日本のメディア芸術100選で戦争なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの日本のメディア芸術100選で戦争な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月08日の時点で一番の日本のメディア芸術100選で戦争なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.2 1 日本のメディア芸術100選で戦争なアニメランキング1位
銀河英雄伝説(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★★ 4.3 (952)
4078人が棚に入れました
西暦2801年を宇宙暦1年とした遥かな未来。宇宙に進出した人類は、専制政治を敷く銀河帝国と民主共和政を唱える自由惑星同盟の二大勢力に分かれ、 150年にもわたる断続的な戦争を続けていた。長く不毛な戦いが永遠に続くかに思われていた宇宙暦700年代末、両陣営に2人の英雄が出現する。銀河帝国の貧乏貴族の家に生まれたラインハルトは、姉を皇帝に奪われた事をキッカケとして、銀河帝国を奪い取る野望を胸に軍人となり、出世していく。 一方、敵国である自由惑星同盟にあって、不本意ながら軍人になってしまい、不本意にも関わらず功績を立て続けるヤン・ウェンリー。 一見正反対の彼ら2人の登場により、人類の歴史が大きく展開し始める
ネタバレ

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

銀英とあにこれとアニメ業界について

あにこれに参加して1ヶ月時点で書いたレビューを書き直しました。

この作品のレビューを書くのが目標だった。(2013/11)
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アニメ視聴数が100未満、銀英を見た事が無い若い人に向けてのメッセージ的な。


あにこれの影響力とアニメ業界全体について
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こちらはアニメ視聴数が100以上、投稿レビュー数もそれなりの人への話。
銀英の話を持ち出しているので、多少のネタバレを含みます。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 88
ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

週刊 銀河英雄伝説 復刊!第20号

復刊のご挨拶
 年の瀬も押し迫ってまいりましたが、如何お過ごしでしょうか。
 さて、皆様への御約束通りここに「週刊 銀河英雄伝説」の復刊を宣言いたします!(一週遅れてしまいましたが)
 まだ折り返しにも到達しておりませんが、今後もより一層気を引き締めて刊行を続けていく所存であります。
 今後とも何卒ご愛顧のほどをお願い申し上げまして、挨拶に代えさせて頂きます。
       平成27年12月20日 ヤピゴスティーニ代表 やっぴー


休刊のお詫びと挨拶
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創刊の挨拶
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 第一話「永遠の夜の中で」
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 第二話「アスターテ会戦」
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 第三話「第十三艦隊誕生」
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 第四話「帝国の残照」
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 第五話「カストロプ動乱」
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 第六話「薔薇の騎士」
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 第七話「イゼルローン攻略!」
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 第八話「冷徹なる義眼」
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 第九話「クロプシュトック事件」
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 第十話「ジェシカの戦い」
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 第十一話「女優退場」
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 第十二話「帝国領進攻」
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 第十三話「愁雨来たりなば・・・」
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 第十四話「辺境の解放」
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 第十五話「アムリッツァ星域会戦」
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 第十六話「新たなる潮流」
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 第十七話「嵐の前」
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 第十八話「リップシュタットの密約」
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 第十九話「ヤン艦隊出動」
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 第二十話「流血の宇宙」
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 第二十一話「ドーリア星域会戦、そして・・・」
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 第二十二話「勇気と忠誠」
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 第二十三話「黄金樹は倒れた」
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 第二十四話「誰がための勝利」
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 第二十五話「運命の前日」
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 第二十六話「さらば、遠き日」
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 第二十七話「初陣」
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 第二十八話「肖像」
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 第二十九話「細い一本の糸」
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 第三十話「失われたもの」
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 第三十一話「査問会」
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 第三十二話「武器なき戦い」
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 第三十三話「要塞 対 要塞」
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 第三十四話「帰還」
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 第三十五話「決意と野心と」
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 第三十六話「雷鳴」
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 第三十七話「幼帝誘拐」
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 第三十八話「矢は放たれた」
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 第三十九話「ひとつの旅立ち」
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 第四十話「ユリアンの旅・人類の旅」
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投稿 : 2025/04/05
♥ : 30
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

