宗教で戦いなおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの宗教で戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月05日の時点で一番の宗教で戦いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.9 1 宗教で戦いなアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (661)
2130人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

道草三昧 (其の二)

目下視聴中の再放送では、毎回のように新しい発見があって驚かされる。
その都度、投稿した内容の修正や補足が必要になってくるわけだが、
今回は前稿で取り上げた「鏡蓮華」について追記しておきたい。

第12話「本物の勇者」のBパート。
ここに第1話に続いて、またもや鏡蓮華の指輪が登場している。
フリーレンがシュタルクの誕生日のために用意した「服だけ溶かす薬」が
フェルンにダメ出しされ、代わりになりそうなものを探すうちに
荷物の中にあったその指輪を見つけ、しばらく眺めている・・・というもの。
もちろん原作にはない、アニメ独自の演出である。

この指輪、原作では一つのエピソードの中に単発で登場するだけだが、
アニメではオープニングアニメーションを含めると、都合4回は現れる。
監督の思い入れの強さが感じられ、自分も同様だから気持ちがよくわかる。
だから今回も、好都合な場所があったから入れてみた、というだけではないだろう。

それを示唆するのがラスト近くのフリーレンのセリフ。
「戦士ってのは不器用だね。・・・わたしも不器用だからわかる。
 馬鹿だよね。想いっていうのは言葉にしないと伝わらないのに。」

前稿に書いたとおり、これと全く同じことを第14話でザインが言っている。
つまり、指輪は「想いを伝える」というモチーフを集約するシンボルとして、
"本番"である第14話への布石の意味でここに予示してみたのだと思う。

その前稿の理解を一歩進めて、重心を「想い」から「言葉」に移動させてみると、
より包括的な「言葉」というテーマに接続できるのではないか。そしてそのテーマは
フリーレンとヒンメルとの「間」に潜在しているものなのではないか、と考えてみた。
これについては稿を改めて書くことにしたい。

さて、以下はどうでもいいような個人的な話で恐縮なのだが、
道草ついでにちょっと触れさせていただきたい。
一昨年秋期の放映開始以降、延々とレビューを投稿してきたが、
この異様な執着の元にあるのは、「テーマ」に対する過剰なこだわりなのである。

ネタバレレビューを読む

こんな経過をたどった果てに、ここに来てようやく、
本作の最深のテーマに至る道筋が見出せたように思われる。それは
フリーレンの「内面」を経由して、ヒンメルの「精神」へ遡行する、というもの。
噛み砕いて言うと、フリーレンの心情に同期するかたちで、
そこに現前するヒンメルの"像"に対して感情移入する、といった感じになるだろうか。

前稿でフリーレンの「内面」は析出できたと考えている。
彼女の「内面」はヒンメルの心を映し取ることのできる"場"となった。
そして、そこに結ばれるヒンメルの像の中に、本作のテーマは開示されるのではないか。
具体的には「言葉」のテーマが、ヒンメルの「精神」に集約されていくプロセスを繙くこと。
次回はこれを詳述し、そこから本稿の最終的な結論を導き出す予定である。


  「フリーレン私記」

ネタバレレビューを読む



2025. 2. 16

投稿 : 2025/03/01
♥ : 24
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

(最終)ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華

【レビューNo.114】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
コミック原作で2023年作品。全28話。
元々娘がコミックを買っていたので原作既読です。コミックは「マンガ大賞
2021」を受賞するなど前評判も高く、後はいつアニメ化されるかって話でした
がついにきましたね。

(ストーリー)
勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンら勇者パー
ティー4人は、10年間もの旅路の果てに魔王を倒して王都に凱旋する。
ヒンメルら人間にとっては10年は感慨深いものがあったが、1000年は軽く生き
る長命種のエルフであるフリーレンにとっては、ほんのひとときであった。
あれから50年、流星群を観るために4人は再会を果たすが、見た目は全く変わら
ないフリーレンに対し、ヒンメルら人間は随分と年を取っていた。
(ドワーフのアイゼンはそれほどでもなかったが)
そして間もなくヒンメルが天寿を全うする。
彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしな
かったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑したフリーレンは、人間を知
るためと魔法収集のために旅に出る。
それから更に20年後、フリーレンは老い先短いハイターを訪ねる。ハイターは
戦災孤児のフェルンを引き取って育てていた。ハイターはフェルンのことを弟
子にするようフリーレンに依頼するのだが・・・
これは人間を知るために、人間と交わり旅をする彼女と新たな仲間達の物語。

(評 価)
・第1-4話:フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 ネタバレレビューを読む

・第5-8話:他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →アニメはアニメで面白い
 ネタバレレビューを読む

・第9話:あの淡泊な原作での戦闘シーンが・・・アニメはこの水準でやってくれるのか!!
 ネタバレレビューを読む 

・第10-12話:ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 ネタバレレビューを読む

・第13-14話:新キャラ・僧侶ザインも上手く大局に織り込んでいる
 ネタバレレビューを読む

・第15-17話:後半「一級魔法使い試験編」に向けての前半の総仕上げ
 ネタバレレビューを読む

・第18-22話:長期連載を明確に意識した流れなのかな
 ネタバレレビューを読む

・第23-26話:原作者の魔法に関する世界観が完璧に確立していることかよく分かる
 ネタバレレビューを読む

・第27-28話:最後まで味のある会話劇
 ネタバレレビューを読む

(最 終)
原作は結構漫然と読んでたのかな(笑)
アニメ化されたことで原作のよさ
・「人間を知る」というテーマの深さ
・エルフの長寿命を活かした時間経過の描写の妙
・魔法や魔族等に対する独自に確立した概念
などを再発見するところが多かったですね。いやー細部までホントしっかり
考えられているなっと。

そして制作陣の原作の理解度の高さに加え、アニメだからこその表現
・原作では弱かったバトルシーンの特盛
・味のある会話劇
・その他アニメ独自の細やかな描写
など「アニメはアニメとして面白い」をしっかり追求してくれていた仕事ぶ
りだったと思います。
劇中音楽などもよかったと思いますし。
個人的には原作越えでアニメ化大成功という評価ですかね。
いろいろと大変なご時世ですが、いい作品を連続2クールでしっかりみせて
くれるのは本当にありがたいですね。

全体的には
「ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華」
というのがしっかりできている、「きちんと汗をかいている」作品だったか
なっと。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 37
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

放送のフリ-レン

マンガとアニメは日本が世界に誇るブンカだ、
なんて言葉がけっこう前からあっちこっちで言われておりまして、
それはまったくそのとおりだと拙も思うのですが、

  『どんな』マンガとアニメでも日本が世界に誇るブンカだ、

というのはチガウ、とも同時に思うところであります。
エロマンガだのキャラパク同人誌だの、
ああいうものまで『ブンカ』だとはちょっと呼びたくありませぬ。
(桂あいりさんは『すごい』と思いますが)

こっからはアニメ限定のハナシです。

昨今のアニメで胸をはって『ブンカ』なんて大層な呼び方ができるのは、
せいぜい一割ぐらいなんじゃないかと拙は愚考するわけです。
あとは、好きなヒトたち(拙含む)だけがひゃあひゃあ言ってヨロコんでいるだけ、
ひらったい言い方をするなら『フーゾク』に属する、
使いすて御免のゴラク嗜好品みたいなモノだと思うんですよね。

もちろん、フーゾクにはフーゾクなりの良さというものがあります。
ヲタク上等、マイナ-上等、
  好きなものをスキと言ってなにが悪いんじゃい、
というのはリッパな主張でありますし、
いちいち他人にとやかく言われる筋合いのものではありません。

  ただ、それだとやっぱり『広がり』を期待するのはキビしいのかな、と。

ふだんアニメをあんまり見ない方々、
あ~でもたまにテレビでやってるジブリとか新海作品はけっこう好きですよ、
ぐらいの方々にとって、
いまの量産型深夜アニメの多くはハードルが走り高跳びみたいなもの。
準備運動もせずに飛べるような高さじゃないんです。

 えっと……なんでこの男の子モテてるんですか?
      こういうキャンキャンした喋り方ってあざとくないんですか?
      騎士ってこういうモノの考え方するものなんですか?
      なんでいまだにハリポタの劣化版みたいなのが製作されてるんですか?
      この「ふっ」とか笑うの、カッコいいんですか?
      ゲームやって遊んでるキャラを見てるだけのアニメって楽しいんですか?
      こんなアイドルとか曲とか、売れる道理ありませんよね?

  みたいなギモン、ふつうに感じるでしょうし、
  そこにナットクできる答えを返すのは至難のワザでもありまする。


そういうライト層の方々にとって本作『葬送のフリーレン』は、
まさに絶好の入り口、
ヌマへの招待状なのではあるまいかと拙は愚考するわけです。

 ・わかりやすく、感情移入しやすい物語設定
 ・顔半分が目、みたいなこともなく親しみやすいキャラデ
 ・自然で、細部まで配慮が行き届いた作画
 ・YOASOBIさんによる、イマドキ的キャッチーなうえ世界観ドンピなOP
 ・情感たっぷりな描写・劇伴、ド迫力でかっこいいバトル演出
 ・種﨑敦美さん(フリーレン)、市ノ瀬加那さん(フェルン)のナチュラルなお芝居

おそらくライト層の方々は『さよ花』すら名前も知らないだろうし、
『江戸前エルフ』なんかアナザープラネット。
ですから『エルフの長寿性』というギミックそのものが、
斬新で惹きつけられる構成になっているとも思うんですよね。

というわけで、深夜アニメに対する典型的なヘンケン、
  顔半分が目の巨乳っ子やロリっ子が、
  使い回しっぽいセリフをきゃんきゃん声で言いながら、
  よくわかんない敵と戦ったりヲタDTの妄想を叶えたりするもの、
みたいな偏見を抱えている方々にとっては、
けっこうドギモを抜かれる作品に仕上がっているのではあるまいかと思うわけです。

映像は、ジブリや新海作品しか知らない方でもナットク・違和感ないレベル。
そして、種﨑さんや市ノ瀬さんのお芝居は、
そうした劇場版よりも、品質がはっきりと『上』ですしね。

  セイユ-のお芝居は『つくった感じ』がする、
  もっと自然でストレートな声やお芝居が欲しいんだよね、
  というのは、昭和から平成初期の認識かと。

  そういう『つくった』お芝居は『求められているから』やってるだけで、
  いまのトップクラスの役者(声優)さんたちは、
  フラットでナチュラルな演技もテレビ俳優さん以上にこなせます。

