幼馴染で花火大会なTVアニメ動画ランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番の幼馴染で花火大会なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.1 1 幼馴染で花火大会なアニメランキング1位
さんかれあ(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (2267)
12323人が棚に入れました
紫陽町に住んでいるゾンビ大好き高校生降谷千紘は、夜ごと怪しげな古文書を片手に、事故死した飼い猫ばーぶの蘇生を試みていた。ある夜、蘇生秘薬を作っていたいた千紘は、川向こうのお嬢様高校に通う美少女、散華礼弥が父に対する恥ずかしい不満を古井戸にぶちまけるところを目撃してしまう。千紘の実験に興味を持った礼弥は、千紘と共に紫陽花の毒を使った秘薬を作成、実験に成功するが、2人とも失敗したと思い、翌日にばーぶの葬儀をすると約束した。礼弥は夜中に出歩いていたことが父親に発覚し家に閉じ込められてしまう。悲嘆した礼弥は、密かに持ち出していた秘薬を「毒が含まれているから」と、蘇生と逆の効果を期待し、服薬してしまう。

翌朝、結局死ぬことができなかったと悲嘆にくれつつも、千紘との約束である「ばーぶの葬儀」に参加するため家を抜け出した礼弥は、その途中で父に遭遇。父の振るった鞭に打たれて崖から転落してしまう。その一部始終を目撃した千紘が駆け寄ると、砂ぼこりの中から礼弥はゾンビとなって起き上がった。ゾンビとなった礼弥は降谷千紘の家に居候し、千紘にとって憧れであったゾンビとの共同生活が始まったのであった。

声優・キャラクター
木村良平、内田真礼、矢作紗友里、井口裕香、荻野晴朗、斎藤志郎、石塚運昇、浅野まゆみ、林沙織、岩瀬周平、福圓美里
ネタバレ

アイコン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

サンゲリア充。

原作未読。

ゾンビ特集第三弾は、
ゾンビとの恋愛物語という
異色のラブコメアニメ。

H.O.T.D、ぞんぞんびよりと
ゾンビアニメは尽く期待にそぐわず
儚く散ってきているので、
あまり期待を抱かずに
視聴させてもらった作品。

そのせいもあってか、
中途半端なところで終わったものの
意外と楽しめたかなという作品。

全体的にテンポが遅く、
話があまり進まなかったので
少し断念しかけましたが、
なんやかんやで後半からは
話には引き込まれました。

でも結局、物語の根底?
といったものが明かされぬまま
(秘薬の出どころやジジイの正体とか)
終わりを迎えるので、
かなり消化不良。

ゾンビとのラブコメといっても
『コープスブライド』みたいな
ぶっ飛んだものでなく、
綺麗なゾンビラブコメなので、
大衆的には見やすい作品となっている分、
個人的にもう少し
インパクトが欲しかったかな、
というところ。

テンプレ的なラブコメも別に
嫌いではないのでいいのですが、
せっかくの特異な設定を
あまり生かしきれていないので
全体的に印象に残らない
地味な作品となってしまってるのが
自分には痛いかな。
せっかくのゾンビっ娘設定なのに。

まぁ、物語の雰囲気は結構好きです。
かなり作画も綺麗ですしね。
そんな綺麗な世界観だからこそ
あまりぶっ飛んだものに
出来なかったのかもしれませんが。
(そのわりにジジイは異常に
ぶっ飛んでやがるけど(笑))

音楽も悪くはないですが、
印象には残らなかったかな。

声優さんは普通に
良かったと思います。

結局総評すると、
またまた中途半端だったかな。
やっぱゾンビと
アニメは合わないのかな……。

とりあえず、
2期に期待、とだけ。



ってなテキトーなレビューを
書き終えたところで……。

ここからが本質。

なにかと言うとこの作品、
いろんなところにゾンビものの
オマージュが隠されています。
それもかなりの数。
自分はまだ全て把握しきれてませんが、
見つけただけでも結構な数がありました。
それを見つけた時のよくわからない
嬉しさが気持ちいいのなんのって(笑)

