戦いでロボットなアニメOVAランキング 21

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの戦いでロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月29日の時点で一番の戦いでロボットなアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.6 1 戦いでロボットなアニメランキング1位
機動戦士ガンダムUC/episode1 ユニコーンの日(OVA)

2010年3月12日
★★★★★ 4.1 (1022)
5217人が棚に入れました
第二次ネオ・ジオン抗争、別名「シャアの反乱」の終結によって地球圏には束の間の平穏が訪れた。
それから3年後、宇宙世紀0096年。工業コロニー「インダストリアル7」において、とある謀議が交わされようとしていた。政財界に絶大な影響力を持ち、地球連邦政府を影から操る ビスト財団が、「袖付き」と通称されるネオ・ジオン残党軍に『それが開かれる時には連邦政府が滅びる』と言われる「ラプラスの箱」を譲渡するという。
一方、コロニー内に設置されたアナハイム工専に通う少年バナージ・リンクスは、オードリー・バーンと名乗る謎めいた少女と出会う。新たな戦争の火種となり得る箱の取引を阻止するべく、たった一人で行動を起こした彼女を手助けするうちに、日常に“ずれ”ているような違和感を抱いていたバナージは次第にオードリーに惹かれていく…。
ネタバレ

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙世紀物に一つの幕を

福井晴敏さんによるガンダムの小説作品を映像化した作品です。
「逆襲のシャア」の約3年後の世界が描かれます。
2010年から2014年までの間に全7巻でOVAが制作されました。
2007年小説連載開始からOVA完結までの7年半は非常に長い時間だったように思います。


OVAは劇場の先行上映と同時に動画サイトでの有料公開。
公開初日の劇場限定BD先行販売など、ガンダムとしては
はじめてのビジネスを色々とやっています。
元来ガノタだった私などはだいぶ搾り取られました。
3月上旬の早朝にBD購入のために並ぶ劇場前の寒いこと…。


さて本編ですが、小説既読の方が視聴する場合は消化不良や
小説と異なるイメージを持たれるといったことが多く発生する作品になると思います。
ある意味はじめて原作(※)の物語と戦ったガンダム作品ではないでしょうか。
(※ここで言う原作は「富野監督のガンダム」ではなく、小説版としてください。)

ジンネマンとリディの描写はとても人間臭く最後まで見応えがあるのですが、
全体としては小説の頃に感じた10代から20代の多感な若者と
子を持つ親くらいの世代の大人の描き分けや、
立場や境遇の違いに隔てられた人々の軋轢と和解などが
途中から薄れてしまった印象があります。

また、OVA中盤から登場するMSが小説の描写より大幅に増えます。
そのあたりはバンダイの希望なのでしょうが、プラモデルが好きな私でも
4巻だけならともかく5巻以降も懐かしい、珍しいMSの活躍が多数描かれたことには辟易し
「MSV(モビルスーツバリエーション)かビルドファイターズでやって」と呻きました。
そうしたMSの戦闘シーンで変に頑張ってしまったためか、終盤の戦闘は好みが分かれます。
{netabare}どうでも良いことですが、7巻のオリジナル機体であるネオジオングを見て
オーガス02のラスボス(リボー)を思い出しました。似ているのは色と体型くらいなのですが、
もう私の脳内ではネオジオングを視界に入れた瞬間にオーガス02前半の
ヒカシューのOPが浮かぶという事態に。なぜか後半のOPじゃないんですよ。{/netabare}


上記の理由で以前視聴中に投稿したレビューほどには
このアニメをお奨めしようという気持ちは薄れてしまいましたが、
それでも長年ガンダムを好きだった私にとっては観て良かったアニメでした。
これから宇宙世紀のはるか未来の物語として「Gのレコンギスタ」が、
別の設定の宇宙世紀物である「THE ORIGIN」がそれぞれアニメとして展開されていきますが、
ファーストからある程度、世界観を共有してきたガンダムは一旦これで幕が下りたような気がします。
そんなわけで宇宙世紀ガンダムが好きな方には気が向いたときに
一度観てみても損はないのではないでしょうかと提案をしてみます。






{netabare}
以下ちょっと電波な文章を。
なぜガンダムUCを観て良かったかということについてです。
変な話になってしまうのですが、悲惨な終わり方をした「Vガンダム」の後、
放置されてしまった「逆襲のシャア」以降の年代の宇宙世紀ガンダムに対して
ようやく気持ちを整理することができた気がするからです。

ニュータイプのような(中二病的)特別な属性と一定の距離をおくための「ガンダムⅩ」
好きなシリーズ、キャラ、マシンのこだわりと一定の距離をおくための「∀ガンダム」
そして本作は「ガンダムF91」や「Vガンダム」などの個人的に子供の頃に物足りなさや
トラウマを感じてしまった宇宙世紀ガンダムへの未練や怨念みたいなものと
一定の距離をおくために必要な作品だったのかなと最近は思います。

簡単に言うと本作のおかげで今後もガンダムを観るとしても、
以前持っていた「ガンダム最高!」というような特別なフィルターで歪められた
観賞姿勢はだいぶ弱まるのではないのかといった感覚です。
多分こんなことを思う方は稀だと思いますが、1ガノタの戯言として書いておきます。{/netabare}


↓2011/11/13時点のレビュー↓
{netabare}福井晴敏さんによるガンダムの小説作品を映像化した本作。
「逆襲のシャア」の約3年後の世界が描かれます。
2011年11月現在は全6巻中4巻まで公開されています。
2012年5月に5巻公開予定。

自分は原作既読ですが、原作を読んだ人間にもこれは嬉しいアニメ化でした。
やはりしっかりした世界観とストーリー、キャラクターが根底にあって、
小説として成功した作品をアニメ化するとなるとかなり制約が多いと思います。
実際ガンダムで小説からアニメ化したという作品はこれが初めてだと思いますので、
1巻視聴前はそれなりに不安でした。

しかし、いざ観てみると凄まじくレベルの高い作画と丁寧なストーリー運びで
原作の雰囲気を壊すことなく、むしろ高レベルに映像化されていて感動しました。
何といっても宇宙世紀が大好きな自分にとって、ジェガンやガザDなどの従来シリーズで活躍した
モビルスーツが現在の映像でまた見れるというのは至福です。
新登場のモビルスーツも初代から逆襲のシャアまでのストーリーがあってこそ登場出来るような
モビルスーツばかりで、宇宙世紀の世界観に相応しい良いデザインです。

また、本作は脇を固める男性キャラクターが非常に個性的で素晴らしいです。
カーディアスやジンネマン、オットー艦長やダグザ中佐など味のあるオヤジキャラがこれでもかというほど出てきますが、どのキャラクターにも辿ってきた人生の渋味のような物が描写され、しっかりキャラクターとして生きています。
そうしたオヤジキャラ達と若い主人公バナージ達との交流がしっかり描かれていて好印象です。

まだまだアニメの展開は折り返し地点に立ったばかりですが、
ガンダムシリーズ中でも良作と語り継がれるアニメになってほしいと期待しています。


【4巻視聴】
相変わらず約1時間の中で密度の高い物語を魅せてくれます。
展開が駆け足気味で小説とも相違点が多くなってきましたが、
期待は膨らみます。

ガノタ的視点で言えば量産型モビルスーツの見せ場が
とてつもなく多いことに感動しました。
地上戦の演出としても0083前半に並ぶモノが
観れたような気がしました。 {/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 30

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

クオリティはさすが(視聴中)

小説原作。原作未読。
宇宙世紀シリーズ最新作。
全6話予定で現在3話まで放映済。

逆襲のシャアから3年後の話。
宇宙世紀シリーズファンとしては待ちに待った新作。

現在3話までだが、安心のクオリティ。
久しぶりに新作ガンダムの世界に触れて
個人的には非常に満足である。

ただし、ガンダムを観ていない方にとってはちょっと敷居が高いか。
内容についていけないかもしれない。

この秋放映予定のepisode4「重力の井戸の底で」には、
ついに元ホワイトベース艦長のブライト・ノアが登場!? 
そうなると、故・鈴置洋孝氏が担当していた
ブライト・ノアの声は誰になるのか。

声優さんはすでに決定しているようで、
いったい誰になったのか、
ガンダムファンとしては期待と不安で渦巻いている。
しかし、きっとまた数々の名セリフをきっと聞かせてくれるだろう。

はやく続きが観たくて仕方ない。
6話まで到達するのはいつの日か・・・

投稿 : 2024/12/28
♥ : 12
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

個人的には《宇宙世紀シリーズ》全体へのマイナスイメージを、かなり救った作品となりました。

※episode1~7全部含めたレビューです。

◆総評

1.(主人公){netabare}バナージ・リンクス →歴代Gパイロットの中で一番マシな性格をしており、割と素直に感情移入できる。{/netabare}
2.(ヒロイン){netabare}ミネバ・ザビ →歴代ヒロイン(Gパイロットの相手役)の中でも格別に気高くて凛としていて、こちらも感情移入の度合いが他作品の比ではない。{/netabare}
3.(敵役){netabare}フル・フロンタル →シャア本人ではなく、その遺伝子から製造された複製人間という設定から、シャア本人にあった激しい復讐心にとらわれた人物特有の暗さ&執念深さがずいぶん希釈されており、非常に達観した印象でイヤミがない。{/netabare}

・・・ということで、戦闘シーンの見事さと相まって、個人的にはそれまで何とか我慢して視聴し続けてきた《宇宙世紀シリーズ》全体へのマイナス評価を、かなりの程度思い直す結果となりました。


◆制作情報
{netabare}
原作小説       福井晴敏(角川書店『ガンダムエース』2007年2月-2009年8月)
監督         古橋一浩
シリーズ構成     福井晴敏(ストーリー)
脚本         むとうやすゆき
キャラクターデザイン 安彦良和(原案)、高橋久美子
メカニックデザイン  カトキハジメ、佐山善則、石垣純哉、玄馬宣彦、明貴美加、小倉信也
音楽         澤野弘之
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}

◆視聴メモ
{netabare}
・エピソード1視聴終了時点
作画・演出は流石に良く、シナリオもドラマチック&ロマンチックで期待できる出来。
とくに《ジオンの姫×彼女を護るGパイロット》の組み合わせを中世期の「貴婦人と一角獣(ユニコーン)」のタペストリーの絵柄と重ね合わせた演出が好印象)。
・エピソード2視聴終了時点
戦闘回として、これまで観たアニメの中で最高に格好いい出来(★★★(神回)評価)。
・エピソード3視聴終了時点
前回に続きバトル回として◎。
加えて、ラプラスシステムの謎解きの面白さが描かれ始める点も高評価したい。
・エピソード4視聴終了時点
この回もバトルシーンは迫力の展開で、巨大MAシャンブロの迫力は『鉄血のオルフェンズ』の武人殺戮機ハシュマルをも大きく上回る出来(※2度目の★★★(神回))。
なおこの回から、Gパイロットの看取り人=ブライト・ノア大佐(ロンドベル所属戦艦ラー・カイラム艦長)登場。
・エピソード5視聴終了時点
この回もデラマチック展開で◎だが、偽装船ガランシェール&戦艦ネェル・アーガマのケーブル接続に苦闘中のバナージにオカルト現象発生(※戦死したギルボアの亡霊出現)は不必要な演出であり、出来の良い回が続いているだけに白けて非常に残念。
・エピソード6視聴終了時点
多数の登場キャラの行動理由を一人ずつ確り読み取る必要があるので、非常に理解に難儀する回だが、3周目でようやく★★(優秀回)認定。
・エピソード7視聴終了時点
悪くない出来ではあるが、“精神感応”でとにかく“分かり合える”という設定が安直に思えて、どうしても評価が今ひつつになってしまう。{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

※「逆襲のシャア」から3年後(宇宙世紀0096年)の物語

========= 機動戦士ガンダムUC (OVA) (2010年3月-2014年6月) =========

episode 1 ユニコーンの日 ★ {netabare}宇宙世紀(U.C.)開暦セレモニー中の事故、ラプラスの箱を託す者、バナージとミネバ(偽名オードリー)の出遭い、インダストリアル7騒乱、ガンダムUC起動{/netabare} (2010年2月) ※約58分
episode 2 赤い彗星 ★★★ {netabare}フル・フロンタル大佐機ネェル・アーガマ強襲、ジオンの姫の覚悟、ガンダムUCvs.シナンジュ、資源衛星パラオの一幕{/netabare}  (2010年10月) ※約59分
episode 3 ラプラスの亡霊 ★★ {netabare}RX-0奪還作戦(連邦軍)、リディ少尉&ミネバ地球へ、NT-D発動実験(対キュベレー再戦)、強化人間マリーダ(プルツゥエルヴ)、ラプラス(旧首相官邸)残骸での再実験、ダグサ中佐戦死、ギルボア戦死、大気圏突入{/netabare}  (2011年3月) ※約59分
episode 4 重力の井戸の底で ★★★ {netabare}連邦首都ダカール騒乱、マーセナス家の真実、ビスト財団暗躍、ジンネマン船長との砂漠横断、ジオン残党の怨念、巨大MAシャンブロ暴走、カークス少佐戦死、ロニ・ガーベイ少尉戦死、バンシィ降下{/netabare} (2011年11月) ※約60分
episode 5 黒いユニコーン ★★ {netabare}調整されたマリーダ、ブライトの画策、ガランシェール隊のガルダ突入、ミネバの選択(リディ拒絶、バナージとの再会)、マリーダ奪還、ネェル・アーガマとの合流成功、連邦軍ゼネラル・レビル来襲、フル・フロンタル来援 ※オカルト現象は蛇足×{/netabare} (2012年5月) ※約54分
episode 6 宇宙(そら)と地球(ほし)と ★★ {netabare}ゼネラル・レビル撤退、ネオギオン軍のNA乗り込みと不和、フル・フロンタルの目的公表(サイド共栄圏建設&地球排斥、ジオン共和国解体を阻止するための“箱”奪取)、ミネバのラプラス最終座標暴露、艦内騒乱、フル・フロンタル退去(ミネバとの決裂)、NAインダストリアル7へ、バンシィ出撃(リディ搭乗){/netabare} (2013年3月) ※約59分
episode 7 虹の彼方に ★ {netabare}ガンダムUC同士の激突(バナージvs.リディ)、ネィル・アーガマ防衛戦(対ネオジオンMS隊)、マリーダ戦死、再びビスト邸へ(サイアム・ビストとの対面、“箱”の正体(宇宙世紀憲章の失われた最終条文))、ネオジオング(フル・フロンタル搭乗)vs.G2機、大佐の魂の昇華、財団&連邦幹部のシャイアン基地集結・コロニーレーザー照射、G2機のレーザー直撃阻止、ミネバ演説(“箱”の秘密公表){/netabare}  (2014年5月) ※約90分
-------------------------------------------------------------------
★★★(神回)2、★★(優秀回)3、★(良回)2、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.5 

