心温まるでファンタジーなアニメOVAランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの心温まるでファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番の心温まるでファンタジーなアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.7 1 心温まるでファンタジーなアニメランキング1位
ARIA The OVA ~ARIETTA~ [アリアジオーブイエー・アリエッタ](OVA)

2007年9月2日
★★★★★ 4.1 (487)
2633人が棚に入れました
ネオ・ヴェネツィアを舞台に、水先案内人(ウンディーネ)の水無灯里の成長と人々の触れ合いを綴った人気アニメのOVA。
とある日の朝。アリシアのいない朝の食卓、ドアを開けて入ってくる見知らぬ後輩…。
灯里はその場に立ちつくすことしかできなかった。
プリマになった夢を見た灯里は、いつもと違う日常風景に戸惑いを覚え、目が覚めたあとも、その不安は消えない。そして、頭をよぎったひとつの疑問…。「アリシアさんは、どうして私を選んだんだろう?」
灯里は、アリシアにそのことを打ち明ける。するとアリシアは、自らの過去を語り始める。

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

アリシア&灯里ちゃんの秘話ですよぉ! 観ないと損しちゃいますよぉ♪

●ARIETTAってこんな作品です(o^∇^o)ノ
本作品「ARIETTA」は「NATURAL」まで観て来られた方にはぜひ観てほしい作品です♪
灯里ちゃんはある夢をみましたZZzz(~▽~).。o0O○《 (*^^)ノ・σ(^^*))。。》
その夢を見て灯里ちゃんはこう思いました♪
「どうしてアリシアさんが自分をARIAカンパニーに選んでくれたんだろう!?」えーΣ( ̄ロ ̄/
と疑問に思うところから物語が始まるのです!!
そして、アリシアさんが独り立ちしてプリマになった頃のエピソードが始まるのです♪

ARIAの良さは、イタリア(ヴェネチア)の実在する街並みや情景をうまくリンクさせているところです!!
まぁフィクションの部分も多いのですが、本作品の舞台となっております「カンパニーレ」はどうなのかと
言いますと・・・・・『実在します』""ハ(^▽^*) パチパチ♪

ここで、ちょっとだけ『カンパニーレ』についてちょっと知っておいて欲しいのです♪
なぜかっていうと!?今の自分達の職業「ウンディーネ」と「カンパニーレ」を重ねて表現しているシーン
があるので、より一層ARIAの世界観に浸れるからなのですよ(* ̄0 ̄)/ オオー

●カンパニーレとは!!
サン・マルコ広場に隣接して建つ赤レンガ姿の鐘楼なのです♪
いまだに、日に数回は鐘が鳴らされていて、タイミング良く!?登っていると耳がキーンとなります♪
なんと、9世紀も前に海の見張台として建てられたそうですが、何度も崩れる度に元の形に修復させてき
たのです!!
ヴェネチアだけではなく、ローマなどの建物はすべて、景観を尊重し「元の場所に、元のままの姿で」を
もとに建てられているのです♪普通のホテルとかもですが、そのせいかどうか知りませんが、お湯が使えなかったホテルもありますよw(体験談)


さぁ、アリシアさんや灯里ちゃん達は、どんな想いで「カンパニーレ」に訪れたのでしょうね?
ぜひ、注目しながら「ARIETTA」を観てくださいね♪

私は「ARIETTA」を見て思ったことは、アニメを好きな人たちと、素敵な作品を沢山共有できたらなぁ~っ
て改めて思っちゃいました♪(はっはずかしいセリフ禁止~!!!! by藍華)

そして、いよいよクライマックスに向けて「ORIGINATION」を楽しみましょうね(=^・ェ・^=))ノ彡☆バイニャ♪
 
 
■MISIC♪
OP曲『七色の空を』
 【作詞・作曲・歌】SONOROUS
 ピアノの弾き語りとふわっとした歌声はARIAの空気感にピッタリなナンバーなのですよ♪
 
ED曲『明日、夕暮れまで』
 【作詞】伊藤利恵子【作曲・編曲】北川勝利【編曲】桜井康史【歌】葉月絵理乃
 ROUND TABLEのメンバーが作った曲に灯里ちゃんの歌声を乗せたナンバーなのです♪
 夕暮れまでにどんな素敵な出逢いや思い出があったのかなって思っちゃうような、
 心温まる歌詞と優雅なピアノの音色がとっても素敵です♪
 
