恋愛で高校生なアニメ映画ランキング 7

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の恋愛で高校生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月20日の時点で一番の恋愛で高校生なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.1 1 恋愛で高校生なアニメランキング1位
言の葉の庭(アニメ映画)

2013年5月31日
★★★★★ 4.1 (2002)
9528人が棚に入れました
靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は学校をさぼり、日本庭園で靴のスケッチを描いている。そこで出会った、謎めいた年上の女性・ユキノ。やがて二人は約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、心を通わせていくが、梅雨は明けようとしていた­…。

声優・キャラクター
入野自由、花澤香菜
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【新海監督の新作予告を観たら、行きたくなってしまいました…聖地訪問の日記追加】

雨が降る日には、空を眺めながら....
ふと、思い出すことがあるの....
二人は逢えているのかな?
なんてね...
それくらい強くわたしの心に残る作品だったということなのでしょうか...

雨の日の庭園での二人の男女のしのび逢い。輝かしい青春のひととき...

まだ何も知らない
仕事も歳も抱えた悩みも
名前さえも....
それなのに、どうしようもなく惹かれてしまう・・

そんな経験、私にもあるかもしれません

都会の喧騒から少しだけ離れ、穏やかに流れる時間を肌で感じられる自然にあふれた場所

こんな青々とした緑の中で深呼吸したらどんなに気持良いことでしょう!!試してみたくはなりませんか?
ここは、二人の秘密の場所 ...

雨降る午前。約束を交わさずともこの場所で逢い、心を通わせていく。

限りある時を惜しむかのよう
いけないと分かっていてもそれに心惹かれてしまう

二人の間にそんな少し危険な大人の恋、そんな香りを感じて

言葉のどんな力であっても、とても語りきれない部分で結びつく
人と人は、どうしてそれほどまでに惹かれ合うのでしょう...

いつのまにか想っていて
理由というのはいつも事後の話、人間だからこそ湧き出るこの気持ちは言葉では表現できません。

記憶に焼き付いた「雨」
1つ1つの描写が繊細に描かれています。
雨に濡れた新緑がしっとりした景観を生み出し、雨雫も相まってこの緑が美しい。
雨音はもちろん
葉に落ちる雨の音がとても心地良い
その全てが画面の中で調和して様々な趣きを醸し出しています。
「言の葉の庭」
恋愛や人生を感じさせ感動が胸に押し寄せる50分でした。

※ネタバレは一切ありませんが聖地訪問のため閉じます。
【2015年6月14日(日) 新宿御苑】
{netabare}
こだわりを感じる映像美に誘われ舞台を訪れました。
この日は雨ではなく曇り時々晴れ

新宿門を潜り木々に囲まれた園内の道を歩く
木漏れ日を浴びながらの散策。
そこはまさに映像で見た言の葉の庭が広がる...

二人がいた場所から水のある庭を望む。
まぶしいくらいの緑。床にも緑色が映っているくらいに。
アニメーションで見た景色が現実と重なった瞬間の高揚感がわたしを包む...感動です♡

そして世界観を演出するあのピアノが聴こえてきそうな...
揺れる二人の心模様を表現する素敵な音がね♪

園内で特に目を引いたのは華やかな紫陽花(あじさい)早朝に少しだけ降った雨に濡れた花がとてもきれい。

もし雨が降っていたのなら緑がめぐみの雨を喜んでいるかのようにもっとキラキラと輝いて見えたのかなぁ?

沢山歩いた後の食事は新宿門を出てすぐにある『礼華(らいか)』。(予約していました)
テラス席は笹のグリーンカーテン
心地よい風を感じながら美味しい食事に楽しい会話をして・・・私、こういう過ごし方が大好きです♡

今度は雨が降った時かな。。季節によって様々な顔を見せてくれる新宿御苑。また訪れたいです。{/netabare}

【2016年3月2日(水) 新宿御苑】
{netabare}
あたたかく、やわらかな春の包み込むような陽射しがとても心地よい午後…
うららかな春の陽気に誘われて

仕事の空き時間を利用してなのですが
言の葉の庭の聖地 新宿御苑にお散歩へ来ちゃいました♪

新宿門を潜り、入園券をかざし「ピッ」という音とともにゲートが開き、 言の葉の庭へと足を踏み入れました。
こんな気持ちよい天気だと、考えることは皆さん同じ…でしょ?
園内は沢山のヒトが訪れていました。

春の訪れを告げるように 白、やさしいピンク、濃いピンクなど さまざまな色のウメが咲き、はっとするようなキレイな春色に胸が弾みます。

そして嬉しいサプライズも・・
寒桜という種類のサクラが1~2分咲き程度ですが咲いていたのです。
やっぱりサクラって特別なんです♡

作品の中にも出てくる橋を渡っていると、キラキラ輝く水面を気持ちよさそうにスーッと泳ぐ鴨、鯉も口をパクパク(かわいい~♪)
こんな、心ほぐれる水辺の風景に出会います。

ほどなくして二人がいた秘密のあのベンチの場所に到着。
ベンチから後ろを振り返ると大木があり「染井吉野」の札が付いていました。
もう少しすると、この場所は満開の桜で彩られるのでしょうか…
季節を変えて訪れるたび違った魅力に気づける言の葉の庭は素敵な場所です。

散歩の最中に思わず寄り道したくなる
「サクラクレープ季節限定」の看板
サクラの誘惑には、、勝てませんでした*^^*♪
皆に、桜クーヘンとサクラこんぺいとうも買って…
春のスイーツをおすそわけです♡

季節の花を眺めながらお散歩すると 心があたたかく満たされます。写真におさめたくなる春もいっぱい**
散歩したからこそ感じられた この幸せ…
つい、みなさんに春色との出会いを報告したくなってしまいました

最後に…
ここまで読んでくれたヒト…いつもでっかいありがとうです…♡

・・END
{/netabare}

【2016年4月7日(木) 新宿御苑】
{netabare}
雨の日が舞台となった「新宿御苑」

都心とは思えない広大な庭園、豊かな緑と花を眺めながら清々しい空気を目一杯浴びることが出来る場所

そしてあの二人の笑いや、涙、そんな想いを心で感じることが出来てしまうような…
私は言の葉の庭と呼んでいます。

前回訪問から約1ヶ月がたちました。
映像美に誘われ舞台を訪れるのは3度目となります。
そして雨の日に足を踏み入れるのは今回が初めて…
「どんな景色に出会えるのかな?」と少しだけ心が高鳴ります。

お気に入りの傘とともに散策はスタート♪

お花見もラストシーズンのせい?…なのでしょうか
雨がシトシトと降る中でも傘を差しながら多くの人が訪れていました。

入り口でいただいた園内マップがカラフルで思わず友達が見ているのを覗きこんでしまいました・・・

「マップがね…春色なんです♪」

前回のものとは異なる春バージョン。春を彩るお花の紹介の写真がホントにとっても鮮やかで心が踊ります。
それに夢中になっておしゃべり、ふと気が付くと
目の前にはピンク色に包まれた庭園が広がっていたのです。
枝一杯に咲き誇る花に目を奪われてしまいました…

あの橋からの眺めはまるで絵画を見ているみたいで
春の色彩が水辺を華やかに彩っていました。

そしてようやくたどり着いた秘密のベンチのあの場所
そこには嬉しいビックリが・・

木々の緑の中で、たった一本だけの可憐なピンクの染井吉野
まるで目印のように「ここだよ~♪」と言わんばかりです♡

この場所を覆い しなるように咲いている様…それはまるで桜のカーテン**

桜のカーテン越しに見た言の葉の庭
吹きぬける風に、桜が香ります
花びらが乱れ散り、水面がいっぱいになって揺れていました…
幻想的で神々しく
ため息がこぼれてしまうような美しさ

雨の日の言の葉の庭
木々の隙間からこぼれ落ちてくるしずくさえもなんだか嬉しく思えてしまって…
雨に濡れた緑の美しさ、しずくを沢山に含んだ植物はいつもより彩り鮮やかにそしてきらきらと輝いて心を癒すのです。

「来年は晴れた日に来たいよね…?」

桜の下の芝生で、お弁当を広げたら楽しそうーー♪
売店のお弁当を見ながらそんな会話をしました。

美しく咲き誇る桜のトンネルを歩きながら帰り道へと向かいます

出口の向かいの入り口では警備員さんの手荷物検査

ふと下に目をやると、透明なコンテナに没収されたアルコールの瓶や缶が(あの銘柄かな?)!!…
もしかして言の葉の庭のファンなのかな?
ここは、アルコール類の持ち込みは禁止なのでご注意下さい♪

春の雨を心地よく感じられた、美しい言の葉の庭の中での休日でした♪
覗いてくれた方…ありがとうでした♡
{/netabare}

【新宿御苑がピカチュウの森に…聖地訪問の日記追加】
{netabare}
本日より東京は梅雨明けしましたね!
本格的な夏の到来です。

約4ヶ月ぶりに訪れた新宿御苑の言の葉の庭

私が訪れた時はまだ梅雨明けしていませんでした。

お昼前から少し雨がポツリポツリと降りだしていて

『空の匂いを連れてきてくれる雨は好きだ』
そんな劇中のタカオの言葉をピアノの音と共に思い出していました

新宿門を潜り抜け 言の葉の庭へと足を踏み入れました!

って、それにしても平日なのに この異常な人の多さは..?
実は御苑に訪れていた皆さんの多くのお目当てはポケモンGO。
どうやらここが「ピカチュウの森」 になっている様なのです。
(私はゲーム分からないヒトです)

たまに、ヒトの携帯画面をチラ~見

園内を散策しながら「ピカチュウゲットだぜ~♡?」をしていました♪

雨でも楽しい観光をしたい欲張りさんにはこのスポットオススメですね!

言の葉の庭の聖地を巡れて、おまけにピカチュウまで手に入れることが出来ちゃうのですから…♪

春色から(前回来場)夏バージョンへと変わった園内マップを手にして

緑豊かな園内を気持ちの赴くままに散策

春に訪れたときよりも木々が生い茂り

並木の緑のトンネルが気持ちいいー

「あれ?」
どうやら傘をささなくても ここにいるときは雨粒は落ちてこないみたい♪

都会の真ん中なのに あたりに人工的な音は全くなくて

セミが鳴く声と木々のさざめきに包まれて心地よいのです。

そうですね、
別の世界に迷いこんだ…みたい

そこへ、人懐こいスズメさんが、、
「チュン チュン…」近いーー

どうやらスズメさんの夫婦みたい?
見ているとホントに仲が良さそうで
微笑ましいのです♡
(隠し撮りして…ごめんね)

そして池の前には劇中で何度か映しだされた緑のモミジを発見!

