宇宙で戦争なアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の宇宙で戦争な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月21日の時点で一番の宇宙で戦争なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.6 1 宇宙で戦争なアニメランキング1位
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち(アニメ映画)

1978年8月5日
★★★★☆ 3.9 (60)
295人が棚に入れました
ガミラスの侵略を退けてから1年後の西暦2201年、白色彗星帝国が宇宙の各惑星にその侵略の手を伸ばしていた。地球は復興をほぼ終え、都市は活気づき平和に満ちていた。古代進も護衛艦艦長として輸送補給船団に同行していたが、偶然、発信源不明のメッセージを受信する。そのメッセージは、救いを求めるような女性の声であった。かつてのヤマト乗組員たちは、危機の正体を突き止めるためにヤマトを発進させる。テレザート星に到着した古代たちは、メッセージの発信者であったテレサを救出する。テレサは、白色彗星帝国が宇宙の星々を次々と侵略しており、次に狙っているのが地球であることを告げる。白色彗星帝国は地球に迫り、最新鋭戦艦アンドロメダを旗艦とした地球艦隊を全滅させる。ヤマトは白色彗星の渦の中心核に波動砲を打ち込む。彗星は火の玉となって炎上するが、その中から巨大な要塞、都市帝国が出現する。

声優・キャラクター
富山敬、一龍斎春水、納谷悟朗、仲村秀生、青野武、野村信次、安原義人、神谷明、林一夫、永井一郎、緒方賢一、木村幌、ささきいさお、伊武雅刀、梶哲也、峰恵研、小林修、小宮和枝、大塚周夫、阪脩、村越伊知郎、曽我部和恭、富田耕生、市川治、矢田耕司、上田みゆき、広川太一郎

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

断固、こちらが正史(笑)!

とりあえずリメイク作品にあたる『宇宙戦艦ヤマト2022 愛の戦士たち』も始まった(2017年現在)ことですし、旧作にあたる本作品について触れておきます。

TVシリーズの総集編だった劇場版『宇宙戦艦ヤマト』のヒットを受けて、完全オリジナルストーリーとして作成された劇場版ヤマト第2弾です。

ストーリーとしては、ガミラスとの戦いを描いたTVシリーズおよびその総集編だった劇場版第1作の直接の続編となります。とりあえず本作を観るならどちらかは観ておいた方が良いでしょう。ただ、新作『宇宙戦艦ヤマト2199』を観ていたらどっちも観ていなくても大丈夫だとは思います。

あらすじに関してはあにこれの「あらすじ」にまとまっている内容でだいたい問題ありません。ということで敵は白色彗星帝国です。親玉のズォーダー大帝は眉毛と髪の毛がつながった面白い顔をしていますが、メチャメチャ傲慢でおっかないです。

旧作のヤマトシリーズの特長の一つとして作曲に宮川泰(みやがわ やすし)を起用している点が挙げられると思いますが、そのおかげで楽曲面ではとても聞きどころのある作品になっています。

本作品では彗星帝国側のメインテーマというべき『白色彗星』という基本曲があって、この主旋律のアレンジがTVアニメ版の『宇宙戦艦ヤマト2』の戦闘場面でBGMとして使用されています。どちらもめっちゃカッコいい曲です。

それと地球防衛軍側の旗艦アンドロメダの名を冠する『新造戦艦アンドロメダ』も名曲ですね。

さて、タイトルに掲げた件ですが、本作を元にして映画公開翌年にTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』が放送されています。

「さらば~」と「ヤマト2」は基本ストーリーは同じなのですが、ラストが大きく異なっています。まあこの違いについては多くの方がご存知だと思うのですが、「さらば~」の時間軸だとその後の続編に話がつながりません。

以後の続編は「ヤマト2」の続編ということになります。しかし個人的にはヤマトは「さらば~」で終わっておけ、という気持ちでいっぱいです。

反物質に関するあたりとかSF考証的にはグダグダで、観ていた当時にもツッコんでいた記憶はありますがストーリー的にはまあまあ面白かったです。

…しかしヤマトでも既に痛い目を見ているのに、新造戦艦のアンドロメダでも艦底を防御できる武装がないのは納得がいかない(笑)。
(↑ものすごくどうでもいい…。)

