小説家で秘密なおすすめアニメランキング 2

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59.8 1 小説家で秘密なアニメランキング1位
おおかみかくし(TVアニメ動画)

2010年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (428)
2253人が棚に入れました
16歳の少年 九澄博士(くずみ・ひろし)は、都心から離れた山間にあるニュータウン嫦娥町(じょうがまち)で暮らすこととなった。 河川が“旧市街“と”新市街“を分断するこの町は、今もまだ謎に包まれた土地文化や風習が数多く残っている。取り立てて目立つ存在ではなかった博士をクラスメイトはあり得ないぐらい気にかけてくれる。そんな環境に戸惑いつつも新しい生活を楽しむ博士だが、ただ1人、クラス委員を務める櫛名田眠(くしなだ・ねむる)だけが明らかに博士と距離を置いているのが気がかりだった。数少ない接触の中で、彼女は博士に忠告する。「旧市街には近づかないように」そこに何があるのか?…そして恐怖と謎が交錯する。

声優・キャラクター
小林ゆう、伊瀬茉莉也、加藤英美里、藤田咲、渕上舞、後藤邑子
ネタバレ

ぽんちぃ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

[DVD整理] 思わせぶりなだけで、とにかくパッとしない作品だった。

放送当時録画したDVDを整理

放送当時に一度観たきり、全話視聴済みですが記憶はおぼろげ。原作は未プレイです。
DVDを処分する前にもう一回観ておくかどうかで、あにこれの評価も参照しながら、ところどころ確認。

ジャンルは、伝奇系ホラー、ミステリー、アクション、超自然的アニメ
全12+番外編(TV未放送)

最初の数話はちょっと興味をそそられたが、思わせぶりなだけで、最後までパッとしない作品だった。ミステリ要素は期待はずれ、緊迫感も欠けていた。

TV未放送の13話があることに気付き観てみた。
番外編みたいなもので、どーでもいい内容だった。
番外編作る余裕あるなら本編でもっとちゃんとやればいいのに。

はっさく~♪ かなりウザイね。

OPとEDは意外にいい曲でした。

作画は綺麗なんだけど、
ローゼンメイデンのような、お人形みたいなゴスロリ系のキャラ。
可愛いだけで、性格までお人形さん的なので、キャラクターに好感が持ない。おとなしめの地味なキャラばかり。

主人公の男の子も女の子みたい。

作画は綺麗なのに、それが魅力として全然活かされていなかった。
単調で退屈な感じ。大して盛り上がらないうちに終わってしまった。
謎についてもハンパで拍子抜けな感じ。

[DVD整理]アナログだし、多分、再視聴はしないので、このままDVD処分かな

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■概要
『おおかみかくし』は、2009年8月20日にコナミデジタルエンタテインメントから発売されたPlayStation Portable用アドベンチャーゲーム。
2010年1月7日から3月25日までTBS他でテレビアニメが放送された。
ゲーム版の複数のシナリオとアニメオリジナルのシナリオを組み合わせたオリジナルストーリーとなっている。


◆ストーリー
{netabare}山間にあるニュータウン「嫦娥町(じょうがまち)」は、河川によって旧市街と新市街に分かれていて、地元では八朔の名産地として知られている。

1983年(昭和58年)の夏、この街にやってきた転校生・九澄博士は新たな環境に戸惑いつつも、日々を楽しく過ごしていた。

そんな中、博士にクラス委員の櫛名田眠が忠告する。「旧市街には近づくな」と。{/netabare}


◆登場人物
{netabare}九澄 博士(くずみ ひろし)
本作の主人公で高校1年生。父と妹の3人で嫦娥町に引っ越してきた。元々目立たないタイプだったが、嫦娥町に来てからなぜか急にちやほやされるようになり、嬉しく思いつつも戸惑っている。

櫛名田 眠(くしなだ ねむる)
本作のメインヒロイン。博士のクラスの委員。無口で感情をあまり表に出さない。他のクラスメイトが博士のことを歓迎していたのに対して、はじめは冷たい態度をとっている。嫦娥町の謎を知っているらしく、博士に様々な忠告を送る。「ウサエル」というキャラクターの熱狂的なファン。