  実際、本作をじっくり堪能していただくと、
  宮崎駿氏や岡田斗司夫氏がいかにいいかげんなことを言ってるか、
  わかっていただけるんじゃないかしら。

  ちなみに
  市ノ瀬加那さん、今回の種﨑敦美さんとの共演で『一皮むけた』感じですね。

  基礎声質に『ものすごい』天性をもってる方であり、
  先の『水星の魔女』スレッタ役でもそこそこの好演をされてましたが、
  本作は彼女のベストアクトと称してもいいんじゃないかと思います。
  種﨑さんから盗めるだけ盗んで、
  さらにワンランク上の役者を目指して欲しいものであります。

  あと、すぐ死んじゃったけど、
  リ-ニエ演った石見舞菜香さんもヨカッタです。
  (そう言えばこの方、『さよ花』のマキア演ってましたよね)

  アウラ役の竹達彩奈さんは、典型的な深夜ワクのお芝居かな。
  それが『悪い』とは言わないけれど、
  もうちょい、キャリア相応の奥行きを見せて欲しいかもであります。


制作がマッドハウスということで、
いわゆる『画はいいけれどコテっとしている』アニメになりそうなところは、
あの『ぼざろ』の斎藤圭一郎カントクが見事にカバ-。

  斎藤監督って、まだ監督二作目なのにほんとすごいですよね。
  アニメ-タあがりなのに『映像重視・音響軽視』の悪いクセがまったくなく、
  ト-タルバランスの調整力がハンパないです。

  さらなる魅力として、拙的にはフリーレンとフェルンの
   『いちいちわめかないバトル演出』がお気に入り。
  アニメバトルは叫ぶもの、
  みたいな大時代的お約束って、好きじゃないんです。うるさいし。
  てか、こっちの方がカッコいいじゃん。

  斎藤監督は2015年に大学のアニメ科卒だから、まだ30歳ちょいぐらい。
  たぶん、学生のときから既存アニメの良点・悪点を分析し、
  そのうえで『これからのアニメはどうあるべきか』を真剣に考えて、
  作品に落とし込んでいる方なんでしょうね。
  まさに、本作の製作コンセプトにぴったしの方であります。


さて、製作コンセプト、という言葉の並びから申し上げますと、
本作の製作(『制作』じゃないですよ)の狙いは、ずばり
  『アニメライト層の取り込み』
であります(いやいや、そんなん言わんでもわかるがな)。

そのために日テレさんは、
わざわざプライム枠の『金曜ロードショー』を丸ごと空け、
さらに23時からという、
『NANA』以来、17年ぶりとなる一般層の可視聴ワクを、
アニメ専用に新設したわけです。

じゃあ、テレビアニメがライト層を取り込むことによって、
  テレビ局やアニメ制作会社にどういうメリットがあるのか
が気になるところですよね(気にならないヒト、ごめん)。

ここからちょっと、
テレビ局とアニメのビジネス関係について考察を。
本作とはあまり関係ないので、
まるっとネタバレで隠しておきます。
興味と関心のある方だけ、ど~ぞ(言っとくけど、長いです)。
ネタバレレビューを読む


とまあ、かなり『いいことばっか』書きましたが、
こういうビジネススキームを継続的に成立させるためには、
  ライト層にもマニア層にもささる
アニメを供給し続けることが必須条件となってまいります。

テレビは数字が全ての世界ですから、
はっきり言って『視聴率次第』の下剋上。

23時台のワクを開けて視聴率1%台が続いたりしたら、
いかに制作費が安くても、
次の編成でワクそのものが『おとりつぶし』になっちゃったりするんですよね。

  ご参考までに『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』(フジ23:15~)は、
  平均して7%超えという驚異的な数字でした。
  局のエラいさんのアタマにはこれがしっかりインプットされており、
    さっさと二匹目のドジョ-をさがさんかい
  みたいな側面がなきにしもあらずかと(経営者はムリ言ってなんぼです)。

まあ、いきなりキメツがムリなのはわかってもらえても、
この時間帯のワクを維持するためには、
少なくともスパファミぐらいの数字(2.6%)は維持しなきゃいけない、
というのがリアルなところなんじゃないかしら、

それって、
昨今のアニメ事情をよくよくご存じの方にとっては、
けっこうキビしいハードルに思えるのではと拙は愚考いたします。

  マニアにもライト層にも安心しておススメできて、
  なおかつ減衰率抑えめでそこそこの視聴率がとれるアニメ

なんて、1ク-ルに数本あるかないかってハナシですしね。
アニメ慣れした視点だと良作はもっとあるんですか、
ライト層がハマりそう、という条件がけっこうキビしいんです。

本作『葬送のフリ-レン』と同じスキームでやって、
同等かそれ以上の結果が出せそうなのって、
今年度だと『リコリコ』か『推しの子』ぐらいしか思いつきません。
(あれ、独立局でやったのもったいなかったですよね)

  やっぱ『ヴィンサガ』とか重いしなあ……
  逆に『スキロ-』みたいのが『のだめ』的にウケるかも……
  あ、『無職転生』ならひょっとしていけるか。
  いやいや、そもそもキメツって、なんでバズったんだ?

  なんて考え始めると、とっちらかって収拾つかなくなってしまいます。

日本人は、決してアニメが『きらい』な民族ではありません。
映画の興行収入歴代ランキングで、
  ベスト20のうち14作品がアニメ(3DCG含む)
なんて国、ほかにないんじゃないかしら。
それなのに、
ライト層に安心しておススメできるテレビアニメが存外少ないんですよね。

彼らは『ふつうのドラマ』と同じ視点で見ますし、
マニア層みたく原作者や制作者に身内カンカクでゲタをはかせ、
曖昧さやいいかげんさを許してくれるといった寛容さはありません。

中国人が有り難がってマツタケ食べるとか騎士が土下座をするとか、
そういう基本的な考証ミスを
  『これは架空の国、ファンタジー世界だからいいんだよっ』
なんてリクツでは許してくれませんし、
モテ要素のない男の子のハ-レム展開なんか、たぶん理解不能です。

テイストはファンタジーでもSFでもラブコメでもなんでもいいんです。
ほんと、面白きゃなんでもいいんですが、
ちゃんとした考証と共感できる人物造形は必須条件。
  「いやなら見んな」
とか言われたら、はいはいそうですかと見るのをやめるだけのハナシです。

  拙自身、個人的には『だいすき』なんだけれど、
  だからといってライト層の方々にはおススメできないなあ、
  なんて作品が、ほんとたくさんあります。

  好きなものをスキというのは何も恥ずかしいことではないのですが、
  布教活動は控えめにするというのが、
  現実社会の荒波をのりこえていく一つのコツではないかと思ってもみたり。
  (あにこれは別よ、もちろん)


とはいえ、本作『葬送のフリ-レン』がライト層にもズバっとささり、
大きな成功を収めるだろうというのは、ほぼ既定路線。
二匹目、三匹目のどぜう狙いは、トーゼン『ある』と予想されます。

キ-局が出資してマスマーケットを狙う作品と、
これまでどおり狭い世界の中で、
ニッチなマ-ケットを狙う作品の二極化が進んでいくんじゃないかしら。

10年後ぐらいにアニメ史をふりかえったとき、
ひょっとしたら本作の放送が
エポックメイキングな出来事として語られているかも知れません。

  そんなことを妄想したりしながら
  次の放送をココロ待ちにしているワタクシなのでした。
  乱文駄文、そして長文、ほんとにほんとにごめんなさいね。



以下、オマケです(本作ほとんどカンケ-ありません)。
ほんと、単なるネタなので、
おヒマな方だけ開いてやってくださいまし。
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 29

67.7 2 宗教で戦いなアニメランキング2位
神無き世界のカミサマ活動(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (216)
623人が棚に入れました
怪しげな教団の教祖の息子・卜部征人は「産霊(むすび)の儀」という儀式中に命を落として異世界へ転生した。 その世界で彼に待ち受けていたのは...... 神と名乗るミタマの力を取り戻すために信者を集めること。どうやらミタマが発揮できる力の大きさは、信者の数に応じて変わるらしいのだが、肝心な信者数は......まさかの“0”!? 「うそ...ボクの信者、いなさすぎ...」 征人が楽しく暮らしている「カクリ」という村を敵から守るため、また村を発展させるためにはミタマの力が必要だという。 ミタマの力を取り戻すべく、征人はあの手この手を使いながら今日も信者集めに奔走する。 果たして、ミタマの信者は集まるのか。そして、征人はこの世界で生き残れるのか――! 神無き世界で繰り広げられる、ポンコツ神ファンタジーが今はじまる!
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

教祖様は知っている

●人類を照らす欺瞞の神様

皇宮のドーム状の天井を突き破り約束のあれが現れます。

ネタバレレビューを読む


●未来を「予言する」神

宗教や共産主義など思想に対する理解力が完璧すぎる本作には、ただただ脱毛するばかりであります。

話題となってる「ドット絵」でありますが、当然意図的にこれを使用しているわけでありまして
どういうことかと申し上げますとネタバレレビューを読む



本作はただの宗教アニメではありません。

宗教の本質を熟知していなければ絶対に描けない、かなりマニアックな知識がバックボーンにある
究極の宗教アニメと呼ぶべき作品であるように感じました。


主人公が首にぶら下げているものは、 ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

な、なんじゃこりゃああああああ

朱白あおい(原作)、半月板損傷(作画)による原作漫画は、現在、『わいるどヒーローズ』(ヒーローズ)で連載中(既刊8巻、原作未読)。
アニメは、全12話(2023年)。監督は、稲葉友紀。制作は、『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』などのstudioぱれっと。
(2024.6.2投稿、10.3推敲)

タイトルの通り、な、なんじゃこりゃああああああという、よくわからない作品(笑)

話数とともに次第に「崩壊してゆく作画」、初めからチープ感を狙ってやってるのか?よくわからない「ドット絵」の挿入、雑なCGモンスター、実写のコンバイン画像の雑コラ

「宗教」という割と真正面から扱うことがためらわれる題材

「ごちゃまぜの世界観」と「ぶっ飛んだストーリー展開」

「ゲスい主人公」

性別転換とともに声優が諏訪部順一さんから富田美憂さんになって、元が男だからなのか(笑)、ストーリーと全く関係なく、際どいサンバの衣装を着ていたり、セクシーシーン満載のチョロすぎる「騎士ベルトラン」(※アニオリらしい)

