scandalsho さんの感想・評価
4.7
境界の彼方の完結編
原作未読。
TVアニメ本編の伏線を回収した作品。
日常パートが少ない分、魅力が半減するが、『全て丸く収まった感』は高評価。
贅沢を言えば、劇場版ではなく第2期としてじっくり見たかったかな?
エンドロール後に必ずほっこりします。
scandalsho さんの感想・評価
4.7
原作未読。
TVアニメ本編の伏線を回収した作品。
日常パートが少ない分、魅力が半減するが、『全て丸く収まった感』は高評価。
贅沢を言えば、劇場版ではなく第2期としてじっくり見たかったかな?
エンドロール後に必ずほっこりします。
剣道部 さんの感想・評価
4.0
[文量→大盛り・内容→感想系]
【総括】
劇場版なんで、テレビ版(か劇場版過去編)の視聴が前提になります。
なんか、(半分は褒め言葉として)胃もたれしそうな作品でしたw シリアスな展開+圧倒的に多彩な作画による派手なバトルシーン+声優さんの熱演(絶叫)の連打連打連打。
観るだけでも疲れましたよ(笑) あっ、一応、褒め言葉っすよw
【視聴終了】
{netabare}
誰ですか? 闇落ちした栗山さんを見て「黒髪もアリだな」とか不謹慎なこと考えたのは?「ハイ! 私です!」w
やっぱり、栗山さんは可愛かった♪
映像は、言うまでもなく京アニクオリティで、特に「夜の表現」は自分的アニメ史上No.1だったかも。闇の濃さの違いとか、夜の澄んだ空気感とか、少し密度の高い影の部分とか……ホントに「実物より実物らしい」神作画で、感動しました。
ただ、私が「境界の彼方(テレビ版)」を評価5にしているのは、神作画以上に素晴らしいシナリオとキャラクターに感動したからです。本作は劇場版ということで、テレビ版のように伏線張り巡らしての大どんでん返し、はありませんでしたね(これはしょうがないけど)。
正直、これだったらテレビ版で十分に完結できていたかな~という印象です。
(テレビ版のレビューに書いてますが)劇場版をやるなら、テレビ版の最後の笑顔は良くわからないし、もっと違う形でやれたのでは? それこそ過去編なんて作らずに、未来編二部作で。
まあ、指輪のこととか泉のこととか、テレビ版で回収しきれなかったいくつかの伏線は回収できていたので、そこは良かったです。
そしてやはり劇場版でも美月はモブでしたw 一番好きなキャラなんですけどね(汗) 美月をメインヒロインにしてもアニメ1本作れるほど魅力的なキャラだと思うので、勿体ないというか、贅沢な使い方だと思います。
とはいえ、何をどうイチャモンつけようと、結局は劇場版でも最後の「栗山さんの笑顔+不愉快です」で全部許しちゃうんですけどねw
ズルい作品です、不愉快です(笑)
{/netabare}
ハウトゥーバトル さんの感想・評価
4.8
視聴理由 未来編なのか
視聴前 あんなラストされたら気になってショーがない
視聴後 涙
この話は「境界の彼方」の後の話
ジャンルは変わらずラブコメ・妖怪・バトル
本編の未来編です。過去未来の未来であって栗山未来編では...ない...はず?
(ここからスーパー勝手に想像モード)
「未来とは過去と向き合った結果の可能性」と誰かがいってました。栗山未来は過去を踏まえた神原秋人の可能性なのではないでしょうか。自身の過去を背負ってきた栗山さんは秋人君の未来になり得たのでしょう。しかし、今作では秋人君の可能性は感じられませんでした。それは過去が無いからなのではないでしょうか。現在だけでは何も出来ない。過去が無ければ未来もない。そのようなことを勝手に学ばせて頂きました。
内容は素晴らしかったです。序盤の掴みは良く、中盤の盛り上がりや戦闘シーンでの迫力は臨場感と共に、終盤のオチや感動シーンはウルっときました。構成が素晴らしいですね。1秒たりとも無駄な時間はありませんでした。
作画はやはり素晴らしく、戦闘シーンやラストシーンなどは特に良かったです。感激しました。
主題歌は本編と同じく菊田大介さん畑亜貴さん茅原実里さんの名曲コンビによる「会いたかった空」良曲
総評 本編みたら未来も見やがれ!