摘花 五十鈴(つむはな いすず)
ヒロインの一人。博士のクラスメイトで近所に住んでいる。明るく活発な性格で、博士のことは『ヒロくん』と呼び、自分を『ボク』と呼ぶ。博士には出会った当初から積極的に迫っている。

朝霧 かなめ(あさぎり かなめ)
ヒロインの一人。博士と五十鈴のクラスメイト。オカルトが大好きで、博士の父の小説のファンでもある。嫦娥町には最近転校してきた。博士のことは『ハカセくん』と呼んでいる。五十鈴同様、博士には好意的に接しておりマナや正明にも友好的。

九澄 マナ(くずみ マナ)
博士の妹で小学6年生。両足が不自由で車いすを使っている。出かけるときは兄が付き添うようにしているが、本人はうっとうしく思っている。真奈香織と名前の一件で親しくなり、ヴァイオリンを習い始める。「ウサエル」を通じて眠と仲良しになる。

真那 香織(まな かおり)
嫦娥町ではヴァイオリンの演奏で知られているお姉さん。穏やかな性格で、マナにヴァイオリンを教えてあげたりする。

新珠 三重子(しんじゅ みえこ)
賢木儁一郎の婚約者。四年前に嫦娥町を訪れ、失踪した。真那香織とは容姿が似ている。

賢木 儁一郎(さかき しゅんいちろう)
ある目的から嫦娥町を訪れ、町のあちこちで何かを調べまわっている青年。他人には無愛想な態度を取るが、三重子と瓜二つの容姿である香織には優しい表情も見せる。アニメ版では、最終的に実質的な黒幕の位置づけになった。

九澄 正明(くずみ まさあき)
博士とマナの父で小説家。民俗学に基づいた伝奇的な小説を書くことで知られており、嫦娥町の伝説や伝承に興味を持っている。

摘花 一誠(つむはな いっせい)
五十鈴の兄で大学生。甘いマスクで女性に人気がある。九澄家には好意的に接しており、妹のボーイフレンドである博士には冗談交じりに迫っては迷惑がられていたが……{/netabare}

オープニングテーマ「時の向こう 幻の空」FictionJunction
エンディングテーマ「月導-Tsukishirube-」南里侑香

アニメーション制作 - AIC

公式サイト
http://www.tbs.co.jp/anime/okami/

投稿 : 2025/01/04
♥ : 3

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【レビュー初投稿】神か? 狼か? 旧市街地の隠された掟…恐怖と謎が交錯する。

この作品の原作はアドベンチャーゲームだったみたいですね。
あにこれ入会当時、なかなか最初の一歩が踏み出せず放置していた間に視聴した作品です。
dアニメストアで偶然この作品と再会し、あにこれの棚を確認したところ未だレビューを書いていなかったので、再度視聴することにしました。


16歳の少年 九澄博士(くずみ・ひろし)は、都心から離れた山間にある
ニュータウン嫦娥町(じょうがまち)で暮らすこととなった。

河川が“旧市街“と”新市街“を分断するこの町は、
今もまだ謎に包まれた土地文化や風習が数多く残っている。
取り立てて目立つ存在ではなかった博士をクラスメイトはあり得ないぐらい気にかけてくれる。

そんな環境に戸惑いつつも新しい生活を楽しむ博士だが、
ただ1人、クラス委員を務める櫛名田眠(くしなだ・ねむる)だけが
明らかに博士と距離を置いているのが気がかりだった。
数少ない接触の中で、彼女は博士に忠告する。

「旧市街には近づかないように」そこに何があるのか?・・・そして恐怖と謎が交錯する。


TBS公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

TV放送されたのが2010年の冬なのでもう10年も前になりますが、公式HPが残っていてくれるのは嬉しい限りです。

今回改めて視聴して気付いたのが、作品自体のスペックの高さです。
以前視聴した時には、「FORTUNE ARTERIAL 赤い約束」に設定が近い作品…程度しか思っていなかった自分が恥ずかしいです^^;

「ひぐらしのなく頃に」に近い雰囲気を感じるのは、原作原案が竜騎士07さんだから…
物語の舞台である「嫦娥町(じょうがまち)」は人里離れた隠れ家的な町なのですが、何となく「雛見沢」の雰囲気が感じられたり…
これが悪いと言っている訳ではありません。
この絶妙な空気が作品にマッチしているんです。