絶賛する程ではないが、一定の政治哲学的な考察内容を含む点は評価したい《英雄一代記》

これまで色々視聴してきた『機動戦士ガンダムシリーズ』は、確かに多彩な要素を含む《メカ系バトル&エンタメ作品》として大いに楽しめたのですが、その一方で、初代→Zや、SEED→SEED DESTINYといった同シリーズの中でも大作&有名作に顕著な傾向として、

①如何にも「戦争と平和」或いは「望ましい政治のあり方」といった政治的/思想的大問題を描き出す「ふり」をしつつも、
②実際のところは、そうしたテーマの分析に必要不可欠な緻密な論理的考察を積み重ねることなく、専ら感情論的・情緒的に戦争や政治に関わる人々の悲劇性を謳い上げる「戦争文学」「戦争叙事詩」的な内容に終始していること

に少しばかり失望して、もう少し「政治哲学」的な考察内容を含んだアニメ作品がないものか検討してみたところ、そうした分野での有名作として本作が目に留まったので、この機会に手を出してみました(※制作順に劇場版+本伝を完走。外伝は一部のみ視聴)。

※以下、本作と部分的に類似した内容をもつ大作『機動戦士ガンダム(UCシリーズ)』『コードギアスR1-2』にも言及つつ本作を考察していきます。

◆総評

本作は、視点の置き方により、次の3階層で楽しめる作品となっていると考えます。

(1) 頭脳バトルもの(ないし戦術・戦略もの)として
(2) 英雄一代記(※好敵手の外伝的内容を含む)として
(3) 政治体制や戦争と平和についての政治哲学的考究ものとして

◇まず、 (1) 頭脳バトルもの(戦術・戦略もの)として
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◇次に、 (2) 英雄一代記(※好敵手の自由市民の外伝的内容をも含む)として
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◇最後に、 (3) 政治体制や戦争と平和についての政治哲学的考究ものとして
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◆本作の結末についての考察(重要)

本作の展開を簡潔に書き出すと

ネタバレレビューを読む

・・・ということで、本作は、アニメ作品に限らず、戦争もの/政治ドラマ仕立ての作品によくあるような「民主主義万歳!」「革命万歳!」「独裁者を倒せ!」etc.といった安直な内容にはなっておらず、逆に、

<1> デモクラシー(democracy、正確に訳すと「民主制」「民主政治」であり「民主主義」は誤訳)は、デマゴギーの蔓延によってモボクラシー(mobocracy、衆愚制・衆愚政治)に堕落する危険性を常に孕んでいること、
<2> 堕落した衆愚政治に支配された民主政国家は、英邁・有能な独裁者をいただく専制君主政国家に政治的・軍事的に劣後し敗北する結果を招きかねないこと、

を、長編アニメという作品媒体を通して、首尾一貫した構成の下に確りと描き出していることについては、やはり原作者/アニメ制作者はなかなかの見識をお持ちである、と素直に賞賛したと思います。

但し、本作に描かれたような展開と結末は、実は政治学(政治哲学を含む)をある程度真面目に学んだ者には常識に属するものであり、

[1] それをわざわざ、本伝110話+劇場版3作も掛けて描くほどのものではないように思われる上(※それだけの時間があれば、政治哲学の有名著作を何冊か読んだほうがマシだと個人的には思います)、
[2] アニメしか見ない層の場合は、せっかく本作を見終わっても「よく分からないけれど何やら政治に関して高級な薀蓄(うんちく)が色々と披露されているみたいで、とにかく凄かった」程度の感想しか残らないもの、と推測され、

・・・そういう意味で、本作を、「頭脳バトルもの+英雄一代記」 というエンタメ作品としての評価に加えて、「政治体制や戦争&平和の関係」についての政治哲学的作品として絶賛するには、個人的には足踏みしてしまう結果となりました


