戦闘機で宇宙人なTVアニメ動画ランキング 4

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72.2 1 戦闘機で宇宙人なアニメランキング1位
超時空要塞マクロス(TVアニメ動画)

1982年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (341)
1768人が棚に入れました
西暦1999年、突如宇宙より飛来し太平洋上の南アタリア島に墜落した巨大物体は、全長1,200m超もの宇宙戦艦だった。これにより異星人の実在と彼らの間の戦争の存在を知った人類社会は、宇宙からの脅威に対処すべく地球統合政府を樹立。世界規模の紛争(統合戦争)を経て、墜落艦を改修し「マクロス」と命名する。2009年のマクロス進宙式当日、地球付近に異星人の一方の陣営ゼントラーディ軍の艦隊が出現する。その存在を感知したマクロスの主砲システムが勝手に動作し、戦艦群を撃破してしまう。マクロスの正体はゼントラーディと敵対する陣営、監察軍が仕掛けたブービートラップであり、人類は否応なく宇宙戦争(第一次星間大戦)に巻き込まれることとなった。ゼントラーディ軍の包囲網から逃れるため、マクロスはフォールド航行により月の裏側への待避を図る。しかし制御に失敗し南アタリア島一帯を巻き込み、冥王星軌道付近に到着する。さらにフォールドシステム自体も消失し、通常のロケット推進のみでの地球への長い帰還の旅を強いられる事になる。その途上、南アタリア島住民5万8千人はマクロス艦内に街を再建し、戦争の傍らで普段の生活を営んでいた。アクロバットパイロットの一条輝は戦火の中で出会った少女リン・ミンメイを守るため軍に入隊し、可変戦闘機バルキリーのパイロットとなる。

声優・キャラクター
長谷有洋、飯島真理、羽佐間道夫、小原乃梨子、土井美加、神谷明、佐々木るん、鶴ひろみ、深雪さなえ、蟹江栄司、大林隆介
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

戦時下における“日常”の偉大さを描き尽くした《想定外の感動作》

今も続くマクロス・シリーズの第1作『超時空要塞マクロス』(1982-83年、全36話)は、その本来の最終回である第27話「愛は流れる」まで確り見続ければ、決して「思い出補正」などではない大きな感動と感銘を今でも与えてくれる名作中の名作と、今では私も思っていますが、とにかく初見者には、そこまでたどり着くまでのハードルが非常に高い作品である、とも考えています。

実際、私は、あにこれに来る以前に本作の名高さに惹かれて、おそらく4~5回ほどもその第1話からの視聴を始めたことがあり、一番頑張ったときは第10話くらいまで到達したこともあるのですが、結局は、①制作年代の古さからくる一部の作画の乱れ具合の酷さとか、②特に序盤に目立つ素人声優の起用からくる演技の下手くそさとか、③一部のシーンの演出の古臭さとか、④シナリオの進行テンポの遅さ、に参ってしまい、大抵は最初の数話で断念となりました。

それで、ある時期に“伝説の神回”として名高い第27話「愛は流れる」(※前記)を前後の脈絡を無視して取り敢えず視聴してみたのですが、やはり全然、感動も感銘も受けることができなくて、かなりガッカリした記憶さえあります。

そして、そのあと、今度は本作の劇場版アナザー・ストーリーであり、やはりアニメ・ファンの評価が非常に高い『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』に手を出してみたのですが、こちらの方は、

(1) 確かに作画や演出は、TVシリーズに比べると格段に良くなっている、と思ったものの、
(2) シナリオ自体は、特に感動する(be moved)、とか感銘を受ける(be impressed)といったものではなく、むしろ、
(3) その終盤に、{netabare}ヒロインが歌い出すと敵の大軍が一斉に混乱し無力化してしまう中を、マクロスとその同盟者の軍艦や機体が猛攻撃をかけて敵を一気に殲滅{/netabare}してしまう、という展開(※有名な「ミンメイ・アタック」のシーン)を見て、「何だ?この都合の良過ぎるシナリオは?」と、かえって同作に反感すら覚えてしまうほどでした。

・・・そうやって本作は、私の中では

「名作の名に値しない、古臭くて、いい加減な内容の作品」

というイメージのまま長らく放置してあったのですが、あにこれに参加してレビューを書き始めたことを切っ掛けに、自分がこれまで苦手としていた作品でも我慢して見続けると途中でそうした評価が180°ひっくり返ってしまうこともある、ということに気づき始め、丁度今から2年くらい前に集中的に、《メカ・ロボット系アニメ》の有名作を漁っていた時期に、本作にも改めて挑戦してみたところ、

第23話「ドロップ・アウト」の展開の意外さにのけぞってしまい、そしてその次の
第24話「グッバイ・ガール」まで来て、ようやく“本作の真価”を観た気持ちになりました。

・・・そして、本来の最終回である第27話「愛は流れる」を観終わった頃には、すっかり本作の出来の良さに胸を撃ち抜かれて、「確かにこれは“名作中の名作”だ」「放送当時のファンの感動ぶりが伝わってくるようで、これでは本作が急遽+9話の延長が決まってしまったのも当然の話だ」「本作をこんなにも長く誤解していたなんて、私としたことが何と浅はかだったのか・・・」などと考え込んでしまうほどでした。

実際のところ、私のアニメ視聴経験の中でも、視聴前後でここまで個人評価が180°ひっくり返ってしまった作品というのは珍しくて、例を挙げると・・・

(1) 『とらドラ!』 (2008年) ※恋愛・青春ジャンル ←第19話が転換点
(2) 『アイドルマスター』 (2011年) ※アイドル・ジャンル ←第23-24話が転換点
(3) 『魔法少女まどか☆マギカ』 (2011年) ※魔法少女ジャンル ←第10話が転換点
(4) 『ストライクウィッチーズ』 (2007-8年) ※戦闘美少女ジャンル ←第2期の第8話が転換点
(5) 『シュタインズ・ゲート』 (2011年) ※SFジャンル ←第23話が転換点
(6) 『氷菓』 (2012年) ※青春・ミステリージャンル ←第22話が転換点

・・・以上、いずれも各ジャンルを代表する名作ですが、制作時期はどれも西暦2000年代の終わり~2010年代の初めと新しく、そういう意味で、1982-83年制作と明らかに作画・演出にハンデを抱えるはずの本作の“破格さ”に個人的に改めて大きな感銘を受けました。

それから、本作が《メカ・ロボット》ジャンルだったこともショックで、私はそれまで同ジャンルの作品では、例外的に『コードギアス 反逆のルルーシュ』(2006年、2009年)だけは、序盤から非常に大きな“感銘”を受けて(be impressed)、個人評価も非常に高く付けている(※第1期 ★★ 4.9、第2期 ★★ 4.5)のですが、それは決して同作に“感動”されられ(be moved)たからではありません(※大きな感銘を受けたが感動は余りしていない、ということ)。

ところが、本作の場合は、第23話以降の展開を見ているうちに、どうにも押さえ難く自分の心が震えてしまう(be moved)のを否定できませんでした。
それは、きっと本作が、《メカ・ロボット》ジャンルに該当しながらも、本質的には、登場キャラたちの秀逸な《感情描写系》作品であった所為ではあるのですが、それにしても、同ジャンルの作品で、まさかこういうことがあるなんて・・・全く想定さえしていませんでした。

※以下、初見者の参考のために本作(全36話)をパート別に評価します。


◆パート別評価(1周目)

(1) 前半エピソード (計14話) (第1-14話)  ☆  3.6 ※第14話は前半の総集編
(2) 後半エピソード (計13話) (第15-27話) ★★ 4.8 
(3) 追加エピソード (計 9話) (第28-36話) ☆   3.8 ※人気沸騰により急遽追加された後日譚
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  総合 (全36話)                 ★   4.3 (→2周目★ 4.4→3週目★★ 4.5 に上昇)

※なお、劇場版「愛・おぼえていますか」    ☆   3.7

・・・このように本作は、
(1) 前半エピソードは並みの出来でしかありませんが、
(2) 後半エピソードの途中からそれまで散りばめられた伏線を回収し始めて猛烈に面白くなります。
すなわち、

<1> 第23話の展開に驚いて、本作を見始めて良かったと思い始める。
<2> 第24話で、ようやく本作が確りした《感情描写系》作品と判明、そして、
<3> 第27話(本来の最終話)まで来て、本作のことを、《放送当時の爆発的人気を実感できる、上げ底ではない本当の感動のある名作》である、と感じてしまう。

(3) そのあと追加エピソードまで見切って、
(4) さらに第1話~第27話までをもう一周すると、今度は、本作の一話一話が、その各話タイトルも含めて、シナリオが実に綿密に練られていて、その全ての回が、第27話「愛は流れる」に向けて収束していく様子を見て取れるようになり、本作への感嘆の気持ちが更に増します。

