石川頼経 さんの感想・評価
3.8
一見ただの巨人広告アニメに見えるがいろいろ悪くはない
個人的には非現実的な魔球ものプロ野球アニメとして良作だと思います。
ウリはキャラクターの良さ
格チームの超人的野球選手として
巨人 童夢くん
中日 落合博満
阪神 通天閣虎雄
広島 メロディー(アンディ)、カルロス
大洋(当時) トード
ヤクルト 無し
この中で中日の落合だけが実在選手として、童夢の魔球にも屈しず、いくつか破るという実在選手最強として破格の待遇を受けてます。
ヤクルトに超人的なライバル選手がいないのは、なんでもヤクルトフロントがこの半ば巨人宣伝アニメへの協力に難色を示したからだそうです。
その代わりというか、広島に金髪美少女選手のアンディとラスボスのカルロスが割り振られる厚遇ぶりでした。
まあ、実際、彼らに広島の赤ヘルユニフォームは非常に見栄えが良かったです。
ストーリーは非常に面白いと言って良いです。
最初のライバル、虎雄は大阪の世界的大企業の御曹司として巨大コンピュータを駆使して「10割打者」として童夢と対峙します。
そして、虎雄は童夢を分析するために童夢の小学校に転校して一緒に学校生活をおくったりします。
そしてコンピューターなんかじゃ、童夢は打てないとバットでコンピュータをバットで破壊(勿体ない・・・)し童夢との勝負に挑みます。
次のライバルのメロディーは世界的ピアニストですが、少女であることを隠しアンディと名乗り、日本球界に入って「メロディーボール」「リズム打法」を使い投打で活躍します。
そして、メロディーを音楽界に引き戻すために追ってきた黒服サングラスの集団から童夢が庇った事から童夢と半ば恋仲になりますが、
彼女の正体がバレて「女子はプロ野球でプレイできない」という日本プロ野球規約で出場停止になりかけますが、
特別な配慮で最後の出場が認められた彼女最後の試合でお互い想いを封印して童夢と投打で死力を尽くして戦います。
次のライバル、トードは相撲部屋に入るために日本に来たのですが、童夢の姿を見て野球界に入り、童夢と対決します。
そして童夢の魔球「スノーミラージュボールを真っ二つにして片方をホームラン、片方を外野フライ」にします。
童夢は必死でアウトを主張しますが、トードは拘る事なく「ボールが真っ二つになったという事はスノーミラージュボールを真芯でとらえた証拠、たとえアウトでもぼくは満足だよ」とその大きな精神性は小さなことに拘って大騒ぎしていた童夢を反省させ新境地を与えます。
そして、ラスボスのカルロスですが、童夢の父親との因縁などはMAJOR!を彷彿とさせます。
彼の脅威の得意技は「魔打法」、一見イージーに処理できるように見える打球を打つのですが、その打球が野手のすぐ手元で変化してしまい、野手が取れず、傍目には「簡単な打球をエラーした」ように見えて、
童夢は巨人守備陣を信頼できなくなっていくというハードなストーリーです。
そして、一人よがりに魔球を投げても特殊な打法でホームランにされてしまうのです。
どうです? なかなか、わくわくするストーリーでしょう?
そして「声優さんって凄い」ってのは江川をはじめ、実在の野球選手そっくりな声を出している点です。
さて、この作品で屈指の名シーンとして「中尾捕手フラフラ話し」があります。
童夢が必死で開発した250キロの剛速球新魔球「サンダーバキュームボール」をひっさげて九回裏二死満塁のピンチに突如登板した童夢ですが、
コントロールがつかず、ストライクが取れない。
それに適切なアドバイスを中尾を与え、童夢は見事に魔球を完成させますが、
しかし250キロの剛速球を取った中尾は一球受けるたびに大ダメージを受けてふらつき、三球目で三振に打ち取って飛び跳ねる童夢とは裏腹にぶっ倒れてしまいます。
それで浮かれる童夢に原選手たちが「中尾は今、医務室で倒れているぞ」と言われ童夢はショックを受け、
寝ている「中尾さん、おれのために死んでしまって」とか言われた中尾は「勝手に殺すな、休んでれば治る」と慰めます(痩せ我慢だが)。
当時の中尾は巨人でも外様でそんなに目立っている存在でもないのに、どうしてこんな劇的な役割を与えられたか不思議な気もしましたが。
*うろ覚えで書いたので、結構、あらましに間違いがありました。
それと、番組終了後に一時間のSP回があり、この回ではハイパースピンブラックホールボールを破った落合が立ちはだかります。