手紙で続編なアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の手紙で続編な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番の手紙で続編なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

91.3 1 手紙で続編なアニメランキング1位
劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(アニメ映画)

2020年9月18日
★★★★★ 4.4 (573)
2722人が棚に入れました
――あいしてるってなんですか?かつて自分に愛を教え、与えようとしてくれた、大切な人。会いたくても会えない。永遠に。手を離してしまった、大切な大切なあの人。代筆業に従事する彼女の名は、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。人々に深い、深い傷を負わせた戦争が終結して数年が経った。世界が少しずつ平穏を取り戻し、新しい技術の開発によって生活は変わり、人々が前を向いて進んでいこうとしているとき。ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、大切な人への想いを抱えながら、その人がいない、この世界で生きていこうとしていた。そんなある日、一通の手紙が見つかる……。

声優・キャラクター
石川由依、浪川大輔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

年賀状でも書こっかなぁ

sincerely 
①副詞 心から 本当に
②アニメOPに使用されたTRUEの楽曲
③{netabare}劇場版ヴァイオレットエヴァーガーデン 冒頭の一語{/netabare}

TV本編を想起させる仕掛けが冒頭からてんこ盛りでより楽しむためには本編必須。ただし厳密ではなく可能であればレベル。一見さんいらっしゃい指数でなら『外伝』>『劇場版』になります。


「届かなくていい手紙なんてないのです」

 そして

「私は…愛を知りたいのです」


作品を紐解くキーワードにして二つの軸。
前者は人の想いは届いて初めてかたちになるという大切な概念。ドールや携わった人たちとの物語。
後者は兵器として育てられた少女が人間性を獲得していく過程。少佐とヴァイオレットの私的な物語。

ギルベルト少佐の残した「心から…あいしてる」の言葉。復員後のC.H郵便社にてカトレアが発したシンプルな一言に反応して自動手記人形の仕事をすると申し出たことが全ての始まりです。道具として利用価値がないなら自分を捨ててくれとまで言った少女が申し出たのです。
それだけ強い執着を持っていた言葉「あいしてる」。かくして愛を知るために始めた仕事を通じてもう一つの軸である人の想いを届ける素晴らしさを学んでいく過程がTV本編でした。

「届かなくていい手紙なんてない」裏を返せば「人の想いは必ず届けなければならない」です。

ターニングポイント{netabare}(己のやってきた重大さに気づいた第9話){/netabare}以降どう物語は進行していくかが肝でした。それでターニングポイントの次回話で選択したのは{netabare}(思いっきり手紙を届ける話。かつ神回と言われる10話と){/netabare}少佐との話は遠ざかる方向へ。

「届かなくていい手紙なんてないのです」

「私は…愛を知りたいのです」

前者はひととおり形をつけ後者はおあずけ。あくまで彼女の周囲の人たち“が”想いを伝えることが出来たのでした。TV本編を通して自分の想いをまがりなりにも形作れるように成長してきたヴァイオレットがどうにかして“自分の想いを届けられるのか”。残された宿題でした。

なお「届かなくていい手紙なんてないのです」を磨き上げたものが外伝です。さあ残るは↓


「私は…愛を知りたいのです」


前置きが長くなりました。この残された宿題への回答がなされ物語が完結するのがこの劇場版です。

TV本編でスッキリしなかったかもしれないそこのあなた! 諸悪の根源が消えていくことでしょう。
TV本編を称賛して止まないそこのあなた!是非もなし、、、まずは試されよです。

自分はスッキリしなかった側でした。結果は申し上げた通り。圧巻の140分です。




鑑賞前の方これ以降はやめときましょう↓

※ネタバレ 備忘録的なもの(長い)


■切っても切れぬTV本編 ネタバレ度:軽

{netabare}冒頭画面に浮かぶ“sincerely"の文字。間髪入れずに見覚えのあるあのお屋敷と意外なあの子。涙腺を蛇口に例えるならこの時点で開栓して戻れなくなった方もいらっしゃるのでは?
そんな一つの文字だったりあのエピソードを彷彿させる冒頭もTV本編へと意識を持ってく仕掛け。アン孫が手放した手紙が風で飛ばされて野山や街を駆け抜ける演出は第1話ヴァイオレットが手放した手紙が飛ばされていくのと同じです。

あの時と違うのは携わるメンバーです。エンドロールでは原画と美術監督に物故者を確認。サポーティングスタッフは言わずもがな。原画すら焼けてほぼほぼゼロスタートだったこの映画の冒頭を飾ったのが2018年TV本編を意識した演出だったことについて制作会社のプライドと矜持を感じます。{/netabare}


■あん時の主題歌の位置付け ネタバレ度:軽

{netabare}『sincerely』+○○○○○
○○○○○+『みちしるべ』

○に入るのは“あいしてる”。「心からあいしてる」少佐の言葉がなければ少女は生きる支えを失ってたでしょう。全てはここから始まりヴァイオレットの手紙の一文「あいしてるはみちしるべになりました」に繋がります。映画観てTVのOPとEDあらためて聴いたら鳥肌もんでした。{/netabare}


■3つの疑問 ネタバレ度:重

もやっとしかけて咀嚼して納得したものもいくつかありますよ。

1.{netabare}少佐はなんで拒否るの?会ってやれよ!{/netabare}

{netabare}そりゃ私たちはヴァイオレットの気持ちを知ってるから少佐がヘタレてるようにしか見えないアレ。
恐らく半々。何かっていうと、ギルベルトは生き別れた後のヴァイオレットの歩みを知らない。上官と兵器の間柄の他を知らず「自由になりなさい」「普通の少女としてその名に合う女性になってほしい」と言った手前、自分が障害となるわけにはいかないという考え方には理があるように思えます。
それと、ここは彼にとってやっと見つけた安住の地。自己都合と侮るなかれ、全てを失って自分には何もないとすら思ってる男の弱さよ。仕事も順調そうな前途洋々の娘を自分の我が儘で留めるきっかけを作ってはいけないと思ってもこれまた不思議ではないかと。{/netabare}

2.{netabare}なんで拒否られて帰ろうとするんだろう?{/netabare}

{netabare}だってそのためだけに生きてきたぐらいの娘さんですよ。そんな簡単に諦められるものかしら?
これ根深いかもしれません。「あいしてる」の意味をまだ自分が理解できてないと思ってそう。少佐の拒否は自分がうまく想いを伝えられてないからと自分の所為にしてたのなら哀しいこと。まるで虐待を受けた幼子のようなメンタリティ。ただこれは帰還兵のPTSDのようなものというか、感情を知らないところからスタートした彼女の出自を考えれば納得できる心の動きだったように思えます。{/netabare}