※なお、本作には作画が極端に悪い回がしばしばありますが、調べたら、そういう回は全て外国の制作会社に作画を発注した回のようです(第3・13・20・25・29・32・34話の計7回・・・7/36≒19.44%←このうち、第22・25話は脚本自体は優れているだけに非常に残念)
※そうした作画や演出の乱れをマイナスして本作の個人評点を ★★ 4.5 としました。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
作画乱れと声優(主人公の輝役)の棒読みっぷりはやはり気になる。
但し、可変戦闘機VF-1(通称“バルキリー”)は、今見てもなかなか格好良く、当時はこれだけでも斬新で評判になったんだろうな・・・と推測できる出来。
あとED実写は珍しい。
・第2話視聴終了時点
ヒロインのリン・ミンメイがやはり余り可愛くない(作画微妙なことに加えて、性格が実に俗っぽい。そのうえ声優が下手くそ)。
・第4話視聴終了時点
輝&ミンメイが二人っきりで艦内に閉じ込められる話で、本来なら視聴者の心をグッと作品に惹き付ける注目回のはずだが、肝心のミンメイの顔面アップ・シーンの作画崩れがとても残念。
・第8話視聴終了時点
のちの『マクロス7』の艦長&ミレーヌのパパ(マクシミリン・ジーナス)初登場回。
後からもう一度見ると、天才マックスと凡人一条輝の違いが早くも描き出されていて感慨深くなる良内容。
・第9話視聴終了時点
マクロス艦内放送が始まり、ミンメイがミス・マクロスに選出される回。
そして、ゼントラーディ側がこのマクロス艦内放送を傍受し、ブリタイ司令・エキセドル参謀のほか、コメディ担当の一般兵士3名がミスコン映像を見て困惑する様子が見られる注目回でもある。
・第12話視聴終了時点
ゼントラーディ軍(女部隊)エースパイロット・ミリア登場回←後の『マクロス7』のヒロイン(ミレーヌ)のママ。
・第13話視聴終了時点
マクロスが太平洋に無事着水して、最初の航海を終える。
この回のあと、それまでの総集編が入るので、一応ここで前半エピソードの終了と見なせると思う。
・第19話視聴終了時点
兄貴分と慕ってきた先輩パイロット(フォッカー少佐)に続いて、自分を慕っていた後輩(柿崎)をも戦闘で失っい傷心の輝のもとに、急にかかってきたミンメイの言葉が余りにも軽薄で、輝の心が初めて形となってミンメイから離れて行ってしまう様子が淡々と描かれる注目回(※初の ★★(優秀回))。
また、カイフンのTVインタビューを利用した独善的な反戦発言があり、多分ガンダム・ファン(というよりアムロ推しの人々)には嫌がられるシーンかも知れない。
・第21話視聴終了時点
この回と第12話は一条輝と早瀬未沙の二人が艦内に閉じ込められる展開で、第4話で輝とミンメイが閉じ込められる展開と対を成している。
なお、この回での輝とミンメイの心のすれ違い、そして輝と未沙の心の接近、それぞれの描出が見事なことにちょっと驚く。
「こんな生活、好きな人でもいなくちゃやってけないよ。」(輝の未沙への発言)
・第23話視聴終了時点
この回の展開に驚いて、本作を見始めて良かったと思い始める(2度目の★★回)。
・第24話視聴終了時点
ここまで見続けて、ようやく本作が確りした《感情描写系》作品という確信をもつ(前回に続き3度目の★★回)。
・第26話視聴終了時点
(4度目の★★回)。
・第27話視聴終了時点
とうとう本作初の★★★回(神回認定)。
この回のタイトルが初の日本語で「愛は流れる」←この回に向かってシナリオが収束していることがよく分かる出来。{/netabare}


◆制作情報(TVシリーズ)
{netabare}
原作・アニメーション制作 スタジオぬえ、アートランド(原作協力)
シリーズディレクター    石黒昇
シリーズ構成        松崎健一
脚本            石黒昇、富田祐弘、松崎健一、大野木寛、星山博之、河森正治
キャラクターデザイン   美樹本晴彦
メカニックデザイン     宮武一貴、河森正治
音楽            羽田健太郎{/netabare}


◆各話タイトル&評価(3周目時点)

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 超時空要塞マクロス (1982年10月-1983年6月) =========
{netabare}
第1話 ブービー・トラップ ★ 西暦1999年(異星人巨大戦艦墜落)、統合戦争・統合政府発足、2009年(巨大戦艦修復完了)、進宙式、自動防衛システム作動、交戦状態突入、一条輝(ひかる)VF-1搭乗・発進
第2話 カウント・ダウン ★ 市街戦、輝のリン・ミンメイ救助、巨大異星人との遭遇、マクロス出航
第3話 スペース・フォールド ☆ 空間転移、冥王星軌道へ、フォールドシステム消滅
第4話 リン・ミンメイ ★ 5万人の避難民、輝とミンメイの艦内漂流(12日間)、結婚式と救助
第5話 トランス・フォーメーション ☆ 中華料理店「娘々」開業、敵襲、マクロス変形・主砲発射、輝の入隊決意
第6話 ダイダロス・アタック ☆ 艦内生活2ヶ月経過、決戦前夜、土星軌道の戦(一条軍曹初陣)、早瀬中尉の機転
第7話 バイバイ・マルス ★ 早瀬未沙の想い人、火星基地の伏兵(カムジン隊)、輝の早瀬救出
第8話 ロンゲスト・バースデー ★ 輝受勲・少尉昇進、部下(柿崎&マックス)の指揮、ミンメイへのプレゼント
第9話 ミス・マクロス ☆ ミンメイのミスコン出場、輝の敵偵察機遭遇戦、ゼントラーディ軍のマクロス艦内放送傍受、ミス・マクロス選出
第10話 ブラインド・ゲーム ☆ ゼントラーディ軍の困惑、早瀬中尉護衛任務、敵艦船内戦闘 ※演出の古さは×
第11話 ファースト・コンタクト ★ 輝・早瀬・柿崎囚われる、敵将ボドルザーの尋問、プロトカルチャー、ミンメイ歌手デビュー ※挿入歌「私の彼はパイロット」
第12話 ビッグ・エスケープ ★ マイクロン化スパイ志願者、輝・早瀬の敵艦脱出(※第4話に対応する展開あり)、ミリア(敵女エース)のスパイ配送、帰艦
第13話 ブルー・ウインド ★ 敵情報告、マクロス地球帰還 ※ゼントラーディ・スパイの異文化遭遇回として◎
第14話 グローバル・レポート × ※グローバル艦長視点の総集編(ラスト数分だけ新規シーン){/netabare}

 - - - - - - - ストーリーの小さな切れ目(マクロス地球帰還) - - - - - - -
{netabare}
第15話 チャイナ・タウン ☆ 艦長・早瀬の統合軍本部尋問(早瀬の父)、横浜中華街のミンメイの家族・従兄弟、避難民の離艦禁止命令
第16話 カンフー・ダンディ ☆ リン・カイフン来艦、カムジン隊来襲、早瀬の混乱、輝機墜落・負傷
第17話 ファンタズム ☆ 昏睡中の輝の見た夢 ※以前の映像の使いまわしが多い半総集編×、挿入歌「0-G Love」
第18話 パイン・サラダ ★ 早瀬大尉の輝見舞い、ミンメイの輝見舞い、ミリア機侵入・撃退(マックス活躍)、フォッカー少佐死亡
第19話 バースト・ポイント ★★ ミリアのマイクロン志願、カムジン隊来襲、全方位バリア爆発・柿崎戦死、カイフンの反戦発言、ミンメイとの心の距離 ※挿入歌「シルバームーン・レッドムーン」
第20話 パラダイス・ロスト ★ マクロス地球圏外出撃命令、スパイ3人組のブリタイ艦隊帰還 ※挿入歌「マイ・ビューティフル・プレイス」
第21話 ミクロ・コスモス ★ 映画『小白竜(シャオ・パイ・ロン)』公開、輝・早瀬閉じ込められ回 ※挿入歌「小白竜」
第22話 ラブ・コンサート ★ ゼントラーディ兵士への文化の影響、バトルポッド隊マクロス侵入、市街戦 ※挿入歌「愛は流れる」、作画の酷さは×
第23話 ドロップ・アウト ★★ 敵前逃亡、文化の力、亡命受容れ、戦争終結の糸口 
第24話 グッバイ・ガール ★★ 早瀬大尉地球降下、ミリアとマックスの出遭い、グランド・キャノン ※この回でようやく本作が確りした《感情描写系》作品と確信
第25話 バージン・ロード ★ ミリアとマックスの進展・結婚式、ブリタイ軍への総攻撃命令・艦内叛乱、ブリタイの決断 ※作画の酷さは残念、挿入歌「ランナー」
第26話 メッセンジャー ★★ 停戦交渉(エキセドル来艦)、マクロス&ブリタイ艦隊共闘決定、ボドルザー旗艦艦隊来襲
第27話 愛は流れる ★★★ ミンメイとの決別、地球壊滅、ミンメイ・アタック(ボドルザー旗艦強襲)、未沙救出 ※挿入歌「愛は流れる」他{/netabare}

 - - - - - - - - - - ストーリーの大きな切れ目(2年間経過) - - - - - - - -
{netabare}
第28話 マイ・アルバム ☆ 2年後の地球(進む復興)、不平ゼントラーディ人の暴動発生
第29話 ロンリー・ソング ☆ ミンメイの精神不安定・輝&未沙との鉢合わせ、極秘指令(工場衛生奪取任務)
第30話 ビバ・マリア ★ ブリタイ艦乗艦、マックス&ミリアの赤ちゃん、ゼントラーディ軍工場衛星制圧
第31話 サタン・ドール ☆ カムジンのマイクロン装置強奪、プロトカルチャーの歴史
第32話 ブロークン・ハート ☆ ミンメイ&カイフン拘束、人質救出作戦
第33話 レイニー・ナイト ★ 早瀬と輝の行き違い、クローディアとフォッカーの過去話、仲直り
第34話 プライベート・タイム ★ 輝とミンメイの2年ぶりの逢引き、早瀬の待ちぼうけ、歌えないミンメイ
第35話 ロマネスク ★ ミンメイ失踪・輝宅滞在、カムジンのオノギシティ襲撃・反応炉強奪、聖夜 ※もはやメロドラマ・・・
第36話 やさしさサヨナラ ★ 宇宙移民計画、カムジンのマクロスシティ襲撃、マクロス発進、三角関係の決着{/netabare}
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★★★(神回)1、★★(優秀回)4、★(良回)18、☆(並回)12、×(疑問回)1 ※個人評価 ★★ 4.5

OP 「マクロス」
ED 「ランナー」


◆制作情報(劇場版)
{netabare}
監督           石黒昇、河森正治
脚本           富田祐弘
ストーリー構成、脚色 河森正治
音楽           羽田健太郎{/netabare}

======== 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか (1984年4月) ======

全1話 ☆ 3.7 {netabare}TVシリーズとは同一キャラ・同一時間軸のアナザー・ストーリー{/netabare}、作画は良いがシナリオいまいち ※約115分

主題歌 「愛・おぼえていますか」


◆補足説明 : 本作の感動の本質について
{netabare}
レビュータイトルにも少し書きましたが、やはり、

戦時下における“日常”の偉大さ・尊さ(※そして、その尊さが敵の心をも動かしてしまうさま)

・・・を描き尽くしたこと、がその本質と推測します。
(※なお、作中では、敵側の心を動かしたのは“文化”である、と明示的に語られていますが、ここでは、我々の“日常”とは“感情生活”のことであり、それは即ち我々の“文化(=精神文化)”の塊である、と強引に解釈します)

私の同様の視聴体験(※戦時下においても淡々と営まれていく“日常”=“感情生活”を描き出す作風)としては、本作より暫(しばら)く前に見た『宇宙戦艦ヤマト2199』の例がありますが、本作の場合は、その感動の度合いが桁違いでした。

