心理描写で文化祭なTVアニメ動画ランキング 3

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年10月06日の時点で一番の心理描写で文化祭なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.4 1 心理描写で文化祭なアニメランキング1位
色づく世界の明日から(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1139)
4868人が棚に入れました
物語の始まりは数⼗後の⻑崎。⽇常の中に⼩さな魔法が残るちょっと不思議な世界。主⼈公の⽉白瞳美は17歳。魔法使い⼀族の末裔。幼い頃に⾊覚を失い、感情の乏しい⼦になった。そんな瞳美の将来を憂えた⼤魔法使いの祖⺟・⽉白琥珀は魔法で瞳美を2018年へ送り出す。突然、⾒知らぬ場所に現れとまどう瞳美の視界に鮮烈な⾊彩が⾶び込んでくる…。

声優・キャラクター
石原夏織、本渡楓、千葉翔也、市ノ瀬加那、東山奈央、前田誠ニ、村瀬歩
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アズライト

色が見えない少女がタイムスリップするお話。

1話
{netabare}
主人公の月白 瞳美は色覚異常で周囲と馴染めません。
周囲が夢中になれる風景であったりを共有できない。
人と馴染めない分、周囲のイメージと違って、瞳美は純粋。
本作がテーマとして扱っている「色」について、
色が見えないから、哀しい、と言うわけではなく、
哀しいから、色が見えないように感じました。
母親との別離、年数の経過、友人の欠如、そういったことから色が見えないのかな。

瞳美は魔法なんて大嫌いという。魔法使いという自分の家系に対するものか、「一人でも大丈夫」という魔法を使ってしまう、自分の心の弱さに入り込むからだろうか。
葵 唯翔の絵(デジタルで・・・)により、瞳美の世界に色が戻る。

今作が瞳美の色を取り戻すためには、何が必要であるのか、それを追っていくことは必要でしょうね。
その中で、心が純粋で脆い瞳美の、細やかでいじらしい感情の動きを期待しています。

サブのポイントとしては、自分の元々持つ、魔法使いと言う血筋や、一人でも大丈夫となってしまった現状で友人の存在について、どのように肯定していくのか、と言う部分を重視してます。

それにしても、瞳美の髪が銀色なのは外人の血でも入ったのだろうか。琥珀ばあちゃんもしくは瞳美の親は外人と結婚したのかな(笑)
キービジュでは、色はそんなに銀色じゃなかったから、アニメ的表現だろうか。
{/netabare}

2話【モノクロ】
{netabare}
二話で多用された瞳美のモノクロの世界と色のある世界の一瞬の切り替え。

モノクロ写真は、色、という情報が抜け落ちて、過去の事象(写真の中に収めた物)をみています。
その時、私は、写真を取った時の時間の流れよりも、自分の生きている時間の流れが、はやいような気がするのです。
なので、瞳美の世界は、私の生きる時間とは少し時間の流れが違うような、そういう錯覚を覚える印象を受けました。

また、色のある世界から、モノクロの世界に変わるシーンは、私の感じる世界がこう見えて、瞳美の世界がこう見えてしまうのか、そういうショッキングさが感じられて、瞳美の抱える色覚障害というものが、瞳美に与える影響の大きさを納得してしまいましたね。

{/netabare}

3話【暗示】
{netabare}

今回は瞳美に対して暗示によってどうなるか、というアプローチがなされていましたね。
ポッキーを杖代わりにした時も(ポポッキーとかいってたかな?)、
曾祖母である瑠璃が「初心者はこういうものをつかったほうがやりやすい」
という事を言っていましたね。
つまり、魔法使いのオールドなイメージ、大きな帽子に杖を携えたような、そんなイメージで、なりきった気分になったほうが使えるということかもしれません。
それは、私は魔法が使える、という思い込み、自己暗示を掛けやすくなるための一つの手助けでしょうね。

そのほかにも、水色の星砂を撒いたので水の上を歩けると思い込んだ瞳美の思い込み、
人に色が見えないことを隠す理由にある、他人への思い込み、
モノクロ写真なら自分にもできるかもしれないという、希望のような思い込み、自己暗示。

彼女が色が見えないことや魔法が使えないことは、彼女自身が自分にアレができるコレができると思い込めるような自己肯定によって、解決されるのかもしれません1ね。


{/netabare}

【魔法が解けるとき】
{netabare}
二話で瞳美が「魔法なんて大キライ」という言葉を、前篇と後編で使い、その心境の変化を、表情や声色で表しましたね。
この言葉を自己暗示のように繰り返していた瞳美。
「一人でも大丈夫」という言葉の小さな魔法、思い込みのように、この言葉も小さな魔法なのかもしれません。
それが二話の後半で言った「魔法なんて大キライ」という言葉はどこか魔法が解けかけたような…そんな印象になりました。
{/netabare} 

4話【世界】

{netabare}
一人のか弱い少女のお話と見ていましたが、世界との向き合い方、セカイ系っぽいお話をするかもしれません。
「魔法の力を与えてくれたこの世界に恩返しがしたいの」
そういった60年前のババ…(ゲフンゲフン)琥珀は、瞳美からみて、大人に見える、もしくは先を見ているように見えたでしょう。

琥珀が作品中で悩みであったりとかを抱えるかどうかは、作品の最終回に深く関わってくるでしょうね。

琥珀は世界を肯定しており、作品世界の理の一部である「魔法」を肯定しています。
つまり、瞳美は、世界の理である魔法の力を有していながらにして、否定していることが、色が見えない原因になっているのだと、今回感じました。
潜在的な瞳美の魔法の力が琥珀の魔法によって引き出されたことからも、彼女の心によって色が見えないことを、彼女の中に内在する魔法が作り出しているのでしょう。
でもそれって…少しおせっかいな世界かなと、思いもするんですよね。

また、写真部の皆の恋や物語も平行して進んで言っていますが、一つ一つの物語に意義があり、それぞれの物語が最終的に帰結する場所へ意味があることを期待させて頂きます。

{/netabare}

5話【魚】
{netabare}

今週は写真部の女性メンバーのあさぎの恋を回収する話も絡めてましたね。
あさぎの恋が、あさぎを成長させる要因として作用する方向に持っていったのは素晴らしいと思います。
ただ、主人公である瞳美をあさぎの成長の間接的な原因としたポジションにおいたままだったため、瞳美とあさぎの距離は縮まっていないことが気がかりです。

さて、今回は瞳美が葵に渡した星砂(懐かしい思い出の星砂)、それをつかうことによってあおいが金色の魚を見るという展開がありました。
ひとみが魚をみたときは、あおいのデジタル絵を見たときです。
つまり、星砂が魔法の類であるならば、あおいのデジタル絵は、別の魔法がかかっているのかもしれません。それは、あおいが絵に込めた思いが、魔法として絵にかかっているということであってほしいですね。


{/netabare}

6話【写真】

{netabare}
今回は色々転換点になりそうですね。

まずはあさぎの恋ですが、部長との関係を「小学生時代の関係のままで良い」から、変えたいと思ってあのように部長の手を振り払った。あさぎの拙さが残るコミュニケーション方法にとても青春を覚えますね。

次に、あおいの絵の中に瞳美が入ってしまったことについて。
情報が多いので整理しましょう。
①絵の中に入る時、アズライトがモノクロの世界で光っているように見えた
②絵の中の奥には、死んだ金色の小魚、死んだ大きな金色の魚がいた。
③瞳美が絵の中の奥で立っていた場所は瞳美曰く「荒れた場所」
④絵の中には渦まきが中心にあるような湖(もしくは海)があって魚はそこにながれた。
⑤渦巻きの中心に行こうとする魚を、網のような物を持って捕まえようとしていた人がいた。
⑥絵の中の事を聞かされたあおいは、なにか思うことがありそうだった。

では、内容を考えてみましょう。
まず①については、絵に入ったのは瞳美の魔法によるものであるという事の裏づけでしょうね。アズライトは魔法の力を増幅させるような意味合いを持ち、それを描いたものです。
②について、これについての疑問点は誰の心の内を描いたものであるのかという事。
これはあおいの心の内を描いたものであるのか、それとも瞳美の中なのか。
というのも、⑥のようにあおいは自分の絵に対しての迷いを描いているように見えつつ、後半で瞳美に色が見えるようになるとき、彼女の心の変化によって大きい魚の状態が変化することがあることが、この描写の疑問点です。
この疑問点については保留しておきたいですね。④と⑤を理由として解釈すると、小魚はあおいの心のもの、大魚は瞳美の心のものであるかもしれません。

③番についてですが、瞳美があおいに、瞳美のために絵を描くから見てほしいという言葉で、荒れた場所に色がついたことから、瞳美のポジションを表現したように見えます。

さて、絵の中についてはこれくらいにして、瞳美の世界に色がもどったことについて考えます。
あおいの干渉によって瞳美の心が変化したために色が見えるようになった、ということは、誰が見ても間違いないでしょう。
なぜ色が見えるようになったかについては、色が見えるようになったとき魚が登場したため、色の見える見えないは魔法の関係していることは明らかかと思われます。
色が見えるようになったときに死んだ大魚が金色になり蘇った事については、瞳美の心の中での変化をえがいたものでしょう。
あおいの干渉というのが、「君のために絵を描くから、君に完成した絵を見てほしい」というのですが、魔法を作り出しているのは瞳美であるために、瞳美の心の内がいまどうなっているのか、という事が重要なのです。
色が見えないのは瞳美が世界を肯定できないせい、と以前書きましたが、
あおいの干渉で、瞳美が世界に肯定できるものが出来た、と考えると、
おのずと今後の展開が見えて来るような気がします。

それと、魔法写真美術部が仮装をして写真を取りにいったとき、瞳美が道のブロックの写真を取っていることが非常に印象的に見えました。
その残った写真は他の人が見ればただブロックを取っている物にしか見えないかもしれない。ですが、写真を取った瞳美がその写真を見れば、この時どういう思いで写真を取ったのか、他に心躍るような景色はそこにあったのに、ブロックを取った理由。写真という映像を保存する媒体が、人の記憶や感情を呼び出す装置になるというのが、とても面白い描写でした。

{/netabare}

7話【好き】
{netabare}
今回は胡桃回でしたね。個人的には胡桃に共感をもてた良回のだけれど、進路の話と捉えるととたんに面白くないと感じる方もいるかもしれません。
私は今回は、「好き」を強く意識させられる回だったと感じています。
その「好き」とは恋愛感情におけるものではなく、物事に対しての「好き」ということ。

物語を考える前に、少し胡桃の状況を整理しましょう。
①胡桃は人生をかけるほどの好きなものが無いことに悩んでいる。
②胡桃の姉が好きなものを仕事にしたことをすごいと思いつつ、①の自分と比較して、劣等感を感じている。
③劣等感を感じていた胡桃であったが、千草によって自分の好きをあせらずに見つけることを気付かされた。


私が共感を感じたのは、胡桃の姉への感情。姉へ尊敬を見せていると同時に劣等感にさいなまれている彼女に、未発達な高校生としての悩みとして適当であることを感じました。
物語としてのこの悩みへの解決について、千草という部内でも胡桃に近い存在であり、お調子者的な性格である事が、よい解決を迎えた理由だと思います。

私なんかは胡桃に対し、自分は自分、他人(姉)と自分を比べるな、と、彼女の好きが見つからないことに対する回答とは別の頓珍漢なことを言いたかったのですが(まあそれは、胡桃の姉に対する劣等感に対しての意見なのですが)、千草は、ひとによって好きの度合いは違う、好きなものはいつか見つかる、あせることはないと、いつもの調子で言い、胡桃を救い上げました。これが胡桃の側にいて、そして高校生であり、お調子者である千草の考え方であり、登場人物の性格の提示がとても上手くいっている回だと思われました。


ちなみに「ヴィーナスの重荷」というタイトルから、荷物を置いて、走りだす胡桃や千草のシーンを考えると、ヴィーナス=胡桃であり、胡桃にとって、好きなものがなければならないというような、足かせのような考え方を重荷と考え、それを置いて走り出すことが、胡桃の悩みの解決シーンとしてさわやかさを演出していましたね。

{/netabare}


8話【光】
{netabare}
さて、いよいよ来ましたね。今まで世界を祝福してきた琥珀のアイデンティティを脅かそうとする展開が。

瞳美の「(未来に)帰りたくないなあ、ここにいたいなあ」という発言が琥珀の気持ちを大きく揺り動かしました。

では、琥珀がなぜその発言で動揺してしまったか。
琥珀は、世界を自分に魔法を与えたことを肯定しており、感謝しており、恩返ししたいと考えています。
その恩返しの手法として、魔法で人を幸せにしたいということで、人の願いを魔法で叶えるために、魔法の勉強にまい進してきたわけです。
瞳美に対しても、いつか帰りたくなるだろうと思い、自分が未来から送ったこともあり、その願いを叶えるために、時間遡行魔法の練習を積み上げていたわけです。
しかし、瞳美の今の思いは異なりました。この時間にいたいという瞳美の願いに対して、モノローグとして「私は魔法で人を幸せにしたい、でも魔法で人を幸せにするのは本当に難しい」と語ります。
琥珀の中に流れた感情を整理しましょう。
①瞳美が幸せだと思うことを叶えてあげたい。
②未来に帰すことは瞳美の幸せだと勝手に思っていた(瞳美は未来に帰りたい?という琥珀の問いは、琥珀自身なら帰りたいと思うエゴイスト的質問だった)
③瞳美のここにいたいという気持ちを、全肯定できない。
④瞳美のこの世界に留まらせることは、瞳美のためになるのか、それとも、幸せになるのか
つまり、琥珀は瞳美は元気になったら帰りたいだろうという、琥珀視点で考えていたのですが、そうではなかったため、瞳美を幸せにする方向性が見えなくなってしまったことが、動揺した理由だと見ています。

