富士山で続編なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの富士山で続編な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月11日の時点で一番の富士山で続編なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.3 1 富士山で続編なアニメランキング1位
ヤマノススメ Next Summit(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (187)
582人が棚に入れました
あおいとひなた、ふたりで始めた山登りは、標高197mの天覧山、599mの高尾山、1786mの三つ峠山と徐々に標高を上げていく。 ふたりの思い出の山である谷川岳にも登頂し、関東の名峰を周るうちにここなやかえで、ほのかといった仲間も増えて充実するアウトドアライフ。 山への知識、道具、体力を充実させたあおいは更なる高みを目指す。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

再び富士山を目指して

これはヤマノススメの第四部です。
但し第一話から第四話までは過去の総集編がメインで新規エピソードは少ししかありません。
第五話からが本当の第四部の物語といえそうです。

主人公は高校一年生の雪村あおい。
入学当初は内気で他人とのかかわりを極度に拒絶していましたが、今では友達がたくさんできました。それは親友のひなたのおかげ。
ひなたが強引にあおいを山登りに誘ったことで楓(かえで)やここな、それにほのかとも知り合えて友達になりました。
そしてクラスメイトとも一緒におしゃべりしたり遊びに行けるようになりました。

そして第四部では登山部部長の小春(こはる)をはじめとして、さらに多くの人と友達になります。


第四話であおいは富士急ハイランドのジェットコースターに乗るのですが、そのときのあおいの青ざめた表情と、ここなやひなたの楽しそうな表情の対比が、とても頬笑ましいですね。


第五話であおいは、秩父の武甲山に登ります。
この山は秩父の繁栄を支えてきた山であるとともに東京にある多くのビルディングのコンクリートを提供してきた山です。
コンクリートの原料となる石灰岩を採掘したために山の半分が無くなっています。でも、残りの部分は自然が豊かです。

私も武甲山に登ったことがありますが、この山は結構険しい坂が続くので、登山の初心者にはお勧めできません。
今回あおいがペットボトルをしょって武甲山に登ることができたのは、再び富士山を目指す目標があったから。あおいは以前に比べて体力がかなりついてきました。
この分だと来年あおいは富士山の頂上まで登ることができるでしょう。
あおいの頑張りに拍手を送りたいです。
それよりも、あおいのお母さんが息切れせずに登ることができたのには驚きです。(あおいのお母さんはスーパーウーマンかも?)


第六話では、あおいやここながサンタクロースの衣装を着るのですが、ここなちゃんは何を着せても似合いますね。


第七話では、あおいたちが日和田山に登ります。
私も登ったことがありますが、日和田山の男坂は崖にしがみついて登っているような気分になるので面白いですよ。但し一人で登るのは危険なので必ず複数で登ってください。
それに9月中旬には、ふもとの巾着田で800万本の彼岸花が咲き乱れます。日和田山の中腹からも、その場所が真っ赤に染まって見えます。


第八話では、あおいたちは奥多摩の御岳(みたけ)に登ります。
最寄り駅は青梅線の御嶽(みたけ)駅です。駅から東京方面に50mも歩くとバス停があり、そこからバスで滝本駅まで行きます。
滝本駅からはケーブルカーでほぼ頂上近くまで登ります。
秋は紅葉が奇麗だし、夏は山の中のロックガーデンというせせらぎの場所で涼を感じることができます。
また、御岳から日の出山までは、なだらかなコースなので気軽な山登りには最適です。
私はもっぱら、御岳→日の出山→つるつる温泉のコースを歩きます。
山登りの後の温泉は気持ちいいですよ。


第九話では、あおいたちは名栗で渓流釣りをします。
このとき、ひなたがここなちゃんよりも年下に見えました。あいおもひなたも高校生には見えないほど可愛いですね。
名栗で渓流釣りをされる方は、禁漁期間があると思いますので、事前に確認されたほうが良いです。


第十話は、あおいの成長が見れる内容でした。
内気で引っ込み思案だったあおいが、クラスのみんなを引き連れて天覧山に登るようになったのです。
あおいは山登りをするようになって良かったと思います。


第十一話から第十二は再び富士山です。
あおいは頑張りました。成長しました。まさに、一歩、一歩、さらに一歩と、進んでゆきました。
追い越されてもいい。休んでもいい。少しずつ少しずつ前へ。
山登りは、どこか人生と似たようなところがあります。

