戦闘で冒険なアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の戦闘で冒険な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番の戦闘で冒険なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.9 1 戦闘で冒険なアニメランキング1位
ゴブリンスレイヤー GOBLIN’S CROWN(アニメ映画)

2020年2月1日
★★★★☆ 3.6 (181)
833人が棚に入れました
ゴブリン退治に出向いて消息を絶った令嬢剣士を探して欲しい。剣の乙女からの依頼を受け、北方の雪山に向かうゴブリンスレイヤーたち一行。襲撃される寒村、謎の礼拝堂と、今回のゴブリンの群れの行動に違和感を覚えるゴブリンスレイヤー。「取り戻す…、失った物、全てを! 」囚われの令嬢剣士を救うため、雪に囲まれた古代の砦を舞台に、圧倒的な強さを誇る“何者"かに統率されたゴブリンたちとゴブリンスレイヤーたちが激突する! !

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

失った誇りを取り戻せ

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期は視聴済です。
TVアニメ版の内容は鮮明に記憶に残っています。
放送が2018年と比較的最近だったこともありますが、ゴブリンの執拗さや残忍狡猾なやり口は簡単に忘れられるモノではありません。
唯ちゃんと奈央ぼうがパーティーに加わっていたのも大きかったかな^^


“ゴブリン退治に出向いて消息を絶った令嬢剣士を探して欲しい。”
剣の乙女からの依頼を受け、北方の雪山に向かうゴブリンスレイヤーとその一行。
だが、襲撃される寒村、謎の礼拝堂と訪れるにつれ、今回のゴブリンの群れの行動に違和感を覚えていく。

囚われの令嬢剣士を救うため、雪に囲まれた古代の砦を舞台に、
圧倒的な強さを誇る“何者”かに統率されたゴブリンたちと、ゴブリンスレイヤー一行が激突する。


KINENOTEのあらすじを引用させて頂きました。

物語は見たことないパーティーがゴブリン狩をしているところから始まります。
いきなりゴブリンスレイヤーや神官・弓使いが颯爽と登場するとばかり思っていたので一瞬あれっと思いましたが、その心配も杞憂ですぐ「いつものメンバー」が集結してくれました。

その見たことのないパーティーを率いていたのが、捜索依頼の出ている令嬢剣士だったんです。
令嬢剣士率いるパーティーは、万全の準備をしてゴブリンの巣穴に向かい、凡そ万全と思える方法でゴブリンの首を絞めあげていきます。

彼らもこれまでそれなりのゴブリンを相手にしてきたんでしょう。
決してゴブリンを侮ってなどいませんでした。
だから、今回の狩りも戦歴が一つ増えて終わる筈だった…

ですが、ゴブリンってそんな生易しい相手じゃなかったんです。
きっと彼らの取った戦法は間違いじゃなかった…
但し、途中まで…でしたけれど。
今日首尾良く出来たから、明日も同じ方法でうまくいくとは限らないんです。
きっとゴブリンスレイヤーですら目の当たりにしたのは初めてだったのではないでしょうか。
そんな相手と対峙したパーティーの末路なんて…一つしかありませんよね。

そしてそんな惨状を見てゴブリンスレイヤーが黙っている訳…ありませんよね。
ゴブリンスレイヤー一行と小鬼聖騎士(ゴブリンパラディン)率いる大量のゴブリンとの全面戦争に発展するのに、そう時間は掛かりませんでした。

ゴブリンスレイヤー一行の個々の個々のスキルにも圧倒されますが、それより驚かされるのはゴブリンたちがしっかり統率されていることです。
しかも群れを率いていた小鬼聖騎士は更なる目論見を企んでいたようですし…
改めてゴブリンって怖い存在だと思いました。
その分見応えは半端ありませんでしたけどね^^

主題歌は、Miliさんの「Static」
幻想的な序盤から一気に激しさを増す中盤以降の曲調が本作品の作風ピッタリだったと思います。

上映時間が約60分の作品でした。
相変わらずの殺伐とした世界観はしっかり堪能できたと思います。
TVアニメ版は原作の第1巻~第2巻の内容が映像化されたんだそうです。
そして現時点での既刊発刊数は12巻…
続編を制作するのに十分過ぎるくらいのストックが溜まっているのではないでしょうか。
続編…制作が決定するのを楽しみに待っていますね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ゴブスレのコスプレ

称号は

{netabare}“慎重勇者”でよくね?{/netabare}

60分一本勝負。劇場版と言いつつTV版の延長でワンエピソード追加したくらいのボリューム。COCO壱のちょいがけソースかラーメン屋の替玉みたいなもんと思えばいいかもしれません。というわけでしてご新規の皆さまは元ネタのTV版を視聴後にぜひまたお越しくださいませ。

やや短めの尺。OVA1話分に合わせたかのような軽めの脚本。映画館に足を運ぶ必要性は感じません。今(2020年11月)からですとレンタルor配信ですので、そうなれば敷居自体は低いですから元ネタのファンなら気軽に手に取ってよいでしょう。私は映画やってるのすら知りませんでしたので内容の如何を問わずなんかラッキー!って感じ。