これまでは紅葉したモミジにしか目がいかなかったのですが

雨の雫をいっぱいに含んだ青々としたモミジをこの庭園で見つけた時はそれは嬉しくて
・・心が踊りました


そして到着。
二人の秘密の場所は
相変わらず人気スポットで

常に誰かが あのベンチを狙っているようなので
着席することは諦めました。

ベンチの場所から水面に雨が描き出す輪
ぶつかり合う波紋
「あっ、こんな映像あったなぁ…」なんて思い出していました。

爽やかな風を感じながら散策
その途中にまた気になったのは
「内藤とうがらしクレープ」の看板
売店にて270円(中身はアイス)

春に訪れた時は「桜クレープ」でした

ここでしか味わえない限定にはつい惹かれてしまいます。
最近あにこれのポロムちゃんと変わったアイスのお話で盛り上がっていたので
とうがらし だなんて私、気になります(笑)

迷わず購入!
座れる場所を探して歩いていると
庭園の中央にある3本の巨木に惹かれます。
「ユリノキ」と札がありました。
この庭園でひときわ目を引く存在感。
生命力溢れるその姿は神秘的でパワーをもらえちゃいます。
この木の下のベンチに座って

友人と半分ずつ。
私「んっ、ちょいピリリ…甘~♪」
友人「癖になるかも?」

雨でひんやりとした庭園
涼やかな景色がそこかしこに広がります。

食べたり、休んだり、散歩したりそんな心ほぐれる散策

ゆっくりとした時間の流れで癒してくれます。

いつもと違った時間を過ごせて
何度来ても
また来たくなる場所でした。

~大切な思い出を刻む写真も沢山撮れましたよ~

楽しい1日♪

今回も、覗いてくれた方…
いつもありがとうです…♡
{/netabare}

新【2019年6月22日(土)新宿御苑】
{netabare}
新海監督の新作『天気の子』予告観ました!
美しく繊細な色彩で描かれた空、雲、雨
彩り鮮やかにそしてきらきらと輝く新海ワールド

それを見たら思わず行きたくなってしまったんです…

私が向かったのは、この作品の舞台にもなった新宿御苑。
作中の季節と同じ初夏です。
朝から降り注いだ雨は特有の霞がかったような
空気を作っていました。

雨に濡れた新緑はさらに緑が映えて幻想的
色に深みがました瑞々しい緑の葉
雫をいっぱいに含んだ緑はやっぱり美しい。

ふと目の前の巨木に触れてみた、
森と木の息づかいを肌に感じながら
木と自分の呼吸を合わせる。

心が穏やかになるように感じるの


今日の東京は突然強いザーっと雨が降りましたね。
あちこちに大きな水たまりができてしまうし、
横殴りの雨に行く手を阻まれながらあの場所に
向かうのが本当に大変でした。

そう、そこは二人の秘密の場所、東屋。

言の葉の庭の一番メインの場所なので、
いつも沢山の人で賑わっているのですが、
今日は誰もいないのです。

この特別な空間を独り占めするのは初めてなんです。

主人公たちと同じベンチに座ってみると
特別な気持ちになって心がワクワクしてしまいました♪


その後、園内のあちこちを散策していたら、
水色、紫色、桃色など色とりどりの
かわいらしい紫陽花に出会いました。

咲き始めなのかな…やさしい水色の初々しい花びら。
雨粒の雫がついていてとっても綺麗なんです。

途中にカフェスペースがある
中央休憩所に立ち寄りました。

併設している売店に自然の竹で作ったしおりが並んでいて、
その中に東屋が挿絵になっているしおりを発見しちゃいました
これがなんと『言の葉』のしおりと
名付けられていてとっても嬉しくなりました!

『どうしよう、ちょと欲しいなあ…』なんて


ここのテラスは緑に囲まれた癒しの空間

やさしいママさんの挽きたてのコーヒーが
とても美味しくてホッとあたたまりました♪

季節ならではの花々を楽しめたし、
時々足を運んでしまう理由がいっぱい!
また訪れようと思います。

見て触れて楽しんだ1日の日記ですが
読んでくれた方…ありがとう♡

最後になりますが新海監督の描く新作『天気の子』
息をのむほどに美しい映像に期待が膨らむばかりです。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 183
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

雨は空の匂いを連れてくる。音、色、匂い、全て感じられる作品です。追記:9/23新宿御苑を訪れて。

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。

監督・脚本・原作・絵コンテ・演出・撮影監督・
色彩設計・編集 - 新海誠
作画監督・キャラクターデザイン - 土屋堅一
美術監督 - 滝口比呂志
音楽 - KASHIWA Daisuke(柏大輔)
プロデューサー - 川口典孝
制作プロデューサー - 伊藤耕一郎、酒井雄一
制作・著作 - 新海クリエイティブ、コミックス・ウェーブ・
フィルム
アニメーション制作協力 - アンサー・スタジオ
公開 2013年5月31日
上映時間 46分

(以上Wikipediaより引用)

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。


雨の日だからこそ出会った、出会うべくして出会った
2人のちょっと切ない恋物語。

夢を追いかける一人の男子高校生。
人間関係の縺れからある障害に悩む一人の女性。
立場や年齢は違えどそれぞれに抱える不安や悩み。

雨という透明なカーテンに遮られた独特の空間の演出が
相まって、どちらが求めるでもなく自然に2人が歩み寄る
関係性と優しい時間の経過がとても素敵でした。

雨の日限定のささやかな逢瀬。
次第に幸せと思える時間に変化していく互いの気持ち。
そして少年と女性の意外な接点。
募る想いと立場上相手の気持ちを受け止められない葛藤。
少年は気持ちの全てを女性にぶつけ、女性も最後は
心の叫びとも思える言葉で応えます。

長くて短い梅雨が明け、それぞれの道を歩き始めた2人。
この場所から立ち上がり上手く歩いていく為には靴が必要
というのが2人の揺れ動く心情描写と共に凄く繊細に表現
されていたと思います。
それも彼女にピッタリの靴が。
いつかまた大人になった少年が彼女に素敵な靴を届けに
行ける日が来るといいなぁ。
そんな思いでした。

それにしても雨って不思議ですね。
嫌だなぁって思う日もあれば、朝起きた時の雨の音が妙に
心地よい時もあります。
2度寝しちゃうくらい…
色んな思いや悩みを洗い流してリセットしてくれる。
生命が生きる力を与えてくれる。
雨が降るからこそ晴れた日にはさぁ頑張るぞって気持ち
にもさせてくれます。

新海誠監督の作品は今作品が初めての視聴でしたけれど
最初のシーンから思わず「うわっ…」って声が出ちゃい
ました。
傘や木の葉を伝い落ちる雨の雫、広がる波紋。
濡れた駅のホームに写る人影。
降り注ぐ雨を上空からの描写。
黒板に書く時のこぼれ落ちるチョークの粉。
一つ一つのシーンに本当に魅入ってしまいます。
ため息が出るくらいの映像美です。
雨の日独特の色、音、そして感じるはずのない匂いまで
私の脳内では再生されました。

そしてヒロインを演じる花澤香菜さんの演技。
前から思ってたんですけれど、あの微妙に震える様な声。
(そう感じるのは私だけかな?)
意識して出せる様な声じゃない花澤さんのあの独特の声が
大好きです。
最後のシーンでは胸がぎゅっと熱くなり思わず…
本当に素敵な演技でした。

音楽も素敵です。
特に最後の曲の入り方は背中がゾクゾクするくらい素敵
でした。
秦基博さんの歌声が本当に切なくて、心地よくて。
映像と共にこの作品の世界観を美しく表現してくれてます。

雨の日だからこそ傘をさしてお散歩。
雨を眺めながらビール片手に物想いに耽る。
そんな1日があってもいいなって思える素敵な作品です。
(あっでもビールはヤバい女って思われるからお家で…)

雨の日がちょっと楽しみになる素敵な46分間でした。


【主要登場人物・出演者】

秋月 孝雄【タカオ】 - (CV:入野自由 )
雪野 百香里【ユキノ】 - (CV:花澤香菜)
タカオの母 - (CV:平野文)
秋月 翔太 - (CV:前田剛)
寺本 梨花 - (CV:寺崎裕香)
松本 - (CV:井上優)
佐藤 - (CV:潘めぐみ)
相沢 - (CV:小松未可子)
伊藤 宗一郎 - (CV:星野貴紀)


エンディングテーマ
「Rain」
作詞・作曲:大江千里 / 編曲:皆川真人 / 歌:秦基博

BGM
「Swan Song」
作曲・編曲:KASHIWA Daisuke



【mio's café】

新宿御苑を訪れて
{netabare}

お仕事が早めに終わりせっかく東京まで来たんだからと
思い向かった先は新宿御苑。
千駄ケ谷駅を降りて歩く道程。
晴れ渡る空が気持ちいい、作中の様に雨では無いけれど
知らない街を歩くのはなんだかドキドキ。

千駄ヶ谷門から入ろうとすると、何やら注意書きの看板。
「アルコールの持ち込み禁止」
あれっ、確かユキノさん金麦…

まぁ細かい事は置いといて案内図を頼りに日本庭園の方へ
確かこっち…
あった…

タカオとユキノの思い出の場所。
木々の隙間からの木漏れ日の中にひっそりと佇む東屋。
「うわっ」
思わず声が出ちゃいました。

辺りの景色を楽しみながらゆっくり近づくと、
先客がいらしたみたい。
1組の優しそうな白髪の老夫婦。

「こんにちは」
思わず声をかけられ私も
「こんにちは」
「お隣よろしいでしょうか?」
優しく頷きどこかで見た様なワンシーンと思いながらも
老夫婦はアルバムらしきものを見ながら楽しそうにお喋り。

