宇宙船で陰謀なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの宇宙船で陰謀な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番の宇宙船で陰謀なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.7 1 宇宙船で陰謀なアニメランキング1位
彼方のアストラ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (988)
3897人が棚に入れました
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、予想外の事態とは……!?

声優・キャラクター
細谷佳正、水瀬いのり、武内駿輔、黒沢ともよ、木野日菜、松田利冴、内山昂輝、早見沙織、島﨑信長
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

SFサバイバルミステリーギャグアニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
なるほど確かに、「全話観た上で、評価を決めよう」という作品ですね。ネタバレなしでは、これ以外は、なんとも(笑)

評価としては、☆4(高評価)に違い、☆3(普通)です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
五点負けてる九回裏に、満塁ホームランを打ち、そのまま、あと一歩のところで敗戦してしまったようなアニメでしたね。おしい、あと一押しあれば、☆4(高評価)でした。

終盤の畳み掛けるような伏線回収は素晴らしかったです。いろんな小さな要素がちゃんとストーリーに繋がる無駄の少なさ。特に、シャルスがカナタの右腕になるクダリは良かったですね。「王の為」以外に生きる意味を教えられなかった少年に、新たな生きる意味を与える(カナタの右腕として生きる)というのも、絶妙な暗さがあって良かったです。

9話(☆4評価)からの展開、特に、11話のクオリティについては、嫌みなく、素晴らしかったと思います(単体では☆5をつけてます)。

でもじゃあ、それまで費やした、8話分のマイナスを覆すだけの効果があったかと問われれば、流石にそこまでではないのかなと。

スベり続けたギャグ。リアリティのない展開。綺麗すぎる人の心。

例えば1話、みんなで手を繋ぐより、誰か推進材があるやつがワイヤーつけてキャッチしたら? 例えば2話、ドラゴンはどう考えても数トンあるわけだし、保存をちゃんとすれば(真空保存など)、食料問題は一気に解決じゃね? 例えば4話、解毒剤は発症してないと見つけられないなら、ユンファは、なぜ見つけられたの? 例えば9話、クローンなのに男女両性に出来るの? クローンじゃなけりゃ記憶移植できないのか、どうせ記憶移植するなら、自分が良いなという欲求なのか。後者なら、クローン作らなくても良いことになるし、大事な点の説明がない。

と、このような小さな失点(疑問点)を繰り返してきた部分が、どうにも気になりました。

それでも、もし12話で、もう一度世界をひっくり返すような、11話を超えるようなエピソードをぶちこんでこられたら、また違ったけど。まるで、アストラ号のように、波風たてない緩やかな着地(苦笑) 一時間もかけたわりに、物足りない最終話(まあ、爽やかで、後味が良くはあるんですが)。

これ多分、「漫画大賞」という先入観で、勝手にハードル上げまくった私が悪いんですね、ハイ。

本作は、「SF」と「サバイバル」と「ミステリー(デスゲーム)」と「ギャグ」いう、4つの要素を組み合わせたのが最大の見処であっものの、SF以外は中途半端になった印象。

特に、もっとサバイバルの部分がちゃんと面白くして、(序盤から中盤を)エンタメ作品として充分以上に楽しんでいるなかでの、急転直下のSF(終盤)にしていれば、なお良かったかな?

う~ん、勿体ない作品ですね。
{/netabare}



【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ギャグがさぶいな~。サバイバル系なんだろうけど、「ソウナンですか?」「Dr.STONE」など、ライバルも多いな。

いや、誰か推進材があるやつがワイヤーつけてキャッチしろや。

2話目 ☆2
まあ、作風なのは分かるけど、不真面目だな。せめて、毒かどうか試してから食おうよ。ドラゴン、さっさと食えよと。

この作風で、この世界での整合性がとれてないのは、キツいな。

つか、ドラゴン、どうみても数トン以上はあるし、1日に1キロ食ったとしても、(保存がちゃんとできれば)20日どころじゃなくもつよな。

3話目 ☆2
サバイバルだけでなく、デスゲームの要素もあるんかい。てか、そっちメインか? なぜ、和気藹々できる?

4話目 ☆1
団結が崩れる、、、だったら、情報開示するなや。その方が、尻尾つかめるだろ。偶然、解毒剤をゲットして、皆の役にって、超ご都合主義かい。発症してないと見つけられないなら、ユンファは、なぜ見つけられたの? そこで歌うのは、バカなのか?

なぜ、この作品が、漫画大賞に? 後半、追い上げるのか?

5話目 ☆2
俺なら、あそこで歌われたらキレるけどな(汗) まあ、自分の子供が死んで良いと思うような親なんだろうな。

そもそも、どの惑星にも、水も空気もあるというのがな。

ラブコメも入れてくる。欲張りだな。

6話目 ☆3
綺麗に決まりすぎた感もあるが、良い話かな。ウルガーに銃持たせるところとか。あと、ルカが自分をネタにしてるところは、良いな♪ あと、最後の嘘を見破る流れも、次話が気になる。

7話目 ☆3
なんだ結局良い話か。そこの号泣で茶化すって、どんな演出だよ(苦笑) タイムリープだったの? じゃあ、殺すためではなく、生かすために飛ばしたのか? 違う機体か? まあ、パーツを合体させて直すんだろう。

8話目 ☆3
助けに来たと思ったら、同じく遭難者。まあ、直さんと話終わるしな。つか、使える部品とか、全部積み込もうぜ。ここから、本ネタ? ザックとキトリーのギャグパートは、初めておもろかったw いやいやいや、IDタグごときに命かけるなや。最後の惑星? 同一人物、クローンか。

9話目 ☆4
全員クローン。まあ、なら宇宙にとばした理由も分かるか。思ったより、クソ親だったな。記憶の移植は同一人物じゃなけりゃできない? しかし、クローンなのに、男女両性に出来るの? ここ、ポイントだな。クローンじゃなけりゃ記憶移植できないのか、どうせ記憶移植するなら、自分が良いなという欲求なのか。

あと、性格とかも、遺伝的な特性もあれば、環境的な特性もあるわけで。だから、違わな過ぎないか?

は? だって可愛いだろw

これは、時代が変わってるか? 地球もクローンか?

10話目 ☆3
ここから面白くなりそうだな。違う時間軸の地球? 新しい惑星? 全員の記憶が作られたもの、つまり、「涼宮ハルヒ」+「進撃の巨人」みたいな話か? この作戦、分かりやすくウルガーが味方で、シャルスが犯人だな。。。だよな。

11話目 ☆5
ここで、アリエスの謎、回収。ここの伏線はなかなか良いな。子は親を選べない。環境や教育が人をつくるか、自分が自分をつくるか。右腕として、、、生きる意味の書き換えだな。

12話目 ☆3
綺麗だな~。綺麗すぎるくらい、良くも悪くも。予想以上ではなく、11話を超えられもせず。もうひとつ、世界をひっくり返して欲しかったかな。もし、12話が11話を越えられれば、☆4をつけても良かったけどな。さて、これで世界は、良くなるのか? 箱庭も、悪くはないけどな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

判別可能なキャラ達と金太郎飴的な惑星群

原作未読

漫画の評判がいいから、が視聴動機。
全12話ただし初回と最終回が1時間枠だったので実質14話分のボリュームです。
序盤はもの珍しい細谷佳正さんのハイテンション演技を堪能することから。SF興味なくともこの一点で “ 買い ” かもしれません。2~3話経過してからはBパートの引きが良く毎話楽しみながらの完走です。

ざっとあらすじ:子供たちだけでどっかの惑星で5日間自活してこよう!スケール大きめの林間学校に意気揚々と出発したらトラブルに巻き込まれて帰ってこられなくなりました的なやつです。

キャストは多め。性格ははっきりとキャラ毎に別れており、キャラ回というよりキャラパートを設けてあまり尺を使わずにさらっと紹介。それでいて不思議と名前は覚えていられました。
{netabare}みんな多かれ少なかれ境遇は一緒だよ、との本作の特徴を活かしこのへんばっさり切りましたね。英断だと思います。{/netabare}


カナタ・ホシジマ(CV細谷佳正):リーダー 十種競技選手 アツい!
アリエス・スプリング(CV水瀬いのり):天然ドジっ子に見えて意外と有能
ザック・ウォーカー(CV武内駿輔):頭脳明晰鉄面皮 キトリーと幼馴染
キトリー・ラファエリ(CV黒沢ともよ):医者の娘 フニシアの姉 基本ガヤ
フニシア・ラファエリ(CV木野日菜):最年少 キトリーの妹 パペットマペット
ルカ・エスポジト(CV松田利冴):政治家の子 僕っ子亜種「オイラっ子」
シャルス・ラクロワ(CV島﨑信長):貴族出身 なんというかムツゴロウさん
ユンファ・ルー(CV(早見沙織):国民的歌手の娘 超内向的隠れ美人
ウルガー・ツヴァイク(CV内山昂輝):教頭の息子 本人はアウトロー志向

ポリーナ・リヴィンスカヤ(CV生天目仁美):ゲスト ポリ姉


途中経過時点ではおおむね今期多かった中間層上位 ( 自分比 ) の作品という見立て。完走は苦にならずそこそこ面白いが一皮むけてないといった「惜しい!」作品の一つ。
ただしそれは物語の全容が明らかになってくるまででした。起承転結の転から加速しきっちりまとめてゴールイン!一気に観るのがいいと思います。

引っ掛かったところ先に述べとくと、全12話のけっこうな部分を占める各惑星描写についてもっとエンタメに振り切って欲しかったな~ということですかね。


※各惑星の簡易説明

{netabare}惑星マクパ:当初目的地
惑星ヴィラヴァース:最初に訪れた惑星。肉食恐竜みたいなのとにょっきーん植物が脅威
惑星シャムーア:脅威のない草食動物。毒胞子まき散らすポールツリーが脅威
惑星アリスペード:リゾート惑星。地震と津波が脅威
惑星イクリス:自転してない過酷な環境。超獰猛な可動性植物が脅威
惑星ガレム:最後の惑星。わりと平和

一覧すると、植物らしきものが脅威だよというパターンが被りヴァリエーションに乏しい。{/netabare}

いきなり遠くの宇宙空間に放り出され、かくかくしかじかで食糧の備蓄量を見据えながら惑星を中継して帰還するという一大作戦決行中の若者たちです。

 未知の惑星にどんなものを持ってくるか?

これがいってみれば想定の範囲内。観てるこちら側の斜め上をいくようなタイプの惑星が登場してたら、

 本当に生還できるのか?

SFサバイブもののドキドキワクワク感はさらに増したことでしょう。
{netabare}そしてサバイバルパートが際立てば際立つほど第9話「全容見えてきました!」回との目線ずらしが奏功してたと思います。サバイバルと見せかけてサスペンスでしたの落差で評価は爆上がりしてたことでしょう。{/netabare}


この引っ掛かり以外は気にならず、中盤までゆるやかに右肩上がりで面白くなっていくストーリーだったと思います。サバイバルという題材と+αの謎{netabare}(「裏切者は誰だ?」){/netabare}を早々に提示してくれたおかげで、なにがなんだかよくわからないまま後半に種明かしみたいな不親切設計でもありませんでした。
起承転結の構成も手堅く、転からの終盤はオチも含めて意外性と納得感のある内容。このへん詳細は本編で!

ジャンプ連載だったわりには、下手に引っ張らず撒いた伏線を回収して短くスッキリと終わらせた構成にも好感を持ちました。良作です。



■物語の構成について ※ネタバレ

{netabare}出来過ぎなくらいハッピーエンドでしたね。それが嫌らしいと感じませんでした。
物語は以下の順で明らかになっていきます。

1.アストラ号メンバーの共通項
2.刺客はこやつ
3.この世界の秘密

序盤から2.は提示されていて視聴者の興味を引っ張る材料になってました。そして2.が明らかになれば当然「どうして?」がでてくるわけで、その説明が1.と思ったわけです。
これで1クールでも充分だったと思いますがおかわりがありました。3.です。期待値の一段上をいってました。{/netabare}


■優しい人たち

これは雑感です。人間の善意を信じようという作者の意図が根底にあったのだと思います。
{netabare}・ユンファのライブ会場に押し入ろうとしたキトリーと警備員とでひと悶着。直後、隣にいたアリエスのとある報告に控えめに拍手を送る警備員さん。さっきまでもめてたのにw
・アリエスの母ちゃんに連絡を取ろうとした時に、だれも疑わなかった。普段ならご都合とか平和ボケみたいに感じたろうにこの時はクルーの絆みたいなのをより強く感じました。不思議なもんだねぇ
・ピンポイントでしか覚えてなさそうなカナタが本を執筆できるわけなかろうもん。きっと隣にいた超絶記憶力の持ち主がサポートしながら書き上げたんだろうね、と妄想。{/netabare}




■(余談)カナタのアストラ

冒頭に戻るわけですがハイテンション細谷佳正さんが個人的にはイチオシです。
アツい!とにかく勢いがあるキャラでした。そして、彼は脳筋一歩手前の絶妙なバランスで好感度を保っていると思しき立ち居振る舞いをします。行動に根拠がある。よって知性も感じる。

モデルは武井壮?と思った人他にいないかしら。

なかやまきんに君でも春日でもないんだよなぁ 
武井壮なんだよなぁ



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

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2019.09.20 初稿
2020.04.07 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 78
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

期待通りだった

それぞれに悩みや秘密を抱えているキャラクター達が漂流によって成長していくし、ミステリー要素もある作品。ところどころスケットダンスの作者らしいギャグもあってそれがいい感じのスパイスになってる。

後日談もあって登場人物たちのその後まで描いているところも後日談好きな僕は見終わって面白いと感じた。

アリエスの親{netabare}生みの親ではなくて育ての親ではあるが、{/netabare}からの愛が半端なくて泣きそうだった。アリエス可愛い。

最後はそうくるかという展開。{netabare}漂流は仕組まれたもので、漂流させられた彼らは違法なクローン人間だった。しかも地球の歴史が改竄されていた。漂流して冬眠していたポリーナのおかげで判明。{/netabare}

割と綺麗に完結しているし、裏切る奴がいても最後は呉越同舟ではなく、完全に和解して一致団結する姿も良いなあと。仲間のために自分の身を挺するカナタの存在が大きい。腕の機能面白いし。


OP
star*frost 歌 nonoc
ED
Glow at the Velocity of Light 歌 安月名莉子
挿入歌
Star of Hope
アストラ号の冒険 歌 ユンファ・ルー(早見沙織)
この作品でnonocと安月名莉子の歌が自分に刺さった。彼女達のさらなる活躍に期待。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、予想外の事態とは……!?「マンガ大賞2019」大賞を受賞!『SKET DANCE』の篠原健太が描く大人気SFサバイバルストーリーが待望のTVアニメ化決定!


1. 第1話 前半 PLANET CAMP
生き残れ、宇宙の彼方で 宇宙旅行が当たり前になった時代。ケアード高校の生徒アリエス・スプリングは、初めての惑星キャンプに胸をときめかせていた。同じ班になったのは、宇宙港で顔を合わせたカナタ・ホシジマら計9名。一行は無事に惑星マクパに辿り着つくが……予期せぬ事態が発生する。

2. 第1話 後半 PLANET CAMP
生き残れ、宇宙の彼方で 宇宙旅行が当たり前になった時代。ケアード高校の生徒アリエス・スプリングは、初めての惑星キャンプに胸をときめかせていた。同じ班になったのは、宇宙港で顔を合わせたカナタ・ホシジマら計9名。一行は無事に惑星マクパに辿り着つくが……予期せぬ事態が発生する。

3. 第2話 WILDERNESS
20日分の食料と水を手に入れるため、惑星ヴィラヴァースに降り立ったカナタたち。特異な生態系に翻弄されながらも生存のために協力し、メンバーは少しずつ環境に順応していく。しかし、十分な食料と水が確保できるとわかった矢先、再び謎の球体が現れる!

4. 第3話 METEOR
通信機を壊した犯人がこの中にいる--。カナタはメンバー一人一人に疑いの眼差しを向けるが、証拠となるものは見当たらない。猜疑心に苛まれながら、ついにメンバーに事実を打ち明けるカナタ。誰もが混乱に陥り、疑心暗鬼になる中、アストラ号の壁が突然爆発する!

5. 第4話 STAR OF HOPE
墜落の危機を乗り越え、アストラ号は第2の惑星シャムーアに到着する。犯人を探すことをやめ、全員で生き抜くことを優先するカナタ。惑星探査は順調に進み、食料と水の見通しも立った。色めき立つカナタたちだが、ユンファだけはどこか表情が曇っていて……。

6. 第5話 PARADISE
B5班を救い、メンバーと打ち解けたユンファ。旅の楽しさを分かち合いながら、アストラ号は次なる惑星を目指そうとしていた。一方、ケアード高校にはカナタたちの親が集められ、行方不明の子どもたちを死亡扱いとする失踪宣告の手続きが始まろうとしていた!

7. 第6話 SECRET
ルカの父親マルコ・エスポジトは、ウルガーの仇だった。大切な兄を奪ったマルコに復讐するため、ウルガーは銃の腕を磨き、その機会をうかがっていた。ルカを殺せば、マルコに同じ苦しみを与えられる。その引き金に込められた憎悪に、ルカは……。

8. 第7話 PAST
惑星イクリス到着を前に、B5班に衝撃が走る。シャルスはもともとケアード高校の生徒ではなく、惑星キャンプの直前に転校してきたというのだ。なぜ、シャルスは転校生であることを不自然に隠していたのか? 今明かされるシャルスの出自に、カナタたちは……。

9. 第8話 LOST AND FOUND
アストラ号と同型の宇宙船を発見したカナタたちは、船内でコールドスリープ状態の生存者を確認する。彼女の名前はポリーナ・リヴィンスカヤ。この宇宙船、アーク6号の機関士だったという。さらに、アーク6号の発見によってアストラ号の修理にも一筋の光が差し込む。

10. 第9話 REVELATION
キトリーとフニシアはまったく同じDNAを持っていた。ザックから告げられた衝撃の事実に、カナタたちはとある仮説にたどりつく。そしてこれまでの全ての出来事がパズルのピースを埋めていくように仮説を裏付けしていく。

11. 第10話 CULPRIT
カナタたちの目指す惑星を見て驚愕するポリーナ。次々と判明する新事実に困惑しながらも、B5班とポリーナはお互いの知識、認識をすり合わせ、様々な仮説を立てていく。そして次なる惑星ガレムへの到着を前に、カナタは意を決しアリエスの部屋を訪れる。

12. 第11話 CONFESSION
刺客の正体が明らかになった……! 戸惑いを隠せないB5班のメンバーたち。旅の中で絆を深めてきた仲間が、なぜメンバーの一斉殺処分という使命を背負い続けるのか? 仲間の問いかけに、刺客はその出生の秘密と自身を突き動かすに至ったある事件の顛末を語り出す。

13. 第12話 前半 FRIEND-SHIP
【前半】右腕を失いながらも、誰も憎まず今まで通りを貫くカナタ。惑星ガレムを出発する準備も着々と進み、5012光年の旅はいよいよ終着点を迎えようとしていた。そして、故郷への帰還を前に世界の真実を知るカナタたち。果たして、この真実をどう受け止めるのか。

14. 第12話 後半 FRIEND-SHIP
【後半】右腕を失いながらも、誰も憎まず今まで通りを貫くカナタ。惑星ガレムを出発する準備も着々と進み、5012光年の旅はいよいよ終着点を迎えようとしていた。そして、故郷への帰還を前に世界の真実を知るカナタたち。果たして、この真実をどう受け止めるのか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

73.7 2 宇宙船で陰謀なアニメランキング2位
プロメア(アニメ映画)

2019年5月24日
★★★★☆ 3.8 (219)
1060人が棚に入れました
世界大炎上――。全世界の半分が焼失したその未曽有の事態の引き金となったのは、突然変異で誕生した炎を操る人種<バーニッシュ>の出現だった。あれから30年―― 攻撃的な一部の面々が<マッドバーニッシュ>を名乗り、再び世界に襲いかかる。対バーニッシュ用の高機動救命消防隊<バーニングレスキュー>の燃える火消し魂を持つ新人隊員・ガロと<マッドバーニッシュ>のリーダー・リオ。熱き魂がぶつかりあう、二人の戦いの結末は ――。