だから基本的には文句はないのだけどごめんなさいね。違和感が少しばかりある。

{netabare}・令嬢剣士の帯同はプラスにはなってませんでした
・以前だったら帯同させるにももっとメリデメを冷徹に計算してたと思う
・妖精弓手の矢じり摘出の時に周囲の警戒怠ってたよね{/netabare}

肝心の慎重さ足りなくなってません?
ゴブリン相手に慢心せず愚直にPDCAを回す偏屈者。主人公ゴブスレさんの従前の人物評です。
敵さんを先回りした策がハマった時も、知恵の蓄積だったり可能性を一つ一つ潰していった形跡など“らしさ”を感じたものでしたが今回はそんな職人気質のゴブスレさんに“ご都合”の匂いがしてました。
{netabare}※酸素摂取できる指輪を配布したり稲妻魔法の使用制限を要請するなど伏線として利いてるとの見方もできましょうがなんか違うんだよなぁ。{/netabare}


ゴブスレっぽいものという結論になりますでしょうか。
それでややネガティブ評にはなりますが評価気にしないでくださいね。
所詮60分ですからまずはご自身の目で確かめていただいてという作品でしょう。



※ネタバレ所感

■策士策に溺れる?

{netabare}雪上決戦。事前戦闘でボスに発信器(剣回収用)みたいなのをつけて下準備。追撃戦でゴブリン達が門から出てきたら誰かが囮になるかもしくはデコイみたいなのを魔法で出して敵に追わせる。それで門から出きったら上から雪崩起こすので良かったんじゃね?とどうしても思ってしまう。雪崩を戦略に組み込むなら後面が崖と敵さんより下り斜面(谷側)に陣取るのがどうも腑に落ちませんでした。{/netabare}

{netabare}だから雪崩にわんさか巻き込まれるクライマックスは不謹慎ながら大規模コントのオチみたいな見え方をしてました。
ドリフのオチのテーマ(『盆回り』というらしい…)を脳内で流すとしっくりきましたね。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 

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2020.10.23 初稿
2021.08.20 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 38
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

うん。。期待を裏切らない緊迫感は健在

 
本編第一話の効果が大きいのでしょうね。

■エピソード

~{netabare}
ゴブリンによるパーティー敗北・・・
男性はその場で首を落とされ、女性は連れ去られたりその場で・・
そんなことは日常茶飯事と、一期第一話で言ってましたが・・
いやホントにナゼ女性がゴブリン退治に行きますかねw

まー底辺の冒険家や一部の村民レベルの被害に手が回らないほど、魔王を倒す方が大変・・と思うことにしましょう。

雪崩に巻き込まれて無事って・・
雪国の人間にとっては、ちょっと雪崩を舐めすぎのような。
窒息をケアして正解ですが、圧死も対策しないと。
あ、ゴブスレさんは鎧だからOKかな?でも他の人は・・・

でも今回、凌辱系の表現は抑えられていましたね。
やはり内外からの何かがあったのかな・・
あ、R12の劇場版だから・・とかかな。
{/netabare}~

きっちり冒険、してました。
やはり緊迫感ハンパない・・・
面白かったです。

今思えばなんであんなに一話目を否定したのか思い出せない部分もありますが・・
きっと昔の知り合いの体験談を思い出したんでしょう・・ご容赦を。

 制作:WHITE FOX
  刀語、シュタゲ、ご注文はうさぎですか?、
  うたわれるもの2期、リゼロ、少女終末旅行、
  慎重勇者
 公開:2020年2月
 視聴:2020年10月

■キャスト
今さらですが、個人用メモとしてキャストもおさらい・・

~{netabare}
ゴブリンスレイヤー:梅原裕一郎
 慎重勇者の聖哉でした(なるほどw)
剣の乙女:遠藤綾
 らき☆すた(高良みゆき)
 凪のあすから(潮留みをり)
 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(カトレア・ボードレール)!

以下の方はキリがないので出演作は省略w

女神官 :小倉唯
受付嬢 :内田真礼
妖精弓手:東山奈央
鉱人道士:中村悠一
蜥蜴僧侶:杉田智和

牛飼娘 :井口裕香
槍使い :松岡禎丞
魔女  :日笠陽子

本作のヒロイン?的なキャラは・・
令嬢剣士:上坂すみれ

最後酒場で、これでもか的にキャラを出してきましたね。
{/netabare}~

藤井ゆきよさんは今回出ていなかったようで残念・・
ゆかちの声が聴けたのは良かったw
 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

57.8 2 戦闘で冒険なアニメランキング2位
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(アニメ映画)

2019年8月2日
★★★☆☆ 2.9 (81)
132人が棚に入れました
少年リュカは父パパスと旅を続けていた。その目的は、ゲマ率いる魔物たちに連れ去られた母を取り戻すこと。 旅の道中、遂にゲマと遭遇し、魔物たちと激しい戦いを繰り広げるパパス。 しかし一瞬のスキをつかれ、リュカが人質にとられてしまい、手出しができなくなったパパスは、リュカの目の前で無念の死を遂げる―― それから10年。故郷に戻ったリュカは「天空のつるぎと勇者を探し出せば、母を救うことができる」というパパスの日記を発見する。 父の遺志を受け継ぎ、リュカは再び冒険の旅にでることに。 立ちはだかるいくつもの試練、そしてビアンカとフローラ、2人の女性をめぐる究極の選択。果たして冒険の先に待ち受けるものとは!?

