2024年度の日常系おすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度の日常系成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月11日の時点で一番の2024年度の日常系おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.5 1 2024年度の日常系アニメランキング1位
じいさんばあさん若返る(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (127)
383人が棚に入れました
青森で何十年もりんご農家を営む正蔵とイネは、周囲からおしどり夫婦と呼ばれるほど仲睦まじい。 ある日、畑で見つけた不思議なりんごを食べてみた2人。 次の日目覚めると、若い頃の姿に戻っていた!? かつてイケメンだった正蔵と美人だったイネ。 若返ったその姿に、子供や孫たちをはじめ周囲の人々はビックリ。 とんでもない奇跡を起こしながらも、正蔵とイネはマイペースに、じいさんばあさんらしく日々を過ごしていく。 今までと変わらず夫婦二人仲良く、そして今まで以上にパワフルに――。

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

Re:米寿から始める新婚生活

今期の密かなお気に入り
おじいちゃんおばあちゃんが次々出てきてワイワイガヤガヤするホームコメディでは評価低いのも仕方ないと思うんだけど、私は好き

じいさんばあさんが若返って子どもや孫たちと触れ合いながらイチャイチャするハートフルコメディ(体若返っても何故か髪の毛だけは白髪のまま)
死ぬまでずっとお互いを尊敬しあえる関係がステキ
一般的なラブコメでは表現できない愛の深さが感じられてとても良かったです!

ただ若返ってイチャイチャするだけの都合のいい話じゃなくて、老人だからこそ「死」や「老い」を真剣に見つめなおす話にもなっています
ステキな伴侶と暖かい子孫に囲まれて幸せな老後生活
こんなに幸せな日々でも、残りの時間が少ないことを嫌でも意識させられて寂しさも感じる話でした
失ってから後悔する前にそばにある幸せの大切さをかみしめるいい機会になるかもです!

惜しいところ
・方言めちゃくちゃすぎて崩壊してる、どこの言葉??
・じいちゃんばあちゃんの若い頃の青森、なんか違和感がある、時代設定がぼんやりしてるのかな?
・若返りはともかく、お爺ちゃんお婆ちゃんが超人すぎるのが謎、若返っただけじゃないの?
・孫ちゃんたちの交友エピソードがちょっと薄い、主役じゃないからなんだろうけどもう少し時間使っても良いと思った

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

究極の幸福論。愛する人と土地とともに愚直に生き子孫を残す。

 断念しましたが最終回だけ気になって見たら、かなりいい結末だったのさかのぼってみました。これは今の「子供を産まないほうが幸せ」「年収〇〇〇万円が結婚の条件」などの風潮に一石を投じる作品かな、と思います。
 原作者がどこまで意図しているかわかりませんが…いや、私なんかよりよほど考えているのかもしれません。究極の幸福論な気がします。

 苦労があったからこそ老後に夫婦の共通の思い出があり、親族がいて知り合いがいる。そして自分の生まれた土地を愛し生業を愚直に営むのが、人間として自然な生き方なのではないか。思い出は良い思い出もいいですが、苦労した思い出はかけがえのない宝です。豊かな生き方とは何ぞや?老いて死が間近に迫った時に感じる幸せとは、金があり好きなことをしてきた思い出ではありません。

 そうすることで死んでも、未来に子や孫が続いてくれるし、リンゴ畑も残ります。それが生きた証と信じて死ねる。これこそが本来的な人間の幸せなのでしょう。
 だからこそ究極の幸福論と言えます。経済を追いかけ、子供を作らない人は好きなことはできますが、老いることでそういう楽しみ方はどんどんできなくなります。つまり、老いが苦しみになる生き方です。でも、この老夫婦のように生きると、死の間際に幸福のピークがくる。

 若返るというのは走馬灯あるいは命の灯のメタファーなのかもしれません。それを砂時計と言い換えて、随所に作品の意味を教えてくれました。「つみきのいえ」は夫婦が別のタイミングとなりましたので、幸せを感じつつも、もの悲しい雰囲気が強かったですが、こちらの方が何かほっとするような終わり方でした。

 本作のテーマを言葉にするとありきたりとも取れますが、素朴な夫婦の物語にすることで直接的ではないですがわかりやすくなりました。常に孫のカップルを対比に置いた意味が伝わってきます。時代を超えた普遍性もかんじられました。

 エンタメ的な面白さという点ではそこそこかな、という気もしますが、静かですが深い味わいのある感動という点で優れた作品だと思います。それはあまりテーマ性を前面に出さないからこそだったかもしれません。

 評価は…全体的にちょっと盛ってますが、しかし、話のレベルは相当高い気がします。ある種の文学性もあってよく作りこまれた作品だと思います。
 アニメ、エンタメとしての評価は低めですが…評価に迷うなあ。最終回を見ることが価値になる作品ですので、最終回までひっぱれる力がちょっと弱いのかな。
 



1話 エロい女子高生で話を作っているだけ?

{netabare} なんでしょうね?よくわかりませんが「老人が若返った」という話に見えないんですけど?リアリティ云々を言ってもしょうがないんですけど…若返りしたときに起きるドラマって、そんな感じなの?という気がします。

 いや、言い方が難しいですけど、シリアスとか社会的なメッセージを求めているわけじゃなくて…うーん…エロい女子高生が騒いでるだけ?

 若返って青春を謳歌しつつ、いつ歳を取るかわからない恐怖とかなら「アルジャーノンに花束を」のメソッドですし、もう1度人生を繰り返す喜びと苦痛のジレンマとかなら人魚とかエルフの亜流ですし…ですけど、何かそういうのが欲しいなあ…ギャグでいいので。

 もうちょっとしっかりした話を期待していましたが…うーん、次で判断します。 {/netabare}


2話 1話よりは全然よかったですが、それほどでもと思ったら次回予告が気になりました。

{netabare} 1話よりはよかったですね。特に後半の息子のところと木のところは短編としてはいい話だと思います。テンプレですけどね。話のテンポからいって、4コマ漫画なんでしょうか。

 若者礼賛ではないし「年寄り」にも若い時代はあったしそこから生きてきた人生の振り返り、積み重ねの重みという意味においては良い話だとは思います。
 うまくいけば「つみきのいえ」のような感動も生み出せると思います。が、どうでしょうね。若返った意味性がやはり薄いとは思います。

 悪くはないけどやめようかな、と思ったところで次回予告が…うーん、だったらまだ話がよくなる可能性もありますね。来週も一応見ようと思います。 {/netabare}


3話 浅いと思ってたら、しっかりテーマがありますね。 

{netabare} あーそう来ましたか…終わりをどう描くか、ですね。浅いかと思ったら思ったよりも、タイトルがそのままテーマになっている感じで、興味が出てきました。「アルジャーノンに花束を」の老化&夫婦版ですね。正直話の作り方はあまり面白くないんですけど中身はあるし、メインの砂時計関連の話はいいです。視聴は継続かなあ…これは切れないですね。 {/netabare}


5話 良い話だけに中身がわかりきった内容になってしまったかな?

