戦国時代で妖怪なおすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの戦国時代で妖怪な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の戦国時代で妖怪なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.6 1 戦国時代で妖怪なアニメランキング1位
戦国妖狐(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (74)
199人が棚に入れました
時は永禄七年(1564年)、人の営みの傍らに闇(かたわら)と呼ばれる魑魅魍魎・妖怪変化たちが息づく戦国時代。齢200年を生きる人間好きの妖狐・たまと、縁あって義姉弟となった、人間嫌いの仙道(仙術使い)の少年・迅火は「世直し姉弟」を名乗り、人に仇なす闇・障怪(さわり)退治の旅をしていた。旅の最中、障怪退治を生業とする僧兵集団・断怪衆(だんがいしゅう)と関わった姉弟は、彼らが障怪に対抗するため、人と闇を人為的に融合した存在・霊力強化改造人間を擁していることを知る。人と闇を辱める所業に、義憤の念に駆られたたまと迅火は、その行いを糾すため、武者修行中の自称浪人・兵頭真介と、断怪衆から脱走した霊力強化改造人間の少女・灼岩と共に、断怪衆総本山へと乗り込む。姉弟たちと敵対する形となった断怪衆は、その討伐のため「闇喰い人」を自称する剣士・雷堂斬蔵と、霊力強化改造人間の精鋭・四獣将を差し向ける。

声優・キャラクター
迅火:斉藤壮馬
たま:高田憂希
真介:木村良平
灼岩:黒沢ともよ
千夜:七海ひろき
月湖:内田真礼
なう:豊崎愛生
神雲:乃村健次
道錬:稲田徹
烈深:宮城一貴
山の神:高垣彩陽
りんず:鈴木愛奈
野禅:津田健次郎
雷堂斬蔵:東地宏樹
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

【3話までの感想】3クールじっくりと闇の深さを思い知りたいです

闇(かたわら)と呼ばれる化け物が跋扈(ばっこ)する架空の戦国時代を舞台に、
人間好きな妖狐・たま、人間嫌いで闇(かたわら)になりたい仙術使いの迅火による、
人に仇なす闇(かたわら)・障怪(さわり)退治の旅などを描いた、
水上 悟志氏による同名原作コミック(未読)の連続アニメ化作品。

水上氏が脚本した1クールアニメ『プラネット・ウィズ』にせよ、
2クール・アニメ化作品で作画が酷いと呆れられた『惑星のさみだれ』にせよ、
私にとって、水上氏関連作品は、巨視的に人間を捉え心理を掘り下げることで、
私の心の養分となる糧を与えてくれる貴重な存在。

よって今回のアニメ化も、私は放送を心待ちにしていました。
この原作コミック、私は知らなかったのですが、
各アニメスタジオの棚に結構並んだりしているアニメーター界隈でも映像化待望の作品だったそうで。

当初、原作の「世直し姉弟編」「千魔混沌編」の主人公交代しながら展開する二部構成を回想も駆使しながら2クールに押し込む計画だったとのことですが、
それでは収まりが悪いと制作・WHITE FOXの社長判断で3クールに変更したとのこと(※)

この冬アニメは商業的成功よりも、視聴者に気軽に消化されるだけじゃ済まさない。
作り手としての矜持を示すといった感じのクセ強な作品も散見されますが、
本作はその最たる物。


これまでの水上作品は水上氏自身がシリーズ構成・脚本を手掛けて、
独特のリズムが乱調のリスクもはらんでいましたが、今作では花田 十輝氏が担当。
花田氏は、リミッター解除され、痛々しい人の心の闇の描写まで振り切れば、名手として真価を発揮する脚本家なので、その点もプラス要素。

そして何と言っても劇伴・エバン・コール氏。
『ヴァイオレット~』『~フリーレン』のピアノとオーケストラだけでなく、
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、アニメ版『わた婚』で和楽器アレンジへの対応力も知る身としては発表された時から悶えるくらい楽しみでした。


で、初回から3話まで観て。
早速、{netabare} 貧しい民を誑(たぶら)かして霊力改造人間に貶める障怪(さわり)退治の僧兵軍団・断怪衆(だんがいしゅう){/netabare} という下衆の極みのアジトに殴り込みに行く ハードな展開。
史実でも架空でも戦国坊主共は喰えない連中ということなのでしょうかw

その下衆に見える言動すらも、見る角度を変えれば必ずしも絶対悪とは言い切れない。
典型的な巻き込まれ型主人公視点の浪人・兵頭真介を通じて、
視聴者も未だ思索したことのない仙道と闇の世界という、
未知の領域へ誘われ価値観を拡張される。
序盤からスケール感のある水上作品の醍醐味は堪能できています。

作画もバトル比率が高く、動きが多いアニメーションをWHITE FOXがCGも交えながら無難に処理。
ただ、メインはあくま心情描写で、高作画カロリーのバトルアニメで圧倒するまでは行かない印象。
これから分割なのか連続なのかは分かりませんが、全3クールの長丁場。
スタッフも私も嚙み応えのある戦国奇譚にバテないように完走したいと思います。


【参考文献】※「月刊ニュータイプ」2024年1月号

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

なんともドメスティックな物語…。水上作品はいつもこれだよ…。

 最終話(13話)まで観ました。2024.04.06 

 1期目終了です。連続2クール2期は7月からだそうです。しかし…、惑星のさみだれもそうでしたが、兄弟喧嘩や親子喧嘩で周りの人々を巻き込んでバトルするんですよねぇ…。

 どうしても、身内で争っている感が強く、素直にバトルを楽しめません。そして、無意味に他人キャラが死亡するという…。

 楽屋オチバトルに何で付き合ってやらなぁあかんのか?一回疑問に思うと駄目ですねぇ…。タマとビッチママの話なんてどうでも良いのだ!

 マイナー紙ではウケるのかもしれませんが、一般人向けでは全く無い様です。みんな騙されているですぅ…。折角の戦国時代なのに、もっと何とかならんのか?

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 10話まで観ました。2024.03.14

 う〜ん…。コレ、本当に原作人気なんですか?過大評価じゃね?熱狂的なファンがいるのかな?世界線が異なる特異点で人気がある様な話ですねぇ…。所詮マイナー紙連載か。

 山の神のもとで修行したり、ロリが新規に仲間になったり、龍と戦ったりしますが、何をダラダラやってんの?後2クールもこの調子なんですか?

 昔のドラゴンボールや、キン肉マン等の水増しアニメを観ている様な感じです。クリリンがアウアウ言ってるうちにAパート終了的な…。

 こんなに内容の薄い話に付き合っている暇のある視聴者なんて現代日本にいるんかいな?

 コレでエエんか?本当に?と言う感想しかありません。マイナー原作を人気がある様に装う詐欺組織でもいるんかいな?本当に謎やで!
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 7話まで観ました。2024.02.22

 馴れ合い茶番バトルの末に、雑にメインキャラを退場させおった!?なにコレ?何が起きている?8話で復活するのかな?

 断怪衆とのやらなくても良い喧嘩がまだ尾を引いています。もう、詫びを入れて許してもらえよ…。小指位でOkそうですが…。

 これ、本当に原作人気なの?惑星のさみだれも作画が悪かったんじゃなくて、神作画でも結果同じだったんじゃね?ギャグっぽいのに人が死ぬ系はちょっとなぁ…。

 原作が古いのか?このノリで3クール?損切りするなら今ですよ〜と、ゴーストの囁きが聴こえてきそうです。
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 5話まで観ました。2024.02.09

 単純な妖怪バトルにはしたく無いんだよ〜!と、言うのは分かりますが、迅火さん…、龍にびびり過ぎじゃね?こいつは結局、弱い奴には強い的なキャラなの?

 良くこんなんで断怪衆に喧嘩売ったな〜。妖狐のたまは他人事みたいな感じだけど、お前も当事者だろ?

 結局、龍から逃亡するために旅に出るって、何がしたいのかな?作画は良いので惑星のさみだれほど、酷くはないですが、結局茶番バトルをするのかな?