声優・キャラクター
佐藤健、有村架純、波瑠、坂口健太郎、山田孝之、ケンドーコバヤシ、安田顕、古田新太、松尾スズキ、山寺宏一
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

親から子へ、そして孫へと受け継がれる使命

この物語の原作は、エニックス社が1992年に発売した『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』のゲームです。
そしてドラゴン・クエストⅤは、ゲーム要素だけでなく、壮大な物語でもあります。
それは、親から子へ、そして孫へと使命が受け継がれる感動作でした。

物語は、主人公のリュカが五歳のときから始まります。
リュカは父親と共に、世界中を旅しています。
旅の目的も、その先に何があるのかも、リュカは知りません。
だが、大きな運命の渦に巻き込まれ、リュカは想像を絶する日々を体験します。
{netabare}
以下はドラゴンクエストⅤについてですので、映画ではカットされている箇所や変更されている箇所もあります。
古い記憶なので間違いもあるかもしれません。

父親が亡くなり10年経って、初めてリュカは父親の旅の目的を知ります。
母親のマーサは、リュカが生まれて間もなく、魔界に連れ去られたのでした。
魔界からマーサを救い出すことができる唯一の人物『天空の勇者』を探し出す。それが父パパスの旅の目的でした。

父の遺志を受け継ぎ、リュカもまた世界中を旅します。
長く、辛い日が続きます。

やがて彼は旅の途中で結婚し、子供ができます。
子供が10歳になったとき、リュカはついに天空の勇者を見つけるのです。

そのとき、リュカはきっと次のように感じたことでしょう。
「どうりで父親のパパスが世界中を旅しても、見つけられなかったはずだ…
 だって、そのときは、天空の勇者はまだ生まれていなかったのだから…
 その天空の勇者が、こんなにも身近な存在として現れるなんて…、夢のようだ」と…

そして、マーサを救い出す新たな旅が始まるのです。


また、心にジーンときた箇所を、いくつか以下に書き記します。好きなところだけ読んでください。

パパスと天空の剣: {netabare}
天空の勇者だけが使用できる『天空の剣』をパパスが見つけたとき、
「なんで私には、この剣が使えないのだ…」と、パパスは悔しがり、嘆きました。

きっとパパスは、天空の剣を使い、今すぐにでもマーサを救いに行きたかったのでしょう。
そのときのパパスの悔しさが、心に沁みました。
{/netabare}


ルドマン家の宿命: {netabare}
サラボナに住む大富豪ルドマンは、実は先祖代々から受け継がれた使命を持っていました。
150年前の先祖ルドルフは怪物ブオーンを封印しました。しかし、その封印は150年ほどしか持ちません。
封印が破られたら、もう一度ブオーンと戦い、封印する必要があります。それは命がけの使命でした。

先祖ルドルフから、まだ見ぬ150年後の子孫ルドマンへ宛てた手紙が、とても辛い内容でした。
ルドマン家が娘フローラの結婚相手を募集した真の目的も、実はブオーンと戦える勇者を見つけるためだったのです。
そう考えると、ルドマンもフローラも、辛い宿命を背負っていたのです。
{/netabare}


ルドマンとフローラ: {netabare}
リュカがビアンカと結婚する際、ルドマンとフローラは、結婚式の準備を全て行い、結婚費用全てをルドマン家で支払いました。
本来はフローラのための結婚式だったのですが、リュカとビアンカのために懸命に準備したのです。

二人は凄く心が大きく、清らかでした。
そして、結婚式の翌朝、リュカとビアンカたちが旅立った後、
ルドマンがフローラに、「もう泣いても良いんだよ」と言うと
フローラはルドマンの胸に顔を埋めて号泣します。
実はフローラは、リュカが大好きで結婚したかったのです。彼女はとても立派な女性でした。
{/netabare}


サラボナの町の人のうわさ: {netabare}
サラボナの町の人たちは、ルドマン家を尊敬していました。
でも、ルドマンが娘フローラのために準備した結婚式を、見ず知らずの旅人リュカとビアンカのために行ったことを知ると、
ルドマンのことを「お人好しの馬鹿」のように軽蔑します。その軽蔑の期間は11年ほど続きます。
でも、11年後に、サラボナの町に災いをもたらしていたブォーンをリュカ達がやっつけると、
町の人たちは、ルドマンのことを「先を見通した凄い人」だと、再び尊敬します。