3.{netabare}なんで少佐は翻意して駆けだしたんだろう?{/netabare}

{netabare}兄と手紙。家は兄が継ぐから「自分の人生を生きろ」と。まんま少佐がヴァイオレットに言ったことと同じでしたね。ここで少女があの頃と違う彼女であることを察したのかもしれない。家の縛りから開放されたのもあるでしょう。こうみると自ら人生を切り開く選択肢を奪われてた者同士という意味でどこか通じ合う二人だったのかもしれませんね。
そしてホッジンスやヴァイオレットの直接交渉にも勝る手紙の威力。この作品だからこそです。{/netabare}


■ピリオドとして代筆業 ネタバレ度:重

{netabare}昔々あるところに…の昔語り。こんな時代がありましたよね、のピリオドの捉え方が秀逸。電話の登場によって我々が辿った史実をなぞるかのような展開に、あたかもヴァイオレットの時代が現実にあったような気にさせられます。

A:手紙
B:電話

ユリスがリュカに想いを伝えるには手紙では間に合わなかったでしょう。アイリスの言葉を借りてBがAに取って代わる時代の転換点を明示してました。
具体的には代筆業の衰退です。そのことで失われるもの。想いを汲み取って言葉に変換する担い手がいなくなること。誰しもが言語化の術に長けているわけではありませんので需要がゼロになることはありません。それでも即時性のメリットが勝り、より便利な方に流れるのは仕方のないこと。
そうやってオワコン化していく自動手記人形の横で手紙というツールだけが残ります。とある場所で手紙の文化が残ったのは即時性以上に一呼吸置いて言葉を紡ぐ必要のある手紙の本質みたいなのを島民が共有してたからでしょうね。
こういう栄枯盛衰や無常感を「もののあはれ」と言うのでしょう。我々の情感に直接訴えてきます。{/netabare}


■「私は…愛を知りたいのです」 ネタバレ度:重

{netabare}そもそも“あいしてる”の意味を知るための代筆業。それを知ってさらに自分が届けたい相手に届いた以上仕事を続ける必要はないですよね。

 言葉はいつでも 語るでもなくて
 そこにあるばかり つのるばかり

自暴自棄な兄に向けた妹の手紙代筆から始まり、王女の恋文、歌姫の曲の作詞、残される娘への手紙ほかあらゆる人のあらゆる場面の、言葉にならない言葉を拾い上げてきた逸材。カトレアさん風に言えば“行間を読み取ってきた”手練手管に秀でたヴァイオレットちゃんです。
そんな子がギルベルトを前にして何も言えなくなるクライマックスが一番グッときました。あー…だからこの物語は手紙だったんだという説得力があったのです。{/netabare}

{netabare}そしてあえて過去を振り返ってみる。人間兵器として人の感情を知らずに育った少女の人間性を取り戻す物語として。またはTV本編ですっきりしなかった帰還兵の心の再生について。

結論は出たと思います。罪の意識を自覚したあの第9話から繋がるであろう悔恨と贖罪意識の落としどころ。そしてぶっ壊れていた己自身の精神の構築。戦後にヴァイオレットが重ねてきた年月は意味をなすものだったのだろうか?

彼女は人間性を獲得してきました。これはTV本編でもさんざんぱら描かれてきたこと。
そして劇場版で彼女は人を残すこととなりました。個別で直接救われた者も多いが、ヴァイオレットのまいた種が人々の想いを繋げ多くの人たちの心を豊かにしていっただろうことは想像に難くありません。繋がりに繋がってあのアンの孫娘が登場したことが象徴的だったかと。
たしかに彼女は数多くの兵士を殺めてきました。その悔恨と贖罪は心に留めながら、それ以上に人を救ったであろう事実が垣間見えただけで充分なのかなと思いました。

そして時代は流れドールも絶えて久しい頃合い。
『外伝』にてほどけない三つ編みに例えられた三者(①送り手②受け手③繋ぎ手であるドール&配達人)の繋ぎ手を見守るかのように、これからも切手となって想いを届け続けることになるのでしょう。{/netabare}






■だがしかしですよ ネタバレ度:軽

そもそもでこればっかりはどうしようもないのだけど…
{netabare}ギルベルトって兄の泥を被らざるを得ない家庭事情で鬱屈していて、本来はやりたかった仕事(たぶん教師!?)を諦めて軍に進んだ、で合ってます?
それで軍属ながら引き取った少女に読み書きそろばんを教えていたわけですよ。擬似的であれ教師と生徒の構図です。生活指導/道徳の授業も当然のようにしてました。
その結果、教え子に愛情を覚え死に際に「愛してる」と涙流してしまうやつですよ。別に愛に歳の差なんてと思いますから推定14~15歳に惚れてもかまわないんですが、熱血指導の情熱が愛情に転換してしまったヤバめな事案という思いが此度の“教師になりたかったかもしれない設定”で強くなりました。

けれども全力で見て見ぬふりをすることにしよう。

{netabare}ギルベルトってヴァイオレットちゃんが惚れるほどのタマか? …うーん、、悩むなぁ…{/netabare}

多分に嫉妬含みの引っ掛かりを理由に『外伝』のほうに自分は軍配が上がりそうです。例によって二つの軸の片っ方のお話つまり“少佐色が薄い”物語ですから。{/netabare}



視聴時期:2020年9月 

-------

2020.09.30 初稿
2021.08.09 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 69
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最後の手紙(2回目感想を追記)

下手な言葉を使うとネタバレしそうなので、ポスターのキャッチコピーを一部引用しました^^;

 TV版本編の初放送は2018年で初視聴も同時期でした。。

===劇場版:初見での感想===
 2020年9月19日(土)、劇場版本編を観覧。
 (★舞台挨拶ライブビューイング付き)

全国の劇場で舞台挨拶が見られるとのことで、
予定を繰り上げて、あわてて劇場に行きました。

でも、TV版本編を少しでも復習してから、行くべきでした。。
2年の月日は自分にはちょっと長かった。。
ヴァイオレットへの愛情は忘れようがない。
そんな変な自信を持っていましたが、いかんせん物語の詳細をとどめておけるほどの記憶力は、現在の自分には持ち合わせていない事を突き付けられました。。トホホ

いよいよ物語の主人公、ヴァイオレット本人のストーリーが幕を開けます・・

■{netabare}
 ヴァイオレットには幸せになってもらわないと・・
 ひょっとして、社長とくっつくのかなぁ・・

なんて思ってたら、

 まさかと思うけど、少佐の兄?