 3クールこれに付き合うのか〜。たま陣営の目的も世直し+仙人化+自分探しと、盛りだくさんの割には曖昧なので、もう5話で俺達の戦いはこれからエンドでも良い様な…。

 私、これからの主人公達の旅の行く末を想像するとゾクゾクして、視聴する気力を失いそうです。

 これから面白くなるのか、原作ファンに教えてもらいたいです。
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 初回観てのレビューです。2024.01.16

 同作者のプラネットウィズ、惑星のさみだれが、世界系すぎて合わなかったので、どうかと思いましたが、結構面白くなりそうです。

 戦国時代が舞台ですか。良いですねぇ。自力救済の殺し合い上等の世界ですが、弱いながらも一応全国的な秩序がある時代なので、物語が作りやすいです。

 古代みたいに話も通じない異民族的な勢力が割拠しているより、馴染があります。

 ただ、有名大名とか出てくると一挙に嘘臭くなるので、塩梅は難しそうです。

 単なる妖怪バトルの犬夜叉みたいになってもアレですし、バランス感覚を保って戦国時代を描き切れるか、今から楽しみです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

うーん、まあ悪くはないですが

水上悟志と言えば惑星のさみだれの人というイメージで。
まあアニメは不幸なことになってしまいましたが漫画は良かったのですよ。

というわけでこの人か、とは思ったのですが…。
どうなんでしょね。1話だけ見る限りでは… 普通ですね。

いや全然悪くはないのですが、特に良いわけではない普通のバトル物としか。
うーん、まあ普通。

特にキャラが気に入ったわけでもないです。

それだけなのでしょうか?

どうなんでしょうね。一応作者を信じたいところですが…。
まあ見たいにしておきますけれど、どうするかは考えます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 0

80.5 2 戦国時代で妖怪なアニメランキング2位
どろろ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (532)
2195人が棚に入れました
時は戦国時代、武⼠の醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、⽣まれて来るわが⼦の体を⻤神に与えてしまう。そうして⽣まれた⼦供は、命以外すべての⾝体を奪われており、川に流され捨てられてしまう。時は流れ、戦の世を旅する少年・百⻤丸。実は彼こそが、魔物に体を奪われた⾚ん坊の、成⻑した姿であった…。

声優・キャラクター
鈴木拡樹、鈴木梨央、佐々木睦、内田直哉、千葉翔也、大塚明夫、中村千絵、麦人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

原本のエキスを感じられるリメイク

原作は読んでないんだなあこれが…


原作者は説明不要の漫画の神様。1969年(昭和44年)アニメのリメイクです。
制作会社に旧虫プロの流れをくむ(といったらほぼみんなだけど)MAPPA。そして手塚プロ。手塚治虫から始まったアニメーションの歴史の一つの結実みたいで生き証人になった気分です。
昭和44年といえば安田講堂陥落のあった年。節目は節目でこういった世相も作品には反映はされてますね。

時代は応仁の乱近辺で、みんな大好き戦国時代へ向かう過渡期。国は乱れ各地方を治める領主の治下もジリ貧の状態。
荒れた土地そして苦しむ領民。領主醍醐景光は鬼神と取引をし、領地の繁栄と引き換えに自身の子を人身御供に捧げます。はたして産まれてきた子は体のあらゆる部分が欠損していて、ちょっくら一悶着した後に小舟に乗せて川へと流される。
その流された子が主人公百鬼丸。道中出会ったどろろと共に失われた体を取り戻しにいくというお話です。

あらすじ読んでも暗めな雰囲気は伝わってきます。敬遠される向きもあるかもしれませんが、単なる暗い話ではありませんでしたよ。
50年前の原作も前作アニメも知らずフラットに鑑賞できた上でどうだったかというと、これは当たりでした。
新しい古いは正直なところよくわかりません。しかしながら普段観てる作品とは違った描かれ方をしてるなーという部分が自分には心地よかったです。具体的には2点ほど。


■3ステップ構造

基本設定を動かせば収拾がつかなくなるもの。だいたいは“勧善懲悪”だけ。または“二つの正義”だけとどちらかに固めて動かすものではありません。最初に前者と見せて徐々に後半を見せる手法は名作ではまま見受けられます。
ここを段階つけて両方見せてきます。さらにキャラ変“同じ人でも揺れる”が入ってくる仕掛け。それでいて物語がきちんと成り立っているのでした。


STEP1 勧善懲悪
安心安全かつ分かりやすい反面深みを期待してはいけないのが勧善懲悪もの。鬼神VS百鬼丸と外面はその体裁を保ってるのが本作。
当然それだけでは終わらないわけですが、共感しやすい土台がまず敷かれることになります。
{netabare}物語は早々にSTEP2の装いを呈します。が、巡り巡ってラストは人間の善なる部分への期待へと戻ってまいります。{/netabare}

STEP2 二つの正義
互いの正義のぶつかりを上手く消化すると良作が生まれます。ところどころで表出しつつ、代表では百鬼丸と多宝丸にて描かれた本作です。
簡単に言えばよくある良作なわけなんですが、とはいっても単純な勧善懲悪よりも構造が複雑になります。ここに至るまでに収拾のつかなくなった作品なんて山ほどありますよね。

STEP3 同じ人でも・・・
“人”か“そうでない”かという指標が出てきます。「人の皮を被った○○」「畜生道に堕ちる」という文脈での二択。闇落ちという表現が妥当かもしれません。これは主要人物のみならず取り巻きや通りすがりの面々もです。
キャラ変みたいなもので同一人物でも光と闇を行ったり来たりとより複雑化。
{netabare}しまいにはお馬さんまで行ったり来たり。これ「畜生にすら…」を強烈に印象づけました。{/netabare}


{netabare}・簡略するとこんな感じかしら
-STEP1 Aは善 Bは悪
-STEP2 Aなりの正義 Bなりの正義
-STEP3 Aは善であり悪 Bは悪であり善{/netabare}


昭和一桁世代は10代で世の中の価値観が大転換しちゃったのでその影響も・・・
とまことしやかに高説をぶることも可能ですが、いややりかけましたが、シンプルに面白いのです。カオスになりそうなところを纏める手腕は原作の良さもさることながらアニメスタッフも良い仕事をされたと思います。


■分をわきまえた人たち

現代風にいえば、自由には責任が伴うですとか権利を謳うには義務を果たさなければならないですとか、そういった当たり前の感覚を身につけている人たちしか登場しません。
似たようなのに、「ほんとうの悪人が出てこない」がありますがちょっと違います。

 分をわきまえている

のです。派手なキャラ、尖ったキャラ、突出したキャラはいません。そこが良い。
それでいてキャラが誰が誰だかわからんということもなく、じわじわとくるのです。地味なの嫌いでなければたぶん大丈夫ですよ。

{netabare}・例えばこんな人たちかしら
1.お須志(第4話)
再会を心待ちにしてた兄を斬られたわけですが百鬼丸に恨み言一つぶつけないんですよね。兄を想う気持ちと兄の起こした所業とを天秤にかけるような描写すらありません。ただただ受け止めます。兄がやらかしたことを重々承知しているからです。
涙を流しながら「どうして?」と百鬼丸にすがる演出よりも彼女の悲しみがより伝わってきました。

2.ミオ(第5話~第6話)
どろろに仕事の内容がばれた時に、言い訳するでも口止めするでもありません。賤業であることを自覚しそれでもなお希望を失わず。
恥ずかしさに取り乱すなり開き直るなりの描写ではないため、より彼女の諦めの深さが伝わってきます。人としての誇りを失ってないこともわかります。どろろの返しもまたいいんですよね。

海軍大将で日露戦争の勝利に貢献しのちに総理大臣も務めた山本権兵衛。渡辺崋山や高野長英などを弟子に持つ松崎慊堂。いずれも奥さんは元遊女です。
職業に貴賤はありません。そして職業や身分よりも、その人物が、人として尊敬できるかどうかや、人としての矜持を失わずに生きているかどうか、そういうことを大切にしてきたのが日本人です。ミオはそんな人でした。{/netabare}



“3ステップ構造”そして“分をわきまえた人たち”
このへんを「アニメでは珍しいな~」と感じながらの視聴でした。地味ながら見応えのあるお薦めの良作です。


最後にどろろ…
本業声優ではない14歳の子役の方が演じられてますが、めちゃくちゃ巧かったと思います。
アニメ声が出るとかいう話ではなく、子供の喜怒哀楽がストレートに伝わってくる名演。演者は鈴木梨央さん。ハマリ役でした。
全体通しての展開や役回りからタイトルが“どろろ”であることに違和感がない全24話。難しい役どころだったと思います。お疲れ様でした。