投稿 : 2025/02/15
♥ : 19

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今の人が観て泣けるかどうかはアレですが

私ら昭和世代のオッサンには宇宙戦艦ヤマトってのは避けて通れない作品ですんで、誰にも読まれなくても一応敬意を表してレビュー書きます。

 松本零士という人は置いといて、アニメとしての宇宙戦艦ヤマトとしてはコレが一番泣けますわね。というか今風に言うと鬱ですわねw
勿論一作目もとてもイイですが、コレ観た後のドッとくる疲労感。
まぁ話を終焉に向かわせるために登場人物を尽く殺してるとも言えるかもしれませんが、子供時分にコレ見せられた日にゃタマランですよ。
どうも松本零士はコレに関しては原作者として否定的らしいですけど、畳みかけるような絶望感はオッサンになった今でもグッと来るんすよねぇ。
 んでラストの沢田研二の歌ですよ。

ん~昭和w
でも2199みたいなリメイクすれば別でしょうが、いい作品沢山見てる今の世代じゃコレでは泣けないかもですね。
特攻賛美って見方しちゃうとちと冷めちゃうかもしれませんが、ザ・コクピットの"音速雷撃隊"で泣ける人ならこの映画も最良の御馳走で御座います(汗)

ホント、これで終わりにしとけばよかったのにね~(汗)

投稿 : 2025/02/15
♥ : 7

柴犬→柴猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大ヒットが作品の運命を狂わせる

1978年公開:最後のメッセージを信じ、涙を流したあの頃

初代のヒットを受けて作られた『完結編』。
この映画の公開時、最後にこんなメッセージが表示されていました。
『ヤマトを愛して下さった皆さん さようなら もう二度と姿を現すことはありません』
私はストーリーよりもこのメッセージに泣いた子供でした。
ところがわずか2カ月後に始まったテレビアニメ『ヤマト2』でその純粋な気持ちは裏切られることにw
しかしこの作品、何回見ても同じ事を思います。
『ズォーダーって馬鹿なのか?』
もうちょっと真面目にやってればあっという間に地球侵略など終わっていただろうに・・・。
だいたい参謀にいかにも無能そうなサーベラー辺りを置いている時点で酔狂な人なのかもしれません。
あ、だから全宇宙征服なんてことを考えるのか・・・。
私的にこの作品の一番の見所はアンドロメダのカッコ良さです。
活躍度を考えると無駄にカッコイイ戦艦といえなくもありませんがw
ちなみに『ヤマト2』での方が活躍します。
そして私にとって『ヤマト2』の存在価値はそれだけ。
とにかく『さらば・・・』の超絶大ヒットによってヤマトという作品は、
この後負のスパイラルへと入っていったのです。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 6

66.3 2 宇宙で戦争なアニメランキング2位
ドラえもん のび太の宇宙小戦争(アニメ映画)

1985年3月16日
★★★★☆ 3.6 (85)
474人が棚に入れました
のび太はドラえもんやしずかちゃんと一緒にビデオを撮影中、不思議なロケットを見つけた。それは小さな宇宙人パピが戦争から逃れるために乗ってきたものだった。のび太たちは早速パピと仲良しになった。その頃、やはり特撮ビデオを撮っているジャイアンやスネ夫たちが謎の宇宙戦艦に襲われていた。実はパピは、宇宙の小さな星ピリカ星の大統領で、反乱軍のギルモア将軍に追われていたのだった・・。
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

観ている間、誰もが子供に戻ってしまう

有名な話ですが、EDの『少年期』が素晴らしいですね。1つの歌に全てを語ってくれていますね。武田鉄矢がそんなに好きな訳ではないんですけど、ドラえもんに関しては別格で、本質を掴んで、表現するのが上手な人です。藤子先生が亡くなったのと同時に、ドラえもんの主題歌を担当する事は今後ないだろうと語った、というエピソードも泣かせますね。今のドラえもんをどうこう言う気はありませんが、私にとっても、藤子先生が亡くなられた瞬間、自分の中のドラえもんは終わってしまいましたので、共感できる所は少なからずありました。

