復讐で学園なおすすめアニメランキング 17

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの復讐で学園な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月29日の時点で一番の復讐で学園なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.9 1 復讐で学園なアニメランキング1位
政宗くんのリベンジ(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (1259)
6811人が棚に入れました
美少女・安達垣愛姫(あだがき あき)にこっぴどくフラれたデブで冴えなかった少年・真壁政宗(まかべ まさむね)が、激ヤセして名字を変えイケメンに変身。残虐姫の異名を持つドSな愛姫を惚れさせ、最高の形で振るために復讐を果たそうと奮闘するリベンジラブコメディ。

声優・キャラクター
花江夏樹、大橋彩香、水瀬いのり、三森すずこ、田所あずさ、早見沙織、小倉唯、大亀あすか、伊瀬茉莉也、伊藤かな恵、佐藤聡美

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

面白そうなので期待!

同タイトルのマンガ原作があるようですが未読です。

原作マンガで作画を担当されているTivさん、最近はいろいろなマンガやラノベのイラスト担当としてよく見かけますね。

ストーリーですが、むかし太っていた主人公の真壁政宗(まかべ まさむね)は、幼少時にヒロインの安達垣愛姫(あだがき あき)に告白するも「豚足」と呼ばれあえなくふられてしまいます。

そんな愛姫に復讐するために政宗は一度実家を離れて身体を鍛え、痩せたイケメンに変身して愛姫を自分に惚れさせた後にこっぴどくふるという目標を立てて愛姫の通う高校に転入する。果たして復讐の行方はどうなるか…、といった感じです。

政宗に愛姫以外の女性キャラ、そして「総受け」男性キャラの朱里小十郎(あけさと こじゅうろう)がどうからんでくるのかが楽しみです。

2017.3.24追記:
ということで全話観終わったわけですが、原作が続くので仕方がない面はあるにしてもいささか中途半端な終わり方をしてしまいましたね。終わり方がもっと良ければストーリーの点数はもっと高くつけたかと。ただ、原作に関心を向かせ販促アニメとしてはそこそこ成功したんじゃないかと思います。

アニメでも続編をやってほしいです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 38
ネタバレ

トマトトマト さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

断然女性にオススメ (少女マンガ好きな男子にもオススメ)

※まず初めに物語の評価はアニメ視聴後、漫画全巻読み終えての物になります。
こちらは病人*の感想になりますので、冷静な評価は出来ていないかもしれません。



アニメを見たあと、続きが気になって漫画も読んでしまいました。
と言うのも、アニメでは盛り上がって来たところで終わってしまったためです。実際アニメの終盤以降が真骨頂の作品です。

個人的な印象では、視聴前は男性向けの作品なのかぁと思っていました。ところが、アニメ視聴後、漫画を最後まで見ての印象は間違いなく女性向けです。
原作者の方が男性だと思いこんでいて、物語後半以降の内容(原作含む)を見ている時、よくこの作品書けたなぁとすごく違和感を感じていました。あまりにも違和感を感じたので調べてみたところ原作者が女性だったためすごく納得出来ました。
また原作が女性だという事もあり、女性や少女漫画好きな方また恋に恋したい方などなどには非常にオススメ出来る作品だと思います。
私としては、少女漫画が好きなのでこういった感じの作品は大好物です。アニメ見て続きが気になった方は是非漫画も読んで欲しいです。
すごくキュンキュン出来ると思います。色んなキャラクターに感情移入出来て涙腺緩む箇所が何度もありました。
原作のアフターストーリー的なものもあるようなので、そちらも見てみたいです。

他の方のレビューを見させて頂いて、中途半端だから2期をやって欲しいと言うもの多かったです。私的にももちろんやって欲しい、というかやるべき作品だと思います。
本当にこれからが神回の連続なのにマジで勿体ない!!
ただ個人的な見解ではありますが、このアニメは2期は作られないと思います。理由としてBDの売上とかもあるとは思いますが、一番の理由はアニメでは{netabare}文化祭回終わった後、すぐにカラオケ回になってしまいました{/netabare}が、漫画だとこの間にあるシーンがあります。短いシーンではありますが、今後の展開に必要なシーンだと思います。アニメ最後にある{netabare}修学旅行のお知らせの紙{/netabare}よりも、よっぽど2期への布石になるシーンだと思います。制作側に本気で作る気があるなら必ず入れるとおもいますので、それをカットしたということは少なくともアニメ制作段階では2期を作る気がなかったと感じたためです。
唯一の希望としては、公式ツイッターにて「今年は何かやります(きっと)」というツイートがあったことです。(2019年1月7日のツイート)
今はこのツイートに淡い期待を寄せることぐらいしか出来ません。
あまり過度な期待は出来ませんが…。
くどいですが、あくまでも個人的な見解です。どうせなら私も漫画ではなく、アニメで見たかったです…本当に残念。
ちなみに、アニメ見たあと続きが見たい方は漫画6巻から読むことをオススメします。


*病人・・・この作品(原作全巻既読後)を見終わってから、何かモヤモヤした気持ち、切なさというか虚無感みたいなものを感じて何もやる気になれません。俗にいうアニメ燃え尽き症候群(マンガ燃え尽き症候群?)という物を発症してしまったようです。
良いアニメや漫画、映画などを見た時に以前にも発症した覚えはありますが、やっぱりキツイなぁ…。
この作品の序盤を見ていたときは、ここまでのめり込むことになるとは考えもしなかったです。完全に油断していました。完全に持っていかれました。
久しぶりに発症すると結構キツイものですね。
ともあれ、身を以てこの作品が良作であることを痛感しております。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4
ネタバレ

要 塞 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

藪の中

 人は見かけによらぬもの。
外面はよくても、内面はどんなものなのか、
知れたものではありません。

 この作品の注目すべき点は、
心の黒い部分が視聴者に筒抜けの、詰めが甘い主人公と、
腹黒を隠す気もないヒロインとが織りなす、{netabare}(空腹は隠してるけど){/netabare}
恋の駆け引き(戦争)にあります。
 サブキャラクターも大体がどちらかの陣営に組しており、
裏切りあり、陰謀あり、第三・第四勢力の出現あり、と、
恋愛を戦争に置き換えたかのような殺伐としたキーワードが
妙にしっくりくる作品だったというのが感想です。

 そして物語の根幹に関わるであろう二人の過去。
これこそが作中の戦争・・・、ではなく、
恋の駆け引きの推進力となっていると思われます。
 {netabare}原作未読なので詳しくはわかりませんが、
今後も過去に関する伏線や新事実が、次々に判明し、
登場人物たちの意識がガラリと変わるのではないかと予測できます。{/netabare}

 一つの事実に対して、登場人物の視点ごとに、様々な見解がある。
ラブコメでありながら、古来より文豪にも試されている構成。
今後の展開次第では、もっと味わい深い作品になるかもしれません。
 今後の展開に期待が持てます。

 単純にラブコメが好きな方はもちろん、
ちょっとした推理に自信がある方、妙なあだ名をつけられた記憶がある方、
愛しの、もしくは恨めしいアイツにリベンジしたい方にお勧めします。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

86.0 2 復讐で学園なアニメランキング2位
青の祓魔師[エクソシスト](TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (2985)
16968人が棚に入れました
主人公・奥村燐は修道院で暮らす少年。同じ修道院に住み、有名高校へと進学する燐の双子の弟・雪男とは違い、就職先が見つからずにいた。修道院の神父である藤本に薦められ、料亭の就職面接に向かう途中、燐は奇妙な光景を目の当たりにする。

声優・キャラクター
岡本信彦、福山潤、花澤香菜、中井和哉、遊佐浩二、梶裕貴、喜多村英梨、佐藤利奈、置鮎龍太郎、柿原徹也、神谷浩史、藤原啓治
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

息子が父親を超えていくということ

祓魔師としての知識と技術を磨く学園 祓魔塾を主な舞台に、
宗教や国を超えた悪魔祓いのバトルあり、
ある宿命を背負った兄弟愛や家族愛ありのダークファンタジー。
作画や設定はもちろんのこと、時々挿入されるコメディシーンも含め、
これぞ少年漫画!といった作品。

TV版の後半は完全なオリジナルストーリーということだったが、
25話あっても時間的に無理があり、せっかくの壮大な背景に
いろいろ欲張って詰め込みすぎた感があったのは残念。

しかし、原作を知らない方なら充分楽しめる内容ではあったと思う。

ゲーテの『ファウスト』に登場する誘惑の悪魔メフィスト・フェレスが
そのままの名前でこの作品の中に登場し、ゲーテの『ファウスト』からの一節を
口にしたりするのが個人的にはウケたけれども
あの言葉がいったい何を意味するのか、まったく説明されてないため
わかりにくいという印象を持った人も、もしかしたらいたかもしれない。

それでも、主人公である奥村兄弟を育てた修道院の神父 藤本 獅郎の、
息子たちへの愛情を描いたエピソードにはじわっときたし、
使い魔のクロやニーちゃん、ウコバクには和めた。

観終えて数年経っている今、この作品を思い返してみると、
{netabare} 奥村兄弟の実の父である悪魔 サタンを倒すということは、{/netabare}
息子が親を超えていくこと、つまり大人へと成長していくことを揶揄しており、
そこが王道と言われるもう1つの理由なのかもなと思ったり。


また、バトルシーンにかかる挿入曲や、UVERworldや
ROOKiEZ is PUNK'Dが歌うOP、2クール目の黒木メイサの歌うEDなど、
どの曲も好きだったし、声優陣も豪華だったので個人的にはかなり楽しめた。

ちなみに去年公開された劇場版は近々観る予定。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 45
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

双子兄弟の《バディ(相棒)もの》として楽しめました。

←ジャンルとしては、悪魔×祓魔師《異能バトルもの》です。

『灼眼のシャナ』は紅蓮の炎を放つ日本刀を携えた長髪の少女の物語でしたが、本作は青い炎を封じ込めた日本刀(=降魔剣・倶梨伽羅)を背負った熱血少年の物語です。
マンガ原作者(加藤和恵氏)が女性ということもあってか、その主人公の少年と双子の弟との感情のやり取りに大きな見どころがあり、その点でエド&アル兄弟のやり取りに見どころがあった『鋼の錬金術師』と共通していると思いました。
(※逆に言うと、女性キャラがやや印象が薄い←男性視聴者向けではない?)
第1話から飽きのこない良シナリオで、最後まで楽しめましたが、{netabare}ラスボス(サタン)の語り口が下種っぽくて余り威厳が感じられない点{/netabare}にガッカリ。。
(※個人評価が余り伸びなかった原因)
それにしても、今放送中の『とある魔術の~』もそうですが、本物のヴァチカンよく怒らないな笑。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1-2話視聴終了時点
展開が早く世界観がよく練り込まれている印象で掴みは◎
・第3話視聴終了時点
昼間の正十字学園に加えて放課後は祓魔師(エクソシスト)養成塾へ。
秀才の弟(講師)とダメ兄貴(ペイジ=祓魔塾生)の対比が巧に描けている点は〇
・第9話視聴終了時点
「祓魔塾生(ペイジ)」→「候補生(エクスワイア)」へ昇格
・第15話視聴終了時点
やっと少し見どころのあるバトル回(ギリギリ初の★★(優秀)回認定)
・第17話視聴終了時点
この回の後半以降、原作マンガからのシナリオの逸脱が加速。
・第20話視聴終了時点
エルンストは原作マンガにない完全オリキャラ。{/netabare}

◆制作情報
{netabare}
原作マンガ       加藤和恵(『ジャンプスクエア』 2009年5月-連載中)
監督          岡村天斎(第1期)、初見浩一(第2期)
シリーズ構成      山口亮太(第1期)、大野敏哉(第2期)
脚本          山口亮太、高橋ナツコ、大西信介、高橋郁子、大野敏哉、渡辺雄介、高木聖子、木戸雄一郎
キャラクターデザイン 佐々木啓悟
音楽          澤野弘之、KOHTA YAMAMOTO(第2期)
アニメーション制作   A-1 Pictures{/netabare}



◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= 青の祓魔師 (第1期) (2011年4-10月) ===============

 - - - - - - OP「CORE PRIDE」、ED「Take off」 - - - - - -
{netabare}
第1話 悪魔は人の心に棲む ★ 修道院の兄弟(ダメ兄貴と秀才の弟)、サタンの子・奥村燐、アスタロトの出迎え
第2話 虚無界の門(ゲヘナゲート) ★ 続き、降魔剣、サタン憑依(養父・藤本獅郎)、燐覚醒・養父の死、メフィストフェレスの出迎え、燐の選択
第3話 兄と弟 ★ 正十字学園入学、祓魔塾入塾、講師・奥村雪男(双子の弟)の真意
第4話 天空(アマハラ)の庭 ☆ 祓魔用品店の娘・杜山(もりやま)しえみとの出逢い
第5話 祟り寺の子 ★ 勝呂竜士(すぐろ・りゅうじ)の個人事情(16年前の「青い夜」事件)、「地の王」アマイモン
第6話 まぼろしの料理人 ☆ 使い魔ウコバクvs.燐(料理対決)
第7話 友千鳥(ともちどり) ☆ 強化合宿、使い魔召喚(神木出雲、杜山しえみ)、グール来襲
第8話 此(ここ)に病める者あり ★ 強化合宿(続き)、グール再来襲(ページ達の協力)
第9話 おもひで ★ ネイガウス講師の恨み(青い夜の生き残り)、エスクワィア昇格
第10話 黒猫(ケットシー) ★ 兄弟喧嘩、唯一最強の祓魔師「聖騎士(パラディン)」(養父・獅郎)、使い魔「クロ」凶暴化・説得
第11話 深海の悪魔 ☆ 出雲と海辺の少年、巨大イカ・クラーケン ※人情噺
第12話 鬼事(おにごっこ) ★ 遊園地のゴースト捜し(しえみ活躍)、アマイモンvs.燐、フードの男?の素顔{/netabare}

 - - - - - OP「IN MY WORLD」、ED「Wired Life」 - - - - -
{netabare}
第13話 証明 ★ 霧隠シュラ(ヴァチカン本部上級監察官)の密命、正十字騎士団日本支部、養父の弟子(魔剣使い)の尋問、養父の思い出、霧隠講師着任
第14話 愉しいキャンプ ☆ 夏休み、林間合宿(提灯探し、協力訓練)
第15話 やさしい事 ★★ 続き、八候王の一「地の王」アマイモン来襲、燐の力解放・暴走
第16話 賭 ★ アーサー・オーギュスト・エンジェル(現パラディン)登場、メフィスト・フェレス懲戒尋問、降魔剣「倶梨伽羅」修復(十一代目吉国)、アマイモン再来襲
第17話 誘惑 ★ 燐復活・アマイモン撃退、燐の扱い決定、子猫丸の動揺・悪魔憑き ※雪男に最初の異変兆候
第18話 颶風(グフウ) ☆ 続き、人工生命研究所跡
第19話 なんでもない日 ☆ 神木の誕生日(9/27)、奥村兄弟の誕生日(12/27)のこと、ラストで修道院の異変
第20話 假面(カメン) ☆ 続き、ネイガウスの不審行動、メフィスト・フェレスへの逮捕状、青い炎マスター(燐)、祖父エルンスト・フレデリク・エギンの雪男呼出
第21話 秘密の花園 ★ 母ユリ死亡の真相、反魂(ネイガウスの妻ミシェル)、オーギュスト卿vs.燐、ラストでヴァチカンの政変(三賢者(グリゴリ)解任、エルンスト全権掌握)
第22話 悪魔狩り ★ メフィスト・フェレス理事長解任、雪男日本支部長就任・パラディン昇格、教皇エルンストの“聖戦”宣言、非情な悪魔狩り(雪男)、ゲヘナゲート開通の生き贅(燐)、ラストで雪男変貌
第23話 真実 ★ ゲート開通、メサイア不発、青い夜の真相、兄弟出生の真相、サタン降臨(雪男憑依)
第24話 魔神の落胤(サタンのこ) ☆ サタンの目的(ゲヘナとアッシャーの融合)、雪男意識回復、サタン追い出し成功
第25話 時よ止まれ ☆ 溢れ出す悪魔、奥村兄弟共闘、サタン撃退、一ヶ月後{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)14、☆(並回)10、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.1

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22

兎ツ音 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

悪魔の子はエクソシストとしてもすごかった!!

まず作画ですが
個人的には好きです。
キャラ、背景共に好みの作画です。
内容は
簡単に言うと、アクマの息子である主人公「燐」が
アクマから自分を守る為に死んだ
養父・藤本獅郎の仇を取る為に
エクソシストになると言う話です。
設定も自分好みで、引き込まれます!!
原作が人気のある漫画なので
どこまで再現できて、良いアレンジが
出来るかが期待したい所ですね^^
声優も、豪華で皆合っていていいです。
ここからは4話の感想です↓
今回は、待っていた方もいたと思いますが
花澤香菜さんが声担当している
しえみの登場の話でした。
バトルシーンはありましたが
期待していた派手なシーンではありませんでした。
それよりも、しえみの思いや
足が不自由になった原因など
しえみの心理描写がしっかりしていたので
よかったと思います!!
次回は、見た目とは違って
努力家で優等生の勝呂の話です。
楽しみに待ちたいと思います^A^

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

85.1 3 復讐で学園なアニメランキング3位
【推しの子】(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (742)
2174人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。

声優・キャラクター
アイ:高橋李依
アクア:大塚剛央
ルビー:伊駒ゆりえ
ゴロー:伊東健人
さりな:高柳知葉
アクア(幼少期):内山夕実
有馬かな:潘めぐみ
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アンチアイドルものとして秀逸かも。ただ星野アイが強烈すぎた。

 1回目視聴時は、作品の見方を間違えて脱落しました。時間をおいて冷静になって本作を見てちょっと思った事と何で見方を間違えたのか、です。

 本作の位置付けなんですけどちょっと「まどかマギカ」を思い出しました。つまり同作が魔法少女モノに対するアンチテーゼだったように「推しの子」は「アイドルもの」あるいは「アイドル」というジャンルに対するアンチテーゼなのかな?と。
 その点で出来は良いのですが、まどマギほどのインパクトは残せませんでした。それはやはり星野アイのせいかな、と思います。

 本作のある意味での不幸は1話があまりに強烈でした。星野アイが魅力的、挑戦的、挑発的すぎて、私には星野アイそのものがテーマに見えてしまいました。星野アイについて全編通じてじっくりと描かれて行く話かな、と思ったわけです。その視点で見ると、1話は名作ですが、その後どんどん本題からズレて行っているように見えます。

 まどマギの3話と同じ役割ですが、しかし本作の1話はクオリティが高すぎた気がします。しかも一挙放送ですからインパクトが半端じゃないです。私は8巻くらいまで既読ですが原作もしょっぱなの星野アイパートはあまりに強烈です。絵もいいんですよね。

 ただ、今回冷静にその続きを見ると、アイドルを中心とした芸能界について丁寧に取材し「裏側」つまりは「虚構」「嘘」を描いています。ネットアイドル、実写化、子役、恋愛リアリティショー、アイドルの給料、ダイコン役者…等々要素を1つ1つ描いています。リアリティがありすぎるのか炎上したり、説教臭いと言われましたが、しかし、それだけよく取材しているという事でもあります。

 もちろん嘘がテーマであることは明示されていますので、ちゃんと読めている人には今更何言ってるの?でしょうが、星野アイの生きてきた痕跡を見る物語と思ってしまうのは無理からぬことだと思います。

 アクアとルビーが転生者でアイの何か(嘘と愛?あるいは嘘と魅力?)を引き継いでいる…かの様にみえる目の星も、芸能界あるある、芸能界の裏側という作品のテーマに注目するのには阻害要因になっています。

 そうやって見ると、芸能界のダークサイド、嘘と虚構を丁寧に見せて行く、つまり「偶像としてのアイドル」とか「アイドル物」の解体なのかな、と。そのためにアイの妊娠が必要だったのではないか?と思います。

 ただ、アイの妊娠の相手についてはサスペンスとして残っているのが上手いところで、それがストーリーの中心になりつつ展開しているのでアイについての物語も当然語られるでしょうし、そこは楽しみです。

 OPの「アイドル」の歌詞や小説「45510」を読めば、本作がアイドル=嘘を中心に語っているのが分かります。ただ、どこかで子供たちに残した言葉以外の愛が語られる気もします。
 それは廻りまわって、アイドルへ愛とアイドル肯定の物語になる可能性は感じます…が、現時点ではよくわかりません。今のところ裏側、虚像、アンチになっています。

 そして気になるのはタイトルの魚尾ですね。原稿用紙の真ん中の【 】っぽい記号です。何が言いたいんでしょう?夢オチ?それとも本作そのものが映画の中?とにかく虚構・フィクションの予感はあります。


 評価は4.0にしてましたが、4.2に変更です。ストーリーを3.5から4にあげます。途中で終わっているので完全な評価が出来ないのでちょっと減点があります。
 キャラは…まあ5しかないかなあと思いつつ、やっぱり星野アイが強烈すぎて、作品のバランスを崩したと言う点で4.5のままにしておきます。
 作画はやっぱり背景美術は気に入らないのですが、人物はいいです。3.5を4にします。
 音楽の5はやっぱりOPなんですけど、本作のOPってOPアニメの魅力が支えるところが大きいんですよね。音楽だけならそこまでバズったかわからない気がします。ただ、映像時代の音楽としてアニソンがなぜ売れるか?と言うとやはり映像そして「キャラ」「物語」とセットだから、というのはあると思います。