そしてもう一つ…
キャラクターデザインがPEACH-PITさんだった事が、この作品のスペックを押し上げていると言っても過言ではありません。
繊細なタッチと、女の子の可憐な顔立ちには何度見惚れたことか…
しかも、PEACH-PITさんのデザインがアニメになっても崩れていないのは、素晴らしいとしか言いようがありません。

PEACH-PITさんのキャラデザと言って真っ先に頭に浮かぶのは、やはり「ローゼンメイデン」です。
特に、みゆきちが演じていた「真紅」がお気に入り…
もちろん、フィギュアもポチりましたよ^^
ドールなので1/3スケールなんですが、サイズ的には普通の1/7スケールとほぼ同じくらい…
そういえば、原作の漫画は全て完結しているようです。
アニメでは物語の途中までしか描かれていませんが、是非ラストまでアニメ化して欲しい作品です。

…すっかり脱線してしまいました^^;

一見すると何の変哲もない「嫦娥町」ですが、裏では「ひぐらしのなく頃に」の様な殺人事件が起こっていました。
でも、この作品の最大のポイントは、犯人が不在ということなんです。
殺人事件が起こっているのに犯人が居ないなんて、普通はあり得ません。
そう、「嫦娥町」は普通じゃない側面を持った場所だったんです。

「嫦娥町」の真相は物語の進展に伴って明らかになるのですが、きっとここの住人に課せられた運命を呪いたくなると思います。
みんな静かに暮らしたいだけなのに…
顛末の気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

それと、改めて思ったのは声優陣が半端無かったということ…
伊瀬茉莉也さん、加藤英美里さん、渕上舞さん、藤田咲さんに後藤邑子さん…
それに、藤原啓治さんもという錚々たるメンバーが揃っています。
原作原案、キャラデザでも視聴意欲は増しましたが、声優さんのクレジットを見て俄然視聴に気合が入りましたから…

オープニングテーマは、FictionJunctionさんの「時の向こう 幻の空」
エンディングテーマは、南里侑香さんの「月導-Tsukishirube-」
オープニングは聞いた瞬間に梶浦さんの楽曲だと分かる荘厳なメロディと重厚なハーモニーが素晴らしく、この楽曲も作品のスペックの押し上げに一役買っていました。
それに、元KalafinaのKEIKOさん、WAKANAさんの歌声がしっかり聞こえるのも特徴だと思います。

1クール全12話の物語でした。
最終話は後日譚的な立ち位置でしたが、顛末のその後の様子を窺い知るためには必要だったのでしょう。
何より色々と記憶から抜け落ちていた細かい部分もしっかり補完できたのも嬉しい限りです。
この作品には古さを微塵も感じませんでしたが、たまにはこういう作品を振り返るの楽しさを教えて貰った気がします。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 6

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

堕ちた恋・・歪んだ心・・真実の愛

少しホラー気味のオカルトファンタジー。
サスペンス風のミステリーでもあるかな。

小説家で民族的な伝説や伝記が大好きな父に連れられ、
新市街と旧市街がある嫦娥町に家族で引っ越して来る
事になり、博士は嫦娥町の高校に通う事になった。

今までは極普通より目立たず控えめだった博士は・・
嫦娥町の高校では何故か男女隔て無く好意的に受け
入れられ・・特に五十鈴には初対面から恋する乙女
状態で積極的に迫られるが・・
クラスメイトの真那香織は呟く「旧市街には近づくな」
この町には何か大きな秘密があるのか?