そういった隠し要素?
みたいな部分を探すのが
ホラー映画好きとしては
すごく楽しいです。
正直本編よりこっちの方が……。
いや、何でもありません。

しかも驚くべきは、
主人公はゾンビ映画好きという
設定のはずなのに
主人公の部屋には
ゾンビでないホラー映画の作品まで
オマージュされたグッズが
置かれているところ。

お前ゾンビ映画だけじゃなかったのな。

原作にも同じような
オマージュが隠されていたのかは
知らないですが、
それでもアニメスタッフの
ホラー映画愛が感じられます。

なのでここから下には、
にわかホラー映画ファンの
自分が気づいた、覚えている範囲の
作品のオマージュの数々を
書き綴っていきます。
少し強引な押し付けもあるかも。
絶対にこれ以外にもオマージュは
存在するので、
ホラー映画好きの方は
是非探してみてください。

別にどーでもいい方は
ここで切って構いません。

登場人物の名前にも
元ネタがありますが、
それはWikiに載ってるので
ここでは省きます。

{netabare}◆劇中のシーン

・第一話の冒頭で、
ゾンビっ娘との
萌えシチュを妄想していた時、
主人公が白いシャツに
赤いネクタイという格好で、
手にはクリケットを掲げていましたが、
あれは『ショーンオブザデッド』
という作品の主人公、
『ショーン』を模した格好。

・ばーぶに秘薬を投与し、
後にクーラーボックスから
生き返ったばーぶが飛びだす、
というシーンがありますが、
多分死霊のしたたりへのオマージュ?
(死霊のしたたりでは
生き返った猫が冷蔵庫から
飛び出してくる、という
シーンがありました)

・礼弥と千絋が一緒に
ショッピングモールへ買い物に
出掛けるシーンがありますが、
多分数あるゾンビ作品へのオマージュ。
(ほとんどのゾンビ作品には
ショッピングモールが付き物)



◆千絋の部屋の棚に置いてあるグッズ


・マイケルマイヤーズ
(映画『ハロウィン』)っぽいマスク

・ジグソウ
(映画『SAW』)っぽいマスク

・ジェイソン
(映画『13日の金曜日』)っぽいホッケーマスク

・レザーフェイス
(映画『悪魔のいけにえ』)っぽいマスク

・ゴーストフェイス
(映画『スクリーム』)っぽいマスク

・チャッキー
(映画『チャイルドプレイ』)っぽい人形


◆主人公の持っているDVD


・Zombie
(映画『ゾンビ(邦題)』)

・サンゲリア・ウォーズ
(映画『サンゲリア(邦題)』)

・Shandy of the dead
(映画『ショーンオブザデッド(Shaun of the dead)』)


◆千絋の部屋の壁紙


・Dance of the dead
(映画『ダンスオブザデッド』から?)

↑これはタイトルが直球すぎて
オマージュなのかどうか……。



◆劇中で流れていた作品


・第一話で
「墓場でブロンドの女性が
ゾンビに追いかけられる」
というシーンの映像が流れましたが、
『ナイトオブザリビングデッド』
へのオマージュ?
押し付けかもしれない。

・中盤の方で
「両親の寝室に娘が入ってきて、
「どうしたの?」と
呼び掛けたらゾンビ化した
娘が襲いかかってくる」
というシーンが流れますが、
リメイク版『ドーンオブザデッド』
へのオマージュ?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

狂気からの脱却…

この作品の原作は未読ですが、内田真礼さんがメインヒロインのCVである事を知り、あにこれでの総合得点も高かったので視聴に踏み切りました。

視聴するまでタイトルの「さんかれあ」の意味が謎でしたが、1話目でメインヒロインの名前である事が分かりました。これですっきりしたのですが漢字で「散華礼弥」と書くのを知った時には少し複雑な思いがしました。