◇fumi◆ さんの感想・評価
4.0
2011年の劇場版アニメ 3部作の最終章 62分 R15指定
スタッフキャストは一貫している。
前半は第二部の続きでカジノでのブラックジャック勝負。
SF的な部分があるのかは視聴者の感じ方次第。
ブラックジャックそのものは面白いし手に汗握る。
まあ、サイバーバンクSFアニメを期待したとすれば裏切られる方向性かな。
後半は一転して、乱雑な未来社会(ウイリアムギブソン風)を舞台にガンバトルが繰り広げられる。
ハカイダーの如く壁を歩く強敵ディムズデイル=ボイルドCV磯部勉との決着だ。
3部作一貫して主人公ルーン・バロットの魅力が全開で、
受け入れられるかどうかは、数奇な運命をたどった少女との一体感を得られるかだと思います。
大人向け作品なのでルーンには処女性は無く、汚れきった生命の強さを見せます。
はかなげな外見とは相いれないような穢れこそがその本質です。
この作品が成功作なのかどうかは原作を読んだ人にしか評価できないでしょうが、
SFファンにとっては貴重な作品であることだけは確かだと思います。
80年代の米SF界を席巻したサイバーバンクにあこがれた日本人作家の必死な作品とも見えますが、
完成させたことにより、日本人独自の創作が一段階上がった、
恥ずかしながらもマイルストーンと言える作品であったと思いたいです。
物語の迷走は「乱雑な世界」を描くための上級創作ともいえますが、
失敗であったとも取れる、視聴者に判断をゆだねたものだと思います。
誰にでもお勧めできる作品ではありませんが、
未知なるものへの興味が、完成品しか認めないという固さを超える人には、
価値ある作品になる可能性はある作品だと思いました。
やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価
4.0
本作およびレビュー内容にはR18になりそうな過激な言語表現が含まれていますので、嫌な方は読まないで下さい。
■評価
テーマ性 :★★★★☆ 4.1
エログロ度:★★★★ 4.0
純愛度 :★★★★☆ 4.3
シリアス度:★★★★☆ 4.3
おススメ度:★★★★☆ 4.1
■ストーリー
未成年売春婦のバロットは専属の雇い主であるカジノオーナー・シェルに突如焼殺される。しかし、生きる希望を持たぬバロットに救いの手を差し伸べたのは一匹のネズミであるウフコック・ペンティーノだった。そして、一命をとり止めたバロットは自身が焼殺された謎をウフコックたちと共に追っていくストーリー。『圧縮』『燃焼』『排気』の全3話 劇場版作品。
■感想
本作は著者:冲方丁さんの日本SF大賞を受賞した小説をアニメ化したもので、私は原作小説をすべて既読済です。本作はSF作品となっていますが、科学的な考察などは皆無であり、あくまでSF設定を用いたハードボイルド・サスペンス作品となります。(攻殻の様な世界観は求めない方が良いです)
個人的な感想としては、原作小説は超えられなかったが、難しい言語表現がならぶ小説の世界観を巧みに表現した良作だと思います。本シリーズは『生きる事とは何か?』というシンプルなテーマを持ち、一つの殺人未遂事件から真相を追う過程を、肉弾戦・頭脳戦・心理戦を用いて楽しませてくれる内容になっています。
そして、未成年売春・幼児虐待・強姦・近親相姦・暴力・ドラッグ・汚職・金・権力という人間の汚物と血反吐にまみれた世界観の中で、そのストーリの本質が生きる苦しさ、そして純愛という人の生臭さを描いているので本シリーズのテーマが光ってみえます。
また本作を鑑賞すると『生きる事は何なのか?』と考えさせられ、それは『自身や他者の存在を必要とし、必要とされる事』そんな分かりきった答えを理解しながらも、想い通りにはいかない人生の虚しさ(焦げ付き)や他者に愛される幸福感を本作品は感じさせてくれます。これぞハードボイルドの真骨頂です。
ただ、尺が足りない事でエンターテイメント性が薄れている点は残念です。個人的に本シリーズ通しての見所は、カジノでの頭脳戦・心理戦になりますが、このシーンでのバロットやウフコックの心理描写や、結果に対する過程の説明が少し足りないので、緊張感や悲壮感に物足りなさを感じます。
非常に惜しいです。
総じて、本シリーズはエログロ鬱なので、万人受けする作品ではありませんが、個人的には本作の続編(前章譚)であるボイルドが主人公のマルドゥック・ヴェロシティーのアニメ化も強く祈願しております。みんな~オラにパワーをぉぉぉ!!