※余談
其の一
『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険』そして『どろろ』と、シリーズ構成を小林靖子さんが手がける作品にお世話になりっぱなしです。

其の二
足利義教がけっこう好き ※作中には出てきません

其の三
自分の親父が借りてきた『忍風カムイ外伝』を少年期に観てた私にとってはややダーク感は薄いと感じる



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視聴時期:2019年1月~6月



2019.07.14 初稿
2019.07.22 修正
2020.01.28 追記

投稿 : 2024/11/16
♥ : 60

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

原作旧シリーズとは違う

なかなか感想を投稿せずに今まで来ました。

この「どろろ」は私は原作の大ファンでした。初めて読んだのは中学生の時で、文庫版のコミックは黒ずむほど読み込んだ記憶があります。私もいじめられたことがあったので、百鬼丸やどろろが差別を受ける場面に、非常に惹かれたのでした。その後旧シリーズのアニメ上映会を見に、東京まで上京したこともありました。当時は再放映禁止措置が取られていたのです。そして近年実写化され、そのDVDも買い込みました。その頃には以前ほどのめりこんではいませんでしたが、やはり「どろろ」は私のフェイバリットな作品で、格別の地位を占めていました。その「どろろ」の再アニメ化ということで、期待しないはずはありませんでした。しかも監督は「るろうに剣心」の追憶編も手掛けた古橋監督です。期待するなというのが無理というものです。そういう心持で第一話を見ました。

第一話第二話の頃はよかったです。本当に、見たい形での再アニメ化と思いました。しかし話が進むにつれ、「何かおかしい」と思うようになりました。それは百鬼丸のキャラクターです。原作とは違うのです。もちろん旧シリーズのものとも違います。それは絵柄だけではなくて、もっと精神的なものです。百鬼丸が言葉を話せないという設定は、私にはあまりにも今風すぎると思いました。元の原作では積極的に状況に応じて話す、一人のしっかりした青年でした。それがたよりない少年のようなキャラになっている・・・。

どろろについては文句はありません。しかし百鬼丸については、放映後時間がたった今では、疑問がどうしても残ります。どうしてこんな形でアニメ化ということになったのでしょう?百鬼丸は作中差別に対して声をあげることはありませんでした。そういうテーマは、今の時代には合わないということで、切り捨てられたのです。それで果たしてよかったのでしょうか?どろろという作品にあった大切なテーマのひとつが、なくなったのではなかったでしょうか?そんなテーマは、今のアニメには必要ないものと言われるかもしれません。しかし私は古い人間ですので、「仏作って魂入れず」のように思えたのです。

作画やシナリオについては、きちんとしていた作品ですので、それについては文句はありません。しかし、物語の設定が納得できませんでした。「どろろ」はもう作り直されることはないと思います。他の媒体ではまだ続くと思いますが、アニメ化はおそらくこれで最後でしょう。それなので、私にはとても残念でした。しかし「どろろ」を今の時代に復活させてくれたという意味では、このアニメは私にとって、記念碑的作品であるのは確かなのです。最終場面で百鬼丸に駆け寄るどろろは、私の始めて原作漫画を読んだ頃から長い間願っていた、予定調和の場面なのです。それなのでアイコンにも使用しているのです。そのことには心より感謝したいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

原作が素晴らしすぎるので

正直、手塚治虫の原作漫画が面白すぎるというか、印象が強い人にとってはあまり訴求力がないアニメ化だと思う。

キャラクターデザインに「テガミバチ」の浅田弘幸さんを連れてきているので、案の定女性中心に売り出そうとしているのでしょうが、それにしてはちょっと暗すぎないでしょうか?

原作は陰鬱ながら、ユーモアを忘れずにあくまで「マンガ」を描いていた(ブラックジャックもシリアスながらそうだった。)のに対し、ちょっと真面目すぎるのかもしれません。

やっぱり漫画原作は漫画を読みましょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

73.3 3 戦国時代で妖怪なアニメランキング3位
犬夜叉(TVアニメ動画)

2000年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (577)
3552人が棚に入れました
犬夜叉と巫女・桔梗は、あらゆる願いを叶えるという「四魂の玉」をめぐる陰謀に巻き込まれ、愛し合いながらも殺し合ってしまう。そして犬夜叉は50年間、かごめが現れるまで封印された。
現代の中学生・日暮かごめはある日、自宅の神社の祠の井戸から500年前の戦国時代(犬夜叉のいた時代)へタイムスリップ。桔梗の生まれ変わりであるかごめは封印されていた犬夜叉を蘇らせ、四魂の玉を再び現世に戻してしまった。しかも玉は無数のかけらとなって飛び散ってしまった。
そのかけらを集めるために旅することになった二人。最初は嫌々だったが、二人は次第に惹かれ合っていく。だがその旅の中で、50年前、犬夜叉と桔梗を罠にかけた張本人・奈落の存在が明らかに。彼らは七宝、弥勒、珊瑚、雲母らと共に、奈落に立ち向かう。

声優・キャラクター
山口勝平、ゆきのさつき、渡辺久美子、辻谷耕史、桑島法子

弑羅魏優夜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

何回見ても面白い!これぞ名作!!

私が小さい頃放送していたこのアニメですが、最近ふと思い出して急に見たくなりました。

*物語
 現代女子高生の「かごめ」が、ある日突然戦国時代に異世界トリップしてしまい、そこで出会った犬耳少年。出会った時は封印されていた彼ですが、「かごめ」によって封印は解け、そしてバラバラに砕け散った四魂のかけらを「かごめ」と共に探すことになります。笑いあり、ハラハラあり、胸キュンありの名作です。

*作画
 この頃だと、普通の作画です。ただ時折酷い作画崩壊が見受けられます(笑)

*声優
 たまに犬夜叉が何言ってるかわからない時がありますが(笑)、皆さん有名な方です。私はこのメンバーが一番ぴったりだと思います^^

*音楽
 OP・EDもいいですが、BGMは場面によって使う楽器も違ったりして個人的にすごく好きです。戦闘時の曲はとてもかっこよく、たまにギャグシーンでもシリアス曲を使用しているときはすごく笑えます。

*キャラの評価
 作者さん、よくぞここまで素敵なキャラを揃えてくださいました!!ほんとに皆いいキャラしてます。敵は敵で超上から目線だったり、阿呆だったりで面白いです。王道が出来上がった根源と思えるくらい?

かごめと犬夜叉と桔梗の三角関係もハラハラしてて好きですが、かごめを犬夜叉とコウガで取り合う姿も好きです(笑) たまに、「犬夜叉はっきりしろよ~」とツッコミたい部分もありますが、それもこの作品の良さなのでニコニコと受け入れて見ています。毎日少しずつ見ていきたい人にオススメです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 0
ネタバレ

Zel さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

かごめは俺に教えてくれた。笑顔を、人を信じる心を。

2000年放映作品
七つの章167話

いつか観たいと思ってたアニメ
本来は長期アニメも一気に視聴して感想書くスタイルだけど、この作品は話数が多すぎる
そこでシリーズ毎に簡単にレビュー書く事にしました

壱の章 全26話
{netabare}かごめと犬夜叉が出会う
二人は四魂の玉を求め旅に出る
妖怪退治をしながら七宝や弥勒、珊瑚などと出会い仲間になる過程を描く
同時に兄であり敵でもある殺生丸、宿敵奈落ともこの章で出会い、何度か戦う場面も
キャラ設定はもろ高橋留美子色w
ツンデレヒロインと素直じゃない主人公設定でやらせたら一流だね
長編なだけあって序盤の出会いを丁寧にじっくり時間かけて描いてるから世界に没頭し易い
さてこれからどう物語が展開していくか楽しみなところだ♪
{/netabare}

弐の章 全30話
{netabare}桔梗と犬夜叉の物語が切ない。奈落と何度か闘うも決着付かず。
鉄砕牙の強化と犬夜叉が鉄砕牙を使いこなせる様になる為の修行がメイン
弥勒と珊瑚の恋仲も気になるところだ{/netabare}