最終話のエンディングは、あおいとひなたが歌う「スタッカート・デイズ」
これはヤマノススメ1のテーマ曲でもあります。
このアニメは最初は5分間だけの放映でした。それがヤマノススメ2では15分になり、そしてヤマノススメ NextSummitでは30分になりました。
このアニメも、制作の方々の努力で、少しずつ少しずつ成長していったのですね。

投稿 : 2025/01/11
♥ : 32
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

昨日より輝いて見える景色

【紹介】
NextSummitってタイトルついてますがこれは2期じゃなくて4期です
1~4話はこれまでの総集編
5話から続きの話になります

【感想】
ただ険しい山を登ってみんなで絶景見て綺麗だねー良かったねーっていうアニメじゃなくて、いろいろな切り口から山の良さを描いていてこれまでと変わらず山の魅力と山の険しさがいっぱい詰まっています

あおいは一期から着実に成長していっているし、登山友達が増えて賑やかになって、苦労や挫折があったぶん楽しい時の充実感がより強調されてます
山あり谷ありで最後にはちゃんと充実感があって、綺麗な景色を見せてくれる正に富士山のような作品でした

4期になってはじめて30分アニメになりました、あおい達だけでなく作品も5分→15分→30分と着実に成長?してきましたねー!
今期アニメの頂上もとれるかな?! 

【作画】{netabare}
これまでと変わらず山頂からの絶景、山道の豊かな自然、木々の間から差す木漏れ日の美しさ、目印や山小屋、休憩スポットの雰囲気、、そしておいしそうなご飯!
山の魅力がたくさん詰まった美しい作画が魅力的!
空気がおいしそうだなあってのが伝わってきます

気が抜けた場面とか作画の質がたまにすごく落ちる時あるけど、見せるべきところでちゃんと魅せてくれるのでそんなに気にならなかった、作画の質というか作画の癖も各話で変化があって、絵を描く人が違うと印象が結構違いますね、コロナのせいかな?
EDアニメも毎回絵が違っていて、旅の思い出が詰まっていてとても良かったです!{/netabare}

【シナリオ】{netabare}
3期まではみんなと一緒で楽しい、最高ー!!!ばっかりじゃなくて、失敗も挫折も喧嘩もすれ違いもあって登山も友達関係もうまくいくことばっかりじゃないよってところを見せてきました
ちょっとネガティブ過ぎるかな?って思うことは何度かあったけど、これまでの3期でしっかり失敗や挫折を描いてきたからこそ、あおい達の成長が実感できて良かったと思いました
{/netabare}
【ちょっとモヤっとしたところ】
{netabare}
3期でも時々ひなたにモヤっとしたけど、2期であおいが寝不足で高山病になった失敗があって、それがあおいのトラウマになっていることを知っているはずなのに、自分が寝れないからって夜中に寝ているあおいを叩き起こした時はちょっとイラっとした

2期と3期を乗り越えてあおいは反省して成長してるけど、ひなたはそんなに成長している感じはないかなあ

ついでなので2期のことも言うと、あおいの富士山登頂失敗は周りのみんなにも責任あると思ってます、いちばん体力がない子が寝不足で体調悪そうなのはすぐ気づけると思うから、誰か後ろについてあげればよかったのにって思った
それに比べてあおいは4期になって体力がない人と一緒に登山するときにちゃんと気遣って歩調合せて登山している様子が良くて、あおいはネガティブでも優しいところが好き

{/netabare}
【あおいの成長!】{netabare}
身体を鍛えたり精神的に強くなって以前できなかったことができるようになるっていうシナリオはよくあるけど、ヤマノススメはちゃんと失敗した経験をいかしてルートや持っていく装備を再考していました

努力もあった、精神的な成長もあった、でもそういう目に見えづらいことだけじゃなくてちゃんと頭を使って失敗を繰り返さないために万全を尽くすところがリアリティがあって経験をもとに成功につなげていくところがより「成長」を実感できて良かった!
{/netabare}

投稿 : 2025/01/11
♥ : 30

lumy さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いろいろと感慨深いよね。

原作未読、アニメ前作全話視聴済みです。
しかし、アニメの根強い固定ファンがいるのか、
10年かけて完結するというすごい作品です。

この作品のテーマは好き嫌いがあるとして、
1期から、制作陣や声優さんの作品に対する愛を
ものすごく感じます。
1期2期は、5分だからといって手を抜かないところが
視聴者を驚かせ、
3期で15分に拡大してもクオリティを落とさず、
4年後の4期でフィナーレをかざるという、
今後も本作のような経過をたどる作品は出てこないでしょう。

