完璧で王道なおすすめアニメランキング 2

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早速見ていきましょう!

75.3 1 完璧で王道なアニメランキング1位
この素晴らしい世界に祝福を!3(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (324)
1117人が棚に入れました
交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだったゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、ひょんなことから、女神・アクアを道連れに異世界転生することに。 「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍幹部を討伐したり、たまに死んだり……。 そんなある日、紅魔の里から帰還したカズマたちのもとに、手紙が届く。 その内容は、王女アイリスが、魔王軍幹部を倒したカズマ達の冒険譚を聞きたいというもの。護衛兼教育係のクレアとレインを伴い、アクセルの街を訪れた王女アイリスは、カズマ達パーティとの対面を穏やかに終えたと思いきや――― 「また私に、冒険話をしてくれるって言ったじゃない?」 王女アイリスが、カズマに懐いてしまった!? カズマが目を開けると、そこはなんと王都! アイリスに乞われて滞在するうちに、王城でのセレブ生活に味を占め、これ幸いと居座ることを決めるカズマ。 しかし、ちょうど同じころ、王都では義賊が暗躍する事件が起きていて――!?

声優・キャラクター
カズマ:福島潤
アクア:雨宮天
めぐみん:高橋李依
ダクネス:茅野愛衣
ルナ:原紗友里
荒くれ者:稲田徹
クリス:諏訪彩花
ウィズ:堀江由衣
バニル:西田雅一
ゆんゆん:豊崎愛生
ミツルギ:江口拓也
アイリス:高尾奏音
クレア:矢作紗友里
レイン:上田麗奈
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ララティーーーナ!

原作未読 全11話

この素晴らしい世界に祝福を!の3期です。関係性から1・2期、『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』を事前に観ることをオススメします。

本編は約7年ぶり劇場版からでも5年ぶりの3期となります。

ただ、2023年にスピンオフ作品の『この素晴らしい世界に爆焔を!』がありましたのでそこまで懐かしさはありませんでしたね。

でも、この作品はカズマ・アクア・めぐみん・ダグネスの4人が揃わないと面白くないですね。

今回は、大きく前半後半と分かれていますが、両方ともダクネス(ダスティネス・フォード・ララティーナ) が物語のキーとなっております。

ダクネス役の茅野愛衣さんになんてことを言わせるんだ!というシーンがこれまで以上にありますw

お調子者のカズマ、普段は駄女神ですが結構凄い事をしているアクア、猪突猛進のめぐみんw、肝心な時にドMな本性が出てしまうダグネスと相変わらずのメンバーです。

楽しく観させてもらいました。最後はスッキリした終わり方をしていますね。

また、続きがあるといいですね。

OPはMachicoさん、EDはアクア役の雨宮天さん・めぐみん役の高橋李依さん・ダクネス役の茅野愛衣さんが歌っています。

最後に、「安楽少女」というモンスターが出てきますが、CVは小清水亜美さんでオーデションの時にあるアドリブをいれて受かったそうです。
本編を観ると確かにアドリブ{netabare}(舌打ち){/netabare}は見事なものでしたw(何回もさせられたそうですw)

投稿 : 2025/02/22
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そうだ、冒険に出よう。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第2期、スピンオフ作品と劇場版は視聴済です。
個人的には第2期と第3期の間にスピンオフ作品である「この素晴らしい世界に爆焔を!」が挟まれたことでより理解度が増した上、一層の愛着が持てるようになったと思っています。


交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだった
ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)
ひょんなことから、女神・アクアを道連れに異世界転生することに。
「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!

めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。
トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、
妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、
能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、
借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、
魔王軍幹部を討伐したり、たまに死んだり……。

そんなある日、紅魔の里から帰還したカズマたちのもとに、手紙が届く。
その内容は、王女アイリスが、魔王軍幹部を倒したカズマ達の
冒険譚を聞きたいというもの。
護衛兼教育係のクレアとレインを伴い、アクセルの街を訪れた王女アイリスは、
カズマ達パーティとの対面を穏やかに終えたと思いきや―――

「また私に、冒険話をしてくれるって言ったじゃない?」

王女アイリスが、カズマに懐いてしまった!?カズマが目を開けると、
そこはなんと王都!
アイリスに乞われて滞在するうちに、
王城でのセレブ生活に味を占め、これ幸いと居座ることを決めるカズマ。