あと、もう人妻になったからなのか(笑)、花澤香菜さんや小松未可子さんにそんなこと言わせていいの⁉︎と思ってしまうような「際どいシーンの数々」(見所ともいえますが(笑))


といった感じで、一般的に人を選ぶといわれる要素であったり、いわゆるクソアニメ要素満載なので、観る価値もないという評価がなされても全然納得できる(笑)
ただ、私は、なんか単純に駄作と切り捨てられない妙な魅力を感じてしまったんですよね…

その理由は、作画とかストーリーとかがハチャメチャなんだけど、「割とちゃんと考えられた設定」と「声優の演技力の凄み」で何とかギリギリ物語としての説得力が確保されていると思えたからでしょうか(もっとも、全然ギリギリじゃないよ!という評価もあると思うので、一応、注意はしたので後は自己責任で(笑))。


【割とちゃんと考えられた設定(※説明の範囲でネタバレ有り)】
ネタバレレビューを読む
(→『神無き世界のカミサマ活動』)

こんな感じで大枠の設定は、割とちゃんと説明できて、すべて真面目にやっちゃうとすごく重い話になってしまうので、本作を好意的にみるなら、エンタメとして極端に軽い話にしたのかも?しれません。


【声優の演技力の凄み】
また、本作の声優は、榎木淳弥、鬼頭明里、花澤香菜、緒方恵美、上坂すみれ、諏訪部順一、富田美憂、悠木碧、 高橋李依、小松未可子、小清水亜美、速水奨など他作品で主役を張るような錚々たる顔ぶれ(敬称略)。

本作は、上にも書いたようにストーリーの大枠はしっかりしているものの、細部はぶっ飛んでいるので(例えば、世界観ガン無視でアイドル活動…)、そのシーンだけ見るとよくわからない話なんですが(笑)、声優の演技力で押し切られているように感じました。

この低予算(多分?)アニメで、このメンツを揃えた意味がわかるというか、荒唐無稽とも思える話にリアリティを持たせてしまう声優の演技力・底力に改めて感嘆させられました(実際に存在しないものであっても、迫真の演技をされると実際にあると騙されてしまうアレ)。


【禁欲主義と神様(※余談)】
例えば、西洋のキリスト教は、「七つの大罪」に代表されるように、「色欲」、「嫉妬」など人間を罪に導く可能性があると見なされてきた欲望や感情を抑圧する「禁欲主義」です。なので、本作が描く徹底的な管理社会は、キリスト教的な禁欲主義の「成れの果て」という見方もできます。

これに対して、本作に登場する「カミサマ」、例えば、「荼枳尼」(ダキニ:CV.高橋李依)は、ダーキニーというインドのヒンドゥー教を起源とする東洋の神様で、一部の密教では性愛(SEX)を司る神と解釈されているようです(参照:Wikipedia)。
要するに、本作でも禁欲主義とは反対の快楽主義的なカミサマとして描かれています。

なので、本作は、キリスト教的な禁欲主義社会を快楽主義的な神様がぶっ壊し、欲望という人間性の根源を回復していくお話ともとれます。まあ、話がぶっ飛びすぎなので、少なくとも観てるときには、そんな高尚さを微塵も感じさせないのですが…


【最後に】
決して手放しで面白いといえる作品ではないのですが、単なるエロアニメとはいえない骨太の設定や声優の演技力があって、やりたい放題にキャラたちが動き回っても何とかお話として成立している(多分)。
なんか単純に駄作とも切り捨てられない妙な魅力を感じる作品なんですよね。

ちなみに、思いっきり途中で終わってます…個人的には続きが観たい!

投稿 : 2025/03/01
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

異世界で信心を創り出すポンコツ神ファンタジー

この作品の原作は未読です。
出演されている声優陣が凄いです。
あかりん、香菜ちゃん、すみぺ、碧ちゃんにりえりーですよ^^

最近は、作品に関する情報がほぼ無い状況で視聴を始めるので、それはこの作品も然り…
途中まではリアルタイムで視聴していましたが、前クールの作品の視聴に時間を取られて、終盤のみ一気見しました。


怪しげな教団の教祖の息子・卜部征人は
「産霊(むすび)の儀」という儀式中に命を落として異世界へ転生した。
その世界で彼に待ち受けていたのは…

神と名乗るミタマの力を取り戻すために信者を集めること。
どうやらミタマが発揮できる力の大きさは、
信者の数に応じて変わるらしいのだが、肝心な信者数は…まさかの“0”!?

「うそ…ボクの信者、いなさすぎ…」

征人が楽しく暮らしている「カクリ」という村を敵から守るため、
また村を発展させるためにはミタマの力が必要だという。

ミタマの力を取り戻すべく、征人はあの手この手を使いながら
今日も信者集めに奔走する。
果たして、ミタマの信者は集まるのか。

そして、征人はこの世界で生き残れるのか――!

神無き世界で繰り広げられる、
ポンコツ神ファンタジーが今はじまる!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

宗教というより、信じる人の心はとても弱く、誰かに必要とされ居場所がちゃんとあることに兎に角固執する生き物であることを痛感しました。

宗教については…正直良く分かりません。
ただ、宗教の違いから発する衝突やトラブルほど巻き込まれたくないモノはありません。
だから今の私はいわば「無宗教」の状態です。

はっ…もしや、私にガチャ運が徹底的に足りていないのは信心深く無いから…!?
なんて仕方の無いことなんか思ってしまってみたり…^^;?

世の中には様々なレールが縦横微塵に敷かれているので、基本的には既定路線を進んでいけば概ね間違いはありません。
ただし、ヒトは弱みに付け込まれる生き物なので適宜路線の修正は必要あと思いますけれど。

ですが、征人は宗教に関して既定路線の無い世界で新たに信者を集めようとしているんです。
これって並大抵のことではありません。
規定の路線が無いから、自他共に進み方が分からず迷走してしまうのがオチです。

異世界で何の規定路線も無い征人が一歩を踏み出せたのが、リアルの世界で叩き込まれたノウハウ…
思い出したくも、使いたかったわけでも無いと思います。
それでも、自分の古傷を抉らなきゃ前に進めないなら、自分を犠牲にしても前い進むことを選択する征人です。
順風満帆ではありませんが、少しずつ征人の理解者が増えていき…物語が動いていきます。

この作品を完走して振り返って思う事…
神様であるミタマ様の扱いが、あまりにも雑過ぎじゃありません…!?

ミタマは基本的に信者が居ないと神の力を行使することはできません。
ただ、唯一の例外を除いては…ですけれど。
だから、自分の唯一無二が絶体絶命の時、ミタマは自身を微塵も厭うことなく神の力を行使し続けるんです。
それが例え自分を信仰してくれる信者がいなかったとしても…

ミタマ、征人、そして二人の理解者が宗教という概念の無い異世界でどの様な物語を紡いでいくのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、来栖りんさんによる「I wish」
エンディングテーマは、ミタマ(あかりん)による「Steppin’Up Life!」

1クール全12話の物語でした。
完走後にレビューを書くためにwikiをチラ見して気になったことがあります。
物語の冒頭に絵巻物がスクロールしながら何やらブツブツとナレーションが入っていましたよね。
セリフのテンポも速く聞き取れなかったのですが、もしかするとあれはサブタイトルコールだったのではないでしょうか。
「カケマクモカシコキ…」と言っていたような気がします。

さて、第1クールが終了した訳ですが、物語がこれから更なる盛り上がりを見せようとする段階で終わってしまいました。
「つづく…?」との事でしたが、?マークが取れるのはいつになるんでしょうね。
楽しみに続編の情報を待ちたいと思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19

79.3 3 宗教で戦いなアニメランキング3位
天鏡のアルデラミン(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (907)
5032人が棚に入れました
隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。その片隅で一人の青年が戦乱に巻き込まれようとしていた。名はイクタ・ソローク。戦争嫌いの怠け者で女好きという、およそ軍人とはかけ離れた人物だ。幼馴染であるヤトリシノ・イグセムとともに高等士官試験を受けた彼は、二次試験への送迎船で、看護学校出身のハローマ・ベッケル、旧軍閥名家のマシュー・テトジリチ、そしてヤトリと同じく忠義の御三家の一角、レミオン家のトルウェイ・レミオンと出会うこととなる。道中、彼らと賑やかな時間を過ごしていたその時、突如船が座礁する。総員退艦となり脱出する5人……だが、そこで一人の少女が船から海へ落ちる姿が目に入る。ためらわず、大荒れの海に飛び込むイクタ。そして、彼は少女の小さな手を握った。時に帝歴905年。それが後に常怠常勝の智将と呼ばれた男と、帝国最後の皇女と呼ばれた女の初めての邂逅。“約束された敗北"へと向かう、物語の発端である――。

声優・キャラクター
岡本信彦、種田梨沙、水瀬いのり、金本涼輔、間島淳司、千菅春香
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

内容の詰まった戦記物でキャラクターを見るのも楽しい

2016年夏アニメ。ライトノベル原作、全13話の戦記物です。
原作は2巻途中まで読了。ペースとしては原作3巻までのアニメ化のようですね。
原作より全体的に地味な印象に作られたアニメというのも珍しいかも。

キャラ物と戦記物のバランスの良さが良いですね。これは原作の良さでもあり、きちんとアニメにも反映されていると思います。
原作からのカットや短縮が沢山あるだろうと思っていたのですが、原作の内容もかなり詰まっているのであまりカットしていませんね。全13話でストーリーをキリの良い所まで進めるためにどうしても詰め込み気味になってしまった印象。
カトヴァーナ帝国の斜陽ぶりがわかりにくくなっていることと精霊の活躍が少なくなっていること、軍事関係のシーンが少なめになっているのも勿体無い点ですが、原作の進み具合からしてここしか切りようがなかったと思われます。
必要な情報を言葉での説明に頼らない(あるいは尺のために削らざるを得ない)ため、繰り返し視聴する人向きだと思います。

キャラクターは全体的に個性がわかりやすくイクタ以外のメインキャラクターが皆常識的なので、かなり見やすいと思います。人間関係もさっぱりしていてとても印象がいいです。
イクタは女たらしだったりと癖のある性格で、何話か進まないと良い所がはっきりと出てこないので苦手な人は苦手だったようですが、私はとても好きですね。ネタバレレビューを読む

キャラクターの配置も上手で、完璧系キャラと成長型キャラの両方が味方におり、それぞれに抱える問題・はっきりした美点欠点が設定されているため、誰にも感情移入できるし、好みのキャラクターは見つけやすいと思われます。