この状態に入ったことで、琥珀は瞳美の幸せにすることがどういうことか、自分が魔法で人を幸せにしたいと思っていたがその具体的方法を考えるようになるのはかもしれませんね。
その過程の中で、現状魔法写真美術部のグループの中で誰に支えられることなかった琥珀が、グループの中でのやり取りを通して変化していく展開が見られるんじゃないかと期待しています。

そして、その問いの中に、琥珀が上手くいっていない時間遡行魔法に必要なものが存在しているんじゃないかなと、考えるばかりです。


さて、本筋以外の話から読み解きますが、今回では瞳美の取る写真が雰囲気が変わった事を部内の皆に指摘されていましたね。光の意識が出てきたと。
この作品は色づきを大事にすると共に、光による煌きが重要視されていますが、それを強調するのと同時に、光の当たらない闇の部分を見ることもあるということです。

以前の瞳美は、「光なんていらないという写真が多かった」と部内の人間から言われています。では、瞳美がどこを見ているか、という視点で考えると、部内の人に色が見えないことを告白していない時は、彼女は闇を見ていました。それが告白後は、光を見ている。

つまり、瞳美が今の時間にいることで、色が見えるという希望の光に囚われているならば、光の当たらない闇の部分は、瞳美の目に入っていないもの、魔法写真美術部に依存し、彼女の自立という部分の視点が、瞳美には見えていないという指摘が、琥珀の動揺のシーンにはあるのかもしれません。



追記です。ここからは、琥珀という登場人物について、やはり考えなければだめだろうということを感じています。
私の琥珀に対するイメージは、本音をぶちまければ酷いものですが、
瞳美に対する、私は経験あるからわかるよ感
琥珀の大人びた仕草についているニセモノ感
思春期を経験していないかのような家族との関係
まあ、他にもいろいろ言いたいのですが、それは上記のものと類似事項になりそうなので控えます。
上記のものからもわかるように、琥珀を非常に大人びて見せていますが、素人目にもわかる、うそ臭さ。
この感情を悪いように考えるのではなく、製作者の意図するものだとしたら?
現に8話、あの冒頭で琥珀が「世界にありがとうといいたい、世界に恩返しすることに決めた」なんて、普通の人ならありえないほど世界を最初から肯定するわけです。意図して一般人と乖離、もしくは他の登場人物との差を示しているようにしか見えません。
つまり、この8話から、琥珀の性格が、周りの高校生と乖離しているように見せきったところから、いやいや、彼女にも、弱くて、同年代の子に支えてもらいたい事や変わる事ができるんですよって事を示してくれるんだと、期待しています。
{/netabare}

9話【時間】
{netabare}
今週を告白回と捉えるか、ショウ回と捉えるかそれが問題だ!
はい、ということで、今回はショウ(部長)という人に焦点を向けた回だと思っております。
一番印象深いシーンはあさぎと一緒にショウが撮った写真を見ながら会話するシーンで、ショウが写真で取ったその時間について語っているときです。
日々流れていく人の営みを眺めて、その日常を肯定、愛おしいと思っているのではないかと感じさせてくれます。
同時に、その写真が瞳美と一緒に行きとったものであり、ショウが瞳美を意識していることからも、未来に帰ってしまう瞳美に対する、今一緒にすごしている時間が一瞬かもしれないという辛さを含んでいることも伺えるのかもしれませんね。
{/netabare}


10話【友達】
{netabare}
意外にもあさぎと瞳美のすれ違いはすぐに終わりましたね。
あさぎと瞳美の距離感が埋まっていないことは以前の回に書きましたが、今回の事でかなり近づいた事から、方向性は間違っていません。ただ、物語の構成として、重大なことに見せかけて次の回であっさり解決させてしまうのは、正しいのか、少し疑問です。

さて、今回瞳美の親について、触れられました。
瞳美がショッキングな出来事により色が見えなくなったことは、1話で書いたときにも触れましたし、作品内で瞳美自身が色が見える時期があった事は匂わせていました。
幼少期の瞳美を置いて出て行ってしまった瞳美の母親、ようはネグレクトというものですが、この出来事は母親だけが問題ではないことは、あおいが瞳美を励ます時にいったとおりです。瞳美の母親がネグレクトした原因は、様々な原因に寄るものです。
今回のネグレクトの事案について、琥珀自身はどう考えているでしょうか?
魔法の力を与えてくれた世界に感謝したい琥珀、その琥珀の子供は魔法の力を有さない。という事は、琥珀の子育ては、容易ではなかったはず。
世界に祝福された人間が、祝福されていない人間を育てるようなものです。
どこかで琥珀とその子供の歯車が食い違い、子供の性格に影響を与えたと考えます。瞳美という子供が母親に自分の魔法の力を見てもらい喜んでもらおうとすることに、喜びの感情を得られなかったとするなら、それは瞳美の母親の人格を形成した環境に原因があります。
正しく、いや、100%正しいなんて事象は存在しませんが、もし魔法が使えない母親が、魔法が使える子供が喜んで使う姿を見たときに、その母親が経験してきた、魔法が使えなくて苦しんだ経験を、子供は経験しなくて済むんだと、安堵と喜びを覚えるのが、ゆがんでいない人間です。
そのゆがみがこの瞳美の母親には存在し、周囲の環境、親である琥珀を含め、そういったところからネグレクトの芽は生まれているのだと感じました。
瞳美が色が見えなくなったのが母親のネグレクトだけが原因とするなら、ネグレクトするような母親を作ったのは、琥珀だという事が言えますね。

そしてその話題について、作品内で琥珀に自分の子がネグレクトをする未来が打ち明けられるか?という疑問が出てきます。
シュタインズゲート曰く、世界線の収束により、そのことが伝えられても、琥珀は瞳美へのネグレクトの発生を止めることは出来ないでしょうね。
もしくは、タイムパラドックスの回避のために、そのこと自体が伝えることが出来ないという事になるかもしれません。伝えたらネグレクトが発生しなくなるので、瞳美が過去に来る未来がなくなり、過去にいる瞳美は消滅もしくは帰還するかもしれません。

ラストシーンに瞳美が過去に来た理由を考え始める描写があります。
瞳美は自発的に過去に来ていないという事を含めると、過去の琥珀にその理由を尋ねるところから始まるかもしれません。
しかし、未来の琥珀は「いけばわかるわ」という言葉から、誰かに教えてもらうようなことではないことであるのは明確です。
個人的な考えですが、写真部の人間との会話の中から考えると、この写真の時はこんな事があったよねということを思い出せる、だとか、非常に仲間内での出来事を重要視している事が伺えます。
瞳美が写真部の友達たちと共有した時間の中から、過去に来た答えは瞳美自身により導かれるのではないかな。

それと、今回の見所は、瞳美が泣きじゃくりながら、自分に怒っているシーンですね。ないている内容についてはいいとして、悲しんだり怒ったりする感情の爆発が、瞳美には必要なんだと表現してくれたシーンでした。
つまり様々な感情が彼女の世界の色付きを形成してくれるということなのかもしれませんね。
{/netabare}

11話【琥珀】
{netabare}
他のレビュワーさんのレビューを見る限りでも、良い印象ではない回であることは確かです。
私も、この回について、違和感が感じた事があるのでそれを整理します。

まず、前回までに何も触れていない時間魔法に対する世界の修正力がいきなり出てくる。これは単純にダメですね。
つぎに、前回で過去に来た意味を瞳美が考え始める描写があったが、今回はそれに全く連続性が無い。
これは個人的な感想に入るかもしれませんが、琥珀のおしつけがまさMAX。世界が瞳美を消しちゃうんだからしょうがないといって、グループの意見を納得させることを1話の中で消化するという、急ぎ足で無理やり話をまとめた感を出しています。瞳美の意思と、琥珀の意思がまだ反している演出があるところは、まだ琥珀に期待したいですね。

そして、瞳美とあおいの恋愛については、紙飛行機を追いかけていったら、二人が出会うのはまだわかるけれども(あおいの元へという魔法がかかっているため)、あった瞬間抱き合う、そんな関係まで発展していたっけ?という、物語の急変ぶりにショックを受けました。

この11話で残念なのは、やはり琥珀について、舞台装置化してしまいそうな不安が残ります。
今回の琥珀は、時間魔法が成功させることができるかどうかについてばかり不安にしていて、瞳美の心に気づけていない、瞳美がここに来させた意味を考えていないという描写であればいいのですが。つまりこの回を、琥珀の失敗回と捉えて、来週が琥珀の成長回と期待できなくはないわけです。
もし、本当に琥珀が時間魔法をするだけの存在であり、瞳美の心を考える友達のポジションを持っていないなら、琥珀は物語の舞台装置であるという、残念な役回りしか与えていなかったという評価になってしまうでしょうね。


前回の感想で、タイムパラドックス回避のために、瞳美が消滅・もしくは帰還するかもしれないということは書いたけど、今回とは全く文脈が違います。琥珀がネグレクトを発生させないようにしたら、瞳美が過去にくるか?という文脈で話しました。

今回出てきた世界の修正力は、二つの発生の理由が考えられます。(作り手のご都合というものを排除した場合)

まず、琥珀が過去に行かなくて済む未来になったから働いた、というのが物語を良心的に見た場合の感想になります。

次に、琥珀の言ったとおり、本当に世界が元通りの世界にしようと修正するために発生したという理由。こちらが本当になると、魔法という力に向き合って、変化してきた瞳美の成長を描いてきた物語が、なかったことにすべきという力であるわけですが、この方向で本当に物語を進めるか不安ですね。
好意的に見れば、瞳美の取り巻く世界は瞳美を祝福しているようには見えないわけです。しかし、琥珀は自分に力を与えた世界を感謝しており、瞳美に対してあまりにも残酷な運命を突きつける世界に対して、世界を愛する琥珀が、世界に何を思うのか、それが気になりますね。


{/netabare}

【幸せ】
{netabare}

瞳美の色が戻った時、母親と見たときの花火や、過去に行く直前に見た花火を思い起こさせて、とても色彩のあるシーンでした。

琥珀については魔法の神様に瞳美がもう少しこの時間にいることを神頼みしたり、未来に変える直前に瞳美に謝っていたりと、琥珀の無力感が際立ったいました。
同時に、瞳美の心に生まれた気持ちを、「それって幸せってことなんじゃない?」と、言い当ててしまう辺り、琥珀は大人なのか、それとも若者なのか、微妙なポジションに立っています。

今回、「幸せ」が宿ることで、瞳美は色が見えるようになったような、そういう印象を受けました。母親と一緒に見た花火の時は、瞳美のなかに幸せがあったのでしょう。1話に瞳美が「誰かと見ても楽しめない」といった沈んだ気持ちを吐露する場面を拾ってきたのが幸せを強調していました。
その為、やはりストーリーの中で、瞳美の変化を出した表現というのは、作品を見る人に大きな感動を与えてくれたと思います。

最終回への次回予告が「私の色は何色なんだろう」という一言で、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」を思い出して、空気も読めずクスリとしてしまいました。

それと、先週から引き続いた瞳美とあおいのハグについて、今週見ればわかるとおり、まだ瞳美もあおいも自分の好意を伝え切れていないように見えました。あのような熱いハグをしておいて恋人関係まで発展しない所が、この二人らしいですね。

最終回を前に少しおさらいといいますか、拾われているかわからなかった描写について。
あおいについて。最初に瞳美があおいの絵の中に入った時、大きな渦の中心に導かれる魚と、それを捕まえようとする影。この描写はあおいの悩みを含んでいたと考えるのが良いでしょうね。あおいの悩みが解決されたと同時に、この描写が示していたことは提示されたのだと思います。
あの金色の魚は、あおいが幼い頃に書いた絵ですが、瞳美との関係は、最終回、明らかにされるのでしょうか?楽しみですね。

それと私がずっとイメージしてきたこの作品の作品像について。
OPの映像で、魔法写真美術部のメンバーが揃って同じ方向を見て並んでいるシーンがあります。同じ時間を共有し、様々な悩みや青春を共に助け合い語り合い経験し、そして繋がりが強くなった友達を得ることが、この作品に求めていたことでした。
だから、琥珀だけが、その輪の中に入りきれていないのが、はがゆかった。
私は、琥珀がもっと魔法写真美術部に、精神的に心をおいてほしかったのだと思います。魔法がうまくいくように、部の皆の協力を得る、ではなく、琥珀自身のメンタルに仲間の存在があって欲しいと思い続けていました。