{netabare} いい話です。申し訳ないですが、題名からもうちょっとアダルトな作品を想像してましたが、真面目に歳をとるということを描いているようです。年齢というのが不幸、死に向かっている恐怖ではなく、積み重ねによって人間が豊かになってゆくということも、描けていると思います。

 ただ、です。いい話で真面目な話なだけに、中身がわかりきったことになってしまっています。テンプレとはいいません。作品自体が珍しいジャンルではありますので。ただ、視点が一般論で終わってしまっていないか、ですね。

 どちらかと言えば、年齢をとることの恐怖や苦しみの救済としての若返りと、年齢を重ね苦労があり死に向かうことが不幸ではない人生の晩年の豊かさということとセットで描ければな、という気がします。

 そこがないのでドラマとしての面白さが単純になってしまっています。うーん…正直24分見ているとちょっと退屈を感じてしまいます。中身はいいんですけど…一回断念しようかな、と思います。

 30歳以前の人が、歳を取る意味、結婚してパートナーがいる幸せ、苦労の大切さを知る話としてはいいんでしょう。ただ、そのためにはもっとエンタメにしないと厳しいのでは?と思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

悪くはない、が…どの層狙いなのか。

正直、若いころの自分自身は、お年寄り系がメインを張る作品はあまり好きではありませんでした。
小僧時分ですから、今ほど多様性もなく、実際は年配者が主役の作品はそう多くなく、また、小僧から見れば「お年寄り」とまでは言えない「中高年」も十分「じじばば」に見える訳で・・・w。
余計に苦手だったのかもしれませんけどね。

何でなのかなあ・・・。
やっぱ、自分もいつかああなるという現実は当たり前なのに、実感が出来ない、想像ができない自分とのギャップや、まだまだ先の事だと思いたい、そうなりたくはない、なんていう恐怖で心がザワザワしたからなのかなぁ、なんて自己分析。

しかしながら、時間の流れは残酷、いや逆に平等・公平なのかw。
いい年齢になってしまいました・・・w。

この歳になると、時間≒「命」である事が強く感じられ、その貴重さ、重要さが身に染みてくるものです。
よく社会で「お時間をいただきましてありがとうございます」とか、「俺の時間を無駄にするな」とか言ったセリフがあると思うのですが、これって本当の事なんですよね。

 例えば、学校で先生があなた達生徒の為にいろいろと教えてくれる・・・、
「それは仕事だ」って言ってしまえばそれまでなのですが、その為にそれ以外にも自分の時間(≒命)を使って準備などをしてくださっているはずです。
 社会に出ても、仕事やいろいろなモノを教えてくれる先輩や同僚やお客様がいるでしょう?
その方たちは、本来は自分の時間(命)は全て自分自身の為に使うべきなのです、とても貴重で大切な、何時まで持つか判らない、二度と手に入らない、取り返せないものですからね。
それなのに、時間を「アナタの為に」使ってくれている、この事実にはもっと謙虚に深く感謝をするべきなのです。

ましてや、親兄弟、家族、親族は言うまでもありません。
しがらみと捉える場合もあるでしょうが、基本は大変ありがたいもののはずです。

おっと、またいらないことを書いてしまいましたw。
でも今回は皮肉ではなく、すこしまっとうな事を書いたような気がしていますw。

さてと、ここでレビュータイトルです。
この作品は、こういった心境の変化があった私には、しみじみと思うところもあったのですが、一般的にアニメーションを楽しむことが多い若い世代には刺さるのかなぁ・・・?という問いがその理由となっています。

もちろん、今という時代にあっては、アニメーションは世代年代、性別、国籍を超えて楽しめるメディアとなっているので、愚考に過ぎないんでしょうし、どんな楽しみ方であっても構わないことは言うまでもありませんがね。

私的には「おとなな日本むかしばなし」という感じでしたでしょうか。

作品としては、若返ったじーさんとばーさんと周囲の家族、友人らとのドタバタ、ラブコメチックな感じで楽しかったです。
若返った、ばーさんは美人さんでしたし、能登さんでしたしw。
あと、お孫さんたち、その友人達との関係も、なんか好きでした。

大好きな人と若返って、いろいろともう一度楽しむなんて、本当に「夢」ですよねぇ。
やり残したこと、出来なかったことにもう一度チャレンジすることができる。
自分自身だけだと、また動かないかもしれませんが、大好きな人が一緒ならきっと頑張る気がします。

ただ、少しの物悲しさ、わびしさも付きまとっていたのも事実です。
若返ったままではいられない・・・。
この手のお話の常として、また年寄りに戻ってしまう、そのジレンマに直面します。
ただ、今回の主人公お二人は、そこをとてもポジティブに受け止めていた点が印象的でした。
良いキャラクターを作り出せたものだと、好印象です。

そして、さらにこの物悲しさを払拭する効果もあるのでしょうが、最終盤では再び・・・。(これは、少し読めましたけどw)。
視点を、もう一度戻す効果で、すこし前向きになれました。


そうですねぇ、少し・・・ほんの少しだけ視聴者を選ぶかもしれませんが、こういった作品は数十年前にはアニメ化する候補には上がらなかった作品なのではないかと思います。
多様な価値観と楽しみ方を受け止められるようになった、今という時代だからこそ作品にできたものではないかと個人的には思っています。

よい作品、楽しい作品だったと思います。
じいさん、かっけー。ばあさん、かわえー。
でも充分だと思います。
そして、年齢を重ねた人には別の思いがよぎるかもしれませんね。


ああ、そうそう、所々で差し込まれるカットやキャッチーな挿絵、ストロングマシーン的なデフォる目も楽しかったですね。

機会がありましたら、ぜひご覧くださいませ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

65.4 2 2024年度の日常系アニメランキング2位
道産子ギャルはなまらめんこい(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (165)
452人が棚に入れました
東京から北海道北見市の高校へ転校した四季翼は、真冬の氷点下でも生足&ミニスカな“道産子ギャル”の冬木美波に、道に迷っていたところを助けられる。 同じ高校へ通うことがわかると、美波は翼と一気にトモダチに! 距離感近めで、天真爛漫な美波に、翼のココロはドキドキしっぱなし。 でも、何も知らなかった北海道のことが、美波との毎日で、翼はどんどん好きになっていく。 やがてその気持ちは、ふたりの関係も変えていき……? なまらめんこい<とってもかわいい> ハイテンション道産子ロマンチックラブコメ開幕

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ー5℃で膝だしはやめたほうが

話は面白くないけどゆるい雰囲気で気軽に見れるいいアニメ
男性目線で胸の大きさが強調されてるし、えっちなシーンも目立ちました
作画はいい時もあるけど、顔のバランスが悪くなることや顔が変わることがたびたびあって安定しなかった

作者は北海道の北見市出身のかただそうです
OPテーマのリズム好き、オーイシさんの歌聴くために見続けてるとこあるかも

北海道ネタ以外はただの甘々ハーレムラブコメ、ヒロイン達がチョロすぎて主人公にとても都合がいい
冬木さんの制服は生足も寒そうだけど、それより胸元がすごく空いてるのがめっちゃ寒そう
うちの実家も豪雪地帯ですが、真冬に生足のJKは1~2割くらい?
根性は尊敬するけど、女の子が足を冷やしすぎるのはホントやめたほうがいい

雰囲気のいいハーレムラブコメなので、ハーレムアニメ好きな人は安心して見ていられると思う

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

方言小話

作品としては標準値レベルな印象でした。
北見市が舞台のご当地アニメなので、自然風物と地域文化を知る一助となりました。
主題は、OP、EDにあるように今どきの女子高生の恋バナがメイン。
東京から来た男子転校生に興味津々なスピード感を、三人三様に描きます。

私は北見市の方言は全く存じ上げていませんが、ご当地でもそれを好んで使う人もいればそうでない人もいるでしょう。
東京のような大都会でも "ご当地言葉の選択" はコミュニケーションを潤沢にするために標準語を口にするのが一般的です。

でも「郷に入りては郷に従え」の通り、標準語は、大阪弁、尾張言葉、福岡訛りなど全国それぞれにあるのも含めてで、謂わば各地域に見合ったものという意味あいもあります。
それでも日本国民という観点では、東京で使われる言葉が標準的基準になるでしょうか。