と思ってしまうような展開でした。。

でもその上を行く、まさか・・・
少佐が生きていたとは、ね。
TV版完走時は死んだと思ってたから、
外伝も感動したんだけど。。

途中辺りから、

 え。ひょっとして生きてる?

てな展開。
ぶっちゃけ、ダマされた、という思いもw

いや・・・でも・・
これで、よかった。

思えばTV版を観ている時、実は少佐は生きていたというストーリーを妄想していたんでした。ちょっと忘れてました。
ヴァイオレットが幸せになる道は、それしかないですよね。

でもでも・・
少佐の生存がわかるシーンの感動が薄いせいか、
その分、ラストに至るまで延ばす延ばすw

 なんだよ、少佐・・
 ナニ自虐的になってんだ、そういうキャラ?
 てめ、ヴァイオレットを泣かすんじゃねーw
 身元を引き受けた責任と、
 何より「愛してる」と言った責任、
 男ならキッチリとりやがれw

てな展開は、個人的にはストレス展開でした。
いやわかりますよ。
その後の感動のための前フリだろうってことは。

でも、それならそれなりの想いの爆発に共感したかった。。
少佐が走り出した時って、なんか自分的には動機づけが弱かったんですよね。。
ドア越しにしゃべった時以上の動機が感じられなかったというか。。
だから、ラストの感動シーンも、ちょっとモヤモヤして感情移入しきれなかった。

さすがに、ラストシーンは感動的でした。
ただ、あんな遠い岸からのあんな掠れたような声が聞こえるのか、とか
ヴァイオレットは義手重いはずなのに泳げるの、とか
細かいところが気になって、これまた感動ボルテージ上昇の阻害要因となってしまいました。。トホホ

躊躇なく海に飛び込んだヴァイオレット、男っぽい。
惚れ直しそうw

そんな彼女も、ようやく・・本当にようやく、たどり着いた少佐の胸では・・ただただ・・泣き崩れるしかなく・・


さて・・
ここで触れずにはおけませんね。
ツイッターにも出ています。
舞台挨拶での石立監督の言葉。

 ~{netabare}
  ヴァイオレットが書いた手紙には、
  セリフに出なかった一文がある。
  これが、少佐をヴァイオレットの元に
  駈け出させた。。

  というもの。

  なんでしょうね。。
  気になる。。
  「あいしてる」かな。
  でもそれはドア越しに言ってたような。

  てかこれ、セリフにしてくれれば
  もっともっと感動できただろうに。。
 {/netabare}~

にしても、ポスター、いい絵ですね♪
ネタバレしそうですがw

でも・・

ああ・・完結してしまった><
(ホントはこれをタイトルに書きたかった)

もっと引き延ばして何作か出してくれてから、こういう結末になるんだと思ってました・・
原作はどうなんでしょう・・

未来からヴァイオレットを過去の人物として振り返る作りは、個人的にはあまり好きとは言えず、どうせなら子孫も見せて欲しかったけど・・

エンドロール後の1ショットは、救われました。
これで、よしとしましょう。

過去だからお幸せに、と言えないのはもどかしい。

ならば・・

良かったね、ヴァイオレット。

{/netabare}■

そう、エンドロールは最後まで、観ないとですね♪

ちなみに劇場で配布された、入場者プレゼントは
~{netabare}「ヴァイオレット・エヴァーガーデン if」{/netabare}~でした。

あ、3種類の短編小説ランダム配布って公式に書いてた。。
急いては事を仕損じる。
ゆっくり読もう。。


===劇場版:二回目の感想===

京アニはご存知のとおり寄付金を受け取ってくれません。
感謝の心、支援の心を込めて、再度劇場へ行きました。
TV版を観直した後、今度は目線を変えて。

その目線とは、ヴァイオレットであり、ギルベルト。
初見ではどうしてもホッジンズ社長というか保護者目線になってしまいましたが、この物語は、二人の物語であり、その目線で観るのは必定かと。

~{netabare}
まずは、1期を再視聴したことで1期を思い出させるシーンがとても胸に響きました。手紙が空を舞うシーンとか主要エピソードとか。
特にアンのエピソードは一番涙を堪えるのが大変だったかも。

感激は初見ほどではありませんでしたが、ギルベルトの気持ちが何となく理解できました。
愛するが故、自分はヴァイオレットにふさわしくない、と。
これは初見でもわかってはいましたが、わかって1期を観なおすと、彼はヴァイオレットを預かり戦場に送ったことをとても後悔していて、結果ヴァイオレットの両腕を失わせ、たとえ自分が生き永らえたとしても、自分の愛を貫くことは資格がないと考えても仕方がないかもしれない、と思えました。
彼がヴァイオレットに会えないと言ったのも、会ってしまえばその信念も揺らぎかねないからで、つまりそれだけヴァイオレットを愛しているからに他なりません。

ヴァイオレット目線で観ると・・・
心からの願いが叶えられないと知り、本当に切なくつらい日々を過ごして。
それが会えるかも知れないとわかり、本当にうれしくて。
でもやはり会えないことになり、とても悲しくて。
それでも生きていてくれたことが、やはりうれしくて。
最後に追いかけてきてくれたことが、最高にうれしくて。
この目線で観るのはとても切ない・・・

むしろ、ラブコメ風に・・・
「このまま会えないまま、どっちか結婚して、その後に会うことになってたらどうするのよ!ギルベルトおおおー!!」
と罵ってあげても良かったのにww

でも、やはりこれは二人の愛のストーリー。
これで、良かった・・

最後に、手紙の一文の考察を。
~{netabare}
映画の冒頭では、sincerelyの文字が出ます。
意味は「心から」かと。

また本シリーズは物語の最後にタイトルが出ます。
本劇場版では「あいしてる」。
つまり・・・
『心から 愛しています』
これが、ヴァイオレットからの、愛する人への最後の手紙の、最後の一文だったのではないでしょうか。

振り返ってみると、ヴァイオレットはドア越しでは「愛してる」は言っていません。彼はその事実を知らず、ただ父親のように慕っているものと勘違いしていたのかも知れません。
だから、この一言が、彼をヴァイオレットの元へ駆け出させたのだと、私は思っています。
{/netabare}~