最終回、どのような物語になっても、私はこの作品を好きでいられると思います。

{/netabare}

13話 【色】
{netabare}
ほぼすべての伏線の回収回なので、非常にすっきりした部分が多いですね。
まず、色について。今作品は陰影による表現を活かしていましたね。光によって照らし出される明るい色と、その光によって生まれる暗い色。明るい色も暗い色も、どちらも併せ持って自分を好きになってほしいと、あおいは瞳美に言い残しました。それは、色とは、瞳美の持つ様々な感情の部分であり、それを肯定することで、瞳美は自分を好きになれる、もしくは母との離別に対する後悔や自責の念に向き合うことができるのだと感じました。

次ですが、未来の琥珀が人生の後悔について語ります。彼女が近くの人を幸せに出来なかったこと、このことについては、琥珀の娘について、魔法が使えないことについて、親族からの目から守ることが出来なかったことや、そして瞳美についてもそれによって色を見えなくしてしまったこと、その後悔が含まれていましたね。
つまり、作品内で17歳の琥珀という人間が成長しない理由は、
60年後にようやく過去の後悔を吐露する未来が決まっていたからでしょうね。
つまり、琥珀が家族に対して省みる力は、60年前の琥珀にはなかった。琥珀が60年前の時点でただの青年であった事を示したのではないでしょうか。

以下、最終話で気になった事。
魔法写真美術のお別れの言葉を言い合うシーンがリアルすぎる。
あおいの絵だけ色が見えることの理由。ずっと好きだった絵本だから、ということなのかな。世界を肯定しているか、の話と絡めると、あおいの絵、または絵本の中の世界が瞳美は幼い頃から好きだったから、色が見えたのかな。

色が見えるようになった理由。これは瞳美の気持ち、世界に色が溢れているという、世界に対して好きになれること、この辺りの問題提起を解決してくれたと思う。
60年後の琥珀が仕掛けた魔法が、琥珀の気持ちを汲み取る魔法であった事。今の琥珀には気持ちを汲み取る力が欠けているので技術的に無理というより人間的に無理なのだろう(ちょっと琥珀に厳しすぎる見方かな?)。



{/netabare}

まとめ
{netabare}
技術的なことや芸術的なことはわかりません。わかりませんというのは、人によって美しいと感じるものは人それぞれだと考えているためです。
特定の色に弱い色覚障害を持った人に、その色を美しいよねといっても、共感が得られない疑問にぶつかってきました。華やかだよね、という言葉ひとつとっても、それぞれの華やかへの定義が違う事に悩んでいました。

この作品において私は、モノクロによって強調された世界であったり、日の当たり方、世界の時間の流れによって作り出された美しいワンシーンであったり、人の感情が抑えきれない時の姿を、直感的に美しいと感じることは出来たと思います。(ただ、私は作品内で色鮮やか、といわれるシーンの一部が、何が素晴らしいのか、よくわかりませんでした。それが人と私の違いだと思います。)
どうやったらこの作品の作画を述べることができるのか、ずっと考えてきました。
ですが、私はアニメの技術的なことは素人であり、直感的に感じた事を、何かしらの言葉にするしかないという考えになりました。それは、美しいと感じた時の感情、喜び、ときめき、わくわく、そういった私の中から生まれる1次的な感情を、性格の違う他人にロスなく伝え、共有したいと考えました。それらの感情を得た時に初めて、作画が良いと、言うことができるのだと私の中での定義ができました。時には、感情が異なりぶつかり合うこともあるけれども、その事象ですら、私はこの作品では悪いものだとは思わなかったです。それは押し付け合いではなく、相互の感情への理解によって生まれるのだと感じています。

この作品は、仲間と共有する時間、時間そのものは世界にある物として、その時間の中で共有した感情の愛おしさを、感じさせてくれる作品でした。

{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 60
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

最終話&総評 瞳美の魔法についての考察

タイトルからはどんな話なのかわからない。作画がきれい、というのが第一印象。

第1話 あの男子は……
{netabare}
瞳美が飛ばされた家の男子は、祖父じゃないかな。
結ばれるために瞳美が必要とか、ベタな展開を考えてしまった。

ただ、瞳美が恋愛すると、パラドックスが起きてしまう。
瞳美がもともと2018年にいたとかなら恋愛もできるか。

色々予想したくなる作品。
きっと花火のシーンはまた出てくるだろう。
{/netabare}

第2話 今後の展開を予想してみた
{netabare}
瞳美の視点で話が進むから、景色はすべて白黒なのが正しいんだろうな。

”唯翔=瞳美のじっちゃん”はありそう。琥珀よりも瞳美のほうが好きになるおいしい展開もあるし。

瞳美は、子供のころまでは色が見えていたけど、魔法でじっちゃんの絵を焼いてしまい、魔法が嫌いになって、色も見えなくなったとか。唯翔の絵だけは色が見えるのはじっちゃんだから。
記憶を取り戻したあと、琥珀に話して、琥珀が魔力を溜めることになる……。

現時点ではこんな感じで予想してみた。
{/netabare}

第3話 よくある入部物語
{netabare}
写真部に入部するパターンってよくある。話も作りやすくて無難な部なんだろう。体育会系でもいいと思うんだけど。

次回は琥珀が登場するから、謎の部分も明らかになるだろう。
予想としては、唯翔と琥珀は仲が悪くて、そのうち瞳美がじっちゃんたちだと気づいて、仲を取り持つ。でも、唯翔は瞳美のほうを好きになっている……。

瞳美が飛ばされたのが唯翔の部屋っていうのが、琥珀と唯翔の関係を示す伏線になっていると思う。

この時点で、瞳美が過去に来た経緯を、琥珀が知っているかどうかが、次回のポイントだと思う。
{/netabare}

第4話 瞳美は恋愛しないのか?
{netabare}
瞳美が未来からきたことを話したの意外。恋愛要素がなくなってしまった。琥珀の恋愛を導く役になるのか。主役が恋愛しないのもどうかと思うけど。

瞳美が色が見えないのは、幼いころにすごい魔法を使ってまわりに迷惑をかけたからかな。唯翔が危ない目にあったときにその魔法が現れて、幼いときの記憶を取り戻すとか。あの魚が伏線なんだろうけど、よくわからん。唯翔が関係している可能性は高いと思う。
{/netabare}

第5話 予想を考え直してみた
{netabare}
よく考えたら、唯翔が瞳美のじっちゃんなら、名前くらい憶えているはず。つまり、メインキャラのなかに、琥珀の相手はいないことになる。古本屋のお兄さんがちょっとあやしいかな。本を買うのが目的でないとか、ベタな感じで。

予想を考え直してみる。
色が見えなくなったのは、瞳美が幼いときで、未来の唯翔となんか関係がある。瞳美が未来からきたのを唯翔は知っているので、幼い瞳美と再会しても気づくはず。この再会したときに、なにかがあって、色が見えなくなった。

あの魚は未来の唯翔が描いたものだとパラドックスが起きてしまう。高校時代に見せられた魚をモチーフにして描いたことになるから。幼い瞳美が魔法で出したと考えられる。

色が見えなくなったのは、なんかすごい魔法を使ったから。それをまた学校で出したときに、(未来の)唯翔も思い出す……そんな感じで予想しておく。
{/netabare}

第6話 絵筆に変えるんじゃないか
{netabare}
瞳美が色が見えなくなった要因が、唯翔にもあるのがほぼ確定したと思う。

気になるのは、唯翔が教えるまえから、瞳美は金の魚を知っていたのか、という点。
瞳美が魔法で見たのは、絵がうまく描けない唯翔の心理描写だから、金色の魚も唯翔の心理面から出たのかもしれない。

金色の魚については、二つ考えられる。
・幼いころに見せてもらった記憶が呼びさまされて魔法で出てきた
・唯翔の心の中にあるものを魔法で出した

いまのところ、瞳美が色が見えなくなったのは、未来の唯翔の絵(金色の魚?)を台無しにしたのが原因と予想している。タブレットだから微妙と思ったけど、金の魚を描いたころを思い出して、筆に変えるかもしれない。
{/netabare}

ここまでの予想と考察
{netabare}
1クールなら半分なので、これまでの予想と考察をまとめてみた。

・瞳美が色が見えなくなった原因は、未来の唯翔と関係がある
唯翔の部屋に飛ばされたのは意味があるはず。
唯翔が絵を描く気になったのをきっかけに色が見えたから(一時的か)。
有名な画家になった唯翔の絵を魔法で台無しにしたのか?


・唯翔は絵筆で描く
タブレットだとデータが残るので、瞳美が未来の唯翔の絵を台無しにする展開にできないため。
キャンバスに向かってるほうが絵になる。


・琥珀の相手、瞳美のじっちゃんは、メインキャラにはいない
名前くらい憶えているはず。
琥珀が会っていて、瞳美が会っていない男性。古本屋のお兄さんが有望。


・瞳美の魔法は、記憶のなかにあるものを表示させるのか?
琥珀の汽車と唯翔の魚から。
なにかとトラブルになりそうな魔法でもある。


・未来に戻ってから(花火はまだ続いている)、あさぎと将の孫と出会う
さらに、唯翔によく似た男子が現れて……。


・パラドックス
過去に飛ばされた経緯を瞳美から聞いて、未来の琥珀が魔法を使ったとすると、パラドックスが起きる。
魔法を使う動機が生まれたのが、魔法を使ったあとにあるからだ。
{/netabare}

第7話 なにを話すのか予想してみた
{netabare}
瞳美が気になることを言って終わっているけど、伏線っぽいのがないのでそれほど重要とは思えない。こんな感じかな。

「わたし、そろそろ未来に帰ろうと思うの」

馴染み過ぎて視聴者も忘れてそうだから。
ほかに思いつかない。瞳美は主人公なんだけど、色が見えない以外はそれほどの存在感がない気もする。
{/netabare}

第8話 伏線回か
{netabare}
予想して観てる者には伏線回にしか思えなかった。
色が見えなくなった要因に唯翔が関係しているのは予想済み。

琥珀の相手と考えている古本屋のお兄さんがふたたび登場。かなり有力になったと思う。
さらに、琥珀が初めて魔法を使って、襖に穴をあけた点。これと同じことを瞳美がやってしまったのではないか。穴をあけたのは、未来の唯翔の絵かな。
絵本という新たな伏線が出てきた。現時点ではイラストを唯翔が担当してたと想像するくらい。

何十年もかけて瞳美を過去に送ったんだから、戻すときも何十年もかかると考えられる。だけど、そうならないはず。瞳美が未来に戻りたいと思った瞬間に戻れる気はする。

瞳美のセリフも伏線のような気がしてならない。

部員といるほうがいいと思う心情の変化がわかりにくい。瞳美がいた未来では、冷たい人間ばかりなのか?
問題なのは瞳美の心の内なんだと思う。
瞳美が未来に戻ろうとする心の変化がどう描かれるか、そこが重要な気がする。
{/netabare}

第9話 恋愛要素は伏線なのか?
{netabare}
未来からやってきた人と結ばれる映画はあったけど、その場合、生まれた子供が未来を救うという伏線になっていた。
瞳美と唯翔の恋愛は伏線なのか?

ちなみに、琥珀の場合はこう予想している。
瞳美のために魔法を勉強する→本屋に通う回数が増える→店員のお兄さんと結ばれる

瞳美が現れたことによって、琥珀もあさぎも恋愛感情が大きく変わった、そういう流れなのか。生まれていない瞳美が変化を及ぼすとパラドックスだと思うけど。

瞳美と唯翔の恋愛要素は、別れの切なさを演出するためか。
それなら、別れる以上の未来に帰る理由がないといけない。

第1話を少し見直した。
たぶん、母親とのエピソードがあるだろう。母親が読んだ絵本のなかに唯翔の絵が出てきたのかも。
あと、瞳美に声をかけてきた二人の女子生徒の髪の色は、あさぎと胡桃と同じ気がする。孫じゃないか。
{/netabare}

第10話 ある程度予想できる展開
{netabare}
第1話を見ていたら、今回の話はある程度予想できる。
ただ、こういったエピソードを入れると、ストーリーのバランスが悪くなると考えていた。
なぜなら、

琥珀は魔力を溜めるより、生まれてくる娘の教育方針を考えたり、色が見えなくなる孫の症状を未然に防ぐほうがいいからだ。
運命は変えられない(既定路線)とするなら、あさぎの運命を変えているのが不自然になる。


瞳美を過去に送ったのは、唯翔に会わせるため、と考えるのが自然。
過去を変えるためとは考えにくい。それなら、琥珀が行くほうがいい。

ただし、瞳美が飛ばされた過去で、瞳美を過去に行かせる理由を作ったら、パラドックスになる。
だから、琥珀は理由を知らないと考えられる。

パラドックスを回避するところに、理由があるのかもしれない。
未来に戻る理由は母親に会うため、というのが有望になったと思う。
{/netabare}

パラドックス回避についての考察
{netabare}
問題なのは、時間魔法を使った琥珀の動機。
いまのところ、

瞳美を過去に送ったのは、瞳美が未来から送られてきたから

となっているため、原因(動機)と結果が同じになっている。
瞳美が未来からきたという記憶があるかぎり、パラドックスは起きる。
だから、琥珀(その他大勢)の記憶消去。これがパラドックス回避の必須条件となる。

記憶がなければ動機も消える。さらに、娘や孫の変化に対応していない琥珀の不自然さも解消される。
写真は残るので、瞳美は謎の美少女として語り継がれる。

動機が消えたので、新たに作る必要がある。
書き置きが定番だろう。ただし、

高校時代に瞳美が現れたことを、いっさい書いてはいけない

瞳美に関する情報を与えた時点で、パラドックスが起きるからだ。
60年後に孫が大変なことになるから魔力溜めといて、といったメッセージにするしかない。

未来改変でも回避できるが、このアニメはそういった雰囲気はない。
回避せずにそのままいく可能性はある。
{/netabare}

第11話 そんな魔法を、孫にかけるなよ
{netabare}
レビューを読むと、あまり評判がよくないようだ。
急展開とはあまり思わなかった。
将の前フリがあるから、唯翔の告白はあるだろうし、瞳美もそろそろ帰るだろうから、この二つが同時に進んでもおかしくない。
唯翔が告白した瞬間に、瞳美が未来に帰って、60年後に返事すると予想している。

ただ、時のあわいは唐突。

そんな危険な魔法を、孫にかけるなよッ!