声優・キャラクター
松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人、佐倉綾音、吉野裕行、稲田徹、新谷真弓、小山力也、小清水亜美、楠大典、檜山修之、小西克幸
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

TRIGGERが放った完全燃焼系エンタメ映画の勢いは未だ衰えず【4DX再燃レポ追記】

今月より始まっている4DX上映行って来ました♪

4Dも本作みたいに後付け4D企画ともなると、
ピンキリの差が激しく、冒頭の4DX導入映像が4D効果のピークだったw
何てことも珍しくはないのですが、本作はガチでした。
アクションシーンでは初戦から本気で振り落としに来ており、
尊氏も落馬寸前でしたよwほぼ滅殺されかけましたw

揺れも普通の地上戦なら、座席の動きもある程度予測が出来るので、
落ちる!なんて感覚は生じ得ないのですが、
本作の場合は元が、人間射出装置から始まり、
足場が傾き、壁が地面になる、オールレンジな空中戦。
4D座席も普段使ってない関節まで解放して、
鑑賞者をフルボッコして来る感じ。
これだけ運動性能を発揮して貰えれば4D施設も本望でしょう。

私の『プロメア』鑑賞は
前日譚付上映に続いて、今回の4DXが2回目と言うだけですが、
こういう特殊な上映企画にガチで取り組む姿勢には熱くなりますね。

『プロメア』は他にも爆音だの、絶叫応援だの、
色々やって来ているとのことですが、
きっと、どの企画でも完全燃焼しているのだと思います。

本作が半年近くに亘ってロングランしている秘訣の一端を垣間見た気がした、
企画力がある4Dでした♪



以下、2019/9/11 初回投稿レビュー。

長いので折りたたみw

{netabare}
5月末の公開当時は何となくスルーしていたオリジナル劇場アニメ。

スタッフ、キャスト陣からして熱い映画であることは分っていましたが、
ちょっと熱すぎて、これから夏本番、
夏バテ必至の私には受け止めきれないのでは?と言う懸念が先立ちましてw

逃げ回っていれば、本作もその内、鎮まって、
夏の終わりと共に上映終了していくのだろう……。

そう高をくくっていたところ、消え去るどころか、
8月下旬、公開も既に100日に迫る中、興行収入10億円突破を祝して、
入場者特典のweb配信短編だった前日譚の「リオ」編、「ガロ」編も付けて、追加上映するぞ!
との何とも暑苦しい一報が飛び込んで参りまして。

熱気に根負けした私も、この夏は色々とモヤモヤ燻っていたこともあり、
もういい加減、観念して熱源に飛び込むことにしました。

一回の鑑賞で3回制作会社のロゴとかを見るのって、
随分久しぶりだったのでソワソワしましたがw
リオ、ガロどちらが主人公でライバルかも分からない程度の
予備知識しか持ち合わせていなかった私にとっては、前日譚2本も良い予熱になりました。


内容は火花をぶつけ合う強敵(とも)の熱気が、
地球丸ごと巻き込んだラスボスとの最終決戦へと昇華していくお馴染みの超展開。

トリガー作品においては、この社会風刺や着眼点は、
テーマとして掘り下げれば、もっと深い作品ができるかもしれないのに、
そんな高級木材すらも、ファイナルバトルの薪としてくべるのは勿体ない……。
と感じることが時々ありますが、本作もまさにそんな感じの大狂宴でしたw

例えば{netabare}ストレス社会の極みが着火点となる“バーニング火災”、
行き過ぎた秩序は、社会の自由の“凍結”を招く。
こうした火と水の属性、消すか消されるかの対立軸を、
自由と秩序、それぞれの功罪と対比に重ね合わせる比喩表現とか。{/netabare}

前半は、結構、考えさせられる場面もありましたが、
後半は、頭真っ白になって燃え尽きていましたw

けど、それを敢えて望んで突撃した、その時の私にとっては、
満足度の高い劇場鑑賞となりました。


何より作画、特にスピード感溢れるバトルシーンの映像が圧巻でした。

“バーニング火災”の現場では江戸の町火消伝来の纏(まとい)やら
パワードスーツみたいな消火装備やら、
果ては{netabare}変身ヒーロー?や巨大ロボや、巨大宇宙船、
さらにはワームホールや{netabare}滅殺開墾ビーム(笑){/netabare}{/netabare}に至るまで、
あらゆる中二病バトル要素が、絶叫同然のセリフや打ち出されるテロップと共に、
続々と投入され、カオスな戦場と化していますがw

本作のバトル映像には、それらを世界に向けて正当化するだけのパワーがあります。
最近『シンカリオン』の供給を絶たれ、不完全燃焼だった私のロボット魂も含めて、
スッキリと完全燃焼できる、この夏もっとも熱い映画でした♪

中々、火が付かなかった湿気た私のハートまで、
異例のロングラン上映で、執念深く熱風を送ってくれたスタッフの方々や、
それを後押しした“強火”のファンの皆様には改めて感謝申し上げます♪{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Trails_fire_You_always_knew♪They_would_carry_me_on_They'd_lead_me_to_you♪

『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』を手掛けた今石洋之監督と中島かずき脚本のタッグで描く劇場用長篇オリジナルアニメ
キャラデザはコヤマシゲト、音楽は澤野弘之、制作はTRIGGER
主要キャストに松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人ら劇団☆新感線の経験者
その脇を固めるのは主に『キルラキル』に出演した本職の声優陣です


「バーニッシュフレア」と呼ばれる炎を操る新人類「バーニッシュ」が突然変異として出現した近未来
バーニッシュを危険視し、弾圧する人々とそれに反発したバーニッシュが衝突したことで引き起こされた未曾有の大災害、「世界同時大炎上」によって人類の半数が消失してから30年が経過
世界は一時的な平穏を得たかのように見えていた…
炎上テロを引き起こすバーニッシュの過激派「マッドバーニッシュ」に対抗すべく結成された高機動救命消防隊「バーニングレスキュー」の若き熱血漢、“ガロ・ティモス”はマッドバーニッシュのボスであり並外れたバーニッシュフレアの使い手である少年、“リオ・フォーティア”を激戦の末に逮捕することに成功する
街を救った英雄としてガロは司政官でありガロの恩人でもある“クレイ・フォーサイト”から勲章を授与される
しかしクレイは危険な疑惑と壮大な野望を隠していた…


一言で言ってしまうと【とにかくアツイ!】アクションエンターティメントなのですがソレで片付けてしまうのはモッタイナイ傑作です


主人公のガロは救命消防士なのに半裸って時点でただでさえツッコミモノなのに、「燃えていいのは魂だけだ!俺の燃える火消し魂の方がアツイんだよおおお!!!」とか啖呵切ってるのが無茶苦茶w
この中島かずき節を松山ケンイチがスーパー歌舞伎の要領でアツく、キレ良く演じきってくれるので本編のテンポの早さも相まって111分がとても短く感じるほどスピーディーに進むのが気持ち良い


バーニングレスキューのメカ達は勇者シリーズとかメタルヒーローを彷彿とさせ、これだけでもワクワクモノ
バーニングレスキューのメカの名前は全部『ワイルドスピード(Fast&Furious)』の邦題ですね
後半は旧ガイナックス作品を思い起こさせる壮大なスペースオペラとなるのも胸熱で、観終えた後の爽快感と感動は『トップ1・2合体劇場版』に似ています


とにかく一番に褒め称えたいのは絶え間なく続くアクションのカッコ良さです
何気ないカットの一つ一つ、全てがカッコイイので捨てる部分が全く無いんですね
本筋で無い脇役のアクションですらカッコイイ
ソレらを実現したのはトリガーの得意とする紙に鉛筆で描くアナログ作画、動画や色彩も含めてアニメタが管理するデジタル作画、そしてサンジゲンが主体となった3DCGの全てを見事違和感無くシームレスに調和させた技術力です


既にアメリカのソニーピクチャーズの『スパイダーバース』が先んじて2D的な表現を3DCGで成功させているのですが、『プロメア』は見事『スパイダーバース』に追いついた作品だと言えるでしょう、それも完全に
まさにこの『プロメア』こそが日本のアニメの最先端なのです
『スパイダーバース』にも共通しているのですが、あえてポリゴンを大雑把に、色数やグラデーションを減らしたカートゥーン調にするのが作画とCGを調和させるポイントの様です


特に2D作画の良さを取り入れつつ、2Dの弱点である回り込むようなカメラワークを3Dでスピーディーに描写しているのが美しい


アメリカのRoosterTeathの『RWBY』という3DCGアニメは、明らかにガイナックス作品やトリガー作品を意識したアクションを本編に取り入れている事が観受けられますが、本家本元のトリガーから3DCGの良いトコ取りをした作品が登場するとは飛んだ伏兵でしたね
逆を言えば、今後『RWBY』が目指すのは間違いなく『プロメア』のアクションでしょう


今作、『モンスト』でお馴染みのX FLAGから多大な予算を与えられるなどかなり好条件が揃った作品でこのような機会はめったに無いと思います
後にも先にも貴重な歴史的傑作になったのは明白です
澤野弘之の劇伴もsuperflyの劇中歌も鳥肌モノですので是非劇場で、特に川崎チネチッタ8番スクリーンLIVE ZOUNDでの鑑賞をオススメ致します


余談ですがガロのバイクはカワサキGPZ900R、アイナのバイクはKTM RC8ですね

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

きつねりす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

旧ファンは堪らない、はじめましてでも十分楽しめる映画

「流石今石洋之×中島かずき!」というよく練られた良い作品。「天元突破グレンラガン」「キルラキル」といった過去作を彷彿とさせるアイテムやキャラクター・描き方など、2人のネームバリューで引き込むファンを喜ばせる演出が粋でした。
<例>
・主人公ガロの度々行うガイナ立ち
・登場の前口上・技名のキメ、そして字がドン!という演出
・デフォルメ具合
特に{netabare}最後のワンシーンはもうまんまグレンラガンって感じで、見ている男たち(自分も含め)は「コレだよコレ!」ってなってる構図{/netabare}。形は違えど、やはりこのタッグはいいものを作るなぁと思います。
ビジュアル的には、絵柄もタッチも独特で、アクションシーン・背景などをあえて幾何学模様を主調にして描かれているところは最初「?」となりましたが、段々とアクションが過熱してくるにつれて気にならなくなっていました。配色もピンクとか黄色といった明度の高い色が多いというのが斬新。画面で見ると結構チカチカしてしまって、肝心のキャラがどこにいるんだろう?という箇所はいくつかあったように感じますが、全体的にみるとスクリーン全体に広がる動きと色というのは見応えがありました。そしてやはり作品の没入力が強い。細かいですけど、場面転換の手法も新しくて、スムーズかつ分かりやすく、アニメーションのスピード感を生んでいてへぇ~と感心してしまいました。
ストーリーは、2時間弱でもやはり密度の高い作品を作るな、という印象。話自体の骨格は似たようなものはあれど、世界設定や主人公の一本筋が通った感じのキャラクターなどは今石×中島カラーといっていいでしょう。今回の主人公ガロ・ティモスは過去作のキャラと比べると冷静な一面も持ち合わせていますが、一直線さといい最後は根性だ気合だ!というところはブレてません。熱い!{netabare}最初の敵と共闘してさらに上の敵を倒す構図、そして最後は無に帰り一からやり直していくという展開も一種のフォーマットなのかなと思います{/netabare}。そして何度見ても「最高」と思える。勢いと深みが共存していると思います。
今回見ていて改めて思ったのは、日常生活で当たり前に使っているものの繋がりを引きずり出していくストーリーはやはりこの2人ならではの味だなと感じました。キルラキルで「きる(切る・着る)」「糸」「繋がり」といった言葉で話を回していくように、このプロメアのストーリーも「炎」「消す」「燃やす」といった言葉が話に厚みを作っていると思います。普段自分たちが「燃える」とか「炎上」とか使っている中で、言葉を体現しながら観客をそのアニメの中の世界に引きずり込むのは見事の一言(そして最後への持っていき方・締めくくりが見事)。
音楽面では、劇伴の歌モノ感が記憶に残りました。最近ONE OK ROCKやMAN WITH A MISSIONといったバンドが鳴らすようなアリーナ系の壮大な音楽を彷彿とさせるもので、耳からのインパクトもなかなかのもの。一過性のものが多く、「inferno」というテーマソングが何度か使われていた以外はそれほど記憶に残っていないので(作品に没頭しすぎて)、この部分は後日サントラをチェックして作品を思い返したいなと思います。
役者としては、特に堺雅人の熱演が気合入ってました。{netabare}冷静でいながら内に秘めたるものがある感じ、その足枷を開放して自分の本性を明らかにする吹っ切れ方がやはり本物だ!と感じました{/netabare}。脇を固めるキャラクターの声は他のトリガー作品にも出てる人たちが担当していて、一ファンとして嬉しかったです。やはり猿投山の声だと噛ませの役回りになるのか(笑)等。
見に行った時間帯的にお客が少なかったこともあり、よく入っている時の客層などはあまり分かりませんが、間違いなく言えることは「グレンラガン」「キルラキル」を見ている人なら一見の価値あり、ということです。またこのタッグは何らかの形で作品を作ってほしい!そうなるとテーマも凄く楽しみです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

66.7 3 宇宙船で陰謀なアニメランキング3位
ヒロイック・エイジ(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (377)
2870人が棚に入れました
はるかな未来、宇宙に進出した人類は、先に宇宙に進出した「銀の種族」に滅ぼされようとしていた。人類の若き王女ディアネイラは、戦闘母艦アルゴノートにて、人類の最後の希望=ノドスを捜索し、ついに見つけ出す事に成功する。人類のノドスであるエイジは、「銀の種族」を退け、人類を救う事ができるのか?

声優・キャラクター
矢崎広、石川由依、近藤隆、清水香里、松山鷹志、田村ゆかり、釘宮理恵、新井里美、織田圭祐、千葉進歩、佐藤利奈、小清水亜美、加藤将之、鈴木千尋、沢城みゆき、世戸さおり、岡本寛志、安元洋貴、久嶋志帆、ゆかな、岸尾だいすけ、吉野裕行
ネタバレ

しんばくん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

真の英雄を知りたい方に【3.8】

物語:3.8 作画:3.8 声優:3.8 音楽:3.8 キャラ:3.7 【平均:3.8】                          (54.5)

ジャンル        :SF
話数          :26話
原作          :冲方丁(ストーリー原案)
アニメーション製作 :XEBEC
総監督         :能戸隆
監督          :鈴木利正
シリーズ構成     :冲方丁
キャラデザイン    :平井久司
メカニックデザイン :大塚健、鷲尾直広、久我嘉輝(メカコンセプト)
音楽          :佐藤直紀
OP           :「gravitation」作詞 - atsuko / 作曲 - atsuko、KATSU / 編曲 - KATSU / 歌 - angela
ED           :「Azurite」作詞 - SHUMA / 作曲・編曲 - YUPA / 歌 - 浦壁多恵

参照元        :Wikipedia「ヒロイック・エイジ」

【あらすじ】
 遠い未来、宇宙には自らを「黄金の種族」と呼ぶ者達がいた。星々を創り、未来を知る彼らはまだ未熟な他の種族に呼びかける。「いでよ―――」と。後に宇宙には、それに応えた「銀の種族」「青銅の種族」「英雄の種族」が現れ、惑星をも容易に滅ぼす力を持つ英雄の種族はやがて争いを起こし、結果多くの種族が滅びに瀕することとなる。黄金の種族が戦いを諌めた時には英雄の種族は5人にまで減っていた。黄金の種族は彼らに「自らより弱い種族に宿り、彼らのために生きるという」罰を与える。英雄の種族を宿した者は"ノドス"と呼ばれる、宇宙の命運を握る存在となった。 Wikipedia「あらすじ」冒頭

【特徴】
①宇宙
②戦艦、艦隊、ロボット、超能力
③サイエンス・ファンタジー+ヒロイック・ファンタジー
④粛然とした雰囲気、シリアス

【長所】
①意図的に背景説明を分けて放送し、難解にしている
②用語の説明とキャラクターに関する設定の説明が無い
③考察の余地が有る

【短所】
①戦闘シーンが多く、飽きが来る。また、戦闘に緊張感は無い。

【短評】
{netabare} 物語の背景を理解した上で視聴しないと難しく感じると思います。また、用語の説明やキャラクターに関する設定の説明が省かれている為、調べる手間の掛かるアニメでした。

 まずは長所ですが、本作は凝った背景を見せる事に重きを置いた作品だと私は思いました。何故ならば①のように分かり難く放送する事で話を難解にし、考察する事を促していると感じたからです。また、②についても同じ理由から考察を促していると思いました。これらの分かり難い内容以外の長所を探しましたが特に見つけられず、①②に共通している③の考察要素が本作最大の長所だと感じました。

 次に短所です。鉄の種族である人類は、銀の種族、銅の種族、エイジ以外の英雄の種族(ノドス)4人と敵対関係にある為に絶え間なく戦闘を繰り返します。主要な人物に関するシーン以外が殆ど戦闘描写となり、飽きが来ます。しかも、エイジは設定上他のノドスより強いので人類が窮地に立たされてもエイジに必ず救われます。同様にエイジ自身が窮地に陥っても絶対に助かってしまうと予想出来てしまい、緊張感を感じず飽きが来ます。{/netabare} 

【総括】
 派手なバトルシーンやアクションシーンに重きを置く作風ではなく、凝った世界観と物語を理解しながら観る作品です。尚、作画、音楽、声優、キャラは落ち度が無く良質な作品だと思いました。物語の内容は考察するポイントが複数あり、考えながら視聴したい方にお勧めです。



【思った事、及び蛇足】

以前、冲方丁の関係する作品を観て
とても楽しめたのでヒロイック・エイジを視聴するに至りました。


本作の厳密なジャンルは分かりませんが
スペースオペラなんだと思います。
ですが西洋ファンタジーと似ているように感じました。
英雄(エイジ)は敵と戦い
王女(ディアネイラ)を守る
この2つが西洋ファンタジーらしく感じさせる要因なのかもしれません。


序盤の数話冒頭は世界の背景を人類の王女であるディアネイラが説明するのですが
これがとても重要でした。
その説明で黄金の種族は現宇宙を去る事が語られているのですが
現宇宙を去った理由は語られていません。
また、去る前に英雄の種族に契約を課す訳ですが
これもまたとても意味深で
現宇宙に残された種族に混乱をもたらし
互いに争うようにさせてしまうのです。


こんな具合に「何故黄金の種族は~」という形で話が進み
話の根幹には黄金の種族が関係する物語でした。


●設定の説明
ヒロイック・エイジ公式サイトより「世界」の項目で補足説明されています。
視聴中不親切に感じたらここを閲覧する事をお勧めします。
ただし、一番下の「星の道と黄金の種族」はネタバレに繋がる恐れがあります。
尚、用語の説明も載っています。
こちらは気になったら見るぐらいで良いと思います。
視聴前に見るとネタバレになりますし。


※因みにWikipediaは完全にネタバレを含む記述でした。


●成分タグ「主人公最強」について
そもそも本作に主人公は居ないような。
エイジを主人公とした場合
彼は拳で星を破壊出来るほど強大な力を持っていますが
エイジの無双を楽しむ作品では無いです。


●成分タグ「もっと評価されるべき」について
恐らくですが
[以下ネタバレを含みます]
{netabare}主要キャラが誰一人死なずに大団円を迎えた事だと思います。
しかも感動を与えてくれる後味の良い終わり方です。
それに、死人が出ない作品は珍しいと思います。{/netabare}
よってもっと評価されるべき事なのだと思いました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ネタバレ

びふぃずす菌 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

姫様かわゆす!感動有!最高傑作!

数々のアニメを見てきている私ですが、この作品は上位に入ると思います。

感動があり、恋愛があり、他のキャラの心情の変化が多数あり、戦闘もあり、あぁ…もう良作ですよ!