挿入歌『コッコロ』
 「NATURAL」のレビューにて記載の為省略(^▽^;)
 
 
2011.10.17・第二の手記(追記:■MUSIC♪)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 49

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

別れと出会い。それは成長のあかし

アリシアさんとの別れの予感
そして アイちゃんが入社する予感

灯里がプリマになるということ、それはアリシアさんとの別れを意味しています。

別れは寂しいことだけど、悲しいことではありません。
それは成長の証。別れがあるから新しい出会いがあります。


ARIAカンパニーは、アリシアさんのカラーから灯里のカラーへと変化してゆきます。
癒しで満ち溢れていたARIAカンパニーは、素敵でいっぱいのARIAカンパニーへと変わります。

きっと灯里は、この街の素敵を、誰よりも多く、たくさんの人へ伝えるでしょう。
私たちも、住んでいる町の素敵を他の人へ伝えましょう。
そうすれば、灯里に一歩でも近づけるかもしれません。


灯里は最初、郵便屋さんの舟でARIAカンパニーに運ばれてきました。
しかも、このとき灯里は眠っていました。
原作のAQUAには、そのときの様子が詳しく描かれています。

最初の頃は逆漕ぎしかできない。まともに舟をこぐことすらできなかった灯里。
でも郵便屋さんは、灯里を一目見て、きっと素敵なウンディーネになると確信しました。
だって、灯里はまわりの人たちを幸せな気分にさせてくれるから。
それは、幸せをつくるお手伝いをするウンディーネに最も必要なもの。


エンディングは、葉月絵理乃さんの『明日、夕暮れまで』
とても優しい歌です。この物語にフィットしています。


2005年からテレビ放送が始まったARIAですが、今後も映画の上映が予定されています。
ARIAは、たくさんの癒しを私たちに与えてくれます。たくさんの素敵を私たちに届けてくれます。
ARIAの次回作が待ち遠しいです。(^_^)/

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その 美しい2人の出会いに...

2期でいろんな人達と出会い、3期でついに灯里達はプリマに?・・
の前に今まで語られていなかった「灯里」と「アリシア」さんの出会いをこのOVAでご紹介します♪


灯里はある日夢を見た。
夢が現実になる夢。
しかし、そこには大好きなアリシアさんは居ない。
夢が叶ったのに、心にぽっかり空いた穴。
不安で、不安で仕方ない自分がそこに居た。
目覚めても拭い切れない不安。
その時、ふと頭に過ぎる・・
「アリシアさんは、どうして私を選んだんだろう?」
灯里はアリシアさんに尋ねる・・


いつもキレイで、優しくて、全てを包み込んでくれるアリシアさん。そんなアリシアさんもプリマになった頃は、
自分は人を育てていけるのか?をすごく不安に思っていた。
でも、それに気付いた晃さん、アテナさんは
(まさに今の灯里達の様に)アリシアさんを元気付けようと「ARIETTA」に登ろうと誘った。
そこで気付いた、自分がどうしたかったかを・・


アリシアさんは、それを灯里に伝えようと2人で「ARIETTA」に手をつなぎ語りながら登る、すごく素敵なシーンでした。


アリシアさんは、本当に素敵な人。
灯里も出会った時からドジで天然だけど、その真っ白さがアリシアさんにはピッタリだったんだね。
家族ではない、けど2人の間にはお互いを想う空気が流れてる。
この作品を通して2人の信頼関係がより明確な物となり、
そして2人がまた大好きになりました。


投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

63.5 2 心温まるでファンタジーなアニメランキング2位
ポレットのイス(Webアニメ)