って突っ込んだ。

無事に戻るのだろうけど、瞳美がどの時間帯に戻るかで、少し変わってくる。

1.琥珀が時間魔法を使うまえ
この場合、瞳美は二人いて、一人は花火に行っている。
無事に未来に戻ったので、琥珀は時間魔法を使う決意をする。

2.琥珀が時間魔法を使ったあと
この場合、瞳美は一人だから、問題ない。
だけど、無事に戻ってくるかわからずに、琥珀は時間魔法を使ったことになる。

安全を確認してから過去に送りそうなので、1の可能性が高そう。
ただし、視聴者に突っ込まれる可能性も高くなる。
{/netabare}

パラドックス回避についての考察 2
{netabare}
このアニメのパラドックスを説明するには、瞳美と琥珀にこんな会話をさせるといい。

「どうして、琥珀が高校生のときだったの?」
「だって、瞳美が高校二年のときに現れたから」
「そうじゃなくて、どうして高校二年を選んだの?」
「だからあ、わたしが高校二年生のときに瞳美が現れたからだって」
「そうじゃなくて、ああ、もう、琥珀のばかあ」

琥珀が高校二年を選んだ動機があいまいなのがわかる。
唯翔と恋愛し、瞳美の症状が改善したから、という理由ができても、パラドックスは回避できない。
「高校二年のときに、瞳美が唯翔と恋愛したから、高校二年を選んだ」となるからだ。


・なぜ、瞳美は、あさぎを知らないのか

瞳美が生まれたら、あさぎは会いに行くはず。うさぎのぬいぐるみを持って。
唯翔には魔法を封印した理由も話している。それなのに、幼い瞳美に関わっている様子はない。

歴史の修正力で、記憶が消えていると推測できる。魔法使いにも働くので、瞳美と琥珀からも記憶が消える。

記憶が消えたことで、瞳美を過去に送る動機も消え、パラドックスを回避できる。ただし、時間魔法を学ぶ動機も消え、留学先から帰ってきた理由も変わることになる。
{/netabare}

第12話 なぜ、琥珀に聞かないのか?
{netabare}
高校生=文化祭は定番すぎる。瞳美と唯翔にもっと特別な時間を設けたほうがよかった。
最終回直前なのに、とくに盛り上がりそうな前フリもない。
告白されて色が見えて終わる気がする。

琥珀の"お相手"が貸本屋(古本屋だと思ってた)のお兄さんなのは、ほぼ確定かな。瞳美が首をかしげたのは、ちょっと露骨な演出だった。

幼い瞳美に見せるために、唯翔が絵を描きそうな前フリも見られた。
絵本の伏線があるから、それの回収だろう。だけど、絵本を見せても、瞳美は色が見えるわけではない。都合のいいところだけ未来改変するかもしれないが。

瞳美は過去にきた意味を考えている。なぜ、琥珀に聞かないのか。自然現象ではなく、琥珀が送ったのだから、琥珀に聞けばいいだけ。なんの前フリなのかわからない。

色々疑問点が残っているので、最終回のまえに、考察してみる予定。
・なぜ、高校生の唯翔なのか。未来の唯翔ではダメな理由とは
・未来の病院では治療できないのか
・未来の高校生には、あさぎのようないい子はいないのか
{/netabare}

最終回を予想してみた
{netabare}
1.唯翔が告白した瞬間、瞳美は返事をする間もなく、未来に戻される

2.60年後、家のなかに、瞳美が現れる

3.無事に戻ってきたので、琥珀は、花火を観に行っているもう一人の瞳美のもとに駆けつける

4.過去から戻ってきた瞳美は、金色の魚が描かれた絵本を見つける

5.唯翔からのメッセージとわかり、さらに母親に読んでもらったときの幸せな時間を思い出し、絵本を懐に抱きながら涙する→視聴者も涙

6."時間魔法を使ったあと"の琥珀のもとに、瞳美が駆けつける

7.第1話で声をかけられた女の子たちが、あさぎと胡桃の孫だと気づく

8.花火を見ながら絵を描く高校生男子を見つける

9.唯翔の孫だとすぐにわかり、告白の返事(声をかけるだけかも)をする

10.すべての色が見える→視聴者感動


疑問点を考察したけど、残り1話では解決しないと結論に至った。
だから、シンプルなラストを考えてみた。

あさぎと胡桃の孫を見つけて、意外と近くに『幸せ』はあって、それに気づかせるために、瞳美は過去に行ったのだった……そんな最終回を予想しておく。
{/netabare}

最終話&総評 瞳美の魔法についての考察
{netabare}
色が見える瞬間はもう少し華やさが欲しかった。
モノクロの世界で『幸せ』を見つけたのに、モノクロの世界が瓦解する描き方は違和感があった。
瞳美が瞳を閉じて、ひらいた瞬間、色づけばよかった。ひ・と・みだけに。


【総評】
・作画について
キャラデザも含めて、星5をあげられるレベル。
作画の評価が、そのまま作品の評価につながるのは当然のこと。ストーリーにツッコミどころがなければ、傑作として歴史に残っただろう。

・パラドックスについて
結局回避はなかった。
色が見えたのが先か、時間魔法が先か、考えても答えは出ない。その結果、なぜ過去に送る必要があったのか、というテーマと言えるものが疑問のままになった。
時間のあわいよりは、パラドックスを回避してほしかった

・瞳美の魔法について
人を色で表したシーンがいくつかあった。色=心としていいだろう。いっぽう、瞳美の魔法は、記憶や心のなかのものを具象化(抽象化?)させるものと考えられる。これらのことから

瞳美にとって、色を見ることと、魔法を使うことは同等、なのではなかろうか。

瞳美は、魔法を使えない魔法使いになろうとして、自分に魔法をかけた。その結果、色が見えなくなった。モノクロの世界が瓦解したシーンは、色が見えた瞬間というより、自分にかけた魔法が解けた瞬間と考えれば、また違った感想が出てきそうだ。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 17
ネタバレ

やぎゃあ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

素敵な物語でした

(物語の感想は長いので最後に後回し。「P.S.」以降の文章で少しネタバレに触れますので、そこだけセクションで隠しています)

【作画】ーーーーーーーーーーーーーーー

P.A.Worksらしく、とても美しい作画でした。

特に「色」をテーマにしていること、芸術を嗜む少年少女たちの物語だったこともあり、作中では様々な色彩、画風を取り入れており、物語抜きで評価しても「美しい作品だな」と感じました。


【キャラ・声優】ーーーーーーーーーーー

キャラデザはこれまたP.A.Worksらしく、出てくるキャラはみんな美男美女でした。モブキャラですら美少女なあたり、P.A.Worksの力の入れ様は恐ろしいw

声優さんは、各々キャラクターの雰囲気と完全にマッチしていましたし、演技力も申し分なかったので、しっかり物語に没入できました。

本作は「クセの強すぎるキャラ」は出てこず、物語を無駄にかき乱すこともないので、綺麗にまとまってました。たぶんこの作品はそれで良かったと思います。


【音楽】ーーーーーーーーーーーーーーー

OP/EDともに良かったですが、特にOPの雰囲気が物語の世界観に合っていて、最高に良かったです。Aメロのアルペジオから希望と不安と儚さを感じ、サビでは明るさもありつつ、切なさを感じるコード進行で・・・とにかく美しいと感じました。

映像自体も、サビに合わせて主人公が駆け出すだけでもう・・・期待が膨らんじゃいます(定番ですけどw)。それら全てまとめて「青春だなぁ」と感じられるOPでした。

EDも流石のやなぎなぎさんです。「凪のあすから」の時もEDと挿入歌がやなぎなぎさんでしたが、やなぎなぎさんのバラードとP.A.Works作品の相性は抜群だなって。物語に漂う「切なさ」の面をぐっと引き立ててくれます。


【物語】ーーーーーーーーーーーーーーー

完全に事前情報なしで観初めて、タイトルや イメージデザインからは想像してなかった「ファンタジーもの」で少し驚きましたw 正確には『ファンタジー + 青春』といったところですかね。

イメージデザインでは、制服姿の女子2人(瞳美と琥珀)が描かれているだけなので「よくある青春学園もの」かとは予想していましたが・・・そう単純な話ではありませんでした。物語の導入で「時間逆行」という要素を知り、 俄然 期待が膨らみました。

(追記:順序が逆ですが、最終話を観終えてからPV第1〜3弾を観たら、大事な設定はだいたい説明されてたんですねw)

第一話の冒頭で主人公が抱えている問題(障害)に触れ、この作品タイトルの意味を察してみると、中々に秀逸なタイトルだなと感心しました。「色づく世界」・・・なるほど魅力的なテーマでした。

また、第一話の冒頭、魔法使いの家系である月白 瞳美(主人公)と祖母の琥珀の会話、『高校二年生の私(60年前の祖母)に会いに行きなさい』という導入からしてもう秀逸だな、と。だとすると、現に今こうして相対している瞳美と祖母の関係はいったい・・・と、期待せずにはいられませんでした。

「時間逆行」という導入からして、「結末の展開」はほぼ運命づけられてしまうものの、その過程をどのように描くのかという点で、期待を大きく上回る物語を用意してくれていました。

時間逆行や魔法使いといったファンタジー要素に、部活動の青春や恋愛模様、そして主人公が抱える障害などなど、様々な要素が混じりあう作品でしたが・・・観終わってみれば、それらすべての要素が効果的に機能していたな、無駄な要素は一つも無かったな、という感想に至りました。

物語が目まぐるしく展開したり、劇的な展開があるわけではないので(クライマックスを除く)、人によって本作の評価は分かれるかもしれませんが・・・

私は「登場人物たちの心がどのように動くのか」という点を大事にしており、本作は主要人物たちの心が大事に描かれていると感じられたので、私はとても満足できました。久々に温かい気持ちになれる作品に出会えました。



[P.S.] ここからは視聴済みの方へ

この作品を最後まで好きでいられた方は、最終話を迎えたのち、もう一度 物語冒頭を振り返ってみて欲しいです。なんだったら、もう一度 第1話を視聴するのもオススメです。私はそうしました。

祖母「やっと準備が整ったわ」
瞳美「星砂時計・・・」
祖母「そう。時間魔法の必需品。今日のために60年分、満月の光を浴びさせ続けてきたのよ」

祖母「あなたは今から、高校2年生の私に会いに行きなさい」
祖母「いきなり言われて戸惑うのも無理はないけど、これは決められたことなのよ」
瞳美「どうして?」
祖母「あっそれは・・・行けばわかる♪(満面の笑み)」

祖母「まぁ友達や恋人と別れたくはないとか、そういうのはあるだろうけどw」
瞳美「別に・・・そういうの・・・どうでもいい」
祖母「・・・あなたの悪いクセよ(両頬に手を添えて目を合わすように促す)」
祖母「(抱きしめながら)瞳をそらさないこと。せっかく行くんだから、楽しんでらっしゃい」

少なくとも第1話の時点では、物語の導入のための会話でしかありませんでした。祖母はいたって明るい口調で・・・「時間旅行だと思って楽しんできなさいな♪」くらいの気軽さで話しかけているようにも思えました。

しかし物語の全てに触れた上で、もう一度 冒頭の祖母との会話を思い返すと、全く違う印象を受けるはずです。

冒頭で {netabare}祖母がしたためている手紙、瞳美を送り出すために待ち合わせ場所に向かう祖母の心境、祖母が言った「準備」が指す意味、祖母が過ごした「60年」の日々、そして瞳美を送り届けた場所{/netabare}・・・などなど。祖母の言葉の1つ1つ、祖母の一挙手一投足に、どれだけの想いが込められていたかを想像してみて欲しいです。

琥珀(祖母)が最終話で自分は何者だと自覚し、60年後のその日を迎えるまでにどれだけの「準備」をしてきたのか・・・明確に描かなくたって、明確に言葉にしなくたって、想像に難くないですからね。私はそこがこの作品の一番素敵な点だと感じました。

ちなみに「60年」という時の流れの意味について、作中で触れていましたっけ?触れていれば私の聞き逃しになりますが・・・、とりあえず私なりに妄想してみました。

{netabare}60年とは、単純に「満月の光の “充填期間” としてそれだけの歳月が必要だった」というだけの話なのでしょうか?