銀の種族の会話のシーンは正直退屈でしたが、
戦闘シーン、主人公と姫様との会話のシーンが一番好きでした。

あぁ、姫様可愛いよ姫様(*つー`*)エヘッ

あのですね、皆さんにも共感してもらうために
何回も見直してる変態こと「第四真祖」が選んだ最高の場面を紹介したいと思います。

1話:{netabare}これはもう後半全部ですね!鳥肌がやばかった{/netabare}

2話:{netabare}エイジの歓迎パーティーでエイジが男性恐怖症の姫様に近づくとこ!それからエイジの「猿」みたいな行動に唖然とする姫様の顔がプリティーです。ハァハァ…それからそれから、隔壁を破壊して宇宙に出たエイジと姫様との会話です{/netabare}

※なんかもう、姫様が可愛すぎる場面が多すぎるので大まかにまとめます。

1.姫様とエイジの会話場面!これはどの話でも視聴必須です。自分は何回もリピートしました(*´’Д’):;*.’:;カハッ

2.イオラオスの心情の変化にも注目

3.姫様の口癖が「{netabare}エイジ{/netabare}」であること。←{netabare}姫様がエイジを心配しているとこが可愛すぎてニヤニヤが・・・w。{/netabare}

<観かた>あくまでも薦め
・1回目は全部見てください。(そうすると、話が大体つかめます)
・2回目は話がつかめてない人は全部。ある程度つかめた人は、姫様が出る場面、主人公が出る場面、自分が気になる場面を視聴。
・3回目は1話~数話、15話の後半、最終話の後半。

姫様可愛すぎて…変態になってしまいました。

※↑は、あくまでも2回以上全話観た方のみでお願いします。そうしなければ姫様の可愛さが半減してしまいます。


すべてよくできた作品です

{netabare}15話と最終話の挿入歌がまた感動です!{/netabare}


<キャスト>
エイジ →矢崎 広
ディアネイラ →石川由依
イオラオス →近藤 隆
アネーシャ →清水香里
モビード →松山タカシ
テイル→ 田村ゆかり
メイル →釘宮理恵
ビー →新井里美
パエトー →藤田圭宣
ロム →千葉進歩
プロメ →佐藤利奈
ユティ →小清水亜美
カルキノス →加藤将之
メヒタカ →鈴木千尋
レクティ →沢城みゆき
ヘスティア →世戸さおり
タキウス →岡本寛志
キリス →安元洋貴
イオーダ →久嶋志帆

結構豪華でしょうヤッタ(b´ω`d)ゼィ♪


<内容>
遠い未来、宇宙には自らを「黄金の種族」と呼ぶ者達がいた。

星々を創り、未来を知る彼らはまだ未熟な他の種族に呼びかける。「いでよ―――」と。後に宇宙には、それに応えた「銀の種族」「青銅の種族」「英雄の種族」が現れ、惑星をも容易に滅ぼす力を持つ英雄の種族はやがて争いを起こし、結果多くの種族が滅びに瀕する事となる。黄金の種族が戦いを諌めた時には英雄の種族は5人にまで減っていた。黄金の種族は彼らに「自らより弱い種族に宿り、彼らの為に生きるという」罰を与える。英雄の種族を宿した者は"ノドス"と呼ばれる、宇宙の命運を握る存在となった。

しばらく後、惑星オロンと呼ばれる星に一隻の宇宙船が墜落する。黄金の種族によって船は救われるが、その時には船員は赤ん坊一人だけが残されていただけであった。黄金の種族は英雄の種族の中でも強大な力を持つ\"ベルクロス\"をその赤ん坊の内に宿し、彼に赤ん坊を守るように命じる。また、赤ん坊の属する種族を最後の進出者「鉄の種族」と名づけ、彼らに「人類へ―――ここに、お前たちの運命を握る子供がいる」とメッセージを送った。後に黄金の種族はこの宇宙を去り、別の宇宙へとまた旅立っていった…。

黄金の種族が去った後、銀の種族は他の種族を支配し、鉄の種族=人類を敵と定め、彼らを滅ぼす事を決めた。人類の若き王女ディアネイラは、戦闘母艦アルゴノートにて、人類の最後の希望=ノドスを捜索し、ついに見つけ出す事に成功する。人類のノドスであるエイジは、銀の種族を退け、人類を救う事ができるのか?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

司狼神威 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

蒼穹のファフナーのスタッフが送る・・・

ファフナーは感動作品だったけど、これはモラルや、秩序、歪み、憎悪、信頼、友情、愛情、すべてのものが感じられる作品だと思う。


主人公最強とタグがあるが・・・・別に・・・いうほどではない・・。
確かに強いですが、「最強」という言葉はどうかなと・・・。
どんだけ圧倒的な力があるのかと思いきや・・そうでもない・・。
苦戦もするし、怪我も負う、みんなの力をかりて勝つ場面もある・・・
はっきりいって、最強ではない!!!
最強というのは「日比野ハレルヤ」並みに周りとはケタが違うというものだ・・・。

だが、主人公エイジはそこまでではないw

結構レビューを見てて「スカっとしたい人にはお勧め」なんてレビューを見るけど、全然スカっとするほど強くない・・。

むしろこのアニメは物語のほうが素敵だ。
戦闘アクションよりも、人間にあるべき姿、望むべき理想の形を描いている。
とても温かい物語だ。

いろんな視点から物語を見てほしいと思う。
一つのことでも視点を替えれば違うとらえ方ができるw

これは色んな種族が個々の歴史、想いに添って物語が展開していくので、ぜひいろんな種族の立場になって物事を考えてみてほしいなと思う。


あと・・・ヒロイン「エイジ」言い過ぎw
ちょっと数えたくなるくらい「エイジ」って言いますwww

あと専門用語が沢山出てくるw
そして物語上で説明は一切ないw

ただ、物語を通して言葉の意味が分かるので、あえて説明しなくてもいいかな・・・みたいなw
あ、別にめんどいからとかじゃないおw


とりま、あらすじだけでものっけときますw

遠い未来、宇宙には自らを「黄金の種族」と呼ぶ者達がいた。

星々を創り、未来を知る彼らはまだ未熟な他の種族に呼びかける。「いでよ―――」と。後に宇宙には、それに応えた「銀の種族」「青銅の種族」「英雄の種族」が現れ、惑星をも容易に滅ぼす力を持つ英雄の種族はやがて争いを起こし、結果多くの種族が滅びに瀕することとなる。黄金の種族が戦いを諌めた時には英雄の種族は5人にまで減っていた。黄金の種族は彼らに「自らより弱い種族に宿り、彼らのために生きるという」罰を与える。英雄の種族を宿した者は"ノドス"と呼ばれる、宇宙の命運を握る存在となった。

しばらく後、惑星オロンと呼ばれる星に一隻の宇宙船が墜落する。黄金の種族によって船は救われるが、その時には船員は赤ん坊一人だけが残されていただけであった。黄金の種族は英雄の種族の中でも強大な力を持つ"ベルクロス"をその赤ん坊の内に宿し、彼に赤ん坊を守るように命じる。また、赤ん坊の属する種族を最後の進出者「鉄の種族」と名づけ、彼らに「人類へ―――ここに、お前たちの運命を握る子供がいる」とメッセージを送った。後に黄金の種族はこの宇宙を去り、別の宇宙へとまた旅立っていった…。

黄金の種族が去った後、銀の種族は他の種族を支配し、鉄の種族=人類を敵と定め、彼らを滅ぼすことを決めた。人類の若き王女ディアネイラは、戦闘母艦アルゴノートにて、人類の最後の希望=ノドスを捜索し、ついに見つけ出すことに成功する。人類のノドスであるエイジは、銀の種族を退け、人類を救う事ができるのか?

まぁ、参照ですがw
こんな感じですw

いちお、ロボットアニメなんでwwww
主人公はノドスでまぁ、、、生物兵器みたいなもんですがw

ファフナーのスタッフが作ってるって感じがもろ分かると思うのでファフナーが好きな人には断然お勧め!!!
ごり押しですw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

71.9 4 宇宙船で陰謀なアニメランキング4位
王立宇宙軍オネアミスの翼(アニメ映画)

1987年3月14日
★★★★☆ 3.9 (275)
1127人が棚に入れました
所属が10人に満たず「失敗ばかり」「なにもしない軍隊」と揶揄され、世間に落第軍隊として見下されているオネアミス王立宇宙軍の士官・シロツグ=ラーダットは、欲望の場所でしかない歓楽街で献身的に布教活動を行う少女・リイクニ=ノンデライコとの出会いをきっかけにそれまでのその日暮らしの自堕落な生活を捨て、宇宙戦艦という名目の人類初の有人人工衛星打ち上げ計画に参加し宇宙を目指すことになる。

声優・キャラクター
森本レオ、弥生みつき、内田稔、飯塚昭三、村田彩、曽我部和恭、平野正人、鈴置洋孝、伊沢弘、戸谷公司、安原義人、徳光和夫
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

庵野秀明、貞本義行、坂本龍一、藤原カムイ、山賀博之、、、

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
1987年にガイナックスが初めて制作したアニメ。SFアニメ映画で、2時間ほどの作品。

とにかく制作陣が豪華。

レビュタイのメンツの代表作を並べると、

監督 山賀博之(ピアノの森)
脚本 山賀博之(0080ポケットの中の戦争)
音楽 坂本龍一(戦場のメリークリスマス)
キャラデザ 貞本義行(エヴァンゲリオン)
作画監督 庵野秀明(エヴァンゲリオン)
デザイン 藤原カムイ(ロトの紋章)

他にも、

プロデューサー 山科誠(バンダイ 社長)
企画 岡田斗司夫(トップをねらえ! 原作)
助監督 樋口真嗣(ひそねとまそたん 監督)
助監督 増尾昭一(ブレイブストーリー 作画監督)
作画監督 飯田史雄(宇宙戦艦ヤマト2199 作画監督)
作画監督 森山雄治(うる星やつら 作画監督)
美術監督 小倉宏昌(ストライクウィッチーズ 美術)
脚本協力 大野木寛(創聖のアクエリオン 構成)

など、豪華なメンバー。

声優陣でいくと、

森本レオ(俳優・ナレーション)
弥生みつき(逆襲のシャア チェーン・アギ)
曽我部和恭(破裏拳ポリマー 鎧武士)
内田稔(俳優・吹き替え)
大塚周夫(ゲゲゲの鬼太郎 ネズミ男)

特に作画が評価されていて、同期(1987年)のテレビアニメでいくと、「シティーハンター」や「きまぐれ☆オレンジロード」、映画でいけば「ルパン三世 風魔一族の陰謀」「ドラえもん のび太と竜の騎士」
なんかと一緒。当時の中では、神作画と言えるでしょう(今見ても、わりと度肝を抜かれます)。

アニメ自体が面白いかは、それぞれの見方があるでしょうが、アニメ史に残る作品として、1度は観ておくのも良いと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、観た感想としては、「こりゃ売れんわな(苦笑)」というもの。

凄い作品だというのは、誰でも感じる。でも、終始暗く、静かで、難解。ストーリーを重視する見方をする自分としては、正直、退屈だった。3回、寝落ちをした。

総製作費8億円に対し、配給収入は3億4700万円に終わったのも頷ける(ただし、ビデオなどの売り上げがよく、15年をかけて、総製作費を回収)。

でも、この作品には、大きな価値があると思う。特に、今の若い人にオススメしたい1本である。

私の感想を書く前に、まずは、当時の巨匠達がどう評価しているか(以下、Wikiから引用)。

シド・ミードさんやマイケル・ビーンさんらは{netabare} 「素晴らしい映像美」を高く評価した。{/netabare}

宮崎駿さんは、{netabare}金のない無名の若者たちが集団作業で作る姿勢に好感を持って応援し、完成した作品にもある程度の評価をしているが、劇中のロケット打ち上げのシーンで将軍が簡単に打ち上げを諦めたことや、主人公以外の努力してきた年配者を描かないことを批判。{/netabare}

安彦良和さんは、{netabare}「全然素晴らしいとは思わない。何のメッセージもない。ただ映像は素晴らしい。誰がやったんだこんなとんでもない作画。そういうことをやって何を言いたいんだっつったら、地球は青かったって言うんですよ。それガガーリンだろ、50年代だろ、ふざけんな(笑)。青いの当たり前じゃない、みんな知ってんだよ。それが物凄い気持ち悪かったんですよね。こんなに無意味なもの、これだけのセンスと技術力を駆使して表現しちゃうこいつら何なの?って」と、厳しい言葉を交えつつも評価している。{/netabare}

押井守さんは、{netabare}「本格的な異世界ファンタジーをちゃんとやりきれたフィルムなんて数えるほどしかない」と述べ、アニメでの例として『風の谷のナウシカ』とともに本作を挙げている。{/netabare}

これらの指摘は、全部正しいような気がする。

私はこの作品を観て、「ただ世界を描きたかっただけ」だと思った。

この作品のストーリーは、「やる気のなかった主人公が、宇宙船を作って、宇宙に行く」というだけ。そして、その「宇宙に行く」ということすら、「何のために」ということが欠けている。きっかけは女のためだったし、宗教や哲学的なことが絡んでくるが、深くは語らない。

この作品を読み解く前提は、「宇宙に行く」=「アニメを作る」だと思う。

本作の世界観の中で、有人宇宙飛行に対し、即物的なメリットは示されない。人工衛星などはすでに実用化され、その利益を得てはいるが、有人である必要はない。ただの浪漫、趣味、道楽であると言っても良い。

アニメというものも、そういうものだと思う。別に今すぐなくなったって、世界はちゃんと回っていく。

そういう「無駄なもの」に、命を懸けて、全ての時間と情熱を傾ける、価値を求めるのが、主人公のシロツグであり、庵野秀明さんをはじめとした、ガイナックスの面々なのだろう(シロツグやその仲間、ガイナックスの面々はほとんど、20代)。

つまり、極度の厨二病で、極限のオタク。

現に、ロケット打ち上げ段階で敵に攻め込まれ、「命」か「打ち上げ(宇宙)」かの選択を迫られた時、年寄り(53歳)のカイデン将軍は、こう言う。

「やむを得んだろう。悔しいのはワシも一緒だ。今度こそは上手くいくと思ったんだがな。仕方がない、引きあげよう。くだらんことだ。命を懸けてまでやって割りが合うようなもんではない。諦めよう。」

それに対し、シロツグはこう返す。

「ちょっと待ってくれ。俺はやめないぞ。なぁにがくだらないことだよ。ここでやめたら、俺達なんだ? ただのバカじゃないか。ここまで作ったものを、全部捨てちまうつもりかよ? 今日の今日までやってきたことだぞ? くだらないなんて悲しいこと言うなよ、立派だよ。みんな歴史の教科書に載るくらい立派だよ。俺、まだやるぞ! 死んでも、上がってみせる! 嫌になった奴は帰れよ! 俺は、まだやるんだ! 充分、立派に元気にやるんだ! 応答しろ!」

このシロツグの演説中、うつむいていた老人達は顔を上げる。演説直後、若者で現場に立つものは、「電圧いける!」「油圧充分!」「ポンプ、やれる!」と、「自分の判断で」打ち上げを強行する。それにつられ、老人達も動き始める。そして、カイデン将軍は「やってみるか」と、心を動かす。

この場面は、あからさまに「(アニメ界における)若者と大人達」が意識され、自分達若者がアニメ界をリードしていくというガイナックスの意気込みが感じられる。と同時に、上の世代を否定する、挑戦状でもある(ちなみに、宮崎駿さんが「主人公以外の努力してきた年配者を描いていない」と強く批判した場面でもある。ちなみに、唯一、努力した年配者であるグノォム博士は、早々と無意味に死ぬ)。

そして、ロケットは宇宙に飛び立つ。

この作品には、「意味のないもの」がたくさん描かれているが、私には、ガイナックスの面々が「描きたいものを、ただ描いているだけ」に思えた。写実主義的であると言っても良い。

数えきれない墓標。煩雑で猥雑な街並み。宗教にどっぷり漬かる少女。過去の打ち上げを失敗を嘲笑う若者。美しい雲の上の世界や、星空。仰々しい儀式。やたらとリアルに揺れる、乳首丸出しのおっぱい。戦車や戦闘機といった戦争の道具。

それら全てが生きる上で必要不可欠かと問われれば、そうでもない。世界は実に無駄に溢れている。

押井守さんは本作を「本格的な異世界ファンタジーをやりきった」と評価している。

それは多分、世界にあふれる無駄なものを、正しく描写しているからだ。例えば、ポーカー風だが謎のカードゲームに興じたり、本が縦開きだったり、カメラのフラッシュがおでこに付いてたり。そんな細かいことろまで、「異世界」なのだ。ストーリーにはなんの貢献もしない、無駄な部分にまでこだわる、狂気。

その「無駄なもの」の極致である、「有人宇宙船」が宇宙に飛び出す瞬間、敵も味方も全員がその姿に見惚れ、戦いを止めた。たとえ一瞬だとしても。

宇宙船が離陸する時の描写なんて、あれを手描きで作ってるんだから、狂気以外の何者でもない。完全に自己満足の世界だ。

最後に、シロツグは宇宙で述べる。

「地上でこの放送を聞いている人、いますか。私は、人類初の宇宙飛行士です。たった今、人間は初めて星の世界へ足を踏み入れました。海や山がそうだったように、かつて神の領域だったこの空間も、これからは人間の活動の舞台としていつでも来れる、くだらない場所になるでしょう。地上を汚し、空を汚し、さらに、新しい土地を求めて宇宙に出ていく。人類の領域は、どこまで広がることが許されているのでしょうか。どうか、この放送を聞いている人、お願いです。どのような方法でも、かまいません。人間がここに到達したことに、感謝の祈りを捧げて下さい。どうか、御許しと、憐れみを。我々の進む先に暗闇を置かないで下さい。罪深い歴史のその先に、揺るぎない、1つの星を与えて下さい。」

このあと、これまでの地球の歴史、人類の破壊と発展が一気に描かれる。

数多ある工業技術や科学技術。芸術作品なんて最たるものだが、人は、なんの役にたつか分からんものを作っていても、それが誰かの心を動かし、人類は歴史を紡いできた。

「宇宙飛行=アニメ制作」とした時、この作品、特にラストシーンは、「無駄なモノを作っている自分達は、無駄じゃない」という物凄い自己愛、自己憐憫に溢れている。

実にオナニー的である。

こういう作品は(絵でも音楽でも映画でも)、大衆にはウケない。売れない。

私自身、大衆的な感性の持ち主なので、シンプルに楽しめなかった。だから、☆は3止まり。

でも、芸術とは元来、自己愛に満ち、自己憐憫的でエゴイスティックなものだと思っているから、彼等の創りたかったものは、コレで良いのだと思う。そして、後世に残っていくモノって、そういうモノであることが多い。

何を感じるか、あるいは何も感じないかは、受け手の自由。何を作るかは、作り手の自由。

安彦良和さんの皮肉混じりの評価には、ある種の侮蔑と羨望があるように思う。

私はこの作品を楽しめなかったが、1アニメファンとして、この作品に出会えたことは感謝したい。

あと、「やっぱりオッパイにこだわりがあった」。

と軽く韻を踏んで、この映画くらい長くて退屈なレビューを終わりにしよう(最後の感想が、それ?)w
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

マナの微笑みの意味を考察すると、答えが見つかる気がします。

 月とライカと吸血姫を見て、久しぶりに見たくなって再視聴しました。

 正直申し上げて、面白いかといわれれは面白いですが、エンタメ性はそう高いものではありません。作画の凄さがあるのでアニメ作品として見ると驚きはありますが、それはあくまで中身があってのことです。

 で、中身です。テーマは、ちゃんと物語で語られていると思います。アナロジーというか直接述べていない部分があって、分かりづらいところはありますが、神と人類の罪である火。それをリイクニと宇宙開発で表現した映画と言えるでしょう。


 内容についての解釈です。{netabare} さて、本作の最大のポイントは後半半ばくらいでリイクニの妹、マナがシロツグに向かってニコっと笑う場面ではないかと思っています。