以下 1回目視聴時のレビューです。

テーマ・ストーリー・設定の構造を取り違えていたかも…

{netabare} 途中で断念しましたが、2期が来るということで結末だけは気になるので多分見ることになると思います。2期発表と同時に一応1期全話確認しました。

 本作については、原作を読んだ時点では、以下のような話だと思っていました。

 ストーリーは、星野アイというスーパーアイドルの殺された原因である恋愛あるいは性交の相手、その情報を犯人に漏らした相手を見つけ出す。
 テーマは「嘘と愛」であり、星野アイがどういう生き方をしてきたか、アクアが芸能界の追体験をすることで理解する。
 話の舞台・話を進めるためのエピソードとして、芸能界の虚構性つまり嘘の部分と、恋愛の部分つまり愛の部分を描く。
 こういう構造かと思っていました。


 ですが、改めて原作ではなくアニメを見て、ひょっとしたらですが見方を間違っていた?と思いました。

 ストーリーは、アクアがアイが生きていた芸能界に染まりつつ嘘と恋愛を知って行く。
 テーマは、各エピソードで芸能界の虚構と現実の部分を赤裸々に描く。
 舞台・設定は、星野アイというスーパーアイドルが殺された世界に転生した熱狂的なファンが星野アイ殺しの裏の事情を探って行く。

 つまり、私は星野アイの20年…あるいはプロファイリングによれば15歳の時に何があったかを追う。星野アイというアイドルの象徴的存在をアクアが知って行く。つまり、星野アイにとっての愛と嘘=アイドルとは何かを描いて行くのがメインの話かと思っていました。
 が、実際にこの作品が描きたいのは芸能界や各種クリエーターの虚構とか裏事情を特に作者は描きたいのかなあと思いました。

 
 当初、これだけ色んな形で子役、実写化、アイドル、ユーチューバー、恋愛ショーという形で、様々な見せ方をされている意味がわかりませんでした。ですので、話が引き延ばされて冗長だなあと感じました。 
 本作原作が段々つまらなくなってゆく…と私が思う原因が、一つは恋愛リアリテショーで星野アイの秘密に何も絡まないじゃん、と思った事が一つ。
 そして2期の冒頭からあるであろう、東京ブレイド多分「刀ラブ」の舞台が本当に演技の話ばっかりになるからです。このパートで私の心は原作から離れました。

 ですが、逆にこういう芸能界・SNS等の様々な形を丁寧に切り取られて見せられると「あれ?こっちがテーマで星野アイが舞台だった?」と思ったわけです。あまりに主義主張が激しいですよね。
 となった時に、私はあくまで物語の謎、星野アイというキャラクターに興味があるのであって、芸能界の裏側には興味はあまりありません。

 そして1話がちょっと色褪せます。あの話はほぼ「パーフェクトブルー」の焼き直しですが、換骨奪胎して一人のスーパーアイドルの人生を追う冒頭としてはものすごい物語だなあと感心していました。が、本当にこの調子で最後までいくならかなりがっかりです。


 で、まあ、それとは別に謎についての仕掛けですが、気になっているところです。

 星野アイが転生している可能性ってないんですかね?あるいは星野アイの相手が転生してないか。
 医者が死ぬ前に、アイは妊娠していたのに転生した矛盾って何かあるんでしょうか?タイムリープとかはないのか?
 星野アイを殺した犯人と医者を殺した犯人って本当に同一人物なの?そこに仕掛けはないの?
 瞳の星の意味は何かありそうですよね。アカネの瞳に宿った以上遺伝だけではなさそうです。

 それとタイトルの「推しの子」の手偏が切れて土偏みたいになっている理由。子のデザインももちろんです。「の」が瞳になっているのは分かります。強調のカッコである【】の意味は?そうではなくて【】の前後に線が入っていますので、カッコではなく原稿用紙の真ん中、魚尾(ぎょび)つまり創作物ということ?推しの子という存在自体が創作だと言うメタ的な仕掛け?


 本作OPは良いですよね。水星の魔女の1期といい内容を織り込んでいるのに好感がもてます。
 そして、アニメの作画は星野アイを初め、アイドル的な場面の作画は大したものだと思います。が、やっぱり背景美術とか、舞台以外の作画は止め画がかなり多いし、線の感じなども私はあまり好みではではありませんでした。

「断念」から「見終わった」になりますが、ストーリー・テーマは思っていたよりも深くないかも、などと思ってしまいました。改めて家に積んである8巻まで読んで、考えてみます。{/netabare}


 

以下 3話断念時のレビュー

{netabare}  断念です。原作8巻くらいまで読んでいるので、そことの違いがないのと、アニメならではの展開がないのを確認しました。OPもPVが公開されてます。

 断念の判断の理由なんですけど、1つ目がアイドル星野アイとはどういう人間だったか、というアウトラインを後からアクアが知って行くという話が大筋になるのかと思いますが、そこが弱いんですよね。つまり1話がピークでそこから2、3話とダダ下がりです。
 もちろん原作を知っているというのもあるんですけど、原作視点でも同じ感想です。結果的にアイドル恋愛もの…になってしまった気がします。(ひょっとしたらアクアが芸能界で生きて行く、恋愛をする(してみる)というアイの追体験を通じて何かを知る、感じるというのはあるかもしれませんけど)

 また、45510という小説が後付けで発表になったのは、つまりストーリーでそこを丁寧に追わないということでしょう。それは作品としては大きなマイナスポイントです。そここそが作品で一番見たい部分です。これをアクアが犯人を追う過程で知るべきでしょう。正直この小説が出たからアニメも漫画も断念する気になりました。

 2つ目が、原作のキャラデザというか絵の雰囲気が中途半端に再現されているアニメとしては見づらいです。しかも、その人物が完全に浮いてしまうような適当な背景美術をなんとかしてください。いくらなんでも適当すぎでしょう。アニメとして画面に魅力が無さすぎます。これも1話のアイが動くシーン以外はですけど。
「その着せ替え人形は恋をする」でもちょっと感じた感覚です。いわゆる狭義の作画はそんなに悪くない感じなんですけど、絵作りです。

 3つめがこのペースだと原作を追い越して結末まで描く気がないだろうと判断したからです。

 ということで、原作がもともとアイデアはものすごく良かったし1巻(アニメ1話)は最高に良かったのに、その後がついて行けていなかったのが最大の失敗でしょう。
 人気作なのでレビューもいっぱい出てくると思いますので、そちらを後で確認します。それと連載で結末が出たころに一気読みするかもしれません。あるいはアニメが原作に先だって、最後まで描き切るなら見直します。

 なお、OPフルコーラスの歌詞に「マリア」という単語が出てきました。マリアが妊娠するのは世界で一番有名な理由ですよね?ですので、そういう結末な気もします。むろんアイドル=偶像でイコンとしてのマリアかもしれませんが。
 あるいは歌詞から言って愛を知るためだけのお試しだったという気もします。興味が残るのはそれくらいですが、2話以降でそこが中心にならなかったのが残念です。

 評価は1話があるので比較的高いですが、アニメになるとトータルの作品で見たときいろんな部分がアンバランスで、見ていて気持ちが悪くなる作品でした。

 なお、原作未読の方は、そうはいっても途中までは普通に面白いのでアニメで見る意味はあると思います。{/netabare}




以下 1話のレビュー

1話 面白いのは知ってますが、長期連載の弊害もある作品かなあと。

{netabare}  最近ではめずらしく本屋で1巻の表紙でジャケ買い大人買いした作品です。本当に魅力的な表紙です。ですので、中身は当然知っています。

 感想は言い辛いです。現段階では原作でアニメの1話部分をもうちょっとじっくり見せて欲しかったということですね。つまりアイの深掘りですね。テーマ的にもドラマ的にもです。まあ、本当はこんな長期連載の予定ではなかったのだと思います。

 そして人気が出たことがちょっと悪い方に作用した作品かなあという気がしなくはありません。アニメ1話部分は本当に面白くて引き込まれました。人気は当然ですけど、こういう作品は終わりを決めて、7巻とかくらいで終わらせてほしかったなあ。そのほうが密度が濃くて結果的に名作になると思います。まあ、書評ではないので、これくらいにしますけど。

 それにしても、最近作画水準が高いアニメが多いせいか、こう止め画が多いとちょっと画面的に退屈ですね。1話くらいもっと動かしても良かった気がします。舞台のシーンは頑張ってましたけどね。

 横槍メンゴさんのカラー絵は本当に魅力的なので、そこの水準は無理にしても、もうちょっとなんとかしてほしいかなあ。

 感想として何が言いたいかというと、結末を原作者とアニメ制作陣で共有しているなら、ストーリーを圧縮して結末まで描いてほしいなあ、ということです。{/netabare}



追記1話は「パーフェクトブルー」に匹敵する素晴らしい出来でした。

{netabare} 追記 1話の出来の良さについて描くのを忘れていました。1話目は施設育ちで愛を知らない「アイ」が、愛していると嘘をついている。だから、自分の最愛の子供たちに愛していると言えなかった。そしてアイが愛していると言えるのは、どうなった時?という話です。

 現状でも相当素晴らしいのですが、正直言ってこの1話だけをブラッシュアップすれば今敏監督の「パーフェクトブルー」と比肩しうる作品になれたかなあと。特にアイというキャラの深掘りがあればなあという気がします。テーマ性は良いし、舞台設定、謎とストーリー展開もエンタメとして本当によくできていました。

 ファンタジー部分については、アイドルのピークで事件が起きないといけないこと、そして、赤ちゃんとしてアイが接しているうちに事件が起きないと、それを理解する自我が赤ちゃん側にないといけないので、こういう形のドラマを作れなかったと思いますので、必然性をちゃんと感じました。

 という感じで私の印象では1話がピークではありますが、そうはいってもその愛を知らないアイが誰の子供を作ったのか?という最大の謎がありますのでその点は目が離せません。

 で、1話目のEDで流れたYOASOBIの曲ですけど、この1話のテーマそのものを歌っていました。フルバージョンのPB付きがアップされていますが、この曲だけでも作品の1話を奇麗に1つのドラマとして歌いきっており、大変すばらしい曲になっています。
 これを1話だけの使用で2話以降曲を変えられたら、素晴らしい演出力だと思いますが、どうでしょうか?

 それと作画は再視聴すると思っていたよりもマシでした。ただ、アイが出ているパートとそれ以外の出来に差がありすぎる気もしました。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 36
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最初からメディアミックス化を意識していたかのような計算された構成

【レビューNo.122】(初回登録:2024/5/5)
コミック原作で2023年作品。全11話。(初回は90分)
元々YOUTUBEで原作が紹介されていて、原作買うか迷ったんだよな。
(結局マイナー感溢れる「早乙女選手、ひたかくす」にしたんだけどw)
まあいうてる間に、順当にアニメ化されたなっと。
・交流あるフリークスさんのレビューに刺激を受けた
・ちょうどABEMAで一気見放送してて復習できた
を受けて、リアタイ時に残念したレビューを書いてみようかと。

(ストーリー)
田舎の産婦人科医ゴローは、自分に懐いていた患者・少女さりなの影響により
アイドルオタクになっていた。そんな彼の元に、活動休止中の彼の推しアイド
ル・星野アイが双子を妊娠した状態で現れたことで物語が動き出す。

(評 価)
・「星野アイ」と「物語の起点」をしっかり印象づけた初回拡大放送
 {netabare}主人公は高校生になった星野アイの息子・星野愛久愛海(アクア)なのです
 が、物語を進めていく上で
 ・彼にとっての「スーパーアイドル・星野アイ」という存在の位置付け
  (そして双子の妹・瑠美衣(ルビー)にとっても)
 ・彼が芸能界に関わる強い動機付け
 をしっかり印象づける必要がある訳ですが、これを出し惜しみせず初回拡大
 放送で一気にみせ、視聴者のハートを鷲掴みにするという・・・
 これはホント上手い戦略でしたね。
 本作の構成的にも、初回分は完全にプロローグ的な位置付けですからね。
 キリがいいプロローグを一気に片付けて、2話以降から本編を展開していく
 というやり方は、理にかなっているなという印象ですね。
 まあこれも「覇権アニメ候補」という金看板があるから打てる強気な戦略な
 んでしょうが、それが功を奏したように思います。{/netabare} 

・芸能界の表と裏を描写した秀逸なストーリー展開
 {netabare}(アイドルアニメとか基本観ないので、詳しいことは知らないのですが)
 アイドルやマネージャーなど一部の関係者にスポットを当てた作品は数あれ
 ど、こういう大局的な視点から芸能界の表と裏を描いた作品って今まであっ
 たんですかね?!
 ・まず掴みのアイで
  「この芸能界において嘘は武器だ」
  という新しい切り口を提示
 ・次にアクアを
  ・他のアイドル志望者のように芸能界に憧れを抱いておらず
  ・復讐劇のために芸能界に関わっている
  という1歩引いたキャラ付けをした上で、彼の目線を中心に
 ・ルビーで
  ・アイドルに強い憧れをもち、芸能界はキラキラした世界
  という従来のアイドルアニメ要素も残しつつ
  (この2人が二律背反的に描かれているのがホント上手い!)
  また定番的なタレント達の人間ドラマを描きながらも
 ・ここに監督やプロデューサー、ADなど制作陣側の視点なども加えていく
  (これを善や悪というバイアスをかけることなく、それぞれの立場からの
   道理として客観的に描いているのもナイス!) 
 ・更に「ネット炎上」という社会問題をぶっ込み、一般人まで巻き込む
 多角的に芸能界を描いているストーリー展開がホント秀逸です。
 これを(2クールと引っ張らず)11話の1クール作品として濃密に描き、最後
 はアニメ演出が最も映える「アイドルライブ」~「2期のプロローグの引き」
 で完璧に締めるという・・・{/netabare}

・キャラをポイ捨てせず有効活用も上手い
 {netabare}新展開を創るために
 ・新キャラを出してポイ捨て→で、また新展開のために新キャラ登場
 という作品も多いですが、本作はキャラをポイ捨てせずしっかり有効活用
 しているのがニクイですね、
 ・その象徴的なキャラが”有馬かな”ですが
  ・子役として典型的な「天狗になったキャラ」として描かれるも
  ・高校生になり、今度は「挫折を知った『元天才子役』」として再登場
  ・更にまさかのルビーのアイドルユニットに参加
   以降芸能界のよき先輩やアクアのヒロイン候補としてレギュラー入り
 ・また「恋愛リアリティショー編」で共演した2人も
  ・MEMちょ →実は昔アイドル志望で、ルビーのアイドルユニットに参加
  ・黒川あかね →2期の「2.5次元舞台編」で再びアクアと共演決定
          (しかも有馬かなとは子役時代からの因縁つきw)
  いや~、早速使い倒してますねえw
 それに監督やプロデューサーなども長い付き合いになりそうで
 「狭い芸能界=人脈(人の縁)がモノを言う世界」
 というのを体現している部分もあるように感じましたね。
 「使えるキャラをしっかり育てて次に繋いでいく」
 そういうことがきちんと出来ている作品かなっと。{/netabare}
 
芸能界の表と裏を多角的に描く、「新しい芸能界エンタメショー」を展開しつ
つも、アイドル要素はガッツリやり、ライブシーン(劇中歌・振り付け・ファ
ンとの一体感)といったアニメ映え等との親和性やバズりを狙った
「最初からメディアミックス化を意識した計算された構成」
だったのかな、というのは強く感じましたね。
(タレントの人間ドラマなんか実写映えもしそうですし)
もしそうなら、まさに狙い通りなんだろうし。
本作の難点を挙げると、最初に
{netabare}「黒幕を捜して復讐劇」
というミステリーをぶち上げたものの、それがほとんど進まないところですが、
これは長期連載を意識した大人の事情的な部分もありますからねえ。
(これがサクサク進むと連載終っちゃうんでw){/netabare}
さすが「覇権アニメ候補」と前評判が高かっただけのことがある、満足度の高
い作品だったと思います。

OP「アイドル/YOASOBI」
・今更いうまでもなく世界を獲っちゃったし、その功績で「日米首脳会談」に
 も招待されたしねw
ED「メフィスト/女王蜂」
・女王蜂の曲は独自性が強く個人的には苦手なんですが、今回もいい意味でブ
 レていないのかなっと。今回は飛ばさず聴いてましたね(笑)

最後に刺激を下さったフリークスさん、アザ━━━(*゚∀゚*)ゞ━━━ス!!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 30
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「それでも光はあるから」

赤坂アカ氏・原作の連載コミックは未読。

【物語 4.5点】
題材は芸能界の裏側。

初回から90分SPでインパクトを残す。
あとは数話完結エピソードで適度にヤマを作って勢いを持続させる。
最近のバズる1クールアニメの構成として理想的。

その中でアイドルの虚実。
演技力だけで決まらない役者のキャスティング。
リアリティショーを巡るネット、SNS上のエゴサ、炎上。

多くの人が芸能界に対して薄々感じている、こじれた部分を、
踏み込んで言語化して、よく映像化してくれたと共感を得ていく内容。

7話の{netabare} ネットリンチ{/netabare} はここまでエグッて来るのかと戦慄しましたし、
3話にて語られた、良い原作を良い映像作品にしたいという純心だけでは通らないドラマ事情。
それでも現場スタッフはより良い物を作ろうと奮闘してはいるという描写。
私も、今後アニメ化で好きな原作を台無しにされた時も、少しは優しい気持ちで受け止められそう?ですw


主人公少年・愛久愛海(アクアマリン)は{netabare} 母であり推しであるアイ{/netabare} をあんな目に遭わせた芸能界の連中への復讐に燃える闇サイド担当。
妹・瑠美衣(ルビー)は母も輝いたアイドルに憧れを抱く光サイド担当。

両サイドを行き来したり、交錯させたりすることで、
闇は深いけど、人を惹き付けてやまない夢の芸能界を演出。

またアクアの復讐闇堕ちルートを思い留まらせるルビーのアイドル光ルートという構図も、
葛藤の軸として確立されており、制作決定している2期以降も安定して期待できます。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・動画工房

きらびやかなステージのスポットライトにトップアイドルの瞳の煌き。
芸能界のキラキラを表現する極彩色のカラーが強烈。
裏に潜む嘘の存在を否応なしに意識させられる、“価値ある不快感”を提供。

反面、芸能界の本音やトラウマを描く時は、しっかりと色数を落とす。
地味にアクアが業界の裏情報を探るため鏑木と会談するモノクロに近い映像も印象的。
灰色の店内で裏話を交わす2人の男。そして、闇に浮かぶ{netabare} 4万円の寿司w{/netabare}

カラースクリプトも数多く担当した助監督の猫富 ちゃお氏。
要チェック人物としてマイリストに登録されました。


動画工房の主力・谷口 淳一郎氏ら“作画育成監督”を複数人擁する陣容も特徴的。
この作画育成監督、近年ではCloverWorksの岡 勇一氏も務めるポジション。(※)

過酷な労働環境などを背景にした、技術継承不足が呼ぶ、さらなる人材不足という地盤沈下の悪循環。
アニメ業界も、芸能界と同じく、色々と闇を抱えているようですが。

作中でルビーたちが{netabare} 新生B小町{/netabare} により芸能界に光をもたらすのかと予感させるのと同様に、
日本のアニメ業界も、社内育成体制の整備と内製回帰による基盤強化で、将来に光明を見出していこうという意志を感じます。


【キャラ 4.5点】
“10秒で泣ける天才子役”有馬かな。
子役の旬が過ぎて見向きもされなくなった高校時代にアクアらと再会。
CV.潘 めぐみさんの濁声で、骨身に染みた芸能界の現実を語る解説役としても重宝する。
{netabare} 新生B小町のセンター{/netabare} も決まってましたね♪

また、必要なのは有馬かなという元・子役の名前だけ、良い演技より波風を立てないことを求められる現場で放った、
ドラマ業界騒然の会心の演技。
{netabare} 「それでも光はあるから」{/netabare}
矛盾だらけの芸能界をも照らすメタファーとして私の心にも深く刺さりました。

今後も有馬かなは{netabare} アクアを巡る黒川あかねとの三角関係?{/netabare}
など恋愛面でも活躍が期待できそうです。


人気“高校生ユーチューバー”MEMちょ。{netabare} 新生B小町メンバー。{/netabare}
メディア横断的にバズる導線を引くネット工作能力が貴重。
衝撃の{netabare} 実年齢25歳、7歳サバ読みの{/netabare} カミングアウト。
芸能界の過剰な早熟性欲求へ一石を投じる意味でも有用なキャラです。


【声優 4.0点】
主人公アクア役の大塚 剛央さんは近年ブレイクし始めている若手声優。
ルビー役の伊駒 ゆりえさんに至ってはメインキャストは初の新人。
大塚さんは闇堕ちを危惧させる怪演などで片鱗を見せていますが、
伊駒さんは演じるキャラ同様、芸能界の闇に放り込むのが憚られるピュアさを感じます。

1期目は正直、有馬かな等、強烈なキャラ勢に埋まってる感もあったメインお二人。
シリーズを重ねる中でどう染まるか、化けるのか。
伸び代にかけた意図を感じる新人、若手起用だと思います。


カリスマアイドル・アイ役の高橋 李依さんが、初回の衝撃の掴みを支える。
天才若手女優・黒川 あかね役の石見 舞菜香さんが、8話の起死回生の演技を押さえる。
要所を締める声優の役者魂も光りました。

発声方法が謎なのが“覆面筋トレ系ユーチューバー”で苺プロの稼ぎ頭・ぴえヨン役の村田 太志さんのアヒル声w


【音楽 4.0点】
伝説のグループ・B小町の楽曲群は、やや昔のアイドルリバイバル感を醸した構成。
自己紹介&ヲタ芸煽り曲「サインはB」の作詞・作曲が大石 昌良さんというのがツボにハマります。
『~GRIDMAN』の主題歌同様、大石さんは懐古な心をくすぐるのがお上手です。


OP主題歌はYOASOBI「アイドル」
Ayase氏が原作漫画が好き過ぎて、インスパイアされた楽曲を複数作曲していた所、
タイアップの話が舞い込んで、その中の一曲が世に出た形。
歌詞世界は原作者が書き下ろした短編小説「45510」を元に展開。