因みに、本作の監督を務めた石黒昇氏は、本作以前に『宇宙戦艦ヤマト』(1974年制作の旧作)のアニメーションディレクターとして松本零士氏(監督)を補佐する助監督的な経験を積まれた方で、本作の大ヒットの後に今度は本サイトでも非常に評価が高い大長編アニメ『銀河英雄伝説』(本伝1988-89年、外伝1990-92年)のシリーズ監督を長く務められたそうです。

そして、本作の劇場版アナザー・ストーリー『愛・おぼえていますか』で、石黒昇氏と共同監督を務め、それ以降のマクロス・シリーズの制作に携わっていくことになる河森正治氏も、本作の爆発的人気の源泉であるこの「戦場における“日常”の偉大さ・尊さ」の描き込みを、以降のマクロス・シリーズでも確り踏襲して、現在に至るまで同シリーズのヒット作を産み出し続けているのではないかと推測します。

より批判的に、あるいは現実的に考えれば、敵側にそうした「日常の偉大さ・尊さ」を感じ取り・汲み取るだけの“心”がなければ、こういう甘っちょろい話は成り立たない・・・ともいえるのですが、そこは最早、視聴者の側の“願望”として、「敵もまた、こうしたことの大切さが分かる存在であって欲しい」という“祈り”を織り込んだ作品、としか評価しようがないと思います。

現実は現実として、確り見据えながらも(※作中のマクロス・クルーも{netabare}「敵が本気をだせばマクロスや地球はたちまち滅亡する」{/netabare}とハッキリと覚悟しています)、本作に描かれたような“希望”を、やはり心のどこかに持ち合わせたい、という“祈り”にも似た気持ちを、私たちは否定できないし、また否定すべきでもない・・・ということなのかも知れませんね。

因みに、私の場合、本作の完走以前に、続編となる『マクロス7』(1994年)さらに『マクロスF』(2008年)を視聴してしまい、それぞれ ☆ 3.7 (マクロス7)、☆ 3.6 (マクロスF)という余り捗々(はかばか)しくない評価をしていましたが、本作の完走後に再視聴してみると、それぞれ ★ 4.2 (マクロス7)、★ 4.3 (マクロスF)と、評価が跳ね上がってしまいました。

そういう意味でも、やはりマクロス・シリーズ全体の感動の要(かなめ)は、その第1作である本作の視聴経験にこそあり、以降のシリーズで得られる感動は、その第1作での感動とオーバーラップしてこそ生じるものではないか?とすら感じたほどなので、以前の私のように、本作の序盤の展開の緩慢さ等についていけなくて断念された方にはとくに、なんとか第23話まで頑張って見続けて欲しいと思いました。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 23
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

自分にとって一番衝撃的だったアニメ

レビューになっていないような気がしてきました。独り言だと思ってください(笑)


古くて、作画がひどくて、本格的なロボットアニメ・・・。
見る前のイメージだと大体こんな感じだったので、ちょっと躊躇してました。

でも一目見るとみるみるハマってしまい、古くて作画がダメでも面白いものは面白いんだ、ロボットアニメって面白いなと思えるようになりました。

ロボットの魅力とか歌の魅力とかそこらへんはもう語り尽くされていると思うので………
あれ!?あんまりレビューだと触れられてない…。

なんか勿体ないのでロボットとか歌についても書きます。


先ずバルキリーの三段変形。

戦闘機の形態はファイターと呼ばれ、空中戦闘もキチンと描かれているのがロボットアニメとは違った楽しさがあります。
回転しながら攻撃を仕掛けるなど決して地味に見えないように工夫されていました。
あり得ないような軌道のミサイルが画面狭しと飛び回る迫力は劇場版には劣るものの回によっては見応えあり。


ベタな戦闘機形態のファイターと比べてユニークなのがちょうど戦闘機と人型ロボットの中間形態のガウォークです。

戦闘機から手足が生えたような見た目がとても面白い。ガウォーク状態で地上を滑走して闘うシーンは印象的です。


完全に変形した人型ロボット状態のバトロイド、やっぱりこれが一番カッコいいです。

過剰に装飾や装備がないシンプルな造形美、バイファムのロボットなんかも同じく好きです。


戦闘の最中、状況に合わせてこの三形態を使い分けつつ変形するパターンの豊富さがバルキリーの魅力だと思います。


メカとして戦艦マクロスさえも変形するのが凄いところです。

巨大な戦艦が形を変えて人の形を模する姿はインパクト絶大で、そこから繰り出される‘ダイダロス・アタック’なる力業はそれ以上に圧巻でした。

与えるダメージは大きい代わりにリスクも大きく、反撃を喰らうシーンもあったりして。よく考えられたギミックだと思いました。


歌についてもマクロスはよく考えられています。

ヒロインのミンメイは昭和アイドルの松田聖子や中森明菜がモデルになっているとか?実写のアイドルを二次元化するに当たり、歌の雰囲気もそれに近くなってますね。

今見るとぶりっ子にも見える歌い方が新鮮でした。でも飯島真理さんが歌うとあざとさより爽やかさが上を行く感じです。

屈指の名曲『愛は流れる』を始め、『シルバームーン・レッドムーン』『やさしさSAYONARA 』もしんみりとした良いムードです。

個人的に『0-G LOVE』『小白竜』『私の彼はパイロット』も好きで、ずっと聴いています。

ラブソングとしては0-G LOVEが一番良いと思います。
恋に浮かれて体も宙に浮かび上がってしまいそう。そんな明るい恋心を歌った素敵な曲です。


OPの『マクロス』は羽田さんの音楽性が特に発揮されていると思います。
80年代のアニソンでもこの曲はちょっと独特な、硬派な雰囲気でマクロスのリアルロボット路線を強調しているようです。

ED『ランナー』も聴いていて悲しげなイメージがあります。本編のミンメイソングと巧くバランスが取れているかもしれません。


明と暗、両方の雰囲気を併せ持つ歌はマクロスの持つシリアスでコミカルなイメージに繋がっています。




次にどうして自分がマクロスに魅力を感じられたのか、理由をいくつか考えてみようと思います。

かいつまんで言えばマクロスが描いているのは異星人との邂逅と対立、そして相互理解までの闘いの記録。とでも言えばいいのでしょうか。とにかく一つの大きな戦争が軸となっています。

戦争をフィクションで取り上げる場合、その憎しみ合いの醜さや殺し合いの悲惨さが際立つことが多いと思われます。

でもマクロスでは、人々が平和の中で生きる姿・平和のために生きる姿が活き活きと表現されています。

歌です、愛です、文化です。これらはマクロスにおいて重要なキーワードとなります。

悲惨な場面も数あれど、それ以上に救われる場面(例えば恋愛とか)が印象的でした。

例{netabare}
4話「リン・ミンメイ」映画でも使われたミンメイとの出会いのシーン。艦内に閉じ込められた二人は恋人のように戯れ合う。

8話「ロンゲスト・バースデー」ミンメイの誕生日。突然の敵の奇襲でミンメイへのプレゼントを用意できなかった輝は、自分の勲章を渡す。

11話「ファースト・コンタクト」敵艦に居る中で輝と未沙のファースト・キス。ミンメイはアイドルデビューしてライブを披露。

13話「ブルー・ウィンド」マクロス艦内に侵入した三人のゼントラーディ。スパイ目的のはずが、地球の文化の虜になってしまう。
{/netabare}


戦争を解決する、その結末においても希望を感じさせてくれる解釈。
{netabare}
SF的な、いわばガンダム的な問いかけ『争いはどうすれば無くなるのか?』に対してのメッセージは、全ての生物は元は一つであったこと。そして歌は不滅の架け橋であること。それらを説いて戦争の無意味さを知らしめました。
{/netabare}
あらゆる戦記もので、マクロスの明快な結論以上に素晴らしいものはないです。

まず、その強いポジティブなメッセージ性が魅力の一つです。



キャラクターも、堅苦しいのは一部の人間だけで皆そこら辺にいそうな普通の人間だったのも魅かれた部分でしょう。
特殊能力があるとか、隠れた素質があるとかアニメらしいキャラクターよりも親近感を抱くことができます。

むしろそういった典型である、異常に堅苦しい男カイフンと隠れた才能で一躍スーパースターとなった女ミンメイを差別化する計らいもあったのかもしれません。

主人公の輝は確かに美女二人にモテるのは主人公補正かもしれないけど、それ以外では平凡な男です。
ヒロインの内の一人、未沙も美女である以外は至って平凡。アニメキャラにしては地味すぎるくらいです。

軍人であっても休みの日はショッピングやデートに出掛けるというのは、中々他の作品では見られない光景だと思います。

未沙やミンメイ、輝の心情を深く描いてあるので三人の関係は見応えがあります。恋愛としても、人間ドラマとしても。

その他のキャラも良いお話があるんです。

有名なのはフォッカー大尉とガールフレンドのクローディアの繊細な会話劇が光る18話「パイン・サラダ」。
少ない会話で二人の思い出や関係の深さを思わせる凄さ。
マクロスF17話「グッバイ・シスター」のやり取りの元ネタでもあります。。

マックスとミリアの出会いを描いた24話「グッバイ・ガール」。
シリアスな構図を軽快な、コミカルな雰囲気に変えてしまうキャラとシナリオの作りが見事です。

評判の悪い二部(実質的最終話の27話以降)も、派手さはない代わりに心に響いてくる名エピソードがたくさんありました。特に松崎健一、富田祐弘、星山博之ら三名の脚本には目を見張りました。

28話「マイ・アルバム」 - 星山博之
29話「ロンリー・ソング」 - 富田祐弘
33話「レイニー・ナイト」 - 星山博之
35話「ロマネスク」 - 富田祐弘


どれも素晴らしい、情緒あるシナリオです。




後はスタッフ自身の若々しい感性がこれでもかと発揮されていることです。

当時の若手が集まって新しいモノを作ろう!という気概が強く反映されているため、今見ても新鮮味があるという単純な見解もあります。

80年代の作品は特にそういう傾向が強いと思うんですが、とにかく流行りの要素や見せたい要素を惜しみなく詰め込んであります。

流行りだったアイドルをミンメイに重ねあわせ、只のロボットでは飽き足らず自在に三段変形するフォームを採用し、独自のSFストーリーを展開させる。


生まれた頃からアニメや漫画に溢れていた世代、つまりアニメは表現技法の一つではなくアニメはアニメとして存在していて、アニメを作りたいから業界に入ってきた世代。

伝えたいテーマの表現の手段としてのアニメから、アニメを描く上で最大限映えるためのテーマ作りへの変遷・・・みたいな。

ある意味‘新しい’時代のアニメ。

だから今の世代の人間でも特に違和感なく見られるんじゃないでしょうか。


この頃からアニメスタッフとアニメファンの距離が縮まっているというか、アニメを愛する同志みたいな雰囲気を感じます。

作り手という離れた立場から、一緒にアニメを楽しもうとする視聴者目線の立場まで降りてきた感じ。

正に作り手も受け手もアニメオタクで、そういうオタクシンパシー?に魅かれたということもあるかもしれません。



マクロスはあにこれの評価方式で見れば難もあり点数が低くなってしまいますが、間違いなく80年代を代表する傑作アニメです。

最近マクロスと言えばマクロスFの話ばかりですが、戦記ものであり・愉快痛快なロボットアニメであり・情緒豊かな人間模様があり、そういった要素の配分は初代マクロスが一番かと思います。