 シロツグは当初は恐らく不純な動機でリイクニに近づき、カッコつけというかいところを見せようとパイロットを目指します。

 リイクニの純粋さだと思いますが、シロツグはリイクニに心を惹かれて行きます。と、同時に宗教に傾倒してゆきます。

 シロツグは宇宙飛行士としてもてはやされると同時に、宇宙計画の意義について問われます。この時、シロツグは教会の天井にある神の姿を模したステンドグラスを見上げます。彼にとっての意義は宇宙に行くことそれ自体だったのでしょう。ですが、問われてみれば、神の教えと自分の行動の矛盾に気が付いたのかもしれません。

 そして宇宙計画には膨大な予算が必要で半分の金額で飢える人を3万人救えると言われます。シロツグは教会の前にたむろしていた貧民にお金を投げつけます。つまり、この段階では彼は自分を肯定しきれていないということでしょう。

 その直後、リイクニとともにビラをまきます。ここが彼の悩みを表現していたのかもしれません。本当に宇宙に行くことが正しいのかという自問自答。あるいは神に許しを乞うていたのか。

 ですが、ここで小さな出来事が起きます。今まで敬虔で穏やかだったリイクニが、雨に濡れてイライラしていたのでしょうか。マナに対して一般の小うるさい母親のように小言を言います。そして、靴からお金がこぼれるという描写がありました。これがシロツグにとって、リイクニもやはり普通の女性であるということが解ったのでしょう。有名なレイプ未遂のシーンになります。



 そして、その後のリイクニの反応は狂気でした。シロツグに対しシロツグは悪くない悪いのは自分だ、と理屈にならない理屈を述べます。恐らくここでシロツグはリイクニの異常性に気が付いたのでしょう。そして狂信的に宗教にのめり込むことについて恐らく疑問をもったのでしょう。

 多分、ここでだったら神というものを確認するために、あるいは人類の罪とは何なのかを確かめるために、宇宙に行く決意を固めたのではないか、と思います。

 マナは別れを告げにきたシロツグに対し微笑みます。それが恐らく答えなのでしょう。リイクニに対して一切笑わなかったマナの微笑みの意味はリイクニの否定、シロツグの肯定と取れます。
 
 最終的にシロツグの宇宙からの問いかけの意義については、まあそれぞれが何を思うかでいいと思います。

 リイクニが最後に言葉を止めて空を見上げたのはなぜでしょうか。シロツグが空にいることを思い出したのか、それとも自分の行いに初めて疑問を持ったのか。{/netabare}

 テーマが深いかといわれると、実はそうでもないです。「2001年宇宙への旅」を初め文明の進化についての映画など腐るほどあります。ただ、SF設定の凄さは持ちろんですが、キャラ造形が良いのと、物語とテーマの関係がすごく自然で脚本のうまさが光っていると思います。

 前半ちょっと飽きる部分はありますが、後半からどんどん面白くなって行きました。ただ、再視聴のハードルは高いですね。前回見たのは10年以上前だと思います。

 アニメそのものの凄さは語りつくされているので、これくらいでいいでしょう。1点だけ下衆な話で申し訳ないですが、リイクニのヌード。すごい美しいスタイルでした。さすがガイナックス、力の入れどころを間違えません。


追記 肝心なところを書き忘れました。初見のとき、リイクニの売春的なものを疑った記憶があります。家を失いおじさんにコートを貰った、良くしてもらっている。そしてお金をばらまきますからね。しかも、シロツグが拗ねていました。シロツグには手をつなぐことにすら拒否したのに…と。その直後にレイプに踏み切った、という動機から考えてもそう採れなくはありません。

 ただ、現在はそうではないと思っています。リイクニは電車に乗っていましたから、文明の恩恵を全否定していないし、お金も使っています。それに彼女の宗教的な純粋性を否定してしまうとテーマがぶれる気がしました。どちらが正解かはわかりませんが、キャラを読み解くとやっていないのが自然な気がします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

nani-kore さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ン十年前の若き才能を乗せ、高らかに羽ばたいたオネアミスの翼!!

自分にとって、大変思い出深いアニメである。

私が漫画やアニメに触れたのは、ひとえに家族の影響だ。
母は漫画を描くのが好きで、松本かつぢや岡本一平(古っ;)ばりの画力の持ち主だったし、画力こそ皆無であったが、父は漫画雑誌「アクション」を定期購読し、「どん亀野郎」等、趣味の良い珠玉の漫画単行本を所蔵していた。
そんな両親の影響を受けてか、子である私たち4人姉妹も、マンガ本を買い漁っては読み回していたのだ。

「私、アニメーターになるっ!」宇宙戦艦ヤマトにインスパイアされた長姉は、ある日、鼻息荒く高らかに宣言した。当時アニメーターは、子供がなりたい職業のNO.1であったこともつけ加えておこう。
とはいえ、アニメはまだまだちびっ子の観るべきモノだった時代、思春期になりたての姉は恥ずかしさを隠すためか、まだお尻の青みもとれていない3番目の妹である私を、アニメ映画が上映している映画館へ連れ回した。
長姉には逆らえなかったが、内心、私はそれがイヤでイヤでたまらなかった。地元の映画館は吐き気をもよおすほど臭くて、ゴキブリが肩に止まったコトもある位の汚らしさだったのだ。それにそもそも、姉の観たいアニメ映画は、ちびっこ向けの内容では無かったのである。
当初はイヤイヤ連れ回されて観るアニメ映画だったが、物心がついてくるに従い、アニメの素晴らしさに目覚めていった。
前置きが長くなったが、本作「王立宇宙軍オネアミスの翼」は、そんな私がイヤイヤではなく自分の意思で、初めて観たアニメ映画だったのである。

アニメがお子様向けのみならず、大衆文化へと変化する黎明期。
昨日までアニメーターのバイトをしていた大学生が、いきなりTVシリーズアニメのキャラデザをまかされて、花形アニメーターとして羨望を集めちゃったりしていた時代だった。
うちの長姉のみならず、多くのアニメ好きの若者が、そんなシンデレラを夢見たのであろう。。本作「オネアミスの翼」は、まさに夢見る若きアニメーター達を乗せて羽ばたいたのだ!!
監督の山賀氏を始めとして、ナンとスタッフの平均年齢24歳。当時の若き才能が集まり、NASAまでロケハンへ行き、執念といえる程の情熱が込められた本作、否が応にも数々のアニメを見慣れた私が口をアングリ開けるほど、作画は当時の最高峰で本当に素晴らしかった。
だがその内容は。。アニメ好きとはいえ、胸もペッタンコ(今もだが;)だった私には、面白味も感動(スゲー作画以外は)も、何も得られなかったのが正直なところだ。

思うに大人向けのアニメだったのである。
それも本当の大人ではなく、夢いっぱいで青臭い情熱に満ちた、大人の入り口に立ったばかりの。。そんな作品に、思春期も迎えていない少女が共感できるワケがない;
今、観直しても無理だろう。だってもう、大人の入り口なんか、とっくにスルーしちゃったから;;
じゃあ、本作を今の若者に。。ともいえない。
ン十年前の若者が作ったアニメは、作画のみならず内容もキツイと思えるからだ。もし共感してくれるなら、それも面白いけど。。

長姉の影響で、「じゃあ私もアニメーターになるぅ~」と無邪気に触れ回っていた私だったが、映画館を出る頃には、アニメーターはムリだと自覚した。アニメーターになる!と高らかに宣言していた姉も、社会に出て普通の会社員である。
。。そんなワケこんなワケで、自分にとって大変思い出深いアニメなのだが、さして評価できる作品でもない。
唯一、作画がスゴかった(当時)ので、★3.5にしとこー。

申し訳程度に追記しておくと、オネアミスの翼に乗った若き才能は、ちゃんと高らかに羽ばたいている。
興味のある方はウィキってみてください♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

62.8 5 宇宙船で陰謀なアニメランキング5位
劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵(アニメ映画)

2014年2月22日
★★★★☆ 3.7 (107)
621人が棚に入れました
白鳳女学院高等部に通う加藤茉莉香は宇宙海賊船・弁天丸の船長。3年生になる目前の春休み、豪華客船での海賊営業の仕事で、乗客リストを見た際に銀河パス所有者の少年・無限彼方がいることを知る。彼方の父で亜空間ダイバーである無限博士との約束を果たすべく、茉莉香はあることを実行するが……。
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

決断は自分の選んだベスト!

お台場の舞台挨拶付の上映を観てきました

茉莉香が1~2年生の頃を描いたのがTVシリーズでしたが
こちらは2年生~3年生に上がる春休みのエピソード
これは公開時期に季節を合わせてきたのかな?
とか一瞬思ったわけなのですが、
よくよく考えてみると舞台は地球ではなく鯨座宮たう星系海明星
地球とは自転公転の周期が違う上に赤道直下という設定だったはずなので
日本の四季感覚を適用するのはだいぶナンセンスでした
っていうか赤道直下に春休みってなんぞ!?

そんなどうでもいい話は置いておいて本題に入りましょう
今回の劇場版のメインゲストは劇場版オリジナルキャラ無限彼方少年
演じるのは下田麻美さん

下田麻美と聴いて真っ先に思い浮かぶのはおそらく「とかち」だと思いますが
Vocaloid鏡音リン・レンの中の人でもあるので
少年役という事にそれほど違和感はありませんでした
しかし舞台挨拶でのお話によると、こんなにしっかり少年役をやるのは初だそうでした
確かにレンの声のモデルは少年を「演じる」のとはだいぶ違いますし
キューティクル探偵のゆーた君は女装男子で女の子役に近いかんじ
ちゃんとした少年役は初めてに近かったんですね
佐藤監督によるとオーディションの他の声優さんは
もっとキラキラしたいかにも美少年という感じだった中で
ちょっと擦れた感じの演技が決め手になったそうです

これまでのモーパイは周りが茉莉香とタメか年上ばかりの状態からはじまり
途中で増えた後輩たちも女性キャラばかり
年下の男性キャラは全くいなかったんですね
ですから年下の少年目線で見えるちょっとおねいさんな茉莉香
というのがテーマの一つに有ったそうで
それはとてもうまくいっていたと思いました

良かった点がもう一つ
下田さんが「収録があまりに大人数でびっくりした」
と言っていましたが
TVアニメのメインキャラはほぼ総出演といっていい状態
弁天丸クルーや梨里香さん、セレニティ姉妹にランプ館のマミ
ヨット部はOGから後輩たちまで総出演、
チアキちゃんはバルバルーサクルーまで引き連れて出てきます
さらにそれぞれのキャラにしっかり見せ場を作ってあるので
TV版が好きな人には嬉しいファンサービスになっていたと思います

しかし、それはいい方向だけに機能しているとはいえませんでした
彼方が自分の運命を選択し切り開いていく部分が
この映画のメインテーマだと思うのですが
既存のキャラクターたちを万遍なく活躍させた結果
彼方の描写がすごく薄くなってしまっています
作り手側としてはレビュータイトルのセリフが真中にあって
彼方が自分自身の未来を選択していく話を描いているつもりでも
その決断までの心理描写がさっぱり足りていないので
格好いい宇宙海賊のお姉さんに感化され
雰囲気に呑まれて勢いで動いているだけにしか見えませんでした

おなじみのTV版からのキャラたちをメインに動かしつつも
物語の中心にはゲストキャラを持ってくるというのは
この手の劇場版の作りとしては王道パターンだと思います
しかし。それが傑作になるための条件として
既存キャラの力に頼らずとも
そのゲストキャラがメインの物語としてみて面白いことが大事です
原作ファンへのサービスに注力し過ぎて
彼方の物語が今一つ盛り上がっていないのが残念です

もうひとつ気になったのは後半のアクションシーン
監督も舞台挨拶で「彼方が決意した時点で話は終わってるんだけど
でも、折角のスクリーンだし(アクションシーンが)欲しいじゃない?」
と、笑いながら蛇足であることを認めていましたが
あのアクションシーンは個人的には減点要素しかありませんでした
{netabare}彼方の乗るマシンが変形したり、オデット2世とバルバルーサが合体したり・・・
まぁ苦笑いしか出てきませんでした
確かにモーパイファンは一般のアニメファンよりも高い年齢層に多くいます
簡単に言うと超合金世代ですよ
変形とか合体とかそういうのに憧れて育った世代です
だけど、いやむしろだからこそ
そういう要素の扱われ方には敏感なんですよ

某ゲームの分類を借りれば変形とか合体とかはスーパーロボットの領域
それに対して茉莉香達の戦い方は機体性能に依存せずに
優秀なクルーの技術と茉莉香の大胆な戦術によるもの
これらはどちらかというとリアルロボットの戦い方に通じるものがあります
茉莉香達の操っているのはロボットですらありませんが
リアルロボットから人型ロボットというアンリアルな部分を捨て去って
よりリアルに志向させたものが戦闘する宇宙船だと考えることもできます
つまり変型とか合体とかはモーパイの魅力とはベクトルが真逆なんですね
この違和感はTV版終盤のオリジナル部分にもありました
あの時は最新鋭の試作戦艦であると説明されて
なんとなく腑に落ちないものを抱えつつも納得はしましたが
今回で違和感の正体がはっきりした感じです{/netabare}

ああ、でもそんな中で流れた小松未可子さんの「Sail away」は良かったです
劇場まで足を運んで映画を見る意義の一つは
どんな立派なホームシアターでも絶対不可能な音響設備にあると思います
そんな中で、ももクロの例のアレを聞かされてスタートした時はどうしようかと思いましたが
「Sail away」と舞台挨拶だけでも見に行った価値がありました

しかし・・・興行的にはかなり残念なことになっているみたいですね
今まで人気作品の舞台挨拶付上映とか大体チケット取れなかったり
取れてもすごい後ろの方だったりしてきました
それが今回は前から4列目という映画を見るには前過ぎるにしても
舞台挨拶の観覧としては相当な上席が取れたのに
周りにぽつぽつ空席があって自分の左も空いている始末
これは普通の回はほとんど入ってないんじゃないかなぁとは思っていましたが・・・

TV版レビュー
http://www.anikore.jp/review/291621/

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

【ジュブナイル】×【サイバーパンク】×【スペオペ】×【ちゃんじゃない】=これぞモーパイの全て!

思春期の決断
大宇宙の冒険
巨大組織の陰謀
電子戦
独特の芝居臭さ
無理やりなドンパチ
そして・・・「ちゃんじゃない」


素晴らしい映画でしたb
『モーレツ宇宙海賊』というシリーズがやってきた要素をオリジナルストーリーながらも全て詰め込んだ贅沢な一作です


「超光速跳躍」の鍵を握る亜空間を研究していた「無限博士」を実の父に持つ少年、「無限彼方」
彼は超VIPの証である「銀河パス」と謎めいたメッセージを放つオウム型のロボット「フリント」を亡き父から託されたと同時に、謎の組織から身柄を追われ宇宙を逃亡していた
逃亡生活の果て、彼を捜していたという宇宙海賊船「弁天丸」の船長「加藤茉莉香」に保護され、行動を共にすることとなる
茉莉香は彼女の亡き父である「加藤ゴンザエモン」と「無限博士」との間に交わされたという約束の謎を明かすため彼方を匿う
やがて彼方を追う組織の目的が無限博士が亜空間に残した遺産にあることに辿り着く
が、彼方と関わる者として茉莉香や弁天丸、やがては白鳳女学院ヨット部までもが謎の組織の標的となっていく・・・


上記した通り、原作には無い(というか時系列的には原作を追い越した)完全オリジナルエピソード
さらにテレビシリーズが持っていた魅力的要素を今作の中に全て詰め込んでくるという大胆な構成を無理なく92分に落とし込んでいます
流石の佐藤竜雄監督、『ナデシコ』以来の劇場版とは思えぬ働きぶりには感服です


また、テレビシリーズでは描写が解り辛かった【電子戦】をSD化されたアバターキャラの動きで可愛く魅せた試みはgood


キャラデザは竹内浩志さんから堀内修さんに変更
キャラの年齢が上がったことを意識したのか全体的に大人びた感じで頭身チョイ上げ、輪郭線スマートに、ムッチリ太腿、下まつげ強調が主な違いか


さらに劇場版らしいスペクタクル要素としていわゆる【ドンパチ】が描かれるのも本作の魅力の一つだと思います
遂に梨理香さんの本気が拝めますw


ドンパチに関しては本来の『ミニスカ宇宙海賊』シリーズの魅力とは離れるという指摘もあるでしょうが、この辺はアニメシリーズ独特の魅力として機能しているので本作にもそれが反映されるのは当然のことと感じております


また、わざわざOPにテレビシリーズそのままの「ももクロ」を引っ張ってきたのもまたアニメシリーズの特徴でありますし、好印象でした


モチロンみかこしの挿入歌、angelaとしょこたんコラボによるEDテーマも不服は無いのですが、強いて言うなればももクロまで引っ張ってきたことだしスクリーンで「Black Holy」を聴きたかった・・・ってのが個人的な本音ではあります(笑)


モーパイファン、スペオペファン納得の素晴らしい一作に仕上がったと思います
拍手です

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

天啓 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

海賊の時間だ!アゲイン

茉莉香たち弁天丸クルーと白鳳女学院ヨット部の面々が 亜空間ダイバー無限博士の息子
無限彼方を敵の手から救うお話

感想
前半は面白かったんだけどね
後半はなんか詰め込み過ぎてグダグダって感じだったね
劇場版で90分という尺じゃ、このシナリオは無理だったんじゃないかな
OPはTV版と同じモモクロ(個人的にはサビからラストあたりまでが癖になってる曲)

モーパイと言えば茉莉香のコスプレと電子戦でしょ
茉莉香の海賊衣装はやっぱりいいよね

電子戦ももちろんあったんだけど、結末うやむやだし
どうなったんだよ!?
敵の電子制御メッタメタにして敵があたふたしてるところまで描写して欲しかったな

TV版の登場人物ほぼ全員登場させたのは、ファンサービスで、その心意気はいいんだが
逆に尺を足らなくして、シナリオの足引っ張る形になっちゃってる
ちあきちゃん(ちゃんじゃない!)も出したけど、必要あったんだろうか?
なにより、彼方少年の掘り下げ不足から彼方少年を襲おうとする敵の行動原理が不明になってる。


{netabare}亜空間潜水艇が変形ロボって・・・おいおい世界観違うだろ!
オデットⅡとバルバルーサの合体って!? {/netabare}

このためだけにちあきちゃん(ちゃんじゃない!)出したみたいだね
なんか無茶苦茶だ

敵の艦隊とのバトルもどうなったか、不明のままだし

なんか中途半端感が大きかったな

モーパイの設定は好きな部分も結構ある
敵の組織の目的が営利目的で、経済の話を盛り込むところとか
結構好きなんだけど
敵の艦長の[サラリーマンの意地を見せてやれ!]は面白くて爆笑したけど
最大の黒幕がどうなったとかまでちゃんと描写してくれよって感じだった。
色々と不満で後味がすっきりしない作品だった。

まあ、茉莉香の海賊衣装と、[サラリーマンの意地」だけだったな

ちょっと酷評気味になっちゃったけど、モーパイは結構好きなんだ
だから、もっとしっかり作って欲しかったんで辛口にさせて貰いました。
続編もあれば 今度はきちんとシナリオ練りこんでやって欲しいな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

75.4 6 宇宙船で陰謀なアニメランキング6位
ソルティレイ Solty Rei(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (735)
4206人が棚に入れました
12年前にブラストフォールと呼ばれる原因不明の大災厄が発生した。これにより、多くの人々が一瞬にして亡くなった。
その災厄以来、行方不明になった娘を探し続ける賞金稼ぎの男ロイは、ある日、突然空から落ちてきた機械の少女と出会う。 災厄以降、心を閉ざしていたロイだったが、不本意ながらも少女と同居することになり、それを機にロイは少しずつ心を開いていく。
未登録市民のために盗みを働く義賊のローズや、ハンターズオフィスの所長ミランダとその娘カーシャ、リゼンブルマニアのユート、さらにこの都市の大企業であるR.U.Cを巻き込んで物語は少女と出会ったその日から、今までの生活は大きく揺れる。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

君は「GONZOの奇跡」を見たか?

