ようす さんの感想・評価
3.6
「小学5年生、それは女の子が一つ階段を昇って成長するためのさなぎの季節なのかもしれない。」
最近だと「かぐや姫の物語」でよく名前を聞いた高畑勲監督。
1991年公開のジブリ作品です。
大人向けの作品。大人の人が、昔の自分を懐かしむ作品。
私はとても気に入りました^^
●ストーリー
岡島タエ子は、東京で働く27歳のOL。
小学生の頃から田舎にあこがれていたタエ子は、姉の夫の縁で山形の農家に居候に出かける。
小学5年生の思い出があふれ出し、昔の自分とともに山形へ旅立つ。
大きなテーマは「小学5年生の思い出」「農家」「田舎」かな。
見ながら自分も小学生の時のことをたくさん思い出して温かい気持ちになりました。
小学5年生って自分にとってもたくさんの思い出があって、とても大好きで大切な時期でした。
何度あのころに戻りたいと思ったことか(笑)
友だちも、恋も、クラスでのいやがらせも、男と女の微妙な距離も、未来への迷いのない気持ちも…。
そのすべてが繊細に表現されていたように思います。
タエ子ちゃんの子どものころの時代背景は、ミニスカートだったり、スカートめくりの流行だったり、ひょっこりひょうたん島だったり。
テレビに映っているひょっこりひょうたん島のBGMとタエ子ちゃんの心情がリンクするところは素直に「うまい描写だなー。」と感心しました。
●名言
この作品には名言が多いなあと思いました。
レビューのタイトルもそうだし、タエ子ちゃんが分数の割り算について話すところも私はとても気に入っています。
大人向けの作品だと最初に言いましたが、子どもたちが見ても共感して、ほっとできるセリフがちりばめられているように感じました。
●エンドロール
主題歌は「愛は花、君はその種子」。
あま~い感じの歌です。この曲知ってたけど、この作品の主題歌なのは知らなかった。
甘い曲と一緒に流れるエンドロールに…涙がぽろぽろ…(TT)
過去を懐かしむ本編から、未来へつなげる。
小学5年生=さなぎ
27歳の自分=さなぎ
だからこそ、27歳のタエ子ちゃんは同じさなぎだった小学5年生のことをたくさん思い出したのかな。