「45510」は現在ヤングジャンプHPで期間限定公開されていますが、
私はアイのメガジャケ目当てでポチった「アイドル」CD版の付録で読みました。

2番を聴いて感じていた、1期では描写されなかった{netabare} アイのグループ内人間関係{/netabare} が、
真相に深く関わっているのだと再確認しました。

かわいいを表現しようと挑発的に語尾を上げるikuraさんのボーカル。
キャッチーな音をクドいくらい重ねるアレンジ。
良い意味で耳に障る構成で、アイドルと嘘というテーマを体現した力作。
AMVもYouTube2億回再生も納得の出来栄えです。


ED主題歌は女王蜂「メフィスト」
こちらはアヴちゃんが長年構想していた、人の願いを叶えるためにどこまでやっていくか?
という楽曲テーマが、作品と出会うことで結実し、日の目を見た形。
「メフィスト」はゲーテ『ファウスト』で登場する悪魔。
本曲では願いの悪魔の意が込められたとのこと。

毎回引きを強くするイントロが優秀なEDでもあります。
引きでは、時に囁くようなモノローグだったり、息を飲むカットだったりしますが、
音響が小さな音量のセリフ素材をイントロに負けないよう調整し、印象的な幕引きを演出したとのこと。
楽曲のパワーだけでなく、細かい音響の仕事も作品を支えていました。

尚、EDにも実写MVがありますが、こちらは視聴するのに相当な覚悟が要ります。


【参考文献】※CloverWorks公式ホームページ「STAFF INTERVIEW 岡勇一 クリエイティブ事業部 演出・作画ルーム 作画育成監督 培ってきた技術をすべて後輩に継承していきたい」




【第1話(90分拡大版)先行上映感想】嘘つきはアイドルの始まり

長いので折りたたみ。
{netabare}
アイドルは嘘で人々に夢を与える偶像。
嘘こそアイドルの本質。
こんな捻くれた考えを持った私。

本作の「この芸能界において嘘は武器だ」とのキャッチコピー。
主人公のアイドル・星野アイの“しいたけ目”を越えた“キラ星目”。
嘘臭すぎてかえって惹き付けられる極彩色の強烈なビジュアル。
これはさぞ濃密な芸能界の嘘を暴き出してくれるに違いないと、注目していた期待作。

加えて展開が衝撃的との評判は耳にしていたので、
まずは是非とも映画館で気持ち良く驚いてみようと、
今回の鑑賞まで情報シャットアウトして挑みました。

結果、本当に驚きましたし、取り扱う嘘は胃もたれして吐き気を催すくらい濃厚でした。
基本設定に{netabare} 推しの子供として転生した双子{/netabare} というトンデモがありますが、白けることはなく。
むしろ芸能界を徹底的に相対化できるポジションに視点を置く。
口の固い大人が油断して本音をこぼしてしまうキャラクターを活かす。
芸能界の嘘と現実にまつわるテーマの深掘りも怖いほど快調で引きずりこまれます。

例えば、ネット上で、あの娘の笑顔は作り物っぽくて嫌いとのアイドルアンチを見かけます。
あれも本作にかかれば、作り物も何も、芸能界の笑顔は全て人工物。
結局、人々は各々が、どの嘘が綺麗でしっくりくるか否かで、あれは本物じゃないだの叩いているに過ぎない。

さらには夢を壊されたと荒れるアイドル恋愛問題。
俳優の実力より事務所のパワーバランスによって決まる出番の尺の長さ。
真偽そっちのけで他人の不幸すらコンテンツとして消費する下衆な大衆。
嘘に踊らされる世間の風刺は多岐に渡り、シナリオ展開との合せ技で打ちのめされます。

初回90分で、まだ物語のプロローグに当たる第一章にしてこの密度。
序盤力は近年でも屈指だと感心しました。


アニメーション制作は動画工房。
手描き重視のアイドルライブシーン等で、世間が待望する綺麗な嘘を好表現。
目力の強弱が激しいキャラ素材を活用した心情描写も気合が入っていました。

主人公・星野 アイ役の高橋 李依さん。
作中アイドルソングも歌い、ミリ単位で供給する笑顔を微調整する狂気をフォローし、
嘘が本当になる未来や愛を求めて嘘を重ねる業も表現する。
持てる引き出しを全て開け放ったような見事な演技でした。

今回のラストではOP主題歌のYOASOBI「アイドル」も公開。
楽曲のために原作者が書き下ろしたという小説を元ネタに、
アイドルグループの本音を、韻を踏んでえぐってくる攻めてるアニソンでした。
OPの先攻を受け、後攻の女王蜂がED「メフィスト」でどう応えるのか。今から戦々恐々ですw


嘘を追求した先にあるのは真実か?代償か?
人は愛を取り戻せるのか?

初回から刺し違える覚悟で挑みたい。
2023年・春アニメ、台風の目です。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 49

79.1 4 復讐で学園なアニメランキング4位
魔王学院の不適合者(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (652)
2625人が棚に入れました
二千年の時を経て蘇った暴虐の魔王――だが、魔王候補を育てる学院の適性――《不適合》!?人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王「アノス・ヴォルディゴード」。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。魔王の生まれ変わりと目される者を集め教育する“魔王学院"に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。さらには、伝説の魔王は自分とはまったくの別人という事になっていた。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が、魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!「摂理だろうと運命だろうと、奇跡だろうと、俺の眼前ではただひれ伏し消えるのみだ。」

声優・キャラクター
鈴木達央、楠木ともり、夏吉ゆうこ、松本忍、豊崎愛生、小清水亜美
ネタバレ

すがさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

馬鹿なッ!?暴虐のなろうが覇権を取るなど聞いたことがないぞッ!!

この夏期に私が最も生きがいとしてきたアニメ。

『魔法科高校の劣等生』のパクリみたいなタイトルと、それを誤魔化すかのように取り付けられた無粋すぎる副題。
最早ksアニメ臭しかしなかったのだが、蓋を開けてみれば、なかなかどうして、良作ではないか。
清々しいほどに万能なアノスを〈視〉ていると、30分など瞬く間に終わってしまった。

{netabare}そして、この作品の特徴として印象的なのが〈根源〉の概念だ。
“生命”とは異なる、その生物が持つ“魂”みたいなもので、これが滅ぼされない限りは、“命”を落としたとしても〈蘇生〉や〈転生〉をすることができる。

強すぎる治癒・回復能力は、作品の様々なバランスを壊しかねないため、本来は適度に自粛していくべきものである。
しかしこの作品、めっちゃ回復する。切り離された腕が瞬時に再生する。ドラ○ンボールすら集めずにヒトが生き返る。

アノスが敵を容易く葬り、流れるように〈蘇生(インガル)〉の魔法で蘇らせ、「さて」と会話を始める。お馴染みのシーンのファンは、私やファンユニオン以外にも大勢いたことだろう。

こんなにも好き放題やっておいて、なおも楽しいバトルものの作品を成立させている、高い技量を持った作者、そして、今回のアニメ化に関わった全ての人間に告ごう。

{netabare}「大義であった。」

{netabare}【余談】
{netabare}1話終了段階で続きが気になりすぎて、遂に「小説家になろう」に登録してしまった。
誤解がないように言っておくと、私個人としては、「なろう」というサイトにも、「なろう」原作のアニメにも、殆ど偏見は持っていない。

{netabare}結果論だが、アニメの内容を原作小説で先取りして読み進めることは、アニメをより楽しむための手段として意外にも有力な方法らしい。
原作者の文章は、動画や音声のみでは読解しきれない行間を、物理的に埋めてくれた。あとネタバレの対策にもなる。

それと、これ読んでて気づいたこと。
{netabare}『とある』とか、この手の作品に出てくる「変な語尾のキャラ」いるじゃろ?
これまで、この方法で簡易に行われている“キャラ付け”を見ても、「スベっていますことよ」「声優さん役作り大変そうだじぇ」としか思わなかったんだゾ。
いえ、その認識自体は今でも変わっていないのだけれど。
これ、根本的には「文章(小説)で誰が喋ってるか分かりやすくするための“キャラ付け”」だったアルね。活字とか全然読まないから今さら気づいたんだにゅ。

{netabare}ちなみにアニメの範囲は原作の3章まで。私は5章まで読み終えたところだが、面白さはさすがに3章がピークか。
正直なところ、2期はやらない方がよさそう……笑{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22
ネタバレ

sukasuka さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最強魔王の名言集

最後まで見てから感想書こうと思っていたが、11話目があまりにアレだったので
我慢できなくなったわ(笑)
{netabare}「負けられません・・・・・こんな馬鹿げた歌になど!!!」 「うっうー♪」
久しぶりに画面の前で笑いが堪えきれなくなったwww
今期はデカダンスのBDを買うつもりだったが、何だか雲行きが怪しくなってきたので、
とりあえずこっちを買い揃える予定。
要所の台詞がいちいち名言になる主人公というのも格好いい。
声優さん(鈴木達央)の声もハマり過ぎ。
作画も平均以上は楽々クリア、というかよく動いてる。
ただ、OPとEDの曲に全く魅力がないというのは実に残念なわけで・・・。
どうせなら電波ソングにすればよかったのに。{/netabare}

■最終回まで観て
タイトルに「魔王」がつくアニメにハズレは少ない・・・なんてのをどこかで見たが、
俺の中ではまさに好感度の高い作品だった。
{netabare}繰り返すがOP曲とED曲以外はね。
さて、2期はありそうなのかなとネットで検索してみると、某アフィサイトに行き着く。
そこの元業界人(笑)によればほぼ無理なんだそうな。
制作のSILVER LINKは今年大当たり連発で続編予定が並び、とてもじゃないが
中途半端な作品に割くリソースはない。
円盤や配信など商業的な売り上げも、俺の予想だと負け組確定かな。
まぁ俺はBD買うけどねwww
唯一の望みは、KADOKAWA(電撃文庫)がなぜかこれをプッシュしているらしい。
書籍の販促と割り切って2期となれば御の字だが、その場合は制作スタジオが
変更になる可能性も大。
つーことで、俺の脳内では2期は無いorやらない方が無難という結論に至ったわ(笑){/netabare}

■続報
俺様予想を大きく裏切りまさかの2期決定、しかも分割2クール!
やっぱり電撃文庫のプッシュが効いてるのか?
それとも俺のような中年ファンユニオンが円盤を買い支えたからか?
まぁ何にしろ楽しみが増えて喜ばしいわ(笑)
アニプレックスYouTubeチャンネルにPVが出ているので観てみよう。
https://youtu.be/UeiFLMdQOWc

■更に続報
2023年1月放映開始だそうだ。
https://youtu.be/3SF4ZEWYXtw
なんでゴブリン倒しそうな声になっちゃったのwwwwwwwwww

投稿 : 2024/12/28
♥ : 15

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

魔王の役割

最初は中二病っぽさが引っかかったけど、気づけばカッコいいって思っていて、とても面白かったです!

主人公は桁違いの力を見せつける場面と、力ではなく絡め手で倒そうと迫る敵に苦戦する場面とのバランスが良く、適度な緊張感があって面白い
キャラクターも魅力的でクオリティも高く、いいアニメでした

主人公は自信過剰、自意識過剰でちょっとイタイ発言や行動が魔王学院にいる時には多かったけど、その自信は決して過剰じゃなくてむしろ謙虚すぎるのではないかってだんだん思うようになりました
主人公は罵倒されても、差別されても怒ることはないし、動揺することもない
でも、自分の大事なものを傷つけられることは絶対に許さない
傷つける者には死ぬよりも恐ろしい絶望を与える
この作品は可愛いヒロインよりも、主人公の圧倒的なカリスマ性によって支えられているとおもいました

魔王様は世界を滅ぼす?世界を救う?
小さい小さい。そんな些細なことにこだわる小さな器じゃないのです!!
魔王はただ、己の野望のために進むだけ
誰も及びもしない崇高にして唯一無二の野望のために!

始祖の魔王様は偉大でした

投稿 : 2024/12/28
♥ : 44

76.8 5 復讐で学園なアニメランキング5位
K(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1510)
8636人が棚に入れました
葦中学園高校の屋上で、シロこと伊佐那社は1匹の仔猫と共に昼食をとっていた。昼食後、クラスメイトのククリから学園祭の買い出しを頼まれたシロは街へと向かうが…!?
現実とは異なった歴史を歩んだ現代日本が舞台。7人の「王」それぞれの確執と、巻き込まれる少年の運命を、異能者バトルと共に描く。


声優・キャラクター
浪川大輔、杉田智和、小松未可子、津田健次郎、小野大輔、宮野真守、沢城みゆき、堀江由衣、櫻井孝宏、福山潤、中村悠一、佐藤聡美、梶裕貴、柿原徹也、飯塚昭三
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

<最終話まで視聴完了> いろいろともったいなかった

登場人物、いわゆるイケメンだらけで女性少なめ。
声優陣は素晴らしく豪華。作画も細かくて綺麗。
街を行き交う人々の描写も、実写映像観てるようなリアル感。
だけど・・・
スピード感溢れるアクションシーンもそこそこ見応えはありながら
結局最後まで、物足りなさと説明不足を感じてしまってた。
自分の理解力が足りなかったんだろうか・・と公式サイトを確認したら、
「現実とは微妙に異なった歴史を歩んだ現代日本を舞台に」って書いてあった。
でも、1940年代の第二次世界大戦はチラッと出てきたよね。
っていうか、そこ・・けっこう大事だったんじゃなかったか。

キャラデザや作画、声だけでは引っ張れないものだなぁとつくづく思った。
どんなジャンルにおいても、物語の内容が肝心。
それに何より、いくらどれだけ脇役陣がカッコよかったとしても
主人公にある一定以上の魅力がないとね。
もしかしてその魅力を表現するシーンとして、ところどころコミカルな部分が
描かれていたようだけど、逆効果だったようにも感じずにはいられない。

何がしたいのかとか、人物関係は把握できたものの、
腑に落ちない部分がたくさんあって、なんとももったいない。
登場人物が多すぎたのかもしれないし、話があっちこっち飛びすぎて
元ネタは奥深そうで興味沸くのに、とても満足はできなかった。

男同士の愛憎に関しても、なんだか観てるとじれったいというか中途半端。
モヤがかかってスッキリしないし、そこはもう少しストレートに
表現しちゃったほうが納得もできた気がする。

とにかく、観る人の好き嫌いはハッキリ分かれそう。
なんと続編制作決定、とあったので、そちらのほうに期待すべきなのか。

音楽や声、キャラの顔つきなど、けっこう好みだったので
☆評価は高めになってしまったけれど
続編は物語をもう少し固めてくれるといいなぁ・・
---------------------------------------
<8話の感想>

山盛りあんこ、やたらアピールされることが、解せぬ(笑)
なぜかヘリだけすごいリアルなCGで笑ってしまった。
納得できる終わり方になるのか、ちぃっと不安。
---------------------------------------
<7話の感想>

んん?ついにか?って思ったら終わっちゃった(笑)
次回以降に期待。
---------------------------------------
<6話までの感想>

事件のいきさつがようやくわかってきたものの、
まだ不透明なところが多い。そう、不透明さと透明、無色。
無色であるシロはいったい何者なのか?猫は何者なのか?
黒幕がまだ登場していないのだろうね。
--------------------------------------
<4話の感想>

断片的にはクスっと笑えるけれど、なかなか本題にいかないし
いかないとしても、もう少し練られた伏線を投入して欲しい。
でないと惹き込まれないし、ダレてしまうよ。
アクションシーンとか、いい台詞とか見応えを感じるシーンがほとんどなく
いろいろとすでにミスリードされてるだけで、本当はきっと
すごく単純な話なのかもしれない・・と思えてきた。
この作品、最終回後に一気に観る方が良いかもしれないね。
-----------------------------------
<3話までの感想>

原作のないオリジナルアニメということで、
毎週ごとに謎をかけられていくような気がしてきた。
反響ばかりを期待して内容が疎かにならないといいなぁ・・

部屋にある武士言葉を話す掃除機とか、食事シーンや
あっちこっちでの会話にコミカルな部分を配置してるだけでなく
今回、やや京都弁の草薙(櫻井孝宏)がマスターを勤める店で
スケボーくんの八田(福山潤)と太っちょ白パーカーサングラス男
釜本(中村悠一)が取っ組み合いの喧嘩をしてマスターに叱られるシーンが笑えた。
だってまんま『しろくまカフェ』のマスター(櫻井)とパンダ(福山)と
グリズリーベア(中村)だったから。
それに、最近は高校生や草食系青年役が多かった中村さんが久々に
ワイルドメンズな声(熊以外で)を出してくれているのが嬉しい。

で、今回は前回以上に {netabare} BLっぽいノリが随所に見て取れたので {/netabare}
やはり多くの人が感じたらしい第一印象は当たっていたのかも。
深夜枠とはいえTV放送なので、露骨な描写はないと思うけれど
今の段階で『咎狗の血』くらいな雰囲気はあるからねぇ。
個人的には全然OKなので、何でもどんどんやってくれと
楽しみにしているのだけど、軸はしっかり描いて欲しいなぁ。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 66

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

わーかりたい、わーからない、わーからーずーやー♪

各色の王様やその仲間達の異能バトルなお話ヽ(*´∪`*)ノ"

第一王権者 白銀の王  
第二王権者 黄金の王
第三王権者 赤の王  
第四王権者 青の王   
第七王権者 無色の王

アニメではこの5人の王様がでてきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★(?)★メインの3人。
主人公シロ、
ヒロインのネコ
行動を共にして行く事になるクロ。
観てて癒されるバランスの良いチームって感じです♪

★赤★
個人的に思ったのは赤の王 周防尊(すおうみこと)が 率いる組織「吠舞羅」。
暖かくて、仲間思いで、笑いがたくさんの
すごく素敵なメンバーだと思いました☆
尊って見た目ちょっと怖いし、もの静かで話し方もだるそうな話し方
なんだけど、すごくいい人柄って感じで、心優しいから
ついていく仲間がたくさんいるんだろうなって思いましたヽ(´∀`*)ノ
あと、11歳の少女のアンナが可愛い♡
アンナに対する尊のさりげない優しさが好きです〜!

★青★
青の王でセプター4室長 宗像礼司(むなかたれいじ)。
公的機関である対能力者治安組織でまぁ、警察的な感じですかね。
一時は「吠舞羅」にいた伏見がセプター4へ。なかなか好きなキャラです。
セプター4になぜ行ってしまったのか・・「吠舞羅」の八田が絡んでます。
伏見と八田とはーーーーー。

印象に残る、赤と青について少々書いてみました。

ちなみに私的お気に入りキャラはクロと伏見ですね・・ですが・・
・・・うーん・・いいキャラいすぎて迷いますっw


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そしてもちろん忘れちゃいけないのが主人公シロの存在♪
シロの性格とても好きです。
どことなく可愛い少年ですが、終盤〜最終回はとてもかっこよかったですヾ(●´□`●)ノ

白銀の王とはいったい誰なのか?
黄金の王とはなにものなのか?
そして無色の王とはーーーー?

謎がたくさんのこのお話。
ぜひ観て欲しい作品(オススメ)の1つです。

とてもおもしろい作品で私は満足です★
泣くまではいかなかったけどジーンとしたシーンや特にシロが放つ台詞に
涙でそうになりました( -ω-。)

OP曲「KINGS」が大好きです♪テンション上がる!
ED曲「冷たい部屋、一人」は、OPとは対照的でゆったりしてて、こっちも結構好き♪
OPのサビの部分で背景月にクロの姿が一瞬映るんですが
とーってもかっこよくて何回もリピートしましたっw
EDのネコはもう美しい♡その一言ですヽ(@´з`@)ノ


映画観てないので観たいです!
あとは秋からの2期楽しみです〜♡

読んでくださりありがとうございました人´Д`*)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 45
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

映像めっちゃ綺麗!

オリジナルアニメ

全13話

2話までの感想

主人公の伊佐那 社(いさな やしろ) 声 - 浪川大輔
白髪で、「NO,6」の主人公を連想しました。^^
{netabare}
1話は、キャラがいっぱい出てきて、何が何やら訳分からんかった。
キャラデザは、みんな美男美女で、綺麗です。
背景も、青を基調にした色使いで、とても綺麗。

2話では、命を狙う 夜刀神 狗朗(やとがみ くろう)と、狙われる主人公 社との追いかけっこばかりだったので、理解不能な所がなくて面白かったです。
白い猫が、綺麗でスタイル良い人間の女の子に変身してたけど、これはポイント高い。
最後は、命を狙う者、狙われる者同士が、主人公の部屋でご飯食べるのには、「んなバカな!」でした。
あと、美男子のとくろうの顔に落書きされてて、笑った^^目をつむると、まぶたにも落書きされてて、また吹いた!
{/netabare}

2話でちょと回復した感じで、この後の展開が気になりました。
このまま楽しめる作品である事を願いつつ、視聴していきたいです。^^
-----------------------------------------------
最終話まで見た感想
{netabare}
う~ん
何だかよう分からん作品だった。

キャラがいっぱい出てるので、一人一人が薄い。

イケメンばかりで、BL要素もちょっとあり・・・ε- (´ー`*)
イケメンキャラが、皆ナルシストに見えたのは自分だけかな?(^^;

各色の王には、インチキ臭い能力があって、強すぎ。

青の制服着た連中が、イチイチ名前を言って「〇〇抜刀」って言うのには吹いた。
(≧◇≦)ぶは!

結局、
何が見せたかったのか?
何が言いたかったのか?
何処を楽しめばいいのか?

私には魅力に欠ける作品でした。

唯一、ヒロインのネコが可愛かった。くらいかな?!(*^ー゜)b!