参の章 全30話
{netabare}鉄砕牙がパワーアップし、それに伴い犬夜叉の力も増大する章
妖狼族の鋼牙を慕う菖蒲という女妖狼族が登場
これで恋の三角関係にも終止符か?
知らなかったけど菖蒲ってアニメオリジナルキャラなのね
正直言って同じパターンの繰り返しに飽きてきた参の章でした{/netabare}

四の章 全15話
{netabare}今回の章は1~3章までの約半分の話数。内容も本編から逸れた番外編的な話が多かった。邪見が可愛くて好きになった章だったw{/netabare}

伍の章 全24話
{netabare}七人隊篇。七人隊との戦いを描く。最初は退屈だったが、生き残りが蛮骨、蛇骨、睡骨になった辺りからは結構面白くなって来た
やはり敵キャラが魅力的だと物語も面白くなるね
ラストは奈落が復活していよいよクライマックスに向かって展開していくようだ
とは言え残りまだ40話くらいあるのか・・・{/netabare}

六の章&スペシャル2本 全34話
{netabare} 邪見:赤邪見、青邪見、黄邪見!
りん:うわー邪見様早口言葉うまーい!もう一回言って!
邪見:ヤダ
りん:えー

りん:邪見様〜♪邪見様〜♪どうしてどうして緑色〜♪
邪見:うるさい!黙っておれ!
りん:えー


駄目だこの2人のやり取りに萌えまくりだw {/netabare}

七の章 全8話
{netabare}最終章なだけあって面白かった
最後まで主人公犬夜叉チームより殺生丸一味の方が好きだったなw
中途半端な終わり方なのでここから先は完結編で楽しもう!{/netabare}

4年間に渡ってゴールデンタイムにTV放送された人気作
やっと観終わったけど長かった
途中かなりダレた感がありましたが4年分を一気に観たので仕方が無いでしょう
サンデーでの原作連載に追いついてしまっての終了の為中途半端な最終回でした
後の原作終了後に完結編で最後まで描き切っている

犬夜叉を演じるは山口勝平さん
らんま1/2の早乙女乱馬も演じてます
高橋留美子作品というイメージですが名探偵コナンの怪盗キッドなども山口さんですね

珊瑚役の桑島法子さん
古くはスレイヤーズのフィリア、機動戦艦ナデシコのミスマル・ユリアなど
最近ではヤマト2199の森雪なども演じられてます

弥勒役の辻谷耕史さん
無責任艦長タイラーのタイラーもやってます
他にもふしぎの海のナディアのエアトン伯爵など
なんか無責任な役柄が多いようなw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23

オキシドール大魔神 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

月曜日のゴールデンタイムの一角だった

当時の月曜日と言えば犬夜叉→コナン→世界丸見えと日テレゴールデンタイムが最高だった。OPはV6にELT、島谷ひとみなど豪華だったし、映像も良かったうえにSEもついていたのがさらに良かった。
キャラは主人公の犬夜叉はもちろん、ヒロインのかごめ、兄殺生丸に元恋人の桔梗、風穴の弥勒に巨大ブーメランの珊瑚、狼の足が速いやつに、奈落になんとか七人衆の敵キャラまで個性があって良かった。まあ奈落は引っ張りすぎたとは思ったが。
勝平や雪野をはじめ、声優もなかなか豪華。
鉄砕牙のバリエーションと必殺技のロマン感と言ったら、当時はかなり興奮したのを覚えている。一番好きだったのは金剛そうはで、終盤はアニメオリジナルだったが、最後に、普段は横凪ぎに振るう金剛そうはを縦振りで放ったのだけは良かったと記憶している。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

64.3 4 戦国時代で妖怪なアニメランキング4位
半妖の夜叉姫(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (183)
421人が棚に入れました
幼い頃、森の火事に巻き込まれ、離ればなれになった双子の少女、とわとせつな。とわは、時代樹の時空を越えるトンネルをくぐり抜け、戦国時代から現代へとタイムスリップ。かごめゆかりの日暮家の娘として育てられ、武道に長けた女子中学生に成長した。一方、戦国時代に残された妹のせつなは、妖怪退治屋のお頭となった琥珀の下で妖怪退治を生業にしていた。もろはは、かごめと犬夜叉の娘。賞金稼ぎとして「化け殺しのもろは」の異名を取り、やはり妖怪退治に明け暮れている。とわとせつなが別れ別れになってから、10年。時代樹の時空を越えるトンネルが再び開かれた。現代に現れたせつなと再会するとわだったが、せつなは何故かとわのことを忘れてしまっていた。せつなと共に、現代にやって来たもろはも加わり、とわたち「半妖の夜叉姫」が、現代を、そして戦国時代を、縦横無尽に暴れ回る!

声優・キャラクター
松本沙羅、小松未可子、田所あずさ、木村良平、浦尾岳大、ファイルーズあい

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

これは確かに、間違いなく『犬夜叉』の続編…。

第4話まで観た時点でこのレビューを書いています。

『犬夜叉』は高橋留美子作の漫画が原作でアニメ化されていますが、本作は漫画原作があるわけではなく、そういう意味では『ドラゴンボール』に対する『ドラゴンボールGT』みたいなポジションの作品でしょうか。

『犬夜叉』同様に「現代」と「戦国時代」が舞台になっているようで、時系列的にはそれぞれの時代について『犬夜叉』の後になっていて、たとえば現代ではかごめの弟の草太は成人して娘がいますし、戦国時代でも弥勒と珊瑚の間に双子の娘がいたりします。

1話毎のOP主題歌→提供→タイトル→本編A→本編B→ED主題歌→予告といったフォーマットや使用BGMなどもアニメ『犬夜叉』から継承されているようです。

放送日時に見合った、普通に子供向けのアニメ作品だと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

魔法天使ミク さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

素晴らしいとは言いにくいが面白かった

犬夜叉のファンと言えるかどうかはわからないけど、本編/完結編200話近くのアニメ自分は3周回全部見た…まぁ、結構好きだね。

原作ほどの面白さは、恐らくなかったね。それでも、いろんな制限が付くのを前提として作り出した作品としては、私は悪くないと思ってる。
例えば、主役の姫ちゃんたちは弱すぎて、妖怪も弱すぎと言われて…でもな、設定をちゃんと覚えるならば、犬夜叉は初登場の時で150歳(封印されたときを除いて)、殺生丸は軽く300歳を超えたね。それと比べて姫ちゃん達は14歳…あの時の犬と殺ちゃんと同じくらい強いのほうが、むしろずっと不合理なことです。でも、勿論弱けりゃそんなに面白くない。何百年も経ったら強くなるだろうが、それで本編の人間達が全部死んでて話にならん。
だから、娘たちの続編を書くには、簡単なことじゃないと思う。

いい点としては、本編よりは伏線が多く、本編の一直線のストーリーと比べるとこっちのほうが頭を動かすことが必要。悪い点ならちょっと多すぎて回収しきれない所かね(笑)

キャラの性格については確かにちょっとダメかもしれないね。特に永遠…14歳の女の子としては当然かもしれないが、冒険アニメの主人公としてはちょっと甘すぎなところがいろいろ出ている。令和のガキの性差別思想にも気になる。彼女とリクのロマンス(?)も雑すぎ。私は姉妹派けどさすがにこんなアニメに百合を期待していない。それでもな、もっといい描け方があると思う。

とりあえず二期には期待している。

……作品へのコメントはこんなところだが、ネット中に殖えてる暴言については極めて残念と言わざるを得ない。
本編への冒涜、それは絶対ないと思う。むしろ突っ込む所も受け継いだと。
最終回の戦闘、なんで宇宙に飛ばしたの?いやそれは冥道だね。冥道の中に訳わからん宇宙天体が現したのは犬夜叉の完結編の時からですよ?それと本編の最終回、冥道に吸い込まれたのになぜか四魂の玉の中に閉じ込めた…それこそ夜叉姫の最終回よりもずっと意味不明のところでしょ(笑)
本編で四魂の欠片を無くすと戦国に戻れないことがはっきり描いたんだけど、なぜか奈落に取られたあとも普通に現代と戦国を往復してたし
叢雲牙を持つかつ冥道残月破ももってる犬の大将が、たった一撃の爆流破で倒した竜骨精との戦いで大怪我を負ってその直後人間との戦いで命を落とした…神無は何故か意味が全然合ってない和歌を詠ってたことも…深く考えると、正直不合理的な点が夜叉姫より原作の犬夜叉のほうがずっと多いのことだけは、言い切れる。3回も見たしね。でも面白かったし(笑)