いつか、ネタ明かしがされる事を期待します。


蛇足ではありますが・・
病院で亡くなる男の子のシーン・・
音がデカ過ぎて感情移入の邪魔になる思いでした。
もっと静かな曲か、むしろセリフのみでも良かったかと。
{/netabare}~

はぁ・・切なくて息が詰まりそう。
この劇場版と、1期・Extra・外伝で無限ループに陥りそうです・・

 制作:京都アニメーション
 監督:石立太一
 脚本:吉田玲子

 2020/09/19 閉館直前のMOVIX利府にて初視聴。
 2020/10/05 同じ映画館にて二回目視聴。


■余談
劇場内で完全新作ARIAの予告編が流れてました・・脚本が同じく吉田さんかな?と思ったら・・

 総監督・脚本:佐藤順一
 監督:名取孝浩
 アニメーション制作:J.C.STAFF

ほへ・・
ストレスフリーの世界でホッとしたい・・
違う作品の話ですみません^^;

投稿 : 2024/11/02
♥ : 57
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

みちしるべのその先が描かれた完結編

世界観:8
ストーリー:8
リアリティ:5
キャラクター:7
情感:7
合計:35

<あらすじ>
代筆業に従事する彼女の名は、〈ヴァイオレット・エヴァーガーデン〉。
幼い頃から兵士として戦い、心を育む機会が与えられなかった彼女は、
大切な上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア〉が残した言葉が理解できなかった。
──心から、愛してる。
人々に深い傷を負わせた戦争が終結して数年。
新しい技術の開発によって生活は変わり、人々は前を向いて進んでいこうとしていた。
しかし、ヴァイオレットはどこかでギルベルトが生きていることを信じ、ただ彼を想う日々を過ごす。
──親愛なるギルベルト少佐。また今日も少佐のことを思い出してしまいました。
ヴァイオレットの強い願いは、静かに夜の闇に溶けていく。
(公式サイトより抜粋)


TV版は最後までヴァイオレットの戦闘能力に馴染めなかった作品でしたが、5話や10話等、お気に入りの回もありました。本劇場版については予告PVを見て、10話に関するストーリーもあることがわかったため、やはり劇場で見なければと思い、隙間時間を作って何とか見ることができました。
休日ながら朝の早い時間帯にもかかわらず結構人が入っていて、時間帯のせいかもしれませんが、私よりも年配の方が多い印象でした。

さて、世界観ですが、現実世界とは別の世界ですが、電話がまだ普及する前の、現実世界でいう19世紀末~20世紀初頭くらいが舞台となっています(技術的な点ではヴァイオレットの義手はその精巧すぎるが)。
今回は、TV版10話の少女アンの孫デイジーを中心に物語が始まります(PVでアンと思った人物はその孫で、アンの葬式が終わった時点)。予想外であり、その視点で、ヴァイオレットたちの働いていた郵便社が歴史を残すものとして博物館となっていたり、世界観をより俯瞰して見せる手法で、とても良かったと思います。
作画や背景も流石は京アニと思わせられました。音楽は、挿入歌の「みちしるべ」、TV放映時は微妙な使われ方もありましたが、今回は一番のタイミングでハマっていたと思います。改めて良い曲と思えました。

ストーリーは{netabare}ヴァイオレット軸で、消息不明であったギルベルト少佐と再会すること(ギルベルトの母親の墓参り、病気の子供(ユリス)の手紙を代筆、その子の危篤等を挟みつつ、郵便社を辞めたあと消息不明のヴァイオレットの結末)が中心となっています。ギルベルトが再会を望まなかった理由も私は納得できましたし(なぜ武器として使ったのかはわからないが)、デイジー視点の物語も構成のメリハリに繋がっていました。そして最後に本作のキーワードである「あいしてる。」で締める。完結作として美しい仕上がりでした。{/netabare}

さて、世界観とストーリーは高評価となるところ、大きく足を引っ張ったのがリアリティで、一言で言えば「過剰演出」です。TV版の7話だったかで、水面を歩いたりしているので、今更指摘するまでもなく、この作品の色と整理されているのかもしれませんが、私はやはり気になってしまいました。
細かい点もありますがそれは省略して、下記3点だけ指摘しておきます。

{netabare}・構図重視の会話
市長と会った時の会話、大雨の中でのジルベール先生宅(前と中)での会話、ブドウ?畑でのディートフリート(兄)とギルベルトの会話、船と陸での会話(?)などで、その距離でこの声量では会話が成立しないだろうと思われて、気になってしまいました。
アニメは絵に声をあてるので、画になる美しい構図が優先されることが往々にしてあるのでしょうし、今まで気にならなかった他の作品でも同様な事例が多々あるのでしょうが、本作では若干気になりました。

・ユリス君危篤時の対応
人が亡くなる時、部外者の同席は憚られるのが普通ではないでしょうか(別の世界なのでそのあたりの慣習も感覚も違うのかもしれませんが)。ユリス君は話せる状態だったので危篤ではないのではないか、とも思われたのがひとつ。また、苦痛を感じている状況の中で、郵便社が突然押しかけていって「親友への手紙書きます」というのは流石におかしいのでは。ヴァイオレット自身が行ったのなら、ユリス君との関係や、まだ人の心が理解しきれていない部分があるのかな?で済みますが、ユリス君に面識のないメンバーでですよ。相当苦しい状態のユリス君に、手紙代筆するから喋ってと言うのは、家族が怒りますって。リュカ君が、ユリス君にとってそこまで大事な友人であるか、というのも説明不足で、違和感ありまくりでした。
自分が死んだ日に渡してほしい、と本人から依頼があったのでその約束を律儀に守ろうとしての行動は理解できなくはないですが、待ってましたとばかりの対応になるので、TPO的にも不安な対応です。さらに、手紙を渡して失礼するならまだしも、居座って一緒に内容を聞いて親の泣く姿を見るってどういう神経なんだろうと思ってしまいました。。
本作一番の感動シーンだったように思いますが、素直に感動できずモヤモヤしてしまいました。

