1987年度の星間飛行アニメOVAランキング 1

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66.5 1 1987年度の星間飛行アニメランキング1位
スペース・ファンタジア 2001夜物語(OVA)

1987年6月21日
★★★★☆ 3.7 (12)
27人が棚に入れました
『ヤマタイカ』『ブルー・シティ』などで有名な巨匠SF漫画家・星野之宣の原作を元にしたOVA。 西暦2058年。はるかな深宇宙の開発に臨む人類は、高速彗星を利用した恒星間宇宙船「オズマIII」で新時代のアダムとイブを銀河に送り出す。中には、有志ロビンソン夫妻が提供した凍結保存された精子と卵子が収納。常人なら耐えられない高速で飛ぶオズマIIIは人類移住可能な星系を探知すると受精卵を解凍するシステムだった。それから375年後、ロビンソンの子供たち22人はくじら座の惑星オズマに到着。だが彼らを待っていたのは、科学と時間の進化がもたらした皮肉な運命だった……。 壮大な構想で描かれた宇宙開発連作短編サーガを元に語られる、宇宙への憧憬の念が感動を呼ぶ。原作では約20本のエピソードが時間と空間を超えて綴られたが、OVAはその中から3本の物語を選定して映像化した。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

壮大な宇宙開発ものSF。子孫を想う気持ちと宇宙進出の物語。

 星野之宣氏の原作ですね。ハードSFです。とはいってもSFの素養はそれほど必要でなく、普通に見ていれば読み取れると思います。

1.恒星間飛行がまだ光の速度が超えられなかった時代、実用的な年月で他の恒星系の惑星に到達するには人間に耐えられないGで加速する必要がありました。人間ではなくロビンソン夫妻の卵子と精子を送り惑星についたら受精させる計画を実行しました。そして、彼ら彼女らの親代わりは…

2.卵子と精子を送り出したあと、地球では光速を超える恒星間飛行の技術が開発されます。 {netabare}そして、1で送り出した惑星は人類は住めないことがわかります。そのため、ロビンソン夫妻の子供が1の宇宙船を追い越して、先回りして惑星を居住可能に改造します。{/netabare}

3.地球からまた宇宙船がたどり着きます。{netabare} その目的は地球が居住可能でなくなったために、新天地としてこの惑星を目指してきました。{/netabare}さて…という話です。


 ここまで壮大な話を1時間にまとめた手腕は大したものだと思います。キャラに感情移入するタイプの話ではありませんが、宇宙開発と子孫を想う気持ちの両方を描いた本作は人類の科学についての大きな示唆をくれます。結局AIでインナースペースにこもっても人類はいずれ限界を迎えます。子孫を残すという気持ち=宇宙開発というところが、今の停滞した世界には必要なのかもしれません。

 実は、この話原作との違いはあります。3の目的が移住ではなく、遺伝子が古くなることを防ぐために惑星に住んでいる400年前の人類の遺伝子が欲しかった。そして、先にもう1世代前の宇宙船が来ていて、3世代の話になっているなどです。

 ただ、そこは本質ではないため、気になりません。肝心なのは宇宙開発と子孫です。題名からわかるとおり「2001年宇宙の旅」の2001年に思いをはせたのでしょう。内容は全然違いますが、両作とも人類の進化と拡張の話です。

 作画は丁寧でキャラデザも星野氏のキャラを上手くアニメ化しています。SF表現も満足でした。これは5でいいでしょう。ストーリーも満足だし、テーマ性が素晴らしいので5です。音楽がちょっとちゃちで博物館で見る映像についているみたいなので、3。キャラ造形は難しいですね。ロビンソン一家に視点を向ければ素晴らしいですが、個人のキャラは立っていませんので4でいいかな。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4
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