Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
二人の英雄の戦いが 今ここに始まる・・・
銀河英雄伝説の視聴にあたって
(視聴とレビューの方針を1作目の「螺旋迷宮」に代表して記載しています)
https://www.anikore.jp/review/1475830/
【銀河英雄伝説の時系列】
(1) 「螺旋迷宮」
(2) 「白銀の谷」
(3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
(4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
(5) 「黄金の翼」
(6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
(7) 「朝の夢、夜の歌」
(8) 「千億の星、千億の光」
(9) 「第三次ティアマト会戦」
⇒(10)「わが征くは星の大海」
(11)「汚名」
本編 第1話「永遠の夜の中で」
※ 「新たなる戦いの序曲」
この物語は、「第四次ティアマト会戦」が描かれています。
この作品が航海されたのが1988年2月で、先に視聴した「黄金の翼」の航海が1992年12月・・・
こちらの方が古い作品という事になりますが、両者を比較しても古さは感じられません。
むしろ、「黄金の翼」はキャラデザが異なり声優さんも総入れ替えとなっていましたが、こちらはこれまでの外伝の流れをそのまま踏襲しているので、より入りやすいと思います。
この会戦をラインハルトは大将で、ヤンは准将で臨む事になりました。ラインハルトはようやく一個艦隊を指揮できるようになっていましたが、ヤンは准将なので戦略を具申しても聞き入れてもらえないのが実態でした。
それにしても・・・新進気鋭の若手が疎まれるのは世の中の風潮なのでしょうか・・・^^;?
確かに異端に見えるのかもしれません・・・でもそれは、物差しの尺度が自分を基準にしているからにほかなりません。
異端に見える・・・という事は、逆に自分より優秀である事を認めてしまっている事だと思えて仕方ありません。
「年功序列」最近はあまり耳にしなくなりましたが、未だこの体勢が根強く残っている企業があるのかもしれません。
もしそうだとすると・・・残念に思えます。何故なら若手がどんなに頑張っても、どんなに成果を上げても会社はそれを評価しないという事ですから・・・
これでは若手のモチベーションが上がらないのも当然です。
頑張ったら頑張った分だけ評価され昇進にも反映される・・・この成果主義が企業の発展には一番だと思います。同期で差が付くかもしれない・・・先輩後輩の関係が逆転するかもしれない・・・でも、その人より自分はどれだけ頑張って成果を上げたのか・・・胸に手を当てて考えてみれば答えは自ずと出てくると思います・・・
150年もの間・・・300回もの戦争を重ねてきた理由がこの風潮にあるような気がします。
従来の考え方や実績にばかり固執し、新しい風を取り込もうとしない・・・
従来や実績を軽んじている訳ではありませんが、それだけだと進歩がありません。
「研究開発をしない企業は衰退する」という事を聞いた事がありますが、新技術や新規分野の開拓が企業にとって不可欠であるように、帝国軍や同盟軍にも同じ事が言えるのだと思います。
「第四次ティアマト会戦」では、従来の考えや実績に固執した顛末が描かれているので、気になる方は是非本編を視聴頂きたいと思います。
帝国軍と同盟軍のどちらも膠着した戦いをどう動かすのか・・・これがポイントになってくる訳ですが、この状態を打開したのがラインハルトとヤンだったんです。
でも立場上、ヤンの才覚は片鱗しか見る事ができません。それでもラインハルトにとっては十分過ぎる情報でした。
この「第四次ティアマト会戦」は、ラインハルトとヤンがお互いの存在を強く意識した戦いでもあったのです。
きっと「常勝」vs「不敗」の英雄の戦いがここから始まるんだ・・・と思うとドキドキです^^
約60分の作品でした。ここまでの道のりは正直短くはありませんでしたが、時間をかけた分の見返りは十二分にあったと思います。
ここまで視聴してきて思ったのは、少なくても外伝においてはラインハルトが主役でヤンが準主役であるという事です。物語が明らかにラインハルト寄りに描かれています。
宇宙船同士の戦いでも同盟軍の船が沈んでいくシーンの方が明らかに多かったですから・・・^^;
次は最後のOVAとなる「汚名」を視聴したいと思います。