OP:「KINGS」 / 歌 - angela
この曲が良くて、好きでした。

CM見てたら、2期製作決定 らしいが、人気あるのだろうか・・・?
ちょっと疑問。
まぁ、やれば1期見たから続けて見ますけど。。。(*⌒∇⌒*)テヘ♪
{/netabare}
イケメンアニメが好きな方にはオススメかな~?(^^;

投稿 : 2024/12/28
♥ : 40

75.4 6 復讐で学園なアニメランキング6位
賭ケグルイ××(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (440)
2155人が棚に入れました
良家の子女が集う名門、私立百花王学園。ギャンブルで支配されたこの学園の頂点に君臨するのは、弱者の人生を支配し、政財界にすら影響力を持つ絶対的な支配者、生徒会だった。しかし、生徒会長の桃喰綺羅莉は突然、生徒会の解散・総選挙を宣言する。選挙のルールは一人一票。全生徒に学園の頂点を目指すチャンスが与えられる。カオスと悦楽を求める綺羅莉の思惑による選挙戦。さらに、その機に乗じ、新たな脅威が訪れる。百喰一族――綺羅莉と夢子に連なる者たちが。蛇喰夢子と友情を深めてきた鈴井涼太、早乙女芽亜里、皇 伊月の4名は、この仕組まれた総選挙の中、自らの信念をかけた闘いを迫られる。弱肉強食の学園で「餌」となるか、他を喰らい生態系の「長」となるか。ギリギリの選択が心を揺さぶる「究極の選挙バトルロイヤル」がいま始まる!

声優・キャラクター
早見沙織、田中美海、徳武竜也、若井友希、奈波果林、伊瀬茉莉也、芹澤優、杉田智和、鵜殿麻由、福原綾香、沢城みゆき、潘めぐみ、井上遥乃、竹達彩奈、内山夕実、大久保瑠美、高垣彩陽、北原沙弥香、斎賀みつき、細谷佳正、石田彰、朴璐美
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

賭けより顔芸優先アニメ

原作未読で1期は全話観てます。

お話のざっくり概要
ギャンブルが最優先される学校で
ギャンブル大好き娘の夢子がギャンブルしまくる顔芸アニメ …そんな感じ

んー、それ以外に説明のしようがないよ。詳しくは1期みればOKw
1話は見れました。
2話の録画最中にブレーカーが落ちまして…肝心な所が見れてません(泣)
まぁ気を取り直して視聴は続けるつもりです。

アニメ関係ないので畳みます。
{netabare}
真っ暗な中、スマホや懐中電灯も真っ暗すぎて探せず、
必至こいてブレーカーをあげるまでに15分ちょいかかり
肝心な所が全然取れて無かった! もう泣きそう!(すでに泣いてます)
{/netabare}

観れなかった部分の予測
{netabare}
夢子の指は大丈夫だろうけど、他の人の指がどうなったか気になる…
おそらく全員無事と予測。
けど余計なネタばれが怖くて検索もできず。。。
{/netabare}

絵は相変わらず顔芸が凄いっす。なんかエ□いし。
早見さんの演技ははっちゃけてて好きですw
2期になって一気に登場キャラ増えちゃって名前覚えれませんw
朴璐美さんのキャラがなんかジョーカーになりそうな雰囲気
あくまで予想なので外れても知りませぬ。

録画失敗は辛いっす。皆さんも冬場のブレーカーには気を付けましょう!

2019.04.06 視聴完了
{netabare}
ジョーカー予想あたったw 予想打率1割ぐらいの大ファールバッターのおいらとしては珍しいw
{/netabare}

見終わってなんか、1期とコンセプトが全然違うんだなぁーと。
あ、顔芸とはやみんの怪演はそのままなんですけど、
2期は賭け事してない感じでした。

特にそう思ったのは次の部分です。
{netabare}
五十嵐さん戦です。
イミフな塔と、回ってたらかかる過重でわかるだろとか
あの高さからあの落ち方したら、マットあっても無傷は無理だろ とかそういうツッコミはおいといて
命だけでなくすべてを賭けて戦うという下りで始まって…なんであの結末なの??

んーと、、、なんというかですね、
それをやられちゃうと命を賭けるとか、自分の全てを賭けるとかの言葉が
超ぺらっぺらになっちゃうので、以降の話が冷めた目で見てしまうん。

いうなれば、カイジで例えると
鉄骨渡りで、すぐ下にはマットが敷いてあって
電流もちょっとピリっとするぐらいですよー とか
耳につけるドリルも音だけですー とか
焼き土下座も42℃までしか上がらない、あったかホットプレートですー とか
そういう事でしょう?(そんなカイジでもまぁギャグとして見れると思うけどw)

まぁ賭けグルイに気持ちが離れたのは確かです。
ジョーカーである×喰さん戦も冷めた目で見てました。結末もお察し。
{/netabare}
ちゃんと賭けをやってくれれば面白かったのになぁ…と残念な感じです。
絵は綺麗だし、声優さんは凄いので見るのはオススメですよ!
たた、自分は冷めてしまったので合わない作品でした。。。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 30

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ギャンブル」そのものではなく「ギャンブル狂」を描く作品

1期目のレビューにも書いたのですが、ギャンブルそのものの駆け引きというよりは、ギャンブルに臨む人間の「人間性」みたいなものを描く作品なのだと思います。

1期目を視聴済みであると、「全てがギャンブルの結果で決まる」という私立百花王(ひゃっかおう)学園のシステムと、1期目から出ているメインキャラたちについて良く理解して視聴に臨めると思いますが、ストーリー自体は区切り良く始まっていて2期目からであってもそれなりに話にはついて行けるようにはなっていると思います。

以下、1期目視聴済みの方向け:
結局原作は未読のままですが、このレビューを書いている時点で第3話まで観終わっています。

2期目では新たな要素として生徒会長である桃喰綺羅莉(ももばみ きらり)をトップに据えているという「百喰(ももばみ)一族」なる新キャラたちが登場します。同じく名前に「○喰(ばみ)」の字を持つ主人公蛇喰夢子(じゃばみ ゆめこ)との関係も含めて、ギャンブルによって決められるという「生徒会長選挙」の行方が主なトピックといえるでしょう。

百喰一族にかかると1期目である程度強敵と目されていた生徒会執行部のメンバーの強さも霞んでくるわけなのですが、そんな中でも1期目同様かそれ以上に発揮される夢子の異常性に注目です。

それと、どうやら1期目では空気になりかけていた鈴井くんにも何らかの活躍の場面がありそうなので期待しています。

2019.4.1追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。×喰零(ばつばみ れい)と蛇喰夢子の関係が視聴者に明かされるお話でしたが、『~××』で開始された生徒会選挙は終わりませんでした。

これ、続編が作られたりするんでしょうかね?
ところで敗者が敗者なりに、思ったより幸せそうにしているのが印象的でした。(幸せを感じること自体は理解できる状況ではありましたが。)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 44

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

個人的に今期No1作品でした!!!。

アニメ1期視聴済。原作ほぼ未読です。

>1話まで視聴して
実は初見時、なぜか思わず切りかけてしまったのですが
仕切り直しでの視聴時には、その安定感に安堵させられました^^。
相変わらずの瞳の虹彩美に惹きこまれてしまいます!。

---------------------------------------------
>2話まで視聴して
とにかく映像表現が素晴らしいですね!。
特にOP・EDは、1期に引き続き、曲調と映像美が見事にマッチしてる^^。
劇中の表情変化と声優さん方の”のめり込み演技”も素晴らしい!!!!!!!。

1話・2話での時間構成もよかった。

1話冒頭で切りかけてしまっていた自分は・・愚かでした><。
現時点で、個人的今期No.1作品です!。
幸い、自分は原作はほとんど読んでないので、改変具合や整合性がどうかなど
まったく知らないので、アニメそのままを受け入れられてますね。
(原作との違いも少し気になりますが、まずはアニメで楽しませてもらうつもりです)。

★の評価、上方修正しました。


---------------------------------------------
>12話まで視聴して
個人的に今期No1作品でした!!!(ぶっちぎりで!!)。
・・世間的には評価あまり高くないのかな?(よくわからないですが)。

とにかくOPからEDまでの構成が素晴らしい!!!。
音楽での昂揚感+美麗な映像且つ華麗な動き+表情+声優さんの狂った演技(褒め言葉)。

ギャンブルの内容や整合性みたいなものは
とりあえず当事者同士が納得していれば
視聴する自分にとってはあまり気になりませんでした。

ストーリーにおいては、抑揚が素晴らしい!!。
OPでぐっと惹きこまれ、序盤から惜しみなく山場があり
でもその後に若干谷間があって、ココロが離れかけるのですが
後でちゃんとさらに大きな山場でひっくり返される!。
時にはそれがED入りの時だったり
最終話においては11話+12話での構成が自分にとっては大満足でした!。

キャラにおいては
まず終盤の夢子のあの表情が最高すぎました!!。
もはや顔芸の域を飛び越えて、1周まわって究極の感情表現でしたね。
ヒロインをここまで表情変化つけさせた作品って、他に思いつきません。
だからこそ、逆の感情になった時の表情の魅力や
皮膚の柔らかさ、温度感のようなものまで感じさせてくれる圧巻の表現力だったと思います。

あと、1期では全く気にとめてなかったキャラ、黄泉月るなが
2期途中から自分の中でどんどん魅力UP↑していきました!。
声質的に井澤さんかな?って思って調べてみたら鵜殿さんという声優さんのようですね。
素晴らしい声質と演技で魅了されました^^。


12話終わった時点でEND?・・なんですか?。
なんか普通に来週も放送されるくらいの感覚しか持てませんでしたが
もし終わってしまったんだとしたら、必ず3期作ってほしいです!!。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 24

70.9 7 復讐で学園なアニメランキング7位
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (285)
961人が棚に入れました
『モブからだって、成り上がってやる――。』 とある剣と魔法の“乙女ゲー”世界に転生した社会人・ リオン。そこは超女尊男卑な世界で、例外はゲーム内で攻略対象だった王太子率いるイケメン軍団のみ。 しかし、虐げられ絶望するリオンにはある一つの武器があった。それは前世で妹に無理矢理攻略させられていたこのゲームの「知識」。 モブとして田舎でのんびり過ごすことを目標にしていたリオンだったが、ゲームの知識を使い、やりたい放題の女たちとイケメン軍団に図らずも反旗を翻してしまうのだった――。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

変化球系「俺TUEEE」

通称「モブせか」。なろう異世界転生ものを茶化すかのような作風が魅力でしょうか。転生先の異世界は「SF的な設定を背景に持つ乙女ゲームの世界」であり、主人公はそんなゲーム世界で攻略対象キャラである貴公子のいずれでもないモブの男性キャラ、というなかなかにカオスな設定ですね。

「小説家になろう」投稿作品が原作で、GCノベルズ(マイクロマガジン社)から商業出版されており、コミカライズ版は「月刊ドラゴンエイジ」で連載中です。

私はなろう版既読、コミカライズは連載を読んでいます。GCノベルズ版は未読です。

主人公のリオンは政変や謀略に巻き込まれずその乙女ゲーム世界で平穏に人生をまっとうすることを目指しますが、どうやら自分とは別のイレギュラーキャラもその世界に紛れ込んでおり、ゲーム攻略情報を知っていていても思惑通りに事は進まないといった感じのストーリーになっています。

作中では貴族当主は男性のはずなのに、乙女ゲームの世界という設定のためか下級貴族の男子は良縁を得ることが難しいという状況もあり、そんな中でリオンがたびたび陥る危機をタイトルが示しています。

作中で平民は原作ゲームでの聖女となるはずのオリヴィア以外は出てこず、原作ゲームでの悪役令嬢アンジェリカ(アンジェ)とのダブルヒロイン的なストーリーになっています。。

「SF的な設定」を踏まえた搭乗型のロボット兵器や空中戦艦のような物が出てきて、戦闘シーンも豊富なのですが作画面ではそんなに良作画というわけではありません。

ただ逆に「何をやっているのかわからない」的な作画崩壊もない安定したアニメ作品とは言えると思います。

ストーリー自体は、私はわりと楽しめました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 19

九会 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界がモブを許さない

小説家になろう原作の作品
内容はざっくり言うと、人型の巨大ロボットや空飛ぶ戦艦が普及している乙女ゲー世界でモブ主人公が転生チートするお話です。これだけ聞くと典型的な無双ハーレムなろうにロポット要素付けただけかーと思われるかもしれないのですが、実際はコメディー寄りながらも人間ドラマがしっかり描かれている作品でした。

主人公はモブというよりはモブで居たい主人公。モブといえどもメタ的にはこの作品の主人公であるので、ついついヒロイン達とのフラグを回収してしまいます。
そんな彼は不殺主義で基本的に善人寄りですが、偉そうにふんぞり返ってるやつを見ると完膚なきまでに叩き潰して煽りたくなる性分があり、中々良い性格をしています。本当に清々しいぐらいに煽り散らかすので笑いながら見ていました。それだけだと気分が悪くなる方もいるかもしれないのですが、それを諫めるキャラクターやこの作品の本当の「モブ」からの反応からも主人公の行動が最適解ではない事が作中で示されていたり、あえて露悪的に振舞っている部分もあるので、ギャグとして上手いこと主人公のキャラを立たせる要素にしていたと思います。
Wヒロインも主人公のトロフィーではなく、周りと衝突したり、悩んだりするようなひとりの人間である事が伝わるような描き方で好感が持てるヒロイン達でした。典型的な無双ハーレムなろう作品が馬鹿にされがちなのはファーストフードのように要素要素を気楽に摂取できるあまりにヒロインに対してもそんな扱いにしてしまっているからだと考えているのですが、この作品はヒロインを主人公と対等な人間として意識して扱っているので良かったと思います。
欠点としては、お話自体は完成度の高い作品だと思いますが、作画はお世辞にもあまり良くない事。予算が少ないのか分かりやすくコピペしてる部分とかもあったかな?ただ極端な作画崩壊はなく、見れない程のアニメではありません。ロボット同士の戦闘は予算が少ないからと言って、クオリティーの低いCGで誤魔化したりしていなかったのは好感が持てました。
声優さんに関しては、乙女ゲー本来の攻略対象である王子達の声優さんが、実際に乙女ゲーに出演されているイケボ声優陣だったり、主人公をサポートするマシンキャラを演じる石田彰さんも主人公との漫才が面白かったので良い配役だったと思います。

お話自体は後半心を動かされるシーンもあったので、もう少し予算あればもっと評価されていたのかなと思う惜しい作品でした。原作に少し触れてみようかなと思ったり。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

モブだから自由奔放です

{netabare}そんなに厳しいかなあ。
私には優しく見えるんですけど。{/netabare}

乙女ゲームのモブキャラに転生した男の物語。
この話の最大の特徴は主人公がモブな所。
その上、ロボットアニメの風も呈する。
変化球をふんだんに使った楽しいアニメと評価します。

妹に押し付けられた乙女ゲームをクリア後、過労により死亡。
何故そこまでクリアにこだわる?
ちょっと意味が分からない。
ただ、この主人公のお人よし感は作中変わりません。

通常、乙女ゲームはヒロインが悪役令嬢に妨害されつつも、攻略対象にアタックする。
でも、この話は設定が混乱している模様。
{netabare}モブのリオンが正ヒロインであるオリヴィアと悪役令嬢アンジェリカとハーレム状態に。
それも、悪役気どりで。

それにしても、リオンの鬼畜三昧は爽快感しかありません。
それもこれも旧文明から得た変な球体ルクシオンと最強ロボットのおかげ。
ノリノリな無敵モードに突入です。
そして、攻略対象や海賊どもへの罵詈雑言は良い意味で目を覆うばかり。

転生した世界でのモブキャラが何故こんな状態に?
それはあの妹の自分勝手な正ヒロイン奪取願望がすべての原因。
まあ、最初から妹のマリエへの転生はバレバレでしたけどね。
だって、あやねる声が特徴的だから。{/netabare}

このアニメ、2期が決定してるようです。
まだ納得いかない感があるので、ちょっとだけ楽しみに待つとしよう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 14

69.3 8 復讐で学園なアニメランキング8位
政宗くんのリベンジR(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (152)
595人が棚に入れました
8年前、デブで冴えなかった真壁政宗はかつて自身をこっぴどく振った残虐姫こと安達垣愛姫に復讐するため、激ヤセし名字を変え、イケメンに変身して帰って来た。すべては惚れさせてから振るという、最高の復讐のために。 愛姫に熱烈なアプローチを重ね、少しずつ彼女の心を開いていく。そして季節は巡り、開催された文化祭では様々なハプニングに見舞われ、最後は政宗と愛姫のキスで幕を下ろした。 さらに月日は流れ……復讐の舞台は修学旅行先のフランスへ!ロマンチックなパリの雰囲気にあてられ胸が高鳴る政宗。一方、愛姫は意味深な言葉を口にする……。「ずっと考えてたの、一度あなたとゆっくり話をするべきだって」予想外の言葉に動揺する政宗。 さらに漫画家志望のフランス人少女、ミュリエル・ベッソンとの出会いが2人の関係に変化をもたらす!? 豚足と呼ばれた元デブ男のリベンジラブコメ、リターン!!

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みんな大人でとてもいいです

こんな話になると思わなかったー

一期を観ていたと思って観ようと思ったが、
実は一期も見ておらず、
まあ最初から見てみたら、
想像よりおもろしろかったー

さて、一期がすごい稚拙な展開だったが、
ただ全キャラええなあと感じた
そして仕掛けもある程度分かっていた

んで、着地点どうなるんだろう?
と最終話の一つ前でこうなるのか、
と思いきや最後にはこうなるのかと驚かされた。

恋愛もの好き向き、
と言うより、
キャラがどんなこと考えているかのキャラ萌え、
仕掛けの結果を見たい人向けかなあと

私から言えることは一つ、
やはり容姿端麗、じゃないにしても磨いている人はステキざます

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4
ネタバレ

タイガー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ノーパンで風邪でも引かれたら目覚めが悪いわ』

ドS残虐姫にイケメンになった豚足デブがリベンジするラブコメ

前作で続編あると思わせてからの今作。長すぎてストーリー忘れたので1期から再視聴

ちょっと作画落ちたのと、残虐姫感弱まったのが残念だった

物語ゎ前作同様結構普通の王道ラブコメで
薄い理由とベタな感じが繰り広げられてる

良かった点ゎ、吉乃と小十郎きゅんが可愛くて頑張っててとても良かったです!!

{netabare}吉乃とそのままハッピーエンドだったら私ゎ面白かった!と評価しよう!!!{/netabare}

髪を切った方が似合ってたよ!と言いたい作品

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

62.1 9 復讐で学園なアニメランキング9位
幼なじみが絶対に負けないラブコメ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 2.9 (298)
993人が棚に入れました
彼女は俺にだけ密かに笑ってくれる。相手の可知白草は芥見賞を受賞した現役女子高生作家!しかも美少女!普通の高校生の俺・丸末晴には分不相応だってことくらいわかってる!けど、脈アリだと思うんだよ、たぶん、いや絶対!……なんて思ってたら……可知に彼氏がいただとぉぉぉっっ!?落ち込む俺に、ロリ可愛、陽キャで世話好き……更には何故か俺を好きだと公言してはばからない、幼なじみの志田黒羽は言ってきたんだ……「復讐しよう」初恋の恨みは海より深い——けど決して暗くない!ドロドロしない!初恋復讐(リベンジ)が動き出す!

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、佐倉綾音、大西沙織、島﨑信長、寺島拓篤

U-yan さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

これまた王道ラブコメ!

元天才子役の高校生の少年をめぐり、可愛い女の子達が惚れさせる(告白させる)ためにわちゃわちゃやり合うハーレムアニメです。ハーレムと言えば松岡さん!しっくりくるんですよね~。さすがです!そして私の大好きな「あやねる&いのりん」コンビです!声優さんは豪華ですね!とくにいのりん演じるクロは、個人的には個性最強のかわいい小悪魔キャラかもしれませんw声優さんってすごいよね。タイトルの意味はかなり前半(2.3話くらいだっけかな?)でわかると思います。もうちょっと引っ張って欲しかった気もする・・・。でもかわいいし笑えるし満足です!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

70.7 10 復讐で学園なアニメランキング10位
デート・ア・ライブIII(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (257)
1359人が棚に入れました
人類は『空間震』と呼ばれる新たな災害に見舞われていた。空間を揺るがし、あらゆるものを破壊し尽くすその災厄は、精霊と呼ばれる存在が臨界から顕現することにより発生するものだった。空間震を止め、災厄を人類から退けるために必要とされる措置は、武力をもって精霊を殲滅する、もしくは——『デートしてデレさせる』! 精霊をデレさせ、更に『キス』をすることでその力を封印できる——そんな能力を持っている高校生・五河士道。人類の平和のため、なにより精霊たちを救うため——士道は彼女たちとの『デート』に奔走する。士道に心を開いた精霊・十香、四糸乃、琴里、耶具矢、夕弦、美九。精霊を殲滅するべく動く。精霊を利用せんとする。精霊との対話を試みる<ラタトスク>。そして、デレさせるべき新たな精霊——すべてを巻き込み、新たな戦争<デート>が始まる——

声優・キャラクター
島﨑信長、井上麻里奈、富樫美鈴、竹達彩奈、野水伊織、真田アサミ、内田真礼、ブリドカットセーラ恵美、茅原実里、真野あゆみ

haiga さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

五河士道。男の夢を叶えた男

全ての男の夢ハーレム。

かつて中国の皇帝は紫禁城と言う城を作り、中国全土から集められた美女を囲い酒池肉林のハーレムを築いた。
かつて日本史上最長の王に君臨した徳川幕府もまた大奥という王以外の男子禁制のハーレムを築き、徳川二百数十年の1ページを記した。

共通するのは絶大な権力と暴力と経済力。大奥では毎日抱く女の選択は無く、見張り役として隣の布団で寝る女が付随し、隣室には面倒見役の女が控えていたと聞きます。そこには愛などなく、行き詰まる日常に月の半分も大奥に顔を出さない王もいたと記録に残されています。

そしてデート・ア・ライブ。五河士道と言う主人公。精霊達の誰にも戦闘力で劣りながら、いつだって分け隔てなく命懸けで愛し、守り抜く男。

8人の美少女達。幼女からツンデレ、妹、魔女っ子、痴女、歌姫、双子、ポンコツ大食いなどなど誰しもが琴線に触れる女達のハーレムを愛のみで築き上げた奇跡。
だってヒロインの1人とキスしてるのを、他ヒロイン全員に見られて、全く嫉妬されずに良かったね♪って見守られる男ですよ?「だから痺れる憧れるゥ⤴︎︎⤴︎︎」とDioに憧れるモブのように視聴者がなってしまう破壊力です。

今回3期作成にあたり、制作会社が変わってるらしく、1期、2期と比較して作画について批判的な意見があるみたいですが。「こまけえことはいいんだよ!!」って言いたいです。

そもそもデート・ア・ライブって奴は士道のデートとかわいい精霊と狂三が出ればオールオッケー。3期作ってくれてありがとうってなもんです。

私はとてもたのしめました。特に最終話の12話はちょっとウルっと来ました。デート・ア・ライブファンには最高の最終話と思います。4期あるのか分かりませんが私はいつまでも気長に待ちたいと思います

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

新ヒロインは一人

視聴理由 前作に続き

序盤 「ハニエル!」

中盤 「メタトロン!」
「サタン...」
お、ちょっとシリアス

終盤 「俺たちのデートを始めよう!」
んん?