北海道と聞けばすぐに思い出すのがアイヌ文化圏の言葉遣いですが、私としてはさすがに文化的に縁遠い感じがしますし、残念ながらご当地風とも言い切れない実相も垣間見られます。
よほど意識しなければ文科行政で学んでいる標準語に馴染むしかほかに選択肢はないかなあと思います。

ですが、誰かがそれを担わなければならないとなれば、主人公の冬木さんになるわけですね。
本欄で、北海道や北見市でも聞きなれないと指摘される言葉使いのようですが、北海道は歴史的に本州各地からの入植者も多いので、一概に言って、地元言葉が道内皆同じという訳でもなさそうです。

例えば、北見市の歴史をひも解くと、入植者は33府県に広く及んでいるそうで、市内の地域ごとに、100戸、200戸とまとまって出身地のお国訛りが形成され維持されているそうです。
冬木さんがよく使う「なまら」も、どうやら出自は新潟県らしく、しかも中越と下越ではその意味合いが違うという不思議さです。

このあたりが、例えば沖縄県とは歴史的事情が全く違うところで、先ごろアニメ化が決定した「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる(略称 沖ツラ)」との比較が参考になるかと思います。
沖ツラの放送時期はまだ未定ですが、公式ホームページもありますので興味をお持ちでしたらご覧になってみてください。





およそ方言は、地域の歴史文化に醸成され、現在に定着してきているものです。
それを話す人の地元愛、歴史への理解、未来への継承などの精神性、意識性はもちろんのこと、各戸ごと、世代ごとの微妙な違いへの寛容性など、さまざまな要素で言い回しやイントネーションが移り変わるものです。

金髪ギャルも、インドアゲーム大好きっ子も、成績優秀和装フリークも、それぞれのバックボーンで言葉を使い分けているのを見ると、どことなくそれ自体が個性であり、人柄であり、そこにシンパシーが持てるならそれでいいのではないかなと思います。

そんなことで、ご当地=固定化された方言という見地だけではなく、広く言葉の意味、それを使う現代っ子の現在地に即したそれぞれの文化性が色濃く反映されている作品と評価してみたいと私は考えました。


人の個性も、地域の文化性も、「みんな違ってみんないい。」


いつか北見市に行ってみたいです。
真冬は無理ですが、芝桜が咲く季節ならと思って。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

北海道北見市が舞台の、陽キャギャルとの日常を描いたご当地ラブコメ作品

原作未読。全12話

北海道北見市を舞台に、転校してきた少年と北見の陽キャギャルとの友情とちょっぴりのラブのお話。

お堅い家庭で育ったであろう主人公が、柔軟で素直な優しい陽キャギャルと出会い過ごすうちに、だんだんと自分の気持ちに素直になっていく様が中々に甘酸っぱくてよかった。
北見市の特産品や名物、名所、方言等などが登場するシーンも多く、ご当地紹介作品としても楽しめました。

ヒロインは3人いますが、やはり1番魅力的に映るのはメインヒロインの爆乳陽キャギャル。ちょっと隙があって積極的で可愛くてスタイルが良いという文句なしの可愛いギャルでした。からかうような言い方をするあやねるの演技も良かったです。
主人公も、優しく穏やかで純情さが際立つキャラで好感度は高かったです。誠実さが伝わってくる信長くんの演技も良かった。

音楽はOP、ED共にキャッチーで耳に残るもので結構好きでした。わやわやわ~!って一緒に歌いたくなる良さがあった。

最終回の終わり方には少し物足りなさがあるけど、12話飽きずに毎話のんびり楽しめたのでラブコメ作品として充分評価できると思います。のんびり北海道とラブコメを楽しむ作品としてオススメです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

68.7 3 2024年度の日常系アニメランキング3位
変人のサラダボウル(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (139)
459人が棚に入れました
貧乏探偵、鏑矢惣助が尾行中に出逢ったのは、魔術を操る異世界の皇女サラだった。 なし崩し的にサラとの同居生活を始める惣助だが、サラはあっという間に現代日本に馴染んでいく。 一方、サラに続いて転移してきた女騎士リヴィアは、ホームレスに身をやつしながらも意外と楽しい日々を送る。 前向きにたくましく生きる二人の異世界人の姿は、惣助のほか、鬼畜弁護士、別れさせ工作員、宗教家といったこの地に生きる変わり者達にも影響を与えていき――。

声優・キャラクター
鏑矢惣助:古川慎
サラ・ダ・オディン:矢野妃菜喜
リヴィア・ド・ウーディス:M・A・O
プリケツ:大地葉
皆神望愛:藤田茜
愛崎ブレンダ:沼倉愛美
永縄友奈:高田憂希
閨春花:真野美月
草薙勲:上田燿司
タケオ:立花慎之介
鈴木:鳥海浩輔

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

謎の岐阜アニメ

作画は微妙だけど面白かった
岐阜が舞台のギャグアニメ
異世界から姫と従者がやってきて、姫が魔法をあまり使わず探偵事務所や学校でまっとうに暮らしているのに、従者は裏社会にどっぷりはまっていってそれぞれに異世界を堪能しているのが面白かった

【聖地について】
岐阜市周辺ですね
岐阜県は飛騨・東濃・中濃・西濃と4つの地区に分かれていて、古くから交通の要衝であった岐阜県は隣県の影響が強く、地区ごとの特色が強いのですが、それぞれの地区にアニメがあります。地域性の違いにも注目ください!

名古屋に近い中濃・岐阜市は河合荘と僕たちは友達が少ない、変人のサラダボウル、美濃加茂市ののうりん
山岳地帯の飛騨地区・飛騨市の天気の子、高山市の氷菓、白川郷のひぐらしのなく頃に
東濃・多治見市のやくならマグカップも、
関西の影響が見られる西濃地区・大垣市の聲の形

【岐阜のイメージダウン?!】
カルト宗教にパチンコに風俗店に橋の下のホームレスに競馬・・・
間違ってないと思うんだけど、岐阜のいいところも紹介してほしいな

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

岐阜ご当地コメディアニメ

探偵の鏑矢惣助は、ある日異世界から追われてきた姫サラと出会い・・で始まるお話。
原作のラノベは未読です。

見始めて思ったのは「ひなまつり」みたいだなって。
ある日突然現れた異能力者、もうひとりはホームレスになって生活とか似てる部分があったり。

でもこちらはあまり異能力(魔法)を使わず、何も知らないこの世界で頑張って生活する話がメインでした。

色々と話が飛ぶのでとっちらかったイメージでしたが、キャラが出揃ってそれぞれの関係もこなれてきて、これから面白くなっていくのかなってところで終わりました。

岐阜のご当地アニメだったみたいで、地元の方が見ると面白い描写とかあったんでしょうか。

お話では新興宗教の教祖が出てくるんですが、あんまりこういうキャラは好きじゃないかな。
宗教で集めたお金で色々やってると思うと・・ね。

でも気軽に面白く見れましたので、もし2期がありましたら見たいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ぶっ飛んだ”非日常”より、少し波風のある変人達の”日常”を描きたかったみたいな?!