さすがに休日、人出が多い。
私が池の方を眺めていると
「よろしかったら、いかがですか?」
漂う香ばしい香り。
…ほうじ茶だ。
「あっ、すみません。有難う御座います」

美味しい。落ち着く。

その後は老夫婦と何気無い会話。
「孫なんですよ。」
嬉しそうに私に写真を見せてくれました。
見ていたアルバムは地方で暮らすお孫さんの写真みたい。

都会で暮らす人々に安らぎを与えてくれるこの場所。
優しい会話と優しい時間。

「有難う御座いました。今日は楽しかったです。」
お礼を言うと
「あなたもお元気でね。」
嬉しい一言でした。

言の葉の庭での素敵な1時間。

いつまでもお元気で…。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 118
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

超絶アニメーションで描く「年の差恋愛のもどかしさ」

新海誠監督作品です。
ジャンルは青春ラブストーリーです。


靴職人を目指す高校生タカオは雨の日は決まって公園の日本庭園に行き、学校をサボっていた。
ある雨の日、そこでタカオは朝からチョコをつまみにビールを飲んでいる女性に出会う。


作画が凄い。
実写かよw
現実味のある町の喧騒・家の中の描写で、売りであった神秘的な雨の描写がより一層生映えていた印象です。
それとともに梅雨の真っただ中でだんだんと夏が近づいてくるときの、独特の空気感も伝わってきました。
実写でいいじゃんと言われそうですがそうでもない。
心の揺れに共振する雨の強さ、ふとした時の人物の表情などは実写では表現しづらいです。

音楽ですが、ピアノを主軸に置き雨に連動してリズムを巧みに変えていた印象です。
秦さんの挿入歌が良い。


以下詳しいネタバレと考察。
{netabare}ユカリは高校の女生徒と恋愛のもつれでトラブルになり、心労で味覚障害を起こします。
それがお弁当をタカオと食べることで症状が好転したのが印象的。
彼女の悩みが薄れると同時に、彼への依存が強まったことが見て取れます。

その後、ユカリがタカオの高校の古典教師だったということが明かされます。
雨が降らなくなったことに加え、先生と生徒という関係が明らかになったためより合いづらくなります。
お互い相手を必要としているのに、会いたいと思っているのに関係性が邪魔をする。

偶然、というか互いに望んで庭園で鉢合わせ、雨に降られてユカリのマンションへ。
お互いに「今が一番幸せ」と感じます。
ここでタカオが告白しますが、先生と強調され玉砕します。

私は感動した階段のシーン。
土砂降りの雨の中で、タカオが自分の気持ちを吐き出します。
「先生だったら俺のこと知っていただろ、知っていたうえで俺をバカにしていただろ、あんたのことなんか大嫌いだ」と。
それに「違うんだよ、私はあなたに救われたんだよ」と答えて、抱きつき号泣するユカリ。
「あなたといたいけれども、それはあなたのためにならない」とユカリは思ったのでしょう。
タカオは「歩いている」、ユカリは「止まっている」。
「靴」はここら辺を暗示しているのでしょう。

タカオがもう少し大人になったら、ユカリに靴を届けるのでしょうか?{/netabare}


総括して、良質なアニメーション映画だったと思います。
正直ストーリーに目新しさはないのだけれども、いいんだよね。
個人的には新海監督作品の中で一番好みです。
新海作品で印象的なのは「5cm/sec」ですが、こちらは最後に温かさが残るところが私好み。
どうでもいいですが、作品内容的にビール飲んで見れば良いかもです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 102

78.4 2 恋愛で高校生なアニメランキング2位
心が叫びたがってるんだ。(アニメ映画)

2015年9月19日
★★★★☆ 4.0 (1202)
6295人が棚に入れました
監督 長井龍雪
脚本 岡田麿里
キャラクターデザイン 田中将賀
制作 A-1 Pictures
青春群像劇 第2弾 劇場版完全新作オリジナルアニメーション 

幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。
そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。

声優・キャラクター
水瀬いのり、内山昂輝、雨宮天、細谷佳正、藤原啓治、吉田羊
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

始まりの言葉

言葉は誰かを傷つける。

このフレーズによって
すでに私たちは作品の世界に引き込まれている。

純粋で、ストレートであるがゆえに
傷つきやすい思春期の心の
その傷や痛みさえも美しく見せるものが青春だとすれば
青春という特権的な時間の中にのみ現れる
尖鋭化された、純粋な言葉へと
すでに定位はなされている。
言語一般に解消するのは誤りであると思う。

この作品で言葉は、テーマというよりはむしろ
もっと具体的な、マクロ的な機能を担って現れているようだ。
特に注目したいのは、ストーリーの展開の軸となる次の二つ、
「傷つける言葉」と「本当の言葉」。
これらを物語の展開に即して辿っていきたい。
そこには当然、この作品の主題も絡んでくるはずである。



{netabare}
「傷つける言葉」が現れるのは、物語の発端。
それが、ヒロインの成瀬順と田崎大樹とを結ぶ接点となる。

この二人は、反転させた相似図形のように
順は、メンタルな傷によるフィジカルな痛みを
田崎は、フィジカルな傷によるメンタルな痛みを抱えて
自分の殻に閉じこもって周囲から孤立している。

田崎は無神経かつ暴力的な言葉で順を傷つける。
その彼が、後輩の言葉で逆に傷つけられた時
「言葉は人を傷つける」ことを順が言語化する。
田崎にとってそれは、世界が一変するほどの衝撃だった。

田崎の「謝罪」から物語は動き出す。
彼の変化は、「傷つける言葉」を経験して
他者というものの存在を初めて意識したことによる。
はじめは拓実の苗字さえ知らなかった彼が
クラスの一人一人の個性に共感を示せるほど
今では周囲との関係の中に融和しているのである。

言葉を前景として展開されていく
この作品の中心主題とは、「関係の危機と回復」
そう捉えてよいのではないだろうか。
関係の危機に際して二人がとった対照的な態度が
このあとの展開の鍵となっているように思う。

順の場合、原因となった言葉を封印することで
不幸を回避しようとして、結果的に関係を遠ざける。
このネガティブな論法を、田崎はポジティブな行動で打ち破る。
彼は、言葉による関係の回復を証明してみせた。
それが彼の「謝罪」の意味である。

最初に田崎が殻を破り、関係の世界に踏み出した。
だから、本番直前に失踪という形でクラスの仲間を裏切り
順がふたたび関係の危機に陥った時、彼女のために
再起へのチャンスを懇願し、的確に方向性を示して
クラスの空気を一瞬で変えることができた。
田崎は先に進み、順が自分に追いつくのを待っている。



「本当の言葉」が現れるのは、物語の最終盤
順と坂上拓実との間に交わされる対話の中である。

拓実が失踪した順を探し当てた場所は
「すべての事のはじまり」の場所である
今は廃墟となった、山の上のお城(ラブホテル)だった。
不幸が繰り返された結果、原点に回帰して
すべての根源を断ち切りたいという無意識の願望が
おそらく順をここに誘ったのだろう。

二人の間に交わされる対話は、物語の最重要場面だが
短い時間の中に内面の動きが極度に凝縮されているため
観る側の解釈による補足がどうしても必要になる。
例えば、関係という補助線を引きつつ
二人の言葉を糸口に、経過を注視していくと
順と拓実との間で「本当の言葉」が交わされ、連鎖的に
二人の心に劇的な変化が生じてゆく過程が見えてくる。


まず、順から拓実へ。

無残な廃墟と化したホテルの部屋は
順の心の内部を象徴するものだろう。
童話風なステンドグラスの窓は、はじめは薄暗く
対話が進行するにつれて、徐々に明るい光が差し込んでくる。
宗教的な空間を想起させるこの場所で
彼女の魂の再生が行われることを暗示している。

絶望に駆られ、すべてを呪詛する順に
拓実は、「本当の言葉」を聞かせてくれ、とせまる。
順が怒りに任せて叩きつけた罵倒の言葉は
確かに「本当の言葉」だったかも知れないが
あっという間に種切れになった。
物語の少女とは違い、現実の彼女は
言葉で誰かを傷つけたことは一度もなかったからだ。

自分のおしゃべりが原因で家族が崩壊したという
あまりにも不幸な体験が再現しないよう
痛みを伴う強烈な自己暗示をかけて言葉を封印した。
その際、誰かを傷つけてしまうから、という
単純化した論理を用いて自分を戒めてきたのだろう。

その順を「傷つける言葉」へ誘導することで
意図せずして拓実が行ったことは
対話によって患者をトラウマの根源に導いていく
精神分析の治療法を想起させるものだ。
ただし、治癒は一方的なものではなく、相互的に進行する。
先に変化が生じたのは、拓実の方だった。


拓実から順へ。

順は、拓実の名前を繰り返して三度、呼んだ。
その時、思いがけず拓実の目から涙がこぼれ落ちた。
この呼びかけが、彼の心の一番奥深くにまで届いたのは
それが順の「本当の言葉」だったからだろう。

彼が順に打ち明けたのは、心に澱んだ虚しさだった。
自分には誰かに伝えたいことが失われてしまっている。
伝えたいことがない、という空虚感は
裏返せば、他者との関係の希薄さを意味している。
つまり、彼もまた順と同じように
心の殻に閉じこもってしまっていた。

伝えたいことで満ちあふれる順の心の躍動に触れ
何より、関係を諦めない順を通して
自分が渇望していたものを知ることができた。
本当の言葉を伝えることとは、言葉を介して相手を受け入れ
自らも相手に受け入れられようとする、関係への願いである。

いま、それが実現していた。
猛烈な勢いで罵倒されてもうれしかった。
名前を呼ばれた時には
空虚だった自分の存在が満たされる気がした。
そして彼の中に、伝えるべき本当の言葉が生まれた。
お前に会えてよかった、という感謝。
これが、ようやく拓実が伝えられた「本当の言葉」だった。


ふたたび、順から拓実へ。

拓実のストレートな心情の吐露が
すべての原点にまで遡って、順の中の固定観念を
転倒させることに成功する。

私のおかげ? 私のせいじゃなくて?