この話は前作に続きまたまたハーレム帝国を作る話

七罪ちゃんが新ヒロイン。どうしよ...あんま可愛くない
なぜここまで回を使ったのか不思議だよ...もっと夕弦ちゃんを出して!
まぁいいや。後半からちょっとシリアス回。折り紙ちゃんがキーキャラ。
作画は普通。音楽はまたまたsweet ARMSさん。「I swear」神曲
キャラは基本的に可愛くなってる。とくに夕弦ちゃん。さらに好き
なぜ半分を7なんかにあげたんか...

普通に面白かったと思う

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

63.0 11 復讐で学園なアニメランキング11位
裏切りは僕の名前を知っている(TVアニメ動画)

2010年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (304)
1966人が棚に入れました
養護施設で生活する天涯孤独な高校生・桜井夕月。時折、触れた相手の思考が読めてしまう、特殊な能力を持っていた夕月は常に自分の存在する理由を探し続けていた。そんな夕月の前に突然現れた、どこか懐かしさを感じる美貌の青年『ゼス』。ゼスは夕月に、死を招く赤い月の夜“ワルプルギスの夜”には外に出てはならないと告げる。その後、夕月の周囲では不思議な事件が続き、千年以上も昔から続く悪魔(デュラス)との戦いに巻き込まれていく。\\n 前世からの仲間という“戒めの手(ツヴァイルト)”の正体とは?幾度も転生を繰り返し繰り広げられている、悪魔(デュラス)との戦いの行方は――\\nそして、夕月を見守り続けるゼスとの過去には一体何があったのか…!?

声優・キャラクター
保志総一朗、櫻井孝宏、井上麻里奈、福山潤、小野大輔、宮野真守、神谷浩史、日野聡、三木眞一郎、成田剣、岡本信彦、矢作紗友里、浜田賢二、天野由梨、桑島法子、浅沼晋太郎、石川桃子、植田佳奈、皆川純子、黒田崇矢、立花慎之介、ゆかな、子安武人、石田彰

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

こんなふうに守られてみたくなる&声優さんたち豪華です

原作は小田切ほたるによる漫画で、通称『裏僕』
最初、タイトルがすごく気になり、公式サイトを見たら
もろ少女マンガな雰囲気で、ほんの少し躊躇しましたが、内容は面白そうだし、
声優陣に好みの声の人が多かったので数ヶ月前に視聴しました。

まず、冒頭で流れるシーン・・・毎回同じなのに、なぜか飛ばせないw
薔薇の花びらが吹雪のように舞う中、見目麗しき男女が切なそうに寄り添い、
意を決したかのような男性がまっすぐこちらを見据えて言うのですよ~

「お前を苦しませるようなことはしない お前は俺が守る」
「俺はお前を裏切らない」

女性だったら(いや女性でなくても)相手からこんなふうに断言されたら、
そしてその約束通り、実際に自分を命がけで守ってくれたとしたら、
グッと来てしまうのは当たり前だと思うし、その絆と想いは本物だなと。
そういうお互いの想いをベースにした物語なら、例えばヤクザものとか、
シリアスな戦争モノ、宇宙戦闘モノにだってあるわけです。
その段階なら、誰も「BL臭がする」とか「腐女子向け」とは思いませんよね。

で、そこにキャラデザが耽美的で登場人物みんなイケメン&美少女。
おまけにいきなり強引なキスに始まるエロシーンがあったら、
それはもう間違いなくBLと言って良いのでしょう。
しかし、この作品はほぼ全員イケメンですが、男子同士のそれはなく、
もっとシェークスピア劇を観ているような感覚の、
心理的に深いところでの愛憎劇が展開されています。

しかも、千年以上もの間、不死身で生き続ける特殊能力を持った人物が、
ある復讐心から、数百年ごとに周囲の人間達を転生させては
敵である悪魔(デュラス)と戦うことを繰り返しながら、生き永らえている・・
それだけでも、すごく興味をそそられる物語ではありました。

主人公はその不死身の人物のほうではなく、養護施設で育った孤独な青年 夕月。
彼が前世で女性だった頃に恋人だった、例の冒頭シーンの人物、ルカ。
この物語の重要な役割を果たす、養護施設で夕月が兄のように慕っていた青年。
また、夕月を守るべく、同じように転生を繰り返してきた、
耳や目、念力などによる特殊能力を持つツヴァイルト達が周囲を固めます。
そして同時に、彼らそれぞれの過去や事情なども描かれ、
やがて来るワルプルギスの夜の決戦へと展開していく・・というお話です。

入り組んだ人物関係と物語はなかなか壮大で良いと思いますし、
人物達の心理的葛藤なんかもよく描かれているけれど、
戦闘シーンは、あともう少し・・・な印象が否めないです。
作画に少々乱れはあるものの、それほど気にならず、
唯一、テンポの良い見せ方ではなかったことが惜しいかな・・という感じ。
全24話・・・別なところを丁寧に描きすぎちゃったかなと思いました。

でも、観る人によっては、すごく好きな世界だろうなと思うし、
戦闘シーンもあのくらいだから良いのだ、という方々も多いかもしれません。

個人的には、みんなに愛されている夕月よりも、
彼が今世で男性になっても「魂に性別は無関係」と言い切って
夕月を静かに、時には激しく守り抜くルカのほうに感情移入はできました。
それと、OPEDだけでなく、サントラもけっこう良くてお気に入りです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 34

南のエデン さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

生涯変わらぬ誓いなのですw

何度生まれ変わっても「俺はお前を裏切らない。」声優陣豪華でしたwwみんな主役できる方達なのですよ。


作品見てシビレ、声でもシビレ、ストーリーでもシビレました^^

ユキちゃんが男でも女でもルカは変わらないずーーと変わらない!
そこが一番良かったかな^^


ちょっと男性陣豪華になりすぎて評価低いのかな?
もっと評価されていい作品だとおもうなーw


ラスト的にまだ終わってないけど、最後はユキちゃん女性にもどってあげてほしいなーでないと、ルカが少しかわいそうな気がしますね。


良作品なのですw^^

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

景音 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

みんな強いしカッコイイ*。

まず男性声優陣が凄いです*。w(女性も素敵ですが少ない)

世界観は独特ですが、決して難しいこともないので
さらっと観れました。

主人公(特別な能力を持っている)と、
その仲間たち(それぞれに特殊な能力を持っている)が
協力して、
悪魔(ヒト型っぽいやつ&ドウブツっぽいやつとか)
を倒すという話です。そこに輪廻転生とかが絡んできて
面白いです。*

主人公(男)をひたすら守ってくれる主要人物(男)の
キャラクターがかっこよすぎてたまらないです!!
そしてさらにラスボス的キャラ(これも男)も
カッコイイので、どちらも応援したくなります。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

68.7 12 復讐で学園なアニメランキング12位
小市民シリーズ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (207)
549人が棚に入れました
“たがいに助け合い、完全な小市民を目指そう。” かつて“知恵働き”と称する推理活動により苦い経験をした小鳩くんは、清く慎ましい小市民を目指そうと決意していた。 同じ志を立てた同級生の小佐内さんとたがいに助け合う“互恵(ごけい)関係”を密かに結び、小市民としての高校デビューを飾り平穏な日々を送るつもりでいたのだ。ところがふたりの学園生活に、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込んでくる。 はたして小鳩くんと小佐内さんは、小市民としての穏やかな日々を手に入れることができるのだろうか。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

追記 日常の推理では無いと思います。春から変装していた意味は?

追記 この作品はジャンルとして「日常の推理」ではないです。いや日常の推理なんですけど、本当の構造が隠れているといった方がいいです。これが逆転すると日常の推理としては…と言う評価になります。
 そっちではなく、小佐内さんは高校に入る前から「夏」の結末をある程度計画していたはずです。その証拠が変装です。それがこの作品の推理としての「構造」です。

{netabare} あるいは変装をしても危険な食べ歩きの安全保障のための小鳩だったのかもしれません。スイーツは本当は小佐内は一人で楽しむものだったんでしょう。スイーツを食べるとき小鳩にまったく興味を示していません。

 したがって「小市民」は小鳩をうまく巻き込むためのガワだったと思います。小鳩に男としての興味はないです。だから、中学校時代からの宿題が終わった瞬間、解散を申し出たと取れます。
 ですので、私はこの作品は小鳩に語らせた叙述トリック{/netabare}と定義しました。そこを「騙された」と視聴者として喜べるか。それが推理作品の味わいでしょう。


小佐内のキャラ造形が見事な作品。私は奴が大嫌いですけど。

 なんと10話で終わってしまいましたね。ラストの車が燃えるシーンをはじめいろいろについて言っておくとあれは「秋限定栗きんとん事件」です。なんだその中途半端な感じは…と思ったら2期やるみたいですね。25年4月から?なるほど…

 演出についてです。川を使った心象風景の使い方が正しかったのか?ですね。川に象徴するものがあったとしても宗教とか集団的無意識の共通基盤になっていなければ意味がありません。そこは効果的だったのかな?とは思いました。
動きがないアニメにしづらい作品なので動きを入れたのか、ご当地ものとしてそうしなけば風景の使いようが無かったのか。そこはやりすぎ感はありました。ただ、1話ほどの違和感は10話では感じなかったので見直せばそうでもないのかもしれません。

 作画は動きは少ないですけど良かったです。特に小佐内と小鳩の表情の作り方は小説の意図を上手く見せたと思います。キャラデザに関しては小佐内の目が赤いのも悪魔的で良かったです。全体がリアリティがある色彩のキャラデザの中で面白い工夫でした。

 作品の総評です。この「春・夏」までで一番出来が良くなかったのは「春」つまり教習所の事件の小鳩の動きです。小佐内の悪魔性も小鳩が推理する理由も弱すぎました。小佐内がピンチなはずなのに延々と行われた会話劇に違和感が残りました。
 ココア事件で見せた堂島の行為も姉の暴走による結果論ですが、小佐内と表裏になりました。小鳩の自己顕示欲を確認することができましたが、そこも「春」だけですと単発の出来がイマイチなエピソードとなり活きてきませんでした。

「夏」のシャルロット事件で小鳩と小佐内の関係性が明らかになったおかげで、誘拐事件における小佐内のキャラ性とか小鳩のラストの感情とかが非常に鮮やかになったし、推理としての完成度が上がりました。夏祭りのときの伏線の張り方も見事でした。変装の意味も春からの伏線だったことがわかり、なるほど計算はあったんだなとわかります。ですので「夏」があって初めて「春」の意味があるという構造でした。それは推理小説としてはどうよ?という感じはしました。

 アニメ版では当然この前半までの印象は同じですし、さらに冒頭の自転車盗難の時系列や状況を変えたことで不自然になりました。ですので前半の評価はやはり低く感じました。

「夏」は原作の出来が良いのはもちろんなんですけど、これだけの悪魔的なキャラを日常系の推理で出すこと自体が壮大な仕掛けになっています。

 日常系推理の始祖ともいえる北村薫氏はもちろんですが、似鳥鶏氏、坂木司氏、初野晴(ハルチカの原作者)氏などで小佐内に似たキャラはいたでしょうか?この点においてこの作品は評価せざるを得ません。三上延(ビブリア古書堂の事件手帖)のヒロインはちょっと同じ雰囲気はありますけど内面は全然違います。そしてアニメ勢だと米澤穂信氏の「氷菓」の千反田を先に知っているだけに、その衝撃は結構なものだと思います。原作でも「夏限定」は「クドリャフカの順番」の後だったと思います。

 推理の構造は{netabare}騙された小鳩が視聴者の代弁者となる「他人が語る叙述トリック」と私は捉えています。叙述トリックとは1人称の推理物語の語り部が実は犯人でしたというジャンルです。要するに「メタWHOダニット」なんですけどね。 {/netabare}これが見事だと思います。

 ただ、私はキャラ萌え派なんですよね。ポワロとかエラリークイーンとか外国勢はそうではないですけど、御手洗潔とか<私さん>とか、火村とか、有栖川とか、伊神とか、古くは栗本薫とか…そう見たときにこの2人…いや小佐内ですよね。推理の構造故に内面が見せられないという最大の欠点を抱えてしまいました。これはキャラ萌え勢からするといただけません。

 そして何と言っても私は本作をラノベ的に原作を読んでおり、主要キャラは善人であるという前提を欲していたんだと思います。少年のマインドで読んでいたといってもいいでしょう。いや死ぬかと思いましたよ。小佐内=幼いで、これも原作者の仕掛けた名前遊びなんでしょうか?そこに潜在意識的に仕掛けられた気もします。

 それが本作が嫌いな理由でした。あまりに読む気が起きなくて、「秋」を読んだのは買ってから10年以上たってから「巴里」が発売されると聞いてやっと読みました。結構なトラウマだった記憶があります。

 長くなりましたのでこれくらいにしますが、「夏」の出来は出色です。アニメ版も良かったです。ただ、やっぱり小佐内は嫌いです。なお「秋」にはもっと本領を発揮してくれます。







1話 【悲報】小佐内さん≠千反田える 「夏」で切るのは最悪では?

{netabare} まさかこのシリーズがアニメ化されると思っていなかったので、アニメ化発表のときに驚きました。このシリーズ、春・夏の読後感がちょっとなあ…という感じだからです。

 氷菓の千反田えるのようなキャラを望んでいる人には【悲報】ですが、小佐内さんに萌えられる人はそうはいないと思います。私は、推理小説は大好きですがキャラ萌えとして楽しむところがあるので、本作は「夏」まで読んで「秋」は買うだけ買って積ん読で手が出ませんでした。確か「巴里」が出るタイミングでやっと「秋」を読んだので10年以上放っておいた感じです。

 それくらい心が離れていました。結果的に「秋」を読むと展開に仕掛けがあるのか…と思いましたが、しかし「秋」はこのペースだと多分アニメ化できないでしょう。「夏」までで大丈夫か?と心配です。そこもネタバレになるので言いませんけどね。

 アニメ本編ですが、キャラや雰囲気の再現性は…うーん、ちょっと綺麗に描きすぎというか、無駄に心象表現をしすぎというか、冗長というか…そんな感じです。
 なお、主人公の家は和菓子屋設定なのでしょうか?これは原作ではなかったと思います。小佐内さんって和菓子苦手だっけ?と思いました。もう1回読み返さないと思い出しません。あとは時代的にスマホがあるとラブレターのニュアンスとか20年前と違うよね?など、細かいところは気になりました。

 追記 ああ何か事件の日の2人の動きに違和感があると思ったら、原作読み返したら、当日の目的はクレープ屋さんで、イチゴタルトは違う日なんですね。そこはちょっとアニメ版は行動として無理があったかなあ?{/netabare}


2話 日常系推理のエンタメとしての難しさと不自然さがモロに出ました。

{netabare} いくらなんでも…という回でした。わずか35ページの原作を1話にしましたか…さすがに眠くなるようなテンポの悪さです。

 そもそも、シンクにスプーンの謎かけはいくらなんでも無理があるのは、小説からでした。無理があるというのは、堂島というキャラからいって、その謎を仕掛けるのが不自然だからです。
 ヒントを要素に分解して、謎に気が付くように、解けるように、ただし簡単になりすぎないように難易度の調整をしながら仕掛けるには、常悟朗と同程度以上の頭の使い方が必要です。それは堂島のキャラ造形や言動から言って不自然です。

 そして、日常の中の謎というのはこの無理の連続です。そして、これは本格派推理のジレンマで、パズルを作ろうと思うと、話は不自然になります。ですが、それは本格派小説のマナーみたいなもので、小説ならこういう不自然な話も「そういうものだ」として楽しめます。

 まあ、これは「たまたま堂島のずぼらが作った意図しない謎」という話ととるんでしょう。今度は姉がそこに謎を見出したという不自然さは残ります。堂島のキャラをよく知っているはずですし、一般人にそんな気づきは普通ないでしょう。けど不自然さはマイルドにはなります。

 そして、堂島の意図でないとすると次に別の不自然さが発生します。わざわざ2人を呼び出してココアをふるまった意味がなくなるし、ココアの作り方をレクチャーする意味がメタ的に考えて意味を喪失します。
 推理小説に「無駄はない」の法則から言って、ココアの作り方をわざわざ説明した流れからは謎かけととるべきだと思います。ですので通常なら読み取るならやはり「意図した謎」ととるのが自然でしょう。

 ただ「あんのずぼらが!」のセリフがありますので「意図しない」方にはアニメの解釈は寄せています。そしてそうなるとこの1話が丸々不自然な1話になります。堂島は本当に常悟朗と小佐内を呼んで話がしたかっただけ?


 追記と修正 ここはさっき改めて原作を読んでから件のシーンを見返しました。今回は「ココアの解き方のようなつまらない話を延々と聞かせて反応を見た」という読み方が正解な気がします。ここは私の読み間違いがあった気がします。
 ただ、その行動自体が人間として不自然だし、堂島というキャラの性質上「ココアの入れ方」という話題をチョイスし、反応をうかがうようなことをするのがキャラに合っていない気もしますけど。むしろ単刀直入に聞くでしょう。

 で、これは別の視点なのですが、小学校のころの友人と高校で再会して、キャラが変わった。大きな何かがあったのか?と思う感覚です。普通中学時代の変化は大きいでしょう。変わらない方がおかしな年ごろです。
 むしろ再読してこっちの方が不自然には感じましたが、それだけ常悟朗がインパクトがある少年だったという意味だとは思いますので、この辺は計算があるのでしょう。
 日曜日に家に呼び出して問いただすというのは普通ではありません。つまり「ココアの作り方」の謎を作るためのちょっと無理があるシチュエーションな気はしますが。

 それと小佐内さんを一緒に呼び出す理由は弱い気はします。こういう話をする際、同行者は邪魔なんじゃないかと思います。その点では原作と構成を変えて、小佐内さんが堂島の持ちかけた謎を問いたという話を飛ばした故の不自然さでした。

 いずれにせよ、人間の一般的な言動からは無理があることに間違いはないでしょう。それが日常系推理の不自然さで、今回は見ていて推理のための舞台装置感が非常に強かったです。故にいくら作画が良くても、何を見せられているんだろう?という感覚が強く出ました。

 これは本作に限ったことではありません。ただでさえ日常の謎の推理ものには不自然さがあります。
 ですが、それは小説故に読めるのであって、アニメにしたときのなんと無意味で冗長なこと…その点でやっぱり「氷菓」の出来は良かったんだなあとあらためて思います。

 まあ、小佐内さんの本質が見たいので、そこのポイントはチェックすると思いますが、どうしようかなあ…視聴断念のボーダーライン以下ですが、そこが気になるので、飛ばし飛ばしの視聴継続でしょうか。{/netabare}


3話 制作の解釈と演出は?小佐内さんの本性をちゃんと描けているのか。

{netabare} なるほど、小佐内さんのダークサイドをそう描きましたか…テストの件と連続させたのは、スイーツにかこつけて常悟朗を呼び出す。小佐内さんに推理力はなく常悟朗に推理させる。スイーツをたらふく食べることで自分を押さえる…ということでしょう…か?ここが原作からの疑問でした。

 スマホ(原作だとケータイ)を忘れてきた…というくだりですが、小佐内さんがもし常悟朗に推理をさせようと意図したのだとしたら、ここはちょっと不自然です。常悟朗が学校に戻り現場検証するのが偶然になってしまいます。少し違和感があることろです。

 メールの内容が「話がある」から始まっているなら、小佐内さんの計算ととれるんですけど「ケーキ食べたい」から始まるこのメールの流れだと本当に小佐内さんはやけ食いを意図していたことになります。偶然の流れととるべきか、意図ととるべきかで随分解釈は違います。ただ、2人の約束に縛られて「ケーキ食べたい」がつまり話があるという意味なんでしょうけど。つまり、スマホを忘れて学校に戻る部分はどうやっても不自然にならざるを得ません。

 結局、小佐内さんは常悟朗に対して未必の故意で、推理することをかなりの蓋然性で見込んでいたのでしょう。そうじゃないと、場合によってはテストの件でも復讐するという緊迫感がなくなってしまいますので、そこはいずれにせよ小佐内さんは推理をさせたし、常悟朗は推理をした、ととるのが正解なんだと思います。

 前半でのちょっとした出来事は、小佐内さんは我慢が出来ないことに対しては復讐する、ということですね。

 で、本作のターニングポイント…小佐内さんの笑顔です。いままで無表情だったことの意味を我々はここで知ることになります。もっと素直な笑顔でもよかった気がしますが、そこは解釈ですから少し狂気をはらんだ笑顔というのも理解はできます。

 ただ、ここが大事ですが小佐内さんの本性はむしろ復讐にある、ということが表現できていたかどうかです。あのシーンで一番大事なのはスイーツのときよりも嬉しそうに笑うことではないか、と思ったんですけどどうでしょう?そうなると前半のケーキバイキングのシーンで笑顔が全くないのは演出としていただけません。小佐内さんの狂気が表現できているか?初めての笑顔と、笑顔の違い…演出はどちらが正解なのでしょう?