しかし、ちょうど同じころ、王都では義賊が暗躍する事件が起きていて――!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

これまで、アクア、めぐみん、ダクネスの3すくみ状態でしたが、この均衡が少しずつ崩れて来た様に感じるのは、私だけじゃないと思います。

アクアに対する無茶振りや、めぐみんのエクスプロージョンの空打ちといったこれまでの笑いのツボは少し影を薄めた感じがします。
特にアクア…個人的には天ちゃんの演じるアクアが大好きなので、もっと活躍して欲しいんですけどね。

代わりに存在がとりわけ大きくなったのがダクネスで間違いないでしょう。
今期の作品を視聴して思ったこと…
やっぱりダクネスって、アレなんです??
好きなのかなぁ…
でも、好きじゃなきゃ越えられない一線ってあると思うんですけど、そこを悠々と乗り越えてくるのって、考えてみるとダクネスだけなんですよね。

そして、ダクネスにとって脅威…となるかもしれないキャラも登場してきましたね。
ベルゼルグ王国の第一王女であるアイリス王女…
CVが高尾奏音さんでしたが、イメージがピッタリでしたね。

高尾さんでググってみると、私にとっては新しい発見がありました。
高尾さん、元々アース・スター エンターテイメントに所属されていたんですね。
「てーきゅう」「ヤマノススメ」「世界でいちばん強くなりたい!」などの有名どころを輩出していた会社で、特に「世界でいちばん強くなりたい!」は初の30分枠アニメだったことから、自虐ネタを交えて宣伝していたのを良く覚えています。

そんなアース・スター エンターテイメントさんですが、声優・タレント事業から撤退した上、会社自身も吸収合併により解散していたとは恥ずかしながら知りませんでした。
もう「てーきゅう」の様な尖った作品は放送されないんだろうなぁ…なんて思うと少し寂しい気がします^^;

少し本題から逸れちゃいましたね^^;
今期も安定的な面白さだったので、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、Machicoさんによる「Growing Up」
このすばのオープニングと、Machicoさんの組み合わせは最早鉄板ですね^^
エンディングテーマは、アクア・めぐみん・ダクネスによる「あの日のままのぼくら」
エンディグの曲風も毎度お馴染みの…という感じが溢れていて良かったと思います。

1クール全11話の物語でした。
これまでずっと全10話だったので、今期ももしや…と思っていましたが、全11話でした。
原作は既に完結していると聞いています。
「冒険に出よう…」と言っておきながら、もしやアクセルの街で完結するんじゃ…と危惧するようになってきました。
まぁ、それはそれで面白いですけどね。
続編の発表、楽しみにしてます。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 18
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

やはりこの4人が中心だと面白い。会社変更がかえって新鮮だったかも。

 あー面白かった、と素直に言える作品でした。制作会社が変わって作画や演出の雰囲気は2期や映画よりも落ちたといえば落ちたかもしれません。

 しかしながら、主人公カズマ+3人のヒロインの揺るぎないキャラ構成で作品そのものに力があります。ですので視聴中は2期までと比べて…のような感覚にはなりませんでした。

 というより、むしろギャグとして飽きが来るのを防ぐ効果があったかもしれません。アクアを中心としてダクネス以外の女性の描き方がよりギャグテイストになりましたが、そこが新鮮で面白かったです。
 その描き方のせいか、ゆんゆん、クリス、ウィズ、アイリスの使い方も出すぎないわりに印象に残ります。

 そして内容そのものですが、2期まではヒロインとしてはめぐみんが中心で、コメディリリーフとしてアクアが不動の地位。その2人と比較してダクネスは何かうっとしいというか、恥ずかしいキャラであまり好きになれませんでした。
 それがダクネスが中心になった3期はちゃんとダクネスに魅力を感じるんですよね。今回はめぐみんがむしろうるさいだけの役回りです。つまり、焦点の当て方がうまいのでしょう。

 前半がカズマのクズっぷり+アイリス、銀髪盗賊団の登場、後半がシリアスな話と構成もバランスがよく11話楽しめました。

 まあ、満点は盛りすぎだと思いますし、作画は4くらいでいいと思いますが、他は4.5つけたいですね。この作品は不思議なことに音楽いいんですよね。特にEDは素晴らしかったです。