20年も経って、あの頃子供だった私たちも大人になって、評価も厳しくなったかもしれない。でも夜叉姫はそんなことをさて置いて、悪くない作品だと。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「過去と現代を駆けろ、未来(あした)を変えろ。」

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
ですが、この作品の前編である「犬夜叉」が未視聴なので、物語のいきさつ、背景や設定に至るまで、まるで分からないことだらけ…

だから、視聴する前はこの作品を楽しめるかが正直不安でした。
分からないところは分からないなり…という見方しかできませんでしたけれど…
今回も声優さんに救われた気がします。
みかこしや田所さんが出演されていましたし、とわ役を演じた松本沙羅さんは、「この音とまれ!」の来栖妃呂役を演じられた方だったんですよね。
だから結果的に不安は杞憂でした…^^;


戦国時代に新たなる風! 半妖の姫たち、見参!
運命は次の世代に託された—— 。

とわ、せつな、もろはは、妖怪と人間の血を引く半妖の少女たちだ。

幼い頃、森の火事に巻き込まれ、離ればなれになった双子の少女、とわとせつな。
とわは、時代樹の時空を越えるトンネルをくぐり抜け、戦国時代から現代へとタイムスリップ。
かごめゆかりの日暮家の娘として育てられ、武道に長けた女子中学生に成長した。

一方、戦国時代に残された妹のせつなは、
妖怪退治屋のお頭となった琥珀の下で妖怪退治を生業にしていた。

もろはは、かごめと犬夜叉の娘。賞金稼ぎとして「化け殺しのもろは」の異名を取り、
やはり妖怪退治に明け暮れている。

とわとせつなが別れ別れになってから、10年。
時代樹の時空を越えるトンネルが再び開かれた。
現代に現れたせつなと再会するとわだったが、せつなは何故かとわのことを忘れてしまっていた。

せつなと共に、現代にやって来たもろはも加わり、
とわたち「半妖の夜叉姫」が、
現代を、そして戦国時代を、縦横無尽に暴れ回る!


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
高橋留美子さんらしい作品だと思いました。

殺生丸や犬夜叉の事はさっぱり分かりませんでしたが、それでも楽しめたのはこの作品が一つの作品として独立しているから…

それに、とわやせつな達は親に会えないことを悲しいと思っている節は見えませんでしたし、何より次々事件に巻き込まれるので、そんなことを考えている余裕すら無かったのかも…
そもそも殺生丸や犬夜叉に対して肉親であるという感情が少し希薄に感じた気すらします。
この辺りが、この作品が独立していると思えた理由なのかもしれません。

寧ろ、とわにはもっと叶えたい願いがありました。
せつなが、とわを忘れた元凶を取り払って、昔の仲睦まじい姉妹に戻りたいという願いです。
手がかりだって掴みました。
霞みの様な手がかりですけれど…^^;

そして田所さんが演じたもろはは、とわやせつなと違い明朗快活な女の子でした。
犬夜叉の娘らしいのですが、私は犬夜叉自身を知らないので何をどう受け継いでいるかは分かりません。
生業としている賞金稼ぎで、あまり稼げてなくても決してめげないところは好印象でした。

とわとせつなが兎に角真逆な部分だらけなので、もろはが良い緩衝材になっていたと思います。
ずっと仲良し3人組で暮らしていくんだとばかり思っていました。
とわの願いが叶い、賞金稼ぎの暮らしは決して裕福とは言えないけれど、3人が一緒ならそれで良いじゃない…
そんな未来が来るのを願っていたのかもしれません。

だから終盤の急転直下の展開には声もありませんでした。
どうしてこうなるのかなぁ…
こんな展開…誰が喜ぶんだろう?
覚醒のきっかけと呼ぶにはあまりにも代償が大き過ぎです。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、SixTONESさんの「NEW ERA」と、NEWSさんの「BURN」
エンディングテーマは、Uruさんの「Break」と、緑黄色社会さんの「結証」

2クール全24話の物語でした。
物語が途中でブツ切りとなる形で終幕しましたが、弐の章の制作が決定したとのことです。
公式サイトには弐の章の制作決定の記事に以下のコメントが記載されていました。

戦国の世で、夜叉姫たちが再び暴れまわる!! 
夜叉姫たちは一番守りたいモノを守り切れるのか——。

このままじゃ終われませんよね。
是非とも守り切って下さいよ。
奇跡の逆転満塁ホームランを期待していますので…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

64.3 5 戦国時代で妖怪なアニメランキング5位
映画 犬夜叉 時代(とき)を越える想い(アニメ映画)

2001年12月15日
★★★★☆ 3.6 (29)
335人が棚に入れました
高橋留美子の人気コミック(週刊少年サンデー連載)がTVアニメ化に続いて、ついに劇場映画化。戦国時代にタイムスリップした少女かごめと妖怪・犬夜叉のコンビが、大陸から攻めてくる妖怪軍団に立ち向かう。物語は原作を離れた完全オリジナル・ストーリーで、大陸妖怪軍団の首領・瑪瑙丸など新キャラクターも登場する。 15歳の誕生日に境内の井戸から戦国時代にタイムスリップした日暮かごめは、半妖怪・犬夜叉の封印を解いてしまう。こうして出会った二人は、妖力を秘めた“四魂の玉"のかけらをめぐって邪悪な妖怪たちとの戦いを繰り広げていく。だが新たに現れた大陸妖怪軍団の首領・瑪瑙丸の狙いは“四魂の玉"ではなく、犬夜叉が持つ鉄砕牙と呼ばれる剣だった。瑠璃と玻璃の美少女妖怪を従えた瑪瑙丸は、実はかつて犬夜叉の父と死闘の末に封印された過去を持っていたのだ。そして犬夜叉とかごめが出会った御神木にも隠された秘密が存在していた……。

くろゆき* さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

この世に迷いなき者 一点の汚れもなき者などいるのでしょうか。

最初は四魂の玉が砕け散るシーンから始まりました。何を今更と思っていたら、その砕け散った
破片のひとつが、ある薄暗い森の奥に落下します。と、大きな木から人型の妖怪がずるりと
落ちてきました。この四魂の玉のかけらが力を与え、眠っていたその妖怪を目覚めさせたようです。
それは言います。「封印を解くためには破滅の牙が必要だ」と。
と、そこからさらに二つの人影が矢のように尾を引きつつ夜空へ消えていきました。
 どうでもいいですが、ヤロウのはだかをドアップで映さないで下さい。かといって女ならいいと
言うものでもありませんが。

 とある田園を歩く殺生丸。そこに先ほどの影が飛び掛りますが、ほんの一払いで軽く撃退されて
しまいました。これが実はのちのち弥勒と珊瑚を苦しめた二人なのですが、それを大した苦労もせず
撃退するのですから、流石は殺生丸。よっ女殺し!(それは誉め言葉ではない)
 実は殺生丸の腰にさしていた剣が「破滅の牙」ではと思ったようなのですが、どうやら違うようです。
妖怪は影に命じます。
「これではない、別のところにある」

 画面は変わって現代。かごめちゃんが何と片手で卵をらくらく割っています。今時主婦でも卵の片手
割りはどうかというのに、伊藤家の裏技も使わずなんなく割ってます。そこまでうまいなら料理もうまかろ
うと思われるのですが、フライパンを熱しすぎて白い煙が立ち昇ったり、慌ててとき卵に砂糖を入れて
いたりと手順が悪いことこの上ありません。
 しかし驚くべきはその熱しすぎたフライパンで作った卵焼きがまったく焦げなかったことです。日暮
さんちのフライパンは今ハヤリのこげないフライパンを使っていると推測されます。しかしあれはフッ素
加工のため、白い煙が出るまで熱してしまうと毒ガスが発生するのですが、こんなところで死にそうな
目にあったら今回の敵の立つ瀬がなくなるのでそれは無視されたようです。