宇宙小戦争というタイトル通り、『スター・ウォーズ』に影響を受けた作品です。OPでは例のR2-D2等も登場したりしますし敵と味方の構図は帝国軍と同盟軍そのものですしね。ただ影響されたと言っても、見かけだけ真似たようなもので、中身は全然別物。実にドラえもんらしい、大人にも深いメッセージを投げかけたアニメになってます。子供が観ても楽しめますが、やはり大人向きな箇所もあったりして、前述した少年期に込められたテーマといい、しずかちゃんの夢だったという『ミルク風呂』のくだりといい、子供時代に誰もが夢見たのではというもし、こういう事が出来たらなあ・・・というのをきちんと表現してくれているのが、心にグッと来ますね。まあ、ドラえもん自体そういうテーマなんですけど、この作品はそれをダイレクトに伝えていまして、観終えた時に急に昔を思い出すような魅力を秘めていたかなとそういう風に今は感じます。

劇場版というと、のび太が活躍する印象はありますが、実は今作品はあまり役に立ってませんw 代わりにスネ夫とジャイアンが貢献しています。{netabare}スネ夫は途中で神経質になってしまい、途中までウジウジした姿を見せて、遂にはしずかちゃんに呆れられてしまうのですが、途中で勇気を振り絞って、戦車に乗り込み、敵の無人戦闘機の大群を壊滅させるという戦果を挙げます。今作のジャイアンは終始メンタルが安定しており、敵の市街地を偵察時に、途中でヘバった、監視網に引っ掛かりそうになったのび太を必死に抱えて、物陰に隠れたり(実はこの時敵に発見されてしまい、後に捕まってしまうのですが)、味方のアジトに辿りついて、疲れ果ててしまい、熟睡するのび太をドラえもんと共に『のび太も頑張ったもんな!』と珍しく褒めていたりもします。{/netabare}

今作の敵はドラコルル長官というキャラクターなのですが、彼は力というよりは『頭脳』で勝負するタイプで、ドラえもん達の立案した作戦を悉く見破り、最終的に全員捕らえてしまう等ドラえもん達を散々苦しめた敵キャラとして有名です。 {netabare}実際、最後の最後にドラえもん達が元の大きさに戻らなかったら、勝負あったという所まで追い詰めたのは流石ですね。{/netabare}大体、ドラえもん達がピンチになるのは、敵側の圧倒的なパワーである場合が多いですから。そういう意味では異色の敵だったかなあと思います。海底鬼岩城のポセイドンと同じく、歴代最強敵キャラにドラコルルを挙げるファンの方も多いですw

本編も素晴らしいんですが、個人的には最後のスタッフロールが一番良いです。{netabare}少年期をバックにのび太達がパピ君の惑星に遊びに行くという設定で、日常の風景が描かれます。

パピ君たちの星では、のび太達が巨人になってしまうので(パピ君の人種は地球人より小さい為)その体格の差を活かして交流をお互い深めていくというシーンが流れるんですが、この演出もしずかちゃんの『ミルク風呂』に通じるものがあるんですよね。スネ夫が戦闘機のラジコンで遊園地みたいなテーマパークを作ってあげたり、しずかちゃんがビルの壁を巨大なキャンパスにしてカラフルな町にしてみたり、ジャイアンがプラモデルで大きな橋をかけてあげたり等。 {/netabare}藤子先生のいつまで経っても少年の心を忘れない感性は、素晴らしいと作品を観る度に再確認してしまいます。藤子先生はそれでいて、短編集では大人向けのブラックな作品も手掛けられますからね。本当に天才という言葉が似合う漫画家さんでした。

ドラえもん初期の映画作品は傑作が多いですが、本作も例に漏れず、アニメ史に残る作品であると、私は思います。この年になって、ドラえもん?とは言わず、未見の方やしばらく見ていない方は、是非鑑賞されてはどうでしょうか。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 20

ちあき さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

どうして大人になるんだろう

子供の頃、何度も観ていたドラえもんのアニメ映画。
公開日が私の生まれた年なので、思い入れもあります。
宇宙小戦争(リトるスターウォーズ)ということで、人が小さくなるスモールライトの存在は欠かせない作品です。小人も登場します。
映画以上に印象的だったのが歌。

ドラえもんのアニメ映画では、武田鉄矢氏が手掛ける歌がとても印象的で、作品の良さを更に引き立ててくれます。本作は「少年期」
しかられるまで たたずんでいた ああ~ 僕はどうして大人になるんだろう♪

いつからが大人といえるのだろうと子供ながらに思って聞いていました。

大人といわれる今になって思うのは、子供じゃなくなるから大人になるわけじゃないということでしょうか。子供と大人の境目なんてありません。いつまでたっても子供心はあります。ずっとアニメや映画を観るのが、漫画を読むのが好きです。ハラハラしたり、ドキドキしたり、感動します。むしろ今の方が色んな作品に心躍ります。