2014年3月21日
★★★★☆ 3.7 (57)
191人が棚に入れました
フジテレビの深夜アニメ放送枠『ノイタミナ』10周年記念スペシャルムービーとして制作。YouTubeノイタミナ公式チャンネルで無料配信中。監督は、学生時代の自主制作短編『フミコの告白』が話題となり、2013年に短編『陽なたのアオシグレ』で劇場監督デビューを果たした石田祐康監督。スタジオコロリド制作。ひとりの内気な少女ポレットと、彼女の遊び相手となる一脚の「椅子」の物語。

kids さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

たった3分の、演出が光る感動ストーリー

レビューをきっかけに観た作品です。長いアニメに疲れてきているととてもいい息抜きになりますし、内容もとてもよかったです。


この作品の特徴はセリフが一切存在しないことです。これが声優の☆評価の所以なのですが、この作品はこれでむしろよかったと思います。というのも作品を通して流れる音楽を中心とした演出がとても光っていたからです。
内容としては、引っ込み思案(?)の少女のそばにはいつも生き物みたいに動く不思議な椅子がいて、この椅子が彼女に粋なはからいをしたりしてくれます。しかし時は流れていくと少女は成長してしまうわけで、そんな彼女に対してこの椅子がしてあげたこととは??といった感じです。

この作品は短いながらもとても中身があったように感じます。音楽にしても演出の肝として大活躍していて、音楽のちからを再認識させられました。僕はピアノをやっているので、こういった心に寄り添うような演奏は簡単そうで難しいなとよりすごく感じました。またストーリー展開も少女の気持ちや椅子の気持ちにはとても共感できるところがあって、よく出来ていたと思います。


時間もかからないですし、観て絶対損はしないと保証できるので一度観てみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

Nagi* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

イスと、時の流れと、ポレット。

3分でクスっと、ホロっと、してみませんか?

セリフのないショートアニメーション。

少女“ポレット”と 彼女の“イス” のものがたり
ちょっぴりファンタジーな、ほのぼのアニメです

セリフの代わりに “ピアノの旋律” が
物語を奏でるというところがなんとも魅力的(*^_^*)

ピアノって、こんなに人の感情を表現できるものなんですね
多彩な音楽ってスバラシイ。
普段、BGMって二の次になりがちなんですけど
視聴の際は耳を傾けてくださいね♪

物語も作画もキャラも文句なしの★5つ!!!

目がキラキラしてる女の子って可愛いですね
なんだか…癒されるなあ…

約3分のアニメ。

カップラーメンできるの待ってるそこのアナタっ!

“ポレットのいす”

見てみませんか…?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

コマキノ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

いつも背中を押してくれるのは「イス」

フジテレビノイタミナ10周年記念作品として制作されたショートアニメ
監督はペンギンハイウェイの石田祐康氏
youtubeのノイタミナ公式アカウントが公開しているのでそちらで視聴できます

友達作りであと一歩踏み出すことが出来ない少女
彼女の背中を押してくれるのは歩く「イス」
一歩踏み出すことでそこに楽しい世界があることを教えてくれる、ほっこりとした3分30秒のショートアニメとなっています

特徴的なのが、会話が一切ないこと
浜渦氏の音楽と環境音のみで構成されており、それが優しいタッチの絵柄とマッチし、心温まる世界観へと昇華しています

3分半という非常に短いアニメです
気軽に視聴できるので空き時間にどうぞ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

67.3 3 心温まるでファンタジーなアニメランキング3位
AIR IN SUMMER[エアーインサマー](OVA)

2005年10月5日
★★★★☆ 3.8 (304)
1685人が棚に入れました
時は遡って1,000年前。翼人の守護の命を受けた柳也は、神の使いとされながら捕われの身のような生活を送る翼人・神奈と出会い、心を通わせるが…。"
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

AIRの謎が分かる過去編

あらすじ

人形を操る不思議な力である法術を
使うことのできる青年・国崎往人は
母から託された言葉の意味を求め
人形を操る芸を駆使して
金を稼ぎつつ旅をしていた

だが海辺の田舎町で金が尽きてしまい
困っていたそんな彼の前に
話しかけてきた一人の少女
神尾観鈴は人懐っこく無邪気に笑う

彼女との出会いをきっかけに
往人はこの町で暮らし始める

夏の情景に包まれて穏やかに流れる日々
そんな中さらに様々な少女に出会い
母に託された言葉の真意に迫り
往人は真実に近づいていく


そして、千年前。

背中に翼を持つ「翼人」の末裔である神奈は、
警護という名の軟禁で自由を奪われおり、
畏敬の裏に隠された周囲の悪意と恐怖心など、
翼人としての哀しい運命と
冷静に向き合って生きていました。