この時、順のトラウマの原因が、父親の言い放った
「お前のせいだ」という言葉だったことが明らかになり
自らにかけてきた、卵の呪縛から解き放たれる。
殻が破れた瞬間に見えてきたものはやはり
これまで育んできた仲間たちとの関係だった。
だから、彼女の中に感謝と後悔が自然に湧いてくる。
「みんな」が待っている場所へ行く。その決意とともに
物語は一気にフィナーレへと加速する。

その前にあと一つ、伝えなければならない
「本当の言葉」が順には残されていた。
それを伝え終えたあとの表情には、傷心よりもむしろ
自分に対して一つの決着をつけられた清々しさが勝っていて
順が生まれ変わったことを強く印象づける。
失恋は終わりではなく始まりとなった。
彼女は新しい世界へ踏み出していく。



フィナーレでは「言葉」は前景から退き
代わって「歌」が、順が踏み出した新しい「世界」の
メッセージを高らかに歌い上げる。

ここに、雀犬氏のレビューから一文を引用させて頂こう。

「この映画で最後に見せたかったものは
 自分の殻を破り外の世界に飛び出した成瀬順に対する
「新しい世界からの祝福」だと思われる。」

これは、ラストの田崎の告白に関してのご指摘だが
この卓見はフィナーレの全体にまで敷衍することができる。


思い返せば、ミュージカルの発端にあったものは
順がケータイで紡いだ物語と、拓実のピアノとの二つ。
そのいずれもが、閉ざされた内部に封印されてきた想いを
外の世界へ向けて解き放とうとするものだった。
それが周囲の多種多様な心を取り込んで、膨れ上がり
一つの作品にまで結晶する。

ラストの全員合唱のシーンにオーバーラップする
日常の片隅の、さりげない情景の数々。
日々繰り返される、何気ない
そしてかけがえのない「日常」の愛おしさ。
彼らの過ごしてきた日々が集約されている
誰もいない教室を写した一カットにはいつも胸を打たれる。

明らかにここには、「世界」の意味するものが
具体的なイメージとして重ねられている。それは
一人一人の内面の「小さな世界」を包みながら
同心円状に、クラス、学園、地域へと広がっていく
コミュニティと呼ばれる、古くて新しい私たちの「世界」だ。

集団のエネルギーの総和である、ミュージカル。
無数の関係の集積として成立する、コミュニティ。
アナロジーで結ばれたその二つの場が向かい合い
同一の空間を形成するのが、この作品のクライマックスである。
そして、物語の最大の焦点であった順と母の和解は
二人がそれぞれ、一方の場所からお互いを見出し
言葉を介さずに理解しあうという、象徴的な描き方がなされている。

個々人の葛藤が、共同性の中に止揚されるこの図式は
祝祭というものの本質的な機能に即している。したがってそれは
個と集団との対立のない、調和的な世界であって
甘さとして指摘できる部分だが、こうした批評的な掘り下げは
本作にはあまり似つかわしくないようにも思う。
「あの花」とは異なる、これがこの作品の独自性なのである。

青春のリアルな感触を伴った本作の魅力は
逆説的だが、一種のユートピア性にあるのではないだろうか。
同じ印象をかつて自分は、「耳をすませば」から受けた。
私たちの日常と隣り合った、いわば親密なユートピア。
アニメーションはこれを志向し、私たちもそれを憧憬する。
アニメがもたらす幸福感の源の一つが、確かにここにはある。
{/netabare}



言葉は誰かを傷つける。

そのことにまた傷つき、立ち止まり、それでもなお
「本当の言葉」を交わしあいながら、彼らは前へ進んでいく。

危機に瀕した関係を回復する「謝罪」も
相手を肯定し、関係を深化させる「感謝」も
新たな関係への願いである「告白」も
彼らの言葉は、ありったけの真情をこめた叫びのように
未知の可能性に向かって発せられる。

だから、青春の言葉はいつでも
「始まりの言葉」なのだ。


(初投稿 : 2020/08/02)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

この作品は、私の最高評価アニメ映画です。<地上波放送記念;少しだけ長めに修正>

すごい。
すごいとしかいいようがない。
話の途中から感動で涙がボロボロです。
その上ラストにさらに感動を。
さわやかな青春の鼓動に心を動かされまくりました。

{netabare}ヒロインは、幼少期のある言葉により傷つき言葉を失った順。
主人公拓実、元カノ菜月、野球部元エース大樹を含めた4人が地域交流会の委員へ。
彼らもまた、悩み傷ついた心を持っていたのです。
最初はギクシャクしますが、順の心からの行動によりうち解ける4人。
クラス全員を巻き込んでミュージカルの準備が進みます。
しかし、地域交流会前日のある事件により、順に変化が・・・{/netabare}

ホント言葉って怖い。
不用意に発した言葉は容易に人を傷つける。
でも、自分の溢れる気持ちを言葉に乗せれば、どんな心も溶かすことができる。
そして、奇跡だって・・・

一瞬も目を離せない119分間。
4人全員に感情移入して感動の嵐でした。
よって、私の最高評価の作品とさせていただきます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 63
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

若く明るい歌声で雪崩は消えるのかもー

劇場版オリジナルアニメ


監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里、キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀。そして制作はA-1 Picturesさん。
と『あのはな』メンバーが再結集し、秩父を舞台に青春群像劇を作りましたとの前情報が視聴動機になりますよね?自分もそうです。

きっかけは岡田麿里さん。『あのはな』地上波再放送中。2019年夏期『荒ぶる季節の乙女どもよ。』でシリーズ構成担当中。新作映画『空の青さを知る人よ』も控えてる。氏の作品の露出が多くなってる最中で手を出してみました。


『あのはな』よりは演出控えめで『あのはな』より秩父のスポットが出ていたんじゃないか、な作品。
聖地巡礼ならこっちのほうが捗りそうな気がします。
共通するのは高校生の青春群像劇。味付けは彼らのトラウマであります。
主要キャストは2019年現在も一線で活躍されているこの方々↓

成瀬順(CV水瀬いのり)、坂上拓実(CV内山昴輝)、仁藤菜月(CV雨宮天)、田崎 大樹(CV細谷佳正)

劇場版ならではの作画と安心できる声優さんで占められており手堅さのようなものを感じます。客寄せ用の本業俳優(女優)さんは主要な役どころながらセリフ少なめの安心配置という配慮も見受けられます。
大筋の脚本や演出も飛び道具が出てくるわけでもなく全体としては以下の通り手堅い組み立てでした。手堅いのは良いことです。

 1.主役のトラウマ提示
 2.克服のためのあれやこれや
 3.実はみんなも何かしら抱えてるからの
 4.カタルシス的なもの

もちろん目を引く演出{netabare}(冒頭とミュージカル){/netabare}はあります。が、シンプルに “ ほろ苦い青春もの ” が好みであれば手を出して損はないでしょう。
・・・と、私がごちゃごちゃ言うよりも制作陣のメンツ買いでよろしいんじゃないでしょうか?



あらすじは省略。
なにげない一言が取り返しのつかない事態を招き、それ以来心を閉ざす。言葉は相手を傷つけもするし救いもするという題材を上手く調理していることに異論はありません。
だがしかし、若干違和感も。

 {netabare}母親が離婚後に娘のフォローしとけば一発解決じゃない?
 少なくともこの子と二人で生きていくと決めたのならば。{/netabare}

違和感をあげつらって叩きたいわけではありません。時間はかかりましたが前向きな結末を用意しているため不問にしたいところ。
むしろ、{netabare}「そんなこと思ってないのに(順の母)」{/netabare}言葉というキーワードに視点を向けさせながらもう少し深みを持たせるための必要な設定だったと捉えてます。

・言わないで伝わらないこと
・言わなくても伝わること
・言っても伝わらないこと
・言ったから伝わること

想いを伝えることの難しさや素晴らしさを、そして人との関わりを諦めちゃあいかんよということを、若さゆえの青臭さを交えながら訴えてくるものがあるのであって、そのさじ加減が抜群に上手いです。
私からはそんな青臭さに良い意味で震えた印象的な箇所を何個かご紹介。


■青臭さ4コンボ ※ネタバレです

{netabare}◆田崎の変わり身

ついさっきまで真逆だったじゃん?の田崎くんであります。
考え変わったら即実行。謝ったらノーカン。大人であれば段階的措置を踏みそうなものをそうはしません。自分が根に持たないから相手もそうだろうと思ってる節があるところがむず痒く感じます。若さの表れですね。{/netabare}


{netabare}◆成瀬の逃亡

実際の私の話ですがバイトをばっくれたことがあります。責任の所在云々は非難もあるでしょう。
オーバーフローを起こしたがきんちょの行動なんて似たり寄ったりでは?と思いながら眺めてました。
他人との関係を自ら断ってコミュニケーション能力を磨く訓練を怠ってきた娘さんです。かつ幼い頃夢見た “ 王子様が迎えに来てお城に連れてってくれる ” が原点の娘さんでもあります。 それが儚くも砕け散った直後の行動。極めて狭い世界が全てだった高二の娘ならやりかねんと思った次第です。
しかも、前の晩の出来事もはっきりと言ってたわけではない。先走って落ち込むなんてこれまた若さの表れでしょう。{/netabare}


{netabare}◆普段スカしていざとなればアツい

地域ふれあい交流会(ふれ交)でミュージカルをやると決めた瞬間がよい。推進役はモブたちであります。
・係を押し付けといて言いたい放題言ってる罪悪感めいたものがちょっぴりある
 →後ろめたさがあるのでもっともらしい「やらない理由」を言いつらう
・あの成瀬順が表舞台に立つということに好奇心も見え隠れしている
 →提案に乗ることは善行なんじゃないかという潜在意識あり
そこを突破したモブくん(誰だっけ?)たちがエライ! 坂上たちだけだったら対立構図あるまま成し得なかったことをフォロワー役が背中を押すわけです。流れが出来てから一気に固まる勢いもこれまた若さの表れですわな。
予算をチラ見させて誘導する担任の“しまっちょ”城嶋 一基(CV 藤原啓治)も策士だなあと。大人はこういう役回りで良いのです。{/netabare}


{netabare}◆ついでに

順の告白も田崎の告白も菜月の告白(未遂)もタイプの違う勢い余って系告白でした。

・順:言わなきゃあたしダメになる、の視野狭窄な告白
・田崎:共有する時間が長かったからという理由での勘違い告白
・菜月:相手がフリーと安心しきってたのにからの焦りで告白(・・・めいたもの)