だから「子供心を無くすことが大人になるというわけじゃなく、かといって子供のままでいることでもなく、子供心を認められるからこそ大人になると言えるのかもしれない」と、そんなことを考えるきっかけを与えてくれた作品です。

今考えると、小人(子供)と大人ということで、そういうメッセージも込められていたのかもしれません。考えすぎかもしれませんが……(笑)

投稿 : 2025/02/15
♥ : 5

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

「少年期」が終わる。

ドラえもんの映画というのはなんだろうか。。。「少年期の終わり」をいつも見出してしまう。

TVシリーズや漫画では長期連載なので、のび太たちの成長は見られない。

しかし、映画シリーズとなると確実に彼らは大人になって「成長」する。自立した個人として。。

エンディング主題歌もまさに「少年期」であり、少年が青年へと変わり「夢」をただ追いかけることでは済まされない現実に気付いてしまうのだ。

最近のドラえもんにはそういった切なさがないんですよね。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 10

68.6 3 宇宙で戦争なアニメランキング3位
機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(アニメ映画)

2025年1月17日
★★★★☆ 3.3 (31)
105人が棚に入れました
ТV放送に先駆け、上映用に再構築した劇場版作品
宇宙に浮かぶスペース・コロニーで平穏に暮らしていた女子高生アマテ・ユズリハは、戦争難民の少女ニャアンと出会ったことで、非合法なモビルスーツ決闘競技クランバトルに巻き込まれる。
エントリーネームマチュを名乗るアマテは、 GQuuuuuuX ジークアクス を駆り、苛烈なバトルの日々に身を投じていく。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

CV.黒沢ともよさん『ガンダム』に巻き込まれる

スタジオカラーの『シン~』シリーズ同様、
事前の情報規制、ネタバレ禁止ムードが醸されていた、
TVアニメ放送に先立った先行上映版。

実際観て、確かに、もったいぶるだけのネタはありました。
公式から本予告PVも出て、少しずつ語り出せる空気にはなりつつありますが、
隠したかったであろう、あのネタは、是非、映画館に足を運んで驚いて下さいということで。
ここでは、そこは極力回避して、今後のTVシリーズの展望、願望を語っていきたいです。


【物語 3.5点】
世界観・設定は、比較的、政情が安定した時代を選択。
武力も戦争リスクとして管理されたスペースコロニーが舞台。
戦闘は当局の監視の目をかいくぐった“クランバトル”なる、地下ギャンブルに隔離。

少女主人公他、子どもたちには、
普段のコロニーでの日常と、クランバトルの非日常を往復し、
自身の進路やアイデンティティについて思い悩む余地が今の所は与えられています。

これが例えば一年戦争のような全面戦争下だと、
子どもたちも自問自答する間もなく、切迫する戦局で、生き残るための対応に追われる内に、
色々、能力が目覚めたり、いつの間にかこんな所に来てしまったのかと呆然となるばかりですが。

本作の場合は、ここではない何処かへ行きたい、何者かになりたいという思春期ならではの悩みが、
地に足が付かないスペースコロニーという寄る辺のない環境でモヤモヤで倍加されて、
それを風呂に入って思い耽る時間くらいはある。

立ち止まって考える間というのは少女の青春ばかりでなく政治、イデオロギーの面でも同様。
人間が宇宙で暮らすという困難性は、地球VSコロニーの大戦の勝ち負けくらいで解決できる問題ではない。
その宇宙で目醒めてしまった新人類たちを既存の政体は受け入れないだろう。
では、何にどう挑んでいけば、覚醒した人々が見た理想は実現するのだろう。
そもそも、進化し過ぎた人々が到達した“キラキラ”した領域に、
鬱屈した主人公少女も惹かれているわけですが。
そのキラキラは果たして人が掴んで良い光なのか。

本作はこれら『ガンダム』シリーズが問いかけてきた諸課題を、
一定の秩序がある地球圏の、青春劇、政治劇の中で、じっくり哲学していくタイプの『ガンダム』なのだと私は感じました。

よって、例えば、本作が令和のファーストガンダムになり得るか?
と問われれば、答えはノー。
『シン・ガンダム』と言うよりは、『シン・ガンダムUC』でも見る心持ちで、
今後予定されているTVアニメ版も視聴してみようと考えています。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・スタジオカラー×サンライズ