【レビューNo.143】(初回登録:2024/9/22)
ラノベ原作で2024年作品。全12話。
最初はタイトル切りしてましたが、他の方のレビューを拝読すると思っていた
モノとは違いよさげだったので、視聴し始めて無事完走。


(ストーリー)
岐阜で探偵業を営む鏑矢惣助は、不倫調査の尾行中に異世界から転移してきた
皇女サラと出会う。
彼女は異世界で祖国が滅ぼされ、こちらの世界に逃げ延びてきたのだった。
こうして2人は成り行きで共同生活を送り始める。
一方サラの従者である女騎士・リヴィアも遅れてこちらの世界に転移。
彼女はホームレスからこちらの世界での生活をスタートさせるのだった。


(評 価)
・ホームコメディとしては◎
 原作者は『はがない』の平坂読先生。
 『はがない』が(時代の流行りもありますが)
 → 個性豊かなヒロインたちが枠からはみ出すドタバタ学園ハーレムモノ
 という感じだったのに対し、本作は趣向を変え
 → 収まりのいいホームコメディをベースにした群像劇
 をやりたかったのかなっと。

 ベースとなるホームコメディですが、主人公のサラは
 ・年令は12歳ながらも、皇女という立場や命の危険にさらされる等波乱万丈
  な人生を送る
  → そのため精神が早熟しており、妙に達観している面もある
 ・言動に高貴さがあり、上述の大人っぽさがより引き立つ
 ・それでいて年相応の子供っぽさも持ち合わせている
 ・また順応性も高くネットやオタク文化を満喫している
 キャラ造形がなかなかに秀逸。
 なので、惣助との会話だったり食事等の日常シーンなども
 ・小学生のそれでなくまた(精神年齢の高い)高校生とのそれでもなく
 ・当然実の親子ではないが赤の他人という距離感でもない
 サラという”特異なキャラ”だからこそ成立する、独自の空気感や面白さが
 心地いいんですよね。
 「これが平坂先生のやりたかったホームコメディか。なかなかええやん。」
 と納得させられるモノはありますね。

 あとサラは魔法が使えますが、それに頼って面白展開をガツガツつくること
 なく、必要最小限に留めたのも好印象ですね。


・他のキャラの群像劇は小粒感が・・・
 上述の通り、「惣助×サラ」の主役コンビは収まりのいいホームコメディと
 して機能していた分、他のキャラでもっと引っ掻き回してもよかったかなと
 思ったのですが、その辺少々物足りなかったかなあっと。
 全体的にソツなく単打が打てるアベレージヒッターはそろっているが、長距
 離砲がいないみたいな。

 ポジション的には、リヴィアなんかはガンガンバットを振って長打を狙って
 欲しいところなんですが
 ・”どちゃシコボディ”の下ネタではみ出し感はあるが
 ・基本他のキャラに振り回されて、ようやく持ち味を発揮するという感じな
  ので、ちょっと物足りない
 という感じですかね。
 (エピソード自体はソツなく創られており及第点だったと思いますが、味付
  けはもう少し刺激が欲しかったかなっと)
 むしろキャラとしては、ヒットや送りバントでリヴィアの支援という役割を
 きっちり果たしてたプリケツさんの方が好印象だったかな。

 ただこの辺も平坂先生が『はがない』でみせた勢いにまかせたはみ出し感を
 封印し、やはり収まりのいいコメディを目指したのかなと感じるところもあ
 るんですよね。
 (ぶっ飛んだ”非日常”より、少し波風のある変人達の”日常”を描きたかった
  みたいな)

 唯一の例外が永縄友奈でしょうか。
 {netabare}・中学生だがいじめ問題で探偵依頼して惣助とサラに助けられる
  → その経験を活かし今度は他のいじめられっ子を助ける
 ・そしてサラの初めての親友になったり、探偵業に興味を持ったり{/netabare}
 ハートウォーミングな展開で見事に長打をかっ飛ばしてくれました。
 

上述のように個人的には少し物足りなさがありましたが、サラのキャラ造形が
よかったので結構楽しめたと思います。
さすが平坂先生で、それなりのレベルは担保されていたと思いますし。

作画はコメディなので、そこまでハイレベルなモノを求められないとはいえ、
ちょっとチープだなと感じましたね。
それに女の子はもう少し萌えっぽさがあった方が見映えするだろうと。
あと岐阜アニメらしいが終わってみると
・長良川で勝手に鮎を獲ってはいけません(遊漁証が必要)
・岐阜タンメン食ってみて~
位しか頭に残ってねーなw


OP『ギフにテッド/和ぬか』
ED『今晩の喧嘩/名誉伝説』
・両曲とも面白い感じで、作品にはマッチしてたかな。
・あと作中でサラが歌う『レタスとキャベツ』も「なんじゃこりゃ?!」って
 感じがよき。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16

65.8 4 2024年度の日常系アニメランキング4位
ダンジョンの中のひと(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (125)
370人が棚に入れました
アントムルグのダンジョンに消えた父を追い、単独で挑み続けてきたシーフの少女クレイ。探索の末、ついに前人未踏の地下9階に到達。そんな矢先にモンスターとの戦闘でダンジョンの壁が崩落! 崩れた壁の中から現れたのは――管理人!? ダンジョンで働くもの達が織り成す、迷宮お仕事ファンタジー。
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

緩そうな絵柄で意外と緩くない作品の雰囲気が好きでした

最初タイトル見て、出オチのネタアニメだと思いましたw
そんな感じであまり期待しないで見始めて。

1話のアバン。
主人公クレイの父親との特訓の日々、そして父の失踪などの独白から始まる雰囲気があれ?面白そうって感じて。
絵柄はコメディっぽいんですけど、結構グロい表現があったり意外とシリアスだったり。
そんな緩そうな絵柄で意外と緩くない作品の雰囲気が好きでした。

特訓とダンジョン探索以外何も知らないストイックなクレイのキャラが良いです。
ダンジョンの主のベルの理解を超えた言動に、私たち視聴者の代わりにつっこんでくれたりしてるとこもいい。

ベルもかわいい見た目なのに、底が見えない強さがあって、でも孤独で友達を欲しがってたり・・
でも相手によっては容赦がなかったり怖い雰囲気も隠れてたりして・・こちらも面白いキャラでした。

それからダンジョンの運営のあれこれも意外と設定が細かくて、こういう世界観が丁寧なところも好感持てました。

父親には {netabare} 会えないまま終わっちゃいましたけど、原作では再会できているんでしょうか・・{/netabare}

最後に。。
スライムのFAXかわいい♡ 欲しい!
ゴーレムさんたちがかわいい♡ 欲しいw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ダンジョンのお仕事

もちろん原作知らずである。
そんなわけで、色々想像しながらのスタートだ。

やたらとユルい絵柄だ。
ほのぼの系かな?
『はたらく細胞』みたいな感じかな?
少し『人類は衰退しました』のような雰囲気も?
少なくとも、裏でリムル・テンペストが糸を引いている気配は無さそうだけど…。

とにかく面白そう!
                (2024/07/06)
先ずはダンジョンのアルゴリズムと言うか、設定がしっかりしているのが良い。
その上で、ユーセージノート(使用上の注意)をしっかり守りながら、深淵にして最強のブラックボックスであるベルを観測し、親交を深めてゆくクレイの鈍感力が素晴らしい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

キャラ造形と世界観が作り出す独自の視点。非常に面白かったです。

 非常に面白かったです。テーマパーク経営の裏側を独自の視点で描いていたような視点がもちろん面白いのですが、なんといってもキャラ造形が最高でした。
 えてして異世界ものは、可愛い、エロい、性格が良い悪い、俺TUEEEなどが前面にたったキャラが多い中、そういう分かりやすいキャラ造形とは一線を画していました。

 そのキャラ造形が作り出す緊張感と弛緩が素晴らしかったです。スローライフだけでない、経営の厳しさ、人間社会の現実、魔物との価値観の違いなどを上手くストーリーに取り入れていました。