身にあたることばかりです(汗){/netabare}



ネームバリューで釣られ、その期待通りの手堅い面白さがあり、しかと描かれた若さに目を細める。清々しい余韻の残る素敵な119分でした。

乃木坂も悪くなかったんじゃないかなあ。。。



視聴時期:2019年9月

-----

2019.09.13 初稿
2020.03.18 タイトル修正
2021.08.14 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 81

79.6 3 恋愛で高校生なアニメランキング3位
映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-(アニメ映画)

2018年1月6日
★★★★☆ 4.0 (367)
2267人が棚に入れました
高校3年生への進学を間近にした春休みを舞台として、勇太たちの新たな物語が描かれる。ある日、立花の姉・十花は、成績のかんばしくない立花を連れてイタリアに移住することを宣言。これを知った丹生谷森夏(にぶたにしんか)から、立花との駆け落ちを提案された勇太は、立花とともに日本全国を駆け巡る逃走劇を繰り広げる。

声優・キャラクター
福山潤、内田真礼、赤﨑千夏、浅倉杏美、上坂すみれ、長妻樹里、保志総一朗、仙台エリ、福原香織、井上喜久子、岩男潤子

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

アニメを見た人にはぜひ見てほしい。

INSIDE IDENTITY、Vanishment This World、voice、キャラソンなど予習バッチシで挑んだ本劇場版…

アニメの伏線もしっかり回収されていたり
たまこまーけっとやFreeなどの他の京アニ作品の登場(一瞬)もあったりして
京アニファン、中二病でも恋がしたい!ファンには堪らない内容でした。
京アニから中二病ファンへの最幸の素敵な贈り物です。

映画のストーリーは勇太と六花の恋の逃走劇を基本軸としながら
それを追いかけるモリサマーと凸守の百合百合可愛いシーン多めの
内容になっていて、今回は六花の姉である十花さんのキャラが効いていました。
笑えるシーンが多くて良かったですね。終始にやにや…w

でもやっぱり所々でアニメのワンシーンやネタが出てくるので
アニメを視聴していることが楽しむための条件の一つでもあるかなと
感じました。

六花が、勇太が考えた二人の将来
それを見つめる周りの友達、そして試す姉
中二病と現実について真剣に向き合い、だからこそ出せた二人の答え

ぜひ劇場で見てほしいと思います。

これで中二病でも恋がしたい!については一区切りした感があるので
この結末を見れて嬉しい半面寂しさも感じます。
劇場主題歌のZAQバラードがまた泣ける歌詞で…。
レンタルされたらまた何度でも見返したいです。


モリサマ推しの自分には最高の映画でした!!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 33
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

虹をみたかい

石原立也監督作品、脚本花田十輝。

18歳になり、高校3年の春、
相変わらず共同生活を続けている勇太と六花。
大学受験、くみん先輩の卒業と、
少しづつリアルが変化していく中で、
六花の成績は悲惨な状況であった。
将来を心配してイタリアへの居住を薦める十花。
{netabare}変わるのか変わらないのか!?
恋心を知り葛藤する2人の逃避行が始まる。{/netabare}

全国を巡り、自分を見つめ直す旅。
京アニファンには楽しい演出の数々があります。
{netabare}ユーフォの宇治橋、たまこの商店街、
ハルヒの消失のファミレスでは、
ここでも重要な言葉で溢れていました。{/netabare}
凸守とモリサマーの旅路も楽しませてくれます。

私の価値観を変えたラブコメの傑作ですが、
正直に言えば1期で完結していると思います。
先入観を持たず1期に触れてくれれば幸いです。

好きになればなるほど私ではなくなる。
ありのままの自分を受け入れてくれるのか!?
大人が見れば小さな葛藤も、
思春期の繊細な心では感じ方も大きく違う。

自分の在り方を問う、
それは祝福すべきことだと思うのです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 51

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

映画の基本形態として“ロードムービー”と“ラブコメ”がありますが両面から観ても傑作!つまり“NL”も“GL”も楽しめる!(爆)

KAエスマ文庫のライトノベル第1作でありつつ、同レーベルから京都アニメーションがアニメ化した第1作でもあります『中二病でも恋がしたい!』シリーズ
2012年秋に深夜アニメ化され、2013年秋にその総集編映画が公開(←これが本当にクソ映画だったw)、2014年春に第2期が放送
そしておおよそ4年ぶりの完全新作となるのが今作


思春期にありがちなファンタジーやオカルトな妄想に没入するいわゆる“中二病”をテーマとし、元・中二病患者と現在進行形で中二病なキャラクター達のコミカルなやりとりを中心に彼らの青春を描くラブコメシリーズ


中二病=“脳内がファンタジー”という狭義的な使い方を世間一般に刷り込んでしまった問題作だとオイラは思っています…


今作では極度の中二病患者なヒロイン小鳥遊立花と、彼女に愛の告白を果たしたものの微妙な距離感を保ったままの元・中二病患者の主人公富樫勇太がとある事情からいわゆる“かけおち”行為に出ます


当然ながら立花の姉で、立花を中二病から無理矢理にでも卒業させたい十花がこの蛮行を許すはずも無く、二人の逃避行を追跡するよう丹生谷森夏と凸守早苗を恐喝しこれをけしかけます


かくして作中の舞台である滋賀県を飛び出したキャラ達は日本列島を縦断する大逃走劇を繰り広げるのが今作ポイントです


面白いのが追う者と追われる者、両方を並行して描くのが逃走劇の基本ではありますが、
勇太と立花のサイドでは煮えきれない二人の微妙な距離感でのイチャイチャラブコメが展開するのに対して、
丹生谷と凸守のサイドではいつも喧嘩が絶えない二人に少しずつ友情(以上?w)が芽生えていくのを両面から楽しめるということでしょう
どの派閥の客層にも応えたシナリオを書いた花田先生には拍手しかありませんw


そして最終的なテーマというか、スタッフも恐らく今作を『中二恋』シリーズの完結篇と捉えている事がよくわかるのが、旅の中で徐々に立花が“中二病”からの卒業を考え始めている、のが直接的でなくメタファーとして感じ取れる部分でしょう
しかしこれまでのシリーズでは散々“中二病”を肯定的に捉えたにも関わらず、ここで簡単に卒業なんてさせないのが今作の面白いところで、立花にとって中二病を卒業することが、イコールで自身のアイデンティティを喪失することになる、という苦悩で葛藤する様が実に哲学的かつ青春ドラマしてます


そんなところが演出面、作画面、声の芝居の面など多方面から丁寧に描かれていました
シナリオだけが魅力ではないということです
勇太からプレゼントされた“「痛いw」デザインの指輪”を見つめる立花のシークエンスで、彼女の表情には複雑な想いが詰まっていることが感じ取れますね
また、自問自答する立花がメタモルフォーゼして最後は消えていく演出はエヴァンゲリオンの最終回のオマージュの様にも感じ取れました


ロードムービーということでロケハンも丁寧、聖地巡礼のし甲斐がありそうですねw
至極個人的ですが某フェリーターミナルが描写されたので一人旅をした時のことを思い出し懐かしくなりました…


中二病、ラブコメ…字面だけ読むと大変痛々しい作品ではありますがwそれらをひっくるめて愛してしまったのが今作なんだと思います
「痛い痛いw」と言い続けていたら1周回ってまた中二病に戻ってくるのが人間なのかもしれません
もちろんオイラもその1人、ですが

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

66.3 4 恋愛で高校生なアニメランキング4位
ずっと前から好きでした。 ~告白実行委員会~(アニメ映画)

2016年4月23日
★★★★☆ 3.7 (158)
968人が棚に入れました
これが最後の練習だから――。桜丘高校3年の榎本夏樹は、幼なじみの瀬戸口優に片思い中。けれど、素直になれず、優を告白の"練習"相手だと言ってしまう。ホントの気持ちをごまかし続ける中、夏樹はクラスメイトの綾瀬恋雪にデートに誘われるけど…?夏樹の"練習"は"本番"をむかえることができるの!?

声優・キャラクター
神谷浩史、戸松遥、梶裕貴、阿澄佳奈、鈴村健一、豊崎愛生、代永翼、麻倉もも、花江夏樹、緑川光、雨宮天

Marsa さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

中高生女子に人気だったアニメ映画。おっさん目線でも気楽に観れて楽しめた。

2016年上映のアニメ映画。70分弱の作品。

何組かのカップルの高校生の恋愛、告白のお話で、
女子中高生にとって告白する勇気をもらえる作品といった
ところですかね。

「若者は時間が沢山あると思ってる」
自分を振り返ると確かにその通りだった。
今を素直に一生懸命生きるって難しいことですよね。

告白、恋愛に限らず、世の中一筋縄ではいかないことだらけ、
一方、歳を重ねると制約が多くなり、身動きが取りにくくなる
若さは最大の武器とも思う。

若者には今できることをどんどんチャレンジしてほしい。
それが、この作品を観て思ったおじさん目線ってやつでしょうかw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

王道少女マンガらしさをそのままアニメ映画にするというアリそうでなかった一作

ニコニコ動画を中心にボーカロイド楽曲を手掛けたことが発端の制作集団「HoneyWorks(以下、ハニワ)」
彼らが得意とする初恋、告白、青春恋愛といったテーマの楽曲をモチーフに、それら楽曲と関連付けたキャラクターを主役とした漫画、小説などを展開するメディアミックスシリーズ『告白実行委員会』
その1stアルバムでもある『ずっと前から好きでした。』をタイトルに64分のアニメ映画としたシリーズ第1作
一応、続編として3rdアルバムのタイトルを用いた『好きになるその瞬間を。』の公開も予定されてます


あらすじ・・・書いてもネタバレになりそうなので予告動画とか観てください(爆
幼馴染を異性として意識しつつも素直になれない少女の前にイメチェンした男友達が急接近してきたことで少しよじれていく関係を描いた甘酸っぱい青春恋愛群像劇
根本的に恋愛群像劇なので、登場人物が尺の割に多い(こーゆーの大好きです)
友達以上恋人未満から三角関係に、三角関係から四角関係に、さらに倦怠期へ
複数の恋愛模様が目まぐるしく描かれていてとても忙しい(ホントこーゆーの大好き)
でも舞台が高校三年の秋ってホントは進路とかでめっちゃ焦ってる時期だよね・・・何やってんのおめぇらw