1話目冒頭に五十鈴との鬼気迫る謎の描写が有り・・
泥沼系恋愛物?・・ではなく怪奇ホラーとか?等と
一気にミステリーな世界を匂わせるが・・

何事も無かったように博士が転校してくる時の描写に
戻り・・父や妹が登場・・五十鈴といいマナといい・・
可成りのロリ系キャラデザ・・ん~・・嫌な予感・・

学園では五十鈴以外の男女にも好意的に受け入れられ、
モテ期が来たのでは?と妹などに誂われるが・・
やはり全体的にミステリーな雰囲気を漂わせている。

学園ラブコメとか純愛泥沼系ではないようだ・・

そして仮面を付けた謎の集団が次々に人を襲う・・
まさか・・「Another」や「ひぐらしのなく頃に」の様な
猟奇やホラーでは・・そう想った時遅し・・

1話目で伏線というか・・チラ見せが露骨で・・大凡
の予測はできたけど結末が絞り込めない・・2話目に
結末の絞込もできたけど・・すっかり世界観に浸り
嵌ってしまった。

新市街と旧市街。モテ期。仮面の少女。嫦娥狼。八朔。
全てが繋がる時・・謎は解けるが・・


OP/EDや挿入歌・音効全て私の大好物で世界観に浸れ
映像も演出も構成も超ストライク。
キャラデザはロリ過ぎるけど、とても可愛らしい感じ。
抑揚の振り幅が大きく、くすぐったいラブコメ描写も
陽気な描写も次に何か起きる前振りの様なサスペンス
を感じる演出に、次の展開が気になってしまう・・

見終わってしまえば、至ってシンプルな物語。
構成と演出が趣味に嵌まれば可成り浸れる面白さ♪

嵌まれない人はキャラを愛でてください?

勢いのあるうちにドカンとクライマックスを迎えて
あっという間に終焉。簡潔な物語と感じました。

私的には神話や民間伝承・・ドラキュラや狼等が出て
くる物語は大好物です♪※猫は別腹♪

何時も感じるのはどんなに獰猛な生き物や化物・有象
無象の魑魅魍魎や気色の悪い未知のモノより・・人の
中に潜む闇の感情の方が遥かに怖くで気持ちが悪い・・


九澄博士 - 小林ゆう
高校1年生。父と妹の3人で嫦娥町に引っ越してきた。
少し中性的な容姿で、元々目立たない控えめなタイプ。

九澄マナ - 藤田咲
博士の妹で小学6年生。両足が不自由で車いすを使用。
何かと過保護に付き添う兄を多少鬱陶しそうに扱う。

九澄正明 - 藤原啓治
博士とマナの父で小説家。民俗学に基づいた伝奇的な
小説を書く事で知られており、嫦娥町に興味を持つ。

摘花五十鈴 - 加藤英美里
博士のクラスメイトでご近所さん。明るく活発な性格で、
博士には出会った当初から積極的に好意的に迫っている。

摘花一誠 - 岡本信彦
五十鈴の兄で大学生。甘いマスクで女性に人気がある。
妹の男友達である博士には冗談交じりに口説こうとする。

朝霧かなめ - 渕上舞
博士のクラスメイト。オカルトが大好きで、博士の父の
小説のファンで友好的。嫦娥町には最近転校してきた。

櫛名田眠 - 伊瀬茉莉也
博士のクラスの委員。無口で感情をあまり表に出さない。

真那香織 - 後藤邑子
嫦娥町ではヴァイオリンの演奏で知られているお姉さん。
穏やかな性格で、マナにヴァイオリンを教えてくれる。

賢木儁一郎 - 遊佐浩二
町のあちこちで何かを調べまわっている無愛想な青年。


第5話・・狂気に満ちたアクセラレーターが暴走?・・

投稿 : 2025/01/04
♥ : 5

64.7 2 小説家で秘密なアニメランキング2位
文学少女 劇場版(アニメ映画)

2010年5月1日
★★★★☆ 3.7 (274)
1391人が棚に入れました
文字どおり食べてしまうほど文学が好きなヒロイン・天野遠子と、彼女によって無理やり文芸部に入部させられた男子高校生・井上心葉が様々な事件の解決に乗り出す学園生活の模様を綴った野村美月の人気ライトノベル・シリーズを映画化した劇場版アニメ。『銀河鉄道の夜』がモチーフとなっている原作の第5巻『“文学少女”と慟哭の巡礼者【パルミエーレ】』をベースに、心葉と彼のトラウマとなっている少女・朝倉美羽との運命の再会がもたらす切なくも愛憎入り交じる人間模様を描く。