西暦2000年代前半~中頃にかけて幾つもの感動作を世に送りだして「GONZOの奇跡」という評判を取ったアニメ制作会社GONZOの代表作の一つ・・・ということで、だいぶ前に私も視聴してみたのですが、

(1) 全24話で中盤過ぎに少し盛り上がったかな?と思った以外は、最終回を迎えてもそんなに凄い見どころがあったとも思えず、これは「外れ」を引いちゃったかな?と思って視聴を終えようとした、その瞬間
(2) 「あ!!!!」と叫んでしまう展開。

なるほどねえ、これが・・・噂のミラクル・・・。
評判は嘘じゃなかったんですね。

2005-06年の制作ということで、今見ると、西暦2010年以降に制作された作画もシナリオも余り隙がない本当の意味での「名作」「感動作」に比べると流石に色々と甘い部分が目立つのですが、それでも本作を確り最後まで完走することによって得られる「思いがけない感動」は、やはりそうそう何度も経験できるものとは思えません。

「GONZOの奇跡」というと、もう一つ、『カレイドスター』という作品の方が本作よりも有名かつ高名ですし、それはそれで私も当然の評価だと思いますが、同作は50話以上もある一大長編(プラス外伝的OVA複数あり)で、初心者がこれから見始めるには躊躇してしまう作品ではないか?と思うので、より気楽にGONZOの評判を確かめたい人は、本作の方を先に視聴してみるとよいと思います。

※なお、以下の各話評価は2周目時点のものです。

◆制作情報
{netabare}
原作          Shuzilow.HA、GONZO(企画原案)
監督          平池芳正
シリーズ構成・脚本   木村暢
キャラクターデザイン  Shuzilow.HA
メカニックデザイン   海老川兼武
音楽          大森俊之
アニメーション制作   GONZO×AIC{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= SoltyRei (2005年10月-2006年3月) ===========
{netabare}
第1話 オーロラの降る街 ★賞金稼ぎロイと全身リゼンブルの少女の出遭い
第2話 新しい朝。 ★ 12年前の大災害(ブラストフォール)、ミランダ所長護衛、R.U.C.警備局(プロシード)との接触、ソルティの保護者
第3話 青の少女 ★ ソルティの健康診断(ユート登場)、義賊アンダーソン兄弟の襲撃(ローズ登場)
第4話 friend ★ ソルティの初めての友達(迷子の少女メリル)
第5話 ウォーターサイド・パニック ★ ローズとソルティの接近、エメラルド争奪戦、アシュレイR.U.C警備部事業部長登場
第6話 愛娘 ☆ ロイの娘捜し、お尋ね者ヴィンセントと娘リタの事件
第7話 小悪魔の訪問 ☆ ローズのロイ宅来訪、ソルティ盗賊スカウト
第8話 リベンジ ★ 続き、ローズと仮面の男(アシュレイ)の出遭い、ローズの仇討ち
第9話 乙女達の休日 ★ プロシード4人娘の休日、ローズ&アシュレイの初デート、ソルティの手作り料理 ※日常回として◎
第10話 トレジャー&レスキュー ☆ ソルティ&ローズの地下都市閉じ込められ事件
第11話 バースデーゲーム ☆ 連続爆弾魔(ホゥ・チュウ)のロイへの怨恨、ソルティの鼻歌、ローズ誘拐
第12話 決着の果てに -na-mi-da- ★ 続き ※ローズが・・・というのはやや伏線不足×
第13話 distance  ★ ジェレミー(ユートの友人)の無謀な実験(ミニブラストフォール)、ローズ死亡?
第14話 心覆う闇のために… ★ やさぐれロイの暴言、ソルティ家出
第15話 たどり着いた場所 ★★ ソルティの介抱者ジョセフ&飛行機作りの少年ウィルとの出遭い、戻った笑顔と事故
第16話 冗談です、半分 ★★ ロイの立ち直り、ソルティの立ち直り、ローズ再登場
第17話 LADY ☆ ソルティ帰宅、プロシード新上司(ローズ)の実力、旧メンバー切り捨て・シルビア刺殺
第18話 おかえりなさい ☆ プロシード3名(セリカ/インテグラ/マキシマ)の逃亡、人柄の変わったローズ、セリカ銃撃
第19話 全員集合! ☆ ローズとロイ&ソルティの再会、アシュレイの計画進行、ロイのR.U.C.警備部乗り込み
第20話 訪レル災い ☆ アシュレイのソルティ(ディケ)接触・機能停止、インテグラのアシュレイ襲撃失敗、ジョセフの打ち明け(プロシード誕生の秘密、星への移民)
第21話 真実の刻 ☆ 続き(移民船)、エイウノミアの代行者R.U.C.、アシュレイの目的(ローズを使ったエウノミア・ハッキング)、ソルティの記憶回復、リゼンブルの叛乱、アクセラ暴走(移民船乗っ取り)
第22話 わたしと彼女と、少女の想い ☆ 続き(ローズvs.アクセラ)、移民船爆発
第23話 Final message(最後の言葉) ★ アシュレイの過去(移民船とR.U.C.設立、ブラストフォールの真実)、イルミナからの伝言、エウノミア停止、町の平静回復、エウレネ落下の危機
第24話 これから ★★ 続き、5年後、さらに時は流れて{/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)3、★(良回)11、☆(並回)10、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.1

OP 「clover」
ED 「Float 〜空の彼方で〜」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Return to Love♪

旧き良きアメリカンかな~フィリップマーロウとか、、、

2005年放送オリジナルアニメ
企画原案Shuzilow.HA&GONZO K.K 監督 平池芳正氏(カレイドスター、巌窟王等)脚本 木村暢氏 音楽 大森俊之氏
{netabare}
12年前、ブラストフォールと呼ばれる原因不明の大災厄が発生した。これにより、多くの人々が一瞬にして亡くなった。その災厄以来行方不明になった娘を探し続ける賞金稼ぎの男ロイは、ある日、突然空から落ちてきた機械の少女と出会う。 災厄以降、心を閉ざしていたロイだったが、不本意ながらも少女と同居することになり、それを機にロイは少しずつ心を開いていく。 未登録市民のために盗みを働く義賊のローズや、ハンターズオフィスの所長ミランダとその娘カーシャ、リゼンブルマニアのユート、さらにこの都市の大企業であるR.U.Cを巻き込んで物語は少女と出会ったその日から、今までの生活は大きく揺れる。~wikiより
{/netabare}
この世界って、、、何処だろう?
走ってる車や建物、一昔前のアメリカ風やら現代風やら、、

主人公ロイ、中年オヤジ主人公ってのアニメでは珍種かもだけど、
アメリカ映画だとけっこういるよね、過去イワクありげな渋い中年、
Philip Marlowe Humphrey Bogart Bruce Willis、、、、
幼女と中年といえばJean Reno主演のレオンってのもあったな、

主人公のロイ、一応タフガイ設定なんだろうけど、
なんか毎話危なくなる度ヒロインの謎の女の子に救われる、
ロイってのホントにタフなの強いの?
置いといて女の子の方はえらく強い、
主人公最強ならぬヒロイン最強だね、

この世界には人の身体の部位を機械化し強化する技術、
リゼンブルなるものがあり、ようするにサイボーグだね、
この女の子もサイボーグなのかな?
変わったヘアスタイルだな~、、、
ロイに付きまとう女の子、
ロイも助けてもらってばかりなんだから、
ジャケにせず仲良くしてやればいいのに、
[男は強くなければ生きられない、優しくなければ生きてゆく資格がない]
まあしかし結局ロイが身元引受人になり、
親子として一緒に暮らすことになりソルティって名前も付けてもらえる、
にしてもこのソルティって、、何者なんだろ?
{netabare}
4話で100%リゼンブル?って事判明するけど、
物語中世界でもあり得ない事らしい、
100%って事はサイボーグではなくアンドロイド、
消化器官もあるしバイオノイドかも知れない、
でも依然正体はナゾ、{/netabare}
主にクール前半は賞金稼ぎの中年と謎のアンドロイド親子中心に、
義賊的盗賊団の金髪少女ローズ(←けっこう重要なキャラらしい)や、
雇い主のお姉さん母娘等との絡みや事件話等比較的淡々と回は流れる、

本格的に物語動き出すのは11話以降で、
ロイやソルティにわりと大き目な転機と試練が訪れる、

この物語にも意図的伏線や布石的エピソードがあり、
後に回収という事にもなるのだけど、
話によってはイマイチ統合性にかけるもの或いは、
キャラの行動についての矛盾点等も垣間見えて、
この辺りは原作なしオリジナルアニメのアキレス腱かもだけど、
少し惜しかったかな、

ただ、

音楽についてはとある理由で見事だと感じた、
主題歌やBGMとしてではない、布石、伏線として、
旧いレコード、アナログ蓄音機?から流れるメロディー

「Return to Love♪」

物語中程でも重要な要素なのだが、
この曲が真に劇中キャラではなく観ている視聴者の心に響くとき、、、


前半わりとのんびり観てたけど、
中盤以降小説で言えばページめくる手が加速しだした、
次が気になる、この状態になればとりあえず、
この作品との出会いは私的正解ともいえる、
物語盛り上げるべく悪役の鬼畜性も増してくる、
{netabare}
快楽殺人ってより快楽爆弾魔?スピードって映画思い出したけど、
一番の悪役は謎のRUC(統合管理機構)部長ってことなんだろうね、
徐々に非人間性増してくる、もっとも人間かどうかわからないけど、
このRCU部長の部下の3人娘も序盤からわりと活躍してて、
物語の要所担うキャラなのかな?思ったんだけど悲しい担い方だったな、
{/netabare}
終盤物語の様々な謎や各キャラ起因のエピソード等、
事件と共に色々判明しつつ最終回に向かうけど、
一話からの物語の核としての謎、この世界は何?ソルティの正体は?
一応明かされはするけど、
この二つについてはもう少し丁寧な設定が欲しかったかな、

ラスト、大ラスについてはこの作品よく語られ、
これはアリだなと、異存ない処だけど、

私は「Return to Love♪」だった、

ここでかよ、、、

すなおにやられたと感じた。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

遠い遠い星空のもとで家族愛をうたった物語

この物語はSFを描いていますが、親子の愛をしっかりと感じます。
あなたも親子の暖かい愛情を感じてください。
最後はハッピーエンドとなる素晴らしい物語です。


物語は遥かはるか未来、ある惑星での出来事
12年前に『ブラストフォール』という大災害が発生して多くの人が亡くなり、さらに多くの人が重傷を負います。

主人公のロイは、犯罪者を捕まえて警察に売り渡す『ハンター』を生業とする荒くれた中年。彼はブラストフォールで行方不明になった娘をずっと捜していました。
ロイは娘が大好きで大好きで、死んだなんてこれっぽっちも思いたくなかったのでしょう。

ある日、ロイが凶悪犯から殺されそうになったとき、偶然空から落ちてきた謎の少女に助けられます。
その少女には過去の記憶がありません。自分の名前も思い出せません。
ロイは少女を養女として引き取り、ソルティと名付けます。
それからロイとソルティとのコンビによるハンター稼業が始まります。

やがてソルティにローズという友達ができます。
ローズは美しい少女ですが、荒くれのロイですら「親の顔が見たい」と言ってしまうほどの我儘娘でした。
やがてロイはローズの親の顔を知ることになるのですが…
{netabare}実は、ローズはロイが長い間捜し続けてきた娘だったのです。誰よりも大切な最愛の娘でした。{/netabare}


物語前半は一話完結の捕り物劇です。
ですが、第十二話あたりから大きな出来事が起こり、物語が急展開します。
ここからがこの物語の本編です。
長い間捜し続けてきた娘の死に直面したロイが、悲しみのあまり荒んだ生活に逆戻りします。

ソルティは懸命にロイを励ますのですが、ロイはソルティを見向きもしません。
(私だって、あなたの娘なのに…)おそらくソルティは、そう思っていたでしょう。
でもそんなことは一切口に出さず、ロイのために尽くします。
しかし、ロイは自暴自棄となり、ソルティが傷つくことをつい言ってしまいます。
{netabare}「お前に何がわかるというんだ。お前みたいな機械人形に!」
実はソルティはロボットだったのです。{/netabare}

そしてソルティも深い悲しみに覆われて、家を飛び出します。
このときの二人の悲しみが痛いほど私の心に伝わってきました。


やがて、時が経ち、この星の地下街がつくられた理由が明らかになります。
そして…、みんなが不幸になる事態が訪れます。

そのときソルティは、みんなの未来のために、ある決意をします。
それはソルティにしかできないことですが、とてもつらい決断でした。

このときロイがソルティに語った言葉が、心にしみます。
それは、不器用なロイが懸命に考え抜いて選んだ行動でした。

ロイは、ソルティのことを自分の娘のように愛していたのです。
ソルティだけを不幸にさせることなんて、できやしない。
ロイは、ソルティの幸せを…、娘の幸せを、誰よりも願っていました。


この物語は、まさに最終話(第二十四話)のエンディング後の最後の1分のために作られたようなものです。
決してエンディングの途中で見るのを止めないでください。
大きな大きな感動が待っています。

Openingは、meg rockが歌う「clover」 とても素晴らしい歌でした。
幸せはこの手で積み重ねてゆくものです。
待っているだけでは幸せは決してやってきません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41

71.2 7 宇宙船で陰謀なアニメランキング7位
月とライカと吸血姫(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (253)
749人が棚に入れました
世界大戦の終結後、世界を二分する超大国、東のツィルニトラ共和国連邦、西のアーナック連合王国は、その領土的野心を宇宙へと向けた。両国は熾烈な開発競争を繰り広げ、そして今――東歴1960年。共和国連邦最高指導者ゲルギエフは、成功すれば人類初の快挙となる有人宇宙飛行計画『ミェチタ(夢)計画』を発令する。そんな折、宇宙飛行士候補生の補欠、レフ・レプスは、ある極秘任務を命じられる。『ノスフェラトゥ計画』――有人飛行に先立つ実験として吸血鬼を飛ばす計画――その実験体、イリナ・ルミネスク を24時間監視し、訓練で鍛えろというのだ。レフとイリナ、人間と吸血鬼、監視役と実験体――種族の壁や国家のエゴに翻弄されながらも、宇宙への純粋な想いを共有し、2人は共に宇宙を目指すこととなる。

声優・キャラクター
林原めぐみ、内山昂輝、日野聡、小松未可子、木野日菜
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ちょと古い作りのアニメ。だがそれがいい。今期No1ですね。

 さて、本作は冷静に考えると、差別問題の解決の部分のストーリーが甘く、テーマという意味では期待外れかもしれません。もちろん、イリナとレフの頑張りが人の心を動かしたとのは読み取れますが、トップと女性のあの2人は政治的プロパガンダですからね。もう少しここの話に奥行きがあれば差別問題に関しては深まった気がします。

 ただ、です。本作は恋愛ものだと見た場合、あまりこの差別問題を中心にしてしまうと、尺からいって、2人の心理描写を省略したりセリフだけの恋愛ものになってしまったでしょう。ボーイミーツガール…2人の命がけの宇宙飛行そして命がけの恋愛が、差別問題解決への答えだったと思います。

 ちょっと古いタイプのラノベ的な舞台設定と物語に感じますが、それだけにストーリーにボディがあって、見ごたえもあり、何よりキャラがちゃんと活き活きしていました。
 
 古いと言えばアリプロジェクトに林原めぐみさんですからね。ゼロ年代感がすごいですね。古い言葉でいえば「だが、それがいい」ですね。

 アニメにとって作画は大きな要素だと思いますが、本作をみるとやはりストーリー、脚本、そしてキャラだと思います。本作はその意味では私にとってはですが、今年のTVアニメではブルーピリオドと並んでナンバー1かなあ。



以下 視聴時のレビューです。

 あらすじの吸血鬼という単語でちょっと敬遠していましたが、宇宙飛行士ものということで、なんとなく見始めたらまさかの出来でした。非常に面白いです。今のところ今期NO1ですね。もちろん継続視聴です。

 宇宙飛行士ものというよりもそれは物語の設定です。今のところ幹になっているストーリーは、差別される立場でもプライドと強い想いに基づく試練の選択をする吸血姫、そしてそれを支える落ちこぼれた優等生という、差別問題と人間ドラマの部分に注目ですね。
 ですので、気になるポイントは、吸血鬼全体の被差別問題まで行くのか。あるいはヒロインのアイデンティティの問題か、個人的な救済か。それは現実社会でなのか、命の捨て方による魂の救済なのか。または主人公の命がけの献身となるのか。恋愛の行方は?等々ですね。

 キャラデザは萌え絵の要素はあるんですけどちょっと写実が入っていて、物語の雰囲気とあっていてバランスが非常に良かったです。作画も丁寧だし、人も良く動いていました。

 で、7話です。 {netabare}まさか7話でここまでくると思っていなかったです。逆にいえば話の展開が早くて飽きさせません。宇宙開発もの的な詳細な話をばっさりとカットしたのが不満といえば不満ですが、そのおかげでテンポが良くなったのでキャラに感情移入しやすいのはプラスでした。

 吸血鬼が被差別民族のような感じで、命令を聞かざるを得ないヒロイン…という設定と主人公の関係をどう考えればいいんだろうと、初め戸惑いはありました。
 もちろんですが、主人公と心を通わせる展開になります。ただ、ゆっくりとエピソードを重ねながらなので自然と受け入れられます。その意味では4話が良かったですね。レモンの炭酸水をキーアイテムにしたのは良かったですね。吸血の設定もよく物語とマッチしていました。で、7話です打ち上げ成功…そして帰還と。

 そうですね。ここからが重要なテーマです。ヒロインがどうなるのか。なんか死亡フラグみたいなセリフが結構あったので心配ですが、一方で、この主人公ならなんとかしてくれるかも、という期待もあります。


 SF的にいえば、ロケットの技術的問題をどうやってクリアしたのか、という部分が根性論に見えましたね。
 ストーリー的には、吸血鬼の迫害からヒロインが宇宙飛行士に立候補するまでの心理描写が弱いこと、ロケットの研究所の研究者たちがいつの間にヒロインの心情的な味方になっている部分の描写が弱いです。ここがちょっと残念ポイントです。 {/netabare}


9話 とにかく話が面白いですね。宇宙飛行と恋愛。話の本筋が明確です。そして、テンポもいいし、ツンデレ具合がなかなか悶えます。 {netabare}白薔薇ちゃんもデレましたね。結構チョロくて笑いました。ここはもうちょっとなんかあっても良かった気がしますね。そして、ヤキモチ…ラブコメでした。{/netabare}

 後は人種差別問題ですね。ここがちょっとなあなあになりかけてるんでしょうか。それとも何かこれからあるんでしょうか。テーマ的な深掘りは、正直それほどでもない予感があります。

 ですが、とにかく見ていてこれほどワクワクするアニメは久しぶりです。吸血姫という設定と宇宙飛行競争。うまく組み合わせましたね。原作はとりあえず3巻まで買って寝かしてあります。



10話 こういうのが好きです。切なすぎる。

 設定とか作画とかがすごい…ではなく、話が純粋に面白い話っていいですね。ここまでダレるところ無しですね。

{netabare} お別れ前に何気ないデートをする。自分の死を覚悟して。もう切なすぎます。こういうストーリーできちんと恋愛感情の深さとか相手を思いやる気持ちを表現して、別れ際に笑うって…バス停のシーンとかもう涙なくしては見られませんでした。

 イリナちゃんの生存確率が上がってうれしい半面、政治的思惑の外的要因かあと、ちょっとそこは興ざめはありますね。ただ、レフとイリナががんばったから周囲の心を動かしたのかもしれません。
 最後は2人がどこかで会えるのか、心を遠くで通わせて終わりなのかわかりません。{/netabare}

 それにしても、いい話だなあ…。話の面白さなら2021年度TV部門ではNO1候補かなあ…


11話 恋も自由にできない国ではいけません。今時珍しい純愛ですね。

 そう恋も自由にできない国ではいけません。民主主義というのは欠点も多いですが、やっぱり人の気持ちが尊重されるという意味ではベターな選択なのでしょう。話が面白過ぎてこの辺りのテーマを忘れていました。