 さて、おいしそうなお弁当が出来上がり、じいちゃんが伸ばした手を撃退しつつかごめちゃんは戦国
時代へ向かいます。そんなに飛び跳ねたらお弁当の中身はグチャグチャだろうと思うのですが、真空
パックにでもしているのかまったく平気です。井戸を潜り抜けると、駅にチャリを置いている通学生の
ようにそこにあった自転車に乗って颯爽と走り出しました。

 一方犬夜叉達はというと、大きな妖怪と格闘の最中です。弥勒によると「大陸に生息するさそりという
妖怪」とのこと。素早く動き回る上に、ハサミと尾が彼らを狙い、大苦戦です。四魂のかけらを取り出し
さえすればいいのですが、そのありかがわかるかごめちゃんはのん気に自転車をこいでいる最中です
から、もう少し戦わなくてはなりません。というかかごめちゃんが戻ってくるまで井戸のあたりにいれば
いいと思うのですが、ここは本編の伏線となるところですから、大さそりもはりきって暴れまわっています。
 きららももちろん応戦しています。サソリの尾が前足を掠めたにも関わらず飛び掛っていきます。弥勒
はあまり役に立ちません(失礼)。落ちてきたさんごちゃんを抱きとめてお尻をなで、平手打ちをくらって
います。

 やっとかごめちゃんがやってきました。四魂のかけらが尾の先にあることを見抜きます。尾を切り落とす
犬夜叉。まってましたとばかりに弥勒が風穴に吸い込み、かけらも手に入れました。
 さあここでランチタイムです。かごめちゃんの作ったお弁当が広げられます。
 「かごめ様の作られたものでしたらどんなものでもありがたいことです」
 弥勒が余計なことを言って睨まれています。
 七宝ちゃん(一応今までも画面内にいました)がたこさんウィンナーをおいしそうに食べています。が、
何故今回に限って律儀に(犬夜叉含め)箸を使っているのでしょうか。
 やっぱり犬夜叉と、卵焼きを取り合うことになり、拳にものをいわせた犬夜叉にとられてしまいました。
「子供相手に大人気ない」となだめる弥勒ですが、たこさんウィンナーに箸を伸ばしたら七宝ちゃんとかち
合い、「何かを訴える子供のまなざし」攻撃(ばーいクレヨンしんちゃん)に、たこさんウィンナーを譲ることに
しました。
 かごめちゃんは自信作だった卵焼きの感想を犬夜叉に聞きますが、犬夜叉は「それよりもあれ、ねーのか」
と倦怠期を迎えた夫のごとく無視してリュックサックをごそごそ。カップラーメンを取り出します。
 お湯沸かそうぜという犬夜叉に対してかごめちゃんは、「おすわりおすわりおすわりおすわり…」と「ファン
カーゴ」のCMの人も真っ青な早口で唱えて立ち去ってしまいました。
 地面にめり込むどころか埋まってしまった犬夜叉を前に、弥勒は「今までで一番強烈なおすわりでしたな…」
とつぶやくのでした。

 しかしそんな彼らを見つめる影がありました。よみがえった妖怪です。妖怪にはストーカー法は適用され
ないので、物陰から見放題です。
 どうでもいいですが、彼の風貌を見る限り蛾の妖怪のようですが、そこら中に蛾をはびこらせて、リンプンで
窒息死したりしないのでしょうか。それでなくとも蛾の一生は短いと思うのですが。これで最後火が弱点
だったりして、「飛んで火にいる夏の虫」というのがオチだったら笑えますが、これは落語ではないので
ちゃんと戦うと思います。

 一方かごめちゃんは、大さそりとの戦いでガタガタになったチャリに乗りつつ森へ。壊れた自転車はとても
危険なので乗ってはいけません。
 そこには、何かの気配を悟ってやってきた桔梗がいました。相変わらずこの人、職業「死人」のままのよう
です。
 あわてて隠れるかごめちゃん。ところが自転車を倒してしまったので隠れるも何もありません。この音が
聞こえないのは志村けん扮するひとみばあさんくらいです。
 かごめちゃんがそおっと顔をあげた時、桔梗の姿は消えていました。

 場面は切り替わって弥勒とさんごに。きららが先ほどのさそりの毒にやられたようです。と、突然きららが
さんごの腕から飛び降りてどこかへ走り去ってしまいました。慌てて探す二人。
 森の奥へ入って行くと何やら顔色の悪そうな今時コギャルでもやらないメイクのお姉さんが2人。きららを
その腕に抱いています。
 弥勒は近づいて言いました。「私の子を産んではくれまいか」
 さんごちゃんの飛来骨がものの見事に弥勒の脳天にヒットしました。よく考えたらこれで妖怪を簡単に
吹き飛ばしているのですから、弥勒の頭には鉄板が入っているに違いありません。
 2人は言います。「この子の手当てはしておいた」
 さんごちゃんはお礼を言ってきららを受け取ろうとしますが、きららの様子が変です。突然さんごちゃんに
牙をむきました。
 驚くさんごちゃん達に「きららは我々がもらう」と2人。その姿がさらにきっかいな衣装に変わりました。
 同時に、さんごちゃん達に木のつるがからみつきます。足元からはさそりが。
 
 そう、あの大さそりも元々この妖怪達がよこしたものでした。その毒に触れたものを仲間にしてしまうの
です。この妖怪達の名前は瑠璃(るり)と玻璃(はり)。大陸から来たそうですが、思い切り日本名なのは
どう解釈すればいいのか悩むところです。もちろん今回の敵であり、2人のボスである瑪瑙丸などは、
丸がつく限り日本の妖怪じゃないのかと突っ込みたくなるのですが、突っ込んだところで撃退できるわけ
でもないので静観することにします。
 さんごを助けようと弥勒は風穴を開きさそりを吸い込みはじめます。そこへ瑠璃が「この時を待っていた」
と、弥勒の風穴を自らの手に模写してしまうのです。
 早速瑠璃がその風穴でさんごちゃん達を吸い込もうとした時、1本の矢が彼女らを追い払います。
かえでばーちゃんでした。
 変な気配がしたからやってきた、と七宝ちゃんの変化した馬に乗ってきたようです。ばーちゃんは牛だと
思っていたようですが。

 さて犬夜叉は。
 かごめにガツンと言ってやらなければ気がすまないと言いつつ探しています。
 かごめちゃんはというと、桔梗が立ち去った場所そして今いる場所が、初めて犬夜叉と出会ったあの
ご神木の前であることに気がつきます。犬夜叉が刺さっていたその場所に手を当てているうち、矢の
めりこんでいた穴に何か光るものがあることに気がつきました。それを取ろうとして指を切ってしまうかごめ
ちゃん。
 そこに犬夜叉が飛んできました。かごめちゃんが手を切っているのに気がつくと、懐に入れていたかごめ
ちゃんのハンカチを裂いて指に巻いてあげます。行為自体はとても素晴らしいのですが、人のハンカチで
やってしまうのが犬夜叉らしいところです。
 そしてさんごちゃん達と合流しようと帰りかけた時。
 蛾のリンプンが降ってくるのに気がつきます。
 それとともに現れた瑪瑙丸。さしずめ、歩く公害といったところです。
 犬夜叉はかごめちゃんに「息をとめていろ!気を失うぞ」とムチャなことをいい、自分は戦いに。
 
 瑪瑙丸の構えがどうも変だと思ったら、冥加じーちゃんが「大陸の妖怪」と解説してくれました。元が
昔日本に攻め入ってきた時に、どさくさにまぎれてやってきた妖怪らしいです。元の戦いって、元寇つまり
カミカゼというヤツですか?なるほど、日本の歴史の勉強にももってこいですが、テストとかで元寇の戦いで
「何故元は敗北したのか」の問いに「日本の妖怪が大陸の妖怪を追い返すために戦っていたから」と
日本中で1人くらいは書くやつがいるに違いありません。
 ともかく、犬夜叉が使う日本の抜刀術と違い、向こうは刀も太刀でありそもそも拳法との合体技ですから
なかなか難しいところです。確か日本の抜刀術は刀の構えから死角が出来るため、そこをつかれたら
ひとたまりもありません。
 そしてとうとうかごめちゃんは我慢の限界に達し、息とともにりんぷんを吸い込んで倒れてしまいました。
犬夜叉も瑪瑙丸の一撃を食らい倒れました。
 ここまでは少年漫画映画の定番です。
 瑪瑙丸は、ある封印を解くために鉄砕牙が必要だったのでした。
 地面に刺さった鉄砕牙を抜こうとしますが、結界が張られていて掴むことすら出来ません。
 彼はかごめちゃんに目をとめ、彼女を連れ去ったのでした。

