2023年度の家入レオおすすめアニメランキング 1

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65.5 1 2023年度の家入レオアニメランキング1位
火狩りの王(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (42)
172人が棚に入れました
人類最終戦争後の世界。 大地は炎魔が闊歩する黒い森におおわれ、人々は結界に守られた土地で細々と暮らしていた。 最終戦争前に開発・使用された人体発火病原体によって、この時代の人間は、傍で天然の火が燃焼すると、内側から発火して燃え上がってしまう。 この世界で人が安全に使用できる唯一の<火>は、森に棲む炎魔から採れる。 火を狩ることを生業とする火狩りたちの間で、あるうわさがささやかれていた。 「最終戦争前に打ち上げられ、永らく虚空を彷徨っていた人工の星、<揺るる火>が、帰ってくるー」と。 “千年彗星〈揺るる火〉を狩った火狩りは、<火狩りの王>と呼ばれるだろう” 紙漉きの村に生まれ、禁じられた森に入って炎魔に襲われたところを、火狩りに助けられた灯子。 首都に生まれ、母を工場毒で失い、幼い妹を抱えた煌四は“燠火の家”に身を寄せることを決意する。 灯子と煌四、二人の生き様が交差するとき、あらたな運命が動きだすー

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

それでも この世界に 触れたい

この作品の原作は未読です。
最初WOWOWのオリジナルアニメとして放送されるとの事でしたので、視聴できないと思っていたら程無く各種動画配信サービスにて順次配信開始されると知りホッとしました。


人と同じように、人体発火病原体によって天然の火を使うことができなくなった
神族が、忌むべき火を遠ざけておくために炎魔を造った――。

世界の真実を灯子と煌四が知るのと時を同じくして、神族の統治転覆を狙う〈蜘蛛〉たちが炎魔を
放ち、煌四が開発した強力な雷撃を落とす雷撃砲が工場に設置され、誘導用の雷瓶が各地に
埋められるなど、さまざまな思惑が首都に忍び寄っていた。

そして、遂に、最終戦争前に打ち上げられ、永らく虚空を彷徨っていた人工の星〈揺るる火〉が、
帰ってくる。

「千年彗星〈揺るる火〉を狩った火狩りは、〈火狩りの王〉と呼ばれるだろう」

首都すべての火狩りが千年彗星の帰還を知るなかで、煌四の父の形見でもある三日月鎌で
炎魔を狩った灯子。
神族を取りまとめる手揺姫(姫神)へ、願い文を届けようとする明楽。
父の狩り犬・かなたを送り届けてくれた恩人の灯子を、神族によって体を作り替えられた
妹・緋名子とともに守ろうとする煌四。

人々が必死に戦う中、神族は帰還した〈揺るる火〉を手揺姫の任を継ぐ者とするため、
ある娘を依巫にしようとしていた。

そして、灯子は、姫神たちの孤独と悲しみを知る。

千年彗星〈揺るる火〉を狩り、新たな世界の統治者〈火狩りの王〉となるのは誰なのか。

灯子と煌四。運命に導かれた二人が解き明かしていく世界の秘密、そして彼らが選ぶ未来は――。


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

押井守さんが構成と脚本を手掛けられたとの事で期待していた作品でした。
アニメーションの作画としては独特でしたが、この作風にはきっと合っていたのでしょう。
視聴を始めた直後は違和感がありましたが、それも序盤のみで気が付いたらすっかり馴染んでいました。

そう考えると、作画の良し悪しってとても評価が難しいと思います。
単純な良し悪しは主観が入りますし、ただ作画が良ければ全体のクオリティが底上げされるという訳でもありません。
いかに作品に寄り添っているかが大切なんですよね。

もちろん、好き嫌いはありますが、それで全てが包含できるほど作画って甘くないことを最近ようやく理解することが出来た様な気がします。
こればかりは精進が必要…ということでしょうか。

この作品は設定が物凄いです。
この時代に生きる人間は、傍で天然の火が燃えると一緒に燃えてしまうんです。
人類は火を使うようになり文明が出来て発展したきた種族です。
その人類発展の礎とも言うべき火が使えないと言うのは致命的な欠陥としか言い様がありません。
それでも人は生き残る術を見い出し、日々を一生懸命生きています。

だからなのでしょう…
厄払いとして若い女の子が嫁に出される世界…言ってみれば体の良い口減らしとも考えられます。
そして、嫁いだ以降嫁の顛末を知る人は誰もいないんだとか。
これが唯一無二の生き残る術だとするなら、是非生きながらえていて欲しいモノですが…
残念ながらこの真実を私は知ることができませんでした。
この後で描かれるのか…それともだいぶ展開が大きく変わってしまったので、そこに立ち戻ることはないのか…続きで是非確かめたいと思っています。

1クール全10話の物語でしたが、10話ではやはり尺が短いように感じました。
あちこちで説明が不足している点がある気がして仕方ありません。
また、同時に2つの世界線を描いているので、話がどうしても断片的に感じてしまいました。
まぁ、最終的に回収して貰えれば良いんですけどね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、家入レオさんによる「嘘つき」
エンディングテーマは、坂本真綾さんによる「まだ遠くにいる」