 なんといってもクレイの驚きや発見と途中から視点を共有できる感覚が良かったと思います。3話くらいでかなり面白いことに気が付き、後半はずっと面白かったです。中盤に若干話の展開がない事でダレを感じなくはなかったですが、この作品は面白さを見出すのに時間がかかるからだと思います。その点で、早い段階で切られる可能性もあるかなとも思います。

 結論が見えないのはちょっと残念ですが、この話の構造ですとほとんど気になりませんでした。ベルの孤独とクレイの目標がどうなって行くのか2人の友情の行く末は充分想像で補える範囲です。SF的世界観をもっと解き明かしてほしい気もしますが、先史文明ものですと必ずしもそれが必要ではないです。


 作画について、一見作画が悪いように見えますが、とても良かったです。破綻がないというレベルではなく、会話のときの身体の動き、髪や瞬き、構造の回転、視点の作り方。よくできていたと思います。OPアニメがとても良かったです。
 動きが少ない止め絵のシーンも多いので、一流とはいいませんが、かなりの水準だと思います。ここが私も1話のキャラデザで勘違いしましたが、最終話などは作画の良さがかなり出ていたと思います。

 ながら見とかOPスキップとか一切しませんでした。毎週集中して楽しみながら見られました。行間にあるものが気になるし。エンタメ的な視点と結末がないことでストーリを4.5にします。満点でもいいかもしれないと悩みました。感覚的にも満点じゃないよな、という気もしますし。

 客観的にも主観的にも評価できる作品だと思います。万人受けではないかもしれませんけど。

追記 評価点4.9はちょっと盛りすぎなので、作画を5→4.5、声優5→4、音楽を5→4とします。


1話 作画…原作者可哀そうすぎるだろ、と思ったら今期で1番面白い。

{netabare} dアニメのサムネがあまりに無気力というか、見てもらおうという熱意が感じられなくて、かえって興味がでました。見始めても、期待通り?チープな作画で、原作者可哀そうすぎるだろうと思って見てました。
 ですが、あれ?そういう展開?となりちょっと面白くなって、そして、アレそう来るの?とかなり面白くなりました。

 で、映像も後半に入って気が付いたんですけど、悪くないんですよね。動きとか演出とか構造とかカメラワークとか…要するに見せ方がちゃんと作風とあっていて面白さを引き出していました。で、EDを見ると結構なレベルの作画でした。

 1話だけで言うと、かなり話が面白いです。そして、これからどんな話になっていくんだろう?という期待感があります。主人公は男か女かわかりませんでしたが、女の子でしたね。

 まったく前情報もないし、正直同情心で見始めましたが、話自体はいまのところ今期で一番面白いです。もちろん出オチの可能性もありますが、この設定とキャラ作り、映像作りのセンスから言って、ダークホースになる可能性がありそうです…今のところ。

 なお「金貨8万枚」の人が原作者かと思ったら違いました。ちょっと似てますよね? {/netabare}


2話 思っていたより普通でした。癒し枠としては十分面白いですけど。

{netabare} やっぱり画面は好みです。どこで誰が何をやっているかが分かりやすい見せ方も雰囲気も私が好きなタイプです。

 ただ、2話を見る限り異世界のダンジョンの内部がどう運営されているのか?というメタ的な視点を活かし切れているのか微妙な気はします。宝箱とかダンジョンでなぜクリーチャーがポップアップするのかの説明がありました。そこはなるほどと思いますが、面白さの工夫がイマイチかな、と。もうちょっとエピソードと絡んで話の中で分かってくるような感じだと、もっと感心できるのですが。
 で、ベルは片づけられない女だった…と。

 話は面白いですが、今季NO1というレベルではないかもしれません。普通に面白い感じです。癒し枠かな?ゴーレムとか他のクリーチャーとの絡みでダンジョンの仕組みが説明されていくのでしょう。

 一般的に職場で周囲のレベルに合わせられない人、やり方を赴任後すぐ変える人は、いくら能力があっても職場では困った人となります。なんとなくそういう人を思い出しますが、途中で大失敗とかありそうな導入でした。{/netabare}



3話 かなり面白かったです。たった1つの戦闘を視点を変えて見事にエピソードに仕立てていました。今の転スラ3期と発想の根っこは一緒かな?

{netabare} 2話が思ったより普通と思っていたら、3話はかなり面白かったです。1つの戦闘だけですが、視点を変えてエピソードを展開する工夫は素晴らしいと思います。

 で、ちょっと思ったのが、今ちょうどやっている「転スラ3期」の迷宮…ダンジョンつくりと思想がとても似ています。転スラの中盤で一番面白い部分ですし、その発想はあると思います。
 オマージュだとしてもそれを換骨奪胎して3つの視点に振り分け…冒険者・管理人・魔物の方向性から作品にした発想がいいです。地味だけど新しいものをちゃんと提示できていると思います。もちろん、ダンジョンの設定を考えたいのはみな一緒なので、偶然発想が似ただけかもしれません。

 そして、結構濃いようで薄い感じのヒロインクレイと、薄いようで濃いヒロインベルの取り合わせ見ていて面白いし、いろんな思惑がある魔物とのコミカルな掛け合いと、バトルのかなりシリアスな現実・設定が見事に融合しています。

 楽しみな作品と言えると思います。再視聴しても十分面白そうです。{/netabare}


4話 奇数回が面白くて偶数回は普通、という感じ。

{netabare} ダンジョン運営のほか、父の捜索と強くなるという話がるのがいいのでしょう。面白い回と普通の回の差があって、1,3話が面白い、2,4が普通でした。4話はいろいろ伏線の種まきで終わった印象です。シーフのギルドの話もただ説明を聞いたら終わってしまいました。次回が面白い回だと思いますので期待しておきます。{/netabare}



5話 中途半端で消化不良なのがキャラやダンジョンに深みを与えている。

{netabare} この作品、それぞれのエピソードで明確な解答・結末がないのがいいですね。余韻が残ります。対ドラゴン戦も中途半端な感じで終わることで、この作品の一つの目標であるクレイの階層の踏破の達成に遠回りですが近づいて行っている感があります。

 そして、ちょっと思っていた「全部ベルで良くね?」問題が、いろいろな疑問への伏線になっていたんですね。もちろんランガードとゴーレムがいないと絵的に面白くない、というのはあるんでしょうけど、ベルの出自や性格に通じていました。
 また、少し発想を跳ばすと組織論にもつながります。一人のスーパーマンで運営される組織は継続しない問題ですね。

 中途半端で消化不良な展開が、この作品の持ち味だしそれがキャラ造形にものすごく深みを与えています。今回はちょっとしゃべりすぎ、説明しすぎなくらいでしたけど。やっぱり面白いです。

 そういえば「ランガード」って、声優さんを調べようとネット検索したらちょっとセクシーな映像ばかりでてきました。ストッキングの伝線をお尻と太ももで連動しないようにするための太い線のことだそうで。何か意味があるのでしょうか? {/netabare}


6話 少し話が展開してほしいです。それとベルが活かせてないかも 

{netabare} 相変わらず面白いのですが、この作品に不足しているのはワクワク、ドキドキだなあとあらためて思いました。もちろん死なない設定がそれを減じているのは自覚的だと思います。ただ、11階層到達を目標にしているという大前提が、危険がなければ冒険にならないという矛盾はどうしようもないです。

 中間まで着て、決して失速ではないのですが、何か繰り返し感が出てきました。1話1話は面白いのですが、先に進むとか何かを達成するというのがないので、毎週見る分にはいいでしょうけど、一気見だと評価が変わりそうですね。