声優・キャラクター
花澤香菜、入野自由、水樹奈々、宮野真守、小野大輔、豊崎愛生、下田麻美、平野綾
ネタバレ

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

視聴ルートと個人的適性。

【わたしのタイプと視聴ルート。】

前もって言っておくと、私にとってチャレンジ色の濃い視聴でした。

・普段見ないタイプの作品(恋愛強め)
・キャラデが好きな方ではない(少女漫画風?)
・普段は比較的情報を入れずに視聴するタイプだけど、今回沢山のレビューをじっくり(ネタバレ抜きで)読ませていただいてからの視聴。

3つ目は、どうやら劇場版とOVAが補完関係になっているらしいという構成を知って視聴順を決めるためやむなく‥というのが大きな理由。
先ず、そういうタイプのわたしが書いたレビューなのを前もって言っておきます。原作未読。

で、わたしが選んだ視聴ルートはというと、
OVA(3作品)→劇場版でした。情報比較の甲斐もあり、個人的にはこのルートで正解だったと思うのですが、さらに完璧を期すためには、「プレリュード(OVA)」→「劇場版中盤まで」→「レクイエム(OVA)」→「劇場版クライマックッス」、で、デザートに「OVAのラプソディー」。
これがN0TT0Nお薦めの視聴ルートですw
お試しあれ。



【軽く内容などについて。】

山とガールが、肉食と女子が、ゲスの極みと乙女が出会う遥か以前からまるで四文字熟語か慣用句かのように融合している『文学』と『少女』。
この飛行機雲のようにまっすぐなタイトルから、爽やかで、なにか清廉なイメージを勝手に持ってしまうのですが(キャラデも含めて)、結構、闇な部分を描いた作品だったと言えます。
宮沢賢治の文学作品をモチーフにしている点など文学関連のフィルターを通した表現が多いのですが、この作品の主題は「トラウマ×恋愛」だと思うので、爽やかとか癒される系の物語を、心掻き乱されることなく視たい人にはお薦めできません。要注意です。

ただ、文学少女こと天野遠子先輩の登場している時間帯、特に文芸部の部室シーンは別。逆光などの作画クオリティも手伝ってか、とてもいい感じの空間に仕上がってます。

ですが彼女、ほとんど物語に関わってこない。
この部分は上記の視聴ルートで多少改善されますが、物語を食べる彼女、そもそもこの物語の中での立ち位置も、この特異な設定と同じように読者であったのかもしれません。
ファンタジックな着地も読者目線と捉えればなんとなく合点がいきます。
てか、OVAプレリュードを視聴すると、このはと遠子先輩との出会いの意味が180度変わるエピソードが仕込まれています。
実はこの物語、遠子先輩の思惑がかなり‥‥ry

そして物語の主題「トラウマ」に関しても劇場版だけでは消化不良だったと思います。わたしが朝倉美羽というちょっとアレなキャラに高いリアリティを感じたのはOVAレクイエムのおかげだったと思ってます。

全体としては、リアルな葛藤に対してファンタジーな爽やかさを被せてくる演出がう~~ん‥でした。
空気感としては良い「転」→「結」だったと思うけど、この辺がカッチリ融合して説得力をもっていればもう少し楽しめたかと思います。

ということで、わたしの未知のジャンルの適性チャレンジは"保留"という感じになりました。小さな一歩は踏み出しましたが、恋愛度強の作品を堪能できる素養はまだ確認できてません。

作品については、正直劇場版単体ではあまり物語を評価できませんが、OVA込で視るんであれば、それなりに楽しめるかと。突っ込みどころも完備してますしね。

※以下OVAの話込みのネタバレ。

{netabare}

正直言うと劇場版とOVAの連続性が欲しかった。
大人の事情が多大に影響していたのでしょうが。。

キャラデは意外といけたし、髪揺れや光表現などの作画クオリティも高く視やすかった。ちあの身長が完全に1m切ってたシーンあったけど流石に吹いたwだまし絵かとww

内容的にはOVAも含めると美羽のキャラは説得力あったと思う。思うのだけどトラウマ克服の展開が安易なのは否定できない。一言で救われることが絶対に無いとは言わないけど、遠子先輩と初対面なのも含め、積み重ねが無さ過ぎて説得力が‥。