キャラの設定、担当する声優、大筋のお話などはこれまでに公開されているハニワの楽曲動画に沿っています
なので原作動画を観てもらうのが手っ取り早いんだけど逆に言うとネタバレになっちゃうので注意も必要です


スタッフは『蒼い世界の中心で』や『精霊使いの剣舞』の柳沢テツヤ監督と藤井まきのキャラデザ
これに成田良美が脚本で加わり、良い意味で90年代~ゼロ年代に朝からやってた集英社「りぼん」誌連載の少女マンガ原作アニメの少し懐かしいテイストの作品に仕上がってます


昨今、少女マンガの映像化は実写映画orテレビアニメという二極化をしていたので、【アニメ映画】という第三の選択肢を選んだ今作の挑戦は高く買いたいです


個人的に胸アツだったのは春輝が美桜と下校するシークエンスと恋雪が夏樹を送り届けるシークエンスがさらっと対比になっているところですね
(美桜は車に轢かれそうになってるのに対して恋雪はちゃんど車道側を歩いて夏樹を守ってる)
本編中でなんも触れられてないんだけどさらっとこーゆーのやるのカッコ良すぎ惚れるw


で、主題歌や挿入歌も当たり前のようにハニワが流れてくる(ボーカルはCHiCO、sana、YURiCa/花たん、そしてボーカロイド)
エンドロールにはスフィアとのコラボ楽曲
これらはさすが楽曲のテーマをそのままアニメ化してるだけあってとても親和性が高い


で、ちょっとオイラが疑問視したいのは劇伴
これもハニワが手掛けているのですがあまりにもエピック過ぎてぶっちゃけ煩いw
オイラは人間ドラマにエピック過ぎるBGMを持ってくるのは陳腐な実写映画みたいで大っ嫌いなんですが(爆)そこは流石の柳沢テツヤ監督(というか20世紀の演出家の癖みたいなもんでしょう)
キャラが大事なこと言ってるシークエンスでは基本的に何も音楽は掛けない、無音なのです
ネ申か、柳沢監督ネ申なのか
もう一生着いていきますわぁ


夏樹と優のエピソードにこそ一段落着いた終わり方だったものの、恋愛群像劇としてはまだまだ未完
伏線も多数あり、「俺達の恋愛はこれからだっ!」的な幕切れでしたので続編を素直に楽しみにしてます
ハニワがどーのというよりか、王道少女マンガ好きには是非チェックしてもらいたい一作です


あー、あとひとり恋っぱぐれた恋雪くんはオイラが貰っていきますんで安心して下さい(^q^)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

空知 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ハニワ恐るべし。深夜層には知らないセカイがあった

告白実行委員会の第一弾。

2016年4月に公開。
動員数25万人、興行収入3億を突破。

契約しているAT-Xで2017.10.15に放送されたので、観てみました。
本来ならレビューするほどのことのない作品なのですが、
下記に書いてあるように、アニメビジネスとして興味を持ったので、
ちょっと書いてみました。


良質の劇場版を観ていれば、作画は深夜アニメの並の中くらいです。
特に、背景は手抜きを感じます。
(ただ、AT-Xは画質が悪く、ディテールが失われるので、あくまでもAT-X上での感想ですが。)

肝心の作品内容ですが、まあ少しだけキュンとします。
ただ、60分で、これだけ??

ネタバレは避けます。
簡単に言うと、1組の男女が中心に話しが進みますが、その他3組の男女も同時進行します。

見終った後の僕の感想は、

「え?それだけ?これで終わっちゃう?」

深夜番組なら、24分×12回=2時間50分ほどをかけて、少しずつ男女の気持ちを変化していく様子を描いていきます。

焦らしがない!
全くジラられない!

どうしてこれほど人気があったのかをちょっと調べてみました。


な~るほど。


興味ある方のみ↓どうぞ(笑)。








劇場版アニメが20億に届くことも最近は多く、3億ちょっとというのは少ないと感じるかもしれませんが、いろいろ調べてみると、

劇場に足を運んだのは、95%が女子中高生のみ。
料金は、中高生のお財布の中身を考えて、1100円に設定。

それでも、多くの女子中高生が足を運んだ。
どうしてこんなにヒットしたのかをとあるメディアの女性記者(25)が劇場に足を運んで記事にしています。

この記者の記事によると、

「四方八方を中高生に囲まれ、約60分の上映時間中ずっと中高生のすすり泣きや感嘆の息に包まれる……といった状態だった。」


そしてこの記事を読み進めると、深夜帯の傑作ラブコメを好きな層に対するのとは違う戦略を制作委員会が持っていることを知りました。

音楽は、HoneyWorks、通称「ハニワ」。

このハニワはYouTubeで活動しており、女子中高生はYouTubeでハニワの音楽のファン。
映画を観る前から、ハニワの音楽から告白実行委員会の世界は頭の中にできてるんです。

彼女たちには、音楽で前置きができているから、もう十分なんです。
あれこれ細かいやりとりはいらない。

すごい作戦だなぁと驚きました。

女子中高生のみをターゲットとし、広告費の95%をスマホに特化。
そしてお小遣いの少ない女子中高生のために、特典を付けて1100円という低料金。

宣伝プロデューサーはアニプレックスの相川和也氏。
(『心が叫びたがってるんだ。』『四月は君の嘘』も担当されたとのこと)


相川氏曰く、

「女子中高生にとっては、アニメというよりは、西野カナと同じ枠組みに近いと思った」と分析する相川さんにとっても、彼女たちに向けた展開は初チャレンジだった。

「でも、映画の制作発表をしたところ、女子中高生の反響が思っている以上に大きかった。自分が思ったよりも多くの人にリーチするのかもしれない、普段ターゲットとしている深夜アニメファンと規模は同じくらい……むしろより多くの人に届くのかもしれないと感じた」。


アニメ作品の感想を書こうと思ったのですが、この内容でここまで限られた層をターゲットにしてヒットさせたビジネス戦略に驚くとともに、深夜層以外にも裾野が広いアニメもあるんだなと思いました。

恋愛モノ大好きな私でも絶対に足を運ぶことのできない禁断(?)の空間の雰囲気を少し理解できました。

2017.10.22、第2弾の「好きになるその瞬間を。~告白実行委員会~」がAT-Xで放送されます。
第1弾で引きつけられた女子中高生は、どうしても第2弾を観たくなる。

多分、第2弾のほうが中身の濃い作品なんじゃないかと僕は想像しています。

薄利多売だけれど、未来への投資ということですね。

*僕も、ハニワの音楽を十分聴いていれば、評価は4.4くらいだったろうなあと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

66.0 5 恋愛で高校生なアニメランキング5位
あした世界が終わるとしても(アニメ映画)

2019年1月25日
★★★★☆ 3.4 (89)
356人が棚に入れました
幼いころに母を亡くして以来、心を閉ざしがちな真。彼をずっと見守ってきた、幼なじみの琴莉。高校三年の今、ようやく一歩を踏み出そうとしたふたりの前に突然、もうひとつの日本から、もうひとりの「僕」が現れる――。

声優・キャラクター
梶裕貴、内田真礼、中島ヨシキ、千本木彩花、悠木碧、水瀬いのり

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

世界と中二病は終わらない

2019年1月公開のアニメ映画。
Huluで公開された『ソウタイセカイ』という作品を
ブラッシュアップして劇場アニメにしたもの。

本作はスマートCGアニメーションで制作されているのだけど、
要はフジ系列の+Ultra枠の「revisions」「INGRESS」とルックは同じ。
制作・監督は「INGRESS」と同じで
「revisions」を観ているとこの映画のCMが流れてくる。
3Dは動きの速いシーンは綺麗なんだけど、
そうではない場面ではフワついた動きが気になるんだよね。
まぁ発展中の技術ということで仕方ないのかな。

で、映画の内容ですが、公式サイトにはあまり説明はなく
2つの日本を舞台にしたアクション・ラブストーリーとしか書いてなくて
「こういう内容だとは思わなかった!」という意外性が楽しい作品だろうから
ちょっと書きづらいんだよな。

まぁ、はっきり言ってしまうとB級パニック映画の類です。
幼なじみの高校生男女の日常をニマニマ眺めるシーンから始まり、
微妙に不穏な空気を感じつつ、いい雰囲気の場面で超展開が起こり、
古谷徹のナレーションで「ここで解説しよう!」とばかりに
中二病全開の世界観説明が行われる。
この時点で多くの人が「この映画はヤべエ!」と感じるであろう。

そこからは、中学生の黒歴史ノートを
そのままCGアニメーションにしたような怒涛の展開となる。

特にラストは「THE適当」という感じで、ある意味面白い。
作品タイトルをど~んとスクリーンに大写しにして
スタッフロールが流れれば、
どう解決したのか全然説明がなくても終わりなのだから仕方ないな。
投げ槍な終わり方に反して
あいみょんの主題歌が普通にいい曲なのがジワジワくる。

と、ここまでディスっておいてなんだけど
B級映画は好物だからそれほど不満はないです。
終始半笑いで楽しく観させていただきました。
水瀬いのりさんが双子の妹キャラで好演していたので
彼女のファン(特にReゼロのレム好き)は観に行く価値があるかも。

でも感動の青春ストーリーなんかを期待していた方は
「俺はあいみょんの曲を聴くために、
1800円払って劇場に来たんじゃねえゾ!」
と怒りに肩を震わせて映画館を出ることになったかもしれない。

それにしても、
20年以上たってまだ新世紀エヴァンゲリオンのオマージュをやってる
アニメ業界は大丈夫かぁ?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

人命は空気よりも軽い

幼い頃に母親を突然死で亡くした真。
幼馴染の琴莉とデートしている時に父親も突然死で亡くなったという連絡が来る。
戦時中に日本軍が開発した研究のため、時空に歪みが生じて2つの世界に分かれて、
片方の世界の人物が死ぬと、もう片方の人物が死んでしまう世界となってしまった。