{netabare}  吸血鬼の差別問題はちょっと浅くなりましたが、2人の気持ちが痛いほど伝わってきてもうペンダントのシーンは涙失くしては見られませんでした。この差別と不自由の中で命がいつ消えるかもしれない状況で、せめて気持ちだけでも伝えたいという…もう苦しいくらい愛おしいです。{/netabare}本当に今時珍しい純愛ストーリーですね。

 暗躍する人々の思惑ではありますが、もうそういう些末なことはいいです。ぜひハッピーエンドでお願いします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

影で生きた英雄

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ジャンルは、恋愛、ファンタジー。

冷戦期の宇宙開発競争をモデルに、吸血種族「ノスフェラトゥ」が人類と共に月を目指す姿を描く作品。

林原めぐみさんが主演ということでも話題になりました。

1期で綺麗にまとまっている作品です。個人的には、一気見が似合う作品なのかなと。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1期の尺の中で、しっかりストーリーを作り、あれだけ綺麗にまとめてくれた。よほど、原作者とシリーズ構成が優秀なんだろう、と思って調べたら、原作者がシリーズ構成やってるのね。凄く良いカタチだな。

ラストは、これ以上ないほどのハッピーエンド。ベタですが、こういう綺麗事、大好物です(笑)

私は観点別の評価をしていませんが、もしするならば、ストーリーについては☆5をつけますね。これ、林原めぐみさんのインタビューの引用なんですが、

(全文は長いので畳みます) {netabare} 「ファンタジーなのですが、史実に基づいていて、ただただ吸血鬼の女の子の頑張る物語というわけではないぞ……と。人類がずっと続けている差別に対してのメッセージ性も感じたんです。ファンタジー要素満載なので、安心して読んでいられるのですが、もしこれが本当にどこかの国のどこかの虐げられた少女の話だとしたら、とんでもないことになってしまう。でも、{/netabare}この作品はエンタメとして、過去への攻撃ではなく未来への提示をしていると感じたんです」

というのには本当に共感して、最終回はそれがダイレクトに描かれてましたよね(まだ達成できていないことへの皮肉を込めてw)

一方で、それ以外の観点では☆4かな。

あ、声優さんには文句ないです。林原めぐみさんも、同インタビューの中で、

「 {netabare} 若い子がどんどん活躍している業界の中で、今の私がこの年齢の子を演じるのは老害ではなかろうか?と、正直、頭をよぎるところもありました(笑い)。自分のキャリアや年齢を考えた時に、この純真無垢(むく)な少女を演じることに、いろいろな意見もあるとは思います。原作を読んだ時、この子の人生の苦しみ、喜び、未来への思いなど彼女の複雑な背景を表現するために、かなり深いところまで潜っていく必要があり、心のひだの部分を託されたとも感じました。お手紙、原作を読んで、私が生きてきた時間と経験が役に立つかな?と思ったんですね{/netabare}」

とある通り、制作も演者も賛否あるのを覚悟してやってるし、イリナのキャラには一番似合う声優さんだと思うし、何より私は林原めぐみさんが好きだし(笑)

唯一文句があるとすれば、作画や演出ですね。大きな崩れというより、「これだけ良い原作に、この作画はもったいない」と思いました。

特に、3話の夜間飛行、4話のスケートシーン、8話の願い事、10話の夜のピクニック、12話の2人の邂逅などは、作画次第というか、こういう大事なシーンだけでも、神作画があればな~と。まあ、そこは監督も分かっていて、人的、予算的な問題だからどうしようもなく、なんか謎の演出で誤魔化していた感じですね。そこだけが、残念な作品でした。

wiki見たら、本作は第一部ということなんで、第二部、第三部とシリーズアニメ化されてほしい作品ですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ロシアとアメリカね。まあ、イクラはロシア語だからな(笑) やたら綾波だけど、綾波より感情豊かにやってるのは、わざとなのか、キャリアからなのか。

2話目 ☆4
牛乳が血液の代わり、なるほどね。高所恐怖症でかわいい(笑)

3話目 ☆3
そこまで作画が凄いわけじゃないのに、このファンタジーな演出は、ちと似合わない作品、作風かな。負けたくないの一心。

4話目 ☆4
憐れみには強く反応。ちゃんと棺桶で眠る(笑) 酔っぱらいは安定の可愛さ(笑) スケートシーン、変な効果なんかいれず、ここだけでも神作画で勝負できればな~。

5話目 ☆4
ちゃんと生かそうとしている。事故を目撃。

6話目 ☆4
吸血前に歯を磨くか聞くの、斬新だな(笑) ラブコメ展開は面白いが、あの、吸血時の謎の演出はどうなんだろうね。

7話目 ☆4
宇宙にいる間のやりとり、空気感はとても良かった。吸血鬼が寒さに強いことが生きてきたな。レフとイリナ、素敵な2人。

8話目 ☆4
ナショナリズムはあれど、良い人もいる。もちろん、そうじゃない人も。レフの訓練生復帰を喜ぶイリナ、良いな。新たな価値を生み出し続けないと、生きる権利を奪われるか。イリニャンさん、可愛すぎる(笑) アーニャも良いキャラだよな。「吸血鬼より、宇宙を飛んだ方に驚く」。確かに。どっちがレアかということか。ある意味、吸血鬼を越える存在な。だから、そのお願い事の謎演出やめろて。

9話目 ☆3
宇宙を「そら」と言うのは、当たり前のように使うのは、どうなんだろうね。なんか、昭和の演出? 恋敵? 

10話目 ☆4
この夜のピクニックも、作画次第だよな。

11話目 ☆4
そこで、イリナの言葉を繰り返すのは、素晴らしい。白黒の演出。アーニャ、悪い顔(笑)

12話目 ☆4
はっきり言ったな。エドモンド本田(笑) まあ、乗っかるしかないやな、全力で。むしろ、アメリカへの攻撃になったか。最後は、かなり綺麗にまとめたな。好きです、こういう綺麗事(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ソ連の宇宙開発を題材とした話

宇宙開発競争時代のソ連を舞台とした話。
史実に忠実な部分もあり、その上に"吸血鬼"というファンタジー要素を足した作品。

{netabare}
個人的にこの作品は6話までがめっちゃ面白くて、その先はまあまあ面白いという感じの作品だった。
序盤の訓練回がほんとに良かった。
重力への耐性を付ける訓練や暑さに耐える訓練など、専門的な要素があったのが良かったし、着地の訓練では高所恐怖症の改善とかそういった要素もしっかりと組み込まれており、丁寧さ・専門性がちゃんとしていて素晴らしかったと思う。

その上で"吸血鬼"という忌み嫌われたヒロインを国が国とは言えちゃんと人間のように扱う主人公に魅力があった。
6話ではヒロインのために自分が投獄されようとも立場が上なおじさんに歯向かったり、とにかく最近のラノベでは珍しく主人公がしっかりしていた印象。

その先は悪くはないけど少し失速したかな。
訓練は良かったけど、いざ打ち上げとなるとなぜかあっさり感があった。
まあ変な演出をあえて入れてないんだろうけどどこか淡々としすぎていた感じ。
レフが宇宙に行くまでの流れもイリナが宇宙に行くまでの流れに比べると少し丁寧さに欠けて、良いか悪いかと言えばいいんだけど、序盤ほどの良さは感じなかった。
決め回ほどあんまりだった謎作品でした。
なんというか、展開が予定調和すぎてそこまで面白みがなかったかな。
そんな感じで最終回まで終わっていった。

最終回で連合王国ではまだ吸血鬼は差別されているみたいな情報があったけど、この作品における"吸血鬼"は黒人とかユダヤ人のメタファーか。

基本的に話にこれと言ったダメな点はありませんでしたが、声優は正直酷い。
林原めぐみにメインヒロインは正直もうきつい。
声を張り上げたときの演技とか聞いてられなかった。
灰原哀みたいに完全に定着しているならまだしも、1クールの深夜アニメで若いキャラに林原めぐみを当てるのはどうなの。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆8
宇宙系最近だと珍しい。久々のアリプロ。
アリプロは当たりはずれが激しい。
ハンバーガーの皮肉面白いw ラノベなのに面白そう。
あくまで萌え寄りでやるのか。
まあ自分は萌えアニメの方が好きだからいいけど。
太陽に弱いのに宇宙行けるのか。
え、さっそく吸血鬼ばれしそうだがw
まさかの林原めぐみヒロイン。正直合ってない。
一般人にばれてはいけないだけでこの人らにはばれてもいいのか。
人気のなさそうなラノベのほうが面白いのはなぜなのか。

2話 ☆9
吸血鬼って言っても身体能力は同じか。
吸血鬼要素ってどこで活きてくるのだろう。
こういうラノベっぽい要素はいらないなぁ。
牛乳が血からできてるとか細かい知識が多いのがいい。
90℃とか耐えられるのか。
人と温度の感じ方同じらしいのに。
重力への対策とか専門的な内容がいい。
これマジで辛そう。
クールぶってるのに高所恐怖症なのかわいい。

3話 ☆8
処刑する意味あるのか?
少しずつ高所恐怖症が改善していく感じがいい。
ソ連さぁ...。
ラノベだけどラノベっぽさがあまりないのがいいな。

4話 ☆8
いやいややってるわけじゃないのか。
最初は無理やり連れて来られた感じかと思った。
このアニメに一つ駄目な点があるとすれば差別描写が中途半端なことか。
人間として扱ってる人の方が多い気がする。

5話 ☆9
ずっと訓練だな。見てはいけないものを見てしまった感。
成功率5割でも低いな。

6話 ☆10
ヴァニタスかな? 
爆弾を積むという秘密をイリナに隠す主人公もつらそう。
主人公がイリナのことを思っていてしっかりと魅力あるのもいいね。

7話 ☆7
ええ、主人公あっさり脱出かよ。
粛清w なんかあっさりだな。
この料理番組って実話なの?
そっか最終的な目標は月か。

8話 ☆8
N44への待遇良くなりすぎじゃない?
あくまで"実験犬に敬意を払ってるのと同様に"敬意を払う、こういうところしっかりしてるのがいい。
あっさりと別れちゃうのか。
次の目標を有人飛行にするというセリフでイリナが差別されていることが表現されているのもしっかりしてるなと。

9話 ☆8
なんか今回作画と言うか雰囲気おかしくない?w
ちょっと今回見てられんわ、この崩し作画嫌い。
うーん全然イリナと別でやってきた感が出せてない。
一か月もあってなかった感がない。x

10話 ☆7
日常回あんまりなんだよな。
なんか映画パートイリナの知性が下がってる気がする。
血を吸われたいって...w えぇ...。
決定遅くね? レフ選ばれなそう。選ばれた。

11話 ☆7
セルフ粛清。イリナの感想を言うのか。
やっぱこのアニメ決め回はあっさり感を感じてしまう...。

12話 ☆6
この作品、主人公の年齢がもっと高かったらよりリアリティが出て良かっただろうな。
無言演出 はい粛清
こんな大々的に発表するのか。
下手したら撃たれるだろこれ。
やりたいことはわかるけど持って生き方がかなり強引。
あって真っ先にすることがマントをかけるなのは良かった。
月へ行くという更なる目標を定めるのがいいね。
連合国では差別されているということはやはり吸血鬼はユダヤ人か黒人か? 

{/netabare}

曲評価(好み)
OP「緋ノ月」☆5.5
ED「ありふれたいつか」☆9
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

64.1 8 宇宙船で陰謀なアニメランキング8位
超電磁マシーン ボルテスV(TVアニメ動画)

1977年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (30)
132人が棚に入れました
角の有無が階級を運命付けるボアザン[9]星。ラ・ゴールは皇帝の甥(弟の長子)として皇位継承の資格を持ちながら、角が生まれつきなかった為失脚。妻・ロザリアとも引き裂かれて労奴に落とされるが、反乱を起こし、星から脱出。地球に落ち延びて科学者・剛光代に救われる。ラ・ゴールは光代と結婚して剛健太郎と名乗り、本編主人公となる三兄弟を儲け、浜口博士や防衛軍の岡長官と共にボルテスや基地ビッグファルコンの建設に着手。一方、ボアザンでラ・ゴールとロザリアとの間に生まれていた皇子ハイネルは、“裏切り者の子”と後ろ指を指され、皇帝ズ・ザンバジルへの忠誠を証明し実の父を倒すべく地球攻撃を決定した。かくてボルテスとボアザンの獣士との壮絶な死闘が繰り広げられる事となる。

声優・キャラクター
白石ゆきなが、曽我部和恭、玄田哲章、小原乃梨子、上田みゆき、市川治
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

にいさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!(誰もが予見できなかった最終回の真実・・・だと思う)

思い出話です。
コンVの後番組として放送されたボルテスⅤ(ファイブ)。
リアルタイム時は色んな理由であまりよく見てなかったのです。
・ヤリたくもない部活の為、宵時放送の本作が見れなかった。それでも早く帰れた時は何とか見れましたが、話数飛び飛びです。
・コンVとなんかシチュエーションが被ってあまり乗り気になれなかった。

乗り気になれなかった理由として、
・「ファイブ?ブイじゃないの?」と首をかしげてたら合体時のフォーメーションで「V、together!」と叫んでるのでさらに腑に落ちない気分に。周りで馴染みのないローマ数字に抵抗があったせいかもしれません。
・ワンパターン化した(今で言うテンプレ)ロボットアニでチープの様な気がした。[地球を襲う侵略者(ボアザン星人)→防衛する巨大ロボット(ボルテスⅤ)](無論、これは最初の偏見です。後悔してます。)
・ミッチー(堀江美都子さん)の主題歌が明る過ぎてロボ好きには熱くなれなかった。(悪いと言うわけでは無く希望を捨てず逆境に立ち向かおうとする歌詞は良いですよ)

しかし、創刊間もない某アニメ雑誌の記事やハイネル様人気の噂、飛ばしで見てても単話完結が多かったロボットアニメの中でドラマの部分が今までに無い伏線と、みょ~に重みがある感じは気にはなってました。(初めて見た2話の「あの人」の特攻は自分にはショックでした。)

熱血漢だが生真面目すぎる剛兄弟長男・健一。
キザな皮肉屋峰一平。
定番の太っちょで、薩摩訛り、剛兄弟次男・大次郎。
メカいじりが得意な剛兄弟三男・日吉。
何故忍者でお嬢様?甲賀流十八代目・岡めぐみ。
作戦侵攻が思うようにいかなくてキレまくるハイネル様とそれを慕うカザリーン。

そんなこんなで見ていると、主人公5人のうち3人の兄弟がボルテス建造後、行方不明の父・剛健太郎を思い、いつか会えると信じて戦う物語がベースになってるようです。後で調べて思ったのですが、剛健太郎の生きざまはピックアップしてみると大河ドラマが出来そうな感じがします。
{netabare}{netabare}{netabare}{netabare}
剛健太郎。実はボアザン星人で本名はラ・ゴール。

ボアザン星はヒューマノイド型異星人の星。角がある「特権権力の貴族階級」と角の無い「奴隷階級(殆ど普通の人間)」という厳しいカーストの王政がある星。幾つか侵略植民している星もあるようです。

ボアザン帝国第123代皇帝の弟、レ・オーラル夫婦の嫡子として生まれたラ・ゴール。
しかし生まれながらに角が無く、これが知れれば一族郎党「労奴(労働奴隷)」に落とされること恐れたレ・オーラルは息子を殺そうとするも妻の決死の嘆願によりラ・ゴールは「ツケ角」を付けて貴族社会で生きてゆくことに。
順調に成長していくも自身はボアザンの貴族制度に疑問を持ち、いつか平和で平等な社会を作れないかと思っていた。(良き人格者です)
若くして科学大臣になり政治にも影響力を及ぼせる地位になったラ・ゴール(キャリア組だね)は、美しい娘ロザリア(角アリ)と出会い結婚。ラ・ゴールの秘密(角無し)を知りつつも、それを受け入れて愛した素晴らしきお嬢様。

そんな時にボアザン皇帝が崩御(お亡くなりになられた)。皇太子は病弱過ぎて即位出来ないという事態になり、時期皇帝に挙げられたのが、
・皇帝の弟の嫡子【ラ・ゴール】(この時レ・オーラルは亡くなっていたかは不明)
・皇帝の妾腹の子【ズ・ザンバジル】
の二名が候補に。
かねてより政権の座を狙ってたザンバジル。ラ・ゴールの秘密を握り、それを暴露。一気に労奴に堕とされたラ・ゴール。無理矢理離縁させられたロザリアは地方に送られることになる(この時すでにお腹には・・・)。

ラ・ゴールは過酷な労奴生活の中、風の噂でロザリアの死を知り、花一つ手向けられない今の状況に怒りをおぼえ反乱を起こすも失敗。ボアザン星を脱出して地球に落ち延びる。

地球に着いた時は、かなり衰弱していたラ・ゴール。それを見つけて介抱した女性科学者・剛光代。ラ・ゴールの生い立ちを知りやがて二人は結ばれ三人の息子、健一・大次郎・日吉を設け、ラ・ゴールは「剛健太郎」と名を改める。

来るべきボアザン侵略の脅威に備え、剛健太郎・光代夫妻そして光代の恩師・浜口博士の協力により「超電磁マシーン・ボルテスV」と防衛基地「ビッグファルコン」を建造。

しかしボアザン星・植民星の労奴を憂いレジスタンス活動の為、光代と息子たちを残し地球を出発してしまう。そして光代は息子たちにボルトマシン(ボルテスⅤのパーツ機)操縦者の特訓を課せることに。(この時、健一・大次郎・日吉は父がボアザン星人であることを知らない)


そうして第1話から物語が始まります・・・
{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}

そして何故か見ることが出来て印象が強く残った最終回。敵地ボアザン星まで乗りこんだボルテスチーム。今やいろんんな所から前情報を知ることが出来ますが、そんな事が出来ないリアルタイムで見ていたオジサン・オバサン達は「あの事実」を知って、か~な~り衝撃的でした。これがボルテスを名作たらしめる一つの要因になってるハズ。

昔はレンタルビデオショップにも並んでたんですが今や有料配信か円盤を買わないと見れないのが残念(再放送も無いし)。いつか見直してみたいものです。(という事で鑑賞状況は【観たい】です)

【余談】
海外輸出で欧州では爆発的人気となった「グレンダイザー」ですが、某氏のレビューにもあったように本作はフィリピンの国営放送で子供に大人気。
しかし最終回間近に突如中止。フィリピンに進出する日本企業や革命を思わせる内容に当時のマルコス(独裁)政権やボルテス玩具をねだる子供の親が快く思っていなかったせいもあって(恐らくサクラを使って)「暴力的だ!道徳的でない!」とデモを起こさせたり、ボルテスの「天空剣」は先の大戦で進駐した旧日本軍の軍刀の象徴だと「阿呆」な宣伝報道をして(イヤ、どう見ても全然違うでしょ)無理くりに反日感情をあおって国民の不満を現政権の不満から目を反らそうとしてたようです。(「あの国」なんて、しょっちゅう政治不信・国政不信になるとスグ反日感情煽ってばかり)
後年 みごと革命が起きてすぐさまボルテスの最終回まで放送されたとか。(「ボルテスⅤ」を見せろー!とは言ってなかったでしょうが)
偶然と奇跡が起こした「アニメによる国の変革」としてジョークの語り草になってるようです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

天空剣Vの字斬り 超電磁ボールVの字斬り

長浜ロマン3部作と言われる3年にわたるロボット作品の2作目

1977年 全40話 製作日本サンライズ 
原作 八手三郎 監督 長浜忠夫 キャラデザ 聖悠記

前作コンバトラーⅤよりさらにストーリー性を重視したかった長浜氏は「父をたずねて三千里」という提案をしたという
対して東映側はお涙頂戴作品を回避するため、宝塚系超絶美形キャラ「プリンスハイネル」を提案し、単なる勧善懲悪ではない大河ドラマを要求した

