タイラーオースティン さんの感想・評価
4.2
時間のない人向けだけど良い作品に仕上がってます
人として育てられなかった少女が唯一人として「愛」という感情をおぼろげなから感じる相手=ギルベルト少佐を求めるところから話は始まります。少女は少佐への想い以外は全く無機質で、両手の金属製の義手さながら、まるで人形のような受け答えしかできません。しかしドールという顧客の手紙代筆サービスを通して次第にその人格に中身が伴うようになり、熱を持ち、彼女はそれを自覚していきます。
一話ずつ、彼女が人になっていく過程は見ていて素直に面白かった。また、無機質であるがゆえのダイレクトに核心をついた彼女の物言いは、機械的ながら考えさせられるものが多かった。無機質なヴァイオレットも、人になっていくヴァイオレットも、どちらも魅力があり、彼女はいい人だと感じた。