3期の私の感想は、
「クオリティは高いけどぶっちゃけ見なくてもいいんじゃね」
というものだったのですが、
4期を見ると、3期は絶対に見なければいけませんw
あおいがちゃんと成長しているんです。
なんというか、時間をかけた分、あおいの成長がグッときます。

また、4期の目玉は吉成氏オール監修の毎話新作EDでしょう。
いやあ、あれはアニメではないんですが、
アニメの神髄を感じました。
声もない、動きもない。なのにどんな場面か想像できる。
もちろん、作中で各キャラの設定を知っていることが
大きいのですが、
それを逆手にとって大事な場面を切り取って構成することで
まるでアニメを見ている気分になるんですよね。
すごい。すごいから吉成氏の分、作画の星を0.5上げましたw

終わってしまうのかなあ。
このロス感は、ARIAに似ているのですが、
だとするとちょこちょこ新作が出たりしますかね。
ぜひ、お姉さんになったあおい達を見てみたいものです。

投稿 : 2025/01/11
♥ : 23

63.3 2 富士山で続編なアニメランキング2位
ヨコハマ買い出し紀行 Quiet Country Café(OVA)

2002年12月18日
★★★★☆ 3.5 (49)
203人が棚に入れました
 盛夏―。ラジオが颱風の接近をつげる中、老朽化したカフェアルファを心配したおじさんが、アルファさんをガソリンスタンドに連れていく。不安な気持ちで一夜を過ごした颱風一過。戻ったカフェアルファは大破していた…。これをきっかけに、アルファさんはカフェ再建の資金稼ぎのため、ちょっと長めの旅に出る決心をする。タカヒロやおじさんに別れを告げて、一人徒歩の旅に出立。

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

たしかめたのは ふつうのことです

「要らないシーンは、ひとつもない。」
ぶつぶつと独りごちながら、不思議なカメラで取り残されたような景色を撮り、じっくり豆を炒り、うまそうにコーヒーをすするロボットの女。
店を構えてはいるが「80%は私が飲んでるわよね…」という。


椎名へきるの情感のある声の微妙な揺らぎが独特。
お友達ココネと「それでね、」って話すのがナチュラルに「そいでね、」ってなってるのがしっくりくる。

原作を思い返すと、その声があっているのかは微妙で、も少し安定感や透明感のある声の方が受けがよかったのかな?とも思うんですが

私はこの、妙な色気のある、どっちに揺れるのか読めない、ひらひら振れる蝋燭の炎のような声も面白いなと感じました。
歌はちょっと…聴いててハラハラする…綱渡り感かな。

ゴンチチの音楽ももちろん落ち着くね。
コーヒーカップを前に日が暮れる。夕方の茜がかった暖かげな空が、静かな青にとっぷりと浸かっていく。雲間から月が現れた瞬間、青の中から夜の造形がさーっと浮かび上がる、その移り変わりが美しいです。

世界は果てたようにおおらかで、アスファルトには雑草がみしみし生えたり、海水からかつての道路標識が顔を出したりしている。
構成する人物も少なく、そう心波立たせることも起こらない。


原作など個人的な記憶************
原作連載時、同じ雑誌内に他に惹かれる作品もあったので、チラチラと読んではいたのですが、落ち着いたモノを求める年頃じゃぁなかったので、嫌いじゃないけどイマイチどう読んだらいいのかがわからない作品でした。

今はというと、ぼーっとできてる質なので、あえて癒しやほのぼのな作品は(アニメに限らず)…これ以上スローになってどうするんだ、と逆に落ち着かなくなってしまう。結局ドラマ性のあるモノを求めているかもしれません。

この作品に出てくる店のような暇ーな店の番をしてる時に(しかも悪天候で滅多に人が通りかからない日に)観てみたんですが、さらにぼーっとに磨きをかけている彼女を見てると、
「何処かに変わらぬ蝶つがいのように、ああいう彼女が居てくれるのも、いいよな」と、
ふと日常生活のなかの行動の切り替えの際に思い返したりするのでした。