※総計439分=7時間19分≒18.5話(1クール半)に相当

投稿 : 2024/12/28
♥ : 16

73.4 2 戦いでロボットなアニメランキング2位
FLCL フリクリ(OVA)

2000年4月26日
★★★★☆ 3.9 (580)
2483人が棚に入れました
後に「トップをねらえ!2」で監督を務める鶴巻和哉の初監督作品である。脚本は「少女革命ウテナ」「桜蘭高校ホスト部」の榎戸洋司、キャラクターデザインは「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行が担当した。

ベースギターを背負いベスパのバイクに乗ってやってきた謎の女・ハル子と彼女によって頭から変なモノが出てくるようになった小学生・ナオ太、彼と付かず離れずの関係で学校では孤立しているカメラ好きの女子高生・マミ美が主人公の不思議でサブカルな空気の実験的演出が多用された作品。

全編に渡ってthe pillowsの楽曲が使用され、物語の空気感を作る重要な要素となっている。
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

当たり前のことしか起こらない世界

喪失感とともに、バットを抱えたまま前に進めない少年。
恋人への想いにすがり、いじめを受ける少女。
川べりの街に建つ医療機器メーカーの工場。
同じ時刻に吐き出される煙は何かの狼煙のように見えた。
気怠い日常がただ過ぎていくはずだった。
ベスパに跨りベースギターを背負った
ハルハラ ハル子が来るまでは。

アニメーション製作Production I.G・GAINAX、
監督・原案:鶴巻和哉、脚本:榎戸洋司
キャラクターデザイン:貞本義行
音楽:光宗信吉、the pillows

エヴァンゲリオンを制作した後のガイナックスが
2000年にOVAとして手がけたSF青春アニメ。
クリエイターやコアなファンの間ではいまだに語り継がれる作品。
私はあにこれでキャッチしている人のレビューで初めて知った。
発表から20年近くも経って映画『フリクリ オルタナ』や
『フリクリ プログレ』が公開されたことからも、
OVAとして世に出たこの作品が、いかに幅広い人々から
支持されてきたのかが分かる。
ピロウズが海外で認知され、ライヴを行えたのも
この作品で音楽を担当したことが大きく影響した。

静かな展開は1話の序盤だけで、
ほかは全てがぶっ飛んでいる。
ギターリフが印象的なピロウズのロックがいつも流れ、
パロディやスラップスティックが展開されるなど、
クリエイターの遊び心が散りばめられている。
{netabare} バイクには轢かれるし、ギターではぶっ叩かれるし、
頭からロボットは出てくるし、人工衛星が降ってくる。 {/netabare}
エヴァンゲリオン特需のようなものがあったのか、
好きなことを好きなように作っている。

この作品を観ていると『うる星やつら』TVシリーズの
押井守時代後期の作風を思い出した。
優秀なクリエイターがどんどん集まり、
斬新なカットが次々と展開され、
『灰とダイヤモンド』や『2001年宇宙の旅』の
パロディが挿入される。子供に分かるわけがない。
また、タランティーノ監督の『キルビルVol.1』を
初めて映画館で観た時のことも頭に浮かんだ。

監督の趣味ともいえる分野を存分に押し出し、
危ういともいえる均衡を何とか保っている。
良し悪しは別にして、観ていてとても楽しい。

かと言って、過度なイメージとコメディが展開され、
そこにロックが流れるだけの
PVになっているかというとそんなことはない。
行き場のない心を抱えた少年少女を中心に据えた
青春ストーリーとして、しっかり成立させている。

平穏に見えた川べりの田舎町に起こる地球規模の災厄。
皆が色々な気持ちを抱えて生きている。
コメディの間に挟まれる詩的なイメージ。
この作品全体に流れている想いは
「振り切る」ことなのだろう。

私たちの世界では色々なことが起こるけれど、
日常は普通の顔をして、当たり前のように過ぎ去っていく。
鬱屈した心を抱えているだけでは何も変わらない。
バットを振らなきゃ話にならないのだ。
(2018年9月17日初投稿)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 64

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

レモンスカッシュ

本作はどういうアニメなのか?

・・・ええとですね、ベースギターで頭をぶん殴られたら角が生えてきて、
角から射精したようにドバっとロボットが現れてバトルする・・そんなアニメです。

意味不明である。
本作を未視聴の方に「こいつ何言ってるんだ?」と思われても仕方がないと思いますw
でも、そんなアニメなんですw

これ程レビュアー泣かせの作品もそうはありませんw
そりゃ表層面を掬えば、「スタイリッシュ」ですとか、「ぶっ飛んでます」とか、
「考えるより感じろ!」というアニメですなんてフレーズは出てきますが、
本作の本質部分を言葉にするのは困難極まりますw

本作の主人公であるナンダバ・ナオ太は小学6年生で、
やや斜に構えているところがあって、生意気なんですけど、実は純情で繊細と、
まぁこれから思春期に突入するであろう(または、もう突入している)
少年像の典型のようなキャラですw

ただ、彼を取り囲む異性の関係性は他の同年代よりも少し進んでいて、
ナオ太に何かとちょっかいを出してくる女子高生のサメジマ・マミ美だったり、
ナオ太の前に突如現れたハルハラ・ハル子(自称19歳)だったり、
ナオ太と同級生でナオ太のことを意識しているニナモリ・エリだったりに囲まれていて、
小学6年生のナオ太には少々刺激の強い環境です。

男の場合ですけど、思春期に突入する頃というのは、
異性への興味が即物的なものに変化していきます。
つまり、異性を性的な対象として求め始めるというということです。

他にも父と母の間には家族という関係以前に男女としての関係性が存在することに
気付き始めるのもこの時期ですかね。

あるいは、夏休み前に「学生の本分を忘れずに清く正しい生活を送るように」なんて
言っている先生が、ゲス不倫しているなんてことに気付くのもこの時期ですw

大人の世界の理不尽さに触れ、偽善と欺瞞を唾棄し、葛藤に苛まれる、それが思春期ですw

私は本作に、自身のバイブルである「行け!稲中卓球部」と似ている空気を感じていて、
思春期の時期に萌芽する初々しいまでの性への興味や、
この世(大人の世界)への葛藤だったりをギャグに昇華したのが「行け!稲中卓球部」ならば、
ハチャメチャなロボットバトルに昇華したのが本作かなと。

そのハチャメチャなロボットバトルを始めとする
(映像)制作に携わっているのは、錚々たる顔ぶれです。
価格.comでは、「ガイナックス全盛期の傑作」なんて宣伝文句もあるくらいですw
とにかく驚嘆の出来です。
アニメーションの文法に忠実に則った方法論を取りながらも、
そこに高密度な情報を乗せて、有無を言わさず直接視聴者の脳に叩き込むような、
ある種暴力的な映像です。
設定だとかストーリーだとかを考える暇もないテンポで、
言葉にしてしまえば荒唐無稽な事象が、
高い技術に裏打ちされた圧倒的映像で、形象化されています。
とにかく映像の訴求力が強くて、もうこちらはただただ呆然としていましたw
これが本作の「考えるより感じろ!」と言われている正体だと思います。

ところで、本作では様々な比喩が用いられていますが、
本作に登場するベースギターだったり、
バットだったりは男性器のメタファーというのは有名な説です。
その説に従うと、様々なシーンが実に興味深いんですけど、
そこはあまり考察せず、「考えるより感じろ!」ってことにしときますw

思春期の味が酸っぱいレモン味ならば、
そこに脳まで溶かすような強烈な炭酸が加わった
(本作にも登場する)レモンスカッシュこそが本作の味ですw

男ってのは、いくつになってもこの味が忘れられない馬鹿な生き物なんですよw

投稿 : 2024/12/28
♥ : 34

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

驚愕の、ミラクル演出!!

Production I.Gとガイナックスによって製作された、1話30分、全6話のOVA作品。

謎の「べスパ女」ハル子に轢かれた事をきっかけにし、少年ナオ太の額から奇妙な角が生えてきた!
精神的に追い詰められたり、感情がに高まると、その角から××が!ここから驚きの調展開です!

挿入歌とテーマ曲は一部を除き全てthe pillowsが担当しており、脱力感のある絵と、ロックでクールなBGMのギャップが印象的。
脚本が榎戸洋司なだけあり、「少女革命ウテナ」のような、後半の凄まじい引き付け力には驚かされます。

何よりもこの作品の魅力は、他作品とは類を見ないほどの破天荒演出!!
登場人物から作画から何から何まで、かなりぶっ飛んでます!!
この疾走感を言葉で説明することは不可能!!見る物を選ぶ作品ではあるが、一度体験したら病み付きになること間違いなしです!
また、ハチャメチャな展開の裏に描かれた、シリアスで切ないストーリーも見所・・・。ハル子の男前な性格や、ナオ太のへたれっぷりも素敵です!

とりあえず、まずはご覧ください♪

投稿 : 2024/12/28
♥ : 10

72.2 3 戦いでロボットなアニメランキング3位
蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT(OVA)

2005年12月29日
★★★★☆ 4.0 (323)
1826人が棚に入れました
『蒼穹のファフナー』から一年前、人類軍とフェストゥムの両方から追われ、身を隠してきた竜宮島は、フェストゥムに探知される危機を迎えていた。未だ戦闘準備の整わない竜宮島は、ついに「L計画」という危機回避プランを実行に移す事を決定する。その計画とは、島の一部・アルヴィス左翼部L区画を切り離して囮とし,本島へのフェストゥムによる探知をかわすという作戦だった。将陵僚・生駒裕未ら8人の少年少女達は、対フェストゥム兵器ファフナー「ティターン・モデル」のパイロットとして、過酷な戦いに身を投じる事となる──…

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

尊い犠牲

このアニメは、蒼穹のファフナー一期の前日談
として制作された作品である。
話の流れが、蒼穹のファフナーへ続くように構成されているが、
どちらを先に見るかこだわらなくても特に問題はないだろう。
まあ、時系列を重視したいか、放送順で行きたいかによるので
そこは好みの問題だと思われる。

内容を一行で言い表すと、フェストゥムの探知から逃れるため
の企画、「L計画」という危機回避プランに身を投じた8人の
少年少女たちがパイロットとして最後まで戦った歴史である。

見終わった感想としては、想像以上にクオリティの高い作品であった。
実は、私自身一期からRIGHT OF LEFTという流れで視聴したのだが
序盤はそこまで乗り気ではなかった。中盤に入ったあたりから
徐々に面白みが増していったという印象が強かったので、少し不安
な気持ちで挑んだがそれは杞憂だったようだ。

焦点を当てる主要人物を少なくし、感情移入がしやすい
作りになっている。基本的には、将陵僚と生駒祐未の二人に
徹底的にスポットが当てられている。
彼らの関係性や、ファフナーに乗る動機等を見て自然と
応援したくなる自分がいた。
今作において、一期で活躍するキャラクターも数人いるのだが
必要以上に話に割り込んでこないので過度なストレスを
感じることはなかった。

一期では、結構な数の登場人物に焦点が当てられているのだが
一部のキャラに関しては登場シーンが少ない上、あからさまにフラグが
立っていたことも相まって感情移入がしにくいと感じてしまったのだ。
今作では、そこに気を使ったのだろう。非常に魅力的なキャラクターを
生み出すことに成功している。

また、前日談という設定を上手く活かしている。
この時は敵フェストゥムに関する情報が少ない上、ファフナーに
至ってはほぼ試作段階の状態。それ故に同化と呼ばれる現象が
パイロットたちに恐怖を植え付けてくるのだ。
しかも、一期の時よりも進行速度が速い上に結晶化するという有様。

それを見て全く動じないパイロットは相当強靭な精神力
を持っていると推察される。
私が、実際にその光景を目にしたら泣き叫ぶような気がする。
そこまでの精神力は持ち合わせていないからね。

鬱要素も、一期よりは確実に高い故に慣れていないと
引きずりやすい様に感じる。只、希望も含まれる形で
終わるので、絶対に耐えられないという訳でもない。
まあ、それなりに場数を踏んでいることが前提だが。

蒼穹のファフナーの一期がそこまで好きではない方にも、
この作品には是非とも挑戦していただきたいと感じる。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 18

koaki さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

誰かが勝ち取った平和

TVシリーズ(本編)の1年前のお話。
タイトルには去り行く者達(LEFT)の権利(RIGHT)
という意味も含まれているとのことです(by wiki

TVシリーズ→本作→映画の順番で観ることをお勧めします。
本作を観ることによって、本編の印象に更に深みや重みが増します。

過酷な状況であっても生きようとする者の意志
そして、去り行く者達の権利
その思いは伝わる。
島の平和は、誰かが勝ち取った平和であることを

愛犬とのシーンは、本当に泣けました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 9

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

多分、ベタな感想だけど

シリーズの中でも、絶対に見なければいけない作品と言われている理由がよくわかりました。これを見たら、テレビシリーズを見る目は絶対に変わりますね。

冲方丁先生による繊細なキャラクターの描写が、「覚悟」の重みや深みにドラマ性をさらに加えてくれています。時系列的には後になるテレビシリーズに向けても、です。

キャラクターは、正直いつも通り誰が誰だか非常にわかりにくかったです(笑)。

音楽は相変わらず素晴らしく、挿入歌も感動的でした。

個人的には、犬が絡んだ演出が一番泣けました。あまり多くは語りません。

これは、はっきり言ってOVAでやるべきではなかったかもしれません。なぜなら、OVAでは"蒼穹のファフナーを観ている人間全員が必ず観る"ということになることが少し難しいからです。テレビシリーズの中盤辺りに盛り込むことができていたら、もしかしたら最高だったかもしれませんね。

この前のテレビシリーズの再放送の前に視聴しなかったことを非常に悔やんでいます。しかし、今後テレビシリーズを再視聴する際の楽しみがまだ残っている、と考えればワクワクしてきます。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

70.3 4 戦いでロボットなアニメランキング4位
新機動戦記ガンダムW[ウィング] ENDLESS WALTZ 特別編(OVA)

1997年1月25日
★★★★☆ 3.8 (229)
1716人が棚に入れました
かつての戦いから1年。全ての武力を放棄して平和への道を進む世界に対し、トレーズ・クシュリナーダの実子を名乗る少女マリーメイアを頂く謎の軍が宣戦布告した。放棄された筈のMSリーオー他旧式戦力に新型MSサーペントを加えての武力侵攻と、平和の象徴でもあるリリーナ・ドーリアンの拉致というマリーメイア軍の暴挙に対抗すべくヒイロ・ユイとデュオ・マックスウェルは行動を開始する。しかしその前に立ちはだかったのはマリーメイアの軍門に下ったトロワ・バートン、そしてガンダムパイロットの中でただ1人ガンダムを手放していなかった張 五飛だった。一方特務機関プリベンターを組織して、亡きトレーズの意思を継ぎ地球圏の平和維持に当たっていたレディ・アンはルクレツィア・ノインやサリィ・ポォと共に事態の収拾を図るが、対応に追われていたレディ・アンの前に「火消しの風・ウインド」を名乗るゼクス・マーキスが現れ、プリベンターとして活動する権限と封印されたトールギスIIIを貸し与える様に願い出た。そして廃棄される筈だった4機のガンダムは、カトル・ラバーバ・ウィナーの手によって再び地球圏へと舞い戻る。

EVIZORI さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

機体一新

機体がアニメ版と同じものとしてストーリーは進んでいるが、5機のガンダムは全てアレンジが成されている。
特にWガンダムとデスサイズヘルはかなりカッコいい!ガンダムシリーズの中では俺ランキングTOP3に入るカッコ良さ☆
ストーリーの中ではアニメ版を観ていないとわからない様な場面もある為、是非アニメ版の後に観て欲しいし、3話構成されるEndless waltzOVA版も必見。
個人個人の個性もそのままに、Wファンにはたまらない展開も満載。敢えて言えば映画の為、戦闘シーンが少ない。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

かみな~☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ガンダムうぇw

いいえガンダムウィングエンドレスワルツですのでガノタの前で「ガンダムうぇw」とはくれぐれも仰らないように。

物語としては並ですが作画や機体に気合が入ってるような気がします。
ガンダムシリーズでここまでデザインに凝ったのは他にないんじゃあないんでしょうか。複雑すぎるデザインかつ斬新なデザインでたぶんMSしか印象に残らないかと思います。


しかしヒイロとリリーナの理屈を超えた信頼や愛、そういうったところを意識しながら視聴してほしいです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

humvee77 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

続々とこけたガンダム映画の中では良い出来だと思います!