私はそうではなく「琥珀が常に時間魔法と向き合い続けても、完成に至るまでに60年という歳月がかかってしまった」ということなんじゃないかと解釈しました。

それは、最終話の琥珀の心の声が裏付けていると思います。

『瞳美を未来に返したのは、私の時間魔法じゃない・・・。そのことは私だけが知っている。瞳美の無意識の魔法が解けることが、旅のリミットだったんだ。未来の私がかけた大きな魔法は・・・今はまだ、届かない。けど・・・いつか、きっと・・・』と。

また、この心の声より前にも「本当にすごいのは、私じゃなくて瞳美の方だった」とも言っていたはずですし。つまり「自分はまだ、何者でもない」ということを自覚しているんですよね。

その『いつか』にたどり着くために、まだ何者でもない自分が、時間魔法を操る『大魔法使い』と呼ばれる域に達するまでに、『60年』という歳月が流れてしまったのではないでしょうか。

ちゃんと時の流れも追ってみましょう。

祖母としての琥珀は、できることならすぐにだって瞳美の問題を解決してあげたかったはずです。もっと言えば『瞳美が問題を抱えることになる原因』を突き止められれば、問題を抱える前にそれ自体をどうにかしたかったはずです。

ただ・・・その原因を突き止めることは叶わず、瞳美が問題を抱えてしまう様を指をくわえて見ていることしかできなかった・・・。また、今すぐどうにかしてやれる手立てもない。史実を知っていながら、何も成す術がなかった。それでもいつかは瞳美の問題をどうにかしてあげたいと、時間魔法を求め続けた。そうやって何度も悔しい想いをしながら、ようやく『いつか』の日を迎えられた・・・。これが琥珀の辿った「60年」の日々なんじゃないかと想像しました。

だからこそ、最終話の現代で再開した際の言葉に繋がるのでしょうね。

『私の願いは、魔法で人を幸せにすること・・・。でも、一番近しい人たちを幸せにすることはできなかった。許してちょうだい・・・』と、涙を流しながら。

そして瞳美からも「ううん。私の方こそ・・・琥珀がどれだけ私のことを思ってくれていたか・・・気づかなくてごめんなさい。私、もう大丈夫よ」と言ってもらえて、そこでようやく琥珀が辿った60年の日々は報われたのでしょうね。

なんかもう・・・素敵すぎです。

それに、祖母は瞳美のことを「単なる孫娘」とは思ってはいなかったってことですもんね。『かつての親友』であり『これから親友になる』という、とても不思議な関係なのだから。

瞳美が生まれてからの17年間、この特別な想いをずっと抑えながら、瞳美の成長を見守ってきたんですよね・・・そんなことを説明されたって瞳美が混乱するだけだから。改めてOP主題歌の『17才』というタイトルも深いなぁ・・・って感じました。

こんなふうに、琥珀はいろんな想いを抱えながら、60年間、時間魔法と向き合ってきたんですよね。琥珀の人生を想像すると、いろんな感情で胸が締め付けられます。

もちろん琥珀は結婚もし、子も孫も生まれ、幸せなことはたくさんあったでしょう。ただ琥珀の過ごした60年、背負っていたものの重みは、常人のそれとは違うものだったでしょうね。{/netabare}

解釈が正しいかどうかなんてわかりませんが、私はこのように「物語の中で明確には描かれなかった背景や心情」に想いを馳せるのが好きです(ちゃんと説明が必要な部分を省かれるのは好きじゃないですが)。登場人物たちの心を、描かれなかった部分まで含めてちゃんと追いかけたいなぁ、と。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 8

82.0 2 心理描写で文化祭なアニメランキング2位
やがて君になる(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (676)
2490人が棚に入れました
人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──。「私、君のこと好きになりそう」

声優・キャラクター
高田憂希、寿美菜子、茅野愛衣、市川太一、野上翔、寺崎裕香、小原好美、中原麻衣、森なな子、小松未可子
ネタバレ

wkr さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

心理描写が秀逸すぎる名作百合作品

百合作品として結構有名な作品なので視聴。

この作品の面白いところは人物を掘り下げていく内に印象の変わる関係性だと思います。{netabare}好きを持たない侑と、相手のことを好きになれない燈子。1話、燈子が「私、君のこと好きになりそう」と早速キマシタワー。この作品は 燈子→侑 です。順調に仲を深めていき、侑の方は本当の燈子を知っていくうちに好きになりたいと思うようになります。しかし燈子がなぜ侑のことだけ好きなのか、燈子というキャラクターが掘り下げられていくと第一印象とは全く異なる見えてきます。侑の方は求めていたものが確実に自身の手に届きそうになるのに、燈子はそれを望んでいない、相反する百合関係がうら悲しく絶妙です。{/netabare}そしてキャラを描く上での心理描写も素晴らしいです。キャラ像の掘り下げ方、見せ方がわかりやすく秀逸な為、容易に感情移入することができ、一つ一つのシーンの引き締まり方が尋常じゃないです。特に6話、{netabare}好きになった理由の核心を描くシーン、そこから引き出される燈子の複雑な人物像と本当の百合関係が描かれるこの回は作品の魅力が最大限に詰まった{/netabare}神回です。サブキャラもサブに収めとくには勿体無いようなキャラが多かったです。特に紗弥香先輩は、もう1人のヒロインと言ってもいいのではないでしょうか。新しいストーリーが作れるほどにはしっかりしたキャラクターでした。

全体的に心理描写とキャラ造形の秀逸さが光る素晴らしい作品でした。{netabare}しかしラストは解決感が弱く消化不良だったので、そこだけは惜しいかなと思います。{/netabare}語りたいことはいっぱいありますが、全く言葉がまとまらない作品でした。
観ていたのはしかのこが放送されている時間でしたが、この作品があまりにも面白過ぎてしかのこどころじゃなかったですw しかもメモに時間かけ過ぎて全話観るのに7時間くらいかかっちゃいました(OP、EDは基本飛ばしてたのに...)。結構曖昧なところもありますが一参考にしてください、下にまとめてます。



話毎の感想&メモ
{netabare}1話
1話から飛ばしてきましたね。このままいけば間違いなく名作。メインキャラ2人のキャラ描写を丁寧に見せつつ、小糸の中学時代の恋路の行方と物語の導入を描いています。返事後の「ありがとう...」は男側の物語性も感じ取れてちょっとウルッとしました。そしてキマシタワー、完璧だと思える出来の導入です。1話にして余韻が残るのはけいおん!、プラメモ、ウマ娘2期以来かなあ(けいおん!は完全に個人の感想、プラメモは1話がピークだった気がしなくもない?)


2話
脚本花田さんなんですね。この人オリジナルは当たり外れ大きいけど原作ありの作品では上手くこなしてる印象あるので、この作品の場合は安心です。この人のオリジナルはダメと言いつつも、よりもいは大好きなんですどね。

いきなり!?
唐突にも感じるけど好きになる理由も一応あるし不自然ではないからなあ。親近感が色々あって好きになったんでしょう多分

小糸→"特別な気持ち"を知りたい。会長に向けてた期待が空回り(裏切られた気分?)
七海先輩→特別な気持ちをしれただけで満足、小糸から来なくて良いから好きでいさせてほしい 
ってことかな。ちょっと複雑になってきた


3話
他意のありそうな先輩に対してなんの気も止めない小糸、キャラがしっかりしてますね。

七海先輩の変わるきっかけ気になります。
今回好きになる理由補完されました。小糸は七海先輩の弱い部分を知っていったから助けになりたい、支えていきたいと考えたのかな。なんとなくだけど

「この人の近くにいようと決めた。その為に、私が諦めなければいけないものがあることに、この時はまだ気づかなかったんだ。」
このセリフが少し気がかりです


4話
百合百合してきましたねぇ。でも新キャラが百合の間に交わる男になりそうで怖い。
新キャラを不安視してたら既存の男キャラが、、何コイツ...って思ってたら見とくだけのヤツだった。このキャラの台頭で小糸の変化をわかりやすく見せてますね。

槙→裏方タイプ、人の恋路が好きなのかな?キャラは立ってるし個人的には見る専ってところが共感できる

七海先輩は自分を受け入れてくれる人に出会ったから変われたのかな。

今回、文化祭で生徒会劇をすることが決まりそう
「伝統だった劇が7年前に途切れる」は伏線?


5話
小糸→選ばれることが嬉しくなってきてる?
七海先輩に一番必要とされていると自覚している。確実に変化してるけど小糸自身変化は自覚してない?
七海先輩→小糸じゃないとダメ

関係性が絶妙ですよね。最高です

後半の日常パート好きです


6話
咲いた百合は、実はドライフラワーだった

今まで観てきた中でもトップクラスの神回来た...満点。ここまで繊細で綺麗な心理描写初めてです。そして、七海先輩の好きになった理由の核心が描かれました。

劇にこだわる理由→七海先輩の姉(七海先輩が変わったきっかけは姉の死、姉と同じになりたかったから。)

小糸→本当の七海先輩を知った上で好きになりたい(変わりたい)。

七海先輩→「好き」という束縛を持たない、ある意味都合の良い人物だった為小糸の事を好きになった。小糸は一番安心できる存在だったようです

小糸は変化を求めてるけど七海先輩は小糸の変化を望んでない、っていう互いの想いが相反する関係性がドライすぎる...小糸はそのこと理解してるのが観ててこっちも辛くなってくる。ただの百合ではなかった


7話
神回にぶち当たると数分間くらい余韻に浸る癖?があるんですが、この作品ではそれが既に2回も起きてます。

初っ端から素晴らしい心理描写を描いてますね。思春期がゆえの一時の気の迷いだった、で片付けられるのが生々し過ぎます。ガチにさせられた沙耶香先輩可哀想?入学式で七海先輩に一目惚れしたのかな。そして今回、沙耶香先輩の爆株上がり回でしたね。相手(七海先輩)の為になる関係でいるために自身の気持ちを飲み込む沙耶香先輩の優しさと強さが濃く描かれてました。何気に同性愛の扱いの難しさをも感じます。

沙耶香先輩「そのままでいてくれる間は、私が一番そばにいられるんだから。」
七海先輩「沙耶香が私に要求するのは、完璧な私だけだから。」
これは素直に紗弥香先輩が七海先輩の好きな理由の答えとして受け取っていいんですか
ね。でも沙耶香先輩、前回本当の七海先輩を知ってるような台詞があったので複雑ですね。

「燈子は誰のものにもならない。だって燈子だもの。」は全く靡かない七海先輩を一番そばで見てきたからこその決めつけですよね。こういう些細なところで関係性の深さを感じることのできるセリフ好きです。

「今はまだ十分だ。今はこのままで...」は諦めてないってことですかね。今回更に露呈した学校のキマシタワー具合、すごいですね。まさに楽園


8話
アバンから良いもの見せてもらいました。。。今回そんなに深い描写はなかったと思います。意味深に映されるあじさいについてはよく分からなかったです

七海先輩マジで難儀な性格してんなあ


9話
キマシタワー...6話からただの百合とは見れなくなってしまった(関係性が物悲しくて)。キスシーンは良かったんだけど、いつも通り「あああああああああ!!!!」とはならなかった...

槙くんは本当に好きにならないやつにすることで、小糸との差別化して変化をわかりやすく描いてますね。そして小糸は確実にかつて思い描いてたものに近づいてきてるのに、相手の七海先輩が難儀なせいで自身の本当の気持ちを押し込んでるっていう。

先生と店長さんの関係性も良いですね。
<晩ご飯どうする?最下位さん
            お肉希望>
このあっさりした会話が逆に良かったw

でも作画の質はちょっと落ちたかな。次回は立て直してほしいところ


10話
脚本完成、叶さんの勘?、観察眼凄いですね。
夏休みに劇の練習で合宿することが決まる。


「可愛くないのも嫌だけど、妙に気合い入れたと思われるのもあれだしな。」七海先輩に縛られてますね...今回も日常回っぽい内容ですが、このシーンは印象的でした。


11話
前半ラスト、紗弥香先輩が複雑そうな顔してたのは、「姉さんの後ろで隠れていた子が今は生徒会長なんだから…」の部分を聞いたからだと考察。『三角形の重心』っていうサブタイトル素晴らしいですね。

後半、今回登場のキャラが意外と重要な人物でした。「澪とお姉さんは、あんまり似てないな。」姉の知らない一面を知ったのがどれだけ悔しかったのか(悔しかったのかはわからないけど)

12話
七海先輩→姉の同級生の言葉で姉の本当の人物像がわからなくなり、誰を目指せば良いか分からなくなる。(自分自身がどんな人物なのか分からない、ここで繋がってくる演技のシーン)
「私は自分のこと、嫌いだから。」「私の嫌いなものを好きって言う人のこと、好きになれないでしょ。」・・・小糸が好きな理由?