 そしてもう1点の欠点が、ベルがすっかしサブキャラ以下になってしまいました。ランガードの方がむしろ活躍している暗いです。もちろんベルが活躍すればチートでしかないとは思いますが、何か縛りとかつけてベルを深掘りしないとベルが活きないなあという気がします。{/netabare}


7話 信用できても信頼できない関係性が上手く面白さにつながっている。

{netabare} クレイから見たベル、ベルから見たクレイというのは以前から相互理解という点で、根本的な部分で少し相容れないような雰囲気はありました。その構造が今回顕在化しましたね。能力は信用しているけど、その人間としてのふるまいが相互の不理解もあって、信頼でききれない感じになっています。
 6話でベルが上手く使いこなせていないと思いましたが、7話は両方から見た相手への不安…特にベルからクレイに対するモヤモヤが上手く面白さとキャラの深さに活かされていました。

 比較的ドライともいえる2人の関係性は、ダンジョン=会社組織のような設定と上手く結びついており、そこがこの作品のいい意味での特異性でしょう。

 ここにきて、面白い話を持ってきたと思います。後半7話がどう活きてくるか楽しみです。 {/netabare}


8話 SFおよびSEのような素養を感じる面白さでした。

{netabare} 初期になんとなくこんな話かな、と思っていた内容そのままのような回でしたね。そして、SF的な設定がほの見えました。背景美術はもちろんですが、ベルの言葉はコマンド入力です。
 この作品の性質上そこに焦点があたる感じではないでしょうが、原作者が裏で何か考えたものがあるのでしょう。
  精霊の正体や魔法のエネルギーをSF化する場合の常套手段ですので、世界の多次元宇宙的な設定も考えていそうなので、もともとSFに造形がある人なんだと思います。

 その上で単純な設計に落ち着くというのは、ビジネスあるあるですね。奇抜で奇異な仕事にならない理由には、どこかで合理的なもの、制限による事情があるものです。
 その単純な制約の結果に、緻密に考えられたような効果を外部から見ると感じてしまうのもあるあるです。

 この発想、システムエンジニア的でもあるので、原作者の方はSEとかプログラマーとか何かその辺の素養がありそうですね。低層階でユーザーが多い場合、開発環境を隣で作るなどもシステム開発的な発想でした。

 ダンジョン・システム的な「系」の裏設定がないと描く方も見る方もモチベーションが続かないので、良かったと思います。{/netabare}


9話 様々なギャップが面白さとして機能しています。そして…百合?

{netabare} 今のところ面白さの安定感ではNO1です。今回が一番面白かったといっても良いでしょう。バトルシーンは迫力ないし、話が始まって3分くらいで結末が分かるような話でしたけど、面白いんですよね。体感10分くらいであっという間でした。

 面白さを言語化するのは難易度が高いのですが、やっぱりクレイのキャラ性かなと思います。彼女の内部の思考と外部のズレが面白いのが一つと、女性であるということが彼女の性格とのギャップとしてコミカルな要素になっているかなと思います。メイド服を着させているところから考えると原作者は自覚的にギャップの面白さを計算しているのでしょう。

 ベルの側は圧倒的な強さが安定感として機能して話が複雑化、深刻化しないという信頼感があるし、こちらはその強さと性格・行動のギャップが面白さになっています。今回の最後のオチのつけ方もどこかとぼけた感じで、深刻さと日常のギャップになっていました。

 そして、なんと百合ですか?そうきましたか…{/netabare}


10話 ここに至ってこの面白さ。秀作と呼べるのではないでしょうか。

{netabare} 緩い話の様で厳しい社会の話なのがいいです。父親を捜すという大きな目的とダンジョン運営というフレーム、そしてベルの謎めいた存在。ベルとクレイのキャラの対比。私は作品としての完成度が高いと思います。10話に至ってまったく飽きが来ません。

「ダンジョン飯」ほど世界観の作りこみはないしハイコンテクストではないですが、話に重層性があって設定がしっかりしてキャラ造形が見事なところが、ちょっと似ているかなと思います。ただ、緩い面白さが独特でそこはダンジョン飯にはない部分でしょう。

 本作は充分秀作だといえると思います。{/netabare}


11話 ルールと命の等価性。ライトな描写に凄みがありました。

 本作はダンジョンに挑戦するリスクと同時にルールという縛りにおいて命の軽さが感じられと同時に、それは命をもってあがなう「必然」のような感覚をものすごく強く感じます。11話の話そのものはありふれた話なんですけど、ルールを守らない人間に対する死刑執行を無感情に行う凄みがありました。

 この描き方が面白いんですよね。命の重さと軽さの両面は、本来異世界もので描かなければならないことです。これが顕著に描けていたのは「ブラックラグーン」ですね。本作においてはかなりライトな絵柄で軽く描いている分、より非情な感じがしました。こういうところが本作の魅力ですね。

 さて、来週最終回ですか。次回予告だと仲良しエンドみたいですね。最後まで描けていれば名作、一応の方向性や区切りまで描けていれば秀作だと思うんですけど…中途半端だとちょっと残念ですね。2期の発表は…ないでしょうねえ…




 

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

69.0 5 2024年度の日常系アニメランキング5位
ラーメン赤猫(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (89)
253人が棚に入れました
猫だけで営むお店『ラーメン赤猫』、そこにバイトの面接で訪れた人間の珠子。正直に犬派と答えた彼女はあっさりと採用が決まり、任されたお仕事は猫たちのお世話係。ブラッシングを通じて垣間見える猫模様に、様々なお客様が織りなす人間模様。身体も心も温まる『ラーメン赤猫』、愛しさ大盛り、召し上がれ。

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

同居人はひざ上、ときどきカウンターの中

今期のお気に入り、毎週癒しを期待して見始めるけど、ちゃんと癒し+心温まるお話を提供してくれるいい作品でした

ラーメン赤猫どこにあるの? 毎週通いたい

ただネコちゃん達が可愛いだけでなく、訪れるお客さんに人生あり、そしてネコにもネコ生あり・・・
可愛い見た目とはウラハラに深いエピソードが多くて視聴後の余韻が心地いい

ずっと続いて欲しいアニメ

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ダイエット中には辛い飯テロだけど、猫が可愛いからつい見てしまう

原作未読

お話のざっくり概要
とある所に猫たちと、虎一頭、人間一人が働く店がある。
お店の名前は「ラーメン赤猫」
猫たちの接客と猫好きのお客さんが紡ぐ物語…
だいたいそんな感じ。

猫好きの自分にとってドストライクな内容。
3Dモデルの表現に最初は懐疑的な感じで視聴を始めたのですが、見ている内に気にならなくなりました。

観ていてとても癒されます。
ほっこりする話が多いです。
なんか構成や次回予告は、サザエさん風なんですが、サザエさんも好きなので特に問題ないっす。

猫は全員可愛いのですが、お気に入りはサブ。
注文受けた時の「にゃー!」がたまらない。
<netabare>
あと、ブラシされてる時の[全てをさらけ出す]感じが、大好物です。
御所川原さんの気持ちが分かるな。顔をうずめてクンカクンカしたいw
</netabare>

OPもEDも良い曲で、元気になれるし、凄く癒されますよ!
オススメです。





ラーメンや餃子がうまそうで…深夜に見るものじゃないですね。
そこだけが唯一の欠点。ダイエット中にはマジ辛いっす。
(でも赤猫スペシャル食べてみたいなぁ…)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

にゃー!

