。
でも、この問題定義というか、テーマはすごいと思います。

まさに終戦間近の広島。
つまり誰もが知っている原爆投下直前のお話です。

これは週間少年ジャンプで1972年に掲載されたらしいですが、アニメとか映画とかいう次元を超えていますね。

火垂るの墓もそうだけど、これは日本の歴史。
そして、世界の歴史ですよね。

たしか、文部科学省推薦だった気がするのですが、うなずけますね。


世界で原子爆弾(核爆弾)を投下されたのは日本だけです。
それは今の時代でも塗り替えられることなく、唯一の被爆国です。

そのことを忘れている、もしくは気にしない日本人が多数いる時代だからこそ、こういう作品と言うのは受け継がれるべきだと思います。
これが泣けるからだとか、描写がリアルだからとかそういうのじゃなくて、あくまできちんとした歴史を認識しておくという意味で必要だと思います。
戦争のことを否定したりするのは、こういう場にはふさわしくないと思いますが、このアニメ作品を観れば、そういう気持ちが湧くのはたしかです。
こんなに悲惨なことがつい数十年前に現実に日本で起きたということを、本当にリアルに描いている作品です。

ただ単にグロだとか作画が古いとか声優さんやキャラなど、今のアニメ作品と比べることなく、日本人として、心に刻むためにも、観ておいて損はないと思います。

ですので、ストーリーには高得点をつけました。
これはノンフィクションとも言えますから。

興味がある人はぜひ観てください。

投稿 : 2025/03/15
♥ : 17
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