小糸→「でもそれって、今の主人公の意思じゃないんじゃない?」「過去を基準にして結末を導くんじゃ、まるでこの劇の時間に意味がなかったみたいだ。」・・・劇→今まで先輩と関わっていた時間、過去ではなく"今"で自分を決めて欲しい(変わって欲しい)ってことかな?心理描写が繊細すぎるで。1話24分のはずか要所要所で見直してるから40分くらいかかる...

叶ちゃん可愛いなw


13話
七海先輩→「好きって言うと、安心するんだよ」「自分が誰かを好きになれることに、安心するんだと思う」「お姉ちゃんが誰かを好きになったところ、見たことないからかもね」→自分を確認して安心してる。(変化を求めてる?)

微妙に解決感が弱いですかね。でも希望の持てる描写は一応あり、タイトル回収っぽいシーンは良かったです。原作読みます
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 3
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

真面目な百合アニメ、、、いや、青春群像劇かな。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
これまで観た百合アニメでは、トップレベルに面白かったです。

私は基本的には「ほら~。女の子同士がいちゃいちゃしてるなんて萌えるだろ~」みたいな百合モノは苦手なんですが、本作は、心理描写がメインであったこともあり、そういう部分で楽しめました。

逆に言えば、ライトなノリの微百合モノや、エロ系の百合モノが好きな方には、あまり合わないかもしれませんね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
百合というより、同性愛。

それに対して、かなり真面目に描いていると思う。

ただ、そういう「同性愛」という部分とは別の、「闇(病み)」「歪み」がそれぞれのキャラにあって、独特の魅力があった。

侑は「誰も好きになれない」。七海は「誰にも好かれたくない」。槙は「他人の恋路を楽しむ」。紗弥加だけがシンプルに「同性愛の悩み」。

彼ら彼女らは、それぞれが主人公に成り得るだけの魅力が、深みがあるキャラクターだった。だから、本作は青春群像劇なんだと思う。恋愛の悩みの裏にあるのは、アイデンティティの確立。まだ「何者かになりかけている」彼ら彼女らだからこその、輝き。

原作者は百合作品を描く理由として、(Wikiから引用)「{netabare}人を好きになる気持ちがあまりにも当たり前で説明不要なものとして描かれている作品を自然に受け入れられなかったが、同性愛を題材とした恋愛作品には、相手を好きになる理由や葛藤、あるいは理屈をねじ伏せてしまうような強い関係性が描かれていることが多く惹かれていった。{/netabare}」と述べている。

世の中にある大半の作品は、「人は恋愛するもの」「恋愛は正義」という前提に立ち、「どう恋愛するか」「誰と恋愛するか」を中心に描くが、本作は「そもそも恋愛する必要があるのか」という根底部分からの問題提起をしている。この点は特に面白く、本作がただの百合萌えアニメと一線を画している最たる点だろう。

そんな「自分を確立できていない」登場人物達の中でも、アニメで描かれた範囲では七海が魅力的だった。

自分のことが嫌いだから、そんな自分を好きになる相手のことは嫌いになる。でも、自分のことは誰かにさらけ出したい。さらけ出して嫌われたら嫌だし、さらけ出したして好きならたら、それも嫌。

つまり、もし自分のことが好きになれたら、自分を好きになる相手のことも好きになれる。メンドクサイながらも、可愛い女の子。

完璧な姉に憧れ、そんな姉が死に、家族や周囲は沈み、だから姉自身になろうとした。

このあと、七海はどうなるのだろうか? 死者(姉)は成長しない。生者(七海)は成長し続ける。だから、いつか必ず姉に追い付き、追い越さなければならない日がある。その時、初めて七海は「君」になる。つまり、これはある種の「姉殺し」の物語である。

物語は、かなり良いところ(中途半端)で終わる。最後、生徒会劇までやらないのは意外だった。普通なら「放り投げるなよ」と評価を下げたくなるところだけど、本作に関しては「これもアリ」だと思った。

原作連載中のアニメのラストは主に3パターンで、Aアニオリにして完結。B俺達の闘いは続く。Cキリの良いところでキッチリ終わらせる。

Aはうまくいけば好評、下手すれば大バッシング。Bは大抵叩かれる。Cは一番良いが、尺の問題で毎回できる訳じゃない。

本作はBの俺たたエンドだと思うけど、なぜ腹が立たないかというと、①繊細なテーマだけに、下手にいじってほしくない。②最終話までに丁寧に心理描写を重ねてきたから、十分に行間を読める(満足できる)。③最終話の気合いの入った作画や美しい挿入歌といった演出が見事で、単なる日常回にある程度のカタルシスを持たせたアニメスタッフの手腕。 などが、重なったからだと思う。単純に2期を観たいし、2期やらんなら原作読みたい。良いラストだった。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
本作は百合アニメだが、登場人物達は同性愛以外にも悩みを抱えており、同性愛の要素を除いたとしてもなお、魅力があるキャラクター達だった。特に七海はメンドクサイながらも可愛い良ヒロイン。

本作の凄さは「そもそも恋愛ってする必要あるの?」という根底からの問題提起。そして、ある種の「姉殺し」とも言える成長ストーリー。

ラストも深みがある「俺たたエンド」で、2期が楽しみになった。
{/netabare}

【余談~優秀な兄、姉に持つ気持ちの、性差?~】
{netabare}
七海が、「姉になりたい」と言った時、「きっと作者は女性なんだな」と思いました(勿論、他にも女性らしい視点は多々ありましたが)。

私にも優秀な兄がいるので、七海の気持ちは半分理解できます。確かに兄には憧れましたが、どちらかとライバルで、追い越すべき存在でした。これが10歳も違えばただの憧れだけど、1~3歳なら、下手すりゃ勝てるしね。けれど、特に小学生くらいの数年間って、スポーツにしろ勉強にしろ遊びにしろ、絶望的な差があって。周りからは「兄貴と同じ年になったら勝てる」と言われたけど、それじゃあ嫌で。あくまで、「今、対等な条件で」勝ちたかった。それが、男兄弟の一般的な感覚だと思います(多分)。

だから、「姉になりたい(同化)」という欲求は、共感はできないけど、なんか、「女性っぽい」と思いました。女性って、お揃いとか女優が使ってるコスメとか、好きだしね(多分)。

と、ここまで書いて、原作者が男性だったらどうしよう。まあ、だったら「女心が分かる素敵な男性」ということで(笑)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
侑の視点(オウンビュー)が多用されるってことは、侑に感情移入しながら観てほしいってことかな? これは男子君、可哀想だな~。普通にいけるって思っちゃうよな。てか、これでありがとうって、この男子君、人間出来すぎだよな。百合なんだな~。完走できるかな?

2話目 ☆3
沙弥香さん、完全に嫉妬闇落ち要員くさい(笑) ここでキスかあ。意外と展開早いな。侑の性格というか、性根が独特ですね。

3話目 ☆3
アカリの方がちゃんと恋愛っぽい。七海がやけに可愛らしく迫ってくるし、侑の塩対応が男前だな。その演説は、、、悪目立ちしないか(苦笑)

4話目 ☆4
剣道やろうよ(笑) この学校の生徒会役員は、会長の任命なんだな。台本に七海がいたな~。七海はいつも発情してるな~。ソッコーで見られてますやん(笑) 槙くん、実は腹黒い? 槙くん、攻めるな~(笑) 槙くん、サイコパスやな~。

5話目 ☆3
小説で、ひと波瀾? ウチくる? 七海が完全に負けてるな。

6話目 ☆3
ついに、沙弥香の怖さが表に出てきた。なんかこう、難しいな。歪んでる感じだな、お互いに。

7話目 ☆4
沙弥香さんはガチだからな~。現文なんて、やることない、確かに(笑) 歪んでるな~。大人の百合カップルだな~。LGBTのことに、(多分)真面目に踏み込んでいる感じがなんか良いね。

8話目 ☆3
これ、本当に「今」となっては、なんだろうな。紗弥加さんの、怖さよ。七海がまた、怖いな、やっぱり。

9話目 ☆3
喫茶店のお姉さん、素敵だな。あれ? 惚れた?

10話目 ☆3
嫌われない一番の方法は、好かれないことかな。私も遊びでいくつか書いたことあるけど、わりと難しいよね。「なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き」って感じかな。

11話目 ☆4
着替えのシーンが、やけにリアル(いや知らんが)w 姉さん、全然タイプ違うんだな。姉になりたい少女が頑張った結果、似てないとか、酷い話だよな。

12話目 ☆4
この脚本、うまく出来すぎだよな(苦笑) かなりすごく甘えちゃう。これ、男と女なら、批判されてるのかな?

13話目 ☆4
水の表現、良いね。お、踏み込んだ。電車の隙間から景色見えるところとか、めちゃリアル。レズビアンやバイセクシャルじゃなく、女性と付き合うという立ち位置なわけね。劇で終わらせず、放り投げたな。原作連載中で、アニオリラストにするより、行間を読めってことか。タイトル、「やがて君になる」じゃないんだ。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 53
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それでも、向き合っていくんだ

高校1年生の小糸 侑が、好きという感情に向き合う作品。
{netabare}
本作は百合作品です。それは作品が七海 燈子という人物に、主人公へ告白させたから。
ですが、同時に、本作は百合というジャンルの中にありながら、恋愛対象への「好き」という感情を解き明かしていくことがテーマになっていると感じました。

それは小糸侑という少女が、高校1年生で人を好きになるという感情が「わからない」としたからです。

1話の例を出せば、侑は、卒業式に中学生時代の男子に告白されていた状態から始まります。高校生活が始まっても、彼への返事を出せずにいました。
さて、1話の内容そのまま書いてしまいそうなので、詳細は省きますが、
要は、侑にとって、男性に告白されようが、同性に告白されようが、彼女は好きがわからない、
もしくは、侑いわく、少女マンガやドラマみたいな、きらきらしたものがないと、感じているのです。

彼女にとって、きらきらと、好きと言ってきた相手に感じてしまう心こそが、彼女のイメージしてきた、「好き」なんですが、
現実ではそんな事はなかったことが、彼女の疑問を生むことになります。

また、「好き」というテーマを、燈子という、同性愛の視点から、男女の垣根を越えたテーマとして、扱ってしまっています。
燈子という、「好き」がわかってしまった側の侑へのアプローチによって、侑はどう「好き」を考えていくか?

「好き」を考えることと、燈子を好きになるかは別の事です。
これが好きってことなんだと、燈子の行動をみてわかったと感じるのではなく、
彼女の疑問の初期衝動、好きといわれた人に、その時にきらきらを感じない。その感情を大事にして欲しいなと思い、期待してみさせていただきます。

PS.百合作品はあまり好きではないので、燈子が侑に何かするたび、これは、
友人のやり取りとしてなのか、それとも思い人へのやり取りとして、正しいのか、
困惑しつつ、セーフ、アウト・・・セウトな感じで見ています。

【恋に恋して、人に恋せず】
{netabare}
どこかで侑の気持ちにわかるところがあるなあ、と感じていたんですよね。
彼女、恋に恋してたんですよ(と解釈してみました(我ながらチキンな))。
中学生までの侑は、恋愛に対し、素敵な理想を描いていたのでしょう。
「結婚したいなあ~」という言葉は必要に駆られてる面がありますが、
「恋愛したいなあ~」という言葉は心を満たすものを求めているんじゃないかな。(侑が言ったわけではないので、あしからず)

心が満たされるもの、それって自分の満足感のためにあって、お相手がいない。
恋愛をすれば満たされると思っていた、中学生時代の侑はお相手と関係をつくる事は考えていなかった。

それが、男子に告白されて、恋愛というものが、お相手がいて、自分がお相手をどう思うかがあって、自然とだれかに与えられるものじゃないと気付いた。
そう考えると、かなり身近な事で侑は悩んでいるのかもしれないと思えますね。

{/netabare}



{/netabare}


【2話以降から11話付近までの話】
{netabare}
やはり最初にえ?と来たのは、七海さんによる「好き」の再定義の回からかなあ。
「好き」が暴力的だとしているのに小糸に「好き」を使う七海。つまり、作り手も七海も、暴力的自覚を持ちつつ「好き」を小糸になげかけていること。
作品内での個人の言葉の再定義という、七海の性格の歪みの演出がエグい。そして好きをあえて使う七海がさらにきつい。七海を支配しているのは優しさではなく、暴力的な愛と捉えました。