原作未読 全12話

猫が営むラーメン屋に人間(女性)がアルバイトとして採用されて働くお話です。

猫が人間の言葉を理解して人間の言葉を話して、ラーメン屋を営むわけですが、そこはファンタジーとして見ていますのであまり気になりませんでした。

猫同士、お客さん、アルバイトの女性などそれぞれの心温まるお話が好きでした。

時には猫特有のトラブルにも巻き込まれるお話あり、その場ではかなりピリピリしていますが、解決の方法も良かったですね。

1話に2〜3のエピソードとなっていますので、テンポ良くお話が進んでいきます。

また、エンディングの後にその話のエピソードの補完があって、そちらも一緒に観るといいですよ^^

キャラも猫の従業員たちアルバイトの女性とお客さん、ラーメン赤猫を支える人たちと結構出てきますね。{netabare}(虎のクリシュナは反則ですねw){/netabare}

そこまで期待して観たわけではないのですが、とても好きな作品になりました。興味がある方は是非観てくださいね。

OPは水曜日のカンパネラさん、EDは離婚伝説さんが歌っています。

最後に、OPのタイトルはずばり「赤猫」、歌詞にも赤猫が使われていてテンポも良かったですね。EDは毎回気になる名前でついテロップを観てしまいますw曲はポップでこちらもテンポ良い曲でした^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16

75.2 6 2024年度の日常系アニメランキング6位
きみの色(アニメ映画)

2024年8月30日
★★★★★ 4.1 (31)
102人が棚に入れました
高校生のトツ子は、人が「色」で見える。
嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。
そして、自分の好きな色。

そんなトツ子は、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、
街の片隅にある古書店で出会った
音楽好きの少年・ルイとバンドを組むことに。

学校に行かなくなってしまったことを、家族に打ち明けられていないきみ。
母親に医者になることを期待され、隠れて音楽活動をしているルイ。
トツ子をはじめ、それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。

バンドの練習場所は離島の古教会。
音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。 周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり― やがて訪れる学園祭、そして初めてのライブ。 会場に集まった観客の前で見せた三人の「色」とは。

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

何かに出会うこと

日暮トツ子はミッションスクールに通う女子校生。他人を色で見ることができる彼女は、素敵な色たちと出会う。
脚本 吉田玲子、音楽 牛尾憲輔、監督 山田尚子
聲の形やリズと青い鳥がお気に入りな私はこれも見に行きたくて、公開初日に時間がとれたので見に行ってきました。


生きていれば、いろんな何かに出会います。
そしてそれは、私の中に大小さまざまな波紋を起こしてくれます。

ましてや思春期の頃に出会うものなんて、ココロに台風並みの波風を起こしてくれることだってあります。

「バンド、やってみませんか?」

それぞれが悩みを抱えていて、そこから飛び出して何かをしたいって気持ちは漠然とあって。

楽器なんてロクに弾いたこともない。
でもこの人たちと何かやってみたい。

もし私が高校生であの古書店にいてそんな風に声をかけられたらやりたい!って言ってたと思います。。
そんなアオハルな気持ちに懐かしさと羨ましさを感じながら、彼女たちのコンサートを見ていました。

トツコもあきもルイも、素敵な人や音楽と出会って、とても大切で忘れられないものを得られたのでしょう。

それから終盤にあきがルイに向かって叫んだ言葉は自分へ向けたものでもあったように感じました。


色使いはカラフルで、リズと青い鳥の、童話パートの絵を思い出しました。
音は結構大きくて、臨場感はすごくあったんですけど、私的にはちょっと大きすぎでした。

余談ですけど、赤、緑、青って光の三原色で、これらの色を組み合わせるとどんな色も出せるんですよね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大人が意外と分かってくれる温かいバンド作品

ミッション系スクールなどを舞台に、
バンド活動を始めた女子2人、男子1人の葛藤と青春などを描いた、
山田尚子監督のオリジナル劇場アニメ(100分)

【物語 4.0点】
近年の山田監督作品としては優しい世界。

教会系ならではの厳格な校則などで圧迫された若者の鬱屈が、
音楽として噴出して、鑑賞者のハートを突き刺してくる作品なのだろうか?
山田監督ならではの、痛切で叫びたくなるような心情、青春表現等を警戒して、
私はガチガチにガードを固めて挑みましたが、
今回はストレスを除いていくという監督方針で紡がれた本作は、
案外、穏やかで、鑑賞直後は、正直、拍子抜け感すらありましたw


盟友、脚本・吉田 玲子氏とのタッグ作でもありますが、
主人公の一人・日暮トツ子のゆるふわなキャラクターの躍動などを見ていると、
『リズと青い鳥』『平家物語』よりはむしろアニメ『けいおん!』くらいのムードで、
肩に力を抜いて楽しむスタンスで行ったほうが上手く折り合えるのかもしれません。

が、穏やかな中にも、祖母に{netabare} 退学{/netabare} を秘密にしている作永きみだったり、
家業の医者を継ぐという期待に反するように陰で音楽をやってる影平ルイだったり、
大切な人に嘘を付いているという後ろめたさなど、青春アニメとしてちゃんと痛みは取り扱われています。

ただ、多くのささくれだったバンドアニメとは異なるのが、
登場する大人たちの多くが、少年少女が悩んで音楽に走ってしまう気持ちを理解している所。
大人として社会のルールなど筋を通さねばならない建前は取り繕いつつも、
子供の葛藤を罰で押し潰さないよう配慮する。
青少年が呼吸できる余白がこの青春映画にはまだあるので救われます。
特にシスター日吉子の規則破りに対する采配は、迷える子羊たる少女たちの気持ちを汲んでいて絶妙でした。

クライマックスは主役3人のライブシーン。
ここも分かってくれない大人にトゲを刺して思い知らせてやろうという痛快さよりも、
大人だけど、君たちの気持ちは若い頃心当たりがあるから分かりますよという温かい積み重ねの上に歓待される、多幸感が胸を打つ感じ。

ライブ後、{netabare} トツ子が花畑で踊るシーンが印象的ですが、
私はそれ以上に、生徒にバレないように淡々と退場した後に、
踊り始めるシスター日吉子にホッコリさせられます。
(※核心的ネタバレ){netabare} 元ロックバンドGod Almightyメンバーとして、ライブ中ノリノリになるのずっと我慢してたんだなとw{/netabare} {/netabare}


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サイエンスSARU

周囲の人間を“色”として認識できるトツ子。
憧れの作永キミの色は青など。でも自分の“色”はまだ分からない。
他人には中々理解してもらえないトツ子から見る世界を、
色を知覚する人体の原理から解きほぐして、
鑑賞者の“ピント調節”をしてくる冒頭映像から、表現に意欲的な作画・背景。

色彩設計の小針 裕子氏。
過去作では、個人的に特に『GREAT PRETENDER』のカラフルな背景、建物の色使いが好み。
本作でもキミのブルーに合わせて、背景を海の青などで合わせてくるなど、
色彩にも統一感がありました。

トツ子の色は何色か?が一つの焦点ですが、
映像見ていれば、あぁやっぱりその色だよねと納得できます。


ライブシーンは手描き重視。
私はどちらかというとライブはCG派ですが、
クールなテクノサウンドで敢えて、奏者の汗が滴る繊細な手描き表現などを見せられると、
まだまだ手描きで表現できるライブの醍醐味はあるぞと唸らされます。


トツ子に作詞のインスピレーションを与えた授業での太陽系の自転・公転運動の資料映像。
座標が固定された太陽の周りを惑星が公転するイメージ映像ではなく、
銀河系の周りを約2億5000万年かけて公転する太陽に追随するように絡んでいく惑星というリアリティ重視の方の映像を私は久しぶりに見ました。
{netabare} 猛進する太陽が、青のキミからトツ子の顔面に投じられたドッジボールとリンクしたトツ子の妄想には吹き出してしまいましたがw{/netabare}