蛇足
{netabare}
実はマクロスシリーズの中ではマクロス7が一番好きで、初代はその次です。あとミンメイより未沙派です。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 22

けみかけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

全マクロス大投票から読み解くマクロスシリーズのファン層の沿革

NHKが2019年3月~4月にかけて行った【全マクロス大投票】
https://www.nhk.or.jp/anime/macross/
という企画の集計結果からの考察です
作品のレビューとは違うことをまずご了承下さい
上記公式サイトの「作品ランキング」の投票結果とTOP10作品で閲覧出来るその内訳を合わせてお読みいただければと思います
↓同じ考察を『ガンダム』でも書きましたのでこちらもお読みいただけると嬉しいです↓
https://www.anikore.jp/review/1889472/




【マクロスファンのコア】


初代『超時空要塞マクロス』(1982~83年)や『愛・おぼえていますか』(1984年)を支持する最も古いファンは主に当時の12~14歳以下の少年少女
おおよそ1970年代生まれだったと投票結果から推察できます
ちょうどこの世代はガンダムの記事でも触れた“最もコアなガンダムファン”に育った世代と合致し、この初代『マクロス』も含めた「アニメブーム」を体感した世代であり、毎期アニメをチェックすることが「普通」である世代と言えます
要約するとガンダムおじさんもマクロスおじさんもガンダムマクロス両刀おじさんもみんな同世代ってことです
ガンダムおじさんと同じ様に、この最もコアなファン達は後に発表される『Flash Back 2012』(1987年)や『マクロスⅡ』(1992年)や『マクロスプラス』(1994~95年)も順当に追いかけ、支持者として育っていってることが判ります


唯一ファーストガンダムと違ったのは、初代の時点でファンの年齢層がほんの少しだけ高めだということです
これはマクロスシリーズが単なるSFロボットアニメではなく、その根幹にメロドラマが含まれており、思春期を迎えた少年少女達の方がより刺さり易い内容であることの裏付けになっていると判ります


一方当時それ以上の年齢、1960年代生まれで初代を支持する人も多いです
ですが『愛おぼ』→『2012』と徐々にシリーズから離れていっていき『Ⅱ』では初代の1/4以下の支持率に止まることが判ります
この結果もガンダムの時と全く同じですね
ちなみになぜか『Ⅱ』や『プラス』や『7』を飛び越えて『マクロスゼロ』を支持する人はやや多いようで、これついては後述します




【『マクロスプラス』VS『マクロス7』】


ガンダムではデータ不足で検証出来ませんでしたが、面白いのが同時期(1994~95年)に展開されたOVA『マクロスプラス』とTVアニメ『マクロス7』の関係です
投票結果から『プラス』最大支持派である初代世代は、『7』に関してはやや支持が分かれる傾向なのが見て取れます
やってる内容は似たようなことでも、作品の醸し出す雰囲気やクオリティがだいぶ違いますし、音楽の方向性も同じシリーズとは思えないぐらい別物ですから、好き嫌いが割と分かれる2作品、ということなのでしょう


一方『7』の最大の支持者は放送当時の5~15歳
おおよそ1980年代生まれの方達です
日曜の午前中にTVで観れた『7』はともかく、OVAに手を出すのにはやや敷居が高い年齢
ところが『7』の最終回直後に「マクロスフェスティバル'95」と題した劇場版が公開されます
ここで『7』の新作短篇である『銀河がオレを呼んでいる!』と同時上映という形で『プラス』の総集編である『プラスMOVIE EDITION』が公開されました
この時『7』に釣られて観に行った『プラスMOVIE』がよほど印象に残ったのでしょう
『プラス』支持者は初代世代でしたが、『プラスMOVIE』支持者は一転して『7』世代なんです
同じ時期に展開された作品でも媒体によって支持する世代が分かれる、というのは実に面白い結果ですね
特に『プラス』と『プラスMOVIE』は内容自体はほとんど同じですから結果を判断するのには最適です


この『7』世代は『Ⅱ』以降の作品に関してはある程度支持する傾向にある様です
ただし意外なことに『プラス』と『7』の掛け合わせを意識した、という『Δ』の支持率はやや低めです
まあ『プラス』と『7』を…ということを念頭に置いて観てしまうと『Δ』はだいぶ失敗作だと個人的には感じます
作品単体として観れば面白いんですけどね;
それとなぜ『Ⅱ』支持率が高いのかは世代的には合致しませんし最近までテレビ放送もされなかったので正直理由はよくわかりません…;
よっぽど初代の方が再放送されていたと記憶してます
オイラもそうですがレンタルビデオ全盛期でOVAも比較的安易にチェック出来たからかしら?




【今のマクロスを支えているのは1990年代生まれ】


『ダイナイマイト7』(1997〜98年)『ゼロ』(2002〜04年)『F』(2008年)『イツワリノウタヒメ』(2009年)『サヨナラノツバサ』(2011年)『FB7』(2012年)『Δ』(2016年)『激情のワルキューレ』(2018年)
これら昨今の作品全てにおける最大の支持者が1990年代生まれです
『F』の放送当時9~18歳、『Δ』の放送当時17~26歳と年齢を重ねながらシリーズを追いかけていってます


面白いのがシリーズ屈指のハードな作品である『ゼロ』を3~12歳という幼い時に経験していることです
もちろん発売当時にチェックしたのかは定かではありませんが実はこの世代、やや年齢高めで初代をリアルタイムに観ていた1960年代生まれの方達のジュニアにちょうどあたるんです


先述の通りこの60年代生まれの親世代は90年代のシリーズにはほぼ総スカンだったのに『ゼロ』だけ支持が上向き
つまりどうもこの60年代生まれ親が90年代生まれの自分の子供と一緒に『ゼロ』を観ていた、ということなのだと推察が出来るのです
シリーズ最高の空戦作品である『ゼロ』を真っ先に観てしまった子供たちはまさにマクロスシリーズのエリートとして育ったと言っていいでしょう
彼等は動画配信サービス等を駆使して自分が生まれる以前の作品も熱心にチェックし、一定の評価をしていることが作品別の支持率から判ります
『F』が過去作へのオマージュが満載で、過去作を振り返るキッカケになっていたのも一役買っていそうです
『ダイナマイト7』なんて『7』世代よりも支持してます
まさに今日のシリーズの最もなファンとして作品を強く支えている、とは彼等90年代生まれというわけなんですね


ちなみに次代を担う2000年代生まれですが、少し残念ながら『Δ』に圧倒的に支持が偏っています
彼等の親に当たる70年代生まれの初代世代はあまり自分の子供にマクロスを教え込んでは来なかった?のと、『Δ』に対してやや厳しい目を向けていると思われ『Δ』をキッカケに親子でマクロスを語る機会を設けなかった?様です


もしかしたら“歌姫”を見慣れてきた世代にとっては“グループアイドル”が奇妙に映っているのかもしれません
逆もまた然り


ちなみに紆余曲折あって公開された『激情のワルキューレ』に関してはどの世代にも広く愛されている様で、「やはりマクロスは映画館で」という意識が再燃しているのかもしれません




【女性に愛されるロボットアニメとはマクロスのことだ!】


ガンダムの時の総投票数が174万票以上だったのに対し、マクロスは25万票に止まっており、歴史の長さから考えるとほぼ同等にも関わらず、やはり人気の格差を感じる結果となりました


しかしながらマクロスの本当に凄いところは投票したファンの男女比です
ガンダムファン全体の男女比は8:2だったのに対し、マクロスファンの男女比は7:3で女性ファンが意外に多いことがわかります
特に『F』『イツワリ』『サヨツバ』『Δ』の4作品は男女比ほぼ同率
『F』と『Δ』に至っては僅かながらに女性票の方が男性票を上回っています
男性ファンが圧倒的に多い事が予想されるSFロボットアニメ、尚且つ女性アイドルがテーマでこの数字は驚きです
特に『F』以降の作品にその傾向が強いのは『ラブライブ』に女性ファンが多い現象に近いのやもしれません
(https://lab.appa.pe/2015-11/lovelive-imas-comparison.html)


あと個人的に感じるのは『F』以降はニコニコ動画を筆頭に動画投稿サイトが一躍隆盛を極め、マクロスを彩る様々な“歌”の歌ってみた動画が投稿された時期でもありました
その様な歌ってみた動画を入り口にして、普段はロボットアニメをあまり身近に感じない人でも親しみを持てたのではないか?と考えられます
2021年現在の今でも、カラオケランキングの上位にはシリーズで唯一『F』の「ライオン」が食い込んでいますからね




如何でしたでしょうか?
ガンダムの時よりも詳細なデータが手に入った分、データ整理がだいぶメンドくさかったですが深く考察を掘り下げることが出来たと思います
余談になりますがキャラ人気投票部門でオイラが投票したクラン・クランが柿崎に負けたのがなかなか悔しかったのが思い出ですw

投稿 : 2025/02/01
♥ : 12

70.4 2 戦闘機で宇宙人なアニメランキング2位
無敵超人ザンボット3(TVアニメ動画)

1977年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (87)
351人が棚に入れました
富野由悠季(当時は“喜幸”)監督の手がけた異色のロボットアニメ。後の「機動戦士ガンダム」へと続く、リアルロボットものへの先駆けになったリアルな作劇が支持される。やんちゃな少年・勝平を始めとした神ファミリーの祖先は異星人であり、彼らには地球を襲う凶悪な敵ガイゾックに対抗できる超メカニックが受け継がれていた。それを操り人々を守る勝平だが、その戦いを眺める民衆の視線は冷たかった…。