それに対比するかのように、小糸の七海への感情は優しい。七海が小糸を、優しいと言うのは、ある種
正しいと思います。
七海が嫌がるから、七海に好きと言わない小糸。七海の中では暴力的な言葉で、それを使わない小糸は、確かに暴力的ではないわけです。
その定義を当てはめて見ていくと、小糸は七海を好きになっていくにつれ、暴力的にみえるわけです。
でも、この描写、自分ルールを自分の好きな人、もしくは自分が好きな人におしつけている(特に、小糸が七海の事を軽く好きといっただけで、態度をこわばらせたシーン)ので、七海が自己中、暴力的なことから、好きになれないんですよね。
そういう演出なんだけどね!
そんな暴力的な七海を、小糸が好きになっていくのを見て、小糸が暴力側におちていくようで、見ているのがつらいんですよね。
七海はゆうの優しさを利用しないでよね!プンプン


そして、七海が誰にも譲れないと考えていた、お姉さんになるという思想。この考え方はもう真っ向から嫌いだったのですが、かわいそうともとれます。
七海という人が生徒会活動を通して、どう変わっていくか、それもこの作品の楽しみです。
七海の姉の人物像が揺らぐストーリーが来たとき、やっぱ作り手も全て考えた上だったんだなあと、安堵しました。
{/netabare}


まとめ【12話感想含む】
{netabare}
侑があのスタンスの強い姿を見せることがこの作品のラストであるのは実に良かったと思います。

人物を最終的に整理すると、
見せ掛けの姿が強く、内面が弱い燈子。他人になろうとするのも、好きを侑に言うのも、弱いから。燈子が他人になろうとするという思想を打ち砕く侑という構図にしたことでおのずと作品のメッセージがわかると思います。

好きな人の心の中に自分を置こうとしなかった沙弥香の、性格のささやかな変化。嫉妬心などの醜さを内包しつつ、ささやかな燈子との進展で喜びを感じる描写で少女性をギャップで強調したのかな。

誰も好きになれないと思っていた侑を第三者(槙)的目線で見たときの変化。誰かを好きになることが無い槙君が普通じゃない側の人間として侑がもう好きを知っていると判断した事からも、侑は普通の子であり、侑の好きは普通の恋心を描こうとしていたと思います。
侑と沙弥香で、燈子のすることに対して、否定と肯定によって二人の性格の明確な差別化がされました。また、好きであるから生まれる欲求の差、相手に幸せな方向に代わってほしいと思う侑と、相手のすることを許容し、相手に受け入れられたいと思う沙弥香、燈子が好きであるのは変わらないのに、欲求や行動のベクトルが違う事がはっきりと出ていて、キャラ立ちという意味でよかったと思います。
侑に関しては、最初のきらきらとした恋愛に対する憧れを失っていないような終わり方だったのでそれはよかったと思います。燈子の好きに始まる恋愛に対する考えが、自分を守ったり利益を得るための自分勝手なもので在るとするならば(同時に、相手の変化を許さない事まで含んでいる)、侑の恋愛像はその逆であり、相手に変化を求める最終回はまさに二人の恋愛観が対立しうるものであることを表現していたと感じています。


{/netabare}

投稿 : 2024/10/05
♥ : 51

62.5 3 心理描写で文化祭なアニメランキング3位
放課後のプレアデス TVアニメ版(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (358)
1771人が棚に入れました
星が大好きな中学生、すばるはある日の放課後、宇宙からやって来たプレアデス星人と遭遇した。
地球の惑星軌道上で遭難した宇宙移民船を直すため、
プレアデス星人は地球人の中からエンジンのカケラをあつめる協力者を召還したという。
ところが集まったのは1人のはずが何故か5人!
「魔法使い」に任命された5人の少女たちはそれぞれ何かが足りていなくて
、 力を合わせようにもいつもちぐはぐで失敗ばかり。おまけに謎の少年まで現れて、
こんなことでエンジンのカケラを回収して宇宙船を直すことはできるのか??
かわいそうな宇宙人を助けようと、未熟さゆえの無限の可能性の力を武器に、
友情を培いつつ、カケラあつめに飛びまわるすばるたち5人。
宇宙と時を翔る、希望の物語。

声優・キャラクター
高森奈津美、大橋歩夕、立野香菜子、牧野由依、藤田咲、桑島法子
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

宇宙と時を翔る,希望の物語。

こちらは「SUBARU×GAINAX Animation Project」という,SUBARUのプロモーションの一環で作られたアニメのテレビシリーズです。
先にWebアニメーションとして制作されていたものらしいです。
タイトルの響きとファンタジックな絵柄に惹かれて,もったいなくて観れていなかったシリーズです。
このアニメプロジェクトは第1弾ということらしいけど,はたして第2弾以降は制作されたんでしょうか??
わたしはSUBARUのプロモーションアニメだとは知らずに観始めました。

結論から言いますと,とっても良かったです!!
キャラクターデザインがとにかく可愛くて,彼女たちの制服や魔法使いに変身した時のコスチュームも乙女心をくすぐります☆
彼女たちが持っている杖はドライブシャフトと言われていて,SUBARUの車のグリルデザインになっているそう。
でも,杖というより魔女の箒と同じ使い方をします。
SEも車の音なのが凝ってますね♪
それだけじゃなくて,巨大な宇宙船のカケラ「エンジン」とそれを集めるために展開する魔法陣,そして学校の校舎内や部室,すばるの部屋などの背景も丸ごと全て可愛いんです♡
あまりに可愛すぎてびっくりしたのはアイキャッチです!!!
本編のキャラデザも十分可愛いのに,アイキャッチは凄く綺麗で信じられないくらい可愛いです。
一時停止してずーっと眺めていられる(・∀・)!!

キャラクターはみんな良い子たちばっかりなんですよね。
誰が1番好きかってつい考えちゃうんですが,わたしは5人とも全員好きでした。
ん~。でもやっぱすばるが好きかな★
キャラクターや物語の雰囲気は「おジャ魔女どれみ」と「けいおん!」と「ローリング☆ガールズ」を足して3で割ってLittle Twin Starsの夢かわいさをプラスした感じですかね。
主人公のすばるは声が「カードキャプターさくら」の桜ちゃんに,キャラ自体は「けいおん!」の唯ちゃんに似ていると思いました。
あおいちゃんは「けいおん!」の和ちゃんと澪ちゃんを足して男前にした感じ。
他の3人もテンプレと言われたらそれまでだけど,アニメを観てたらどこかで遭遇するような馴染みのあるキャラです。
個人的にはみなとくんが好きでした。
謎めいたキャラクターで声がイケメン!!
それにしてもみなとくんの友人の声優さんが何気に贅沢だなぁと思いました。

物語は最初正直よく分かりませんでした。
よくある魔法少女モノと違って,主人公であるすばるはよく分からないまま,メンバーとしては最後に魔法使いになってエンジン集めに参加するからです。
なので,細かい背景や設定などが説明されずにそのままお話が進んでいくので観てる方は「よく分かんないけどそういうものなんだ」って感じで観ながら察していく感じでした。
{netabare}この魔法使いの女の子たちは別のパラレルワールドの人間で,お互い自分たちの世界の人じゃないんです。
一応,自分の世界に同一人物が存在しているけど,少しずつ起きていることが違っていたりする。
特にすばるとあおいは幼馴染なので,このパラレルワールドを越えて出会った2人はお互いに共有している思い出が違うというのは面白い設定だなと思いました。
(なぜそういう事が起こったのかは謎のまま)
同じ小学校だったのに中学生になるときに別々の道を選んだ2人。
すばるもあおいも自分の世界の相手が自分を置いてっちゃったという過去をもっていてそれにわだかまりを抱えているんだけど,一緒にエンジン集めをしながらそのわだかまりを解いていくのは良い話だなと思いました。
2人のいちゃいちゃは見ていてほんわかします。{/netabare}
そして,ミステリアスな男の子みなとくん。
わたしがこの物語をよく理解できなかった一因にみなとくんと温室の存在があります。
いつでも出会えるわけじゃなくて,学校のドアを開けたとき気まぐれに温室が出現して彼が居るんですよね。
そして,みなとくんが話すことも存在も謎すぎてずっと「彼は宇宙人なのかな?」と思いながら観続けていました。
だけど,他に誰も入ることができない2人きりの場所でミステリアスな男の子と過ごす時間というのが,ドキドキふわふわ落ち着かなくてわたしは好きでした。
これがあの“ぽわ~む”か!!!
{netabare}「みなとくんと恋愛に発展してくれたら嬉しいけど,そうはならないだろうなぁ。」って思いながら観ていたので,みなとくんと会えなくなってあんなに落ち込んでいるすばるを見て,「これ,みなとくんとのラブワンチャンあるかも°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」からの,みなとくんが園芸部員として現実世界(?)に登場した時は嬉しくてにやにやしてしまいました。
でも「この学校に温室はないよ」とか「君って,人違いだとか勘違いだとか考えないわけ?僕は君の知らない僕に変わったかもしれない。ほとんど別人みたいにさ。」なんて言うから,「え。もしかしてすばるのこと覚えてないの!?」ってハラハラ。
けど,次の瞬間には「きみはそうやってまた,どこからか扉の鍵を見つけてくるんだね」って!!!
「何!?とぼけてたの!?ずるい(>_<)」ってなりました。
それに第9話,プラネタリウムの準備のとき,すばるが暗幕の取り付けに手こずったらすばるの肩に手を置いて「すばるは危なっかしいから」とか言って後ろからやってくれるの優しい!!そして,その100倍あざとい!!!
きゅんきゅんでした♡
そして,展望室で2人でプラネタリウムを試してみるのだけどそれだけでもドキドキなのに「本物の宇宙を見てみたい?」って言ってすばると同じ名前のプレアデス星団や宇宙の色んなとこに連れて行ってくれるのです。
宇宙をデートするなんてロマンティックだけど記憶を持ち帰ることができないのはなんだか悲しい設定だなと思いました。
「忘れてしまうなら何を見ても意味がない?」っていうみなとくんの言葉は第4話の「どんな花になるのか分かっていたら咲くのを見なくても良いと思う?」っていうすばるの言葉に通じるものがあって,逆に問い返された形になっていますね。{/netabare}
このアニメを観ていると宇宙の中での自分の存在とか変わることもしくは変わらないこととか森羅万象の理とか哲学的なことを考えてしまいます。
{netabare}「帰らなかったら覚えていられる?なかったことにならない?」なんて言うすばる。
うんうん。好きな人とはずっとこのまま一緒に居られたら良いのにって思っちゃうよね。
そこで「帰らないわけにはいかないよ」とかじゃなくて「すばる。僕があの時の魔法使いだよ」だって!!!
これはもう愛の告白ですよね。わたし的ハイライトです!!めっちゃきゅんきゅんしちゃいました♡
多分このあと2人はキスをするのだけど(違うかな??そうだよね!?),次の瞬間には展望室に戻っていて2人はもうそのことを忘れちゃってるんですよね。
あぁぁ。悲しい( ;∀;)
やっと子どもの頃のことを思い出して,そのことを確認し合えたのに!!
何故だか分からないのに泣いてるすばるを見たら切なくなりました。
そういえば,すばるが天文部に入るくらい星好きなのはみなとくんの影響なんだね。{/netabare}
わたしはといえば,ちっちゃい頃入院していたときできた友達のことを思い出しました。
第10話~第12話は切なかったです。
{netabare}みなとくんは自分があんなだからすばるとの関係に一歩踏み込めないんですね。
「わたしはみなとくんと一緒に居たい。わたしがみなとくんを幸せにする。今する!!」って自分からキスをするすばる。
前の宇宙デートを覚えているからできるんですね。
すばるは魔法使いだから。
みんなに見られていて顔を赤くしているみなとくんが可愛かった。
そしてみなとくんとエルナトの関係も素敵ですね。
「僕はきみのアルデバランだ。」って言葉で会長がエルナトの姿になります。
最後はみんな元居る運命線に帰ることになりました。
5人がそれぞれの運命線に戻って独りになったとき,もう一緒に魔法使いをやったあの4人は居ないし2度と会えないんだって思ったら言い知れぬ切なさや寂しさを感じました。
すばるが目覚めたとき,肩にみなとくんのカーディガンがかかっていましたね。
すばるはみんなのことやみなとくんのこと忘れちゃったのかな??
あおいちゃんに話しかけていたから覚えているのかと思ってました。
みなとくんのこと「幸せにする」って豪語していたので最後はハッピーエンドかと思ったけど,それはご都合主義ってことなのかな。
みなとくんが目覚めてすばると再会できたら良かったのに,みなとくんが目覚めるかどうかは視聴者の想像次第みたいです。
わたしは目覚めたみなとくんとまた出会えると信じています。{/netabare}

前半はよくある魔法少女モノで,正直深夜アニメではなく小学生の女の子向けの方が合ってるんじゃないかと思ったのだけど,最後まで見てけっこう難しい内容だなと思いました。
ポップな雰囲気に反して考えさせられる物語です。
別の運命線では別の自分が全く違う生活をしてたりするのかなって考えたり,運命ってあるのかなって考えたり…。

OP/EDは特にどうとも思わなかったのだけど,OPのくるって回るひかるちゃんが可愛いと思いました。
歌っているのはニコニコ動画にいた歌い手さんですよね??
今,調べたらこの「Stella-rium」収録のシングルでメジャーデビューしていたとは!!
知りませんでした。