 4期早く…というか、もう最後まで作っても採算とれるでしょう???会社作っちゃえばいいじゃないですか。




1話 作画はいいし面白いですが、カズマにちょっと疲れるかも。

{netabare}  やはりこの4人ですね。ひょっとしたら「爆炎」もこの作品と並行して見たら感情移入できて面白いかもしれません。

 原作4作目の映画版の紅魔の里に行く前の部分ですね。非常に独特な魔物が登場です。時系列がおかしくなるのでオリジナル要素を入れています。人気キャラ?なので分からなくはないですが、ちょっと引き延ばしのマインドがないか心配ですが様子見ですね。

 心配していた作画が良くなりすぎないか問題は、がんばって雰囲気を1期に揃えようという努力はちゃんとしているみたいです。

 ただ、1話を見てちょっと疲れました。カズマが絶好調過ぎてノリが強烈なので1期2期を視聴して感覚を合わせないと、きついかもしれませんね。 {/netabare}


2話 このクオリティなら安心して見られそうです。

{netabare} ということで、作画や演出はもちろんテンポもいいので、視聴継続は当然として満足度も高くなりそうです。ダクネスの表情も良かったです。

 ということでアイリス王女様登場ですね。待ちかねました。ちょっと思っていたよりもキャラデザが微妙な気がしなくはないですけど。最後の方だけは作画というか女性たちが妙に美人でした。

 文句があればレビューするかもしれませんが、今のところ良さそうです。楽しめそうです。{/netabare}


3話視聴後に追記 OPEDがいいです。特にEDは最高です。

{netabare} このシリーズ、EDが妙にいいです。余韻ですよね。今回も気に入りました。

 それとキャラデザは微妙に変わっています?3人の女子が妙に顔がかわいい気がします。{/netabare}


5話 放送事故みたいな沈黙がすごい。表情もカットも大胆な演出でした。

{netabare} エリス様との沈黙シーンはちょっと驚く時間でした。表情もいつにまして豊だし、作画もちょっと雰囲気が違いました。場面の転換もかなり思い切ったタイミングだったと思います。このセンスは「このすば」的な感じもするのですが、今までにはなかった新しさを感じました。

 この5話はかなり面白かったと思いますが、アニメのクオリティの高さも感じました。{/netabare}


6話 いいんですけどなんか物足りない回でした。

{netabare}  原作では一番盛り上がる回だし、実際本作アニメ版も悪くはなかったですが、なぜか淡泊な感じでした。
 期待では10に対して、8くらいというか。合格が7だからいいんですけど、もったいないというかなんというか。無難ではあるんですけど…うーん。

 5話は逆に期待以上でしたから、シリーズ全体が悪いというわけではないと思います。今回の演出のレベルなのか次回以降に力を蓄えたのかわかりませんが、今回はサラッと終わっちゃった感がありますね。

 まあ、やっと銀髪盗賊団が登場ということでいいんですけどね。「爆炎」は残念でしたが、こっちのスピンオフはぜひ見たいですね。{/netabare}


7話 アクアの下半身エロくない?声優さんにちょっと違和感。

{netabare} アクアの下半身の描写が妙にエロかった気がするのですが…気のせいじゃないと思います。じっくり見てしまいましたから。3期はかなり抑え気味だったのが7話はちょっと特殊だった気がします。

 それと6話よりよかったと思いますが、しかし、声優さんの演技がちょっと不思議な感じでした。
 「このすば」芸を本人が真似しているという感じというか、ほんの僅か間が悪いというか。監督なのか音響監督なのか知りませんが、ちょっと違和感を感じました。 {/netabare}


8話 ダクネスが可愛くなった半面、重くシリアス化したことの是非。

{netabare} ダクネスというキャラは1,2期は作りすぎというか少し不自然な造形というか、騒がしさがちょっとうっとうしというかで、あまり好きじゃないキャラでした。

 ただ、この3期…まあ、2期の最後の方くらいからアクアよりもキャラが自然な感じになってきて、少しずつ好感が持てるようになってきました。

 その好感が曲者で、キャラとしては非常にいいキャラだし可愛くなってきたんですけど、面白さが減ってきた気がします。貴族としての責任を背負いすぎでシリアス化してますし、カズマへの気持ちも重いです。
 その一方でめぐみんとアクアは、面白さはとんがってきているんですけど「ギャグ要員」なんですよね。