 そして、原作だと「私有財産の保全」のセリフのところで笑顔を消しているんですよね。復讐のネタを見つけたことに喜び笑顔になって、それを止めようとする常悟朗に対して真顔になることで自分の中にある怒りを再度認識して真顔になる、ということだと解釈しました。ですから本作の「私有財産の保全」のときの小佐内さんの心の動きはちょっと解釈が違うんじゃないかな、と思わなくはないです。


 瓶が落ちる話のトリックですけど、確かに原作では氷やドライアイスの可能性に言及していましたが、特にトリックの明示はありませんでした。本作のあのトリックは証拠を残しています。そこで「濡れ衣」という原作にはないキーワードをアニオリでつけました。原作は純粋にカンニングのため、本作は教室内に悪意があることを示唆しました。この違いに意味があるのでしょうか?

 あと細かいところですが、前半の2人がケーキバイキングの店で並んで座っているのを外から見たシーンで、4分15秒くらいのところは2人のつながりが画面的におかしい気がしました。まるで省略があって何メートルも離れているみたいに見えました。それが本作の演出だと心象なのかともとれるのがややこしいですけど。

 今回は省略もあり随分テンポ良く進みましたが、全体的に小佐内さんの心の動きと本性をちゃんと描けていたか?が、非常に気になります。画面は非常に綺麗なのですが、推理小説ではありますが…特に心理…いや小佐内さんの本質が大事なこのシリーズの前半の根幹ですから、そこは監督・シリーズ構成・演出の人たちはどう考えたのでしょう?OPで狼と狐の絵を見せるだけ?

 それと橋…川の演出はどうなんでしょうね?心象で意味を込めるにしても、ちょっと読み取りづらいかなあ。{/netabare}


4話 この作品の最大のトリックは何か?

{netabare} 本格推理的な雰囲気でありながら、すべて状況証拠の積み上げなので推理としてどうなのか?という点については氷菓も一緒です。ただ、その状況の提示の仕方が、すべて小佐内さんの自転車だよりになってしまったので、非常に不自然になりました。タルトの件、空き巣事件で都合よくナンバーを目撃された件(しかも印鑑が盗まれた…といろいろ調べられたりする)、そして教習所が特定できた件です。

 ただ、重ねて言いますが日常系の人が死なない推理小説は、えてしてそんなものです。捜査ができない以上はそうなざるを得ません。ですので、そこは保留でいいでしょう。小佐内さんのヘイトをためるにも必要だったでしょうから。

 ただ「春限定」の最大のトリックは何か?それは小佐内さんの見た目と内面のギャップです。スイーツの題名でふんわり甘いものを想像して小説を手に取ると、常悟朗の推理ものとして見ていると、最後は実はキャラの性格造形でだまされるというのが本作が読者に仕掛けたトリックです。

 そう考えたとき「春」の不自然なのは推理ではありません。常悟朗が「小佐内さんが危機に陥っているかも」と焦るというところが不自然なのです。小佐内さんが狼と言い切れるほど、狐の常悟朗は「本性」を知っているのに、復讐において小佐内さんがドジするという心配をするというのが作品のカタルシスを減らしたなあと思います。

 ここは小佐内さんの怒りや高校という年齢から言って、どれだけ悲惨な復讐が成し遂げられるか、を心配するくらいでちょうどよかったと思います。本来2人は頼られたら何とかする同盟であって、心のつながりが希薄という前提まで崩してしまいます。
 これは堂島を相手に推理を語らせないと推理として成立させられないからだとは思いますけど。

 それと小佐内さんの復讐に「わからせ」がないです。題名に冠したいちごタルトと自転車泥棒の報いだ、というのが坂上は知ることができません。これを復讐の完遂と呼んでいいかどうかです。

 自転車にまつわる事件を連続させた工夫は感じます。が、最終的には「小佐内さんの内面の恐ろしさに驚愕するミステリ」が本作「春」段階ではそこの描写が弱いので出来損ないの「氷菓」に見えるのでしょう。「氷菓」は各事件の解決の下に潜む人間性・隠れた動機が実は最大のトリックで、さらに作品を通じて主人公が覚醒する話です。その氷菓における隠れた動機に対応する「小佐内さんの本性」の描き方が「春」だけですと非常に弱く、故に面白さが中途半端です。

 それをアニメにしたから、まあ、こうグダグダになったのでしょう。特に3話の小佐内さんの描き方が弱すぎるなあと思いました。ただでさえ短い「春」の話を削った影響もあるかもしれません。

「夏」の方がその意味では本番です。1クールで4話しか「春」に使わないのは当然、主軸は「夏」ということです。推理小説ものなので最後まで見ますけど、やっぱりアニメ化に向かない上に、制作が見せ方をちょっと間違えたのかなあ…という気がしなくはないです。{/netabare}


5話 シリーズの中で出来が良い作品。冬服に戸惑わない方がいいです。

{netabare} この「伯林あげぱん」の話は日常系推理としての出来が良く、与えられた素材から推理される内容もその推理が必要で小鳩が巻き込まれる過程も、自然に描けていたかなと思います。「氷菓」の面白さに匹敵するコミカルな感じも良かったと思います。

 そして、小佐内ゆきというキャラの性格というか行動原理が適格に表現されていて、そこの使い方が見事です。話の導入として読者の疑問を掻き立てるのが非常に上手かったです。加えて堂島が新聞部ということも活用できています。

 ただ、少し画面から違和感を感じないでしょうか?5月の設定なのにどう見ても冬の印象を持つ作画、美術、色彩になってませんか?
 直接推理にも話の面白さにも引っ掛からないのでネタバレすると、本話は「巴里マカロンの謎」に収録されていて、時間軸でいえば1年生の冬になります。(追記 さっきまで2年の冬だと思ってましたが、原作確認したら間違っていました)

 この話は本来原作では1年生の年末に近い時期の話で、「春季限定」と「夏季限定」の間の話になります。それがアニメだと小鳩はいきなり2年A組になっています。春と夏の間という時間軸は変わらないのですが、部室のホワイトボードは「5月」と表示されています。つまり、無理やり2年生の5月の話だと改変しています。
(追記 そうそう、なぜ仲良くなさそうな新聞部でこんなことをしたかと言えば、原作では年末の取材の一環でした。ベルリーナー・プファンクーヘンはドイツでは大晦日または2月の謝肉祭に食べられることが多いそうです。それは調べないとわからないのでまあいいでしょう)
 
 話そのものに影響はないのです。ですが、5月なのに画面が寒々しく全員がきっちり制服を着ています。部室の窓もしまっています。午後4時45分なのに夕日になっています。つまり、冬のつもりで作っている人、5月のつもりで作っている人が混在しているような不思議な画面になっています。これは何か事情があるのでしょうか?

 その画面上の不自然さはおいて置いて、これを説明というか何もなくいきなりここに差し込むのは、アニメとして効果的かどうかは疑問です。まあ、これから「夏季限定」が始まるので2年生にいきなりなっていると戸惑うので、無理やりここにいれたのでしょう。ただ、アニメとして説明が不十分すぎます。

 と、アニメの画面の印象と、シリーズとしての説明の工夫にちょっと疑問は感じますが、そうは言ってもこの1話は大変面白い話でした。キャラたちの性格が悪すぎるのは相変わらずですけどね。{/netabare}


6話 この話は面白いですが、単なる小休止のエピソードでしょうか?

{netabare} 冒頭のお祭りのシーンは原作でもわかりづらいというかはっきりとは確定できないのですが、「会いたくない人」に意味深長なものを感じたのですが、その辺は伏線だと思います。あえて自転車で来たと嘘をついたのは{netabare}「自分は見られたくないけど、相手の顔が見たい」 {/netabare}という小佐内さんの事情が原作では小鳩によって推理されますが、アニメではありませんでした。綿あめも本当に食べたいのもあるでしょうが、 {netabare} 顔を隠す {/netabare}という意図もありました。
 ですが、本作アニメではそこをサラリと流しました。推理としてフェアかどうかはアニメ制作者は考えた方がいいと思います。

 それとこの祭りのシーンで「春」では表現しきれなかった、小佐内さんの本質ですね。小悪魔的ではなく悪魔的に、完全に小鳩の内面を翻弄しコントロールしている感じを描くシーンだと思うのですが、そこがちょっと弱かったかなと。

 そして原作で明確でないのがこの時点で小鳩は小佐内さんをどう思っているか?なんですよね。「春」の教習所の件から、互恵関係と言っている割に小鳩は小佐内さんに甘い感じです。そこに恋愛を見出すことはできますが、それはミスリードでしょう。

 このシャルロットで言いたいのは、小鳩の側でも本当は推理を披露する機会が欲しくて、小佐内さんを利用しているということでしょう。小佐内さんがほぼ唯一のその性癖の理解者です。ですが、小佐内さんはそれが分かって小鳩を利用し支配しているというのが、この祭りとシャルロットで描かれたのかな、と。

 それとまあ、これはネタバレですから隠しますが、 {netabare} この構造が「夏」の大きな仕掛けになります。この6話は「5話と同じく出来がいいちょっとしたショートストーリー」…では無く「夏」事件のキャラ造形としての伏線になります。{/netabare}
 こういうところが「春」に比べて「夏」の方が話としては進化したかな、という部分です。

 演出について。シャルロットのパートなんですけど「何やってるの、小鳩くん」は、心象風景ですね。こういう演出が分かりやすいかどうかはちょっと考えた方がいいかもしれません。
 あと、ネタバレになるので詳しく書きませんが、箱の中のレイアウトはちょっと原作と違うニュアンスになっています。{/netabare}


7話 小鳩と小佐内の表情をどう読み取ったかを覚えておきましょう。

{netabare} ハンバーガーショップの地図の件は、原作だと謎になっていたんですけど、画面でみると成立してなかったですね。どう描くかをちょっと楽しみにしていたんですけど、演出が付いて行ってなかった気がします。
 一方今回の小佐内さんの変装は笑ってしまいました。ついでに、なぜいつも変装しているのかも明言はされてないですが、そこを考えても面白い気がします。

 1話で小佐内の好みを「和菓子ではなくバターとブランデーが効いた濃厚な甘さ」的なものと言ってしまったが故に、鋭い人は小佐内のスイーツに綿菓子とかリンゴ飴が含まれることに、何かの仕掛けか?というアニメ独自の読み方ができてしまいますね。制作スタッフが意図的に入れたのか、何となく入れたのかが良くわからないセリフでした。

 あと、7話の小鳩の表情はそれでいいのか?という気がしなくはないです。ちょっと私の解釈とは違います。一方で小佐内の表情は私と同じ解釈かな、という気もします。小鳩の表情を本作アニメ版のように捉えると、結末がもっと楽しくなると思うのでそこはなるほどな、と思いました。

 この表情についてはアニメでは意図的にかなり丁寧に作画していたと思います。6話の構造と合わせてしっかりとチェックしておきましょう。そして7話の印象を最後まで忘れないようにしましょう。{/netabare}


8話 さて、前提が終わりました。ここからが最大の山場です。

{netabare} かなりあっさりと誘拐事件を描きましたね。原作からして薄めの本ですので、描き方のテンポとしては悪くない気もします。もうちょっとヒリヒリさせるよう、ここは引き延ばしても面白かったかもしれません。

 で、誘拐事件の本編はこれからです。楽しみに待ちましょう。私はこの作品が大嫌いですが「夏期限定トロピカルパフェ」という作品の出来の良さは認めています。夏祭りとシャルロットの味わいが活きてきて、見事な推理小説的な展開と構成でした。

 トリックの種類は ※ネタバレ注意※ {netabare} 他人(小鳩)が語る(小佐内)さんの叙述トリックという感じです。小鳩が8話で行ったことは、そういうガワで見えているという表面上のものだけで、これに視聴者はだまされます。

 注意。具体的内容。{netabare}事件そのものは犯人が引き起こしたものですが、それを事前に察知しその事件を監禁・暴力事件から営利目的の誘拐事件という非常に重い罪に見せかける復讐を小佐内さんが仕掛けます。
 その仕掛けの片棒を担ぐことを小鳩が誘導されて意図せずに行ってしまいます。最大の犯人が小佐内さんだということです。その意味で「春」事件のときの小佐内の描き方が弱いので夏のカタルシスが弱くなるなあ、と思っていました。

 変装の意味、なぜ夏祭りのとき顔を見られたくない相手の顔を見たかったのか、シャルロットのときの小鳩の事件を解決したい心理を小佐内さんが確認したこと、小佐内さんとの関係性に顔を緩める小鳩の表情、逆にそれを知った小佐内さんの悪魔的な表情、なぜ事前に地図の場所を把握できていたのか、小鳩に地図を事前に見せたのか、なにより最大のトリック「小市民」という単語の我々のこざかしいイメージの回収。

 つまり、本作は小鳩VS小佐内であり、小鳩が小佐内の手のひらの上で踊る話です。さらに言えば小市民という人を馬鹿にしたような自分たちの小賢しい考えに気づき、関係が破綻する話です。ですので、6話で小鳩がまるで小佐内のことが好きなような表情を見せたことが効いてきます。苗字に小が付くのも原作者の悪意を感じます。この辺、本当に素晴らしい仕掛けでした。{/netabare}

{/netabare}

 こういう感じですので、肝心なのは次回です。事件の説明の中に潜むいろんなものを理解してこの作品の「味わい」を拾いましょう。何度も言いますが、私はこの小説が大嫌いです。

 これが、この作品の1話でレビューした小佐内≠千反田えるの意味です。今のペースだと9話か少しじっくりやって10話くらいで終わる感じですが…それともいろいろアニメだと私が本作原作を嫌いになる理由に何かアニオリが付いて意味を変えてくる可能性がある尺ですね。

 以上のような話です。せっかくここまで見た人は、最後まで見ることをお勧めします。 {/netabare}



9話 出来はいいですが、小説の面白さとキャラの魅力のバランス問題。

 というわけで、この展開は素晴らしいと思います。一方で推理小説に関してはキャラ萌え派の私にとっては最大の裏切りでした。だから、この作品の出来の良さは認めても、嫌いな小説ということです。

 今回アニメ化にあったって、小佐内さんの内面が見えないことが最大の面白さになるわけですが、そこは小鳩を語り部にすることで結構うまく機能したかなとは思います。しかし、それゆえに本作の魅力、キャラの魅力という点で物足りない部分になっていました。
 特に「春」においては「それだけ?」という感覚が強いので引きが非常に弱かったです。ただ、この9話までの部分を仕掛けた「夏」は推理というより小説の展開として高く評価したいと思います。

 小鳩常悟朗って結構不自然な名前ですよね…多分結構悪意があると思います。「小さな鳩で、常に悟る」です。「朗」の意味はいろいろですけど、ほがらか、明るい、声が高らか。つまり「さかしい小さな鳩がさえずっている」とも取れますから。

 そして、小説の小佐内は大っ嫌いですけど、今回小鳩の描き方が賢しさとか、にやけた表情とかが上手かったので、小佐内のキャラが結構魅力的に思えました。その点ではアニメ化の意味はあったかなと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 21
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

最終話で彼女の内面が少し見えた気がした

原作未読です。

この物語を見始めて主人公たちの関係性がよく見えなかったんですけど、最終話まで見て分かったかも。

小鳩くんと小山内さんってどちらも他人に理解されにくいんだけど、でもお互いが最大の理解者なんですよね。

二人ともそう思ってたから小市民の契約を交わして、一緒に行動してたんだと思う。
そこから恋に発展することは可能性としてはあったけどそうはならなかった。
その辺を二人がお互いをどう捉えていたのかまではわかりませんでした。

9話の種明かしは確かに驚きましたけど、だから小山内さんの内面が見えづらかったのかなって納得もできました。
{netabare} 他人に余計な罪を被せたのもだけど、共犯者のフルネームをわざと言ったり小鳩くんを知り合いって言ったりするところとか、{/netabare}やっぱり私小山内さんを好きになれないなって。

でも10話を見て、小山内さんの心のほんの一部が見えた気がしました。
これはまったく勝手な私の解釈なんですが、小山内さんは小鳩くんに別の期待もしてたんじゃないかって思うんです。
だから{netabare} 煮え切らない小鳩くんに「これは別れ話なの」「私たち痴話げんかもできない」って口走り、別の男の子からのアプローチには「はっきりした男の子嫌いじゃない」{/netabare}って言っちゃうんですよね。
でも仮に小鳩くんと小山内さんがそういう関係になったとしても、あの事件は防げたかというと小山内さんの性格からも難しかったかもですけど。。

でも{netabare} 小鳩くん小山内さんそれぞれが告白された{/netabare}展開でめっちゃ続きが気になってきました!!
2期が2025年4月予定みたいなので、二人の関係がどうなるのか待ちたいと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

いつか来た道戻ろかな…

嗚呼〜、小市民♪
          (嘉門達夫『小市民』より)
これで笑えるアナタは立派な小市民である^ ^。
           
小市民は革命しない。
ささやかな楽しみをモンタージュ、今を生き続けるのである。
                (2024/07/31)
シネスコサイズ
モンタージュ的場面転換とマッピング
小鳩くんと健吾の掛け合い
ケーキの食べ方へのこだわり
小佐内さんの目線、目力、トラブルキャッチャー感

“狐狼の血”

そして第5話へ
狼と香辛料^ ^
小市民な私にはとっても楽しい作品であります。
                (2024/08/11)

ネット民を、いや濃尾平野の北縁、滔々と流れる長良川が育んできた人々をざわつかせるミームを前に、君は小市民を気取ることはできるか?

「岐阜の治安、どうなっとりますか?」
「小佐内さん、どうなっとりますか?」

10話で終わるとは、聞いとりませんでした…。
Cパートを挟んで、2期“爆誕”であります。

楽しみです。

いつか来た道は川の流れ。
決して戻ることはない…。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 16

64.7 13 復讐で学園なアニメランキング13位
対魔導学園35試験小隊(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (695)
4150人が棚に入れました
魔力を持つ人間が滅びようとしている世界ーー武力の頂点の座は剣から魔法、そして銃へと移り変わっていた。残存する魔力の脅威を取り締まる『異端査問間』の育成機関、通称『対魔導学園』に通う草薙タケルは、銃が全く使えず刀一本で戦う外れ者。そして、そんなタケルが率いる第35試験小隊は、またの名を『雑魚小隊』と呼ばれる、劣等生たちの寄せ集めだった。しかし、ある日、『魔女狩り』の資格を有する超エリートの拳銃使い・鳳桜花が入隊してくる。隊長であるタケルは、桜花たちと魔導遺産回収の任務に赴くのだが-ー。

声優・キャラクター
細谷佳正、上田麗奈、大久保瑠美、白石涼子、伊藤かな恵、野水伊織、遊佐浩二、山田奈都美、安済知佳、三木眞一郎、赤羽根健治、関根明良、津田健次郎、三咲麻里、三瓶由布子、小日向茜、中田譲治

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「トワイライト・エンチャント反転、フレキシブルマテリアル開放・・・私と宿主は最強ですから」

この作品の原作は未読ですが、ラノベ原作の異能バトルラブコメ・・・このジャンルを認識した時点で視聴は決定なのですが、主人公に細谷さん、ヒロインに白石さん、伊藤さん、野水さんと強力なキャストが視聴を後押ししてくれた作品です。

物語の舞台は魔女を取り締まる「異端審問官」の育成機関である「魔導学園」
戦いのスタイルが剣から銃に移り変わる中、主人公である草薙タケルは刀しか使えず、周りからは半端物扱いを受けてきました。
この学園では小隊と称するチームで動き、任務に応じたポイントが与えられる事になっているのですが、タケルが率いる35試験小隊は、他の小隊に入れない劣等生で構成されており、ポイントもままならない状況でした。
そんなある日、この35試験小隊に何故か超エリートである鳳桜花が入隊してくるんです。
そしてエリートと劣等小隊の初の任務に赴き・・・物語が動いていきます。

まず、主人公のタケルが格好良すぎです^^
彼は家族や仲間をとても大切にしています。
「それを守るためなら世界中を敵に回してでも俺は守る・・・守らせて欲しい・・・」
そう有言する彼はそれを全力で実行しようとするんです。

彼の扱う刀は決して最新の武器ではありません・・・
きっと異端審問官としてこの道を極めていく上でのハンデになるのかもしれません・・・
でも、彼の情熱と気迫が・・・そんな事を微塵も感じさせないんです。

そして彼は強いだけではありません・・・
「俺にも半分背負わせてくれ・・・」
これまで誰にも言えなかったトラウマ・・・怒りで狂いそうになった出来事・・・覚えていないことに対する不安・・・
物語の進展に伴い明らかになるメンバーの苦しみを決して一人で背負わせようとはしないんです。

今まで35試験小隊は、周りから落ちこぼれの吹き溜まりのように思われてきました。
でもそれは全てを曝け出せなかったから・・・意地でも自分の考えを曲げなかったから本当に折り合う事ができなかった・・・
一人・・・そしてまた一人と心の内を明らかにして皆んなが本当の意味で繋がった時・・・きっとこの小隊は最強の小隊になるんだと思います。
・・・と思わせる位、主人公のタケルは格好良かったですね^^
細谷さんの声質も主人公に合っていると思いました。

そして小隊は主人公と以下の4人で構成されています。
鳳 桜花(CV:上田麗奈さん)
西園寺 うさぎ(CV:大久保瑠美さん)
杉波 斑鳩(CV:白石涼子さん)
二階堂 マリ(CV:伊藤かな恵さん)
タケルとヒロインの距離・・・物語の回を重ねるごとに確実に縮まっていきます。
劣等生の集まりといえど皆さん可愛い子揃いである上、容姿端麗、ロリ巨乳、すげー巨乳にちっぱいとどこにもスキがありません^^;
タケル・・・全く羨ましい限りです^^;

でもタケルが羨ましいのはこれだけじゃないんです・・・
表向きはタケルの妹とされているラピス(CV:野水伊織さん)の存在が半端ありませんでした^^
彼女の特性上、ヒロインの様に常に登場する訳ではないのですが、作品の中でタケルが格好よく見えたのは間違いなくラピスの功績だと思います。
「トワイライト・エンチャント反転、フレキシブルマテリアル開放・・」
彼女のこの台詞を機に状況が一変します・・・ここから先は鳥肌モノの展開の連続です^^

オープニングテーマは、アフィリア・サーガさんの「Embrace Blade」
エンディングテーマは、いとうかなこさんの「Calling my Twilight」
いとうさんの曲、何て格好良いんでしょう・・・初めて耳にした時から完全にハマりました^^
今期のアニソンBEST10の上位に入る曲になると思います^^

1クール12話の作品でした。でも・・・伏線色々回収されていないですよね^^;
というか、謎を増やして終わったような・・・^^;
続編への布石なのでしょうか^^?
そうだと嬉しく思います♪

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20

浩平 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アスタリスクのような王道展開でもなく、キャバルリィのように目を見張る戦闘描写もないが、派手さは無いものの安定したつくりで個人的には最も心惹かれました

第1話を見た感想としては、面白いと思いました。
継続して視聴しようと思います。


第3話ではアクションたっぷりで面白かったです。
それにしてもラピスちゃん可愛いなぁ
ずっとあの低めのテンションでしゃべるのが、たまらない(*´ω`*)
そして有能感が溢れ出てる!