そもそもキレイに完結したアニメの続編ものを映画にして成功した例ってあんまり知りませんが、この映画は結構良い出来だと思います。

ストーリーも良くまとまっていますし、なによりWで好きだった登場キャラやガンダムが劇場版ならではのキレイな作画で描かれているのが、個人的にはとても良かったです!
オンタイムで見ていた時に憧れていたリリーナ様も活躍していましたねww

残念なのが、せっかくかっこ良くなったWゼロの登場カットが少なかった事。もっと活躍してほしかったっす。。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 0

65.7 5 戦いでロボットなアニメランキング5位
翠星のガルガンティア ~ めぐる航路、遥か ~ 前編(OVA)

2014年11月21日
★★★★☆ 3.8 (256)
1568人が棚に入れました
大好評のままTVシリーズが終了した、船団都市を舞台に繰り広げられるオリジナルSF冒険活劇
「翠星のガルガンティア」の続編を描く新作OVAが、前後編でリリース! (先行上映あり)

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

チェインバー在りし日のガルガンティアとチェインバー無き今のレドを描く これはもう単なる番外編ではない、純然たる続編 純然たる映画です

混戦の2013年春期を彩った名作、『翠星のガルガンティア』
今作はテレビシリーズのその後を描くOVA・・・とか公式では言ってますがその完成度はオイラの予想を遥かに上回る内容;
BD-BOXに収録された未放映エピソードがあくまで番外編的な内容だったのに対し、今作は純粋に続編と呼べるスケール
そのクオリティも劇場アニメに匹敵するクラスであり、これをあくまでOVAとするなら今年度最高クラスの作品であると言えます


本編前には『ぷちっとふりかえりんてぃあ』なるダイジェスト映像と杉田智和のナレーションでテレビシリーズ全13話をキッチリ振り返るため、ぶっちゃけ内容忘れてしまった人や最悪初見の方でも世界観を理解出来る様になっている親切設計


クーゲル船団を受け入れたことでさらに大きくなっていくガルガンティア船団
ある日のレドとベローズはサルベージ中に改修の見込みのある沈没船を発見する
船団の為にも、自身のライフワークとした考古学研究の為にも沈没船の引き上げに協力するレド
一方のエイミー達メッセンジャーにはベローズ船団から新人のリーマが加わっていた
しかし彼女はメッセンジャーの仕事よりもユンボロのメカニズムの方が気になってしょうがない様子
当然リーマの興味は空飛ぶユンボロ=チェインバーとレドに向けられていく


エイミーからリーマに語られるチェインバーがいた頃のガルガンティアにせまる危機・・・
そして新たにレドの身に降り掛かる絶体絶命のピンチ・・・
過去と現在、2つのエピソードを中心に描かれておりスケール感は映画として十分


そしてなにより音楽が凄い
どこのビッグバジェットだよって言うぐらい重厚なオーケストラサウンドが劇場の音響に響き渡ってもうその辺しっかり酔いしれられますよ


残念ながらオイラが一番気になっている“レドはヒディアーズを人間と認めるのか?”には触れられませんでしたが、その辺は2015/4/4公開と発表されました後編に期待です


そしてラストシーンでは衝撃的な引きがあり・・・
ま、それも気になりますがこの一本でも十分映画として完成されています
テレビシリーズが好きだった方は観ない手は無い、ってかもうコレ無くしてガルガンティア語れずって感じですわ

投稿 : 2024/12/28
♥ : 28

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

空と海の恵みがある惑星「地球」、広大な海原でガルガンティア船団の人々に再び出会えました。

OVA作品(前編)約54分

レンタルで出ていたので観てみました。

テレビ版「翠星のガルガンティア」の続編なので、先にテレビ版(全13話)を視聴することをオススメします。

続編を心待ちにしていた作品の一つで、本当は1クールほしい作品ですが、贅沢を言ってはいけませんね。

久しぶりに観たガルガンティアは、ちょっと懐かしい感じがしました。

視聴の際は、テレビ版を思い出しながら観ていましたね。

お話としては1つのエピソードを中心に展開していきます。

テレビ版では語られなかった過去のお話も織り交ぜていたのは良かったですね。

後編に続きますが、エピソードは一区切りしますので観やすかったです。

また新キャラも出てきて伏線もありましたので、後編も楽しみですね。

ガルガンティアが好きな方は是非観てください。

OP 本編と繋がっている作画ですね。曲とマッチしてました。
ED テレビ版と同じくChouChoさんが歌ってます。歌声は和みますね。

最後に、いつもエイミーを心配させすぎだよ、レドくん!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 40
ネタバレ

ざんば さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

やっぱいいですねー

TV版のその後のストーリーですね
正直、ガルガンティアの設定をすっかり忘れてましたw

作画は相変わらず綺麗です
それになんかレドが可愛くなってる?
と思って調べると表情のせいでしたね
かなり明るくなったように見えます
それはやっぱり
ガルガンティアに馴染んで
言葉もちゃんとしゃべれるようになって
そこに居場所を手に入れたからなんでしょうね
そう考えるとなんか感慨深いです

ストーリーは回想は迫力があってよかったし
船団のほのぼのしたところも見れて満足でした
だけど気になる点が1つ。
{netabare}レドが海に沈んでいるとき
ベローズや仲間たち、諦めるの早すぎませんですかね?
諦めんなよ、諦めんなよお前!
どうしてそこでやめるんだそこで!もう少し頑張ってみろよ!
と、あの熱い人のように思ってしまいました
(さっきまでテニスを見ていたせいですねw){/netabare}

でもそこ以外は満足でしたし
後半が気になる終わり方をしていたので
続きを楽しみに待ちたいと思います

投稿 : 2024/12/28
♥ : 16

65.0 6 戦いでロボットなアニメランキング6位
翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ 後編(OVA)

2015年5月27日
★★★★☆ 3.8 (181)
1082人が棚に入れました
半身ともいえる愛機・チェインバーとの壮絶な別れからおよそ半年後が舞台。

大海原を往く船団ガルガンティアで仲間たちとともに新たな人生を踏み出したレドが、チェインバーとの絆を胸に刻み、1人の青年として空と海のもたらすすべてに立ち向かってゆく物語が描かれている。
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ガルガンティア船団の人々といつかまた巡り会いますように‥‥‥

約53分

翠星のガルガンティアのOVA ~めぐる航路、遥か~ の後編です。前編から観ることをオススメします。

前編から出てきた新キャラが中心となって物語は進んでいきます。

一応一区切りで終わっていますが、伏線などがまた新たに出てきましたね。{netabare}(陸地のこと、リーマの行方){/netabare}

この後編はレドとエイミーがそれほど目立つ活躍がなかったのでちょっと残念でした。

でもこの世界観は好きなので観て良かったと思います。

翠星のガルガンティアが好きな方は前後編一緒に是非観てくださいね。

OPはTRUEさん、EDはChouChoさんと前編と同じです。

最後に、これで終わりだったら消化不良ですね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22

なみかぜ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

うむ!よかった(^^)

我が家では子供の夜鳴きと戦いオムツが桜吹雪のように散っていく昨今(・・)

やっと視聴できました。
最近家で見れないんで車の中でもんもんと楽しんでおりもうす。
ちょっと寂しいかもて、まあ家の中でもそんなに大差ないか・・・・
嫁さんはがんばってますな~我輩ダウン気味っす

あ、本題
チェインバー無き後の物語は火が消えたようでありまして・・・じつに
アットホームな感覚の物語になっちょりますな(><)
前編で復活を思わせる期待あったんだけど、ま!こんなもんかな?
いろんなレドくんの周りは事件が尽きないようでドンパチが続きますけど
ロボット物にしては平和的な戦いが好印象ですわ(^^)
我輩の受けた感じですが・・・まだまだ物語を続ける余裕の感じる作品
様子見で期待したいです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

これが最後のレド、これが最後のエイミー、でもガルガンティアの旅はずっと続くんだ

テレビシリーズの純然たる続編である60分×2話のOVA、後編
前編でも申し上げましたが普通に劇場アニメ級のクオリティなのでBD-BOXのオマケみたいのを想像してもらっては困ります
少しでも『ガルガンティア』が好きだった方は必視の内容です
残念ながら『ぷちっとがるがんてぃあ』はありませんので(笑)前編を未視聴の方はお断りです


前編のラストでクーゲル船団から加入した新人、リーマが謎のロボット(←クレジットでもロボットと表記されてます)を所持していることが判明
遂に彼女の本当の目的が明かされます


まず最初の見どころはガルガンティア船団が物資調達のために訪れる巨大フロート型都市、竜宮城での一幕
リーマを含めたお馴染みの面々での休日、“まさかの水着”、酔いつぶれるリジット船団長、ピニオンにベタベタなラケージ
しかしそんな楽しい一時も束の間、これまで設定だけが仄めかされていた“陸の国”が不穏な動きを見せているという噂が流れ・・・


クライマックスを飾るのは壮大な海戦、そしてやはり“リーマのロボット”
この結末は涙無しでは観れませんでした(ノд;)イイハナシダナァー
脚本の谷村さんが最初考えていたラストはめちゃくちゃバッドエンドだったっぽいですが、ハッピーエンドともバッドエンドとも付かぬ【手放しではない終わり】にはホント拍手ですよ


その一方、リーマの出生の秘密に関しては本編中では全て明かされることは無いままで、続編やスピンオフの構想がかなり膨らんでいたことが分かります(ヒディアーズを人類と認めるか否かも含めて)
諸般の事情により続編の制作は中止となったそうですが、逆を言えば今作のラストカットと最後のセリフで【レドの物語】に決着が付いたことがハッキリとし、【ガルガンティア船団の物語】は未来永劫に不滅ということなんだ、とオイラは思いました
ファンの方には強くオススメする一作ですb

投稿 : 2024/12/28
♥ : 18

61.3 7 戦いでロボットなアニメランキング7位
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-(OVA)

2006年7月14日
★★★★☆ 3.5 (182)
1037人が棚に入れました
C.E.73年、ユニウスセブンの地球降下作戦を仕組んだザフト軍脱走兵達の部隊は、乱戦の中、ザフト軍ミネルバとジュール隊の活躍によって壊滅し、地球に向かっていたユニウスセブンも設置されたメテオブレイカーによって破砕された。しかし、砕かれた破片は地球に向かって次々と落下し、地球に残されたのは落下片による多くの人々の死、そして平和を奪われた者達の止め処なく溢れる憎悪と怒りだけであった。地球が再び混迷の戦場となった中、D.S.S.D技術開発センターは、1機のMSを宇宙へと打ち上げるプロジェクト「スターゲイザー計画」の準備を行っていた。静かに空を見上げ続ける純白の機体「スターゲイザー」。

アレックス・ディノ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

主人公よりはスウェンが目立つな!!

【あらすじ】
後に「ブレイク・ザ・ワールド」と呼ばれることになるユニウスセブンの落下事件で地球が甚大な被害を受けていた。
混乱に乗じたザフト製MSによる連合軍基地や市街地へのテロも多発、連合軍上層部は第81独立機動軍「ファントムペイン」を鎮圧のために出撃させるのであった。
時を同じくして、D.S.S.Dはシャトルである計画の中心となるMSを宇宙へ上げようとしていた。

【作品解説】
"X" plosion GUNDAM SEEDの第1弾として登場したSEEDの外伝作品で、15分×3話という非常に短い構成となっている。
本編では殆ど描かれなかったブレイク・ザ・ワールドがもたらした被害とそれに乗じた事件。そしてD.S.S.D(Deep Space Survey and Development Organization…深宇宙探査開発機構)が開発中の外宇宙探査用無人MS「スターゲイザー」と本機による無人外宇宙探査計画「スターゲイザー計画」に関連する事件を描いた物語である。
本編の補完としてブレイク・ザ・ワールド以外にもデストロイの輸送とその最中に起こった戦闘やエクステンデッド以外のファントムペイン所属兵士達の過去の他、ベルリン襲撃前にデュランダルがデストロイのデータを手に入れていたという事実も明らかになっている。
何かと議論になりやすい本編と違い、短いながらも物語をしっかりと完結させた本作の評価は高い…が、やはり短すぎて各キャラを深く掘り下げることができなかったのは惜しいところ。


基本本編のキャラは登場しないのだが、SEEDからスウェンの回想でアズラエルが、Destinyからサトー、デュランダル、ネオ、ステラ、スティングが出演をしている。
本編キャラの声が付くのはテロ実行犯のサトー、そしてデュランダルが行った物語冒頭の演説の場面のみで、デュランダルは顔見せした場面ではしゃべらず、演説の場面では被害を受けた地球の様子を映している。

余談だが、本作の主役機はストライクノワールではなくスターゲイザーの方である。

(感想!!)
いやーなんでだか主人公のでれーねは目立たないんだよなーーというかスウェンの方が物語として合ってるし主人公とも仲いいし!!そしてスターゲイザのメインパイロットってソル・リューネ・ランジュだって!!
しかしスウェンはかっこいいしその機体であるストライクノワールいいね!!しかしスウェン死ぬ寸前になっていたね!!
元々地球連合好きでしたし、なによりスウェンが見たかったのでこれ好きになりました!!
曲も神ですね