人の噂というのは、いつも無責任であてにならないものです。自分をしっかりもつこと。それが大事だと思います。
{/netabare}


過去へ帰った際のできごと: {netabare}
リュカはゴールドオーブを取り戻すために過去へと旅します。
旅立つ前に妖精の女王は、「過去に行くのはとても辛いことですが、それでも行くのですか?」とリュカに念押しします。
リュカには大切な目的があったので、「行きます」と元気よく答えるのですが…
でも、リュカが旅立った過去は、父親パパスが亡くなる数日前でした。

リュカは幼い頃の自分に会い、「どんな辛いことがあっても頑張るんだよ」と言い、さらに「お父さんを大切にするんだよ」と告げます。

このときの言葉には、リュカの悲痛な叫びがこもっていました。
そして、リュカが過去から現在へ戻る際、パパスの死ぬ瞬間をもう一度見ることになります。見たくもないものを見せられるのです。
そして現在へ戻ってきたリュカは、大粒の涙を流し、床にうずくまります。声にならない叫び声をあげます。
妖精の女王は、そんなリュカの悲しみを察し、しばらくリュカには誰にも会わせないようにしました。

このときのリュカの気持ちは想像を絶する辛さ、悲しみがありました。思わず私も涙を流してしまいました。
{/netabare}


カボチ村での出来事: {netabare}
カボチ村では、怪物が毎晩現れるため、村人は恐れていました。
怪物は農作物を食べ荒らしはしますが、決して人を襲いません。
それどころか、怪物を見て恐怖のあまり足をもうつれさせ怪我した村人を、怪物は背中に乗せ村まで運んだりしました。
でも、村人は怪物を退治することを決め、お金を出し合い、リュカに怪物退治を依頼します。

リュカが怪物に出会うと、それはリュカが昔飼っていたキラーパンサーでした。
キラーパンサーはリュカを思い出し、リュカと行動を共にします。
それを知った村人は、リュカが自分が飼っている怪物で村からお金をだまし取ったと誤解します。
そしてその誤解は最後まで解けずに、リュカ達は村から追い出されます。

人というのは自分勝手な都合で人に責任を押し付ける無責任な生き物です。
そうならないように日々謙虚に生きることが大切だと思いました。
{/netabare}


ポートセルミで聞いた天空の勇者の正体: {netabare}
港町ポートセルミで、「天空の勇者を見た」という人にリュカは出会います。
でも、その人の話をよく聞くと、その人が天空の勇者だと勘違いしていた人は、リュカの父親パパスでした。
その人は、「あんなに強くて立派な人は世界中探しても他にいない。名前はパパスといっていたな」と、盛んに語ります。

リュカは、天空の勇者の話ではなかったけど、その話を聞いて嬉しくなりました。
だって、見ず知らずの人が、リュカの大好きな父親のことを盛んに褒めているのですから。

この話を聞いたとき、私も思わず頬笑みました。
{/netabare}
{/netabare}

私は昔、このゲームをしたときに、物語の素晴らしさに感動しました。
そして原作の小説を読み、涙を流しました。
原作は、NHKの大河ドラマと比較しても遜色ないほどの素晴らしい内容です。

ドラゴンクエストⅤのゲームをされたことがない方は、映画を見る前に少しでもやっておくことをお勧めします。
映画は約100分ほどしかありません。そして主人公が子供の頃の話は、大幅にカットされています。
だからゲームをしたことが無い方は、物語について行けないかもしれませんし、ゲーム経験者の方が大いに感動するシーンも、あまり感動できないかもしれません。

壮大な物語を語るには、あまりにも短い時間でした。
でも私は、この映画が大好きです。

この映画は、ラストが原作と異なっています。
このラストに関しては、賛否両論がありますが、このラストがあるからこそ、ユア・ストーリー なのでしょう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

おもいでブレイカー があらわれた!

→たたく
 にげる
 ぼうぎょ
 どうぐ


 「Filmarksで2点台の爆死映画を今更叩いてどうするんだよ」と言われそうだけど、まぁ観てしまった以上感想を残しておきましょう。この映画は評判がめちゃくちゃ悪くて、一緒に観た2人もボロクソに貶していたし、他の知り合いに感想を聞いても「すげーがっかりした」てな感じで、褒める人が1人もいないという有様でした。かなりやばい。

 大人気RPGゲーム「ドラゴンクエスト5」の映画化作品。この映画がなぜここまで叩かれたのか、お話するには映画後半の重度のネタバレをしなくてはいけません。でも公開されてから随分立ちましたので、もうバラしても良いかなと思います。

{netabare}
 ゲームの内容はご存知の方も多いかと思いますが、軽く説明しておきます。「ドラゴンクエスト5」は主人公は父とともに冒険する幼少期からゲームが始まり、卑劣な敵ゲマの計略によって父親を亡くし奴隷として過酷な日々を送ります。そこから脱出、そして結婚、やがて生まれる子供とともに父親の敵討ちを果たし、果てには世界を救うという、一人の英雄を人生を疑似体験できるという当時としては画期的なRPGゲームだったわけです。