◆シリーズ別評価(外伝は除く)

(1) 劇場版 わが征くは星の大海 (1988年2月)  ★ 4.0
(2) 本伝  第1期 (1988年12月-1989年6月) ☆ 3.7
(3) 本伝  第2期 (1991年6月-1992年2月) ★ 4.0 
(4) 劇場版 黄金の翼 (1992年12月) ☆ 3.7
(5) 劇場版 新たなる戦いの序曲 (1993年12月) × 3.4 ※後半が本伝1-2話の使い回し
(6) 本伝  第3期 (1994年7月-1995年2月) ☆ 3.8
(7) 本伝  第4期 (1996年9月-1997年3月) ☆ 3.5
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本伝・劇場版を併せた総合評価       ☆ 3.8

※上記の理由のとおり、本作の作品テーマ自体はそれなりに評価するものの、その冗長さがマイナスとなって、全体評価は ☆ 3.8 と程々の点数に留めました。
(それでも『機動戦士ガンダム(UCシリーズ)』の平均点 ☆ 3.7 より少し上です)。


◆各話タイトル&評価(本伝+劇場版)

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

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◆(既視聴者向け):本作からの拡張

もし本作を、「政治論」とくにその中の「デモクラシー」の考究ものとして捉えるならば、その重要な指摘のひとつは、

「デモクラシーの要諦は、正当な言論とデマゴギーの見極めである」、あるいは、
「政治の要諦とは、デマをデマとちゃんと見抜くことである」

・・・でしょう。

デマゴギーはいつの時代だって発生します。
古代ギリシアの直接民主制では、デマゴーグ(デマを撒き散らす者=デマゴゴス)はアゴラ(広場)でアジテーション(扇動演説)を繰り返す人、と相場が決まっていましたが、近代以降の間接民主制では、デマゴーグ達はその主戦場を新聞やTVといったマス媒体に移し換え、「権威」や「真実」の衣を偽装して人々を彼らの思う方向へ扇動しようと試みます。
その卑近な例が、2009年9月の一時的な政権交代に至るマスコミによる異常な政治的扇動であったと私は理解していますが、そのようなものに引っかかってしまった人たちが、今後再び同じ愚を犯さないと、私たちは果たして言い切れるでしょうか?

せっかく本作を視聴して何らかの感銘を受けた方ならば、本作について「深い」とか「考えさせられる」みたいな余り内容のない感想を持つだけで終わらずに、どうせなら、もう少し本格的に政治現象を読み解くための杖 -政治学とか政治哲学とか呼ばれているもの- にも手を伸ばして欲しいと思いました。

※そのための第一歩として、岩田温『逆説の政治哲学』(2011年刊)あたりを個人的に推しておきます。(必ずしも岩田氏の論説に全て同意する訳ではありませんが、本書自体は『ザ・フェデラリスト』、『フランス革命の省察』、『革命について』といった政治哲学の古典の秀逸なガイドブックになっているため。)

(2018.8.29 誤字訂正) 

投稿 : 2025/04/05
♥ : 31

90.8 2 日本のメディア芸術100選で戦争なアニメランキング2位
風の谷のナウシカ(アニメ映画)

1984年3月11日
★★★★★ 4.2 (1972)
12680人が棚に入れました
極限まで発達した人類文明が「火の七日間」と呼ばれる最終戦争を引き起こし、瘴気(有毒ガス)が充満する「腐海」と呼ばれる菌類の森や獰猛な蟲(むし)が発生した。それから千年余り、拡大を続ける腐海に脅かされながら、わずかに残った人類は、古の文明の遺物を発掘して利用しつつ、細々と生きていた。腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアの戦乱に巻き込まれる。風の谷の族長ジルの娘であるナウシカは、運命に翻弄されながらさまざまな人々と出会い、自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして腐海と人類との共生の道を探っていく。