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よくできている

この作品は機動戦士ガンダムseed destinyを
ベースとしたOVAである。

内容を一行で言い表すと、ガンダムseed destinyの
劇中に起こった「ユニウスセブン落下事件」
の裏側を全く違うテイストにアレンジして描いた作品だ。

自分としては、ガンダムシリーズを見たことがない人
にも比較的おすすめしやすい部類のアニメだと思った。

その理由は、seed destinyの派生作品であるが
seed destinyの主要人物はこの作品には大きく
関わっていないからだ。
一部のseed destinyキャラクターは確かに登場するものの
引き立て役の様なものとして描かれているだけ。

この作品が良いと感じたところをいくつか述べる。
seed本編では雑兵として扱われている
ジンが脅威として描かれていること。
seed本編と比較すると、さすがにアクションシーンも地味で派手な
ものでないため物足りないと思う人がいるだろうが
私としてはこちらのほうが引き込まれやすいと感じた。

戦争の残酷さが本編よりも映えていること。
特にきついなと感じた場面は、2話の虐殺シーンだろうか。
視点をきちんと切り替えた上で物語が進んでいくため
destinyよりは気分が落ち込みやすい(?)ように感じた。
後は、ミューディーが戦死する場面。あそこまで行くと
もはや虐殺だが。しかも彼女が戦死したことで
シャムスにも悪い影響を及ぼしてしまうという結果に。
こういった場面をdestinyはもう少し増やすべき
だったのではないだろうか。

気になる点もあった。
主人公であるセレーネやソルについてあまり触れられていないのだ。
エドモンドは早い段階で退場するものの、見せ場は作られているため
必要な人物であるということは伝わるし、連合の指揮官は外道っぷりが
きちんと描かれているのでこいつもいないと困るなと感じる。

そういった点があるのにもかかわらず、なぜかあの二人は
説明が省かれているので少ししか関係性が分からない。
終盤のやりとりは凄く好きなシーンなのだが、もっと
彼らに時間を割いて欲しかった。勿体ない。

反対に、もう一人の主人公、スウェンの方はばっちり
焦点があてられる。その上回想が入って来る有様。
いっその事、こっちをメイン主人公にすべきだったのではないだろうか。

そして、なんといっても時間が60分以内に終わってしまうこと。
もう少し尺を長くしてほしかった。そうすれば、もっと
この作品の良さを伝えられるのに。本当に勿体ない。

こういった部分は確かにあったものの、seed destinyよりは
遥かに良かった。地味な作品ではあるが、私は楽しめた。
このアニメで使われている曲「STARGAZER ~星の扉」は名曲。
ぜひ聴いてほしい。
個人的には良作だと思う。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13

山田エル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「コズミック・イラ」が生み出した秀作

ガンダムSEEDシリーズの外伝作品。時系列的には、Destinyの30話~33話の所くらいといったところか。
本編の方はエンターテイメント性を追い求めたが、こちらでは戦死者が出る、強化人間の育成など戦争の過酷さなどがより強烈に描かれている。
Destiny本編との繋がりも多少あるが、あまり強烈につながっているとは言えない。しかし見るならやはり本編を見てからの方がより楽しめるだろう。コズミック・イラの設定の優秀さを証明した秀作

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

71.8 8 戦いでロボットなアニメランキング8位
ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日(OVA)

1992年7月23日
★★★★★ 4.1 (116)
534人が棚に入れました
シズマ博士が開発した、完全無公害・完全リサイクル可能な夢のエネルギー源、シズマドライブの恩恵で、未曾有の繁栄を迎えた人類。しかし、争いの種は尽きなかった。世界征服を企む秘密結社BF団と、それに対抗するため組織された国際警察機構が世界の裏面で激しい闘いを続けていたのだ。国際警察機構側の九大天王を筆頭としたエキスパート達、BF団側の十傑集を筆頭にしたエージェント達が争う中、エキスパートの一人である草間大作は、父の形見である巨大ロボット、ジャイアントロボを操り、人類の未来と平和のためにBF団と戦っていた。
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

うーむ…どうした事だ。何故我々までもがこんな所に

いや、これも孔明様の狙い通りに違いない。
そうだ。事態に急変あらばこの袋を見ろと言っていた。ハラリ
なるほど……。OVAジャイアントロボのレビューをしろという事か……。

あらすじを短くまとめると、近未来、第三のエネルギーシズマドライブが繁栄している時代において
BF団と国際警察機構の二大勢力が火花を散らす中、進行される「地球静止作戦」をめぐって
シズマドライブ第三のサンプルを争いあうという話だ。

作画は超絶クオリティだ。CGでなく手書きのセル画だというのに、
あまりにも見ごたえのあるクオリティでとても90年代のアニメとは思えない。
声優はベテラン声優が並ぶ豪華布陣だ。
作曲はポーランド国立ワルシャワフィルハーモニックオーケストラによるフルオーケストラ。
まさに溜息が出るようなクオリティなのに、話の質がまったく足を引っ張ってないどころか
横山キャラと今川監督のハイテンション作劇が引き起こす化学反応が
あらゆる視聴者を釘付けにしているあたりはまさに圧巻!痺れます。
だが本作の魅力は、まだまだこんなものでは語り尽くせない。

例えば、テーマ。この作品に提示されてるテーマは二つ。
「父と子」と「エネルギー問題」。
「エネルギー問題」は、現代において動力という足をもがれた地球人が、なすすべもなく見ていることしか出来ないという重苦しさを描きながら、{netabare}その元凶である敵ロボットに立ち向かえるのが、かつて人類が恐れもしたいにしえの動力、原子力を使って動くジャイアントロボだけ{/netabare}という因果関係が実に良かった。
また「父と子」というテーマにおいて。大作と幻夜、共に父親から遺産を託された者同士が、ぶつかりあう関係性が非常に良かった。
{netabare}幸せは犠牲なしには得る事はできないのか、時代は不幸なしに越えることは出来ないのか。
ep7にて父親の言葉を信じて戦い続ける大作の姿と、それを支える大人達の姿がなんとも胸を打つのだ。
{/netabare}
恐るべきは今川監督である。これほど重いテーマを横山作品のスターシステムという土台でハイクオリティに描ききった手腕は、やはり評価されてしかるべきではないだろうか。実現は不可能に近いと思っても、続編が見たいものだとこれほど切に願うアニメも無い。

ところでこのアニメ、我らが血風連の首領である怒鬼様もOVA6巻より参戦しておられるぞ!
出番は少ないし台詞だってないが、実に凛々しい風貌をしておられる。その勇姿は是が非ともご覧あれ!
そしてBF団と国際警察機構。二大勢力の激突と草間大作の戦いの行く末を見届けるがいい!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

babylon913 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高のエンターテイメント

文句なしの満点ですよ
個人的今川作品No.1
まず評価したいのは劇伴
天野正道先生とワルシャワフィルによる日本アニメ史上最も壮大なオーケストラ
それまでアニメ劇伴で最も規模がでかかったのはヤマトの劇場版で30人ほどのオーケストラだったそうですがこれはその倍以上です
後に天野正道交響曲第二番GRとして纏められる楽曲は日本の現代音楽の代表作の一つに数えられるほど
全七話でサントラ総数七枚!
圧倒的です
次ですがキャラクターはこれ以上魅力のある作品他にあるか?!というレベル
スターシステムによって横山大先生の作品から選りすぐりの好漢が集結
もちろんオリジナルキャラクターも引けを取りません
特に人気の十傑集をはじめ国際警察機構の皆さんもかっこよすぎます
声優はあの銀河声優伝説にも負けないほどの超豪華キャスト
作画はセル画時代最高峰と何をとっても美味しいとこばかり
ストーリーは御自分の目でということで
何度も言いますが最高の作品です
是非見てください

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

Gガンダム×横山光輝オールスター=爆熱大傑作。

Gガンダムの今川監督作品だけあって、正に男泣きロボット?アニメの傑作


ジャイアントロボより凄い人間達が多数登場するトンデモナイ作品


歴代横山光輝キャラが敵味方に入り乱れる、他にないオールスター作品。


頑張りすぎて続編は…


敵でも味方でも漢!な奴はは素晴らしい!


マスターアジアに続く、最高の敵役の衝撃のアルベルト


指パッチンが武器な敵がいるのは今川作品だけ!


結論:遺言はちゃんと残しましょう


今川監督の先品がまた見たい。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8

68.5 9 戦いでロボットなアニメランキング9位
真ゲッターロボ 世界最後の日(OVA)

1999年2月25日
★★★★☆ 3.9 (87)
433人が棚に入れました
宇宙生物インベーダーとの戦いはゲッターロボの活躍で終結した。それから3年後…倒されたはずのインベーダーが地球圏に再度出現。さらに、ゲッターロボ開発者であり、流竜馬(実際は神隼人)によって殺害されたはずの早乙女博士が復活。ゲッタードラゴン軍団を率いて、人類に反旗を翻す。これに対し、解散していたゲッターチームのメンバーが、そして、早乙女殺しの罪で投獄されていた竜馬が、早乙女に立ち向かう。
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

イントロで完全燃焼させるHEATSというアニソン

スパロボ常連で御三家のゲッターですが、実はハッキリ見た事はなかったのでこの際と思い視聴してみる事にしました。
一言で紹介すると、3人のパイロットで3種の変形合体が可能な、ゲッター線という謎動力で動くゲッターロボとインベーダーと言う宇宙生物との戦いを描くスーパーロボット系SFですね。
とりあえずあらすじから追って説明していこうかと思ったものの。
実は最後まで見た私にも、大筋はわかるものの細かい部分はあんまりわかってないんですよねw({netabare} 博士が最初死んだ経緯とか、隼人が狂って斬りつける所{/netabare} とかもよくわかってないですし
絵的なダイナミックさで魅せる作風なので、大雑把でも何とかなるかなとは思ったんですが…。序盤あたりで撒いた伏線で回収しきれずってところがあり、しっくりこない感じはありましたね。
決して、いい加減に作られてる感じではないと思うのですが。(漫画とか、他アニメシリーズの知識が必要なのかもしれません。そこは詳しくないので何とも言えませんね。

wikiで調べてみると、最初の数話今川監督がかかわっていたなんて話があったそうですね。
1話で恐ろしく細かい作画の変形合体があったのですが、この辺で監督が予算を投入しすぎて監督を下ろされてしまったのかもしれません。
まったくしょうがないですねこの人は(白目)。
ストーリーがやや把握しずらいのは、途中で監督が交代した事が多少なりとも影響を及ぼしているのかもしれませんね。

第2部以降は作画がやや厳しいか?と思える所もありましたが。まあまあのクオリティを保っていたように思えます。(今川監督の演出と比べればどうしても落ちるけど、もうそれはしょーがないです。あの人が滅茶苦茶すぎる(褒め言葉)だけですし)
でも、(上記の噂が本当なら)今川ファンとしてはEDクレジットにも表記しないのはあんまりだなと思いました。

キャラ面においては、途中で主人公が交代した事が厳しいと思いました。流竜馬をはじめとしたゲッターチームはワイルドさもありすごく魅力的だと思いましたが。
その後を引き継いだ少年「號」は寡黙なキャラで何を考えてるのかよくわからず(もっと喋ってくれ~!)。
中盤あたり、話の牽引力が弱いのでは? とそう感じさせざるを得なかったです。
しかし、敵の得体の知れなさや絶望感等、色々感じさせる所もあり。荒っぽさもあるが魅力を感じさせる話でした。

ラストはグレンラガンの原型にもなっているようですね。(グレンラガンの脚本が、ゲッターロボサーガの編集者だったようですし)
ゲッターで描きたかった壮大な戦いの行く末がグレンラガンだって事をネットで見かけて、確かにそれっぽいなと感じました。

それから、特筆すべきはやはりOP2のHEATSですね! この曲は素晴らしいです。
イントロの時点で完全燃焼できてしまうのでは?と感じる程に、説明不要の暑苦しさ。
影山ヒロノブとゲッターロボとかいう、ガソリンにガソリンをぶっかけて火を付けたような組み合わせで熱くならねえわけがねえんだよ! とそう思いましたね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

感情のジェットコースターに乗ってる気分になる

新作アニメ「ゲッターロボアーク」2021年夏公開決定を記念して、平成ゲッターOVAシリーズを期間限定でYOUTUBEにて配信していました。
細かいことは気にせずアクションとロボを楽しみたい方にお勧め。
※グロ多めなのでご注意を。

石川賢先生の漫画版を原作として展開されたOVA作品群の、記念すべき第1作目です。1998年発売、全13話。
色んな意味でこのアニメは伝説かもしれない…。

【物語】
上手く感想が纏められないアニメかも…
最序盤は異常なテンションで、中盤は一度落ち着いて、ラストでまた不思議な勢いで盛り上がっていく。感情のジェットコースターに乗せられますよね(笑)
{netabare}
私もよくわかっていない所があるので、説明を求められると困るんですけど。
物語の軸は以下二つが挙げられます。
「進化とは記憶の継承であり、ゲッター線のみによる進化を否定する」
「旧時代の罪の清算と、新世代への志の継承」
登場キャラクターも多いですし、伏線も多く入り組んでいてなかなか把握しにくい。

中盤の落ち着いた話が全体の理解を助けてくれる気がする。
北極へ行った回は竜馬の再登場時の見せ場。ですがそればかりでなく、人類が陥った危機的状況を打破しなければならないこと、死者の心と記憶が残された者の中に息づいていることなど、作品テーマに繋がる内容でもあったのだと思います。
{/netabare}

【作画】
凄いですよね。全体的に見所が多いです。
最初の3話の演出には斬新さが溢れていて、これ以降のゲッターの変形にとても影響を与えているそう。
4話以降はドラマパートでの感情表現のわかりやすさ、多数対多数のバトルの理解しやすさ、合体変形のギミックの活用と巨体感の演出など、ケレン味と安定感がメリハリを作っています。
インヴェーダーが様々な形を取る上、ロボットの種類も多くて作画班は大変だったと思う。作画スタッフの実力の高さも見てとれました。


【声優】
皆さん安定していて素晴らしいです。
3人組で行動することが多い作品で、どのチームも声優さんの声の印象が全く被らないんですよね。キャスティングから既に上手。
私は関智一さんの號の演技が好き。


【音楽】
OPとBGM好きです。EDはアイドルソングみたいで何となく懐かしい。
最終話のEDが「今がその時だ」だったのが嬉しいです。
「今がその時だ」は竜馬達の世代、責任を負わなければならない人達の歌で、「HEATS」は號達の世代、旧世代から託された世界の未来を切り拓く人達の歌なのかなと思っています。