ぐうたらな私がいかんとも働かないといけない時は、何処かの最果てで、代わりにコーヒーを飲んで居ておくれ。
************************


OVA1つめのシリーズのほうは、アルファさんの変わらぬ日常を淡々と描き、2つめのシリーズ(Quiet Country Café)のほうは、変化を通して旅に出る様子、旅の顛末を描いています。
どちらかというと2つめのほうがワクワクするな、と感じてしまうのはやっぱりドラマを求めてしまう感覚なんでしょうかね。
2つめのほうは、漫画を知っている人向けな感じもあり、細かい人物設定がよくわからないけどね。



「♪たしかめたのは ふつうのことです…」
遠くまで来た先で、見返したカメラの画像。なんの変哲もなかった日常の数々。こんなに懐かしくなるなんて、ここまでこないとわからなかった。
すこしススまみれになった顔をぬぐって、エプロンをはたいて、それから。
「よしっ 帰ろう!うちへ」
どんな風にアルファさんは帰っていくのかな。今なら原作を読んでみたいと思います。

あ、アルファさんかわいいです!こんな人がコーヒーいれてくれる店だったら通いたい。

投稿 : 2025/01/11
♥ : 21

でんでん虫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

コーヒー2杯目

 BGMが『ARIA』と似てるなと思ったらどっちも「Choro Club(ショーロ・クラブ)」という人達が作ってたみたいだ。まったりのんびりした雰囲気も『ARIA』に少し近いし『さらい屋五葉』ともなんとなく似ているかな。こんな感じの雰囲気が好きな人は見てみるといいかも。私は結構好きだ。

 んで肝心の物語はというと、台風で喫茶店が壊れて、おじさんのGSに(もちろん一人で)一晩泊った後にやっと旅に出ることになる。そしてまたしてもゆったりまったりな旅道中。
 一方アルファが旅に出ている間に、同じロボのココネが喫茶店に泊ることになる。彼女はアルファのベッドで寝るのだが、やっぱり彼女は百合なんですかねぇ。枕撫でながら「アルファーさぁん」って…これもう完全にスーハ―してらっしゃいますね。はい。
 アルファはどのくらいの期間旅に出ていたのかよく分からないが、結局最後の方で喫茶店に帰ることを決める。

 この二つのOVAで馴染みの景色が無くなる悲しみや、誰かと知り合って少しずつ自分の場所が増えていく喜びが描かれているのは分かった。しかし『ヨコハマ買い出し紀行』の作品全体で何がしたかったのかは未だ不明だ。くそ、また一つ読みたい漫画が増えてしまった。

■その他
・今作はOVA1作目と作画が少し違う。私は1作目の方が好み
・続編はよ 

投稿 : 2025/01/11
♥ : 4

ケンちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

なんか残念...

何がと言われると困るんですが...

違うんです...

こうじゃないハズなんです...

的確に表現できなくてごめんなさい、でも原作を読んだら皆そう感じるんじゃないだろうか?...

投稿 : 2025/01/11
♥ : 2

67.5 3 富士山で続編なアニメランキング3位
劇場版マジンガーZ/INFINITY(アニメ映画)

2018年1月13日
★★★★☆ 3.6 (50)
150人が棚に入れました
かつて世界征服を目論む悪の天才科学者Dr.ヘルによって滅亡の危機に瀕した人類。しかし“鉄の城”と呼ばれたスーパーロボット“マジンガーZ”を操る兜甲児とその仲間の活躍により、平和な時を取り戻していた。そして世紀の戦いから10年―。パイロットを離れ科学者となっていた兜甲児はある日、富士山地中に埋まった超巨大遺跡インフィニティと、そこから現れた謎の生命体リサに遭遇する。そして、時を同じくして謎の復活を遂げたDr.ヘル。彼は無限の可能性を秘めるインフィニティで、かつての野望を完遂しようとしていた。有史以来最大の危機、絶体絶命の状況の中、伝説のパイロットがマジンガーZと共に再び立ち上がる。

声優・キャラクター
森久保祥太郎、茅野愛衣、上坂すみれ、花江夏樹、高木渉、山口勝平、菊池正美、森田順平、島田敏、塩屋浩三、石塚運昇、関俊彦、小清水亜美、藤原啓治、田所あずさ、伊藤美来、石丸博也、松島みのり

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

どっちつかずな作品。

マジンガー世代ではありませんが、
PVの戦闘シーンがかっこよかったので、
これはスクリーンで見なければ!と思い劇場へ。
とは言え、スパロボもやっていないので
マジンガーで知っているのは「パイルダーオン」
「ロケットパンチ」「ブレストファイヤー」
ぐらいなもんですw

