2023年度の怨みおすすめアニメランキング 1

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66.7 1 2023年度の怨みアニメランキング1位
REVENGER(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (132)
367人が棚に入れました
むかしむかし、私たちとは異なる歴史を辿った長崎で……。 信じていたものに裏切られ、卑劣な罠にかかり、許婚の父を手にかけてしまった雷蔵。 許されない罪を背負い、自らも絶体絶命の危機に陥ったところを、 町の何でも屋「利便事屋」に救われる。 実は、彼らの正体は力なき人たちの復讐を代行する殺し屋、「REVENGER」だった。 秘めたる信仰に生きる、優雅な蒔絵師・幽烟。 町の人たちに慕われる、元海賊の町医者・徹破。 無邪気さと残酷さを併せ持つ、両性具有の少年・鳰。 酒と博打を愛する、その日暮らしの博打打ち・惣二。 半ば拾われる形で、雷蔵は一癖も二癖もある殺し屋たちの仲間になることに。 生まれも育ちも主義も主張もバラバラな5人の間に、命がけの仕事を通じて奇妙な友情が生まれていく。 やがて、長崎で起きた事件の真相を追う中で、彼らは大きな陰謀に巻き込まれていく——。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

長崎リベンジャーズ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
必殺仕事人をオマージュした作品。元ネタを知らない若い人はどう観るんだろうね?

といっても、私も、再放送を時々、祖父母と一緒に観た程度なので、あまり詳しくはないんですけどね。

アニメとしてのクオリティは高く、単なるモノマネには留まらない、キチンと真面目に作られている印象を受けました。

雰囲気としては、テレビアニメというより、映画のような感じです。最初から最後まで、ちゃんと暗いというか、作りたい作品を美学をもって作りきったという感じで、好感がもてました(世の中に迎合していない感じが)。

そのへん、流石、原案が虚淵玄さんだと思いました。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
利便事屋で、リベンジ屋とは、ナイスなネーミングだと思った。金箔で人を殺せる理屈は、最後まで分からなかったけれど(笑)

ラストシーンを、どう考えるかで、その人における、本作の評価が決まるような気がする。

私は基本、ハッピーエンドが好きで、本作のように、主人公が死んでしまう展開は好きではない。

が、本作に関しては、なんだかしっくりきてしまった。

「無常」というか、「無情」というか。

繰馬雷蔵は、決して悪人ではないが、騙されたとはいえ、多くの者の命を奪っている。その対象は、悪人だったり愛する人だったり、金で雇われているだけの奴だったりもする。

でも、それが誰であれ、理由はなんであれ、きっと誰かの大切な人なのだろう。人を殺すということは、それだけ重い「業」を背負うことになる。

本作の上手いのは、絵描きとしての、ちゃんと明るい未来の可能性も見せたことだ。でも、雷蔵自身は、結局最後まで、自分を許せていなかった。

「正義と悪」「幸せと不幸」「生と死」

そんなシンプルな二択では割り切れないような、複雑に揺れ動く心情を丁寧に描いてきたからこそ、視聴者も(雷蔵の今後の人生について)迷うと思うし、迷って答えが出ないうちに、何気なく、呆気なく、主人公の命が奪われた。

その唐突な、不条理な感じは、ある意味でとてもリアルだった。

最後、雷蔵は多分、死によって救われた気になったと思う。でも、苦悩しながら、絵描きとして10年も生きたあとならば、死が救いになることはなかったかもしれない。

きっと人間なんてそんなもので、時間によって、環境によって、運によって、色々なことが変わっていく。

物語の最後を観て、私はモヤモヤを抱えてしまったが、なんか、雷蔵はスッキリしてたのかなと思うし、他の面々も、悲しみながらも受け入れ、普通に生きていき、どこかでそれぞれの死を迎える気がする。

本作はバッドエンドではなく、ビターエンド。余韻を楽しみ、想像を膨らますことができる展開。

こういう、ビターなラストが似合うように、脚本もシナリオも、逆算しながら、丁寧に世界観を作ってきた気がして、だから、私には珍しく、ビターエンドを受け入れたいと思った。

そんな作品は、久々だった。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14
ネタバレ

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

総じておもろかったです。

本家必殺よりも面白かったですわ。

本家に劣るところがあるとすれば、そうっすなぁ、菅井きんさんと白木万理さん的な役どころのキャラがいてなんだことぐらいですかねー。

あとはもう文句なしですわ。

アヘンの密輸を軸にしたストーリーと同業の敵キャラとのバトルもよかったし、
最後主人公が{netabare}刺されて死んじゃう{/netabare}とか太陽にほえろのショーケンとか探偵物語の松田優作とかみたいやないすか。