【キャラクター】
3人組の役割の作り方、関係性の描き方が凄く好きです。
{netabare}
子供の頃に見た時には號が主人公なのに竜馬達が凄く活躍するな~と不思議に思ってたんですが、今見ると旧世代が自分達の失敗の責任を取って新世代に未来を託す物語だとわかりますね。
早乙女博士はインヴェーダー撃退のために號を生み出したけれど、その號にも新しい未来が待っているのが根っこの部分で優しい作品だなと感じました。渓への想いから次第に人間らしさを見せていくの良いよね。
渓は過去の負の遺産に抗う役回り、さっぱりしていてたまに女の子らしい所を見せるのが可愛かった。
剴はずっとフォロー役で振り回されつつも、やれることをきちんとやってて好き。
剴や弁慶のような地に足の着いたキャラクターはチーム内に一人いてくれると安心して見ていられるのでとても好きです。
{/netabare}

【雑感】
雑感というか、川越監督へのエールというか、初視聴当時から思っていた一部のファンへの愚痴というか…。
読み飛ばしてもらって大丈夫です。
{netabare}
一部では有名な話かと思うのですが、第1話~第3話は今川泰宏さんが監督を務めていたと言われています。というかクレジットされてはいませんが監督及びシリーズ構成を務めると雑誌で告知された事実があります。
ですが4話以降は川越淳さんが監督、藤田伸三さんがシリーズ構成とクレジットされました。
で、視聴した方ならわかると思うのですが4話以降大分テイストが変わるんですよね。それに対しての不満を初視聴時から私は結構見ていました。

私が言いたいのは、最初の3話が高評価なのは正当な評価だけど、4話以降も良い所は物語にも作画にも沢山ありますよっていうことです。OVAとしては話数が多いので波は当然あるんですけど。作画班は変わらず引き継げたのは大きいかもしれません。
まあ私は川越淳監督作品好きなので(笑)。今川監督作品は鉄人とGガンが好きだなあ。
どういう経緯で今川監督から川越監督に交代したのかはソースが見つからないので言及できないけれど、川越監督は本作が初監督作品なんですよね。引継ぎ出来ずにこの作品で監督デビューというのは、なんかもう鬼か‼って思うじゃないですか(苦笑)。
プロデューサーや脚本家など、周りのスタッフに恵まれてもいたのでしょう。アークのインタビューでも「最初から参加していたわけではないので、他のスタッフ達と共に交通整理(物語組み上げるための時系列等の確認)から始めた」というお話でしたから。

ダイナミック作品のコアなファンがどう思ってるかはわかりませんけど、予算と納期を守って一定のクオリティの作品を作ってくれる監督さんなので、「ゲッターロボアーク」も楽しみに待とうかなって私は思ってます。 {/netabare}
(2020.11.8)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

あぱぱ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ハルマゲドン時代を振り返って

視聴回数 全話3回くらい

最初に書いておきたい事が、この作品は初期ゲッターロボ(子供向け)と同等な内容を期待して見られないことを伝えます。

私はスーパーロボット大戦シリーズから視聴してしまったので、あまりの内容のギャップに最初は戸惑いました。しかし、それで私は逆に楽しめたのでよかったです。

物語の詳細は書きづらいのですが、初期と同じように友情は存在しています。
ただし、友情とは簡単に芽生えるものでなく、たくさんの感情(憎悪、悲しみなど)からも出来上がるものだということが、作品の中に含まれています。

登場するゲッターロボはロボットではあるものの、「ゲッター線」というエネルギーで構成されていて、それが物語を左右することになっていきます。
私としては、この点が最初にギャップを感じましたが、物語を最後まで見た後には納得がいきました。

オープニングは水木一郎さんが歌う曲と影山ヒロノブさんが歌う曲の2曲があります。
どちらも作品イメージ通りで好きですが、どちらかといえば影山さんが歌う躍動的な印象を与えてくれる「HEATS」が好みです。
シングル「HEATS」のカップリングがED「HURRY UP DREAM〜旅立ち~」ですが、このED曲も好きです。

永井豪、石川賢の作品に興味ある方にはオススメです。
それ以外の方にはスルーされても仕方ないかなぁ。。。と思えるとこが正直な気持ちです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

61.9 10 戦いでロボットなアニメランキング10位
超時空要塞マクロスⅡ-LOVERS AGAIN[ラバーズアゲイン](OVA)

1992年5月21日
★★★★☆ 3.3 (92)
398人が棚に入れました
地球人とゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊との決戦後、地球人とゼントラーディは和解し共存の道を歩み始めた。地球は幾度と無く異星人の脅威にさらされたが、そのたびに可変戦闘機と歌の力で切り抜けてきた。そして80年の月日が流れた。2090年代。太陽系、木星軌道上に異星人とおぼしき未確認艦隊がデフォールドしてくる。地球統合軍は敵をはぐれゼントラーディ艦隊と認識し、歌によるカルチャーショックを与えるべく「オペレーションミンメイ(「ミンメイディフェンス」)をもって迎え撃つ。しかし歌攻撃は全く通用しないどころか、敵艦隊からも歌が発せられると敵の攻撃は激しさを増し、ミンメイディフェンスは崩され統合軍は敗北する。その戦場を取材中だったTVレポーター神崎ヒビキは、敵艦内で歌巫女イシュタルを救助し、地球へ連れて帰る。また、ヒビキは戦場の記録映像も持ち帰ったが、統合軍の検閲によって統合軍が勝利したかのように報道されてしまう。イシュタルは地球の郊外にそびえ立つマクロスを、伝説に残る「アルスの船」では無いかと考える。その後、敵の船に捕らわれたヒビキは、新たな敵「マルドゥーク軍」が戦いの歌でゼントラーディ兵を操り、従えてきた異星人だったことを知る。ヒビキが統合軍の女性パイロットシルビー・ジーナとともに奔走する一方、地球の文化に触れたイシュタルは戦いを止めるべく、戦場へ愛の歌を捧げるのだった。
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

マクロスの新たな方向性を模索したOVA

マクロスファンからはそっぽを向かれている感のあるこのマクロスⅡですが、
個人的には八谷監督なりのマクロスの解釈が表れていて面白いと思いました。


敵自身も歌を持ち、歌と歌の戦いになる。
その中で地球側の人間やイシュタルが、歌は単なる戦いの道具ではないと気づき始め、心を込めた歌に目覚める。

主人公のヒビキが報道レポーターということで、初代でいえばカイフンのような軍に対するもしくは戦争に対するアンチテーゼになっているのが面白いと思います。
・・・が、そのせいで主人公なのに戦場で活躍できないのは痛手だったようにも思います。


でもこれ主役はイシュタルですもんね。イシュタルが恋を知り、歌を知り、文化を理解していく過程は初代の流れを見ているようで面白いです。

初代のミンメイアタックを応用したミンメイディフェンスのアイデアなんかも面白いと感じます。


マクロスⅡって本当に曲に恵まれている印象です。

何と言ってもまずOP「二億年前のように静かだね」。このTVバージョンのイントロは秀逸でしょう。
計器の機動する音?なんでしょうか、エンジン音の唸りみたいで聴く度に興奮します。
映像も色々演出がダイナミックで、OVAらしい大判振舞いです。


その他挿入歌も何曲か
{netabare}
「恋のバナナムーン」は正にアイドルソングという感じで恋する少女の心情を情熱的に歌い上げた良曲です。


「バルキリーで誘って」はあえて一昔前のセンスな辺りが一味違います。
初代の「私の彼はパイロット」のようなマクロスらしさが出ていて面白い曲です。
マクロス7内でも劇中歌として使われていたので、知っている人は知っているのではないのかと思います。


「今は友達」はゆっくりとした、じんわりと心に響く優しい曲です。
この曲も同じくマクロス7でジャミングバーズが使用していた・・・はずですがあまり印象にありません(笑)



そして最終話の挿入歌「もういちど Love You」。
これは初代でいうところの「愛おぼえていますか」級の名曲です。全てを愛しみ包み込むような感動的な曲。
イシュタルの儚い恋心を表していて、正にマクロスⅡの全てが詰まっています。
{/netabare}

個人的に一番好きな曲は「もういちど Love You」です。
この曲が本編で流れる瞬間は鳥肌ものです。歌と戦争、マクロスのテーマを象徴するシーンですね。



全6話で毎回息をつかせぬ展開がなされるので、あっという間に見終えてしまいました。
後半3話は一気に引き込まれること間違いなしです。

初の続編ということで、どこを変えるかどこを継承するか苦心した名残が見られます。
マルドゥーク、イミュレーターなど、新しい試みはマクロスの世界にマッチしていて素晴らしいと思うんですが、三角関係とロボットの不出来が足を引っ張ってしまった感じ。


マクロスにおける歌の概念を追及した、マクロス史を語るうえでは避けて通れない作品だと思っています。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

生まれた時代が早すぎた

当時に視聴です。

当時は4クール作品が当たり前な中で、極端に短い話でした。
個人的には好印象だったんですけど、周囲の評価は中々厳しいですねぇ。
今の1クールが当たり前の感覚になった時代だったら評価も変わってたと思います。
点数は当時の水準をベースにつけました。

あと、昨今と違ってあの頃は常に新しい所を攻めてた所も好印象な要因です。
主人公がジャーナリストなんてかなり異色だし…
昨今は売れるテンプレの焼き増しばかりなので、この頃のチャレンジ精神嫌いじゃないです。

筆を取った理由は、曲を推したかったからです。
名曲が知られずに埋もれているなんて悲しいので。

「もういちどLove You」

ほんとに名曲ですよ。(他も名曲ですけど、これがイチオシです)
ピアノ、ベース、ドラム、全部心地よくて歌声も溶けてて、ハープの音色も綺麗
聴くと優しい気持ちになれる曲です。
イシュタルの絵もすっごい好みでした。

公式が無かった事にしようとしている黒歴史みたいなんですけど、
個人的には令和に語り継ぐべき作品だと思ってます。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 17

スカルダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

黒歴史という評価に疑問を感じた

マクロスファンからは黒歴史と揶揄されている本作ですが、わりと名作だと思う。

原作者のスタジオぬえが参加せず、もっさりとしたバルキリーの作画がイマイチ。しかも、主人公はパイロットではなく芸能レポーターという、ロボット物としてはありえない設定。さらに、前作並の大根声優達。

まぁ、ロボット物として突っ込みどころは色々あるけれど、物語の方は秀逸。

前作同様に、ダブルヒロインと歌を中心に添えながら、愛をテーマに話は進む。
主人公は芸能レポーターから、戦争報道官へとジョブチェンジしつつ、視聴者に戦争報道のあり方について問いかける。
大人になると、上の圧力で真実が潰される事なんてよくある話。
毎日こんなジレンマを抱えながら生きてますw


調べてみると、黒歴史と呼ばれる所以は公式にありました。
https://www.bandaivisual.co.jp/macrossII/

前作同様に新しい挑戦を評価したいと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

65.8 11 戦いでロボットなアニメランキング11位
勇者王ガオガイガー FINAL(OVA)

2005年4月11日
★★★★☆ 3.9 (63)
346人が棚に入れました
西暦2007年。機界文明との戦いに勝利したものの、GGGは今なお犯罪組織バイオネットとの戦いに奔走していた。そして、新たなる敵「ソール11遊星主」が現れる。三重連太陽系の守護プログラムとして造られた彼らは、当時地球上から相次いで発掘されていた物質「Qパーツ」を強奪、三重連太陽系の復活を目指す。しかし、その原料は宇宙の暗黒物質。宇宙を構成するこの物質を吸い上げられたことにより始まった宇宙収縮現象を止めるべく、嘗ての仲間と合流した GGGは三重連太陽系を目指すのであった。

ノッポガキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

面白いんだけどさ・・・

タイトルどおりすっきりしない終わり方(個人的に)をした。
いい言葉だったけど使いすぎ感がいなめない。
ベターマンの本編、ドラマCDなどを見ていないと分からない設定も多い。(登場人物の一人がベターマンのドラマCDが初出)
早足過ぎるので好き嫌いがありそう。
俺は十分楽しめたけどどうせなら続きを作って欲しかった。
一応その後の設定とかあるみたいだし、復活を希望したい。
無いだろうけど復活することになったら、ガオガイガーとベターマン両方の続編になるっぽいけどね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

ふもふも さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

最後の勇者伝説が始まる。

 ガオガイガ-のOVA。TVシリーズの続編にして完結編です。「TVシリーズはこのための前座に過ぎぬ」と言っても過言ではない出来栄えです。最寄りじゃDVDレンタルしていなくてガッカリしたのは記憶に新しい。


 長く続いた勇者シリーズの最後を飾る作品だけあって、もう丹精どころか魂が込もっています。とにかく熱い!強大な敵との死闘!絶体絶命の危機!折れる心!そして魂の復活!最強にして最後の勇者伝説を見届けよ!


これが勝利の鍵だ!→バン○イチャンネル。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

じゅぴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

熱いですね!!!

スパロボ30の予習にニコニコdアニメ支店で視聴。

本当はfinel GGGのほうを見たかったけどなかったのでこちらを。
時系列でベターマンのほうが先らしいので一応見てから。
あと、小説preFinalにこの前日譚が乗っているとのことで読了。
今作からいきなり登場するキャラのここまでの話なので読むのお勧めです。

無印もそうだけどマジで熱い。
面白かったです。

ガオガイガー完結作として覇界王もあるのでおすすめです。泣けました。というか、見ないとマジで損!!!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 0

66.7 12 戦いでロボットなアニメランキング12位
冥王計画ゼオライマー(OVA)

1988年11月26日
★★★★☆ 3.7 (90)
318人が棚に入れました
大迫力のメカアクションと衝撃的なストーリーテリングで、数多のロボットアニメファンを魅了したOVA。秘密結社・鉄甲龍を率いる少女・幽羅帝は、配下の八卦衆に対し世界征服のための決起を表明した。しかしその前に立ち塞がるは、組織を離反した木原マサキが奪取した八卦ロボ・天のゼオライマー! 現在は普通の少年・秋津マサトによって操られているその機体が秘めた絶大なパワーは、次々に八卦衆の命を奪っていく。気弱なマサトが、ゼオライマー搭乗時に突如豹変するその冷酷さの正体とは? 原作となったのは18禁コミックで、時折挿入されるセクシャルな描写にその名残がある。とはいえ引用したのは部分的な設定のみであり、基本的にはアニメオリジナルといっていい作品となっている。

声優・キャラクター
関俊彦、本多知恵子、田中秀幸、荘真由美、鈴置洋孝、佐久間レイ、佐々木優子、勝生真沙子、玄田哲章、塩沢兼人、速水奨、辻村真人、政宗一成
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

脳髄に直接叩きつけられる衝撃。神と悪魔の如き聖戦。

これは、イクサー1と同じくレモンピープルという雑誌に連載されていた漫画作品(原作者は違います)を平野俊弘(現:俊貴)監督が映像化したアニメです。

こちらもやはり美少女が出てくるし際どい性描写も出てくるのですが、イクサー1のような娯楽要素はなく、むしろ対極のような存在であります。


原作からの改変もなされ(原作読みました)、より『人の業』が感じられる哲学めいたストーリーですね。

敵味方入り乱れる人間関係。
どのキャラも自分の欲望や感情を包み隠さずぶつけ合う、対立の連続。どこまでもドロドロな人の闇が描かれています。

そして愛し憎み合う中で発覚する驚愕の真実・・・!
自分は自分なのか?どこまでが自分でどこまでが他人なのか?
設定の妙によって黒幕の存在意義がますます高まっています。
(これに似た設定を平野監督はロウランでも使ってましたが、ゼオライマーの秀逸さには敵いませんでしたね。)


このアニメで最も揺さぶられるのは『自我』の概念だと思います。
非現実的な設定なのに、登場人物の心情描写が生々しい現実感を帯びているせいで説得力があります。
ここでも幽羅帝(ゆうらてい)を演じる荘真由美さんの好演が素晴らしいです。今回は主人公のマサキを演じる関俊彦さんの鬼気迫る演技も鳥肌ものです!!