声優・キャラクター
島本須美、納谷悟朗、松田洋治、永井一郎、榊原良子、家弓家正、辻村真人、京田尚子
ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『風の谷のナウシカ』作品紹介と総評+考察「宮崎駿の自然観①」

言わずと知れた宮崎駿監督の代表作の一つ。
元は漫画作品で、原作の途中までのアニメ化となっています。

(あらすじ)
産業文明を崩壊させた最終戦争から千年後の世界。猛毒の瘴気を放つ「腐海」と呼ばれる樹海が拡がり、人類の末裔が住まう土地は日々失われている。辺境の峡谷にある小国「風の谷」は風向きにより瘴気から守られ、穏やかな農耕生活を営んでいる。族長ジルの娘ナウシカは剣術や飛行術を修めた勇女であり、人々が忌み嫌う腐海の生き物と心を通わせる優しい少女でもあった。
ある夜、風の谷に大国トルメキアの輸送機が墜落する。積荷は工房都市ペジテから略奪した巨大生体兵器「巨神兵」の卵。谷は追っ手のトルメキア軍により占領され、ナウシカは捕虜となる。司令官の皇女クシャナはかつて世界を焼き尽くした巨神兵を現世に復活させ、腐海を焼き払わせようと目論んでいた。(wikipedia参照)

1984年公開の作品というと、もう30年前の作品になるのか…。
いや、決して「古い作品だ」ということを強調したいのではないですよ?
むしろ、”時代を感じさせない作品”の代表ではないかと思います。

まずは何と言っても作画の素晴らしさ。私も昔から何度も観ているのにも関わらず、毎回観るたびに画の綺麗さにビックリしてしまうんですよね。人間の躍動感ある動き、王蟲の触手や体の動き、神秘的だが同時に恐怖と気持ち悪さを感じる腐海の描写、爆発や燃焼の描写などなど…。一度でいいから大スクリーンで観てみたいと思ってしまいます。

ストーリーのテーマとしては”人間と自然の共生”について。宮崎監督と言えばやはりこのテーマだと思います。特に本作で特徴的なのは”人に恐れられる自然”が描かれている点でしょう。自然の脅威に曝され、人類滅亡の恐れがある終末世界で、人と自然の歩むべき道を求めるナウシカの姿にとても感慨深い物を感じます。

もちろん、最初に観たとき(子供の時)は「よくわかんないけどすごい!」という感想しかありませんでした。しかし、色んな知識や教養を身につけた現在では、また違った視点でこの作品を楽しめている自分を発見しました。世代を超えて楽しめる作品は本当に素晴らしいと思います。

さて、ここからは少し考察をしていきたいと思います。先にも述べましたが、宮崎監督の作品にはよく「自然との共生」というテーマが含まれていますが、その本質を探っていきたいと思います。テーマとしては、ずばり「宮崎監督の自然観」についてです。


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(記述:3/2)

投稿 : 2025/04/05
♥ : 42

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

この40年で本作を超える劇場アニメは作られたのか?

 24年6月。今年で本作の公開1984年3月11日から40年が経ちました。改めて見ましたが、その完成度に今更ながら驚きました。それでふと疑問に思いました。果たして日本のアニメーションはこの作品を超えることができたのでしょうか。

 映像表現はもちろんですが、はじめから終わりまで場面場面にほぼ無駄がありません。
 しかも無駄なセリフがありません。説明がなくても物語世界の理解が進む展開。環境問題や反戦・反大量破壊兵器はわかりやすいテーマですが、2人の姫の生き方の物語でもありました。キャラの作り方も配置もいいです。勧善懲悪から脱し、聖女のヒロインでも悪魔的な敵役でもない、それぞれの理屈の中、世界が崩壊する危機を救うのは理解でした。

 SFとして時間の流れや人類がたどった道が想像できるし、その未来にも思いを馳せることができます。わずか2時間の物語は話そのものも密度が高いですが、その壮大なイメージはちょっと類例がない気がします。