物語自体はありきたり。
目新しさはありません。
SF作品で使われるパラレルワールドですね。
現世と異世界に同一人物が存在して、
片方が死ぬと もう片方も死ぬ、というのがオリジナル要素かなぁ。
私が知らないだけで、すでに同じような設定を使った作品があるかもしれません。

タイトルとサムネだけで、
「恋愛ものかなぁ? まぁ、ラブコメでもいいし」と軽く考えたのが間違いの始まり。
一番、問題なのは画ですね。
背景や戦闘シーンなどは一級品。
手書きだったら、相当困難な作業になるでしょう。
ただし、人物が……
『梶裕貴・内田真礼・中島ヨシキ・千本木彩花・悠木碧・水瀬いのり』などなど、
声優陣は力が入っています。
問題は顔。
特に感情を表す表情です。
さすがにレベルが高いのかなぁ。
声と表情が合いませんね。

とりあえず、CG使って原画作業。
魂は声優さんに吹き込んでもらいましょう、みたいな感じ。
あとは、バンバン人間が死んでいくので、見る人を選びますね。

CGの進化は画面から伝わってきます。
デジタルの進歩は日進月歩。
これからもCG作品が多くなってくるでしょう。
ただし、今は過渡期の段階。
温かい眼差しで見守りましょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アラ探しはし無粋

ツタヤで先行レンタルされてたのでDVD借りて観ました。

ざっくり説明すると
第二次世界大戦に開発したなんたらの影響で次元に歪が生まれ、もう一つの地球が存在する現象が起きてしまう。
そこには同じ世界、日本があり、自分と相対する同じ人物が生存していて、どちらかの世界の人間が死ぬと、もう片方の世界の自分も突然死として死んでしまう設定で、もう一つの世界の日本では、荒れた世紀末のような世界で、「日本公民共和国」と名乗り、そこのヤバいTOPが主人公の幼馴染となる人物なので、そいつを殺すため、簡単に殺せるこっちの世界の幼馴染を殺すため、あっちの世界の主人公たる者がこちらへやってくるというSF映画のようなお話。

最初感じたのが、う~ん 中二病のなろう系かな?です。 ^^;
でも、この前やってたrevisions(リヴィジョンズ)にもなんとなく似てるかなぁ...でした。

映像はフル3Dで綺麗です。
数年前と比べれば、キャラの動きも大分スムーズだし、そんなに違和感はなかったです。(ちょっぴり感じますけど)

声優さんでは、
梶裕貴さん 内田真礼さん 千本木彩花さん 悠木碧さん 水瀬いのりさん
と、豪華なので安定の演技されてます。

話は、疑問に思うことや突っ込みたいことも多々ありましたが、それらに目を瞑れば概ね楽しめました。
どうしても言っておきたいのは、メインヒロインの扱いについて。
個人的には、恋愛も含まれた作品なのにあれはない。
最後も、う~んで、あまり納得いかなかったです。

全体的には、まぁ時間つぶしには十分良くって面白かったかな。
過度な期待は厳禁ですけどw 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

65.9 6 恋愛で高校生なアニメランキング6位
劇場版 フリクリ プログレ(アニメ映画)

2018年9月28日
★★★★☆ 3.6 (54)
251人が棚に入れました
「すっごくさぁ。欲しいものがあるんだよ」 深紅の翼を追って〝女〟は空に消えた――。 時はめぐり、星々を盗み取るほどの力はいま、少女の夢のなかで目覚めようとしている。 「ベスパに乗った女に気をつけろ!」 アイロンの吐き出す煙たちこめる街――ヘッドフォンの少女・ヒドミが轢かれた夜、 クラスメイトの少年・井出の額から巨大ロボットが出現した! 〝特別なことなんてない日常〟が終わりを叫び、ついにあの女が帰ってくる!

声優・キャラクター
林原めぐみ、沢城みゆき、水瀬いのり、福山潤、村中知、中澤まさとも、黒沢ともよ、井上喜久子、大倉孝二、菅生隆之、浦山迅、鈴木れい子

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

大豆ラブストーリー

2000年に制作された『フリクリ』の正統派続編。
6人の監督たちが1話ずつを担当し、
自分たちの個性を押し出しながら
1本の映画としてまとめた画期的な作品。
6人それぞれが制作を同時進行させていたこともあるのか、
作画はかなりバラつきがあるが、
(もちろん、ワザとという部分もある)
それがこの作品の面白さでもあった。

猫耳ヘッドフォンを付けて、
外部をほぼシャットアウトする少女。
貧しさのなかに身を置きながら、
スクラップ工場で働く少年。
ふたりの少年少女が出会い、
ふたりの宇宙人が現れることで、物語は大きく動いていく。

アトムスクを追うラハル、それと止めようとするジンユ、
父の帰りを待つ雲雀弄(ひばじり)ヒナエとヒドミ、
ヒドミのことが気になる井出交とふたりの友人、
OVA登場のアマラオの息子マスラオ、その娘アイコなど、
それぞれの登場人物たちが、心に何かを抱えたまま
世界的な危機に翻弄されていく。

キャラの動きや豊かな表情、挑戦的な作風が
とても楽しいのは、OVA版に近いものがある。
特に4話の「ラリルレ」と5話の「フルプラ」の回の
はっちゃけぶりは、これぞフリクリだという
斬新で見ごたえのある映像を楽しませてくれた。
末澤慧監督が担当した5話は作画の表現も
かなり意表を突いたものだ。
漫画の誌面を表現した部分では、
『ホットロード』を意識しているという。
末澤慧監督は次回作があるなら観てみたい。
そして、主人公の林原めぐみ、水瀬いのりを中心とした
声優陣も存分に上手さを見せてくれていた。

ただ、今回の作品は6名のアニメーターたちが監督となって
できることをやったという形になっていたことが原因なのか、
ストーリーの落とし込みや全体のアイデアという部分では、
カタルシスを感じることができなかった。
最終的には4組の男女が織りなす
ラブストーリーになってしまっているというか、
まぁ、そもそもが東京ラブストーリーだと思えば、
それほど違和感もないのかもしれないが…
物語の根幹のようなものがもう少しはっきりしていれば、
OVA版を超えるだけのポテンシャルがあったと思う。

観る者の心に訴えかけてくる表現が
散りばめられている意欲作だとはいえるだろう。
(2018年11月2日初投稿)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 38
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

セカイはテキトーに

アニメーションをやりたいように、
やりたいだけフルスイングする。
クリエイターのおもちゃ箱なのだ。
これがフリクリの本来の良さだろう。
劇場版「オルタナ」は寂しい印象を残しましたが、
こちらは楽しいフリクリの待ちに待った帰還。

その日暮らしの説得力ゼロの少年たちと、
ネコ耳少女ヒドミの日常系ファンタジー。

ポップでキュートなデザインが素晴らしい。
スクラップした毎日を蹴り飛ばす、
the pillowsのオルタナロックも健在です。

物語はあってないようなものだ。
クリエイターが結集した6篇の連作ですが、
そもそも説明など不要かも知れない。

{netabare}10代の無感情な倦怠感、閉塞感、
いやここは「時代」のと呼ぶべきか、
やりたいことなんてない気怠い毎日を、
軽快に吹っ飛ばす、それがフリクリなのでしょう。{/netabare}

考えるよりも先に笑え、考えるよりも先に泣け。

人生が笑った数で決まるのなら、
がむしゃらに笑って日々を過ごせってことだろう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

猫耳ヘッドホン

 「フリクリ オルタナ」の数年後??の世界みたいだったです。

 主人公?ヒドミの滅ぶような光景から始まって、気が付くとな始まりだったです。母親のヒナエは、陽気なお母さんです。
 突然現れたジンユ、とんでもない登場だったです。ヒドミを気にする井出くんと、突然正体を現す、ラハルと唐突な展開の多い「フリクリ オルタナ」より、分かりにくかった展開だったです。さらにクラスメイト他2名や、後に登場するアイコも物語に絡み??ます。

 ヒドミと井出くん、ジンユとラハル、ヒナエとヒドミとジンユ、何がどう進んでいくのか?、どういう方向なのか?物語の意図が、私にはよくわかりづらかったです。
{netabare} ヒドミの性格が、急変したりもしたし、元に戻ったり。{/netabare}

 ジンユ、ラハルがハル子同様、ギターを武器に戦っていたのは印象的だったです。

 最後はめでたしという感じはしたです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9

64.3 7 恋愛で高校生なアニメランキング7位
AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜(アニメ映画)

2013年4月13日
★★★★☆ 3.7 (224)
1083人が棚に入れました
佐藤一郎は「普通」の男子生徒として、高校デビューに成功したはずだった……。
ある晩、忘れ物を取りに行った学校で不可思議な女の子“青の魔女”と出会い、彼の教室での立場は大きく変わってしまう。
魔女の正体は、一郎のクラスメート・佐藤良子だったのだ。
彼女は本物の魔女なのか? それともただのコスプレ女子なのか?
さらに良子に触発されて、クラスに潜伏していた<妄想戦士(ドリームソルジャー)>たちも次々と名乗りを上げ、一郎を巻き込んでいく……。
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

只の中二ラブコメじゃない! (`・ω・´)キリ   「生きる事は戦う事」(By 真紅)

原作:田中ロミオ氏によるラノベ  未読

本編:83分

ジャンル:イジメを題材にした中二病の学園青春ラブコメ

2013/10月初旬、レンタルされ始め、前知識なしに視聴しました。

TVのCMを見た感じでは、バトルファンタジー系かな~って思っていたら、全然違ってましたw

序盤の印象とか設定が『中二病でも恋がしたい!』と同じでした。
でも、中盤からは結構シリアスで重たい内容です。

調べたら、この作品は『中二病でも恋がしたい!』より以前の2008年7月に刊行されているので、真似した訳ではなく、むしろ「中二病でも~」の方が 面白おかしくライトに作られた感じ。


主人公は、元中二病で、高校デビューに成功した
佐藤 一郎 (声 - 島崎信長)

ヒロインは、常に無表情を貫いて、人目を気にずコスプレする完璧な中二病
佐藤 良子 (声 - 花澤香菜)