精霊も可愛くて好きですね!
見た目はちょっと癖がありますが動きや仕草が可愛らしく、主人に対する献身が健気ですし、物語に必要な存在として大切に描写されマスコット然としていないのが好印象です。……ねじまき要素は原作でも大分後にならないと出てこないという話。それはちょっと残念です。

キャラクターデザインに原作イラストよりずっと地味な絵柄を選択したのはチャレンジだったと思います。
でも堅実な世界観を作るという明確な意図が感じられて面白いですし、それぞれ良し悪しはありますが、個人的にはマシューのキャラクターがしっかり嵌っているのはアニメ版の絵柄だと思います。

戦闘シーンに作画全力投球というのが徹底していて素晴らしいです。接近戦に力が入るのは勿論ですが、長距離狙撃のシーンも本当に丁寧な作画ですし。
他の部分も常にきちんとしていて、コンテ演出も常に安定していて映像面で違和感は全くありませんでした。

OPは絵と歌詞の意味が物語が進むにつれ分かって行く作りで、最後まで見るととても感慨深かったです。じわじわ嵌って行きました。

ネタバレレビューを読む

他の人の感想にもあるとおり、先がすごく気になる作品になってしまいましたが、本作単品でも十分に楽しめるようにはなっています。
色んな理由で1クールでの構成が難しい作品だったと思われますが、ヤスカワショウゴさんのシリーズ構成凄く良かったです。
物語の入り口という形にはなってしまいますが、気になる人にはオススメします。(2016.11.17)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あれ…ねじ巻きはどこに行っちゃったの…!?

この作品の原作は未読ですが、種田さん、水瀬さんが出演する事を知って視聴を決めた作品ですが、序盤の視聴ですっかりこの作品の魅力にハマってしまいました。

この物語の主人公は、17歳のイクタ・ソローク…彼は軍の名門イグセム家の令嬢であり幼馴染でもあるヤトリシノ・イグセムと高等士官試験に臨むため船出するところから始まります。

その船には、狙撃手のトルウェイ、旧軍閥のテトジリチ家の長男であるマシュー、衛生兵のハローマ…そしてなぜか帝国第三皇女シャミーユも乗船していたのですが、船が嵐によって沈没してしまうのです…

一行は地上に流れ着き一命を取り留めるのですが、流れ着いた先は帝国と戦争状態にある隣国のキオカ共和国だったんです。
彼らの選択肢は二つ…自国の領土まで逃げ延びるか、捕虜となって捕まるか…
紛争中の国境近くでもあるこの場所は敵の見張りの目も厳しく、簡単に逃げられる場所ではない事を認識させられるイクタ達…
きっと帝国第三皇女であるシャミーユ殿下は恰好の交渉材料となるでしょう…
でもそれは一つ間違うと戦局の大きく影響の出る可能性を秘めている…
こんな困難の中から物語が動いていきます。

この作品で第一に感じるのは、主人公であるイクタと幼馴染であるヤトリシノとの関係です。
ヤトリシノのCVが種田さんである事も相まって、彼女に流れるイグセムの血を重んじ、騎士として凛とあろうとする姿は堪らないくらいに魅力的…
でも、彼女が凛としていられるのは、傍らに必ずイクタがいるからにほかなりません。

このイクタ…「食わせ者」とは、正に彼の事を指す言葉といっても過言ではありません。
常日頃からいかに怠けるかを考えており、「怠ける時は怠けるが、怠けるための努力は惜しまない」が彼のモットー。
でもその実態はイクタが師と仰ぐ科学者アナライ・カーンの弟子一人で、彼が口にする「怠ける」とは「効率が良い」事と同義なんです。

例えば1日かかる仕事をやり方を工夫する事で半日しかかからなかった…
余った残りの時間は自分で好きなように使う…これがイクタの言う「怠ける」です。
人は面倒くさい事が嫌いで「安心・安全・安泰」が大好き…というのは本当だと思いますし、文明の発達もこの発想に基づいた部分が多いと思います。

でもイクタが怠ける事を追い求めた結果、彼に待っていたのは彼の人生における3重苦でした。
ただイクタにとっての3重苦が世の中全ての3重苦とはならない事を彼は知っており、軍人としての道を歩き始まるのです。
でも、イクタが軍人として歩むようになってからが面白さの本領が発揮された作品だったと思います。

それとこの作品の登場人物として重要なのが「精霊」の存在です。
火・水・風・光の4種類に分けられた精霊は手のひらサイズで、人間一人につき一体の精霊をパートナーとする事ができるんです。
精霊は武器の動力として使用できるだけでなく、人間に忠を尽くす存在なので一部では神から遣わされた存在として崇められています。

実はこの作品のタイトルを一目見た時から気になっていた事があります。
「ねじ巻き精霊戦記」です。精霊とねじ巻きって、アンマッチ過ぎ…だから物語の中でどの様な関わりを持っていくのかが楽しみで仕方ありませんでした。
でもそれは結局作品の中で触れる事はありませんでした…原作は10巻まで発行され、さらに連載も続いていますが今回アニメ化されたのは原作の3巻まで…つまりまだまだ序盤という事なので、そのうち制作されるであろう続編の中で明らかにされるのかもしれません。

イクタの前に広がるのは、見方の圧倒的不利な状況ばかり…
後に「常怠常勝の智将」と呼ばれるイクタでも味方の犠牲を一人も出さずに…という訳にはいきません。
それに智将よ呼ばれる人物は、この世でイクタ一人…という訳でもありません。
どんなに最善を尽くしても守りきれなかった命は一つや二つではありません。

自らの判断が…命の優先順位が間違っていると罵られた事もありました。
きっと普通に諭すことができるなら…そんな状況が許されるなら罵られる事もなかったでしょう…
でも戦争がそんな言い訳すら許してはくれないんです。
誰もがイクタの様に状況を俯瞰できる訳じゃない…
少しでも味方の犠牲を減らしたいだけなのに…
身に付けていたモノだけが淋しげに残されている…そんな状況を見たくないだけなのに…
気になる方は是非本編でご確認下さい。
私にとってダークホース的存在の作品でした。

この作品の続編は是非とも見たいところですが、乗り越えなければいけない壁があるのも事実だと思います。
最大の壁は声優さんの復活だと思っています。
この作品には、ヒロインのヤトリシノ・イグセム役に種田梨沙さん、そして藤原啓治さんも出演されていますが、お二人とも現在療養中です。
幾つかの索引では代役も決まったようですが、既に世に出回っている作品の出演者が変わるのは淋しい限りですし、ヤトリシノ役は種田さん以外は考えられないと思っています。

でも…wikiで彼女の出演した作品を見ると病気になるのも仕方ないような気がします。
出演される殆どの作品はメインキャラで、テレビアニメ、OVA、WEBアニメ、劇場アニメ、ゲームにドラマCD…それに吹き替えやラジオにまで出演しているんです。
それだけ彼女のニーズがあるからなんですけれど…
これだけ忙しかったら、自分の出演した作品もまともに見れていないのでは…と思ってしまいます。
絶対元気な姿をもう一度見たい…そう願っています。

オープニングテーマは、岸田教団&THE明星ロケッツさんの「天鏡のアルデラミン」
エンディングテーマは、鹿乃さんの「nameless」
相変わらず歌い辛いですが、岸田教団&THE明星ロケッツさんのオープニングは恰好良いの一言です。
しっとりとしたエンディングも好きでした。

1クール計13話の作品でした。物語的にも見どころがあり出演している声優さんも豪華…しっかり堪能させて頂きました。気になる続編…の前に療養されている声優さんの復帰を祈念しています。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 26
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

YOUTUBE「実は面白いマイナーアニメ」 →なるほど、言い得て妙かも

【レビューNo.151】(初回登録:2024/11/4)
ラノベ原作で2017年作品。全13話。
YOUTUBEで「実は面白いマイナーアニメ」と紹介されていたのと、お付き合い
ある青龍さんが同じようなタイミングでレビューを書かれていたので非常に
気になっていたんですよね。
まあそこから半年位放置してたんですが(笑)


(ストーリー)
火・水・風・光の四大精霊が実体として存在し、人間のパートナーとして共に
生きる世界――
カトヴァーナ帝国は国力が衰え、政治は腐敗して国としての寿命が尽きかけよ
うとしており、内政の失敗を戦争で購おうとしていた。
そして帝国一の科学者アナライの弟子少年イクタ・ソロークは、優れた才を持
ちながらも昼寝と女漁りに精を出し、日々怠惰に過ごしていた。
イクタは軍部の名門出身の昔馴染みの少女ヤトリシノと、高等士官試験に臨む
道中船が嵐によって沈没し、ヤトリや同じ受験生たち
・狙撃が得意な好青年トルウェイ
・上昇志向が強く小太りの突撃兵マシュー
・失言の多い衛生兵ハローマ、
・まだ幼き帝国第三皇女シャミーユ
と共に、帝国と戦争状態にある隣国のキオカ共和国の領土に流れ着いてしまう。
イクタの機知により帝国に無事帰還した彼らは「帝国騎士」の称号とともに、
士官学校に入学することになる。


(評 価)
・2人の関係性や他のキャラもしっかり描かれている
 本作は
 ・戦争嫌いの怠け者だがずば抜けた戦略・戦術眼をもつイクタ
 ・武芸に秀で比類なき実力を誇るヤトリ
 この2人の波乱に満ちた運命を描いたファンタジー戦記作品となります。
 平時は軽口を叩き合いながらも、一度戦場に出てばお互いの才を信頼し
 背中を預け合える、そんな2人の絶対的な関係性が実に尊い。
 イクタは女好きですが、そこには恋愛感情はないものの
 「イクタにとってヤトリは大事な人」
 という様が、彼の言動から伺えますね。
 それを象徴しているのが、物語の最初に語られるイクタのセリフ
 ネタバレレビューを読む
 なんとも意味深な言葉ですね。

 そしてこの2人の脇を固めるのがトルウェイ、マシュー、ハローマの
 士官学校の仲間達です。
 2人の天才に比べ、彼らがしばし凡人として悩む描写がみられますが、
 イクタはそんな彼らのウィークポイントは実は長所だと考えており、
 時にはムチャ振り(?)をすることも。
 そんな中で苦難を乗り越えていく、彼らの成長譚も見どころの一つに
 なっています。