「散華」という言葉に正直あまり良いイメージがありません。
供養のために花を撒き散らす事…戦死を美化した語…
でも私の中で「散華」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「結城友奈は勇者である」です。
何も分からないまま突然押し付けられ、一生懸命頑張ったご褒美は損失…
それでも世界は容赦が無くて痛みは増すばかりですが、みんなで真っ直ぐ前を見据えています。
そんな彼女たちの勇姿に何度も号泣させて貰いました…
名乗りを上げる姿…魂の叫び…今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。

散華という言葉に良いイメージはありませんが、れあちゃんはそれらを加味しても余りあるほど可愛らしく良い子だったと思います。
ただ…生まれた家が悪かった…裕福で欲しいモノは何でも手に入る…
その代わり彼女が失っていたのは自由でしたけれど…
彼女の自由を奪った諸悪の根源は父親である散華 団一郎です。
わが娘を溺愛するのは許容範囲としても、彼の言動は明らかに常軌を逸していたと思います。

彼女の秘密は古井戸に父親への不満をぶちまける事…
父親の言動を鑑みると、ささやかな抵抗でしかありませんが、彼女の行動がもう一人の主人公である降谷 千紘との出会いに繋がっていた…と考えると運命を感じてしまいます。

千紘くん…ゾンビが大好きなゾンビマニア…ここまでなら私も理解できます。
けれど一体何なんですか「ゾンビ萌え」って…?
そもそも「ゾンビ」と「萌え」は同列に並ぶ言葉じゃないだろうに…
ゾンビの彼女との交際を夢見てる…なら一生夢を見ている事確定じゃありませんか…
でも「好き」って時々とんでもない軌跡を起こしてくれるんですよね。
ゾンビ萌えの千紘くんは…何と亡くなった飼い猫をゾンビとして甦らせる秘薬を作ってしまったんです。
これだけでもビックリなのですが、この物語で本当に驚くのはココからです。

れあちゃんと千紘との出会い…お父さんである散華 団一郎は面白いはずがありません。
娘に更なる足枷を…もう二度と家から出ることを許さないぞ…と鼻息荒いお父さん…
れあちゃんは警察に駆け込むできだったのかもしれません。
お父さんのやろうとしている事って監禁と何ら変わらないんですから…
それでも事の顛末はお父さんにとって最悪な結果が待ち受けていたのです。

でもこれは本当にお父さんにとって最悪だったんでしょうか…
だって外見は瞳の色が少し変わっただけ…何も変わっていないんです。
これまで通り溺愛を続ける事だって選択できたろうに…
もし、この選択が自分のこれまでの行いを罪と認め、れあちゃんの事を本当に思ってなら父親としての成長と受け取れなくはありませんが…

むしろこれから大変なのはれあちゃんのはずなんですけれど…
きっと彼女はそんな事微塵も思っていなかったと思います。
なにしろ目の前には夢にまで見た普通の女の子らしい生活が広がっているのですから…

そんなれあちゃんに千紘はどの様に向き合っていくのでしょうか。
二人の繋がり…についてはネタバレになるので、気になる方は本編でご確認下さい。
れあちゃん…CVが内田真礼さんである事も相まって、その可愛らしさにぞっこんになるまでそう時間は必要ありませんでした。

それでもこの作品で気になる人がもう一人…
「わんこ」ちゃんこと左王子 蘭子です。従弟で幼馴染というヒロインにとっては最強のカードを携えて玉座に君臨している彼女…
千紘がゾンビ萌えじゃなかったら間違いなく展開が変わる存在になっていたでしょう…
彼女だってまんざらでもない様子でしたし…
でも最強のカードの切るのを躊躇したのは彼女が本当に優しく相手を気遣える子だったから…
私の中で見ていて一番胸の痛むキャラでした。