 めぐみんはそれでもまだカズマとの関係性でキャラが成立してるんですけど、アクアは少し形式化してしまった気はします。

 まあ、微妙なバランスの問題なんですけどね。カズマが面白さの中心ですし、エリス・アイリス(銀髪盗賊団)の投入が成功したので、周囲のキャラが少々ズレたところで作品としての面白さは成立していますのでいいんですけど、3人のヒロインたち…特にダクネスの変化はいいのか悪いのか。

 原作ではそれほどキャラの変化は感じませんでしたが、アニメだと結構顕著に感じました。アニメの制作陣の変更で解釈が変化した結果、増幅したのかもしれません。{/netabare}


9話 あと2話かあ。なぜコマ切れにするのかとも思いますが、飽きないうちがいいのかな。

{netabare} まあ以前見たのと同じような話ですけど、この作品なので許されるという感じでしょうね。作画も少し荒れてきた気がしますが、強引に乗り切るのでしょう。それもやっぱりカズマありきですね。爆炎を再挑戦しましたが、やっぱりそれほど面白く感じませんでした。

 噂によると11話らしいのであと2話かあ。なぜヒットする作品だとわかっているのにコマ切れにするんでしょう?ただ、ギャグは飽きがくるのも事実ですので休むのはいいですが、さすがに賞味期限が近い気もします。

 あのタヌキのしっぽって、腰から生えてたんですね。初めてしりました。{/netabare}


10話 ギャグのシリアス化にも耐えうるカズマという奇跡的なキャラ造形

 ギャグのシリアス化現象というのはどんな作品にでも起こりえるものです。本作も例外ではないんでしょう。ただ、この作品はもともとそういう厨2的なカッコつけを含めての作品なので、作風を保っているといえば保っています。

 結果的にやっぱり面白いんですよね、本作は。というよりカズマというキャラが素晴らしいのでしょう。3人のヒロインやその他のサブキャラたちのキャラ性を引き出しつつ、話の中心としてどっしりとした安定感があるキャラ造形は、ひょっとしたら作者の能力の枠を超えて奇跡的に降臨したのか、とも思えます。
 力があるキャラなので、カズマはシリアスをやっても受け入れられるキャラとしての力強さがあります。もちろん、3人のヒロインに支えられてこそ、なんですけど9話のタヌキのお姉さんの話もちゃんと面白いですからね。

 逆に言えば、失礼ながら原作者の他の作品や本作スピンオフと比較して、本作は突出して面白いということなんですけど。

 ということであと1話かな。開始前は不安でしたが楽しませてもらいました。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 15

計測不能 2 完璧で王道なアニメランキング2位
野生の島のロズ(アニメ映画)

2025年2月7日
★★★★★ 4.3 (6)
15人が棚に入れました
無人島で起動した最新型アシスト・ロボットに愛情が芽生え、島の動物たちを巻き込んで起こす奇跡の物語。
未来的な都市生活に合わせてプログラミングされた最新型アシスト・ロボットのロズは、大自然に覆われた無人島で目覚めるが、野生の島ではまったく機能せず、動物たちの行動や言葉を学習しながら少しずつ順応していく。ある日、雁の卵を見つけ、孵化させたロズは、雛鳥に「キラリ」と名付けて動物たちと一緒に育てる。成長し巣立っていくキラリを見送り、厳しい冬を越えた頃、回収ロボットがロズを探しに島にやって来る。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

今年ベストアニメ映画は決定しました…。嗚咽レベルで泣きそうになったのはいつ以来か。

 いやぁ〜もう今年ベストが出ちゃいました。予告を見た時点でこれ実際に見たらやべぇなと思ってましたが、もう中盤で既に泣き、クライマックスはもう嗚咽レベルの号泣でした。


 とにかく王道なキャラクターストーリーを見事に抑え、それでいて巧みにテーマ性も盛り込んでいくというワタシ好みをほぼ完璧にやっている!それだけで最高の一言。「ヒックとドラゴン」を超える作品がついに出来ちゃいました。


 なにより中盤のモンタージュシーンの正解+「ヒックとドラゴン」と同じ飛行シーンに最高のカタルシスを持ってくるという合せ技にはこの時点でもう完全にやられました。


 前々から考えていた、モンタージュを上手くやるにはその前時点で感情のセットアップが出来てなきゃいかんし、工夫ある努力パートなくちゃ意味ないよという私の考えを完全に裏付けてくれる正解を見せられては泣くしかない!。しかも、意外なあの人が助けてくれる展開まで足してくるなんてこちらを殺すために作られた展開かよぉ〜!!と唸らざるをえない。