 原作よりもマイルドな終わり方ですが、原作よりも開いた未来が想像できます。宮崎駿氏は不満だったかもしれませんが、私はケガの功名で原作よりも良いと思っています。特に今のいつ災害に見舞われるかもしれない世の中に生きていると、映画版の方が気分的に寄り添うことができます。

 エンタメとしても様々な印象が残るシーンが目白推しです。5分に1度くらいあるんでは?私は特にメーヴェの場面は全部好きです。

 後に「もののけ姫」が多分この作品のリメイクにあたると思います。「もののけ」の方が、キャラの深みやテーマの深堀り、世界観などは進化していると思いますが、しかし、エンタメとしてのアニメーションの出来を考えた場合「もののけ」はあまりに暗く、爽快感がないです。そしてマインドとして「もののけ」のあとは現代につながる自然破壊、神を失っていく我々の衰退が想像できます。日本的なので湿度が高い感じが、作品の内容までべたつかせている感じです。

 本作はSF作品であることで、同じテーマをエンタメに昇華しきれている気がします。その能天気さが宮崎氏は気に入らないのかもしれませんが、私はそこがよかったです。
また、この作品って感情移入の私小説的なテーマの込め方じゃないんですよね。氏のほかの作品では透けて見える氏の思想性がストーリーにうまく変換されていて、かなり西洋的な神話・伝説的な物語構造になっている気がします。

 そして、本作を超える作品があるか?と考えたとき、最近の作品はアニメのテーマや設定、キャラの人物造形などは宮崎作品よりもずっと深いし、リアリティもあるし、内面描写や生き方問題など真面目に考えられていると思います。キャラの相対化や伏線などのテクニックも複雑で面白いです。
 今敏氏や新海誠氏などの作品の優れたものをピックアップすると、映像表現はもちろん、ある意味では大人向け作品としてテーマの選び方描き方などは、宮崎氏の上を行っています。

 ですが、アニメというジャンルを考えたとき、2時間という枠を考えたとき、これほど面白く、テーマが明確で、世界観に広がりがある作品はちょっと他に見当たりません。
 そして、それは宮崎駿氏の作品そのものにも言えます。劇場版アニメ作品で、氏は本作を超えられたか。日本の劇場アニメが実写を超えたハリウッドに肩を並べた瞬間がナウシカだとすると、本作の40年周年を踏まえこの夏ちょっと日本の劇場版アニメ史を考えたいですね。

 そうそう、そしてこの作品に続編がないこともクリエータは意味を考えて見習ってほしいです。まあ、原作は続きがありますし、それはそれで面白いのですが、劇場版ナウシカの続きは個々の視聴者にゆだねられました。それが劇場版映画の意味だし素晴らしいところです。




以下 21年5月のレビュー

日本では、実写<アニメ を決定づけた、歴史の転換点。

 ナウシカが作られた1984年。年表を見る限り、999の1979年というのと、マクロスの1984年が付近にありますが、ハリウッド映画に対抗して同列で比較できるレベルのアニメ映画は、日本ではこの「風の谷のナウシカ」が最初なのではないでしょうか。(もちろん999もマクロスもオーパーツなのですが)
 鬼滅とか君の名は、もちろん、千と千尋の神隠しなど、世界で大ヒットしたアニメが多々ありますが、日本にはアニメがあるじゃないか、アニメならハリウッドに勝てる。そういう道に日本が進んだ原点なのではないでしょうか。そういえばアキラが1988年でした。

 ユパの最初の登場シーンから始まり、ナウシカとの邂逅そして、ナウシカの「気流が乱れてうまく飛べないの」といって、走って崖から飛び去るシーン。もう鳥肌ものです。あのシーンだけで涙が出るくらいです。
 島本須美さんの澄んだ声、メーヴェのデザイン、場面にあったレベルの高い音楽、王蟲の暴れる姿、「怖くない…ほらね」。もう、冒頭の15分だけで見せ場がどれだけあるか。今ですらそうなのです。当時の衝撃はすさまじかったと思います。