オープニングテーマは、nano.RIPEさんの「絵空事」
エンディングテーマは、myuさんの「Above your hand」
「絵空事」は是非覚えたい歌になりました。

1クール12話の作品でした。作品の連載中の放送だったので、物語としては完結していません。
連載完了後のアニメ化…最近では「うしおととら」「寄生獣」が良い例ですが、こういう良い作品をもっとアニメ化しようとする動きがあれば良いのに…と思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24
ネタバレ

らしたー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

『りびんぐでっど!』厨 vs 『さんかれあ』

チャンピオンで連載してた『りびんぐでっど!』が大好物で、ひとつくらいはゾンビなアニメも観ておこうと選んだのがこれ。

シュールで乾いた笑いのグロテスクコメディを期待していたのだけれど、蓋を開けてみたら割とふつーの、やや薄味なラブコメ以外の何物でもなく、早い段階で『りびんぐでっど!』はすっぱりあきらめました。
戦ってる土俵が違いすぎるw


で、これはこれで、いいよね。

脇役キャラの設定がいちいち古くせーとか思いつつダラダラと流していたら、いつのまにかそれなりに面白くなってきて、それなりに最後まで観てしまった。各話の出来もそれなりに安定してる始末。
正直、悪くはなかった。

ただ、けっこう退屈なんですよね。
途中からどんどんゾンビ色が薄くなってきて、あれよあれよと普通の恋愛話・家族話にシフトしていってしまう。ヒロインが生者でない、という点はきちんと意識した筋運びになっているのだけれど、突き抜け方が足りない。もっと積極的にゾンビ設定を生かした、豪快な二転三転がほしかったところ。そこだけは寂しく思った。


●走れる主人公像
{netabare}
わりと良かったのは主人公の描写でしょう。

彼のプライオリティは明確で、恋愛うんぬんよりもまず礼弥の肉体を腐敗から守るという点にあります。言い換えれば「彼女の生活を守る」ことを第一に考えている。

これは、ちょっとほめてあげたい。
彼のキャラクター性を結婚に喩えるならば、彼は恋人と結婚するために自分を磨くような男ではないんです。結婚するための「資金を稼ぐ男」なんですよ。この違いってマジ大きいですから。置かれた状況を冷静に見つめて、今いちばんやらなきゃいけないことに奔走できる人物として描かれています。
その点では、マッドサイエンティスト気質なとこも含めて、シュタゲのオカリンなんかと通じるところがありますね。スケールは劣るけども。

完全なる私見ですが、この手の、「普段は自分の世界に没頭しているが、いざという時は迷わず必要な奔走に身を捧げることができる主人公」というのは、視聴者の性別・年齢・アニメ歴を問わず、ここ数年でもっとも広く支持されている鉄板なんじゃないかと考えています。ギャップ系の一種ですね。

ただ、本作の主人公はゾンビ萌えのくせに、夢にまで見た念願のゾンビっ娘が眼前に現れたにもかかわらず、あまりにも悶々としなさすぎなのだ。アンジェリーナ・ジョリー好きの前に本物のアンジェリーナ・ジョリーが半裸で現れたのに、のんきに茶飲み話でもしてるようなノリなんである。この際ポーズでもいいから、ちょっとくらい狼になれよ、と。

また、主人公の口から「なぜゾンビが好きなのか」について熱く語られるくだりが一切なく、結局のところ「ネコミミ萌え~」「熟女スキー」てのと同レベルの印象しかなかったのも残念なところ。どうせフェチ路線いくなら、もっと深い性癖の暴露があってもよかったのではないか。
「アジサイを排泄するとこ見せてよ~」って詰め寄るアンタ、輝いてたよ。そういうのがもっとあってもよかったんじゃないか。
{/netabare}