 また戦記モノなので、交流を経て魅力的に描かれた軍人たちとの死別
 も避けては通れないわけで、本作でも
 ネタバレレビューを読む
 といった言葉でその無情さが語られています。


・ーこれは”約束された敗北”へと向かう戦いの物語ー
 上述はPVの冒頭に現れる言葉ですが、本作では
 ・北域動乱の鎮圧終結のタイミングを見計らって敵国兵が進軍 
 ・消耗しきった帝国軍にはそれを正面から迎え撃つ戦力はなく
 ・撤退戦が最善の策
 ということで、イクタたちが殿を務め帝国軍の命運を握ることになり
 ます。
 まあ早い話が「約束された敗北」の尻ぬぐいってことでw
 しかも敵軍はイクタに比肩する『不眠(ねむらず)の輝将』の異名を
 もつジャン・アルキネクスが指揮を執るという。
 物語最大の山場となりますが、2人の知略戦は非常に見応えがあります。
 そして圧倒的不利な状況でイクタが放った勝負手とは――
 幾分ご都合主義かなというところではありますが、善意的に解釈すれば
 「天才は天才を知る」
 ということなんでしょう。

 しかし物語はこれで終わらない。
 帰還したイクタに第三皇女シャミーユが語る衝撃の計画とは?
 ーこれは”約束された敗北”へと向かう戦いの物語ー
 「なるほど!最後はそうきたか!!」
 という余韻を残して物語が終わるという。


1クール作品ながらも、「何のための戦いか」から始まり戦争や軍人という
ものをかなり地道かつ実直に扱っているという印象ですね。
また平時のイクタの軽口は滑り気味ではありますが、戦場での彼の言葉選
びのセンスには目を見張るものがあります。
これは他の軍人の言葉にもハッとさせられるものがあり、この辺が原作者
の真骨頂なのかなっと感じますね。

ただ難点をいうと導入の5話位まではテンポが悪く展開もぬるいので、上述
「実は面白い”マイナー”アニメ」
で留まっている原因かなっと。
あと「精霊」という要素も(原作では上手く活用されているかもですが)
本作では面白さに繋がっていないという印象ですね。
(そもそもの『ねじ巻き精霊戦記』が「??」って感じなんですよね)

とはいえ高いレベルでまとまったファンタジー戦記作品であったので、
視聴してよかったと思います。
2期があったら是非観てみたいと思いますし。
(望み薄でしょうが)

最後に背中を押して頂いた青龍さんには感謝ですね。
アザ━━━(*゚∀゚*)ゞ━━━ス!!


OP『天鏡のアルデラミン/岸田教団&THE明星ロケッツ』
・『GATE』を彷彿させるような出だしから「岸田教団」感がビシバシと。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 10

67.2 4 宗教で戦いなアニメランキング4位
Rewrite(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (686)
3482人が棚に入れました
緑化都市、風祭。文明と緑の共存という理想を掲げたこの都市に住む天王寺瑚太朗は、神戸小鳥、吉野晴彦らの友人たちと平凡な日々を送っていた。

そんな平和な風祭市に、年一回の騒がしい時期が訪れようとしていた。

都市を上げての収穫祭。

巨大な文化祭のようなその催しに、瑚太朗は記事のネタ集めのバイトを始めることに。風祭では未確認生物の情報や、オカルトチックな噂がまことしやかに囁かれていたからだ。

同時期、瑚太朗の身に不可解な出来事が降りかかり始める。瑚太朗はオカルト研究会の会長、千里朱音に助けを請い、知り合いの生徒たちをも巻き込んでの調査を開始するのだった。

それは瑚太朗にとって、ちょっとした冒険心のつもりだった。騒がしく仲間たちと過ごしていけるなら、それで良かった。瑚太朗はまだ気付かない。それが誰も知らない“真実”の探求へ繋がっていくことを。

──書き換えることが出来るだろうか。彼女の、その運命を。

声優・キャラクター
森田成一、斎藤千和、篠宮沙弥、喜多村英梨、すずきけいこ、朝樹りさ、花澤香菜
ネタバレ

reath さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

今後が楽しみな作品

原作プレイ済みなので、大体のストーリーの流れは把握してます。
ただ、アニメはオリジナルストーリーになるらしいので、話の終着点とかは予想できません。

非常に伏線が多く、わかりにくい内容になっていますが、まとめ方としては大いに満足してます。

これからどう展開していくのか楽しみです。

さてそれでは各話感想と所々解説みたいなものをします。
もしかすると後々明かされることもあるかもしれませんので、アニメだけで理解したい人、原作をやる予定の人は閲覧注意です。

アニメが分かりにくいから、実際どうなってるんだってばよ。と気になる人は若干のネタバレ交じりになると思いますが、見てみてください。アニメでは端折られている設定を少し書きます。

第1話
ネタバレレビューを読む

第2話
ネタバレレビューを読む

第3話
ネタバレレビューを読む


第4話
ネタバレレビューを読む


第5話
ネタバレレビューを読む

第6話
ネタバレレビューを読む

第7話
ネタバレレビューを読む


第8話
ネタバレレビューを読む

第9話
ネタバレレビューを読む

第10話
ネタバレレビューを読む

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 18
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

混沌を詰めたおもちゃ箱

冒頭の独白シーンからループものである事を匂わせる物語。

key作品については造詣が浅いので、他にも似た作風のものがあるかも知れませんが、主人公の瑚太朗を含め登場人物のほぼ全員が何らかの秘密やトラウマを抱えているように見え、バトルものの要素を除けばクラナドに少なからず似ていると思いました。瑚太朗が中心となり、キャラ達の心を解いていくお話になりそうです。

瑚太朗は色々なものを達観視した態度と少々乾いた印象があり、大きな秘密も抱えている様です。一方で弱者に寄り添う姿勢があったり、かなりのお調子者でもあったりするので、クラナドの朋也と陽平、両者の性質を併せ持つキャラに見えました。どちらかというとギャグ担当の陽平の要素が強いので、いじられ役になったり、バイオレンスギャグの犠牲になったりと中々に多彩な男です。おっぱいとか言うし‥。そんななので委員長キャラの前で調子に乗って余計な事を言ったり、不謹慎な行動をしたりして、必然的にアッパーカットで吹き飛ばされたり、コンボでボコボコにされます。まぁ‥必然というかお約束ですね(笑)

瑚太朗の相棒?の吉野晴彦も中二病に中二病を上書きした様な面白キャラです。現在わずらっている中二病をいじられると怒りますが、過去の中二病時代をいじられると「やめろぉぉ~」と苦しみ出します。瑚太朗と吉野、いじり役といじられ役に、ものの見事にはまってしまっていて事あるごとに笑かされました。1話、ギャグパートの回想シーンに移行する時の画面のゆらゆら表現と効果音も地味に面白かったです。ドラえもんとかの古典的なアニメ表現と似ていて、安心感を覚えるからかも知れません。

本編に関して、初回からおもちゃ箱をひっくり返した様に、次々と不思議なものが飛び出すので、関連性が全く掴めず、頭がこんがらがり、話についていくのが大変でした。読み辛い文体の本とか固有名詞満載の本を読んだ時にも私はこんな状態になりますが、第一話の時間的な長さも相まって、後半はちょっとだけ眠くなってしまいました。

~2話、3話~
ネタバレレビューを読む
~4話~
ネタバレレビューを読む
~5話~
ネタバレレビューを読む
~6話~
ネタバレレビューを読む
~7話~
ネタバレレビューを読む
~8話~
ネタバレレビューを読む
~9話~
ネタバレレビューを読む
~10話~
ネタバレレビューを読む
~11話~
ネタバレレビューを読む
~12話~
ネタバレレビューを読む
~13話~
ネタバレレビューを読む


本作の舞台となる「風祭市」は緑化都市という事もあって、作中に登場する"緑を守ろう委員会"とか"地球委員長"とかの語が示唆する様に、環境汚染についても若干ながら問題を提起していくのかな?とか少しだけ期待してます。

総じて謎の多い物語であり、視聴欲をそそられました。どのキャラにもそれぞれの魅力が感じられるので、視聴を続けていきたいと思います。

以下は情報の整理の一助として掲載。

4話までに登場した不思議なもの一覧
ネタバレレビューを読む
登場人物の一覧、補足など
ネタバレレビューを読む
~除草剤と遺伝子組み換え植物の関係について~
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 32
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

待っていたKey作品…そして終わったあと

Keyの作品は大好きです。アニメだけですが鍵っ子に入るかなと思っています。keyの原作ゲームはすごく良いと言われてますが、ゲームまで手を出したら時間がいくらあっても足りません…。Rewriteは原作内容面白そうだったので、楽しみにしてました。
何でも原作とは少し変えるそうで、どんな話になるのでしょうか。

1話…顔見せ
ネタバレレビューを読む

2話…式神トモコ大活躍
ネタバレレビューを読む

放送開始前に麻枝さんが退院されたとか。よかったです。大変な病気だったようですね。この作品には原作で絡んだようですが、回復されて新作作ってほしいです。

3話…中二病でも?
ネタバレレビューを読む

4話…パンの耳は貧乏の定番なのか
ネタバレレビューを読む

5話…バキューン!!は卑怯
ネタバレレビューを読む

6話…日常からの核心へ
ネタバレレビューを読む

7話…怒濤の始まり
ネタバレレビューを読む

8話…篝がしゃべった!!
ネタバレレビューを読む

9話…これからの終幕に向けてどう転がす?
ネタバレレビューを読む

10話…ヒーコーは旨いのです
ネタバレレビューを読む

11話…混沌になるのかな?
ネタバレレビューを読む

12話…敵が味方で味方が敵で、ごちゃごちゃじゃ…
ネタバレレビューを読む

最終回…あらあら、混沌トンで終わった
ネタバレレビューを読む

制作決まってものすごく楽しみにしてたんだけど、期待値が高いほど終わった後の表現が難しいアニメでした。世界観が大きいので、とても一期じゃ無理だし、かといって、これでは二期も心配です。ルチア、会長ルートまでは本当に面白かったです。オリジナルがきつかったですね。シナリオもですけど、制作全体に問題あったように思います。どうせ二期なら他のルートも流して二期に繋ぐリトバス方式の方が良かったのではないかなと思います。

かといって二期もあるので、待ちます。リトバスのように一期があってこそ二期が面白くなった例もあるし。世界観が大きいので本当はもっと長く作ってほしいんですけどね…惜しいと言わざるを得ない一期でした。

でも…key は大好きです。念を押すように、念じるように、二期が面白くなりますように。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 53

66.0 5 宗教で戦いなアニメランキング5位
ベルセルク(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (317)
1377人が棚に入れました
ミッドランド辺境の安酒場にて、黒衣の剣士・ガッツは言いがかりをつけてきた盗賊たちを撃退。居合わせたエルフのパックと少年・イシドロは、ガッツの手際と大剣に興味を抱き、彼を追う。

村を出たガッツは通りがかりの荷馬車に誘われる。そこには僧侶と娘のコレット、そしてパックが乗り合わせていた。ひと時の安らぎと思いきや、ガッツを狙う闇が迫る――。

声優・キャラクター
岩永洋昭、水原薫、日笠陽子、興津和幸、下野紘、安元洋貴、行成とあ、櫻井孝宏、大塚明夫、石塚運昇、沢城みゆき、高森奈津美、平川大輔、竹達彩奈、寿美菜子、中村悠一、石井康嗣、小山力也、稲垣隆史
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

鍛えなおされた切れ味の悪いドラゴンころし?