 犬夜叉が気がつくと、心配そうに七宝が覗き込んでいました。
 かごめがさらわれたことに気付き慌てる犬夜叉。手当てをしてくれた七宝に一言のお礼もなく、かごめ
を救い出しに向かいます。
 一方かごめちゃんは。
 木のつるでしばられ気を失っている彼女に、玻璃が瑪瑙丸からもらった四魂のかけらを埋め込んだ勾玉
を額に取り付け、体の中に潜ませます。
 目を覚ましたかごめちゃん。気丈に矢をつがえます。そこへさんごちゃんと弥勒が駆けつけてきました。
 せまい室内(というか木の中)は大変です。
 犬夜叉もやってきました。
 ここで何故か瑪瑙丸は余裕たっぷりの表情。

 単純オバカな犬夜叉は瑪瑙丸の挑発に乗って、鉄砕牙の一撃を放ちます。しかしそれは、瑪瑙丸の
狙い通り封印を解いたのでした。
 その封印とは。
 瑪瑙丸は「飛妖蛾(ひようが)」という一族であり、封印されていたのはかつて犬夜叉の父と戦った瑪瑙丸
の父の力。つまりそれを吸収しようとしていたのです。どうでもいいですが、映画中「ひょうが」「ひょうが」と
連呼されて、まるで私が悪のボスのようで困りました。
 天井が崩れ始め、慌てて逃げるかごめちゃん達。

 封印はぐんぐん小さくなり瑪瑙丸の体に吸収されていきます。やがて彼の体をギリギリとりまくだけに。
その力に吹き飛ばされて、かごめちゃん達はバラバラになってしまいました。かごめの体を庇う七宝ちゃん。
やがてそこから幾千万の蛾が飛び立っていきます。
 その蛾は村を襲い人々の魂を抜き出します。殺生丸の元にもやってきましたが珍しく邪見が追い払いま
した。殺生丸に「下がっていろ」と言われたりんは「殺生丸様すごーい!」と感心しています。
 邪見はいばろうとしましたが、大きな蛾が顔に張り付き大慌て。殺生丸の心無い見事な蹴りで何とか
助かりましたが、またもさっさと置いていかれてしまうのでした。
 一方かえでばーちゃんのいる村にも蛾の大群が。しかしこちらはばーちゃんの結界で大丈夫でした。
 そこへボロボロになったかごめが七宝ちゃんを抱いて現れました。彼女は倒れこみ、気を失ってしまいます。

 がけから様子を見ている桔梗。彼女には、瑪瑙丸が「時代樹」を大きくしていることに気がつきました。
時代樹とはご神木であり、今その時代時まったく別の時の中にいる木なのです。
 そこへ殺生丸が。しかし彼は興味を無くしたかのように立ち去ります。不思議そうに尋ねるりんに対して
「あれは死人だ」と言う殺生丸。
 魂は空を飛び、時代樹の元へ。再びそれはぐんぐん大きくなり始めます。同時に木は生い茂り始め、
あたりを覆い尽くします。

 さて。ある洞窟に結界を張って逃れていたさんごちゃんと弥勒。あのたんたんたぬきの家に逃げ込んだ
ようです。体勢を整え、迎撃に向かおうとする二人。とめるたぬき。
 もちろん2人がタダで行くはずはありませんでした。たぬきを見つめる2人の顔は、きっと三途の川に
いる脱衣ババはこんな感じに違いありません。

 時代樹が大きくなる間手持ち無沙汰な瑪瑙丸は、大分前に張った伏線を思い出します。余興余興、と
嬉しそうに葉っぱを口に当て、音を出す瑪瑙丸。きっと小さい頃は「俺草笛吹けるんだぜ」と言いながら
友達と帰っていたに違いありません。500年も前ですから羨ましがられますが、今だったら「バカじゃねぇ?」
の一言で終わりです。
 その音に立ち上がるかごめ。かえでばーちゃんの声が遠くに聞こえます。
 体が言うことをきかないと気がついた時には、妖しく伸びた爪を振り下ろしていました。

 何とかケガをした体をおしつつ、つり橋をやってきた犬夜叉。巫女の衣装に桔梗かと思いますが、それが
かごめであることに気がつき近寄ります。
 ところが。
 長く伸びた爪が犬夜叉の体を貫きました。
 驚く犬夜叉。
 かごめの指先から爪が飛びます。
 何かに操られているらしいと気がつきますが、攻撃するわけには行きません。
 逃げる犬夜叉。
 ご神木の前にたどり着きます。
 一方、意識はあるものの体が乗っ取られているかごめもそこへ。
 矢をつがえますが、それが500年前と同じ状況であることに気がつきました。
 桔梗が犬夜叉を射た時のように。
 「逃げて、犬夜叉!」
 その瞬間、瑪瑙丸がいる球体に飛来骨が。思わず彼は葉っぱを離します。
 ようやくさんごと弥勒が駆けつけてきたのでした。
 そこへ現れる瑠璃と玻璃。ときらら。
 リベンジの始まりです。

 一瞬呪縛の解けたかごめは、犬夜叉に「今のうちに逃げて」と言います。しかし、冥加じーちゃん
にも「逃げろ」と言われていい加減頭に来ていた犬夜叉は「どいつもこいつも逃げろ逃げろとうっせぇ」
と逆ギレ。今までこんなに逆ギレをかます主人公がいたでしょうか。
 再び瑪瑙丸の呪縛がかごめを襲います。
 矢をつがえて犬夜叉を狙うかごめ。
 「犬夜叉!」
 叫びもむなしく矢は犬夜叉の胸に突き刺さりました。
 同時に、かごめの額から四魂のかけらが落ち、犬夜叉に刺さったはずの矢は消滅。あわててかけ
よるかごめ。しかし、犬夜叉の意識はありません。
 人の気配に顔をあげるかごめ。桔梗がいました。
 男を巡って女同士の恐ろしい戦いの始まりです。
「所詮お前と犬夜叉は生きている時が違う」
 冷たく桔梗は言います。結婚相手が気に食わない小姑の口調です。
 桔梗は時代樹の説明をした後、井戸を指差し「あれももうひとつの時代樹、つまりご神木から出来て
おり、あの時代樹に反応している」と言います。その通り、井戸からは新しい枝や芽が出始めていま
した。
「時代樹は我々とは時代を異にするもの。今頃お前の時代にも影響を及ぼしているだろう。訪れた冬は
もう終わることはない」
 そう言って桔梗はかごめに元の時代に帰れと命令します。
「犬夜叉をおいて帰れない」というかごめに「その犬夜叉を傷付けたのはお前だ。お前と犬夜叉が
共に生きていけるはずがない」と叫ぶ桔梗。いやー、女って怖いですね。
 続いて一喝とともに桔梗はかごめを井戸に突き落とします。その上から枝が井戸をふさいでいきました。
しかし桔梗も「無論、死人の私もな…」とつぶやくのでした。

 現代に戻ってきたかごめ。
 茫然自失のまま外に出ると、雪があたりを覆っていました。出かける前はきれいに咲き誇っていた
ご神木の花も枯れ、じーちゃんが一生懸命祈りを捧げていました。
「もう犬夜叉に会えない…」
 かごめはその場に座り込んでしまいます。

 その頃、弥勒は瑠璃と戦っていました。風穴をコピーした瑠璃。風穴対決ですが、もっと吸い込んでやろう
と風穴を大きくしすぎた瑠璃は、制御できなくなりみずから吸い込まれてしまいました。
 犬夜叉は意識を失ったままです。
 現代ではじーちゃんが祈りを捧げていますが、まったく効き目はありません。
 お母さんが羽織るものを持ってきました。巫女姿で座り込んでいるかごめにもかけてやりますが、それでは
足りないと思い、コートを持ってこようとします。
「あなたはあなたのしたいようにすればいじゃない?」
 お母さんはかごめににっこり微笑んでみせました。
 