視聴した感想は、肝心の戦闘シーンが
それほど多くなく、前半は淡々と進む感じでした。
「淡々と」というのは、本作が過去作品の
その後を描いているとのことなので、
当然それぞれのキャラはこうなった、
という導入から入るわけですが、
このあたりが初見には厳しめでしたね。
しかし、後半の戦闘シーンは圧巻であり、
知らない必殺技のオンパレードでも、
日本男児が内に秘めるロボット魂に
火をつけられましたw

それなりに楽しめた本作ですが、劇場を見渡すと、
小さなお子様から50代のおじさままで老若男女。
おじさまにとっては懐かしさがあったかと思いますが、
キャラデザ・3D演出がちょっと現代的すぎでしょうか。
かといって、お子様には女性の衣装が刺激が強いので
何やかんや言って20~30代が一番楽しめる作品なのかも
しれません。

投稿 : 2025/01/11
♥ : 19
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

時代性を反映しつつノスタルジーも感じる手堅い作り(SKLの話題も少し)

2018年1月公開のマジンガーZ新作映画。
見てきました!今年の楽しみだったので良い映画で嬉しい。

ドラマとアクションのバランスが良く、ノスタルジーを感じさせながらも時代性も反映され、全体的に良く出来ていたと思います。ロボットバトルのシーンが多いこともあり詰め込み気味ではありましたが(SKLほどじゃないけどね!!w)。
物語としてはテレビアニメの10年後、大人になった甲児たちの葛藤や未来への可能性を描き、「神にも悪魔にもなれる」をキーワードに光子力とマジンガーにも焦点を当てています。
初めて見る人であっても基本的な設定を知っていれば置いてきぼりを喰わないだろう展開、ストレートなキャラ配置も良いですね。

マジンガールズのエロ描写だけは、正直苦笑してしまいました。嫌いではないですけどちょっと露骨すぎてw
エロは無いと寂しいと言えばそうですが、さやか、ジュン、リサの色気には艶っぽさや上品さ、健康的な可愛らしさがあってこの3人だけでも個人的には満足だなあと。

キャスティングは演技力のある声優さんばかりで盤石。イメージにも合っていました。初代のキャストも別キャラクターで積極的に起用していてなかなか面白い配役が見られました。
作画は文句なしに素晴らしかったです。キャラデザも雰囲気を残しつつブラッシュアップもされているため古く感じませんし、新キャラクターのリサも作品に馴染みつつも不思議な存在感があってとても好きです。

強いて気になった所を挙げると、味方量産機(イチナナ式)のデザインがマジンガーっぽくないのが不満といえば不満でしょうか。いわゆるリアルロボットみたいで、これは「誰が乗っても動かせる」特別じゃない感を狙っているのかな?

あとBGMがちょっと悪目立ちする部分もあって個人的にはあまり好きではないです。音楽に関してはEDが一番良かったですね。


{netabare}

10年という歳月を経てしがらみを背負った甲児やさやかの葛藤、親子関係の色々など、ドラマ部分での見所も多くなっています。ジュンの「昔は良かったなんて死んでも言うもんか」という台詞からも、懐古的なものだけがこの作品で描きたいことではないのだなと感じました。
女性の強さ、ロボットのバックアップの描写の多さ、ロボットやエネルギーの扱いの難しさなどを描いた所にマジンカイザーSKLと共通点がありました。SKLスタッフが永井先生から言われた「今のロボットはバックアップがないとだめ」という部分も本作ではしっかりと描いたと思います。

「神にも悪魔にもなれる力」であるマジンガーや光子力に対する世界の反応はリアリティがあり、かつ普遍的でテーマにも繋がっていて良かったですね。光子力の扱いも、危険性を内包したエネルギーとして客観的に描かれました。
世界を肯定すること、多様性の強みと弱みを受け入れていくことがそれらを良い方向に運用していくという結論は、王道でベタですが大好きです!さやかが会見で「次は上手くやります」と言い切ったのもそうですが、理解されなくても批判されても信念を貫き、それが結果として大きな流れを作っていく。言葉ではなく行動で示すことが人の心を動かす、という王道展開がとても良かったです。


親子関係の描写が多かったのも好きです。
さやかと弓博士は立場と意見をぶつけ合いながらも、世界が消えるかもしれないと知った時、弓博士はさやかの努力と気持ちを肯定しました。
ジュンにとってお腹の子は戦士ならば足枷でもありますが、女性としてなら鉄也と自分を繋ぐ存在で何よりも大切なもの。
甲児にとってはお爺ちゃんから託された「神にも悪魔にもなれる」という言葉を今度はリサに託し、リサは希望と可能性を甲児に示して見せる。甲児にとって娘としてリサと再会する可能性は、未来に希望を見出すには十分なものだったと思います。