 ゲーム上、結婚相手はプレイヤーが選択することができます。幼馴染のビアンカか、大富豪の娘フローラか。フローラを選んだ方が冒険は楽になるのですが、幼少期はビアンカと一緒にイベントをこなすこともあってビアンカを選ぶ人が多数派のようです。私はフローラ派なのですが、それを告白するとビアンカ派からはいつもゴミを見るような目で見られます。

 それはさておき、もちろん映画でも結婚相手を選ぶシーンがあります。結婚までのイベントが高速で進むのは、2時間の映画であれば観る前からある程度覚悟はしているので、違和感を感じながらも鑑賞に耐える内容かと思います。問題は後半です。突然ボスキャラがネタバレを語り始める。今まで観てきたシーンは現実ではサラリーマンの青年がVRでゲーム体験プレイして懐かしんでいる脳内映像なんだよ、こんなゲームにマジになってどうすんの?いい加減大人になれよwwww 大草原。的な説教を始める。はぁ?何これ。

 要は夢オチというやつで、結局「ゲームは素晴らしいもうひとつの現実だ!」と主人公(=勇者=サラリーマン)の逆切れパワーでボスが消滅して終わり。めでたしめでたし。観客はブチギレたままだから全然めでたくないのだけど。

 山崎監督はドラクエ5をプレイしたことがないのに映画を制作したらしい。なめとんのか。でもまぁそうだろうなと思う。ここまで不快指数の高い映画はなかなかない。何が不愉快なのか。それは「子供の頃ファミコンでゲームをしていた世代の人たちは、当時友達が少なくて、一人でゲームをしていた寂しい思い出しかなくて、恋愛やらスポーツやらでリア充していた人たちに比べて劣等感を抱いているんだろう」という偏見が丸出しだからです。上から目線で「よしよし、ゲームだって立派な思い出だよ」なんて同情されても、そんなの余計なお世話でしかありません。だいいちそんな認識は時代錯誤も甚だしい。

 takarockさんが本作に関して鋭い指摘をしていました。「今の時代、ゲームは卒業するものではない。それを勘違いしている」と。まさしくその通り。大人も普通にスマホでゲームをしているし、むしろゲームは子供との接点になる時代です。山崎監督の価値観は、幼女連続殺人事件(※)が起きてオタクが犯罪者予備軍扱いされたはるか昔の時代のまま止まっているのではないかと考えてしまう。そうでなければこんな映画は作りようがありません。

 平成になってから現実と虚構の価値が横並びになったなんて社会学の話は、映像作品を作る人間なら知っていてしかるべきでしょう。老害は勉強しないから老害になってしまうのでは。

 ドラクエ5の主人公は父親を目の前で殺され、奴隷として働かされ、結婚した後も愛する妻がモンスターに攫われる、自分は石にされてしまう、と逆境続きの超ハードな人生を送る。今から想えば僕たちはそんな逆境を跳ね返す主人公の生き方をカッコイイを思い、自分は偉大な男になれる、なんて世間を知らないが故の少年の全能感みたいなものを、ゲームの勇者に仮託していたように思うのです。

 でもドラゴンクエストユアストーリーの主人公は最初から最後まで俗物でした。モンスターには逃げ腰で恋愛も優柔不断。僕は何を見せられているんだろう。まぁそれは主人公が実際は冴えないサラリーマンという伏線で、結局これが作り手の「俺は子供の頃ゲームなんてしていなかったぞ自慢」だと気付いたあとは、居酒屋で連れとこの映画の悪口を1時間くらい話す羽目になりました。

 世間の評判も散々なんですけど、ドラゴンクエスト小説版の作者が「勝手に私の小説の主人公の名前(リュカ)を使うな!」とゴネたり、制作にかかわったピクチャーエレメントが破産したりと後味の悪い作品になってしまったのが残念ですね。

※1988年に関東で幼女が連続誘拐殺人される事件があり、逮捕後に犯人の部屋が公開される。ビデオテープが山積みになった異様な光景が話題になり、それからマスコミは徹底的なオタクバッシングをはじめる。アニメやマンガ、ゲームに夢中になっているオタクは現実と空想の区別がつかなくなった人間として猛烈に叩かることになった。このマスコミ主導のオタク差別は根が深く、いまだに続いている。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

天空の導かれし大地 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

否定的な意見も好意的な意見も納得出来る。落とし所の難しい作品。

ドラクエ5はビアンカ、フローラ、デボラを全員嫁にする、プチタークとプオーンを仲間にするまで頑張るほどには遊んでました。シリーズの中では8と11の次位には思い入れのある作品。

酷評ばかりの本作だが、言うほど酷いか?ともなる一方でそりゃ酷いなともなる作品。肯定派の意見も否定派の意見も納得できる。

原作をなぞったシナリオに関してはおおむね満足。限られた尺の中でうまく収められているとは思う。とはいえ娘が未登場、幼年期編が駆け足すぎる等尺の弊害で展開が残念になった部分が多数ある。かといって無駄なギャグで間伸びさせるなどカットした分そこを入れる必要ある?ともなる展開も含まれていて、なんとも言えない。