ところで、なんか想像してたのと違う方向にアニメが進み始めました。
予想外だけどかっこよかったです!!

そういえば、タケルはあんなに強いのに、なんで皆から馬鹿にされてる35小隊にいるんだろ??
その辺の事もいつか分かるのかな?

新キャラも出てきてますます展開が楽しみになってきました!!


第5話では長らく廃止されていた「魔女狩り祭」が復活!
祭りで使われる特殊貨幣が現金と交換可能と聞いたタケルは俄然、やる気を出し始める。現金には弱いわけね(笑)

お風呂からの流れはお約束だったけど、やはりああいう流れはニヤニヤが止まらりませんね(笑)

さりげなく「私というものがありながら!!」 とか言っちゃって完全に彼女気取りのマリちゃんも可愛らしい。

4話5話と尻上がりに楽しくなってきました。 掛け合いも相変わらず面白い。


第7話では、ハーレム展開が進む中、闇が深い感じの子の当番回となり見るのが楽しみでした。

戦績表を見て、作中ではかなり功績上げてるように見えるのにこいつらまだビリなのかとTVにツッコミを入れてしまいました。

『私が何をしていたか教えてやってもいいが、お前に真実を知る覚悟があるか?』
重要なシーンみたいなセリフですね。
『半分背負う宣言したくらいで、そこの奴らみたいに私が容易く落ちると思うなよ!』
容易く落ちたちょろいヒロインズが猛抗議です(笑)

さて、しばらく学校を休学すると言い残し、学校をあとにする。
居場所をつきとめるも、銃撃を食らってしまう。
うんうん、シリアスな展開になってまいりました。
そして、隠れ家へと急ぐ男と女が1人づつ・・・
このシナリオでまたヒロインが1人落ちるというわけですね、と思っていたら・・・!?
なんですと、このシーンでEDですと(笑)
次週どんな感じで始まるんだよ!!と、ツッコミをいれつつ、次週を楽しみに待っていようと思います。


さて、第9話ではヒロイン全員を攻略したところから始まります。

今回は、シリアス路線が続いた後のコメディ回でした(笑)
30分の中に短編2話という構成でした。

シリアスな戦闘も面白いけど、魔導遺産をめぐってドタバタするコメディ回もありですね。
ヒロイン全員攻略後のハーレム状態になってからの海回とか最高のタイミングです!

来週も期待です!ちなみに私はマリ派です。


第10話を視聴して、妹の様子が、いや・・・かなりおかしいんだが・・・

ハーレムに妹属性キャラが加わった!!
妹のために稼いでいると言っていたが、妹は拘束されている。魔女か何か?

最後の言葉には震えあがりました。
「ねぇ、お兄ちゃん。お願いがあるんだけどいいかな・・・」
「おう、なんでも言え。」
「せっかく皆が作ってくれた時間なんだ。今日はなんでもいう事を聞いてやる!」
「じゃあ・・・キセキを〇してくれないかな」

え、今なんて・・・

また続きが気になる引きで終わらせてくれました。
正にクライマックスと言ったところです。次回も期待が高まります。


第12話を視聴して、
兄の死という強烈なイメージに直面し、その力を暴走させる妹。
妹を殺さなければ、世界が危うい。
妹を救うために自分を犠牲にする兄。
世界のために妹を殺すのか・・・それとも・・・兄妹の運命は?

サブタイトル「限りなき願い」、妹死亡フラグびんびんです。


伏線を残しつつ、終わりを迎えましたがはたして2期はあるのでしょうか・・・?

投稿 : 2024/12/28
♥ : 17

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ハーレム?ハーレムなのか?やっぱハーレムだ!

どうしてこんな主人公に女子が群がる!ってな主人公ではなく、隊長らしく活躍するのでムカつく事はなかった。
女子にフラグ立てまくりなのに鈍感なのはハーレム主人公のお決まりではあるけど。
OPのスタッフクレジットで名前一文字の色を変えるというのは、いろんなアニメでやってるから目新しさはないし、静止画っすからね。
もっとビュンビュンキャラが動いているのが観たかったかな。
うさぎちゃんがかわいすぎるから文句無しです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

74.8 14 復讐で学園なアニメランキング14位
空の境界 第三章 痛覚残留[ツウカクザンリュウ](アニメ映画)

2008年2月9日
★★★★★ 4.1 (735)
4264人が棚に入れました
1998年7月、複数の捻じ切られたような変死体が見つかるという、人間の仕業とは思えない猟奇殺人事件が発生する。そんな中、“伽藍の堂”の所長である蒼崎橙子に一件の依頼が飛び込んできた。依頼内容は事件の犯人の保護、あるいは殺害。犯人の名前は浅上藤乃。殺された被害者たちに陵辱されていた少女だった。式は藤乃の暴走を止めるために行動を始める。

声優・キャラクター
坂本真綾、鈴村健一、本田貴子、藤村歩、能登麻美子
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

自身と似て非なる能力者に式は何を思うのか

「空の境界」は奈須きのこによる、同人誌に掲載された長編伝奇小説である。全7章で構成され、本作は第三章「痛覚残留」が映像化された。「そらのきょうかい」でも「くうのきょうかい」でもなく、「からのきょうかい」なのでお間違えの無い様に。
略称は「らっきょ」。

「空の境界」は奈須きのこの小説だが、奈須きのこと武内崇の所属する同人サークル(現在は有限会社Noteのブランド)「TYPE MOON」の作品に「月姫」、「Fateシリーズ」などがあり、「空の境界」と世界観を共有している。奈須氏によると「微妙にズレた平行世界」とのこと。


劇場版「空の境界」は圧倒的な映像美、迫力満点の戦闘シーンと、難解且つ素晴らしい世界観を、原作小説を忠実に再現し映像化したufotableの力作である。
本作のメインテーマは「境界」である。相反する二つのものに関するメッセージが緻密に組み込まれている。
その各々に対する矛盾もまたテーマの一つだ。
奈須氏の命の重さ、禁忌を主題とした本作の完成度には脱帽するばかりである。
「生」と「死」、「殺人」と「殺戮」などについて考察するわけだが、テーマがこれであるから必然的にグロテスクな描写がある(しかも美しかったり)。
また、難解な言葉(辞書的意味では用いない)や、時系列のシャッフルにより、物語の理解はやや困難である。
しかし、この時系列シャッフルこそが「ミステリ」における叙述トッリクとして作用しているのである。
決して時系列の通りに見てはいけない(2度目からはご自由に)他にも、原作にはなかった「色分け」が行われている点も魅力的だ。式の服の色や、月の色なども見てみると楽しい。
全7章に渡って展開される両義式と黒桐幹也の関係も素晴らしい。
設定はここで説明するとつまらないので、作品を視聴することをお勧めしたい(丸投げであるが(笑))
副題のThe Garden of sinnersは直訳すると「罪人の庭」と言う意味。sinには(宗教・道徳上の)罪という意味があり、guiltの(法律上の)罪とは区別される。
Theの次のGardenが大文字であることから、これはギリシアの人生の目的を心の平静(アタラクシア)に見出した精神快楽主義のエピクロス学派を意味する。よってThe Garden of sinnersは快楽主義に溺れた道徳的罪人という意訳が適切ではないか。



第三章の本作は「空の境界」の時系列で、全7章のうち3番目にあたる作品だ。本作の視聴で第一章での伏線を回収し、第二章のその後を展開する。本章に登場する浅上藤乃は、巫条霧絵や両儀式と同じ能力者であり、彼女も悩みを抱えて生きてきた。彼女の思いや、彼女と両儀式の接触により生じる式の心情の変化、式の信条について知ることが出来る。
第一章俯瞰風景の直前の話であるので、式と幹也の関係を一章と比較してみるのも良い。
本章は一章・二章と比較して話が理解し易く、初めての視聴でも面白く感じられると思う。
本章のメインは浅上藤乃である。彼女の変化に細心の注意を払って観て欲しい。
副題の ever cry never life は直訳すると「いつも叫ぶ、決して命でない」となるが、この場合、「いつも叫んでいる、一度も生きたことは無い」といった訳だろうか。

考察←観る前に見ない様に。
{netabare}

時系列:3/8
1998年7月
両儀式:18歳 職業:高校生(サボりがち)
黒桐幹也:18歳 職業:大学中退 伽藍の堂に勤務

原作との相違:小
原作との尺の比 155P:57min=1:0.53(1分当たり2.72P)
(一番原作との尺の長さの比が合致していると判断される2章の比を基準:1とする)
(原作の頁数は講談社文庫を用いる)


・「無痛症」について
「無痛症」という病気は実際は無く、「先天的無汗症」という病気が之に該当する。
痛み・熱さ・冷たさなどを始めとした触覚全般に関する感覚が存在せず、体温調節が非常に困難である。
「痛覚」の定義として皮膚・粘膜・骨膜・内臓などに生じる感覚とあり、痛覚が無いということは五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の内、触覚が無いに等しい。
般若心経に「無眼耳鼻舌身意、無色声香味触法」という文言がある。即ち「目・耳・鼻・舌・体・心といった感覚器官は無く、其々の器官に対応する対象[色(=物体)・音・香り・味・触覚・観念]も無い」という意味で、般若心経中では、龍樹(ナーガールジュナ)により完成させられた「空」の思想の説明に用いられている。(般若経自体は龍樹以前から存在する)
注目したいのは、「体が無ければ触覚も無い」という表現である。之即ち「触覚が無ければ体を感じることが出来ない」ということである。
浅上藤乃の場合はデビック症という延髄炎の一種で、感覚の麻痺を起こす病気で、失明の虞さえある。
藤乃は加えて鎮痛剤の一種「インドメタシン」の大量投与により、痛覚を人工的に失った。
彼女は常に自身の体を感じることが出来ず、虚ろな日々を過ごしていた。これは痛覚が「生の実感」を得るのに必要不可欠な要素であり、五感中で最高に重要な感覚であることを証明している。彼女は国語の読解力に欠け、他人の気持ちを「理解」することは出来ても、「実感」することが出来なかった。これも痛覚が無い為である。


・「殺人」と「殺戮」について
「殺人」とは、相手に抱く感情が、自己の容量を超えてしまったとき、それが極端になるとき人を殺してしまうこと。人が互いの尊厳と過去を秤にかけて、どちらかを消去した場合のみ、それは殺人となる。人を殺したという意味も罪も背負う。そして、人を殺すということは自分自身も殺すということである。
また、殺人は殺す側が「人」として相手を殺すことが必要で、死体が肉塊であったり、消し去られてしまったりする場合は、人としての尊厳が無く、「殺人」とは呼べない。
「殺戮」とは、殺された側は人だが、殺した方は人としての尊厳も意味もない。後の意味も罪も無い。自然災害に例えられる。殺戮は殺す相手を特定せず、殺される意味を持たない。
すなわち大義名分の無い殺人と言える。式は彼女の置かれた境遇から人一倍「殺人」に対する意識が強く、殺戮を酷く嫌う。藤乃の五人目以降の殺人は「殺戮」と定義されている。


・「浅上藤乃」について
{netabare}浅上藤乃の起源は「虚無」。荒耶宗蓮は両儀式と相反する能力者をつくる為、彼女の痛覚を復活させ、「死に接触して快楽する存在不適合者」にさせたのだ。
浅神家は混血の大敵である四家系「浅神」「巫浄」「両儀」「七夜」の一つであり、
浅上藤乃は浅神家の没落から母と共に浅上家に引き取られた。
彼女は、両儀式、巫条霧絵と同様に起源に「虚無」を持ち、特別な家系故に、特別な力を発現した。視界内の任意の場所に螺旋を作り、対象の強度に関係なく曲げる(捻る)能力、その名も「歪曲」(要するにサイコキネシス)。
浅神家は両儀家と異なり能力者の発現を忌み嫌う。浅上藤乃は幼少期に能力を発現し、能力の元である「歪曲の魔眼」を封じる為、父親によって強制的に感覚を奪われ、人為的に感覚を喪失してしまう(人工的無痛症)。
彼女は幼い頃「痛覚」を持っており、薬物の過剰投与によって「無痛症」になってしまった。
『第二章殺人考察(前)の考察「式と織」について』で述べた見解として、式は「抑圧」の感情を、織は「解放」の感情を受け持つと記述したが、浅上藤乃の場合は、
「抑圧」の感情により傷を耐え忍び、「解放」することを恐れた。
中学時代に幹也に「傷は耐えるものじゃない。痛みは訴えるものなんだよ」と言われていたが、これを実行出来ていたら、彼女はここまで苦しまずに済んだだろう。能力を取り戻した彼女は「痛み」(ストレス)の「解放」の手段として能力を発動し、他人の痛みを自身の痛みの代償とした。
腹部の虫垂炎が原因で「痛み」が止まず、痛みの発散の為に殺人を繰り替えす。
後に他人を殺すことに快楽を覚え、必要以上の能力の発動を行い、殺戮を始める。精神的苦痛から自身を陵辱した不良に対する復讐を行っていたが、いつの間にか無関係な他人を殺害するようになった。式は彼女が無関係な殺害を始めた時点で、彼女の殺害を決意した。
式に「おまえは血の味を知ったケダモノだ。人殺しを愉しんでいる」と指摘され、
「それは貴女でしょう。わたしは、愉しんでなんか、いない」という言葉は、痛みで思考が麻痺しながらも「まとも」でない自分を認めたくないという心情の表れである。

「太極図」で式が一つの肉体に二つの人格を持つ二重存在者なのに対し、彼女は万物の移り変わりを現す螺旋の方向性を視認出来る存在不適合者である。
荒耶宗蓮による恢復によって、バットで殴られた際の脊髄の炎症は治療され、不定期に痛覚が復活するようになった。
幼少期に封印されていた能力が復活したことに依り、その能力の威力は凄まじく、式を凌駕するものだった。更に後には透視能力(千里眼)をも発動出来るようになった。
彼女も巫条霧絵と同様に荒耶宗蓮の「根源の渦」、『 』への到達という最終目標の為に両儀式と接触する駒となった。
一章では述べなかったが、この似て非なる式・霧絵・藤乃の三者の共通点として、
「虚無」を起源とし、「根源の渦」、『 』への到達の鍵であること。三者とも「生」の実感が得られず、「今」を生きることに全力を注ぎ、快楽への傾倒が何時起きても可笑しくない不安定な存在であること。黒桐幹也という存在に、三者とも一種の憧れを抱いており、自分を受け入れてくれる唯一無二の存在として、彼を欲していることなどが挙げられる。この点に関しては五章矛盾螺旋や終章空の境界で改めて記述する。{/netabare}


・ほんの少し――ほんの少しだけ、おまえよりの殺人衝動――」について
{netabare}第六章「黒桐幹也」についてで述べるが、彼は「どこまでも普通で、誰よりも人を傷つけない」という起源を持っている。中立かつ博愛である彼は誰かを特別視することが出来ない。自分の親類と赤の他人とを同等に扱わなければならない。式が幹也に人殺しについての一般論を期待した(というか幹也には一般論しか言えないのを分かっていた為、自分を否定して欲しかったのである。)のは、この起源に起因する彼の性格によるものである。
社会的に罪を背負うことがなくとも、自責の念だけは残り、それは償うことの出来ない罪の意識として、当人を苦しめることになる。式が罪の意識は常識によるものだから、常識のない自分を野放しにしてよいのかと幹也に問うたとき、彼は「式の罪は、僕が代わりに背負ってやるよ」と回答した。
式の「かわりに一つだけ分かった。自分の生き方、自分が欲しいものが。とてもあやふやで危なっかしい物だけど、今はそれにすがっていくしかない。そのすがっていくものが、自分が思っているほど酷いものじゃなかったんだ。それが少しだけ嬉しい」という台詞は、式が生の実感を得る上で必要不可欠な殺人衝動が、浅上藤乃との戦闘で式の殺人衝動が思ったほど酷くなく、浅上藤乃を許せるものであったことから、一般論を期待していたけれど、人間味のあることを言ってくれた幹也に向けて、幹也の期待に応えられる殺人衝動という意味で言ったものである。式は織の消滅によって空いた伽藍洞の心を幹也で埋めることを決意し、織の幹也と幸せに生きるという夢を叶えるため、幹也と共に生きることを決意し、自分の生の実感を得る手段としての殺人衝動を幹也に認めてもらえるようなものにすることを決意した。因みにこの会話は第三章の最重要場面である。ここでの約束が七章で果たされることになる。
{/netabare}
・「傷跡」について
浅上藤乃をイメージして奈須きのこ監修の下、梶浦由記によって作詞・作曲された。中学時代に浅上藤乃は黒桐幹也と出会い、今回再び助けられた。
「ねえ、生きていると分かるほど抱きしめて」という歌詞や他の歌詞から、彼女の「生の実感」への渇望と、憧れの混じった恋について上手く纏められている。



・「痛覚残留」という作品について
幼い頃に「歪曲」という能力を発現し、封印されてしまった浅上藤乃。彼女は能力の封印の代償として「痛覚」を失ってしまう。痛覚を失うことで外部からの刺激・自らの身体の感覚を失い、「生の実感」をも失ってしまう。彼女は痛みを知らず、感情の抑揚も乏しく、鮮花に「誰にも憎まれない娘」と評されるほど温和で穏やかな性格となった。
無痛症の為、自身の身体の異常が検地出来ず、外出に厳しい礼園女学院生ながら、主治医に定期的に診て貰う為に外出をしていたところを不良に絡まれ、半年間に亙って性的暴行を受けたが、感覚が無く、感情に乏しい為ほとんど抵抗はしなかった。
しかし、金属バットで背中を強打されたことで脊髄に損傷を受け、不定期に感覚を取り戻すようになる。ある日感覚を取り戻している時間に不良のリーダーに腹部を刺され、自己を防衛する為に「歪曲」により湊啓太以外の4名を殺害してしまう。
実際には腹部を刺されるよりも能力の発動の方が早く、彼女は刺されていなかった。
彼女は腹部に虫垂炎(後に腹膜炎)を患い、その痛みは腹部の傷として彼女に認識される。
彼女は陵辱されたという精神的苦痛から、不良への復讐を行い、湊啓太を捜索する。他人の痛む様子を見ることで「生の実感」を得ることを覚え、他人の痛みで自身の痛みを補完しようとした。しかし、手段と目的が入れ替わり、殺人に快楽を覚えるようになり、殺すことで「生の実感」を得る為、殺戮を始めた。痛むが為に人を傷つけるのではなく、人を傷つける為に痛む傷。傷は人を殺す理由の為に永遠に消えない。
式は能力を発現している時の彼女を酷く嫌い、之を殺すことで排除しようとした。藤乃の能力「歪曲」により左腕を失うが、「直死の魔眼」の力により、「歪曲」の描く螺旋を殺すことに成功し、藤乃に勝った。
しかし、彼女が無痛症に戻ってしまったので式は殺害を止め、彼女に巣食う盲腸を殺すことで幕を閉じた。


・名言(原作より抜粋)

藤乃「――はい。とても・・・・・・とても痛いです。わたし、泣いてしまいそうで――泣いて、いいですか」

藤乃(お腹が痛い。見えない手に、私の中身が鷲摑みにされる不快感が。吐き気がする――いつもはそんなものはしない。めまいがする。――いつもは唐突に意識が落ちる。腕がしびれる。――いつもは目で見て確認する。 とても、痛い。――ああ、生きている。)

藤乃「・・・凶れ」

橙子「黒桐は間に合わなかったか。さて。嵐が来るのが先か、嵐が起こるのが先か。式ひとりでは返り討ちにあうかもしれないぞ。両儀」

幹也「馬鹿だな、君は。いいかい、傷は耐えるものじゃない。痛みは訴えるものなんだよ、藤乃ちゃん」

式「万物には全て綻びがある。人間は言うにおよばず、大気にも意志にも、時間にだってだ。始まりがあるのなら終わりがあるもの当然。オレの目はね、モノの死が視えるんだ。おまえと同じ特別製でさ。だから――生きているのなら、神様だって殺してみせる」