●ゾンビ性愛ってなんだろう

このゾンビ愛好なる極めて特殊なフェティシズムが、いかなる精神の発露なのかってことになると、ちょっとばかし興味深くはある。

本作の場合、
{netabare}
・睡眠の必要がない
・汗はかかない(涙も出ない)
・排泄はしない(特殊な経口排出はある?)
・脳のリミッターがはずれて馬鹿力が出る
{/netabare}
というゾンビ説明がなされますが、肝要なのは「新陳代謝が欠落する」という点じゃないかと推測します。言い換えると、恒常性維持を放棄した、生物としての「暫定的な完成」に何かしら美的なものを感じるのかなと。

動かないだたの屍体じゃダメなんだよね、きっと。それだとネクロフィリアになるので。あくまで活動をする物体でなければならない。
なおかつ、その態様における完成性は暫定的である必要がある。放っておくと腐敗する、というのも大事なポイントなんでしょう。そして、「生物的な」という点において、ロボットやアンドロイド愛好とも一線を画する。

なんかもういろいろ深すぎます。殺しても死なないタフさに対する憧れとかもあるのかもしれません。ますますわからん。
まあ世の中、腐敗→白骨化という「肉体の変容」を愛でる奇特な方もいらっしゃるので、ゾンビ愛好ごときはディープさからいえば序の口なのでしょうが。


私にとって初めてのゾンビアニメ『さんかれあ』。
ソツなく及第点が取れている爽やかな良作でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

65.8 2 幼馴染で花火大会なアニメランキング2位
夫婦以上、恋人未満。(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (170)
526人が棚に入れました
原作:金丸祐基(KADOKAWA/ヤングエース連載)
総監督:加戸誉夫
監 督:山元隼一
シリーズ構成:荒川稔久
キャラクターデザイン:小林千鶴
色彩設計:ながさか暁
美術監督:阿久澤奈緒子(チーム・ティルドーン)
撮影監督:高畠美里(萌)
編集:茶圓一郎(颱風グラフィックス)
アニメーション制作:studio MOTHER
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

嗜好品なのでフィーリングでしょう。私は面白かったです。

 さて、本作の初期設定は荒唐無稽ですが、面白い設定だと思います。それについてはもっと深掘りすればいいのにと思わなくはないですが、あくまで物語のための舞台設定です。

 テンプレの身近な女性VS幼馴染です。尻切れトンボなのが物足りませんが、この作品答えはあきらかでしょうね。身近にいる女性が結末になるしかないでしょう。
 夫婦以上恋人未満というタイトル回収をするには、形式で身近にいる状態=夫婦から心が通いあう=恋人になるプロセスを描いているということだと思いますので。


 が、冷静になると普通?というかテンプレ?ただ、幼馴染の行動と内面が本当はどうなんだろう?あのイケメン彼氏と裏でどこまで何をしてるんだろう、というNTR感と、ギャルヒロインが可愛いこと。そのヒロインの行動があっち行ったりこっち行ったりな感じなのがドキドキするのがいいです。

 本作がつまらない、というレビューをかなり見かけました。まあ、当然でしょう。考察系、エンタメ系の大作、感動系のどれでもない、嗜好品アニメですから、それぞれの好みでしょう。
 私はたまたまフィーリングがあったのか、視聴したタイミングが良かったのかわかりませんが最後まで楽しめました。

 評価はあまり高くできる作品ではないですが、主観的には70点…だと言い過ぎですね。尻切れトンボなので66点かな。再視聴はしないと思います。2期が来れば別ですけど…期待しないでおきます。



10話 結果的に「恋人のフリ」もののバリエーション。初めはトンデモ設定で酷評必死の展開かと思いましたが、意外や意外でまあまあ面白いです。

{netabare} 初めは童貞くさいシチュエーションなので、男が原作かなあと思っていましたが、男女の距離感が女性原作っぽい気がしなくはないです。
 検索でコミックのページをちょっと確認しましたが、定型に捉われないコマ運び、全身と顔のアップのバランス、トーンの使いかたとかエフェクト、私服の種類、下着の書き込みとアクセサリかがかなり女性的です。
 あるいは女性的マインドを理解した男性かもしれませんが、しかし「その着せ替え人形は恋をする」「ギャルごはん」も女性ですから、多分女性かなあ。