総合的には,わたしはこのアニメとっても好きです。
見た目のポップな可愛さと魔法少女の部分は子どもの頃魔法少女のアニメを観てわくわくしてた頃の感じを思い出して乙女心をくすぐられました。
物語の部分では友達って良いなってすばるが羨ましくなったり,みなとくんとの恋模様できゅんきゅんしたり,果てしない宇宙に想いを馳せたり…色んな部分で楽しめました。
またこういうロマンティックなアニメが観たいな~。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 6
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

結局、15年春期に見てたアニメとしては一番好きです という結果に

BD3巻が届いたので、嫁さんの冷めた視線に耐えながら居間で観てたんですけどね。
ホント判り辛い作品だったんだなとw
私も初見時は雰囲気だけで観てたトコがあったんですけど、小説読んだり観直したりして理解が深まってから改めて見るとホント不親切なのが判るというか(汗)
 みなとの温室の植物って6話のプレアデス星人の宇宙人のエンジン再起動のところまで1つも花咲いてなかったの、実は私は見逃してましたw

んで、なんで6話まで咲いていなかったのか、なぜあのシーンで開花したのかを一応書こうかと。
いや、そんなの判ってるから!と言う方多いでしょうけども私みたいなおバカさんは雰囲気だけで流しちゃってるかもしれませんから(汗)
{netabare}

あの蕾までしか成長していなかった植物や飛び交う蝶達は、選ばれなかった可能性の欠片達。それらの集う場所が温室。ここに居る者達に未来は無かった。
病室のみなとの現実への憎悪から生まれたつのマントに追われるすばる。
つのマントの望みはプレアデス星人の宇宙船のエンジンの欠片の強大な力を手に入れる事であり、彼の憎悪は巨大な宇宙船の実体化に巻き込まれて地球が滅びる事も自らの選択肢に入れている。自分の未来が無い世界ならば滅びても構わないと。

そして中盤の山場の6話。宇宙船が実体化を始めてしまう。

病室のみなとの絶望から別れ出でた温室のみなと。
彼ら未来を閉ざされた可能性達の世界である温室へすばるが迷い込み、温室のみなとはお守りとして温室の花の蕾をすばるに送る。
プレアデス星人と5人の魔法使いたちは手持ちのエンジンの欠片のみの力で宇宙船の実体化を阻止しようと試みるも、力及ばすエンジンは再起動しない。
そして、すばるの起動して欲しいという祈りに応えるかの如くお守りの蕾と温室の可能性の欠片達が一斉に開花、エンジンが再起動しその場凌ぎとは言え宇宙船の実体化を防ぐんすよね。
未来の閉ざされた可能性達の力で結果的に救われる地球というトコが泣かせますわね。 {/netabare}

 観てた方は判るんですけど、アニメの中であの温室や植物や蝶達は如何なるものかの具体的説明無いんすよね。ここらへんの観る側を試しているかのような全体的な作りが、結果的にこの作品の敷居の高さになってこの低評価なんだろうなと思うとホント残念です。
まぁ私自身も初見時はなんか騙されてる様な気持ちで観てたんですけどねw

浅い作品じゃないので、もしこれから観られる方がいらっしゃるのであればコレは考察しながら観る作品として構えて臨んでほしいなと思います。
その上で気に入らないのであれば、まぁ好みですしね。

レビュー追記したついでに評点も上げちゃいます(汗)
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先日発売された"みなとの星宙"読んでるんですが、切ねぇです(涙)
みなと視点での小説となってるので、TV版お好きだった方は読んで見てもいいと思います。アニメでは明言されてなかった事柄が色々書かれていますので。
何故すばるにあんなにツッケンドンだったのかとかもw
{netabare}
病室ですばるの折り紙の星とみなとが交換した可能性の欠片ですが、あれはこの世に生まれなかった生命のものとアニメでは言っていました。
すばるのお母さんが一時的に入院していた理由、すばるの妹として生まれてくる筈だった子の可能性の欠片なんだそうです。{/netabare}
そんな感じで、色々とアニメではモヤっとした部分が書かれてます。
小説は基の設定の肉付けが多いとの事ですのである意味二次創作に近いとも言えるのかもしれませんが、作者が極めてガイナックスに近しく且つ星雲賞も取ってるプロの作家さんですので、アニメの補完としてはパーフェクトな出来だと思いました。
(何処が佐伯監督の設定で何処が肉付けなのかが明示されてれば尚良かったんですが・・・)

いい作品だと思うんですけどね~。相変わらずの低評価で残念です。
小説読んで後にアニメ見返しましたが、あまり評価されて無いのも判る気がしました。判り辛いんですよね、多分。
ちと内容が抽象的且説明とかセリフ不足過ぎたのかもですね。

 私的にはこの作品やっぱり好きだし、とても素敵なストーリだと思ってます。
このまま低評価で埋没して欲しくないんんですが・・・これがこの作品の運命線なんでしょうね。止む無しかw

因みにBDのケースがイマイチな作りで、ディスクが超取りづらいですw

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 一応ユーフォの最終話観終えたので、個人的にどれが一番好きだったかと改めて考えるとコレでした。
魔法による派手な戦闘という見た目の見せ場も無い作品ですし、怒涛の鬱展開って訳でもないので終始地味な作品ですけど。
なんかジワジワ来るんですよね、コレ。
どうも無学な私にゃ煙に巻かれてる感を感じてたプレアデス星人の学術的用語も、きちんとした代物らしいので素直に納得しときますw
ま、この作品のいいところはヒロインたちも作中で言ってますが、なんだかんだ物理の話出す癖に魔法なんて胡散臭い代物で状況を打破していくところですしね~

何も無いのだったら、何にでもなれる筈。

オッサンになった私には今更な事ですが、この作品のテーマは子供達らしい素敵でかわいらしい代物だと思いますし、好きなんですよね。
15年春期はユーフォがクオリティとして最高だったとは私も思ってます。
ただ、コレもお暇だったら見てあげてくださいまし。意外とイイですよ(汗)








 という事で15年冬期放送分は円盤買ってた作品も無かったので、私はコレでも買って多少は業界に還元してみます。
それが若い人に比べれば多少は購買力のあるオッサンの務めですしねw

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評価点若干修正します。
個人的にはこの期で観てた中では満足した作品の一つですしね。
泣けるしw
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 終盤の展開、私はおバカなので完全には把握できてませんw
逆に実はそんなに深くも無い結末だった気もするんですよね~。
考えすぎなんでしょうか・・・・
素晴らしい考察を何方かプリーズ(汗)

と、視聴後に考察とか探しましたが皆素直に観たままで解釈してるんですね。
私、セリフに踊らされ過ぎたのかもです。

全体の雰囲気は私は嫌いじゃなかったし意外とテキトウな作品だと思いますけど、私は面白かったですね。
プレアデス星人の宇宙船が実体化したらヤバいと言われても、さりとて危機感をあおる判り易い表現も無いし。プレアデス星人も言ってる事胡散臭いしw
でも元の世界線に皆が戻る時のあの感じ、私は好きかも。
見た目と違って意外と理解力求められる作品だと思うので、万人向けじゃないかもですね。派手な戦闘が有る訳でも無く、サプライズ連発な展開という事も無く、こじんまりと可能性とか願いとか覚悟とかを少女たち目線で描いてる作品なんで正直内容的には地味です。
けど悪くないと思うんすよね~。けど、単に煙に巻かれてる気もして釈然としない・・・気もする(汗)

個人的には、訳ワカメだからクソだ!と切り捨てたくは無い作品でしたです。
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7話まで観ましたが、コレ結構いいと思うんすよね。
時々車の部品名が入るのがアレですが。
スパークプラグの代わりにドライブシャフトを使って点火って(滝汗)
アニメ見てればまぁ言わんとしてる事は判りますけど、無理やり車とこじつけなくても、ねぇ。
私がレビューにするとバカな作品みたく見えてしまい何ですが乙女なオッサン的には7話でちと泣きそうになったので、この手の路線嫌いでない人は見ても悪くないんじゃないかなと。
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今更なんですが、とりあえず一話だけ見まして・・・
オッサンのくせにカワイイもの大好きな私的にはアリなので続きも見てみようとは思うんですけども。
ただ、題記の様な事にならないか不安です(汗)

この期に及んで私如きが忠告するのもアレなんですが、見た目が完全に魔法少女モノなんでそういうのダメな人はスルー確定ですね。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 31
ネタバレ

麦茶 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

GAINAXは復活するんだ

【GAINAXは復活するんだ】(2015.4/24)
         ,, _
       /     ` 、
      /  (_ノL_)  ヽ
      /   ´・  ・`  l    GAINAXは復活するんだ。
     (l     し    l)    悲しみの弔鐘はもう鳴り止んだ。
.     l   、__,   l    君は輝ける人生の、その一歩を
      > 、 _      ィ      再び踏み出す時が来たんだ。
     /      ̄   ヽ
     / |         iヽ
    |\|         |/|
    | ||/\/\/\/| |


ちょ、ちょっと3話めっちゃ面白くないですか!?w
まーたガイナかって完全に舐めてました/(^o^)\

みんなで手を繋ぎながら闇の底に沈んでく描写とか、龍の巣とか、完全に天空の城ラ●ュタを意識してるような感じで笑っちゃいましたけど、なかなかどうして、この作品の雰囲気や方向性をうまく演出できていたんじゃないでしょうか。
まだまだ内容はそこまでって感じで、声優さんの演技もかなーり気にはなってますけど、今までと比べたら格段にモチベーションが上がりましたね。正直いっきに引き込まれました。

1話のときは説明台詞のオンパレードで、かと言って世界観やこの作品でやりたいことは何も伝わってこないという訳の分からないことになってましたが、2話でこのアニメの抱えてる闇が少し垣間見え、3話でしっかりと「何を魅せたいのか」を示してくれました。

ただこの方向性でいくと、少し「並行世界」や「自分の存在」に対する不安・葛藤が弱いような気もしますけど、そこはホラ・・・可愛い女の子が売りのアニメだから多少はね・・・?まあこの軽さというか重たくなり過ぎないフワフワとした感覚が、むしろこの作品独自の良さなんじゃ・・・と自分に言い聞かせることにしますw

一応、wikiを見ると

{netabare}当初この企画は、自社の「レガシィ」に採用した衝突防止機構「EyeSight(アイサイト)」のプロモーションを念頭に置いたアニメとして富士重工業がガイナックスに要望したものであり、主人公の成長物語としてキャラクターも仮設定していたが、議論を重ねた結果「クルマが出なくても構わない」「スバルの良さ」「スバルの挑戦」を見せたいという富士重工業側の要望と「車を登場させなくても、車の代わりとなる何かでスバルの良さを表現する」「スバルという存在自体を追求する」というガイナックス側の方向性から現在の形になり、制作された。{/netabare}(長いので畳みます)

という思惑を含んでいるらしいことが書いてあるので、この先、そこらへんのことも掘り下げて深いストーリー展開にしてくれると嬉しいですね。

映像面に関しては、今期は3DCGのクオリティが狂ってるライバル作品が多いので、そっち方面ではキャラの動きも固く少々分が悪そうです。ただ背景はとてもキレイだったので、こっちを負けずに頑張って欲しいですね。

あとアイキャッチはめっちゃくちゃ可愛いです!実は楽しみの半分くらいはコレです。

でもスバルの家に停めてあったレガシィの書き込みだけはハンパなくて笑いましたwww
力入れ過ぎて背景から浮いてっけどwwwwwwwww

エンジン音等のこだわりを感じるSEも含めて、やっぱりコラボアニメなんだな~と再認識しました。まあ作品の出来に悪影響があるというほどではありませんけどね。

とりあえず、今後の展開には期待して見ていきたい作品です。
閲覧ありがとうございました。


【ガイナは死んだ、もういない!】(2015.4/16)

だけど・・・

俺の棚に、この胸に! グレンラガンとなって生き続ける!

アニメを見るなら天を突け!
地雷引いても見続けて 当たりがあったら俺の勝ち!
俺を誰だと思ってやがる・・・
俺はアニメが好きなだけだ ガイナのアンチじゃない・・・

俺は俺だ!!

いちアニメファンだああああああああああああッ!!!





というワケで、これまたぶっとんだアニメが始まりましたね。

教えてくれガイナ・・・俺達はあと何回失望すればいい!!
プレアデスは俺になにも言ってはくれない・・・。

1話通してなーんか変な違和感が拭えないと思ったら、どうやら声優の演技が関係していました。
作中の登場キャラ同士が喋ってるんじゃなくて、視聴者に言い聞かせているような・・・小学生の演劇とか見ているとよく分かりますけど、声が話してる人物の方を向いてないんですよね。このせいで、ただでさえ多く感じる状況説明の台詞が強調されてしまって、作品の雰囲気に物凄い不協和を生んでるんです。

あまり言いたくはありませんが、特に青髪メガネの子の演技が顕著で・・・w

内容的には1話の段階で特に取り立てて触れるような良いところも悪いところもなかったので、この違和感さえ払拭できれば、まだ期待はできると思います。

今日は風が騒がしいな・・・。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 12
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