蒼い✨️ さんの感想・評価
2.1
ばってん、おかしか。
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント/だぶるいーぐる
2018年10月 - 12月に放映された全12話のTVアニメ。
広井王子が原作者であるソシャゲのメディアミックス作品。監督は、濁川敦。
【概要/あらすじ】
舞台は尾道、目指すは宇宙。「私たち宇宙漁師になります!」
世界中の海からすべての魚が突然消えた。人類は魚を食べられなくなった!
そこで、農林水産省の事業で宇宙空間に大量の巨大イケスを建設して魚を養殖。
その一方で漁業組織として広島県尾道に『尾道宇宙漁業団』を設立。
尾道からロケットを飛ばして宇宙に行き、メカを操縦してイケスに入って漁をするという。
水産業は日本の独占状態であり宇宙漁の拠点は尾道にしか存在しない。
ところが、宇宙イケスに放たれた魚たちは巨大で獰猛な生物に変異して漁は危険。
宇宙漁師は、携帯アプリを利用して八百万神社にいる守護神を呼び出して、
守護神の力で魚を倒してゲットするという。
そして、この物語は魚が消えた日から10年後。
男女雇用機会均等法の強化により女性漁師の増員がさけばれる中、
出身地が東京・広島・カルフォルニア・京都・秋田・熊本とバラバラな、
6人の志願者の少女たちが宇宙漁師候補生として選ばれた。
これは、空町 春(そらまち はる)たち、
同じ寮で暮らす尾道宇宙漁師育成センター女子部の訓練や日常。
互いに絆を深めう成長の物語なのかもしれない?
【感想】
広島市中区のアニメイトビル内にて他のアニメ作品と比較しても頭2つ優遇されているアニメがあります。
2Fに続くエスカレーター沿いの壁にタペストリー、降りたところを出迎える立て看板。
いろいろ合わせて合計10個ぐらいでしょうか?
3Fで下りエスカレーターに乗ってアニメイト店舗のある2Fに入ると、
9枚のサイン色紙、アニメの場面のパネルがたくさん、単行本にCDにと特設コーナーが待ち受けています。
そのアニメこそが、『ソラとウミのアイダ』なのです。
・“個性的”な6人のヒロインによる日常コメディ
・“聖地”尾道の協力を得ての観光PR
・方言女子で地域性をアピール
・マスコットキャラを出したりソシャゲ要素でゲームの販促
・駄菓子の低学年向けおまけシールみたいな奇っ怪な魚を狩るハンターモノ要素
・宇宙に出ることでSF好きにもアピール
サクラ大戦などのヒットメーカーである広井王子が原作者で、他作品の売れ線要素を詰め込んでみて、
ゲームやアニメで勝負!といったところですが、ゲームは振るわずアニメも1巻の円盤の初週が113枚。
広島の尾道を舞台にしてコラボしてみたものの同じく尾道の『かみちゅ!』、竹原の『たまゆら』
みたいに郷土愛やノスタルジーに訴えかけるものがなく、
よそものが尾道をアピールしてみました!みたいな場違い感。
ソシャゲを売りたい!と同列で商売で尾道が扱われてない?という疑問。
これが表現したいからメインテーマにして作品を作る!ではなくて、
映画の舞台として有名な観光名所である尾道の力を借りて、作品を売りたい!
いろんな作品のヒット要素を寄せ集めて作ってみましたみたいな安易な商売っ気が見透かされた感。
欲張りすぎた結果が、ちぐはぐな内容で残念ですね。
・世界中の海から魚がいなくなった原因が説明無し
・政府が国家予算で水質や環境を管理してるはずの宇宙イケスで怪物に変異した魚が野放し
・漁に行くたびにロケットを飛ばして大気圏を突破して巨大魚を数匹獲って帰るって、
ロケット1基打ち上げに100億円かかるのですが、刺し身一切れで新車が買えそう
・食の安全に世界一厳しい日本なのに、化物に変異した魚を食べるって遺伝子異常の懸念でありえないですけど?
・魚と戦う手段が守護神のオカルトパワー一択で訓練してメカに乗る意味は?
スタッフすら理解してないような設定のムダや矛盾が多すぎて、
やりたいことがないのに単なる金儲けで作られただけの本当にただの寄せ集めアニメ。
蛇足なソシャゲ要素が全方位で足を引っ張ってハンターアクションにもシリアスにもSFにも青春モノにもなりきれず。
そういうマンガ的な部分が気にならなくするためにディテールや映像への拘り、シナリオの練り込みが重要ですね。
主人公の春の性格がおかしいとか博多っ子など棒読み声優が多いとかの問題を棚上げしたところで、
設定のおかしさやシナリオの問題点の多さから視聴者に訴えかけるものが無く、
萌えやイイ話を突っ込んでみたところで、作品として振るわないのも無理も無いかなといったところ。
このアニメのいいところ?キャラデザが、そこそこに可愛いぐらいしかなかった残念な作品でした。
これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。