 何が言いたいかと言うと、女性が原作者のラブコメは男性とはフィーリングが合わない故の妙なドキドキ感があって結構楽しめます。キスとかエロシーンがなんか男性とバランスも程度も違うんですよね。さらに、女性原作者が描くギャルって、可愛い娘が多い気がします。


 テーマ的には、強制的に夫婦になるというのはお見合いのアナロジーで、もともと子孫を残すための優遇措置である結婚制度に対し、恋愛結婚が前提になってきた現代の結婚観に対するなんらかのテーゼ…とかじゃなかったです。

「恋人のフリをする」ラブコメもののバリエーションですね。あまり、深いテーマ性は見出せませんが、しかし、ラブコメとしてはギャルと真面目少年もの、幼馴染がイケメンに取られるかもNTR感…的なある意味では王道でした。少年の心がまだ残っている人なら楽しめると思います。

 あるいは、キャラに感情移入できれば面白いのでしょう。ギャルの渡辺星のツンデレが可愛いので、私は普通に面白いと思いました。エロ&寸止めがまたなかなかのバランスです。

 シチュエーションとか男子側の描写がちょっと乗れないところと、やはり設定が荒唐無稽なので、そこがコスプレと人形オタクという上手い設定の「着せ恋」と比べてちょっともったいない感じです。

 この夫婦制度の設定にもうちょっと軸があればもう1段グレードアップする気がします。

 総評すると、ギャルもののラブコメとしては普通に面白いです。キャラデザは、もうちょっとギャルギャルした方が良かったかなあ。原作の方が可愛いと思います。作画は必要十分くらいかな。

 主観評価で70点くらいはありそうな気がします。{/netabare}



以下 1話視聴時の印象です。


題名の逆説を活かせるか?NTRからの人間的な成長があるなら…

{netabare}  設定そのものにはポテンシャルを感じます。恋愛という概念があるから、生きづらいのは事実です。恋愛が所有欲求だとすると非常に資本主義的です。
 婚姻というものを恋愛と切り離すことがどういう意味を持つのか、それを人権とどうバランスをとるべきなのか。
 平成にはまだお見合い制度はありましたので、必ずしも荒唐無稽ではないです。そういう点では面白いテーマだと思います。(この設定は時期的にはセンシティブですけど)

 ただ、部屋の指紋認証とか設定しても、リビングでエロいことしてポイントになってるじゃんとか、結局夫婦=恋愛ごっこでポイントが付くみたいな設定の甘さが見て取れます。ここは家庭というユニットの役割分担がないと。そもそも出産育児、家事負担、経済負担のシミュレートがない結婚はただの同棲ごっこじゃん、と思います。
 そして、同棲ごっこならせめてちゃんと性行為まで行ったらポイントが30点つきます、とかにしないと。

 この設定だと話は、夫婦生活をしているうちに本当に恋愛関係になれるか、その相手がギャルOR幼馴染みという感じになるんでしょうか。
 だとしても、ストーリーとしては、幼馴染がちゃんと寝取られないと駄目でしょう。しかもあのライバルのモテる男が嫌な奴じゃなくて、良い奴で人間的に負けてとか。

 その上でギャルの性の過去経験に対する偏見と、ギャルの実際の人間性に触れて主人公が処女幻想を脱却して、真剣に相手の理解に努めることで男として成長して、最後はギャルの元を巣立ってゆくとかなら、いい話になりそうですけど、そういうストレスのある話にちゃんとなりますかね?現段階で全部初めてとか言っちゃってるしなあ。
 せめて途中で、幼馴染もギャルも寝取られようよ。そのストレスを乗り越えるのが成長の基本です。

「夫婦以上、恋人未満」という逆説の題名を活かせるかどうか。それがだめなら恋愛のストレスを丁寧に描けるか。あるいは結局今時妄想ラブコメなんでしょうか。NTR展開からの成長を期待します。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ホンモノの恋のために、ニセモノの愛を誓えますか?