 アニメーションの高揚が、音楽と、ストリートと、感情と呼応する。そんな単純な事がここまでのレベルに至ればこれほどに魂を震わせるのかと再認識しました。


 そういった基本を丁寧に積み上げるという普通なことを普通にこなすという最大の難事をこなしてるからこそ桁違いの映像もテーマ性もビンビンくる。


 ここまで自然の世界、動物をCGでこなすことを達成したことはなかった。更に、単なる現実の模倣を超えた飛躍も見事に成功していることもなかった。山火事のシーンをここまで美しく描けたのは、「長靴をはいた猫」でも見られたスパイダーバース的な表現力を取り込んだ結果の達成だろう。


 そして、テーマ性も単なるポリコレのおざなり的ないい加減さがない。親離れ子離れ、共存、異端こそが集団を救いうるという「フリー・ガイ」に通ずる綺麗事を超えた説得力がある。何故なら乗りやすい上に最高にしっかりとした物語の生きた言葉になっているから。


 とにかく今年これを超える作品はもう出ないだろうと思います。少なくても大規模な正攻法の作品では。興奮冷めやらぬのであと何回も見ると思います。絶対見逃せない一本間違いなし。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 7
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

突然変異が世界を変える驚異を活写した快作

野生の島にて、目覚めた人間生活アシストロボットのROZZUM(ロッザム) 7134(ロズ)が、
自然界にアジャストできずに、もがきつつも奮闘し、
やがて自身にも周囲にも大きな変化をもたらしていく、
米国のSF児童小説『野生のロボット』(2016、未読)の劇場アニメ化作品(102分)

【物語 4.5点】
イレギュラーな存在が、科学、自然、双方に変化をもたらす、懐の深さが、
作品のスケール感につながっている。


野生で活動するロボットが{netabare} 雁(ガン)の雛鳥の子育て{/netabare} を通じて、
プログラムを超えた心を獲得していく。
ここまでなら近年量産されている、凡庸な多様性映画でもできる芸当。

が、本作が非凡なのは、変化を迫られるのが科学サイドのみに留まらず、
ロボの言動を受容した自然界もまた、
弱肉強食の掟を超えて変容していく点にあると感じます。
これが凡作なら、自然は大事だ、科学文明が変われと一方的に説教する、
自然共生ならぬ自然“強制”作に終わっていたと私は思います。

昨今、自分たちのイデオロギーは正しく、変化すべきはお前たちだけだと、
糾弾しあって、分断を深めている輩にはない、包容力が本作にはあります。

近頃は、私も、ポリコレアレルギーをこじらせて、
多様性を押し付けるななどと、方方で毒を吐いておりますが。
本作の、この文脈なら、イレギュラーも受容する寛容さこそが、
社会や世界の進化をもたらすのだというメッセージも素直に受け入れられます。


上記のような捻くれ者の感想はさておきw
本作は、人とAIの関係といったトレンディなテーマから、
親子愛などの普遍的なテーマまで、
幅広い層に思い出となる要素が敷き詰められた王道娯楽作。

洋画離れが叫ばれる今日この頃ですが、
久々に洋画で世界の人々を一つにでき得る作品が公開されたと嬉しい気持ちになります。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・ドリームワークス・アニメーション

例えばディズニー映画『塔の上のラプンツェル』のランタンを上げるシーンなど、
後々まで語り継がれる作品には、アイコンとなり鑑賞者の心に刻まれる名場面があるものですが、
本作の場合は、サムネにも描かれている{netabare} 雛から育て上げたキラリが、ついに雁の渡りに参加して飛び立つのを両手を広げたロズが並走しながら見送るシーン{/netabare} が該当するのではないでしょうか。

あのワンカットだけで、描いた鳥・28,000羽超、羽の総数1億オーバーを費やしたという渾身の一撃。
私の胸にもしかと刻まれました。

圧倒的物量で押す力技だけでなく、ロズの瞳の“表情”など心情描写の小技も巧み。

ここまでならまだ4.5点なのですが、満点まで突き抜けたのは、
フォトリアル風と絵画調の使い分け。

リアルタッチで無機質なロボット・ロズの描写に対して、
島の動物たちや背景美術はマネ、モネなど印象派の画風も彷彿とさせる有機的なタッチ。
ロズが厳しい自然界で生きる内に、“生傷”も増え、年季が入り、
キャラデザの面でも有機的な野生の色に染まって行く。