ボルテスチームの設定資料によると、主人公の剛健一は15歳、岡めぐみは13歳とあるがあり得ない 両者とも20歳くらいの外見である
この作品は敵方であるボアザン帝国の描写が秀逸であり、革命の主導者ラ・ゴールが真の主役である

19話までの絵コンテに「とみの喜幸」という名が見られるが、もちろん富野由悠季氏であり、実質副監督副原案であったと言われる
ただし、ザンボット3の制作のため途中降板となる
第2話の衝撃的悲劇など前半は冨野節が見られることも特徴

14000光年の彼方、さそり座の球状星雲内にある恒星系の惑星がボアザン星
ボアザン帝国皇帝ズ・ザンバジルが絶対君主制を敷いている
地球よりはるかに文明の進んだボアザン帝国が侵略を開始した理由は、国内の不満のはけ口を外に向けるためで、ボアザン文化の伝播を名目に邪魔な貴族を異星侵略に派遣した

ボアザンの科学の地球への流入と最強兵器ボルテスⅤ、ソーラーバードの開発はリアルに描かれ見せ場ともなっている
ボアザン人と地球人は同じであるという設定も見えてくる

ボルテスチーム 郷3兄弟、峰一平、岡めぐみ
ボアザン侵略軍 プリンス・ハイネル、リー・カザリーン、ルイ・ジャンギャル、ド・ズール
対峙する戦力は全く公平に描かれ視聴者にストレスを与えない

時系列も複雑に入り組み、ボアザン人ラ・ゴールとその仲間たちと地球人の交流、そして愛と結婚も描かれる
 
当初予定されていたカザリーンの妹と剛健一の悲恋ストーリーはカットされたが、次作の設定に回されたと考えられる

東映プロデューサーである飯島敬はこの作品の物語についてこう語った
「身近にある様々な差別に対する怒りを強烈に引き出し、本作を通じて差別を憎みそれを是正することを視聴者に考えてほしかった」

本作の重要なキーとなったラ・ゴールの妻ロザリアは美しくもはかなく描かれ忘れられないキャラとなった人も多いと聞く

そして感動のラストへ
ハイネルとカザリーンの愛は!!!!
ハイネルに語りかけるボアザンの守護神ゴードルの声は長浜忠夫氏があてた

この作品がフィリピンで放送されたときは、マルコス独裁政権下で視聴率80%以上を記録し放送を中止したという
その直後にフィリピン革命がおこり、革命軍の象徴として担がれた

アニソンの女王堀江美都子が歌うボルテスⅤの歌 フィリピン人で知らない人はいないそうです
堀江女史がフィリピン政府の招待を受けた時にはすべての信号が青になるという最高の国賓待遇で大統領をはじめとする高官が出迎えたという
安倍晋三夫妻がフィリピン訪問時は少年合唱団がボルテスの曲を歌ったとも

★堀江美都子について若い人は知らないでしょう 
あしたのジョー、キューティハニー、宇宙戦艦ヤマトなど日本人なら誰でも主題歌を知っていました
しかし、それらは音楽とはみられていなかったのです
初めてアニメ主題歌がメガヒットして日本独自の音楽として認められたのは76年のキャンディキャンディ(堀江美都子)だったのです
レコード会社の社長曰く「日本に偉大な歌手が二人いる、美空ひばりと堀江美都子だ」(当時10代)ボルテスの歌はその半年後
この事実は隠蔽されました だから誰も知らないのです
こういった業界の意に沿わない存在はオタクとして卑下され、何か恐ろしい陰謀が起こったような気がします
日本独自の文化、それは外人が教えてくれたものだったんです★

アニメには人の心を動かす力があります
時によっては一つの国の運命をも変えてしまうのです

この作品はわたしのNO1のアニメですが、お勧めできるのかどうかいまだにわかりません

酷い雑文で申し訳ありませんが熱意だけでも感じてもらえたらと思い書きました 読んでいただきありがとうございます

★の部分を追記しました


ボルテスⅤの歌が不評??
天使の歌声堀江美都子は漢の歌に専念するためにキャンディキャンディを封印したそうです
イベントでのリクエストを拒否すると多くの客が帰りだしましたが、歌い続けたと言います

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

ちょま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

傑作ではないかもしれないが間違いなく名作

侵略宇宙人ボアザン星人が地球に襲来!現在行方不明の剛博士はすでにこれを予期し、秘密兵器ボルテスVを造っていた…その息子や仲間たち5人がパイロットとなり、地球の危機に立ち向かう!

実写映画公開に先駆けてyoutubeで無料公開されていたのを何とナシに見てみたら、おいおいこりゃ名作だ!
設定とかはスーパーロボットものらしい大味加減なんだけど、重要人物が退場したり新たな秘密が明らかになったり、ストーリー展開は目が離せないドラマの連続!敵陣営にも様々な思惑が交錯していてとにかく人物描写は濃厚。そう、濃厚なドラマなんだけどスーパーロボットらしい大味さ…このバランスが見事!昔のアニメらしい展開の早さもあって、気軽に見れるのに満足度が高い作品になっている!

個人的に気に入ったのが、パイロットメンバーが「任務の達成のためなら己を殺せ」みたいな、自分勝手に走らずチームワークを優先するシーンが多いところ。もちろん毎回がそういうわけではないけれど、個ではなく組織として立ち向かう、というのが好きな自分にとってすごくツボな要素だった。キャラ単体で見れば「熱血」や「ニヒル」といった定番キャラではあるが、濃厚なストーリーの中でこれもまたいい大味加減となってバランスが素晴らしい!

こういうこともあってロボットバトルの迫力を楽しむというより各キャラのドラマを楽しむことが多かったアニメだった。もちろんバトル部分も楽しめるし割と絶対絶命のピンチになるので「え、やべーどうすんの!?」とついつい見入ることもしばしば。いやぁ面白いなぁ。

全40話とちょっと長いが最終話まで様々な人間ドラマが入り乱れ、楽しさ・面白さいっぱいのアニメであった。傑作と言うには尖りが足りないかもしれないが名作であると間違いなく言える。大人こども関係なく是非とも見てほしい作品だ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

55.1 9 宇宙船で陰謀なアニメランキング9位
バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 2.6 (52)
146人が棚に入れました
宇宙からの侵略者・ネリリ星人を退けた人類は、太陽系全域にまで居住区を広げ、その繁栄を謳歌していた。その100年後──人類が熱狂するのは、神(しん)・大運動会!大学衛星と呼ばれるスペースコロニーに、太陽系の各地から少女たちが集結。宇宙一の座をかけて、様々なスポーツで激闘を繰り広げるのだ。最後に勝ち残った者は宇宙撫子(コスモビューティー)と呼ばれ、太陽系の女王の座に就くことができる。地球の少女・明星(あけほし)かなたは、幼い頃に交わしたある約束を果たすため、宇宙撫子を目指す。南極訓練校での予選を見事に勝ち抜き、大学衛星にやって来たかなた。そこで、かつて約束を交わした少女と再会を果たす。勇気と希望と誇りをかけた、少女たちの熱いスポーツバトルが幕を開ける!
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

スポーツを否定するためのアニメ

リステとのコラボイベントで存在を知り視聴
前作については見たことない

とりあえず1話だけ
{netabare}
舞台設定にもキャラクター設定にもシナリオ運びにも全くついていけない
古い時代のアニメの続きって理由からか悪い意味で古臭さを強調している印象が強い
というか古臭さを別にしてもただただ不親切で場面の転換が雑に思える場面が多い

宇宙規模の大運動会が開かれる世界が舞台ってのは突飛だけど問題ない
その大会に向けて地球出身の女の子が合宿に参加するのも理解できる
幼い頃に出会った女の子との約束を果たすことが目的なのも(描写が甘すぎて共感できないけど)わかる
でもそれらを繋ぐ全てが駄目

もう最初から言ってしまうけど、開始直後に大会の場で主人公がスタートを切る場面から
クラウチングスタートなのにスターティングブロックを蹴る動きが甘い
そしてスタート直後の場面からすぐ上体を起こしきって、しかもアラレちゃん走り
スタートの動きにも走る姿にも躍動感がないのは致命的でしょ
走る動きを描くのが難しいのは分かるけど、そもそも最初から下半身の作画から逃げるのは酷い
というか「運動会」だの「アスリーテス」だのを掲げるならアラレちゃん走りは駄目だろうと

周りにライバルになる選手が誰もいないのはイメージ映像なり地球の大会とルールが違うなりあるだろうけど、
一番大事にするべき要素のはずの競技中の動きを
「光の中にかっこいいポーズで消えるとおしゃれやん?」
みたいな雑な狙いで蔑ろにする時点でもう駄目
まぁそもそもアラレちゃんがかっこよくておしゃれだと思ってる時点でお察し

そして競技の様子が描かれる最中に登場する悪巧みしてる系のオッサン
これ登場させるタイミング明らかにここじゃないでしょ
この段階では運動会の概要もライバルキャラの姿も主人公の性格も説明されてない
本筋の運動会部分すら提示されてない状態で舞台裏を見せられてもただ置いてけぼりなだけ
「ぼくのかんがえたこみかるでかっこいいあくやく」を脚本担当が早く見せたくてしかたなかったんだろうなと
というか知らんオッサンが会議中にバナナ食ってるとか普通に笑えないでしょ
そういうキャラ造形のギャップは本筋がちゃんと存在するから笑えるわけ
何一つ説明されてない状況でバナナ大好きおじさんが登場することになにを感じればいいの?
古い時代のコミカルなノリを目指したのかもしれないけど、やりたいことと実際の姿の乖離が酷すぎる

そういう序盤の脇道(序盤から脇道作んなって感じだけど)を無視しても本編を詰め込みすぎ
芋農家の主人公が隕石の落下を目撃したと思ったら実は宇宙船で、
そこに倒れてた女の子からお願いをされて請け負って、
助けを呼びに行ったら女の子と宇宙船は消えてました

簡単に安請け合いすんなよとか
あの重量の芋を担げるなら芋降ろして女の子担いで行けよ命より芋かよとか
消えちゃったーもしかして夢なのーみたいな沈黙じゃなくて物証のリストバンドだせよとか
この場面から一気に時間軸飛ぶから約束に対する心情伝わってこねえよとか
もうなんか最初からツッコミどころが多すぎて頭抱えるけどこの辺はまだ良く出来てる
回想を終えて現在の時間に戻ってからが余計にキツい

ライバル兼友人キャラの女の子との初対面
身体的なハンデから親切心を同情と受け取って攻撃的になるって性格はいいと思う
天真爛漫な主人公と、素直になれない友人の対比が互いの成長を描く要素になりそう
だけどこの友人キャラが情緒不安定すぎて見ていて意味がわからない

周囲に攻撃的になったり、周りの目を気にして人間関係にやや臆病な部分があるのはいいんだけど、
それと同時に地雷を踏まれない限りフランクで誰とでも気軽に話せる様子のせいで感情の繋がりが見えない
1話なんだから常に敵意むき出しにするなり表面上フランクな性格を装ってるなり統一すればいいじゃん
数分おきに楽しげに笑ったり唐突にキレたりネガティブになったりって普通にやべーやつでしょ…
これも黒服バナナおじさんと一緒で、ライターが考えた設定を披露するのに必死でシナリオに落とし込むのを放棄してる

こういうキャラ描写の部分に限らず、この1話に関しては脚本の自己満足みたいな部分が多すぎ
バスを乗り間違えて最果てに行っちゃったとか、地元から芋を持ってきたとか、
そういう「古き良きコミカル主人公」みたいな場面については古臭いけど許容できる
でも、そういう主人公の性格を描くための描写よりも
「ぼくのかんがえたおりじなるてんかい」ばっかり注力して全体をぶち壊してる

最果てで道に迷った様子とか、脚力を活かして合宿所まで駆け抜けたとか、
主人公を描く場面は何故かカット
そのクセ上に書いたような脇道おじさんだったり情緒不安定ガールの場面を増やす
そして芋に関するいい話風の普通の話をしたあと腕相撲をしてもっかい情緒不安定ガール大爆発
トドメに宇宙船ガールに似た女の子と出会ったけど人違いでしたーでシメ

30分の尺に収まるわけ無いじゃん
というか芋トークとか腕相撲みたいな部分は2話に持ってくればいいじゃん
全体的に詰め込んで慌ただしい中でそれっぽい会話をしても結局腕相撲で流されただけ
キャラの交流に焦点を当てた回を作って、そこで友人の成長を描く場面としてこの会話をすれば印象も違ったはず
腕相撲したけりゃそういう日常回でやればいいのに、知らん人と知らん人が知らん人の立ち会いで勝負しただけになってる

腕相撲のログハウス云々は主人公の実力アピールのつもりだろうけど、それなら最果てから走るシーンを描けよと
主人公周りの設定は宇宙人要素以外は昔ながらのスポーツアニメっぽいから、
脚本家がオリジナリティ(笑)を出せなくて書くの嫌いなんだろうな
そのせいで脚力アピール出来る場面をカットしてまでつまらん腕相撲を挿入する始末

こんだけ脇道に逸れ続けた結果、運動会がどんなものかも主人公の特異な種目もなにも伝わらない
まぁ前作で運動会とはなんぞや?ってのを描いたんだろうからそこをカットするのはいい
古い作品なんだから予習前提にすんなって感じだけど、そこは自分の問題だし
でも主人公についての描写が芋大好きってこと以外伝わらないとか論外でしょ
なんなら陸上選手なのに体に負担がかかる量の芋を持ち歩いてるとか
不注意で転んだりぶつかったりするとかアニメ表現にしてもアスリート失格

というか一番致命的なのは「スポーツ」っていう盛り上がれる要素を軽視している点
走ったり飛んだりすればそれだけで魅力になるんだよ?じゃないとスポーツ中継なんてやるわけないじゃん?
なのになんで1話からイベント全部人間関係のトラブルなんかやってんだよ

例えばこれがトラブルを発端にレースが始まるならわかる
でも実際は腕相撲をしただけで、それだって「主人公が強すぎて腕が動かない!」って…
スポーツアニメの初っ端から作画枚数に配慮して動かない腕相撲なんかすんな
腕相撲にしてもせめて攻防の中で腕が震えるなりしろよ
序盤の走るシーンも上半身の動きが甘すぎるし、動かす気がないならスポーツを題材にしたアニメにしなきゃいいじゃん
{/netabare}

担当の頭の中だけで盛り上がってるような脚本
動きの描写を抑えるために上半身だけで走ったりピクリとも動かない腕相撲に終始する作画
見どころに関しては今の所ゼロ
リステコラボの義理でもうちょい見るけど、こんな感じが続くなら3話で視聴はやめる

2話視聴
{netabare}独りよがりが加速した脚本
とりあえずスポーツしろよ…なんで運動会をテーマにしてるのにほぼダイジェストなんだよ
制作会議中の思いつきをただずらーっと並べただけだからシナリオとして成立してない

寝坊した主人公が慌てて練習場に向かう途中、カンガルーに道を塞がれて云々の行
完全にいらないでしょ?まだ日常生活も日々の練習もなにも描かれてないんだよ?
これでカンガルーとバトルをしたり、トレーナーがカンガルーだったりするならわかる
でもコーチからは「カンガルーなんていねえよ!」って扱いでスルーされて本筋には絡まない
こっちはスポーツに励む姿が見たいのであって、登場意図の存在しないカンガルーなんか見たくもない

もしかしたら途中から話に絡むのかもしれないけど、その場合カンガルーはチラ見せでいいじゃん
寝坊して廊下を走ってたらカンガルーが佇んでたとか、そのくらいで十分
話に中途半端に絡ませたせいで完全に浮いた存在になっていて、登場したことがマイナスになっている

そして刑事みたいなヒゲのおっさんと、寄宿舎?の管理人みたいなおばあさんの会話
ここの内容はサブキャラじゃなくてメインの選手たちの会話で説明しろよ…
テロが起こったとかは流行りの「粉もん屋」が一時閉店してて悲しいとかいくらでも会話に差し込める
なにより月で抗争が起こって云々とかはそれこそ今回当番の二人に触れてちゃんと説明するべき

というか選手同士の顔合わせと会話の場面なんだけど、なんで走らせてるの?
走る前の準備運動とかストレッチの最中に会話させればいいじゃん
太陽系で1番を決める大会に向けた練習なのにダラダラお喋りしながら走るって馬鹿でしょ
黙々と走った選手が息を乱していない様子を見て、
「このペースで走って平然としてるなんて……」
とか言ってるけどそりゃお前ら全員お喋りして自分から呼吸乱してるんだから当たり前だろと
場当たり的に適当なシナリオを組んだせいで説得力がなくなってる

本来なら
ストレッチをしながら互いに自己紹介をして、
その中で険悪な二人組を目にして月の話に広げていって、
タイム計測をする際にそれぞれの心理描写として一言ずつ熱意を語らせて、
そんなキャラたちを追い抜いて余裕を見せる白髪キャラの実力をアピール
みたいな流れじゃないと駄目でしょ

テロだの月だのの話と選手たちの様子が別々に語られてるせいで何度か戻して台詞を聞き直さないとよく分からなくなった
そもそもテロに関する話や月の状況についての説明の場面は関連する絵をちゃんと見せろよと
会話をするときはずっと会話をしてる人物だけを映してるせいで、耳に入る情報だけで場面整理をしないといけない

というか月の抗争は断片的すぎて何もわからないし、テロについては多分今後の軸になるからまだ語られてない
そのせいで会話の内容と関係のない映像を見ながら必死に声だけに集中したところで、
「あーなんか語られてないけどなんか大変なことがあるんだなー」
以上のものが伝わってこない

伝わらないだけなら(十分問題だけど)まだ許せるのに、今回の話は月のドロドロとそれを扇動する武器商人の話じゃん?
商人の娘はともかく、月の代表選手に関してはどういう立場で抗争に関わってるか分からないのにメインになってるから、
「商人の娘とよく分からん立場の女の子がよく分からんイザコザが原因で喧嘩してる」
以上のものが何も語られない
立場を超えた友情みたいなそれっぽいテーマを描きたいのは分かるけど、それを描く情報も積み重ねもないんじゃ論外

その辺の雑なトレーニングシーンを終えたら悪役3人組のシーン
やっぱコイツらいらんなぁ
後半あたりこの人達の陰謀が原因でなにかトラブルが起きるんだろうけど、
本筋の「運動会」部分が描かれてないんだから今は蛇足でしかない
そんな蛇足連中が人質つかって女を脱がせて、しかもその裸は描かれないって何を楽しめばいいの?
別に裸を見たいわけじゃないけど、何一つ見せ場もないのに登場して陰謀やられても笑いすら起こらない

そういうよく分からんシーンが連続した後ようやく競技シーン
ランニング関係ないやん…それなら競技内容に合わせた練習にしろよ…
内容的にはトラブルに耐えながら協力して勝利を掴む的なやつ
ただ、その描き方があまりにもおかしい

起こるトラブルは友人の義肢が壊れるというもので、それ自体はおかしくない
ただ、友人との時間の積み重ねが足りないこととウォームアップから不調だったことが問題
特に義肢のトラブルを感じさせる要素がないまま本番前の肩慣らしで壊れたせいで、
単純に義肢のメンテナンスを忘れていただけに見えてしまう
そのくせいざ試合中に壊れたら「なんとかする!」なんて努力アピールされても、
試合に向けた体調管理っていう努力を怠っただけに思えて白けるだけ
というか協力して勝利を掴むならまだしも、結局手足が壊れた友人は放置して主人公が勝利を決めるのは…

義肢のトラブルがあるのはいいけど、それを描くならもっと展開を積み重ねないと
Aパートを二人の練習で費やして、その際にメンテ技師の到着が遅れてるとか描きようはあった
展開の作り方が雑な原因はやっぱり脇道の部分が多いせいで、メイン二人を差し置いてまでサブの当番をやったせいでもある