それでも甲児が「世界を肯定する」という言葉を口にするのにわずかな溜めがあったのは、現代を生きる人間としては共感する部分でした。もしかしたら、甲児をヒーローとして見ている古参ファンにとっては悲しく感じるシーンかも知れませんが…

10年の歳月が流れてマジンガーが博物館に飾られていたり、統合軍のプロパガンダに甲児が引っ張り出されたり、良くも悪くも彼らは勝利の象徴となっています。平和の象徴には未だなり得ていないのがもどかしい所ではありますね。
インフィニティは悪魔でマジンガーZは神かといえばそうでもないっていうのが永井作品らしい。Dr.ヘルとインフィニティは脅迫で光子力を得、甲児とZには人々が自分から力を貸してくれる、その対比も上手くできていました。
光子力を世界中から送ってもらうシーンはまさしく元気玉ですなw


人の心ひとつで世界が滅亡にも平和にも転がる、というのは永井作品やよく理解して作られた派生作品をいくつか見ていれば容易に読み取れる共通点。極限状態で人間性が問われ、そこに主人公たちだけではなく世界全体の人々の心が影響してくる展開は永井作品の根本に流れ続ける魂と言って良いかもしれません。
その良い面を端的に表していたのがボスのラーメン屋での描写で、とても好きなシーンです。ボスは一般の人と戦士のちょうど中間にいる、美味しい役回りだったなあと。

もっとも、この手の展開で世界を滅亡させちゃうのは永井先生くらいだろうなと思いますけどw


あとメタな視点になりますが…
光子力の発電所建設に地元の人たちが反発する所とか、東日本大震災の影響が脚本にも出ているのではないかと思います。本作の企画自体は震災前(2009年頃)から立ち上がっていたようですが、本格的に制作が始まるまでには数年があったそうですから。
SKLはちょうど震災前頃に完成した作品で、最終巻には重力炉のメルトダウンや津波の描写がありましたが、震災後なら自粛した可能性もあったと思っています。
ファンタジーでもアニメでも、シリーズ通してこういう問題を描けるのは貴重だと思います。
{/netabare}


一度だけの観賞なので細かい所はわかっていないかも知れませんが、とても良い作品でした。こういうノリが好きなら映画館で見る価値はあると思います。おすすめします。(2018.1.25)

投稿 : 2025/01/11
♥ : 13
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

代名詞は、ロケットパンチ!

 マジンガーZというとスーパーロボット大戦(私の中では、F止まり)に出てくるロボットというイメージで、アニメ自体はちゃんと見たことないです。これの放送当時、まだ私はいなかったです。学校行ってたかなり前に早朝、マジンガーZ、グレートマジンガー再放送してたけど最終回とか一話目から見てないので、良くわかんなかったです。
 謎のBAD ENDだった『真マジンガー衝撃Z編』は、見たことあるけど、その話とは関係ない内容だったです。

 おそらくこれは、最初のマジンガーZ、グレートマジンガー数年後の物語のようです。

 スパロボで見たことのある機械中の大軍襲ってきて展開が、目立ったです。
{netabare} 発掘された謎の超巨大魔人「インフィニティ」から始まり、謎の少女サラの登場、サラの言った謎の言葉「ゴラーゴン」とは何なのか?。
 死んだはずの敵がまた出て来て、INFINITYを奪われ、剣鉄也の乗ったグレートマジンガーが組み込まれ、敵の手中に落ちてしまう。
 現役を退いていた兜甲児が、剣鉄也とグレートマジンガーを奪還し、インフィニティを破壊するための戦いの幕開けなのです。{/netabare}

 かなり洗練されたキャラデザだと分かるけど、音楽はアレンジされていたのだろうけど、古さを感じたです。

 ファンの人たちに分かるのだろうか?スパロボでもお馴染みのキャラ総登場なのでしょうです。
 白熱するバトルもそうだけれも、甲児を取り巻く人間模様や、未来におきる可能性も大きく描かれていたです。
 最後は、白熱するバトルの先に「これでいいのだ!」のお決まりというのか?分かりやすい終わり方だったです。 

投稿 : 2025/01/11
♥ : 10
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