僕はスーパーロボット大戦というゲームはやったことがありませんが、どうやらゼオライマーはその性能から有名らしいですね。
スーパーロボット、と呼ぶにふさわしいと思います。ゼオライマーは本編では人の業を裁く神のごとき存在です。搭乗する人間によっては悪鬼に姿を変えます。
どんなときでもゼオライマーを見ているとその異様なオーラに呑まれてしまいます。怖いし、身震いさせられます。



最後までどうか見届けて下さい。最後の晴れやかな三人の表情にこそこのアニメの真髄があります。
時間の都合上話の繋がりに雑な部分があるのは残念でならないですが、とても感銘を受けたロボットアニメです。



すごーーくどうでもいいこと。
{netabare}
駅の改札で他の利用者がICカードで通ろうとして。
そしたら残高不足で『チャージしてください。』って引っ掛かってたんですよね。
そのとたん頭の中に『チャージなどさせるものか!!』ってマサキの声が浮かんできて(笑)
笑いをこらえるの大変でした。


それだけです。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 10
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ややこしいよ!

 初見でした。全4話各30分のロボットもの。
 ロボットものなんですが、この作品の魅力はロボットよりも人物描写にあるように思えます。ストーリーもよく練られていますし、かなり堪能できました。その後の作品にかなり大きな影響を与えていることは間違いないでしょうね。影響を受けていそうな作品がいくつか浮かびました。想像したよりも平均評価が低くて少し残念です。

 私はロボット関連の知識は全くないので、その辺については言及しません。
 そもそも私がロボットものを見るときは、組織の相関図と人物の相関図がどう動いていくかしか見ていませんからね。この見方が常に正しいとは思いませんが、この作品に関して言えば正解だったように思えます。ロボット好きな方もそっちの方に目を向けてみると、違う視点で楽しめるかもしれません。

 この作品を一言でいうと、「ややこしい」です。陰謀系のストーリーなので、全体像が明らかになるのが後半になってから、というのもあるのですが、陰謀のネタの部分はその後の作品で流用されていたりするので、意外と何とかなると思います。それ以上にややこしいのが、首謀者のキャラクターですね。非常に読み難い。組織間の争いがあって、ロボット同士が戦って、人物描写もトリッキー、ということもあって、2時間作品にしては結構てんこ盛りだったように思えます。尺が短いというよりは、分厚いという印象を受けました。

 以下では、物語の骨子の部分とエンディングから入って、これを前提に個人の話に移っていこうと思います。全ての基礎はマサキにあり、です。以下ネタバレが過ぎるので要注意。


組織間の争い:{netabare}
 二つの組織が争っているように見えるのですが、この裏には常に第三勢力が見え隠れしています。この第三勢力の台頭が、エンディングにつながっていきます。エンディングを読み解くために、陰謀やロボットの要素を排除して、普遍化した全体像を掴んでおきます。

 世襲された王政に対し、軍事クーデターが起こって、さらに市民革命が勃興する。
 これだけですね。歴史的な流れと同一視で構いません。

 ユウラという人物。彼女は先代のもと、ゼオライマーに搭乗するはずだったわけです。つまり、軍事統帥権を持って後継するはずだった。それにもかかわらず、ゼオライマーの搭乗資格が備わっていないし、ゼオライマー自体も指揮下にいないわけです。軍事統帥権が毀損された状態で、女王に就いてしまいます。しかも、広く知られていたわけではないものの、種(たね)の不適格まで明らかになる始末。彼女には、女王たる資格が名実共に備わっていなかったわけです。これにより王政は弱体化していきます。

 これに対して反旗を翻したのがマサキという人物。彼は、女王の力を減退させた張本人なわけです。彼はゼオライマーを開発・管理し、パイロットも手中に収めています。軍事力しか持っていないものの、その軍事力に関してはハードもソフトも備わっている。この力を背景にして、王政に対してクーデターを起こします。そして、女王の近衛軍を蹂躙していきます。

 しかし、このクーデターにほころびが生じ始めます。協力者からの反発(イサオ)です。何とかこれを撃退するも、今度は「内部分裂」が生じます。取り込んでいたはずの弱きもの、第三勢力であるマサトの反乱によって、軍事政権は崩壊し、武装市民が戦場に現れます。
 マサキを取り込んだマサト(新マサト)は、ユウラのもとへと到達します。

 面白いのは、マサトもユウラもマサキであるということです。すべて同一人物を使って、上記のような疑似戦争が描かれているんです。
 つまり、<ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である。こういう構造を持っているわけです。これを上記の例に当てはめると、<王政vs軍政vs市民>の戦いは、<人間同士の戦い>である、ということですね。
 無力なままのマサトでは、この戦争を終結させることは出来ませんでした。戦争を終結に導いたのは、ユウラでもマサキでもなく、武装した新マサトです。力無き者が力を得ることで、戦争を終結できると説明されています。その終結の方法とは?これがエンディングとテーマにつながります。
{/netabare}

エンディングとテーマ:{netabare}
 ユウラは新マサトに対して冥王決定戦を持ちかけます。「勝者こそが真の冥王」だと言っています。そして「全世界を破滅させるスイッチを入れる」ことを伝え、「止められるなら来るがいい」とまで言っています。破滅させたいだけなら宣言する必要はないわけですから、止めて欲しいわけです。

 それに対して新マサトは、「もう一人の僕(ユウラ)と決着を付け、たった一人の男(マサキ)の怨念を消さなければならない」と言っています。また、ゼオライマーの前で「お前が僕の宿命ならば、共に消えればいい」とも言っています。つまり、新マサトが消したいのはマサキ(ユウラと新マサト)であり、ゼオライマーなわけです。新マサトが消したいものに自分が入っているがポイントですね。

 そして、ユウラはスイッチを押し、その前に新マサトが現れます。このとき、新マサトが行ったのは、ユウラと新マサト、そしてゼオライマーの消滅を同時に達成できる手段、「自爆」なんだと思います。すべての発端であるテッコウリュウの本拠地を巻き込んで、終焉となります。

 世界は滅んだのか、というと滅んでいません。描写的にも地球の一部に大規模な爆発が起こっただけとして表現されています。ユウラの破滅スイッチによる効果が全世界に波及する前に、新マサトの自爆スイッチによる阻止が成立したんだと思います。そもそもユウラと新マサトの思惑は合致しています。二人とも世界を破滅させたいのではなく、マサキの遺産を無くしたいだけです。「勝者こそが真の冥王」なわけですけど、「自爆」によるマサキ同士の同士討ちですから、勝者なし、冥王なし、すなわち破滅なし、という終結なのでしょう。新マサトは確実に勝てる状況にあるんですが、勝者(冥王)になりたかったわけではない、ということです。


 で、テーマの話。前項で述べた例で言えば、市民が王政を打倒してハッピーエンド、というのが通常の流れだと思います。でもこの作品では、市民が王政もろとも自爆してしまったわけです。なぜ自爆しなければならなかったのか。それは、力無き市民ではなく、武装した市民だったからです。力無き市民というのは、マサトのことであって、新マサトのことではありません。市民であっても武装してたらダメなんだと、この作品は言っています。テーマって反戦力っぽいんですよね。例え出自が弱きものであっても、戦力を取り込んでしまったり、戦力自体を持ってはダメ、と描いているわけですから。
 ゼオライマーは、核を優に超える能力を持っています。こんな強大な戦力を描いておいて反戦力なの?と思ってしまったんですが、否定したかったからこその強大な戦力だったんでしょうね。戦争を悲惨に描かなければ、反戦は出てこない、というのと同じ論理です。
 ゼオライマーは、とことん強い存在でなければなりませんでした。ただ否定されるためにだけに。そんな悲しいロボットなんだと思います。
{/netabare}

マサキ①(ユウラ・マサト):{netabare}
 主人公はマサトなんですが、彼について考えていくと、最終的にはマサキという人物に行き着いてしまいます。一方、マサキを中心に考えていくと、マサト以外の人物もクリアに見えてくる。この作品は、マサキという人物が軸としてあるように思えます。彼はどういう人物だったのか。
 <ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である。ここから始めます。

 ユウラ。彼女は、マサキのコピーの中で愛が一番強く描かれています。マサトとマサキで新マサキであるならば、彼女もユウラとマサキで新ユウラというべき存在であったはずです。新ユウラの中にマサキがいることを知っているルラーンは、彼女を「美しい」と言っています。

 マサキ。彼は、破壊衝動に駆られ、その願いを完遂するために、ゼオライマーと幾人かの人物を造った男です。これだけを見れば、悪の存在なんですが、必ずしも悪だけとは言い切れないところがあります。
 そもそも破壊衝動に疑問が残ります。単に世界を破滅するためならば、テッコウリュウの長になるユウラの破滅スイッチだけで足りたはずです。ユウラがゼオライマーに乗れば盤石です。でも彼は、マサトというもう一人の分身を用意してゲームを始めました。しかし、ユウラとマサトの行き着く先は、マサキの破壊で一致しています。自分の野望を止めるためにゲームを始めたのでは?そんな風にも勘ぐってしまいます。
 また、マサキは「愛」という言葉に拒絶反応を示しています。にもかかわらず、マサキが造ったゼオライマーのシステム(ミク)は人型です。しかも女性型。また、彼の分身であるマサトとユウラは「男と女」です。そして皮肉なことにも、彼らはいずれも「愛情」を知ることが出来ました。彼らがマサキの造ったものであることを踏まえると、「マサキは愛を求めていた」そんな風に写ります。

 マサトとミク。「僕が造ったみんながきれいで、なぜ僕だけがこんなに薄汚いんだ」これは、新マサトの中にいるマサキの言葉。「あなたの中にきれいなものがあったから、それを生んだのよ」がミクの返しです。「造った」に対し、「生んだ」と返す。これはミクの優しさなのか愛なのか。少なくともマサキが単なる悪であるのならば、ミクのこのセリフは出てこないはずです。


 <ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である、と述べました。これを今度は縮小側のベクトルで見てみます。<マサキvsマサキvsマサキ>の戦いは、<マサキ内部の戦い>である、となります。つまり、人間の内部にある破壊衝動と愛情のせめぎ合いが、別のキャラクターを使って描かれているのだと思います。
 象徴的なのは新マサトの「ゼオライマーがある限りキハラマサトになる」というセリフです。これはマサキの「戦力がある限り破壊衝動を持つ」という自戒なのだと思います。作中のマサキは、その悪の部分を担ったキャラクターだというだけであって、マサキという「人間」自体は、悪が全てではなかったのだと思います。

 新マサトや新ユウラが愛情を知ったことや、ルラーンの「美しい」という言葉は、元来のマサトとユウラの影響によるものだというのは、否定できません。しかし、マサキを悪に固定してしまうと、なぜマサトが生まれたのか、なぜミクに人格を与えたのか、という主人公達の存在意義が薄れてしまうのです。
 マサトは「自分が誰なんだ」と自問しています。マサトとマサキの間で揺れるマサトの姿というのは、愛情と破壊衝動の間で揺れるマサキの姿に他なりません。マサキという「キャラクター」は破壊衝動を担ったものですが、マサキという「人間」には、破壊衝動と愛情が混濁していたんだと思います。
 マサトはマサキを受け入れました。その上で自爆という選択をしています。つまり、人間の中には、愛情以外にも破壊衝動があることを受け入れ、そのうえで破壊衝動に飲み込まれないように、戦力を放棄したんだと思います。つまり、この作品は、一人の人間の中にある愛情と破壊衝動を、複数の人物に分離させることで、擬似戦争を描いている、とも言えるのです。
{/netabare}

マサキ②(テッコウリュウ):{netabare}
 流石に長くなってきたので簡潔に。テッコウリュウもマサキが求めた「男女の愛」という視点から見てください。個人のコンプレックスではなく、「男女の理想像」からの乖離として描かれているのが分かると思います。
 第一話のタイハは、本音は充足していますが、建前(社会性)の部分で不足しています。
 第二話のアエンとタウは、サイガ(男)を断り女性二人での出撃です。
 第三話のリツは、一人で男性と女性の役割を担っています。
 第四話のロクウェルとギソウは片思い、サイガは偽りの愛です。

 これをベースにマサキ・マサト・ユウラの「男女の愛」の部分を掘り下げていくと、「ゼオライマーは男女が乗っているから強いんだ!」みたいに見えてくると思います。
 マサキは他人の愛を否定していましたが、マサトとユウラのカップリング、つまり自己愛を目指していたわけではなかったんだということも見えてきます。
 「ゼオライマーのパイロット」という概念が、「男女の理想像」を担っていて、それを具体化したマサトとミクは、理想から乖離していってしまったということも分かると思います。

 少なくとも、ストーリーの骨子も、キャラクターの解釈も、全てマサキを起点に始まり、マサキに帰着するというのを忘れずに。何度でも言いますが、<ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>ですよ!
{/netabare}

対象年齢等
 ロボットものとして見るなら、中高生の男子が中心かな。サラッと見ようとすれば見れてしまうのですが、考察しようとするとかなりの高難易度だと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

夢咲ヒロ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

スパロボMXの影響で見たが

ゼオライマーがカッコ良すぎて惚れ惚れしました。
後、キャラクターが個性的でいい!
ただ、尺の短さが気になりましたね。
1クールぐらいの長さでやれば良かったのかな……なんて思います。
しかし、それすらもどうでも良くなるロボットデザイン!
私は特にゼオライマーはもちろんのこと、月のローズセラヴィーがかなり好きです。
さらに、物語を面白くしてくれるのが、木原マサキの外道なカリスマ性でしょうか。
見てて、スカッと(!?)出来た、そんな作品でした。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 0

63.6 13 戦いでロボットなアニメランキング13位
装甲騎兵ボトムズ-ペールゼンファイルズ(OVA)