漫画「ベルセルク」黄金時代篇の続きのお話、断罪篇以降を描くアニメの様です。

ベルセルクと言えば、ダイナミックなアクション描写を思い浮かべる人も多かろうと思われますが、映画版に準拠したCG表現過多のバトルシーンは、やはりセル画アニメと比べてスピード感が足りず、迫力も美しさも感じられませんでした。甲冑を着けた兵士を切っても、生身の生物を切っても、フライパンで硬いものを殴った様な軽い金属音しかしないのも※1リアリティとはかけ離れたもので、動きについても時によっては兵士達の動きが※2ストップモーション・アニメで作られたロボットの様に見える事もあり、こちらにも重さが感じられず、私見ですが、かなり興を削がれました。妖精(エルフ)のパックの声と口の動きが全く合っていないシーンにも前時代のCGアニメを観ている様で、目を瞑れぬ程の違和感を覚えます。

脚本についても映画版と同じく、原作漫画に沿ったもの(省略などはあります)の様なので、凄惨な描写や一部のコミカル表現など、忠実に描かれている部分はありますが、返せばそれはアニメ化に当たって、何の工夫も成されなかったという事にもなるのではないかと‥。漫画版を読んだ限り、小さなコマにギャグ描写(それでも私はあまり好きでない)がある分にはそこまで気にならなかったのですが、画面一杯に栗頭のパックが表示されるシーンなどでは、まるで違うアニメを観ている様な錯覚さえ覚えました。作品の雰囲気を台無しにしていた様に思います。

前アニメシリーズ「剣風伝奇ベルセルク」ではアクションシーン自体、原作漫画と比べて少なめで、省くべき所は省き、物語の骨子となる残すべき部分はしっかり残すと言う、取捨選択が秀逸で、最後まで飛ぶ様に物語を追えましたが、今回のテレビシリーズでは原作自体の持つ断罪編以降の鈍重とも言える展開の遅さがそのまま表に出てしまっている印象です。

OP、ED曲について、OPは前テレビシリーズと比べると普通のヒーローものとの明確な差異が見られず、EDについては作品と切り離して鑑賞する分には素敵なのですが、とても綺麗な印象で、それゆえに暗さと重さが足りず、作品の雰囲気とかなりずれている様に思われました。

続く次回予告については一変して無骨な印象で、不揃いの大きさの文字がドカドカと表示される大雑把な演出で、とても見辛く、却って軽薄な印象を受けました。タイトルロゴもそうですが、わざとバランスを崩している様なフォントのデザインも、迫力よりもけれん味が前面に出ている感じで好感が持てませんでした。

以上酷評となってしまいましたが、あくまでもシンプルなものを好み、奇を衒う表現を好まないブリキ男の私見です。こういう意見もあるのだなぁと一歩引いた視点で読んで頂ければ幸いです。

漫画版の初の映像化という事だけでも価値のある作品だとは思いますので、てこ入れなどを期待しつつ、続けて視聴していこうと思います。(5話にててこ入れと思われる描写あり、ドラゴンころしの効果音なども変わりました。)

以下は5話以降の感想

5話
ネタバレレビューを読む
6~7話
ネタバレレビューを読む
8話
ネタバレレビューを読む
9話~11話
ネタバレレビューを読む
最終話
ネタバレレビューを読む

※1:海外には奇特な方がおられます。黄金時代編のガッツの大剣やドラゴンころしの模造品を実際に造って試し切りされている映像がネット上にあります。興味のある方は「武器職人 ベルセルク」でぐぐってみて下さい。スゴい迫力です。餌食になった椅子とか勿体無いけど‥。新品とかまだ使える品とかで無い事を願う。

※2:静止画を繋ぎ合わせて作られるアニメの事、クレイアニメとか人形アニメとかに用いられる手法。レイ・ハリーハウゼン氏やヤン・シュヴァンクマイエル氏の映画等でも割と広く知られているはず‥。これらの映画では主にロボットやクリーチャーの表現に用いられ、おどろおどろしい不気味な感じが出ていて非常に効果的。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 30

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

圧倒的な存在感…これぞガッツです!

この物語は、TVアニメ版「剣風伝奇ベルセルク」、劇場版3部作の続編に位置付けられる作品です。前作のTVアニメ版は2クールで、劇場版やTVアニメ版の焼き直しとなっています。
私はTVアニメ版は未視聴ですが、劇場版3部作を視聴してこの作品の視聴に至りました。

世の中は混沌さを増し、宗教、異教、邪教が世の中に蔓延っていました。
それでも変わらないのは、「蝕」の際にガッツの首に刻まれた刻印と刻印が呼び寄せるこの世ならざる者たち…

ガッツの目に映っているのはキャスカ…「蝕」のショックで自分自身を壊してしまったキャスカ…
もう2度とあんな思いはさせたくない…そんな気持ちが彼を突き動かすのでしょう…
これまでその強靭な肉体と精神によって戦場を生き抜いてきましたが、再び私たちの前に圧倒的存在感そのままに帰ってきてくれたのは嬉しい限りです。

ガッツの直向きさは周りに伝染します。
そして彼の自然な振る舞いは結果として自分の応援者を増やしていました。
ガッツは、行きがかり上止む無い時以外、誰にも一度たりとも「一緒に来てほしい」と頼んだ事はありません。
ガッツがそんな事を頼む相手はキャスカただ一人です。
それでもガッツの直向きさと強大な力に魅せられてしまうんです。

妖精のパック…「最強剣士」を目指す少年イシドロ…
ここまではお互い天涯孤独の身なのでフラッと付いていく事はできるでしょう。

でもファルネーゼともなると話は別です。
名門貴族としてこの世に生を受けた彼女は、修道院に入り聖鉄鎖騎士団団長に就任しました。
でも聖鉄鎖騎士団団長でいる限り彼女は何も変わらない…
ガッツに見透かされた彼女は激怒するのですが、これまでの人生経験と修羅場を…死線を潜ってきた差が歴然なんですから仕方ありません。
どんなに頑張って自分を繕おうとしてもできない時があるのと一緒です。
どんな状況になっても自らの生き様を変えず、自分自身で運命に抗い続けるガッツが琴線に触れたのでしょう…

ガッツの通り過ぎてきた道は、通る前と状況が明らかに変わります。
でも今期の作品の中で一番変わったのはファルネーゼだったのではないでしょうか。
これまではツンツンした女の子としか思えませんでしたが、これからどの様な接点が生まれていくかが楽しみです。

殺伐とした世界観…あちらこちらで行われている恐喝と密告…
根も葉もない噂を引き金に行われるのは連行…そして拷問…
その日食べる物にすら窮する一般市民の命の価値はいかほどだったのでしょうか…

そんな中、沢城さん演じるルカ達の話は、ささやかな幸せからは程遠いですが、人間の持つ温かさが失われていない場所だと思いました。
思いやって分け合って…何もかも決して独り占めする事無く公平に分配する…
本当に困ったときの助け合い方って…やっぱりこうですよね。

そんな中、ガッツの来訪により引き起こされたのは、全ての人への「試練」だったのではないでしょうか。
暗く険しい試練だったと思います。でもそこで同時に「過去の清算」も同時に行われたと考えると、生き残るべき人間が生き残った…と言えると思います。
この試練と過去の清算の顛末が気になる方は、ぜひ本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、9mm Parabellum Bulletさんの「インフェルノ」
エンディングテーマは、やなぎなぎさんの「瞑目の彼方」
ガッツの激しさとこれからの苦難を象徴するようなオープニングアニメに合わせてインフェルノが流れてくるのですが、TV放送版の90秒がこの曲のフルバージョンなんです。
90秒に圧縮された思いがさく裂する…そんな勢いを感じる曲でした。
エンディングはやなぎなぎさんだったので、発売日当日にゲットしました。
私はAmazonでデジタルミュージックを購入しているのですが、好きな曲を1曲から購入できる事に魅力を感じています。

1クール12話の物語でした。物語は思い切り途中ですが、2017年春から続編の放送が既に決まっています。
今期は早くに続編が決まっている作品が多いのではないでしょうか。
販促目的の様に途中で投げ出さない作り手のスタンスは、視聴する側の作品への思い入れも変わってくるので、この傾向は嬉しい限りです。
もちろん続編もしっかり視聴させて頂きます。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 22

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

何も知らずに観たのが幸い

一応コメント書きますけど、正直殆ど参考にもならないと最初にお断りしておきます。。
というのも、原作が世界的にヒットしている有名な漫画だということは知ってはいましたが、
自分は内容を全く知らなかったんですよね。


☆物語、全体の感想☆

だいぶ前に制作されたアニメの続き?ということで、
そっちを観てないと正直楽しめないだろうなぁ、とは思いつつも、
CGを大胆に導入しているのもあって、興味本位で取り敢えず最初だけでも観てみるか、
と思って視聴を開始してみると...面白い。。

いや、とにかく話は以前を観てないので当然分からなくて、
(普通にこれまでを振り返ることもなく続きって感じで始まるのでなおさら)
ガッツっていう主人公がキャスカっていう人物を探している、
邪魔するものは誰であろうとなぎ倒す、ってだけしか判らないんですが、
判らないからツマラナイ、観る気が起きない、っていう風にはならず、
結局最終話まで毎週楽しみに観てました。