 そしてその後のストーリー。無駄なところが全くなく、風の谷の生活を見せ、伝説を聞かせ、クシャナが攻めてきて、森に向かい、アスベルと出会い…この映画が116分というのが信じられません。よくこれだけの話を2時間に収めた、というくらい、壮大な話が展開します。

 また、終盤でペジテの船からメーヴェで雲海に飛び出して、コルベットから逃げ出すシーン。すごかったですね。音楽もですが、雲の質感とか風を感じるんです。アニメ史上もっともカッコいい場面は?と聞かれて、私なら候補にいれるかもしれません。

 そのほかクシャナが攻めてきて、ジルが…となったとき怒りに任せて戦うナウシカ。もちろん巨神兵の攻撃。印象的なシーンが数分に一度あります。

 環境汚染を早くからメッセージとして取り入れながら、ハードなSF設定の上でのファンタジー的な物語。しかも空を飛ぶ聖女のような美少女が大活躍する。
 映像、ストーリー、音楽。どれをとっても、超一級品です。アメリカに見せて誇れる映画は?と聞かれて、確実に入る1本ではないでしょうか。今見てもすごい、というのではなく、いつ見てもすごい、という映画だと思います。

 原作では少々宮崎駿のクリエーター魂がさく裂して、バットエンドになっていますが、映画版の未来への希望を抱かせるラストは素直に受け入れればいいと思います。

投稿 : 2025/04/05
♥ : 13
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

恐怖、「シス子の館(やかた)」に謎の多足生物出現!!

某月吉日(金)

その日はとても暑い日でした

お勤めを終え夜の11時に帰宅
これだけ遅い時間なのに部屋の中はまだ気温が30度を超えていました

すぐにエアコンをつけ火照ったからだを冷却

涼んだところでお着替えでもしようかと
なにげに床においてある洗濯物に目をやると
3センチほどの灰色の塊があるのに気づきました

ホコリかなにか落ちているのかな?

なんて思って手を伸ばすと
なんと
突然その黒い物体が動き出したのです

しかもものすごい速さで
ゴキブリくらいの速さでしょうか

でもあきらかにゴキブリとは違います

なんだかもじゃもじゃと毛のような触覚のようなものがたくさん生えていて
その毛がムカデの足のようにうねって進んでいるみたいです


その得体の知れない
なんとも表現のしがたい不気味な物体を見て
私は思わず悲鳴をあげてしまいました

ギャァァ~~^^
グエェェェ~~(吐いてないよ^^)

そのまま
とるものもとりあえず
お着替えも中途半端に
エアコンも電気もつけっぱなしのまま
部屋を脱出し実家に避難してしまいました

謎の生物の出現を口実に
実家で上げ膳据え膳
3食昼寝付きの贅沢三昧を貪った私は
(※以前にもゴキブリが出たとき非難した経験から
  着替えなどが常時置いてあります)