くのちゃんと、坂本真綾さん…そして中盤以降では、はやみんの演技の光る作品でした。
続編は2024年冬アニメで放送されるとの事なので、放送まであと少しですね。
第2期放送前に視聴が終わってホッとしました。
続きの視聴も楽しみにしていますね。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

観念的な原作が消化不良

【総合評価☆☆☆】
 日向理恵子によるファンタジー小説(第2巻まで既読)を、監督・西村純二、シリーズ構成・押井守、キャラクター原案・山田章博という豪華スタッフによりアニメ化した作品。2期に分けてWOWOWが製作・放送した。第1期前半はかなり期待を持たせる出来だったが、その後失速したので、あまり高い評価は付けられない。
 無謀な戦争のせいで火が災厄の元凶となった遠い未来、森に棲む炎魔の襲来を恐れながら細々と暮らす人類の末路が描かれる。物語は、紙漉きの村を出て首都に赴くことを余儀なくされた少女・灯子が、有力者から軍事研究を託された少年・煌四と出会ったことから、大きく動き出す。
 本作の特徴は、炎魔や神族などファンタジーの道具立てが使われながら、その背後にSF的な設定が見え隠れする点。遺伝子工学を利用した生物兵器や人体改変と解釈できる特徴が、あちこちにちりばめられており、人類を追い詰めた災厄が、実は科学技術の暴走によってもたらされたことを示唆する。文明水準が大幅に低下したため、人々はもはや、過去に開発された技術の中身を理解できなくなったようだ。原作小説では、第三者的な立場から事態を解説するのではなく、作中人物の視点に立ちつつ、方言を多用した神話的な語りで状況を巧みに曖昧化し、読者を幻惑した(と、私は解釈する。他の解釈も可能だろうが)。
 ただし、原作では曖昧な表現が想像力を刺激するのに対して、視覚的な明確さを備えたアニメの映像は、ファンタジーとSFの要素がバッティングして、見る者を混乱させるだけである。例えば、木々人(きぎびと)と呼ばれる部族は、原作では遺伝子操作によって植物的な外見に改変された人間ではないかと感じさせるが、アニメでは、動く樹木とも皮膚を木質化した人間とも思える、どっちつかずの表現になっている。炎魔が体液を改変された生物兵器と推測できるのに対して、途中で(ほとんど無意味に)登場する竜は、水墨画などに描かれたまんまのひねりのない姿で、ちょっと興ざめだった。
 こうした表現上の欠点は、物語への共感を妨げる。中盤から重要な役割を演じる神族は、原作によると、木々人や炎魔にも増して「圧倒的な恐怖」をもたらすという。しかるに、アニメ絵には恐怖感が少しも表出されていない。特殊な能力を内に秘めているというファンタジー的な設定も、背後に強大な組織の存在を示唆するSF的な設定も描かれず、みずらや水干をまとった少年の姿そのものである。映像は言語に比べてイメージの喚起力が弱いので、何らかのガジェットで補うべきだったろう。こうしたガジェットは脚本家が考案するのが一般的なやり方だが、押井守は昔から抽象性が高く難解な脚本を書くライターだったので、別に補筆役を加えた方が良かったかもしれない。
 全体として、やや観念的に過ぎる原作を充分に咀嚼できないままアニメ化した感が強く、いかにも消化不良である。動画枚数が極端に少なく低予算で無理に制作したようだが、予算が足りないなりに工夫する方法がとあったはずだ。イラスト風の静止画をあまり頻繁に挿入せず、ここぞという場面に限定して用いれば、視聴者に与えるインパクトがもっと増したと思われる。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 0

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

プロメテウスの火

ということで、ある意味使い古され、枯れたテーマではある。一見すれば、“未来少年コナン”や“もののけ姫”の系譜とも言える。
作画、演出的には、かつて一世を風靡した絵物語的なスパイスを加味した一枚絵と、榊原良子氏の印象的なナレーションが効果的に差し込まれたアニメ紙芝居、あるいは人形劇といった体裁が斬新だ。
しかし個人的には、モンティ・オウムの“RWBY”と同じような香りも感じられ、アナクロの極に振り切れていない所も好ましい。
また、“新世界より”と同じく、日本神話をモチーフにした世界観が上手く機能しおり、古い日本人的な気質を持った其々のキャラクターへの好感度の高さと相まって、すこぶる共感し易い作りとなっている。
もちろんそれは、ヒロインである“灯子”の境遇と性格が裏打ちする台詞回しの素晴らしさと、久野美咲さんの熱演によるところが大きいわけだが、バディである“狩り犬”たちの健気さ、犬種を生かしたギャップの描き分けが上手く、情に厚く一途な“狼犬”やツンデレな“チワワ”を始め、犬好きの心根をくすぐってくるところがニクい。
加えて、押井守の面目躍如、スチームパンクの世界を彩るギミックの数々にも注目だ。
先程少し触れたが、我々世代には少年サンデーの巻頭カラーページやプラモデルの箱絵でお馴染み、小松崎茂氏の世界を彷彿とさせる“回収車”のカッコ良さが際立つ。
そう、アルキメデス螺旋駆動で悪路を切り裂く重厚感溢れるデザインが堪らんのだ。

WOWOW印ながら、シーズン2が早くもアマプラで観られるという幸せ。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 9
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