そんな神奈の護衛を務める柳也は、
彼女の「母に会いたい」という願いを叶えるため、
神奈の女官の裏葉と共にある計画を遂行する。

なぜ、観鈴は苦しんでいるのか?
どういう経緯で今に至るのか?
前世から続いてきた哀しい運命が始まる…


※wiki引用



感想


特別版として放送された
「やまみち-mountain path-」「あめつち-universe-」の
2エピソードを収録したタイトルが本作ですね。

本編での物語は、主人公の国崎往人が夏の日に出会った少女
神尾観鈴との交流と彼らの過去、
そして千年前の前世から続いてきた哀しい運命を描いたもの。

この特別編はその本編中の8話と9話で描かれた
千年前のエピソードにおいて割愛されたシーンを、
新たに追加・再構成したものとなる。


8、9話のストーリーで
原作からカットされていた部分を
上手く補完していたと思います。

この三人のやりとりは
下手すれば本編のキャラより
好きかも知れないですね

本編では少なかった
ほのぼのシーンを入れつつも
それぞれの話を掘り下げているので
AIR観た人にはぜひ見ていただきたいですね

見る順番としては、
本編を全部見終わった後か
9話を見た後に見たほうがいいのかな?
と思う

作画とかのクオリティーは
流石京アニといった感じで申し分ない
最高の出来かと思います




考察部分


過去編SUMMERの真相の考察を
解説として書いておきますので
全部見終わった人で理解できなかった人は
見てみてください
{netabare}

この話によって大抵の謎は明かされます。

特に、観鈴の身体の異常の理由や、
往人の一族が法術を使える意味などが重要でしょうか。

話的にも戦いが入ったり、過去の実際の史実が関係していたり、
この話がAIRという作品の壮大さを
生み出していると思います。
それほど、AIRの根幹となる部分という訳である。


まずは、翼人の説明からしておきましょうか
昔には、翼人という「種」が存在していました。

そして翼人の役割は、原始の昔からの人間達の営みの全てを記憶し、
受け継いでいくということ。
当然、人類全ての記憶を持つ翼人は森羅万象あらゆる知識、智恵を有し、
それを同世代に生きる人間達に分け与えていた。
先祖代々が達成してきた様々な発見、功績その他諸々の出来事を後世に途切れなく伝えるための、記憶保存装置の役割を担っていたのです。

しかし、その膨大な記憶の中には、人智を超えた術も含まれており、
結果として翼人は人ならざる力を持つことになった。
そうすると、やはりその力を利用しようとする者が現れてきます
また、戦に巻き込まれるうちに、自分の手にかかって死んだ者の怨念なども溜まっていく事になる。

そして、翼人が記憶を蓄積する存在である以上、怨念は消えずたまっていく一方です。こうして翼人は人間の負の感情までも正直に取り込んでしまい、その結果、穢れてしまい人々に恐れられるようになります。


おそらく、この翼人の悲劇の最初の被害者が、
神奈の母親である八百比丘尼です。

母親は息を引き取る直前、神奈に自らが蓄えた記憶を全て受け継ぎます。
その後、神奈が空に羽ばたけるようになったのも、
記憶を受け継いだことによるものでしょう。

しかし、柳也と裏葉を逃がすために囮になり天に昇ろうとした神奈は、
高野の僧の強力な法術により動きを途中で封じられ、
弓矢の集中砲火を浴びます。
そして翼のかけらが羽根となって飛び散った瞬間、肉体としての神奈は消滅してしまったと思われます。

結果、神奈の魂だけが空に囚われてしまいます。

裏葉いわく、空に封じた高野僧の法術が効力を失って地上に降りられるようになるまで100年はかかる。
そしてもし降りることができて別の人間に転生しようとしても、
翼人の膨大な記憶を人間の小さな器に移し切る事などできるはずがなく、
その前にその人間は耐え切れず死んでしまい、神奈の魂は転生を果たすことなくまた空へ還って行く。
そしてまた同じことを未来永劫繰り返し、神奈は永遠に救われることがないというわけです。
つまり、観鈴に起こっていることです。