ま、逆にゆうとボクらくらいの世代の人じゃないと楽しめなかったかもしれないですが。

いずれにしても総じておもろかったです。

こおゆう昔の時代劇のリメイクアニメみたいなのまたやってほしいですわ。
今度は破れ奉行あたりのリメイクとか見たいなぁ(笑)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

その罪、その咎、悔い改めよ。

アニメの視聴が終わって公式サイトを見てビックリ…
なんとストーリー原案とシリーズ構成を手掛けられたのは、ニトロプラスの虚淵玄さんだったんですね。
虚淵さんと言えば、「魔法少女まどか☆マギカ」や「PSYCHO-PASS サイコパス」が余りにも有名…
他にも「Fate/Zero」や「翠星のガルガンティア」も手掛けられています。

「時代劇だから」という仕方の無い理由で視聴を先延ばししてきましたが、実際視聴したらメッチャ面白かったですから…
そっか…虚淵さんの物語なら面白いのも納得ですね^^


信じていたものに裏切られ、帰る場所をなくした男、雷蔵。
そんな彼が拾われたのは、力なき人たちの復讐を代行する殺し屋「REVENGERリベンジャー」だった——。

普段は、「よろず利便事りべんごと引受け」の何でも屋を営む男たちが持つ、表の顔と裏の顔。
優しく温和な態度とは裏腹に、破壊衝動を隠し持った町医者。
天使のように愛らしい無邪気さと倫理観の無い残酷さを併せ持つ、両性具有の美少年。
金と酒に目がなく、他人に厳しく口の悪い博打打ち。
そんな個性的な面々を率いる、優美な容姿にクールな頭脳を持つ蒔絵師。

不器用で、まっすぐで、欠落を抱えた男たち。
共に過ごしていくうちに、雷蔵と彼らの間に奇妙な友情が芽生えていく。

『魔法少女まどか☆マギカ』や『PSYCHO-PASS サイコパス』など、
緻密に練られた世界観に、観る者の心揺さぶる人間ドラマを生み出してきた虚淵玄(ニトロプラス)が
本作で約10年ぶりにTVアニメのストーリー原案・シリーズ構成を務める。

監督を担当するのは『忍たま乱太郎』シリーズや『怪物事変』など熟練の演出で魅せる藤森雅也。
他にも数々の人気作品で実績を残してきたスタッフが名を連ねる。
キャストには、雷蔵役を務める笠間淳を筆頭に、梅原裕一郎、武内駿輔、金元寿子、葉山翔太が集結。
悲哀と歪さをはらんだ殺し屋たちを、情味豊かに演じ上げていく。

「その罪、その咎、悔い改めよ」
5人の殺し屋たちによるダークヒーローアクション史劇!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この物語の主人公は、元薩摩藩士で剣術の達人で、なんと示現流の使い手である繰馬 雷蔵。
実は私の知り合いに、鹿児島出身で示現流の免許皆伝した方がいらっしゃいます。
とは言っても木刀を振っているところは一度も無いんですけどね。

だからどんな流派なのか、名前しか知りませんでしたが、この作品を経てようやく示現流がどの様な流派なのかが良く分かりました。
「キエエエェェー!」と叫びながら一刀両断で戦いを終わらせる剣法なんだとか…

あとは、ひーちゃん演じる鳰(にお)も良き感じのキャラでした。
両性具有の少年だそうですが、この設定活かされていないんじゃ…と思いきや、しっかりこの設定も仕事していましたね。

作品のタイトル通り、利便事(りべんじ)を生業とする物語です。
だから決して己の情や私利私欲にかられて人を殺めるのではありません。
死んでも死にきれない後悔を持つ者が残した「恨噛み小判」の依頼を受けて復讐を請け負うんです。

最初は「恨噛み小判」と復讐のルーティンでした。
ルーティンとは言え、恨み形は星の数ほどあるので復讐も千差万別です。
法で裁けない悪もあるので、ある意味必要な仕事なんだと思います。

ところが、物語は中盤以降様相を変えてきます。
物語が一気に壮大になると言うか、諸悪の根源が明らかになったというか…
大きな意味でも復讐と考えれば合点がいきますけれど。

回数を重ねるごとに面白さの増す作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、レトベアさんによる「ダウンタイマー」
エンディングテーマは、坂本真綾さんによる「un_mute」

1クール全12話の物語でした。
完走して振り返ってみると、味わい深い作品だったと思います。
くだらない理由で視聴を先延ばしにしたことを少し後悔しています。
オリジナル作品だけあって、1クールの尺の使い方や物語のテンポも良かったと思います。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 6
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