・ギルベルトとの邂逅
ギルベルトとヴァイオレットの邂逅は美しかったですが、これは過剰演出の極みでしたね。まず、船を出航させすぎていて、陸から相当の距離となったところからスタートさせたので、ギルベルトの必死の走りや声が届くのか?というところでの違和感があり、ヴァイオレットが船をダッシュして、そのまま海に飛び込むまではよいかもしれないけど、泳ぐシーンを入れずに浅瀬みたいな場所で再会することになるのですが、背景からのバランスではまだ相当陸から離れた場所なんですよね。
始まりの距離感からして、会うところまでは少なくとも15分以上はかかると思いますし、お互いぼろぼろに疲弊してハーハーゼーゼーですよ(笑)
それを完全に排除した制作者側はある意味割り切ってるよな、と感心した次第です。{/netabare}

キャラクターは{netabare}本編から特段変化はありませんでした。2人がカップルとなって終わりましたが、王子とお姫様(人形)というキャラ造形で、過去に2人はずっと一緒に行動していたのなら、もう少し打ち解けた人間関係も描いてくれればよかったかも。
そういえば、TV版のレビューで書きましたが、やはりギルベルトは生きていました。生きていないと、この物語は終わらせられないのです。{/netabare}

情感については、{netabare}そんなわけで感動しそうな要所の構図に違和感等あったため、期待されたほどには涙が出ませんでした。また、人の亡くなるシーンで泣かせるのも一歩引いて見るタイプなので、押し付けられ感もあり、高評価できませんが、言語外の表現も丁寧でこれ以上は下げられません。{/netabare}

色々書かせていただきましたが、時代を流して見せることによって、変わるものと変わらないものを表現できていたのが特に魅力的でした。
手紙は普段伝えられない心を伝えるものとして有効であるのに、現代ではメールが普及しすぎて若干味気なくなってしまっているように思います。紙ならではの味はあるし、大事に保管すればずっと残るものですね。また、普段なかなか言えない感謝等は伝えられる時に伝えておこうと思わされます。
TV版をそれなりに楽しめた方、心を清めたい方に、おすすめできます。

(参考評価:4.0→修正4.2)
(劇場観賞2020.11)

<2022.5追記>
最近、レンタルで再視聴しまして、改めて良い作品だと思いました。
ブーゲンビリアも含めて、あからさまに悪意を持つキャラクターがおらず、心が重たくなることもありませんし、過剰演出はTV版からブレていない本作の表現と思い、少々ツッコミすぎたかなと反省。
時代が変わり、手段が変わっても、今、伝えるべきこと(気持ち)を伝えることの大事さという普遍的なメッセージ性は強力です。
以上を踏まえて、評価を上方修正しました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 37

83.2 2 手紙で続編なアニメランキング2位
この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説(アニメ映画)

2019年8月30日
★★★★☆ 4.0 (501)
2354人が棚に入れました
交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだったゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、ひょんなことから、女神・アクアを道ずれに異世界転生することに。「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍の幹部を討伐したり、たまに死んだり……。そんなある日、駆け込んできた紅魔族の少女・ゆんゆんの爆弾発言にカズマたちは凍りつく。「私、カズマさんの子供が欲しい!」事情を聞けば、めぐみんとゆんゆんの生まれ故郷「紅魔の里」が、滅亡の危機に瀕しているという。里を救うために旅立ったゆんゆんを追いかけて、紅魔の里へ向かうカズマたちだが――!?カズマたちパーティを襲う最大の危機!平凡な冒険者カズマが過ごす、異世界ライフの未来はどっち!?

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、堀江由衣、豊崎愛生

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

異世界生活は、里帰りですら大冒険…!?

この作品の原作は未読ですが、TVアニメの第1期と第2期は視聴済です。

最近、アニ友から本作品の原作が完結したと聞きました。
その際、
「面白い作品なのに勿体無い…でも面白いからきっと第3期もあるよね~^^」
「そうだ、第3期の前に劇場版を視聴しないと…」
という話題で盛り上がり、現在に至っている訳ですが…

この作品の視聴後にwikiをチラ見して知ったのですが、アニメ第1期は原作の第1巻から第2巻、アニメ第2期は原作の第3巻から第4巻の内容が基になっているんだそうです。
一方、完結した原作の巻数は全17巻…
これって、原作のストックが貯まりまくっているじゃありませんか!

こんなにも原作のストックが残っているとは夢にも思いませんでした。
これは劇場版に続く続編を作ってもまだお釣りが来るのではないでしょうか!?
これまで角川10話枠だったので、今度もきっと10話枠なんでしょうし…


交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだった
ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、
ひょんなことから、女神・アクアを道ずれに異世界転生することに。

「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」

と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。

トラブルメーカーの駄女神・アクア、
中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、
妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、
能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、
借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、
魔王軍の幹部を討伐したり、たまに死んだり……。

そんなある日、駆け込んできた紅魔族の少女・ゆんゆんの爆弾発言にカズマたちは凍りつく。

「私、カズマさんの子供が欲しい!」

事情を聞けば、めぐみんとゆんゆんの生まれ故郷「紅魔の里」が、
滅亡の危機に瀕しているという。
里を救うために旅立ったゆんゆんを追いかけて、紅魔の里へ向かうカズマたちだが――!?

カズマたちパーティを襲う最大の危機!
平凡な冒険者カズマが過ごす、異世界ライフの未来はどっち!?


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

そういえばカズマは引きニートという設定だったんですよね^^;
異世界に来てちっとも引き籠っていないので、すっかり忘れていました^^;

そう、今回の物語は「めぐみん」の故郷である紅魔族のお里が舞台となっています。
事の始まりは、あらすじにも書かれている「ゆんゆん」の爆弾発言…
この嫌疑は早々に晴らされるのですが、紅魔族のお里の凄いのと来たら…

めぐみんは、例の爆裂魔法を放つ際、決まって名乗りを上げるじゃありませんか。
今ではめぐみんのトレードマークになっているので違和感は感じませんが、紅魔族のお里は、めぐみんみたいな連中ばかりの集団だったんです。
単騎なら違和感ありませんが集団になると違和感しか感じなかったり…^^;

違和感といえば、みぐみんのご両親も相当でした…
めぐみんから父の名前が「ひょいざぶろー」と聞いていましたが、名前から連想するイメージと実物との間に天地程の隔たりがあるとは正直想定外でした。

それだけじゃありません。
カズマからとあるキーワードを聞いた瞬間から態度が一変するんです。
特に母親のゆいゆいの豹変っぷりは半端ありません。
しかもCVが能登さんだから雰囲気…というかキャラの放つオーラも凄いんです。