観鈴が見る夢は、神奈の記憶が新しい順から
観鈴に注ぎ込まれていることによるもの。
その無限とも言える記憶の量に、観鈴の体は悲鳴をあげているのです。
そしていつかは観鈴の心も体も壊れてしまう。
主人公の母親や、その先祖、つまり柳也と裏葉の子孫達は、
こうして大人になれず死んでいく少女達に何もできず、結局救えなかったという悲しい歴史を繰り返してきたという訳です。


ここで勘違いしやすいのは、
翼人(神奈)の魂が人間に転生すると
その少女が早死してしまうのは呪いのせいではなく、
過去から連綿と続く膨大な星の記憶を司る翼人の魂の大きさに人という器では耐えきれず、魂を全て注ぎこむと死んでしまうということです。

~ {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「では世はそなたに命ずる。母上の元まで、世をあないせよ。」でございます。

正八位下(しょうはいちげ) 左衛門大志柳也(さえもんふだいさかんりゅうや) 神奈備命が命。(かんなびのみことがめい。) 違えぬいたし事を制約いたし候。(たがえぬいたしことをせいやくいたしそうろう)

レビュータイトルは本編(AIR)の8話にて、神奈備命(かんなびのみこと)こと神奈様のお言葉。そして冒頭の台詞は衛者である柳也(りゅうや)様が神奈様に約束の誓いを建てる際の台詞でございます。柳也様、普段は神奈様に対してタメ口をきいておりますが、いざ主(あるじ)である神奈様からの命が下りますと、冒頭の台詞の様にいきなりのシリアスモードに突入するのでございます。このギャップが素敵・・・。ともかくカッコ良いのでございます。

本作はAIR本編の8話、9話で描かれる、1000年前の物語部分をピックアップした作品でございます。
っと申しましても、しょせん25分×2話の短いお話。翼人伝説を本格的に描いた作品と言う訳ではなく、本編8話で語られます神奈様と柳也様、そして裏葉様のお三方が神奈様のお母上に会うため、共に旅をするお話部分を補完した内容となります。
本作での魅力はなんと申しましても”神奈”様の可愛さを思う存分味わい、そして愛でられると言う点でございます。従いまして、AIR本編をご覧になられておられません方、本編の8話、9話に魅力をお感じにならない方がご覧になられましても、恐らくは理解することは難く、そしてご覧になって面白い作品ではないかと存じます。

AIRと言う作品における翼人伝説は物語の核でございます。物語におきまして、最後の翼人である神奈様は悲劇の結末を迎えることとなります。当然悲劇の結末であるが故に物語が成り立つのでございますが、そのままではあまりに不憫・・・。正に鬱になってしまいます。そこでと言う訳ではございませんが、本作品では神奈様の楽しい思い出部分。そう、母君を求めて3人で旅をする部分について、楽しくおかしく描いている作品なのでございます。

本編の尺の都合上、あまりにもあっさりと描かれてしまいました”旅”部分。実は色々なエピソードがございました。追っ手を避けながらも3人は家族の様に寄り添い、そして日常のなにげない事に幸せを感じていく・・・。そういう部分について、本作ではスポットを当てて描写しております。そうする事で、本編背景となる翼人伝説を補完し、神奈様の悲しい運命・・・そして彼女を慕い、命がけで彼女を助け様とした者達の”思い”をより深く伝えたいのだと存じます。

本作ではともかく神奈様の魅力を最高に引き出しております。高貴で世間知らず、そして無邪気で一途な思いを持つ神奈様。彼女が長年幽閉されていた社殿を飛び出し、追っ手に追われながらも慕ってくれる2人の従者(柳也様、裏葉様)と続ける旅。見る物全てが珍しく、そして体験する事全てが楽しい・・・。そういう感情を彼女の生き生きとした表情と仕草で上手に表現してございます。クスッとする笑いあり、そして意外や意外、神奈様の女の子な部分まで!
従者の裏葉様の可愛くお茶目な魅力も全開でございます! 柳也様の悲しい過去も語られます。そしてそのエピソードから、何故に柳也様が神奈様の為に命をかけるのか・・・の理由が明かされます。2話と短い作品ではございますが、その作画はAIR本編と同等、全く手抜き無しでございます。キャラクタの描写は逆に上回るほど。当然主題歌は”鳥の詩”でございます。本編8話、9話に感動を感じられた方、神奈様と言うキャラクタに魅力を感じた方、是非ご覧になって最高に愛らしい”神奈”様を愛でて下さいませ。そしてAIRと言う作品をより理解し、愛していただけるとワタクシも大変嬉しいと思うのでございます。