藤乃(やっと手に入れた痛覚なのに、今はこんなにも憎い。でも――ほんとうだ。痛いから――とても痛いから、死にたくないと渇望する。このまま消えるのはイヤ。もっと、生きて何かをしなくちゃいけないんだ。)

藤乃(もっと生きて、いたい。もっと話して、いたい。もっと思って、いたい。 もっと ここに いたい。)

式「痛かったら、痛いっていえばよかったんだ、おまえは」

幹也「・・・罰っていうのは、その人が勝手に背負うものなんだと思うんだ。その人が犯した罪に応じて、その人の価値観が自らに負わせる重荷。それが罰だ。
良識があればあるほど自身にかける罰は重くなる。常識の中に生きれば生きるほど、その罰は重くなる。浅上藤乃の罰はね、彼女が幸福に生きれば生きるほど重くて辛いものになる」

幹也「そっか。じゃあ仕方ない。式の罰は、僕が代わりに背負ってやるよ」

式「もうひとつ白状するとさ。・・・・・・オレも、今回ので罪を背負ったと思う。けど、かわりに一つだけ分かった。自分の生き方、自分が欲しいものが。とてもあやふやで危なっかしい物だけど、今はそれにすがっていくしかない。そのすがっていくものが、自分が思っているほど酷いものじゃなかったんだ。それが少しだけ嬉しい。ほんの少し――ほんの少しだけ、おまえよりの殺人衝動――」
{/netabare}

感想

本作は一章,二章と比較して分かり易い作品で、世界観がだんだんと理解出来てきた中で、式と似た境遇の人間・浅上藤乃と式を絡ませ、両者の違いや、式の信条などを視聴者に刻銘に印象付けさせ、五章矛盾螺旋への繋ぎとしての役割が十分に果たせている。
一章に比肩する式の戦闘シーンや空の境界随一のグロテスクな描写の多さが特徴的だった。
本章は幹也から式への想いの表現が多かったが、式から幹也への想いの表現が少なく、式が何を想っているのか想像することが出来た。もしかしたら藤乃の幹也への想いに嫉妬していたのかもしれない。
「努力してみる」などツンデレ気味の発言も含まれている。
ほんの少し――ほんの少しだけ、おまえよりの殺人衝動――」と言った式の覚醒後初めての笑顔は大変可愛い。
{netabare}
「凶れ(まがれ)」という言葉が式に向けて何度も発せられたが、あれは殺戮が彼女に「生の実感」を与える唯一の痛みへと変貌してしまったことを示しているのと同時に、自分の存在を否定するものの排除という「殺人考察(前)」における式に似た心情であると考える。
藤乃は可哀想な人生を歩んできたが、その中での幹也への恋と、「普通でありたい」と思う心が彼女の心の糧となったと思う。最期に式によって殺されなかったことは、彼女にとっても、式にとっても良いことだった。無痛症は治らないだろうが、盲腸が治って良かった。
最初と最後に出てきた「とても・・・とても痛いです。わたし泣いてしまいそうで――泣いて、いいですか」という言葉が藤乃の本音だろう。
最後に痛覚がある状態で盲腸の痛みを実感し、「痛い」から「死にたくない」と「渇望」する。という強い思いが湧き出てきた。
もっと生きて、いたい。
もっと話して、いたい。
もっと思って、いたい。
もっと ここに いたい。
という「痛い」=「居たい」という強い意志が「痛覚」があることで具現した。
同時に自分が愉しんでいたモノの正体に対する痛み、自分が犯した罪、自分が流した血の意味を「実感」した。
藤乃「痛みは耐えるものじゃなくて。誰かに愛してと訴えるものなんだって、あのひとは教えてくれたんだ」
とあり、「痛み」の正体を知るに至った。
式が言った「痛かったら、痛いっていえばよかったんだ、おまえは」という言葉のとおり、もっとはやく「痛い」と言えていればと思う。
{/netabare}

この三章は、一章,二章を視聴した上で「両儀式」という人物について考えさせる作品だった。
浅上藤乃という式に似た殺人鬼の登場。彼女も特別な家系の生まれで、それ故に不幸な人生を歩んでしまう。本章は藤乃への同情を誘うとともに、式の心の揺らぎが見られる。
一章と二章を繋ぐ三章。そして二章と三章を繋ぐ四章へと話は進んでゆく。

本作は考察のし甲斐があり、非常に面白い。また現代人への処方箋のような役割を果たし、私達にカタルシスを与える。

私は全章視聴後原作を購読したが、読み応えがあって大変面白い。アニメを観た人は補足の為にも、お勧めしたい。
未視聴の方は、是非挑戦していただきたい作品である。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 48
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

痛みと無痛 生きている実感の境界線

1998年7月、この第3章は時系列でも3番目のエピソード。
鑑識官に「人間の仕業とは思えない」と言わせるほどの猟奇殺人事件が次々発生。
しかも被害者は複数の若い男性ばかり。
第3章でのゲスト的な主人公は浅上藤乃。
このページの「あらすじ」欄に犯人の名前まで書かれているが
彼女が数人の男性に取り囲まれ陵辱されているシーンからスタートするため
猟奇殺人事件の犯人が誰かすぐに見当はつくし、これは犯人探しの話ではない。

黒桐 幹也も働いている人形工房「伽藍の堂」の所長である蒼崎橙子(あおざき とうこ)に
「事件の犯人・浅上藤乃の保護、あるいは殺害」という依頼が舞い込み
藤乃の暴走を止めるため、両儀式が活躍する・・というのがこの第3章の内容。

痛みを感じない無痛症である藤乃が初めて感じた、生きている実感というものに
おそらく自分と似たものと反発を感じた式の気持ち。
相変わらずのお人良しぶりで優しい幹也が偶然出会った藤乃の人間像。
痛々しくてとても悲しい話ではあるのだけれど、
藤乃が感じていた痛みの本当の原因がわかったとき、あぁなるほどなと。
外部から受ける痛みと内部からの痛みは、同じ痛みでも違いがあって
それは外部から受ける傷と内面で傷つくのとの違いにも似ている。
傷というものは大抵痛みを与えるものなわけだけれど、
同時に、その痛みを知ることで生きている実感が持てるし、
人間らしさを保てるというもの。
果てはそれが生きていく理由にも繋がるのだよね。

しかし藤乃の場合・・・
{netabare}
自分が痛みを覚えた時に殺戮を繰り返しているので
生きている自分の実感と相手の痛みとの相互関係に少々疑問が残る。
彼女を陵辱した青年たちへの復讐心だけだったら納得がいくものの
それだけに留まらなかったということは、殺人による快楽をも覚えてしまったことになり
だからこそ式はそんな彼女を許せなかったのだろう。
というわけで、式の持つポリシーのようなものも感じ取れた。
{/netabare}

それだけでなく、これまで幹也からの式への想いはかなり伝わったものの
式から幹也に対しての想いはあまりハッキリ描かれていなかったので
この3章での幹也に好意を抱く藤乃の存在が、
式の嫌悪感を増幅していたようにも感じることができたのは良かった。
第1章で、式の腕があんなだった理由もわかるしね。
とにかく今回は藤乃がやたら強くて、バトルシーンも見応えがあり
「痛覚残留」というタイトルの文字通り、観ているこちらも痛覚を刺激される映像が多く
全体的に悲しみに彩られたストーリー同様、音楽のほうも雰囲気があって
単体で観てもわかりやすくまとまった回だったと思う。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 41
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

強制された抑圧と、境界を越えた解放

原作未読。
全8章からなる物語の3章目。約60分。

「空の境界」全章に共通する項目は、第1章のレビューをご覧ください。
→ http://www.anikore.jp/review/450724/

1章より前、2章より後の話。
ストーリーは比較的独立しており、この話だけ観てもわかりやすい構成になっています。

この回では少し笑いの要素が入ってきます。
また、黒桐幹也の妹、黒桐鮮花の出番があります。
彼女は清涼剤みたいな存在で、話に柔らかみをもたせてくれています。

ただし、残虐性にも拍車がかかっています。
人間の負の面を強く表現している印象です。
残酷な話と軽いテンポの会話、その組み合わせで、他の章との重みのバランスを取っているのでしょう。

映像面の見所は、嵐の中での戦い。
水を切るように動く表現は、実にスタイリッシュです。

EDテーマは「傷跡」。


【3章「痛覚残留」の考察】
{netabare}
過去に、黒桐幹也と浅神藤乃は出会っています。

幹也「いいかい?傷は耐えるものじゃない。痛みは訴えるものなんだよ」

これは、私たちの日常生活にも繋がってくる発言です。
「抑圧」=「傷を耐える」という行為は、周りに危害を加えないと同時に、自分の中にストレスどんどんため込んでしまいます。
そして、たまりにたまったストレスは、ふとしたきっかけで爆発してしまう。
それを防ぐためには、ストレスを定期的に「解放」=「痛みを訴えることを」してやらなければならない。

浅神藤乃は、精神的にはごく普通の人間です。
しかし、痛みを訴える方法が「能力の発動」という特殊なケースだったため、「人工的に感覚を抑える」という方法で、強制的に抑圧され続けてきたわけです。


そして、金属バット殴られた衝撃で、一時的に復活した痛み。
むりやりイスに縛り付けられ、勉強させられ続けてきた人のロープが、ふいにほどけたと考えると分かりやすいと思います。

自分のやりたいようにできない、つまり「生」を実感できない「空っぽの」状態から解放される。
やっとストレスの発散が可能になりました。
ただし藤乃は、痛みを感じている間はストレスの解放が終わっていない、つまり、痛みを訴え続けなければならないと解釈しています。
だから、殺しに対して「私は楽しんでなんかいません!」と藤乃は言ったんでしょう。

しかし、抑圧が解放されることに、徐々に喜びを覚え始めた藤乃。
必要最小限の解放ではなく、必要以上の解放へと、その「境界」をまたいでしまった。
それが、「殺人」という行為を超え、無関係な人々を巻き込む「殺戮」へと移行し、式の怒りを買ってしまうことになったわけですね。

しかも、実際はナイフで刺された痛みではなく、もともと持っていた病気による痛みだった。
そのため、永遠にストレスの発散が終わることがないわけです。

さんざんたまっていた「ストレス」が一気に解放されたわけですから、藤乃はあれだけの力を発揮しました。
そして同時に、余命いくばくもない藤乃。

この状況を打開する方法が、式にしかできない「病気を殺す」という行為だったのでしょう。

この浅神藤乃が、2章のラストで語られた「死に接触して快楽する存在不適合者」に相当します。


【全て見終わった人へ】
{netabare}
4章で分かりますが、痛覚が戻ったのは、バットで殴られたのがきっかけではないんですね。
荒耶宗蓮の仕業だった。


7章でも触れられていますが、

殺人=相手に抱く感情が、自己の容量を超えてしまったとき、それが極端になるとき人を殺す。人が互いの尊厳と過去を秤にかけて、どちらかを消去した場合のみ、それは殺人となる。人を殺したという意味も罪も背負う。そして、人を殺すということは自分自身も殺すということ。
殺戮=殺された側は人だが、殺した方は人としての尊厳も意味もない。自然災害に例えられる。

と区別されています。
この違いを強調しているため、藤乃に危害を及ぼした人以外への殺害行為を「殺戮」と呼んで、式は嫌っていたわけですね。


なお、劇中で橙子が式に渡したカードキーの名義は「荒耶宗蓮」となっています。
橙子「名義は古い知人のものを拝借したがね」
ここで、初めて名前が出てきています。

また、カードキーの色は、蒼、橙、ピンクの3色。
「式、織、両儀式」の着ている3種類の着物の色と被ります。
また、
橙子「式一人では返り討ちに遭うかもしれんぞ、両儀」
すでに橙子は、式の2種類の人格に加え、3つ目の人格に気付いていたんですね。

{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 34

69.7 15 復讐で学園なアニメランキング15位
グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー(アニメ映画)

2020年11月27日
★★★★☆ 3.7 (48)
275人が棚に入れました
トーカ(獅子ヶ谷桐花)は、SORDメンバーたちと共に海外合同合宿に参加するも、その予定は変更され、脱走者・グミ(九真城恵)を追う作戦に参加することとなる。
任務に際しトーカは、両親との記憶や、昔の友人・シホとの果たされることのなかった約束と邂逅し、グミの境遇に想いを馳せる。それぞれが交差する中、トーカの導き出した答えとは――?

声優・キャラクター
佐倉綾音、三森すずこ、内田真礼、南條愛乃、名塚佳織、種﨑敦美、井澤美香子、代永翼、長妻樹里、小見川千明、依田菜津、友永朱音

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『ビルマの竪琴』の美少女アニメ版が完成したと聞いて!!!「みもり~ん、一緒に日本に帰ろう~」途中から『コマンドー』か『エクスペンタブルズ』になってるとか言いっこなしよ?

エロゲでお馴染みの『グリザイア』シリーズの全年齢版、かつ現在進行形で展開中の『グリザイア:ファントムトリガー』のvol.3をアニメ化した61分の映画です
↓ちなみに2019年にvol.1とvol.2をアニメ化したのが前作になります↓
https://www.anikore.jp/review/1907909/
過去のシリーズとの接点は希薄で、さらには前作のダイジェストも劇場では流れますのでイキナリ今作から観始めても良いと思います


美浜学園に通う生徒達は皆ワケあり
国家諜報機関の汚れ仕事を担うSORD(ソード)と呼ばれる殺し屋として育成されている
前回の事件を機に新たにSORDとなったマキを加えた美浜学園は修学旅行…という体裁でフィリピンのジャングルで山岳訓練を控えていた
しかし合同で訓練を行うはずだった聖エール外国人学校から脱柵兵の捜索依頼をされる事に
脱柵兵の名は九真城 恵(クマシロメグミ)通称グミ
実は以前の作戦中、現地で捨て兵にされてしまい、復讐心を燃やして敵を1人で壊滅し、ゆくゆくは自分を捨てた上司を殺害するのでは?と恐れられているスナイパーだった
グミと一緒に捨て兵にされ戦死したのが、かつての自分のパートナーだと知った美浜のスナイパー、トーカ
トーカは同じスナイパーであるグミの暴走を止めるべく作戦に参加するが、その内心では複雑な想いをめぐらせるのだった…


前作に引き続き、ハイクオリティな美少女ガンアクションが炸裂するGun&Girlsアニメです
単純に女の子が銃をぶっ放すアニメが好きな人は観て損は無いでしょう


前作の助監督であった村山公輔が新たに監督デビュー
脚本はあおしまたかし
もちろんキャラデ総作監は渡辺明夫、ですが前作と違いパート作監は複数に分担でされてます
それでも相変わらず作画クオリティは超高水準で安心しました
作画が良い、という言葉は今作の為にあるとすら感じます


物語はグミの姿に自分の過去を重ねていくトーカ、
孤独な戦いを続けようとする古風な軍人気質のグミ、
そしてSORD達のあまりの非日常的日常風景に翻弄される有坂先生ェ…
という3つが並行して進む群像劇になっています
さらにグミと同じ聖エールの生徒達も作戦に加わり、登場人物は一気に増えていくのが群像劇スキーには堪りません
特に新キャラの1人、ベルベットちゃんに小見川千明というキャスティングが憎いですねw
彼女達のシュワルツェネッガーかスタローンかって活躍にも注目です


グミに帰投を願う仲間達からグミの無線へ「一緒に日本へ帰ろう」という言葉が掛られるのは『ビルマの竪琴』を彷彿とさせます
グミがハルトと逢って初めて発した台詞も横井庄一さんから発せられられた流行語が元ネタでしょう
これを小見川千明や三森すずこに言わせたのが面白過ぎますw
次の『ガルパン最終章第3話』でも同じことをやるんじゃないか?とけみかけは踏んでますがさてどうでしょう?


そして『グリザイアPT』において最も重要視されてるテーマである生きる事、即ち食べる事、が今作でも健在です
61分の中でこんだけ飯テロを仕掛けてくる映画はグルメモノでもそうそう無いでしょう
下手にお腹が空いてる時に観ると辛いかもしれませんw


今作ではトーカが掘り下げられたので、このままクリスやムラサキのエピソードも是非このクオリティでアニメ化をして欲しいものです!
それでは、バイポッドになりたいっ!けみかけなのでした~

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

カエル、二羽鶏、牛丼

 前作「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION」から一年以上たった今回、新しい仲間ができた続きとなるです。初めて見る人にも、何となくわかるような簡単な解説があるです。

 今回は、美浜学園の生徒トーカを中心に過去に振り返えつつ、グミという少女の過去と現在と対峙決着という展開、何やら濃い内容のようなお話だったです。前回出でてきた生徒は、脇役みたいなかんじになったです。

 トーカ自信と家族を物語る過去と、復讐を背負ったグミとの対比が描かれているです。
 トーカと出会ったグミが、最後どういう反応をするのか?このお話の結末を左右するです。この上ない宿命のようなこの二人の過去は、一人の人物を知る共通点と、運命においてやや深いものがあったです。互いを知った時どうなるのか?、「過去を打ち抜く!」とは何なのか?お話として、前作より面白みがあったと思ったです。

{netabare} 別に印象に残ったのは、任務において出てきた修道服の女の子たちが、言葉遣い、行動、性格においてのギャップも見所だったです。
 でてきた太ったおっさん?が、どこか存在感を示していたのも・・・です。{/netabare}

 戦闘においてやや順調で、少し思わぬことが起こりながらも、淡々と遂行されてしまうトーカが、デューク東郷とも一味違う狙撃で、一度狙われたら相手もおしまいというのを現したある意味での凄まじさを感じたです。

 結局、スターゲイザーというのが、良くわからなかったです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

57.7 16 復讐で学園なアニメランキング16位
金田一少年の事件簿R(第2期)(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (83)
377人が棚に入れました
「週刊少年マガジン」連載の人気ミステリーコミックのTVアニメ版第2期シリーズ第2弾。
名探偵だった祖父譲りの推理力を持つ高校生・金田一一が、幼馴染みの七瀬美雪や剣持警部、明智警視らと共に難事件に挑む。

声優・キャラクター
松野太紀、中川亜紀子、小杉十郎太、森川智之、小野健一

イツキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最終話が泣ける、大人の方が楽しめるかも

再視聴したため、二回目のレビュー投稿。
前回は、R第32~36話の「薔薇十字館殺人事件」がお気に入りと書いたが、今回は、Rシリーズのラストを飾る「狐火流し殺人事件」(第44~47話)をお勧めしたい。
筆者が思う、金田一シリーズと、同じく探偵モノのコナンシリーズとの決定的な違いは、その人間味の深さにあると思う。コナンは「犯罪は悪」「正義は必ず勝つ」というようなことをモットーとしているところがあり、犯罪の動機もどこか薄っぺらいことが多い(別にこれが悪いと言っているわけではない)。
しかし、金田一の場合、その犯行の動機は誰しも納得してしまうものであることが多く、また、犯罪は許されないことだとわかっていつつも、必ず犯人のそこへ至らざるを得なかった経緯に同情してしまう部分があると思う。
一言でいうならば、金田一は、深く人間というものを考えさせられる、より大人向けの作品だと思う。
「狐火流し殺人事件」も例に漏れずそうだ。
友として、真実にたどり着いた探偵として、友の犯罪を暴き、警察に引き渡さなければならない一(はじめ)。最終話、自首を決めた犯人が、警察署の前で一に別れを告げるシーン、そしてその後の一のモノローグに、涙を禁じ得ない。ぜひ一度観てほしい。



以下、前回のレビュー:
「金田一少年の事件簿R第2期。お馴染み名探偵の孫が事件を解決するミステリーシリーズのテレビアニメ化企画第3弾だ。
今回は数ある金田一アニメの中でも特におすすめしたい一作。注目は何といっても本作のダークヒーロー・「地獄の傀儡師」高遠遙一と主人公・金田一一が協力関係を結ぶ「薔薇十字館殺人事件」(第7~11話)。過去に二人が図らずも協力し合う「露西亜人形殺人事件」(アニメ第1期139~143話)も筆者イチオシのエピソードだが、今回はそれ以上に二人のタッグが冴える。それは本作のヒロイン・七瀬美雪に「ビミョーに似たもの同士?」と言わしめるほど。立場的には敵対する二人だが、事件解決においてはある意味お互いの欠点を補い合える関係は、このエピソードだけに留めておくのは正直もったいないと思わせてくれる。
他にも「金田一少年の決死行」「雪鬼伝説殺人事件」「狐火流し殺人事件」など原作人気エピソードを収録。SPの1時間スペシャル「明智警部の事件簿」も期待を裏切らない出来となっている。」

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

計測不能 17 復讐で学園なアニメランキング17位
真魔神伝 バトルロイヤルハイスクール(OVA)

1987年12月10日
★★★★☆ 3.6 (9)
26人が棚に入れました
異才漫画家・来留間慎一(別名:秋恭摩)の伝奇SFアクションコミック『魔神伝』のOVA化。 高校生・兵頭力は、格闘技世界一を目指す空手部部員。同部の女子・高柳涼子が案じる脇で、常に強者との死闘を望んでいた。だがそこに、異次元の魔導士ビョウドが出現。ビョウドは実は兵頭の時空を超えた分身的存在で、兵頭に強制合体、支配にかかる。だが結局は兵頭の精神の方が、両者の合体した肉体を制覇した。一方、ビョウドの現世界出現の際に、異世界の妖物・邪妖精も到来。この邪気を認めて、宇宙刑事の斬奸(さんかん)、そして念法の達人・結城が集結する。宿敵ビョウドと合体した兵頭を狙う邪妖精はやがて、兵頭に思いを寄せる後輩の女子・小山恵に接触。その肉体を取り込むが……。 監督は『マクロス』シリーズほかで活躍の、マルチクリエイター板野一郎。メインアニメーター・結城信輝の作画の迫力もあって、60分の本編時間の中に、高密度で見応えのあるアクションシーンが凝縮されている。
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