2007年8月30日
★★★★☆ 3.8 (33)
188人が棚に入れました
レッドショルダー部隊を除隊したキリコ・キュービィは、惑星ロウランでの「タイパス渡河作戦」に従軍していた。60万以上の大兵力を用いた史上最大規模の渡河作戦だが、キリコが配属された部隊は最も過酷な戦場に送り込まれた。一方、レッドショルダー部隊司令のヨラン・ペールゼンは、軍事法廷の被告席に座っていた。検察官の怒号交じりの詰問に、終始無言を貫くペールゼン。その2人を、1人の男が見つめていた…。
ネタバレ

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

異能生存体の謎を巡る物語 A+

この作品を見る方は、ボトムズの全52話を既に見終わった方だと思いますが、万が一未視聴でトライしようというチャレンジャーの方に向けて、少し解説を書いておこうと思います。

この作品に入る前に、まず、レッドショルダーという言葉を理解しておいた方が良いです。

レッドショルダー、正式名は、ギルガメス宇宙軍第10師団メルキア方面軍第24戦略機甲歩兵団特殊任務班X-1。
ヨラン・ペールゼンの上申を受けた参謀本部によって編成が認可された部隊です。
部隊のスコープドッグ(ロボットの一種と思ってください)は、その右肩を血のような赤で塗っていたことから、通称「レッドショルダー」と呼ばれました。
訓練で見方同士を殺し合わせたり、凄惨な戦いからも味方を犠牲にしてまで帰還したと噂されたりと、吸血部隊として恐れられていました。


この物語は、レッドショルダー部隊を除隊した主人公キリコ・キュービィーが、史上最大の作戦・タイバス渡河作戦の最も激しい戦いの渦中に放り込まれるところから始まります。

一方、ペールゼンは、レッドショルダーにまつわるスキャンダルで失脚し、軍事裁判にかけられていますが、情報省次官ウォッカムによって法廷から救い出されます。

ペールゼンの残した秘密文書に着目したウォッカムは、「異能生存体」の有用性を実験し、戦後における地位の足掛かりにしようと目論んでいました。

こうしてウォッカムの監視下となったキリコは、秘密文書にピックアップされていた4人とともに、次々と過酷な戦場を転戦させられることになります。

「異能生存体」でなければ生き残れないような過酷な戦場を。

この「異能生存体」については作中で少しずつ明らかにされています。

{netabare}
かいつまんで言えば、どんな過酷な戦場でも生存していること、生存率がずば抜けて高いこと、さらに突き詰めて言うと死なないことが、「異能生存体」の指すものです。
また、ペールゼンは、レッドショルダー部隊で異能生存体の研究をし、究極的に死なない兵士による軍隊の創設を目論んでいました。
そのリストに主人公のキリコが入っていたという訳です。
{/netabare}

要は、キリコを含む5人は「異能生存体」のテストをされる訳ですから、夥しい死者がでるような凄惨な戦場に次々送り込まれるハメになるのです。

当のキリコは、さも当然のように愚痴の一つも言わずに、任務を着々とこなします。
まるで何の意思も持っていないかのように映る、戦いのためだけに生まれてきたような人間、それがキリコ・キュービィーなのです。

このキャラクターを理解していないと、見ていても楽しくないかもしれません。
主人公が何の自己主張もしないのですから。
でも、旧来のボトムズファンからすると、これぞキリコ・キュービィーなのです。

まさにボトムズ大好き人間のための作品。
一度は見てみましょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あぁ、やっぱカッケェよ(涙)

ほぼオッサンの思い出話なので、スルーして頂いた方がイイと思います。

 とある方の方とのメッセのやり取りで、今更無性にスコープドッグが観たくなり本編のお気に入りの16話"掃討"と21話"遡行"、んでペールゼンファイルズの"冷獄"を観ちゃいまして。
いい歳して最近のアニメを立て続けに観た反動なんでしょうね。
戦闘シーンの派手さで言えば孤影再びの黒い稲妻旅団との戦いが香港のアクション映画みたいな感じでキリコ無双なんですけど、あれはちと引く位強すぎなんすよねw

 まぁボトムズなんて正直、私ら世代しか観ない作品とは思うんです。
私自身も今のアニメの質の高さとか話の練り具合なんて、昔のアニメとは比較にならないぐらい底上げされてると感じてます。

 ただ久しぶりにボトムズ見たらやっぱり戦闘シーンでワクワクするんですよ、今でも。思い出補正なのかもしれませんけどね。
でも、正直私が観た最近のロボット・メカ物での戦闘シーンにはこんな高揚は無かったんすよね。
ボトムズ本編なんて、絵なんか今の視点で観たら酷くて見てらんない筈なのに。
やっぱグライディングホイールで滑走するスコープドッグやパイルバンカーでスタンディングタートル串刺しにするベルゼルガとか、パラシュートで無数に降下してくる姿とかね。痺れちゃうんすよね。
 ボトムズのOVAでも野望のルーツ・赫奕たる異端・幻影編が物語の続きを楽しむ作品とすれば、ラストレッドショルダー・ビッグバトルと続いたは"昔のリアルロボットのアクション物"としての集大成としての完成形がペールゼンファイルズだと思ってます。

個人的にはですけどねw
私ら世代はこの手のばかり見た世代だから、バルキリーの板野サーカス一番の方も居れば出渕デザイン好きも居ますしね。

 まぁ本作を今の若い方にもお勧めなんて言う気は更々有りませんが、観たらどういう感想持つのかなと言うのは興味ありますね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

63.7 14 戦いでロボットなアニメランキング14位
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ(OVA)

2000年12月21日
★★★★☆ 3.6 (33)
173人が棚に入れました
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ(しんげったーろぼたいねおげったーろぼ)は2000年に発売されたOVA。
5年前の恐竜帝国の侵攻は、ゲッターロボの活躍、そして巴武蔵の犠牲によって終結。大打撃を受けた恐竜帝国はマグマ層へと追いやられた。しかし、ニューヨークの街を消滅させる程の破壊力に恐れをなした国際社会からの圧力により、早乙女研究所のゲッター線関連の研究は凍結を余儀なくされる。

だが、その一方でゲッターロボのパイロットであった神隼人らは恐竜帝国の復活を予見し、ゲッター線を使わない新たなゲッターロボ「ネオゲッターロボ」を開発。恐竜帝国の再度の来襲に備えたものの、3人目のパイロットが決まらない。

果たして再び姿を現した恐竜帝国。そのメカザウルスが暴れる中、3人目のパイロットとして見出されたのが、闇プロレスの覇者、一文字號であった…。
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

知れば知るほど評価が上がる〈漫画版読了&東映版視聴後 追記〉

新作アニメ「ゲッターロボアーク」2021年夏公開決定を記念して期間限定でYOUTUBEにて配信されました。

今作は2000年に発売されたOVAで全4話。ゲッターロボシリーズの平成OVA作品第2弾となります。
細かいことは気にせずアクションとロボを楽しみたい方にお勧め。
少々グロがあるのでご注意を。
{netabare}
全4話・2時間弱、映画1本くらいのボリュームでしょうか。物語は少々大味でハッタリ満載の派手さが売りの作品、というか意図的にそっちに振り切ってる気がするなあ…。
特筆すべきは市街地戦の多さ。作画負担が増えやすいコンテ・演出ですけど作画班の実力が伴っていて、しっかり嵌っていました。勢いがあって見ていてとても楽しいですね!特撮作品のロボ戦が好きな人なんかはかなり楽しめるのではないかなあと。

体格が良くて力強いキャラクターデザインも私は好きです。作画枚数はそれほど多くなさそうですが、上手に動きを付けていて、キャラクターのお芝居もアクションの勢いも楽しい。

音楽は主題歌もBGMも好き。
特にBGMは珠玉の出来です。OP曲を金管楽器(かな?)でアレンジしたBGMが1、2話で使われていて凄く格好良い。3、4話でもこのBGM使って欲しかったなあ。

キャラクターに複雑な個性付けが無いのですが、これがわかりやすく特徴的で面白い。そして女の子が格好良い可愛い。
あと、剴は癒し。

4話のみの短い作品のためか、実力優先で声優さんが選出されていて全体の安定感が魅力。例外は主人公でしょうか。號役は若手時代の櫻井孝宏さんで、演技に勢いとパワーがあって作風によく合っています。


ゲッターロボは3タイプに変形するため、全てに見せ場を作るのは簡単ではありません。それが2機+テキサスマックという欲張りっぷり!
真ゲッター3のみ見せ場が無いのは勿体なかったですが、他はしっかり活躍させているのが流石です。
私は翔が格好良くて好きですね。第2話でテキサスマックの危機に助太刀に入った時、かねてからの友人であった翔がネオゲッター2で駆け付けるのがとても良い。そのシーンのネオゲッター2は武人のようで格好良いです。剴とネオゲッター3の活躍で締め括っているのも好き。
全体的に忙しい作品ですが、第2話は単品で見ても十分に纏まっているので一番好きな回かも知れません。

VSと銘打ってはいるのですが、真ゲッターとネオゲッターが並び立つ展開ではないのが勿体ない。
ですが前作主人公の位置付けである竜馬と隼人が新人・後輩のサポートに回っているのが個人的には凄く格好良いなと思います。

川越淳監督もシリーズ構成の藤田伸三さんも熱血や人情を描くのは上手なタイプと理解していますが、今作はその良い面も良くない面もはっきり出ている印象です。登場キャラ・登場メカも多くて落ち着いて視聴する作品ではないかも。
勢いと熱量を楽しむと良いと思います。
{/netabare}
(2020.11.3)

【漫画版と東映版視聴したので追記】
元となった作品をわかるようになると、ガラッと評価が変わる作品でした。これは素晴らしい。

本作は王道のロボットアニメに親しんだ人にオススメしたいアニメです。
前日譚や人間関係は想像する必要がありますが、それ自体は王道ですのでロボットアニメが好きな人ならおそらく大丈夫。
(「新ゲッターロボ」は導入が丁寧で入りやすいのですが、後半は難解で壮大なSFとなりますし、グロ耐性下ネタ耐性が必要なので人を選ぶかなと…)
{netabare}
アニメアーク1巻ブックレットの南喜長Pインタビューに「ネオゲッターロボは東映まんがまつりのような子供にも観られるようなものを目指した」という内容が。しっかり反映された気持ちの良いアニメですね。

・東映版初代ゲッターロボ&ゲッターロボGを視聴して
本作のスタッフは皆さん東映版がとても好きだと思います(笑)。
まずはOPのゲットマシン発進シーン。東映版GのOPのわかりやすいオマージュです。
ネオゲッターロボのデザインはゲッターロボ號の頭部とカラーリングを踏襲していますが、ボディはゲッターロボGの3形態によく似ています。特にネオゲッター3は首のファンを回して竜巻を起こしたり、脚部のスラスターで敵を迎撃したり。これはゲッターポセイドンによく似ていて、東映版で目立っていた武装です。
東映版號と漫画版號で號・翔・剴が乗り込むゲッターロボ號は、版権が複雑でOVAでは出せなかったそうなんですよね。OVAスタッフの苦肉の策なのでしょうが、作中ではゲッターロボGは初の戦闘を前提としたゲッターロボですから、プラズマエネルギーで動くネオゲッターロボに受け継がれる説得力のあるチョイスだったと思います。

恐竜帝国の描き方にもリスペクトがありますね。
東映版では恐竜帝国とのラストバトルが不完全燃焼なんですよ。帝王ゴールはラスボスとしての存在感を発揮できなかった。漫画版でも非業の死を遂げています。恐竜帝国のファンって視聴者に結構多いんですよね。でも東映版と漫画版はそれぞれ違う意味で爽快なラストではない。
本作で帝王ゴールは強大なラスボスであり、部下とのやり取りも増えていて胸のすく想いでした。


・漫画版を読んで
本作のスタッフは皆さん漫画版もとても好きですね(笑)。
漫画のワンシーンや印象的なセリフをいくつも引用し、それを違う物語に整理しつつ違和感なく嵌め込んでいるのが凄い。
漫画版隼人は苛烈に見えるけれども素が苦労人で、本作にもその性質が強く引き継がれています。3話冒頭で真ゲッターロボの起動を政府関係者に許可されず、イライラしながら峠道で車を飛ばす。そんなちょっとしたカットにキャラクターへの愛を感じます。

竜馬と隼人が亡くなった武蔵に語り掛けるシーンが本作には多い。これはチームが離散して竜馬と隼人の時が止まってしまったから、そして漫画版とは流れが違うからです。
5年前、武蔵の特攻で恐竜帝国を退けることには成功したものの、ゲッター線によりニューヨークが壊滅してしまった。日本は海外からの非難に晒され、真ゲッターロボもゲッター計画も凍結されてしまった。
そんな物語に変更されているようなんですね。だからネオゲッターのパイロットが揃ったこと、恐竜帝国が壊滅したことを武蔵に捧げる。やっと竜馬と隼人は過去を振り切ることができたわけです。
若い3人の力と前向きなエネルギーが、止まっていた物語を動かす原動力になっているのが良いですね。{/netabare}
(2021.12.5)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

66.9 15 戦いでロボットなアニメランキング15位
バブルガムクライシス(OVA)

1987年2月25日
★★★★☆ 3.7 (34)
139人が棚に入れました
 近未来世界を舞台に超法規立場の美少女戦士たちが活躍する、OVAの大ヒットシリーズ。西暦2032年。かつて大地震で壊滅した東京はメガロポリスTOKYOとして復活したが、闇の中では殺人兵器の人造人間ブーマが出没。その陰では、現代社会を半ば支配する大企業ゲノム社が暗躍する。ブーマに襲われる人々を救い、ゲノム社の暗部を白日にさらすため活動するのは「闇の仕置人」こと美しい曲線の戦闘パワードスーツをまとう謎の4人の美女「ナイトセイバーズ」。ゲノム社への復讐に燃えるシリアをリーダーとする彼女たちは今夜も事件を追うが、そんな一同の前に新たな事態が……。
 先行OVA「ガルフォース」シリーズの成功を受け、アートミックとAICが企画製作した美少女SFアクション路線の第二弾。キャラクターデザインは「ガルフォース」同様、園田健一が担当。今回はさらにメカニック色を重視し、先行作に続くヒット作となった。主人公プリスのCVを演じる歌手・大森絹子が熱唱する主題歌も大反響を呼ぶ。

声優・キャラクター
大森絹子、榊原良子、富沢美智恵、平松晶子、古川登志夫、堀内賢雄、佐々木望、緒方賢一、池田秀一、川久保潔、佐藤正治

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

80年代美少女が一番しっくりくる。ハマーン様がSFキャツアイみたいなことする(ゴクッ…)。

 別に80年代が青春でもないし、その時期のアニメばっか見てるわけじゃないが80年代デザインかその派生系くらいが一番好き。昔は良かったおじさんじゃないが、ドンドンあっさり化ソフト化が進み過ぎてる気がする。

 
 それにしても、榊原さんが出てる作品にハズレ無し。ただ、本作の主役の一人プリスの中の人が声優さんよりメインが歌手の人らしく上手くねぇ…。山ちゃんがモブやってるのが時代を感じる。