神奈様は翼人としてでは無く、一人の少女。普通の少女として生きていただきたかった・・・。彼女が笑ってくれるなら、彼女が楽しいと感じてくれるなら、それを守りたい。そしてその日常を命に代えても守りたい。ワタクシがもし彼女と同じ時を過ごすなら、作中の裏葉様と同様、この身をかけて彼女を守るのかも知れません・・・。そう思わせる魅力が彼女にはございました。 大好きでございます! 神奈様!

「力 風 我らの今こそ ものが受け継ぐ 星の見る夢 遠い悠久の ふさわしき羽に 魂にすべを」
受け継ぐべきでは無かった悲しい運命・・・。空に眠る一人の少女が見る夢が、どうか幸せであります様に・・・。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

くうき・なつ

どうでもいいことなんですが、タイヤの空気圧って高ければ良かった一昔前と違って、現在は車種毎の適正値に調整しましょうが正解。
夏の高気圧よろしく、いろいろ詰め込み過ぎたとの評もあるTV版『AIR』に呼応するかたちで、その高まった “圧” を適正値まで戻すかのような特別編が今回ご紹介の『AIR IN SUMMER』です。


さらにどうでもいいことなんですが、やはり気に入ったものでないとOVAまで手を出さないですよね。
前編+後編の全2話。アマプラだと1話24分に200円。しめて400円也!某シアトル出身のコーヒー屋さん一杯のお値段です。
元を取れるかどうかについてはご自身でお確かめくださいませ。TV版全12話を気に入った方ならおおむね満足できるような内容だったと思います。事前のTV版視聴は必須です。

TV版8話~9話に相当する1000年前の始まりの物語。この部分について、登場人物を絞り拡大ルーペで焦点をあてたかのようなお話です。

神奈(CV西村ちなみ)
柳也(CV神奈延年)
裏葉(CV井上喜久子)


私が思う『AIR』の面白さとは、、、

{netabare}観鈴と往人のような関係が幾代も続いた末での

「もうゴールしていいんだよ。だって(観鈴も観鈴の前もさらにその前の人も×繰り返し・・・)頑張ったじゃないかぁぁ(涙)」

切ないモードに入ることです。長門有希の15,532回。または暁美ほむらや岡部倫太郎にも通ずる途方もなく時を重ねた出口の見えない繰り返し。{/netabare}

最終話の観鈴のあのセリフにどれだけ思いを馳せられるか、といっても過言ではありません。
よって、諸悪の…いや全ての始まりである柳也と神奈を掘り下げたこの特別編を視聴することで、TV版でしっかりと描かれた「ゴール」と対になる「スタート」つまり土台が構築できるのだと思います。
もう少し詳しく言うと、神奈の無垢 ( と言い切っていい ) な愛情と、柳也と裏葉が“神奈の願いを叶えてあげたい”と強く思う心の二つ。これから1000年続く思いの丈みたいなのがより強調されるようになってます。
これがTV版の内容に還元されてくること。そしてTV版では省略された道中のほのぼのとしたやり取りと合わせて、キャラへの共感が増すような作りにもなっているのではないでしょうか。

 {netabare}ただ一途に愛情を求めただけなのに、、{/netabare}

2話観終わると、TV版全体への共感がより増す結果となるOVAとしての理想型。
季語が “夏” の作品です。私にとっては、ゆうにフラペ○ーノ一杯の価値以上はある特別編でした。


※注 本編と関連する単話のOVAの評価はいくら良いお話でも“3.5”をデフォルトとしてます。




-----
視聴時期:2019年5月



2019.05.22 初稿
2019.11.24 追記

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ページの先頭へ