この作品の原作は未読です。
個人的にこの作品も今期のTOP10の上位に食い込む作品だと思っています。

物語も設定も斬新で良かったと思いますが、何より一番良かったのは、ヒロインの星(あかり)役を演じていたさおりんボイスにほかなりません。
もう、さおりんに色々と持っていかれてしまいましたよ(*ノωノ)

あれ、さおりんってそんな感じだったっけ…?
と思ってググってみると、「ストライク・ザ・ブラッド」のラ・フォリア、「白銀の意思 アルジェヴォルン」のジェイミー、「冴えない彼女の育てかた」の澤村・スペンサー・英梨々、「ありふれた職業で世界最強」の白崎香織を始めとするキャラの面々を見ると、これまでも色々持っていかれてたみたいでした(*ノωノ)


冴えない男子高校生・薬院次郎は、
「夫婦実習」の授業で絶対に関わるはずのなかった
クラスの美少女ギャル・渡辺星と暮らすことに。

お互いの印象は最悪。

“陰キャ”と“陽キャ”じゃ釣り合わないし、何より刺激が強すぎる! 
風呂上がりのハプニングに、急な密着トラブル!?

次郎は悶々としながらも意識しないようにするが……。
「ねぇ、マジでちゃんと夫婦ごっこしてみようよ」

お互いに想い人がいる次郎と星はペアを交換する権利を得るため、
本気で夫婦を演じることに。
ところが、甘酸っぱい夫婦生活は次第にお互いを意識させ、
2人はそれぞれの魅力を知るようになって――!?

“恋人”よりも刺激的な、
ギャルと非モテの“夫婦ごっこ”が始まる!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

高校生の夫婦実習って…!?
そこにツッコんだら身も蓋も無いのでそれをご法度にすると、この設定は面白いと思います。
具体的には「夫婦実習の相手はランダムで、実習で高得点を獲得すると相手ペアを交換する権利が貰える」点です。

好きでも何でも無い人と夫婦生活が送れるでしょうか。
確かに同居する人と日常生活を送る、ということは多分容易なんだと思いますが、
それでは成績が上がらない…

そもそもこの実習で高得点を取ると、一体何の得になるんでしょうか。
より相手の事を思いやるスキルが向上するとか…?
先生は大切な実習と言っていましたけどね。
もしかすると、これから生きていくために大切で必要な「好き」を学ぶため?

でも、星ちゃんは本当に魅力的な女性だったと思います。
個人的に今期の作品の中で一推しだったかも…

確かに見た目はギャルっぽいですが、ギャルっぽい容姿は原点要素ではありません。
寧ろ、目標に向かって一生懸命頑張る女の子という印象の方が強かったと私は思っています。
怖がりで、時に甘えん坊で…こうして振り返ってみると加点要素しか無いような気がします。

でも、次郎と星の様にそれぞれお互いの魅力を知るようになって、その後の展開に繋がるのは奇跡の様な確率だと思いますけれど。
確かにお互いの魅力は知ることが出来ると思います。
ですが、同時に嫌な面や悪い面も見えてくるのは必須です。

夫婦と言ってもこれまで生きてきた環境や生活も違うので、色々衝突することもあると思います。
次郎と星にもいずれ訪れることでしょうね。

公式サイトのキャラ紹介欄に、キャラ相関図が掲載されています。
それを見た次郎の友達の加茂が言っている「じろちゃん、相関図がハーレム漫画だよ」には吹きました。
えっ、今次郎の周りには星と幼馴染の詩織しかいないけど、今後そういう展開も用意されてるって事!?
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Liyuuさんによる「TRUE FOOL LOVE」
エンディングテーマは、Nowluさんによる「Stuck on you」と「Swallows」