翌日から仕事に行かなければということで(社畜ゆえの本能です)
家出から二日後に母親同伴で帰宅

恐る恐る部屋に入り
謎の生物がいないことを確認し
すぐさまバルサンを焚き
ベランダや玄関の前に虫除け用の薬剤を散布

一昨日の悲鳴と
私たちのなにやら怪しげな行動が気になったのでしょう
お隣さんが玄関の扉から顔をのぞかせ
心配そうにこちらを眺めています

このままではご近所関係が険悪になる・・・と
懸念した私は
変な宗教活動や
対テロ対策などではない旨を説明し
なんとか納得していただきました


幸いにも
その日以降は
謎の生物は出現していませんが
帰宅後1週間ぐらいは
落ち着いて眠ることが出来ませんでした


ちなみに
この謎の生物の正体
後で調べたところ
「ゲジ(蚰蜒)」というムカデのなかまだそうで
たまに餌(虫など)を求めてお家の中にも進入してくるそうです

なにはともあれ
侵入を防ぐには
お部屋の中はいつも清潔にし
餌となる虫を駆除しておくことが望ましいとのこと








さて
なんで作品レビューに
こんなお話を書いているのかというと


この「ゲジ」を目撃し
実家で避難生活をしている間
改めて思ったのです

私って虫がスゲー苦手なんだな・・・って

そして
虫関連で嫌な思いをしたとき
いつも思い出してしまうのが

この
「風の谷のナウシカ」という作品なのです

巨匠
宮崎駿氏の原作・脚本・監督作品

「火の7日間」と呼ばれる戦争により崩壊した文明
それから1000年
汚染された大地
「蟲」と呼ばれる巨大で不気味な昆虫
人間の体を蝕む毒「瘴気」
その瘴気を放つ植物が群生し拡大し続ける「腐海」
「蟲」「瘴気」「腐海」に怯えながらもたくましく生き抜く人々

そんな荒廃した世界の辺境の地「風の谷」のお姫様「ナウシカ」を描いたお話


私がいままで観てきたアニメ作品のなかで一番たくさん観ている作品ではないでしょうか
10数回くらい?

しかも
ほとんど
というか全部「金曜ロードショー」で^^

当然
元手が掛かっていません^^
なんともリーズナブルなアニメ作品です^^


一番最初の視聴は小学校の低学年
もしかしたら保育園のころかも知れません

それから10数年(←ウソつけ)

先に書いた作品の世界観からもわかるように
テーマとなるのは
「戦争」や「自然破壊」などちょっと重めのハズ

なのに
自分自身が印象に残っているシーンはちょっと外れたところが多く
しかも視聴した頃の年代によって色々

幼い頃では

巨神兵の笑い顔ってどんな顔?
アスベルって布切れだけで大丈夫なの?(←ご想像にお任せします♡^^)
アスベルって長靴を食器代わりにするの?
(※アスベル:ペジテ市の王子)

だったのが

最近では

ナウシカってノーパン??
ナウシカがラステルの胸見て「自分のより大きい」ってキレてる^^
でもナウシカも結構大きい^^
(※ラステル:アスベルの双子の妹)

なんて
テメ~なんかにナウシカ観る資格ね~!!
などと「ナウシカファン」の方からお叱りをいただきそうです


でも
そんな他愛のない印象もさることながら
年代に関係なく強く心にのこっているのが
さまざまな「蟲」が出てくるシーン

小さい頃からインドア派
しかも大の虫嫌いの私にとっては

虫・・・

しかも「王蟲(オーム)」みたいな脚のたくさんあるものは
とてもノーサンキューでして
レビュー書いている今も思い出しただけで
体中がかゆくなってくるほどです

アスベルが蟲の大群に追いかけられているところとか
アスベルがなんか平べったい空飛ぶ巨大なムカデみたいなのに食べられそうになったところなんか(なんかさっきから“アスベルネタ”ばっか^^)
見てられなかったけど

それよりも圧巻(?)だったのが

ナウシカが幼い頃に
王蟲の子供を隠して飼っていたお話

そこで
ナウシカが小さい王蟲を抱きかかえるシーン

子犬ほどの大きさの王蟲
でもこれ冷静に見たら

「巨大なダンゴムシ」なんですよ!!

最初みたとき卒倒しました(←大げさに書きました)

とにかく
最近では「~ナウシカ」を視聴するときは
蟲が出てくるシーンは目を閉じて
音だけで楽しんでます^^



余談になりますが(なにがメインだったのか謎ですが^^)

虫が苦手とさんざん書いてますが
一応
普通の昆虫は大丈夫なんですよ・・・一応・・・

小学生の頃には
男の子に触らせてもらったりもしてましたからネ

男の子が
「お、俺の大きいだろ?」って出してくるから
私が先っぽのほうを触ると
ピクッて動いたりしてネタバレレビューを読む
意外とかわいい・・・
なんて思ったりしました^^

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/04/05
♥ : 14
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