レーダーを無効化され、有視界下での白兵戦を強いられたが故のモビルスーツ戦という原点を再定義するバトルアニメーション。
肉眼による索敵からの先手必勝こそ王道ですし、
それを補完し合う二機一組の“M.A.V戦術(マヴ)”こそ戦時下から培われてきたMS戦闘の普遍的な戦法であり、
クランバトルの基本ルールでもある。
この中で勘で間合いが読めちゃう異能とかチート。
こられの要素が、真っ暗な宇宙空間を背景に、よく再現された味わい深いMS戦闘でした。

キャラデザでは主人公少女マチュの虹のような瞳が印象的。
宇宙環境下で目醒めた人間がたどり着く“キラキラ”も思わせて示唆的です。
初回から一民間人では説明が付かない能力を発揮するマチュですが、
“キラキラ”を恐れない度胸も含めて、生い立ちの解答が気になります。


巨大なMSにリアルに大迷惑する住民という描写もカラーらしいと感じました。
あんなデカいビットが街なかを飛び回ったら難民の居住家屋などひとたまりもありません。

一方でやや興ざめだったのが、この時代でも衝撃で画面が割れちゃうスマホが現役だった点。
『ガンダム』をSFとしても楽しみたい私としては、
未来を感じるデバイスを想像して魅せて欲しいとも感じます。
もっとも、これが今後みんなでデバイスの枠を超えてテレパシーできる世の中が来るという伏線だとしたら脱帽しますがw


【キャラ 3.5点】
主人公少女アマテ・ユズリハことマチュはコロニーで塾通いもする一般家庭代表。
非合法な運び屋稼業に手を染めるニャアンは、戦争難民というコロニーの現実を体現する少女。
シュウジは“キラキラ”な?惑星少年w
メイン3人の凸凹で色々掘り起こせそうな期待はあります。

主人公機・GQuuuuuuX(ジークアクス)
ガンダムの系統ではある最新鋭MSと思われますがガンダムは名乗っていないのが何とも不気味。
カラーが絡むということで、早くも、ネット界隈では、どうせモビルスーツじゃなくて人造人間か何かだろうと考察されたりもしていますし、
“マヴ”のシュウジは愛機を人格を持った存在として語ってもいますが。
私はガンダムが自我を持っても精神の平衡が保てるように、
ずっとモビルスーツのアイコンであり続けてくれるザクでも眺めて安心しようと思いますw


【声優 4.0点】
主人公マチュ役の黒沢 ともよさん。
大事に巻き込まれ芸、厄介事に首ツッコミ芸をやらせたら天下一品の声優さん。
彼女が、平穏な生活を送っていた主人公が地球圏の運命に翻弄されていく、
巻き込まれアニメの金字塔『ガンダム』で主役を務める。

そう聞いたら、私は居ても立っても居られないですし。
今後、例え本作が『ガンダム』じゃないとか、『~Beginning』前半がピークだったとか叩かれようと、
ともよさん演じる、この少女の行く末は見届けたいと私は決意しています。
今回見た限りでは、ともよさんも、どちらかと言えば首ツッコミ芸の方が冴えている印象です。

運び屋ニャアン役には石川 由依さん。
シュウジ・イトウ役には土屋 神葉さん。
とメインキャストの掛け合いにはワクワクできそうです。


【音楽 4.0点】
何を言っても核心的なネタバレを踏みそうな本作ですが、
私は劇伴が一番ネタバレな気がします。
開始3秒で、カラーそっちで来ちゃいましたか。
パンドラの箱開けちゃいましたが、火だるまになっても頑張って下さいって感じで、
確信しちゃう主因は音楽だと思います。

その他BGMは、照井 順政氏が同じバンドでキーボード担当の蓮尾 理之氏と共作で提供。
本劇場版ではキラキラしたエレクトロ成分のアレンジも目立つSFサウンドとの印象でしたが、
『呪術廻戦』劇伴も手掛けて来た照井氏が、カラーにありがちなグロシーンでどう火を噴くのか、今から戦々恐々です。