【キャラ 4.0点】
日暮トツ子。ミッションスクールの寄宿生。楽器ド素人なのに憧れの作永きみと親密になりたい欲求から3人でバンドにやろうと言い出す。他人が色として見える共感覚だけじゃない不思議ちゃん。乗り物酔いに弱い。バレエ経験者。

作永きみ。聖歌隊メンバーとして他の生徒からも慕われるも、期待される自分を捨てるようにギターに惹かれていく。{netabare} その末に退学。{/netabare}

影平ルイ。離島の医師の息子。シンセなどの中古楽器をかき集めて、密かに音楽に没頭している。

以上の3人がメインキャラのバンドメンバー。
トツ子からきみへの想いは、ある種の百合含み。
きみとルイの間には恋愛の波動もあり、トライアングルの波乱も予感させますが、
この3人の関係性は恋愛と一言で片付けられない物があり、
私は今も的確な答えを導き出せていません。


【声優 4.0点】
トツ子役の鈴川 紗由さん。きみ役の髙石 あかりさん。ルイ役の木戸 大聖さん。
メインキャストは約1600人の中から若手俳優陣をオーディション選出。
鈴川さんにはアニメ声優願望があり、髙石さんには舞台経験しかも2.5次元舞台でキャラ声での歌唱経験もある。

トツ子はゆるふわ属性のキャラ声での対応が求められ、
きみには歌唱に加えラスト{netabare} 「頑張ってっ~!」{/netabare} の絶叫シーンもありましたが、
3人とも声でキャラを作り、声を張ることができていたと思います。

指名よりはオーディション。舞台など声に力を込められるだけの素地があること。
良好な俳優キャストの条件は揃っている布陣だとは感じました。


が、私はそれでもアニメ声優の経験豊富な方がメインやったらどう良化しただろう?との欲は捨てきれませんでした。
トツ子のルームメイト“森の三姉妹”というモブキャラポジに、
『平家物語』主演の悠木 碧さん、『けいおん!』紬(つむぎ)役の寿 美菜子さん。
山田監督作の出演経験者も配されていただけに、
例えば、この実力者2人がメインだったらとか邪念が入ってしまいます。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はこちらも山田監督とは腐れ縁の牛尾 憲輔氏。
シンプルなピアノとストリングスのミニマル・ミュージックでキャラの青春の掛け合いを下支えするお馴染みの仕事ぶり。

一方で、テクノ志向なバンド・しろねこ堂の楽曲群では、
牛尾サウンドのもう一つの特色であるシンセ和音が際立ちます。
さらには、最古の電子楽器テルミンまで登場し、楽曲にアレンジ。
(アンテナに手をかざしてプオォ~ンなどとSFチックなサウンドを発生させるやつ。マニアック過ぎますw)

教会で鳴らすには突飛な曲風でしたが、
シスター日吉子に言わせれば、感情や気持ちが表れていれば、
しろねこ堂のサウンドもまた聖歌なのです。

「水金地火木土天アーメン」
山田監督自らが発したワードから構想されたというこのライブ曲。
私も思わず踊り出したくなる謎の中毒性がありますw


ED主題歌はMr.Childrenが「in the pocket」で、
2009年の劇場版『ONE PIECE~』以来のアニソン提供。
歌詞世界も、牛尾氏参加のアレンジも、まずまず作品に寄せて来てはいましたし、ミスチルは好きなバンドではありますし、
従来の山田作品ファンとは違う層への訴求力もあるのでしょうが……。

私はエンドロール後に{netabare} 「水金地火木土天アーメン」のダンス映像入れる{/netabare} くらいだったら、
最初からEDも、しろねこ堂で良かったのではないか?
とこれまた邪念が入ってしまいました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17
ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

キャラの印象が・・。

・・・薄い・・・?

鑑賞直後に、作品から感じとったイメージです。

でも、それこそが、本作に強みを与えている "一番の理由" と読み取っています。



きみの色。

表向きは、作中のキャラを語るだろうテーマですが、裏返せば、作品を鑑賞する人にむけて射影されていると感じました。

山田監督が描こうとする「きみ」は、鑑賞する「わたし」の想い、「あなた」の気持ちに、なにかのハレーションを起こすような気がします。

そう思うと、キャラが薄いのにも納得できます。

「あなた」自身を、3人の主人公に投影し、そのポジションに立つためのシナリオなのですから。



観ていて感じたのは、ストレスが全くないということでした。

そのあたりは「登場するキャラに、いい人しかいない。」とも言えるのかもしれませんが、私はそれは大事なことのように思います。

今、私たちの社会は混とんとしていて、学校の集団にせよ、進路に向かうにせよ、自分の身の置き所が、とにかく不安定な世の中です。

そんな時代にあって、本当に大事なことは、自分の土台作りなんじゃないかなって思うのです。

本作では、3人のメンバーが、バンドを組み、演奏をするなかで、自分の存在意義だったり、社会との距離感だったりを、お互いに問いかけ、答えを見つけ出そうとするストーリーになっています。

だから、彼らが見つけた何かを、見つけようとした何かを感じ取ることができるなら、それはテーマに触れたことになるんじゃないかなって思います。



お話としては、3人の色がそれぞれに提示されます。

最後に束の間、{netabare} 3人目の色が演出されますが、{/netabare} そのとたん、私はみるみる心がぬくもり、胸に沁みこむものがありました。

思いどおりにできなかった過去も、平凡に流されている毎日であっても、自分が自分らしくあっていいと思える感覚は、思いがけなく尊いものだと思います。

本作が問いかけている「きみの色」は、視聴者自身の色、あなたらしい色のこと。

その色は、年齢とか境遇とかには関係なく、今の自分の深いところに問い返すことのできるものなんだろうと思いました。



小ぶりな作品と言えば、確かにそうなのかもと思います。
でも、私はこうも思います。

山椒は小粒でピリリとからい、と。
真っ白なパレットとキャンバスは、自分の手の中にある、と。

たとえ、世間から埋没し、目立たなくいたとしても、自分の可能性だけは誰にはばかることはない、と。

きみの色は・・・、わたしの色は・・・。

あなたの色に、やわらかなエールを送ってくれる、ステキな作品だったと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

61.6 7 2024年度の日常系アニメランキング7位
きのこいぬ(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (13)
59人が棚に入れました
絵本作家の夕闇ほたるは、愛犬・はなこを亡くした。 何もできなかった自分を悔やんでも悔やみきれない、暗くて深い悲しみの底にいた。 そんなある日、庭の雪柳の下にまピンク色のきのこが生えていることに気づく。 彼がぼんやり眺めていると、それは突然動き出し、しっぽをぶんぶん振って寄ってくる。 「きのこの...犬?」 疑問に思いながらも、この謎の生きもの<きのこいぬ>と一緒に暮らすことに。 すると、描いちゃいけないところにお絵かきして、メロンパンもたこ焼きも全部食べちゃって、散らかし放題気まま放題。だけど、とぼけた様子がなんだか憎めない。 幼なじみの編集者こまこちゃんやきのこ研究所の矢良くんたちも巻き込んだ、きのこいぬと過ごす毎日は、少しずつほたるの表情を変えていく。 いろいろ謎すぎるきのこいぬとほたるとみんなの、いっしょにいるとなんだか楽しい笑える日々を描く、ちょこっと不思議ほんわかアニメーション。
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