で、例のVRワールドオチと大人になれのアレ。監督としてはいい年こいてゲームなんかやってんじゃねぇよということを伝えたいのではなく「ゲームで遊んだ思い出はずっと心の中にある、ゲームをくだらないものと一蹴するのは間違っている」ということを伝えたかったのはよく分かる。その試み自体はドラゴンクエストという国民的ゲームだからこそうまく取り扱えれば説得力のある物語や、ゲームだからこそ得られる経験
という表現をあらゆるプレイヤーに語りかける形で問うことが可能となることから、その視点での物語構築自体はアリだと思う。

ただ、このために大どんでん返しでメタネタを無理やり持ってきたような感じでそのオチありきで話を進めている感じがしていてドラマ的に盛り上がりが感じられず、作劇に活かしきれていない。終盤の展開の布石にしても映画ではキャラの深堀や話への感情移入はあくまでドラクエ5プレイヤーでないと伝わらない部分もあるため、限られた尺での表現や積み重ねが薄くなる以上ショック度合いや絶望感もなく、怒りや呆れを呼び起こすだけにしかならない。そもそもドラクエにそういう変に説教臭いテーマは求めていないという人もいるだろう、監督の伝え方が下手すぎてむしろ逆に人の好きな物や思い出に冷水をかけられたような気分にさせられるようにも感じられる。監督の意図が伝わらないのもこれでは当たり前だ。伝え方や題材との相性が悪かったのだろう。自己投影出来るドラクエなら自分という存在をキャラメイクで生み出せるスーファミ版3の方が向いてたと思うし…5自体物語が完成されてるのに底にメタバース要素を無理に付け加えるのが野暮だったのかもしれない。試みは面白いがやり方がまずかった。

自分はこの試みは好きだが、かといって叩かれるのも仕方ない作品だとは思う。万一本作があのような悲惨な評価にならなければドラクエにこういう話があっても面白いねとは思うが、本作の場合だと人のふんどしを粗末に扱われたとも見られるような描き方をされているのだからファンからすればたまったもんじゃない。監督の自我やチャレンジ精神が暴走した結果色々と波紋を呼んだ内容になったんだろう。

ただ何度も言うように、伝え方が最悪の形だっただけでこの作品の伝えたいことは分からないでもない。それを理解せずに大人になるのは監督の方だろというのはそれは違う。かといってこの作品が好きな人もこれを酷評してる奴はゴミだとか非リア充だとか言葉が強すぎる傾向にある。思い出を汚されたとは言わなくても描き方が中指立ててるのと同義なほどに酷いのだしそれに怒る気持ちもあって当然だ。安易に非リアとかゴミとかで纏めているが、当の作品の造り手は冷水をかけて観客の熱を強引に冷ましてきたような迷惑者とも言える存在だ。無理やりかけられた側からすれば目の上のたんこぶの他ならない。そのようなプレイヤーの怒りを餓鬼の戯言のように扱って「この映画は傑作、批判するやつがマヌケだ」と似たようなことを抜かして封殺しようとするのはそれこそ「お前らが大人になれ」と言いたい。俺は好きだよとかで止めればいいがそこまで主語を大きくして他人の意見と自分の意見をごっちゃにして喋ることこそ愚の骨頂だ。

肯定派も否定派もこの映画の見方を履き違えたり肩入れしすぎたりするから議論が終わらないのかもしれない、結局見た側がどう受け取るかなんだし、そこはやいのやいの騒いでも決まることじゃないんだから仲良くしようよー…

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

計測不能 3 戦闘で冒険なアニメランキング3位
映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS(アニメ映画)

2018年12月14日
★★★★★ 4.1 (6)
18人が棚に入れました
1960年代の東京・さくら元町。貧しくも幸せに暮らしていた少年・シンはたった一人の家族である母親を亡くし、不幸のどん底に。そんなシンを救った少年・イツキ。彼もまた、姉を亡くしていた。ふたりの少年は、妖怪が見える少女・タエを仲間に加え、シンの守護霊・スーさん、そして猫又などの新たな妖怪たちと共に、大切な家族の魂を取り戻すため、不思議な事件に立ち向かう! そして、彼らを待ち受ける、衝撃の事実とは…!? これは、3人の少年少女と妖怪が織りなす友情の物語――
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

臼田さんはどうみても・・・

 ケータ、ジバニャンの登場よりその前の過去にあたるお話だったです。

 母を失い絶望に立たされた少年シンが、同じ境遇のイツキに救われ、その真実に知って、見ていた少女タエとともに立ち上がるお話だったです。
 最初に出てくる老人は、この物語を通して最後にわかるです。

 妖怪ウォッチがどこに出てくるのか?出てくる妖怪活躍できるのか?が、注目です。
 やっと犯人?追い詰めた{netabare}と思いきや、舞台は妖魔界へと急展開、この先話のスケールによって、当初の目的がだんだん薄れていくようなに思えたのは、自分だけだろうか?だったです。その点最後、シンとか納得できたのかなぁです。{/netabare}