ホント、設定は「中二病でも~」とそっくりです。

内容は、クラスの中で オタク達 ドリームソルジャーと、そうでない一般リア充達と派閥ができ、
中二の佐藤 良子がリア充たちにイジメられる・・・と云うもの。



感想としては、面白かったです。

ここからは視聴後の感想
{netabare}
 一郎が良子に、突然キスされて戸惑い、それ以降意識して恋心に変わって行く所は、見てて良かったです。
高一の一般男子が、ちょっと可愛い女の子に突然キスされれば、
「惚れてまうヤロー」です^^(BY チャンカワイ)

途中、一郎が山本に暴力を振るわれてる腐女子を庇ったシーンは カッコよかったですね!^^


学生のうちは中二病でも構わないけど、良子のような重度な中二では、社会に出た時、通用しない。
きっと一人 寂しく 引きこもりになってしまうかも。
だから、学生の内に整理し、少しでも更生しなくてはいけない・・・
そんなメッセージが入っている作品に感じました。

あと、終盤の屋上に机を積み上げた神殿だけど、ありえなかったですね。
あんなの一人で何日かかるんだ?ってな大きさで、せっかくここまでリアルっぽかったのに、ちょっとファンタジーが入った感じで残念でした。

この神殿で、自殺しようとした良子を助けるために、吹っ切って殻を破った一郎の姿はカッコよかったです。

その後のクラスが、ドリームソルジャー大半に染まったのには、フィクションだな~っと・・・^^;

ラストの良子の制服姿は可愛かったですね~^^

最後になって、サブタイトルの〜魔竜院光牙最後の闘い〜の意味が分かりましたw ^^;

{/netabare}


ここからは、いじめに関する個人的な意見です
{netabare}
自分は 中学1年の時、軽い いじめる側、される側の両方経験済みです。

もういい歳した社会人なので思う事ですが・・・

作品中、イジメする人達を見てると、当時を思い出し、イライラして頭に血が登ってくる。
こういうの見てると、イジメする奴等は なんて弱くて情けない人間なんだろう・・・って、自分も含めいつも思う。

集団で、周りに順応できない人や、気に入らない人、自分より弱い人を見つけ、傷つけてストレス発散とか

参加しなくても、それ見て笑って楽しめる人も同罪です。

される方の気持ちを考えたら・・・
自分がその立場だったら・・・
そう考えたら絶対できない筈なのに。

「仲良しこよしをしろ」とは言わないけど、
せめて「こう言う人もいるんだ~」って云う寛大な気持ちで見守ってあげて欲しい。

だから、今の教育に
大らかに、心の広い人間に育つよう、小学校低学年から・・・いや、幼稚園からでも教育して欲しい。

相手を思いやる気持ち等
学校には、もっと道徳心を養う授業に力を入れて欲しい って思います。

「やられたら やり返す 倍返しだ!」
これは やっちゃ駄目 悪循環です。
やっていいのはスポーツの世界だけにして欲しいです。
{/netabare}


「生きる事は戦う事」
ローゼンの真紅の言葉を思い出しました。

この作品は、中二からの更生や、いじめを扱ってるので、今の中高生にリアルで見易くなっているので、
多くの中高生に見て、議題にして欲しいですね。
(年頃の子供がいる自分には、ゆとり教育するより、中学、高校にも道徳の授業を取り入れて欲しいと考えます)

勿論、社会人になった人にもオススメです。

あにこれの評価が、59,6点で、低いんですが、
個人的には もっと評価されていいと思いました。

自分、3回繰り返し見ちゃいました!(=´ω`)ノシ 



主題歌「僕らのセカイ」 歌 - CooRie



最後に。。。

EDテロップ中は飛ばさないでね!
あと、ED終わった後も ちょいありますw


それと
花澤さん活躍し過ぎw

ちっちゃい子鳩ちゃん 可愛いw

ドリームソルジャー クラスにそんなにいないよね?^^;

投稿 : 2024/11/16
♥ : 51

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

巷で話題の流行り病(?)、中二病を扱いつつも“スクールカースト”“クラス内ヒエラルキー”に切り込む鬱アニメ!

なぜか近頃の青春ものアニメではヒロイン、または主人公の男の子が【極度の中二病】という作品が目立ちます
本来であれば「中二病」という言葉は思春期独特の繊細な感覚のうち、あえて奇行のみをピックアップして「痛いw痛いw」と笑い話のネタにしていたものですが、いつの間にやら「マンガやラノベの読み過ぎ」と極度の妄想設定にドップリ浸って“人目もはばからず痛いことをする人”を指す偏った使い方をされるようになってしまいました


今作はタイミングこそ今まさにの“空前の中二病ブーム”に乗っかるカタチになってしまいましたが、原作が発表されたのは2008年、と昨今一連の中二病を取り扱った作品達よりも遥か過去に発表されているのが注目どころです
その原作とは『人類は衰退しました』で知られる田中ロミオ先生の完結済みの長編
発表当時、オイラの友人から「これは新しい!」と薦められたのを記憶してます
ちなみに今作では「中二病」という単語は一切用いられてはおらず、極度の妄想設定に浸った者達を<妄想戦士(ドリームソルジャー)>と呼称してます










とある事件をきっかけに家族とよそよそしい関係になってしまった少年、佐藤一郎
過去を清算し、華々しく高校デビューしたがクラスにはなぜか入学以来一度も登校しない同姓の女子、佐藤良子がいた
ある日、夜の学校に忍び込んだ一郎は偶然にも魔法使いのコスプレをした良子と出会う
良子は自らを異世界から来た「リサーチャー」と名乗り、自分が作り上げた妄想設定に浸りこんでマトモな会話にならない
一郎はそんな良子を変わり者と思いつつも尊重してやり、この出会いをキッカケに登校するようになった良子の面倒を見てやることになる
しかし一郎のクラスの実に半分が妄想戦士であり、「コスプレや話し方が気に喰わない」とクラス内の一軍グループ(最も華々しく憧れの的となっている集い)と対立した妄想戦士達は吊るし上げられることになってしまいます
派閥化したクラスの中で、尚も我を通す良子には陰湿なイジメが続き、やがて良子を庇う一郎にもその手が及んで・・・










さて、中二病ブーム以後の作品達は基本的にはラブコメの体裁を取っており、あくまで中二病を面白おかしく描いております
しかし今作で扱っている中二病は“本当に痛いということ”“空気を読まないということ”“人と違うということ”とはどういうことか?を突き詰めていきます
クラス内派閥、クラス内孤立、そして陰惨なイジメ描写、無視、盗難、暴力、脅し・・・
どのラノベ作品と比べても【憂鬱で暗い内容】なのが最も特徴的です


一部ではプレスコも用いているだけあって花澤香菜、島崎信長、井上麻里奈、金元寿子、雪野五月といった豪華キャストの熱演も光り、シリアスな内容を掻き立てていました
原作当初からヒロインの良子が不評、というか良子を好きになれるか否かで意見が分かれてしまうような部分もあった話題作(問題作)です
明らかに他のラブコメ作品とは一線を画す内容に是非注目して観ていただきですねb


ところで、オイラが異議を唱えたい部分はクライマックス
実は原作のポイントって「普通のローファンタジー系ラノベですよー」って匂わせておいて実は「ただただ痛いだけの青春小説でした(テヘペロ」ってミスリード効果とメタ要素がある部分なんですよね
アニメ化に際してミスリード効果を醸し出すのには限界を感じたのか、純粋な学園ドラマへと潔く舵を切ってるのがわかります
これはこれで間違っていなかったと思いますが、そうなるとクライマックスでの「神殿」がちょっと説得力無くなってくるんです
いくらなんでも過剰演出;
流石にあれはやり過ぎだと誰でもわかるはずです


また、一般的には“中二病という題材を扱ったラノベのパイオニア”とされる原作ですが、これも実は今作より約4年も以前に発表された『電波的な彼女(片山憲太郎)』を知る者としてはそれほど目新しいキャラクターでも無かったかな、というのが率直な感想です
まあアチラは純粋にサスペンスなので日常から多少乖離した内容なのですけどね・・・

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

世界は狭量だ

簡単に言うと、中二恋+俺ガイル
スクールカースト描写アリ。渡辺航は本作を参考にして俺ガイルを書いたらしい
中二恋で六花ちゃん何で周囲に受け入れられてるん?と引っ掛かりを覚えた人は見てほしい


○ヒロインの佐藤良子ちゃん可愛い!{netabare}(B地区もあるよ){/netabare}

本作における中二病は、中二恋のような微笑ましさ(ごっこ遊びの範疇)よりも
痛々しさの方が遥かに勝る、そういう描き方をされてる
個人的にはあの程度なら奇異の目を向けられ無視、が妥当なところかと思う
校則違反を指摘するまではいいんだけど、あそこまで酷いイジメには発展しないんじゃ?
作中で一郎もやってたけど、設定の破綻を突いてグヌヌさせりゃいい
演じる度合いが強いほど、ふと素に戻った瞬間が萌えるわけでw(視聴者的にも)
そういう付き合い方ができないなら、やはり無視が妥当

というかこのクラス、ほぼ中二病とリア充(というよりDQN)だけなのが気になる
ひょっとして隔離クラスなのか?
同原作者のクロスチャンネル的に言えば、適用係数が極端に低い子らが隔離されたクラス
そう考えればタガの外れた中二病がやたら多いのも
それに対する過剰な反応も納得できなくはない
どりせん(担任)が一枚噛んでそうだがどうにも描写不足・・・無責任な教師にしか見えないw

集団から浮いてしまう存在を排除する心理にも踏み込んで欲しかったな
尺が短いので一郎と良子の関係に焦点絞ったのは正解だと思うけど・・・
ただ良子がああなった理由は、家庭事情のことが軽く触れられてたけどあれぐらいで十分
中二病なんて気づいたらなってしまってるもので、もっともらしい理由付けはいらない
くどくど説明したって蛇足にしからならない


○クライマックスの演出

{netabare}あの神殿はイメージ映像でしょう(良子1人であんな風に大量の机と椅子積み上げるのは無理ぽ)
個人的に「現実と折り合いつけていかなきゃ」と良子が受け入れた瞬間に、
あの神殿が現実的な地味な映像に変わるって演出が見たかった
魔竜院光牙復活からの流れはイメージ的にあの神殿で良いと思う
クライマックスで盛り上げるべきシーンでもあるしね{/netabare}


劇場版だけど作画はあんま良くない
京アニに作って欲しかったw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 32
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