科学と自然の融合と変化という作品テーマを、
作画、背景も体現しているのがお見事でした。

そのグラデーションを感知できたドルビーシネマ鑑賞。
追加料金に見合う価値は十二分にありました。


【キャラ 4.5点】
私が一番好きなキャラはキツネのチャッカリ。
弱肉強食の自然界をちゃっかり生き抜くキツネらしい、島でも嫌われ者の狡猾なキャラなのですが、
ロボットのロズとは、はぐれ物同士気も合うのか、
何かと気にかけてフォローしてくれる可愛い奴です。

思えば私が好きなディズニー映画の『ズートピア』でも、
キツネの詐欺師・ニック・ワイルドの相棒ぶりが作品を牽引していました。
キツネがキツネらしい海外アニメ映画に外れはないようです。

7匹の子供たちに{netabare} 死んだふり{/netabare} を仕込んで厳しい大自然を説諭する、
オポッサムの母親・ピンクシッポの子育て指南も毒が効いていてスパイシーでしたし。


使えないと思っていた奴が、いざという時役に立つというのも、
多様性を扱う映画ではお約束。
私も分かっていましたが、{netabare} 巨木を倒す無意味な行動ばかりしていると皆から笑われていたビーバーのパドラー{/netabare} が、
島の危機を救う鍵になるシーンはグッと来ました。

カッコいいと思ったのが、鷲のサンダーボルト先輩。
{netabare} キラリは小柄だが小回りは効く{/netabare} などと、
短所も長所と認めて、無償の激励をしてくる辺りに漢気を感じます。


【声優 4.0点】
日本語吹替版を劇場鑑賞。

メイン吹替キャストは俳優陣中心。

ロボット・ロズ役の綾瀬 はるかさんは、
過去に映画『僕の彼女はサイボーグ』にて人造人間役もこなしており、
心を獲得していくロボットの演技ならお手の物。

キツネのチャッカリ役の柄本 明さんは、
集団を斜に見るポジションから、徐々に溶け込んで来て、粋な言動をさせていく役をやらせたら、
卓越した演技力を発揮する役者さん。

雁のキラリ役の鈴木 福さんはドラマ『マルモのおきて』にて子役として一世を風靡した経験が、
子供からたくましい青少年へと成長していく過程を表現するのに重宝しますし。

この辺りの洋画アニメの的確なリサーチ力に基づいたキャスティング。
宣伝ありきで俳優・タレントのミスキャストをやらかしている、
一部の日本アニメ映画は見習って欲しいと返す返す思います。


そんな中、アニメ声優界からも、千葉 繁さんが雁の群れの長老・クビナガ役を好演。
若い奴を見守る落ち着いた語り口には円熟味を感じます。

種崎 敦美さんも、{netabare} ユニバーサル・ダイナミクス社の刺客ロボ・ヴォントラ役として登場。
無機質な声色で、心を得たロズをイレギュラーとして葬送いやwデータ抹消(デリート)を試みる無機質なボイスがハマってました。{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴担当はクリス・バワーズ氏。
オーケストラ音源を前面に押し出し、高揚感のあるメインフレーズで大作感を醸し出す。
そのオケ音源を、BGMをコミカルシーンの効果音としても活用する米国アニメの伝統芸にも惜しげも無く使う。

劇伴はバックグラウンドに潜む方が好みの私にとっては、あまり好みの作風ではありませんが、
本作の物語、作画には、音楽に負けないだけのスケール感はありました。
実際、上記の鳥・28,000羽超の名シーンは、大迫力のオーケストラあっての場面だと思いますし。

あとは、ロズがお手伝いロボットのサービス提供をアピールする際に鳴り響く、
スタートアップBGMの押し売り感w
私は嫌いではありません。


主題歌にはグラミー賞・カントリー歌手・マレン・モリスを起用し必勝体制。
個人的にはED主題歌の「Even When I`m Not」よりも、
挿入歌「Kiss the Sky」が印象的。
空を飛ぶことがストーリーラインの軸となる本作にとって、
同曲は推進剤として機能していました。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 10
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