 思わぬ展開、新たな妖怪?の登場、変身、黒幕登場、さらに明かされる真実、どうなるのかなぁ?は見てのお楽しみです。
 衝撃のラスト、始まりはどう繋がるのか?突然の出会いから始まる、友情な展開だったです。
 子供向けには、いいのかもです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

76.6 4 戦闘で冒険なアニメランキング4位
デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(アニメ映画)

2000年4月1日
★★★★★ 4.1 (443)
2795人が棚に入れました
デジタルワールドから子供達が帰ってきて数ヶ月、2000年の春休み。突如ネットに出現したデジタマから生まれた新種デジモンは、ネットに繋がるコンピュータのデータを食い荒らし、様々な機関を暴走させながら急速に進化。世界を混乱に陥らせる謎の新種デジモンを止めるため、事態に気付いた太一、光子郎の二人は選ばれし子供達を集め、再び戦いへと乗り出すことになる。

声優・キャラクター
藤田淑子、坂本千夏、天神有海、水谷優子、風間勇刀

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

今では新しさというよりは懐古です。演出力に感心しました。

 なるほど…想像以上に「サマーウォーズ」でしたね…話のフレームは。また、夏ということ、シリアスではなくそれぞれの人間がバラバラの事をやっているという点でも雰囲気は似ていました。

 とはいっても両方とも細田守氏が監督した作品なのでマネではないですね。この後「竜とそばかすの姫」も似たような感じですので、ひょっとしたら創作アイデアのポケットが思ったよりも小さい人なのかなあという気もしまます。

 テーマで似たような話をやり続けるのは構わないと思います。宮崎駿氏は結局「恋愛冒険譚」「自然と人間」「ロリコン?」というようなことをやり続けましたし。ただ、さすがに同じ話は作りませんでした。いや、ルパン三世の1期後半と2期の2作品に氏のその後の作品のエッセンスは結構入っているのは入っていますけどね。ここまで露骨じゃないです。

 本作は当時としては画期的だったかもしれません。なにせISDNの時代ですから、やっと電話を掛けながらネットが出来るようになった時代です。ダイアルアップ接続だし、島根にパソコンは無いらしいですし、ウィンドウズ画面は98でIEを使っています。
 このサイバー空間のアイデアは大したものです。ただ残念ながらデジモンは本作しか見ていないので細田氏のアイデアなのかデジモンの原作者なのか知りませんが。

 設定を見る限りではメタバースにおけるアバターのようなイメージではなく、デジタル異世界におけるデジタル生物というイメージなんでしょうか?シリアルエクスペリメンツレインとほぼ同時期と言う事は、攻殻機動隊も既にありましたので、その影響を受けたSF的な共通認識だったのでしょう。ただ、ビジュアル化は非常に独自性があって鮮烈だったんでしょう。これに当時の子どもが夢中になったのはわかる気がします。(「マトリックス」も1999年でほぼ同時期ですね。コミュニケーションゲームの「どうぶつの森」が2001年です)

 AIとデジタル空間におけるウォーゲームという発想は、1983年の映画「ウォーゲーム」の影響なのは隠していないですね。核兵器の発射という点でも共通しています。

 その点では当時あったSF的な発想をかき集めたような作品で、SF的な目新しさはやっぱりサイバー空間の見せ方なんでしょうね。

 映画のテーマ的な奥深さはあまり感じません。ネット創世記の本作の当時であればウイルスの危険性とかネット内で自然発生的にデジタル生物が生まれるとかいう目新しさはあったかもしれません。ネットで世界が繋がっているということ、そして生活にネットワークが入り込んでネットが狂えば世界中が混乱する、という発想を言葉を使わずにビジュアル化した点も同様に新しかったと思います。ただ、今見ても新しさというよりは懐古的な世界観です。


 空という女の子とのストーリーもちょっとした味付けでしたが、一番気になりました。彼女が助けにくると思ってたら、結局は一度も合わなかったのに映画的な演出として感心しました。EDのクレジットの裏の笑顔が可愛かった。

 で、そこです。本作の特筆すべきは演出なんでしょうね。演出の良さが本作の面白さのすべてでしょう。ストーリーと面白さ、感情などがほぼ演出とキャラの演技で表現されていました。
 演出のクレジットはなさそうでしたので、監督の細田氏がやったんでしょうか?吉田玲子氏が脚本なので協力したのでしょうか。いずれにせよ本作の演出のセンスは大したものだと思います。40分にまとめたことが余計な部分を削ぎ落して、エッセンスを凝縮したのが良かったのでしょう。00年のアニメ映画と言うことで作画も素晴らしい出来でした。

 普段なら映画は厳しくつけますが、本作はまあ時代も違うし子供向けなので甘めに。ただ、大人が見ても面白いと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