声優・キャラクター
大山のぶ代、森功至、松尾佳子、永井一郎、川島千代子、鳳芳野、古川登志夫、渡部猛、島田彰

ace さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメ史に残る、残虐外道な敵たち

・大山のぶ代
なににつけてもこれを1番に報告せねばならない
ザンバードのパイロット、主人公勝平の声優は大山のぶ代である
これがまたドラえもんにしか聞こえない
大山のぶ代は声優の仕事のときにわざわざ声を変えたりしない、と答えている
その答え通り、あのドラえもんの声は地声である
そして、この勝平の声も地声である
つまり、ドラえもんの声そのままで演じているため
もうドラえもんであるwww
非常に貴重であるため、大山のぶ代のドラえもん以外の主演を見るためだけに
この作品を見るってのもあり
あのドラえもんが「オレっち」とか言ってる~~!っと楽しくなるね

・地球を守るのは地球人ではないwww
主人公ら神(じん)家は、「ビアル星人」であり、地球人ではないため
地球を守るのは実は宇宙人という衝撃のアニメでもある

・この手の主人公には珍しい
第一話から主人公の神勝平はパクったバイクで暴走行為をしているwww
警察の話では他にも様々な非行行為をしている様子
珍しいねぇ
この手の主人公ってのは、基本的にテストは悪いが正義感があり、
非行行為などもってのほかだと思うが
ちなみに12歳・・・

・敵さんは凶悪
一般人死にまくりです
昭和アニメ特有と言える
主人公側のサブキャラも次から次へと死ぬ・・・

・視聴アニメ史上最も残虐なアニメ
多分ね
すぐ上でもちらっと書いたけど人間殺しまくり
勝平が攻撃を避けたせいで後ろにいる人たちが10人くらい死んだり
人間に爆弾を埋め込み「人間爆弾」として次から次へと爆発して死にまくり
まぁ、これがロボットアニメの裏側よな・・・

◯よい

・型破りな主人公
この手のアニメには珍しく主人公勝平はいわゆる非行少年
第一話からぱくったバイクで暴走し、警察にも名を知られている
おまけにライバルの少年、香月慎吾にザンボットで殴りかかろうとする
資材を売ってくれない店から資材をパクろうとする
その店の店主が死にかけても無視しようとし、おまけに「見ろよこの欲張った格好(笑」
と、氷漬けになり死にかけの店主を小馬鹿にするwwww
良い子ちゃんばかりの主人公はもうあきてたので、
正直けっこう好きwww

・宇宙太もやばい
勝平の操縦仲間
宇宙太とケイコってのがいるんですが
この宇宙太、勝平と同じレベルのやばさ
怪人(ガイゾック)に氷漬けにされ船員が皆殺しにされた船に乗り込み
死体の山を無視し、船の資材をパクろうとするwww
良い子ちゃんばかりのロボットものはもうあきてたので新鮮で良い!

・ばあちゃんもやばいwww
勝平のばあちゃん
第一声を聞いたときは、大山のぶ代が2役やってんのか?と思ったくらい声が似てた
こいつ、初恋のじいさん(旦那のことではない!)が死にかけていると
なぜかこのじいさんが初恋の人だと皆に告白し、照れてふざけまくるwwww
周りの人間が殺されまくるなか、初恋のじいさんの顔がアップで写っておおはしゃぎwwww
しかも自分が助けに行くと、ロボットに乗り込み救助に向かうも
案の定失敗し、みなに迷惑をかけまくる
遊んでんのかこいつ・・・

・だが、勝平の家族はかっこいいヤツぞろい
勝平のオヤジ、兄の一太郎は非常に人間出来ている紳士
母ちゃんも周りの人間を助けるために命がけで尽くし、殺されそうだというのに一切の動揺なし!
なぜ次男の勝平だけぼんくらなのか・・・
特に勝平のオヤジは熱い熱血漢でこいつこそが主人公の性格
兄の一太郎も「お前がみなと心を合わせられないのならここで終わろう」と、
ガチで勝平が操縦するザンボットを司令室からコントロールし、自由を奪い敵に負けかけるなど、
非常に熱い性格!

・珍しく町の人間たちの反応がクローズアップされる
このアニメで最も良い部分
宇宙人が攻めてきて、勝平たちがザンボットに乗り込み撃破

戦闘の影響で町を破壊、町の皆は勝平らを激しく憎む

しかし勝平らは命がけで彼らを守っていることがわかる

町の皆が変わっていく・・・

と、まぁこんな感じで町の人間の反応なんざ、他のロボット系アニメでは
テンプレ通りにヒーローだなんだと祭り上げ、いるのかいないのかどうでもいい存在なんですが、
このアニメではかなり密接に町の人間たちの反応をとり上げる

勝平の戦闘で町が破壊され怒り狂った町の皆は勝平たちに冷たい態度を取り続け、
ライバル香月などはどこで手に入れたのか、ショットガン(本物)を持ち出し
勝平たちのロボット基地を襲撃し
司令室を破壊、そのせいで司令室が使用不可の状態に陥りその修理に
勝平たちが奔走するという事態にまでなる
他のロボットアニメで普段放置されている町の人間たちが
主人公一味にここまで大きな影響を与えるのは珍しい・・・
とても良かった!

・香月の存在
勝平のライバルで、13歳
勝平とは非行仲間であり悪友で、たびたびバイクで暴走行為をし警察からも名を知られている
ザンボットを収容している勝平たちの基地、キングビアル(司令室)をめちゃくちゃに壊した首謀者で
こいつの頭のおかしい言動にイライラしていたが
その実、男らしい、正義感の強い熱血漢で
体1つで敵の基地を爆発させたり、人質を逃したりする
このアニメに欠かすことのできない「もう一人の主人公」へと成長する
いいキャラだった

・OP
一度聴いてみてください
なんか・・・初代妖怪人間ベムみたいに独特すぎるOP・・・
結構良い!

◯わるい

・フラッシュ
昭和アニメの特徴ですね
眩しすぎるフラッシュ連打
危険なので、これが起きたら目線を外そう!
けっこうの頻度である

・全然目立たない宇宙太とケイコ
勝平とまったく同じ立場
ザンボット3のパイロットではあるが、
勝平が目立ちすぎのためか「あ、いたんだ」となる悲劇の二人
作中でも「悲劇」が待っている・・・
もっと存在感を光らせてくれてもよかった

・搭乗機械がよくわからん・・・
ザンバード→勝平が乗っている戦闘機で、独自にザンボ・エースという人型に変形できる
ザンブル→宇宙太が乗っている戦車
ザンベース→ケイコが乗っている、WIKIを確認してもなんなのかよくわからない・・・爆撃機らしい
この上記3機が「ザンボット・コンビネーション」で合体すると
ザンボット3という巨大人型ロボットになる


◯THE VERDICT

10/10

良かったです!!
これは文句なしにお勧めやな!
「古いロボットアニメなんか興味あるかボケー!」
など言わず、騙されたと思って見てみるといいです
すぐにおもしろくなる

自分も正直1ミリも興味なかったが
やっぱ食わず嫌いはあかんな・・・と再認識

・明らかに「人間狙い」の凶悪すぎる敵たち
俺はロボットアニメ自体ほとんど見たことがない
たしか、これの他には・・・つい最近見終わった「ライジンオー」くらいかな
ライジンオーに出てくる敵は人間には無関心だったんですが
このアニメはまったく逆!!
むしろ人間だけを標的にしており非常に凶悪

敵司令官のブッチャーは「殺しまくれー!」とか毎度騒いでいる
人間に爆弾を埋め込み自爆させる「人間爆弾」
和平交渉に来た政府要人を飛空艇から弓の的にして落とすなどやばすぎ
WIKIにも「人類を殺戮することを楽しむ」と書かれるしまつ

俺はロボットアニメをあまり見たことがない、と書いたが、そんな俺でもわかることがある
それは
ブッチャーはロボットアニメ史上間違いなくトップクラス(というかトップ?)の
凶悪外道な敵である

自分的に「ロボットアニメ」というジャンルは今熱い
ライジンオーとこのザンボット3がとても楽しめたからだ
どんどん視聴リストにロボットアニメを取り入れたいと考えている
ブッチャーを超える凶悪な敵が出てくることを期待しているwww
というか、いるか?

・どんどん盛り上がる
正直最初の方はよくわからんキャラがわらわらいて
なんかやってんなぁ・・・わかんね!
って感じだったけど
キャラの役割や個性がわかったらきたら楽しくなってきてどんどん盛り上がってくる
お勧め!

◯まとめ
悪役だった主人公一味が英雄になる様子は爽快だった!
とても楽しめたよ
凶悪極まりない敵たち!
「全滅エンド」とまで言わているかつて例を見ない凄まじい展開!
勝平の熱い性格と香月との友情!
一見価値はあると断言できる!

◯超どうでも良い企画
ロボット系アニメのレビュー毎にやっていこうと思っている
「どちらが強いか」

まずはライジンオーVSザンボット3が戦えばどちらが勝つか・・・
それは・・・

おそらくザンボット3です

理由は、「銃器」ですな
ライジンオーはたしか殴ったり剣で斬ったり特攻したりだったけど
ザンボットの基本武器は銃やバズーカ、ロケット砲です
水爆でも壊れないロボを「イオン砲」で破壊したり攻撃力も最強クラス
ライジンオーは近づくこともできず粉々じゃないかなぁ・・・と思う
接近戦も別に弱くないし
ザンボットのパイロットが「睡眠教育」で戦闘の
イロハをずっと学んできたエリートってのも理由の1つ

ということで、ザンボット3が勝ち抜き
次の相手は誰になるか・・・

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

無印ガンダムやイデオンの前触れ的な作品・・・ということで視聴してみましたが。

子供向け“ロボット・アニメ”という触れ込みでスポンサーを騙しておいて、安っぽい“社会派アニメ(※意識高い系ともいう?)”を作ってみました、的な何かか?

これ、商業倫理上どうなんでしょうか?
アニメーターとスポンサーのチカラ関係で、昔はこういうことは業界では別に珍しいことではなかったんだよ、とか言われそうですが、これで企画書どおりにお金を出して、玩具も作って売り出したスポンサーは一体どう思ったんでしょう?

まあ、私の心配することではないでしょうけれども、こんな風にあからさまにスポンサーを騙して金だけ出させて(※損までさせたわけではないと信じたい・・・)、専らアニメーターの自己満足の産物を作ってしまって、本当にそれで良かったんでしょうか?