1クール全12話の物語でした。
ここで終わるのかぁ…というところで終わってしまいました。
これから面白さが増しましになっていく展開がまっているであろう筈なのに…
続きがムッチャ気になるんですけどっ!
配信や海外での人気が高いらしいので、是非朗報を期待しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

ゲリオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

不純異性行遊実習

高校生の男女が授業の一環で疑似的な夫婦として生活させられる高校を舞台に、主人公とヒロインが、互いに片思いの相手とペアを組むべく夫婦を演じることから始まる恋愛模様を描いたラブコメディ作品。(原文ママ)
↑はぁ????設定アタマおかしいやろ?www

授業で彼氏彼女の同居生活を行うのも変だが、しかも成績優秀者はパートナーを入れ替える特権をゲットできるとか更に意味が分からない。
成績の良し悪しを判断するってことは、その組がどれだけイチャコラ出来てるか先生が監視してるってこと?
生徒が抱き合ったりキスしたりする様子を?
作者、アダルトビデオの見過ぎじゃねえの??
…とまぁツッコミは入れさせてもらいましたが。
そのくらい頭悪すぎる設定のが逆に面白いのかもしれないね。
質の良いラブコメというのは同年の『その着せ替え人形は恋をする』が完成形で、あれ以上のアニメを作るのは簡単には出来ないよ。
本作に至ってはどう見ても比較にならない低予算アニメ。
もはや何かしら奇抜さがないと存在意義すら見出せないことから、夫婦実習とかいうバカすぎる設定は「有り」だったと思う。

内容としては以下ネタバレになるが…{netabare}
まぁ、ヒロインの渡辺星(あかり)を魅力的に感じたが否かが全てだったのではないかと。最初は陰キャ(言うほど陰キャでもないが)の次郎を散々馬鹿にしていたくせに、割とすぐに落ちるチョロさはギャル系処女丸出し。
なんと第1話Aパートで早くもキスして「口なんて聞いてないよぉ(カァァ)」という超展開。
2話ではソファーで手を握りながら一緒に就寝、3話Aパートでは交わる寸前に…w
どう見ても恋人以上ですありがとうございましたからの、3話のラストシーン。
「次郎のこと割と好きだよ!」→「好きって言っちゃった!(カァァ)」とか、いやいや…これまで散々やっといて今更なにを?と。
その後も「私なに次郎なんかのこと意識してるの!(カァァ)」とかモノローグ言ってるし、次郎は次郎で「あかりって俺のこと好きなんじゃ?いやいや、ないない!」みたいな…君らもう勝手にしてくれ。
と、そんなのが最終回まで続いたアニメだった。

一応、次郎にも星にも、別に本命相手がいる四角関係が構築されているが、サブヒロインの詩織は無味無臭な優等生だったので、特に魅力があるキャラクターではなかった。
きっとこちらは負けヒロインの役目を担うんだなぁと予想していたら、11話で次郎と詩織がまさかの両想いキッス!星終わった~!どうなる最終回~!?
からの最終回次郎「キスまでしたし詩織って俺のこともしかして…!?少しくらい自惚れてもいいのか?全く分からん!」
んなバカな~!!なんなんこいつ!!
ということで、俺たちの恋路はまだまだこれからだENDでアニメ終了。はあ。{/netabare}

つまらなくはなかったので視聴したことについては後悔はしていない。
が、別に人に勧められる作品というわけではないことも事実…
強いて言えばラブコメが好きでキュンキュンしたい人くらいかなぁ?
いや~、これ見てキュンキュンするとは思えないけどな~(笑)
ビッチと純情な側面が混在する情緒不安定系ギャルヒロインが見たい人はどうぞ!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
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