デジタルとアナログ<改稿>

デジタルモンスター。略してデジモン。当時ポケモン、たまごっち!などと共にブームになった携帯型育成ゲームのアニメ化。本作は細田監督のアニメ映画として高いクオリティを評価されている作品。物語はネット上で新種デジモンが暴れ、各地の電波パニックになってしまい、新種デジモンを討伐するお話。40分という短い時間の中で王道的シナリオやCGが使われた電脳世界においてのバトルは本作にフィットしております。

友情とか世界から危機を救うっていう子供向きな内容にもなっているし、大人が見たら子供時代に感じなかった何かを感じるものがはるはず。その【何か】を伝えるのが難しい。そこの所は人寄り切りになってはきますが、本作においてはデジタル化に対しての警鐘と脆さを表してるとも捉えられる。

新種デジモンがあらゆる情報システムに侵入してNTT、核起動まで起こす自体になる展開。見る上ではスリリングでもあり、味方側がヒーロー的に世界的バトルになるあたりも熱く、また試合観戦的な視点になっている上に、タイムリーでもあったり。

味方デジモンが観戦者のメールに(こうしろうや太一のアドレスにメールを送ってくる為)メールウイルスで動けなくなるのですが、このあたりが子供時代に感じなかった何かの1つでした。こうしろうの機転で新種デジモンに今まで送られてきたメールを逆にNTT宛(敵デジモンの居場所)に送り返す事で、敵に不具合が生じる事になる。

デジモン無印は太一達がデジモンワールドで戦うのに対し、本作は現実世界のネット上が舞台である意味、こちらの舞台がデジタルモンスターって感じがする。タケルが戦いに遅れたり、空など味方が揃わない当たりが不満の声になっていますが、これはネットワークの利便性と欠点を表しているのではないかと思いました。遠い場所でも連絡を取れるメリットと、空にはメールが届かない(何かしらのネット障害の為)ここらへんが単に、参加不参加ではない、何かとも感じた。

タケル、太一がネット上にデジモンの心を通して入る所が本作の重要ポイントかとも取れるし、デジモンへの愛と感の盛り上がりどころ。またネットの危険さを描いていながら、後日談で空宛に太一からの謝罪メールが届いて仲直りする当たりはメリットも描かれている。そんなこんなで何かを感じさせられる作品だとも思いますし、ぐだぐだ書いてしまいましたが、バトル内容、シナリオの運び、音楽butterflyなどの名曲のかかり所もよくて燃えない事はないはず。

島根にパソコンなんてあるはずないじゃんw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 45

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

っぱオメガモンよぉ!お目々が愛らしすぎんよー

2000年3月4日公開 上映時間 40分
東映アニメフェア内の1作として公開

1作目の映画からTV版の演出を経て今作の監督も引き続き細田守。
ネット上に突如として発生したデジモンがコンピュータウィルス的にネットのデータを食い荒らし
リアル世界にも混乱を招いているので何とかしましょうっていうストーリー。

一応、TV版最終回後の話になっているが、TV版を知らなくても全く問題なく
むしろ入り口としては今作が最適ではないかと思えるくらい構成が見事でした。

本来、レギュラーキャラが8人いるのに対して本作で活躍するのは主に4人だけ
他のキャラは刺身のツマ程度の出番しか用意されてないっていう大胆さに驚き。
必要最低限の情報量でキャラの性格を的確に芝居とセリフで伝える上手さが光っていたました。

ネット黎明期の時代性なのか街は混乱してるものの、ことさら深刻に描いているわけではなく
全体的にコミカルに、見ている方も非日常の喧騒を楽しむくらいの心持ちです。
だからこそ後半、敵が軍のネットに侵入して核ミサイルを発射する展開の「これガチでヤバくねぇ?」感がすごい。
物語の緩急の付け方が実に絶妙です。

ネット上でのデジモンバトルなので当然、他のネットユーザーも主人公たちの戦いを見ている状況。
世界中のユーザーからメッセージが送られてきて励ましの物もあれば自分勝手な悪口もある。
そんな大容量のメッセージのせいで自分のデジモンの反応速度が遅くなり、「頼むからメールを送らないで」
と言ってみても誰もメールを送るのをやめてくれないところはリアリティと先見性あるなぁ・・・と
今現在の炎上とか情報拡散とか大体あんな感じですよね。
しかし、そんな無神経なユーザーをネガティブに描くこともなく、むしろ敵を倒すために利用しちゃおっていう
説教臭くないスタンスが好きでした。


【総評】
40分という時間制限の中で起承転結をしっかり描き、無駄を削ぎ落としたスマートな作劇が魅力。
特徴的なのは作中内時間も1時間弱くらいの出来事であること。
特に残り10分からの展開はリアルの時間とのシンクロもあいまって
クライマックスの熱量が半端ないことになっていました。
細田守の長編作品が好きなら視聴必須項目。
短編ジェットコースタームービーとしての完成度は本当に素晴らしい。

サブタイトルの元ネタになった83年の映画「ウォー・ゲーム」も見てみたいですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
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