※このシナリオでは、当時視聴していた子供たちには余り受けなかったのでは?と思いますが、富野監督と同世代の仲間たちには大変に評判が良かったようで、今でも本作を“名作”と評価する声もあるようです、念のため。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
作画等は年代相当だけど、「睡眠学習」で主人公が戦闘機&ロボット操縦スキルを既に取得済みという設定が結構笑える。
・第5-6話視聴終了時点
毎回来襲するメカ・ブーストとの格闘ではなく、町を守っているはずの住民から神ファミリーが忌避され排斥されていく展開に一応の見どころがある作品らしいと気付く。
とくに主人公勝平はやはりアムロの原型か?
・第10話視聴終了時点
ガイゾックが日本国使節団を捕らえて風船に吊り下げて銃で人間狩りをする(撃ち落されるシーンまであり)は、小学校低学年向けアニメとしては明らかに場違いじゃないのか?という疑念から、初の×(疑問回)認定。
・第15話視聴終了時点
モブ以外のキャラが初めて死亡する注目回。
・第16話視聴終了時点
「人間爆弾」が初めて登場する注目回だが、酷いシナリオで×。
・第17話視聴終了時点
北の“七ヵ所村”の避難民キャンプがガイゾックの「人間爆弾」対象者調達基地になっているという設定→明らかに青森県上北郡の六ヶ所村(※原子燃料サイクル施設などの原子力施設がある村)をモデルにしている。
・第18話視聴終了時点
主人公=勝平の幼馴染ブスペアの片割れが“人間爆弾”で爆死で、ここから欝展開本格化か。
・第23話(最終回)視聴終了時点
この回のシナリオは酷くて弁護の余地なし。
この当時は、こんなんで“社会派アニメ”を気取ってたの?{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作           鈴木良武、富野喜幸
総監督         富野喜幸
脚本           五武冬史、荒木芳久、吉川惣司、田口章一、星山博之
キャラクターデザイン 安彦良和
メカニックデザイン  平山良二、大河原邦男、スタジオぬえ
音楽           渡辺岳夫(作曲)、松山祐士(編曲)
アニメーション製作  日本サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 無敵超人ザンボット3 (1977年10月-1978年3月) ===========
{netabare}
第1話 ザンボ・エース登場 ☆ キラーザ・ブッチャー復活、神勝平ザンボ・エース搭乗・出撃、メカ・ブースト・ドミラ撃破
第2話 燃える死神の花 ☆ 神(じん)ファミリーの使命(ガイゾック撃退)、勝平苦戦、ザンブル来援(宇宙太搭乗)、ザンベース来援(恵子搭乗)、ジドブラー撃破
第3話 ザンボット3出現! ☆ 剣道奉納試合(勝平vs.香月)、宇宙太&恵子苦戦、勝平の我儘と一太郎の怒り、3機合体(ザンボット3完成)、ガビタン撃破
第4話 集結!キング・ビアル ☆ 神ファミリーの秘密(ビアル星からの宇宙移民の子孫)、移動要塞ビアルⅠⅡⅢ合体(キングビアル完成)、ドヨズラー撃破
第5話 海が怒りに染まる時 ☆ 避難民の神ファミリーへの誤解・嫌悪、家族と生き別れた香月の逆恨み
第6話 父が帰ってきた日 ☆ 勝平の父・源五郎登場、勝平の香月への反発と父の怒り
第7話 さらば!我が友よ ☆ ブスペア(アキ&ミチ)の危機、ミチ救出とアキの反感、香月ら住民の恵子人質・キングビアル侵入、勝平の母・花江の怒り
第8話 廃虚に誓う戦士 ☆ 宇宙太の母・すみ江の反感、ガイゾック東京襲撃、ビアルⅡ離脱、宇宙太活躍・バアルⅡ帰還
第9話 危うし!キング・ビアル ☆ キングビアルの資材調達の困難、大滝社長救助・死亡、資材入手・キングビアル分離
第10話 バンドック現わる! × 埴輪型ガイゾック巨大基地バンドック出現、日本国使節団への人間狩り、野崎副首相救助(梅枝婆さん活躍)
第11話 決死の爆破作戦 ☆ 続き、兵左エ門・源五郎とブッチャーの対談、ブッチャーの黒幕ガイゾック登場
第12話 誕生日の死闘 ☆ 恵子の14歳の誕生日・帰省、松本城騒乱、恵子の親友ヒロミ達の非難・悪罵、傷ついた恵子の立ち直り
第13話 果てしなき戦いの道 ☆ 巻き添えを出さない戦い方、勝平の自暴自棄、香月の励まし・勝平の立ち直り
第14話 スカーフよ永遠なれ ☆ 北海道・札幌避難民キャンプ(アキ&ミチとの再会)、ブスペアとの仲直り・二人の贈り物
第15話 海に消えた老将 ☆ 国連防衛軍からの援助申し出、B.ジェイムス提督壮絶死(囮船団壊滅、補給物資到着)
第16話 人間爆弾の恐怖 × 謎の爆破事件、神ファミリー年少組(和之・公子・きいろ)の人質救出、人間爆弾自爆 ※酷いシナリオで・・・
第17話 星が輝く時 × 避難民キャンプの秘密、健太脱走・救助、勝平キャンプ潜入、香月囚わる、浜本爆死 ※同上
第18話 アキと勝平 ☆ 避難民乗船拒否、アキ救出・爆死、ミチ脱出・救出
第19話 明日への脱出 ☆ 香月奮闘・ガイゾックの正体目撃、敵基地バンドック強襲、人質脱出、バンドック撤退
第20話 決戦前夜 ☆ 国際防衛軍のキングビアル&ザンボット3接収、防衛軍苦戦、パイロット交代、水爆爆発、神ファミリー宇宙へ
第21話 決戦!神ファミリー ☆ 宇宙空間の激戦、バンドック突進、ビアルⅡ突撃・轟沈(平左ェ門夫妻)、バンドック逃亡
第22話 ブッチャー最後の日 ☆ 避難民・非戦闘員の地球送還、青騎士&赤騎士撃破(源五郎戦死)、ブッチャー撃破・爆死、ラスボス登場
第23話 燃える宇宙 × 続き、恵子&宇宙太突撃・爆死、コンピュータードール8号との問答、8号爆発、一太郎・久作・大太爆死、勝平地球帰還(ミチの介抱){/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)20、×(疑問回)3 ※個人評価 × 2.9

OP 「行け!ザンボット3」
ED 「宇宙の星よ永遠に」

投稿 : 2025/02/01
♥ : 8
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

トラウマと言えばこれ

<2017/10/28初レビュー>
富野由悠季監督作品。
キャラクターデザインは、ガンダム、クラッシャージョウ他で著名な安彦良和。
主役の声優さんはドラえもん。
となかなか豪華(?)な感じの"子供向け"アニメです。

子供の頃観ました。
確か、土曜の夕方5時。

その頃は子供向けロボットアニメ全盛でした。
ガンダムがまだ出る前。
アニメと言えば子供のもの。
ロボアニメも当然子供向け。
そんな時代です。

当時のロボアニメは毎週、敵が一体襲ってきて、主役ロボが撃退。
バトルでは街並み壊しまくりますが、翌週にはきれいに元どおり。
そしてまた敵と戦って壊す。
そんな主役ロボを街の人は絶賛。
それが当たり前のお約束でした。

このザンボット3も見始めた時はそうした勧善懲悪の水戸黄門のようなロボものだろうと。
更に、ロボもopテーマもそれまでのどのロボものよりもカッコ良い、と最初ものすごく期待してたのを今でも覚えています。

でもこの作品は違いました。

熱血小学生"神勝平"の操るザンボット3は幾度となく襲い来る敵を撃退していきます。
ところが壊された街は元に戻りません。
住む場所を失った人々は列を成して疎開していきます。
そんな街の人々は「敵はお前達を狙って攻めて来てるんだ。お前らは地球から出ていけ!」と主人公達に石を投げつけます。
そんな人々の中には仲の良いクラスメイト達もいました。

そして真骨頂は勝平のガールフレンド、あきの顛末です。
{netabare}敵はある時から地球人を誘拐、体に爆弾を埋め込んで人間爆弾として地球に返す、という非道な作戦を始めます。
あきも攫われてしまい、主人公がなんとか助け出すのですが実は既に・・・{/netabare}

最終回は{netabare}皆殺しの富野{/netabare}でした。{netabare}主人公以外の主要登場人物、同じザンボットのパイロットの従兄弟二人も、おじいちゃんもお父さんもお兄さんも親戚のおじさん達も皆死んでしまいます{/netabare}

アニメ観て鳥肌立つ、初めての経験でした。
いろいろと悪い意味で。

当時、これ観終えてからロボアニメ観るの数年やめました。
なのでガンダムもリアタイでは観てません。

この作品は私にとってのトラウマアニメです。

ですが、年を経て今となるとやっぱりもう一度観たいなー、という気持ちもあります。
でもこの作品なかなか再放送されないんですよね。

とか思ってたら、明日、BSで一挙放送やるそうです。
これは録画しないと!笑
と思ってレビューした次第です。

(おまけ)この作品、昔イタリアでも放送されてたそうです。イタリアサッカー界でレジェンド級のイケメンストライカー"ピッポ"フィリッポ・インザーギも観てたのだとか。

<2021/5/8 追記>
OP曲好きだったんですよ。
「(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー・GO!
愛と勇気と力とが静かに眠る海の底♪」

投稿 : 2025/02/01
♥ : 28

58.6 3 戦闘機で宇宙人なアニメランキング3位
ノブナガン(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (358)
1891人が棚に入れました
2013年。 修学旅行で台湾に訪れていた女子高生「小椋しお」は、突如出現した怪獣「進化侵略体」に襲撃を受ける。軍隊も歯が立たない中、そこに現れた謎の男たち。彼 らは超国家機関「DOGOO」のエージェントで、偉人の魂を受け継ぎその力で戦う「E遺伝子(ジーン)ホルダー」だった。そして友人の危機に、しおの「偉 人の魂」も覚醒するのだった...