そもそも抱えてる問題はリアルに描いてるのに解決方法が唐突で、しかもファンタジー‥というのがちょっと興ざめでした。
しかも美羽が克服したとみるや遠子先輩に一目散なこのはw
なんたるフットワーク、切り替えの速さ。バロンドール候補に推薦したいレベル。

その遠子先輩は魅力的に描かれてて良かった。魅力的でいて物語に殆ど関わらないという立ち位置がある意味斬新だけど、OVA込みならまあまあ理解できる感じ。物語を食べる設定もOVAで結構お腹いっぱいにはなるんだけど、返す返すも劇場版と連続性を持たせて頂きたかった。

以上です(`_´)ゞ

{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 17
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ファンタジーだからこそ心の動きが自然でした。

 dアニメのトップにあったので、あまりのなつかしさに視聴しました。本作を見て思うのは、感動とかいい作品って、決してリアリティじゃないですね。

 どんな荒唐無稽な設定の中でも人の心の動きをしっかりと描き切っていれば、一見バカみたいな設定、ちょっと不自然な物語の展開が、かえって感情を強調してくれて深く感動できます。それが、日本のマンガやアニメそしてラノベのいいところだと思います。そしてその代表が「文学少女」なのかもしれません。

 出てくる女がみんな不快になる要素を持っています。ヒロイン遠子も含めてです。彼女は無垢でもありますが、我儘です。でも、深く深く主人公を尊敬し理解しています。しかも、主人公が井上ミウだということを知らなかったのにです。そして、その事実を知ったからED前のあの2人の美しい場面につながってゆきます。

 {netabare} 誰よりも好きで理解していて尊敬しているから一緒にはいられない、{/netabare}という決断って古典的ではあります。が、これを自然に描こうとするのはストーリーに力がないと間抜けになります。遠子の決断に至る心の動きの説得力は、文学を味わうという「文学少女」の不思議なファンタジーな設定だからこそ活きてきます。

 で、本作のメインキャラ、ミウがいるわけです。まあ、この子についてのエピソードは正直不快なだけですが、主人公が小説家になるきっかけとか、遠子との対比という意味で重要です。ミウは主人公にきっかけを与えましたが、結果として彼の小説家としての未来を危うくしてしまいます。でも、遠子は主人公を少しずつ癒し、最後は{netabare}自分の気持ちと引き換えに背中を押します。{/netabare}主人公に対する執着と理解、心を壊したか癒したかが描かれていました。だから、最後の10分くらいの感動につながりました。
 号泣は言い過ぎですが、結構涙が自然にあふれてきました。

 それにしても平野綾さんは、うまいですね。いろいろあって活躍が中途半端なのは残念ですが、声の演技という点では非常に才能がある方でした。素晴らしかったと思います。

 非常に面白いし、懐かしくてさっき原作全巻買い直してしまいました。本作は不思議なことにこの映画の前段となるシリーズがTV等でアニメ化されてないんですよね。で、いきなり映画ってすごいですね。是非TV化希望といいたいですが、今のラノベと比べて作風が古いですし、当時としても異色だったと思います。多分もう無理でしょうね。

 予備知識が無くても、本作だけでも楽しめます。人の設定もストーリー展開上知識無くても読み取れる部分は多いです。
 ただ、やっぱり登場人物とかの関係で入り込むなら原作読んだほうが良いかもしれません。竹田という女の子。原作はかなり強烈でしたが、本作ではあんまり感じませんでした。

 なお、エンドロール後のあれはそういう事です。良かったですね。

追記 皆さんのレビューで知りましたがovaあるんですね。さっそく探してみます。


雑記です。

 宮沢賢治についてはビブリオ古書店でも取り上げられていますし、ピングドラムでは主題でした。銀河鉄道999はまあモチーフにしただけですが。作品そのものは銀河鉄道の夜以外に沢山アニメ化されています。アニメ見るなら一度宮沢賢治はじっくり読んでおいた方がよいかもしれません。

 覆面美少女作家というと、北村薫を思い出しますね。多分作風からいって本作の原作者も読んでいるのではないでしょうか。
 北村薫は意図したわけではないですが、おっさんで学校の先生で身分を隠したら女子大生と勘違いされたみたいですね。この人は人が死なない推理小説の元祖とも言われています。氷菓とかハルチカとか好きな方にお勧めです。