主人公チームとサブキャラチームの人間関係の対比をしたかったのはわかる
ただ、情報や人物を詰め込みすぎたせいでどちらの描写も中途半端になった
その上試合中に義肢が壊れたせいでサブキャラの問題には主人公だけが関わることになって主軸がブレる始末
というかお節介焼きキャラを表に出したいならちゃんと主人公の振る舞いを描かないとなおさら駄目
荷物持ちと腕相撲の代理しただけだから言うほどお節介描写はない

もっと根本的なことを言うと試合の対戦相手はモブキャラじゃなくて当番のコンビニするべきだった
友情を深める二人と足を引っ張り合う二人を対比的に描いて、そこから問題解決に繋げるべき
そうすれば試合をダイジェストにせずしっかり描ける部分もあったはず
全部をバラバラの場面で描いたせいで全部が断片的になってしまって、結局全てがダイジェストみたいな扱い
このアニメがなにをテーマにしているのか、ちゃんと整理してから脚本に直さないとどうしようもない

あと、作画がぎこちないせいで相変わらず躍動感がないのはいいけど、音響もなんかおかしい
不親切な説明台詞が多くを占めるアニメなのに、その台詞を隠すような音量のBGMで集中ができない
ついでに挿入歌のアレはなんだったんだろう…絶対に必要なかったよね?
各々が好き勝手やった挙げ句すり合わせをしてないんだろうなって印象がますます強まった

3話見るの本当につらい…
{/netabare}

4話まで視聴
{netabare}お遊戯会の外側ばかりが盛り上がってるシナリオ
3話に関しては次の競技に向けた合宿をしよう、という内容
ちょっとだけ良い点があって、それは扉をノックする場面の作画

2話では台詞(口パク)と腕の動きが連動しておらず、一音ずつ言葉を区切った喋り方と連打するノックが噛み合っていなかった
これがきちんと改善されていて、ノックに合わせて大声を出して相手を起こす動きが改善されていた
…そもそも共用スペースはほとんど使わず寝る時は一人部屋ならルームメイト設定いらんやろとか、
直後の様子から部屋に鍵かかってないのが描かれてるんだし中に入って起こせとか根本的な部分でアレなんだけど

細かく場面ごとに書いてたら終わらなくなりそうなのであとはザックリいくけど、
結局この制作陣ってスポーツアニメを書かされるの本当に嫌だったんだろうな

競技や練習のシーンはほとんどダイジェストで尺を抑える良質な脚本
種目についても作画の負担をしっかりと考えた素敵な内容ばかり
手足の動きが曖昧でも通用する無重力ドッジボール
体の動きは揺れと髪の動きだけで済むパラグライダーとハンググライダー
下半身を描かず手だけ動かせばいい水泳
手足の動きは固定で背景を動かすだけで伝わる崖登り

もうね、天才かと
ドッジボールは点数の推移がないダイジェストで、キックOKルールのせいで当たり判定が曖昧
空の種目は手の動きも体重の移動もないまま突然グライダーが加減速して上下動までできる謎エンジン仕様
水泳は息継ぎせず口から下だけ水中に入ってる拷問のような泳ぎ方で下半身は動かない
崖は手で掴む部分がない平坦さで手足の動きより明らかに速い速度でスライドする不思議な壁
汎用の走る動きも背景の速度と手足の動きがあってない謎の平行移動
もう「大運動会」を名乗るのやめちまえよって感じ

じゃあこれで脚本家肝いりの陰謀パートがちゃんとしてるかっていうと全然駄目
悪役3人組のあのゴリラは陰謀パートの空気感を壊すだけで何の役にも立ってない
この人達は本当にマイナス要素以外のなにも存在してないし、ウホウホやられても笑えない
せめて1ミリくらいは考えてキャラを配置してくれって感じ

あと、刑事の車に爆弾が仕掛けられてて死んでしまうかも…ってシーンを2話で見せるけど、
そもそもOPに登場するキャラが活躍する前に爆死するとかあるわけないじゃん
というか出演時間5分もないキャラの爆発シーンでED入ろうが
「このあとが気になる!続きが早く見たい」なんて思うわけないでしょ
そして4話でもまた同じ爆弾で同じ用に車を爆発されて、更には爆弾をボンネットに乗せた車に突撃される

ワンパターンなのがコミカルだとでも思ってるの?んなわけないじゃん
そもそも内戦だテロだ太陽系の支配だってやってるとこをギャグみたいにする意味が分からない
つーか爆発前にアラーム鳴って警告してくれる爆弾とか舐めすぎでしょ
刑事のおっさんがいくら格好いいこと言おうが全てが台無しになってる

スポーツ要素はシナリオも作画も全てが適当
陰謀要素はコミカル演出を混ぜてるため台無し
内戦がどうしたって内容は実際の様子を一切語らないから興味もわかない

ついでに言うと画面効果も音響もおかしい
OPの一部もそうなんだけど、暗い画面を作るときに単純に画面全体の明度を下げてるでしょ?
例えば1話でかなたがショックを受けるシーンとか、普通は背景だけ暗いのに差し替えるなりするはず
それを何故か画面全体の明度を下げて視認性を落とす意味不明な効果の付け方をしている
OPにしても文字やキャラが連続で表示されるシーンの一部だけあからさまにフィルターの掛け方間違えて暗くなってる
音響についてはボリューム調整の意図がよく分からない
台詞と同じくらい大きいこともあれば、挿入歌なのにものすごく小さく、遠くで流れててほとんど聞こえないこともある
街の遠くの店で流れる音楽とかを演出したいのかもしれないけど、そんなとこに挿入歌いれる意味ないでしょ
「なんか歌声っぽいのが聞こえるけど気のせいかな…」と思ってたらEDに挿入歌のクレジットが入っててドン引き

作画や脚本は手を抜きたいとかスポーツなんか嫌いだっていう(最低なりの)意思が見えるけど、
画面効果と音響周りに関してはそれすら感じられなくて最早怖いまである
本当に全てにおいて出来が悪いんだけど、虚無アニメと違って感情が揺さぶられるだけ見れてしまうのが困ったところ
この調子なら全編低評価なまま最後まで見てしまうかもしれない…
{/netabare}

6話視聴
{netabare}輪をかけて酷くなる内容
5話に関しては開幕からずっとギャグシーンの連発だった
種目に合わせた練習をするシーンが全然ないから説得力がない…のはもうどうでもいいや
それより笑ったのは義肢のビリビリ

生体パルスの逆流が起きたって言ってたけど、書いてて自分で違和感なかったのかな?
義肢に向けた脳からの信号が上手く伝達せず、不具合が起きるのはわかる
でも生体パルスが体全体を覆うほどの放電現象として視覚化されるって……
金星人ってもしかしてみんなシスの暗黒卿だったりするの?放電が起きた瞬間腹抱えて笑ってしまった

レース内容に関しては意味不明
ゴールが動いてるのはいいとして、いつ海面に浮上するか分からないクジラを扱うのはちょっと…
で、エヴァは一度クジラを撃つのを躊躇うんだけど、二回目の場面を見るに躊躇う要素全く無いよね?
クジラを撃つって状況自体が色々アレな要素を孕んでるからマイルドに描写したんだろうとは思う
でもそれならクジラなんか使うなと、機械式で定期的に浮上する潜水艦を使えと

エヴァがクジラを撃つのを躊躇って、それを受けて「優しさがある」と黒幕がキャッキャする場面を作りたかったのは分かる
でも、それは義肢の故障を見てオールを漕ぐ手が止まるとかでいいじゃん
出す意味がないクジラを登場させて、批判が怖くて描写は逃げて、そのせいでシーン自体の違和感が生まれる
なにかの風刺のつもりだったのかもしれないけど、とにかくダサいって印象

その後は全部蛇足
医療班はあのロン毛しかいないのかとか、
義肢のメンテは選手だけでやってんのかとか、
アスリートの宿泊施設に治療設備がないってどうなってんのとか、
参加中の競技なのにエントリーし直しとかあるかとか、
エントリーするにしても普通電話だろ直接本人が窓口に行くわけねえよとか、
病院ならタクシーの用意なり大会スタッフが車を用意するなりあるだろとか、
シーン全てその場のノリだけで構成されてるので、ギャグとして以外に見どころはなかった

これが終わっての6話
正直感動した
まさか腕立て伏せを描くなんて!このアニメがスポーツ物だって認識がまだ制作陣にあったなんて!
しかもランニングまでするとは!クジラみたいな意味不明シーンでもなきゃスポーツ要素は描かないと思ってた!
話の内容はろくでもないし、運動の描写も甘いけど描いてるだけマシに思えるんだからすごい

この回で気になるのはエヴァの前に現れた女の子
よく似た顔立ちで、無表情なまま感情の起伏を見せない
ロン毛も「次のレースで1位になれないなら…」と思わせぶりな様子をみせてる
そしてメガネちゃんが言っていた「デザイナーズチャイルド」という言葉

これらから普通に考えると、あの少女はエヴァと同一の遺伝子を持ったスペアという疑惑がある
ただ、ここで問題になるのが謎の少女の容姿について

髪の色どころか瞳の色すらまったく違う……
同じ遺伝子から同じように身体能力を伸ばすよう調整したのに、形質に決定的な違いが現れるのはないよなぁ
もうエヴァはメディアで注目選手として話題を集めていて、姿は映像に残っている
そんな人間のスペアを作るのに瞳の色が違うって普通ならありえない
だからきっとあの子は人質の少女ってことだろうなぁ
決してキャラデザの時点で設定を忘れて色違いを作ったわけじゃないんだろうなぁ

ヤナに関しては割とどうでもいい
月の大会の顛末がそもそもユシルの自業自得だし、リディアとの関係性も固まっている
そんな状態から何話もこのネタで引っ張られてもついていけないってくらいの感想しかない
そもそも脇道でこういうことやられても重要性が低いのが分かりきってるから気にもならない

あとはメガネちゃん誘拐
そこは誘拐じゃなくて遺伝子操作技術を巡っての取引と裏切りでいいじゃん?
中途半端に変化球を入れようとした結果、また脇道で大事が起こってしまった
そもそもエヴァの情報を仕入れるとロン毛の素性がわかるってデータベースの整理整頓が出来て無さすぎでは…
というかロン毛とMIBモドキが立ち話してるだけの場面を画像に残してるってどういう意図があるんだよ
現状だとロン毛が本筋に関わる要素がないから無理やり結びつけたんだろうけど、
それにしたってやり方が雑すぎて繋がりが突飛になってる

肝心のレースに関してはまぁ予想通り
主人公たちは優勝を目指してると言いつつやる気はないので、
スタートの合図が鳴ってからお喋りを始めるのが当たり前になってる
この辺は今までの話の中で競技よりお喋りを優先している様子がずっと描かれていたので、しっかりとした説得力がある
……本来あってはならない部分に説得力なんか持たせんなって感じだけど

あとは中継のカメラがある中で姿を表して道を爆破して壊すのはギャグかな?ってくらい
いつになったらこのシナリオに「整合性」って要素がでてくるのかが現状一番の楽しみ
{/netabare}

最終話視聴
{netabare}いやぁひどかった!もう清々しさすら感じるほどに全てが悲惨だった
展開が纏まっていないどころか、ただの会話すら微妙に噛み合ってないズレた返しとズレたテンポ
ファンサービスにしても若い頃からまともな変更もしてないせいで髪型が痛々しいお婆ちゃん
武器商人のトップが変わるだけでアッサリ集結する月の内紛
通信越しでしか会話をしていない末端を捕まえただけで本拠地がバレるガバガバ秘密組織
全部ギャグのつもりかも知れないけど、ギャグにしたってもうちょいちゃんと展開を組み立てるでしょ

そして競技シーンに関しては結局どういうルールで選考が進んでいたのか最後まで不明なまま
それどころかメインキャラの活躍(というか失敗集)が静止画でのオールダイジェスト
というか終盤の競技は個人の種目をそれぞれやってるだけで、運動会として成立していない
加えて選手兼医療スタッフの眼鏡が何故か解説役をやっていたり配役すら適当

というか全体的にキャラの個性や役割が一面的すぎていて掘り下げがない
特に義肢の子が顕著で、どんな種目に参加しても「義肢のメンテができてないから」以外に何も言わない
リディアとヤナは二人でいちゃつくだけで、競技的な意味での活躍は特にない
かなたは何を聞いても明るい…どころか他人がどういう状況だろうが何も感じないサイコパスになっている
セヴァが強いというだけならまだしも、生命の危機にあるから助けてあげてと請われても笑い声を上げるのは流石に…

最終的に残った感想は「光ったら勝ち」というだけ
競技に勝てるってだけじゃなくて、光らせることで動きの作画を省略させられるから製作的にも嬉しい場面だったろうなと
もうジャンプしても走っても全部「すごいシーン=エフェクト」の図式でばかり描かれている
スポーツが嫌いな人がスポーツを貶めるために作ったと思えば一貫した素晴らしい演出だった

決勝戦のレースに関しても、ゴール判定がつま先にある始末でもう笑いすら起きないレベル
今までと違ってハッキリ競技内容が定まっている短距離走で、なんで基本ルールすら間違ってるんだよ
その直前の無重力ビリヤード(重力あり)でもう心が折れかけてたけど、現実の競技すら描けないのはただの勉強不足
「どういう種目にするか」「選んだ種目をどう描くか」すらろくに検討していないのが丸わかり
陰謀をメインにするは百歩譲って許すし、スポーツが余計な脇道なのもいいけど、脇道なりにちゃんと描かないと台無し

こんなにスポーツが嫌いなくせに最後だけ取ってつけたように「スポーツと政治は分けよう!」とか言っちゃうのもダサい
それまでずっとスポーツを否定するような展開ばかりに執心してたのに、最後で日和って誤魔化すのは本当にかっこ悪い

内紛・黒人・クジラ・クローン・政治介入のようなネタでスポーツを愚弄し続けて、選手もそれを乗り越えようとしていない
それなのにリストバンドで告発したら一発ですべてが解決してスポーツ最高!みんな素敵!なんて説得力がない
{/netabare}

スポ根のくだらなさと陰謀と戦う刑事の強さ、クローン技術は万能ということを描くためのアニメ
これをスポーツ物だと思って視聴するのは製作側の意図に反する行為だと思う
「運動会ってタイトルで、走る姿が描かれてるからきっとスポーツと無関係な陰謀モノ!」
と正しく推測できる人だけが視聴すればいいんじゃないかな
……それがどれだけの数いるかなんて知らんけど

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

走れ少女たち!

この作品は、1997年から1998年にかけてOVAやテレビアニメが放送されていたそうです。
今回の作品のタイトルが「ReSTART!」であるのも、きっと前作が影響しているのでしょうね。
あ、1997年から1998年ころの前作はOVA、テレビアニメ共に未視聴です。

まず、この作品の凄いのは声優さんの布陣です。
主人公の「明星 かなた」役にすみれちゃん、そして主人公と競い合うキャラを演じるのが、石川由依さん、とみたん、はやみん、あかりんって凄いですよね。

唯一知らなった南條ひかるさんは、この作品がテレビアニメのデビュー作だとか…
周りには旬な声優さんだらけの状況って、きっと緊張したでしょうね^^;


宇宙からの侵略者・ネリリ星人を退けた人類は、太陽系全域にまで居住区を広げ、
その繁栄を謳歌していた。

その100年後――

人類が熱狂するのは、神・大運動会!
大学衛星と呼ばれるスペースコロニーに、太陽系の各地から少女たちが集結。
宇宙一の座をかけて、様々なスポーツで激闘を繰り広げるのだ。

最後に勝ち残った者は「宇宙撫子(コスモビューティー)」と呼ばれ、
太陽系の女王の座に就くことができる。
地球の少女・明星かなたは、幼い頃に交わしたある約束を果たすため、宇宙撫子を目指す。

南極訓練校での予選を見事に勝ち抜き、大学衛星にやって来たかなた。
そこで、かつて約束を交わした少女と再会を果たす。

結城と希望と誇りをかけた、少女たちの熱いスポーツバトルが幕を上げる!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

はて、ネリリ星人…?
と思ったら、前作の設定が踏襲されているみたいです。
何でも前作では「ネリリクイーン」なる者が登場し、スポーツ勝負による地球侵略を企んでいたそうですから…

きっと、前作を見ていたら縦横の繋がりを感じるんだろうなぁ…と思います。
だから、続きから見るのは勿体ないんですよね…

物語の方は、大運動会の裏で蠢く怪しげな組織が、何やら陰謀を企てているようなのですが、どうやら、この作品でも純粋にスポーツを追い求めていない輩が登場してきました。

スポーツと政治…とまでは言いませんが、スポーツと競技団体の癒着は何度かニュースでも話題になりましたし、今まさに巷を賑わせているオリンピックも、IOC収入の約7割を占めると言われているテレビ局への放送権料を巡る忖度が、オリンピックを決行させた理由などと取り上げられています。

人類にとってスポーツは、もう利権なしでは存在し得ないのでしょうか。
一番可哀そうなのは、目標を持ってトレーニングに励んできたアスリートの皆さんです。
競技自体、ましてや、選手には非は微塵も無いのにヤリ玉にあげられた結果、翻弄されますので…
もしかすると21世紀に入る前から蔓延していたのかもしれません。

この作品でもそんな輩が絡んでいなければ、競技の展開も結果も全然違うモノになっていたかもしれない。
この作品では、現実世界以上にアスリートは翻弄されていましたから…
そういうのが本当に残念で仕方ありません。

ですが、物語の展開としては王道だったのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、諏訪ななかさんによる「コバルトの鼓動」
エンディングテーマは、近藤玲奈さんによる「桜舞い散る夜に」

1クール全12話の物語でした。
声優さんの演技にだいぶ背中を押して貰った作品だったのではないでしょうか。
アニメーション制作は、「アニメーションスタジオ・セブン」さん。
ググってみると、これまで30分アニメを制作した実績は「王様ゲーム The Animation」と「京都寺町三条のホームズ」の2作だけのようでした。
幅広いジャンルの作品を手掛けているようですが、今後も実績を積んで日本のアニメ業界の底上げに寄与できる会社になってくれることを期待しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

ももも さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

リメイクかと思ったら続編だった…

1995年、「エヴァすげーよ!(´・ω・`)」と個人的にエヴァで初めてオタク的にアニメにハマり、アニメ全てが楽しくてしょうがなかった1997年に放送されていた「バトルアスリーテス大運動会」。

内容はガチ目の萌えスポ根で、そもそもキャラデザが「美少女アニメ」から「萌えアニメ」に変わってきた初期の辺り、多分「萌えスポ根」のパイオニアが一期だったんじゃないかと思ってます。

第一作では主人公あかりの親友でありライバルのいっちゃんが(以降一期のネタバレ){netabare}、自分を慕って普段から後ろをついてくる主人公あかりに負けそうになり、「あかりと親友でいたい、絶対に負けるわけにはいかない」という想いが瞬間的に爆発し、結果としてアクシデントが発生し、開放骨折という大怪我を負ってしまう…という萌え百合な関係性と超シリアスなスポ根が混ざった展開が序盤で繰り広げられ、そこからドハマリした記憶があります。
後半20話近くからいわゆる超展開になりドン引きしたのももはや遠い思い出です…w{/netabare}

そのリメイク(?)が作られるとの初報があったのが2020年秋。
楽しみにしてたんですが、最近ウマ娘にハマってしまい「萌えスポ根(ガチめ)として大運動会のが先輩だけど、どう考えても同系統でウマ娘のほうが洗練されている…大丈夫か」と大きなお世話的な心配をしてました。

で、ReSTART一話です。
舞台は前作の100年後。主人公の「明星かなた」は一期の「神崎あかり」と名字も違い、関係性が明らかにされていません。見た目かなり似てますが。
他の登場人物は全て一期のキャラクタの末裔?っぽい感じですが、多分これは「あのキャラが!」的なファンサービスな関係性で、ストーリーには絡んでこない気がします。

またスタッフ面でも、一期のメインシナリオライターであり、ノベライズも書いていた倉田英之の名前も無し。
つまり多分、世界観だけは一緒の全くの別物であると思われます。
出来は可もなく不可もなく。
前作のファンだった者として、過剰な期待はせず見続ける所存です。

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積みアニメの棚整理。
多分この先も見ないので断念。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
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