こうしてみると、本作品のメインヒロインはめぐみん一択だったようです。
もちろん、アクアやダクネスも登場しますが、めぐみんより存在は希薄でしたので。
物語の合間に時折見えるめぐみんの可愛らしさに、しっかり萌えが感じられる構成だったと思います。

そして、本作品でも魔王軍の幹部はしっかり登場します。
これまでも魔王軍幹部のキャラは独特でしたが、今回の幹部も特濃クラスなので、こちらも期待は裏切りませんでした。
しっかり期待した分だけ応えてくれる作品だったと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

メインテーマは、Machicoさんの「1ミリ Symphony」
エンディングテーマは、アクア、めぐみん、ダクネスによる「マイ・ホーム・タウン」
エンディグのほんわかした感じの曲調はもうお約束ですね^^

上映時間90分の作品でした。
この作品ならではの優しさが感じられるラストの展開も言うこと無し!
やっぱりこのすばはこうじゃなくちゃ…

後は続編の制作発表を待つばかり…
思い切り期待していますよ~!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

我が名はけみかけ!映画『このすば』の魅力を伝えし者!!一見してハーレムに見えども、決して煮えきれないヘタレに訪れたモテ期を語ろうぞ!!!

2016年冬期に第1期、2017年冬期に第2期がアニメ化された所謂“なろう系”異世界転生ラノベシリーズの初の劇場版
原作第5巻を題材にしつつテレビアニメと変わらぬスタッフが再集結
元請け制作はDEENからJ.C.STAFFに変更されました


事故死から異世界へ転生させられた引きこもりの少年カズマ
彼が転生先に特典として選んだのは、転生を司る水の女神アクアそのもの
神を旅の道連れにすることに成功したカズマだったが、実はこのアクアがとんでもないクセモノ
素行が悪く、口も悪いトラブルメーカーで、危機的状況をさらに悪化させるフラグを平気でバンバン立てる上でおまけに酒乱ときてる
能力が低いカズマは冒険を有利に進めるべくさらに仲間を集める
が、揃ったのは敵味方関係なく周囲をまるごと吹き飛ばす【爆裂魔法】しか使えない上に一発限りで行動不能に陥る女魔術師、めぐみん
打たれ強い強靭な肉体を持つが実はドMで敵に陵辱されることを妄想して全く剣が通らない女騎士、ダクネス
本来ならば魔王討伐の冒険を進める一行だが、実際は始まりの街に居座り続け、金儲けや私利私欲を満たす目先のクエストにしか興味が無い
稼いだ資産は毎夜豪遊しては散財、増えるのは借金ばかり
たまに生死を賭けた大きな戦いを制したかと思えば、国家転覆罪で裁判に掛けられる有様
そんな彼等がめぐみんの出身地である紅魔族の里へ、めぐみんを里帰りさせることからこの映画の物語は始まる…


今作冒頭の“マグロ漁船のクエスト”は金崎監督がコンテまで描き切ったのに尺の都合上お蔵入りになったそうですw
その苦渋の決断のおかげもあり、今作は非常にハイテンションなギャグがハイテンポに続くコメディ映画となっています
ギャグやコメディを映画化するのって難しいですよね
『プリズマファンタズマ』がボロクソにつまらなかったことからも良く解りますw
逆に『えいがのおそ松さん』は良く出来てた、あれもハイテンポでずっと笑ってられました


さて、『このすば』において一番大切な要素はシリーズ構成の上洲さんも仰ってますが【カズマ一行を恋仲にしてはイケナイ】ことです
一見してカズマは美女に囲まれたハーレムの真っ只中にいますが、実際のことろ彼女達は大方トラブルの原因か、もしくはトラブルを悪化させる要因となって世間的には厄介モノなんです
そんな彼女達とカズマがパーティーを組み続けるのは、単に【気の合う仲間だから】というところに尽きるでしょう
そこにガチの恋愛要素を絡めてしまうと“気の合う仲間と面白おかしく暮らすgdgd感”というモラトリアムを破壊してしまうわけです
歳を追うごとにわかりみが深まってくるのですが(笑)現実的には美女と付き合うのはメンドクサイw
気の合う仲間と戯れるのが、現代の現実的にはベストなのでは?という提案を剣と魔法の異世界ファンタジーに持ち込んでしまったのが『このすば』の魅力なのです


ところが今作冒頭、カズマにおもわぬ“モテ期”が到来します
モテてはイケナイ作品で、モテ期が発生するという矛盾がまず面白いのですがw実際には今作のクライマックスでカズマが最も惚れさせてしまい相思相愛の関係になる人物というのがとてもとても意外な人物
そのまさかのオチには度肝を抜かされ…いや、爆笑必至でしょうw


オチに選定されたキャラに僕が大好きな、とある大物声優が選ばれているのも仕掛けの1つ
彼女にしかこの役は出来ないんだ!という金崎監督の強いご指名だそうで、GJ!といわざるを得ません


あと今作の作画クオリティに関しては2019年公開の数多の映画でも“最高”と謳って問題無いと思う出来栄えです
とにかくテンションの高いお話である為、キャストの芝居もノリノリに盛り上がっていく
ですので、アフレコ後の芝居にリップシンクロするように作画リテイクを加えたそうで非常に手間と時間が掛かっています
崩すところ、動かすところ、纏めるところのバランスも完璧です


以前のテレビシリーズで描かれた細かなキャラ設定やサブキャラ達を覚えていると笑いどころはとても多くなるのですが、単純にボケとツッコミの応酬を剣と魔法の異世界ファンタジーでやる、っていうのが面白い作品ですので初見の方もこの機にチェックされることをオススメします

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

このすば新喜劇

私が今まで観たアニメ映画の中で1番館内に笑い声が溢れてました。
それはひとえにテレビアニメ「このすば」ファンの期待に応えていた証拠。
ギャグの繰り出すテンポ、コメディの流れはほぼテレビ版を踏襲しており、キャラクターそれぞれの確立された芸風は笑いのツボをはずしません。
テレビ版でのキャラ達のボケとツッコミが肌に合った方なら満足できると思います。