分からなくても重厚な世界観に引き込まれますし、
CGの良さを生かした戦闘シーンは迫力があってグロさもあり、
BGMもド派手で単純に娯楽的に観てて飽きなかったんですよね。
結果的には漫画を読んでなくて、以前のアニメも観てないのは、
色々と比べてしまうということがないので、むしろ良かったのかもしれません。
どうしても原作の再現性が~、とか、CGじゃない以前の作画と比べて~、とか先入観で観てしまうでしょうからね。

これから続編が春にまた始まるということで、
それまでに以前のシリーズをおさらいしておこうかなと思います。


☆声優☆

何と言ってもガッツ役の声優さん、凄くハマってて渋く格好良かったです。
声優陣はベテラン&人気声優がバランスよくキャスティングされてて、
何も不満はなかったです。

☆キャラ☆

これまでの過去を知らないので、ガッツがどういう思いなのか、
とかそういうのは分からないので、評価できません。
ガッツ自身が口数少なく語ることもないですしね。
ましてや、キャスカはあんな状態ですし。

ガッツ以外のファルネーゼやモズグス、
ニーナなんかの方がキャラ的には内面が窺い知れました。
で、まだよくわからないんですけど、
「完璧な世界の卵」ってキャラの台詞が重かった。。


☆作画☆

自分は以前のアニメを観てないので、OPなんかでちょっと出てくるのを観ても全然違うな、
とは思うものの、これはこれで良いんじゃないかと思いますね。
本作の戦闘シーンなんかを作画だけで描こうとしても限界があるように思いますし、
キャラや背景はかなり精細に描かれてて凝ってるなぁと関心しました。

作画に関しては自分が原作や以前のアニメを観てなかったのが幸いでしたね。
これから以前の作品を見比べてみてどう思うか分かりませんけど、
以前作られた劇場版もCGメインの作画だったみたいなので、
それと比べてどうなのか?ってのは気になりますが。。

自分はCGのアニメにもだいぶ慣れてきたというのもありますけど、
これからのアニメ制作の未来を考えると、CGの導入にいつまでも抗っているよりは、
むしろ発展の方に期待するべきだと常々思うんですよね。

労働スタイルも絶えず締め切りに追われ、寝る間を削って働かないといけない過酷なものですし、
人口減少につれて原画描きも当然人手不足になってくる事が考えられます。
現実に背景以外の原画まで海外に委託する制作会社が最近増えてきてますけど、それで良いのか、と。。


☆音楽☆

ドラムのツーバス連打&ギターのタッピングから入るOPがメチャ格好良かったです。
EDの方は逆にしっとりと聴かせるもので対照的でした。
で、何と言っても平沢進の劇中歌「灰よ」でしょう、文句なしに最高。

また作中BGMや効果音の方も仰々しさや棘棘しさ満点で全般的に音量もデカくて派手でしたが、
世界観を再現するのにかなり拘ってるように見受けられ、素晴らしかったと思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 10

73.9 6 宗教で戦いなアニメランキング6位
Dr.STONE NEW WORLD(第2クール)(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (173)
676人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。 超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚めた。 文明が滅んだ石の世界ストーンワールドを前に、千空は、科学の力で世界を取り戻すことを決意。 新たな仲間を集め『科学王国』を作りあげる。 しかし、そこへ霊長類最強の高校生・獅子王司率いる『武力帝国』が立ちはだかる。 人類の浄化を目指し、強大な武力によって科学の発展を阻止しようとする司。 科学vs武力の戦いは激闘の末、千空たち科学王国が優勢となり、両国は遂に和解する。 仲間の謀反によってコールドスリープ状態になった司、そして、全人類を復活すべく、科学王国は石化光線の発生源、地球の裏側・新世界を目指す! 世界に飛び出て石化の謎を解き明かす! 石の世界ストーンワールド大航海時代がついに開幕する――‼
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

まるで複雑な立体分子構造を組み上げるようなシナリオ運びが極まっていく

3期分割2クール通じてのレビュー・感想。
引き続き原作未読で視聴。

【物語 4.5点】
サブタイトル『~NEW WORLD』。機帆船ペルセウスでついに“大航海時代”到来か!?
と思わせておいて“新世界”とは、“宝島”での石化装置争奪戦の先に開けた、
(※核心的ネタバレ)ネタバレレビューを読む 構想のことだったとのオチ。

1クール目序盤、いざ大航海!と思わせておいて、悠然と石油調達のための道路敷設し始めるしw
2クール目も航海より島での頭脳を交えたバトルメインでしたし。

これを肩透かし、展開が遅いと受け止めるかが評価の分かれ目かと思われますが、
私はこれぞ『ドクスト』でこそ味わえる地道で壮大なシナリオ。
1期で千空が豪語したネタバレレビューを読む 少年の夢が伏線回収されるカタルシスも相まって興奮しました。


3期が終わって、本作はとかく文明や地球を破滅させるとの不信を抱かれがちな科学への信頼を取り戻す。
もっと言えば人間への信頼を取り戻すことがテーマなのだろうなとの着想がいっそう深まりました。

さらに3期からの新キャラ・龍水は、これも人を狂わせると忌避されがちなマネーへの信頼を取り戻すことも狙っているのだと感じました。
「欲しいは正義」言い得て妙です。
例えば、マッド・サイエンティスト・千空と金の亡者・龍水がタッグを組むとか語り始めると、
まんま平成漫画の悪の秘密結社のテンプレですからねw

それだけにラスト示された(※核心的ネタバレ)ネタバレレビューを読む とのプランは、
科学と金の汚名返上の観点からも唆(そそ)る構想。

制作発表された4期最終章『~SCIENCE FUTURE』
想像とは違う結末、説教すらも心待ちにしております。


バトルでも、一人の狡猾な悪知恵に対して、仲間を信じて賭けに出て勝ち抜くというパターンの反復により、人間への信頼を繰り返し問うて来ました。
他者との絆に期待して一度ネタバレレビューを読む 自身の意識を飛ばして後を託すとか中々できることではありません。

が、数千年のスパンで託し託され合う千空親子とその一味なら当たり前に人を信じることができます。
その視点から3期で一番感動したのは1クール折り返し地点。
ネタバレレビューを読む


【作画 4.0点】
アニメーション制作・トムス・エンタテインメント

特に2クール目、石化装置濫用バトルとなった本作。
毎度思いますが、ほぼ全てのキャラに石化バージョンのデザイン設定をする。
それらの石像を時にバラバラにして組み上げ修復する。
面倒な作業に杠(ゆずりは)ら手芸班も作画も良く付き合っているなと感心します。

終盤、ネタバレレビューを読む


科学ロードマップ解説で作風を変えてみたりと
知恵熱を伴う解説消化のためのリズム確保も継続。
そんな中『マインクラフト』風のアニメーションなんかも登場し、
『ドクスト』も長期シリーズになって来たなと感慨を覚えました。


その他、龍水の執事・フランソワの手腕により、
たまに飯テロも仕掛けてくるから油断できません。
ネタバレレビューを読む パン文明復興の香りがして唆ります。


【キャラ 4.5点】
意外なキャラの、意外な起用法で窮地を脱していく采配に唸らされます。

そもそも科学の船・ペルセウス号には定員があり、
千空が誰を選ぶか或いは紛れ込むかというのもポイント。
まさかのネタバレレビューを読む だったり、石像で温存していたネタバレレビューを読む をジョーカーとして繰り出してみたり。
科学知識だけでなく用兵もお見事。千空も作者も頭良いわと脱帽します。

コハク、クロムなど石神村すなわちネタバレレビューを読む が希少素材名というのも、
上記でも触れた継承の観点からエモいキャラ名設定。
宝島出身者でネタバレレビューを読む となる新キャラ名がソユーズ宇宙船からというのも
3700年の口伝伝承の底力を感じます。

『ドクスト』のキャラ相関図には有機化合物の化学式を眺めている時みたいなウットリ感があります。


【声優 4.0点】
銀狼(ギンロー)役は、性別の壁をも乗り越える幅広い演技で活躍中の村瀬 歩さんが務めていますが、
ネタバレレビューを読む という展開はまさにうってつけ。
3期の銀狼はネタバレレビューを読む だったり、ネタバレレビューを読む したり、
配下を得て調子コキレベルがインフレしたり。
対応力が問われましたがキャストは柔軟にこなしました。
当初から3期を睨んだ村瀬さん起用だったとすると、スタッフも相当頭良いです。

宝島ボスのモズ役の興津 和幸さん。
舐め回すような粘着ボイスで、若さに任せた単純な力押しではない、オッサンのしつこさを体現。
いつの時代も世代交代は一筋縄では行きませんw


【音楽 4.0点】
劇伴は三者共作が継続。

1期より続くバグパイプ、ホイッスルの民族音楽風に、ラップ曲もおりまぜ原始と科学を再現する作風は変わりませんが、
今回はより普遍的なストリングス、金管が目立った印象。

インフラ、グルメの復活に呼応して曲アレンジも多彩になり、
科学史200万年を一気に駆け上がる千空たちの手応えを音楽でも実感。


主題歌は
1クール目OP・石崎ひゅーいさんの「ワスレガタキ」
ED・OKAMOTO'S「Where Do We Go?」

2クール目OP・清 竜人さんの「遙か」
ED・Anly「好きにしなよ」

一応OPは1期同様、朝のスタート時に適した楽曲で、文明の目覚めに合わせたりもしていますが、
作品をなぞるというよりは、『ドクスト』のスケール感に比するだけの確固たる世界観を持った楽曲を並べている感じ。

世界観という意味では私は「好きにしなよ」が脱力していて好きです。

放送終了時には2クール目OP「遙か」のアニメMVも公開され振り返りには持って来い。
一方で清 竜人公式CHの「遙か」実写MVは、
一人の巫女が朝起床してから仕事に向かう密着ビデオ風になっており、
巫女フェチには断然オススメですw

投稿 : 2025/03/01
♥ : 24

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がる! 前代未聞のクラフト冒険譚、ここに開幕! ぱ~と3

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第3期1クールは視聴済です。
第3期の1クールの視聴が何となく遅れてしまったので、今回はリアルタイムで視聴できるまで驀進しました。
まぁ、物語の内容的にも面白かったので、レアルタイムで視聴するのは必然でしたけれど…


全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。
超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚めた。

文明が滅んだ石の世界ストーンワールドを前に、
千空は、科学の力で世界を取り戻すことを決意。
新たな仲間を集め『科学王国』を作りあげる。

しかし、そこへ霊長類最強の高校生・獅子王司率いる
『武力帝国』が立ちはだかる。
科学vs武力の戦いは、千空たちが優勢となり和解するが、
司は仲間の裏切りによって深手を負ってしまう。

千空たちはコールドスリープした司を救うべく、
石化光線の発生源、地球の裏側・新世界を目指す!