主題歌は米津 玄師「Plazma」
大衆に売れることをポジティブに捉えている希少なアーティスト。
俺は大衆に媚びないとやさぐれて刺さらない音楽を出してこられるよりは、
大衆音楽はかくあるべきを実現している米津さんの姿勢は、私は好感しています。
本作でも{netabare} “もしもあの改札の前で 立ち止まらず歩いていれば君の顔も知らずのまま ”{/netabare} とド直球な歌い出しでタイアップにも貪欲。

が、大衆音楽上等な私から見ても。
またピックアップした話数の関係もあるだろうと考慮しても。
挿入歌で米津。EDでもう一発、米津。
というのはゴリ押し感を覚えてしまいます(苦笑)

さらに他のアーティストによる挿入歌も二曲あり。
『ジークアクス』。意外と歌う『ガンダム』になるのかもしれません。
MVと揶揄されない程度に盛り上げて欲しいとは思います。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 13

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「なんちゅうもんを見せてくれるんや…。」「これに比べたら…以下略」。私の鶴巻監督論。

 ネタバレできないとほぼ書けないので、擬音などでぼかして簡単に書きます(ご容赦ください)。冒頭の効果音でニヤ、本編数分で「ええっ〜!」、某杉田さんでニヤニヤ、まさかあの人がアレにってだけで「うぬ!」、そしてまさかの方向に行くので「おわぁ!!!(賛否両論ありそう)」ということでした、終わり。


 というのだけでは、流石に酷いので庵野さんの影に隠れがちだがガイナックス出身の大好きな監督鶴巻さん論を少々。庵野さんがエヴァで燃え尽き、いちお「カレカノ」やったけどその後は実写に行ってしまった後のガイナックスで気を吐いていたのは何と言っても鶴巻さんの「フリクリ」と「トップ2」だと言いたい。


 もちろん「グレンラガン」もありますが、今石さんはガイナックスにいたからこそあれだけの仕事をやれた気が個人的には…(その後のトリガーでの仕事を見ると)。


 この2つの特徴は、青春と上手くいく「セカイ系」というのが共通項な気がします。どちらも主役の前から大切な人はいなくなってしまうが、ちゃんと成長して「セカイ」から「世界」へと抜け出すことに成功する物語である。この辺が新海さんとは違う!(飛び火)。


 さらに、かなり病んでいた庵野さんが青春ロボものをやっても本人の当時の気持ちが、社会全体の雰囲気が乗っかって「エヴァ」はあんな良くも悪くも物凄い作品に、伝説になってしまった。


 しかしその点、鶴巻さんが青春を描くとビビットでサブカル的なセンスを有しながらも、芯に人は成長しうるという真っ当な価値観がドスンと下支えしているからエンタメとして重心が崩れない。だから両作ともに、ラストは主人公が上を見上げるカットに着地する。


 故に、本作も過去の富野さんのような重くて暗い戦争や人間の業でも、庵野さんがやるように参照的で謎めかしすぎもせず、青春の中で大切なモノを失うがちゃんと成長するエンタメに着地してくれそうな予感がします。ニュータイプによる革新という富野さんが思いつたけど投げちゃったテーマが中心にきそうだし、歴史改変の部分も面白いし、「なんちゅうもんを…以下略」。私の大好きな「山田玲司のヤングサンデー」でも特集やってくれないかなぁ〜。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 6
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

シンガンダムではなさそうですが、オタク2次創作になる気はする。

 冒頭の3分の1は嬉しいだまし討ちで、素晴らしい映像でした。この作品がファーストガンダムを前提とした内容であることがはっきりします。映画館なので時間はわかりませんが、多分20~30分かそこらの内容ですが、劇場に足を運んだ甲斐はありました。

 見どころは{netabare}シャアがコロニーに侵入するシーンで始まりV作戦の偵察でガンダムを発見し…で完全に1STのリメイク…かと思ったら、そう来ましたかと言う感じでしたし、クシャトリアVS強化ジェガンを彷彿とさせるバトルシーン{/netabare}は見事でした。

 ただ、です。正直言えばその手に汗握るような映像の冒頭に比べ、残りの時間は普通でした。少なくとも、元の作品の好きなところを拾って「僕の作ったすごいガンダム」的な「シン・ガンダム」ではないです。

 むしろニュータイプのサイコミュを言いように解釈してエヴァ的な描き方にしてしまっています。なんとなくSF的に見せていますが、ガンダム(サイコミュ)をいいようにブラックボックス化して、説明不足というか都合のいい設定をニュータイプでごまかそうとしている気がします。