《ストーリー》

ヒロインの1人「めぐみん」の故郷「紅魔の里」をメイン舞台に展開するドタバタコメディ。
脚本構成は、テレビ2期ラストエピソードの焼き直し({netabare}「アクアの聖地降臨」を「めぐみんの里帰り」に置き換え、奇矯な住民達との交流から魔王軍幹部とのバトルで締める{/netabare})で既視感はありますが、本作はキャラ達のコントを楽しむのが一番の目的なので問題なし。
お笑いギャグは下ネタが多かった印象ですが、キャラごとのお馴染みの個性はもれなく描かれお約束の笑いに抜かりなしです。
{netabare}自分は下ネタも好きなのでメスオークの欲情やシルビアの両性ネタも笑えましたが、寝てるロリっ娘にオイタをするか迷うとこは背徳感が邪魔をしました(が、周囲を回るレインボーカズマの絵面にはフキました^o^)。{/netabare}
全体を通せば、愛すべきポンコツパーティーの熱い絆と優しさも感じられ「このすば」ワールドを満喫できました。

《キャラ》

劇場版らしく豪華なテレビ版オールキャスト。
新キャラも交えて主人公カズマとのギャグの応酬が繰り広げられます。
今作のお当番ヒロインめぐみんを筆頭に紅魔族の女子キャラ達に萌える楽しみもあり♪
個人的にはアクアのポンコツぶりが一番好きなので、エロ萌えに頼らないおバカな笑いがもっと観たかったかな・・

《声優さん》

皆さんノリノリの演技。
カズマ役の福島潤さんはキャリア20年のベテラン声優。アドリブも交えたハイテンションな演技で若い女性声優さん達を引っ張られており、このすばの立役者と言っていいのでは。
今回、その福島さんと一番絡んだのがめぐみん役の高橋李依さん。
動画やラジオでも福島さんと和気あいあいの掛け合いをされてますが、2年前にお二人のラジオ番組内で、今回のこのすば続編制作を知った時の高橋さんのガチ泣きにはこちらももらい泣きしそうに~
当時、自分がメインヒロインを演じる事になるとも知らず感涙されたりえりーのこのすば愛!本作で存分に表現されてました。
「エクスプロ~ジョン!!」

あと本作で、能登麻美子さんがこのすばに初参加されたのが私にとっては嬉しいサプライズでした!(演じたキャラはけっこうブラック・・{netabare}めぐみんが若くして家を出たのも頷けます^^;{/netabare})

《作画》

制作会社が変更されてますがテレビ版準拠と言ったところ。
キャラ画などで狙ったのかと思えるほどの崩れた作画は無いですが劇場版と思えるほど質の高さも感じません。
それでもめぐみんの放つ魔法の爆裂エフェクトは効果音と合わせて凝ってました。
テレビ版から感じてますが、カラフルな星粒の煌めきを織り混ぜてるのは可愛いめぐみんにピッタリですね。

《音楽》

エンドロールでパーティー女子3人によるキャラソンとMachicoさんの曲が2曲続けて流れるんですが、これは勿体ない~
盛り上がるMachicoさんの曲はテレビ版時のようにオープニングかラストバトルのバックで聴きたかったです。

《最後に》

本作は後日、自宅で1人ニヤニヤ(ゲラゲラ)鑑賞するのも良いですが、お笑い芸人の生演劇のようにファンのみんなで盛り上がるライブ感を楽しむなら、ぜひ劇場へ足をお運びください~(映画の入場特典の短編小説も面白いです^^)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

75.1 3 手紙で続編なアニメランキング3位
ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~(アニメ映画)

2017年11月11日
★★★★☆ 4.0 (266)
1331人が棚に入れました
詳細不明

声優・キャラクター
佐倉綾音、水瀬いのり、種田梨沙、佐藤聡美、内田真礼、徳井青空、村川梨衣、茅野愛衣、早見沙織、速水奨
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

シスターの帰還

原作コミックは未読。

先日、近所の映画館に3ヶ月遅れで興業にやって来た限定上映に滑り込みで観に行きました。

短尺かつ典型的ながら優しさに溢れた“おかえりなさい”が沢山詰まった日常系の佳作でした。
盆暮れ正月の帰省を始め、全国的に“おかえりなさい”が縮小傾向にある昨今、
こういう“おかえりなさい”が見直されてばいいのにな……。と率直に思いました。

構成は例えば{netabare} “空回リゼちゃん”や“パン銃士”。
あとはカフェイン狂な人間信号弾(笑){/netabare}など、
多種多様なかわいい生き物たちや、おびただしい数のモフモフなどを愛でる、
いつもの『ごちうさ』で、何だかとてもホッとしました。

脅威の中学生萌え殺し部隊“チマメ隊”のロリパワーも相変わらず殺傷能力抜群w
{netabare}“鬼軍曹”な“暫定お姉ちゃん”に
来年から“中学生”なんだからしっかりしなさい!
などと勘違いな叱咤をされるボケシーンで、
私は思わず「そうだよ。そうだよね~」と大真面目に首肯してしまいましたw{/netabare}
JKだのJCだのJSだの最早どーでもいいw
ロリロリし過ぎて、正常な認識能力など瞬く間に溶解してしまいますw

“かわいさだけを、ブレンドしました”と公言して憚らない本シリーズですが、
ふと、『ごちうさ』も意外と一歩間違えばイジメやブラックに転落しかねない、
危険な毒物も多数ブレンドされているな。と思ったりもしました。
掛け合いの中で意外と個々人の触れられたくない過去など、急所をえぐったりしてますし、
“ブレックファーストコンタクト”とかwブラック企業のデスマーチじみてますしw
ただ、イジり等も絶妙なポイントに落ち着くことで、
毒性分も怒り等の負の感情に悪化せず、可愛いゆるふわ成分に化学変化してしまう摩訶不思議。

厳密に言えば、かわいさだけを、ブレンドしていると言うよりむしろ、
何をぶち込んでも、かわいさだけが引き出されてしまう。
“ミルク色の異次元”レベルのゆるふわ空間こそが『ごちうさ』の真髄なのかもしれません。

個人など所詮、自分探しをしても自分どころか小説のネタも満足に見つけられない無力な存在w
そんな個人に友達をからかってはいけない。などと道徳でがんじがらめにしても効果は薄い。
柔和なカップがあって初めて安らぎをもたらすコーヒーが出来上がる。
失言を規制するより、まずは何を言っても笑い合える絆から。
劇場スクリーンで再現された、メルヘンとガラケー&スマホが同居した温かい街並み。
こうした空間にこそ不協和音のない平和な日常は訪れる。
人間作りより優先すべきは環境作り。
セカイをカフェにするような施策こそ検討されるべきではないでしょうか!