声優・キャラクター
武藤志織、鈴木達央、島﨑信長、浅川悠、石田彰、上坂すみれ、斎藤千和、保村真、津田健次郎、田村睦心、村瀬歩、井上遥乃、さとうあい、遊佐浩二、渡辺明乃、飛田展男

watawata さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

愛すべきB級作品

この作品のレビューを拝見すると途中で断念された方が多い様で^^;
恐らくは1話切り、若しくはPVを視聴し、最初から対象外の方々もみえると・・・多分。

よって、一応オープニング冒頭のナレーションを簡単な注釈を添えて貼り付けておきますね。

あらすじ
歴史上に数多存在した傑物の能力を記憶した特殊遺伝子「E遺伝子(ジーン)」。【偉人のもじりですね】その遺伝子を受け継ぎし、「E遺伝子(ジーン)ホルダー」【偉人の遺伝子を持った人です】は、「AUボール」【英雄のもじりです。変身アイテムと考えて下さい】によって自らの中に眠る傑物達の能力を引き出し、「AUウェポン」【そのまんま英雄の武器です】を具現化する。
これは、超国家組織「DOGOO(ドグー)」【土偶のもじりです。味方の司令官が土偶の形をしています】に所属する「E遺伝子(ジーン)ホルダー」達と、宇宙からの敵「進化侵略体」【分かりやすい敵です、地球侵略のみが目的です】との人類存亡を賭けた戦いの記録である。以上


見ての通り設定の段階での安直なネーミングで早くも拒絶反応が出そうですね。
キャラクターデザインも独特、且つ分かり易い(描き易い、キャラクターの簡素化により経費削減)言ってしまえば幼稚、小学生のお子さんが喜びそうなタッチです。
画面エフェクトも原色系を多用し、花柄模様、幾何学模様を無理矢理、画面に割込ませ、絵の間を何とか埋めている感(背景を描き込む予算が無い)が滲み出ています。バトルシーンになると突然アメコミ調になり暗めのトーン(同様に色を絞り込み経費削減)、第1話からこの調子ですから脱落者が続出するのも無理ありません。


でも、違うんです、これ‼︎


多分、製作者サイドが作品を成立させる為の苦肉の策・・・もとい努力の証であると思うんです。ストーリー及び設定はチープながら、歴史上の史実と合致し考証もされ、最新のバイオテクノロジーを踏まえる等々、意外と練り込まれてます。作画も決して褒められるレベルではありませんが、押さえる所はしっかり押さえてあり、バトルシーンでは下手なCGを多用したアニメより遥かに迫力があります。キャラの表情も然り、特にヒロインの通常パートのぼんやりした表情とバトルパートの鬼気迫る表情の描き分けの落差が激しく好感が持てます。恐らくは、ただでさえ知名度が低い作品に十分な予算が下りるとも考えられず、思考錯誤の結果、枝葉末節を可能な限り省き、作品の根幹にウェイトをかける他、方法が無かったのでしょう。
手足を結ばれた状態でのこの姿勢、言ってしまえば製作者サイドの愛をヒシヒシと感じずにいられませんでした。結論、ハイ、B級作品ですコレ、でもただのB級作品じゃあありません、手抜きのB級作品と同列にして欲しくありません、もがき苦しんだ上に生み出された作品ですから、この様な作品を地に埋れさせてはいけないんです。

じゃあお前、円盤購入するの?→買いません‼︎ そんな余裕はありません‼︎ 小遣いが100万円に上がったら考えます。

じゃあ当然お気に入りの棚に入るのだよね?→入りません‼︎ 残念ながらお金がかかり、且つ愛のある作品にはかないません‼︎

うーん、結局はお金がかかっている作品に良作が生まれ易いの?→否定しません‼︎




オチがついた所で作品の突っ込みを少し^^;

主要4人の登場人物について・・・

ノブナガン(織田信長)→能力:右腕が銃になる。
主人公ですし無難なチョイスです。

切り裂きジャック(1888年にイギリスで連続発生した猟奇殺人事件の犯人の通称。)→能力:右腕がナイフになる。
ん?英雄?偉人?・・・違ぅぅぅ…犯罪者やん…でも一応納得しておきます。

アイザック・ニュートン(万有引力の法則を導き出した、イギリスの物理学者であり自然哲学者)→能力:右足で踏みつけた物を重くすることができる。
えっ?彼、科学者だよね・・・少し無理があるのでは?まあアニメですので大目に見ましょう^^;

マハトマ・ガンジー(インドのイギリスからの独立運動を指揮し、形態は民衆暴動をとるものではなく、「非暴力、不服従」を提唱した、政治指導者であり宗教家でもある。ノーベル平和賞にも5回候補に挙がっている。ちなみに彼の偉業を讃え10月2日は国際非暴力デーとされている)
→能力:ヘルメットについた腕状のパーツからバリヤーを発生させる。

アカン‼︎これはアカン‼︎、防御主体とはいえバトルに参加しとるやん。ブシュブシュ敵を潰してし、行動理念にも反しているし、とにかく政治、宗教絡みは不味いって、本当に^^;
インドの英雄、偉人ですから、見る人が見たら訴えられますって^^;

と、突っ込みどころ満載です。当然お話はプロモーションアニメですので完結していません、さて、第2シーズンはどんな英雄、偉人がお出でになるのか楽しみですね。

あ・・・無いか・・・第2シーズンは・・・

でわでわ


追記・・・ヒロインに新人さんの抜擢・・・これ低予算の為せる業か?でも初々しさと熱演に高評価です。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 21
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

蜂の巣駆除業者

ミリオタ女子高生:小椋しおが修学旅行中に怪獣「進化侵略体」の襲撃に遭い危機に陥るも
その体に眠った信長の遺伝子が覚醒するのであった!ってなストーリー。

ミリオタ女子高生というユニークな設定はあるものの
友情が絡んだヒーロー(女だからヒロインか)ものとしてありがちなスタートを切りました。

敵の怪獣がシルエットで生物なのか兵器なのかよく分からなかったのですが
謎めいた敵にする為の演出なのでしょうか?
ちょっと安っぽく手抜きっぽい敵に見えてしまいましたが次からは平気かな?

偉人の特徴を捉えた武器でのバトルになりそうで楽しみはありつつも
出オチに成らないだろうかという不安もありますがさてどうなるでしょうか?
とりあえずガンジーは防御・回復系でニュートンは爆弾とか投下や重力系っぽいですけどね。

なんだか夕方アニメの様に子供っぽい内容になりそうな気もしますが
しばらく様子を見てみます。

※2話感想{netabare}
ガンジーは使えるけど、ニュートンは漬け物工場がお似合い。
今まで重さを感じさせず元気にブッ放してたのにスタミナ切れで弱体し過ぎ。
三段撃ちと三丁撃ちは違うと思う。
敵が影絵みたいだしバトルシーンが手抜きっぽく熱くならない。
近距離でもジャンプ撃ちで当てるのは難しいんですけど。
一人オグシオとか浅尾とかアスリートもじってる?
病院での会話が茶番。オオグシは理想的な返答を待ちつつ会話をしている。
オグシオの声優さん初々しくがんばってるけど結局は棒。
EDが聞くにたえない。
なんか子供向けというか子供だましかな…。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
オグシオちゃんミリオタなのに射撃姿勢とか戦術的な動きの知識は0なんだよね。
どうやら機体名だけ詳しいタイプのオタ。
そういうオタクも居るだろうけど物語の主人公となると
どうも設定活かしきれていないなと思ってしまいます。
偉人も出オチっぽいし次回観て切るかな…。
{/netabare}

【総評】
なんだかんだで一応最後まで観ましたが切っても良かったかなと思う内容でした。
深夜アニメなので何か急展開があるのかもとちょっと期待があったのですが
最後まで夕方アニメのノリでした。

ストーリーとしては夕方のニュースなどで時々やる『蜂の巣駆除業者』へ密着取材特集を
着色して地球規模でやってみました!という感じ。
敵はとにかく害虫でしかなく、そこには相手を殺すことに何の葛藤も躊躇いもなく
とにかく退治するシンプルなもので深みは感じられませんでした。

設定もアンバランスで、あれだけの強さと繁殖力なら人類がもう少し窮地になり
生活圏が脅かされていないと違和感がありますし
偉人の数を考えると地球全体をカバーするには無理があります。
まともに受け止め過ぎかも知れませんが子供向けの夕方アニメならスルー出来ても
大人も観る深夜アニメの目線だとこの辺りも引っかかってしまいます。
主人公のミリオタ設定も役立ったのがエイブラムス(戦車)位でしたので
もう少し絡んで来て欲しかったです。

作画については個人的にはロックマンみたいな形(ナリ)がどうも合わなかったのと
敵が影絵みたいで的としか捉えられませんでしたし
暗転した背景での戦いが好きになれず終いでした。

偉人の特長を引き継いだキャラ達は戦闘シーンでは技の違いによる個性は出ていたものの
日常生活の描写の少なさもあり内面的な感情や個性は今一つ出し切れていなかったです。
最終回に繋げるならせめてもう少しジャックとしおが意識する描写が欲しかった所。

こういうアニメなら夕方にやってくれれば見る目も違ったのですけどね…。
深夜アニメとしてだと求めているものが違いました。
子供向けとして観れば親子でも観られそれなりに楽しい作品だと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20

みゃあ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

スルーするのはもったいない

キャッチした方のレビューを読んだら自分も書きたくなった。このアニメは大変面白かったので。


60年代から70年代初期を思わせるデザイン、絵柄で、レインボー戦隊ロビンとかサイボーグ009みたいなチームプレイを題材にしているんだから、私が懐かしく思うのは仕方ないよね?
DOGOOの制服なんて科特隊の・・・ゲフンゲフン。

だってタイトルが「ノブナガン」だよ。昨今のお洒落だったりやたら長かったりするのとはわけが違う。もうね子供がつけたようなタイトル。
過去の英霊の能力で戦うって。。。オカルトかよ!