レビューはここで一旦しめさせてもらいます。
ご拝読有り難うございました。
-------
■本作の謎とポイント
ネタバレになりますので、興味のない方は
読み飛ばしてくださいましm(_ _)m
{netabare}
Q1:バロットはなぜシェルに焼殺(未遂)されたの?
A1:原作小説から引用すると、生きる実感を得るために
バロットは思いつきで自身の身元を確認してしまった
事で、マネーロンダリングの秘密に触れたと思われ
シェルに殺害される事になります。
(本シリーズではよく描かれていませんでした)
Q2:ウフコックって何者?
A2:世界大戦期に楽園にいた三博士の一人に設計開発
された人口知能をもったネズミ型万能兵器です。
(ドラえもんのネズミ版です)
仕組みは全くわかりませんが、異次元に物体を
無限・永久的に保存し、必要なときに現次元に
呼び出す様な構造になっていたと理解しています。
そのためウフコックが銃になれば弾は無限に供給され
続けます。
Q3:シェルって何者?少女達を殺害した動機は?
A3:オクトーバー社と結託し、身寄りのない少女達の
戸籍を利用したマネーロンダリングを行う悪党です。
そして、シェル(殻)という名の通り、過去の母親殺し
という罪と苦しみから逃げるために、マネーロンダリ
ングの証拠隠滅と併せて、自身の記憶の抜き取りを
繰り返し、結局は中身のない殻の様な男に成り下がり
ました。また動機ですが、どの少女も自分の事を
知ろうとしてしまう事でシェルの過去の罪の苦しみや
恐怖をフラッシュバックさせてしまい、A1の内容と
あいまって動機となり殺害に及んでいました。
Q5:ボイルドって何者?
A5:彼は元々は戦術爆撃機のパイロットであり、過度の
過労と処方されたオクトーバー社製ドラッグが要因
で、誤って見方を爆撃してしまう罪を犯します。
そして楽園に人体改造のモルモットとして送られ
ますが、ウフコックという愛を与えてくれる存在と
出会い希望を見出した人間でした・・・。
Q6:バロットはなぜ人体改造の順応率が高くて強いの?
主人公だから?
A6:半分合っています。
バロットは幼少期から大人の欲望に蹂躙される経験を
もち、その経験から無意識の防衛本能により、自分の
体の感覚を自由に無感・無心にする術を身に着けて
いました。そのため、繊細なコントロールが必要な
スナーク機能とバロットの愛称がよく順能率が
あがった事になっています。
Q7:ボイルドは重力を操って弾丸をはじく程、無敵なのに
なぜバロットの銃弾が当たったの?
A7:バロットが持つ能力はスナーク機能となっており
電子機器の遠隔制御やハッキング、そして自身の肌
から放出する電磁波をソナー代わりにして、物体の
接近や動作を察知します。
この機能を駆使してボイルドが銃を撃つ際に
重力の壁に隙間ができる事を察知し、その隙間に
銃弾を打ち込む事でボイルドは初めて被弾したのです。
そのため、終盤のボイルドはチャクグレネードを使い
バロットのスナーク機能を封じようとしたのです。
Q8:ボイルドのもっている銃は何?威力ありすぎでは?