 追記 なお北村薫はリセット、ターン、スキップの3部作で時間跳躍というSF要素を一般推理小説に導入した功績もあります。一般人?が見る普通のTVドラマ化もされているのでその意味では日本のクリエータに多大な影響を与えた人です。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

(他人の)愛憎劇。それは最高のご馳走。

アニメ見ると感想書く習慣がついたせいで最近よくやる(エロ)同人RPG
クリア後の感想書かないとなんかモヤモヤする体にされてしまった。

ドロドロ検索シリーズ。
今回はこの文学少女。110分かそんくらい。
原作はあるらしいのだけど知らなくても特に問題無し。勿論私も知りません。

タイトルがドロドロ劇に似つかわしくないので視聴前は半信半疑ではあったけど考えてみればあのスクイズだってタイトルは学校の日々という割りとさわやかなタイトルでした。

結論から言えばそれなりに良作。多分マイナーなんだろうけど掘り出し物だったと言ってもいいレベルだったようには思います。

今回のヒロインズは3人。ttと同じですね。
主人公はいつものドロドロ劇専用主人公だと思って頂いて大体構わないかと。

この作品。ヒロインのキャラは比較的立ってたと思います。
この手のお話の肝はヒロイン達がどれだけ魅力があるかに掛かってると思うのです。

では3人のヒロインを簡単に見てみましょう。

タイトルにもなってる文学少女。これが主人公の1個上の先輩にして文芸部の部長?
見た目はいかにも文学少女って感じの地味ながらも可愛い感じですね。
地味故に個性を持たせるつもりだったのかこの子は本が好きな余りに本を食べてしまう妙な癖?があります。
ああ、いや本を食べるはさすがに人外すぎでしたね。正確にはページをちぎって食べる・・・ですね。
お前は山羊の生まれ変わりかよと突っ込みたくもなりますがこのおかげかインパクトは強いです。

続いて美羽。
所謂ヤンデレに近い存在で本作品のドロドロ劇の8~9割程度は彼女が担ってると言っても過言ではないでしょう。
先輩が光だとすれば完全にこちらは闇ですね。
実際にいれば関わりたくないお方ですがこういう物語だと彼女のような存在は実に映えます。
お前石仮面被っただろと言いたくなるくらいタフネスなのはさすがに変な笑いが出てしまいますが。

んで3人目。
こういう話の3人目のヒロインてのは何故か扱いが軽いことが多いですが彼女には見せ場もあり比較的恵まれたポジションだったのではないでしょうか。少なくとも私は好きでした。

3者3様の魅力はあるんですが悲しい共通点として全員が身内にカイジ君いますか?と問いたくなるような立派な顎をお持ちな点が多少気になると言えば気になるかもですね。
1度気にするとね。どうしてもそこに目が行くのは人間の悲しい性なんでしょうかね。

序盤は穏やかな普通の物語してますが暗雲立ち込めるのは大体中盤辺り以降でしょうか。

先輩が妙に魅力あるせいかこのままドロドロ抜きのさわやか恋愛でもいいかなぁと不覚にも思ってしまった時期もありましたが物語が荒れてくるとやはりそれはそれで心躍るものがあるのです。

それと一応タイトルが文学少女となってますので宮沢賢治とかは頻繁に出てきますが特別詳しくなくても多分支障はないかと思います。

全体的に見ても上手く纏めてある印象が強いのですが出来れば12~13話くらいでもう少し深くしたものも見たかったかなぁというのは本音ですかね。


ネタばれ無しじゃ詳しく聞けないのだけどラストの先輩の決断がなぁ・・。

どうしてこんなことなったのか、私にはわかりません。
これをあなたが読んだなら、その時、私は死んでいるでしょう。
…死体があるか、ないかの違いはあるでしょうが。

これを読んだあなた。どうか真相を暴いてください。それだけが私の望みです。 byひぐらし

いや死んではないけどまさにこんな気分。
なんとなく察しはつくもののなんだかなぁて感じです。

まぁ終わってみれば良作だったと思います。少なくとも見て損することは無いのではないでしょうか。
劇場版ということを考えれば程よい愛憎劇具合で御座いました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 20
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