神腕船長・龍水を仲間に迎え、大海原へと飛び出した千空たち。
科学船ペルセウスで向かう先は、百物語始まりの地――『宝島』だった!

千空は島に眠る宝を求め、
仲間と共に新たな冒険の地へと突き進む‼


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そう、今度の冒険は宝島です。
宝島と言うより、物語の根幹に関する展開が待ち受けていました。

宝島といっても金銀財宝がザックザクという訳ではありません。
間違いなくそれ以上の価値を持つお宝が、宝島には存在していたんです。

ですが、得てしてそのような宝物は守られているのが定石です。
当然の如く、今回の宝物も原住民の手の中にあったんです。
交渉して…などという隙の無いまま原住民からの攻撃を受け、千空たちはいきなりピンチに追い込まれ…物語が動いていきます。

千空たちの闘いは決して楽ではありませんでした。
原住民は、いわば現代で例えるなら「パトリオットミサイル」の様なとんでもない武器を持っていましたから…
武器では無いモノを武器の様に使っていたというのが、正しい言い方だと思います。

加えて、相手の警戒心がメッチャ高く、幾重にも予防線を張っていたので、綻びと言える隙間はどこにもありませんでした。
千空たちにが持っているのは現代科学の知恵と、ここまで生き抜いてきた機転だけ…
この機転が幾重にも張られた予防線を強引にこじ開けていくのですから堪りません。
今回も半端無く滾る内容だったと思います。

そして物語は更なる広がりを見せるようです。
現時点で、既に一般の人間の行動範囲を凌駕していると思うんですけどね。
少なくても私の行動範囲より明らかに広いと思います。
どこまで広がるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、清竜人さんによる「遥か」
エンディングテーマは、Anlyさんによる「好きにしなよ」

1クール全11話の物語でした。
番組の最後に「この物語はフィクションですが、登場する動植物や物質、製造方法などは実在するものに基づいています。個人の判断による採取や製造は大変危険であり、また法律に触れる恐れがありますので、決して安易にマネをしないでください。」という注意書きが毎回表示されていました。
これ、真似する人いるのかな…^^?
続編の制作が発表されました。
次が最終章になるそうです。
千空がどんな科学力で私たちの度肝を抜いてくれるかが楽しみで仕方ありません。
続編を楽しみに待っていますね!

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ジャンプ作品だ!!

私自身、週刊ジャンプを定期的に読まなくなってから、どれほどの年月が経つだろう・・・。

予断だが、マガジンやサンデー、チャンピオンなどは、いまだに読む作品もあるのだが、何故かジャンプだけは卒業してしまっている。

まぁ、だいぶオジサンなのにマンガなんか読んでいるのかというツッコミはナシにしてくださいな。
幸か不幸か、割と自由に読める環境にいるものでね。

それに、いい年してアニメをガンガン視聴しているっていうとこにもツッコまれそうだけど、そこについては、キッパリと「自身の楽しみとして譲ることはできないし、言われる筋合いはない」と完結しているので、悪しからず。

さて、今作。
あまり多くを語れないほど、ストーリーが徐々にスケールアップしているので、物語について語る事はしないのですが・・・。

相変わらず「理屈としては・・・あり得る、出来る」というところを上手に踏まえた上で「実際はそうはならんやろ」をマスクして説得力を持たせている。
実際そこにツッコミを入れるのは野暮ってものな気さえ想起させてくれる。

ここは、織り込み済み、いや、踏まえた上で、楽しむのが醍醐味、この作品のダイナミクスってとこでしょう。
そして、このポイントを踏まえた上で、爽快に物語を勧めてくれる。
これは、少年誌、ジャンプ作品の真骨頂と言っても過言ではない気がしています(個人の感想ですw)

タレントもだいぶそろっている中で、それぞれの特色を生かした活躍をしてくれます。
そして、互いの信頼関係に基づいたそれぞれの行動が「みんなで勝つ!!」の原動力になっていきます。
ここら辺も実にジャンプらしい。

だいぶメタな発言をしてしまっていますが、いまだ最終盤をめがけて連載をしている「ONE PEACE」(2024.7.6現在)」を除いて、(問題発言かもしれませんが)目立った作品が無い中で、一時期を支えた作品だけの事はあります。
いわゆる黄金時代を知っている世代、かつ、ここ数年のジャンプを読んでいない無知なものの発言です、ご容赦いただければ幸いです。

そして、最終盤をめがけてさらにスケールアップしていく。
実に頼もしく、楽しみです。

理屈を超えて、理屈を忘れて、「友情」・「努力」・「勝利」を感じさせてくれる魅力ある作品だと感じています。

最終章の告知もあったようで、ラストスパートが楽しみです。

ジャンプ界隈には大変申し訳ないのですが、発行部数に関係のないアニメ作品の視聴オンリーというところで楽しませていただいています。

大変無責任な言い方ですが、続く作品を発掘、育てていただけることを期待し続くシーズンを楽しみにさせていただきます。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 17

62.1 7 宗教で戦いなアニメランキング7位
カミエラビ シーズン2完結編(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (24)
79人が棚に入れました
大ヒットゲーム「NieR:Automata」のディレクターとして世界に絶望と感動を与え続けるヨコオタロウ。そのヨコオの驚くべき発想の数々に呼応したクリエイターが結集。これまで多くの少年少女たちを虜にしてきたじん(「カゲロウプロジェクト」)が脚本を手掛け、魂を。
ヒット作を連発する漫画家大久保篤(「炎炎ノ消防隊」「ソウルイーター」)がキャラクターデザイナーとして肉体を。そして、ビジュアル表現の最先端を切り拓いてきた瀬下寛之(「シドニアの騎士」や「BLAME!」)がその生まれたてのカタマリに、圧倒的な生命力を与える。

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

全滅エンドにまっしぐら!?よりも酷い…。

 最終話(12話、通算24話)まで観ました。2024.12.31

 8話話位で世界の謎にせまる…。あれ?面白い?と、思いきや、そうでもないですね。

 1期では、ほとんどのプレイヤーが生存していたのに、2期では殺しまくりです。ここまで3人死にました。

 また、2期で突然すげー力の敵が出てきて、他のプレイヤーは手も足も出ないのですが、何ですかコレは?雑に物語を畳もうとしてね?

 もう、ゴローすらどうでも良くなってきています。スマホが諸悪の根源で、実は神様もいる様です。ま〜たマッドサイエンティストかよ…。

 しかし…、ネタが分かると、ぶっちゃけセカイ系的な話でしかなく、規模がデカい様で小さい良くある世界観のアニメでした。何か失望…。

 そして、オチへ向かって怒涛の展開に…。新キャラのニコは親子で物語をたたみに来ます。便利に使いすぎやろ…。

 なんやかんやで復活したゴロー!過去の自分と向き合ったり、平行世界の他キャラと交流したり、過去作でも散々やった、オチに困ったら諸々の事態を個人化(個人の心の持ち様で何とかなるといういつものやつ)して乗り切る系の手法をフル活用します。今更エヴァンゲリヲンかよ!

 そして、ゴローさんは新世界の神に選ばれたのかよくわかりませんが、トラックに轢かれて、異世界転生的なオチでラスト…。

 う〜ん…。何これ?おめでとう!おめでとう!ありがとうで締めたエヴァンゲリヲンから何も進化しておらんです。やはり、形而上の存在が暴れる話はシナリオがクラッシュしますね。

 擁護出来ない駄作としか言えません。何で2期やったんかいな…。ただ、OPとEDは良かったかなぁ…。
………………………………………………………………………

 3話まで観ました!2024.10.19

 1期主人公のゴローは、女性もしくは女性風キャラは全く殺さなかったのに、今期主人公のラルは容赦しないですねえ!前回登場の女性プレイヤーを真っ二つにしてやりましたよ!

 1期を観てないと、全く意味不明です。殺害が救いであるなら、1期の戦いは全くの茶番ってこと?ラルは元々社会や学校、親等のしがらみとか無いので、皆殺しエンドを狙えますね!

 ゴローの復活をかけて、殺せ!殺すんだラル!ゴローが復活したから何だってんだ?っつ〜外野の声なんぞ気にするな!

 単なる物語の導入に使われたキャラでしかない、タンクトップ君はどうなるのかな?

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

Art of Life

前期とは違っておちゃらけ皆無のシリアス
じん&ヨコオタロウのサイキョー厨二コンビが贈るデスゲーム。

アンチ萌えとアンチ掘り下げな挑戦作

ゴローが消滅した828事件から早12年、再びカミエラビが開催される。事件に興味津々な少女エコは候補者のリョウと少女のラルに出会うことで自身も巻き込まれていく。

OP・タンゴっぽい曲調がバッチリハマってる
ED・こっちもちゃんとハマってて良きかな
劇伴・MONACA最高なのでバトルシーンはよ

大爆死での主人公変更だがアンチ萌えをやり過ぎてキャラの魅力ガー。部外者追加での解説増量もこの舞台設計ではあまり効果的ではない。掘り下げ嫌いのヨコヲらしい昔のアフタヌーンレベルにクドクド説明しないスタイルは視聴者の引き出し頼りになるのでビジネスとしては大爆死。ヨコヲさんはピュアすぎる。視聴者を信頼したいのはわかるけどアニメとゲームは顧客層が違うのだ。

17
俺たちの戦いはこれからだ!で勝利する漢、アキツ降臨

まどかのヒットで小娘ばかりの悠木碧だが中の人だって年とるのよね。スライム300でのアズサなど、上のポジションに立つ成人女性キャラもなかなか板についてきた感がある。リョウの含みのある嫌らしさが漂うフィクサー感は沢城みゆきっぽさもあって実にいい。

時間指定のある試合っぽくしといて乱入OKなどなんでもアリなカオスルール。もうみんな大人なのでは?基本みんなぼっちなので協力プレイは難しいか。事実取引のケイタはやはり早々と退場。あの設定は上手く使っても結局後付けにしかならいので使いにくいから正解。で今度は可逆時計のアキツを使ってのループものにするのかね。

10数年を棒に振った大人には刺さるのかもしれない。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3

プティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

超展開

私はかなり好きですね~
久しぶりにちゃんとセンスオブワンダーを感じたかも

投稿 : 2025/03/01
♥ : 0
ページの先頭へ