A8:65口径のモンスター・マグナムです。通常の人間が
撃てば両腕が脱臼するほどの威力ですが、ボイルドは
重力でその衝撃を抑えて使用しています。
現代でも55口径の拳銃が最大です。
詳細はヴェロシティーで!!
Q9:ボイルドとウフコックは過去に何があったの?
A9:ボイルドとウフコックは楽園からでてからも
マルドゥックスクランブルO-9の有用性を証明する
ために、相棒として日夜事件と戦っていました。
しかし、オクトーバー社の陰謀によりマルドゥック
スクランブルO-9の遵守が難しい(ウフコックが処分
される)と思った彼は、その陰謀を潰すため
自分たちに不利な証言をする一般人たちを口封じの
ために次々と暗殺したのです。
その事が原因でウフコックはボイルドと離別し
単独で任務に励みますが、実はボイルドのお陰で
存在できているのです。そんなボイルドの愛を
知っているからこそ、ラストシーンでウフコックは
あんなにも落ち込んでいたのです。
ここで何でボイルドはオクトーバー社側に
ついてるの?という疑問が沸きますが、詳細は
ヴェロシティーで!!
Q10:冲方丁さんは虚淵玄さんの二番煎じの脚本家
じゃないの??
A10:私は違うと思います。
冲方丁さんは数多くのアニメ作品を手がける私の
好きな脚本家さんですが、私は虚淵玄さんも好きです。
このお二方の共通点は触れ幅の激しいストーリーと
鬱展開だと思っていますが、決定的に違う点が
あると思います。
それは虚淵さんは、容赦なき『死に様』を描いて
強烈な心の傷(印象)を残しますが、冲方さんは
主人公の過酷な『生き様』を描いて、苦しみと絶望を
心にジワリジワリと染み込ませてきます。
この似ているけど異なるすばらしき脚本家さん達の
活躍に今後も期待しています。
少しでも本作を楽しむ糧にして頂いたら幸いです。
{/netabare}
-------
けみかけ さんの感想・評価
4.7
思いっきり前回の続きからなので前2作を観ないと完全に置いてけぼりですw
ダイジェストとか一切ナシですw
可能であれば3作を連続して観て頂くのがイチバンかと?;
前作でベル・ウィングさんとのルーレット勝負に辛くも勝利を収めたバロットとウフコック
続けてブラックジャックに挑戦し、目的である100万ドルチップ4枚の回収を狙う
前回に引き続き、前半の内容は完全にギャンブルでの頭脳戦、心理戦の模様
そしてバロットを殺そうとしたシェルの、消し去った記憶から明らかになるその素顔と真実
残忍な殺人犯であるはずのシェルに秘められた悲しい過去に困惑するバロットがドラマティックですb
そしていよいよクライマックスはボイルドとの最終決戦
シリーズ集大成とも言うべき圧巻のアクションシーンにスタッフの成長も感じられ、ここまでマルドゥックを追いかけてきた甲斐もあったというものですよ
(実際に、第1部制作開始当初は新米だったアニメタ達の、レベルアップを狙ったOJT的な制作現場だったようです)
改めて『3年という月日』と『60分×3部作という構成』は、「原作を完全再現したい!」という想いから生まれたものではあるものの、いささか“詰め込みすぎた”感が苛まれ、決して今回のフォーマットがマルドゥックのアニメ化に相応しいモノだったとは言い難いです
でもねw
この『排気』単発の出来栄えからするとその辺はもうドーデモ良くなってくるのですよwww
神さま(本田美奈子)が差し伸べた救いの手(アメイジング・グレース)がバロット(林原めぐみ)に受け継がれていく様(今作の挿入歌で林原めぐみと本田美奈子が奇跡のデュエット)とかもう感無量
とりまちゃんと完結したことへのお祝いも兼ねて、本当に良かったね
って微笑ましく見送りたいっす