「だけどね、それらが全て揃った時、とんでもなく面白い漫画(アニメ)が出来上がった。」


正直、このアニメはかなり誤解を生む作品で、上記のことだけで最初から「絵が古臭い」とか「見るからに面白くなさそう」と受け取られかねない。更に主人公がデビューとなる声優さんだったので、放送当時にも1話で切られた方が多かったと思う。セリフの未熟さのみならず1話の展開も心をつかみ取るものではなかったからだ。

私も原作は読んでなくて1話でキッツいなあと感じた口なので、それは否定しない。




「このアニメは後半に向けてどんどん面白くなっていくんだよなあ。」



最初に述べた通り、チームプレイによって敵と戦う作品なんだけど、この作品の面白さはスペシャリストの集団による作戦行動だということ言える。
ウルトラマンの科特隊とか、組織があってもスペシャリティがあまり感じられなかったじゃない?そのメンバーだけなの?そのメンバーだけで24時間365日戦うの?って思ったよね?子供も出入りしているし、ね?
その辺を少し大人向けに理屈を整理した感じ。オリジナルの「宇宙戦艦ヤマト」に対する「宇宙戦艦ヤマト2199」みたいな。



ノブナガンの場合、上意下達の組織と専門部門によるバックアップ、戦闘部門の小隊体制等が描かれている、それらのメンバーも能力があるとはいえ決して超人ではなく、人によってはかなり弱い人間の集まりだが人数は揃っている。
彼らが進化していく(学習していく)敵と戦い続ける。敵は進化侵略体という名前の怪獣たちだ。

相手が進化していくんだから、同じことをやっていたんじゃ倒せない。敵の弱点は何だ。どうやったら倒せるのか、どうやったらこの侵略を終わらせられるのか。探り、時を稼ぎ、受けた攻撃をターンオーバーしていく。

「力比べではなく、知恵を絞り力を尽くす。」「一人で戦うのではなく、力を合わせて戦う。」
この辺の緊迫感を持たせつつ描くがノブナガンの魅力だ。つい最後まで観てしまうことになる。

スペシャリストはE遺伝子ホルダー[(イージーンホルダー)偉人ホルダーっていう洒落か]で過去の偉人さんの改良遺伝子を持ちその偉人さんの能力をもって戦う、あるいは力を発揮する。[この使える武器、能力をAUウエポンという。タイトルからして、ここも英雄ウエポンだよな。]過去の偉人と書いたけど、実際は偉人だけじゃないが名を遺した人たちの力を使う、その力の内容と発動のさせ方や癖も面白さの一つなので、それは見て楽しんでほしい。


DOGOOという組織にも秘密があって、それもストーリーに絡んでくるのも良いな。最後は総力戦だが、なかなかに熱いですよ。



モーパイこと「モーレツ宇宙海賊」もそうだけど、見た目で避けちゃうともったいないと言える作品です。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 6

63.7 4 戦闘機で宇宙人なアニメランキング4位
宇宙の騎士テッカマン(TVアニメ動画)

1975年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (33)
120人が棚に入れました
スペースオペラ版『ガッチャマン』を企画の源流に制作されたタツノコプロの秀作SFアニメ。時は未来。人類は公害で自然を疲弊させ、地球の寿命はあと数年となっていた。人類は外宇宙の移住惑星“第二の地球”探査の旅に向かうが、太陽系に宇宙の悪党集団ワルダスターが出現した。二重の危機を迎えた人類に残る希望は、宇宙開発センターの精鋭チーム・スペースナイツ。そしてその主力となる強化服の超人テッカマンだった!

声優・キャラクター
森功至、上田みゆき、山田康雄、小宮和枝、徳丸完、内海賢二、滝口順平、桑原たけし、中江真司

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

この中にル〇ンがいます。それは・・・・

南城二「ペガス!テックセッター!」
ペガス「ラーサー!」
ペガスの両足にあるセッタールームに入る城二。両サイドにある握りてを掴み、「パワーラップ!」と叫ぶと荊の弦の様に城二の全身に巻きつくプロテクトベース(?)に苦悶する城二。「んおぁぁぁぁっ・・」両側におもいっきりはねたオシャレな寝ぐせも頭にピッタリと。
マッチョ装甲が足元から順に装着。額に風車手裏剣のようなボルテッカが装着されると仕上げは高電圧が全身を駆け巡りさらに悶絶。「ふんんんんんんんんんん・・・・・・」
その間ぺガスは敵・ワルダスターの小型円盤戦闘機の群れの中へ突進。そしてぺガスの背中にある円形ハッチから舞台演劇の「せり上がり」の様に肩膝をついて登場する「テッカマン」。
「ンォォォォォォォォォ・・・」(目元のスリットのぞき穴から光る黄色い目。真空なのに大丈夫なのかと突っ込んではいけません)
そして宇宙空間で繰り広げる「肉弾戦」。宇宙空間で「肉・弾・戦!」。
扱う武器は諸刃の槍「テックランサー」と伸縮自在のムチ「テックリール」。当時コミカライズされてた漫画雑誌「冒険王」の見開き紹介では「テッカ槍(やり)」「テッカ鞭(むち)」というトホホな紹介されてました(お寿司じゃないんだから・・・)

という事で装着シーンが印象的なテッカマンです。
タツノコ4大レジェンドヒーローのひつとして割と知られてると思います。
「えたんだーる」さんや「天地人」さんのレビュー通り、地球の寿命が数年後に備え他天体への移住計画を進める人類と宇宙征服を企む悪党星団・ワルダスターの激闘の物語。

しかし冷静に考えてみると何でワルダスターは地球を侵略しようとしてたのか納得できません。
星としての寿命がわずかな地球に「価値」があるとは思えないのに・・・
そんな事を知らず侵略行為を邪魔されたことの意趣返しのために面子をつぶされたヤ〇ザみたくネチネチしつこく攻撃してくるのか?
それとも人類を隷属させるために攻撃してくるのか?
今となっては(自分の中で)謎のままです。

そしてサンノー星人のアンドロー梅田。中の人のせいでしょうか?ニヒルでキザな皮肉屋。冷たい奴と誤解されがちだが本当は優しく、いざという時には頼りになる男。もう額が少なくモミアゲの長い「あの男」が変装しているみたい見えます。

2017年秋からタツノコレジェンドによる夢のコラボ「インフィニティフォース」が始まるようですが「別モノ」として見た方がよさそうです。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10
ネタバレ

Robbie さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

単細胞主人公、王道ヒロイン、有能過ぎる同性パートナー

1話1話で観れば普通に面白くストレスなく観ることが出来ると思う。
毎回、問題発生→解決方法模索→テッカマンで敵を一掃という流れでワンパターンなのだがキャラクター同士の掛け合いやワルダスターの色々な作戦が非常に観ていて面白い。
また1話あたりのテンポが良い。
ただ、全体を通して観ると粗が多いと思う。
まず、これは古い子供向けアニメだからしょうがないが後付け設定が物凄く多い。
もはや面白おかしくて許せてしまうレベル。
ただこの作品最大の欠点はやはり最終回だろう。
打ち切りだと思うがそれを考慮しても酷い。
{netabare}人類はどうなったのか?主人公は最終回で戦っていた敵を倒せたのか?本来ラスボスポジのキャラは何をしているのか?またどうなったのか?などといった基本的なことすら投げ出したため視聴者には分からない。{/netabare}
キャラクターについてはかなり魅力的だと思う。
タイトルの通りキャラ達だ。
主人公の城二は宇宙人に対して恨みがあるため物凄く好戦的ですぐ切れる。
変に急成長せず最後までキャラがブレていなかったのはこのタイプの主人公で結構珍しいと思う。
ヒロインのひろみはTHE昭和の王道アニメヒロインって感じでしっかり者だが女性らしさも兼ね備えていて強くて優しい。
そして主人公の同性パートナーであるアンドローは主人公と対照的でニヒル。
物凄く有能で頭脳明晰で口達者。
他のメインキャラも魅力的だがこの対照的な3人のキャラによって上手くバランスをとれていたと思う。
また、声優の演技もキャラ魅力を良く引き出せていたと思う。
全体的に豪華な顔ぶれであるためこの点は間違いない。
作画に関してはバンクもよく見られていた。
それに止まっているシーンですら結構乱れている。
古い作品なのでこれは仕方ないが当時でもクオリティーの高い方ではないと思う。
音楽に関しては主題歌はアニキなのでやはり燃える。
また、戦闘シーンに毎話主題歌のカラオケver(たまに歌入り)が流れるのだがこれによってクオリティーの高くない戦闘シーンでも楽しめる。
音楽の使い方や導入の仕方が上手いと思う。
光るところのある作品ではあるがどうしてもあの最終回のせいで残念な作品になってしまった印象。
それでもこの作品、後にテッカマンブレードやアカネマニアックス(pcゲーム)などでオマージュされていたりしているのでこれらが好きな人やタツノコプロのファンはは観て損はないだろう。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 5

えたんだーる さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

世に出るにはまだ早すぎた異色作

たぶん後日テッカマンブレードが作られたおかげで作品タイトル自体の知名度があるわりに、放送当時に観ていた人は案外少なかったかもしれない異色作。

そこそこ深遠なストーリー展開を考えていたようですが、打ち切りにあってしまい果たせなかったようです。

とりあえずまず異色じゃない要素としては:

1. 宇宙からの侵略者(ワルダスター)と戦う。
2. 一応、主役メカっぽいロボット(ペガス)が出てくる。
3. 主人公は特殊体質による適合者としてテッカマンとなる。

異色要素としては:

1. ペガスにはいわゆるコクピットがなく、テッカマンは背中に乗る。
2. ペガスがテッカマンへの変身装置(テックセットシステム)を兼ねている。
3. テッカマンには必殺技であるボルテッカ以外のまともな飛び道具がない。

1と3あたりが「馬に騎乗して槍や鞭で戦う騎士」のイメージで、そこらへんから「宇宙の騎士」ということになっていると思われます。

テックセットシステムですが、ぺガスの脚と脚の間に扉があって、そこに主人公の南城二(みなみ じょうじ)が入ることで機能します。

この変身シーンですが、まず全身グルグル巻きにされて(これだけでかなり苦しそう)、テッカマンとしての鎧が装着されて、額に光るボルテッカが回転しながら激しくぶつかるように装着され、最後に高圧電流が全身を走るという見ているだけで痛そうなものでした。これ、適合がどうとかじゃなくて、普通に死ぬだろ…。

それと主人公陣営(スペースナイツ)にアンドロー梅田という宇宙人がいるのですが、こいつが使う自称「テレポート」という能力が「エスパー伊東」的なツッコミどころ満載です。あんた、それ「瞬間移動」じゃなくて明らかに「高速移動」ですやん…。

ちなみにぺガスの玩具ですが、サイズはポピーの「超合金」とほぼ同じサイズでしたが作っていたのはブルマァクでした。「超合金もどき」に相ふさわしく、作中にない「ロケットパンチ」が出せます。子供の頃、かなり気に入っていた玩具です。

ブルマァクの玩具というとウルトラ怪獣のソフビ人形かウルトラホークなどの飛行機とかが多くて、超合金もどきのロボットは希少じゃないでしょうか?

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19
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