 その意味ではUCでニュータイプをオカルト化してしまった轍を踏む懸念があります。
 というより、人と人のつながり「マブ」(マブダチのマブだと思います)という用語をキーワードにしているので、逆シャアを言い訳にして兵器としてのガンダムではなく、スーパーロボット的なガンダムにしてしまっている気がします。その点でUC的と言った方がいいかもしれません。

 ベルトーチカチルドレンではなくT字のサイコフレームにした苦し紛れの弊害ですね。冒頭のシーンの最後のところはやっぱり逆シャア的なオカルト感はありました。

 で、なんといっても不満は絵柄ですね。冒頭のすごい画像を見たあとだけに、あのキャラデザは腰が抜けるかと思いました。そのギャップよ。このガンダムは萌え絵というかアニメの記号的なのは全然マッチしません。劇画とまでいいませんが、ファーストガンダムレベル(エヴァでもいいけど)くらいのリアリティラインがキャラデザに必要でしょう。

 そこに加えてサブキャラがテンプレで何度見たんだよ…という感じもガッカリ感はありました。

 それと、ザクを民間用の兵器として払い下げているとか、まあ、パトレイバーみたいな雰囲気を出そうとしているのかもしれませんが、何か、モビルスーツに機械兵器としてのリアリティがないんですよね。

 補給、整備、修繕、運搬、保管…などを描いていないので、兵器として運用をしているように見えません。工房といういか格納庫的なものはなくはないんですけど、単なる謎基地でしかありません。ガンダムはもちろんですけど、ザクもそう感じてしまいました。その原因は見せ方とか世界観もあります。そういう場面をシーンとして入れるべきだと思います。

 原状ではテーマが見えてこないのが何とも…もちろん、この後に続くでしょうから見えなくても当然なんですけど、なんというか深味が出る予感がしないというか… {netabare}ソロモンの破壊作戦{/netabare}のときにザクのエネルギーについての話があったのでそこかなとも思いましたが、それはやらない感じです。

 やっぱりマブ…人のつながり云々という面白くもない今更感のあるのがテーマになるのか。うーん、やっぱりカラーは良くも悪くもオタク集団ですねえ。テーマよりも描きたいものが先行してしまう可能性があります。オタク2次創作ですね。同人誌で薄い本じゃなくて、オリジナルモビルスーツのデザイン本みたいな奴。あんな感じです。お前らこんなの見たかったんだろ?で終わるのかなあ…

 話が大きくなるなら悪い意味での世界系になる気がします。人類補完計画…ニュータイプ版の。つくづくサイコフレームは悪手だったなあと思います。クリエータの創造力不足を補う便利グッズになってしまっているかも。

 まあ、今日見た感じではそんなところです。重ねていいますけど、冒頭の映像はすごかったです。



 追記 いや、やっぱりシン・ガンダムかなあ…僕の考えたガンダムのIF世界を徹底的に作りこんでいる冒頭シーンから言って、その設定は今後につながるのか。うーん、問題はシャアですよね。

 一方で、サイド6の分断から今の世界に繋がるテーマは作れなくはないですからね。宇宙世紀ガンダム、ファースト、Zから逆シャアまで、Vガン以降と富野監督の思想が違いますからね。カラーの人たちが好きそうなのが逆シャアとVガンのあたりです。
 富野氏はガンダムという名称とニュータイプ思想を後に躍起になって否定しました。で、かなり直接的にアニメのみのオタク、教養を持たないガンダムファンを批判的に見てやきもきしていたようです。

 そこを今回のガンダムでどう扱うか。つまり、ファーストを肯定的に扱ってしまうとオタク妄想のシン・仮面ライダーやシン・ウルトラマン的なシンガンダムになります。Vあたりですと、やはり人類補完計画になってしまいます。

 現実に帰れというメッセージが入るならシンエヴァですね。ただし、シンエヴァが現実に帰れといっているようで、庵野氏は結局特撮とガンダムとヤマトですからね。その点でその現実に変えれというメッセージは間違っているのかとも思います。最近は単なる庵野氏とカラーのエヴァからの卒業式だけだった気もします。その点で富野氏のメッセージと気合が違います。

 本作にもどると、やっぱりさっぱりわかりませんね。いい方に裏切ってくれることを祈ります。それにしてもキャラデザだけはなんとかしてほしいなあ。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 8
ページの先頭へ