 どうでもいいが、近年流行りのシティーポップのサンプリング映像として80年代アニメが採用されてるって話は聞いてたが、本作を見てたら「あ!、このシーーンは。」ってところがあって驚いた。80年代アニメには存在しないノスタルジー効果があるのかもしれぬ。


バリってるでお馴染み大張さんや、「ポケ戦」の高山さんなど有能クリエイターが参加しているだけあって回によってクオリティーが段違いである。ただ、一番印象的なのは、7話でうるし原さんが参加していて、みんなうるし原さんデザインに変更されて美少女度マシマシな濃い目になってて良し。やはり私は濃いめなデザインの方が好きなのかな。


 ただ、全体としては、こういう作品は「パトレイバー」みたいに沢山の話数をテレビでやりつつの方が合っている気がした。1話完結タイプの話は短いovaだと少々物足りない。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

65.7 16 戦いでロボットなアニメランキング16位
幻夢戦記レダ(OVA)

1985年3月1日
★★★★☆ 3.7 (33)
138人が棚に入れました
朝霧 陽子(あさぎり ようこ)は、17歳のごく普通の女子高校生。彼女には一途に憧れ続けている男子がいた。想いを告げられぬままの1年5ヶ月に決着を付けるべく、自らの想いを込めたピアノ曲を完成させ、カセットテープに録音する。 そして、ヘッドホンステレオでその曲を聴きながら、いつもすれ違うだけだった並木道で彼に声を掛けようとする陽子だったが、結局できないまますれ違い、肩を落とす。すると次の瞬間、陽子は突然異様な空間に飛ばされてしまう。そこは異次元世界アシャンティで、陽子はレダのハートを狙う総統・ゼルによって引き込まれたのだった。見知らぬ生き物が徘徊する森の中、陽子は世界を旅する犬・リンガムと出会い、自分が異世界に来たことを知る。もと居た世界へ帰りたいと願う陽子は、自作の曲が帰るためのカギであることに気付くが、いきなり襲いかかってきたゼルの兵士たちによってヘッドホンステレオを奪われ、さらに命を狙われる。

声優・キャラクター
鶴ひろみ、池田秀一、坂本千夏
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

往年のビキニアーマー戦士に会いたくて……

先日発売された4KリマスターBlu-ray買っちゃいました♪

80年代半ば頃から90年代にかけて、
二次元世界では数多くのビキニアーマー美女戦士が活躍していました。

ビキニアーマーは何も本作みたいに、
マニア向けOVAに登場するお姉さんだけではなく、
一部の一般子供向けコンテンツの女の子にも浸透していたように思います。

実際、私とビキニアーマー戦士との初遭遇は、
アニメ『ドラゴンボール』のチチ(幼少期)でしたし。
当時ゲームショップに行くと、『ドラクエ3』パッケージ裏の女戦士を始め、
ビキニアーマー戦士のビジュアルがやたら目に付いた記憶があります。

ビキニアーマー戦士と言うのも、何とも摩訶不思議な存在で、
各種ハプニングシーンや恋愛、ラブコメ展開には恥じらうクセに、
己の際どい装備にはさほど恥じらわずw
堂々と胸を張り、その身一つで世界を救う戦いに挑んでいく……。

これは幼い頃の私が、女の子は露出することでパワーを発揮するなどと、
勘違いしても、仕方ありませんねw


そんな私にとって、本作主人公の朝霧 陽子は、
日本におけるビキニアーマー戦士の源流を形成したレジェンドとして、
一度、相まみえてみたかったヒロイン。

けど、映像ソフトのプレミア化などに阻まれて中々機会がなくて……。
今回のBlu-rayリマスター企画は千載一遇の好機でした。


とは言え、ただビキニアーマーと言うだけで、諭吉一枚差し出すほど、
尊氏の守銭の砦は脆くはありませんw

ダメ押しとなったのは、本作キャラクターデザインが、いのまたむつみ氏だったから。

いのまた氏と言えば、個人的に筋肉の造形が素晴らしいと尊敬しているイラストレーター。
特に脇腹!脇腹が良いんですよ~♪

後のゲーム『テイルズオブデスティニー』(PS)の筋肉担当・コングマン辺りの、
ムキムキに割れてる腹筋を描くのは当たり前として、
いのまた氏の場合は華奢な美少年や可憐な美少女。
一見して筋肉無さそうなキャラの腹も、決して寸胴みたいにスンナリ描かず、
ちゃんと内側に筋肉があることを意識して、くびれを描き込んでくる。

今回のリマスター企画で書き下ろされたジャケットサンプルの陽子の腹を眺めていて
かつて小説『宇宙皇子』の挿絵で描かれた美少年が見せた上半身裸体の肉体美を目の当たりにして、
筋肉に関するフェチズムに目覚めた宿命を思い出しましたw

いのまた氏は還暦間近になっても、肉体描写は衰えないなぁ~。
特典でアートブックも付くのか~。と密林で色めき立っている内に、
私の右手は、自動的に購入ボタンをポチっていましたw


とは言え、いくらキャラデザが頑張っても、
アニメーターが意図を汲まなければ意味がありません。
が、本作は作画監督も、いのまた氏、御自らが務めているので、問題ありません。

ビキニアーマー戦士のボディーラインや肢体の躍動感が、
好センスのアングル、作画構成で見事に表現されていました。
陽子の脇腹には確かに筋肉と夢が詰まっていましたw


ストーリーもある朝、告白に躊躇してしまったヒロインが、
召喚された異世界で戦い抜くことで、自らの心の弱さに向き合い、
元の世界で、幸せを掴むためのほんの少し勇気、成長を見せるのか?
と言う王道展開。

そんなメインテーマを“レダの心臓”即ち、
{netabare}ヒロインが意中の彼に告白するために、
作曲、録音したピアノ曲の収録テープが入ったカセットウォークマン。{/netabare}
と言うキーアイテムを活用し、異世界の危機と、揺れる乙女心を同列に語ることで、
王道を盤石にしていく脚本、演出が実にいじらしいです。

相変わらずヒロインは、恋には時めき恥じらうクセに、
異世界での大胆な露出には恥じらわずw
“レダ”のパワーか何かで、各種武器、乗り物の超人的な運用も、
学習なしで適応してしまうテンポの良さ。

朝霧 陽子は、まごうこと無きビキニアーマー戦士でした♪


ビキニアーマーだけでなく、ヒロインが冒険する、、
奇怪な生物が巣くう荒涼としたファンタジー世界と、
過ぎ去りし文明の機械、可変対応のビークル、飛空艇、巨大ロボ、空中要塞の異様。
CV池田 秀一氏の狂気を孕んだラスボスの言動。
異世界へ誘う、鷺巣 詩郎氏の高揚感溢れる劇伴。

80年代、気鋭の若手スタッフらによる“魅せたい”
アニメファンの“観たい”がギッシリ詰まった……。
OVA黄金期の解放区としての気風が存分に感じられる快作です♪

投稿 : 2024/12/28
♥ : 21

66.2 17 戦いでロボットなアニメランキング17位
機甲猟兵メロウリンク(OVA)

1988年11月21日
★★★★☆ 3.6 (26)
115人が棚に入れました
ギルガメスとバララント両国家によって展開された百年戦争の終結間近、濡れ衣という形で軍上層部の陰謀に巻き込まれた少年兵士メロウリンクは、戦友たちを死に追いやり、自らをも陥れた士官たちへの復讐の旅に出る。その後に待ち受ける過酷な運命も知らず……。

声優・キャラクター
松本保典、大塚明夫、玉川砂記子

60.1 18 戦いでロボットなアニメランキング18位
ボトムズファインダー(OVA)

2011年4月7日
★★★★☆ 3.6 (24)
105人が棚に入れました
 遥かに深い崖の底にある世界“ボトムズ”。そこに、崖の上にあるという世界“トプ”へと想いを馳せる少年が居た。少年の名はアキ・テスノ。持ち前のAt(アルトロ)操縦技術からタンブラー(曲芸師)と呼ばれている。その彼に突然トプから、ディアハルトという男によってボトムズの地に誘拐された少女を助けて欲しい、との依頼が舞い込んでくる。二つ返事で引き受けるアキ。相棒のエイビィと“島”と呼ばれる廃墟へ向かい、ディアハルトのAtと対峙する。そして無事に少女の救出に成功!―――と思いきや、事態は予想外の方向へと!?

63.5 19 戦いでロボットなアニメランキング19位
戦え!!イクサー1(OVA)

1985年10月19日
★★★★☆ 3.5 (27)
97人が棚に入れました
「破邪大星ダンガイオー」や「吸血姫美夕」の平野俊貴(当時は平野俊弘)監督によるSF美少女アクション。ヒーローアニメ、特撮のオマージュが豊富に盛り込まれたこの作品の音楽は、特撮音楽の大御所、渡辺宙明。宇宙の侵略者、クトゥルフの魔の手が地球に迫る中、女子高生加納渚は、イクサー1と名乗る女性に「一緒にクトゥルフと戦ってくれ」と頼まれる。

声優・キャラクター
山本百合子、荘真由美、戸田恵子、安藤ありさ、塩沢兼人
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

映画+アニメ+特撮 それぞれの叡智を結集した傑作

このアニメには実に色々なエッセンスが詰まっています。

美少女が出てきてしかも女の子同士でイチャイチャする、美少女アニメ要素。
巨大ロボットに乗り込んで闘う、ロボットアニメ要素。
不気味な容貌をした化け物に人間たちが襲われる、スプラッター映画要素。
宇宙を股にかける生命体の侵略、SF映画要素。
巨大な敵とビル群を背に闘う、怪獣特撮要素。

このカオスさは80年代のアニメじゃないと味わえない。
イクサー1はそういった時代の象徴だと思います。
いずれも異常なこだわりが感じられて、面白いというか感動すら覚えます。
美少女好きなんだなー、怪獣好きなんだなーというのが見ていて分かります(笑)



ストーリー自体は極めて単純、分かりやすい。大味ながら直球で「愛!」をぶつけてくる辺りが最早清々しいです。


地球人のヒロイン、加納渚が異星人のイクサー1に惚れられて一緒に侵略者である悪の親玉、ビッグゴールドを打倒せんとします。
イクサーロボに二人で乗り込み悪をぶっつぶせ!!

敵も味方も愛ゆえに闘い傷つき倒れていく。そして愛ゆえに立ち上がる。美少女だらけでも完全に燃えアニメです。

燃え、というキーワードの中で力強い声質をもつ渚役の荘真由美さんと主題歌を担当する柿沢美貴さんの功績は偉大です!荘さん最高です!!


女の子は可愛いしロボットはカッコいいし音楽も素晴らしい。
重厚なテーマみたいなものはなく、ただひたすらに娯楽作です。

ちょーっと今見ると異様な雰囲気かな?と思いますので、今のアニメが好きな方には全くオススメできません。
全3話(巻)、次に続きます。


ちょっと思ったこと
{netabare}
この『戦え!!イクサー1』というタイトル。
もしかして『戦え!オスパー』のパロディであったりするのでしょうか。
話は全然関係ないし響きが似てるというだけなので多分違うとは思うのですが。
気になりました。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 9

66.9 20 戦いでロボットなアニメランキング20位
OBSOLETE(Webアニメ)

2019年12月3日
★★★★☆ 3.5 (20)
97人が棚に入れました
2014年、突如現れた異星人は、人類に対して「交易」を要求。彼らが石灰岩の対価として地球にもたらしたのは、意識制御型汎用ロボット「エグゾフレーム」だった。戦闘機よりも戦車よりも銃よりも安価で、誰でも簡単に乗りこなすことができる「エグゾフレーム」は、またたくまに拡散し、世界を変えていく――。<異星人の交渉音声>「現在、すべての電波帯域に、五種類の言語で呼びかけています。我々は政治干渉も文化交流も望みません。ただ通商のみを希望します。石灰岩1,000キログラムにつき1つ、我々のテクノロジーの産物を提供します。国家、民族、思想、その他あらゆる差違について我々は区別いたしません。すべての地球人類に、平等に、均等に、この交換条件を提案いたします」

声優・キャラクター
田中正彦、森川智之、山野井仁、高木渉、本城雄太郎、杉本ゆう、大友龍三郎

62.9 21 戦いでロボットなアニメランキング21位
破邪大星ダンガイオー(彈劾凰)(OVA)

1987年9月28日
★★★★☆ 3.5 (24)
92人が棚に入れました
当時の若手スタッフが、かつてのスーパーロボットアニメへのオマージュを込めて制作したOVA。 宇宙の科学者ターサン博士によって改造されてしまった4人の少年少女たち。彼らは強力なサイキック戦士として宇宙海賊バンカーに売られるところだったが、すんでのところで脱出に成功。追撃してくる敵を相手にそれぞれが乗り込んだダンメカニックを合体させ、強力無比なロボット・ダンガイオーの姿を成して戦うのだった。これまでの記憶を失っていた彼らは、やがて各自の過去と向き合うことになる。 主演声優に神谷明、主題歌担当は水木一郎&堀江美都子、BGM作曲は渡辺宙明……と、どこまでも王道を突っ走る制作スタッフの狙いが気持ちいい。

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

時代に逆行したスパロボアニメ。勢いとキャラの濃さが魅力

1979年に放映されたガンダムの影響等で、80年代に入って以前のスーパーロボット系のアニメが減少したことを考慮して制作されたアニメ・・・らしいです。


宇宙の散り散りから集められた超能力者4人がいきなり合体ロボットで戦うことになる、正に理屈抜きの展開。


OPから迸る熱血オーラ、水木一郎×堀江美都子の豪華共演で掴みは最高です。


ロボットを駆りつつ、自前の超能力を用いながら戦う戦法がとてもユニークでした。
とにかくロボットの立ち回りと戦闘が断トツに格好良いです。

合体時にミアが発する「クロスファイッ!ダーンガーイオ~!」って張りのある掛け声が最高です。荘さんにしか出来ない芸当だと思います。
あとダンガイオーの‘サイキック・ウェイブ’や‘ダンガイソード’は迫力があって良いです。


ヒロインのミア・アリスを始め、美少女アニメとしての側面も強いと思います。平野俊弘さんの描く美少女キャラ、個人的にはすごくツボです。


ただやはり時代の流れには勝てなかったか、3巻で打ちきり終了となりました。

そのため、各キャラの過去エピソードがかなり雑な扱いになってます。せっかく個性的な面々なのにキャラ紹介で終始してしまうのは本当に勿体ないと思いました。

極めつけはわずか2話目で1話の総集編を行う有り様(笑) よほど予算が足りなかったのでしょうか、制作スタッフの苦労が窺えます。


そんな感じで、AICが果敢に挑戦した結果不発に終わった感のある本作品ですが、
2話「涙のスパイラルナックル」は総集編を考えても素晴らしいエピソードです。ラストは感動もの。
この回だけでも見る価値あったと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3
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