 さんごはきららにのった玻璃に大苦戦しています。きららを傷付けるわけにも行かず、玻璃の攻撃も相当
なものです。
 玻璃はきららにトドメをさすように命じました。
 襲いかかってくるきららを前に、さんごは抵抗をやめました。
「苦しいのは私だけじゃない」
 弾き飛ばされるさんご。
 もう一撃、と玻璃はきららに命じますがきららの様子が変です。岩に頭をぶつけています。
 何をしているのかと問う玻璃にさんごは「きららも頑張っている」とつぶやきます。
 そしてきららの額から、勾玉が落ちました。
 やっと正気に戻ったのです。
 一気に形勢逆転するさんご。
 玻璃の体を真っ二つ。
「まだまだこれから!」と叫ぶ玻璃でしたが、魂を瑪瑙丸に吸い取られ落下していきました。

 一方かごめは、胸の四魂のかけらが光っていることに気付きます。急いでご神木に駆け寄るかごめ。
「かごめ、そこにいるのか!?」
 何と、犬夜叉の声が聞こえてきました。
「何だよ、逃げちまったのか」
 茶々を入れる犬夜叉に、否定しかけてかごめは「私、逃げてたのかも…」とつぶやきます。
「私、居ても何もしてあげられないから」
 と言うかごめ。
 犬夜叉はふと顔をあげてかごめの姿を見ました。優しくかごめを抱きしめる犬夜叉。
「俺にはお前が必要なんだ」
 二股かけている男が、どちらの女にもよく言うセリフです。
 
 かごめちゃんは戦国時代と切れたわけではないことに気がつき、井戸に向かいます。ところがそこ
からは木の根っこがうようよと出ていました。
 ご神木に向かって「犬夜叉、井戸に入れない!木がふさいでいる」とかごめちゃんは言います。
そこに「おねえちゃんが壊れた」と突っ込む弟。なかなかツボを心得ています。
「巫女の矢があるだろうとかえでが言ってる!」犬夜叉のアドバイスに、そんなもの…と言いかけて
かごめちゃんは、何かが埋まっていてそれを取ろうとして手をケガしたことを思い出します。
 じーちゃんから破魔矢を1本もらってそれをご神木に突っ込むかごめちゃん。
 抜いた時には矢じりがついていました。
 じーちゃんから弓矢を奪い取り、かごめは駆け出します。お母さんが「これ」とクリーニングした制服
を差し出してくれました。
 それに着替えてかごめちゃんは矢を井戸の底に向けます。
 放たれた矢はみるみるうちに根をボロボロにし、その後を追ってかごめちゃんも飛び込みました。

 犬夜叉は、戦国時代の方でも木が井戸を覆っているのを見て、鉄砕牙でそれを取り去ろうとします。
七宝に下がるように言い、刀を構えた瞬間!
 爆発とともにかごめちゃんが戻ってきました。七宝と会い、「犬夜叉は!?」と言うと、吹き飛ばされて
黒焦げになっていました。
「なにしやがんでぃ!」
「井戸がふさがっていたからあんたの言う通りにしてきたのよ!」
 さっそく痴話げんかです。
 止めねばかごめが帰ってしまう、という七宝に「大丈夫、いつもの2人じゃ」というかえでばーちゃん。

 時代樹の上にある魂の固まりはますます大きくなっていました。
 さんごちゃん、弥勒の元へ犬夜叉もやってきます。犬夜叉の鉄砕牙ではまったく役に立ちません。
その上力をすっかり吸収した瑪瑙丸は雑魚妖怪で襲わせます。かなりどうでもいいですが、巨大化した
瑪瑙丸は上半身裸にスカートを身にまとっています。ハッキリいってただの変態です。きっとスカートの
下もはいていないに違いありません。とんだセクハラ妖怪です。これでは年末の忘年会でも笑いを
とるどころか静まり返ってしまうでしょう。

 援護に回るさんごちゃんと弥勒。七宝ちゃんも追いかけられながら頑張っています。
 かごめちゃんが矢を抜いてかまえました。
「あんたなんか大っ嫌い!」
 矢が瑪瑙丸を掠めます。それが強大な力を持つことに気付いた瑪瑙丸。
 そしてかごめちゃんも、瑪瑙丸の額に力が集まっていることに気付きます。
 そこに向かって矢を放ち、出来た結界の隙間に犬夜叉が爆流波を放てば勝てるかもしれない。

 1本目は外れてしまいました。ところがそれが瑪瑙丸の左の羽をもぎ落としました。そのあまりの威力に
本気でビビるかごめちゃん。まるでちょっと脅しのつもりで壁を殴ったら、その壁がもろくてぽっかり穴が
あいてしまったのに驚く不良のようです。
「今度は絶対大丈夫だ!俺が必ず爆流波を叩き込んでやる。お前はいつものように睨んでろ」
 かなり失礼な言葉ですが、犬夜叉なりに励ましています。
 ムッとしながらも狙いを定めるかごめちゃん。しかし周囲の風に流されてなかなか狙いが定まりません。
「何やってる!早くしろ!」
 かごめちゃんも言い返しました。
「あたしのことだって信じなさいよね!矢が届かないかも知れないのよ」
 犬夜叉はニヤリと笑った後、「じゃあお前の矢を俺が爆流波で加速させるぞ」と言って鉄砕牙を
構えます。
 ついに放たれた矢が、空気を切り裂いて瑪瑙丸へ。爆流波が矢を押し、見事額を貫きます。
 そして瑪瑙丸は滅んだのでした。

 木も元に戻り、たんたんたぬきに乗って一同は村へ。
「よくぞ瑪瑙丸を倒されましたな、犬夜叉様!」
 冥加じーちゃんも嬉しそうです。
「やはりワシが教えた弱点を…」
「何にもしてねぇ」
 あわれじーちゃんは叩き潰されたのでした。


 ああ、またあらすじ説明かよ私…。
 最初の方でも言いましたけど、面白いなと思ったのは途中かごめちゃんが現代に無理矢理戻されて
しまうこと。それも敵の手によってではなく、恋敵の桔梗に。憎い演出ですよ。
 ただ残念だったのは、CMのカットがいくつか使われていなかったこと。
 さんごちゃんの「きらら、ごめんね…!」はなかったし、かごめちゃんがご神木を見上げて「もう犬夜叉
に会えない…」とつぶやくシーンもなかったです。どちらかというと茫然自失状態で言ってました。制服
ではなく巫女姿で。
 あと、CMのキメとなる「俺を信じろ!」と鉄砕牙を振るうシーンも違ってたな。残念。
 ま、出来上がる前からCMしてるわけですから仕方がないですね。
 だけどホントに面白かったです。
 ジャンプ映画を否定するわけではないけど、主役の前にかつてない強敵現る→主役コテンパンに
やられる→普段は敵の人間が助けてくれる→印籠的アイテムが出てくる→敵倒す、というパターンに
慣れていたので、ライバルが助けるどころか更に敵、アイテムなし、というのはなかなか新鮮で面白
かったです。
 ただひとつだけ難癖つけるなら、殺生丸が出てくる意味が「一応オールキャストで出しとこう」的な
立場でしか描かれていなかったこと。
 何かをするわけでもなく、ただ歩いているだけ。ちょっと残念でしたね。例えば七宝を助けて立ち去る
とか、何か「この為に出てきたのか!」という役割が欲しかったかな。
 あともうひとつあったや。「時代樹」というのが非常に分かりにくかった。上の感想でも大分おざなりに
なっていますが、映画の中で私が理解したとおりに書いてます。つまり、瑪瑙丸が眠っていたのが
時代樹という木で、妖しい力を持っているらしく、その中に力が封印されていたらしいです。よーわからん。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

65.2 6 戦国時代で妖怪なアニメランキング6位
半妖の夜叉姫 弐の章(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (36)
137人が棚に入れました
日暮とわ:松本沙羅
せつな:小松未可子
もろは:田所あずさ
りおん:藤田咲
竹千代:ファイルーズあい
琥珀:木村良平
翡翠:浦尾岳大
理玖:福山潤
是露:坂本真綾
麒麟丸:細谷佳正
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