などと、ゆるい中にやはり挟まれた微エロシーンに鼻の下を伸ばしつつw
生意気な妄想を転がしながらも、凝り固まった心身がゆったりと解きほぐされた……。
あらゆる事象が可愛いに帰結してしまうこの不思議空間をもっとけんきゅーしたいので、
続編TVアニメなども是非もう一杯おかわりしたいと思った。
私にとっては満足度の高い劇場鑑賞でした♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君と離れて過ごす時間が、こうも落ち着かないものだったなんて。

「ご注文はうさぎですか?」、
通称「ごちうさ」のスペシャルアニメです。

時間も長くないので、
1期や2期がお気に入りだった人たちへのおまけエピソードな感覚でした。

相変わらず可愛さと萌えがぎっしりなので、
心ぴょんぴょんしたい方にはおすすめですよ♪

2期の続編に位置付けられるエピソードなので、
まずはTVシリーズを見てから視聴することをおすすめします^^

60分の作品です。


● ストーリー
喫茶店・ラビットハウスに下宿しているココアは、
しばらく実家に帰ることになった。

久しぶりに家族との時間を過ごすココアと、
ココアのいないラビットハウスで過ごすチノたち。

ココアがいない。
いつもとなんだか違っていて、落ち着かない時間がチノを包む。


今回は、
・家族と過ごすココアの故郷
・ココア以外のメンバーが過ごすラビットハウス
の2つの場所での物語があります。

大きく盛り上がるようなストーリーではありませんが、
相変わらず可愛さぎっしりです(*´ω`*)

きっとTVシリーズで心がぴょんぴょんしていた人たちは、
この作品でも心ぴょんぴょんできると思います♪

ココアの母も姉もお茶目だし、
さらにココア家3人の関係も可愛くて微笑ましいし、

ココアがいなくて寂しそうなチノちゃんも可愛いし、

チマメ隊(チノ・マヤ・メグ)3人の連携は
ロリコンに目覚めさせるほどの萌え力があるし、

相変わらずキャラの個性が
あらゆる可愛さと萌えに変換されています!恐ろしい!笑

時間が60分なので、
「あれ、もう終わり?」とあっという間でした。

十分心ぴょんぴょんしたけれど、
もっと心ぴょんぴょんしていたかった!


● キャラクター
みんなそれぞれ可愛くて、萌える(*´Д`)

キャラに関しては、
「可愛い!」の一言で片付いちゃうんだよなあ。笑

可愛いところに萌えたり、
おとぼけなところにクスッと笑えたり、

笑顔でおしゃべりしているだけですべてが可愛くなる。
なんと平和で幸せな世界!

キャラが完成された作品だと改めて思いました。笑

ティッピーは今回ももふもふしていたよ!もふもふ♪


● 音楽
【 主題歌「セカイがカフェになっちゃった!」/ Petit Rabbit's with beans 】

「Petit Rabbit's」は、メインキャラ5人によるユニット。
今回も彼女たちらしいな~と感じる曲でした。

でも今までの曲と似ているわけではなく、
また新しい魅力を楽しめました♪

そこに加わった「beans」とは、そう、“マメ”!

チマメ隊じゃなくて?と思ったら、
「Petit Rabbit's」にチノは初めから参加しているので、
加わるのはマヤ&メグの“マメ”だけか!と気付き。

このネーミングセンス、気に入りました♪笑


● まとめ
確かに“劇場版”と言うより、
“スペシャルアニメ”という表現の方がふさわしい作品でした。

でも内容が薄いわけではなく、
2期の延長の新作として、十分楽しめる内容でした^^

可愛さだけがブレンドされた世界で、
心ぴょんぴょん癒されるのはいかがですか?(*´ω`*)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 29

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

一緒にぴょんぴょんしよっ♪

ごちうさの人気…ホントに果てしないと思います。
恐らくきらら系の中では群を抜いているのではないでしょうか。
きんモザの様に2期までアニメ化+劇場版までは実績があると思いますが、ごちうさは2020年に3期の放送される上、2019年に新作OVAの発売も決まっているとか…

でも、これだけ人気があるのも理解できます。
ココアやチノを始めとする登場人物みんなが超が付くほど可愛いんですから…
しかも、声優さんとキャラとも相性もバッチリというオマケ付き…

物語は、ココアがラビットハウスで迎える二度目の夏…
キャリーバックを片手に駅のホームに佇むココアの目には溢れんばかりの涙が…
という展開から始まるので正直面食らってしまいました。

私が勝手に想像していたのは、ココアとチノが萌え旋風再び…!
の様な展開だったので、まさかこの物語が涙で始まるとは…
まぁ、涙の理由はココアらしいんですけどね。

確かに当の本人は悲しいと思います。
でも、当の本人以外の気持ちだって複雑なんです。
特に、隙あらば纏わり付かれていたチノにとっては尚更です。

当事者には決して分かる事のない、置いてけぼりを食った人の気持ち…
寂しさ…やるせなさ…
この作品では、こういう点にもしっかりと焦点を当てているのですが、これで終わらないのがこの作品の魅力といっても過言ではないでしょう。

今回、みんなが寂しい気持ちに包まれない様に尽力するのが、種ちゃん演じるリゼなんです。
もともとリゼは可愛らしさの中に「格好良さ」の垣間見えるのが彼女の一番の魅力だと思っていました。
でも、彼女の魅力って…実は格好良さだけじゃなかったんです。
このリゼの魅力は是非本編から受け取って欲しいところです。

それに…リゼのCVが種ちゃんであることも気持ちに後押ししています。
今も仕事はセーブしているのだと思います。
身体が資本の仕事なので、体調を第一に考えるのは当然の事ですから…
でも、最近ではゾンビランドサガの愛ちゃんを演じたり、ストブラⅢのOVAが発売されたりと、あちこちで種ちゃんの声が聞こえるようになったのは嬉しい事実です。

この作品ではリゼの新たな一面が見れましたが、実はチノも今回は少しだけ頑張ってるんです。
これまで出来なかったことが出来るようになる…これって成長の証ですよね。

このOVAは、テレビアニメの続編として位置付けられているそうです。
だから本編視聴済の方ならすんなり入っていける作品だと思います。

主題歌は、Petit Rabbit's with beansの「セカイがカフェになっちゃった!」
挿入歌は、Petit Rabbit'sの「ハピネスアンコール」
チマメ隊が入る、入らないが歌っているメンバーの違いですね。

上映時間約1時間の作品です。
心がピョンピョンしたい人…心がぽいぽいしたい人には是非お勧めの作品だと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
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